以下に添付図面を参照して本願に係る設備台帳作成支援プログラム、設備台帳作成支援方法及び設備台帳作成支援装置について説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
図1は、実施例1に係る建物管理システムの構成を示す図である。図1に示す建物管理システム1は、建物等の施設が有する設備、例えば電気、空調、熱源や衛生などの設備に関し、設備の管理を始め、保守及び維持管理から建物で使用する電力や水などのエネルギー及びコストの管理まで建物の総合的な管理を実現するものである。
図1に示すように、建物管理システム1には、クライアント端末10A〜10Cと、サーバ装置30とが収容される。なお、図1には、3つのクライアント端末をそれぞれ図示したが、建物管理システム1は任意の数のクライアント端末を収容できる。なお、以下では、クライアント端末10A〜10Cの各装置を区別なく総称する場合には、「クライアント端末10」と記載する場合がある。
これらクライアント端末10及びサーバ装置30の間は、ネットワーク5を介して相互に通信可能に接続される。かかるネットワーク5には、有線または無線を問わず、インターネット(Internet)を始め、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。
クライアント端末10は、建物の管理に携わるユーザによって使用される情報処理装置である。かかるクライアント端末10は、一例として、現場で保守及び維持管理を担当するメンテナンス員を始め、建物への投資判断やエネルギー管理などのマネジメント業務を行う管理者等などのユーザに貸与される。
クライアント端末10の一態様としては、パーソナルコンピュータを採用できる。上記のパーソナルコンピュータなどの据置き型の端末のみならず、各種の携帯端末装置をクライアント端末10として採用することもできる。例えば、携帯端末装置の一例として、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistants)などのスレート端末などが挙げられる。
クライアント端末10には、建物の総合管理を実現するアプリケーションプログラム、すなわち「建物管理プログラム」がインストールされる。かかる建物管理プログラムは、建物の総合管理の一環として、建物や工業製品の設計を支援するアプリケーションプログラム、例えばCAD(Computer Aided Design)システムやデジタルモックアップ(DMU:Digital Mock−Up)などとの間で連携する。なお、以下では、CADシステムによって後述の表示部12に表示される画面のことを「CADウィンドウ」と記載する場合がある。また、建物管理プログラムによって後述の表示部12に表示される画面のことを「設備台帳管理画面」と記載する場合がある。
サーバ装置30は、クライアント端末10に所定のサービスを提供するコンピュータである。一態様としては、サーバ装置30は、サーバ装置30が有する記憶装置をネットワーク5上のクライアント端末10に利用させるサービスを提供する。例えば、サーバ装置30は、各クライアント端末10間で上記の建物管理プログラム及び上記のCADシステムが生成またはアクセスする情報を共有させるファイルサーバとして機能する。なお、ここでは、クライアント端末10間のファイル移動及びファイルの整合性の面からファイルサーバを用いる場合を例示したが、各クライアント端末10で情報を個別に管理させることとしてもかまわない。
[クライアント端末10の構成]
図2は、実施例1に係るクライアント端末10の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、クライアント端末10は、入力部11と、表示部12と、通信I/F(interface)部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
なお、クライアント端末10は、図2に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部を有するものとする。例えば、クライアント端末10が据置き型のパーソナルコンピュータとして実装される場合には、マイクやスピーカなどの音声デバイスをさらに有することとしてもかまわない。また、クライアント端末10が携帯端末装置として実装される場合には、移動体通信部やGPS(Global Positioning System)受信機などをさらに有することとしてもかまわない。
入力部11は、各種の情報に対する指示入力、例えば設備図形の選択操作を受け付ける入力デバイスである。一態様としては、クライアント端末10が据置き型のパーソナルコンピュータとして実装される場合には、キーボードやマウスなどを採用できる。かかるマウスは、後述の表示部12と協働することによってポインティングデバイスとして機能する。ここでは、一例として、マウスによってポインティングデバイス機能が実現される場合を説明するが、タッチパッドなどの他の入力デバイスによりポインティングデバイス機能が実現されることとしてもかまわない。他の一態様としては、クライアント端末10が携帯端末装置として実装される場合には、入力部11と表示部12を一体化することによってタッチパネルとして実装することもできる。
表示部12は、各種の情報、例えばCADウィンドウや設備台帳管理画面などを表示する表示デバイスである。一態様としては、モニタやディスプレイなどを採用できる。
通信I/F部13は、他の装置、例えばサーバ装置30との間で通信制御を行うインタフェースである。かかる通信I/F部13の一態様としては、LANカードなどのネットワークインタフェースカード(NIC:Network Interface Card)を採用できる。例えば、通信I/F部13は、サーバ装置30からCADシステムや建物管理プログラムによって使用される情報を受信したり、CADシステムや建物管理プログラムによって生成または更新された情報をサーバ装置30へ送信したりする。
