以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る物品管理装置として携帯端末を有する物品(商品)管理システムの構成例を示す図である。
商品管理システムは、携帯端末D(D1、D2、D3、D4)とリーダライタR(R1、R2、R3、R4)とで構成するタグ読取装置とサーバSとを有する。図1は、1つのサーバSと複数のタグ読取装置とを有する商品管理システムの構成例を示す。タグ読取装置は、複数であっても良いし、単数であっても良い。
物品管理装置としての携帯端末Dは、例えば、スマートフォン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等である。リーダライタRは、商品(物品)に付されたICタグ(無線タグ)としてのRFID(Radio Frequency Identification)と通信する装置である。リーダライタRは、ICタグと無線通信することにより、ICタグから情報を読み取ったりICタグに情報を書込んだりする。例えば、リーダライタRは、ハンディ型のRFIDリーダライタである。本実施形態において、タグ読取装置は、ハンディ型のRFIDリーダライタに携帯端末を装着した装置であるものとする。
サーバSは、管理対象とする商品の管理情報をマスタデータとして記憶するデータベースMを有する。サーバSは、携帯端末Dとの通信機能を有する。サーバSは、後述する棚卸(在庫管理)の処理などのために、タグ読取装置にマスタデータとしての商品の管理情報を提供する。また、サーバSは、タグ読取装置からICタグの読取結果などの情報を取得する。
なお、以下の実施形態は、店舗の例として衣料品等を販売するアパレルショップで本システムを運用する例を想定して説明をする。本実施形態に係るシステムは、物品に付したICタグで物品(商品)を管理するシステムであれば適用可能である。例えば、衣料品以外の商品を販売する店舗で運用しても良い。
図2は、実施形態に係るリーダライタRに携帯端末Dを装着したタグ読取装置の斜視図である。
図1に示す構成例おいて、リーダライタRは、本体部2、グリップ部4と、トリガスイッチ5、および、載置部6を有する。
本体部2は、アンテナ、通信制御部、制御部およびバッテリなどを有する。本体部2は、商品に付される無線タグとしてのICタグ(RFID)と無線通信を行う。本体部2は、ICタグと無線通信を行うための電波を送受信する。ICタグとの無線通信については後述する。
グリップ部4は、操作者が操作時に握る部位である。グリップ部4は、本体部2に対して後ろ側に配置される。トリガスイッチ5は、グリップ部4に設けられる。操作者がグリップ部4を握りながらトリガスイッチ5をオンすると、リーダライタRは、本体部2内のアンテナから電波を放射する。操作者がトリガスイッチ5をオフすると、リーダライタRは、本体部2のアンテナからの電波の放射を停止する。
載置部6は、携帯端末Dを保持する。載置部6は、本体部2とグリップ部4との間に設ける。載置部6は、本体部2と連結する。載置部6は、グリップ部4と連結する。載置部6は、一対の保持部7(7a、7b)を備える。保持部7は、載置部6に載置された携帯端末Dの上部と下部を挟持する。保持部7は、携帯端末Dを着脱可能に固定して保持する。
また、携帯端末Dは、表示部11、および操作部12を有する。表示部11は、表示画面を有する。操作部12は、操作者による情報の入力を受け付ける。例えば、表示部11及び操作部12は、タッチパネル付きの液晶表示装置により構成する。また、保持部7は、リーダライタRのグリップ部4を握る操作者が直視できる方向に、表示部11の表示画面が向くように、携帯端末Dを保持する。
図3は、リーダライタRおよび携帯端末Dにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
図3に示す構成例おいて、リーダライタRは、制御部21、メモリ部22、通信制御部23、アンテナ24、携帯端末インターフェース(1/F)25、バッテリ26、トリガスイッチ5などを有する。制御部21は、データバスを介して、メモリ部22、通信制御部23、携帯端末インターフェース25およびトリガスイッチ5に接続する。また、バッテリ26は、リーダライタRの各部に電力を供給する。
制御部21は、プロセッサ31、プログラムメモリ32、ワーキングメモリ33ななどを有する。プロセッサ31は、プログラムを実行する。プロセッサ31は、例えば、CPUなどの演算ユニットである。プログラムメモリ32は、各種プログラムおよび制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。プログラムメモリ32は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)である。ワーキングメモリ33は、各種データを展開するメモリである。ワーキングメモリ33は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)である。プロセッサ31は、データバスを介して、プログラムメモリ32、ワーキングメモリ33およびメモリ部22に接続される。制御部21は、プロセッサ31がワーキングメモリ33を用いてプログラムメモリ32又はメモリ部22に記憶したプログラムを実行することで各種の処理を実現する。
メモリ部22は、書換え可能な不揮発性のメモリにより構成する。メモリ部22は、例えば、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等で実現できる。メモリ部22は、制御プログラムあるいは制御データなどを記憶する。
