明 細 書
管理システムおよび携帯端末装置
技術分野
[0001] 本発明は、在庫商品の棚卸等の、複数の作業対象に対して作業者によって行なわ れる作業の進拔状況を管理する技術に関する。
背景技術
[0002] 従来、例えば、店舗内の在庫商品の棚卸を複数の作業者によって行なう場合には 、予め、棚卸対象を複数の作業対象 (例えば棚毎)に分割して、これらの複数の棚を 各作業者に割り当て、これらの作業者が割り当てられた作業対象に対してそれぞれ 棚卸作業を行なうことによって行なっている。
さて、このような棚卸作業において、各棚に対する棚卸作業にかかる時間は作業者 によって異なるので、割り当てられた棚に対する棚卸作業を短時間で完了させる者も 出てくる。
[0003] このような自分に割り当てられた全ての棚卸作業を完了した作業者は、店舗全体に おける棚卸を早く終わらせるために、他の作業者に割り当てられた棚に対しても作業 を行なう。このような場合には、他の作業者に割り当てられた棚に行き、その棚に対す る棚卸作業が完了しているか否かを確認する。その棚に対する棚卸作業がまだ行な われていない場合には、そのまま棚卸作業を行なう。又、その棚に対する棚卸作業 が完了している場合や、他の作業者が棚卸作業中である場合には、次の棚の所に 移動して、その新たな棚に対する棚卸作業が完了しているか否かを確認する。
[0004] しかしながら、このように、作業者が、棚卸作業が行なわれて 、な 、棚を探して店舗 内を移動することは非効率的であり、作業者の手空き時間を有効に利用することがで きないという課題がある。
また、各作業者に対して、棚毎の棚卸作業が完了する度に作業完了報告を逐一行 なわせ、サーバコンピュータ等を用いて各作業者による棚卸作業の進拔状況をリア ルタイムに管理することにより、作業者に対して次に棚卸作業を行なうべき棚を通知 する手法も考えられるが、サーバコンピュータ等の設置や管理'運用等において費用
が発生し非経済的であるという課題がある。
[0005] また、棚卸作業を複数の作業者によって行なう場合には、これらの複数の作業者の 間において、同一の棚に対して複数の作業者が重複して棚卸作業を行なうことにより 、多重棚卸が発生するおそれもある。
さらに、例えば、下記特許文献 1や特許文献 2には、棚卸対象の物品に物品管理 用タグを付して、電波誘導通信により物品情報のやり取りを行なうことにより、棚卸作 業を自動化する手法が開示されているが、これらの特許文献 1や、特許文献 2に開示 された手法においては、物品管理用タグを読み取るための読取装置の付設 '設置に 多大な手間やコストを要するという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、複数の作業対象に対して複数 の作業者により作業を行なう場合に、作業者が効率良く作業を行なうことができ、又、 重複作業の発生も抑止できるようにすることを目的とする。
特許文献 1:特開平 8-101980号公報
特許文献 2 :特開平 10-338312号公報
発明の開示
[0006] 上記の目的を達成するために、本発明の管理システムは、複数の作業対象に対し て作業者によって行なわれる作業の進拔状況を管理する管理システムであって、該 作業対象毎にそなえられた電子タグと、該電子タグと通信可能に構成され該作業者 により携行可能な携帯端末装置とをそなえて構成され、該電子タグが、前記複数の 作業対象に対してそれぞれ行なわれる作業の進拔状況を示す進拔状況情報を、各 作業対象に対応させて登録して形成される第 1進拔状況情報を格納可能な第 1格納 部をそなえ、該携帯端末装置が、前記複数の作業対象に対してそれぞれ行なわれる 作業の進拔状況を示す進拔状況情報を、各作業対象に対応させて登録して形成さ れる第 2進拔状況情報を格納可能な第 2格納部と、該電子タグの該第 1格納部に格 納された該第 1進拔状況情報を読み取り可能な読取部と、該第 2格納部に格納され ている該第 2進拔状況情報と該読取部によって読み取られた該第 1進拔状況情報と を比較する比較部と、該比較部による該比較の結果に基づいて、該第 1進拔状況情 報と該第 2進拔状況情報とを更新する更新部とをそなえることを特徴としている。
[0007] なお、該更新部が、該第 2進拔状況情報にぉ 、てのみ登録されて 、る該進拔状況 情報を該第 1進拔状況情報に登録することにより、当該第 1進拔状況情報を更新す る第 1更新部と、該比較部による該比較の結果に基づいて、該第 1進拔状況情報に お 、てのみ登録されて 、る該進拔状況情報を該第 2進拔状況情報に登録することに より、当該第 2進拔状況情報を更新する第 2更新部とをそなえてもよい。
[0008] また、該携帯端末装置が、該作業者による該作業対象に対する該作業が完了した 旨の作業完了報告を入力可能な入力部をそなえ、該第 1更新部が、該入力部によつ て入力された該作業完了報告に基づいて、該第 1格納部の該第 1進拔状況情報を 更新するとともに、該第 2更新部が、該入力部によって入力された該作業完了報告に 基づ 、て、該第 2格納部の該第 2進拔状況情報を更新してもよ 、。
[0009] さらに、該携帯端末装置が、該第 1格納部の該第 1進拔状況情報に、当該電子タグ にかかる該作業対象に関して、作業中である旨の該進拔状況情報を登録可能な、進 拔状況登録部をそなえてもよ 、。
またさらに、該携帯端末装置が、該作業に関する処理を行なう作業処理部をそなえ てもよぐ又、該携帯端末装置が、該作業に用いられる情報を格納可能な作業用情 報格納部をそなえて構成されてもょ 、。
