明 細 書
アイソレーションリスト作成プログラム、方法及び装置
技術分野
[0001] 本発明は、コンピュータ支援によりプラント機器の保守点検作業に必要なアイソレー シヨンリストを作成するアイソレーションリスト作成プログラム、方法及び装置に関し、特 に、特に、アイソレーションリストを効率的かつ安全に作成するアイソレーションリスト 作成プログラム、方法及び装置に関する。
背景技術
[0002] 従来、原子力発電所等の大規模プラントではプラントの保守作業のために配管内 を流れる流体を遮断する系統隔離操作であるアイソレーション操作を実施している。 アイソレーション操作の概要は次のようになる。
[0003] 図 17はアイソレーション操作の対象となるプラント設備の一部を画面表示した例で あり、通常運転時は、図中の矢印 200の方向にポンプ 202を通して液体 '気体などの 流体が流れている。ポンプ 202の点検時には、弁 204、 206を閉じ、弁 208を開ける アイソレーション操作を行うことで流体を遮断して排出し、ポンプ 202の分解点検等を 実施する。
[0004] このようなアイソレーション操作を伴う点検時には、安全性の考慮から、次の業務を 実施する。
(1)アイソレーションリストを作成し、他の作業で違った操作をしな 、かチェックする。
(2)現場で操作禁止を確認可能なアイソレタグを印刷する。
[0005] 図 17のアイソレーション操作のために作成したアイソレーションリストの簡単な例を 図 18に示す。アイソレーションリストは、作業項目として「ポンプ解体作業」、作業期間 「平成 nn年 m月 mm日〜平成 nn年 n月 nn日」が記載され、ポンプ解体に必要なアイ ソレーシヨン機器につき機器名、設置場所、アイソレーション操作内容 (アイソレ)、復 旧操作内容 (復旧)等を記載して 、る。
[0006] 従来、アイソレーションリストは手作業で作成されており、次の手順を踏んで作成さ れる。
(1)系統図をマーカーでなぞり、アイソレーション範囲(系統隔離範囲)を決める.
(2)アイソレーション範囲にある機器のリストを作成する。
(3)機器の電源系統の図面、例えば単線結線図を参照し、スィッチ類のリストを作成 する。
(4)機器のインターロックの図面、例えばシーケンス図を参照し、ジヤンパ類のリストを 作成する。なお、ジヤンパ類は、制御盤に設けた遠隔操作スィッチによる機器の起動 停止を回避するため、盤内でスィッチの配線端子をクリップでバイパスしてインター口 ック等をかけるためのリストである。
[0007] このように従来の手作業によるアイソレーションリストの作成は、非常に多数のドキュ メントを参照しながら実施する非常に困難な業務である。そこで本願発明者等にあつ ては、アイソレーションリストの効率的な作成と安全性の確保という面から、コンビユー タ支援により効率的にアイソレーションリストを作成するシステム、方法及びプログラム を提案している (特許文献 1)。
[0008] このアイソレーションリストの作成方法としては次の手順で行われる。
(1)過去のアイソレーションリストからコピーしてリストを作成する。
(2) CAD図面(系統図、単線結線図、シーケンス図)からアイソレーションリストを作 成する。
[0009] このようなコンピュータ支援によるアイソレーションリストの作成方法は、対象となるプ ラント設備の機器は、全て「機種—系統—デバイス」という形式で区分されていること が前提であり、アイソレーション対象機器は更に「機器 +操作対象」で表現されて 、る ことが前提となっている。
[0010] このため「機種—系統—デバイス」という形式で区分され器機を基に、系統図上の 機器を選択することで、 CADシンボルに登録された「機器番号 +操作対象」にてアイ ソレーシヨンリストを自動的に作成することができる。
特許文献 1:特開 2003 - 202920
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] し力しながら、一般的な原子炉プラント、その他の業種のプラントでは、プラント設備
の機器が全て「機種一系統一デバイス」 t ヽぅ形式で区分されて!ヽると!/ヽぅ前提条件 が通用しない場合が多々あり、前提条件が違うためにコンピュータ支援機能を活用 することができず、手作業に近 、アイソレーションリストの作成を余儀なくされて 、る。
[0012] 勿論、対象とするプラント設備について、全ての機器を「機種—系統—デバイス」と いう形式で区分するマスタデータをシステムに登録すれば、コンピュータ支援による アイソレーションリストの自動生成が可能となる力 例えば原子炉プラントにおいては
、プラントの複雑性カゝらその機器数は数万点に及び、また、それらの機器を操作する ためのスィッチ、ジヤンパなどの操作対象については、数十万点に及ぶ。このことから マスタデータをシステムに登録し、メンテナンスを実施していくことが非常に困難な業 務であるということができる。
[0013] 本発明は、系統等の器機の相互関係を示す関連情報を持たない図面データを持 つ設備であっても、初期段階における手作業によるアイソレーションリスト作成時に関 連情報を持たせて保存しておき、作成済みのアイソレーションリストの機器の関連情 報を利用して効率的にアイソレーションリストを作成可能なコンピュータ支援のための アイソレーションリスト作成プログラム、方法及びシステムを提供することを目的とする 課題を解決するための手段
[0014] 本発明は、コンピュータにより実行させてアイソレーションリストを作成するためのプ ログラムを提供する。
[0015] 本発明のプログラムは、コンピュータに、
アイソレーション機器の主従関係の情報が付加されたアイソレーションリストを履歴 ファイルに保存する保存ステップと、
画面表示された設備の系統図に対する指定操作に基づいてアイソレーション範囲 を設定する範囲設定ステップと、