通信制御部23は、アンテナ24と接続する。通信制御部23は、アンテナ24を介してICタグとしてのRFID(無線タグ)と無線通信する。通信制御部23は、アンテナを介して電波を送受信する。通信制御部23は、所定の規格で規定された通信プロトコルによりRFIDと無線通信する。つまり、通信制御部23は、所定の規格に準拠したRFID(ICタグ)と無線通信する機能を有するものである。例えば、RFIDと無線通信するための規格は、ISO/IEC 18000−6 TypeC(EPC global Class1 Generation2)などである。
本システムにおいて、管理対象とする物(物品、商品)には、RFIDとしてのICタグが付される。ICタグは、後述する情報を含むEPCデータ(ICタグ情報)を記憶する。例えば、通信制御部23は、アンテナ24を介して衣料品等の商品に付されたICタグにICタグ情報を要求する応答要求を伝送するための電波を発信する。ICタグは、受信した電波により起動し、当該ICタグに記憶されたICタグ情報を応答電波に乗せて送信する。通信制御部23は、アンテナ24によりICタグからの応答電波を受信する。通信制御部23は、受信した応答電波に含まれるICタグ情報をワーキングメモリ33やメモリ部22に記憶する。
携帯端末インターフェース25は、携帯端末Dとデータ通信するためのインターフェースである。携帯端末インターフェース25は、携帯端末Dのインターフェースと通信接続が可能なものであれば良い。例えば、携帯端末インターフェース25は、無線通信インターフェースであっても良いし、接触式のインターフェースであっても良い。例えば、携帯端末インターフェース25は、NFC(Near Field Communication)により携帯端末Dと通信接続するインターフェースであっても良い。
また、バッテリ26は、リーダライタRの各部に電力を供給する。
携帯端末Dは、図3に示す構成例において、表示部11、操作部12、制御部51、メモリ部52、RWインターフェース53、無線通信部54、スピーカ55、およびバッテリ56を有する。制御部51は、データバスを介して、表示部11、操作部12、メモリ部52、RWインターフェース53、無線通信部54、およびスピーカ55に接続する。
制御部51は、プロセッサ61、プログラムメモリ62、ワーキングメモリ63を有する。プロセッサ61は、プログラムを実行する。プロセッサ61は、例えば、CPUである。プログラムメモリ62は、各種プログラム及び制御データを記憶する。プログラムメモリ62は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)により構成する。ワーキングメモリ63は、各種データを展開するメモリである。ワーキングメモリ63は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)で構成する。
プロセッサ61は、データバスを介して、プログラムメモリ62、ワーキングメモリ63、メモリ部52に接続する。制御部51は、プロセッサ61がワーキングメモリ63を使用してプログラムメモリ62又はメモリ部52に記憶したプログラムを実行することで種々の処理を実現する。
メモリ部52は、書換え可能な不揮発性のメモリにより構成する。メモリ部52は、例えば、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等で実現できる。メモリ部52は、制御プログラムあるいは制御データなどを記憶する。例えば、メモリ部52は、制御プログラムをインストール可能である。また、メモリ部52は、サーバなどから転送されたデータを記憶できる。
表示部11は、操作者に対して各種の情報を表示する表示画面を有する。表示部11は、例えば液晶パネル等で形成する。操作部12は、操作者が後述する操作キーを入力するための入力部である。操作部12は、例えばタッチパネルで構成する。操作部12は、表示部11が表示する操作キーへの入力をタッチパネルにより検知する。すなわち、表示部11及び操作部12は、タッチパネル付きの表示装置により構成できる。なお、操作部12は、メカニカルなハードキーを含むものであっても良い。
RWインターフェース53は、リーダライタRの携帯端末インターフェース25と通信接続する。制御部51は、RWインターフェース53を介して、バッテリ残量情報を含む各種情報をリーダライタRとの間で送受信する。RWインターフェース53は、リーダライタRから送信されたICタグ情報を入力する。
無線通信部54は、サーバSと通信するための通信インターフェースである。無線通信部54は、例えば、棚卸作業を開始する場合、サーバSから棚卸の対象となる商品の管理情報を取得する。また、無線通信部54は、棚卸作業の結果を示す情報をサーバSへ送信する。例えば、無線通信部54は、棚卸作業の結果を示す情報として、ICタグの読取結果および操作員が入力する入力情報などをサーバSへ送信する。
スピーカ55は、報知部として機能する。スピーカ55は、例えば、ブザー音を鳴らす機能を有する。スピーカ55は、操作者に注意を喚起するための音としてブザー音を発する。
バッテリ56は、携帯端末Dの各部に電力を供給する。
サーバSは、図3に示す構成例において、制御部71、メモリ部72および無線通信部73を有する。また、制御部71は、プロセッサ81、プログラムメモリ82及びワーキングメモリ83を有する。