記憶部14は、各種データを記憶する記憶デバイスである。かかる記憶部14の一態様としては、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等を採用できる。例えば、ROMやフラッシュメモリには、BIOS(Basic Input/Output System)などのブートコードが記憶される。また、RAMは、制御部15で実行されるOS(Operating System)のシステムメモリ、CADシステムや建物管理プログラムなどのアプリケーションプログラムのワークエリアとして使用される。なお、ここでは、記憶部14として主記憶装置を例示したが、ハードディスクや光ディスクなどの補助記憶装置をさらに有することとしてもよい。
記憶部14には、CADシステム及び建物管理プログラムの2つのシステム間で互いが共有する共有ワークエリア14aが設定される。例えば、共有ワークエリア14aは、OSによって割り当てさせることとしてもよい。また、CADシステム及び建物管理プログラムのうち先に起動される方が記憶部14に存在する空き領域のうち所定のサイズの領域を確保し、そのアドレスを後に起動される方へ通知することとしてもよい。
制御部15は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。例えば、制御部15は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などにOS、CADシステムや建物管理プログラムを実行させることによって実現できる。また、制御部15は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。図2に示すように、制御部15は、CAD実行部16と、建物管理実行部17とを有する。
CAD実行部16は、上記のCADシステムを実行する処理部である。一態様としては、CAD実行部16は、2D(Dimension)−CADシステムと、3D−CADシステムとを実行する。例えば、2D−CADシステムは、サーバ装置30上に保存されたCADの図面情報31に含まれる設備図形に関する2D−CADの位置情報を呼び出し、1つまたは複数の設備図形を2次元の平面、例えば正面、断面や側面などで描画する。これによって、建物もしくは建物の一部を含む2次元のCAD図面上に1つまたは複数の設備図形が描画された2D−CADウィンドウが生成される。また、3D−CADシステムは、サーバ装置30上に保存されたCADの図面情報31に含まれる設備図形に関する2D−CADの位置情報と3D−CADの描画情報を呼び出し、1つまたは複数の設備図形を3次元の仮想空間上で描画する。これによって、建物もしくは建物の一部を含む3次元のCAD図面上に1つまたは複数の設備図形が3DCG(three-dimensional computer graphics)で描画された3D−CADウィンドウが生成される。かかる3D−CADウィンドウでは、設備図形を投影する場合の視点の位置及び方向、いわゆる「ビュー」を任意に変更できる。
これら2D−CADウィンドウ及び3D−CADウィンドウは、1つのウィンドウにまとめて表示することもできるし、各々のウィンドウを独立して表示させることもできる。そして、2次元または3次元のいずれかのウィンドウで編集が行われた場合には、互いの図面情報を更新することによって当該編集を他方のウィンドウの表示に反映させることもできる。
図3は、CADの図面情報31の一例を示す図である。図3には、エアコン、貯湯槽、ヒートポンプなどの設備図形に関する設備名称、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報を含むCAD図面「A.ZDX」の図面情報が図示されている。図3に示すように、2D−CADの位置情報には、X座標、Y座標、Z座標、色、レイヤ及び種別などの項目が対応付けられたデータを採用できる。例えば、エアコン及び貯湯槽は、「空調」として同じレイヤにグループ化されていることを意味する。このうち、エアコンの形状の種別が矩形であり、貯湯槽の形状の種別が円柱であり、各々の設備で基準とする頂点、例えば重心の座標が(10,32,13)、(30,44,23)であることを意味する。また、3D−CADの描画情報には、設備図形を形成する面1〜面nが対応付けられたデータを採用できる。これら面1〜面nは、各々の面のポリゴンを形成する頂点が持つ座標の集合によって表現される。
建物管理実行部17は、上記の建物管理プログラムを実行する処理部である。一態様としては、建物管理実行部17は、サーバ装置30上に保存された設備台帳32を用いて、設備の管理を始め、保守及び維持管理から建物で使用する電力や水などのエネルギー及びコストの管理まで建物を総合的に管理する。以下では、上記の建物の総合管理の一例として、設備管理、保守および維持管理を例に挙げ、設備台帳32の作成支援方法、設備台帳32とCADの図面情報31の連携方法について説明する。
ここで、上記の設備台帳32について説明を行う。かかる設備台帳32は、設備管理に用いる所定の項目を含む台帳であり、一例として、設備情報33、点検情報34および連携情報35が含まれる。
このうち、設備情報33は、建物に設置された設備に関する属性情報を指す。かかる設備情報33の一態様としては、設備ID(identifier)、設備名称、メーカ、設置年月日および管理者などの項目が対応付けられたデータを採用できる。図4は、設備情報33の一例を示す図である。図4に示す設備ID「0001」の例では、2012年10月10日に「F社」製のエアコンが設置されていることを意味する。また、図4に示す設備ID「0002」の例では、2011年5月29日に「F社」製の貯湯槽が設置されていることを意味する。また、図4に示す設備ID「0003」の例では、2013年4月10日に「F社」製のヒートポンプが設置されていることを意味する。さらに、エアコン、貯湯槽及びヒートポンプの保守及び維持管理の管理責任者は、いずれも「U1」であることを意味する。なお、設備情報33のスキーマは、図4に例示した項目に限定されず、上記の例以外にも、設備をディレクトリ管理するための分類や製品の型番などの他の項目を含んでいてもかまわない。