設定範囲に存在するアイソレーション機器を抽出して主機器として編集中のアイソ レーシヨンリストに登録する主機器登録ステップと、
編集中のアイソレーションリストから主機器を順次選択し、選択され主機器に対し従 機器の関係にあるアイソレーション機器を履歴ファイルカゝら検索して従機器リストを表
示する従機器検索ステップと、
従機器リストの選択操作に基づいて選択された従機器を編集中のアイソレーション リストの対応する主機器の後に挿入配置してリストを完成させる従機器登録ステップと を実行させることを特徴とする。
[0016] ここで保存ステップは、初期段階において手作業で作成されたアイソレーションリス トを履歴ファイルに保存する。またアイソレーションリストの従機器は、主機器に関する 電源系統等の単線結線図から抽出されたスィッチ類等の機器、シーケンス図から抽 出されたジヤンパ類を含む。またアイソレーションリストは、表示項目として機器番号、 主機器か従機器かを示す機器区分情報、更に主従関係を示す関連機器情報を含 む。
[0017] アイソレーションリストは、更に、従機器の設定を解除する関連削除情報を表示項 目として備え、メンテナンス処理により必要に応じて関連削除情報を有効に設定して リスト内容を変更せずに主従関係を解除させる。
[0018] また範囲設定ステップは、系統図として CAD図面を表示し、 CAD図面の中の保守 対象機器の指定操作に基づ ヽてアイソレーション範囲を自動設定し、従機器検索ス テツプは、 CAD図面上の主機器の指定操作に対し、指定され主機器に対し従機器 の関係にあるアイソレーション機器を履歴ファイル力も検索して従機器リストをウィンド ゥ表示する。
[0019] 本発明は、コンピュータ支援によるアイソレーションリスト作成方法を提供する。本発 明のアイソレーションリスト作成方法は、
アイソレーション機器の主従関係の情報が付加されたアイソレーションリストを履歴 ファイルに保存する保存ステップと、
画面表示された設備の系統図に対する指定操作に基づいてアイソレーション範囲 を設定する範囲設定ステップと、
設定範囲に存在するアイソレーション機器を抽出して主機器として編集中のアイソ レーシヨンリストに登録する主機器登録ステップと、
編集中のアイソレーションリストから主機器を順次選択し、選択され主機器に対し従
機器の関係にあるアイソレーション機器を履歴ファイルカゝら検索して従機器リストを表 示する従機器検索ステップと、
従機器リストの選択操作に基づいて選択された従機器を編集中のアイソレーション リストの対応する主機器の後に挿入配置してリストを完成させる従機器登録ステップと を備えたことを特徴とする。
[0020] 本発明は、コンピュータ支援によるアイソレーションリスト作成装置を提供する。本発 明のアイソレーションリスト作成装置は、
アイソレーション機器の主従関係の情報が付加されたアイソレーションリストを履歴 ファイルに保存する履歴保存部と、
画面表示された設備の系統図に対する指定操作に基づいてアイソレーション範囲 を設定する範囲設定部と、
設定範囲に存在するアイソレーション機器を抽出して主機器として編集中のアイソ レーシヨンリストに登録する主機器登録部と、
編集中のアイソレーションリストから主機器を順次選択し、選択され主機器に対し従 機器の関係にあるアイソレーション機器を履歴ファイルカゝら検索して従機器リストを表 示する従機器検索部と、
従機器リストの選択操作に基づいて選択された従機器を編集中のアイソレーション リストの対応する主機器の後に挿入配置してリストを完成させる従機器登録部と、 を備えたことを特徴とする。
[0021] なお、本発明のアイソレーションリスト作成方法及び装置の詳細は、本発明のプログ ラムの場合と基本的に同じになる。
発明の効果
[0022] 本発明によれば、第 1に、数十万点に及ぶアイソレーション機器のマスタデータの 整備が可能となる。即ち、本発明は、過去に作成したアイソレーションリストを仮想的 なマスタデータとして利用しているため、通常のシステムで必要となる機器の変更に 伴うアイソレーション機器マスタをメンテナンスする必要がなくなる。原子炉プラントの 場合、アイソレーション機器は数十万機器にわたり、マスタを整備しょうとした場合、
膨大な費用が力かる力 このメンテナンスコストを劇的に削減することが可能となる。 即ち、原子炉プラントの場合、アイソレーションリストが作成される数回の定期点検を 通じ、マスタデータが整うことになる。
[0023] 第 2に、本発明によれば、多数の図面を参照することなくアイソレーションリストの作 成できる。アイソレーションリストを作成する場合には、系統図、シーケンス図、単線結 線図など、多くの図面を参照し、蛍光ペンと駆使して、アイソレーションリストを手作業 に近い状態で作成しており、この手間は非常に大きなものである。これに対し本発明 によれば、系統図のアイソレーション範囲にある主機器の情報力 過去のノウハウ及 び実績である作成済みのアイソレーションリストを自動的に検索表示し、これによつて スィッチ及びジヤンパ類などの設定まで判別ができ、アイソレーションリスト作成作業 の効率化および、安全性向上を図ることが可能となる。
[0024] 第 3に、本発明によれば、図面のメンテナンスに力かるコストを削減できる。機器番 号などで関連の取れて ヽな 、主従関係の機器を CAD図面上で判断するためには、 CAD図面上にその情報を埋め込む必要が出てくる。しかし、埋め込み情報は CAD 図面上には表示(可視化)されないため、図面のメンテナンスの際に、変更操作を忘 れることが多々ある。この図面メンテナンスが悪いと、システムが正常に動作しなくな る。そこで本発明にあっては、 CAD図面に対し機器の主従関係を外だし管理として おり、 CAD図面上のパラメータとして管理する必要がないため、メンテナンスが簡単 且つ容易であり、メンテナンスに係る運用コストを削減できる。