プロセッサ81は、プログラムを実行する。プロセッサ81は、例えば、CPUである。プログラムメモリ82は、各種プログラム及び制御データを記憶する。プログラムメモリ82は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)により構成する。ワーキングメモリ83は、各種データを展開するメモリである。ワーキングメモリ83は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)で構成する。プロセッサ81は、データバスを介して、プログラムメモリ82、ワーキングメモリ83、メモリ部72に接続する。
制御部71は、プロセッサ81がワーキングメモリ83を使用してプログラムメモリ82又はメモリ部72に記憶したプログラムを実行することで種々の処理を実現する。
メモリ部72は、書換え可能な不揮発性のメモリにより構成する。メモリ部72は、例えば、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等で実現できる。メモリ部72は、制御プログラムあるいは制御データなどを記憶する。例えば、メモリ部72は、制御プログラムを適宜インストール可能である。
また、メモリ部72は、商品の管理情報を記憶するデータベースMを有する。データベースMは、マスタデータとしての商品の管理情報を記憶する。データベースMは、各携帯端末から取得する棚卸作業の結果を示す情報に基づいて更新される。
無線通信部73は、携帯端末Dと通信するための通信インターフェースである。例えば、無線通信部73は、棚卸作業を実施する領域(例えば、店舗内及び商品(商材)の在庫置場など)を通信範囲して無線通信する。無線通信部73は、例えば、棚卸作業を開始する場合、携帯端末Dへ棚卸の対象となる商品の管理情報を転送する。また、無線通信部73は、棚卸作業の結果を示す情報を携帯端末Dから取得する。例えば、制御部71は、無線通信部73により複数の携帯端末Dから取得する棚卸作業の結果を示す情報に対して重複チェックなどを実施してデータベースMを更新する。
次に、携帯端末Dが保持する情報について説明する。
図3に示す構成例において、メモリ部52は、在庫情報記憶部52a、棚卸記憶部52b、カウンタ52cおよび入力情報記憶部52dを有する。
在庫情報記憶部52aは、サーバSから取得する商品管理情報を記憶する。例えば、在庫情報記憶部52aは、在庫管理を開始する時点でサーバSからダウンロードする商品管理情報を記憶する。商品管理情報は、少なくとも商品を識別する最小の管理単位としての品番としてのSKU(Stock Keeping Unit)と個々の商品(又は個々の商品に付するICタグ)に付与するユニークなシリアルデータと含む情報に基づいて各商品を管理する情報である。商品管理情報は、在庫管理に用いられる。棚卸処理は、商品管理情報で管理する理論在庫数と実際の在庫数とを確認する処理である。商品管理情報及び棚卸処理については、後述する。
棚卸記憶部52bは、棚卸処理の結果を示す情報を記憶する。例えば、棚卸記憶部52bは、ICタグを付した個々の商品ごとに、棚卸処理結果を記憶する。例えば、棚卸記憶部52bは、リーダライタRで実際にICタグが読み取れた商材を示す情報、あるいは、操作員がマニュアルで棚卸した結果を示す情報などを記憶する。
また、カウンタ52cは、SKUごとにカウントした情報(棚卸完了数)を記憶する。カウンタ52cは、実際に読み取れたICタグの数およびマニュアルで棚卸した数の合計数を棚卸完了数としてSKUごとにカウントする。
入力情報記憶部52dは、棚卸処理において、操作員が入力する情報を記憶する。例えば、入力情報記憶部52dは、個々の商材に対するマニュアルでの棚卸において、ICタグが読み取れなかった理由として操作員が考える理由のテキスト情報を記憶する。
次に、商品管理情報について説明する。
図4は、商品管理情報の例を示す図である。
サーバSは、データベースMに商品の管理情報を記憶する。サーバSのデータベースMに記憶する商品の管理情報は、各商品の在庫を示す在庫情報のマスタデータである。例えば、携帯端末Dは、在庫管理(棚卸)作業を実施する場合、サーバSから棚卸の対象となる商品の管理情報をダウンロードする。
商品管理情報(在庫情報)は、少なくともSKUとシリアルデータとを含む。図4に示す例では、商品の関する情報としては、SKU、シリアルデータ(RFIDのシリアルデータ)、商品名、色、サイズ、カテゴリなどを含む。また、図4に示す例では、棚卸に関する情報としては、棚卸完了フラグ、タグ読取フラグ、マニュアル棚卸フラグ、理由コード、コメントなどを含む。
商品名、色、サイズ、カテゴリは、商品を分類するための情報(商品情報)である。SKUは、商品を識別するための情報である。すなわち、SKUは、商品名、色、サイズ、カテゴリの各情報で分類される商品ごとの識別情報である。SKUは、在庫数を管理する単位で各商品を識別できるものであれば良い。例えば、SKUは、商品名、色、サイズ、カテゴリの各情報をコード化した情報を含む品番であっても良い。また、SKUは、JAN(Japanese Article Number)コード、EAN(European Article Number)コード、UPC(Universal Product Code)などであっても良い。
また、シリアルデータは、個々の商品に付与されるICタグの識別情報である。シリアルデータは、個々のICタグに対してユニークな情報である。例えば、同じ商品が複数存在する場合、同じ商品であっても、個々の商品には、異なるシリアルデータを保持するICタグがそれぞれに付される。
