高選択的 Rhoキナーゼ阻害剤
技術分野
[0001] 本発明は、高選択的 Rhoキナーゼ阻害作用を有し、高血圧症、肺高血圧症、脳血 管攣縮、狭心症、心不全、動脈硬化症、緑内障、排尿障害、喘息、及び勃起不全等 の疾患治療薬として有用な化合物及びそれを含有する医薬に関する。
背景技術
[0002] 低分子量 GTP結合タンパク質の一つである Rhoは、細胞内において活性型の Rh o— GTP又は不活性型の Rho— GDPとして存在し、種々の細胞膜受容体からのシ グナルによって活性ィ匕された Rhoキナーゼにより、不活性型の Rho— GDP力 活性 型の Rho— GTPへと変換される。活性型の Rho— GTPは、ァクトミオシン系を介した 平滑筋収縮、細胞運動、細胞接着、細胞の形態変化、細胞増殖等の多彩な細胞現 象の分子スィッチとして機能していることが明らかにされている。従って、 Rhoキナー ゼを阻害すれば、 Rhoを介する情報伝達経路の下流に存在する各種細胞現象の応 答を抑制し、 Rhoが関与する疾患の治療に役立つことができると考えられている。 例えば、 Rhoキナーゼが活性化されると平滑筋は収縮するが、この酵素を阻害する と、平滑筋は弛緩する。この作用機序は、 Gタンパク質 (グァニンヌクレオチド結合性 調節タンパク質)を介した Caイオン感受性亢進が選択的に阻害され、細胞内 Caィォ ン感受性が低下するためと考えられている。 Rhoキナーゼカ 細胞内の Caイオン濃 度に依存しない平滑筋収縮機構の一つである Caイオン感受性亢進機構に選択的に 働 、て 、ることは論文等により報告されて 、る(例えば非特許文献 1参照)。そのため 、 Rhoキナーゼを阻害する化合物は、 Caイオン感受性を低下させることにより効果を 発揮する新 ヽ機序の疾患治療剤、例えば高血圧症等の疾患治療剤として有望視 されている。
[0003] さらに近年の研究により、 Rhoキナーゼを阻害することによる血圧降下作用(例えば 非特許文献 2、 3参照)のみならず、肺高血圧症に有効である事例 (例えば非特許文 献 4〜6参照)、脳血管攣縮に有効である事例 (例えば非特許文献 7、 8参照)、狭心
症に有効である事例(例えば非特許文献 9〜11参照)、緑内障に有効である事例( 例えば非特許文献 12〜14参照)、排尿障害に有効である事例 (例えば非特許文献 15参照)、喘息治療薬として有効である事例 (例えば非特許文献 16〜19参照)、勃 起不全に有効である事例 (例えば非特許文献 20、 21参照)等も報告されている。
[0004] 現在、 Rhoキナーゼ阻害剤として知られて 、る化合物は、例えば特許文献 1及び 2 に開示されている。しかしながら、これらの化合物は Rhoキナーゼ阻害活性のみなら ず、他のキナーゼ、例えばプロテインキナーゼ A (PKA)やプロテインキナーゼ G (P KG)等に対する阻害活性も有している。 PKAは、多くのシグナル伝達過程で cAMP の作用を伝達する重要な役割を担って 、る。例えばホルモンが受容体に結合すると 、細胞内の促進性 Gタンパク質が活性ィ匕され、アデ二ル酸シクラーゼが活性ィ匕される 。ついで、 cAMPが生成され、 PKAにより細胞内の物質代謝や物質輸送に拘わる酵 素やタンパク質のセリン 'スレオニンがリン酸ィ匕され、生理機能が発現する。また、 PK Gも多くのシグナル伝達過程で cGMPの作用を伝達する重要な役割を担っている。 例えば心血管系においては、血管内皮細胞由来の弛緩物質によりグァ-ル酸シクラ ーゼが活性化され cGMPが生成される。次いで、 PKGにより細胞内のタンパク質の セリン 'スレオニン力 Sリン酸化され細胞内 Ca濃度が低下し、血管弛緩'血圧降下に至 る。神経細胞においても、同様の経路が活性化され、アポトーシスが阻害される。この ように、 PKAや PKGは細胞や生体の生存に重要な役割を担っており、活性が阻害 されると重篤な副作用が発生する可能性が示唆される。
[0005] 従って、 Rhoキナーゼ阻害剤を疾患治療薬として用いることを想定すると、疾患に 関与する Rhoキナーゼのみを選択的に阻害し、その他のキナーゼの活性にはあまり 影響を及ぼさな 、ィ匕合物が望まれて 、た。
特許文献 1:特開平 11― 349482号公報
特許文献 2:国際公開第 90Z5723号パンフレット
非特許文献 l :Nature 389 (1997): 990
非特許文献 2 :J. Cereb. Blood Flow 21 (2001) : 876
非特許文献 3 : Hypertension 38 (2001): 1307
非特許文献 4:Atheroscierosis Supplements 4 (2003) : 170
非特許文献 5:Ir. J. Med. Sci.172(2003) :20
非特許文献 6:Circ. Res.94(2004) :385
非特許文献 7:Br. J. Pharmacol. 130(2000) :219
非特許文献 8:Stroke 32(2001) :2913
非特許文献 9:Jpn. J. Pharmacol.87(2001) :34
非特許文献 10:Br. J. Pharmacol. 134(2001): 1724
非特許文献 11 Circulation 105 (2002): 1545
非特許文献 12: Invest. Ophthalmol. Visual Sci.42(2001) :137
非特許文献 13: Arch. Ophthalmol.119(2001)
非特許文献 14: 1171、 Invest. Ophthalmol. Visual Sci.42(2001): 1029 非特許文献 15:Br. J. Pharmacol. 143(2004) :431
非特許文献 16:Jpn. J. Allergol.48 (1999): 1079
非特許文献 17: Eur. J. Pharmacol.389 (2000): 103
非特許文献 18: Eur. J. Pharmacol.406 (2000): 273
非特許文献 19:Br. J. Pharmacol. 132(2001): 111
非特許文献 20: Int. J. Impot. Res.13(2001) :67
非特許文献 21:Br. J. Pharmacol. 133(2001) :455
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 本発明は、強力かつ高選択的な Rhoキナーゼ阻害活性を有する化合物及びそれ を含有する医薬を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明者等は、力かる実情に鑑み鋭意研究を行なった結果、下記一般式(1)で表 される化合物力 優れた Rhoキナーゼ阻害活性を有し、かつ他のキナーゼをほとん ど阻害せず、高血圧症、肺高血圧症、脳血管攣縮、狭心症、心不全、動脈硬化症、 緑内障、排尿障害、喘息、及び勃起不全等の疾患治療薬として有用であることを見 出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、次の一般式(1)
[0008] [化 1]
[0009] (式中、 R1はアミノ酸残基を示し、 R2は水素原子又はアルキル基を示し、 R3は水素原 子、アルキル基、ァルケ-ル基、アルキ-ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、二トリ ル基又は水酸基を示し、 R4は水素原子、ハロゲン原子又は水酸基を示す。 ) で表されるホモピぺラジン誘導体、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を提供する ものである。
[0010] また、本発明は上記一般式(1)で表わされる化合物、その酸付加塩又はそれらの 溶媒和物を有効成分とする医薬を提供するものである。
また、本発明は上記一般式(1)で表わされる化合物、その酸付加塩又はそれらの 溶媒和物を有効成分とする Rhoキナーゼの活性化に起因する疾患の治療薬を提供 するものである。
また、本発明は上記一般式(1)で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶 媒和物、及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供するものである また、本発明は上記一般式(1)で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶 媒和物の医薬製造のための使用を提供するものである。
さらにまた、本発明は、上記一般式(1)で表される化合物、その酸付加塩又はそれ らの溶媒和物を投与する Rhoキナーゼの活性ィヒに起因する疾患の処置方法を提供 するものである。
発明の効果
[0011] 本発明の化合物(1)は、 Rhoキナーゼを高選択的に阻害する作用を有し、高血圧 症、肺高血圧症、脳血管攣縮、狭心症、心不全、動脈硬化症、緑内障、排尿障害、 喘息、及び勃起不全等の疾患治療薬として有用である。
発明を実施するための最良の形態
[0012] 一般式(1)中、 R1で示されるアミノ酸残基としては、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、塩 基性アミノ酸のいずれの残基でもよい。例えばグリシル、サルコシル、ァラ -ル、 1 アミノシクロプロパン 1 カルボ-ル、 1 アミノシクロブタン 1 カルボ-ル、 13— ァラニル、 Ί アミノブチロイル、 α アミノブチリル、バリル、ノルノ リル、ロイシル、ィ ソロイシル、ノルロイシル、 tert—ロイシル、フエ二ルァラ -ル、ホモフエ-ルァラ -ル、 ァスパルチル、グルタミル、 a , j8—ジァミノプロピオ-ル、 at , γ—ジアミノブチロイ ル、オノレニチノレ、リジノレ、アルギニル、ホモアノレギニノレ、セリノレ、スレオニル、チロシノレ 、プロリル、トリブトフィル、ヒスジチル等が挙げられる。また、上記のアミノ酸残基中、 不斉炭素のあるものに関しては L一体、 D 体いずれでもよぐラセミ体も許容される 。このうち、グリシル、サルコシルが特に好ましい。
[0013] 一般式(1)中、 R2で示されるアルキル基としては、 C Cの直鎖または分岐鎖の
1 6
アルキル基が挙げられ、例えばメチル、ェチル、 η プロピル、イソプロピル、 η—ブチ ル、イソブチル、 sec ブチル、 tert ブチル、ペンチル、へキシル等が挙げられる。
[0014] 一般式(1)中、 R3で示されるアルキル基としては、 C Cの直鎖または分岐鎖の
1 6
アルキル基が挙げられ、例えば前記のアルキル基等が挙げられる。これらのうち、メ チル基が特に好ましい。
一般式(1)中、 R3で示されるアルケニル基としては、 C — Cの直鎖または分岐鎖
2 6
のァルケ-ル基が挙げられ、例えばビニル、ァリル、ブテュル、ペンテ-ル、へキセ- ル等が挙げられる。
一般式(1)中、 R3で示されるアルキニル基としては、 C — Cの直鎖または分岐鎖
2 6
のアルキ-ル基が挙げられ、例えばェチニル、プロパルギル、ブチニル等が挙げら れる。これらのうち、ェチニル基が特に好ましい。
一般式(1)中、 R3で示されるアルコキシ基としては、 C —Cの直鎖または分岐鎖の
1 6
アルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ、エトキシ、 n—プロポキシ、イソプロポキシ、 n ブトキシ、イソブトキシ、 sec ブトキシ、 tert ブトキシ、ペンチルォキシ、へキシ ルォキシ等が挙げられる。これらのうち、メトキシ基が特に好ましい。
一般式(1)中、 R3で示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、フッ素原子が特に好ましい。
R3のホモピぺラジン環上の置換位置に関しては、 2—位、 3—位、 5—位、 6—位、 7 一位いずれでも良ぐ又置換基の立体配置は(S)、(R)いずれでも良い。これらのう ち 2—(S) メチルが特に好ましい。
[0015] 一般式(1)中、 R4で示されるハロゲン原子としては、 R3で示される前記ハロゲン原 子が挙げられる。
[0016] 本発明化合物(1)の酸付加塩としては、薬学上許容される塩であれば特に制限さ れないが、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩のよう な鉱酸の酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼ ンスルホン酸塩、 p トルエンスルホン酸塩、シユウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、 酒石酸塩、クェン酸塩、酢酸塩のような有機酸の酸付加塩を挙げることができる。 また、本発明化合物(1)は、水和物に代表される溶媒和物の形態で存在し得るが、 当該溶媒和物も本発明に包含される。更に、本発明化合物は、シス、トランスの幾何 異性体や光学異性体が存在する場合もあるが、これらの異性体も本発明に含まれる