[0010] また、本発明の携帯端末装置は、複数の作業対象に対して作業を行なう作業者に よって携行可能な携帯端末装置であって、前記複数の作業対象に対してそれぞれ 行なわれる作業の進拔状況を示す進拔状況情報を、各作業対象に対応させて登録 して形成される第 1進拔状況情報を格納可能な第 1格納部をそなえ前記複数の作業 対象毎にそなえられた電子タグと通信可能に構成され、前記複数の作業対象に対し てそれぞれ行なわれる作業の進拔状況を示す進拔状況情報を、各作業対象に対応 させて登録して形成される第 2進拔状況情報を格納可能な第 2格納部と、該電子タグ の該第 1格納部に格納された該第 1進拔状況情報を読み取り可能な読取部と、該第 2格納部に格納されている該第 2進拔状況情報と該読取部によって読み取られた該 第 1進拔状況情報とを比較する比較部と、該比較部による該比較の結果に基づいて 、該第 1進拔状況情報と該第 2進拔状況情報とを更新する更新部とをそなえることを 特徴としている。
[0011] なお、該更新部が、該第 2進拔状況情報においてのみ登録されている該進拔状況 情報を該第 1進拔状況情報に登録することにより、当該第 1進拔状況情報を更新す る第 1更新部と、該比較部による該比較の結果に基づいて、該第 1進拔状況情報に お 、てのみ登録されて 、る該進拔状況情報を該第 2進拔状況情報に登録することに より、当該第 2進拔状況情報を更新する第 2更新部とをそなえてもよい。
[0012] また、該作業者による該作業対象に対する該作業が完了した旨の作業完了報告を 入力可能な入力部をそなえ、該第 1更新部が、該入力部によって入力された該作業 完了報告に基づいて、該第 1格納部の該第 1進拔状況情報を更新するとともに、該 第 2更新部が、該入力部によって入力された該作業完了報告に基づいて、該第 2格 納部の該第 2進拔状況情報を更新してもよ 、。
[0013] さらに、該第 1格納部の該第 1進拔状況情報に、当該電子タグにかかる該作業対象 に関して、作業中である旨の該進拔状況情報を登録可能な、進拔状況登録部をそな えてもよく、該作業に関する処理を行なう作業処理部をそなえてもよぐ該作業に用 V、られる情報を格納可能な作業用情報格納部をそなえてもよ!、。
本発明によれば、以下の効果な 、し利点がある。
[0014] (1)更新された第 1進拔状況情報に基づいて、作業対象における進拔状況を知る ことができ、効率的に作業を行なうことができる。
(2)作業対象に対する重複作業の発生を防止することができる。
(3)サーバコンピュータ等を用いて進拔状況を管理する必要がなぐ作業管理を低 コストで行なうことができる。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]本発明の一実施形態としての棚卸システム (管理システム)の構成を模式的に 示す図である。
[図 2]本発明の一実施形態としての棚卸システムの作業対象となる棚および各棚に 設定される ICタグ (電子タグ)の配置例を模式的に示す図である。
[図 3]本発明の一実施形態としての棚卸システムにおける ICタグのメモリに格納され ている第 1進拔状況情報の例を示す図である。
[図 4]本発明の一実施形態としての棚卸システムにおける作業者の操作手順を説明
するためのフローチャートである。
[図 5] (a) , (b)は本発明の一実施形態としての棚卸システムにおける第 1進拔状況情 報および第 2進拔状況情報の状態例を示す図である。
[図 6] (a) , (b) , (c) , (d)は本発明の一実施形態としての棚卸システムを用いて棚卸 作業を行なう際の作業の進拔状況を模式的に示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0016] 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図 1は本発明の一実施形態としての棚卸システム (管理システム)の構成を模式的 に示す図、図 2はその作業対象となる棚および各棚に設定される ICタグ (電子タグ) の配置例を模式的に示す図である。
本棚卸システム 1は、図 2に示すような、店舗内に配設された複数 (本実施形態では 14個)の棚 (作業対象)にそれぞれ格納された在庫商品の棚卸作業を複数 (本実施 形態では 4人)の作業者によって行なうためのものである。
[0017] また、本実施形態においては、各棚を、符号 Tと番号 (本実施形態では 1一 14まで の整数;棚番号)とを組み合わせた符号 T1一 T14を付して表わす。
本棚システム 1は、図 1に示すように、サーバ 2,携帯端末 4および ICタグ 3をそなえ て構成されている。
サーバ 2は、例えば、サーノ機能をそなえたコンピュータによって実現され、ハード ディスク 21をそなえるとともに、このハードディスク 21に棚卸に用いられるマスタデー タ 201を格納している。マスタデータ 201は、棚卸作業を行なうためのデータであり、 例えば、各棚に本来在庫として収納されて!、るべき商品とその個数等の情報によつ て構成されている。
[0018] また、サーバ 2は、後述する複数の携帯端末 4と通信可能に構成され、各携帯端末 4から行なわれる部分マスタデータ送信要求に基づいて、ハードディスク 21に格納さ れたマスタデータ 201から、所定の棚に対応する部分だけを分割 (もしくはコピー)し て部分マスタデータ 202を作成し、この部分マスタデータ 202を携帯端末 4に対して 送信するようになっている。なお、本実施形態においては、サーバ 2と携帯端末 4との 間は無線で通信されるようになって 、る。
[0019] ICタグ (電子タグ) 3は、棚卸作業の作業エリアを指示すベぐ棚卸作業を行なうに あたって、予め所定作業範囲毎 (本実施形態では棚毎)に一つずつ取り付けられる エリアタグであって、図 1に示すように、制御部 31,メモリ 32,送信制御部 33,受信制 御部 34およびアンテナ 35をそなえて構成されて 、る。
メモリ(第 1格納部) 32は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって、携帯端末 4 の ICタグリーダ Zライタ 11によって、種々の情報を記録 (格納)したり、又、既に記録 されている情報を読み取ったりすることができるようになっており、 ICタグリーダ Zライ タ 11により、その記憶されて 、る情報を書き換え自在に構成されて 、る。