図4に示す例では、商品名「キッズパンツ」、色「赤」、サイズ「110」、カテゴリ「キッズ」の商品のSKUは、「0001」である。SKU「0001」の商品は、4点の在庫がある。SKU「0001」の4点の商品に付されるICタグは、それぞれシリアルデータが「0001001」、「0001002」、「0001003」、「0001004」である。
棚卸完了フラグ、タグ読取フラグ、マニュアル棚卸フラグ、理由コード、コメントは、個々の商品に対する棚卸作業の結果を示す情報である。
棚卸完了フラグは、対応する商品(SKU)に対する棚卸が完了したか未完了かを示す情報である。例えば、棚卸が完了しているSKUについては、棚卸完了フラグが「1」にセットされる。また、棚卸が未完了のSKUについては、棚卸完了フラグが「0」にセットされる。
タグ読取フラグは、シリアルコードで識別される個々の商品のICタグを読み取れたか否かを示す情報である。例えば、棚卸作業において、対応するシリアルコードのICタグ(RFID)が読み取れた商品(商材)については、タグ読取フラグが「1」にセットされる。また、棚卸作業において、対応するシリアルコードのICタグ(RFID)が読み取れていない商品については、タグ読取フラグが「0」にセットされる。
マミュアル棚卸フラグは、シリアルコードで識別される個々の商品に対するマニュアルによる棚卸(以下、マニュアル棚卸と称する)を行ったか否かを示す情報である。マニュアル棚卸は、操作員が人的に当該商品の確認を行うものである。マニュアル棚卸は、例えば、操作員が目視で当該商品を確認する。例えば、マニュアルによる棚卸を行った商品については、マニュアル棚卸フラグが「1」にセットされる。また、マニュアル棚卸を行っていない商品については、マニュアル棚卸フラグが「0」にセットされる。
理由コードは、対応する商品に対する棚卸結果の理由を示す情報である。例えば、理由コードは、マニュアル棚卸の結果、マニュアル棚卸を実施した理由、或いは、当該商品の状態などを示すコード情報である。理由コードとしては、所定のコード情報を保持する。図4の例では、確認不要は「0」、タグ無しの商材が存在する場合は「1」、その他の場合は「2」、保留(後日確認)は「3」が理由コードとしてセットされる。
また、コメントは、操作員が入力する情報である。例えば、コメントは、マミュアル棚卸を行った操作員が携帯端末Dで入力するメモなどのテキスト情報である。コメントとしては、例えば、「タグづけの間違えである」、「タグの紛失」、「万引きが疑われる」などのテキスト情報が保存できる。コメントは、テキスト情報に限定されるものではない。コメントは、別のデータファイルとして保存できる情報であっても良い。例えば、コメントは、カメラで撮影した画像情報であっても良いし、操作員がタッチパネルで描画した画像情報であっても良い。
なお、携帯端末Dは、品番、シリアルデータ、商品名、色、サイズおよびカテゴリなどの商品情報を在庫情報記憶部52aに記憶する。携帯端末Dは、商品情報をサーバSからダウンロードすることにより取得する。また、携帯端末Dは、SKU及びシリアルデータに対応づけて、棚卸完了フラグ、タグ読取フラグ、マニュアル棚卸フラグ、理由コード、コメントなどの情報を棚卸記憶部52bに記憶する。また、携帯端末Dは、SKUごとの理論在庫数と棚卸処理済みの数(ICタグの読取数とマニュアル棚卸数)とをカウンタ52cに記憶する。また、携帯端末Dは、コメントとして入力された情報を入力情報記憶部52dに記憶する。
次に、リーダライタRによるICタグの読取処理について説明する。
図5は、リーダライタRの読取処理の流れを説明するためのフローチャートである。
リーダライタRは、携帯端末Dを装着した状態において、ICタグ(RFID)との通信を行うための電波が送受信可能となる。この状態において、制御部21は、トリガスイッチ5がオンされた状態であるか否かを検知する(ACT11)。
トリガスイッチ5がオンされた状態であると判断した場合(ACT11、Yes)、制御部21は、通信制御部23によりアンテナ24を介して、商品に付されたICタグに対する応答要求を含む電波を放射する(ACT12)。これに対して、各ICタグは、リーダライタRからの応答要求を含む電波を受信すると、当該ICタグが記憶しているICタグ情報を含む応答電波を返信する。
応答要求を含む電波を放射した状態において、リーダライタRは、ICタグからのICタグ情報を含む応答が受信可能な状態となる。制御部21は、ICタグからの応答電波を受信した場合(ACT13、Yes)、携帯端末インターフェース25を介して受信したICタグ情報を携帯端末Dへ送信する(ACT14)。制御部21は、受信したICタグ情報を携帯端末Dへ転送した後、ACT11に戻る。また、制御部21は、ICタグ情報を含む応答電波を受信していなければ(ACT13、No)、ACT11に戻る。
また、トリガスイッチ5がオンしていないと判断した場合(ACT11、No)、制御部21は、通信制御部23によるアンテナ3からの電波の放射を停止する(ACT15)。電波の放射を停止した場合、制御部21は、ACT11に戻り、再びトリガスイッチ5がオンされるか否かを検知する。
次に、携帯端末Dを用いた棚卸処理について説明する。
図6乃至図8は、携帯端末Dにおける棚卸処理の流れを説明するためのフローチャートである。また、図9乃至17は、携帯端末Dの表示部11が表示する表示画面の例である。なお、図6乃至図8に示す各処理は、携帯端末用の棚卸処理のアプリケーションプログラムを制御部51のプロセッサ31が実行することにより実現される。例えば、棚卸処理のアプリケーションプログラムは、携帯端末の制御部51が実装するOS(Operation System)上で実行するプログラムとして提供される。
