JPWO2003100678A1 - 設備の製作又はその保全作業の支援システム及び監視操作システム - Google Patents
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Abstract
本発明は、設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に関係する各情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有すること、及び通信手段を介して前記各部署間で相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とし、通信手段として電話回線、LAN、WAN、インターネット等を用いる。各情報として、各作業ステップで作成した作業手順、図面、加工・組立て手順、機能試験で実施した装置の動作結果、モックアップ試験で実施した装置の動作結果、実機作業時の工程、作業者の作業時間、装置の稼働時間等のデータが関係し、データを共有して取り扱い、データの授受を行う。
Description
技術分野
本発明は、原子炉の炉内、化学プラント内、廃棄物処理場、下水道、宇宙空間、深海など、人間が入れない又は人間にとって劣悪な環境すべての技術分野における設備の製作又は保全作業を実施するに当たり、それらに適した条件での作業を行う新規な設備の製作又はその保全作業の支援システム及び監視操作システムに関する。
背景技術
従来の原子炉内、化学プラント、廃棄物処理場、深海、宇宙空間での作業のように人間が直接関与できない劣悪な環境下での設備の製作、および設備の点検、補修、取替え工事等の保全活動については、その工事の工法の検討である基本計画から実機設備の製作又は保全活動の段階までは例えば次に示すような手順で実施していた。ここでは、一例として原子炉内の保全作業について述べる。
第1に、工法の検討である基本計画として、作業雰囲気、作業手順、装置の投入方法、投入装置の種類、投入位置など、様々な条件を組合せて、設計者が机上検討を行う。作業雰囲気とは温度、放射線量、水深、水中、気中などの炉内の状態のことであり、これにより、装置の仕様、作業手順、工程などが変わってくる。
この段階では装置も概念的な状態であり、図面検討を繰返すことで、作業手順と必要な装置を考慮した工法案を作成する。ただし、保全作業を行うプラントの炉内寸法においては、図面から必要な箇所の寸法を標準値だけでなく、実機で想定される最大、最小寸法についても割り出す必要があり、設計者は上記条件、炉内寸法、装置の寸法、動作範囲、軸数をパラメータとしていじりながら、基本計画を練り上げてゆく。こうして出来上がった工法案から、作業手順図と作業手順表、そして、作業に必要な装置リストを作成していた。
第2に、作成した作業手順図と装置リストをもとに各種装置の詳細設計を行う。この作業過程において、装置間の干渉、作業エリア内の機器との干渉と装置の共用化を検討し最適化を図る必要があるため、本作業においても設計者が図面による机上検討を繰返すこととなる。本例のような原子炉の保全作業では、炉内に作業員が入って作業することが不可能なので、個々の作業を行うために、複数の装置を使用する。これらの多種多様な装置を炉内の狭いエリアに設置し、各作業ステップにおいて、装置同士、また、装置と炉内の構造物が干渉しない寸法を計算、または、作図によって検討し設計してゆく必要がある。装置は炉内で静止しているものではなく、作動するものであり、これら炉内に設置した装置の位置、種類、設定員数が変わるため、上記の設計作業は非常に時間のかかるものであった。そのため、通常は数箇所の部署(例えば部署E、部署F、・・・等)に分かれて同時に進めていた。また、装置の詳細設計作業を進めてゆく過程で工法の見直しや、それに伴う装置の設計変更も生じるため、基本計画と詳細設計は決定するまでに何度も繰返されることとなる。詳細設計作業の成果として各種装置の組立て図面および展開した部品図が作成される。
第3に、前段階の作業で作成された装置の図面をもとにして、材料からの部品の加工と装置の組立、調整作業となる。これらの装置は量産品ではないため、材料の寸法取り、加工の手順、組立の手順などは最適化することが困難である。そのため、加工の順番待ちの部品が生じる、組立手順の誤りなどで無駄時間が増えるなど、製作工程に無駄が生じていた。
第4に、製作した装置を用いて、装置単体の機能試験を実施し、所定の機能が得られているかどうかを確認する。装置の動作範囲と、検査、加工などの基本性能の確認、及びその設定条件を試験により決定する。この結果で、機能を満足しなかった箇所に付いては、新たに設計しなおし、再試験となる。
上記、機能試験まで、各部署に分かれて実施していた装置の設計、製作はその後、完成した装置をそろえて、別の1つの部署でモックアップ試験としてまとめて実施される。ここで、装置間の干渉確認、作業エリア内機器との干渉確認、作業エリアの寸法の最大、最小について確認を行う。そして、このモックアップ試験の結果得られた試験データをもとに装置の改良、工法の改良を行い、再確認して、実機工事に臨むこととなる。モックアップ試験で得られた試験データは、要領書あるいは工事のトレーニング用ビデオ等にまとめられて、作業者に手渡される。
実機工事は特許公報2544074にその一例が掲載されているが、人間が直接関与できない状態での工事であるため、炉内に投入する装置類は監視カメラを用いて、遠隔操作で設定していた。炉内は干渉物が多数存在し、設置位置の精度も要求されるため、これらの作業は難しく、熟練した技術者でないと操作ができなかった。また、設定した幾つもの装置群を手順通りに動かすには、モックアップトレーニングや機能試験で得られたデータの活用が必要であり、そのための手順書や要領書は膨大な量とならざるを得なかった。作業自体は要領書にしたがって進められるが、作業の進捗をひとつひとつ確認する必要があり、作業はそれを行う作業者の技量に頼らなければならなかった。
一方、上述の膨大な作業量を効率良く行うために様々な試みが行われている。例えば、上記の作業手順の中で、装置の詳細設計から加工・組立てに対しては、バーチャルファクトリの技術により、工程計画、生産管理に3次元CADで作成した設計データを用いて干渉などのシミュレーションを実施し、その結果を反映して、設計から製造の過程を効率よく行おうとするデジタル工場(日経デジタル エンジニアリング 2000.9 P.77)が考案されている。
また、上述の機能試験からモックアップ試験まで、原子力施設内の機器の動作をコンピュータ上でシミュレーションし、実験設備の補修作業計画に適用している例(日経デジタル エンジニアリング 1998.5 P.)も考案されている。
また、現場と工場を結んで、工場から現場作業を監視することで作業人員の低減を狙った遠隔モニタリング技術においては、各社からカメラの雲台を制御して任意の箇所をモニタするシステムが製品化されており、(一例として、長野日本無線:画像伝送システム)有線、無線と様々なものが考案されている。
また、遠隔操作技術では、宇宙ロボットのマスタースレーブアームが代表的であり、広く研究されている。
従来、人間が直接関与できない劣悪な環境下での設備の製作、および設備の点検、補修、取替え工事等の保全活動について、工法の検討から実機作業までの過程は、多岐の部署にまたがって各作業を実施していた。しかし、この状態では各作業の検討結果が共用できず、無駄作業が多くなっていた。又、従来工法の検討から実機作業までの過程は、1つの作業での検討が膨大になり、設計製作する装置の数も十数種類を超えるため、多岐の部署にまたがって各作業を実施していた。
特開平9−16550号公報,特開平9−81608号公報には、CADデータと、組み立てデータと、保守データから模擬作業を行い、最適な組み立て、保守データを取り込み、最適な設計データを作成することが示されている。
従来の方法では、工法の検討から実機作業までの過程は、前述したように例えば、基本計画は部署Aが実施、装置設計および加工、製作と装置の機能試験は別の部署E、F等が実施、その後、前記装置設計、加工・組み立て、装置の単体の機能試験を統合して部署Aでまとめて、実際の工事はまた、別の部署X、Yでモックアップ、実機工事を実施するという形態が多くとられている。これは、前述したように、1つの作業での検討が膨大になり、また、設計製作する装置の数も十数種類を超えるため、これらの作業を短時間で行うために必要である。しかし、この方法では、各作業段階での成果、および情報が個々に分断された状態であり、特に、基本計画から装置の加工、組立までの段階では、調整と、繰り返しの検討の業務が膨大となっていた。
モックアップ試験、実機工事については、設計製作とは別の部署が担当することとなり、それまでの設計・製作過程の情報を効率良く伝達することが困難であった。また、実際の装置を使用しての試験で生じた不具合をもとに再設計、再検討する際には、上流側の検討を積み上げ直し、不整合性が生じないようにする必要があり、容易ではなかった。
また、従来の方法を実施する際に生じる膨大な作業量を効率化するための上述した様々な技術についても各作業での効率化を狙ってはいるが、作業全体を考えてはいない。
また、現場作業の効率化を狙った技術についても、上述の遠隔モニタリングは、監視装置の操作と、多数のカメラの同時制御により必要な画面を連続で監視してゆくものであるが、映像のみであり、機械装置の動作そのものを監視するものではない。
上述の遠隔操作については、マスタースレイブアームの現在主流のものは、力制御により操作感が作業者にフィードバックされるものであるが、その動作は伝送遅れのために操作性を却って悪化させる現象もおきており、研究が進められている状態であり、高い信頼性を要する本課題の場合には向かないと考えられる。
又、上述の方法では、各作業段階での成果、および情報が個々に分断された状態であり、特に、基本計画から装置の加工、組立までの段階では、調整と、繰り返しの検討の業務が膨大となっていた。また、モックアップ試験、実機工事については、設計製作とは別の部署が担当することとなり、それまでの設計・製作過程の情報を効率良く伝達することが困難であった。また、実際の装置を使用しての試験で生じた不具合をもとに再設計、再検討する際には、上流側の検討を積み上げ直し、不整合性が生じないようにする必要があり、容易ではなかった。
又、上述の公開公報には、複数部署間における相互の関係について示されていない。
発明の開示
本発明の目的は、各作業段階における検討の手間を簡略化すると共に、各作業段階での検討を全て統合管理することで、各作業の結果を複数部署間で有効に利用可能にし、また、遠隔地においても工事のモニタリング及び施工を可能とする設備の製作又は保全作業の支援システム及びそれらの監視操作システムを提供するにある。
本発明は、設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に関係する各情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有すること、及び通信手段を介して前記各部署間で相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とし、好ましくは計画立案元と、前記設備の製作又は保全作業に実施する装置の製造現場と、前記設備を有する現地との少なくとも2者間で互いに共有すること、及び電話回線、LAN(ローカル エリア ネットワーク)、WAN(ワイド エリア ネットワーク)、インターネット等の通信手段を介して前記少なくとも2者間で前記情報の相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする。製造現場として、1社又は複数社との間、1社又は複数社の中での複数部署の間に対しても前述の情報の共有と相互伝達の少なくとも一方を行うものである。
より具体的には、本発明は、設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業の実施項目に関する各情報と、前記設備の製作又は保全作業に実施する装置の製作、機能試験及びモックアップ試験に関する情報とを、前述と同様に互いに共有すること、及び前述と同様に相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする。
即ち、本発明は、設備の製作又はその保全活動における各作業ステップで作成した作業手順、図面、加工・組立て手順、及び、機能試験で実施した装置の動作結果、モックアップ試験で実施した装置の動作結果、実機作業時の工程、作業者の作業時間、装置の稼働時間等のデータを、前述のように共有して取り扱い、データの授受を行うようにしたものである。
本発明においては、人間が入れない、又は人間にとって劣悪な環境で設備の製作、又は保全活動等の作業を実施するにあたって、設備の製作又はその保全活動等の基本計画、設備の製作又はその保全活動等に使用する装置の詳細設計、前記装置の加工・製作、製作した前記装置の機能試験、前記装置を使用したモックアップトレーニング、そして、実機設備の製作、または保全作業、といった一連の作業において、任意に、データおよび、作業成果の相互伝達と、これらをもとにした再検討を効率的に行うことができるので、全体の作業時間を減らすことができる。
本発明では、前記設備の製作作業又は保全作業における作業エリアの寸法データと前記装置の寸法形状とを用いて前記装置の作業エリアでの干渉性、前記装置のアクセス性及び工法としての成立性のシミュレーションを行う第1のステップと、前記装置の詳細寸法を入力してCADによる詳細設計を行う第2のステップと、前記装置の加工と組立て手順のシミュレーションを行う第3のステップと、製作した前記装置の機能試験を実施しその結果を前記第1ステップのシミュレーションに反映して前記装置に適した動作パターンを見つけ出す第4のステップと、前記第1〜第4のシミュレーション結果及び前記装置の動作パターンからデジタルモックアップトレーニングを行いその結果を反映して前記モックアップ試験を行い前記装置の動作と形状を決定する第5のステップの第1〜第5又は、前記設備の製作作業又は保全作業における作業エリアの寸法データと前記装置のアウトラインデータとを入力して工法のシミュレーションを行う第1のステップと、前記装置の動作パターンを取り込んでデジタルモックアップトレーニングを行いその結果を前記モックアップ試験に反映し各装置の動作と形状とを決定する第2のステップと、前記第1及び第2のステップで得た結果に基づいて工事を行う第3のステップの第1〜第3の各作業ステップで、双方向リアルタイムシミュレータを用いて最適解を検討し、さらに、各作業過程で生成されたデータを共有し、管理することにより、作業成果の相互伝達と、これらをもとにした再検討を効率的に行うことができる。
本発明では、双方向リアルタイムシミュレータを用いて、シミュレーションの中での仮想的な作業エリア上で装置の動作や干渉、解体性を確認することでその作業の成立性や作業手順を評価することにより、繰り返しの検討を短時間で行えるため、作業の基本計画の検討を効率よく行うことができる。
又、本発明では、双方向リアルタイムシミュレータを用いて、シミュレーションの中での仮想的な作業エリア上で、組立て手順、装置の一部を変更改造したときの干渉チェック、解体手順をシミュレーションして、最適な組立て、解体手順を見出すことを特徴とする装置の組立て手順を検討することにより、繰り返しの検討を短時間で行えるため、作業の基本計画の検討を効率よく行うことができる。
本発明は、前述の支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に関して3次元グラフィックスシミュレーションする演算装置と、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で双方向リアルタイムシミュレーションを実行するコンピュータと、作業者が前記設備の製作又は保全作業に実施する装置を操作する毎にその作動時間を記録する記録手段と、前記装置を操作する作業者の作業時間と、劣悪な環境中に設置される前記装置の稼働時間と、進行中の作業工程とを記録することを特徴とする。
本発明は、設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する監視操作システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に係る各情報を収納するサーバと、前記情報に基づいて前記設備の製作又は保全作業に関して3次元グラフィックスシミュレーションする演算装置を有する監視操作装置と、該監視操作装置と通信手段とを接続する外部ネット接続部とを備え、前記サーバに収納された前記情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有でき、又前記各部署間で相互伝達を行う通信手段との少なくとも一方を有することを特徴とする。
更に、本発明は、前述の監視操作システムにおいて、前記各作業を実施する各部署に設置された少なくとも1台の監視カメラを接続した映像切替え機と、該映像切替え機に接続される表示装置と、集音器と、該集音器と前記映像切替え機が接続される映像取込インターフェースと、前記表示装置が接続される表示インターフェースと、該表示インターフェースに接続されたCPUと、該CPUに接続されたデータベース処理ディスクと、前記CPUに接続されたネットワークインターフェースと、前記CPUに接続されたI/Oインターフェースと、前記CPUに接続されたモータ制御インターフェースと、これらを組み込んだ監視操作盤と、該監視操作盤に設けられた3次元グラフィックスシミュレーションのグラフィック表示を行う監視面と、前記監視操作盤の操作機器からの操作信号をシリアル又はパラレルの電気信号で前記3次元グラフィックスシミュレーションを実行するるコンピュータと、前記ネットワークインターフェースに接続される外部ネット接続部とを備えたことを特徴とする。即ち、双方向リアルタイムシミュレータと、試験要領書、試験記録等を蓄積したデータベースと装置のカメラからの映像を写す、少なくともひとつ以上のモニタと各種装置の操作を行う入力装置と、電話回線、LAN又はWANなどのネットワークから構成されることを特徴とする。本発明によれば、人間が入れない、又は人間にとって劣悪な環境で設備の製作、又は保全活動等の作業を実施するにあたって、作業を実施する多数の装置を遠隔で監視、操作することが可能であり、また、カメラで確認が困難な部位の干渉チェックや要領書・試験記録等、データを表示することができる。
又、本発明では、双方向リアルタイムシミュレータを用いて、機能試験、モックアップトレーニングで実施した実物の装置の最適動作、周辺機器との干渉回避動作などのデータを逐次、前記シミュレーション用のデータとして取り込み、このデータを利用して作業者が操作した場合の動作パターンをその都度記録し、予めプログラムされたパターンと比較して修正を加えることにより、作業者の特有の技術を学習することを特徴とする。本発明によれば、作業者の施工の特徴を取り入れて、常に適切な施工を行う事が可能である。
又、本発明では、監視操作盤を用いて、設備の保全活動を実施する環境、動作させる機械、ロボットなどをシミュレーション・システム内に正確にモデリングし、シミュレーション内の仮想機械を擬似的に制御する事により保全活動の妥当性、安全度、干渉、作業時間などを検証し、その検証結果をもって、シミュレーション・システムが計算した結果により、実際の機械、ロボットなどの制御を行う。本発明によれば、複雑な作業環境でのロボットの動作をシミュレーションし、それを実際の機械装置にフィードバックすることで、保全作業の検証を行えるため、効率よく、正確な検討を行える。
本発明では、前述の監視操作盤を、少なくとも2箇所以上の遠隔地に設置し、これらを電話回線、または、LANネットワーク、または、ワイドエリアネットワークで接続することで機械装置類の遠隔地運転、遠隔動作状態監視、遠隔教示、遠隔保守を行うことを特徴とする。
又、前述の監視操作盤において、モニタに写る映像を好ましくは2分割に、より好ましくは4分割と分割なしとに任意に切替えるものとし、作業エリアに存在するすべてのカメラからの映像を1箇所に集約し、各所の状態把握を実施することを特徴とする。