また、点検情報34は、点検の予実に関する情報を指す。かかる点検情報34は、一例として、点検の計画内容を示す点検計画情報34aと、点検の実施内容を示す点検実績情報34bとが含まれる。
点検計画情報34aの一態様としては、設備ID、点検名称および点検予定日などの項目が対応付けられたデータを採用できる。図5は、点検計画情報34aの一例を示す図である。図5に示す設備のうち設備ID「0001」のエアコンには、2013年4月1日に定期点検が予定されていることを意味する。また、設備ID「0002」の貯湯槽には、2013年4月29日に自主点検がなされた後に緊急点検が2013年5月10日に予定されていることを意味する。さらに、設備ID「0003」のヒートポンプには、2013年4月11日に定期点検が予定されていることを意味する。
点検実績情報34bの一態様としては、設備ID、点検名称、点検日および点検内容などの項目が対応付けられたデータを採用できる。図6は、点検実績情報34bの一例を示す図である。図6に示す設備のうち設備ID「0001」のエアコンには、2013年4月1日に1か月に1度の定期点検が実施された実績があることを意味する。また、設備ID「0002」の貯湯槽には、2013年4月29日に不具合が発生した後に確認のために行われる自主点検が実施された実績があることを意味する。さらに、設備ID「0003」のヒートポンプには、2013年4月11日に2か月に1度の定期点検が実施された実績があることを意味する。
また、連携情報35は、CADシステムとの間の連携に用いる情報である。かかる連携は、建物の設計段階で製図されたCAD図面を設備管理、保守や維持管理に有効活用する観点から後述の登録部17bによってサーバ装置30へ登録される。かかる連携情報35の一態様としては、CAD図面に含まれる設備図形の位置情報及び描画情報と、建物管理プログラムで設備の識別に用いる設備識別情報とが対応付けられたデータを採用できる。図7は、連携情報35の一例を示す図である。図7に示すように、図4に示した設備情報33および図5と図6に示した点検情報34で用いられる設備IDと、図3に示した図面情報31に含まれる設備図形に関する2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報とが対応付けられる。かかる対応付けによって、設備IDから設備図形の位置情報又は描画情報を特定したり、設備図形の位置情報又は描画情報から設備IDを特定したりすることができる。このため、CADシステム及び建物管理プログラムの2つのシステムの間で同一の設備を同定できる。
図2の説明に戻り、建物管理実行部17は、取得部17aと、登録部17bと、表示制御部17cとを有する。
このうち、取得部17aは、CAD図面上で当該CAD図面に含まれる設備図形の選択操作がなされた場合に、CAD実行部16によって実行されるCADシステムによって登録された当該設備図形の設備名称、位置情報及び描画情報を取得する処理部である。なお、以下では、3D−CAD図面上で設備図形の選択操作がなされた場合を想定して説明を行うが、2D−CAD図面上で設備図形の選択操作がなされた場合にも同様の処理を実行することができる。
一態様としては、3D−CADウィンドウ内で入力部11を介する選択操作、例えばマウスの左ボタンへの押下操作がなされた場合に、当該選択操作の位置が設備図形上であるか否かがCADシステムによって判定される。このとき、選択操作の位置が設備図形上である場合には、サーバ装置30上に保存された図面情報31のうち当該設備図形に対応する設備名称、図面ファイル名、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報がCAD実行部16によって読み出される。ここでは、2D−CADの位置情報が読み出されるとともに、3D−CADの描画情報が読み出される場合を例示するが、位置情報または描画情報のいずれかに絞って読み出させることとしてもかまわない。また、ここでは、設備図形を含むCAD図面のファイル名が読み出される場合を例示するが、図面情報に含まれる情報であれば他の任意の情報、例えば設備として採用される製品のメーカや型番を読み出すこととしてもよい。その後、入力部11を介して選択操作がなされた設備図形に対応する設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報が記憶部14の共有ワークエリア14aに展開される。このとき、建物管理実行部17によって建物管理プログラムが実行中でない場合には、CADシステムによって建物管理プログラムが起動される。その上で、取得部17aは、記憶部14の共有ワークエリア14aに展開された設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報を読み出す。このように、取得部17aは、CADシステムから共有ワークエリア14aを介して、CAD図面上で選択操作がなされた設備図形に対応する設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報を取得する。
登録部17bは、取得部17aによって取得された設備図形の設備名称と、位置情報又は属性情報とを設備台帳32に登録する処理部である。なお、以下では、設備図形の設備名称、位置情報及び属性情報を設備台帳32に登録する場合を例示するが、設備名称と、位置情報又は属性情報のいずれかの情報とを登録することとしてもかまわない。
一態様としては、登録部17bは、選択操作がマウスの移動を伴うドラッグ操作であるか否かを判定する。このとき、登録部17bは、選択操作がドラッグ操作である場合に、ドラッグ操作が終了するのを待機する。その後、登録部17bは、ドラッグ操作が終了された場合に、当該ドラッグ操作が終了された位置、言い換えればドロップ操作がなされた位置が建物管理プログラムによって生成された設備台帳管理画面内であるか否かをさらに判定する。