[0020] このメモリ 32には、各棚についての棚卸作業の進拔状況を示す進拔状況情報 (フ ラグ)を各作業対象に対応させて登録して形成される第 1進拔状況情報が格納され ている。
図 3は本発明の一実施形態としての棚卸システム 1における ICタグ 3のメモリ 32に 格納されている第 1進拔状況情報の例を示す図である。この図 3に示すように、第 1 進拔状況情報は、各棚の棚番号に対応させて、それぞれ" 0", "1", "2"のいずれか の数字を進拔状況情報として登録することができるようになって 、る。
[0021] ここで、進拔状況情報" 0"は棚卸が行なわれていない情報 (棚卸未)を、進拔状況 情報" 1"は棚卸作業が行なわれている最中 (棚卸中)であることを、又、進拔状況情 報" 2"は棚卸作業が完了 (棚卸済)したことを、それぞれ示している。
また、この第 1進拔状況情報の進拔状況情報は、その初期化された状態において 全て "0"が格納されるようになっており、作業者が作業の進拔状況に合わせて、後 述する携帯端末 4を用いて棚卸作業中である旨や、棚卸作業が完了した旨の入力 操作を行なうことにより、その作業にかかる棚 (棚番号)に対応させて進拔状況情報" 1", "2"が格納されるようになっている。
[0022] すなわち、メモリ 32は、複数の作業対象 (本実施形態では棚 T1一 T14)に対してそ れぞれ行なわれる作業 (棚卸作業)の進拔状況を示す進拔状況情報を、各棚に対応 させて登録して形成される第 1進拔状況情報を格納可能な第 1格納部として機能す るようになっている。
アンテナ 35は、電波の受信および発信を行なうものであって、例えばコイル状に形
成され ICタグ 3内に埋設されている。又、アンテナ 35は、携帯端末 4の ICタグリーダ Zライタ 11から発信される電波誘導通信の電波を受信して励起電流を励起し、 ICタ グ 3内の各部(制御部 31,メモリ 32,送信制御部 33および受信制御部 34)の駆動に 必要な電流を供給するようになって 、る。
[0023] 送信制御部 33および受信制御部 34は、アンテナ 35を介して携帯端末 4 (ICタグリ ーダ Zライタ 11)との間でデータの送受信を行なうための制御を行なうものである。送 信制御部 33は種々のデータやコマンド等をアンテナ 35を介して ICタグ 3の外部 (携 帯端末 4)に対して送信するように制御を行なうものであり、メモリ 32に格納された第 1 進拔状況情報を ICタグリーダ Zライタ 11に対して送信するようになって 、る。受信制 御部 34は種々のデータやコマンド等をアンテナ 35を介して受信するように制御を行 なうものであり、例えば、 ICタグリーダ Zライタ 11から送信される進拔状況情報や第 2 進拔状況情報等を受信するようになって!/、る。
[0024] そして、 ICタグ 3は、これらの送信制御部 33,受信制御部 34およびアンテナ 35によ り、後述する携帯端末 4の ICタグリーダ Zライタ 11と通信可能に構成されて 、る。 制御部 31は、メモリ 32,送信制御部 33および受信制御部 34の各部の動作制御を 行なうものである。そして、本実施形態においては、 CPU (Central Processing Unit; 図示省略)がメモリ 32等に予め格納されたプログラムを実行することにより、制御部 3 1,送信制御部 33および受信制御部 34としての機能が実現するようになっている。
[0025] そして、本棚卸システム 1においては、制御部 31,メモリ 32,送信制御部 33および 受信制御部 34との機能をそなえた LSI (Large Scale Integration)として構成されてい る。
携帯端末 4は、棚卸作業を行なう作業者が携行可能な情報処理装置であって、図 1に示すように、 CPU10 (比較部 13,第 2更新部(更新部) 14,進拔状況管理部 15 ,作業処理部 16,表示制御部 23) , ICタグリーダ Zライタ (読取部,更新部,第 1更 新部,進拔状況登録部) 11,バーコードリーダ 12,第 1メモリ 17,第 2メモリ(第 2格納 部) 18,第 3メモリ (作業情報格納部) 19,入力キー (入力部) 20,表示部 22および 通信部 24をそなえて構成されて 、る。
[0026] 通信部 24は、サーバ 2との間で通信を行なうものであり、 CPU10の指示に従って、
サーバ 2に対してマスタデータ 201の要求信号を送信したり、サーバ 2から送信される マスタデータ 201の一部を受信したりするようになつている。なお、サーバ 2から受信 した部分マスタデータ 202は、第 3メモリ 19に格納されるようになって!/、る。
第 1メモリ 17は、携帯端末 4を作動させるための OSやプログラムを格納するもので あり、例えば ROM (Read Only Memory)や RAM (Random Access Memory)によって 構成されている。
[0027] 第 3メモリ 19は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって、 CPU10等の制御に 従って、種々の情報を記録 (格納)したり、又、既に記録されている情報を読み取った りすることができるようになっており、サーバ 2からダウンロードした部分マスタデータ 2 02を格納し、棚卸作業に用いられる情報を格納可能な作業用情報格納部として機 能するようになっている。
[0028] 第 2メモリ 18は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって、 CPU10等の制御に 従って、種々の情報を記録 (格納)したり、又、既に記録されている情報を読み取った りすることができるようになっており、各棚についての棚卸作業の進拔状況を示す進 拔状況情報 (フラグ)を各作業対象に対応させて登録して形成される第 2進拔状況情 報が格納されるようになっている。この第 2進拔状況情報は、 ICタグ 3のメモリ 32に格 納される第 1進拔状況情報 (図 3参照)と同様に構成され、各棚の棚番号に対応させ て、それぞれ" 0", "1", "2"のいずれかの数字を進拔状況情報として登録することに より構成されている。