本発明は、作業エリア内の装置に集音機を取り付けることにより、作業エリアでの装置の機械音、加工音などを操作者が聴取することにより、人間が入れない場所で実施する加工等において、装置の加工音を聴取できるので、作業者にとって加工状況が把握できる。又、記録した装置の加工音を周波数分析することにより、装置の異常を検出し、緊急停止させることができる
更に、本発明は、前述の監視操作システムにおいて、前記各作業を実施する各部署に設置された前記設備の製作又は保全作業に実施する加工機械、ロボット及び監視カメラを有する現場機器を制御する制御装置と、前記設備の製作又は保全作業に関する3次元グラフィックシミュレーション・システムとを接続するシリアル信号、パラレル信号及びネットワーク手段のいずれかよりなる接続手段を有し、前記3次元グラフィックシミュレーション・システム内で動作する仮想機械の干渉をチェックすることにより前記干渉の度合いによって非常停止、通常停止及び干渉回避動作のいずれかの指令を前記制御装置に伝える通信手段と、前記非常停止、通常停止及び干渉回避のいずれかの動作を前記加工機械及びロボットに伝える通信手段を有することを特徴とする。即ち、加工機械、ロボット、監視カメラなどの現場機器と、それらを制御する制御装置と、3次元グラフィックシミュレーション・システムとを接続するシリアルまたはパラレル信号もしくはネットワーク手段から構成され、3次元グラフィックシミュレーション・システム内で動作する仮想機械の干渉チェックにて干渉を確認できるため、干渉回避動作を実際の現場機器に取らせることができる。
本発明では、シミュレーションの演算装置とそのために必要な装置、作業エリアのデータ、入出力部を備えた双方向リアルタイムシミュレータにおいて、作業者が装置を操作するごとに装置の作動時間を記録することにより、作業者の作業時間と、劣悪な環境中に設置される装置の稼働時間と、進行中の作業作業時間を管理できる。
本発明では、前述の監視操作盤と双方向リアルタイムシミュレータを用いて、設備の保全活動を実施する環境、動作させる機械、ロボットなどをシミュレーション・システム内に正確にモデリングし、監視操作盤の操作信号を機械シミュレーション・システムに取り込むことにより、シミュレーション内の仮想機械を擬似的に制御して、保全活動の妥当性、安全度、干渉、作業時間などを検証し、その検証結果をもって、シミュレーション・システムが計算した結果により、実際の機械、ロボットなどを制御する事ができる。
本発明では、前述の監視操作システムにおいて、シミュレーションの演算装置とそのために必要となる装置、作業エリアのデータ、データの入出力部を備えた双方向リアルタイムシミュレータから構成され、機能試験、モックアップトレーニングで実施した実物の装置の最適動作、周辺機器との干渉回避動作などのデータを逐次、前記シミュレーション用のデータとして取り込み、このデータを利用して作業者が操作した場合の動作パターンをその都度記録し、予めプログラムされたパターンと比較して修正を加えることにより、作業者特有の機械装置の操作技術に近づく学習が可能となる。
前述の監視操作盤と、電話回線、または、ローカルエリアネットワーク、または、ワイドエリアネットワークから構成した本装置に、遠隔地に設置した機械装置類、監視カメラと前記の監視操作盤を接続し、遠隔地において機械装置類、監視カメラ等の運転・動作状況を監視することによって、遠隔地において機械装置類、監視カメラ等の異常状態、故障状態を把握することができる。
本発明では、前述の監視操作システムにおいて、双方向リアルタイムシミュレーションを実行するコンピュータと、機器やロボット、監視カメラなどを運転する制御装置を電話回線、LAN及びWANのいずれかによって接続し、シミュレーション内の仮想機器を制御することによって得られる位置情報、速度情報、加速度情報などを制御装置に伝送することにより、制御装置に組み込まれた機器駆動部によって機器やロボットなどをシミュレーションと同期を取って運転することができる。
本発明では、前述の監視操作システムにおいて、表示装置および表示装置が接続される表示インターフェースと拡声器および拡声器が接続されるインターフェース、データベース処理ディスクとこれらが接続されているCPU装置を有し、機器の運転方法、ボタン等の操作方法、インターロック等の制御機能、双方向リアルタイムシミュレーション・システム操作の説明等を表示装置から検索し、文字、静止映像、動画のいずれかにて画面上に表示または音声にて解説するものである。
前述の監視操作盤において、前記監視操作盤と被操作対象の各種装置類のI/O、モーター制御に関するデータ転送手段を無線で行うことにより監視操作盤から無数に装置まで接続されていた配線をなくすことができるため、工事に際して、監視操作盤の設置位置を都合の良い場所にとれる。また、数十メートルに及ぶ装置と監視操作盤の間のケーブル敷設をなくすことができる。また、作業場所に設置する装置をスリム化できるため、装置の取り回しも余裕ができる。
本発明は、原子力発電プラントの製作、又は前記プラントの点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する原子力発電プラントの監視操作システムにおいて、前述の監視操作システムを備えたことを特徴とする。
以上、本発明によれば、基本設計から現地工事までの過程をリアルタイムシミュレーションで検討可能であり、さらに、各作業段階が管理統合されているため、どの作業段階においても、自在に他の作業過程での結果が参照可能である。これまで、繰り返しの検討では、何度も図面を書き直して検討していた手間が大幅に短縮可能と考えられる。また、最適な工法、図面、組立て方法、工事方法の検討が可能であるため、作業時間、作業人員、工法の開発時間、モックアップトレーニング時間などが短縮できるため、効率の良い作業を提供できる。更に、遠隔操作、モニタリングが可能なため、工事においても、少ない作業人員で効率的な作業が短期間で行える。万が一、トラブルが生じた場合にも、これまでの試験データや装置、作業エリアの図面に瞬時にアクセスし、確認できるため、短時間での対策が可能となる。
発明を実施するための最良の形態
第1図は、本発明の1つである原子炉内での点検と補修、深海での保全作業、宇宙環境での基地の建設など、安全に対する十分な防護体制が不可欠な作業や、人間が直接関与できない作業を実施する際の基本設計から現地工事までを実施する方法を実現するための全体構成図を示している。人が近づけない劣悪な状態の作業エリア2に設置した各種装置3は回線4によって監視操作盤1と接続されており、監視操作盤1はさらに遠隔地にある同等の機能を持つ監視操作盤1と電話、ローカル エリア ネットワーク(LAN)、ワールド エリア ネットワーク(WAN)等の通信手段12と接続されており、実際の作業場所から遠く離れた遠隔地13からも使用できる。監視操作盤1は、基本計画、装置設計、加工・組立、機能試験、モックアップ試験、現地工事といった基本的には6段階の設備の製作や保全工事を進めるために必要な一連の作業内容5を統合管理する盤であり、各作業を実施する各部署管で双方向のリアルタイムシミュレータを搭載することにより以下に記載する多々の機能をもつ。
その機能は、作業エリア内に設置したカメラからの映像による作業の映像監視6、作業者、装置を含めた作業全体の工程管理7、シミュレータを用いて仮想空間で行うデジタルモックアップ8、さらに、これまでの試験内容の映像シミュレーションデータやマニュアル、装置、作業エリアの寸法図面等も任意に引き出すことが可能なデータベース9の機能をもつ。また、各種装置の操作10を行うことができる。そして、監視した内容はデジタル記録11して必要な場合に、取り出してモニタ上で再生することが可能である。
第2図は、本発明の工事作業に係る全体監視システムの考え方について説明するブロック図である。原子炉内での点検、補修、又深海での保全作業、宇宙環境での基地の建設など、安全に対する十分な防護体制が不可欠な作業や、人間が直接関与できない作業は、工法の検討である基本計画から現地工事までは多少の差異はあるものの、図1で説明した6つの作業内容に分けられる。
工事の仕様を決定する基本計画S1では、工事のための作業ステップ図を立案し、シミュレーションにより、工事に必要な装置類の絞込みと、工事箇所近傍の装置類のアクセスおよび稼動エリアでの干渉検討による工事の成立性とその手順を検討する。
次の作業段階である装置設計S2では、各装置組み立て図、部品図について、装置の寸法データを入力することにより詳細図面を作成する。ここでも前記のシミュレーションを用いて装置の共用化や相互干渉について検討を行う。さらに、部品の共有化による加工の効率化や装置の保守等組立て易さを考慮した装置設計についてもシミュレーションを用いて検討を行う。
製作・組み立てのS3では、各装置部品の加工、組み立てに係る装置の詳細設計S2で製作した装置の図面をもとにしてシミュレーションにより部品製作の為の加工機、ツールの選定、装置の製作を行う。また、前段階での作業で検討した組立手順と併せてどの部品をいつ、どのように組み立てたかを管理できるので、装置のメンテナンスが容易となる。ここで蓄積されたデータは現地工事の際に利用し、部品が破損する前の取替の要否や破損した場合も、破損箇所の究明に用いるなど、利用効果が高い。
次に完成した装置を用いて機能試験S4を実施する。各装置を完成させ、テスト架台などで実際に起動させて、所定の動作テストを行う。溶接機や監視カメラなどの製作した装置が所定の動作を行うかを確認する。また、実際の装置を動かすことになる本作業段階からは双方向シミュレーションにより、リアルタイムで、装置の動きをモニタリングすることと、シミュレーション結果を用いて装置を操作することができる。
前記シミュレテーション結果はこの後のモックアップトレーニングS5や現地工事S6の際にも活用することができる。また、ここで、不具合が生じた場合は、シミュレーションで適切な動きを導き、その結果を前段階での作業の図面や動作プログラムに反映させることができる。
次の段階では完成した装置を用いてモックアップ試験S5を実施する。また、予め考え得る寸法の最大、最小値を考慮した構造物の寸法を用いて実機トレーニングの前に、デジタルモックアップトレーニングを実施する。従来モックアップ試験S5では、作業エリアの最大、最小範囲や装置間の干渉問題などを取り扱ってきたが、これをデータ上で取り扱えるため、条件を変えて繰返し実施することが容易である、そして、デジタルモックアップの結果を反映して、実機装置を用いて総合的なモックアップ試験を実施することが可能となる。
従来は、これらの作業は設計者や作業員を介して有機的に繋がっていたが、本発明においては図1の入出力データの管理20で各作業で作成したデータの管理を行い、設計者、作業員の負担を軽減することができる。
現地工事S6では、これまでのデータを生かして最適な条件で施工を行う。万が一、トラブルが発生した場合でも、これまでの試験データや図面、そして、それらを反映したシミュレーションを用いることによって効率よい対策を立てることが可能となる。これらはひとつひとつの作業段階が全体監視システムによって、同一のデータベースとして管理できるため、各作業段階において、前段階の検討内容の結果を有効に活用することができる。また、これらのデータはそのまま、データベースに蓄積し、次回の工事の検討に活用する。
上述のS1〜S6は、全体を統合・入出力データの管理20を介して、通信手段によって設備の製作又は保全作業に関して計画立案元と、前記装置の製造現場と、前記設備を有する現地との少なくとも2者間で相互伝達が行うことができるものである。
第3図は、本発明に係る監視操作盤1のハードブロック図を示す。監視操作盤1は、監視カメラ映像入力部331、工程・画像・ガイダンス処理部314、三次元グラフィクスシミュレーション処理部323の三つのモジュールから構成される。監視カメラ映像入力部331は、複数個の監視カメラが接続される映像切換器35とこの映像切換器35に接続されるTVモニタ36、37から成る。
工程・画像・ガイダンス処理部314は、マイク31と映像切換器35が接続される映像取込インターフェース310、パソコンモニタ38が接続される表示インターフェース39、データベース処理ディスク312、ネットワークインターフェース313が全てCPU311に接続されている。この工程・画像・ガイダンス処理部314において、機器の運転方法、釦等の操作方法、インターロック等の説明、三次元グラフィクスシミュレーションシステムの説明等のガイダンスを文字、静止映像、動画として、画面表示することができる。また、保全作業の全作業工程・作業手順をこの工程・画像・ガイダンス処理部314において記憶しており、現状の工程がどの段階かを把握し、次の工程内容、機器の配置をインフォメーションすることが可能であり、イレギュラーの作業が発生した場合においても、その内容を記録し、且つ、機器がどのように動作したかを記録する。その作業情報及び動作情報をこの工程・画像・ガイダンス処理部314のネットワークインターフェース313から三次元グラフィクスシミュレーション処理部323のネットワークインターフェース316を介して3次元グラフィックシミュレーション・システムに情報を伝達し、三次元グラフィクスシミュレーション処理部323のコンピュータ画面上に再現することができるとともに機器の運転開始と終了の電気信号により、機器の運転時間を工程・画像・ガイダンス処理部314は記録し、機器の整備等の保守・点検をインフォメーションする。また、作業者の介入する作業については、監視操作盤面に表示されている作業ステップ番号に対する作業開始釦と作業終了ボタンを押すことにより、作業内容毎に作業者の時間管理を行う。
この工程・画像・ガイダンス処理部314においては、パソコンモニタ318が接続される表示インターフェース319、機器データベース処理ディスク320、ネットワークインターフェース316、機器制御部325と接続するモータ制御インターフェース321、機器のI/O部329と接続するI/Oインターフェース322は全てCPU317に接続されている。この三次元グラフィクスシミュレーション処理部323において、三次元グラフィクスシミュレーションソフト及びその他の付随ソフトを起動することにより、機器の構造・寸法の検証や、現実の監視カメラ映像では、見ることのできない機器の動作状況を任意の位置からの三次元グラフィクス画像表示として表示することができる。
多種多数の機器330には、モータ326とリミットスイッチ327やソレノイドバルブ328を含む機器I/O部329が含まれる。
工程・画像・ガイダンス処理部314と三次元グラフィクスシミュレーション処理部323は、ネットワークインターフェース313とネットワークインターフェース316とで接続されており、それが更にLANまたはWAN等で外部ネットに接続されている。
カメラからの映像は、監視盤内の記録装置に映像、音声とも、記録されることとなるが、記録の際に、タイムスタンプで管理し、映像、音声、機械の動作を記録しておいて、後に、これらを再生すると、映像、音声、シミュレーションが連携しながら、再生することを可能にする。
第4図は、本発明に係る監視操作システムで使用する双方向リアルタイムシミュレーションの概略について説明する。新規に入力、または事前に入力したCADデータ42をシミュレーションに使用するためのソリッドデータ43に変換し、その後、速度や加速度の定義44をすることでシミュレーションに必要な情報としてデータベース45に蓄積する。このように、シミュレーションデータと機械装置の制御データを同一のデータベース上で管理することが可能である。このため、シミュレーション中での動作させた動きを実物の装置でも実行でき、また、実物の装置で行った動きをシミュレーション上でモニタリングすることも可能である。本データを用いてサーバ47上でシミュレーションとモニタリング400の実現、また、一方で制御プログラム49を介して操作盤から機械装置の操作401を行う事が可能である。
以下に本発明の監視操作盤を用いた方法の一実施例を説明する。ここでは、人が近づけない劣悪な条件下での作業として原子炉保全作業について説明する。
第5図は、原子炉内のICMハウジングを交換する保全工事を実施する場合の詳細を示す断面図である。ICMハウジング601は炉内の下鏡602に溶接されている管であり、切断、溶接等の装置を炉底部へ設置することとなる。装置は炉底部下側から挿入するものと、炉上部から挿入するものが存在することとなるが、下側から挿入した装置603はその駆動部分604を取付けて、そこから、図示していないが監視操作盤まで、つなぐこととなる。炉上部から挿入する装置605はガイドパイプ606をとおり、ケーブル処理装置607を用いることで、対象部位に設置される。駆動およびセンサケーブル608はケーブル処理装置607を介して、図示していないが、監視操作盤につながれている。
次に、前述した監視操作盤を用いて、ICMハウジング取替え工事を実施する場合を例にして本発明の内容を説明する。作業の概略は第2図に示したように6つに分けて考えられるので、第2図に示した6つの作業内容に従って説明する。
第6図は、基本計画を行う場合の手順を示すフローチャートである。また、初期の監視操作盤の画面イメージを第7図に示す。前記作業内容81と選択ボタン82が示してある。ここで、基本計画を選択すると第8図に示す選択画面に切り替わる。第7図の画面上で、入力のために作業内容を選択してゆく、まず、新規の工法の入力91またはデータベースから以前実施していた工法の検索を行い92、工事を実施する際の気中、水中、線量、温度等の炉内雰囲気、構造物の取替、補修等の工事内容を選定し、第6図のフローチャートでの工法の選定S71を行う。本実施例では気中での工事を例としているので、ここでは、気中環境を考えることとし、その状態での炉内の放射線量を調査、計算、推定し、条件をまとめる.各条件は、入力し、必要な際に検索して、閲覧可能なようにする。
工法の方針が決定したら、次に大まかな作業ステップを入力してゆくS72。作業ステップの内容は炉内の水の昇降、主要装置の設置、動作、撤去などである。その作業内容と順番を考慮しつつ設計者は作業ステップのフローチャートを作成する。
作業ステップの入力を終えて、フローチャートが完成すると、次に、工事を実現する為に必要な装置の寸法や形状の図面入力を行う。干渉の検討や、シミュレーションをコンピュータで行えるように本発明では三次元CADで入力するが、この作業は上述した検討が可能であればよいので、二次元CAD、または紙面であっても問題ない。
ここまでの作業を終了したときの画面のイメージを第9図に示す。作業ステップのフローチャート101と各作業での対象部位と、使用する装置の図面102が同一画面上で、観察可能である。また、画面の下方のボタン103を操作することにより、画面の操作を行う事ができる。
ここまでに作成した装置の図面データをシミュレーション可能なデータに変換し、運動機構学の定義S74を行うことにより、三次元CADを用いてのシミュレーションの準備を行う。運動機構学の定義とは、そのモデルの先端の加速度、速度、位置情報の計算をする為に必要な式を定義することである。運動機構学の定義は、この後装置の詳細設計が進むにつれて、更に詳しい定義を入力することとする。ここでは例えば対象が監視カメラであれば、装置の上下昇降と旋回は独立に行い、先端のカメラについても独立に動かすこととし、単純な定義を行うこととする。
その後、入力した作業ステップに従って、装置同士および装置と炉内構造物の干渉、手順の妥当性などの確認をシミュレータにより実施する。干渉確認は、さまざまに、視点を変えて、装置を動作させて、さらに、干渉部分は色を変えて、視覚的にも判別しやすくしてある.また、装置の炉内への投入撤収なども含めて総合的に検討を行う。ただし、装置の形状は概略である為、詳細な検討は装置の詳細設計の時点で実施する。干渉確認の一例として、監視カメラと炉内機器のひとつであるICMハウジングの干渉を第10図に示す。この段階で、例えば、干渉や、手順の抜けなどの不具合が見つかったら、その内容に応じてS77からS710のいずれかの経路にしたがって上流に戻って、再度検討を進める。
