JP3697299B2 - 筐体製造支援システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種プラント設備において設置される計装盤及び計装ラック(以下「計装制御ラック」と呼ぶ)等の製造に利用できる支援システムに係り、特に計装制御ラック等の筐体設計を三次元CAD装置上で行う筐体製造支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラント設備で使用する計装制御ラックを製造する場合、設計及び製造の各工程が存在し、ラック設置後は必要に応じて現地調整の工程が存在する。
設計段階においては、使用目的に応じて計装制御ラックの外形及び寸法を決めると共に、仕様書等に基づいて装備する部品及び配管等を決め、さらにラック内における部品及び配管等の収納位置を決める。次に、手書図を使って、部品等の当たり(部品同士の干渉のこと)、組立てスペース及び保守調整用スペースを検証する。
【0003】
これら検証が済んでから計装制御ラックの製作用図面を作成する。計装制御ラックの総組立図に基づいて製作用の複数の図に分解した分図を取得する。例えば、配管廻り組立図、計器廻り組立図、計器取付け図、配線ダクト、パネル又は端子台等の配線廻り図に分図化する。
【0004】
製造段階においては、上記設計段階で出図した製作用図面に基づいて必要となる部品等を一度に手配する。また、製造者が全ての製作用図面を検討し、経験に基づいて組立て手順を決めて組立て手順書を作成する。そして、組立て手順書に基づいて実際の組立て作業を実施する。
【0005】
現地調整段階においては、指示されている操作部品、チェックポイントを検査要領書から読み取りながら、現物のどの位置に操作部品があるか、又は手順等がどうなっているかを確認して作業している。また、このとき取得したデータ結果、使用した図面類の番号、変更情報を人手で書類に記録している。
【0006】
ところで、上記した設計段階では各部品、配管等の当たりを確認するために、第3角図法又は第1角図法等を使って2次元的な上下、左右からみた図面を書きおこし、当たりの無いように収納位置を修正しては図面を書き、何回か修正して配置を決定している。
【0007】
このとき、さらに組立てスペース、保守調整用スペースを考慮して配置を決定しなければならないが、使用工具の形状や動作範囲を予測して最終的な収納位置を決めるためには図面の修正及び使用工具の動作範囲の軌跡予測値を算出する必要があるので、非常に煩雑で手間の掛かる作業が必要となる。
【0008】
また、総組立図に基づいて製作用の複数の分図を作成しているが、総組立図を作成する段階で既に個々の部品等の確認を行いながら設計しているため、複数の図面を書きおこすということは重複する作業を繰り返すことになる。
【0009】
上記した製造段階において、組立用品を組立手順を考慮すること無く一度に収集していたので、組立手順に従って必要な機器、例えば配管材、配線材、計器、配線器具、パネルなどを選り分けなければならず効率的でなかった。
【0010】
熟練した製作者が組立手順書を作成していたために統合生産管理システムを導入することによる作業の効率化を図るのが難しかった。
また、製作した計装制御ラックを設置後は、現地調整時に検査対象となる操作部品の位置、手順、又は操作結果がどうなるかを仕様書から読取り、確認しながら作業を行っていたため作業効率が悪かった。また、現地調整時に書類に書き取った記録を将来の定期検査、保守時等に参考にしようとしても、手書き書類であるために該当する図面、チェック項目の探索に時間がかかっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は計装制御ラックの製造及び調整保守作業について作業員の手作業に依存する部分が多く、さらなる作業の効率化が望まれていた。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、計装制御ラックの設計段階で取得されるCAD情報を有効に活用して、計装制御ラックの製造及び調整保守作業について作業効率を改善することのできる筐体製造支援システムを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下のような手段を講じた。