[0017] 本発明化合物のうち、 Rhoキナーゼ選択性が高くより好ましいィ匕合物としては、 2—
(S)—1 (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー4ーグリシルー 2—メチルホ モピペラジン; 2 (S)—1 (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2 メチル —4— (N—メチルダリシル)ホモピぺラジン; 2— (S)—4— (L—ァラ-ル)— 1— (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジン; 2— (S) -4- (D—ァラ-ル)一 1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピ ペラジン; 2—(S)— 1 (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル)ー2—メチルー 4 一 (Lーノ リル)ホモピぺラジン; 2 (S)—1 (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2—メチルー 4一(D—ノ リル)ホモピぺラジン; 2 (S)—1 (4一フルォロイ ソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— (L ロイシル) 2—メチルホモピぺラジン; 2— ( S)—1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— (D—ロイシル) 2—メチ ルホモピペラジン; 2— (S) 4ー ( |8—ァラ-ル)ー1ー (4ーフルォロィソキノリンー5 —スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジン; 2— (S)—4— (1—アミノシクロプロパン
—1—カルボ-ル)— 1— (4—フルォロイソキノリン— 5—スルホ -ル)—2—メチルホ モピペラジン; 2— (S) -4 - (L - a アミノブチリル)ー1 (4 フルォロイソキノリ ンー5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジン; 2— (S) -4 - (D - a アミノブチ リル)一 1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジン; 2 - (S)—1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチル 4— (L ノ ルロイシル)ホモピぺラジン; 2— (S)—1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ- ル) 2—メチル 4— (D—ノルロイシル)ホモピぺラジン; 4— (グリシル)一 1— (イソ キノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン; 4— ( j8—ァラ-ル)一 1— (イソキノリン一 5 —スルホ -ル)ホモピぺラジン; 4 (L ァラ-ル)一 1— (イソキノリン一 5—スルホ- ル)ホモピぺラジン; 4 (D ァラ-ル)一 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピ ペラジン; 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— (L—ノ リル)ホモピぺラジン; 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— (D ノ リル)ホモピぺラジン; 4— (L - α , β - ジァミノプロピオ-ル)一 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン; 4 (D - α , β—ジァミノプロピオ-ル)一 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジ ン; 2 (S)—4 (L— α , βージァミノプロピオ-ル)ー1 (4 フルォロイソキノリ ン— 5—スルホ -ル)—2—メチルホモピぺラジン; 2— (S)—4— (D - α , β—ジアミ ノプロピオ-ル) 1 (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモ ピぺラジン; 4 (グリシル)一 1— (4—メチルイソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピペラ ジン; 2— (S)—4— (グリシル)一 1— (4—メチルイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2— メチルホモピぺラジン; 2— (S)—1— (4—ブロモイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— (グリシル) 2—メチルホモピぺラジン;又は 2— (S)—1— (4—ェテュルイソキノリン 5 スルホ -ル)ー4 (グリシル) 2 メチルホモピぺラジン、それらの酸付加塩 及びそれらの溶媒和物から選ばれる化合物が挙げられる。
本発明化合物(1)は、例えば次に示す方法に従って製造することができる。すなわ ち、化合物 (2)と保護アミノ酸 (3)を縮合反応させて化合物 (4)を得、これを適当な脱 保護法で処理することにより本発明化合物(1)を得ることができる。なお、本発明の化 合物の出発原料である化合物(2)は WO97Z28130号公報記載の方法、特開昭 6 1— 227581号公報記載の方法、またはそれらの類似の方法によって合成することが
できる。
[0019] [化 2]
[0020] (式中、 I^〜R4は前記と同じ意味を示し、 Xはァミノ保護基を示す。 )
上記式中、 Xで示されるァミノ保護基としては、例えばべンジルォキシカルボニル基 、 tert ブトキシカルボ-ル基等、 9 フルォレ -ルメトキシカルボ-ル基、ホルミル 基、ァセチル基、トリフルォロアセチル基、トリチル基等が挙げられ、また、アミノ酸 R1 の側鎖に官能基がある場合は、適当な保護基で保護されているものとする。
以下、上記各反応工程毎に説明する。
[0021] 化合物(2)と保護アミノ酸(3)との縮合反応は、例えばジクロロメタン、クロ口ホルム 等のハロゲンィ匕炭化水素類;テトラヒドロフラン (THF)、ジェチルエーテル等のエー テル類; N, N ジメチルホルムアミド (DMF)、ァセトニトリル等の溶媒中、冷却下に 必要量のジシクロへキシルカルボジイミド又は塩酸 N ェチルー N,一(3—ジメチル ァミノプロピル)カルポジイミド等の水溶性カルポジイミド (WSCZHC1)等の縮合剤を 反応させる公知の方法で行われる。本反応においては、必要量の炭酸カリウム、炭 酸ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基;トリェチルァミン、ジイソプロピルェチルアミ ン、トリエチレンジァミン等の有機塩基の存在下に行うのが好ましい。
保護アミノ酸(3)の使用割合は、化合物(2)に対して、 1. 0〜1. 5当量使用するの が好ましい。
反応は 0°C〜溶媒の沸点で 1時間〜 24時間、好ましくは 10°C〜30°Cで 6〜 12時 間反応させることにより行なわれる。
[0022] 得られた化合物 (4)の脱保護反応は、保護基に応じた既知の方法、例えば酸処理 、アルカリ処理又は接触還元により行われる。例えば tert ブトキシカルボニル基で 保護されて 、る場合は塩化水素の酢酸ェチル溶液等で処理することで、本発明化
合物(1)を得ることができる。
なお、アミノ酸 R1の側鎖の官能基が保護基で保護されて ヽる場合も同様である。
[0023] 本発明化合物(1)は、さらに必要に応じて再結晶法、カラムクロマトグラフィー等の 通常の精製手段を用いて精製することができる。また、常法によって前記した所望の 塩又は溶媒和物とすることもできる。
[0024] 力べして得られる本発明化合物(1)、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物は、後記 試験例 1に示すように、 PKA、 PKG等の他のキナーゼに対する阻害活性が極めて 弱ぐ Rhoキナーゼに高選択的な阻害活性を有し、高血圧症、肺高血圧症、脳血管 攣縮、狭心症、心不全、動脈硬化症、緑内障、排尿障害、喘息、及び勃起不全等の 疾患治療のための医薬として有用である。
[0025] 本発明の医薬は、本発明化合物(1)、その塩又はその水和物を有効成分とするも のであり、この投与形態は、特に限定されず治療目的に応じて適宜選択でき、例え ば経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、貼付剤のいずれでも 良ぐこれらの投与形態に適した組成物は、薬学的に許容される担体を配合し、当業 者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
[0026] 経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物(1)に賦形剤、必要に応じて結 合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被 覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤とし ては、当該分野で一般的に使用されているものでよぐ例えば、乳糖、白糖、塩ィ匕ナ トリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等 の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラ チン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ ピノレスターチ、メチノレセノレロース、ェチルセルロース、シェラック、リン酸カノレシゥム、 ポリビュルピロリドン等の結合剤;乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、 炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセ リド、乳糖等の崩壊剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール 等の滑沢剤;白糖、橙皮、クェン酸、酒石酸等の矯味剤が挙げられる。
[0027] 経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物(1)に矯味剤、緩衝剤、安定化
剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造する ことができる。この場合矯味剤としては上記に挙げられたもので良ぐクェン酸ナトリウ ム等の緩衝剤;トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等の安定化剤が挙げられる。
[0028] 注射剤を調製する場合は、本発明化合物(1)に pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等 張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉及び静脈内注射剤を製造す ることができる。この場合の pH調製剤及び緩衝剤としてはクェン酸ナトリウム、酢酸ナ トリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム、 E DTA、チォグリコール酸、チォ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては塩酸プロ力 イン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩ィ匕ナトリウム、ブドウ糖等 が挙げられる。
[0029] 坐薬を調製する場合は、本発明化合物(1)に当業界において公知の製剤用担体、 例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等を、さら に必要に応じてツイーン (登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により 製造することができる。