[0029] すなわち、第 2メモリ 18は、複数の作業対象 (本実施形態では棚 T1一 T14)に対し てそれぞれ行なわれる作業 (棚卸作業)の進拔状況を示す進拔状況情報を、各棚に 対応させて登録して形成される第 2進拔状況情報を格納可能な第 2格納部として機 能するようになっている。
また、この第 2進拔状況情報の進拔状況情報も第 1進拔状況情報と同様に、その初 期化された状態において全て "0"が格納されるようになっており、後述する携帯端末 4を用いて棚卸作業中である旨や、棚卸作業が完了した旨の入力操作を行なうこと により、その作業にかかる棚 (棚番号)に対応させて進拔状況情報" 1", "2"が格納さ れるようになっている。
[0030] ICタグリーダ Zライタ (読取部,更新部,第 1更新部,進拔状況登録部) 11は、 CP U10による制御に従って、 ICタグ 3のメモリ 32からデータ等を読み出したり、このメモ リ 32に対してデータ等の書き込みを行なうものである。
作業者は、携帯端末 4における ICタグリーダ Zライタ 11を ICタグ 3に近づけて、入 力キー 20等によって所定の入力操作を行なうことにより、携帯端末 4力も ICタグリー ダ Zライタ 11を介して ICタグ 3のメモリ 32にアクセスして、第一進拔状況情報の読み 出しや更新等、メモリ 32との間において種々のデータ等のやりとりを行なうことができ るようになっている。
[0031] すなわち、 ICタグリーダ Zライタ 11は、 ICタグ 3のメモリ 32に格納された第 1進拔状 況情報を読み取り可能な読取部として機能する他、後述する比較部 13による比較結 果に基づ 、て、 ICタグ 3のメモリ 32を更新する更新部として機能するようになって 、る 具体的には、 ICタグリーダ Zライタ 11は、後述する比較部 13による比較結果に基 づいて、第 2進拔状況情報においてのみ進拔状況情報" 1"もしくは" 2"が登録され、 第 1進拔状況情報においては進拔状況" 0"が登録されている棚番号について、第 1 進拔状況情報におけるその棚番号に、第 2進拔状況情報に合わせて進拔状況情報 "1"もしくは" 2"登録することにより、この第 1進拔状況情報を更新する。すなわち、 IC タグリーダ Zライタ 11は、第 2進拔状況情報にぉ 、てのみ登録されて 、る進拔状況 情報" 1"もしくは" 2"を第 1進拔状況情報に登録することにより、この第 1進拔状況情 報を更新するのである。
[0032] また、この ICタグリーダ Zライタ 11は、後述する進拔状況管理部 15の指示に従って 、 ICタグ 3のメモリ 32の第 1進拔状況情報に対して、その ICタグ 3が取り付けられた棚 に対する棚卸作業の進拔状況を登録する進拔状況登録部として機能するようになつ ている。
例えば、作業者が、その棚に対する棚卸作業にとりかかる前には、棚卸作業にとり かかる (棚卸作業中)旨の入力を携帯端末 4の入力キー 20を用いて行なった後、この 携帯端末 4の ICタグリーダ/ライタ 11を用いて、 ICタグ 3のメモリ 32に格納された第 1 進拔状況情報に対して、その ICタグ 3が付された棚の棚番号に対応させて進拔状況
情報" 1"を登録するようになって 、る。
[0033] また、作業者が、その棚に対する棚卸作業を完了した場合には、棚卸作業を完了 した (棚卸済)旨の入力を携帯端末 4の入力キー 20を用いて行なった後、この携帯端 末 4の ICタグリーダ Zライタ 11を用いて、 ICタグ 3のメモリ 32に格納された第 1進拔状 況情報に対して、その ICタグ 3が付された棚の棚番号に対応させて進拔状況情報" 2 "を登録するようになって 、る。
[0034] バーコードリーダ 12は、棚卸の対象となる商品に予め形成されたバーコード(商品 情報)を読み取り可能な読取装置であり、例えば、商品に付されたバーコードを光セ ンサで検知して、そのバーパターンと予め決められたキャラクタのバーパターンとを比 較照合してキャラクタデータに変換することにより、バーコードを読み取るようになって いる。
なお、本棚卸システム 1においては、バーコードの種類や規格,読取方式に限定さ れるものではなぐ例えば、 EANや JAN, CODE39, ITF, NW- 7, CODE128, CODE93 等の種々のバーコードの他、 2次元バーコードや 3次元バーコード,書籍コード,雑 誌コード等、種々のバーコードを用いることができる。
[0035] 表示部 22は、例えば LCD (Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)等によって構 成され、表示制御部 23による制御に従って種々の情報を表示して作業者に提示す るものであり、例えば、第 1進拔状況情報や第 2進拔状況情報,部分マスタデータ 20 2等の種々のデータや、入力キー 20によって入力された情報,プログラム等からの指 示やメッセージ等を作業者に提示することができるようになって!/、る。
[0036] 入力キー 20は、携帯端末 4を操作する作業者が種々の情報や指示等を入力する ものであり、例えばキーボードゃタツチパネルの他、表示部 22としての機能をそなえ たタツチディスプレイとして構成されて 、る。
本棚卸システム 1においては、作業者は、ある棚に対する棚卸作業にとりかかる際 に、その棚卸作業を開始する前に棚卸作業中である旨の入力を入力キー 20を用い て行なうようになっており、これにより、進拔状況情報" 1"が、後述する進拔状況管理 部 15により第 2進拔状況情報に登録される他、 ICタグリーダ Zライタ 11により、 ICタ グ 3のメモリ 32の第 1進拔状況情報に登録されるようになっている。