請求項1に対応する本発明は、CADシステム上で筐体の設計支援を行う筐体製造支援システムにおいて、前記CADシステムで設計した筐体の機器構成及び機器単位の組立工程を示す機器構成情報、該筐体を構成する各機器の取付位置を示す配置情報、各種機器の寸法を示す機器寸法情報が登録されたデータベースと、前記機器構成情報の組立工程情報に基づいて該筐体に取付ける機器を組立工程毎に分類し、予め定めた機器取付優先順位及び前記配置情報又は前記機器寸法情報の一方に基づいて組立工程単位で該筐体に取付ける機器の順番を決定する取付順位設定手段と、前記取付順位設定手段で決定した取付順に機器及びその取付方法を示した組立手順書情報を作成する組立手順書作成手段と、CADシステムで設計した筐体のCAD情報に加えて、該筐体を構成する各機器の組立工程及び図番が機器コードに対応させて記憶されているCAD情報記憶部と、発注手配した機器の機器コード、発注コード、数量を含む手配情報が記憶されている手配情報記憶部と、マーシャリングする組立工程に属している機器の機器コード及び図番をCAD情報記憶部から検索すると共に、該機器の発注コードを手配情報記憶部から検索する検索手段と、検索手段で検索した組立工程に属している各機器の取付け順番を予め定めた機器取付優先順位に基づいて決定する取付順位決定手段と、検索手段で取得した情報から各機器毎に機器コード、発注コード、図番、数量からなるマーシャリング情報を作成し、取付順位決定手段で定めた順番でマーシャリング情報を配置したマーシャリング指示書情報を出力するマーシャリング指示書作成手段とを備える。
【0019】
本発明の筐体製造支援システムにおいては、CADシステムで設計した筐体の機器構成及び機器単位の組立工程を示す機器構成情報、該筐体を構成する各機器の取付位置を示す配置情報、各種機器の寸法を示す機器寸法情報がデータベースに登録される。取付順位設定手段により機器構成情報の組立工程情報に基づいて該筐体に取付ける機器が組立工程毎に分類される。そして、予め定めた機器取付優先順位及び配置情報、又は機器取付優先順位及び機器寸法情報に基づいて組立工程単位で該筐体に取付ける機器の順番が決定される。この決定した取付順に機器及びその取付方法を示した組立手順書情報が組立手順書作成手段により作成される。更に、検索手段によりマーシャリングする組立工程に属している機器の機器コード及び図番がCAD情報記憶部から検索されると共に、該機器の発注コードが手配情報記憶部から検索される。そして、取付順位決定手段において組立工程に属している各機器の取付順番が予め定めた機器取付優先順位に基づいて決定される。次に、マーシャリング指示書作成手段により検索手段で取得した情報から各機器毎に機器コード、発注コード、図番、数量からなるマーシャリング情報が作成される。取付順位決定手段で定めた順番でマーシャリング情報を配置したマーシャリング指示書情報が提示される。
【0020】
請求項2に対応する本発明は、上記した構成の筐体製造支援システムにおいて、前記取付順位設定手段に設定する前記機器取付優先順位として組立工程上での順位と取付位置上での順位との2つが少なくとも定められ、組立工程順位が配管廻り組立、計器廻り組立、計器取付、器具取付、配線廻り組立の順に順位設定され、取付位置順位が筐体上部、筐体前面、筐体左側、筐体右側の順に順位設定される。
【0021】
本発明によれば、配管廻り組立、計器廻り組立、計器取付、器具取付、配線廻り組立の順に順位設定されるので、最も作業効率の良い組立工程手順に設定される。また、取付位置での取付け順位が筐体上部、筐体前面、筐体左側、筐体右側の順に順位設定されるので最も作業効率の良い取付け順位が設定される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、計装制御ラックの設計を行う設計エリア、製造組立を行う製造現場エリア、計装制御ラックの運用が行われるサイトエリアを結んだ全体のシステム構成を示している。
【0031】
設計エリアに、3次元CADシステムを基本とする製作図ツールがインストールされたエンジニアリングワークステーション(EWS)1が設置されている。EWS1は、計装制御ラックの製造作業に関してのサーバ及びデータベースとしての機能をもっている。EWS1上の製作図ツールで作成した図面類をプリントアウトすることができるようにプリンタ2が接続されている。
【0032】
製造現場エリアに、ネットワークを経由してEWS1に接続された製造現場端末3が設置されている。製造現場端末3は、EWS1にログインして製作図ツールで作成した図面類を呼び出すと共に表示することができる。製造現場端末3に接続されているプリンタ4からEWS1より呼び出した図面類をプリントアウトできるようにしている。また、製造現場端末3は、製造現場エリアに配置される可搬型ディスプレイ5との間で無線LANを使って通信可能になっている。
【0033】
