JPH1087491A - 転写調節因子阻害剤 - Google Patents

転写調節因子阻害剤

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JPH1087491A
JPH1087491A JP26911596A JP26911596A JPH1087491A JP H1087491 A JPH1087491 A JP H1087491A JP 26911596 A JP26911596 A JP 26911596A JP 26911596 A JP26911596 A JP 26911596A JP H1087491 A JPH1087491 A JP H1087491A
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JP26911596A
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Takashi Okamoto
尚 岡本
Akitaka Kanekawa
章孝 金川
Tsuneo Sato
恒雄 佐藤
Yasuri Morikawa
安理 森川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NF−kB燐酸化酵素阻害作用に基ずく転写
調節因子NF−kBの活性化の阻害剤、すなわち、NF
−kBを阻害することによる、炎症性サイトカインの産
生異常や細胞接着分子の発現増加によって引き起こされ
る疾患などの予防治療剤を提供することである。 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 で示される置換されたイソキノリン誘導体またはその酸
付加塩を有効成分とするNF−kB燐酸化酵素阻害剤、
NF−kB活性化抑制剤、炎症性サイトカイン産生抑制
剤、炎症性細胞接着分子発現抑制剤、および慢性関節リ
ウマチ予防治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NF−kB燐酸化
酵素阻害剤作用に基づく転写調節因子NF−kBの活性
化の阻害剤、すなわち、NF−kBを阻害することによ
る、炎症性サイトカインの産生異常や炎症性細胞接着分
子の発現増加によって引き起こされる疾患等の予防治療
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】生体が順応できない刺激(起炎性刺激)
に遭遇した時、障害された組織から種々の反応媒介物質
が産生され、炎症が惹起される。中でも、IL−1,I
L−6,IL−8等のインターロイキン類やTNF(腫
瘍壊死因子)等の炎症性サイトカイン、およびICAM
−1,ICAM−2,VCAM−1,VCAM−2,E
LAM等の炎症性細胞接着分子は、自己免疫疾患を始め
とする免疫異常に起因する種々の疾患において、関わっ
ていることが明らかになってきている。
【0003】例えば、慢性関節リウマチ(RA)患者の
関節液中のIL−6濃度が局所の炎症所見と相関する
〔Hirano, et al.,Eur.J.Immunol., 18,1797, (1988);D
i Giovine,F.S.ら Rheumatol. Int., 9: 259,(1990); R
ooney, M. ら Rheumatol. Int.,10: 217,(1990) 〕、血
清中のIL−6濃度が全身的なRA疾患活動性と相関する
〔Eastgate, J.A.ら Lancet, 8613: 706,(1988) 〕、I
L−8が関節炎、乾癬、喘息、敗血症等の多くの炎症性
疾患で産生異常が認められている(岡本秀一, 臨床免
疫, 27(Suppl.16): 80-85, (1995) 〕、また、慢性関節
リウマチ(RA)患者の罹患関節においては、滑膜細
胞、組織マクロファージ、血管内皮細胞などにICAM
−1の強い発現が見られている〔Hale,P.L. らArthriti
s Rheum.,32:22-30,(1989)〕。さらに、ICAM−1、
E−selectin等、炎症反応に深く関与している細胞接着
分子に関しては、中和抗体で機能を抑制することにより
炎症症状が改善すること、臓器移植時の拒絶反応の制御
にも使えることが明らかになってきている〔特開平6−
209778;細胞工学 別冊 接着分子ハンドブック
秀潤社:p139-144,p229-234, (1994); Isobe, M. ら Sci
ence ,255: 1125-1127 (1992) 〕。
【0004】炎症のごく早期段階でIL−1、TNFな
どの炎症性サイトカインが炎症部位より産生され〔Baum
ann,H.らImmunol.Today,15:74-80,(1994) 〕、IL−
1,TNFにより血管内皮細胞上に炎症性細胞接着分子
のICAM−1,VCAM−1,ELAM−1等の産生
が増強され、炎症細胞が炎症部位に浸潤する〔Shimizu,
Y.らImmunol.Today,13:106-112,(1992) 〕。同時に炎症
部位より産生されるIL−8等の走化性因子によって、
好中球やT細胞が炎症部位に浸潤する〔Matushima,K.ら
Cytokine,1:2-13,(1989)〕。さらに、単球系の細胞を始
めとする浸潤細胞によって、IL−6の産生が亢進し症
状を増悪する〔Van Snick,J らAnnu.Rev.Immunol.,8:23
5-278(1990) 〕等のことが明らかにされてきている。
【0005】これまで多くの抗炎症剤が使用されている
が、種々の炎症性サイトカインの産生、または炎症性細
胞接着分子の発現を抑制するものとしては、いまだに有
効なものは出現していない。NSAID(非ステロイド
抗炎症剤)類は、アラキドン酸代謝においてシクロオキ
シゲナーゼを阻害することにより、プロスタグランジン
の産生を抑制するのみで、直接サイトカインの産生は阻
害しない。ステロイド類は、複数のサイトカインの産生
を抑制はするが、ホルモン性の副作用が大きい。また、
サイトカイン抗体あるいはIL−1受容体アンタゴニス