[0025] 第 4に、本発明によれば、機器を全て「機種一系統一デバイス」といった形式で区 分するという特殊なデータ環境を必要とせず、現在運用中のプラントの機器番号など のキーになる情報を変更することなぐコンピュータ支援によるアイソレーションリスト の作成が可能になり、原子力発電所プラントに関わらず、様々なプラント保守作業へ の柔軟な対応が可能になる。
図面の簡単な説明
[0026] [図 1]本発明によるアイソレーションリスト作成装置の機能構成のブロック図
[図 2]図 1の保守管理クライアントを実現するコンピュータのハードウェア環境の説明 図
[図 3]本発明によるアイソレーションリスト作成時に表示される図面表示画面の説明図 [図 4]アイソレーション範囲を設定した図面表示画面の説明図
[図 5]図 4のアイソレーション範囲について作成された本発明によるアイソレーションリ ストの説明図
[図 6]図 5のアイソレーション機器を主機器として登録した編集画面の説明図
[図 7]図 6の編集画面の主機器の指定で検索されたアイソレーションリストと従機器検 索リストの説明図
[図 8]従機器を指定して登録した編集画面の説明図
[図 9]図 1のアイソレーションリスト手動作成部による作成処理のフローチャート
[図 10]図 1のアイソレーションリスト作成部による本発明の作成処理のフローチャート [図 11]メンテナンス対象となる複数のアイソレーションリストと従機器検索リストの説明 図
[図 12]図 1のメンテナンス処理部により従属関係を解除する際に表示された機器状態 設定画面の説明図
[図 13]図 1のメンテナンス処理部によるメンテナンス処理のフローチャート
[図 14]系統図として CAD図面を使用した本発明の他の実施形態を示したブロック図 [図 15]CAD図面につきアイソレーション範囲の自動設定と従機器検索リストを示した 画面説明図
[図 16]図 14のアイソレーションリスト作成部による本発明の作成処理のフローチャート [図 17]アイソレーション操作の対象となる設備の系統図表示画面の説明図
[図 18]図 17について作成した従来のアイソレーションリストの説明図
発明を実施するための最良の形態
図 1は本発明によるアイソレーションリスト作成装置の機能構成のブロック図である。 図 1において、例えば原子力発電所などのプラントを対象に設けられた保守管理シス テムに本発明のアイソレーションリスト作成装置が設置されており、システム構成とし ては、本発明のアイソレーションリスト作成装置として機能する保守管理クライアント 1 0に対し、 LANなどのネットワーク 16を介して図面管理サーバ 12と保守管理データ ベースサーバ 14を接続して!/、る。
[0028] 図面管理サーバ 12には、機器番号ファイル 18、系統図ファイル 20、単線結線図フ アイル 22及びシーケンス図ファイル 24などの図面ファイルが接続されて!、る。また保 守管理データベースサーバ 14にはアイソレーションリスト履歴ファイル 26が接続され ており、過去に手作業及び本発明の保守管理クライアント 10により作成されたァイソ レーシヨンリストを履歴情報として保存して 、る。
[0029] 本発明のアイソレーションリスト作成装置として機能する保守管理クライアント 10に は、通信制御部 28、編集処理部 30が設けられている。編集処理部 30には、アイソレ ーシヨン手動作成部 32、メンテナンス処理部 34及びアイソレーションリスト作成部 36 が設けられている。また編集処理部 30に対しては、アイソレーションリスト'フォーマツ トファイル 38とアイソレーションリスト ·ワークファイル 40が接続されて!、る。
[0030] アイソレーションリスト手動作成部 32は、従来と同様、手作業によりアイソレーション リストを作成する際のコンピュータ支援処理を行う。アイソレーションリスト手動作成部 32によるアイソレーションリストの作成は、本発明のアイソレーションリスト作成装置を 導入した初期段階におけるプラント機器の故障に対する修理点検や定期点検の際 に特定の機器を隔離するためのアイソレーション操作の際に、アイソレーションリスト 手動作成装置 32の機能によるコンピュータ支援の下に、手作業によりアイソレーショ ンリストを作成する。
[0031] アイソレーションリスト手動作成部 32によりコンピュータ支援の下に手作業で作成さ れたアイソレーションリストは、保守管理データベースサーノ 14のアイソレーションリス ト履歴ファイル 26に保存される。
[0032] メンテナンス処理部 34はアイソレーションリスト履歴ファイル 26に保存されている過 去に作成したアイソレーションリストが、その後のアイソレーション操作に伴うリスト作成 で内容変更があった際に、最新のアイソレーションリストの内容を維持するようにリスト 内容のメンテナンス処理を実行する。
[0033] アイソレーションリスト作成部 36は本発明による機能を実現する部分であり、範囲設 定部 42、主機器登録部 44、従機器検索部 46及び従機器登録部 48の機能を備えて いる。
[0034] 範囲設定部 42は、図面管理サーバ 12で管理している系統図ファイル 20から取得
して画面表示された設備の系統図に対するオペレータの指定操作に基づ 、てァイソ レーシヨン範囲を設定する。この表示画面の系統図に対するアイソレーション範囲の 設定は、画面表示された系統図上でマウスカーソルなどによりアイソレーション機器 を含む範囲を線で囲むなどして指定する。
[0035] 主機器登録部 44は、範囲設定部 42で設定されたアイソレーション設定範囲に存在 するアイソレーション機器を抽出して、主機器として編集中のアイソレーションリストに 登録する。