サイトエリアに、ネットワークを経由してEWS1に接続されたサイト端末6が設置されている。サイト端末6は、EWS1にログインして製作図ツールで作成した図面類を呼び出すと共に表示することができる。サイト端末6に接続されているプリンタ7からEWS1より呼び出した図面類をプリントアウトできるようにしている。また、サイト端末6は、サイトに配置される可搬型ディスプレイ8との間で無線LANを使って通信可能になっている。
【0034】
図2は、EWS1の機能構成を示している。
EWS1は、3次元CADシステムを基本とする製作図ツール11とCAD情報が格納されたデータベース12とを搭載している。設計エリアにおいて、設計者はマンマシン・インターフェイス(MMI)13を介してEWS1の製作図ツール11を使って設計作業を実施することになる。MMI13はキーボード、マウス、ディスプレイ装置などで構成される。
【0035】
製作図ツール11は、3次元的な設計作業を支援する3次元CADシステムを基本に構成されている。この製作図ツール11に、入力条件に基づいてデータベース12を検索する検索機能11a、CAD画面上での機器の配置作業等を支援する機器自動配置機能11b、筐体に取り付ける機器の組立手順書を自動作成する組立手順書作成機能11c、CAD画面上で機器の取付け/取外しのシミュレーションを実行するシミュレーション機能11d、マーシャリング指示書を作成するマーシャリング指示書作成機能11eが組み込まれている。
【0036】
データベース12は、CAD情報を格納するファイルを基本に構成されており、その中に機器構成情報ファイル12a、配置情報ファイル12b、手配情報ファイル12c、機器寸法情報ファイル12d、工具寸法情報ファイル12e、調整保守情報ファイル12fが配置されている。
【0037】
図3は、製造現場エリアに設置された製造現場端末3の機能ブロックを示している。製造現場端末3は、パーソナルコンピュータで構成されており、製造現場エリアで作業者が必要とする情報を提供する製造現場作業支援機能3aを搭載している。製造現場作業支援機能3aによって提供される情報はMMI14を介して製造現場エリアの作業者に提供することができると共に、無線LAN機能3bを使うことにより可搬型ディスプレイ5へ提供できる。
【0038】
図4は、サイトエリアに設置されたサイト端末6の機能ブロックを示している。サイト端末6は、パーソナルコンピュータで構成されており、サイトエリアで作業者が必要とする情報を提供するサイト調整作業支援機能6aを搭載している。サイト調整作業支援機能6aによって提供される情報はMMI15を介してサイトエリアの作業者に提供することができると共に、無線LAN機能6bを使うことにより可搬型ディスプレイ8へ提供できる。
【0039】
次に、以上のように構成された実施形態の動作内容について説明する。
(設計段階)
図9は、製作図ツール11の3次元CADシステムと機器自動配置機能11bとを連携させて計装制御ラックを構成する各種機器の配置状態を決定するまでの動作を示すフローチャートである。
【0040】
MMI13から基準筐体の番号又は筐体の外形寸法情報が入力されると、当該筐体モデルをMMI13のディスプレイ上のCAD画面に表示する。図8に示すCAD画面において、設計担当者がマウス等のポインティングデバイスを使って筐体上での機器(配管、計器、器具、配線、パネル、端子台等の総称)の取付位置を指定する。指定された機器のシンボルをCAD情報から読出してCAD画面における筐体上の指定位置に表示させる。
【0041】
全機器の取付位置が指定されたならば、設計担当者から指定機器毎に手配図番が入力されると共に後述する組立工程イベントコードが入力される。そして、当該計装制御ラックの機器構成情報を図5に示すような登録内容を持つ機器構成情報ファイル12aの形にしてデータベース12に登録する。各機器のコード名は予め定められている。
【0042】
次に、筐体フレームに対する取付位置が指定された各機器の寸法情報を、予めデータベース12に登録している機器寸法情報ファイル12dより読出して、各機器の占有スペースを割り出す。また、各機器毎に使用工具、保守点検方法が決まっており、使用工具及び保守点検方法に応じて作業スペースが決まっている。そこで、予めデータベース12に登録している工具寸法情報ファイル12e、調整保守情報ファイル12fから該当する機器の使用工具及び保守点検方法を取り込んで作業スペースを割り出し、各機器の占有スペースに作業スペースを加味した必要スペースを割り出す。機器自動配置機能11bが、各機器の必要スペースが重り合わないように、機器相互の接続関係を変えずに各機器の取付位置を再調整する。自動配置した各機器の必要スペースを組立・保守調整スペースとしてCAD画面上に点線で表示する。