[0030] 軟膏剤を調製する場合は、本発明化合物(1)に通常使用される基剤、安定剤、湿 潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤とし ては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オタチルドデシルアルコール、 ノ《ラフィン等が挙げられる。保存剤としては、 p—ヒドロキシ安息香酸メチル、 p—ヒドロ キシ安息香酸ェチル、 P—ヒドロキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
上記以外に、常法により吸入剤、点眼剤、点鼻剤とすることもできる。
[0031] 本発明の医薬の投与量は年齢、体重、症状、投与形態及び投与回数などによって 異なるが、通常は成人に対して本発明化合物(1)として 1日 1〜: LOOOmgを 1回又は 数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ま 、。
実施例
[0032] 以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明する力 本発明はこれらによ つて何等限定されるものではな 、。
[0033] [製造例 1]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)グリシル]— 1— (4—フルォロイソキ
ノリン一 5 スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0034] [化 3]
[0035] 2 - (S)—1 (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2 メチルホモピペラ ジン(396mg)、 N—(tert ブトキシカルボ-ル)グリシン(210mg)、トリェチルアミ ン(335 μ L)をクロ口ホルム(5mL)に溶解し、氷冷下塩酸 N—ェチル N, - (3—ジ メチルァミノプロピル)カルポジイミド(230mg)をカ卩えた。混合物を 0°Cで 1時間、次い で室温で一夜撹拌した。混合物に水を加えて有機層を分離した後、水槽にクロロホ ルムを加えて抽出し、有機層を併せて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム で乾燥した。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶媒:酢酸ェチ ル)で精製し標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 445mg (96%)
[0036] [製造例 2]
2 - (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—N—メチルダリシル]— 1— (4— フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジンの合成:
[0037] [化 4]
2 - (S)—1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラ ジン(396mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) N— (メチル)グリシン(245mg) とを製造例 1と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
[0039]
- (tert ブトキシカルボ-ル) L ァラ -ル] 1
-スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0040]
[0041] 2- (S)—1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) L ァラニン(46mg)とを製造例 1 と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 75mg (63%)
[0042] [製造例 4]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—D—ァラ-ル]— 1— (4 フルォ 口イソキノリン一 5 スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0043] [化 6]
[0044] 2- (S)—1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) D ァラニン(46mg)とを製造例 1 と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 83mg (69%)
[0045] [製造例 5]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—L—バリル]— 1— (4 フルォロイ ソキノリンー 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジンの合成:
[0046] [化 7]
[0047] 2— (S)—1—(4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) L—パリン(53mg)とを製造例 1と 同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 83mg (66%)
[0048] [製造例 6]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—D—バリル]— 1— (4 フルォロ イソキノリン一 5 スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0049] [化 8]
[0050] 2— (S)—1—(4 フルォロイソキノリン 5—スルホニル)ー2 メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) D—パリン(53mg)とを製造例 1と 同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 92mg (73%)
[0051] [製造例 7]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—L—口イシル]— 1— (4 フルォ 口イソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジンの合成:
[0052] [化 9]
[0053] 2- (S)—1—(4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボニル) L一口イシン(56mg)とを製造例 1 と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 115mg (89%)
[0054] [製造例 8]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボニル) D—口イシル]— 1— (4 フルォ 口イソキノリン一 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジンの合成:
[0055] [化 10]
[0056] 2- (S)—1一(4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2 メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) D ロイシン(56mg)とを製造例 1 と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 110mg (85%)
[0057] [製造例 9]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル) β—ァラ二ル]— 1— (4 フルォ 口イソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジンの合成:
[0058] [化 11]
BocHN
[0059] 2- (S)—1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) βーァラニン(46mg)とを製造例 1と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 78mg (65%)
[0060] [製造例 10]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)— 1—アミノシクロプロパン— 1—力 ルポ-ル ] 1 (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピペラ ジンの合成:
[0061] [化 12]
[0062] 2- (S)—1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル)一 1—アミノシクロプロパン一 1—力 ルボン酸 (49mg)とを製造例 1と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得 た。
収量: 71mg (58%)
[0063] [製造例 11]
2— (S)— 4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル) L— α—アミノブチリル]— 1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0065] 2- (S)—1 (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2 メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) L— α—ァミノ酪酸(49mg)とを製 造例 1と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 63mg (51%)
[0066] [製造例 12]
2— (S)— 4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル) D— α—アミノブチリル]— 1— (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジンの合成:
[0067] [化 14]
[0068] 2 (S)—1 (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2 メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) D— α—ァミノ酪酸(49mg)とを 製造例 1と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 88mg (71%)
[0069] [製造例 13]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—L—ノル口イシル]— 1— (4 フル ォロイソキノリン一 5 スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0071] 2- (S)—1— (4—フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2 メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) L ノルロイシン(56mg)とを製造 例 1と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 97mg (75%)
[0072] [製造例 14]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—D—ノル口イシル]— 1— (4—フ ルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジンの合成:
[0073] [化 16]
[0074] 2 (S)—1 (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2 メチルホモピペラ ジン(80mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル) D ノルロイシン(56mg)とを製造 例 1と同様に反応させ、標記化合物を無色油状物として得た。
収量: 112mg (86%)