[0037] また、本棚卸システム 1においては、作業者は、棚卸作業にとりかかる前に、その棚 にかかる部分マスタデータ 202を取得する旨の指示入力を入力キー 20により行なう ようになっており、この指示入力が行なわれると、 CPU10は、通信部 24を介してサー ノ 2に部分マスタデータ送信要求を送信するようになっており、更に、サーバ 2によつ て作成'送信された部分マスタデータ 202が、通信部 24により受信され、第 3メモリ 19 に格納されるようになって 、る。
[0038] さらに、棚卸作業中においては、この入力キー 20を用いて商品の在庫個数の入力 等が行なわれるようになっており、入力された情報は作業処理部 16に通知されるよう になっている。
さらに、本棚卸システム 1においては、作業者は、ある棚に対する棚卸作業が完了 した場合にも、その棚卸作業が完了した旨の入力を、入力キー 20を用いて行なうよう になっており、これにより進拔状況情報" 2"が後述の如ぐ進拔状況登録部 15により 第 2メモリ 18の第 2進拔状況情報に登録される他、 ICタグリーダ Zライタ 11により、 IC タグ 3のメモリ 32の第 1進拔状況情報に登録されるようになっている。
[0039] CPU (Central Processing Unit) 10は、第 1メモリ 17等に予め格納された OS (
Operating System)やプログラムを実行することにより種々の演算処理を行なうもので あり、後述する比較部 13,第 2更新部 14,進拔状況管理部 15,作業処理部 16およ び表示制御部 23としての機能を実現するものである。
なお、これらの比較部 13,第 2更新部 14,進拔状況管理部 15,作業処理部 16お よび表示制御部 23としての機能を実現するためのプログラムは、例えばフレキシブ ルディスク, CD (CD-ROM, CD-R, CD— RW等), DVD (DVD-ROM, DVD- RAM, DVD-R, DVD+R, DVD— RW, DVD+RW等),磁気ディスク,光デイス ク,光磁気ディスク等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供 される。そして、コンピュータはその記録媒体力 プログラムを読み取って内部記憶装 置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。又、そのプログラムを、例えば磁気 ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置 (記録媒体)に記録しておき、その 記憶装置から通信経路を介して携帯端末 (コンピュータ) 4に提供するようにしてもよ い。
[0040] 比較部 13,第 2更新部 14,進拔状況管理部 15,作業処理部 16および表示制御 部 23としての機能を実現する際には、内部記憶装置 (本実施形態では第 1メモリ 17 等)に格納されたプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサ (本実施形態では CP U10)によって実行される。このとき、記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータ が読み取って実行するようにしてもょ 、。
[0041] なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーティングシス テムとを含む概念であり、オペレーティングシステムの制御の下で動作するハードゥエ ァを意味している。又、オペレーティングシステムが不要でアプリケーションプログラム 単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンビユー タに相当する。ハードウェアは、少なくとも、 CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体 に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえており、本実施 形態においては、携帯端末 4がコンピュータとしての機能を有しているのである。
[0042] さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク, C D (CD-ROM, CD-R, CD— RW等), DVD (DVD-ROM, DVD-RAM, DVD R, DVD+R, DVD - RW, DVD+RW等),磁気ディスク,光ディスク,光磁気デ イスクのほか、 ICカード, ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータ の内部記憶装置 (RAMや ROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなど の符号が印刷された印刷物等のコンピュータ読取可能な種々の媒体を利用すること ができる。
[0043] 進拔状況管理部 15は、作業者による棚卸作業の進拔状況を管理するものであって 、第 2メモリ 18の第 2進拔状況情報に棚卸作業の進拔状況情報を登録したり、前述 の如く ICタグリーダ Zライタ 11に対して。 ICタグ 3のメモリ 32の第 1進拔状況情報に 棚卸作業の進拔状況情報を登録させたりするようになつている。
すなわち、例えば、作業者が、その棚に対する棚卸作業にとりかかる前には、 ICタ グリーダ Zライタ 11を ICタグ 3に近づけた状態で、棚卸作業にとりかかる(棚卸作業 中)旨の入力を携帯端末 4の入力キー 20を用いて行なうと、進拔状況管理部 15は、 I Cタグリーダ Zライタ 11に、 ICタグ 3のメモリ 32に格納された第 1進拔状況情報に対し て、その ICタグ 3が付された棚の棚番号に対応させて進拔状況情報" 1"を登録させ
るようになっている。