ここで、ドロップ操作の位置が設備台帳管理画面内である場合には、CADシステムによって登録された設備図形に関する情報の格納先として建物管理プログラムが指定された公算が高いと推定できる。この場合には、登録部17bは、取得部17aによって取得された設備図形の設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報を設備台帳32へ登録する。
このとき、登録部17bは、新規登録を行う設備に設備IDを採番する。その上で、登録部17bは、取得部17aによって取得された設備図形の設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報のうち設備名称を設備IDに対応付けて設備情報33に新規登録する。また、登録部17bは、取得部17aによって取得された設備図形の設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報のうち図面ファイル名、位置情報および描画情報を設備IDに対応付けて連携情報35に新規登録する。この際、必ずしも位置情報および描画情報の両方を登録せずともよく、いずれか一方に絞って登録させることとしてもよい。
表示制御部17cは、CAD実行部16によって実行されるCADシステムとの間で連携して表示制御を実行する処理部である。ここで言う「連携」とは、一例として、CAD図面上で選択操作がなされた設備図形に対応する設備台帳32の情報を自動的に表示させたり、設備台帳32の中から選択操作がなされた設備に対応する設備図形に関する情報を自動的に表示させたりする処理を指す。
一態様としては、表示制御部17cは、3D−CAD図面上で設備図形の選択操作がなされた場合に、当該選択操作がダブルクリック操作であるか否かを判定する。そして、表示制御部17cは、選択操作がダブルクリック操作である場合に、取得部17aによって取得された設備図形の図面ファイル名と、位置情報または描画情報とを検索キーとし、連携情報35から選択操作がなされた設備図形に対応する設備IDを検索する。その上で、表示制御部17cは、点検計画情報34a及び点検実績情報34bから、先の検索よって得られた設備IDに対応する点検計画および点検実績を読み出す。続いて、表示制御部17cは、点検計画情報34a及び点検実績情報34bから読み出した点検計画および点検実績を共有ワークエリア14aに展開する。このように共有ワークエリア14aが更新されると、共有ワークエリア14aに記憶された点検計画および点検実績がCADシステムによって表示部12に表示される。例えば、CADシステムは、3D−CADウィンドウで選択操作がなされた設備図形に対応付けて点検計画および点検実績をポップアップ表示させることができる。
他の一態様としては、表示制御部17cは、3D−CAD図面上で設備図形の選択操作がなされた場合に、当該選択操作がトリプルクリック操作であるか否かを判定する。そして、表示制御部17cは、選択操作がトリプルクリック操作である場合に、取得部17aによって取得された設備図形の図面ファイル名と、位置情報または描画情報とを検索キーとし、連携情報35から選択操作がなされた設備図形に対応する設備IDを検索する。その後、表示制御部17cは、設備情報33から先の検索によって得られた設備IDに対応する設備の属性情報を読み出す。その上で、表示制御部17cは、設備情報33から読み出した設備の属性情報を表示部12に表示させる。例えば、表示制御部17cは、設備の属性情報を表示するウィンドウ、すなわち「設備台帳管理画面」を生成した上で表示部12に表示させる。このとき、表示制御部17cは、各設備IDのレコードの概要属性情報、例えば属性情報のうち表示対象とする項目を設備名称などの特定の項目に絞った情報を一覧表示させるとともに、選択操作がなされた設備図形に対応する設備IDのレコードの表示態様を他のレコードの表示態様を変えて表示させることができる。かかる表示態様の変更方法の一例としては、設備図形に対応する設備IDのレコードを表示させる輝度を反転させることができる。また、表示制御部17cは、3D−CAD画面上で選択操作がなされた設備図形に対応する設備IDの詳細属性情報、例えば設備名称以外にもメーカ、設置年月日や管理者等の項目が加わった情報を設備台帳画面に表示させることもできる。
更なる一態様としては、表示制御部17cは、設備台帳管理画面上で設備の選択操作、例えばダブルクリック操作を受け付けた場合に、次のような処理を実行する。すなわち、表示制御部17cは、設備情報33に含まれる設備IDのうち当該選択操作を受け付けた設備の設備IDを検索キーとし、当該設備IDに対応する図面ファイル名、位置情報および描画情報を連携情報35から検索する。その上で、表示制御部17cは、当該選択操作を受け付けた設備IDに対応する図面ファイル名、位置情報および描画情報を共有ワークエリア14aに展開する。このとき、CAD実行部16によってCADシステムが実行中でない場合には、建物管理プログラムによってCADシステムが起動される。このように共有ワークエリア14aが更新されると、共有ワークエリア14aに記憶された図面ファイル名と位置情報または描画情報とを検索キーとし、図面情報31から選択操作がなされた設備IDに対応する設備図形がCADシステムによって特定される。その後、3D−CADウィンドウに表示された設備図形のうち当該選択操作がなされた設備IDに対応する設備図形の表示態様がCADシステムによって変更される。かかる表示態様の変更方法の一例としては、選択操作がなされた設備IDに対応する設備図形を表示させる輝度を変更前よりも高くしたり、選択操作がなされる前には3D−CADウィンドウで使用されていなかった色を使用させたり、あるいは点滅表示させたりする強調表示を採用できる。
