WO2006095899A1 - 紙幣識別装置の紙幣挿入センサ装置 - Google Patents

Abstract

本発明の紙幣識別装置（１）は、紙幣通路（８）と紙幣搬送機構（３３）と紙幣識別部（２）と紙幣（３１）の挿入を検出するセンサ部（９）とを含む。そのセンサ部（９）は、紙幣通路（８）の第１の位置と対向するように配置された少なくとも１つの光源（１２）と、紙幣通路（８）の第２の位置と対向するように配置された少なくとも１つの受光素子（１３）とを含む。センサ部（９）は、さらに、光源（１２）と対向する１つの入光端（１４ａ）と受光素子（１３）と対向する１つの放光端（１４ｂ）とを備えると共に紙幣通路（８）を隔てて光源（１２）と受光素子（１３）とが配置された側と反対の側に配置された主導光路（１４）を含み、紙幣通路（８）の第１の位置と第２の位置は、紙幣搬送機構（３３）に対して紙幣搬送方向の上流部に位置し、主導光路（１４）は、紙幣通路（８）を隔てて光源（１２）から受光した光を受光素子（１３）に誘導するように構成されており、紙幣通路（８）の第１の位置と第２の位置の双方が紙幣の挿入に伴って紙幣（３１）により遮光される際の受光素子（１３）の出力に基づいて紙幣（３１）の挿入を検出をし、紙幣の挿入を検知すると紙幣搬送機構（３３）を動作させる。

Description

明 糸田 書 紙幣識別装置の紙幣挿入センサ装置 技術分野

本発明は、 自動販売機等に搭載される紙幣識別装置に関し、 特に外乱光 の影響下においても紙幣の挿入を確実に検出し、 揷入された紙幣を装置内 部に引き込む技術の改良に関する。 背景技術