新規部分を取付ける為の溶接機、これらを監視する為の監視カメラ、溶接前後のPT装置等必要な装置と、これらを使用するための手順であるフローチャートが決定される。使用するそうちが決定し、フローチャートが出来上がると、それらをもとにして、施工図が出来上がる。フローチャートについては、モックアップトレーニング及び実機工事の説明の箇所で詳細を説明することとし、ここでは割愛する。
ここでいう施工図とは図面の入った工事の手順図であり、工事手順のフローチャートと装置の干渉等の検討結果をもとに作成される。また今後、工事の計画を進めてゆくための重要な図面である。干渉、手順の妥当性などの一連の検討が済んだ段階で、共通のデータベースに作成したデータを格納する。データベースには、図面、シミュレーション用のファイル形式とテキストとして閲覧可能な形式が存在し、装置の形状寸法は図面、フローチャートはテキスト、施工図はテキストと図面の両方から参照可能な形式として保存する。
以上で工法の検討である基本計画作業は終了となるが、ここで作成した装置の概略形状データや、干渉チェックのデータは、この作業以降でも使用することができる。
第11図は、装置設計作業のフローチャートを示すブロック図である。本作業は基本計画で作成した施工図と必要として挙げられた装置に従って、順次装置の詳細設計と図面化を行ってゆく。CAD図面の作成181は図面を初めから入力して製作するだけでなく、基本計画時に入力、製作した概略図面を元にして修正することもできる。基本計画で製作した図面はCADの形式でデータベースに格納してある為、これを呼び出して詳細な装置の図面を製作する.入力方法は通常のCADと同様に扱うことができる。また、CADの入力は、監視操作盤からネットワークで他の装置に繋いだ端末でもできるので、複数人での効率のよい図面の入力が可能である。また、ネットワークにより、遠隔地からの入力、複数部署による入力も可能である。フローチャートでは一例として2つの部署E、Fで作業を行う場合のフローを示した。
第12図は、監視操作盤の初期画面から装置設計メニューを選択した場合の画面イメージを示す。設計作業の内容は、基本的には図面の入力とシミュレーションであるが、第11図のフローチャートで示したように、図面入力は新規にCADで作成するものと、他の部署から入力されたデータを読み込む場合があり、シミュレーションは、装置同士の干渉確認、装置と炉内構造物の干渉確認、そして、前記2つの確認を基本計画で作成した作業ステップごとに確認する必要がある。また、シミュレーションに関しては組立に関するものもある。ただし、これらは入力するデータが変わるだけであるので、メニュー画面では図面入力とシミュレーションの項目、そして以前に入力したデータを検索する項目を表示させている。
上述のように本例で使用する各装置については、装置の組立て易さやメンテナンス性についても考慮の上図面を検討する必要があり、そのため、装置の動作シミュレーション184の前に、上記組立て易さやメンテナンス性についてのシミュレーション182を実施する。例えば、PTの観察装置であれば、第13図に示すように、故障の場合に保守点検の必要な駆動用モータ131、エアシリンダ132、そしてカメラを搭載するヘッド部分134などの部品を容易に交換可能な構成を検討する。
次に基本計画作業で入力した運動機構学プログラムを装置の設計詳細化に伴い、より詳細に入力する183。例えば、基本計画の際には1軸であったものを、詳細設計時に、2軸とする。この後、詳細設計した図面について、データベースに入力済み、あるいは、この時点で入力する炉内構造物と前記装置の干渉および、寸法の確認についてシミュレーションを実施する184。シミュレーション画面のイメージは、装置の寸法形状がより詳細になるが、前記、基本計画で示した第10図の図面と同様である。
この時点でのシミュレーション184の結果で干渉などの問題が生じた場合、再び図面の入力181に戻り、寸法、形状等を修正して、シミュレーション184を再度実施する。シミュレーション上では炉内構造物のデータを炉内構造物の設計図面寸法の最大、最小値など、任意に変えることが出来る。そのため、本作業段階で寸法制約条件をいくつも振ってのシミュレーションが可能である。
装置と炉内構造物の干渉チェック184に続いて周辺装置同士の干渉チェック185を実施する。前出のICMハウジングと監視カメラの干渉を示した図10において、ICMハウジング部分が監視カメラや溶接機に置換わることとなる。狭隘な炉内で目的の作業を行う必要があるため、各装置は特有な動作を行う。したがって装置同士が相互に干渉しない状態で、目的の作業を実施できる条件をシミュレートする必要がある。複数の装置を設置した状態で、各作業ステップごとにシミュレーション186を実施して、干渉等が生じれば、入力に戻り、使用する装置類の設計を検討する必要がある。
従来は、他部署で製作した図面については、紙面に作成された図面又はCADデータをもちよることで本作業を実施していたが、本発明の1つである共有データをもつことで、任意の作業段階でデータを参照可能としたため、部署Eで設計した装置の図面は部署Fでも参照可能であり、また、その逆も可能である。第11図の184a、184bのように他部署で作成した図面を参照し、干渉チェックを実施することができる。このように別々の部署で相互にチェック可能であるため、図面の精度の信頼性が向上する。
第11図で示したように、複数装置を用いて装置を組み合わせたときのシミュレーション185、各作業ステップを通じてのシミュレーション186を行い、全作業を通じての装置の共用化、手順やコストなどの最適化を行ってゆく。例えば、ペデスタルから挿入する監視カメラやハウジングの固定装置は駆動部を共用化することで軽量化やコストダウンを図っている。また、駆動部を作業ステップごとに適切な手順で取り付けることで作業時間の短縮も図ることができる。
ここでも干渉等の問題が生じると、図面入力181に戻って再度装置の寸法、形状の検討を繰り返す。これらの十分な検討の結果、組立図面を完成させて、部品図への展開を行い187、組立図に続いて各装置の部品図も製作する。
部品図の製作の際には、他部署で製作している装置も含めて部品レベルでの検討を行い、今度は部品の共用化について、その製作まで含めた検討を行う、この時点でも図面入力181までの再検討を行い、最適化を図る。その後、検討が十分に完了した段階でデータベースに各装置の製作図面を格納する189。
このとき検討を行った干渉等のデータについても保存しておいて、後のチェック等を行えるようにする。本フローでは、例として2つの離れた部署で設計を実施する場合を取り上げたが、工事の規模が大きくなるとさらに、部署が増えることとなり、従来の方式で基本計画から工事まで含めた作業の中で、様々なチェックを行うことは容易ではなく、本発明である、各作業段階におけるデータの共用方式がますます有効となる。
第14図は、装置製作の手順を示すフローチャートである。前段の作業での装置設計にて、まず、部品の形状・仕上がり寸法を入力S211する。これは、装置の設計で製作した各装置の部品図のデータをそのまま、使用できる。その後、部品を加工する加工機、先端のツールを選択し、この後のシミュレーションS213で、部品を加工する為の最適な加工機やツールの検討を行う。この検討はひとつの部署だけでなく、設計、加工を行っている複数のすべての部署を含めた検討を行う。その結果から、共通部品をどの部署に割り振るのか、また、各部署で備えている加工機により工程や仕上がりなどの条件を考慮した場合、最適な部品の割り振りと工程をシミュレーションできる。
このとき、仕上げ寸法のほかに、もうひとつの入力として、前作業で実施した装置の組立のシミュレーション182の結果を用いる。前の作業では、組立て易さ、メンテナンスしやすさに対して組立て順序を検討してあるので、この結果を用いて加工の手順や工程について検討することとする。
以上の結果から、加工と組立の最適解をシミュレートして、効率の良い組合せを選定する。その後、データベースに登録し、これをもとにして加工、組立てを実施する。このように組立て手順まで管理することにより、各装置において、どの部品をどんな手順で組み込んだのか、明白となるため、部品の寿命管理や破損時の原因究明等部品の管理が行える。
第15図に加工・組立の作業を選択したときのモニターイメージを示す。メニューからは加工形状の入力とシミュレーション224を選択できる。加工形状は、前段階で実施した各装置図面の部品図データをそのまま使用することができる。例えば、溶接装置であれば、第16図のように組立図面と部品図をデータベースから読み出せるので、このデータを加工部品のデータとして用いることができる。
第16図は、加工のシミュレーションにおける加工機およびツールの選択画面のイメージを示す。一例としてここでは溶接機の場合を示す。画面の中央に溶接機241が構成部品を確認できる状態で示されている。ここで、部品表243の中から任意の部品を選び指定すると、画面に溶接機と並んで指定した部品が表示される。作業者はこの画面上で部品形状を逐一確認しながら、使用する加工機の名称を表中に入力してゆく。例えば、No.1の部品はAのフライス盤、No.2の部品はBの旋盤というように入力する。すべて入力し終えた後、メニューからシミュレーションを選択して、これを実行する。
装置の製作を行っている各部署から前記の各部品に対する加工機、ツールのデータを入力して加工のシミュレーションを行うことにより、ひとつの部署だけに対する加工の検討でなく、すべての関連部署を考えた加工の検討が可能となる。このようにすることで、装置の共通部品を1箇所で集中的に製作することや、工程等による加工部署を調整することが可能となる。
加工部品だけでなく購入品についても、同様に、装置間の共通できるものということで、検討を進めてゆくと複数部署間で購入している共通品が見えてくる。例えばモーターやエアーシリンダ、リミットスイッチなどは、装置間で共通仕様となるものが発生する。その場合、部品の耐放射線性や、原子炉内で使用可能か否かの検討内容が、部品を共通にした分低減できるため、費用と時間を節約できる。また、共通品であるので、予備品としても融通性が高くなる。
上記までの過程により、今回原子炉内保全作業の一例として取り上げた原子炉内ICMハウジング取替え工事に使用する各装置の検討と製作が完了する。ここまでの作業で準備した装置について、次に各装置の単体ごとの機能試験を実施する。
今回例としたICMハウジング取替え工事では、大小併せると約70種類におよぶ装置が必要であるが、ここではその中のひとつの例として炉内の中性子計測管であるICMハウジングを炉底部の下鏡に溶接する際に使用する溶接機の機能試験について記載する。
第17図には機能試験作業を選択した場合の作業フロー図を示す。組立・加工の手順が終了することにより工事に必要な装置が一通り完成して、揃うこととなる。機能試験では一般的に、これらの装置を用いて試験架台などで動作確認を行っている。実機装置で試験を実施する前に、まず、シミュレーション253を実施して装置がプログラムどおりに動作するかの確認を行う。この確認により、正常に動作しない場合はプログラムの修正等を実施する。次に実機装置を実際に動かして機能試験254を実施する。実機装置の操作は操作監視盤から実施する。
第18図は、溶接機の機能試験の概略を示す斜視図である。溶接機191を試験架台192に設置し、操作監視盤から作業者が溶接機を操作する。この段階で、また、第4図で示した双方向のシミュレーションによって、溶接機の動作を、逆にシミュレータに取込み、取込んだデータから実機装置の動作をシミュレーション上にCAD図面を用いて再現させることが可能である。監視操作盤から操作したときの溶接機の動作、溶接機が動作したときにリアルタイムでモニタリングしたデータはシミュレーション用のデータ形式としてすべてデータベースに蓄積される258。
シミュレーション256の段階で例えば、干渉などの問題が生じた場合、周囲装置や炉内の構造物との問題が発生した場合は、装置の詳細設計に戻って設計変更の必要259もある。
第19図には機能試験を選択した際の画面イメージを示す。装置の機能試験ではシミュレーション、および、モニタリングが選択可能である。第20図にはシミュレーションおよびモニタリングの画面を示す。上方のボタン271、272でシミュレーションとモニタリングの画面は切替えられる。画面の構成内容は両者同じであり、視認したい部分をアップしたり、視認方向を変更することが可能である。図中の例では、監視カメラの設置状態を示している。
装置本体の273a、bは上下昇降、左右方向の旋回可能であり、本体273a、bにつながっているアーム274a、bは半径方向へ伸張可能である。このアーム274bの先には監視カメラがまた、炉底部は狭隘部分でCRDハウジング275が林立しており、干渉要因が非常に多いため、本発明品が有効である。
第21図は、モックアップ試験の手順を示すフローチャート図である。一般的にモックアップ試験はこれまで、製作した装置類を用いて実施してきたが、今回はその作業に先立ち、装置設計の段階で入力した各装置の図面と運動機構学の定義を実施して、シミュレーションを用いたデジタルモックアップトレーニング281を実施する。デジタルモックアップトレーニングでは、各装置同士および各装置と炉内構造物との干渉について確認するほか、炉内構造物の出来上がり寸法の最大、最小についても装置との干渉等の確認を行う。
第22図に示すようにCRDスタブは炉底部の下鏡に溶接されているので、CRDスタブの間隔は公差を持つことになる。そのため、最小寸法で出来上がっていると、その間に装置を設置する場合、隣接装置との干渉条件は厳しくなる。そのため従来は、モックアップの設備の寸法を数とおり準備して検討を行っていたが、このように寸法の調整が容易にできることがデジタルモックアップの利点でもある。また、作業者に工事の概略を教示するのにも平面的な図面を使用するよりも三次元の図面で、立体的に見せたほうが理解を得られやすい。
ここで、ほかにも現地工事で起こり得ると考えられる事象、例えば炉内構造物の寸法や製作精度の図面との差異についてひととおりデジタルモックアップトレーニングを行う。デジタルモックアップトレーニング中に問題点が生じた場合も、設計、運動機構学定義についてやはり再検討する。
また、溶接機のように、全自動ではなく、熟練した作業者が微妙な調整を実施しながら装置を作動させるような場合は、デジタルモックアップで、様々な状況を設定して、シミュレーション上で溶接作業を行い、そのときの動作データを逐一取込むことで、実機装置の動作に熟練作業者の手法を反映させることができる。
デジタルモックアップで装置同士、装置と炉内構造物の干渉の検討がひととおり済んだ後は、準備した装置を用いてモックアップトレーニングを実施する283。従来は、炉内寸法、装置の干渉などの検討項目をすべてこの段階で実施してきたが、ここでは、シミュレーション結果のうちから代表的な炉内寸法の場合や、シミュレーションにより、それまで想定していなかった装置の状態での試験が必要となった場合に対して装置を用いたモックアップトレーニングを行う。このようなデジタルモックアップの活用により、装置の開発期間や、費用を低減することができる。
第23図は、初期のメニュー画面から、モックアップ/実機工事を選択した場合の画面のイメージ図を示す。図に示した画面上のメニューはすべて、準備した装置を使用するための内容となっている。
以下、その内容について、これまでも本文中で引例として記載してきた中性子計測配管の取替え工事を例に監視操作盤の操作内容について説明する。
第24図は、ICMハウジング取替え工事に係わるフローチャート図である。先ず、ステップS121において図示していないが、RPV内に取付けられているドライヤ、セパレータ等の炉内機器を取り外し、RPV内より搬出して所定の場所に保管し、RPV上方より底部へのアクセスを可能とする。
次に、ステップS122において、図示していないが、炉水位をRPVフランジ面直下まで下げて、ガイドパイプ、取付け治具、ケーブル処理装置および遮蔽体を設置した後、ステップS123において、RPV内部の炉水をすべてドレンする。
続いて、ステップS124において、RPV(図示せず)下方よりICMハウジング内に加工機を挿入し、ICM案内管を内面より切断する。ここで、加工機を操作するためには、第23図に示したメニュー画面から装置操作の項目を選択して、監視操作盤から操作する必要がある。また、炉内の状況を観察する為の監視カメラを炉内に設置し、任意の箇所の炉内の映像を見るために、やはり、メニューから装置操作を円選択して監視カメラを操作する必要がある。タッチパネルを兼ねたモニタに一例として、監視カメラの操作盤を表示させた場合を第25図に示す。装置の動作状況から、炉内に投入している時間321と、作業を行うために稼動している時間322を取得して、画面に表示させる。監視カメラの操作を行う為に、装置の旋回させる方向と、カメラ部分を前進、後退させるための操作ボタン323とズームの操作ボタン324を備えている。また、画面の操作用のボタン326を表示してある。このようにして、装置を操作して、作業を進めてゆく。第26図はICM案内管152を切断した状態を示す。
続いて同ステップにおいて、RPV下方よりICMハウジング157内に加工機を挿入し、J溶接部153の上端のICMハウジングを内面より、切断する。加工機のほかに炉内へは切断後のICMハウジングを保持する保持具や、炉内の状況を監視する監視カメラ、などが、設置してある。そのため、このとき、切断した上方のICMハウジング157aは周囲のCRDハウジングにICMハウジング保持具を介して取付けられ、落下しないように保持される。ハウジング保持具によるハウジングのつかみ、固定作業は監視カメラを操作しながら行う複雑な作業であり、操作盤を切替えつつ、実施してゆく。(図示せず)例えば、本作業を実施する前に、第23図のメニューから、シミュレーション/モニタリングを選択して、シミュレーションを行う.この結果から、ハウジングの取り外し、炉内への取出しを周囲と干渉しないように実施することが可能となる。第27図はICMハウジングを切断した状態を示す。
次に、下方のICMハウジング157bを引き抜きして取り外すために、J溶接部153の下端部のICMハウジングに対して内面から切込み172を加工する。本作業も装置操作盤312およびモニタ311を使用して作業を実施する。以下の作業においても、装置の操作に関しては第23図で示したメニューの装置操作盤312を選択し、また、監視カメラ、装置搭載のカメラからの映像をモニタ311で観察しながら作業を進める。
ステップS145では、切断した上方のICMハウジング157aおよび下方のハウジング157bをRPV下方より強制引抜して取外し、RPV外へ搬出する。図28はICMハウジングをRPV外へ搬出した状態を示す。
続いて、ステップS146において、RPV151下方より加工機を挿入してRPV内のICM案内管159下端部の開先1518を加工する。同様にステップS148において、RPV151下方より加工機を挿入して、RPV151内の肉盛座1510のJ開先1519を加工する。
図29はICM案内管159に開先1518の加工、及びRPV内面の肉盛座1510にJ開先1519を加工した状態を示す。なお、前述の作業ステップにおいて、先に肉盛座の開先を加工したあと、ICM案内管の開先を加工することも可能である。
その後ステップS146で加工した肉盛座のJ開先面の浸透探傷検査を行う。ステップS147において、RPV151下方より開先加工した新規ICMハウジング1520を挿入してICM案内管と開先あわせを行い、新規ICMハウジング下方より内面溶接機を挿入して溶接する。
次に、RPVフランジ上面からガイドパイプ、据付治具、ケーブル処理装置を備えた遮蔽体を使用してJ溶接機を挿入し、新規ICMハウジング1520をRPV151内の肉盛座1510に溶接する。第30図は新規ICMハウジングをRPVに溶接した状態を示す断面図である。
以上をもって、ICMハウジング取替え作業は終了する。
以上の第1段階から第6段階までの手順で、作業を進めることで、実機の施工が効率よく、しかも、最少人数で実施することが可能となる。