このように、3D−CAD図面上で設備図形がドラッグ&ドロップされた場合には、設備台帳の作成支援を実行し、ダブルクリックされた場合には、点検情報のポップアップ表示を実行し、トリプルクリックされた場合には、設備台帳管理画面の呼び出し表示を実行できる。また、設備台帳管理画面上で設備がダブルクリックされた場合には、設備図形の強調表示を実行できる。なお、ここでは、設備台帳の作成支援、点検情報のポップアップ表示または設備台帳管理画面の呼び出し表示のいずれを実行するのかを選択操作が該当するマウス操作の種別によって区別する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、CADウィンドウ上に表示させたタブを介して設備台帳の作成支援、点検情報のポップアップ表示または設備台帳管理画面の呼び出し表示のいずれかのメニューを予め選択させることによってユーザの意思を判別することとしてもかまわない。
[設備台帳の作成支援の具体例]
次に、図8及び図9を用いて、本実施例に係る設備台帳の作成支援の具体例について説明する。図8は、表示部12に表示される画面例を示す図である。図9は、設備台帳の作成支援方法の一例を説明する図である。図8及び図9には、貯湯槽を設備台帳32へ登録する場合の支援方法が例示されている。
図8に示すように、表示部12には、2D−CADウィンドウ210a及び3D−CADウィンドウ210bを含むCADウィンドウ210と、設備台帳管理画面220とが表示されている。なお、図8には、3D−CADウィンドウ210bが2D−CADウィンドウ210aとは独立したウィンドウとして生成される場合が例示されているが、2D−CADウィンドウ210a及び3D−CADウィンドウ210bは1つのウィンドウとして生成することもできる。
このような表示の下、3D−CADウィンドウ210b上でマウスカーソルの位置が貯湯槽200bにある位置C1でドラッグ操作が開始されたとする。この場合には、図9に示すように、CADの図面情報31から、3D−CADウィンドウ210bでドラッグ操作がなされた貯湯槽200bに対応する設備名称、図面ファイル名、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報がCADシステムによって共有ワークエリア14aに展開される。すなわち、設備名称として貯湯槽が取得されるとともに、図面ファイル名としてA.ZDXが取得される。さらに、2D−CADの位置情報として、X座標「30」、Y座標「44」、Z座標「23」、色「2」、レイヤ「1」および種別「円柱」が取得される。さらに、3D−CADの描画情報として、面1「ポリゴン座標1」、・・・、面n「ポリゴン座標n」が取得される。
その後、マウスカーソルの位置が位置C2を経由して設備台帳管理画面220内の位置C3まで遷移した後にドロップ操作がなされたとする。すると、共有ワークエリア14aに記憶された設備名称、図面ファイル名、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報が取得部17aによって取得される。その上で、設備台帳32に新規登録する設備に対し、設備ID「0002」が採番される。その後、設備図形の設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報のうち設備名称が設備IDに対応付けて設備情報33に新規登録される。また、設備図形の設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報のうち図面ファイル名、位置情報および描画情報が設備IDに対応付けて連携情報35に新規登録される。
このように、ユーザは、3D−CADウィンドウ上で貯湯槽200bを選択することによって貯湯槽に関する設備台帳32の作成を支援することができる。このため、ユーザは、設計者のように、設計用の図面、例えば平面図や正面図といった図面の見方に熟練しておらずともよい。本例で言えば、例えば、2D−CADウィンドウ210aには、平面図が表示されているので、貯湯槽200aが円としてしか表示されない。ところが、3D−CADウィンドウ210bには、あたかもユーザが現場に行って実際の貯湯槽を視認しているかのように、実際の形状、すなわち円柱状を持った貯湯槽200bが表示される。よって、ユーザは、設備台帳32へ登録する目標の設備図形である貯湯槽200bを容易に見つけ出すことができる。さらに、2D−CADウィンドウ210aには、貯湯槽200aと重なる位置にはしごや配管などが表示されている。このため、2D−CADウィンドウ210a上で選択操作を実行する場合には、貯湯槽200aを見つけ出せたとしても、貯湯槽200aと貯湯槽200aと重なるはしごや配管との間でいずれを選択するのかを指定する手間が生じる。ところが、3D−CADウィンドウ210bでは、ビューの変更等によって貯湯槽200bが他の設備図形と重ならないように表示させることができるので、設備台帳32へ登録する目標の設備図形である貯湯槽200bを容易に選択することもできる。
[点検情報のポップアップ表示の具体例]
次に、図10及び図11を用いて、本実施例に係る点検情報のポップアップ表示の具体例について説明する。図10は、表示部12に表示される画面例を示す図である。図11は、点検情報34のポップアップ表示方法の一例を説明する図である。図10及び図11には、貯湯槽の点検情報をポップアップ表示させる場合が例示されている。
図10に示すように、表示部12には、2D−CADウィンドウ310a及び3D−CADウィンドウ310bを含むCADウィンドウ310が表示されている。このような表示の下、3D−CADウィンドウ310b上でマウスカーソルが貯湯槽300bの位置C4にある状態でダブルクリック操作がなされたとする。この場合には、図11に示すように、CADの図面情報31から、3D−CADウィンドウ310bでダブルクリックされた貯湯槽300bに対応する設備名称、図面ファイル名、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報がCADシステムによって共有ワークエリア14aに展開される。すなわち、設備名称として貯湯槽が取得されるとともに、図面ファイル名としてA.ZDXが取得される。さらに、2D−CADの位置情報として、X座標「30」、Y座標「44」、Z座標「23」、色「2」、レイヤ「1」および種別「円柱」が取得される。さらに、3D−CADの描画情報として、面1「ポリゴン座標1」、・・・、面n「ポリゴン座標n」が取得される。