紙幣識別装置は、 通常、 挿入された紙幣を搬送し、 紙幣搬送路に沿って 設けられた磁気センサ及び光センサを併用して紙幣から識別情報を収集し、 この識別情報に基づいて紙幣の真偽や種別を判定する。 上記の紙幣搬送の 動作は、 紙幣の挿入を検出することで開始される。 上記の紙幣の挿入を検出する手段として、 光センサを使用して紙幣の挿 入を検出する方法が特許第 3 4 2 0 7 8 7号明細書において提案されてい る。 上記の方法においては、 検出の精度を高めるため、 発光素子と受光素 子とを組み合わせて使用する方法が採用されている。 すなわち、 紙幣通路 を隔てて発光素子と受光素子とを対向するように配置し、 その発光素子と 受光素子との間を紙幣が通過する際にその紙幣を透過した光の減衰を受光 素子が受光した光量を検知し、 その光の減衰量に基づいて紙幣の挿入を検 出しようというものである。 しかしながら、 上記の方法においては、 発光 素子と受光素子とを対向して配置する必要があるため、 基板を複数用意せ ざるを得なくなり、 製造時のコストが増大するという問題がある。 . 基板を複数用意する必要性を排除する方法は、 例えば、 特開 2 0 0 1— 2 9 7 3 4 9号公報に開示されている。 さらに、 米国特許第 6， 9 5 9 , 8 5 9号明細書も、 第 1 1図において、 導光路としてプリズムを使用して 発光素子と受光素子とを同じ基板に配置する構成を開示している。 第 6図 は、 特開 2 0 0 1— 2 9 7 3 4 9号公報に開示されている従来技術の紙幣 挿入センサ部を例示的に図解したものである。 この紙幣挿入センサ部 6 0は、 発光素子 6 1と受光素子 6 2とプリズム 6 3とからなる。 発光素子 6 1と受光素子 6 2は、 基板 6 4上に配置され て、 紙幣通路 6 6からみて一方の側に位置する。 発光素子 6 1と受光素子 6 2は、 紙幣通路 6 6に沿って、 発光素子 6 1が紙幣通路 6 6の第 1の位 置と対向するように、 また、 受光素子 6 2が紙幣通路 6 6の第 2の位置と 対向するように配置される。 発光素子 6 1と受光素子 6 2との間には、 紙 幣搬送用ローラ 6 7が位置する。 第 1の位置と第 2の位置は、 紙幣揷入口 6に対して紙幣挿入方向の下流部分に位置する。 プリズム 6 3は、 紙幣通 路 6 6からみて発光素子 6 1と受光素子 6 2が位置する側と反対の側に位 置する。 プリズム 6 3は、 紙幣通路 6 6の第 1の位置において発光素子 6 1と対向する入光端 6 3 aと紙幣通路 6 6の第 2の位置において受光素子 6 2と対向する放光端 6 3 bとを備え、 紙幣通路 6 6の第 1の位置におい て対向する発光素子 6 1から放射された光 6 9 aを入光端 6 3 aで受光し、 その受光した光を誘導して、 紙幣通路 6 6の第 2の位置において対向する 受光素子 6 2に放光することが可能であるように、 U字形状を有するよう に形成される。 紙幣識別装置に挿入された紙幣 3 1は、 紙幣揷入口 6、 発光素子 6 1と プリズム 6 3の入光端 6 3 aとの間にある第 1の位置、搬送用ローラ 6 7 、 プリズム 6 3の放光端 6 3 bと受光素子 6 2との間にある第 2の位置の順 番に通過する。 発光素子 6 1から放射された光 6 9 aは、 紙幣通路 6 6の 第 1の位置において挿入紙幣 3 1を透過して減衰し、 そして入光端 6 3 a から導光路として使用されるプリズム 6 3に入射する。 プリズム 6 3は、 紙幣通路 6 6に位置する挿入紙幣 3 1を第 1の位置において透過した後の 光量 6 9 bを受光し、 その光を誘導して、 再び紙幣通路 6 6に戻す。 プリ ズム 6 3を伝播した光は、 再び紙幣通路 6 6にいたり、 受光素子 6 2によ つて受光される。 第 7図は、 従来技術の紙幣挿入センサ部 6 0の各部の光量に対応する電 圧レベルと閾値電圧 7 1との関係を示している。 紙幣 3 1が紙幣挿入口 6 に挿入されると、 挿入紙幣 3 1は、 プリズム 6 3の入光端 6 3 aと発光素 子 6 1との間に位置する。 発光素子 6 1から放射された光 6 9 aは、 挿入 紙幣 3 1を透過して減衰し、 入光端 6 3 aからプリズム 6 3に入射する。 外乱光 3 6の影響を無視できる場合には、 紙幣 3 1を透過した後の減衰し た光量 6 9 bは、 減衰した後の光量を保ったまま受光素子 6 2で受光され る。 受光素子 6 2で受光された減衰した光量 6 9 bに対応する電圧レベル は、第 7図の点線で示されるレベルとなり閾値 7 1よりも小さな値となる。 この状況下では、 紙幣挿入センサ部 6 0は、 紙幣 3 1の挿入を検出するこ とが可能である。 紙幣 3 1の挿入を検出すると、 図示しない制御装置が図 示しない搬送用モー夕を制御して搬送用ローラ 6 7を駆動させる。 これに対して、 外乱光 3 6の影響を無視できない場合には、 紙幣 3 1を 透過し一度減衰した光 6 9 bの光量は、 外乱光の影響を受けて所定の光量 よりも大きな光量となる。 この外乱光 3 6の影響を受けた光 6 9 bが受光 素子 6 2で受光されると、 光 6 9 bの光量に対応する電圧レベルは、 第 7 図の実線で示された値まで減少するのみであるため、 閾値 7 1よりも大き な値となる。 この状況下では、 紙幣挿入センサ部 6 0が紙幣 6 8の挿入を 検出することは不可能である。 従って、 紙幣挿入センサ部 6 0が信号を出 力しないため、 制御装置が搬送用モー夕を制御して搬送用ローラ 6 7を駆 動させることはない。 挿入紙幣 3 1は、 搬送用ローラ 6 7に阻まれて先に 進むことができず、 紙幣を搬送することが不可能であるという問題を生ず る。 上記の紙幣識別センサ部を使用する紙幣識別装置は、 外乱光の影響を無 視することができない屋外のような場所で自動販売機等を使用する場合に、 紙幣の挿入を確実に検出するととができないことに起因して、 挿入された 紙幣を搬送することができず、 その結果、 紙幣の識別動作ができないこと から自動販売機等では販売のチャンスを失ってしまうという問題があった。 発明の開示

