WO2006068007A1

WO2006068007A1 - 全方向移動車輪および移動装置、搬送装置およびマッサージ装置

Info

Publication number: WO2006068007A1
Application number: PCT/JP2005/022854
Authority: WO
Inventors: Shinichiro Fuji
Original assignee: Shinichiro Fuji
Priority date: 2004-12-20
Filing date: 2005-12-13
Publication date: 2006-06-29
Also published as: US20080018167A1

Abstract

本発明に係る全方向移動車輪は、複数の回転体とホイールとを有し、各回転体は、回転軸を湾曲可能な可撓性を有し、前記ホイールの外周をリング状に包囲するよう湾曲してそれぞれ前記ホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に、各回転体の回転軸方向に圧縮されて前記ホイールに設けられていることを特徴とする。これにより、本発明の全方向移動車輪を有する移動装置、搬送装置およびマッサージ装置は、各回転体の回転軸方向の位置によらず、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能が高く、滑らかに走行することになり、安定した快適な動作が可能となる。

Description

明細書

全方向移動車輪および移動装置、搬送装置およびマッサージ装置技術分野

[0001] 本発明は、全方向移動車輪、並びに、全方向移動車輪を有する移動装置、搬送装置およびマッサージ装置に関する。

背景技術

[0002] 従来、自在に進行方向を変えながら走行可能な台車や車椅子等の車輪として、キヤスターが一般的に用いられている。キャスターは、前進から後進等へ進行方向を切り替える時、車輪を一旦、進行方向と直交する方向に向ける必要がある。このとき、車輪の置かれている床面に溝があると車輪が溝に落ち込むことがあり、踏切事故ゃェレベータ一事故の原因になるという問題があった。

[0003] また、砂利道や段差のある路面、車輪が沈降するような軟弱な地面、積雪のある道路などの悪路では、車輪が回転しにくいため、操作に大きな力を要し、走破性が悪いという問題もあった。この問題を解決する手段として、車輪の径を大きくすることが考えられる。しかし、キャスターの構造上、車輪の取付高を大きくとる必要があることや、キャスターの周囲に車輪の方向転換時の空きスペースを確保しなければならないことなどの制約があるため、車輪の大径化は限定されてしまう。これらの課題の解決策のひとつとして、車輪姿勢を固定することが考えられる。

[0004] また、走破性の向上には全輪駆動が好ましいが、この場合、車軸の方向が車体に対して変化するキャスターの構造では、車輪の強制駆動機構を盛り込むコストが嵩んでしまう。そこで、簡便に強制駆動を行うためには、車軸姿勢が車体に対して変化しない車輪が要求される。

[0005] このような車軸姿勢が固定されたものとして、各車輪が独立したモータにより作動し、レ、くつかの貫通ピンが車輪フランジに配置され、各貫通ピン軸の軸方向が車軸の軸方向とねじれの位置関係にあり、回転可能車輪が各貫通ピンに取り付けられているモータ式車椅子がある (特許文献 1参照)。このモータ式車椅子の車輪は、いわゆるメカナムホイール方式であり、他に各貫通ピン軸の軸方向が車軸の軸方向と垂直となっているォムニホイール方式が知られている。これらのメカナムホイール方式およびォムニホイール方式による車輪は、車軸姿勢を固定しても進行方向を変えられるとレ、う点でキャスターの課題を解決している力全体としての車輪幅が大きぐかつ、走行する面が平滑な一平面でないと、回転中に車輪外周の連続した滑らかな接地を確保することができないという不具合があった。従って、現実には室内での利用等に制限されるという問題がある。

[0006] そこで、この問題を解決するために、車軸に対して直交する同一面内に回転軸を有する複数の小回転体を、車輪外周に沿って車輪の回転面内に一列に配置し、接地面が曲面や複数の平面が複合された平面であっても車輪外周の接地を確保できるようにした車輪がある (例えば、特許文献 4または 5参照)。

しかし、これらの車輪は小回転体を車輪外周に配置したとき、車輪中心側で隣接する小回転体同士が接触するため、必然的に車輪外周側に隙間が生じてしまう。そのため車輪外周の方絡線が多角形となり、滑らかに回転することができなかった。また、小回転体間の隙間は車輪外周側に開レ、た楔形形状となってレ、るため、接地位置で小石などが隙間に挟まった場合、小回転体が回転できなくなったり破損したりした。対策として外周の楔形隙間をカバーで覆ったものがあるが、カバーが路面凹凸の突起に乗り上げると円滑な横行ができないなど、使用できる環境には、やはり大きな制限があった。

[0007] そこで、外周隙間を極力小さくし、外周方絡線を連続した円形に近づけるため、小回転体が隣接する小回転体内部に入り込む構造としたものがある (特許文献 2または 3参照)。