第31図は、遠隔地で操作する場合の監視操作盤のブロック図である。例えばプラントなどの現地の作業場所に設置するローカル監視盤718と遠隔地にある遠隔監視盤714は基本的には同一の内容で構成されている。モニタ、演算装置711、715、ネットワーク制御部、ファイルウォール713、716から構成されている。これらは例えば電話回線、あるいはLAN、WANいった通信回線721で接続している。また、ローカル監視操作盤の先には各種装置の制御盤719とその先に各種装置720が接続している。また、装置の動きをローカル監視操作盤718を通じて遠隔監視操作盤714で監視することもできる。また、モニタリングも可能である。
ローカル監視操作盤718から制御装置AからNまでの数種類の装置の制御をLAN回線を通して行える。また、装置の動きをモニタリングして、監視操作盤内のモニタでCAD図面を動かすこともLAN回線を通してできる。さらに、ローカル監視操作盤718は接続している遠隔監視操作盤714から電話回線またはLANといった通信回線721を通じて操作可能でる。これにより、工場など、現地とは離れた場所で、居ながらにして、現地での装置の操作や状況の監視が可能となる。
また、前記のように遠隔操作で装置を動作させて作業をすすめたときに、例えば、装置が停止して撤収できない、また検討した装置の稼動範囲の寸法が実機では異なっていたりするなどして問題が生じた場合、従来では、膨大なファイルの中から関係資料を探し出し、問題解決方法を図面ベースで検討していた。しかし、本発明を用いることで、前段階の作業データは共通に参照可能なデータベースとなっており、さらに、実機装置の現状データ、それをもとにしたシミュレータによる検討結果も遠隔地においても、参照可能な為、遠隔地に在る他部署間においてもそれぞれのデータを参照することで、問題解決のための検討を行う事ができる。例えば、装置の製作部署、工場内の設計部署、試験等を行う実験室において、現地での装置の状況を映像、シミュレータでリアルタイムで確認することができて、それに伴う必要な装置および周囲の図面も確認できる。また、前段階で実施してきた干渉や作業手順などの検討結果についても参照、場合によっては、再検討を行い、問題解決を推進できる。
モックアップ試験、実機作業において、本発明である機械装置の緊急停止装置について以下に記載する。ICM案内管の切断装置や各種開先加工装置等の加工機については加工音を常時モニタしておいて、異常音が生じるような装置の破損の恐れがある場合は、自動的に装置を停止するシステムが要求される。緊急停止システムの一例として加工装置の異常音を検出して装置の緊急停止を行うシステムについて述べる。第3図に示したように加工装置の先端にマイクロホンを取付けると、その加工音の周波数データを監視操作盤に取り込むことができる。
第32図は、加工音を取り込んでから実際に異常を検出して緊急停止をかけるまでの手順を示すフローチャート図である。マイクロホンからデータの取込331を実施する。音波データを周波数解析332して、主成分の周波数を拾い出す。これに対して、試験等で既にサンプリングしておいた正常な加工音との比較を行い333、正常な場合と比較して周波数の大きさがどの程度変化したかを調べる。これらの比較は、通常は画面には出力しないが、異常を検出すると画面に出力して、作業者からも確認できるようにする。
画面に出力する際に、アラームも鳴動させて、作業者に注意を促す。ここで、作業者が、画面の比較図を確認して、装置を停止させれば、緊急停止システムは、ここで終了となるが、そのまま、加工装置が停止せず、異常音と正常音との格差が大きくなると、装置の駆動を監視操作盤の側で、自動停止する。これにより、装置の破損や、対象物の破損を事前に回避することができる。
また、他の一例として装置監視盤は、加工機のモータに通電する電流電圧状態を常時モニタしており、例えば、刃先の磨耗や、切込み異常などで、通常にくらべて、加工機に不可がかかり、損傷の可能性が生じた場合は、電流と電圧の状態から異常状態を検出して、緊急停止を行う。そして、加工機のみでなく、他の装置についても、同様に装置の駆動部のモニタを常時行っており、前記、駆動部のデータと、シミュレータのモニタリングによる装置の動作データを突き合わせることにより、各装置の異常診断を操作監視盤で行う事ができる。
次に、装置同士、または、装置と構造物間の干渉による衝突を事前に回避するための、干渉防止システムについて以下に説明する。例えば、装置、または装置と構造物の干渉は前述した監視操作盤で、ある程度の確認は可能であるが、作業者に負担をかけずに干渉を回避するシステムの一例について以下に記載する。
第33図は、干渉回避手順のフロー図である。作業者が装置の操作を実施341すると、干渉チェック342が開始され,操作中は常時,干渉チェックの監視が事項される。干渉チェックは予め設定した装置の各ポイントに対する周囲の干渉物、または、装置に対してそれらの距離が設定値よりも小さくなると343,画面上に警告の表示が出力され,アラームが鳴動する。作業者がこの時点で装置を操作344し,干渉回避行動をとった場合は常時実行されている干渉チェック345により、設定値より対象ポイント間の距離が大きと判断されれば,画面上の警告表示と,アラームは停止する。
ところが、警告表示及びアラームの鳴動でも干渉回避操作が実行されなかったり、または誤動作の入力が生じた場合は,装置が実際の干渉を起こす手前で停止信号346を出力し,緊急停止処置347がなされる。これにより、装置同士,もしくは装置と炉内構造物の干渉を回避することができる。
第34図は、作業時間の管理方法について説明するブロック図である。操作監視盤から装置の設置作業、及び装置を動作させる際に、装置の稼働時間を記録するものである。装置をセッティング351して、結線352し、この結線により装置が接続されたことが監視操作盤で認識される353。装置の認識後、セッティングされた装置の炉内設置時間のカウントが開始される354。その後、炉内に設置された装置を作業員が作動させる段階で装置の動作ボタンが押される355と炉内での装置の作動時間のカウントが開始される356。装置の作業が終了した時点でその都度作業者は動作の停止ボタンを押して357装置の動作を停止させる。装置の停止信号が入力された時点で装置の動作時間のカウントが終了される358。この後も装置を動作させるたびに作業者は装置の動作と停止ボタンの入力を繰り返し359、装置の稼働時間は監視操作盤に記録される。この後、装置を使った作業がすべて終了すると、装置を炉内より撤収し3510、撤収後、監視操作盤との接続を終了する3511。この時点で、装置の炉内設置時間のカウントが終了し3512、炉内に装置を設置していた時間が記録される。
また、炉内での装置の設置箇所は予め定まっているので、基本計画作業で行った炉内の線量評価のデータと突き合わせることから、装置が曝された線量の集積程度を推定することができる。前記集積線量のデータから、装置の部品、例えば、カメラなどについて、交換時期が故障する前に判定できる。
第35図は、本発明の安全に対する十分な防護体制が不可欠な作業や、人間が直接関与できない作業を実施する際の工事の基本設計から現地工事までを実施する方法の他の一例である化学プラントの重合缶内部の洗浄について示すフローチャート図である。プラントで扱う重合缶は大きさ、形状とも様々なものがあるため、はじめに、洗浄対象となる重合缶の特定361を行う。特定方法は、これまでの重合缶の稼働時間とメンテナンスの履歴を併せて検討する。また、同様の形状の重合缶で、洗浄対象になるものがあれば、装置の共用化が図れる為それらの要素も含めて検討する。
洗浄対象が特定できた後、この重合缶について洗浄の施工方法の検討362を行う。重合缶内部の配管は複雑であり、基本的には人間が侵入できる場所ではないため、遠隔操作による施工となる。先に述べたように、重合缶はその形状、大きさ、内部の配管の敷設状況が異なっている為、特定した重合缶に併せて施工方法と使用する装置の検討362、363を行う。検討には、重合缶の図面と、その履歴、そしてプラントの停止可能日程などを考慮して、施工に関するシミュレーションを行う。シミュレーションでは、装置の形状や、施工経路、施工時間などを検討する。これにより、施工図と装置の概要が見えてくる。
次に、前記施工図と装置の概要から装置の詳細図面を作成する365。前記の検討によっては、既存の装置の改良にとどまる部分も出てくることも考えられる。前記施工の検討で、装置の概要は決まってくるが、内部の配管などに合わせて、さらに、装置の寸法・形状を決定して、装置の詳細図面を製作する。このとき、重合缶内部での干渉確認や、装置のメンテナンス性、既存の部品などとの取り合いについても検討する。
製作した装置の詳細図面をもとに洗浄装置の製作366を行う。製作過程でも、前記シミュレーションを用いて加工に適した機械やツールの検討を行い製作を進める。
装置が完成するとその装置を用いて、試験架台において機能試験を行う367。ここでは、装置が仕様通りに動くか、双方向シミュレーションを用いたモニタリングとの調整などについて確認を行い、不具合点については、前段階に戻り修正を行う。
その後、完成した装置を用いてモックアップ試験の実施369に入る。対象となる重合缶の規模などにより、モックアップ試験の内容は異なるが、まず、双方向シミュレータを用いてデジタルモックアップを実施する。すでに述べてあるように、シミュレーション上の仮想の重合缶内部で、洗浄を実施する。この作業によって、最終的に干渉確認や、手順の確認、さらに、熟練の作業者にしかできない操作については、その操作を装置に学習させる。その後、洗浄対象となる重合缶の規模がちいさく、単純な内部の構造であれば、実機工事に臨むことも考えられるが、そうでない場合は、装置を用いてモックアップ試験を実施する。デジタルモックアップで一通りの内容は試験実施できているので、ここでは、どうしても必要な内容について検討する。
以上の作業をおこなった後、実際の重合缶の洗浄369に臨むこととなる。内容は原子炉内部での取替え工事とは異なるが、作業と作業の進め方は、本発明の内容を適用することで、効率の良い作業を行う事ができる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、各作業段階における検討の手間を簡略化すると共に、各作業段階での検討を全て統合管理することで、各作業の結果を複数部署間で有効に利用可能にし、また、遠隔地においても工事のモニタリング及び施工を可能とする設備の製作又は保全作業の支援システム及びそれらの監視操作システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1つである人間が直接関与できない作業を実施する際の基本設計から現地工事までを実施する方法を実現するための概要、第2図は工事作業の全体監視システムの考え方、第3図は監視操作盤のハードブロック図、第4図は監視操作システムで使用するリアルタイムシミュレーションの概略、第5図は原子炉内保全工事を実施する際の本発明方法を利用する場合の対象部位、第6図は基本計画を行う場合の手順のフローチャート、第7図は初期の監視操作盤の画面イメージ、第8図は基本計画を選択下場合の選択画面、第9図は基本計画作業終了時の施工図と作業フローのイメージ、第10図は監視カメラとICMハウジングの干渉図、第11図は装置設計作業のフローチャート、第12図は監視操作盤の装置設計メニューを選択後の画面イメージ、第13図はPT観察装置の保守部品概略図面、第14図は装置製作の手順のフローチャート、第15図は加工・組立の作業を選択したときの画面イメージ、第16図は加工のシミュレーションにおける加工機およびツールの選択画面、第17図は機能試験作業を選択した場合の作業フローチャート、第18図は溶接機の機能試験の概略、第19図は機能試験を選択した際の画面イメージ、第20図はシミュレーションおよびモニタリングの画面、第21図はモックアップ試験の手順のフローチャート、第22図はCRDスタブチューブとは炉底部下鏡、第23図はモックアップ/実機工事を選択した場合の画面のイメージ、第24図はICMハウジング取替え工事に係わるフローチャート、第25図は監視カメラの操作盤表示、第26図はICM案内管152を切断した状態、第27図はICMハウジングを切断した状態、第28図はICMハウジングをRPV外へ搬出した状態、第29図はICM案内管開先の加工、およびRPV内面の肉盛座J開先を加工した状態、第30図は新規ICMハウジングをRPVに溶接した状態、第31図は遠隔地で操作する場合の監視盤のブロック図、第32図は加工音の取り込みから異常を検出して緊急停止をかけるまでの手順、第33図は干渉回避手順のフローチャート、第34図は作業時間の管理方法、及び第35図は化学プラント重合缶内部の洗浄のフローチャートである。
本発明は、原子炉の炉内、化学プラント内、廃棄物処理場、下水道、宇宙空間、深海など、人間が入れない又は人間にとって劣悪な環境すべての技術分野における設備の製作又は保全作業を実施するに当たり、それらに適した条件での作業を行う新規な設備の製作又はその保全作業の支援システム及び監視操作システムに関する。
背景技術
従来の原子炉内、化学プラント、廃棄物処理場、深海、宇宙空間での作業のように人間が直接関与できない劣悪な環境下での設備の製作、および設備の点検、補修、取替え工事等の保全活動については、その工事の工法の検討である基本計画から実機設備の製作又は保全活動の段階までは例えば次に示すような手順で実施していた。ここでは、一例として原子炉内の保全作業について述べる。
第1に、工法の検討である基本計画として、作業雰囲気、作業手順、装置の投入方法、投入装置の種類、投入位置など、様々な条件を組合せて、設計者が机上検討を行う。作業雰囲気とは温度、放射線量、水深、水中、気中などの炉内の状態のことであり、これにより、装置の仕様、作業手順、工程などが変わってくる。
この段階では装置も概念的な状態であり、図面検討を繰返すことで、作業手順と必要な装置を考慮した工法案を作成する。ただし、保全作業を行うプラントの炉内寸法においては、図面から必要な箇所の寸法を標準値だけでなく、実機で想定される最大、最小寸法についても割り出す必要があり、設計者は上記条件、炉内寸法、装置の寸法、動作範囲、軸数をパラメータとしていじりながら、基本計画を練り上げてゆく。こうして出来上がった工法案から、作業手順図と作業手順表、そして、作業に必要な装置リストを作成していた。
第2に、作成した作業手順図と装置リストをもとに各種装置の詳細設計を行う。この作業過程において、装置間の干渉、作業エリア内の機器との干渉と装置の共用化を検討し最適化を図る必要があるため、本作業においても設計者が図面による机上検討を繰返すこととなる。本例のような原子炉の保全作業では、炉内に作業員が入って作業することが不可能なので、個々の作業を行うために、複数の装置を使用する。これらの多種多様な装置を炉内の狭いエリアに設置し、各作業ステップにおいて、装置同士、また、装置と炉内の構造物が干渉しない寸法を計算、または、作図によって検討し設計してゆく必要がある。装置は炉内で静止しているものではなく、作動するものであり、これら炉内に設置した装置の位置、種類、設定員数が変わるため、上記の設計作業は非常に時間のかかるものであった。そのため、通常は数箇所の部署(例えば部署E、部署F、・・・等)に分かれて同時に進めていた。また、装置の詳細設計作業を進めてゆく過程で工法の見直しや、それに伴う装置の設計変更も生じるため、基本計画と詳細設計は決定するまでに何度も繰返されることとなる。詳細設計作業の成果として各種装置の組立て図面および展開した部品図が作成される。
第3に、前段階の作業で作成された装置の図面をもとにして、材料からの部品の加工と装置の組立、調整作業となる。これらの装置は量産品ではないため、材料の寸法取り、加工の手順、組立の手順などは最適化することが困難である。そのため、加工の順番待ちの部品が生じる、組立手順の誤りなどで無駄時間が増えるなど、製作工程に無駄が生じていた。
第4に、製作した装置を用いて、装置単体の機能試験を実施し、所定の機能が得られているかどうかを確認する。装置の動作範囲と、検査、加工などの基本性能の確認、及びその設定条件を試験により決定する。この結果で、機能を満足しなかった箇所に付いては、新たに設計しなおし、再試験となる。
上記、機能試験まで、各部署に分かれて実施していた装置の設計、製作はその後、完成した装置をそろえて、別の1つの部署でモックアップ試験としてまとめて実施される。ここで、装置間の干渉確認、作業エリア内機器との干渉確認、作業エリアの寸法の最大、最小について確認を行う。そして、このモックアップ試験の結果得られた試験データをもとに装置の改良、工法の改良を行い、再確認して、実機工事に臨むこととなる。モックアップ試験で得られた試験データは、要領書あるいは工事のトレーニング用ビデオ等にまとめられて、作業者に手渡される。
実機工事は特許公報2544074にその一例が掲載されているが、人間が直接関与できない状態での工事であるため、炉内に投入する装置類は監視カメラを用いて、遠隔操作で設定していた。炉内は干渉物が多数存在し、設置位置の精度も要求されるため、これらの作業は難しく、熟練した技術者でないと操作ができなかった。また、設定した幾つもの装置群を手順通りに動かすには、モックアップトレーニングや機能試験で得られたデータの活用が必要であり、そのための手順書や要領書は膨大な量とならざるを得なかった。作業自体は要領書にしたがって進められるが、作業の進捗をひとつひとつ確認する必要があり、作業はそれを行う作業者の技量に頼らなければならなかった。
一方、上述の膨大な作業量を効率良く行うために様々な試みが行われている。例えば、上記の作業手順の中で、装置の詳細設計から加工・組立てに対しては、バーチャルファクトリの技術により、工程計画、生産管理に3次元CADで作成した設計データを用いて干渉などのシミュレーションを実施し、その結果を反映して、設計から製造の過程を効率よく行おうとするデジタル工場(日経デジタル エンジニアリング 2000.9 P.77)が考案されている。
また、上述の機能試験からモックアップ試験まで、原子力施設内の機器の動作をコンピュータ上でシミュレーションし、実験設備の補修作業計画に適用している例(日経デジタル エンジニアリング 1998.5 P.)も考案されている。
また、現場と工場を結んで、工場から現場作業を監視することで作業人員の低減を狙った遠隔モニタリング技術においては、各社からカメラの雲台を制御して任意の箇所をモニタするシステムが製品化されており、(一例として、長野日本無線:画像伝送システム)有線、無線と様々なものが考案されている。
また、遠隔操作技術では、宇宙ロボットのマスタースレーブアームが代表的であり、広く研究されている。
従来、人間が直接関与できない劣悪な環境下での設備の製作、および設備の点検、補修、取替え工事等の保全活動について、工法の検討から実機作業までの過程は、多岐の部署にまたがって各作業を実施していた。しかし、この状態では各作業の検討結果が共用できず、無駄作業が多くなっていた。又、従来工法の検討から実機作業までの過程は、1つの作業での検討が膨大になり、設計製作する装置の数も十数種類を超えるため、多岐の部署にまたがって各作業を実施していた。
特開平9−16550号公報,特開平9−81608号公報には、CADデータと、組み立てデータと、保守データから模擬作業を行い、最適な組み立て、保守データを取り込み、最適な設計データを作成することが示されている。
従来の方法では、工法の検討から実機作業までの過程は、前述したように例えば、基本計画は部署Aが実施、装置設計および加工、製作と装置の機能試験は別の部署E、F等が実施、その後、前記装置設計、加工・組み立て、装置の単体の機能試験を統合して部署Aでまとめて、実際の工事はまた、別の部署X、Yでモックアップ、実機工事を実施するという形態が多くとられている。これは、前述したように、1つの作業での検討が膨大になり、また、設計製作する装置の数も十数種類を超えるため、これらの作業を短時間で行うために必要である。しかし、この方法では、各作業段階での成果、および情報が個々に分断された状態であり、特に、基本計画から装置の加工、組立までの段階では、調整と、繰り返しの検討の業務が膨大となっていた。
モックアップ試験、実機工事については、設計製作とは別の部署が担当することとなり、それまでの設計・製作過程の情報を効率良く伝達することが困難であった。また、実際の装置を使用しての試験で生じた不具合をもとに再設計、再検討する際には、上流側の検討を積み上げ直し、不整合性が生じないようにする必要があり、容易ではなかった。