従って、 本願発明の目的とするところは、 外乱光の影響を無視すること ができない屋外のような場所で自動販売機等を使用する場合においても、 紙幣の挿入を確実に検出することが可能であるように紙幣挿入センサ部を 改良し、 紙幣が挿入されているにもかかわらずその紙幣を検出することが できないことに起因して挿入紙幣を搬送することができず、 その結果、 そ の紙幣の識別動作ができないことから自動販売機等で起こる販売のチャン スを失ってしまうという課題を解決することが可能である紙幣識別装置を 提供することにある。 本発明の 1つの態様において、 本発明に従った紙幣識別装置は、 （a ) 紙 幣挿入口とつながる紙幣通路と、 （b ) 該紙幣通路に設けられ、 紙幣の挿入 を検知する紙幣挿入検知センサ部と、 （c )該紙幣挿入検知センサ部に対し て紙幣搬送方向の下流部に位置し、 該紙幣挿入検知センサ部が検知した紙 幣を搬送する紙幣搬送機構とを含み、 該紙幣挿入検知センサ部は、 （b l ) 該紙幣通路の第 1の位置に光を照射する 1つの光源と、 （b 2 )該紙幣通路 の該第 1の位置に対して紙幣搬送方向の下流にある第 2の位 Sからの光を 受光する 1つの受光素子と、 （b 3 )該第 1の位置で該光源と対向する 1つ の入光端と該第 2の位置で該受光素子と対向する 1つの放光端とを備え、 該光源が放射した光を該入光端で受信し、 該入光端で受信した光を該放光 端に案内し、該紙幣通路の該第 2の位置に光を照射する主導光路とを含み、 該光源と該受光素子とは、 該紙幣通路を挟んで該主導光路とは反対側にあ り、 該紙幣が該紙幣通路の該第 1の位置と該第 2の位置の双方で光を遮つ た際に、 該紙幣挿入検知センサ部が該受光素子の受光量の変化に基づいて 紙幣の挿入を検知し、該紙幣挿入検知センサ部が紙幣の挿入を検知すると、 該紙幣搬送装置を動作させる。 さらに、 本発明に従った紙幣識別装置は、 光源が照射した光を紙幣通路 の第 1の位置に案内する付加的な導光路と、 紙幣通路の第 2の位置からの 光を受光素子に案内する付加的な導光路とをさらに含む。 上記の構成により、 本発明の紙幣識別装置は、 外乱光の影響を無視する ことができない屋外のような場所で自動販売機等を使用する場合において も、 紙幣の挿入を確実に検出することが可能となり、 紙幣が挿入されてい るにもかかわらずその紙幣を検出できないことに起因して挿入紙幣を搬送 することができず、 その結果、 紙幣の識別動作ができないことから自動販 売機等で起こる販売のチャンスを失ってしまうという課題を解決すること が可能である。 図面の簡単な説明

第 1 A図は、 本発明に従った紙幣識別装置の斜視図を示す図であり、 第 1 B図は、 本発明に従った紙幣識別装置の断面図を示す図であり、 第 2図 は、 本発明の紙幣識別装置の紙幣識別部及びマスク部の周辺部を拡大して 示す図であり、 第 3図は、 本発明の紙幣識別装置の紙幣挿入センサ部及び その周辺部を拡大して示す図であり、 第 4 A図は、 外乱光 3 6が存在しな い場合の紙幣揷入センサ部の各部における光の光量に対応する電圧レベル と閾値電圧との関係を示す図であり、 第 4 B図は、 外乱光 3 6が存在しな い場合の紙幣挿入センサ部の各部における光の光量に対応する電圧レベル と閾値電圧との関係を示す図であり、 第 5図は、 本発明の紙幣識別装置の 紙幣挿入センサ部及びその周辺部の他の実施形態を示す図であり、 第 6図 は、 従来の紙幣挿入センサ部及びその周辺部を拡大して示す図であり、 第 7図は、 従来の紙幣挿入センサ部の各部の光量に対応する電圧レベルと閾 値電圧との関係を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