すなわち、棚卸作業を実施する操作員は、棚卸処理用のアプリケーションプログラムをイントールした携帯端末DをリーダライタRに装着する。操作員は、リーダライタRに装着した携帯端末Dの操作部12により棚卸の開始を指示する。
棚卸の開始が指示されると(ACT21、YES)、携帯端末Dの制御部51は、棚卸対象とする商品管理情報を選択する選択画面を表示部11に表示する(ACT22)。例えば、棚卸を店舗ごとに実行する運用を想定すれば、棚卸対象とする商品管理情報の選択として、店舗を選択する。この場合、携帯端末Dは、表示部11に店舗を選択する店舗選択画面を表示することにより棚卸対象とする商品の管理情報を選択させる。
図9は、表示部11が表示する店舗選択画面の表示例である。図9に示す表示例において、表示部11は、選択可能な店舗を一覧表示する。各店舗の表示欄91a〜91dは、操作部12としてのタッチパネルで選択可能な状態で表示される。例えば、店舗「A店」を選択する場合、操作員は、A店の表示欄91aをタッチする。制御部51は、選択された店舗の表示欄を反転表示させ、ダウンロードボタン92を選択可能な状態で表示させる。この状態において、制御部51は、ダウンロードの指示待ち状態となる。また、店舗選択画面においては、複数の店舗を選択できるようにしても良い。
ダウンロードが指示されると(ACT23、YES)、制御部51は、選択された店舗の商品管理情報を棚卸対象とする商品管理情報としてサーバSからダウンロードする(ACT24)。制御部51は、無線通信部54によりサーバSに対して棚卸対象とする商品管理情報のダウンロードを要求する。サーバSは、無線通信部73により携帯端末Dからの商品管理情報のダウンロード要求を受信する。サーバSの制御部71は、ダウンロード要求に応じてデータベースMが記憶する商品管理情報を携帯端末Dへダウンロードする。
ダウンロードが完了すると、携帯端末Dの制御部51は、表示部11にカテゴリの選択画面を表示する(ACT25)。制御部51は、操作員が選択するカテゴリに基づいて、実際に棚卸対象とする商品群を決定する。棚卸対象とする商品群は、別の分類により選択させるものであっても良い。例えば、棚卸対象とする商品群は、商品名などで選択させるようにしても良い。また、棚卸対象は、ダウンロードした商品管理情報に含まれる全ての商品(店舗内の全商品)としても良い。この場合、ACT25及び26の処理は省略して良い。
図10は、表示部11が表示するカテゴリ選択画面の表示例である。図10に示す表示例は、選択可能なカテゴリの一覧を表示部11に表示するとともに、各カテゴリが操作部12としてのタッチパネルで選択可能である。例えば、カテゴリ「キッズ」を選択する場合、操作員は、キッズの表示欄をタッチする。制御部51は、選択されたカテゴリの表示欄を反転表示させ、決定ボタンを選択可能な状態で表示させる。この状態において、制御部51は、カテゴリの決定指示待ち状態となる。また、カテゴリは、複数を選択しても良い。
カテゴリの決定ボタンが指示されると(ACT26、YES)、携帯端末Dの制御部51は、表示部11に棚卸作業の操作画面を表示する(ACT27)。制御部51は、表示部11に表示する操作画面において、棚卸対象の商品の品番ごとの在庫数と読取(棚卸)数を表示するとともに、各種の操作ボタンを表示する。
図11は、表示部11が表示する棚卸操作画面の第1の表示例である。図11は、初期状態の棚卸操作画面の表示例である。
図11に示す表示例では、表示部11は、棚卸の状況の案内として、品番ごとに、品名/色/サイズ(商品情報)および数量などを表示する。商品情報は、商品管理情報においてSKUと対応づけて管理される品名、色及びサイズ等の情報である。数量は、各SKUの理論在庫数と読取数とを示す。
理論在庫数は、サーバSからダウンロードした商品管理情報における当該SKUの総数である。つまり、理論在庫数は、当該店舗において当該SKUの数として管理している値である。読取数は、当該SKUの商品のうち、リーダライタRを用いた読取処理によってICタグを読み取った数を示す。リーダライタRでICタグが読み取れた商品は、棚卸できた数として認識される。従って、数量の表示は、SKUごとの棚卸作業の進捗状況を示す情報である。たとえば、数量の表示において、読取数が理論在庫数になったSKUは、棚卸が完了したものと認識できる。
また、図11に示す棚卸操作画面では、上述の案内とともに、操作部12としてのタッチパネルにて選択可能な各種の操作ボタンが表示される。図11に示す棚卸操作画面では、読取開始ボタン111、読取停止ボタン112、セレクトモードボタン113、表示切替ボタン114及び戻るボタンが表示される。また、図11に示す棚卸操作画面には、品番ごとのセレクト表示欄115(115a〜115d)も表示される。
読取開始ボタン111は、ICタグの読取開始を指示するボタンである。読取停止ボタン112は、ICタグの読取処理を停止することを指示するボタンである。セレクトモードボタン113は、セレクトモードへの移行を指示するボタンである。表示切替ボタン114は、表示の切替を指示するボタンである。戻るボタンは、直前の表示画面に戻ることを指示するボタンである。セレクト表示欄115a〜115dは、各SKU(品番)に対応づけて表示される。セレクト表示欄115a〜1115dは、後述するセレクトモードにおいて読取対象とするSKU(セレクトリードの対象とするSKU)を指定するための欄(ボタン)である。