[0036] 従機器検索部 46は、編集中のアイソレーションリストから主機器を順次選択し、選 択された主機器に対し従機器の関係にあるアイソレーション機器を、保守管理データ ベースサーバ 14で管理しているアイソレーションリスト履歴ファイル 26の過去に作成 されたアイソレーションリストの中から検索し、従機器リストを表示する。
[0037] 従機器登録部 48は、従機器検索部 46によって表示された従機器リストに列挙され た従機器の中から、オペレータの選択操作に基づいて選択された従機器を編集中 のアイソレーションリストの対応する主機器の後ろに挿入配置してリストを完成させる。
[0038] 図 1における保守管理クライアント 10は、例えば図 2のようなコンピュータのハードウ エア資源により実現される。図 2のコンピュータにおいて、 CPU101のバス 104には R AM102、ハードディスクコントローラ(ソフト) 105、フロッピィディスクドライバ(ソフト) 1 10、 CD— ROMドライバ(ソフト) 114、マウスコントローラ 118、キーボードコントロー ラ 122、ディスプレイコントローラ 126、通信用ボード 130が接続される。
[0039] ハードディスクコントローラ 105はハードディスクドライブ 106を接続し、本発明のァ イソレーシヨンリスト作成プログラムをローデイングしており、コンピュータの起動時に ハードディスクドライブ 106から必要なプログラムを呼び出して、 RAM102上に展開 し、 CPU101により実行する。
[0040] フロッピィディスクドライバ 110にはフロッピィディスクドライブ(ハード) 112が接続さ れ、フロッピィディスク (R)に対する読み書きができる。 CD— ROMドライバ 114に対 しては、 CDドライブ (ノヽード) 116が接続され、 CDに記憶されたデータやプログラム を読み込むことができる。
[0041] マウスコントローラ 118はマウス 120の入力操作を CPU101に伝える。キーボードコ
ントローラ 122はキーボード 124の入力操作を CPU101に伝える。ディスプレイコント ローラ 126は表示部 128に対して表示を行う。通信用ボード 130は無線を含む通信 回線 132を使用し、 LANを介してネットワーク内の装置との間で通信を行う。
[0042] 図 3は本発明によるアイソレーションリスト作成時に表示する図面表示画面の説明 図である。図 3の図面表示画面 50にあっては、全体に系統図 51を表示すると共に、 右下隅に単線結線図 52を表示している。系統図 51はポンプ 54の解体作業に必要 なアイソレーション操作のための系統図 51の部分を表示しており、単線結線図 52に はポンプ 54に対する電源系統が表示される。
[0043] 系統図 51において、ポンプ 54に対する周囲の配管には、エアバルブ 56、電磁バ ルブ 58、手動弁 60, 62、ポンプドレン弁 64が配置されており、ポンプ 54の運転を停 止して解体作業のためのアイソレーション操作のため、これらの弁を操作する必要が ある。
[0044] ポンプ 54に対しては、制御室スィッチ 54— 1と現場温度計 54— 2がリンク関係を持 つた保守対象機器として設けられて 、る。また電磁バルブ 58に対しては切替スィッチ 58 - 1と現場スィッチ 58 - 2がリンク関係を持った保守対象機器として設けられて ヽ る。なおエアバルブ 56についても、図示しない制御盤スィッチ力 リンク関係のある保 守対象機器として設けられて ヽる。
[0045] 図 4は図 3の図面表示画面の系統図 51を対象にアイソレーション範囲を設定した 図面表示画面の説明図である。図 4において、アイソレーション範囲 55としては、解 体作業となるポンプ 54を指定した際に、隔離操作する機器の範囲として、エアバル ブ 56、電磁バルブ 58、手動弁 60, 62、ポンプドレン弁 64を含む範囲を設定してい る。
[0046] 図 5は図 4のアイソレーション範囲 55について作成された本発明によるアイソレーシ ヨンリストの説明図である。図 5において、本発明のアイソレーションリスト 65は、作業 項目 66として「ポンプ解体作業」の名称と作業期間「平成 nn年 m月 mm日〜平成 nn 年 n月 nn日」を表示しており、これに続いてアイソレーション機器につき No. l〜No. 11となる一覧表を示して 、る。
[0047] このアイソレーション機器の一覧表における表示項目としては、現場、制御室、操作
盤などの場所 70、機器のアイソレーション操作内容 72、機器の復旧時の操作内容と なる復旧 74、主機器か従機器かを示す主 Z従 76、機器の主従関係を示す関連機 器情報としての関連機器 78、更に関連削除情報としての関連削除フラグ 80を設けて いる。
[0048] このような本発明のアイソレーションリスト 65における特徴は、機器番号 68で指定さ れるアイソレーション機器について、主 Z従 76によって設定された従機器について、 関連機器 78によって主機器とのリンク関係を新たに設定している点が大きな特徴で ある。この主/従 76による主機器または従機器に対応して、関連機器 78には、主機 器の場合には主機器自身の機器番号を登録し、従機器の場合にはリンク関係にある 主機器の機器番号を登録して ヽる。
[0049] 例えば図 4のアイソレーション範囲 55に示した電磁バルブ 58を例にとると、電磁バ ルブ 58にはリンク関係のある保守対象機器として切替スィッチ 58— 1と現場スィッチ 58— 2が接続されており、この点について図 5のアイソレーションリスト 65にあっては、 No. 9〜11【こ示すよう【こ登録して!/ヽる。
[0050] No. 9は電磁バルブ 58であり、機器番号 68として「MV— 020— 100」が記述され 、主 Z従 76については「主機器」が登録され、更に関連機器 78としては機器自身の 機器番号が登録されている。