第 1 A図は、 本発明に従った紙幣識別装置 1の斜視図を示しており、 第 1 B図は、 紙幣識別装置 1の断面図を示している。 本発明の紙幣識別装置 1は、 紙幣識別部 2と、 紙幣収容部 3と、 紙幣識別部 2と紙幣収容部 3と を収容する本体部 4と、 本体部 4の前面に取り付けられ、 紙幣揷入口 6を 備えたマスク部 5とからなる。 紙幣識別部 2は、 取り付け軸 1 0により本体部 4に着脱可能に取り付け られる。 紙幣識別部 2は、 主基板 7を備えており、 主基板 7には、 本発明 の紙幣識別装置において使用される電子部品が集中配置されている。また、 紙幣識別部 2は、 紙幣挿入口 6から紙幣収容部 3にわたつて延在する紙幣 通路 8を備えており、 紙幣通路 8に沿って、 紙幣挿入センサ部 9と、 図示 しない紙幣識別センサ部とを備えている。 紙幣通路 8において、 挿入され た紙幣は、 図示しない紙幣搬送機構によって搬送される。 マスク部 5は、 紙幣挿入口 6を備えている。 マスク部 5の外壁は、 好ましくは、 ダイキヤ スト合金等の剛性部材によって形成され、 通常は、 マスク部 5は、 ねじ等 により本体部 4に固着されている。 紙幣収容部 3は、 有効であると判定さ れた紙幣の束を整列した状態で蓄積する区画と、 紙幣を押圧する図示しな ぃリフト部材とそのリフト部材を駆動させるための図示しない駆動用モー 夕等を収容する区画とからなる。 紙幣収容部 3は、 本体部 4に着脱可能に 装置されている。 第 2図は、 紙幣識別部 2及びマスク部 5の周辺部分の拡大図である。 挿 入紙幣は、 紙幣揷入口 6を介して紙幣通路 8に至る。 紙幣は、 紙幣通路 8 を通過して紙幣収容部 3へと、 紙幣挿入口 6が存在する上流部から紙幣収 容部 3が存在する下流部へと紙幣搬送機構 3 3によって搬送される。 紙幣 通路 8に沿って紙幣搬送装置 3 3のさらに上流の部分には、 紙幣挿入セン サ部 9が設けられている。 従って、 紙幣挿入口 6から挿入された紙幣は、 紙幣通路 8の紙幣挿入センサ部 9を通過し、 紙幣搬送機構 3 3によって搬 送される。 紙幣挿入センサ部 9は、 光源 1 2と、 受光素子 1 3と、 主導光路 1 4、 付加的な導光路 1 5、 及び付加的な導光路 1 6とからなる。 光源 1 2と受 光素子 1 3は、 紙幣搬送方向の上流から下流に向かって、 紙幣通路 8に沿 つて、 主基板 7上に、 光源 1 2、 受光素子 1 3の順に配置される。 光源 1 2としては、 発光ダイオード （L E D ) 等の素子を使用することが可能で ある。 L E Dを光源として使用する場合には、 可視光放射 L E Dはもちろ ん、 紫外線放射 L E D、 赤外 L E Dを使用してもよい。 さらに、 離れた位 置にある上記の発光素子に一端において光学的に接続された光ファイバ等 の光伝送路の他端を光源として使用してもよい。また、受光素子としては、 フォトダイオード、 フォトトランジスタ、 フォト I C等を使用することが 可能である。 光源 1 2と受光素子 1 3は、 紙幣通路 8に沿って、 光源 1 2 が紙幣通路 8の第 1の位置と対向するように、 また、 受光素子 1 3が紙幣 通路 8の第 2の位置と対向するように配置される。 付加的な導光路 1 5は、 光源 1 2と向かい合う入光端 1 5 aを備え、 付 加的な導光路 1 6は、 受光素子 1 3と向かい合う放光端 1 6 aを備え、 付 加的な導光路 1 5と付加的な導光路 1 6は、 紙幣通路 8からみて光源 1 2 及び受光素子 1 3と同じ側に配置される。 付加的な導光路 1 5及び付加的 な導光路 1 6は、 透明ブラスティック部材、 グラスファイバ、 ポリマファ ィバ、 導光路用フッ化ポリイミドその他の導光路形成用の部材を使用して 形成することが可能である。 主導光路 1 4は、 第 1の位置において紙幣通 路 8を隔てて付加的な導光路 1 5と対向すると共に、 第 2の位置において 紙幣通路 8を隔てて付加的な導光路 1 6と対向するように配置されている。 主導光路 1 4は、 紙幣通路 8に位置する挿入紙幣を第 1の位置において透 過した後の光を受光し、 その光を誘導して、 再び紙幣通路 8に戻すように U字形状の断面を有するような形状に形成される。 従って、 この主導光路 1 4は、 プリズム、 グラスファイバ、 ポリマファイバ、 導光路用フッ化ポ リイミドその他の導光路形成用の部材を使用して形成することが可能であ る。 第 1の位置と第 2の位置は、 共に、 紙幣搬送機構 3 3に対して紙幣通 路 8の紙幣搬送方向の上流部に位置し 上流から下流に向かって第 1の位 置、 第 2の位置、 紙幣搬送機構 3 3の順番で配置される。 挿入された紙幣 は、 付加的な導光路 1 5と主導光路 1 4との間と付加的な導光路 1 6と光 導波路 1 4との間を通過する。 紙幣挿入センサ部 9が紙幣の挿入を検出すると、 主基板 7上の図示しな い制御部は、 図示しないモータを制御して紙幣通路 8に沿って配置された 紙幣搬送機構 3 3を駆動させる。 紙幣通路 8に沿って図示しない搬送位置 検出センサが設けられており、 搬送位置検出センサは、 紙幣の搬送位置を 検出する。 挿入紙幣が搬送位置検出センサを通過し、 通過した紙幣が真券 であると判定されると、 紙幣通路 8を逆戻りしないように図示しないシャ ッ夕部材により紙幣通路 8を閉鎖する。 