トの類は、特定のサイトカインの活性を抑制するが、複
数のサイトカインの機能を直接抑制することはできな
い。ICAM−1に対する抗体も、臓器移植時の拒絶反
応抑制などで効果が報告されているが、抗体であるので
特異性が高く、ICAM−1の作用は抑制するが、他の
接着分子や、ましてサイトカインの産生には直接の作用
はない。
【0006】最近、IL−6、IL−8等の炎症性サイ
トカインや炎症性細胞接着分子の遺伝子解析が進み、こ
れらが共通の転写調節因子で制御されていることが明ら
かになってきた〔Shimizu, H. ら Mol.Cell.Biol.,10:
561-568,(1990); Zhang, Y.ら Mol.Cell.Biol.,10: 381
8-3823,(1990); Liebermann, T.ら Mol.Cell.Biol.,10:
2327-2334,(1990); Kunsch, C.ら Mol.Cell.Biol.,13:
6137-6146,(1993)〕。この転写調節因子が、ヌクレア
ファクターカッパービー(NF−kB)と呼ばれている
蛋白質である〔Sen, R. ら Cell 46: 705-716 (1986);
Baeuerle, P.A.ら Genes Dev. 3: 1689-1698 (1989); L
enardo, M.J.ら Cell 58: 227-229 (1989)〕。一般的
に、転写調節因子は遺伝子の上流側に存在するプロモー
ターあるいはエンハンサー部分に結合する蛋白質で、複
数の因子によって下流の遺伝子の転写を調節している。
【0007】NF−kBは、1986年にSenらにより同
定された蛋白質で〔Sen,R.ら Cell46: 705-716 (198
6)〕、p50とp65の2つのサブユニットからなり、
IL−2受容体α鎖,T細胞受容体β等の受容体、IF
Nβ,IL−2,IL−6,IL−8,GM−CSF,
G−CSF,TNFα,リンホトキシン等のサイトカイ
ンの発現誘導を担っていることが明らかになってきてい
る〔細胞増殖の制御南江堂:p161-175 (1993)〕。さら
に、NF−kBは、ICAM−1〔Voraberger, G.ら I
mmunol. 147: 2777-2786 (1991) 〕、ELAM−1〔Wh
elan, J.ら NucleicAcids Res. 19: 2645-2653 (199
1)〕等、炎症反応に深く関与している細胞接着分子の発
現にも関与している。
【0008】ところで、本発明者らが先の出願(特願平
7−125128)で記載したように、NF−kBはエ
イズウイルス(HIV)、成人T細胞白血病細胞の原因
ウイルス(HTLV−1)、サイトメガロウイルス(C
MV)等の宿主内増殖にも関与していることが明らかに
なってきた〔Lenardo, M.J. ら Cell 58: 227-229 (198
9); 藤沢順一ら, 実験医学,11: 1073-1079,(1993); Sam
bucetti, LC.ら EMBOJ.,8: 4251-4258 (1989); Kowali
k, TF.ら Proc Natl Acad Sci USA, 90: 1107-1111,(19
93); Boldogh, I.ら Biochem Biophys Res Commun 197:
1505-1510 (1993) 〕。すなわち、HIV、HTLV−
1は感染後、ヒト細胞内においてヒトのNF−kBを使
用して、自らの遺伝子増殖を行っているのである。
【0009】HIVが自己を複製する際には、HIV遺
伝子の中にあるエンハンサーと呼ばれる、転写を活性化
(増強)する配列が重要な働きを行う。 このHIVエ
ンハンサー中にはNF−kB結合配列が存在し、HIV
エンハンサーの転写増強にはNF−kBの活性化が極め
て重要であることも知られている( Bielinska A, Nabel
GJ ら、Science 259: 997-1000, 1990)。
【0010】現在エイズの発症メカニズムとしては、H
IVの盛んな増殖がエイズ発症の最大の要因であること
が示唆されており〔Pantaleo, G.ら, Nature 362: 355-
358(1993) ; Embretson, J.ら, Nature 362: 359-362
(1993)〕、HIVの増殖を抑制する治療薬の開発が進め
られている。AZT等の逆転写酵素阻害剤、プロテアー
ゼ阻害剤等が試みられているが、強い毒性の出現や耐性
株の出現等〔Larder B.A., Science 243, 1731, (198
9); Concorder Coordinating Committee, Lancet343, 8
71, (1993) 〕でまだ有効な治療薬は見出されていない
のが現状である。したがって、この転写調節因子NF−
kBの機能を阻害する化合物は、上記のウイルスの遺伝
子発現を抑制することができ、優れた抗ウイルス剤とな
り得ると期待される。
【0011】また、NF−kBは、TNF,IL−1等
により活性化された免疫系細胞、間質系細胞または内皮
細胞でIL−6,IL−8やICAM−1等の産生を誘
導することが知られている。例えば、TNFやIL−1
で刺激した線維芽細胞では、NF−kBが活性化され、
その結果、IL−6やIL−8の産生が上がる〔Ng SB.
らJ.Biol.Chem.269(29):19020-7,(1994)〕、また、TN
FやIL−1で刺激した血管内皮細胞では、NF−kB
が活性化され、その結果、ICAM−1の産生が上がる
〔Ledebur HC. らJ.Biol.Chem.270(2):933-43,(1995)〕
等が知られている。RA患者に抗TNF抗体を投与する
と、患者血清中のIL−6や遊離型のICAM−1が減
少する報告〔Lorez HM. らJ.Immunol.156(4):1646-53(1
996)〕もある。
【0012】さらに、NF−kBが細胞接着因子の産生
に深く関わっていることから、NF−kBの活性を抑制
することで癌転移抑制作用が認められる〔Tozawa K.