その後、共有ワークエリア14aに記憶された設備名称、図面ファイル名、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報が取得部17aによって取得される。その上で、連携情報35から、取得部17aによって今回取得された図面ファイル名と2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報との間で、同一の図面ファイル名と2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報とを持つ設備ID「0002」が検索される。そして、設備情報33から設備名称「貯湯槽」が読み出されるとともに、点検計画情報34a及び点検実績情報34bから、先の検索よって得られた設備ID「0002」に対応する点検計画および点検実績が読み出される。その後、点検計画情報34a及び点検実績情報34bから読み出された点検計画および点検実績が共有ワークエリア14aに展開される。
そして、共有ワークエリア14aが更新されると、共有ワークエリア14aに記憶された点検計画および点検実績がCADシステムによって表示部12に表示される。例えば、図10に示すように、CADシステムは、貯湯槽300bに関する点検計画および点検実績を含む点検画面400をポップアップ表示させることができる。
このように、3D−CADウィンドウ310b上で選択操作がなされた設備図形に関する点検計画や点検実績を含む点検画面400を3D−CADウィンドウ310bに表示されている設備図形に対応付けてポップアップ表示させることができる。かかる点検画面400のポップアップ表示を見たユーザは、あたかもユーザが現場に行って実際の貯湯槽を視認しているかのように、CADシステムを閲覧および操作しながら、バックグラウンドで動作する建物管理プログラムから供給された貯湯槽の点検情報をCADウィンドウ上で確認することができる。例えば、貯湯槽300bは、自主点検が2013年4月29日に行われた際にも更なる不具合が発生しており、以後も更なる警戒を行う観点から、2013年5月10日に緊急点検が策定されていることをユーザに注意喚起できる。したがって、現場に行く前に設備の点検内容を予習することができる。また、クライアント端末10が携帯端末装置である場合には、現場で設備の問題点を注意喚起できる。なお、点検情報をポップアップ表示する場合にも、3D−CADウィンドウ310bのビューの変更等によって貯湯槽300bが他の設備図形と重ならないように表示させることができるので、点検情報を閲覧する目標の設備図形である貯湯槽300bを容易に選択することができる。
[設備台帳管理画面の呼び出し表示の具体例]
次に、図12及び図13を用いて、本実施例に係る設備台帳管理画面の呼び出し表示の具体例について説明する。図12は、表示部12に表示される画面例を示す図である。図13は、設備台帳管理画面の呼び出し表示方法の一例を説明する図である。図12及び図13には、3D−CAD図面から貯湯槽に関する属性情報を表示する設備台帳管理画面を呼び出して表示させる場合が例示されている。
図12に示すように、表示部12には、2D−CADウィンドウ510a及び3D−CADウィンドウ510bを含むCADウィンドウ510が表示されている。このような表示の下、3D−CADウィンドウ510b上でマウスカーソルが貯湯槽500bの位置C5にある状態でトリプルクリック操作がなされたとする。この場合には、図13に示すように、CADの図面情報31から、3D−CADウィンドウ510bでトリプルクリックされた貯湯槽500bに対応する設備名称、図面ファイル名、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報がCADシステムによって共有ワークエリア14aに展開される。すなわち、設備名称として貯湯槽が取得されるとともに、図面ファイル名としてA.ZDXが取得される。さらに、2D−CADの位置情報として、X座標「30」、Y座標「44」、Z座標「23」、色「2」、レイヤ「1」および種別「円柱」が取得される。さらに、3D−CADの描画情報として、面1「ポリゴン座標1」、・・・、面n「ポリゴン座標n」が取得される。
その後、共有ワークエリア14aに記憶された設備名称、図面ファイル名、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報が取得部17aによって取得される。その上で、連携情報35から、取得部17aによって今回取得された図面ファイル名と2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報との間で、同一の図面ファイル名と2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報とを持つ設備ID「0002」が検索される。そして、設備情報33から設備ID「0002」に対応するレコードの情報が読み出される。
すると、設備台帳管理画面600が生成された上で表示部12に表示される。かかる設備台帳管理画面600には、図12に示すように、各設備IDのレコードの概要属性情報が一覧表示される。図12の例では、設備名称の他にも、第一分類〜第五分類までのカテゴリ情報が併せて概要属性情報として表示されている。かかる第一分類〜第五分類までのカテゴリ情報は、設備台帳に含まれる設備をディレクトリ管理するための情報であり、例えば、第一分類〜第五分類を指定することによって同一のカテゴリである設備同士をソートすることもできる。さらに、設備台帳管理画面600に一覧表示される設備IDの中でも、選択操作がなされた貯湯槽500bに対応する設備IDのレコード610の概要属性情報が反転表示されている。