棚卸操作画面において読取開始ボタン111が指示されると(ACT28、YES)、携帯端末Dの制御部51は、リーダライタRを用いた読取処理を開始する(ACT29)。制御部51は、リーダライタRに対してICタグの読取開始を指示する。リーダライタRは、携帯端末DからのICタグの読取開始の指示に応じてICタグの読取処理を実行する。例えば、リーダライタRは、上述した図5に示すフローチャートで示すような処理によってICタグの読取処理を行う。携帯端末Dの制御部51は、読取処理を開始した後、リーダライタRがICタグから読み取る情報を取得するとともに、各操作ボタンへの指示に応じた処理を実行する。
例えば、読取停止ボタンが指示された場合(ACT30、YES)、制御部51は、リーダライタRによるICタグの読取処理を停止する(ACT31)。この場合、携帯端末Dの制御部51は、リーダライタRに対して読取停止を指示する。リーダライタRは、携帯端末Dの読取停止の指示に従ってICタグの読取処理を停止する。携帯端末Dの制御部51は、ICタグの読取処理を停止すると、上記ACT28へ戻り、読取処理の再開を受け付ける。
また、セレクトモードボタン113が指示された場合(ACT32、YES)、制御部51は、棚卸処理の処理モードをセレクトモードへ移行させる。セレクトモードは、読取対象として指定されたSKUのICタグを優先的に読み取る処理を行う処理モードである。このセレクトモードの処理については、後述するものとする。
また、表示切替ボタン114が指示された場合(ACT33、YES)、制御部51は、表示部11に表示する表示画面の切替を行う(ACT34)。例えば、制御部51は、読みこぼし完了したSKU(品番)を表示或いは非表示を切り替える。
図12は、表示部11が表示する棚卸操作画面の第2の表示例である。図12は、一部のSKUに対する読取が完了した状態を示す。図12に示す例では、理論在庫数と読取数とが一致したSKU(棚卸が完了したSKU)が他のSKUとは異なる背景色で表示される。例えば、表示切替ボタンが指示されると、制御部51は、理論在庫数と読取数とが一致したSKU(棚卸が終了)したSKUを非表示にする。
セレクトモードでの読取対象とするSKUが指示された場合(ACT35、YES)、制御部51は、指示されたSKUをセレクトモードでの読取対象として選択状態とする(ACT36)。例えば、制御部51は、操作部12によりセレクト表示欄の何れかが指示された場合、指示されたセレクト表示欄に選択状態であることを示すマークを表示する。図13は、棚卸操作画面の第3の表示例である。図13に示す棚卸操作画面では、セレクトモードでの読取対象とするSKUを選択した状態を示す。図13に示す例では、品番「0001」及び「0003」は、セレクト表示欄に選択された状態であることを示すマーク(レ点)が表示されている。
読取処理中において、リーダライタRは、携帯端末インターフェース25を介してICタグから読みとったICタグ情報を携帯端末Dへ供給する。携帯端末Dの制御部51は、リーダライタRが読み取ったICタグ情報を取得すると、取得したICタグ情報が新たに読み取った情報であるか否かを判断する(ACT37)。取得したICタグ情報が新たに読み取った情報であると判断した場合(ACT37、YES)、制御部51は、当該ICタグ情報により棚卸(読取り)結果を示す情報を更新する(ACT38)。例えば、制御部51は、読みとったICタグ情報に含まれるシリアルデータに対応するSKUの読取数をカウントアップする。
棚卸結果(ICタグ情報の読取結果)を示す情報を更新した場合、制御部51は、棚卸が完了したか否かを判断する(ACT39)。制御部51は、棚卸対象の全てのSKUについて読取数が理論在庫数と一致した場合、棚卸完了と判断する。また、制御部51は、棚卸対象の全てのSKUについて読取数と後述するマニュアル棚卸数とを合算した数が理論在庫数と一致した場合も棚卸完了と判断する。
棚卸が完了していないと判断した場合(ACT39、NO)、制御部51は、上記ACT30へ戻り、上述の処理を繰り返し実行する。また、棚卸が完了としたと判断した場合(ACT39、YES)、制御部51は、棚卸操作画面において棚卸確定ボタンを有効にする(ACT40)。例えば、制御部51は、棚卸が完了したと判断する場合に、棚卸操作画面において棚卸確定ボタン(図17及び図18参照)を表示させる。棚卸が完了するまでは、棚卸操作画面において棚卸確定ボタンは、非表示あるいはグレーアウトした状態で表示する。これにより、操作員は、棚卸確定ボタンが表示されたことにより、棚卸が完了した事を認識できる。
棚卸確定ボタンが指示された場合(ACT41、YES)、制御部51は、棚卸(読取り)結果を示す情報をサーバSへアップロードする(ACT42)。例えば、制御部51は、棚卸結果を示す情報としてメモリ部52の棚卸記憶部52b及び入力情報記憶部52dに記憶した情報をサーバSへ転送する。また、棚卸確定ボタン以外の指示が有った場合(ACT41、NO)、制御部51は、指示された操作ボタンに応じた処理に戻って処理を行う。
次に、セレクトモードでの処理について説明する。
セレクトモードボタン113が指示された場合、制御部51は、セレクトコマンドを発行し、セレクトモードへ移行する。セレクトモードは、選択されたSKUのみを読取対象としてICタグの読取処理を実行する動作モードである。セレクトモードへ移行すると、制御部51は、表示部11にセレクト棚卸操作画面を表示させる(ACT51)。セレクト棚卸操作画面は、セレクトされたSKUのみを棚卸対象とした棚卸状況の案内と各種の操作ボタンとを表示する。
図14は、表示部11が表示するセレクト棚卸操作画面の表示例である。