シャツ夕部材により紙幣通路 8が 閉鎖されるまでの間に、 紙幣位置検出センサ、 紙幣挿入センサの順で紙幣 を検出した場合には、 紙幣の不正な抜き取りが行われたと判断し、 紙幣識 別センサは、 紙幣真券信号を出力しない。 シャッ夕部材が紙幣通路 8を閉鎖する前に、 図示しない紙幣識別センサ 部が紙幣の有効性を判定する。 紙幣の識別は、 磁気センサと光センサとを 併用することにより行われ、 挿入された紙幣についてパターンマッチング を行うことにより紙幣の真偽を判定する。 紙幣識別センサは、 上記の判定 の際に、 あるレンジの範囲内にある紙幣を有効な紙幣であると判定する。 紙幣識別部 2は、このレンジを調整するための機能を備えている。例えば、 紙幣識別部 2のメンテナンスの後に、 紙幣識別部 2を紙幣識別装置の本体 部 1に完全に取り付けることなく放置した場合には、 隙間からの外乱光等 により、 光センサの感度に影響を与える。 上記のような場合に、 レンジを 調整することなく真偽を判定すると、 紙幣識別センサは、 本来有効である と判断するべき紙幣を拒絶し、 あるいは、 有効ではないと判断するべき紙 幣を有効であると判断することになる。 紙幣識別センサが、 挿入された紙 幣が有効ではないと判断した場合には、 その紙幣は、 紙幣通路 8を逆に通 つて紙幣挿入口 6に戻される。 紙幣識別センサ部が、 挿入された紙幣が有 効であると判断した場合には、 シャツ夕部材が紙幣通路 8を閉鎖すると共 に、 図示しない紙幣識別手段が、 紙幣判定信号を出力し、 その紙幣は、 紙 幣収容部 3 (こ搬送される。 紙幣収容部 3は、 図示しないリフト部材とリフト部材を駆動する駆動用 モー夕とを収容する区画と、 紙幣を収容するための区画とからなる。 紙幣 を収容するための区画には、 図示しない背板が配置され、 背板は、 スプリ ング等により付勢され、収容された紙幣の束をリフト部材に向かって押す。 紙幣識別部 2を通過した紙幣は、 紙幣識別部 2と紙幣収容部 3との間にあ るスリットを介して紙幣収容部 3内に誘導される。 リフト部材は、 誘導さ れた紙幣の束を整列させ、 紙幣を収容するための区画に収容するようにそ の束を背板に向かって押圧する。 第 3図は、 紙幣挿入センサ部 9及びその周辺部の拡大図である。 挿入紙 幣 3 1は、 紙幣挿入口 6を介して紙幣通路 8にいたる。 上記のように、 紙 幣挿入センサ部 9は、 光源 1 2と、 受光素子 1 3と、 主導光路 1 4、 付加 的な導光路 1 5、 及び付加的な導光路 1 6とからなる。 光源 1 2と受光素 子 1 3は、 共に、 主基板 7上に配置され、 紙幣挿入口 6と紙幣搬送機構 3 3との間で、 紙幣通路 8からみて一方の側に位置する。 光源 1 2と受光素 子 1 3は、 紙幣搬送方向の上流から下流に向かって、 光源 1 .2、 受光素子 1 3の順に配置される。 光源 1 2は、 付加的な導光路 1 5を介して紙幣通 路 8の第 1の位置に光を光学的に結合することが可能である位置に配置さ れ、 受光素子 1 3は、 紙幣通路 8の第 2の位置を通過した光を付加的な導 光路 1 6を介して受光することが可能である位置に配置される。 第 1の位 置と第 2の位置は、 共に、 紙幣搬送機構 3 3に対して紙幣通路 8の紙幣搬 送方向の上流部に位置し、 上流から下流に向かって第 1の位置、 第 2の位 置、 紙幣搬送機構 3 3の順番で配置される。 付加的な導光路 1 5は、 光源 1 2と向かい合う入光端 1 5 aを備え、 付 加的な導光路 1 6は、 受光素子 1 3と向かい合う放光端 1 6 aを備え、 付 加的な導光路 1 5と付加的な導光路 1 6は、 紙幣通路 8からみて光源 1 2 及び受光素子 1 3と同じ側に配置される。 付加的な導光路 1 5は、 光源 1 2が放射した光を紙幣通路 8の第 1の位置に光学的に結合し、 付加的な導 光路 1 6は、 紙幣通路 8の第 2の位置を通過した光を受光素子 1 3に光学 的に結合する。 主導光路 1 4は、 上記の第 1の位置において紙幣通路 8を 隔てて付加的な導光路 1 5と対向すると共に、 第 2の位置において紙幣通 路 8を隔てて付加的な導光路 1 6と対向するように配置されている。 主導 光路 1 4は、 挿入紙幣 3 1を紙幣通路 8の第 1の位置において透過した後 の光を受光し、 その光を誘導して、 再び紙幣通路 8に戻すように U字形状 の断面を有.するような形状に形成される。 挿入紙幣 3 1は、 付加的な導光路 1 5と主導光路 1 4とが対向している 第 1の位置と、 付加的な導光路 1 6と主導光路 1 4とが対向している第 2 の位置とを通過する。 挿入紙幣 3 1は、 紙幣揷入口 6、 第 1の位置、 第 2 の位置の順に通過し、 紙幣搬送機構 3 3にいたる。 光源 1 2から放射され た光 3 5 aは、 入光端 1 5 aから付加的な導光路 1 5に入射する。 付加的 な導光路 1 5に入射した光は、 付加的な導光路 1 5を伝播して紙幣通路 8 にいたり、 紙幣通路 8の第 1の位置において挿入紙幣 3 1を透過して減衰 し、 そして主導光路 1 4の入光端 1 4 aに入射する。 主導光路 1 4は、 揷 入紙幣 3 1を紙幣通路 8の第 1の位置において透過した後の光 3 5 bを受 光し、 その光を誘導して、 再び紙幣通路 8に戻す。 主導光路 1 4を伝播し た光は、 放光端 1 4 bを経て再び紙幣通路 8に至り、 第 2の位置において 揷入紙幣 3 1を再び透過して付加的な導光路 1 6に入射する。 