また、従来の方法を実施する際に生じる膨大な作業量を効率化するための上述した様々な技術についても各作業での効率化を狙ってはいるが、作業全体を考えてはいない。
また、現場作業の効率化を狙った技術についても、上述の遠隔モニタリングは、監視装置の操作と、多数のカメラの同時制御により必要な画面を連続で監視してゆくものであるが、映像のみであり、機械装置の動作そのものを監視するものではない。
上述の遠隔操作については、マスタースレイブアームの現在主流のものは、力制御により操作感が作業者にフィードバックされるものであるが、その動作は伝送遅れのために操作性を却って悪化させる現象もおきており、研究が進められている状態であり、高い信頼性を要する本課題の場合には向かないと考えられる。
又、上述の方法では、各作業段階での成果、および情報が個々に分断された状態であり、特に、基本計画から装置の加工、組立までの段階では、調整と、繰り返しの検討の業務が膨大となっていた。また、モックアップ試験、実機工事については、設計製作とは別の部署が担当することとなり、それまでの設計・製作過程の情報を効率良く伝達することが困難であった。また、実際の装置を使用しての試験で生じた不具合をもとに再設計、再検討する際には、上流側の検討を積み上げ直し、不整合性が生じないようにする必要があり、容易ではなかった。
又、上述の公開公報には、複数部署間における相互の関係について示されていない。
発明の開示
本発明の目的は、各作業段階における検討の手間を簡略化すると共に、各作業段階での検討を全て統合管理することで、各作業の結果を複数部署間で有効に利用可能にし、また、遠隔地においても工事のモニタリング及び施工を可能とする設備の製作又は保全作業の支援システム及びそれらの監視操作システムを提供するにある。
本発明は、設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に関係する各情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有すること、及び通信手段を介して前記各部署間で相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とし、好ましくは計画立案元と、前記設備の製作又は保全作業に実施する装置の製造現場と、前記設備を有する現地との少なくとも2者間で互いに共有すること、及び電話回線、LAN(ローカル エリア ネットワーク)、WAN(ワイド エリア ネットワーク)、インターネット等の通信手段を介して前記少なくとも2者間で前記情報の相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする。製造現場として、1社又は複数社との間、1社又は複数社の中での複数部署の間に対しても前述の情報の共有と相互伝達の少なくとも一方を行うものである。
より具体的には、本発明は、設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業の実施項目に関する各情報と、前記設備の製作又は保全作業に実施する装置の製作、機能試験及びモックアップ試験に関する情報とを、前述と同様に互いに共有すること、及び前述と同様に相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする。
即ち、本発明は、設備の製作又はその保全活動における各作業ステップで作成した作業手順、図面、加工・組立て手順、及び、機能試験で実施した装置の動作結果、モックアップ試験で実施した装置の動作結果、実機作業時の工程、作業者の作業時間、装置の稼働時間等のデータを、前述のように共有して取り扱い、データの授受を行うようにしたものである。
本発明においては、人間が入れない、又は人間にとって劣悪な環境で設備の製作、又は保全活動等の作業を実施するにあたって、設備の製作又はその保全活動等の基本計画、設備の製作又はその保全活動等に使用する装置の詳細設計、前記装置の加工・製作、製作した前記装置の機能試験、前記装置を使用したモックアップトレーニング、そして、実機設備の製作、または保全作業、といった一連の作業において、任意に、データおよび、作業成果の相互伝達と、これらをもとにした再検討を効率的に行うことができるので、全体の作業時間を減らすことができる。
本発明では、前記設備の製作作業又は保全作業における作業エリアの寸法データと前記装置の寸法形状とを用いて前記装置の作業エリアでの干渉性、前記装置のアクセス性及び工法としての成立性のシミュレーションを行う第1のステップと、前記装置の詳細寸法を入力してCADによる詳細設計を行う第2のステップと、前記装置の加工と組立て手順のシミュレーションを行う第3のステップと、製作した前記装置の機能試験を実施しその結果を前記第1ステップのシミュレーションに反映して前記装置に適した動作パターンを見つけ出す第4のステップと、前記第1〜第4のシミュレーション結果及び前記装置の動作パターンからデジタルモックアップトレーニングを行いその結果を反映して前記モックアップ試験を行い前記装置の動作と形状を決定する第5のステップの第1〜第5又は、前記設備の製作作業又は保全作業における作業エリアの寸法データと前記装置のアウトラインデータとを入力して工法のシミュレーションを行う第1のステップと、前記装置の動作パターンを取り込んでデジタルモックアップトレーニングを行いその結果を前記モックアップ試験に反映し各装置の動作と形状とを決定する第2のステップと、前記第1及び第2のステップで得た結果に基づいて工事を行う第3のステップの第1〜第3の各作業ステップで、双方向リアルタイムシミュレータを用いて最適解を検討し、さらに、各作業過程で生成されたデータを共有し、管理することにより、作業成果の相互伝達と、これらをもとにした再検討を効率的に行うことができる。
本発明では、双方向リアルタイムシミュレータを用いて、シミュレーションの中での仮想的な作業エリア上で装置の動作や干渉、解体性を確認することでその作業の成立性や作業手順を評価することにより、繰り返しの検討を短時間で行えるため、作業の基本計画の検討を効率よく行うことができる。
又、本発明では、双方向リアルタイムシミュレータを用いて、シミュレーションの中での仮想的な作業エリア上で、組立て手順、装置の一部を変更改造したときの干渉チェック、解体手順をシミュレーションして、最適な組立て、解体手順を見出すことを特徴とする装置の組立て手順を検討することにより、繰り返しの検討を短時間で行えるため、作業の基本計画の検討を効率よく行うことができる。
本発明は、前述の支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に関して3次元グラフィックスシミュレーションする演算装置と、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で双方向リアルタイムシミュレーションを実行するコンピュータと、作業者が前記設備の製作又は保全作業に実施する装置を操作する毎にその作動時間を記録する記録手段と、前記装置を操作する作業者の作業時間と、劣悪な環境中に設置される前記装置の稼働時間と、進行中の作業工程とを記録することを特徴とする。
本発明は、設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する監視操作システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に係る各情報を収納するサーバと、前記情報に基づいて前記設備の製作又は保全作業に関して3次元グラフィックスシミュレーションする演算装置を有する監視操作装置と、該監視操作装置と通信手段とを接続する外部ネット接続部とを備え、前記サーバに収納された前記情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有でき、又前記各部署間で相互伝達を行う通信手段との少なくとも一方を有することを特徴とする。
更に、本発明は、前述の監視操作システムにおいて、前記各作業を実施する各部署に設置された少なくとも1台の監視カメラを接続した映像切替え機と、該映像切替え機に接続される表示装置と、集音器と、該集音器と前記映像切替え機が接続される映像取込インターフェースと、前記表示装置が接続される表示インターフェースと、該表示インターフェースに接続されたCPUと、該CPUに接続されたデータベース処理ディスクと、前記CPUに接続されたネットワークインターフェースと、前記CPUに接続されたI/Oインターフェースと、前記CPUに接続されたモータ制御インターフェースと、これらを組み込んだ監視操作盤と、該監視操作盤に設けられた3次元グラフィックスシミュレーションのグラフィック表示を行う監視面と、前記監視操作盤の操作機器からの操作信号をシリアル又はパラレルの電気信号で前記3次元グラフィックスシミュレーションを実行するるコンピュータと、前記ネットワークインターフェースに接続される外部ネット接続部とを備えたことを特徴とする。即ち、双方向リアルタイムシミュレータと、試験要領書、試験記録等を蓄積したデータベースと装置のカメラからの映像を写す、少なくともひとつ以上のモニタと各種装置の操作を行う入力装置と、電話回線、LAN又はWANなどのネットワークから構成されることを特徴とする。本発明によれば、人間が入れない、又は人間にとって劣悪な環境で設備の製作、又は保全活動等の作業を実施するにあたって、作業を実施する多数の装置を遠隔で監視、操作することが可能であり、また、カメラで確認が困難な部位の干渉チェックや要領書・試験記録等、データを表示することができる。
又、本発明では、双方向リアルタイムシミュレータを用いて、機能試験、モックアップトレーニングで実施した実物の装置の最適動作、周辺機器との干渉回避動作などのデータを逐次、前記シミュレーション用のデータとして取り込み、このデータを利用して作業者が操作した場合の動作パターンをその都度記録し、予めプログラムされたパターンと比較して修正を加えることにより、作業者の特有の技術を学習することを特徴とする。本発明によれば、作業者の施工の特徴を取り入れて、常に適切な施工を行う事が可能である。
又、本発明では、監視操作盤を用いて、設備の保全活動を実施する環境、動作させる機械、ロボットなどをシミュレーション・システム内に正確にモデリングし、シミュレーション内の仮想機械を擬似的に制御する事により保全活動の妥当性、安全度、干渉、作業時間などを検証し、その検証結果をもって、シミュレーション・システムが計算した結果により、実際の機械、ロボットなどの制御を行う。本発明によれば、複雑な作業環境でのロボットの動作をシミュレーションし、それを実際の機械装置にフィードバックすることで、保全作業の検証を行えるため、効率よく、正確な検討を行える。
本発明では、前述の監視操作盤を、少なくとも2箇所以上の遠隔地に設置し、これらを電話回線、または、LANネットワーク、または、ワイドエリアネットワークで接続することで機械装置類の遠隔地運転、遠隔動作状態監視、遠隔教示、遠隔保守を行うことを特徴とする。
又、前述の監視操作盤において、モニタに写る映像を好ましくは2分割に、より好ましくは4分割と分割なしとに任意に切替えるものとし、作業エリアに存在するすべてのカメラからの映像を1箇所に集約し、各所の状態把握を実施することを特徴とする。
本発明は、作業エリア内の装置に集音機を取り付けることにより、作業エリアでの装置の機械音、加工音などを操作者が聴取することにより、人間が入れない場所で実施する加工等において、装置の加工音を聴取できるので、作業者にとって加工状況が把握できる。又、記録した装置の加工音を周波数分析することにより、装置の異常を検出し、緊急停止させることができる
更に、本発明は、前述の監視操作システムにおいて、前記各作業を実施する各部署に設置された前記設備の製作又は保全作業に実施する加工機械、ロボット及び監視カメラを有する現場機器を制御する制御装置と、前記設備の製作又は保全作業に関する3次元グラフィックシミュレーション・システムとを接続するシリアル信号、パラレル信号及びネットワーク手段のいずれかよりなる接続手段を有し、前記3次元グラフィックシミュレーション・システム内で動作する仮想機械の干渉をチェックすることにより前記干渉の度合いによって非常停止、通常停止及び干渉回避動作のいずれかの指令を前記制御装置に伝える通信手段と、前記非常停止、通常停止及び干渉回避のいずれかの動作を前記加工機械及びロボットに伝える通信手段を有することを特徴とする。即ち、加工機械、ロボット、監視カメラなどの現場機器と、それらを制御する制御装置と、3次元グラフィックシミュレーション・システムとを接続するシリアルまたはパラレル信号もしくはネットワーク手段から構成され、3次元グラフィックシミュレーション・システム内で動作する仮想機械の干渉チェックにて干渉を確認できるため、干渉回避動作を実際の現場機器に取らせることができる。
本発明では、シミュレーションの演算装置とそのために必要な装置、作業エリアのデータ、入出力部を備えた双方向リアルタイムシミュレータにおいて、作業者が装置を操作するごとに装置の作動時間を記録することにより、作業者の作業時間と、劣悪な環境中に設置される装置の稼働時間と、進行中の作業作業時間を管理できる。
本発明では、前述の監視操作盤と双方向リアルタイムシミュレータを用いて、設備の保全活動を実施する環境、動作させる機械、ロボットなどをシミュレーション・システム内に正確にモデリングし、監視操作盤の操作信号を機械シミュレーション・システムに取り込むことにより、シミュレーション内の仮想機械を擬似的に制御して、保全活動の妥当性、安全度、干渉、作業時間などを検証し、その検証結果をもって、シミュレーション・システムが計算した結果により、実際の機械、ロボットなどを制御する事ができる。
本発明では、前述の監視操作システムにおいて、シミュレーションの演算装置とそのために必要となる装置、作業エリアのデータ、データの入出力部を備えた双方向リアルタイムシミュレータから構成され、機能試験、モックアップトレーニングで実施した実物の装置の最適動作、周辺機器との干渉回避動作などのデータを逐次、前記シミュレーション用のデータとして取り込み、このデータを利用して作業者が操作した場合の動作パターンをその都度記録し、予めプログラムされたパターンと比較して修正を加えることにより、作業者特有の機械装置の操作技術に近づく学習が可能となる。
前述の監視操作盤と、電話回線、または、ローカルエリアネットワーク、または、ワイドエリアネットワークから構成した本装置に、遠隔地に設置した機械装置類、監視カメラと前記の監視操作盤を接続し、遠隔地において機械装置類、監視カメラ等の運転・動作状況を監視することによって、遠隔地において機械装置類、監視カメラ等の異常状態、故障状態を把握することができる。
本発明では、前述の監視操作システムにおいて、双方向リアルタイムシミュレーションを実行するコンピュータと、機器やロボット、監視カメラなどを運転する制御装置を電話回線、LAN及びWANのいずれかによって接続し、シミュレーション内の仮想機器を制御することによって得られる位置情報、速度情報、加速度情報などを制御装置に伝送することにより、制御装置に組み込まれた機器駆動部によって機器やロボットなどをシミュレーションと同期を取って運転することができる。
本発明では、前述の監視操作システムにおいて、表示装置および表示装置が接続される表示インターフェースと拡声器および拡声器が接続されるインターフェース、データベース処理ディスクとこれらが接続されているCPU装置を有し、機器の運転方法、ボタン等の操作方法、インターロック等の制御機能、双方向リアルタイムシミュレーション・システム操作の説明等を表示装置から検索し、文字、静止映像、動画のいずれかにて画面上に表示または音声にて解説するものである。
前述の監視操作盤において、前記監視操作盤と被操作対象の各種装置類のI/O、モーター制御に関するデータ転送手段を無線で行うことにより監視操作盤から無数に装置まで接続されていた配線をなくすことができるため、工事に際して、監視操作盤の設置位置を都合の良い場所にとれる。また、数十メートルに及ぶ装置と監視操作盤の間のケーブル敷設をなくすことができる。また、作業場所に設置する装置をスリム化できるため、装置の取り回しも余裕ができる。
本発明は、原子力発電プラントの製作、又は前記プラントの点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する原子力発電プラントの監視操作システムにおいて、前述の監視操作システムを備えたことを特徴とする。
以上、本発明によれば、基本設計から現地工事までの過程をリアルタイムシミュレーションで検討可能であり、さらに、各作業段階が管理統合されているため、どの作業段階においても、自在に他の作業過程での結果が参照可能である。これまで、繰り返しの検討では、何度も図面を書き直して検討していた手間が大幅に短縮可能と考えられる。また、最適な工法、図面、組立て方法、工事方法の検討が可能であるため、作業時間、作業人員、工法の開発時間、モックアップトレーニング時間などが短縮できるため、効率の良い作業を提供できる。更に、遠隔操作、モニタリングが可能なため、工事においても、少ない作業人員で効率的な作業が短期間で行える。万が一、トラブルが生じた場合にも、これまでの試験データや装置、作業エリアの図面に瞬時にアクセスし、確認できるため、短時間での対策が可能となる。
発明を実施するための最良の形態
第1図は、本発明の1つである原子炉内での点検と補修、深海での保全作業、宇宙環境での基地の建設など、安全に対する十分な防護体制が不可欠な作業や、人間が直接関与できない作業を実施する際の基本設計から現地工事までを実施する方法を実現するための全体構成図を示している。人が近づけない劣悪な状態の作業エリア2に設置した各種装置3は回線4によって監視操作盤1と接続されており、監視操作盤1はさらに遠隔地にある同等の機能を持つ監視操作盤1と電話、ローカル エリア ネットワーク(LAN)、ワールド エリア ネットワーク(WAN)等の通信手段12と接続されており、実際の作業場所から遠く離れた遠隔地13からも使用できる。監視操作盤1は、基本計画、装置設計、加工・組立、機能試験、モックアップ試験、現地工事といった基本的には6段階の設備の製作や保全工事を進めるために必要な一連の作業内容5を統合管理する盤であり、各作業を実施する各部署管で双方向のリアルタイムシミュレータを搭載することにより以下に記載する多々の機能をもつ。
その機能は、作業エリア内に設置したカメラからの映像による作業の映像監視6、作業者、装置を含めた作業全体の工程管理7、シミュレータを用いて仮想空間で行うデジタルモックアップ8、さらに、これまでの試験内容の映像シミュレーションデータやマニュアル、装置、作業エリアの寸法図面等も任意に引き出すことが可能なデータベース9の機能をもつ。また、各種装置の操作10を行うことができる。そして、監視した内容はデジタル記録11して必要な場合に、取り出してモニタ上で再生することが可能である。
第2図は、本発明の工事作業に係る全体監視システムの考え方について説明するブロック図である。原子炉内での点検、補修、又深海での保全作業、宇宙環境での基地の建設など、安全に対する十分な防護体制が不可欠な作業や、人間が直接関与できない作業は、工法の検討である基本計画から現地工事までは多少の差異はあるものの、図1で説明した6つの作業内容に分けられる。
工事の仕様を決定する基本計画S1では、工事のための作業ステップ図を立案し、シミュレーションにより、工事に必要な装置類の絞込みと、工事箇所近傍の装置類のアクセスおよび稼動エリアでの干渉検討による工事の成立性とその手順を検討する。
次の作業段階である装置設計S2では、各装置組み立て図、部品図について、装置の寸法データを入力することにより詳細図面を作成する。ここでも前記のシミュレーションを用いて装置の共用化や相互干渉について検討を行う。さらに、部品の共有化による加工の効率化や装置の保守等組立て易さを考慮した装置設計についてもシミュレーションを用いて検討を行う。