図14に示す表示例では、表示部11は、棚卸状況の案内として、セレクトされたSKUについて、商品情報と数量とを表示する。商品情報は、品名、色及びサイズ等の情報であり、数量は、理論在庫数と読取数とを示す。
また、セレクト棚卸操作画面では、選択可能な各種の操作ボタンとして、読取開始ボタン111、読取停止ボタン112、マニュアルモードボタン141、表示切替ボタン114及び戻るボタンが表示される。また、図14に示すセレクト棚卸操作画面では、SKU(品番)ごとのマニュアル表示欄142(142a〜142d)も表示される。
マニュアルモードボタン141は、マニュアルモードへの移行を指示するボタンである。マニュアル表示欄142a、142bは、各SKU(品番)に対応づけて表示される。マニュアル表示欄142a、142bは、後述するマニュアルモードにおいてマニュアル棚卸の対象となるSKUを指定するための欄(ボタン)である。
セレクト棚卸操作画面において読取開始ボタン111が指示されると(ACT52、YES)、携帯端末Dの制御部51は、セレクトコマンドを発行する。携帯端末Dの制御部51は、セレクトコマンドを指示することによりリーダライタRを用いたセレクトモードでの読取処理を開始する(ACT53)。セレクトモードでの読取処理(セレクトリード)では、選択されたSKUのみ出力を大きくして読取りを実施する。セレクトモードによりセレクトしたもののみを読取る機能は、例えば、「EPC global Class1 Generation2」で規定された通信処理方法が適用できる。
図15(a)及び(b)は、セレクトモードでの読取り機能を説明するための模式図である。図15(a)は、通常の読取処理モードでの読取り状況を模式的に示す。また、図15(b)は、SKU2をセレクトした場合のセレクトモードでの読取り状況を模式的に示す。図15(a)及び(b)に示すように、セレクトモードでは、セレクトされたものを通常の読取処理モードでの読取りよりも出力を大きくして読取処理を実行する。つまり、セレクトモードは、セレクトしたSKUのICタグのみをより高精度で読み取るモードである。
また、読取開始後に読取停止ボタンが指示された場合(ACT55、YES)、制御部51は、リーダライタRによるICタグの読取処理を停止する(ACT54)。この場合、携帯端末Dの制御部51は、リーダライタRに対して読取停止を指示する。リーダライタRは、携帯端末Dの読取停止の指示に従ってICタグの読取処理を停止する。携帯端末Dの制御部51は、ICタグの読取処理を停止すると、上記ACT52へ戻り、読取処理の再開を受け付ける。
また、表示切替ボタン114が指示された場合(ACT56、YES)、制御部51は、表示部11に表示する表示画面の切替を行う(ACT57)。例えば、制御部51は、読取りが完了したSKU(品番)を表示するか非表示とするかを切り替える。
マニュアル棚卸の対象とするSKUが選択された場合(マニュアル表示欄の何れかが指示された場合)(ACT58、YES)、制御部51は、選択されたSKUのマニュアル表示欄にマークを表示する(ACT59)。例えば、図14に示すセレクト棚卸操作画面では、マニュアル棚卸の対象とするSKUを選択した状態を示す。図14に示す例では、品番が「0001」は、マニュアル表示欄に選択された状態であることを示すマーク(レ点)が表示されている。
また、マニュアルモードボタン141が指示された場合(ACT60、YES)、制御部51は、処理モードをマニュアルモードへ移行させる。マニュアルモードは、マニュアル棚卸の対象として指定された商品に対する情報として、操作員による情報の入力を受け付ける処理モードである。操作員が入力する情報は、例えば、商品に対する当該マニュアル棚卸に関する情報である。このマニュアルモードの処理については、後述する。
セレクトモードでの読取処理中において、リーダライタRは、携帯端末インターフェース25を介してセレクトされているICタグから読みとったICタグ情報を携帯端末Dへ供給する。携帯端末Dの制御部51は、リーダライタRが読み取ったICタグ情報が新たに読み取った情報であるか否かを判断する(ACT67)。取得したICタグ情報が新たに読み取った情報であると判断した場合(ACT67、YES)、制御部51は、新たに読み取ったICタグにより棚卸(読取り)結果を示す情報を更新する(ACT68)。
棚卸結果(ICタグの読取結果)を示す情報を更新した場合、制御部51は、棚卸が完了したか否かを判断する(ACT69)。制御部51は、セレクトされた棚卸対象の全てのSKUについて読取数とマニュアル棚卸数とを合算数が理論在庫数と一致した場合、棚卸完了と判断する。
棚卸が完了していないと判断した場合(ACT69、NO)、制御部51は、上記ACT55へ戻り、上述の処理を繰り返し実行する。また、棚卸が完了としたと判断した場合(ACT69、YES)、制御部51は、棚卸操作画面において棚卸確定ボタンを有効にする(ACT70)。例えば、制御部51は、棚卸が完了したと判断した場合に、セレクト棚卸操作画面において棚卸確定ボタン(図17参照)を表示させる。棚卸が完了するまでは、棚卸確定ボタンは、非表示あるいはグレーアウトした状態で表示する。
また、マニュアルモードボタンが指示された場合(ACT60、YES)、制御部51は、操作員が情報を入力するマニュアル入力画面を表示部11に表示する(ACT61)。すなわち、制御部51は、操作員が入力可能な各種の情報入力欄を含むマニュアル入力画面を表示部11に表示する。制御部51は、マニュアル入力画面において、マニュアル棚卸に関する情報の入力を受け付ける(ACT62)。