【0043】
このとき、機器同士の干渉、組立・保守調整スペース同士の干渉があれば、その部分をCAD画面上でカラー反転表示する等して警告を発生し、設計担当者に確認・修正を要求する。修正指示が入力されれば、MMI13からの指示に基づいて機器の配置を修正し、確認指示が入れば修正作業を終了する。最後に、以上のようにして取付位置の確定した計装制御ラックの配置情報を図6に示すような登録内容の配置情報ファイル12bの形にしてデータベース12に登録する。
【0044】
上記したようにして、計装制御ラックの製作図を作成した後に組立手順書作成機能11cを使うことにより、筐体に取り付ける各機器の組立手順書が自動的に作成される。
【0045】
計装制御ラックの組立工程では、図10に示すように、配管廻り組立、計器廻り組立、計器取付、機器取付、配線廻り組立の順で組立工程イベント順位を与える。設計担当者は、機器の取付位置を入力するときに各機器がいずれの組立工程に属するか判断して、データベース12の機器構成情報ファイル12aの組立工程イベントの項目に図10に示すように定めた組立工程イベントコード(順位)を設定する。
【0046】
図11は、製作図ツール11の組立手順書作成機能11cが組立手順書を作成する動作を示すフローチャートである。
MMI113から組立手順書作成要求が入力されると、データベース12の配置情報ファイル12bからコード単位に寸法情報を取り込むと共に、機器構成情報ファイル12aから組立工程イベントコード“1”が設定されている機器コードを抽出する。この抽出した機器コードに対応する各機器を、上記寸法情報を参照して寸法の大きな機器から順に寸法上での取付優先順位を与える。また、取付位置での組立優先順位として、盤・ラックの上部、盤・ラックの前面側(後面側から見て奥より)、盤・ラックの左側、盤・ラックの右側の順に優先順位を与える。この結果、組立工程イベントコード“1”、すなわち配管廻り組立について各機器の組立優先順位が決定する。
【0047】
次に、組立工程イベントコード“2”について、上記同様にして、計器廻り組立の優先順位を決定する。以下、組立工程単位で同じ処理を繰り返し組立の優先順位を決定する。そして、全ての組立工程について上記データ整理が終了したならば、上記処理結果に基づいて組立工程毎の組立手順書をプリンタ2からプリントアウトする。また、同組立手順書データをデータベース12又は他の記憶部に保存する。
【0048】
又、設計担当者はシミュレーション機能11dを起動して組立手順書に基づいた組立て作業をシミュレーションすることができる。上記した組立手順書情報を記憶している記憶部(又はデータベース)から組立手順書情報を読み込む。そして、組立手順書情報に示された組立て順にCAD情報を使って筐体に機器を取付けていく。このとき、作業性が悪いことなどが確認されれば、随時、組立手順に修正を加える。この修正データを組立手順書情報に反映させる。
【0049】
EWS1のマーシャリング指示書作成機能によって、各筐体の組立に必要な材料(配管材、配線材、計器、配線器具、パネル等)の機器コード、発注コード、図番、数量を取付順に記載したマーシャリング指示書を作成することができる。
【0050】
図12は、製作図ツール11のマーシャリング指示書作成機能がマーシャリング指示書を作成する動作を示すフローチャートである。
MMI113からマーシャリング指示書の作成要求が入力されると、マーシャリング指示書作成機能が起動される。製造担当者からMMI13を介して部品収集をしたい組立工程が指定されると、データベース12の機器構成情報ファイル12aから当該指定組立工程に属する機器の機器コードが抽出される。この抽出した機器コードに基づいてデータベース12の手配情報ファイル12cを検索する。手配情報ファイル12cは、図7に示すように機器コード、発注コード、入庫場所、払い出し履歴等のデータが登録された情報ファイルである。これらの情報からなる手配情報ファイル12cは生産管理用計算機に登録されるが、予めEWS1が管理するデータベース12にコピーして保存しておく。
【0051】
手配情報ファイル12cから指定組立工程イベントに属する全機器の発注コード、入庫場所を検索して、指定された組立工程のマーシャリング指示書としてプリンタ3からプリントアウトする。このとき、再度、同じ部品の払い出し指示が行われないようにするため、手配情報ファイル12cの払い出し履歴の項目に払い出しフラグを入れておく。また、このとき作成したマーシャリング指示書のデータをデータベース12又は他の記憶部に保存しておく。