製作・組み立てのS3では、各装置部品の加工、組み立てに係る装置の詳細設計S2で製作した装置の図面をもとにしてシミュレーションにより部品製作の為の加工機、ツールの選定、装置の製作を行う。また、前段階での作業で検討した組立手順と併せてどの部品をいつ、どのように組み立てたかを管理できるので、装置のメンテナンスが容易となる。ここで蓄積されたデータは現地工事の際に利用し、部品が破損する前の取替の要否や破損した場合も、破損箇所の究明に用いるなど、利用効果が高い。
次に完成した装置を用いて機能試験S4を実施する。各装置を完成させ、テスト架台などで実際に起動させて、所定の動作テストを行う。溶接機や監視カメラなどの製作した装置が所定の動作を行うかを確認する。また、実際の装置を動かすことになる本作業段階からは双方向シミュレーションにより、リアルタイムで、装置の動きをモニタリングすることと、シミュレーション結果を用いて装置を操作することができる。
前記シミュレテーション結果はこの後のモックアップトレーニングS5や現地工事S6の際にも活用することができる。また、ここで、不具合が生じた場合は、シミュレーションで適切な動きを導き、その結果を前段階での作業の図面や動作プログラムに反映させることができる。
次の段階では完成した装置を用いてモックアップ試験S5を実施する。また、予め考え得る寸法の最大、最小値を考慮した構造物の寸法を用いて実機トレーニングの前に、デジタルモックアップトレーニングを実施する。従来モックアップ試験S5では、作業エリアの最大、最小範囲や装置間の干渉問題などを取り扱ってきたが、これをデータ上で取り扱えるため、条件を変えて繰返し実施することが容易である、そして、デジタルモックアップの結果を反映して、実機装置を用いて総合的なモックアップ試験を実施することが可能となる。
従来は、これらの作業は設計者や作業員を介して有機的に繋がっていたが、本発明においては図1の入出力データの管理20で各作業で作成したデータの管理を行い、設計者、作業員の負担を軽減することができる。
現地工事S6では、これまでのデータを生かして最適な条件で施工を行う。万が一、トラブルが発生した場合でも、これまでの試験データや図面、そして、それらを反映したシミュレーションを用いることによって効率よい対策を立てることが可能となる。これらはひとつひとつの作業段階が全体監視システムによって、同一のデータベースとして管理できるため、各作業段階において、前段階の検討内容の結果を有効に活用することができる。また、これらのデータはそのまま、データベースに蓄積し、次回の工事の検討に活用する。
上述のS1〜S6は、全体を統合・入出力データの管理20を介して、通信手段によって設備の製作又は保全作業に関して計画立案元と、前記装置の製造現場と、前記設備を有する現地との少なくとも2者間で相互伝達が行うことができるものである。
第3図は、本発明に係る監視操作盤1のハードブロック図を示す。監視操作盤1は、監視カメラ映像入力部331、工程・画像・ガイダンス処理部314、三次元グラフィクスシミュレーション処理部323の三つのモジュールから構成される。監視カメラ映像入力部331は、複数個の監視カメラが接続される映像切換器35とこの映像切換器35に接続されるTVモニタ36、37から成る。
工程・画像・ガイダンス処理部314は、マイク31と映像切換器35が接続される映像取込インターフェース310、パソコンモニタ38が接続される表示インターフェース39、データベース処理ディスク312、ネットワークインターフェース313が全てCPU311に接続されている。この工程・画像・ガイダンス処理部314において、機器の運転方法、釦等の操作方法、インターロック等の説明、三次元グラフィクスシミュレーションシステムの説明等のガイダンスを文字、静止映像、動画として、画面表示することができる。また、保全作業の全作業工程・作業手順をこの工程・画像・ガイダンス処理部314において記憶しており、現状の工程がどの段階かを把握し、次の工程内容、機器の配置をインフォメーションすることが可能であり、イレギュラーの作業が発生した場合においても、その内容を記録し、且つ、機器がどのように動作したかを記録する。その作業情報及び動作情報をこの工程・画像・ガイダンス処理部314のネットワークインターフェース313から三次元グラフィクスシミュレーション処理部323のネットワークインターフェース316を介して3次元グラフィックシミュレーション・システムに情報を伝達し、三次元グラフィクスシミュレーション処理部323のコンピュータ画面上に再現することができるとともに機器の運転開始と終了の電気信号により、機器の運転時間を工程・画像・ガイダンス処理部314は記録し、機器の整備等の保守・点検をインフォメーションする。また、作業者の介入する作業については、監視操作盤面に表示されている作業ステップ番号に対する作業開始釦と作業終了ボタンを押すことにより、作業内容毎に作業者の時間管理を行う。
この工程・画像・ガイダンス処理部314においては、パソコンモニタ318が接続される表示インターフェース319、機器データベース処理ディスク320、ネットワークインターフェース316、機器制御部325と接続するモータ制御インターフェース321、機器のI/O部329と接続するI/Oインターフェース322は全てCPU317に接続されている。この三次元グラフィクスシミュレーション処理部323において、三次元グラフィクスシミュレーションソフト及びその他の付随ソフトを起動することにより、機器の構造・寸法の検証や、現実の監視カメラ映像では、見ることのできない機器の動作状況を任意の位置からの三次元グラフィクス画像表示として表示することができる。
多種多数の機器330には、モータ326とリミットスイッチ327やソレノイドバルブ328を含む機器I/O部329が含まれる。
工程・画像・ガイダンス処理部314と三次元グラフィクスシミュレーション処理部323は、ネットワークインターフェース313とネットワークインターフェース316とで接続されており、それが更にLANまたはWAN等で外部ネットに接続されている。
カメラからの映像は、監視盤内の記録装置に映像、音声とも、記録されることとなるが、記録の際に、タイムスタンプで管理し、映像、音声、機械の動作を記録しておいて、後に、これらを再生すると、映像、音声、シミュレーションが連携しながら、再生することを可能にする。
第4図は、本発明に係る監視操作システムで使用する双方向リアルタイムシミュレーションの概略について説明する。新規に入力、または事前に入力したCADデータ42をシミュレーションに使用するためのソリッドデータ43に変換し、その後、速度や加速度の定義44をすることでシミュレーションに必要な情報としてデータベース45に蓄積する。このように、シミュレーションデータと機械装置の制御データを同一のデータベース上で管理することが可能である。このため、シミュレーション中での動作させた動きを実物の装置でも実行でき、また、実物の装置で行った動きをシミュレーション上でモニタリングすることも可能である。本データを用いてサーバ47上でシミュレーションとモニタリング400の実現、また、一方で制御プログラム49を介して操作盤から機械装置の操作401を行う事が可能である。
以下に本発明の監視操作盤を用いた方法の一実施例を説明する。ここでは、人が近づけない劣悪な条件下での作業として原子炉保全作業について説明する。
第5図は、原子炉内のICMハウジングを交換する保全工事を実施する場合の詳細を示す断面図である。ICMハウジング601は炉内の下鏡602に溶接されている管であり、切断、溶接等の装置を炉底部へ設置することとなる。装置は炉底部下側から挿入するものと、炉上部から挿入するものが存在することとなるが、下側から挿入した装置603はその駆動部分604を取付けて、そこから、図示していないが監視操作盤まで、つなぐこととなる。炉上部から挿入する装置605はガイドパイプ606をとおり、ケーブル処理装置607を用いることで、対象部位に設置される。駆動およびセンサケーブル608はケーブル処理装置607を介して、図示していないが、監視操作盤につながれている。
次に、前述した監視操作盤を用いて、ICMハウジング取替え工事を実施する場合を例にして本発明の内容を説明する。作業の概略は第2図に示したように6つに分けて考えられるので、第2図に示した6つの作業内容に従って説明する。
第6図は、基本計画を行う場合の手順を示すフローチャートである。また、初期の監視操作盤の画面イメージを第7図に示す。前記作業内容81と選択ボタン82が示してある。ここで、基本計画を選択すると第8図に示す選択画面に切り替わる。第7図の画面上で、入力のために作業内容を選択してゆく、まず、新規の工法の入力91またはデータベースから以前実施していた工法の検索を行い92、工事を実施する際の気中、水中、線量、温度等の炉内雰囲気、構造物の取替、補修等の工事内容を選定し、第6図のフローチャートでの工法の選定S71を行う。本実施例では気中での工事を例としているので、ここでは、気中環境を考えることとし、その状態での炉内の放射線量を調査、計算、推定し、条件をまとめる.各条件は、入力し、必要な際に検索して、閲覧可能なようにする。
工法の方針が決定したら、次に大まかな作業ステップを入力してゆくS72。作業ステップの内容は炉内の水の昇降、主要装置の設置、動作、撤去などである。その作業内容と順番を考慮しつつ設計者は作業ステップのフローチャートを作成する。
作業ステップの入力を終えて、フローチャートが完成すると、次に、工事を実現する為に必要な装置の寸法や形状の図面入力を行う。干渉の検討や、シミュレーションをコンピュータで行えるように本発明では三次元CADで入力するが、この作業は上述した検討が可能であればよいので、二次元CAD、または紙面であっても問題ない。
ここまでの作業を終了したときの画面のイメージを第9図に示す。作業ステップのフローチャート101と各作業での対象部位と、使用する装置の図面102が同一画面上で、観察可能である。また、画面の下方のボタン103を操作することにより、画面の操作を行う事ができる。
ここまでに作成した装置の図面データをシミュレーション可能なデータに変換し、運動機構学の定義S74を行うことにより、三次元CADを用いてのシミュレーションの準備を行う。運動機構学の定義とは、そのモデルの先端の加速度、速度、位置情報の計算をする為に必要な式を定義することである。運動機構学の定義は、この後装置の詳細設計が進むにつれて、更に詳しい定義を入力することとする。ここでは例えば対象が監視カメラであれば、装置の上下昇降と旋回は独立に行い、先端のカメラについても独立に動かすこととし、単純な定義を行うこととする。
その後、入力した作業ステップに従って、装置同士および装置と炉内構造物の干渉、手順の妥当性などの確認をシミュレータにより実施する。干渉確認は、さまざまに、視点を変えて、装置を動作させて、さらに、干渉部分は色を変えて、視覚的にも判別しやすくしてある.また、装置の炉内への投入撤収なども含めて総合的に検討を行う。ただし、装置の形状は概略である為、詳細な検討は装置の詳細設計の時点で実施する。干渉確認の一例として、監視カメラと炉内機器のひとつであるICMハウジングの干渉を第10図に示す。この段階で、例えば、干渉や、手順の抜けなどの不具合が見つかったら、その内容に応じてS77からS710のいずれかの経路にしたがって上流に戻って、再度検討を進める。
新規部分を取付ける為の溶接機、これらを監視する為の監視カメラ、溶接前後のPT装置等必要な装置と、これらを使用するための手順であるフローチャートが決定される。使用するそうちが決定し、フローチャートが出来上がると、それらをもとにして、施工図が出来上がる。フローチャートについては、モックアップトレーニング及び実機工事の説明の箇所で詳細を説明することとし、ここでは割愛する。
ここでいう施工図とは図面の入った工事の手順図であり、工事手順のフローチャートと装置の干渉等の検討結果をもとに作成される。また今後、工事の計画を進めてゆくための重要な図面である。干渉、手順の妥当性などの一連の検討が済んだ段階で、共通のデータベースに作成したデータを格納する。データベースには、図面、シミュレーション用のファイル形式とテキストとして閲覧可能な形式が存在し、装置の形状寸法は図面、フローチャートはテキスト、施工図はテキストと図面の両方から参照可能な形式として保存する。
以上で工法の検討である基本計画作業は終了となるが、ここで作成した装置の概略形状データや、干渉チェックのデータは、この作業以降でも使用することができる。
第11図は、装置設計作業のフローチャートを示すブロック図である。本作業は基本計画で作成した施工図と必要として挙げられた装置に従って、順次装置の詳細設計と図面化を行ってゆく。CAD図面の作成181は図面を初めから入力して製作するだけでなく、基本計画時に入力、製作した概略図面を元にして修正することもできる。基本計画で製作した図面はCADの形式でデータベースに格納してある為、これを呼び出して詳細な装置の図面を製作する.入力方法は通常のCADと同様に扱うことができる。また、CADの入力は、監視操作盤からネットワークで他の装置に繋いだ端末でもできるので、複数人での効率のよい図面の入力が可能である。また、ネットワークにより、遠隔地からの入力、複数部署による入力も可能である。フローチャートでは一例として2つの部署E、Fで作業を行う場合のフローを示した。
第12図は、監視操作盤の初期画面から装置設計メニューを選択した場合の画面イメージを示す。設計作業の内容は、基本的には図面の入力とシミュレーションであるが、第11図のフローチャートで示したように、図面入力は新規にCADで作成するものと、他の部署から入力されたデータを読み込む場合があり、シミュレーションは、装置同士の干渉確認、装置と炉内構造物の干渉確認、そして、前記2つの確認を基本計画で作成した作業ステップごとに確認する必要がある。また、シミュレーションに関しては組立に関するものもある。ただし、これらは入力するデータが変わるだけであるので、メニュー画面では図面入力とシミュレーションの項目、そして以前に入力したデータを検索する項目を表示させている。
上述のように本例で使用する各装置については、装置の組立て易さやメンテナンス性についても考慮の上図面を検討する必要があり、そのため、装置の動作シミュレーション184の前に、上記組立て易さやメンテナンス性についてのシミュレーション182を実施する。例えば、PTの観察装置であれば、第13図に示すように、故障の場合に保守点検の必要な駆動用モータ131、エアシリンダ132、そしてカメラを搭載するヘッド部分134などの部品を容易に交換可能な構成を検討する。
次に基本計画作業で入力した運動機構学プログラムを装置の設計詳細化に伴い、より詳細に入力する183。例えば、基本計画の際には1軸であったものを、詳細設計時に、2軸とする。この後、詳細設計した図面について、データベースに入力済み、あるいは、この時点で入力する炉内構造物と前記装置の干渉および、寸法の確認についてシミュレーションを実施する184。シミュレーション画面のイメージは、装置の寸法形状がより詳細になるが、前記、基本計画で示した第10図の図面と同様である。
この時点でのシミュレーション184の結果で干渉などの問題が生じた場合、再び図面の入力181に戻り、寸法、形状等を修正して、シミュレーション184を再度実施する。シミュレーション上では炉内構造物のデータを炉内構造物の設計図面寸法の最大、最小値など、任意に変えることが出来る。そのため、本作業段階で寸法制約条件をいくつも振ってのシミュレーションが可能である。
装置と炉内構造物の干渉チェック184に続いて周辺装置同士の干渉チェック185を実施する。前出のICMハウジングと監視カメラの干渉を示した図10において、ICMハウジング部分が監視カメラや溶接機に置換わることとなる。狭隘な炉内で目的の作業を行う必要があるため、各装置は特有な動作を行う。したがって装置同士が相互に干渉しない状態で、目的の作業を実施できる条件をシミュレートする必要がある。複数の装置を設置した状態で、各作業ステップごとにシミュレーション186を実施して、干渉等が生じれば、入力に戻り、使用する装置類の設計を検討する必要がある。
従来は、他部署で製作した図面については、紙面に作成された図面又はCADデータをもちよることで本作業を実施していたが、本発明の1つである共有データをもつことで、任意の作業段階でデータを参照可能としたため、部署Eで設計した装置の図面は部署Fでも参照可能であり、また、その逆も可能である。第11図の184a、184bのように他部署で作成した図面を参照し、干渉チェックを実施することができる。このように別々の部署で相互にチェック可能であるため、図面の精度の信頼性が向上する。
第11図で示したように、複数装置を用いて装置を組み合わせたときのシミュレーション185、各作業ステップを通じてのシミュレーション186を行い、全作業を通じての装置の共用化、手順やコストなどの最適化を行ってゆく。例えば、ペデスタルから挿入する監視カメラやハウジングの固定装置は駆動部を共用化することで軽量化やコストダウンを図っている。また、駆動部を作業ステップごとに適切な手順で取り付けることで作業時間の短縮も図ることができる。
ここでも干渉等の問題が生じると、図面入力181に戻って再度装置の寸法、形状の検討を繰り返す。これらの十分な検討の結果、組立図面を完成させて、部品図への展開を行い187、組立図に続いて各装置の部品図も製作する。
部品図の製作の際には、他部署で製作している装置も含めて部品レベルでの検討を行い、今度は部品の共用化について、その製作まで含めた検討を行う、この時点でも図面入力181までの再検討を行い、最適化を図る。その後、検討が十分に完了した段階でデータベースに各装置の製作図面を格納する189。
このとき検討を行った干渉等のデータについても保存しておいて、後のチェック等を行えるようにする。本フローでは、例として2つの離れた部署で設計を実施する場合を取り上げたが、工事の規模が大きくなるとさらに、部署が増えることとなり、従来の方式で基本計画から工事まで含めた作業の中で、様々なチェックを行うことは容易ではなく、本発明である、各作業段階におけるデータの共用方式がますます有効となる。
第14図は、装置製作の手順を示すフローチャートである。前段の作業での装置設計にて、まず、部品の形状・仕上がり寸法を入力S211する。これは、装置の設計で製作した各装置の部品図のデータをそのまま、使用できる。その後、部品を加工する加工機、先端のツールを選択し、この後のシミュレーションS213で、部品を加工する為の最適な加工機やツールの検討を行う。この検討はひとつの部署だけでなく、設計、加工を行っている複数のすべての部署を含めた検討を行う。その結果から、共通部品をどの部署に割り振るのか、また、各部署で備えている加工機により工程や仕上がりなどの条件を考慮した場合、最適な部品の割り振りと工程をシミュレーションできる。
このとき、仕上げ寸法のほかに、もうひとつの入力として、前作業で実施した装置の組立のシミュレーション182の結果を用いる。前の作業では、組立て易さ、メンテナンスしやすさに対して組立て順序を検討してあるので、この結果を用いて加工の手順や工程について検討することとする。
以上の結果から、加工と組立の最適解をシミュレートして、効率の良い組合せを選定する。その後、データベースに登録し、これをもとにして加工、組立てを実施する。このように組立て手順まで管理することにより、各装置において、どの部品をどんな手順で組み込んだのか、明白となるため、部品の寿命管理や破損時の原因究明等部品の管理が行える。
第15図に加工・組立の作業を選択したときのモニターイメージを示す。メニューからは加工形状の入力とシミュレーション224を選択できる。加工形状は、前段階で実施した各装置図面の部品図データをそのまま使用することができる。例えば、溶接装置であれば、第16図のように組立図面と部品図をデータベースから読み出せるので、このデータを加工部品のデータとして用いることができる。