主導光路 1 4の放光端 1 4 bから放射された光は、 紙幣通路 8の第 2の位置において 挿入紙幣 3 1を再び透過して減衰する。 第 2の位置において挿入紙幣 3 1 を透過した光 3 5 cは、 付加的な導光路 1 6に入射し、 付加的な導光路 1 6を伝播して、 受光素子 1 3によって受光される。 第 4 A図及び第 4 B図は、 光源 1 2が放射した光 3 5 aの光量に対応す る電圧レベルと、 挿入紙幣 3 1を第 1の位置において透過した後の光 3 5 bの光量に対応する電圧レベルと、 挿入紙幣 3 1を第 2の位置において透 過した後の光 3 5 cの光量に対応する電圧レベルと、 閾値電庄 4 1との関 係を示した図である。光源 1 2が放射する光は、連続光であってもよいが、 パルス発生回路が所定の周期で生成したパルス列を使用して光源 1 2を駆 動することにより放射される光パルス列であってもよい。 以下では、 光源 1 2は、 連続光を放射しているものとして説明する。 第 4 A図は、 外乱光 3 6が存在しない場合の電圧レベルと閾値電圧 4 1 との関係を示している。 自動販売機を屋内に配置して使用する場合には、 通常、 外乱光の影響はきわめて小さく、 外乱光が存在しないものとして考 えてよい。 紙幣挿入口 6を通過した挿入紙幣 3 1は、 付加的な導光路 1 5 と主導光路 1 4とが対向する紙幣通路 8の第 1の位置に到達する。 外乱光 が存在しない場合には、 光源 1 2から放射された光 3 5 aは、 挿入紙幣 3 1を 1回透過することにより十分に減衰され、 第 1の位置において挿入紙 幣 3 1を透過した後の光 3 5 bの光量に対応する電圧レベルは、 閾値電圧 4 1よりも小さな値となる。 挿入紙幣 3 1が第 2の位置に達する前であれ ば、 上記の光 3 5 bがそのまま主導光路 1 4及び付加的な導 路 1 6によ り案内されて受光素子 1 3によって受光される。 紙幣挿入センサ部 9は、 この段階で紙幣 3 1の挿入を検出することが可能である。 紙幣挿入センサ部 9が紙幣 3 1の挿入を検出すると、 主基板 7上の図示 しない制御部が図示しない駆動用モー夕を制御し、 紙幣搬送機構 3 3を駆 動させる。 その後、 紙幣 3 1は、 紙幣通路 8内を搬送されて搬送位置検出 センサが設けられた位置に達する。 '従って、 外乱光の影響がない屋内で自 動販売機を使用する場合には、 本発明の紙幣識別装置は、 紙幣 3 1が第 1 の位置に達した段階でその挿入を検出することが可能である。 第 4 B図は、 外乱光 3 6が存在する場合の電圧レベルと閾値電圧 4 1と の関係を示している。 自動販売機を屋外のような場所に配置して使用する 場合には、 外乱光の影響を無視することはできない。 紙幣挿入口 6を通過 した挿入紙幣 3 1は、 付加的な導光路 1 5と主導光路 1 4とが対向する紙 幣通路 8の第 1の位置に到達する。 光源 1 2から放射された光 3 5 aは、 第 1の位置において挿入紙幣 3 1を 1回透過し減衰するが、 紙幣 3 1を透 過した後の光 3 5 bの光量は、 外乱光 3 6の影響を受けて十分には低下し ないため、 光 3 5 bの光量に対応する電圧レベルは、 依然として閾値電圧 4 1よりも大きな値である。 従って、 この状態では、 紙幣挿入センサ部 9 が紙幣 3 1の挿入を検出することは不可能である。 その後、 紙幣 3 1は、 主導光路 1 4と付加的な導光路 1 6とが対向する紙幣通路 8の第 2の位置 に到達する。 すなわち、 紙幣 3 1は、 紙幣通路 8の第 1の位置において付 加的な導光路 1 5と主導光路 1 4との間に位置すると共に、 紙幣通路 8の 第 2の位置においても付加的な導光路 1 6と主導光路 1 4との間に位置す る。 第 2の位置は、 第 1の位置に対して紙幣搬送方向の下流に位置するた め、 紙幣挿入口 6からの距離が第 1の位置と比較してより大きく、 外乱光 3 6の影響を比較的受けにくい。 上記の状態において、 光源 1 2が放射し た光 3 5 aは、 第 1の位置において紙幣 3 1を最初に透過することにより 光 3 5 bの光量まで減衰し、 第 2の位置において再び紙幣 3 1を透過する ことにより光 3 5 cの光量にまで大きく減衰する。 受光素子 1 3は、 光 3 5 cを受光し、 光 3 5 cの光量に対応する電圧レベルは、 閾値電圧 4 1よ りも小さな値となる。 受光素子 1 3が受光した光 3 5 cの光量に対応する 電圧レベルが閾値 4 1よりも小さな値となった時点で、 紙幣挿入センサ部 9は挿入紙幣 3 1を検出することが可能であるため、 挿入紙幣 3 1は、 付 加的な導光路 1 6の放光端 1 6 aから放射されて受光素子 1 3が受光する 光の全てを遮光する必要はない。 すなわち、 主導光路 1 4の放光端 1 4 b から放射されて受光素子 1 3が受光する光の少なくとも一部分を挿入紙幣 3 1が遮光することにより、 受光素子 1 3が受光した光 3 5 cの光量に対 応する電圧レベルが閾値 4 1よりも小さな値となった場合には、 紙幣挿入 センサ手段 9は、 挿入紙幣 3 1を検出することが可能である。 紙幣挿入センサ部 9が紙幣 3 1の挿入を検出すると、 主基板 7上の制御 部が駆動用モ一夕を制御し、 紙幣搬送機構 3 3を駆動させる。 従って、 本 発明の紙幣識別装置は、 外乱光の影響を無視することができない屋外のよ うな場所で自動販売機を使用する場合においても、 紙幣 3 1の挿入を確実 に検出することが可能である。 