ら,Cancer Res.55:4162-67(1995)〕。したがって、各種
炎症疾患等において症状が増悪する過程でNF−kBは
重要な働きをし、NF−kBの活性を抑制することで治
療予防効果が期待できる〔岡本尚ら, 現代医学,43:615-
21,(1996) 〕。
【0013】NF−kBは、休止期の細胞では細胞質に
局在し、NF−kBの阻害物質であるIkB(inhibito
r ofNF−kB)との複合体を形成して不活性の状態で
存在している〔Baeuerle, P.A., ら Science 242: 540-
546 (1988); Zabel, U. ら Cell 61: 255-265 (199
0)〕。すなわち、NF−kBが細胞質から細胞核内へ移
行することが、NF-kB活性化の必須要件である。細胞
に刺激が加わりNF−kBが活性化する場合、NF−k
B・IkB複合体に対してプロテインキナーゼC(以
下、PKCと呼ぶ)が作用し、IkBを燐酸化すること
により複合体よりIkBを分離し、NF−kBを核内へ
移行させる機構が働くことが、in vitroの実験結果から
明らかにされている〔Ghosh, S. ら Nature 344: 678-6
82 (1990) 〕。
【0014】また、プロテインキナーゼAの阻害がNF
−kBの活性化を抑え、IL−6等のサイトカインの産
生を抑制するという報告もある〔Yu Geng ら,J.Immuno
l.151(12):6692-6700(1993)〕。しかし、NF−kBの
活性化はPKCを阻害する条件でも起こることが示され
ている〔Meichle, A. ら, J. Biol. Chem. 265:8339-83
43 (1990); Schutze, S ら, Cell 71: 765-776 (1992)
〕ことから、NF−kBの活性化についてはいまだに
解明されていない。IkBを燐酸化する酵素は、まだ明
確には同定されていない。
【0015】最近、NF−kBが活性化される際には、
NF−kB自身が燐酸化されることが明らかになってき
た〔Mellits, K.H.,ら Nucleic Acids Res. 21: 5059-5
066(1993); Hayashi, T.,ら J. Biol. Chem. 268: 2679
0-26795 (1993); Naumann,M., ら EMBO J. 13: 4597-46
07 (1994); Diehl, J.A., ら J. Biol. Chem. 270:2703
-2707 (1995)〕。このNF−kBを燐酸化する酵素(以
下、NF−kB燐酸化酵素と呼ぶ)によりNF−kBが
燐酸化を受けると、DNAに結合するようになることも
確認されている〔Hayashi, T.,ら J. Biol. Chem. 268:
26790-26795(1993); Naumann, M., ら EMBO J. 13: 45
97-4607 (1994) 〕。
【0016】NF−kBを燐酸化する酵素としてNF−
kB燐酸化酵素が知られている〔Hayashi, T.,ら J. Bi
ol. Chem. 268: 26790-26795 (1993) 〕。本酵素は、大
量培養したヒト末梢血リンパ球の細胞質画分から精製さ
れる、ATPとの結合反応後のゲル電気泳動から推定さ
れる分子量が43kDaの蛋白リン酸化酵素であり、N
F−kBのサブユニットp50とp65、両方のセリン
残基を燐酸化しNF−kBを活性化するものである。N
F−kB燐酸化酵素をATPと共に30℃でインキュベ
ートすると、NF−kBがDNAと結合できるようにな
ることがEMSA(Electrophoresis Mobility Shift A
ssay)の実験結果から示されている。
【0017】本酵素を抑制する阻害剤が得られれば、N
F−kBを介した疾患に対する治療が可能になると考え
られる。すなわち、複数の炎症性サイトカイン遺伝子の
転写を抑制し、炎症性サイトカインの異常産生を抑制す
る医薬品、また、細胞接着を介した炎症等に対する抗炎
症剤や癌転移抑制剤、臓器移植の際に用いる免疫抑制
剤、さらに、抗ウイルス予防治療剤としての臨床応用が
考えられる。
【0018】既に転写調節因子阻害剤としては特開平7
−291859号公報、特開平7−291860号公報
があるが、上記発明で用いられている化合物は、ユビキ
ノン誘導体であり、本発明の化合物とは異なる。さら
に、これらの特開平7−291859号公報、特開平7
−291860号公報では、NF−kBなどの転写調節
因子の阻害機構に関しては触れられていない。本発明者
らは、本発明とは異なる化学構造を有するビスインドリ
ールピラン誘導体のNF−kB燐酸化酵素阻害活性を見
出し、すでに出願した(特願平7−125128)。
【0019】また、一般式(1)で示される化合物のう
ち一部のものについては、特開昭57−156463号
公報、特開昭57−200366号公報、特開昭58−
121278号公報、特開昭58−121279号公
報、特開昭59−93054号公報、特開昭60−81
168号公報、特開昭61−152658号公報、特開
昭61−227581号公報、特開平2−256617
号公報、特開平4−264030号公報、特開平7−4
1424号公報に示されるように、血管平滑筋弛緩作
用、血流増加作用、血圧降下作用、脳保護作用、気管支
痙攣抑制作用、気管支収縮抑制作用、活性酸素産生抑制
作用を示し、血管拡張剤、脳循環改善剤、狭心症治療
剤、血圧降下剤、脳心血管系の血栓症の予防治療剤、脳
機能改善剤、気管支平滑筋弛緩剤、マクロファージの活
性酸素産生抑制剤において有効な物質であることは既に
公知である。しかし、一般式(1)で示される化合物が
有する、NF−kB活性化抑制作用に基づく炎症性サイ
トカイン産生抑制効果および炎症性細胞接着分子発現抑
制効果は知られていなかった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、NF−kBの活性化を阻害する
ことに基づく、炎症性サイトカインの産生異常によって
引き起こされる疾患、さらに、炎症性細胞接着分子発現
異常による疾患等の予防治療剤の開発を最終的な目的と
し、そのためにNF−kB燐酸化酵素阻害剤を提供する
ことである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記NF
−kB燐酸化酵素阻害物質に関し、鋭意検索を行ったと
ころ、一般式(1)で示される化合物にNF−kB燐酸
化酵素を強力に阻害する活性が存在することを見出し、
本発明を完成した。
【0022】すなわち、本発明は、一般式(1)
【化4】 〔式中、R1 は水素、塩素または水酸基を表し、R1
水素のとき、R2 は式(2)
【0023】
【化5】 (式中、Aは無置換もしくは炭素に結合する水素が炭素
数1ないし4個のアルキル基で置換されている炭素数2
ないし4個のアルキレン基、R3 、R4 は互いに独立し
て水素または炭素数1ないし4個の直鎖または枝分かれ
を有するアルキル基、R5 は水素、炭素数1ないし6個
からなる直鎖または枝分かれを有するアルキル基、アミ
ジノ基、カルバモイル基、シクロヘキシル基、あるいは
3 、R4は直接結合して無置換もしくは炭素数1ない