[0075] [製造例 15]
4- [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)グリシル]— 1— (イソキノリン— 5—スルホ-ル )ホモピペラジンの合成:
[0076] [化 17]
[0077] 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン(80mg)と N— (tert—ブトキシ カルボニル)グリシン(52mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物を無色油 状物として得た。
収量: 120mg (91%)
[0078] [製造例 16]
4- [N— (tert—ブトキシカルボ-ル) 13—ァラ -ル] 1 (イソキノリン一 5—スル ホ -ル)ホモピぺラジンの合成:
[0079] [化 18]
BocHN
[0080] 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン(80mg)と N— (tert—ブトキシ カルボニル) - β—ァラニン(55mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物を 無色油状物として得た。
収量: 102mg (75%)
[0081] [製造例 17]
4- [N— (tert—ブトキシカルボ-ル) L ァラ-ル]— 1— (イソキノリン一 5—スル ホ -ル)ホモピぺラジンの合成:
[0083] 1— (イソキノリン一 5 スルホニル)ホモピぺラジン(80mg)と N— (tert—ブトキシ カルボニル) L ァラニン(55mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物を 無色油状物として得た。
収量: 85mg (63%)
[0084] [製造例 18]
4- [N- (tert ブトキシカルボ-ル) D ァラニル]— 1 (イソキノリン一 5—スル ホニル)ホモピぺラジンの合成:
[0085] [化 20]
[0086] 1— (イソキノリン一 5 スルホ -ル)ホモピぺラジン(80mg)と N— (tert—ブトキシ カルボニル) D ァラニン(55mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物を 無色油状物として得た。
収量: 84mg (62%)
[0087] [製造例 19]
4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル) L—ノ リル]— 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジンの合成:
[0088] [化 21]
Bo
[0089] 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン(80mg)と N— (tert—ブトキシ カルボニル) L—パリン (64mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物を無 色油状物として得た。
収量: 60mg (42%)
[0090] [製造例 20]
4- [N— (tert—ブトキシカルボ-ル) D—ノ リル]— 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジンの合成:
[0091] [化 22]
[0092] 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン(80mg)と N— (tert—ブトキシ カルボニル) D—パリン (64mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物を無 色油状物として得た。
収量: 68mg (47%)
[0093] [製造例 21]
4— [Να, Νβ ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) L— α , β—ジァミノプロピオ- ル]— 1 (イソキノリン一 5 スルホ -ル)ホモピぺラジンの合成:
[0095] 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン(80mg)と Να, Νβ—ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) L— α , βージァミノプロピオン酸(88mg)とを製造例 1と同 様に反応させ、表記化合物を無色油状物として得た。
収量: 59mg (42%)
[0096] [製造例 22]
4— [Να, Νβ ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) D— α , β—ジァミノプロピオ- ル]— 1 (イソキノリン一 5 スルホ -ル)ホモピぺラジンの合成:
[0097] [化 24]
[0098] 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン(80mg)と Να, Νβ—ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) D— α , β—ジァミノプロピオン酸(88mg)とを製造例 1と 同様に反応させ、表記化合物を無色油状物として得た。
収量: 59mg (42%)
[0099] [製造例 23]
2— (S)— 4— [Να, Νβ—ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) L— α , β—ジァミノ プロピオ-ル ] 1 (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピ ペラジンの合成:
[0101] 2- (S)— 1 (4 フルォロイソキノリンー4 スルホ -ル) 2 メチルホモピペラ ジン(80mg)と Να , Νβ ジ—(tert ブトキシカルボ-ル) L— α , β—ジアミノプ ロピオン酸 (82mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物を無色油状物として 得た。
収量: 42mg (31%)
[0102] [製造例 24]
2 (S) 4— [Να, Νβ—ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) D— α , β—ジァミノ プロピオ-ル ] 1 (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピ ペラジンの合成:
[0103] [化 26]
[0104] 2- (S)— 1 (4 フルォロイソキノリンー4 スルホ -ル) 2 メチルホモピペラ ジン(80mg)と Να , Νβ ジ—(tert ブトキシカルボ-ル) D— α , β—ジアミノプ ロピオン酸 (82mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物を無色油状物として 得た。
収量: 34mg (25%)
[0105] [製造例 25]
4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)グリシル]— 1— (4—メチルイソキノリン一 5— スルホ -ル)ホモピぺラジンの合成:
[0106] [化 27]
BocH
[0107] 1— (4—メチルイソキノリン一 4—スルホ -ル)ホモピぺラジン(40mg)と N— (tert ブトキシカルボニル)グリシン(22mg)とを製造例 1と同様に反応させ、表記化合物 を無色油状物として得た。
収量: 49mg (84%)
[0108] [製造例 26]
2- (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)グリシル] 1— (4—メチルイソキノ リン— 5 スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0109] [化 28]
[0110] 2- (S)—1— (4—メチルイソキノリン一 4—スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジ ン(40mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル)グリシン(22mg)とを製造例 1と同様に 反応させ、表記化合物を無色油状物として得た。
収量: 46mg (79%)
[0111] [製造例 27]
2- (S)—1— (4 ブロモイソキノリン— 5—スルホ -ル) 4— [N— (tert—ブトキシ カルボ-ル)グリシル] 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0113] 2- (S)—1— (4—メチルイソキノリン一 4—スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジ ン(40mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル)グリシン(19mg)とを製造例 1と同様に 反応させ、表記化合物を無色油状物として得た。
収量: 40mg (70%)
[0114] [製造例 28]
2- (S)—1— (4 ェテュルイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— [N— (tert—ブトキ シカルボ-ル)グリシル]— 2—メチルホモピぺラジンの合成:
[0115] [化 30]
BocH
[0116] 2- (S)—1— (4 ェテュルイソキノリン一 4—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラ ジン(20mg)と N— (tert ブトキシカルボ-ル)グリシン(l lmg)とを製造例 1と同様 に反応させ、表記化合物を無色油状物として得た。
収量: 9. 7mg (33%)
[0117] [実施例 1]
2- (S)—1— (4—フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4—グリシル一 2—メチ ルホモピペラジン ·二塩酸塩の合成:
[0119] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)グリシル]— 1— (4 フルォロイソ キノリン一 5 スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジン(445mg)をメタノール (2mL) に溶解し、 4M塩ィ匕水素の酢酸ェチル溶液(lmL)をカ卩えた。混合物を室温で 4時間 撹拌し、減圧濃縮した。生じた沈殿をろ取し、酢酸ェチルで洗い標記化合物を白色 粉末として得た。
収量 347mg(81%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.95 (d, 3H, J = 6.5Hz), 1.
6
78 (br. s, 2H), 3.36— 3.50 (m, 3H), 3.70— 3.79 (m, 3H), 4.18—4.25 (m, 1H), 7.90 (t, 1H, J=7.8Hz), 8.49— 8.53 (m, 2H), 8.64 (d, 1H, J =4.9Hz), 9.31 (s, 1H).
[0120] [実施例 2]
2- (S)—1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチル 4— (N—メ チルダリシル)ホモピぺラジン ·二塩酸塩の合成:
[0122] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—N—メチルダリシル]— 1— (4— フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジン(393mg)を実施 例 1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 365mg(98%)
Ή-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.92 (d, 3H, J = 6.8Hz), 1.
6
82 (br. s, 2H), 2.64 (s, 3H), 3.37— 3.50 (m, 3H), 3.73— 3.86 (m, 3H) , 4.15-4.25 (m, 1H), 7.90 (t, 1H, J = 7.6Hz), 8.50— 8.53 (m, 2H), 8 .65 (d, 1H, J = 5.4Hz), 9.32(s, 1H) .