[0051] 次の No. 10の切替スィッチ 58— 1については、機器番号 68として「SW— 020—1 」が記述され、主 Z従 76は主機器である電磁バルブ 58に対しリンク関係にあることか ら「従機器」が記述され、この場合には関連機器 78にはリンク関係を持つ主機器であ る電磁バルブ 58の機器番号「MV— 020— 100」が登録されている。
[0052] 更に No. 11には、電磁バルブ 58に対しリンク関係にある現場スィッチ 58— 2の機 器番号「RMS— 020— 1」が登録され、主 Z従 76は電磁バルブ 58を主機器とする従 属関係にあることから「従機器」が登録され、関連機器 78についてはリンク関係を持 つ主機器である電磁バルブ 58の機器番号「MV— 020— 100」を登録している。
[0053] この点は、 No. l〜No. 3の主機器であるポンプ 54に対する従機器としての制御 室スィッチ 54 - 1と現場温度計 54 - 2に設けて 、る温度トリップの従機器としての登 録、また No. 4, 5に示すエアバルブ 56を主機器として、その従機器とした図示しな
い制御盤シーケンススィッチについても同様である。なお No. 6〜8の手動弁 60, 62 及びポンプドレン弁 64については、他のアイソレーション機器との間で従属関係はな ぐそれぞれ主機器として単独に存在している。
[0054] この図 5に示したアイソレーションリスト 65は、図 1のシステムにおいて、アイソレーシ ヨンリスト履歴ファイル 26に過去に作成されたアイソレーションリストの保存がないか又 は少ない初期段階にあっては、保守管理クライアント 10の編集処理部 30に設けてい るアイソレーションリスト手動作成部 32によるコンピュータ支援の下に、オペレータが 図 3に示したような図面表示画面 50における系統図 51及び単線結線図 52、更には シーケンス図を見ながら、例えば図 4のアイソレーション範囲 55に存在する機器を主 機器として、各主機器にリンク関係にある保守対象機器を単線結線図及びシーケン ス図から選び出して従機器として登録することで、手作業によって図 5に示すようなァ イソレーシヨンリスト 65を作成して!/、る。
[0055] 一方、図 1のシステムにおいて、アイソレーションリスト履歴ファイル 26に保守管理ク ライアント 10を備えたシステムによる運用を開始して十分な量の過去のアイソレーショ ンリストが保存された場合には、図 1の編集処理部 30に設けているアイソレーションリ スト作成部 36が機能し、アイソレーションリスト履歴ファイル 26に保存している過去に 作成されたアイソレーションリストを利用して、アイソレーション範囲に存在する主機器 の指定に基づいて自動的に従機器検索リストを作成して表示し、この従機器検索リス トにつ 、てオペレータが必要な従機器を選択指定することで、主機器に対し自動的 に従機器を挿入配置するリスト作成が可能となる。
[0056] 例えば原子炉プラントの場合であれば、数回の定期点検を通じて本発明によるアイ ソレーシヨンリスト作成部 36による作成処理に必要な過去のアイソレーションリストを 保存したアイソレーションリスト履歴ファイル 26が整うことになる。
[0057] ここで図 1の図面管理サーバ 12における図面ファイルは、例えば原子炉プラントの 場合、系統図ファイル 20の系統図は 1炉当り 300枚程度であり、これに伴い単線結 線図ファイル 22の図面数は数百枚程度となり、更にシーケンス図ファイル 24のシー ケンス図は 1万点程度となって!/、る。
[0058] このため、編集処理部 30のアイソレーションリスト手動作成部 32によるコンピュータ
支援の下に手作業で行うアイソレーションリストの作成には、系統図からアイソレーシ ヨン範囲を定めると共に、アイソレーション範囲にあるアイソレーション機器につき、単 線結線図を参照してスィッチ類のリストを作り、更に単線結線図を参照してジヤンパ 類のリストを作ることから、非常に困難な業務となる。
[0059] しかし、このような手作業による困難なアイソレーションリストの作成業務につき、数 回の点検が済んだ段階で、本発明によるアイソレーションリスト作成部 36による過去 のアイソレーションリスト履歴ファイル 26を利用した従機器の設定が可能となる。
[0060] このように過去のアイソレーションリストを利用してアイソレーション機器と主従関係 にある従機器の設定が簡単にできることで、従来の手作業で必要として!ヽた数百枚 にも及ぶ単線結線図からのスィッチ類のリストの作成や、 1万点にも及ぶシーケンス 図からのジャンプ類のリストの作成が不要となり、アイソレーションリスト作成作業にお ける作業負荷を大幅に低減することができる。
[0061] 図 6は図 5のアイソレーション範囲 55におけるアイソレーション機器を主機器として 登録した具体的な編集画面の説明図である。図 6の編集画面 82にあっては、図 1の アイソレーションリスト ·フォーマットファイル 38から生成されたフォーマットリスト 84が 表示され、このフォーマットリスト 84における機器番号に図 4のアイソレーション範囲 5 5から抽出したアイソレーション機器の機器番号を入力し、表示項目として示された主 従関係を表わす「機種区分」につ 、て設けて 、るダイアログを開 、て選択することで 、全てについて主機器の登録が行われている。
[0062] このような主機器をフォーマットリスト 84に登録した編集画面はアイソレーションリスト の骨格を成す基本的な編集画面となる。次に、図 6の編集画面 82のフォーマットリス ト 84に登録された主機器を 1つずつ指定して従機器検索リストを表示させる。