【0052】
(製造段階)
製造現場エリアでは、製造現場端末3からネットワークを介してEWS1にログインすることにより、EWS1から種々の情報を取り込んで製造支援を行うことができる。
【0053】
例えば、設計段階で作成しておいた製作図に対する表示要求をMMI14を介して製造現場端末3に与えると、EWS1上のデータベース12に登録されているCAD情報から製作図データを取り出してMMI14を介して表示する。3次元CADシステムで作成した当該製作図データには3次元画像情報が含まれている。従って、MMI14を介して製作図データの表示角度等を指示してやることにより容易に3次元画像を回転させることができ、2次元画面では読取り難い裏側の部分まで正確に把握することができるものとなる。
【0054】
また、組立指示書やマーシャリング指示書の表示要求を製造現場端末3に与えると、製作図データの場合と同様にしてEWS1上のデータベース12又は他の記憶部から組立指示書又はマーシャリング指示書のデータを取り込んできてMMI14を介して表示する。
【0055】
上記したように製造現場エリアの製造現場端末3にロードした製作図、組立指示書、又はマーシャリング指示書は印刷指示があればプリンタ4からプリントアウトされる。
【0056】
また、設計エリアのEWS1から製造現場エリアの製造現場端末3にロードした製作図、組立指示書、又はマーシャリング指示書を、製造現場エリアの可搬型ディスプレイ5に無線伝送して表示させることができる。例えば、製造現場のマーシャリング作業エリアに可搬型ディスプレイ5を持ち込み、EWS1から製造現場端末3に取り込んだマーシャリング指示書のデータを可搬型ディスプレイ5へ無線通信して表示させる。この無線通信は双方の無線LANモデムを介して行われる。製造現場の組立作業エリアにおいて、製造現場端末3に取込んだ組立手順書のデータを可搬型ディスプレイ5へ無線通信して表示することができる。
【0057】
ここで、製造現場端末3の製造現場作業支援機能3aの提供する支援内容の具体例について説明する。
図14〜図16は、製造現場端末3の製造現場作業支援機能3aの提供する位置探索支援機能について示している。位置探索支援機能は、探索対象の機器を指定することによりCAD画面上の該当シンボルを強調表示する機能である。
【0058】
製造現場端末3がEWS1にログインしてデータベース12にアクセス可能な状態になる。製造現場端末3のMMI14から機器一覧要求が入力されると、データベース12より当該計装制御ラックの機器構成情報ファイル12aから構成機器のコード名及び図番を抽出し、手配情報ファイル12cから発注コードを抽出し、配置情報ファイル12bからCAD画面上での配置位置を抽出する。これらの情報を製造現場端末3に取り込み、図14に示すように機器コード、発注コード、図番からなる機器一覧データを作成する。そして、現在MMI14のディスプレイに表示しているCAD画面の右下角に機器一覧をマルチウインドウにて表示する。
【0059】
CAD画面内に表示した機器一覧上において、探索対象となる機器コードをマウスでクリックすると、クリック位置から探索指定機器を認識すると共にCAD画面上での表示位置を先に取り込んだ配置情報に基づいて求める。CAD画面上で探索指定機器のシンボルを強調表示する。例えば、探索指定機器のシンボルの線種を変え、カラー反転表示し、又はリンキングすることにより強調する。
【0060】
なお、製造担当者は、CAD画面内に表示した機器一覧から探索指定機器の機器コード、発注コード又は図番を知ることができる。従って、MMI14から機器コード発注コード又は図番のいずれかを入力した場合にも当該機器を探索指定機器と認識して探索指定機器のシンボルを強調表示するようにしておく。
【0061】
図17〜図19は、製造現場端末3の製造現場作業支援機能3aの提供する組立工程に沿った画面表示支援機能について示している。
MMI14から組立工程の指定を受けて当該組立工程に属する機器情報(機器コードおよび配置位置)をデータベース12の機器構成情報ファイル12aおよび配置情報ファイル12bから検索する。この検索した機器情報から現在CAD画面上に表示している機器のうち指定組立工程に属する機器を認識する。また、指定組立工程以外の部分の表示形態の選択入力を受ける。そして、指定組立工程に属する機器を強調表示すると共に、その他の組立工程の部分を選択入力された表示形態で表示する。
【0062】