[0123] [実施例 3]
2- (S) -4- (Lーァラ-ル) 1— (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル)ー2 メチルホモピペラジン'二塩酸塩の合成:
[0124] [化 33]
[0125] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル) L ァラ-ル」一 1— (4 フルォ 口イソキノリン一 5—スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジン( 75mg)を実施例 1と同 様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 65mg(92%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.96 (br. s, 3H), 1.44 (d, 3
6
H, J = 7.0Hz), 1.86 (br. s, 2H), 3.35— 3.78 (m, 6H), 4.20—4.32 (m, 2H), 7.89 (t, 1H, J = 7.8Hz), 8.45— 8.51 (m, 2H), 8.62 (d, 1H, J = 5. 4Hz), 9.31 (s, 1H).
[0126] [実施例 4]
2- (S)—4— (D ァラ-ル)一 1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2 メチルホモピペラジン'二塩酸塩の合成:
[0128] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—D—ァラ-ル]— 1— (4 フル ォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジン( 83mg)を実施例 1と 同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 68mg(87%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.95 (d, 3H, J = 6.5Hz), 1.
6
40 (d, 3H, J = 6.5Hz), 1.86 (br. s, 2H), 3.43— 3.55 (m, 3H), 3.77— 3. 83 (m, 3H), 4.15—4.35 (m, 2H), 7.89 (t, 1H, J = 8.1Hz), 8.48— 8.51 (m, 2H), 8.61 (d, 1H, J = 5.1Hz), 9.31 (s, 1H) .
[0129] [実施例 5]
2- (S)—1— (4 フルォロイソキノリン— 5—スルホ -ル)—2—メチル—4— (L—バ リル)ホモピぺラジン ·二塩酸塩の合成:
[0130] [化 35]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—L—ノ リル]— 1— (4 フルォロ イソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジン(83mg)を実施例 1と同様 に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 61mg(78%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.98 (d, 3H, J = 7.0Hz), 1.
6
05 (d, 6H, J = 6.8Hz), 1.90 (br. s, 2H), 2.11— 2.23 (m, 1H), 3.37— 3.
78 (m, 6H), 4.13 (br, 2H), 7.90 (t, IH, J = 8.1Hz), 8.44— 8.52 (m, 2H ), 8.61 (d, IH, J=4.9Hz), 9.31 (s, IH) .
[0132] [実施例 6]
2- (S)—1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチル 4— (D- ノ リル)ホモピぺラジン ·二塩酸塩の合成:
[0133] [化 36]
[0134] 2- (S) -4- [N- (tert ブトキシカルボ-ル)—D—ノ リル ] 1 (4 フルォロ イソキノリン一 5—スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジン( 92mg)を実施例 1と同様 に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 79mg(91%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1.01 (d, 3H, J = 6.7Hz), 1.
6
05 (d, 6H, J = 6.8Hz), 1.90 (br. s, 2H), 2.13— 2. 19 (m, IH), 3.59— 3. 69 (m, 6H), 4.16 (br, 2H), 7.89 (t, IH, J = 7.6Hz), 8.49— 8.52 (m, 2H ), 8.62 (d, IH, J=4.9Hz), 9.31 (s, IH) .
[0135] [実施例 7]
2- (S)—1— (4—フルォロイソキノリンー5—スルホ -ル)ー4一(L一口イシル) -2 メチルホモピペラジン'二塩酸塩の合成:
[0136] [化 37]
[0137] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—L 口イシル]— 1— (4 フルォ 口イソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジン( 115mg)を実施例 1と 同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 97mg(89%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.93 (d, 6H, J = 6.8Hz), 0.
6
96 (d, 3H, J = 6.5Hz), 1.15— 1.92 (m, 3H), 3.43— 3.75 (m, 6H), 4.19 —4.27 (m, 2H), 7.90 (t, 1H, J = 8.1Hz), 8.45— 8.53 (m, 2H), 8.62 (d , 1H, J = 5.4Hz), 9.31 (s, 1H) .
[0138] [実施例 8]
2- (S)—1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— (D—ロイシル) -2 メチルホモピペラジン'二塩酸塩の合成:
[0139] [化 38]
[0140] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—D—口イシル」— 1— (4 フル ォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2 メチルホモピぺラジン( 11 Omg)を実施例 1と 同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 95mg(91%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.91 (d, 6H, J = 6.5Hz), 0.
6
96 (d, 3H, J = 6.5Hz), 1.57— 1.92 (m, 3H), 3.45— 3.58 (m, 3H), 3.73 -3.81 (m, 3H), 4.16—4.25 (m, 2H), 7.89 (t, 1H, J = 8.1Hz), 8.48— 8.52 (m, 2H), 8.61 (d, 1H, J = 5.1Hz), 9.31 (s, 1H) .
[0141] [実施例 9]
2- (S) -4- ( βーァラ-ル) 1— (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピペラジン'二塩酸塩の合成:
[0142] [化 39]
[0143] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)― β—ァラ -ル]—1— (4 フル ォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジン(78mg)を実施例 1と 同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 64mg(87%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.88 (br. s, 3H), 1.78 (br, 2
6
H), 2.81 (br, 2H), 3.07 (br, 2H), 3.25— 3.50 (m, 3H), 3.76—4.01 (m , 3H), 4.11-4.24 (m, 1H), 7.89 (t, 1H, J = 8.1Hz), 8.49— 8.53 (m, 2 H), 8.61 (d, 1H, J=4.9Hz), 9.31.
[0144] [実施例 10]
2— (S)— 4— (1—アミノシクロプロパン一 1—カルボ-ル)一 1— (4 フルォロイソキ ノリン一 5 スルホ -ル) - 2 メチルホモピぺラジン ·二塩酸塩の合成:
[0145] [化 40]
[0146] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)一 1—アミノシクロプロパン一 1— カルボ-ル]— 1— (4—フルォロイソキノリン— 5—スルホ -ル)—2—メチルホモピぺ ラジン (71mg)を実施例 1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。 収量: 60mg(89%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.88 (d, 3H, J = 6.5Hz), 1.
16-1. 23 (m, 2H), 1. 33— 1.47 (m, 2H), 1.81— 1. 84 (m, 2H), 3. 27— 3. 53 (m, 3H), 3. 75— 3. 84 (m, 1H), 3. 92—4.06 (m, 2H), 4. 11—4. 21 (m, 1H), 7.89 (t, 1H, J=7.6Hz), 8.46— 8. 52 (m, 2H), 8.61 (d, 1H, J =4. 7Hz), 9. 31 (s, 1H).
[0147] [実施例 11]
2- (S) -4- (L- a アミノブチリル) 1— (4 フルォロイソキノリンー5 スルホ -ル) 2—メチルホモピペラジン'二塩酸塩の合成:
[0148] [化 41]
[0149] 2- (S) -4- [N- (tert ブトキシカルボ-ル) L— a アミノブチリル」 1一( 4 -フルォロイソキノリン 5—スルホ -ル) -2-メチルホモピぺラジン( 63mg)を実 施例 1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 48mg(82%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0. 95— 1.00 (m, 6H), 1. 75
6
-1. 92 (m, 4H), 3.40— 3. 76 (m, 6H), 4. 19—4. 24 (m, 2H), 7. 90 (t, 1 H, J = 8. 1Hz), 8.44-8.49 (m, 2H), 8.62 (d, 1H, J = 5.4Hz), 9. 31 (s, 1H).
[0150] [実施例 12]
2- (S)—4— (D- a—アミノブチリル)一 1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピペラジン'二塩酸塩の合成:
[0152] 2- (S)—4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル) D— a—アミノブチリル]— 1— ( 4 -フルォロイソキノリン 5—スルホ -ル) -2-メチルホモピぺラジン( 88mg)を実 施例 1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 70mg(84%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.93— 1.01 (m, 6H), 1.79
6
-1.92 (m, 4H), 3.49— 3.81 (m, 6H), 4.17—4.27 (m, 2H), 7.89 (t, 1 H, J = 7.8Hz), 8.48-8.52 (m, 2H), 8.61 (d, 1H, J = 5.1Hz), 9.31 (s, 1H).
[0153] [実施例 13]
2- (S)—1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチル 4— (L ノ ルロイシル)ホモピぺラジン ·二塩酸塩の合成:
[0154] [化 43]
2— (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—L ノル口イシル]— 1— (4 フ ルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジン(87mg)を実施例 1 と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 75mg(81%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.86— 0.99 (m, 6H), 1.13
6
— 1.47 (m, 4H), 1.69— 1. 19(m, 4H), 3.43— 3.77 (m, 6H), 4.21—4.