[0044] また、作業者が、その棚に対する棚卸作業を完了した場合に、棚卸作業を完了し た (棚卸済)旨の入力を携帯端末 4の入力キー 20を用いて行なうと、進拔状況管理 部 15は、第 2メモリ 18に格納された第 2進拔状況情報に対して、その ICタグ 3が付さ れた棚の棚番号に対応させて進拔状況情報" 2"を登録するようになって 、る。
そして、作業者が ICタグリーダ Zライタ 11を ICタグ 3に近づけて、例えば、 ICタグ 3 への進拔状況情報の書き込みを行なう旨の入力を行なうことにより、 ICタグ 3のメモリ 32に格納された第 1進拔状況情報に対しても、その ICタグ 3が付された棚の棚番号 に対応させて進拔状況情報" 2"を登録させるようになって 、る。
[0045] 比較部 13は、第 2メモリ 18に格納されている第 2進拔状況情報と、 ICタグリーダ Z ライタ 11によって読み取った、 ICタグ 3のメモリ 32に格納されて 、る第 1進拔状況情 報とを比較するものであり、第 2進拔状況情報においてのみ進拔状況情報" 1"もしく は" 2"が登録されている棚番号や、第 1進拔状況情報においてのみ進拔状況情報" 1"もしくは" 2"が登録されて 、る棚番号を認識するようになって!/、る。
[0046] 第 2更新部(更新部) 14は、比較部 13による比較結果に基づいて、第 2メモリ 18を 更新するものであり、具体的には、比較部 13による比較結果に基づいて、第 1進拔 状況情報においてのみ進拔状況情報" 1"もしくは" 2"が登録されている棚について、 第 2進拔状況情報におけるその棚番号に対して、第 1進拔状況情報と同様に進拔状 況情報" 1"もしくは" 2"を登録することにより、第 2進拔状況情報の更新を行なうように なっている。すなわち、第 2更新部 18は、第 1進拔状況情報においてのみ登録され ている進拔状況情報("1", "2")を第 2進拔状況情報に登録することにより、この第 2 進拔状況情報を更新するのである。
[0047] 作業処理部 16は、棚卸作業に力かる処理を行なうものであり、本棚卸システム 1に おいては、第 3メモリ 19に格納された部分マスタデータ 202と、バーコードリーダ 12や 入力キー 20から入力されたデータを用いて、棚卸に力かる種々の処理を行なうように なっている。
表示制御部 23は、表示部 22に対する制御を行なうものであり、例えば、第 1進拔状 況情報や第 2進拔状況情報を表示部 22に表示させるように制御を行なうようになって
おり、例えば、第 1進拔状況情報や第 2進拔状況情報,部分マスタデータ 202等の種 々のデータや、入力キー 20によって入力された情報,プログラム等からの指示ゃメッ セージを表示部 22に表示させるようになって 、る。
[0048] そして、各作業者は、棚卸作業を行なうに際して、上述の如く構成された携帯端末 4を携行し、この携帯端末 4を用いて種々の操作を行なう。
上述の如く構成された本発明の一実施形態としての棚卸システム 1における作業者 の操作手順を、図 5 (a) , (b)を参照しながら、図 4のフローチャート (ステップ S 10— S 100)に従って説明する。なお、図 5 (a) , (b)は本発明の一実施形態としての棚卸シ ステム 1における第 1進拔状況情報および第 2進拔状況情報の状態例を示す図であ り、図 5 (a)は第 1進拔状況情報の状態例を示す図、図 5 (b)は第 2進拔状況情報の 状態例を示す図である。
[0049] なお、図 5 (a) , (b)に示す例は、既にいくつかの棚に対する棚卸作業が完了して いる状態において、作業者が棚 T4に対して棚卸作業を行なう例を示している。又、 図 5 (a)の第 1進拔状況情報 32— 1においては、棚 T4 (棚番号 4)に対応する進拔状 況情報(自 ICタグ情報)として、 "0", "1", "2"のいずれの値も登録され得ることを、 便宜上、アスタリスク(* )を示すことにより表わしている。
[0050] 作業者が、これから棚卸作業を行なおうとする棚 Τ4において、その棚に貼り付けて られている ICタグ 3に携帯端末 4を近づけて、入力キー 20を用いて、その ICタグ 3の メモリ 32から第 1進拔状況情報の読み取りを指示すると、 ICタグリーダ Ζライタ 11が I Cタグ 3のメモリ 32から第 1進拔状況情報を取得する(図 5 (a)の第 1進拔状況情報 32 1参照;ステップ S10)。
[0051] なお、図 5 (a)に示す例においては、第 1進拔状況情報 32— 1は棚 Tl, T2, T9, T 10の棚卸作業が完了していることを示しており、図 5 (b)に示す例においては、第 2 進拔状況情報 18-1は棚 Tl, T7, T8の棚卸作業が完了していることを示している。 比較部 13は、 ICタグリーダ Zライタ 11によって読み取られた第 1進拔状況情報 32 -1と、第 2メモリ 18に格納されている第 2進拔状況情報 18- 1とを比較して、第 1進拔 状況情報 32— 1にお 、てのみ進拔状況情報" 1"もしくは" 2"が登録されて 、る棚番 号を認識し、進拔状況管理部 15は、その棚番号を認識するようになっている。なお、
図 5 (a) , (b)に示す例においては、第 1進拔状況情報 32 - 1と第 2進拔状況情報 18 1とでは、第 1進拔状況情報 32— 1においてのみ、棚 T2, T9, T10に進拔状況情 報" 2"が登録されている。
[0052] 第 2更新部 14は、比較部 13による比較結果に基づいて、第 1進拔状況情報におい てのみ進拔状況情報 "2"が登録されている棚 T2, T9, T10について、第 2進拔状 況情報 18-1における同じ棚番号 2, 9, 10に対して、第 1進拔状況情報 32-1と同様 に進拔状況情報" 2"を登録することにより、 ICタグ 3の第 1進拔状況情報を第 2進拔 状況情報に追カ卩(更新)する(図 5 (b)の第 2進拔状況 18— 2参照;ステップ S20)。