[0063] 例えば、図 6のフォーマットリスト 84における No. 2のエアバルブ 56の機器番号「R MS— 020— 10」を指定して従機器検索リストを要求すると、図 1の保守管理データ ベースサーバ 14に対し検索要求を行い、アイソレーションリスト履歴ファイル 26に保 存している過去のアイソレーションリストから主機器「AV— 020— 10」に対し従属関 係にある従機器を含むアイソレーションリストを、例えば図 7 (A)のように検索する。
[0064] 07 (A)のアイソレーションリスト 84— 1は、主機器であるエアバルブ 50の機器番号
「AV— 020— 10」に対し設定している従機器を含むアイソレーションリストの部分を 取り出しており、従機器は制御盤スィッチである機器番号「SEQ— 020— 10」となつ ている。
[0065] このようなアイソレーションリスト 84— 1が検索された場合には、図 7 (B)に示す従機 器検索リスト 86を取得する。従機器検索リスト 86は、図 6の編集画面 82上にウィンド ゥもしくはフォーマットリスト 84のスクロール時の項目として表示され、従機器検索リス ト 86における No. 1, No. 2についてチェックボックス(図示せず)が設けられているこ とから、必要な従機器をオペレータがチェックボックスで選択することで、自動的に図 6のフォーマットリスト 84における主機器の後ろに指定された従機器が挿入配置され る。
[0066] 図 8の編集画面 88は、図 7 (B)のような従機器検索リスト 86に基づく従機器の指定 で従機器が主機器に続 、て挿入配置されたアイソレーションリストの例であり、この例 では No. 4のエアバルブである機器番号「AV— 020— 10」の後ろに従機器として制 御盤スィッチの機器番号「SEQ— 020— 10」が従機器として選択されたことに基づ!/ヽ て挿入配置されている。
[0067] このようにして、全ての主機器について過去のアイソレーションリストの参照に従機 器検索リストを求め、その中から必要な従機器を指定することで、主機器に続いて従 機器が配列されたアイソレーションリストが完成することになる。
[0068] 図 9は、図 1のアイソレーションリスト手動作成部 32による手作業によるアイソレーシ ヨンリストの作成を支援するアイソレーションリストマニュアル作成処理のフローチヤ一 トである。
[0069] 図 9において、アイソレーションリストマニュアル作成処理にあっては、ステップ S1で アイソレーション操作を行う部分の系統図を表示した状態で、ステップ S2でアイソレ ーシヨン範囲を指定し、ステップ S3で指定範囲のアイソレーション機器をアイソレーシ ヨンフォーマットとして準備された編集中のアイソレーションリストに主機器として登録 する。
[0070] ステップ S4で主機器の登録が終了したならば、ステップ S5に進み、アイソレーショ ンリストから主機器を選択した後、ステップ S6で選択した主機器の単線結線図を表示
し、ステップ S7で単線結線図からスィッチ類の機器を選択してアイソレーションリスト に従機器として登録する。
[0071] 続、て、ステップ S8で選択した主機器のシーケンス図を表示し、ステップ S9でシー ケンス図からジヤンパ線などの機器を検索して、アイソレーションリストに従機器として 登録する。ステップ S 10で全ての主機器の処理済み力否かチェックし、処理済みでな ければ、ステップ S5に戻って次の主機器を選択し、全ての主機器の処理が済んでい れば、ステップ S11に進み、修正指示の有無をチェックする。
[0072] もし修正指示があればステップ S1に戻り、系統図を表示して、最初から手作業によ る処理を繰り返す。修正指示がなければ、ステップ S 12で確認指示を待ち、確認指 示があれば、ステップ S 13で作成したアイソレーションリストをアイソレーションリスト履 歴ファイル 26に保存する。
[0073] この図 9のアイソレーションリストマ-ユアル作成処理にあっては、画面における系統 図、単線結線図、シーケンス図の表示については、コンピュータ支援により例えば機 器番号などによる検索でできるが、それ以外のアイソレーションリストに必要な主機器 、従機器の選択による登録は全てオペレータの手入力により行われることになる。
[0074] 図 10は図 1のアイソレーションリスト作成部 36による本発明の作成処理のフローチ ヤートである。図 10において、ステップ S1で画面上にアイソレーション操作の対象と なる機器を含む系統図を表示し、ステップ S2で画面の系統図上でのマウスドラックな どにより線で囲む指定操作に基づきアイソレーション範囲を設定する。
[0075] 続いて、ステップ S3で設定範囲のアイソレーション機器を抽出して、アイソレーショ ンフォーマットに基づいて作られた編集中のアイソレーションリストに主機器として登 録して表示する。このアイソレーション機器の主機器としての登録はオペレータが機 器番号を手入力するか、系統図の機器番号をドラックしてコピー処理によりアイソレー シヨンリストに移すドラックアンドコピーとすることもできる。
[0076] 次に、ステップ S4で編集中のアイソレーションリストから主機器の選択操作に基づき 機器番号を取り出し、ステップ S5でアイソレーションリスト履歴ファイル 26に格納して いる過去のアイソレーションリストから、主機器に対し従機器の関係にあるアイソレー シヨン機器の従機器検索リストを作成して表示する。
[0077] 続、て、ステップ S6で表示して 、る従機器検索リストの指定操作を行 、、ステップ S 7で指定操作の終了が判別されると、ステップ S8で指定した従機器があれば、ステツ プ S9で編集中のアイソレーションリストの主機器の後ろに検索した従機器を配置する 。従機器の指定がなければステップ S9の処理はスキップする。