24 (m, 2H), 7. 90 (t, 1H, J = 7.8Hz), 8.44— 8. 52 (m, 2H), 8.63 (d, 1H , J=4. 9Hz), 9. 31 (s, 1H).
[0156] [実施例 14]
2- (S)—1— (4 フルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチル 4— (D ノ ルロイシル)ホモピぺラジン ·二塩酸塩の合成:
[0157] [化 44]
[0158] 2- (S)—4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)—D—ノル口イシル]— 1— (4—フ ルォロイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチルホモピぺラジン(112mg)を実施例 1と同様に処理し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量: 96mg(90%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.89 (t, 3H, J = 7. 3Hz), 0. 9
6
5(d, 3H, J = 6. 2Hz), 1. 29— 1.42 (m, 4H), 1. 74—1. 93 (m, 4H), 3.45 -3. 53 (m, 3H), 3. 75— 3. 83 (m, 3H), 4. 21—4. 28 (m, 2H), 7.89 (t, 1 H, J = 7.8Hz), 8.49-8. 52 (m, 2H), 8.61 (d, 1H, J = 5. 1Hz), 9. 31 (s, 1H).
[0159] [実施例 15]
4— (グリシル)— 1— (イソキノリン— 5—スルホ -ル)ホモピペラジン'二塩酸塩の合 成:
[0161] 4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル)グリシル]— 1— (イソキノリン一 5—スルホ- ル)ホモピぺラジン( 120mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色粉末とし て得た。
収量: 82mg(73%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1.85 (br, 2H), 3.42— 3.61 (
6
m, 8H), 3.78 (s, 2H), 7.89 (t, 1H, J = 8.4Hz), 8.39 (dd, 1H, J = 7.3Hz
, 1.1Hz), 8.45-8.52 (m, 2H), 8.71 (d, 1H, J = 6.2Hz), 9.57(s, 1H) .
[0162] [実施例 16]
4— ( j8—ァラ -ル) 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピペラジン'二塩酸塩 の合成:
[0163] [化 46]
4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル) β—ァラ -ル]—1— (イソキノリン一 5—ス ルホニル)ホモピぺラジン( 102mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色 粉末として得た。
収量: 67mg(70%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1.82 (br, 2H), 2.74 (t, 2H, J
6
=6.8Hz), 3.44-3.62 (m, 10H), 8.41 (dd, 1H, J = 5.7Hz, 1.1Hz), 8. 47-8.53 (m, 2H), 8.71 (d, 1H, J = 6.2Hz), 9.58 (s, 1H) .
[0165] [実施例 17]
4— (L ァラ -ル)—1— (イソキノリン— 5—スルホ -ル)ホモピペラジン'二塩酸塩の 合成:
[0166] [化 47]
[0167] 4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル) L ァラ -ル] 1 (イソキノリン一 5—ス ルホニル)ホモピぺラジン (85mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色粉 末として得た。
収量: 54mg (68%)
'H -NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ : 1. 35 (d, 3H, J = 7. 0Hz) , 1.
6
87 (br, 2H) , 3. 41— 3. 62 (m, 8H) , 4. 23 (q, 1H, J = 7. 0Hz) , 7. 85 (t, 1H , J = 7. 8Hz) , 8. 36 (dd, 1H, J = 7. 6Hz, 1. 4Hz) , 8. 42 (d, 1H, J = 5. 9Hz) , 8. 46 (d, 1H, J = 8. 3Hz) , 8. 69 (d, 1H, J = 5. 9Hz) , 9. 51 (s, 1H) .
[0168] [実施例 18]
4— (D ァラ -ル)—1— (イソキノリン— 5—スルホ -ル)ホモピペラジン'二塩酸塩 の合成:
[0169] [化 48]
4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル) D ァラ-ル」一 1— (イソキノリン一 5—ス ルホニル)ホモピぺラジン (84mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色粉
末として得た。
収量: 57mg(72%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1.36 (d, 3H, J = 6.8Hz), 1.
6
87 (br, 2H), 3.49— 3.61 (m, 8H), 4.23 (q, 1H, J = 7.0Hz), 7.85 (t, 1H , J = 7.8Hz), 8.37 (dd, 1H, J = 7. OHz, 0.8Hz), 8.42 (d, 1H, J = 6.2Hz) , 8.46 (d, 1H, J = 8.4Hz), 8.69 (d, 1H, J = 6.2Hz), 9.51 (s, 1H) .
[0171] [実施例 19]
1— (イソキノリン— 5—スルホ -ル)—4— (L—バリル)ホモピペラジン'二塩酸塩の合 成:
[0172] [化 49]
[0173] 4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル) L—ノ リル]— 1— (イソキノリン一 5—スル ホニル)ホモピぺラジン (60mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色粉末 として得た。
収量: 44mg(78%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.95 (d, 3H, J = 7. OHz), 0.
6
99 (d, 3H, J = 7. OHz), 1.90 (br, 2H), 2.00— 2.15 (m, 1H), 3.52— 3.7 9(m, 8H), 4.07 (d, 1H, J = 5.4Hz), 7.85 (t, 1H, J=7.8Hz), 8.37 (dd, 1H, J = 7.3Hz, 1.1Hz), 8.42— 8.48 (m, 2H), 8.69 (d, 1H, J = 6.2Hz), 9.51 (s, 1H).
[0174] [実施例 20]
1— (イソキノリン— 5—スルホ -ル)—4— (D—バリル)ホモピペラジン'二塩酸塩の 合成:
[0175] [化 50]
2HCI
O-S-0
[0176] 4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル) D—ノ リル]— 1— (イソキノリン一 5—スル ホニル)ホモピぺラジン (68mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色粉末 として得た。
収量: 43mg(67%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.95 (d, 3H, J = 7.0Hz), 0.
6
99 (d, 3H, J = 7.0Hz), 1.90 (br, 2H), 2.03— 2.13 (m, 1H), 3.53— 3.7 9(m, 8H), 4.07 (d, 1H, J = 5.7Hz), 7.87 (t, 1H, J=7.6Hz), 8.39 (d, 1 H, J = 7.6Hz), 8.45-8.50 (m, 2H), 8.70 (d, 1H, J = 6.2Hz), 9.53(s, 1H).
[0177] [実施例 21]
4-(L- α, β—ジァミノプロピオ-ル)一 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピ ペラジン ·三塩酸塩の合成:
[0178] [化 51]
4— [Na, Νβ ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) L— a , β—ジァミノプロピオ- ル]— 1 (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン(59mg)を実施例 1と同様に 処理し、表記化合物を白色粉末として得た。
収量: 40mg(80%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1. 91 (br, 2H), 3. 21— 3. 75 (
m, 10H), 4.67-4.71 (m, 1H), 7.86 (t, 1H, J = 8.1Hz), 8.37— 8.48 ( m, 3H), 8.70 (d, 1H, J = 6.2Hz), 9.51 (s, 1H) .
[0180] [実施例 22]
4-(D- α, β—ジァミノプロピオ-ル)一 1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピ ペラジン ·三塩酸塩の合成:
[0181] [化 52]
[0182] 4— [Να, Νβ ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) D— a , β—ジァミノプロピオ -ル]—1— (イソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピぺラジン(60mg)を実施例 1と同様 に処理し、表記化合物を白色粉末として得た。
収量: 40mg(79%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1.92 (br, 2H), 3.24— 3.73 (
6
m, 10H), 4.68-4.73 (m, 1H), 7.88 (t, 1H, J = 8.1Hz), 8.39— 8.51( m, 3H), 8.71 (d, 1H, J = 5.9Hz), 9.54 (s, 1H) .
[0183] [実施例 23]
2- (S) -4- (L- a , βージァミノプロピオ-ル) 1— (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピペラジン'三塩酸塩の合成:
[0184] [化 53]
[0185] 2- (S)— 4— [Να, Νβ—ジ一(tert ブトキシカルボ-ル) L— α, β—ジァミノ
プロピオ-ル ] 1 (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピ ペラジン (42mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色粉末として得た。 収量: 29mg(81%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.92 (d, 3H, J = 6.8Hz), 1.