し4個のアルキル基で置換されている炭素数4個以下の
アルキレン基、あるいはR4 、R5 は直接結合し隣接す
る窒素原子とともに複素環を形成する基を表す。)で示
される化合物、または式(3)
【0024】
【化6】 (式中、R6 は水酸基またはアミノ基を表す。)で示さ
れる化合物を表し、R1が塩素または水酸基のとき、R2
は式(2)で示される化合物のうち、Aはエチレン
基、R3 、R4 は互いに結合したトリメチレン基、R5
は水素原子の場合を表す。〕で示される置換されたイソ
キノリン誘導体またはその酸付加塩を有効成分とするN
F−kB燐酸化酵素阻害剤である。
【0025】そして、上記一般式(1)で示される置換
されたイソキノリン誘導体またはその酸付加塩のうち、
1 が水素のときのR2 が、式(2)において、Aは無
置換の炭素数2ないし4個のアルキレン基、R3 は水
素、R4 は水素またはメチル基、R5 は水素、メチル
基、アミジノ基、カルバモイル基またはシクロヘキシル
基、あるいはR3 ,R4 は直接結合して無置換のエチレ
ン基、あるいはR4 ,R5は直接結合し隣接する窒素原
子とともに6員環複素飽和単環を形成する基を表す場合
の化合物であるのが、最も好ましいNF−kB燐酸化酵
素阻害剤である。また、本発明は、上記一般式(1)で
示される置換されたイソキノリン誘導体またはその酸付
加塩を有効成分とするNF−kB活性化抑制剤、炎症性
サイトカイン産生抑制剤、炎症性細胞接着分子発現抑制
剤および慢性関節リウマチ治療剤である。
【0026】本発明において、一般式(1)で示される
具体的な化合物としては、例えば、次の化合物をあげる
ことができる。 (1)1−(5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラ
ジン (2)N−(2−グアニジノエチル)−5−イソキノリ
ンスルホンアミド (3)N−(2−アミノエチル)−5−イソキノリンス
ルホンアミド (4)N−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−5−
イソキノリンスルホンアミド (5)N−(3−アミノプロピル)−5−イソキノリン
スルホンアミド (6)1−(5−イソキノリンスルホニル)ピペラジン (7)1−(1−ヒドロキシ−5−イソキノリンスルホ
ニル)ホモピペラジン (8)N−[2−(N−シクロヘキシルアミノ)エチ
ル]−5−イソキノリンスルホンアミド (9)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−アミ
ノピペリジン (10)N−[2−(N、N−ジメチルアミノ)エチ
ル]−5−イソキノリンスルホンアミド (11)1−カルバモイルー4−(5−イソキノリンス
ルホニル)ホモピペラジン (12)N−[2−(1−ピペリジル)エチル]−5−
イソキノリンスルホンアミド (13)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−メ
チルピペラジン (14)1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−ヒ
ドロキシピペリジン (15)1−(1−クロロ−5−イソキノリンスルホニ
ル)ホモピペラジン (16)N−(4ーアミノブチル)−5−イソキノリン
スルホンアミド (17)1−(5−イソキノリンスルホニル)−2−メ
チルピペラジン
【0027】本発明で使用する一般式(1)で示される
化合物を得るには、公知の方法、例えば、Morikawa A.
ら J.Med.Chem.,32:46-50(1989) 、特開昭57−156
463号公報、特開昭57−200366号公報、特開
昭58−1121278号公報、特開昭58−1121
279号公報、特開昭59−93054号公報、特開昭
60−81168号公報、特開昭61−152658号
公報、特開昭61−227581号公報等に記載されて
いる方法により合成することができる。代表例として、
5−イソキノリンスルホン酸クロリドとホモピペラジン
を反応させることにより合成する方法を下記に示す。
【0028】
【化7】
【0029】このようにして得られた化合物を有効成分
として、NF−kB燐酸化酵素阻害剤を製造することも
可能ではあるが、さらに、シリカゲルカラムや逆相系カ
ラムなどの公知の精製手段を用いて精製し、得られた化
合物を有効成分としてNF−kB燐酸化酵素阻害剤とす
ることが好ましい。かくして得られる一般式(1)で示
される化合物が、NF−kB燐酸化酵素を阻害すること
は、NF−kB燐酸化酵素によるp50またはp65の
燐酸化度を測定して検出することができる。以下に、一
つの方法の例を示す。被験化合物をジメチルスルホキサ
イド(以下、DMSOと呼ぶ)に10mMになるように
溶解し、これを原液溶液として、蒸留水で希釈して40
0μMの溶液を調製する。比較のためDMSOを蒸留水
で同濃度になるように希釈したものを用意する。
【0030】10mMMgCl2 、3mM塩化マンガン
(MnCl2 )、5mMDTT、0.5mMATPおよ
び精製したNF−kB・NF−kB燐酸化酵素複合体を
一定量含む20mMのN−2−ハイドロキシエチルピペ
ラジノ−N−2−エタンスルホン酸緩衝液(以下、HE
PESと呼ぶ)(pH7.8)に、3,000Ci/m
mol濃度の[γ−32P]ATPを10μCi添加し、
最終的に10μlとする。30℃で30分間インキュベ
ートした後、SDSサンプルバッファー10μlを加え
て反応を停止させる。この液を100℃で5分間沸騰さ
せた後、10%アクリルアミドよりなるSDSゲル電気
泳動法により分画する。次に、オートラジオグラフィー
で、65kDaのNF−kBp65サブユニットの位置
を確認し、その部分をBAS−2000バイオ・イメー
ジングアナライザー〔富士写真フイルム(株)製〕を用
いて放射能を測定する。阻害化合物を添加しないDMS
O溶液の反応による放射能の量を対照に、その低下率に
より阻害活性を求めることができる。
【0031】NF−kB燐酸化酵素は、例えば、上記文
献に従って、種々の細胞・細胞株、組織等から抽出する
ことができる。特に、NF−kB燐酸化酵素は、林らの
方法〔Hayashi T.ら J. Biol.Chem., 268: 26790 (199
3) 〕に従ってヒトのT細胞からNF−kBとの複合体
として得ることができる。すなわち、ヘパリン添加ヒト
末梢血よりPBMC(単核球)画分を回収し、培地(R
PMI−1640)で洗浄の後、必要に応じて培養を行
い、その後、細胞を回収する。細胞をダウンスホモジナ
イザ−等にて破砕し、10,000g,10分,4℃の
遠心により上清を回収する。この上清を100,000
g,30分の遠心により上清を回収し、S100画分と
する。S100画分を適当な緩衝液に対して透析し、陰
イオン交換、陽イオン交換、各種アフィニティ−、ゲル
ろ過、密度勾配遠心等を用いて分離を行う。NF−kB
燐酸化酵素はNF−kBと複合体を形成していることか
ら、EMSA(Electrophoresis Mobility Shift Assa
y)により含まれている画分を決定することができる。