[0078] 続いてステップ S10で全ての主機器の処理済みの有無をチェックし、未処理であれ ばステップ S4に戻り、次の主機器の選択操作に基づき従機器を登録する処理を繰り 返す。ステップ S 10で全ての主機器の処理が済んだ場合には、ステップ S 11に進み 、修正指示の有無をチェックし、もし修正指示があればステップ S4に戻り、修正を必 要とする主機器の選択操作に基づき従機器検索リストを表示し、選択する従機器を 変更して新たな従機器をリストに配置するなどの修正を行う。
[0079] ステップ S11で修正指示がなければ、ステップ S12に進み、表示している完成済み のアイソレーションリストを確認して、確認操作があると、ステップ S13に進み、ァイソ レーシヨンリストをアイソレーションリスト履歴ファイルに転送保存することになる。
[0080] 次に、図 1の編集処理部 30に設けているメンテナンス処理部 34によるアイソレーシ ヨン履歴管理ファイル 26に保存している過去のアイソレーションファイルのメンテナン ス処理を説明する。
[0081] いま図 1のアイソレーションリスト履歴ファイル 26に、例えば図 11 (A)〜(C)のような アイソレーションリスト 84— 1〜84— 3が過去のアイソレーションリストとして保存されて いたとする。ここでアイソレーションリスト 84— 1が最も古ぐ次にアイソレーションリスト 84 - 2力 S古く、アイソレーションリスト 84— 3が最も新し!/、ものとする。
[0082] このうち図 11 (A)のアイソレーションリスト 84— 1の従機器は制御盤スィッチである 機器番号「SEQ— 020— 10」であり、 011 (B)のアイソレーションリスト 84— 1の従機 器は制御盤スィッチである機器番号「SEQ— 020— 11」であり、更に、図 11 (C)の最 新のアイソレーションリスト 84 - 3の従機器は制御盤スィッチの機器番号「SEQ -02 0—11」及び「SEQ— 020— 12」となって!/ヽる。
[0083] アイソレーションリスト 84— 1〜84— 3を比較してみると、主機器である機器番号「A V— 020— 10」の従機器として、古いアイソレーションリスト 84— 1にあっては機器番 号「SEQ— 020— 10」であったもの力 アイソレーションリスト 84— 2にあっては機器
番号「SEQ— 020— 11」に変更されている。
[0084] このように場合には、古いアイソレーションリスト 84— 1における従機器の機器番号「 SEQ— 020— 10」は主機器に対し従属関係が既になくなつていることから、従属関 係が削除されたことを設定するメンテナンスを必要とする。
[0085] このような場合、図 11 (A)の古いアイソレーションリスト 84—1について、メンテナン ス処理部により、例えば図 12のような機器状態設定画面 90を開いてメンテナンスを 行う。この機器状態設定画面 90は、図 11 (A)のアイソレーションリスト 84— 1の主機 器である機器番号「AV— 020— 10」に対する従機器の機器番号「SEQ— 020— 10 」がリスト表示され、機器番号の左側に関連削除 92としてチェックボックスが設けられ ている。
[0086] そこで機器番号「SEQ— 020— 10」について主機器との従属関係を削除したい場 合には、その関連削除 92のチェックボックスにチェックを入れればよい。そして、チェ ックを入れた後に機器状態設定画面 92を閉じると、図 11 (A)のアイソレーションリスト 84— 1の関連削除フラグ力 それまでの 0から 1にセットされる。
[0087] このように関連削除フラグが 1にセットされた場合には、これに対応した No. 2にお ける主従関係の「従機器」は無効化され、アイソレーションリスト 84— 1の内容そのも のに変更はないが、関連削除フラグによって従機器の主機器に対する従属関係を削 除している。
[0088] このため、図 11 (A)〜(C)から図 11 (D)の従機器検索リスト 86— 1を作成した場合 には、従機器である機器番号「SEQ— 020— 10」については従機器としての関係が 削除されて ヽるために表示されず、機器番号「SEQ— 020— 11」、「SEQ— 020— 1 2」が表示される。
[0089] 図 13は編集処理部 30のメンテナンス処理部 34によるアイソレーション機器メンテナ ンス処理のフローチャートである。図 13において、ステップ S1で対象機器番号の指 定があると、ステップ S2に進み、指定機器番号を主機器とするアイソレーションリスト をアイソレーションリスト履歴ファイル力も検索して表示し、続 、てステップ S3でメンテ ナンス対象とする従機器を含む状態設定画面を展開する。
[0090] この状態設定画面につ!、て、ステップ S4で必要とする従機器にっ 、て関連情報削
除の設定をチェックボックスなどにより行 、、ステップ S5で画面の戻り操作を判別する と、ステップ S6に進み、アイソレーションリストの関連削除フラグをセットすることで従 機器の主機器に対する従属関係の関連を解除する。そしてステップ S7で終了操作 を判別すると、ステップ S8でメンテナンス済みのアイソレーションリストをアイソレーショ ンリスト履歴ファイルに保存する。
[0091] このようなアイソレーション機器メンテナンス処理を通じ、過去に作成したアイソレー シヨンリストであっても、主機器に対し既に従機器として取り扱つていない場合には、 主機器によるアイソレーションリスト履歴ファイルの参照による従機器検索リスト〖こ関連 削除フラグをセットした従機器が不必要に列挙されることはなくなり、オペレータは有 効に従機器として従属関係を持っている従機器についてリストから選択することがで きる。
[0092] また、過去に作成したアイソレーションリストのリスト内容を壊すことなぐ関連削除フ ラグのセットによって従属関係を削除しているため、作成済みの過去のアイソレーショ ンリストの資産内容が破壊されず、履歴保存としての機能は損なわれない。