ここで、指定組立工程に関する情報、例えば、配線情報(線材、配線の行き先表示)、機器仕様情報の表示要求があれば、該当情報をEWS1から取り出してMMI14に表示しているCAD画面上にマルチウインドウにて表示する。
【0063】
図20〜図22は、製造現場端末3の製造現場作業支援機能3aの提供するズーム表示による表示支援機能について示している。
ズーム表示要求が与えられた後にズームエリアの指定、又は機器コードの入力があると指定エリア又は指定機器をマルチウインドウて拡大表示する。すなわち、MMI14のキーボードから機器コードによる指定があれば、当該指定機器のCAD画面上の座標値を配置情報ファイルより求めてマルチウインドウ上での配置情報に変換する。さらに、機器構成情報ファイルより指定機器のシンボルを取り出し、裏側機器を表示する指示があるときは配置情報ファイルより指定機器の前後の情報を取り出す。そして、CAD画面上の指定機器を強調表示すると共に、マルチウインドウに指定機器をズーム画面の中心にして指定機器を含む所定領域の画像を表示させる。ここで、指定機器の裏側に配置された裏側機器を表示する指示があれば、先に取り込んだ配置情報より前後を判断して指定機器の裏側に隠れている機器をマルチウインドウに表示する。
【0064】
また、ズーム表示要求が与えられた後にズームエリアの指定があったときは、指定エリアのCAD画面上での座標値をマルチウインドウ上での配置情報に変換する。そして、裏側機器を表示する指示があるときは配置情報ファイルより指定機器の前後の情報を取り出す。そして、CAD画面上の指定エリアを点線で囲むことによりズームエリアを表示すると共に、マルチウインドウに指定機器をズーム画面の中心にして指定エリアを表示させる。
【0065】
(現地調整段階)
サイトエリアでは、サイト端末6からネットワークを介してEWS1にログインすることにより、EWS1から種々の情報を取り込んで現地調整支援を受けることができる。
【0066】
例えば、上記した製造現場端末3と同様に、3次元CADシステムで作成した製作図、組立手順書、及び別途作成してある現地作業要領書をサイト端末6に取り込んでMMI15に表示させる。また、サイトエリアに配置した可搬型ディスプレイ8にサイト端末6に取り込んだ製作図等のデータを無線LANを介して送信して可搬型ディスプレイ8に表示する。
【0067】
また、サイト端末6には上記した製造現場作業支援機能3aと同様の機能を提供するサイト調整作業支援機能6aが搭載されている。サイト調整作業支援機能6aは、現場にて機器の取付位置を探索するための位置探索支援機能、組立工程に沿った階層的な画面表示を行う画面表示支援機能、指定機器または指定エリアをズーム表示する表示支援機能を備えている。
【0068】
サイトでの検査時には、サイト端末6のMMI115または可搬型ディスフプレイ8の画面に現地作業要領書を表示して作業支援を行う。検査終了後に、表示している現地作業要領書の確認欄に終了フラグを入力する。現地作業要領書の確認欄に終了フラグがインプットされると、予め設定されている現地作業要領書に沿ったチェックリストの該当項目を塗りつぶし処理する。また、検査結果が入力されていれば所定のフォーマットにしたがって検査成績書を自動作成する。
【0069】
このように本実施形態によれば、3次元CADシステムの設計支援を受けて組立スペース、保守調整スペースを考慮した取付機器の自動配置が可能となり、さらに使用工具の形状や動作範囲及び保守調整時の動作範囲までを予測して最終的に最適な配置を容易に決定することができ、設計時間の省力化を図ることができる。
【0070】
本実施形態によれば、組立工程を指定するだけで指定組立工程の製作図を自動的に作成することができるので、総組立図より配管廻り組立図、計器廻り組立図等に分解しなおして図面化する必要がなく、製作作業工数の削減を図ることができる。
【0071】
本実施形態によれば、組立手順書を所定の条件に基づいて一定の品質で自動的に作成することができ、組立手順書の作成時間を削減できる。また、製造者の経験に依存すること無く組立手順書に従って作業することができ、作業内容の質の均一化を図ることができ、経験の浅い製造担当者であっても効率的に作業を進めることができる。
【0072】
本実施形態によれば、製造段階において用品の収集(マーシャリング)を組立手順に従って実施することができ、仕分け作業が効率的になる。