【0032】EMSAはSenらの方法〔Sen, R.ら Ce
ll 46: 705-716 (1986)〕を参考にして、以下のように
して行うことができる。ただし、これは一例であり、こ
の方法にこだわらない。すなわち、10mM塩化マグネ
シウム(MgCl2 )、5mMジチオスレイトール(DTT
)、50mMトリス塩酸緩衝液(Tris-HCl)(pH
8.0)に、7.05pmolNF−kBコンセンサス
オリゴヌクレオチド(以下、NF−kBオリゴと呼ぶ)
(Promega社製)、10unitT4ポリヌクレオチド
キナーゼ(NEW ENGLAND社製)、222TBq/mmo
l濃度の[γ−32P]ATPを1.85MBq添加し、
最終的に25μlとする。37℃で30分間インキュベ
ートした後に、1mMEDTA、10mMTris−H
Cl(pH8.0)を25μl加え、クイックスピンカ
ラムG−50〔ベーリンガー・マンハイム山之内(株)
製〕を用い、1,100gで1分間遠心し、放射線標識
の入ったNF−kBオリゴを分離する。100mM塩化
ナトリウム(NaCl)、2mMEDTA、20mMD
TT、10%グリセロール、0.24%ノニデットP−
40(NP−40)、0.16%デオキシコレート(D
OC)を含む2mMTris−HCl(pH7.5)
5μlに、10μg/μl濃度のpoly(dI−d
C)poly(dI−dC)〔シグマ(株)製〕を1μ
l加え、試料2μlを加える。さらに、上記で調製した
NF−kBオリゴを1万cpmになるように添加し、最
終的に10μlにする。室温で1時間インキューベート
した後に、4%アクリルアミドゲルよりなるネイティブ
ゲル電気泳動法により分離し、オートラジオグラフィー
にてNF−kBオリゴと結合する画分を決定する。この
画分がNF−kB・NF−kB燐酸化酵素複合体が含ま
れている画分である。
【0033】この画分を回収して酵素阻害剤の評価に供
する。この画分に、NF−kB燐酸化酵素が存在してい
ることは、燐酸化反応により約65kDaおよび約50
kDaの位置に燐酸化されたバンドが検出されることよ
り明らかである。一般式(1)で示される化合物は、常
法により製剤化することができる。すなわち、一般式
(1)で示される化合物またはその酸付加塩と、公知の
医薬上許容される担体とを混合すればよい。上記の担体
としては、例えば、ゼラチン:乳糖、グルコース等の糖
類:コーン、小麦、米、とうもろこし澱粉等の澱粉類:
ステアリン酸等の脂肪酸:ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩:タルク:植物
油:ステアリンアルコール、ベンジルアルコール等のア
ルコール:ガム:ポリアルキレングリコール等があげら
れる。
【0034】これらのうち、液状担体の例としては、一
般に水、生理食塩液、デキストロースまたは類似の糖溶
液、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグ
リコール類があげられる。本発明のNF−kB燐酸化酵
素阻害剤がカプセル剤である場合には、通常ゼラチンを
用いてカプセルを調製し使用することが望ましい。
【0035】投与方法は、経口投与や非経口投与があげ
られる。経口投与に適した剤形としては、錠剤、カプセ
ル剤、粉剤、顆粒剤、液剤、エリキシル剤等があげら
れ、非経口投与に適した剤形としては、液剤が例示され
る。非経口的に筋肉内注射、静脈内注射、皮下注射で投
与する場合、一般式(1)で示される化合物またはその
酸付加塩は、溶液を等張するために、食塩またはグルコ
ース等の他の溶質を添加した無菌溶液として使用され
る。
【0036】注射により投与する場合には、さらに、滅
菌水、塩酸リドカイン溶液(筋肉内注射用)、生理食塩
液、ブドウ糖溶液、静脈内注射用溶液、電解質溶液(静
脈内注射用)等で溶解することも好ましい。このように
溶解した場合には、通常0.001〜20重量%、好ましくは
0.01〜10重量%の有効成分を含むように調製されること
がある。経口投与が錠剤、カプセル剤、粉剤、または顆
粒剤である場合、0.01〜100 重量%、好ましくは1 〜40
重量%の有効成分を含む例があげられる。経口投与の液
剤の場合、0.01〜20重量%の有効成分を含む懸濁液また
はシロップが好ましい例としてあげられる。この場合、
担体としては、香料、シロップ、製剤的ミセル体等の水
様賦形剤をあげることができる。
【0037】本発明のNF−kB燐酸化酵素阻害剤の投
与量は、患者の年齢、健康状態、体重、症状の程度、同
時処置があるならばその種類、処置頻度、所望の効果の
性質、あるいは投与経路や投与計画によっても決定され
るが、一般には、非経口投与で0.01〜100mg/kg・日、経
口投与で0.02〜400mg/kg・日があげられる。化合物によ
って投与量は若干異なるが、例えば、実施例に記載した
化合物(1)の場合は、非経口投与では、好ましくは0.
1mg/kg・日以上、さらに好ましくは1mg/kg・日以上、特
に好ましくは2mg/kg・日以上があげられ、経口投与で
は、好ましくは0.5mg/kg・日以上、さらに好ましくは1
または2mg/kg・日以上、特に好ましくは4mg/kg・日以上
があげられる。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明をさら
に詳細に述べるが、これに限定されるものではない。 (実施例1)まず、NF−kB・NF−kB燐酸化酵素
複合体を調製し、NF−kB燐酸化酵素阻害活性を測定
する方法の具体例を述べる。 (1)NF−kB・NF−kB燐酸化酵素複合体の調製 NF−kB・NF−kB燐酸化酵素複合体の調製は、林
らの方法〔Hayashi T.ら J. Biol.Chem., 268: 26790
(1993)〕に準じて行った。すなわち、ヘパリン添加ヒト
末梢血よりPBMC画分を回収し、RPMI−1640
で洗浄の後、無血清培地AIM−V(GIBCO BR
L製)に浮遊させた。OKT3固層化フラスコ〔ヤンセ
ン協和(株)製〕中で3日間培養し、その後、AIM−
V/0.2 units/ml インスリン/1%ヒト
血清/700Jurkat units/ml IL−
2に浮遊させ、ガス透過性カルチャーバッグ(デュポン
社製)中にて1週間培養を行った。培養終了時に遠心に
より細胞(約5×109 cells)を回収し、NF−
kB・NF−kB燐酸化酵素複合体調製のための材料と
した。 細胞を3倍量の低張緩衝液〔1.5mM Mg
Cl2 ,5mM KCl,10mM HEPES(pH
7.5),4℃〕に浮遊させた後、10分間静置した。
ダンスホモジナイザーに移して、10回のストロークで
細胞を破砕し、10,000g,10分,4℃の遠心に
より上清を回収した。この上清を100,000g,3
0分の遠心により上清を回収し、S100画分とした。
【0039】以下、NF−kB・NF−kB燐酸化酵素
複合体の調製操作は4℃で実施した。S100画分を緩
衝液D(20mM HEPES(pH7.9),20%
glycerol,0.2mM EDTA,0.5m
M PMSF,0.5mMDTT)+0.28MKCl
に対して透析した。DEAE−Sepharose〔フ
ァルマシア バイオテク(株)製〕を詰めたカラム(1.