[0093] 図 14はアイソレーションリストを作成する際の系統図として CAD図面を使用した本 発明の他の実施形態を示したブロック図である。
[0094] 図 14において、保守管理クライアント 10、保守管理データベースサーバ 14は、図 1 の実施形態と同じである力 図面管理サーバ 12にあっては機器番号ファイル 18にカロ え新たに CAD図面ファイル 94を格納している。この CAD図面ファイル 94には全て の機器につき「機種—系統—デバイス」という形で分類されており、このため CAD図 面を使用したアイソレーション範囲の自動設定と、アイソレーション範囲に含まれるァ イソレーシヨン機器の機器番号の指定で、自動的にアイソレーションリスト履歴フアイ ルの参照による従機器検索リストの作成が可能となる。
[0095] 図 15は図 14の保守管理クライアント 10におけるアイソレーション作成処理で系統 図を CAD図面として表示して、アイソレーション範囲の自動設定と従機器検索リスト の作成表示を示した画面説明図である。
[0096] 図 15において、 CAD表示画面 95にはアイソレーション操作を行う部分の系統図 9 6が表示されている。この状態で解体作業を行うポンプ 54をクリックすると、機器と系
統の間にリンク関係を CAD情報として予め持っているため、ポンプ 54を中心にァイソ レーシヨン対象となるエアバルブ 56、電磁バルブ 58、手動弁 60, 62、ポンプドレン 弁 64にカ卩え、これらのアイソレーション機器に関連する単線結線図及びシーケンス 図からリンク関係にあるスィッチ類ゃジヤンパ類が自動的に選択され、系統図上で例 えば太線によりアイソレーション範囲が表示される。
[0097] また、系統図 96のアイソレーション範囲の自動設定に伴い、アイソレーション機器の 機器番号や名称が CAひ f青報カゝら取得され、これによつて図 6に示したような主機器 の登録内容を持つ骨格となる編集画面 82が自動的に生成される。
[0098] 続いて、アイソレーション範囲が太く表示された CAD表示図面 95において、例え ばマウスカーソル 98によりアイソレーション機器として電磁バルブ 58を指定したとする と、電磁バルブ 58に CAひ f青報として埋め込まれている機器番号に基づき、図 13の アイソレーションリスト作成部 36における従機器検索部 46が保守管理データベース サーノ 14にアクセスして、アイソレーションリスト履歴ファイル 26力も過去のアイソレ ーシヨンリストを検索し、その下側に示すように従機器検索ウィンドウ 100を表示する。
[0099] この従機器検索ウィンドウ 100に表示されている従機器の機器番号につき、選択を 必要とするチェックボックスをクリックすることで、電磁バルブ 58を主機器としてリンク 関係にある従機器としての機器の設定登録が編集中のアイソレーションリストにおけ る主機器の後に挿入される従機器登録が行われる。
[0100] このように図 14の CAD図面を利用したアイソレーションリストの作成にあっては、編 集画面の CAD図面としての系統図上でアイソレーション機器としての主機器及び従 機器の選択指定が過去のアイソレーションファイルの資産を利用して効率的に作成 でき、「機種—系統—デバイス」という形で区分されている CAD図面の情報を活用し て、本発明によるアイソレーションリストの作成を同様にして効率よく行うことができる。
[0101] 図 16は図 14のアイソレーションリスト作成部による本発明の作成処理のフローチヤ ートである。図 16において、ステップ S1で CAD作成の系統図を表示した状態で、ス テツプ S2で系統図上の例えば対象機器として解体対象となるポンプの指定操作に 基づきアイソレーション範囲が自動設定されて識別表示される。
[0102] 次にステップ S3で、自動設定された範囲のアイソレーション機器につき自動抽出に
よりアイソレーションリストに主機器としての登録が行われる。続いてステップ S4で、設 定範囲のアイソレーション機器の指定操作に基づき、編集中のアイソレーションリスト から主機器の機器番号を取り出し、ステップ S5でアイソレーションリスト履歴ファイル 2 6に保存して 、る過去のアイソレーションリストから主機器に対し従機器の関係にあつ たアイソレーション機器の従機器検索リストを作成して表示する。
[0103] そしてステップ S6で、作成表示された従機器検索リストの指定操作を行 ヽ、ステツ プ S7で指定操作終了を判別すると、ステップ S8で従機器の指定があれば、ステップ S9で編集中のアイソレーションリストの主機器の後ろに検索した従機器を挿入配置 する。
[0104] 続いてステップ S 10で全ての主機器の処理済みの有無をチェックし、未処理であれ ばステップ S4に戻り、処理済みであればステップ S 11に進み、完成したアイソレーシ ヨンリストを表示する。
[0105] そしてステップ S 12で修正指示の有無をチェックし、修正指示があればステップ S4 に戻って再度修正を行 ヽ、修正指示がなければステップ S 13で確認操作を待って、 ステップ S14で完成したアイソレーションリストをアイソレーションリスト履歴ファイルに 保存して一連の処理を終了する。
[0106] また本発明は、図 1及び図 13の保守管理クライアント 10を構成するコンピュータで 実行されるアイソレーションリスト作成のためのプログラムを提供するものであり、この プログラムは図 10のフローチャートもしくは図 16のフローチャートに従った処理手順 を持つことになる。
[0107] なお本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の 実施形態に示した数値による限定は受けない。