例えば、図16は、マニュアル入力画面の表示例である。図16に示すマニュアル入力画面は、マニュアル数量の入力欄、理由コードの入力欄、コメント入力欄を有する。つまり、図16に示す表示例では、選択されたSKUについて、マニュアル数量、理由コード、コメントの入力が可能である。マニュアル入力画面では、マニュアル棚卸(操作員が目視で実施した棚卸)の結果を操作員が操作部12を用いて入力する。
マニュアル数量は、操作員が入力可能な棚卸数である。操作員は、マニュアル棚卸した個数を加えた棚卸処理済みの総数をマニュアル数量の欄に入力する。例えば、3個のICタグが読取り済みの状態で、当該SKUの1つの商品をマニュアルで棚卸処理した場合、当該SKUのマニュアル数量として「4」が入力できる。
また、理由コードは、マニュアル棚卸した理由を示すコードを入力する。例えば、理由コードとして入力する情報は、予め決めておいたコードであれば何でも良い。例えば、理由コードは、確認不要である場合は「0」、タグ無しの商材が存在する場合は「1」、その他の場合は「2」、保留(後日確認)の場合は「3」としても良い。
また、コメントは、操作員が入力する情報である。図16に示す表示例において、コメント入力欄には、操作員がフリーのテキスト情報(メモ)を入力できる。例えば、コメントとしては、マミュアルで棚卸を行った操作員が考えるICタグが読み取れなかった理由などを入力する。具体例としては、「タグづけの間違えである」、「タグの紛失」、「万引きが疑われる」などのテキスト情報がコメントとして入力できる。なお、コメントは、テキスト情報に限定されるものではない。コメントの入力欄には、コメントとする画像情報などのデータファイルを添付するようにして良い。
また、図16に示すマニュアル入力画面では、編集終了ボタン165が表示される。各入力欄への入力が終了した場合、操作員は、編集終了ボタン165を指示する。編集終了ボタンは、マニュアル入力の終了を指示するボタンである。
編集終了ボタン165が指示されると(ACT63、YES)、制御部51は、マニュアル入力画面で入力された情報により棚卸結果を示す情報を更新する(ACT64)。入力情報により棚卸結果を示す情報を更新すると、制御部51は、マニュアルモードを終了する(ACT65)。マニュアルモードを終了すると、制御部51は、セレクトモードへ移行し、上記ACT69へ進む。
マニュアル入力によって全SKUの棚卸が終了した場合(ACT69、YES)、制御部51は、棚卸確定ボタンを操作画面上に表示させる(ACT70)。例えば、図17は、マニュアル棚卸によって全SKUの棚卸が完了した場合のセレクト棚卸操作画面の表示例である。また、図18は、全SKUの棚卸が完了した場合の棚卸操作画面の表示例である。図17或いは図18に示す棚卸確定ボタン171が指示されると、制御部51は、棚卸結果を示す情報をサーバSへアップロードし、棚卸処理を終了する。
上記のように、実施形態によれば、携帯端末は、ICタグ(RFID)のシリアルデータとSKUとを紐付けた商品管理情報を取得し、記憶部に保持する。携帯端末は、リーダライタによりICタグから読み取ったICタグ情報に基づく実在庫情報と商品管理情報に基づく理論在庫情報とをSKUごとに表示する。携帯端末は、表示した実在庫と理論在庫とに差異があるSKUについて、操作員がマニュアルで確認(棚卸)した結果に関する情報の入力を受け付ける。携帯端末は、入力された情報をマニュアル棚卸に関する情報を棚卸結果の情報に付加する。
上記実施形態によれば、実在庫と理論在庫とが一致しないSKUについても、操作員が入力する情報によって棚卸処理を完了することできる。この結果として、理論在庫と実在庫とが一致しない場合であっても、棚卸処理を終了するタイミングが明確になり、効率良く棚卸を実現できる。また、操作員が入力するマニュアル棚卸に関する情報は、差異情報、或いは、差異が生じた状況や理由などを示す情報として保存することができる。
例えば、実運用では、盗難等による商品の紛失、ICタグの付忘れ、ICタグの動作異常、ICタグへの誤書込みなどにより、ICタグの読取による実在庫と理論在庫とは差異が生じうる。これらの理由で理論在庫と実在庫とが一致しない場合であっても、操作員の確認結果(差異詰め作業)として入力する情報によって棚卸を終了でき、棚卸の効率化が図れる。
また、上記実施形態によれば、理論在庫と実在庫とが一致しないSKUを選択して、選択したSKUのみを選択的に読み取るセレクトリード処理を行うことができる。これにより、タグの指向性、タグ同士の重なり、タグが什器や、貼り付けられる物などにより、通信性能に影響が生じることがあっても、読取り難いICタグを読取り易くできる。
なお、上記実施形態において、携帯端末の制御部が実施する各種の処理は、一部又は全部をリーダライタの制御部が行うようにしても良い。つまり、携帯端末を装着したリーダライタがタグ読取装置として、上述の処理を実施するようにしても良い。また、在庫記憶部、棚卸記憶部、カウンタおよび入力情報記憶部の一部又は全部もリーダライタRのメモリ部に設けても良い。
また、上記実施形態では、リーダライタは、ハンディタイプ以外のリーダライタであってもよい。例えば、RFIDリーダライタの代わりに、読取専用のリーダを用いてもよい。また、RFID以外のICタグ情報を読み取るリーダライタ、またはリーダを用いてもよい。
上述した実施形態の携帯端末で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供される。また、実施形態の携帯端末で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。