[0053] そして、作業者は、更新後の第 2進拔状況情報 18— 2において、その ICタグ 3が貼 り付けられて 、る棚 T4につ 、ての進拔状況情報(自 ICタグ情報)を確認し (ステップ S30)、棚卸状態情報" 0"が設定されている場合には (ステップ S30の"未棚卸状態" 参照)、作業者が、その棚 T4に対する棚卸作業を行なうことを、携帯端末 4の入力キ 一 20を介して入力し、これにより、進拔状況管理部 15が、第 2作業進拔状況情報の 棚番号 4に対応させて、棚卸中である旨を表わす棚卸状態情報" 1"を登録する(図 5 (b)の第 2作業進拔状況情報 18 - 3参照)
また、進拔状況管理部 15は、 ICタグリーダ Zライタ 11によって、棚 T4に貼り付けら れている ICタグ 3の第 1進拔状況情報の棚番号 4に対応させて棚卸中である旨を表 わす進拔状況情報" 1"を書き込む(図 5 (a)の第 1進拔状況情報 32-3参照;ステップ S40)。
[0054] CPU10は、通信部 24を介してサーバ 2に対して部分マスタデータ 202の要求信号 を送信する。サーバ 2が、この要求信号に応じて、その棚 T4に対応する部分マスタデ ータ 202を携帯端末 4に対して送信すると、携帯端末 4においては、通信部 24により 部分マスタデータ (棚卸データ) 202を受信(取得)し (ステップ S50)、第 3メモリ 19に 格納する。
[0055] 作業者は、バーコードリーダ 12を用いて、棚 T4に収納されている個々の商品につ いて、単品毎にそのバーコード情報を読み込み (ステップ S60)、作業処理部 16は、 読み込まれたバーコード情報に基づいて、第 3メモリ 19に格納された部分マスタデー タ 202について、棚卸データの消し込みを行なう(ステップ S70)。
棚 T4における全ての商品について、棚卸に力かる上記処理 (ステップ S60—ステツ プ S70)を行なったか否かを確認して (ステップ S80)、その棚 Τ4の棚卸作業が終了 していない場合には(ステップ S80の NOルート参照)、ステップ S60に戻る。
[0056] また、その棚 T4の棚卸作業が終了した場合には (ステップ S80の YESルート参照) 、例えば、作業者が入力キー 20により棚卸済を意味する入力操作を行ない、これに より、進拔状況管理部 15が、第 2進拔状況情報の棚番号 4に対応させて、棚卸済で ある旨を表わす棚卸状態情報" 2"を登録する(図 5 (b)の第 2作業進拔状況情報 18— 4参照;ステップ S 90)。
[0057] そして、作業者は携帯端末 4の ICタグリーダ/ライタ 11を用いて、第 2メモリ 18の第 2進拔状況情報を棚 T4に貼り付けられている ICタグ 3の第 1進拔状況情報に書き込 むことによりデータ更新を行な 、(図 5 (a)の第 1作業進拔状況情報 32— 3参照;ステ ップ S100)、その棚 T4に対する棚卸作業を終了し、作業者は棚卸作業を行なうべく 次の棚に移動する。
[0058] また、更新後の第 2進拔状況情報 18— 2において、その ICタグ 3が貼り付けられて V、る棚 T4につ 、ての進拔状況情報(自 ICタグ情報)にお 、て棚卸状態情報" 1"もし くは" 2"が設定されている場合には (ステップ S30の"棚卸開始または棚卸済み状態" ルート参照)、ステップ S 100に移行する。
なお、ステップ S100において、第 2進拔状況情報を棚 T4に貼り付けられている IC タグ 3の第 1進拔状況情報に書き込んだ後においては、第 2進拔状況情報の棚番号 4に対応させて登録された棚卸状態情報" 1"を棚卸状態情報" 2"として取り扱うこと が望ましい。
[0059] 図 6 (a) , (b) , (c) , (d)は本発明の一実施形態としての棚卸システム 1を用いて棚 卸作業を行なう際の作業の進拔状況を模式的に示す図であり、図 6 (a) ,図 6 (b) ,図 6 (c) ,図 6 (d)の順で、作業の進拔状況を時系列で示して!/、る。
これらの図 6 (a) , (b) , (c) , (d)に示されているに示す例においては、棚 T1一 T14 の 14個の棚について、 4人の作業者 A, B, C, Dによって棚卸作業を行なう例を示し ており、又、作業者 Aが棚 Tl, T2, T3, T4に対して、作業者 Bが棚 T5, T6, T7に 対して、作業者 cが棚 T8, T9, T10, T11に対して、作業者 Dが棚 T12, T13, T14
に対して、それぞれ棚卸作業を行なうように作業分担が行なわれ、更に、各作業者は 図中左側の棚力も右側の棚に向力つて順番に棚卸作業を行なうものとする。
[0060] なお、図 6 (a) , (b) , (c) , (d)にお 、て「未」は棚卸作業が行なわれて 、な 、状態 を、「中」は棚卸作業中の状態を、「済」は棚卸作業が完了した状態を、それぞれ表わ している。
図 6 (a)に示す状態においては、まだいずれの棚についても棚卸作業が行なわれ ておらず、この状態から、各作業者は携帯端末 4を携行して各自に割り当てられた棚 に対して、その左側の棚力も順番に棚卸作業を開始する。
[0061] 図 6 (b)に示す状態において、作業者 Bは割り当てられた棚に対する棚卸作業を終 了したので、作業者 Aに割り当てられている棚 T3のところに行き、その棚 T3に貼り付 けられている ICタグ 3の第 1進拔状況情報を携帯端末 4を用いて読み取る。
また、この際、棚 T3の ICタグ 3の第 1進拔状況情報には、作業者 Bの携帯端末 4に 格納されている第 2進拔状況情報に基づいて、棚 T5— T7についての棚卸作業が完 了して!/ヽることが登録される。
[0062] この読み取られた第 1進拔状況情報により、作業者 Bは、棚 Tl, T2についての棚 卸作業が完了していることと、作業者 Aが棚 T3に対する棚卸作業中であることとを知 ることができる。作業者 Bは、作業者 Aに割り当てられている次の棚 T4のところに行き 、その棚 T4に貼り付けられている ICタグ 3の第 1進拔状況情報を携帯端末 4を用いて 読み取ることにより、棚 T4に対する棚卸作業が未だ行なわれていないことを確認し、 その棚 T4に対する棚卸作業にとりかかる。