本実施形態によれば、現地調整において、操作部品の位置、操作手順、操作結果がどうなるかが手順書により明確に指示されるため、効率的かつ正確に作業を遂行できる。また、検査結果を、データベースに保存することができ、品質管理データとして活用することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、計装制御ラックの設計段階で取得されるCAD情報を有効に活用して、計装制御ラックの製造及び保守点検について作業効率を改善することのできる筐体製造支援システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る筐体製造支援システムの構成図である。
【図2】実施形態に係る筐体製造支援システムのEWSの機能ブロック図である。
【図3】実施形態の筐体製造支援システムの製造現場端末の機能ブロック図である。
【図4】実施形態に係る筐体製造支援システムのサイト端末の機能ブロック図である。
【図5】機器構成情報ファイルのデータ構成を示す図である。
【図6】配置情報ファイルのデータ構成を示す図である。
【図7】手配情報ファイルのデータ構成を示す図である。
【図8】干渉部分を強調表示したCAD画面の表示例を示す図である。
【図9】機器自動配置機能の動作内容を示すフローチャートである。
【図10】CAD画面上の機器と組立工程順位と取付位置での組立優先順位との具体例を示す図である。
【図11】組立手順書作成機能の動作内容を示すフローチャートである。
【図12】マーシャリング指示書作成機能の動作内容を示すフローチャートである。
【図13】現場の可搬型ティスプレイにデータベース情報をロードする動作を示す図である。
【図14】位置探索時の表示画面例を示す図である。
【図15】位置探索動作の概念図である。
【図16】製造現場端末における位置探索動作を示すフローチャートである。
【図17】組立工程に即した階層化の表示例を示す図である。
【図18】画面表示支援の概念図である。
【図19】画面表示支援機能の動作内容を示すフローチャートである。
【図20】ズーム表示支援の表示例を示す図である。
【図21】ズーム表示支援の概念図である。
【図22】ズーム表示支援機能の動作内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジニアリングワークステーション、2,4,7…プリンタ、3…現場用端末、5,8…可搬型ディスプレイ、6…サイト端末、11…製作図ツール、12…データベース、13,14,15…マンマシン・インターフェイス。
Claims (2)
- CADシステム上で筐体の設計支援を行う筐体製造支援システムにおいて、
前記CADシステムで設計した筐体の機器構成及び機器単位の組立工程を示す機器構成情報、該筐体を構成する各機器の取付位置を示す配置情報、各種機器の寸法を示す機器寸法情報が登録されたデータベースと、
前記機器構成情報の組立工程情報に基づいて該筐体に取付ける機器を組立工程毎に分類し、予め定めた機器取付優先順位及び前記配置情報又は前記機器寸法情報の少なくとも一つに基づいて組立工程単位で該筐体に取付ける機器の順番を決定する取付順位設定手段と、
前記取付順位設定手段で決定した取付順に機器及びその取付方法を示した組立手順書情報を作成する組立手順書作成手段と、
前記CADシステムで設計した筐体のCAD情報に加えて、該筐体を構成する各機器の組立工程及び図番が機器コードに対応させて記憶されているCAD情報記憶部と、
発注手配した機器の機器コード、発注コード、数量を含む手配情報が記憶されている手配情報記憶部と、
マーシャリングする組立工程に属している機器の機器コード及び図番を前記CAD情報記憶部から検索すると共に、該機器の発注コードを前記手配情報記憶部から検索する検索手段と、
前記検索手段で検索した組立工程に属している各機器の取付け順番を予め定めた機器取付優先順位に基づいて決定する取付順位決定手段と、
前記検索手段で取得した情報から各機器毎に機器コード、発注コード、図番、数量からなるマーシャリング情報を作成し、前記取付順位決定手段で定めた順番で前記マーシャリング情報を配置したマーシャリング指示書情報を出力するマーシャリング指示書作成手段とを具備したことを特徴とする筐体製造支援システム。 - 請求項1記載の筐体製造支援システムにおいて、
前記取付順位設定手段は、前記機器取付優先順位として組立工程上での順位と取付位置上での順位との2つが少なくとも定められ、組立工程順位が配管廻り組立、計器廻り組立、計器取付、器具取付、配線廻り組立の順に順位設定され、取付位置順位が筐体上部、筐体前面、筐体左側、筐体右側の順に順位設定されていることを特徴とする筐体製造支援システム。
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