6
88 (br, 2H), 3.29— 3.57 (m, 5H), 3.78— 3.86 (m, 3H), 4.19—4.26 (m , 1H), 4.75-4.78 (m, 1H), 7.90 (t, 1H, J = 8.1Hz), 8.49— 8.53 (m, 2 H), 8.62 (d, 1H, J = 5.1Hz), 9.31 (s, 1H) .
[0186] [実施例 24]
2- (S)—4— (D- α, β—ジァミノプロピオ-ル)一 1— (4 フルォロイソキノリン一 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピペラジン'三塩酸塩の合成:
[0187] [化 54]
[0188] 2- (S)—4— [Να, Νμ—ジ一(tert—ブトキシカルボ-ル) D— a , β—ジァミノ プロピオ-ル ] 1 (4 フルォロイソキノリン 5 スルホ -ル) 2 メチルホモピ ペラジン (34mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色粉末として得た。 収量: 23mg(80%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :0.86 (d, 3H, J = 6.8Hz), 1.
6
93 (br, 2H), 3.22— 3.45 (m, 5H), 3.81— 3.87 (m, 3H), 4.08—4.18 (m
, 1H), 4.78 (br, 1H), 7.89 (t, 1H, J = 7.8Hz), 8.50— 8.53 (m, 2H), 8.
62 (d, 1H, J = 5.1Hz), 9.31 (s, 1H) .
[0189] [実施例 25]
4— (グリシル)一 1— (4—メチルイソキノリン一 5—スルホ -ル)ホモピペラジン'二塩 酸塩の合成:
[0190] [化 55]
H2
[0191] 4— [N— (tert ブトキシカルボ-ル)グリシル]— 1— (4—メチルイソキノリン一 5— スルホニル)ホモピぺラジン (49mg)を実施例 1と同様に処理し、表記化合物を白色 粉末として得た。
収量: 28mg(61%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1.93 (br, 2H), 2.97(s, 3H)
6
, 3.58-3.69 (m, 8H), 3.86 (s, 2H), 7.77 (t, 1H, J = 7.6Hz), 8.08 (d,
1H, J = 7.6Hz), 8.39 (dd, 1H, J = 8. 1Hz, 1.1Hz), 8.52 (d, 1H, J=l.1
Hz), 9.29 (s, 1H).
[0192] [実施例 26]
2- (S)—4— (グリシル)一 1— (4—メチルイソキノリン一 5—スルホ -ル) 2—メチ ルホモピペラジン ·二塩酸塩の合成:
[0193] [化 56]
H2
2- (S)— 4— [N— (tert—ブトキシカルボ-ル)グリシル] 1— (4—メチルイソキ ノリンー 5 スルホニル) 2 メチルホモピぺラジン(46mg)を実施例 1と同様に処 理し、表記化合物を白色粉末として得た。
収量: 34mg(78%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1.14 (d, 3H, J = 5.9Hz), 1.
6
83-2.01 (m, 2H), 2.96 (s, 3H), 3.42— 3.71 (m, 7H), 3.87 (dd, 2H, J
= 14.6Hz, 5.1Hz), 7.80 (t, IH, J = 8. 1Hz), 8.27 (dd, IH, J = 7.6Hz, 1
. 1Hz), 8.40 (dd, IH, J = 7.8Hz, 1.4Hz), 8.52 (d, IH, J = 0.5Hz), 9.2
9(s, IH).
[0195] [実施例 27]
2- (S)—1— (4 ブロモイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— (グリシル) 2—メチ ルホモピペラジン ·二塩酸塩の合成:
[0196] [化 57]
H2
[0197] 2- (S)—1— (4 ブロモイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— [N— (tert—ブトキ シカルボニル)グリシル]— 2—メチルホモピぺラジン(40mg)を実施例 1と同様に処 理し、表記化合物を白色粉末として得た。
収量: 32mg(84%)
'H-NMR (270MHz, DMSO d , 100°C) δ :1.06— 1.10 (m, 3H), 1.86 (
6
br, 2H), 3.42-3.55 (m, 3H), 3.68— 3.88 (m, 3H), 4.18—4.24 (m, 3
H), 7.86 (t, IH, J=7.6), 8.38 (dd, IH, J = 7.6Hz, 1.4Hz), 8.45 (dd, 1
H, J = 8.1Hz, 1.4Hz), 8.90 (s, IH), 9.37(s, IH) .
[0198] [実施例 28]
2- (S)—1— (4 ェテュルイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— (グリシル) 2—メ チルホモピぺラジン ·二塩酸塩の合成:
[0200] 2- (S)—1— (4 ェテュルイソキノリン一 5—スルホ -ル) 4— [N— (tert—ブト キシカルボ-ル)グリシル] 2 メチルホモピぺラジン(9. 7mg)を実施例 1と同様に 処理し、表記化合物を白色粉末として得た。
収量: 5. Omg (55%)
M/Z : 386 [M+]
[0201] 試験例 1 キナーゼ阻害活性の測定
< ROCKII: Rho― associated coiled— coil lormmg Kinase II (Rho^rナ ーゼ) >
特許文献 1に記載の方法により、 Rhoキナーゼアツセィを行い、 Rhoキナーゼに対 する 50%阻止濃度の値 (以下「IC 値」という)を算出した。
50
[0202] < PKA: Protein kinase A (プロテインキナーゼ A) >
ゥシ由来精製 PKA (触媒サブユニット、 Promega社)を用いて、基質ペプチド (LR RASLG、 Promega社)へのリン酸化を評価した。
全量 の系において、 43ngの上記酵素を 40mM Tris— HC1 (pH7. 5)、 20mM 塩化マグネシウム、 lmg/mL BSA、 5 ^ M 上記ペプチドおよび 1 μ Μ ATP存在下において、室温で 20分間反応させた。キナーゼ反応後、ルシフェラーゼ 薬 (Kinase— Glo Luminescent Kinase Assay キット、 Promega社)を用い て、反応系内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置 (MicroLumat、 Berthold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系における発光強 度と比較することで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出した。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
50
[0203] < PKC : Protein kinase C (プロテインキナーゼ C)〉
ラット由来精製 PKC (PKC α、 β、 γおよび少量の δ、 ζァイソフォームを含む、 Ρ romega社)を用いて、基質ペプチド(AAKIQASFRGHMARKK、 Promega社) へのリン酸化を評価した。
全量 の系において、 5ngの上記酵素を 20mM Tris— HC1 (pH7. 5)、 2 OmM 塩化マグネシウム、 0. 4mM 塩化カルシウム、 0. lmg/mL BSA、 0. 25 mM EGTA、 0. 5mg/mL phosphatidylserine (シグマ社)、 0. 05mg/mL 1 , 2— Dioctanoyl—sn—glycerol (シグマ社)、 10 M 上記ペプチドおよび 1 μ Μ
ATP存在下において、室温で 80分間反応させた。キナーゼ反応後、ルシフェラー で試薬 (Kinase— Glo Luminescent Kinase Assay = ット、 Promega社)を用 いて、反応系内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置 (MicroLumat 、 Berthold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系における発光強 度と比較することで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出した。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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[0204] < PKG : Protein kinase G (プロテインキナーゼ G) >
ゥシ由来精製 PKG a (Promega社)を用いて、基質ペプチド (RKISASEF、 Pro mega社)へのリン酸化を評価した。
全量 の系において、 64ngの上記酵素を 40mM Tris— HC1 (pH7. 5)、 20mM 塩化マグネシウム、 10 cGMP (シグマ社)、 100 M 上記ペプチド および 1 μ M ATP存在下において、室温で 80分間反応させた。キナーゼ反応後、 ノレシフェフーセ試薬 (Kinase— Glo Luminescent Kinase Assay キット、 Pro mega社)を用いて、反応系内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置( MicroLumat, Berthold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系 における発光強度と比較することで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出し た。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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[0205] < MLCK : Mvosin light chain kinase (ミオシン軽鎖キナーゼ)〉
-ヮトリ由来精製 MLCK (M. Anne Contiらの方法(Methods in Enzymol . 196, 34—47)にょり精製)を用ぃて、基質ぺプチド(八1¾?<31^0^?^^3、 Sigma社)へのリン酸化を評価した。
全量 の系において、 lOOngの上記酵素を 20mM Tris— HC1 (pH7. 5) 、 5mM 塩化マグネシウム、 0. 2mM 塩化カルシウム、 0. 02mg/mL BSA、 8 ^ g/mL ゥシ脳由来精製カルモジュリン(Sigma社)、 50 /z M 上記ペプチドおよ び 1 μ M ATP存在下において、室温で 80分間反応させた。キナーゼ反応後、ルシ フエフ ~~セ s«薬 (Kinase— u o Luminescent Kinase Assay やット、 Promega 社)を用いて、反応系内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置 (Micro Lumat、 Berthold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系におけ る発光強度と比較することで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出した。 この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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< CaMKII: Calcium/ calmodulin― dependent protein kinase― II (カルシゥ ム Zカルモジュリン依存性キナーゼ) >