[0063] 一方、図 6 (c)に示す状態において、棚 T3の棚卸作業を終えた作業者 Aは、携帯 端末 4によって棚 T4の ICタグ 3を読み取ることにより、その第 1進拔状況情報基づい て、棚 T1一 T7についての棚卸作業が完了していることを確認することができる。 次に、作業者 Aは、棚 T10の ICタグ 3の第 1進拔状況情報を携帯端末 4によって読 み込むことにより、棚 T8, T9の棚卸作業が完了していることや、棚 T10が作業者 Cに よる棚卸作業中であること、および、棚 T11についてはまだ棚卸作業が行なわれてい ないことを知ることを確認でき、これらの情報に基づいて、棚 T11に行きその棚卸作 業を行なう。
[0064] 図 6 (d)に示す状態において、作業者 Cは、棚 T11の ICタグ 3の第 1進拔状況情報 を読み込むことにより、棚 T1一 T10の棚卸作業が完了していることや、棚 T11が棚 卸作業中であることを確認することができる。作業者 Cは、これらの情報に基づいて、 棚 T13のところに行き、その棚 T13に貼り付けられている ICタグ 3の第 1進拔状況情 報を携帯端末 4を用いて読み取る。
[0065] また、この際、棚 T13の ICタグ 3の第 1進拔状況情報には、作業者 Cの携帯端末 4 に格納されて 、る第 2進拔状況情報に基づ 、て、棚 T1一 Tl 1につ 、ての棚卸作業 が完了して 、ることが登録される。
この読み取られた第 1進拔状況情報により、棚 T1一 T13についての棚卸作業が完 了していることと、作業者 Dが棚 T13に対する棚卸作業中であることとを知ることがで きる。作業者 Cは、棚 T14のところに行き、その棚 T14に貼り付けられている ICタグ 3 の第 1進拔状況情報を携帯端末 4を用いて読み取ることにより、棚 T14に対する棚卸 作業が未だ行なわれていないことを確認し、その棚 T14に対する棚卸作業にとりかか る。
[0066] また、作業者 A, B, Dは、棚 T14の ICタグ 3の第 1進拔状況情報を読み取ることに より、棚 T1一棚 T13の棚卸作業がそれぞれ完了していることを確認することができる なお、本棚卸システム 1においては、携帯端末 4によって棚に貼り付けられた ICタグ 3の第 1進拔状況情報を読み込んだ際に、その ICタグ 3に進拔状況情報が登録され て 、な 、場合には、自分が棚卸作業を行なった棚以外の棚の ICタグ 3の第 1進拔状 況情報を携帯端末 4によって読み込んで確認する必要がある。
[0067] このように、本発明の一実施形態としての棚卸システム 1によれば、作業者が携帯 端末 4を用 、て ICタグ 3のメモリ 32に格納されて 、る第 1進拔状況情報を読み取るこ とにより、各棚における棚卸作業の進拔状況を知ることができ、次に作業を行なうべき 棚を迅速に把握することができ、効率的に作業を行なうことができる。
また、作業者が携帯端末 4を用いて ICタグ 3から第 1進拔状況情報を読み取る際に 、比較部 13が、この第 1進拔状況情報と携帯端末 4の第 2メモリ 18に格納された第 2 進拔状況情報とを比較して、この比較結果に基づいて、 ICタグリーダ Zライタ 11およ
び第 2更新部が、第 1進拔状況情報と第 2進拔状況情報とを更新するので、これらの 第 1進拔状況情報と第 2進拔状況情報の情報を常に新しい状態に維持することがで き、これらの第 1進拔状況情報および第 2進拔状況情報の信頼性や有用性を向上さ せることができる。
[0068] また、既に棚卸作業が行なわれた棚に対して他の作業者が棚卸作業を重複して行 なうことがなぐ棚卸作業の効率や棚卸結果の信頼性を向上させることができる。 さらに、棚卸作業の進拔状況の管理を行なうに際して、サーバコンピュータ等の高 価な設備を用いる必要がなぐシステムの導入コストや運用コストを低減することがで きる。
また、サーバ 2が、携帯端末 4力もの指示に従って、各棚に対応する部分マスタデ ータ 202を作成して、携帯端末 4に送信するので、これによつても重複棚卸の発生を 阻止することができる。
[0069] そして、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなぐ本発明の趣旨を逸 脱しな 、範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、携帯端末 4の ICタグリーダ Zライタ 11により ICタグ 3のメモリ 32に進拔状況 情報を格納する際に、 ICタグ 3のメモリ 32に、棚卸作業にかかる作業開始時間や終 了時間、作業者識別コード等を書き込んでもよぐこれらにより、棚毎の作業時間の 計測や作業者の作業量等、作業にかかる付加的な情報を取得することができる。こ れらの取得した情報は、次回の棚卸における運用計画の立案等に活用することがで き利便性が高い。
[0070] そして、上述した実施形態では、本棚卸作業の進拔管理を行なう例について説明 しているが、これに限定されるものではなぐ棚卸作業以外の作業についての進拔状 況を管理してもよい。
また、上述した実施形態では、進拔状況情報として" 0", "1"および" 2"の 3種類の 数字を用いて、「棚卸未」, 「棚卸中」および「棚卸済」をそれぞれ表わしているが、こ れらに限定されるものではなぐ "0", "1", "2"以外の種々の数字や文字,記号を用 いてもよぐ又、「棚卸未」, 「棚卸中」および「棚卸済」以外の種々の状態を進拔状況 情報によって表わしてもよい。
[0071] なお、本発明の各実施形態が開示されていれば、本発明を当業者によって実施- 製造することが可能である。
産業上の利用可能性
[0072] 棚卸作業の他、複数の作業対象に対して作業者によって行なわれる種々の作業の 進拔状況の管理に適用できる。