6 ×10cm)を用意し、緩衝液D+0.28MKClで平
衡化した。このカラムに透析したS100画分をアプラ
イして、その非吸着画分を回収した。
【0040】その非吸着画分を緩衝液D+0.1MKC
lに対して透析し、次のカラムにアプライした。次のカ
ラムとしては、緩衝液D+0.1MKClであらかじめ
平衡化しておいたDEAE−Sepharoseカラム
(1.6 ×10cm)を用いた。上記の非吸着画分をこのカラ
ムにアプライして、5カラム体積の緩衝液D+0.1M
KClで洗浄後、10カラム体積で0.1〜0.5MK
Clのグラジエント溶出を行った。NF−kB・NF−
kB燐酸化酵素複合体が含まれている画分は、EMSA
(Electrophoresis Mobility Shift Assay)により決定
した。
【0041】EMSAはSenらの方法〔Sen, R.ら Ce
ll 46: 705-716 (1986)〕を参考にして、以下のように
して行った。すなわち、10mMMgCl2 、5mMD
TT、50mMTris−HCl(pH8.0)に、
7.05pmolNF−kBオリゴ(Promega 社製)、
10unitT4ポリヌクレオチドキナーゼ(NEW ENGL
AND社製)、222TBq/mmol濃度の[γ−
32P]ATPを1.85MBq添加し、最終的に25μ
lとした。37℃で30分間インキュベートした後に、
1mMEDTA、10mMTris−HCl(pH8.
0)を25μl加え、クイックスピンカラムG−50
〔ベーリンガー・マンハイム山之内(株)製〕を用い、
1,100gで1分間遠心し放射線標識の入ったNF−
kBオリゴを分離した。
【0042】100mMNaCl、2mMEDTA、2
0mMDTT、10%グリセロール、0.24%NP−
40、0.16%DOCを含む2mMTris−HCl
(pH7.5)5μlに、10μg/μl濃度のpol
y(dI−dC)poly(dI−dC)〔シグマ
(株)製〕を1μl加え、DEAE−Sepharos
eカラム分離画分2μlを加えた。さらに上記で調製し
たNF−kBオリゴを1万cpmになるように添加し、
最終的に10μlにした。室温で1時間インキューベー
トした後に、4%アクリルアミドゲルよりなるネイティ
ブゲル電気泳動法により分離し、オートラジオグラフィ
ーにて、NF−kBオリゴと結合する画分を決定した。
この画分がNF−kB・NF−kB燐酸化酵素複合体が
含まれている画分である。NF−kB・NF−kB燐酸
化酵素複合体画分を回収し、緩衝液D+0.1MKCl
に対して透析した。
【0043】次に、Phosphocellulose
P11〔ワットマン ペーパー(株)製〕(約6m
l)を詰めたカラムを用意し、緩衝液D+0.1MKC
lで平衡化しておいた。上記の透析したNF−kB・N
F−kB燐酸化酵素複合体画分をカラムにアプライし、
非吸着画分を回収した。この画分を、あらかじめ緩衝液
D+0.1MKClで平衡化しておいたHiTrap
Heparin 1ml〔ファルマシア バイオテク
(株)製〕にアプライし、非吸着画分を回収した。
【0044】HiTrap Heparin 非吸着画
分をCentriprep−10〔グーレースジャパン
(株)製〕で濃縮し、あらかじめ緩衝液D+0.1M
KClで平衡化しておいたSuperdex 200H
R 10/30〔ファルマシア バイオテク(株)製〕
にアプライし、NF−kB・NF−kB燐酸化酵素複合
体画分をEMSAにより決定した。その画分を回収して
酵素阻害剤の評価に供した。この画分に、NF−kB燐
酸化酵素が存在していることは、燐酸化反応により約6
5kDaの位置に燐酸化されたバンドが検出できたこと
より明らかである。
【0045】(2)阻害剤の調製 一般式(1)で示される化合物を、DMSO(GIBC
O BRL製)に10mMになるように溶解した。これ
を原液溶液として、蒸留水で希釈して400μMの溶液
を調製した。比較のためDMSOを、蒸留水で同濃度に
なるように希釈した。
【0046】(3)阻害活性の測定方法 10mMMgCl2 、3mMMnCl2 、5mMDT
T、0.5mMATPおよび上記のNF−kB・NF−
kB燐酸化酵素複合体を含む画分をタンパク質として
0.35μg含む20mMのHEPES(pH7.8)
に、被検化合物溶液2.5μl、3000Ci/mmo
l濃度の[γ−32P]ATPを10μCi添加し、最終
的に10μlとした。30℃で30分間インキュベート
した後、SDSサンプルバッファー10μlを加えて反
応を停止させた。
【0047】次に、この液を100℃で5分間沸騰させ
た後、10%アクリルアミドよりなるSDSゲル電気泳
動法により分画した。次に、オートラジオグラフィー
で、65kDaのNF−kBの位置を確認し、その部分
を、BAS−2000バイオ・イメージングアナライザ
ー〔富士写真フイルム(株)製〕を用いて、放射能を測
定した。阻害化合物を添加しないDMSO溶液の反応に
よる放射能の量を対照に、その低下率により阻害活性を
求めた。NF−kB燐酸化酵素阻害率を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】(比較例1)以下の化合物に関しては、1
00μMの最終濃度でNF−kB燐酸化酵素阻害が認め
られなかった。N−(6−アミノヘキシル)−5−イソ
キノリンスルホンアミド、N−[2−モノフォリノエチ
ル]−6−イソキノリンスルホンアミド、N−[2−
(N−2−ピリミジニルアミノ)エチル]−5−イソキ
ノリンスルホンアミド、N−(2−[N−2−(2−イ
ミダゾリル)]アミノエチル)−5−イソキノリンスル
ホンアミド。
【0050】(実施例2) NF−kB活性化(核内移行)抑制作用。 (1)RA患者由来滑膜細胞の調製法 ヒトリウマチ患者の関節より、肥大化した滑膜細胞を手
術によりかき取り、ピペッティングによりsingle cell
にした後、37℃,5%CO2 インキュベーター内で培
養を行った。
【0051】(2)NF−kBの核移行の抑制評価方法 <細胞の調製>滑膜細胞を8wellのLab−Tekチ
ャンバー(Nunc社製)に、1500個/300μl/w
ellの細胞数になるようにまいた。37℃,5%CO