第16図は、加工のシミュレーションにおける加工機およびツールの選択画面のイメージを示す。一例としてここでは溶接機の場合を示す。画面の中央に溶接機241が構成部品を確認できる状態で示されている。ここで、部品表243の中から任意の部品を選び指定すると、画面に溶接機と並んで指定した部品が表示される。作業者はこの画面上で部品形状を逐一確認しながら、使用する加工機の名称を表中に入力してゆく。例えば、No.1の部品はAのフライス盤、No.2の部品はBの旋盤というように入力する。すべて入力し終えた後、メニューからシミュレーションを選択して、これを実行する。
装置の製作を行っている各部署から前記の各部品に対する加工機、ツールのデータを入力して加工のシミュレーションを行うことにより、ひとつの部署だけに対する加工の検討でなく、すべての関連部署を考えた加工の検討が可能となる。このようにすることで、装置の共通部品を1箇所で集中的に製作することや、工程等による加工部署を調整することが可能となる。
加工部品だけでなく購入品についても、同様に、装置間の共通できるものということで、検討を進めてゆくと複数部署間で購入している共通品が見えてくる。例えばモーターやエアーシリンダ、リミットスイッチなどは、装置間で共通仕様となるものが発生する。その場合、部品の耐放射線性や、原子炉内で使用可能か否かの検討内容が、部品を共通にした分低減できるため、費用と時間を節約できる。また、共通品であるので、予備品としても融通性が高くなる。
上記までの過程により、今回原子炉内保全作業の一例として取り上げた原子炉内ICMハウジング取替え工事に使用する各装置の検討と製作が完了する。ここまでの作業で準備した装置について、次に各装置の単体ごとの機能試験を実施する。
今回例としたICMハウジング取替え工事では、大小併せると約70種類におよぶ装置が必要であるが、ここではその中のひとつの例として炉内の中性子計測管であるICMハウジングを炉底部の下鏡に溶接する際に使用する溶接機の機能試験について記載する。
第17図には機能試験作業を選択した場合の作業フロー図を示す。組立・加工の手順が終了することにより工事に必要な装置が一通り完成して、揃うこととなる。機能試験では一般的に、これらの装置を用いて試験架台などで動作確認を行っている。実機装置で試験を実施する前に、まず、シミュレーション253を実施して装置がプログラムどおりに動作するかの確認を行う。この確認により、正常に動作しない場合はプログラムの修正等を実施する。次に実機装置を実際に動かして機能試験254を実施する。実機装置の操作は操作監視盤から実施する。
第18図は、溶接機の機能試験の概略を示す斜視図である。溶接機191を試験架台192に設置し、操作監視盤から作業者が溶接機を操作する。この段階で、また、第4図で示した双方向のシミュレーションによって、溶接機の動作を、逆にシミュレータに取込み、取込んだデータから実機装置の動作をシミュレーション上にCAD図面を用いて再現させることが可能である。監視操作盤から操作したときの溶接機の動作、溶接機が動作したときにリアルタイムでモニタリングしたデータはシミュレーション用のデータ形式としてすべてデータベースに蓄積される258。
シミュレーション256の段階で例えば、干渉などの問題が生じた場合、周囲装置や炉内の構造物との問題が発生した場合は、装置の詳細設計に戻って設計変更の必要259もある。
第19図には機能試験を選択した際の画面イメージを示す。装置の機能試験ではシミュレーション、および、モニタリングが選択可能である。第20図にはシミュレーションおよびモニタリングの画面を示す。上方のボタン271、272でシミュレーションとモニタリングの画面は切替えられる。画面の構成内容は両者同じであり、視認したい部分をアップしたり、視認方向を変更することが可能である。図中の例では、監視カメラの設置状態を示している。
装置本体の273a、bは上下昇降、左右方向の旋回可能であり、本体273a、bにつながっているアーム274a、bは半径方向へ伸張可能である。このアーム274bの先には監視カメラがまた、炉底部は狭隘部分でCRDハウジング275が林立しており、干渉要因が非常に多いため、本発明品が有効である。
第21図は、モックアップ試験の手順を示すフローチャート図である。一般的にモックアップ試験はこれまで、製作した装置類を用いて実施してきたが、今回はその作業に先立ち、装置設計の段階で入力した各装置の図面と運動機構学の定義を実施して、シミュレーションを用いたデジタルモックアップトレーニング281を実施する。デジタルモックアップトレーニングでは、各装置同士および各装置と炉内構造物との干渉について確認するほか、炉内構造物の出来上がり寸法の最大、最小についても装置との干渉等の確認を行う。
第22図に示すようにCRDスタブは炉底部の下鏡に溶接されているので、CRDスタブの間隔は公差を持つことになる。そのため、最小寸法で出来上がっていると、その間に装置を設置する場合、隣接装置との干渉条件は厳しくなる。そのため従来は、モックアップの設備の寸法を数とおり準備して検討を行っていたが、このように寸法の調整が容易にできることがデジタルモックアップの利点でもある。また、作業者に工事の概略を教示するのにも平面的な図面を使用するよりも三次元の図面で、立体的に見せたほうが理解を得られやすい。
ここで、ほかにも現地工事で起こり得ると考えられる事象、例えば炉内構造物の寸法や製作精度の図面との差異についてひととおりデジタルモックアップトレーニングを行う。デジタルモックアップトレーニング中に問題点が生じた場合も、設計、運動機構学定義についてやはり再検討する。
また、溶接機のように、全自動ではなく、熟練した作業者が微妙な調整を実施しながら装置を作動させるような場合は、デジタルモックアップで、様々な状況を設定して、シミュレーション上で溶接作業を行い、そのときの動作データを逐一取込むことで、実機装置の動作に熟練作業者の手法を反映させることができる。
デジタルモックアップで装置同士、装置と炉内構造物の干渉の検討がひととおり済んだ後は、準備した装置を用いてモックアップトレーニングを実施する283。従来は、炉内寸法、装置の干渉などの検討項目をすべてこの段階で実施してきたが、ここでは、シミュレーション結果のうちから代表的な炉内寸法の場合や、シミュレーションにより、それまで想定していなかった装置の状態での試験が必要となった場合に対して装置を用いたモックアップトレーニングを行う。このようなデジタルモックアップの活用により、装置の開発期間や、費用を低減することができる。
第23図は、初期のメニュー画面から、モックアップ/実機工事を選択した場合の画面のイメージ図を示す。図に示した画面上のメニューはすべて、準備した装置を使用するための内容となっている。
以下、その内容について、これまでも本文中で引例として記載してきた中性子計測配管の取替え工事を例に監視操作盤の操作内容について説明する。
第24図は、ICMハウジング取替え工事に係わるフローチャート図である。先ず、ステップS121において図示していないが、RPV内に取付けられているドライヤ、セパレータ等の炉内機器を取り外し、RPV内より搬出して所定の場所に保管し、RPV上方より底部へのアクセスを可能とする。
次に、ステップS122において、図示していないが、炉水位をRPVフランジ面直下まで下げて、ガイドパイプ、取付け治具、ケーブル処理装置および遮蔽体を設置した後、ステップS123において、RPV内部の炉水をすべてドレンする。
続いて、ステップS124において、RPV(図示せず)下方よりICMハウジング内に加工機を挿入し、ICM案内管を内面より切断する。ここで、加工機を操作するためには、第23図に示したメニュー画面から装置操作の項目を選択して、監視操作盤から操作する必要がある。また、炉内の状況を観察する為の監視カメラを炉内に設置し、任意の箇所の炉内の映像を見るために、やはり、メニューから装置操作を円選択して監視カメラを操作する必要がある。タッチパネルを兼ねたモニタに一例として、監視カメラの操作盤を表示させた場合を第25図に示す。装置の動作状況から、炉内に投入している時間321と、作業を行うために稼動している時間322を取得して、画面に表示させる。監視カメラの操作を行う為に、装置の旋回させる方向と、カメラ部分を前進、後退させるための操作ボタン323とズームの操作ボタン324を備えている。また、画面の操作用のボタン326を表示してある。このようにして、装置を操作して、作業を進めてゆく。第26図はICM案内管152を切断した状態を示す。
続いて同ステップにおいて、RPV下方よりICMハウジング157内に加工機を挿入し、J溶接部153の上端のICMハウジングを内面より、切断する。加工機のほかに炉内へは切断後のICMハウジングを保持する保持具や、炉内の状況を監視する監視カメラ、などが、設置してある。そのため、このとき、切断した上方のICMハウジング157aは周囲のCRDハウジングにICMハウジング保持具を介して取付けられ、落下しないように保持される。ハウジング保持具によるハウジングのつかみ、固定作業は監視カメラを操作しながら行う複雑な作業であり、操作盤を切替えつつ、実施してゆく。(図示せず)例えば、本作業を実施する前に、第23図のメニューから、シミュレーション/モニタリングを選択して、シミュレーションを行う.この結果から、ハウジングの取り外し、炉内への取出しを周囲と干渉しないように実施することが可能となる。第27図はICMハウジングを切断した状態を示す。
次に、下方のICMハウジング157bを引き抜きして取り外すために、J溶接部153の下端部のICMハウジングに対して内面から切込み172を加工する。本作業も装置操作盤312およびモニタ311を使用して作業を実施する。以下の作業においても、装置の操作に関しては第23図で示したメニューの装置操作盤312を選択し、また、監視カメラ、装置搭載のカメラからの映像をモニタ311で観察しながら作業を進める。
ステップS145では、切断した上方のICMハウジング157aおよび下方のハウジング157bをRPV下方より強制引抜して取外し、RPV外へ搬出する。図28はICMハウジングをRPV外へ搬出した状態を示す。
続いて、ステップS146において、RPV151下方より加工機を挿入してRPV内のICM案内管159下端部の開先1518を加工する。同様にステップS148において、RPV151下方より加工機を挿入して、RPV151内の肉盛座1510のJ開先1519を加工する。
図29はICM案内管159に開先1518の加工、及びRPV内面の肉盛座1510にJ開先1519を加工した状態を示す。なお、前述の作業ステップにおいて、先に肉盛座の開先を加工したあと、ICM案内管の開先を加工することも可能である。
その後ステップS146で加工した肉盛座のJ開先面の浸透探傷検査を行う。ステップS147において、RPV151下方より開先加工した新規ICMハウジング1520を挿入してICM案内管と開先あわせを行い、新規ICMハウジング下方より内面溶接機を挿入して溶接する。
次に、RPVフランジ上面からガイドパイプ、据付治具、ケーブル処理装置を備えた遮蔽体を使用してJ溶接機を挿入し、新規ICMハウジング1520をRPV151内の肉盛座1510に溶接する。第30図は新規ICMハウジングをRPVに溶接した状態を示す断面図である。
以上をもって、ICMハウジング取替え作業は終了する。
以上の第1段階から第6段階までの手順で、作業を進めることで、実機の施工が効率よく、しかも、最少人数で実施することが可能となる。
第31図は、遠隔地で操作する場合の監視操作盤のブロック図である。例えばプラントなどの現地の作業場所に設置するローカル監視盤718と遠隔地にある遠隔監視盤714は基本的には同一の内容で構成されている。モニタ、演算装置711、715、ネットワーク制御部、ファイルウォール713、716から構成されている。これらは例えば電話回線、あるいはLAN、WANいった通信回線721で接続している。また、ローカル監視操作盤の先には各種装置の制御盤719とその先に各種装置720が接続している。また、装置の動きをローカル監視操作盤718を通じて遠隔監視操作盤714で監視することもできる。また、モニタリングも可能である。
ローカル監視操作盤718から制御装置AからNまでの数種類の装置の制御をLAN回線を通して行える。また、装置の動きをモニタリングして、監視操作盤内のモニタでCAD図面を動かすこともLAN回線を通してできる。さらに、ローカル監視操作盤718は接続している遠隔監視操作盤714から電話回線またはLANといった通信回線721を通じて操作可能でる。これにより、工場など、現地とは離れた場所で、居ながらにして、現地での装置の操作や状況の監視が可能となる。
また、前記のように遠隔操作で装置を動作させて作業をすすめたときに、例えば、装置が停止して撤収できない、また検討した装置の稼動範囲の寸法が実機では異なっていたりするなどして問題が生じた場合、従来では、膨大なファイルの中から関係資料を探し出し、問題解決方法を図面ベースで検討していた。しかし、本発明を用いることで、前段階の作業データは共通に参照可能なデータベースとなっており、さらに、実機装置の現状データ、それをもとにしたシミュレータによる検討結果も遠隔地においても、参照可能な為、遠隔地に在る他部署間においてもそれぞれのデータを参照することで、問題解決のための検討を行う事ができる。例えば、装置の製作部署、工場内の設計部署、試験等を行う実験室において、現地での装置の状況を映像、シミュレータでリアルタイムで確認することができて、それに伴う必要な装置および周囲の図面も確認できる。また、前段階で実施してきた干渉や作業手順などの検討結果についても参照、場合によっては、再検討を行い、問題解決を推進できる。
モックアップ試験、実機作業において、本発明である機械装置の緊急停止装置について以下に記載する。ICM案内管の切断装置や各種開先加工装置等の加工機については加工音を常時モニタしておいて、異常音が生じるような装置の破損の恐れがある場合は、自動的に装置を停止するシステムが要求される。緊急停止システムの一例として加工装置の異常音を検出して装置の緊急停止を行うシステムについて述べる。第3図に示したように加工装置の先端にマイクロホンを取付けると、その加工音の周波数データを監視操作盤に取り込むことができる。
第32図は、加工音を取り込んでから実際に異常を検出して緊急停止をかけるまでの手順を示すフローチャート図である。マイクロホンからデータの取込331を実施する。音波データを周波数解析332して、主成分の周波数を拾い出す。これに対して、試験等で既にサンプリングしておいた正常な加工音との比較を行い333、正常な場合と比較して周波数の大きさがどの程度変化したかを調べる。これらの比較は、通常は画面には出力しないが、異常を検出すると画面に出力して、作業者からも確認できるようにする。
画面に出力する際に、アラームも鳴動させて、作業者に注意を促す。ここで、作業者が、画面の比較図を確認して、装置を停止させれば、緊急停止システムは、ここで終了となるが、そのまま、加工装置が停止せず、異常音と正常音との格差が大きくなると、装置の駆動を監視操作盤の側で、自動停止する。これにより、装置の破損や、対象物の破損を事前に回避することができる。
また、他の一例として装置監視盤は、加工機のモータに通電する電流電圧状態を常時モニタしており、例えば、刃先の磨耗や、切込み異常などで、通常にくらべて、加工機に不可がかかり、損傷の可能性が生じた場合は、電流と電圧の状態から異常状態を検出して、緊急停止を行う。そして、加工機のみでなく、他の装置についても、同様に装置の駆動部のモニタを常時行っており、前記、駆動部のデータと、シミュレータのモニタリングによる装置の動作データを突き合わせることにより、各装置の異常診断を操作監視盤で行う事ができる。
次に、装置同士、または、装置と構造物間の干渉による衝突を事前に回避するための、干渉防止システムについて以下に説明する。例えば、装置、または装置と構造物の干渉は前述した監視操作盤で、ある程度の確認は可能であるが、作業者に負担をかけずに干渉を回避するシステムの一例について以下に記載する。
第33図は、干渉回避手順のフロー図である。作業者が装置の操作を実施341すると、干渉チェック342が開始され,操作中は常時,干渉チェックの監視が事項される。干渉チェックは予め設定した装置の各ポイントに対する周囲の干渉物、または、装置に対してそれらの距離が設定値よりも小さくなると343,画面上に警告の表示が出力され,アラームが鳴動する。作業者がこの時点で装置を操作344し,干渉回避行動をとった場合は常時実行されている干渉チェック345により、設定値より対象ポイント間の距離が大きと判断されれば,画面上の警告表示と,アラームは停止する。
ところが、警告表示及びアラームの鳴動でも干渉回避操作が実行されなかったり、または誤動作の入力が生じた場合は,装置が実際の干渉を起こす手前で停止信号346を出力し,緊急停止処置347がなされる。これにより、装置同士,もしくは装置と炉内構造物の干渉を回避することができる。
第34図は、作業時間の管理方法について説明するブロック図である。操作監視盤から装置の設置作業、及び装置を動作させる際に、装置の稼働時間を記録するものである。装置をセッティング351して、結線352し、この結線により装置が接続されたことが監視操作盤で認識される353。装置の認識後、セッティングされた装置の炉内設置時間のカウントが開始される354。その後、炉内に設置された装置を作業員が作動させる段階で装置の動作ボタンが押される355と炉内での装置の作動時間のカウントが開始される356。装置の作業が終了した時点でその都度作業者は動作の停止ボタンを押して357装置の動作を停止させる。装置の停止信号が入力された時点で装置の動作時間のカウントが終了される358。この後も装置を動作させるたびに作業者は装置の動作と停止ボタンの入力を繰り返し359、装置の稼働時間は監視操作盤に記録される。この後、装置を使った作業がすべて終了すると、装置を炉内より撤収し3510、撤収後、監視操作盤との接続を終了する3511。この時点で、装置の炉内設置時間のカウントが終了し3512、炉内に装置を設置していた時間が記録される。
また、炉内での装置の設置箇所は予め定まっているので、基本計画作業で行った炉内の線量評価のデータと突き合わせることから、装置が曝された線量の集積程度を推定することができる。前記集積線量のデータから、装置の部品、例えば、カメラなどについて、交換時期が故障する前に判定できる。
第35図は、本発明の安全に対する十分な防護体制が不可欠な作業や、人間が直接関与できない作業を実施する際の工事の基本設計から現地工事までを実施する方法の他の一例である化学プラントの重合缶内部の洗浄について示すフローチャート図である。プラントで扱う重合缶は大きさ、形状とも様々なものがあるため、はじめに、洗浄対象となる重合缶の特定361を行う。特定方法は、これまでの重合缶の稼働時間とメンテナンスの履歴を併せて検討する。また、同様の形状の重合缶で、洗浄対象になるものがあれば、装置の共用化が図れる為それらの要素も含めて検討する。
洗浄対象が特定できた後、この重合缶について洗浄の施工方法の検討362を行う。重合缶内部の配管は複雑であり、基本的には人間が侵入できる場所ではないため、遠隔操作による施工となる。先に述べたように、重合缶はその形状、大きさ、内部の配管の敷設状況が異なっている為、特定した重合缶に併せて施工方法と使用する装置の検討362、363を行う。検討には、重合缶の図面と、その履歴、そしてプラントの停止可能日程などを考慮して、施工に関するシミュレーションを行う。シミュレーションでは、装置の形状や、施工経路、施工時間などを検討する。これにより、施工図と装置の概要が見えてくる。
次に、前記施工図と装置の概要から装置の詳細図面を作成する365。前記の検討によっては、既存の装置の改良にとどまる部分も出てくることも考えられる。前記施工の検討で、装置の概要は決まってくるが、内部の配管などに合わせて、さらに、装置の寸法・形状を決定して、装置の詳細図面を製作する。このとき、重合缶内部での干渉確認や、装置のメンテナンス性、既存の部品などとの取り合いについても検討する。
製作した装置の詳細図面をもとに洗浄装置の製作366を行う。製作過程でも、前記シミュレーションを用いて加工に適した機械やツールの検討を行い製作を進める。
装置が完成するとその装置を用いて、試験架台において機能試験を行う367。ここでは、装置が仕様通りに動くか、双方向シミュレーションを用いたモニタリングとの調整などについて確認を行い、不具合点については、前段階に戻り修正を行う。