このように、3D−CADウィンドウ510b上で選択操作がなされた設備図形に関する属性情報を設備台帳管理画面600を呼び出して表示させることができる。これによって、ユーザにはCADシステムを操作させながらも、外部のアプリケーションプログラムである建物管理プログラムによる設備図形の属性情報の表示機能を自動的に呼び出させることができる。それゆえ、例えば、ユーザが設備の外観は把握しているものの、設備の正式名称を把握していない場合などに設備の正式な名称をユーザに知らしめることができる。なお、設備台帳管理画面600を呼び出し表示する場合にも、3D−CADウィンドウ510bのビューの変更等によって貯湯槽500bを他の設備図形と重ならないように表示させることができるので、属性情報を閲覧する目標の設備図形である貯湯槽500bを容易に選択することができる。
[設備図形の強調表示の具体例]
次に、図14及び図15を用いて、本実施例に係る設備図形の強調表示の具体例について説明する。図14は、表示部12に表示される画面例を示す図である。図15は、設備図形の強調表示方法の一例を説明する図である。図14及び図15には、設備台帳管理画面上で指定された設備に対応する設備図形を3D−CADウィンドウ上で強調表示させる場合が例示されている。
図14に示すように、設備台帳管理画面700に一覧表示された各設備IDのレコードの概要属性情報のうちマウスカーソルが貯湯槽に対応する設備ID「0002」のレコード710の位置C6にある状態でダブルクリック操作を受け付けたとする。この場合には、図15に示すように、設備情報33に含まれる設備IDのうちダブルクリックされた設備の設備ID「0002」を検索キーとし、当該設備IDに対応する図面ファイル名、位置情報および描画情報が連携情報35から検索される。その上で、連携情報35から検索された図面ファイル名、位置情報および描画情報が共有ワークエリア14aに展開される。
そして、共有ワークエリア14aが更新されると、共有ワークエリア14aに記憶された図面ファイル名と位置情報または描画情報とを検索キーとし、図面情報31から選択操作がなされた設備ID「0002」に対応する貯湯槽の図面ファイル名、位置情報や描画情報がCADシステムによって特定される。その後、3D−CADウィンドウ810bに表示された設備図形のうち貯湯槽800bの表示態様がCADシステムによって変更される。例えば、図14に示すように、貯湯槽800bを表示させる輝度を変更前よりも高くしたり、貯湯槽800bを表示させる輝度を貯湯槽800bの周りに存在する設備図形が表示される輝度よりも高い輝度で表示させたり、あるいは貯湯槽800bを点滅表示させたりする強調表示が実行される。
このように、設備台帳管理画面700上で指定された設備に対応する設備図形を3D−CADウィンドウ810b上で強調表示させることができる。これによって、ユーザは、設備台帳管理画面700に表示された各設備の一覧と、CADウィンドウ800上に表示された2次元または3次元の設備図形との間で互いを比較したり、同定したりといった作業を不要化できる。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係るクライアント端末10の処理の流れについて説明する。図16〜図18は、実施例1に係る設備台帳作成支援処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、CADシステムまたは建物管理プログラムの少なく一方が実行中である状況で入力部11を介する選択操作がなされた場合に処理が起動する。なお、入力部11及び表示部12がタッチパネルとして形成されている場合には、ユーザの生体の一部を用いた選択操作がなされた場合に処理が起動する。
図16に示すように、入力部11を介する選択操作を受け付けると(ステップS101)、ステップS101で受け付けた選択操作の位置が3D−CADウィンドウ内である場合(ステップS102Yes)に、CAD実行部16によって次のような判定が実行される。すなわち、CAD実行部16は、ステップS101で受け付けた選択操作の位置が設備図形上であるか否かを判定する(ステップS103)。
このとき、選択操作の位置が設備図形上である場合(ステップS103Yes)には、CAD実行部16は、サーバ装置30上に保存された図面情報31のうち当該設備図形に対応する設備名称、図面ファイル名、2D−CADの位置情報及び3D−CADの描画情報を読み出す(ステップS104)。なお、選択操作の位置が設備図形上でない場合(ステップS103No)には、選択操作の位置に対応する処理がCADシステムによって行われた後に処理を終了する。
そして、CAD実行部16は、ステップS101で選択操作がなされた設備図形に対応する設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報を記憶部14の共有ワークエリア14aに展開する(ステップS105)。このとき、建物管理実行部17によって建物管理プログラムが実行中でない場合(ステップS106No)には、CADシステムによって建物管理プログラムが外部プログラムとして起動される(ステップS107)。なお、建物管理プログラムが実行中である場合(ステップS106Yes)には、ステップS107の処理を実行せずにステップS108の処理へ移行する。
続いて、建物管理実行部17の取得部17aは、記憶部14の共有ワークエリア14aに展開された設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報を読み出す(ステップS108)。
そして、建物管理実行部17の登録部17bは、ステップS101で受け付けた選択操作がマウスの移動を伴うドラッグ操作であるか否かを判定する(ステップS109)。このとき、選択操作がドラッグ操作である場合(ステップS109Yes)には、登録部17bは、ドラッグ操作に対応するドロップ操作がなされるのを待機する(ステップS110)。
その後、登録部17bは、ドロップ操作がなされた場合に、当該ドロップ操作がなされた位置が建物管理プログラムによって生成された設備台帳管理画面内であるか否かをさらに判定する(ステップS111)。