ラット由来精製 CaMKII (CaMKII a、および少量の j8、 γ、 δァイソフォームを含 む、 Upstate社)を用いて、基質ペプチド(KKALRRQETVDAL、 Upstate社)へ のリン酸化を評価した。
全量 の系において、 33ngの上記酵素を 50mM Tris— HC1 (pH7. 5)、 10mM 塩化マグネシウム、 2mM 塩化カルシウム、 0. 04mgZmL BSA、 16 ;z g ZmL ゥシ脳由来精製カルモジュリン(Sigma社)、 0. 5mM ϋΤΤ、50 /ζ Μ 上記 ペプチドおよび 1 μ M ATP存在下において、室温で 60分間反応させた。キナーゼ 反 、後、ノレシフェフーで試薬 (Kinase— Glo Luminescent Kinase Assay =ッ ト、 Promega社)を用いて、反応系内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測 定装置(MicroLumat、 Berthold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未 反応系における発光強度と比較することで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を 算出した。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した
ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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[0207] < AuroraA: Aurora kinase A (オーロラキナーゼ A) >
ヒト組換え型 AuroraA (Upstate社)を用いて、基質ペプチド(LRRASLG、 Prom ega社)へのリン酸化を評価した。
全量 50 ;z Lの系において、 40ngの上記酵素を 40mM MOPS— NaOH (pH7. 0)、 20mM 塩化マグネシウム、 200 μ Μ 上記ペプチドおよび 1 μ M ATP存在下 において、室温で 80分間反応させた。キナーゼ反応後、ルシフェラーゼ試薬 (Kinas e— Glo Luminescent Kinase Assay = ット、 Promegaネエリ 用 ヽて、反 i 糸 内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置(MicroLumat、 Berthold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系における発光強度と比較する ことで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出した。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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[0208」 < MSK1: Mitogen— and stress― activated protein kinase— 1 (マイトンェ ンストレス活性ィ匕プロテインキナーゼ) >
ヒト組換え型 MSK1 (アミノ酸 2〜832、 Upstate社)を用いて、基質ペプチド(LRR ASLG、 Promega社)へのリン酸化を評価した。
全量 50 ;z Lの系において、 40ngの上記酵素を 40mM MOPS— NaOH (pH7. 0)、 20mM 塩化マグネシウム、 200 μ Μ 上記ペプチドおよび 1 μ M ATP存在下 において、室温で 80分間反応させた。キナーゼ反応後、ルシフェラーゼ試薬 (Kinas e— Glo Luminescent Kinase Assay = ット、 Promegaネエリ 用 ヽて、反 i 糸 内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置(MicroLumat、 Berthold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系における発光強度と比較する ことで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出した。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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[0209] < MKK4: Mitogen― activated protein kinase kinase 4 (マイトジェン活'性 化プロテインキナーゼキナーゼ 4) >
マウス組換え型 MKK4 (アミノ酸 34〜397、 Up state社)を用いて、ヒト組換え ¾JN Kl a l (不活性型、 Upstate社)へのリン酸化を評価した。
全量 の系において、 400ngの上記酵素を 25mM Tris— HC1 (pH7. 5) 、 10mM 塩化マグネシウム、 0. 02mg/mL 上言 6JNK1 a 1、および 1 μ M ATP 存在下において、室温で 80分間反応させた。キナーゼ反応後、ルシフェラーゼ試薬 (Kinase— Glo Luminescent Kinase Assay キット、 Promega社)を用いて、 反応系内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置 (MicroLumat、 Bert hold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系における発光強度と比 較することで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出した。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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[0210] < Abl : (癌遺伝子産物) >
ヒト組換え型 Abl (アミノ酸 27〜1149、 Upstate社)を用いて、基質ペプチド(EAI YAAPFAKK :、 Upstate社)へのリン酸化を評価した。
全量 の系において、 20ngの上記酵素を 50mM Tris— HC1 (pH7. 5)、 10mM 塩化マグネシウム、 50 M 上記ペプチド、および 1 μ M ATP存在下に おいて、室温で 80分間反応させた。キナーゼ反応後、ルシフェラーゼ試薬 (Kinase — Glo Luminescent Kinase Assay キット、 Promega社) 用 ヽて、反 i糸内 の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置(MicroLumat、 Berthold Te chnologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系における発光強度と比較するこ とで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出した。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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[0211] < Src : (癌遺伝子産物) >
ヒト組換え型 Src (Upstate社)を用いて、基質ペプチド(KVEKIGEGTYGWYK 、 Upstate社)へのリン酸化を評価した。
全量 50 ;z Lの系において、 6Unitの上記酵素を 40mM MOPS— NaOH (pH7. 0)、 10mM 塩化マグネシウム、 25mM 塩化マンガン、 300 μ Μ 上記ペプチドお
よび 0. ATP存在下において、室温で 80分間反応させた。キナーゼ反応後
、ノレシフェフー IT試薬 (Kinase— Glo Luminescent Kinase Assay キット、 Pro mega社)を用いて、反応系内の ATP量に由来する発光強度を化学発光測定装置( MicroLumat、 Berthold Technologies社)を用いて測定し、キナーゼ未反応系 における発光強度と比較することで、リン酸ィ匕反応により消費された ATP量を算出し た。
この系を用いて、各濃度の化合物存在下においてキナーゼ反応を行い、算出した ATP消費量の化合物濃度依存曲線から IC 値を算出した。
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[0212] 上記の各キナーゼに対する、特許文献 1に記載の化合物 4及び前記実施例化合 物の阻害活性の結果を表 1に示す。
(略称)
BSA: ゥシ血清アルブミン
EGTA : グリコールエーテルジァミン四酢酸
CGMP : 環状グアノシン一リン酸
MOPS : 3—モルホリノプロパンスルホン酸
[0213] [表 1]
キナーゼ阻害活性 (I C 5 0、 M)
[0214] 前記評価系を用いて算出した IC 値を基に、試験化合物の ROCKII阻害活性を 1
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. 0としたときの、他のキナーゼ(PKA、 PKG、 CaMKII, AuroraA)の相対阻害活 性比を算出し、比較した。その結果を表 2に示す。
[0215] [表 2]
キナーゼ相 1"阻害活性比
目対阻害活性];
化合物 ROCK I PKA PKG C aMK I A u r o r
I I a A 実施例 1 1 >3000 2117 763 2817 実施例 2 1 >3000 933 890 〉3000 実施例 3 1 >300 11 135 145 実施例 4 1 >300 93 300 >300 実施例 6 1 >300 30 >300 >300 実施例 9 1 >160 46 83 201 実施例 11 1 >300 79 364 210 実施例 12 1 >300 92 >300 244 化合物 4 1 300 36 18 75
[0216] 表中、 ROCKII、 PKA, PKG、 CaMKII、 AuroraAは前記と同じ意味を示す,
[0217] 以下に具体的な製剤例を示す。
製剤例 1(カプセル剤) 実施例 1の化合物 30 m g 微結晶セルロース 30mg 乳糖 57 m g ステアリン酸マグネシウム 3mg
12 Omg 上記成分を常法により混合した後ゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤を得た [0218] 製剤例 2 (錠剤) 実施例 1.の化合物 3 Omg でん粉 44mg でん粉 (のり用) 5· 6mg ステアリン酸マグネシウム 0. 4mg カルボキシメチルセルロースカルシウム 2 Omg
10 Omg
上記成分を常法により混合し錠剤を得た。
製剤例 3 (注射剤)
実施例 1の化合物(lOOmg)及び塩ィ匕ナトリウム(900mg)を約 80mLの注射用蒸 留水に溶かし、次いで得られた溶液に注射用蒸留水を加え、総量 lOOmLにする。こ れを無菌濾過した後アンプル 10本に分注、シールし、無菌の注射剤を得た。