上記のことから、 本願発明の紙幣挿入セン サ部 9を使用する紙幣識別装置は、 紙幣 3 1が挿入されているにもかかわ らずその挿入を検出することができないことに起因して挿入紙幣を搬送す ることができず、 その結果、 その紙幣の識別動作ができないことから自動 販売機等で起こる販売のチャンスを失ってしまうという問題を解決するこ とが可能である。 第 5図に、 本発明の紙幣識別装置に使用する紙幣挿入センサ部 9の他の 実施形態を示す。 第 3図と共通する構成要素には、 同一の番号を付すもの とする。 第 3図において説明したのと同様に、 紙幣揷入口 6から挿入され た紙幣 3 1は、紙幣通路 8にいたる。紙幣挿入センサ部 9は、光源 1 2と、 受光素子 1 3と、 主導光路 1 4とからなる。 光源 1 2と受光素子 1 3は、 共に、主基板 7上に配置され、紙幣揷入口 6と紙幣搬送機構 3 3との間で、 紙幣通路 8からみて一方の側に位置する。 光源 1 2と受光素子 1 3は、 紙 幣搬送方向の上流から下流に向かって、 光源 1 2、 受光素子 1 3の順に配 置される。 ここで、 光源 1 2は、 紙幣通路 8の第 1の位置と直接対向する ように配置され、 受光素子 1 3は、 紙幣通路 8の第 2の位置と直接対向す るように配置される。 主導光路 1 4は、 光源 1 2と対向する入光端 1 4 a と受光素子 1 3と対向する放光端 1 4 bとを備え、 紙幣通路 8を隔てて光 源 1 2と受光素子 1 3と反対の側に配置される。 主導光路 1 4の入光端 1 4 aは、 紙幣通路 8を隔てて、 紙幣通路 8の第 1の位置において光源 1 2 と直接対向し、 主導光路 1 4の放光端 1 4 bは、 紙幣通路 3 4の第 2の位 置において受光素子 1 3と直接対向する。 挿入紙幣 3 1は、 入光端 1 4 aと光源 1 2とが対向している第 1の位置 と放光端 1 4 bと受光素子 1 3とが対向している第 2の位置とを通過する。 挿入された紙幣 3 1は、 第 1の位置、 第 2の位置の順に通過し、 紙幣搬送 機構 3 3にいたる。 光源 1 2から放射された光 5 5 a'は、 紙幣通路 8の第 1の位置において挿入紙幣 3 1を透過して減衰し、 そして入光端 1 4 aか ら主導光路 1 4に入射する。 主導光路 1 4は、 紙幣通路 8に位置する挿入 紙幣 3 1を第 1の位置において透過した後の光 5 5 bを受光し、 その光を 誘導して、 再び紙幣通路 8に戻す。 主導光路 1 4を伝播した光は、 再び紙 幣通路 8に至り、 第 2の位置において挿入紙幣 3 1を再び透過する。 挿入 紙幣 3 1を第 2の位置において透過した光 5 5 cは、 受光素子 1 3によつ て直接受光される。 上記の紙幣挿入センサ部 9の各部における光の光量に対応する電圧レべ ルと閾値電圧との関係は、 第 4 A図及び第 4 B図において説明したのと同 様である。 従って、 第 5図に示された紙幣挿入センサ部 9を使用した紙幣 識別装置も、 同様に、 外乱光の影響を無視することができない屋外のよう な場所で自動販売機を使用する場合においても、 紙幣 3 1の挿入を確実に 検出することが可能であり、 それによつて紙幣 3 1が挿入されているにも かかわらずその挿入を検出することができないことに起因して挿入紙幣を 搬送することができず、 その結果、 その紙幣の識別動作ができないことか ら自動販売機等で起こる販売のチャンスを失ってしまうという問題を解決 することが可能である。 以上の実施形態においては、 光源 1 2が連続光を放射しているものとし て説明したが、 パルス発生回路が生成する所定の周期のパルス列を使用し て光源 1 2を駆動し、 光源 1 2が所定の周期の光パルス列を放射するよう に構成してもよい。 この場合には、 上記の実施形態で説明したように、 挿 入紙幣を透過することにより各パルスについてその光量が減衰する。 従つ て、 所定の閾値を設定することにより、 受光素子 1 3の出力のうち、 所定 の光量以上の光量のパルスに対応する出力電圧のパルスのみをカウントす るように構成すれば、 パルスのカウント数の減少により挿入紙幣を検出す ることが可能である。 この場合においても、 揷入紙幣を 2回透過した光を 受光素子 1 3が受光するようにすれば、 外乱光の影響を無視することがで きない屋外のような場所で自動販売機等を使用するときであっても、 挿入 紙幣を確実に検出することが可能であり、 それによつて紙幣が挿入されて いるにもかかわらずその挿入を検出することができないことに起因して挿 入紙幣を搬送することができず、 その結果、 その紙幣の識別動作ができな いことから自動販売機等で起こる販売のチャンスを失ってしまうという問 題を解決することが可能である。 従って、 本発明の紙幣識別装置は、 外乱光の影響を無視することができ ない屋外のような場所で自動販売機を使用する場合においても、 紙幣の挿 入を確実に検出することが可能であるため、 紙幣が挿入されているにもか かわらずその挿入を検出することができないことに起因して挿入紙幣を搬 送することができず、 その結果、 その紙幣の識別動作ができないことから 自動販売機等で起こる販売のチャンスを失ってしまうという問題を解決す ることが可能である。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 紙幣識別装置であって、