2 インキュベーター内で2日間培養後、薬剤を投与し培
養を継続した。薬剤の調製は、DMSOに10mMの濃
度になるように溶解し、終濃度で評価濃度になるように
培養液中に加えた。薬剤を投与後、2時間後に遺伝子工
学的に大腸菌で産生させたTNFを1ng/mlの濃度
になるように細胞に添加した。TNFで刺激した後、培
養を継続し、30分後にLab−Tekチャンバーを取
り出し、核内移行の試験に用いた。
【0052】<核内移行試験>Lab−Tekチャンバ
ーの容器をはずし、PBS(−)で洗浄後、PBS
(−)に溶解した4.5%パラホルムアルデヒドで細胞
を固定した。PBS(−)で洗浄後、0.5%Trit
onX−100で処理した。NF−kBp65サブユニ
ットに対する抗体p65抗体(C−20)(サンタクル
ツ社製)溶液を、1%BSA(牛血清アルブミン)溶液
(0.1%NaN3を含む)に1:100の割合で希釈
し、1次抗体溶液を作製した。1次抗体溶液を固定化し
た細胞に与えて、37℃で1時間反応させた。PBS
(−)で洗浄後、0.05%TritonX−100溶
液に浸けた。2次抗体溶液はanti−rabbit
FITCconjugate(カッペル社製)溶液を、
1%BSA(牛血清アルブミン)溶液(0.1%NaN
3を含む)に1:200の割合で希釈して作製した。2
次抗体溶液を細胞に与えて、37℃30分間反応させ
た。
【0053】PBS(−)で洗浄後、風乾させグリセリ
ンを垂らして、カバーグラスをして顕微鏡観察用のプレ
パラートとした。蛍光顕微鏡を用いて、FITCが結合
したNF−kBp65を検出した結果を以下に示した。
TNF刺激により、NF−kBは核内に移行したが、化
合物(1)を投与した細胞では、NF−kBが細胞質内
に留まった。比較のために、DMSOのみを投与したも
の、およびTNF刺激を行わなかったものを作製した。
DMSOのみを投与したものは、TNF刺激によりNF
−kBが核内へ移行するのが認められた。一方、TNF
刺激を行わなかったものは、NF−kBが細胞質に留ま
ったままであった。この結果を図1、図2、および図3
に示す。
【0054】(実施例3) 炎症性サイトカインの産生抑制評価 実施例2と同様にして、RA患者の滑膜細胞を、組織培
養用48well plate(Falcon社製)に
3000個/300μl/wellの細胞数になるよう
にまいた。37℃,5%CO2 インキュベーター内で2
日間培養後、薬剤を投与し培養を継続した。薬剤の調製
は、DMSOに10mMの濃度になるように溶解し、終
濃度で評価濃度になるように培養液中に加えた。薬剤を
投与2時間後に、遺伝子工学的に大腸菌で産生させたT
NFを、1ng/mlの濃度になるように細胞に添加し
た。TNFで刺激した後、培養を継続し、16時間後に
培養上清を回収した。
【0055】<サイトカイン測定>培養上清中のサイトカ
インは、IL−6をh-Interleukin-6 ELISA (ベーリン
ガーマンハイム社)、また、IL−8をヒトインターロ
イキンー8(IL-8) ELISAキット〔東レ(株)〕を用いて
測定した。
【0056】<細胞のバイアビリティ測定>培養上清回収
後の細胞にMTT(3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5
-diphenyl-2H-tetrazolium・Br)溶液を加えて、細胞の
バイアビリティの測定を行った。培養上清回収後の細胞
に、新鮮な培地を300μl添加、さらに、7.5mg
/mlMTT溶液を30μl添加後、37℃,5%CO
2 インキュベーター内で4時間培養した。培養上清を除
去後、フォルマザンを抽出し、540nm(参考波長6
90nm)波長の吸光度でフォルマザン量を測定した。
薬剤を添加せず、TNF刺激のない画分をバイアビリテ
ィ100%として、各画分のバイアビリティを算出し
た。
【0057】<サイトカイン産生の評価>サイトカイン産
生の評価は、ELISAで測定した値を、その細胞のバ
イアビリティで割り返した値で評価した。その結果を、
表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】(実施例4) 製剤例(錠剤) 一般式(1)で示される化合物のいずれか20mgをそ
れぞれが含んで成る錠剤を、下記の組成により慣用の方
法で調製した。活性成分をコムギデンプンの一部、ラク
トースおよびコロイド状シリカと混合して、その混合物
を篩にかけた。残りのコムギデンプンの一部を湯浴上で
5倍量の水でペースト状にし、その粉末混合物をそのペ
ーストとややプラスチック状の塊ができるまでこねた。
このプラクチック塊を約3mmのメッシュサイズを有す
る篩に通し、得られる乾燥顆粒を再び篩に通した。残り
のコムギ粉、タルクおよびステアリン酸マグネシウムを
混ぜ合わせて、その混合物をそれぞれ145mgの重量
および破断ノッチを有する錠剤となるように圧搾した。
【0060】(実施例5) 製剤例(無菌注射剤) 以下の成分を注射用蒸留水に溶解し、その後、注射用蒸
留水を添加し、必要な最終含量とし、この溶液2mlを
アンプルに密封し、加熱滅菌無菌注射剤を製造した(表
3)。
【0061】
【表3】
【0062】(実施例6) N−(5−イソキノリンスルホニル)−4−アミノピペ
リジンモノ塩酸塩の合成 4−アミノピペリジン(2.0g、20mmol)の塩
化メチレン溶液(100ml)に、5−イソキノリンス
ルホニルクロリド(5mmol)の塩化メチレン溶液
(50ml)を室温下10分で滴下した。得られた溶液
を2時間室温にて攪拌した後、水(50ml)を加え
た。溶液を分液し、有機層を水(50ml)で洗浄し
た。有機層を減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにて分離し、(クロロフォルム:メタノ
ール=10:1)目的物の遊離体を(1.2g、4.1
mmol)得た。遊離体に1.1倍等量の1N塩酸水溶
液を加え、減圧下濃縮した。残さにメタノールを加え、
再結晶して目的物0.94g(3.2mmol,収率6
4%)を得た。マススペクトル 理論値:327.08