ここで、ドロップ操作の位置が設備台帳管理画面内である場合(ステップS111Yes)には、CADシステムによって登録された設備図形に関する情報の格納先として建物管理プログラムが指定された公算が高いと推定できる。この場合には、登録部17bは、取得部17aによって取得された設備図形の設備名称、図面ファイル名、位置情報及び描画情報を設備台帳32へ登録する。
すなわち、登録部17bは、新規登録を行う設備に設備IDを採番する(ステップS112)。その上で、登録部17bは、ステップS108で取得された設備図形の設備名称を設備IDに対応付けて設備情報33に新規登録する(ステップS113)。さらに、登録部17bは、ステップS108で取得された設備図形の図面ファイル名、位置情報および描画情報を設備IDに対応付けて連携情報35に新規登録し(ステップS114)、処理を終了する。
一方、設備図形上でなされた選択操作がドラッグ操作でない場合(ステップS109No)には、表示制御部17cは、ステップS101で受け付けた選択操作がダブルクリック操作であるか否かを判定する(ステップS115)。
そして、選択操作がダブルクリック操作である場合(ステップS115Yes)には、表示制御部17cは、次のような処理を実行する。すなわち、表示制御部17cは、ステップS108で取得された設備図形の図面ファイル名と、位置情報または描画情報とを検索キーとし、連携情報35から選択操作がなされた設備図形に対応する設備IDを検索する(ステップS116)。
その上で、表示制御部17cは、点検計画情報34a及び点検実績情報34bから、ステップS116で検索された設備IDに対応する点検計画および点検実績を読み出す(ステップS117)。続いて、表示制御部17cは、ステップS117で読み出した点検計画および点検実績を共有ワークエリア14aに展開する(ステップS118)。このとき、表示制御部17cは、共有ワークエリア14aに展開した点検情報の表示指示をCAD実行部16に行うことができる。
このように共有ワークエリア14aが更新されると、CAD実行部16は、共有ワークエリア14aに記憶された点検計画および点検実績を3D−CADウィンドウで選択操作がなされた設備図形に対応付けてポップアップ表示させ(ステップS119)、処理を終了する。
また、設備図形上でなされた選択操作がダブルクリックでもない場合(ステップS115No)には、表示制御部17cは、ステップS101で受け付けた選択操作がトリプルクリック操作であるか否かをさらに判定する(ステップS120)。
そして、選択操作がトリプルクリック操作である場合(ステップS120Yes)には、表示制御部17cは、ステップS108で取得された設備図形の図面ファイル名と、位置情報または描画情報とを検索キーとし、連携情報35から選択操作がなされた設備図形に対応する設備IDを検索する(ステップS121)。
その後、表示制御部17cは、設備情報33からステップS121で検索された設備IDに対応する設備の属性情報を読み出す(ステップS122)。このとき、設備台帳管理画面が表示中でなければ(ステップS123No)、表示制御部17cは、設備台帳管理画面を生成する(ステップS124)。なお、設備台帳管理画面が表示中である場合(ステップS123Yes)には、ステップS124の処理を実行せずにステップS125の処理へ移行する。
そして、表示制御部17cは、ステップS122で読み出した設備の属性情報を表示部12に表示させ(ステップS125)、処理を終了する。例えば、表示制御部17cは、各設備IDのレコードの概要属性情報、例えば属性情報のうち表示対象とする項目を設備名称などの特定の項目に絞った情報を設備台帳管理画面に一覧表示させるとともに、選択操作がなされた設備図形に対応する設備IDのレコードの表示態様を他のレコードの表示態様を変えて表示させることができる。
また、ステップS101で受け付けた選択操作の位置が3Dウィンドウ内でない場合(ステップS102No)には、表示制御部17cは、選択操作の位置が設備台帳管理画面内であるか否かを判定する(ステップS126)。
このとき、選択操作の位置が設備台帳管理画面内である場合(ステップS126Yes)には、表示制御部17cは、設備情報33に含まれる設備IDのうち当該選択操作を受け付けた設備の設備IDを検索キーとし、当該設備IDに対応する図面ファイル名、位置情報および描画情報を連携情報35から検索する(ステップS127)。
その上で、表示制御部17cは、ステップS127で検索された図面ファイル名、位置情報および描画情報を共有ワークエリア14aに展開する(ステップS128)。このとき、CAD実行部16によってCADシステムが実行中でない場合(ステップS129No)には、建物管理プログラムによってCADシステムが起動される(ステップS130)。
このように共有ワークエリア14aが更新されると、CAD実行部16は、共有ワークエリア14aに記憶された図面ファイル名と位置情報または描画情報とを検索キーとし、図面情報31から選択操作がなされた設備IDに対応する設備図形を特定する(ステップS131)。
その後、CAD実行部16は、3D−CADウィンドウに表示された設備図形のうち当該選択操作がなされた設備IDに対応する設備図形の表示態様を強調表示し(ステップS132)、処理を終了する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、本実施例に係るクライアント端末10は、3D−CAD図面上で設備図形の選択操作がなされた場合に、CADシステムによって登録された設備図形に関する設備名称と、位置情報又は描画情報とを設備台帳32へ登録する。このように、本実施例に係るクライアント端末10では、3D−CAD図面上で設備図形の選択操作を実行させることができる。このため、ユーザは、設計者のように、設計用の図面、例えば平面図や正面図といった図面の見方に熟練しておらずとも、あたかも現場で実際の設備を選択する感覚で目的の設備を探すことができる。それゆえ、ユーザは、設備台帳32へ登録する目標の設備図形を容易に見つけ出すとともに容易に選択することもできる。したがって、本実施例によれば、設備台帳の作成作業を簡素化できる。