( a ) 紙幣挿入口とつながる紙幣通路と、

( b ) 該紙幣通路に設けられ、 紙幣の挿入を検知する紙幣挿入検知セ ンサ部と、

( c ) 該紙幣挿入検知センサ部に対して紙幣搬送方向の下流部に位置 し、 該紙幣挿入検知センサ部が検知した紙幣を搬送する紙幣搬送機構とを 含み、

該紙幣挿入検知センサ部は、

( b 1 ) 該紙幣通路の第 1の位置に光を照射する 1つの光源と、

( b 2 ) 該紙幣通路の該第 1の位置に対して紙幣搬送方向の下流に ある第 2の位置からの光を受光する 1つの受光素子と、

( b 3 ) 該第 1の位置で該光源と対向する 1つの入光端と該第 2の 位置で該受光素子と対向する 1つの放光端とを備え、 該光源が放射した光 を該入光端で受光し、 該入光端で受信した光を該放光端に案内し、 該紙幣 通路の該第 2の位置に光を照射する主導光路とを含み、 該光源と該受光素 子とは、 該紙幣通路を挟んで該主導光路とは反対側にあり、

該紙幣が該紙幣通路の該第 1の位置と該第 2の位置の双方で光を遮った 際に、 該紙幣挿入検知センサ部が該受光素子の受光量の変化に基づいて紙 幣の揷入を検知し、

該紙幣揷入検知センサ部が紙幣の挿入を検知すると、 該紙幣搬送機構を 動作させる紙幣識別装置。

2 . 請求項 1に記載の紙幣識別装置において、 前記光源が照射した光を 前記紙幣通路の前記第 1の位置に案内する付加的な導光路と、 該紙幣通路 の前記第 2の位置からの光を前記受光素子に案内する付加的な導光路とを さらに含む紙幣識別装置。