05質量単位;測定値:327.0812。
【0063】N−(5−イソキノリンスルホニル)−4
−ヒドロキシピペリジンの合成 4−ヒドロキシピペリジン(2.0g、20mmol)
の塩化メチレン溶液(100ml)に、5−イソキノリ
ンスルホニルクロリド(5mmol)の塩化メチレン溶
液(50ml)を室温下10分で滴下した。得られた溶
液を2時間室温にて攪拌した後、水(50ml)を加え
た。溶液を分液し、有機層を水(50ml)で洗浄し
た。有機層を減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにて分離し、(クロロフォルム:メタノ
ール=10:1)粗生成物を得た。これにメタノールを
加え、再結晶して目的物0.93g(4.2mmol、
収率84%)を得た。マススペクトル 理論値:29
2.0878質量単位;測定値:292.0883。
【0064】4−カルバモイル−1−(5−イソキノリ
ンスルホニル)ホモピペラジンの合成 N−(5−イソキノリンスルホニル)ホモピペラジン
(2.9g、10mmol)に、酢酸30ml、水20
mlを加え溶解した。得られた溶液に、イソシアン酸ナ
トリウム(1.3g、20mmol)を加え、40度に
2時間加熱した。生じた沈殿を濾取し、メタノール/水
にて再結晶して目的物1.1g(3.4mmol、34
%)を得た。マススペクトル 理論値:334.109
6質量単位;測定値:334.1105。
【0065】
【発明の効果】本発明のリン酸化酵素阻害剤は、NF−
kB燐酸化酵素を阻害し、NF−kBを介した疾患に対
する治療を行うのに有用である。すなわち、複数の炎症
性サイトカイン遺伝子および炎症性細胞接着分子等の転
写を抑制し、ステロイドが惹起するホルモン性の副作用
がない、慢性関節リウマチ等や炎症全般の治療予防剤、
また、臓器移植の際に用いる免疫抑制剤、腎炎などの臓
器炎症等に対する治療予防剤、また、癌転移抑制剤、さ
らに、抗ウイルス剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】TNF刺激無しの細胞写真である。
【図2】TNF刺激有りの細胞写真である。
【図3】化合物(1)10μM処置後TNF刺激有りの
細胞写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 401/12 241 C07D 401/12 241 (72)発明者 森川 安理 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は水素、塩素または水酸基を表し、R1
    水素のとき、R2 は式(2) 【化2】 (式中、Aは無置換もしくは炭素に結合する水素が炭素
    数1ないし4個のアルキル基で置換されている炭素数2
    ないし4個のアルキレン基、R3 、R4 は互いに独立し
    て水素または炭素数1ないし4個の直鎖または枝分かれ
    を有するアルキル基、R5 は水素、炭素数1ないし6個
    からなる直鎖または枝分かれを有するアルキル基、アミ
    ジノ基、カルバモイル基、シクロヘキシル基、あるいは
    3 、R4は直接結合して無置換もしくは炭素数1ない
    し4個のアルキル基で置換されている炭素数4個以下の
    アルキレン基、あるいはR4 、R5 は直接結合し隣接す
    る窒素原子とともに複素環を形成する基を表す。)で示
    される化合物、または式(3) 【化3】 (式中、R6 は水酸基またはアミノ基を表す。)で示さ
    れる化合物を表し、R1が塩素または水酸基のとき、R2
    は式(2)で示される化合物のうち、Aはエチレン
    基、R3 、R4 は互いに結合したトリメチレン基、R5
    は水素原子の場合を表す。〕で示される置換されたイソ
    キノリン誘導体またはその酸付加塩を有効成分とするN
    F−kB燐酸化酵素阻害剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1)のR1 が水素のときのR2
    が、式(2)において、Aは無置換の炭素数2ないし4
    個のアルキレン基、R3 は水素、R4 は水素またはメチ
    ル基、R5 は水素、メチル基、アミジノ基、カルバモイ
    ル基またはシクロヘキシル基、あるいはR3 ,R4 は直
    接結合して無置換のエチレン基、あるいはR4 ,R5
    直接結合し隣接する窒素原子とともに6員環複素飽和単
    環を形成する基を表す場合の化合物である請求項1に記
    載のNF−kB燐酸化酵素阻害剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る置換されたイソキノリン誘導体またはその酸付加塩を
    有効成分とするNF−kB活性化抑制剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る置換されたイソキノリン誘導体またはその酸付加塩を
    有効成分とする炎症性サイトカイン産生抑制剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る置換されたイソキノリン誘導体またはその酸付加塩を
    有効成分とする炎症性細胞接着分子発現抑制剤。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る置換されたイソキノリン誘導体またはその酸付加塩を
    有効成分とする慢性関節リウマチ治療剤。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で示される化合物のうち下
    記に示す化合物またはその酸付加塩。 1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−アミノピペ
    リジン 1−(5−イソキノリンスルホニル)−4−ヒドロキシ
    ピペリジン 1−カルバモイルー4−(5−イソキノリンスルホニ
    ル)ホモピペラジン
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