その後、完成した装置を用いてモックアップ試験の実施369に入る。対象となる重合缶の規模などにより、モックアップ試験の内容は異なるが、まず、双方向シミュレータを用いてデジタルモックアップを実施する。すでに述べてあるように、シミュレーション上の仮想の重合缶内部で、洗浄を実施する。この作業によって、最終的に干渉確認や、手順の確認、さらに、熟練の作業者にしかできない操作については、その操作を装置に学習させる。その後、洗浄対象となる重合缶の規模がちいさく、単純な内部の構造であれば、実機工事に臨むことも考えられるが、そうでない場合は、装置を用いてモックアップ試験を実施する。デジタルモックアップで一通りの内容は試験実施できているので、ここでは、どうしても必要な内容について検討する。
以上の作業をおこなった後、実際の重合缶の洗浄369に臨むこととなる。内容は原子炉内部での取替え工事とは異なるが、作業と作業の進め方は、本発明の内容を適用することで、効率の良い作業を行う事ができる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、各作業段階における検討の手間を簡略化すると共に、各作業段階での検討を全て統合管理することで、各作業の結果を複数部署間で有効に利用可能にし、また、遠隔地においても工事のモニタリング及び施工を可能とする設備の製作又は保全作業の支援システム及びそれらの監視操作システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1つである人間が直接関与できない作業を実施する際の基本設計から現地工事までを実施する方法を実現するための概要、第2図は工事作業の全体監視システムの考え方、第3図は監視操作盤のハードブロック図、第4図は監視操作システムで使用するリアルタイムシミュレーションの概略、第5図は原子炉内保全工事を実施する際の本発明方法を利用する場合の対象部位、第6図は基本計画を行う場合の手順のフローチャート、第7図は初期の監視操作盤の画面イメージ、第8図は基本計画を選択下場合の選択画面、第9図は基本計画作業終了時の施工図と作業フローのイメージ、第10図は監視カメラとICMハウジングの干渉図、第11図は装置設計作業のフローチャート、第12図は監視操作盤の装置設計メニューを選択後の画面イメージ、第13図はPT観察装置の保守部品概略図面、第14図は装置製作の手順のフローチャート、第15図は加工・組立の作業を選択したときの画面イメージ、第16図は加工のシミュレーションにおける加工機およびツールの選択画面、第17図は機能試験作業を選択した場合の作業フローチャート、第18図は溶接機の機能試験の概略、第19図は機能試験を選択した際の画面イメージ、第20図はシミュレーションおよびモニタリングの画面、第21図はモックアップ試験の手順のフローチャート、第22図はCRDスタブチューブとは炉底部下鏡、第23図はモックアップ/実機工事を選択した場合の画面のイメージ、第24図はICMハウジング取替え工事に係わるフローチャート、第25図は監視カメラの操作盤表示、第26図はICM案内管152を切断した状態、第27図はICMハウジングを切断した状態、第28図はICMハウジングをRPV外へ搬出した状態、第29図はICM案内管開先の加工、およびRPV内面の肉盛座J開先を加工した状態、第30図は新規ICMハウジングをRPVに溶接した状態、第31図は遠隔地で操作する場合の監視盤のブロック図、第32図は加工音の取り込みから異常を検出して緊急停止をかけるまでの手順、第33図は干渉回避手順のフローチャート、第34図は作業時間の管理方法、及び第35図は化学プラント重合缶内部の洗浄のフローチャートである。
Claims (30)
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に関係する各情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有すること、及び通信手段を介して前記各部署間で相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業の実施項目に関する各情報と、前記設備の製作又は保全作業に実施する装置の製作、機能試験及びモックアップ試験に関する情報とを、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有すること、及び通信手段を介して前記各部署間で相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作作業又は保全作業における実施項目、前記設備の製作又は保全作業に使用する装置の詳細設計、前記装置の製作、該製作した前記装置の機能試験、前記装置の実規模での試験に相当するモックアップ試験、各作業の加工・組立て作業手順、前記機能試験で実施した前記装置の動作結果、前記モックアップ試験で実施した前記装置の動作結果、前記設備の製作又は保全作業の工程、作業者の作業時間、前記装置の稼働時間及び各作業ステップで作成した前記作業成果に係る各情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有すること、及び通信手段を介して前記各部署間で相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作作業又は保全作業における作業エリアの寸法データと前記装置の寸法形状とを用いて前記装置の作業エリアでの干渉性、前記装置のアクセス性及び工法としての成立性のシミュレーションを行う第1のステップと、前記装置の詳細寸法を入力してCADによる詳細設計を行う第2のステップと、前記装置の加工と組立て手順のシミュレーションを行う第3のステップと、製作した前記装置の機能試験を実施しその結果を前記第1ステップのシミュレーションに反映して前記装置に適した動作パターンを見つけ出す第4のステップと、前記第1〜第4のシミュレーション結果及び前記装置の動作パターンからデジタルモックアップトレーニングを行いその結果を反映して前記モックアップ試験を行い前記装置の動作と形状を決定する第5のステップと、前記第1〜第5のステップで得た施工法で工事を行う第6のステップとを有し、前記各ステップで得られた情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有すること、及び通信手段を介して前記各部署間で相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作作業又は保全作業における作業エリアの寸法データと前記装置のアウトラインデータとを入力して工法のシミュレーションを行う第1のステップと、前記装置の動作パターンを取り込んでデジタルモックアップトレーニングを行いその結果を前記モックアップ試験に反映し各装置の動作と形状とを決定する第2のステップと、前記第1及び第2のステップで得た結果に基づいて工事を行う第3のステップとを有し、前記各ステップで得られた各情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有すること、及び通信手段を介して前記各部署間で相互伝達を行うことの少なくとも一方を有することを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 請求項4又は5において、前記シミュレーションを行う演算装置と、前記設備の製作又は保全作業における作業エリアの寸法データ、前記装置のアウトラインデータ及びデータの入出力部を有する双方向リアルタイムシミュレータとを用いて、前記シミュレーションの中での仮想的な前記作業エリア上で前記装置の動作、干渉及び解体性を検証し、その作業の成立性及び作業手順を評価することを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 請求項4又は5において、前記シミュレーションを行う演算装置と、前記設備の製作又は保全作業における作業エリアのデータの入出力部を有する双方向リアルタイムシミュレータとを用いて、前記設備の組立て手順、設備の一部を変更したときの干渉チェック及び設備の解体手順をシミュレーションして、前記設備の組立て及び解体手順を得ることを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記装置の機能試験又はモックアップ試験のシミュレーションを行う演算装置と、作業エリアのデータを入出力する入出力部を備えた双方向リアルタイムシミュレータとを用いて前記機能試験又はモックアップ試験で実施された実物の前記装置の動作データ及び周辺機器との干渉回避の動作データを逐次前記シミュレーションのデータとして取り込み、これらのデータを利用して作業者が操作した場合の動作パターンを予めプログラムされたパターンと比較して修正を加えることを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記作業エリア内の前記装置に設置した集音器により、前記装置の機械音及び加工音の少なくとも一方を聴取することを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業支援システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に関して3次元グラフィックスシミュレーションする演算装置と、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で双方向リアルタイムシミュレーションを実行するコンピュータと、作業者が前記設備の製作又は保全作業に実施する装置を操作する毎にその作動時間を記録する記録手段と、前記装置を操作する作業者の作業時間と、劣悪な環境中に設置される前記装置の稼働時間と、進行中の作業工程とを記録することを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 請求項1〜10のいずれかにおいて、前記各作業段階における各部署は、前記設備の製作又は保全作業に関して計画立案元と、前記装置の製造現場と、前記設備を有する現地との少なくとも2者間であることを特徴とする設備の製作又は保全作業の支援システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する監視操作システムにおいて、前記設備の製作又は保全作業に係る各情報を収納するサーバと、前記情報に基づいて前記設備の製作又は保全作業に関して3次元グラフィックスシミュレーションする演算装置を有する監視操作装置と、該監視操作装置と通信手段とを接続する外部ネット接続部とを備え、前記サーバに収納された前記情報を、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で互いに共有する共有手段と、前記各部署間で相互伝達を行う通信手段との少なくとも一方を有することを特徴とする監視操作システム。
- 請求項12において、前記監視操作装置は、監視カメラからの映像入力部と、3次元グラフィックスシミュレーション処理部と、前記装置の運転方法及び3次元グラフィックスシミュレーションをガイドするガイダンス処理部とを備えたことを特徴とする監視操作システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する監視操作システムにおいて、前記各作業を実施する各部署に設置された少なくとも1台の監視カメラを接続した映像切替え機と、該映像切替え機に接続される表示装置と、集音器と、該集音器と前記映像切替え機が接続される映像取込インターフェースと、前記表示装置が接続される表示インターフェースと、該表示インターフェースに接続されたCPUと、該CPUに接続されたデータベース処理ディスクと、前記CPUに接続されたネットワークインターフェースと、前記CPUに接続されたI/Oインターフェースと、前記CPUに接続されたモータ制御インターフェースと、これらを組み込んだ監視操作盤と、該監視操作盤に設けられた3次元グラフィックスシミュレーションのグラフィック表示を行う監視面と、前記監視操作盤の操作機器からの操作信号をシリアル又はパラレルの電気信号で前記3次元グラフィックスシミュレーションを実行するるコンピュータと、前記ネットワークインターフェースに接続される外部ネット接続部とを備えたことを特徴とする監視操作システム。
- 請求項14において、前記監視操作盤と前記装置のI/O及びモータ制御との通信を無線化することにより、前記装置と前記監視操作盤との通信を無線化することを特徴とする監視操作システム。
- 請求項12〜15のいずれかにおいて、複数の前記作業エリアに設置した各監視カメラからの映像を写し出すモニタを1箇所に集約させると共に、前記モニタに写る映像を分割なし又は少なくとも2分割させることを特徴とする監視操作システム。
- 請求項12〜16のいずれかにおいて、前記設備の製作又は保全作業に係る作業エリア内の前記装置に設置した集音器により、前記装置の機械音及び加工音の少なくとも一方を聴取することを特徴とする監視操作システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する監視操作システムにおいて、前記各作業を実施する各部署に設置された前記設備の製作又は保全作業に実施する加工機械、ロボット及び監視カメラを有する現場機器を制御する制御装置と、前記設備の製作又は保全作業に関する3次元グラフィックシミュレーション・システムとを接続するシリアル信号、パラレル信号及びネットワーク手段のいずれかよりなる接続手段を有し、前記3次元グラフィックシミュレーション・システム内で動作する仮想機械の干渉をチェックすることにより前記干渉の度合いによって非常停止、通常停止及び干渉回避動作のいずれかの指令を前記制御装置に伝える通信手段と、前記非常停止、通常停止及び干渉回避のいずれかの動作を前記加工機械及びロボットに伝える通信手段を有することを特徴とする監視操作システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する監視操作システムにおいて、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で双方向リアルタイムシミュレーションを実行するコンピュータと、前記機能試験及びモックアップ試験で得られた実機の動作データ及び該動作と周辺機器との干渉回避動作データを逐次前記シミュレーションのデータとして取り込み、前記シミュレーション結果に基づいて作業者が操作した場合の動作パターンと予めプログラムされたパターンとを比較して修正を加える修正手段とを有することを特徴とする監視操作システム。
- 請求項12〜19のいずれかにおいて、前記監視操作装置と、遠隔地にある前記装置と、該装置を監視する監視カメラとを電話回線、LAN及びWANのいずれかによって各々接続し、前記遠隔地において前記装置及び監視カメラの運転及び動作状況を監視することにより前記装置及び監視カメラの異常状態又は故障状態を観察することを特徴とする監視操作システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する監視操作システムにおいて、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で双方向リアルタイムシミュレーションを実行するコンピュータと、前記設備の製作又は保全作業に実施する加工機械及びロボットを制御する制御装置とを電話回線、LAN及びWANのいずれかによって接続し、前記シミュレーションによって得られる位置情報、速度情報及び加速度情報を前記制御装置に伝送し、前記制御装置に組み込まれた機器駆動部によって前記機器及びロボットを前記シミュレーションと同期を取って運転することを特徴とする監視操作システム。
- 設備の製作支援、又は設備の点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する監視操作システムにおいて、表示装置と、該表示装置が接続される表示インターフェースと、拡声器と、該拡声器が接続されるインターフェースと、データベース処理デスクと、該デスクに接続されているCPUと、通信手段を介して前記各作業を実施する各部署間で双方向リアルタイムシミュレーションを実行するコンピュータとを有し、前記設備の製作又は保全作業に実施する装置の運転方法、操作方法、インターロックの制御機能及び前記双方向リアルタイムシミュレーションの操作説明を前記表示装置から検索し、文字、静止映像及び動画のいずれかにて画面上に表示又は音声にて解説することを特徴とする監視操作システム。
- 請求項12〜22のいずれかにおいて、前記設備の製作又は保全作業を実施する環境において動作させる加工機械及びロボットを機械シミュレーション・システム内でモデリングし、前記監視操作装置の操作信号を前記機械シミュレーション・システムに取り込んで得た仮想機械を擬似的に制御することにより保全作業の妥当性、安全度、干渉及び作業時間を検証し、その検証結果に基づいて前記加工機械及びロボットを制御することを特徴とする監視操作システム。
- 請求項12〜23のいずれかにおいて、前記監視操作装置を2箇所以上の遠隔地に設置し、これらを電話回線、LAN及びWANのいずれかによって接続して前記装置の遠隔地運転、遠隔動作状態監視、遠隔教示及び遠隔保守を行うことを特徴とする監視操作システム。
- 請求項12〜24のいずれかにおいて、前記設備の製作又は保全作業に実施する前記装置の加工音を記録し、該記録した加工音の周波数を分析し、正常時の加工音と比較して異常が検出された場合、前記装置を緊急停止させる緊急停止手段を有することを特徴とする監視操作システム。
- 請求項23〜25のいずれかにおいて、前記双方向リアルタイムシミュレータを用いて、前記設備の製作又は保全作業に実施する加工機械及びロボットをシミュレーション・システム内でモデリングし、前記監視装置の操作信号を前記シミュレーション・システムに取り込んで、シミュレーション内で仮想機械を擬似的に制御することにより前記保全作業の妥当性、安全度、干渉及び作業時間を検証し、その検証結果に基づいて前記加工機械及びロボットを制御することを特徴とする監視操作システム。
- 請求項12〜26のいずれかにおいて、前記各部署は、前記設備の製作又は保全作業に係る計画立案元と、前記設備の製作又は保全作業に実施する装置の製造現場と、前記設備を有する現地との少なくとも2者間であることを特徴とする監視操作システム。
- 原子力発電プラントの製作、又は前記プラントの点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する原子力発電プラントの支援システムにおいて、請求項1〜10のいずれかに記載の支援システムによって前記製作又は保全作業を行うことを特徴とする原子力発電プラントの支援システム。
- 原子力発電プラントの製作、又は前記プラントの点検、補修及び取替えに係る保全作業を支援する原子力発電プラントの監視操作システムにおいて、請求項11〜25のいずれかに記載の監視操作システムを備えたことを特徴とする原子力発電プラントの監視操作システム。
- 少なくとも1台のカメラを接続した映像切替え機と、該映像切替え機に接続される表示装置と、集音器と、該集音器と前記映像切替え機が接続される映像取込インターフェースと、前記表示装置が接続される表示インターフェースと、該表示インターフェースに接続されたCPUと、該CPUに接続されたデータベース処理ディスクと、前記CPUに接続されたネットワークインターフェースと、前記CPUに接続されたI/Oインターフェースと、前記CPUに接続されたモータ制御インターフェースと、これらを組み込んだ監視操作盤と、該監視操作盤に設けられた3次元シミュレーションのグラフィック表示を行う監視面と、前記監視操作盤の操作機器からの操作信号をシリアル又はパラレルの電気信号で前記3次元シミュレーションを実行するコンピュータと、前記ネットワークインターフェースに接続される外部ネット接続部とを備えたことを特徴とする監視操作システム。
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