し力、しこれらの車輪においても、隣接する小回転体同士が接触干渉するのを防ぎ、かつ小回転体の強度を得るのに十分な肉厚をとるためには、 P 接する小回転体の問に隙間を許容しなければならなかった。その隙間により走行時に振動や騒音が発生し、特に、舗装道路や室内フローリング床など固い平滑な床面では、振動や騒音による不具合が顕著である。このような車輪を車椅子に用いた場合には、乗り心地が悪いだけでなぐ健康への悪影響も懸念され、改善の余地が残されていた。

[0008] また、特許文献 1、 2、 3、 4、 5、 6に記載の全方向移動車輪では、各回転体の回転軸が可撓性を持たない直線である。この場合、ホイールの外周をリング状に形成するためには、各回転体を、外径が回転体の回転軸方向で変化する太鼓状や釣鐘状に形成する必要がある。しかし、このような各回転体の回転によって横行しょうとすると、各回転体の回転軸方向の位置によって外径が変化し、外径が小さくなるときには、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能が極端に悪化したり、更に外径が小さい場合には回転体が回転できず摺動するという課題があった。

[0009] さらに、特許文献 1、 2、 3、 4および 5に記載の全方向移動車輪では、各回転体が自在に回転して全方向へ移動できるため、路面に傾斜がある場合、意図しなくとも、あるいは意図に反して、重力によって低い方向へ移動してしまう。このように、直進性が悪ぐ動作が安定しないという課題もあった。

[0010] 特許文献 1：特許第 3244706号公報

特許文献 2：特許第 3421290号公報

特許文献 3：特開 2002-137602号公報

特許文献 4：特許第 3381848号公報

特許文献 5：特開 2001-213103号公報

特許文献 6：特開 2004-344289号公報

発明の開示

[0011] 本発明は、このような課題に着目してなされたもので、走行時の振動や騒音を抑えること力 Sでき、悪路でも走破性のよぐ各回転体の回転軸方向の位置によらず、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能が高ぐ直進性を高めることができ、安定した動作が可能な全方向移動車輪及び移動装置を提供することを目的とする。また、本発明は、前記全方向移動車輪を適用して安定した動作を行うことができる搬送装置及びマッサージ装置を提供することを目的とする。

[0012] 本発明に係る全方向移動車輪は、複数の回転体とホイールとを有し、各回転体は、回転軸を湾曲可能な可撓性を有し、前記ホイールの外周をリング状に包囲するよう湾曲してそれぞれ前記ホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に、各回転体の回転軸方向に圧縮されて前記ホイールに設けられていることを特徴とする。 [0013] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記各回転体は、コイルスプリングを弾性体で被覆して成り、前記ホイールは、各回転体の両端の姿勢を拘束したまま回転可能に支持する回転体支持部を有するのが好ましい。その場合、コイルスプリングの線材の径とコイル径とを適正に選択することにより、コイルスプリングの径方向のつぶれに対して十分な抵抗強度を得ることができる。また、さらに自由長と卷数などを適正に選択することにより、回転体回転軸の荷重による変位を十分に小さくすることができ、接地外周輪郭が崩れにくい。また、各回転体の外側側面では、湾曲によりコイルスプリングの線材問に隙間があるが、弾性体被覆により,滑らかに回転することができる。コィノレスプリングにより荷重に対する強度が得られ、弾性体により接地時の弾力性が得られるため、耐荷重性能を高めると同時に、振動を抑えて走行することができ、乗り心地を良くすることもできる。

[0014] また、本発明に係る全方向移動車輪で、各回転体は、それぞれホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能にホイールに設けられているため、各回転体をホイールの回転方向に対して垂直方向に回転させること力 Sできる。これにより、車軸を固定しても任意の方向に方向転換することができる。このため、車輪の方向転換のためのスペースが不要であり、車輪の径を大きくして、悪路での走破性を高めることができる。

[0015] さらに、本発明に係る全方向移動車輪で、各回転体は、ホイールの外周をリング状に包囲するよう湾曲して設けられているため、点接触で接地することができる。このため、走行する面が平滑な一平面でなくてもよぐ凹凸を有する悪路や曲面などでも走行すること力 Sできる。また、各回転体が湾曲して設けられているため、各回転体を隣接する回転体に重ならないよう配置することができる。このため、各回転体を十分な強度と弾性を有する肉厚に形成しても、隣接する回転体との隙間を小さくすることができ、走行時の振動や騒音を抑えることができる。ホイールが各回転体の回転軸両端の姿勢を拘束したまま回転可能に支持する回転体支持部を有しているため、各回転体に荷重が加えられたとき、その回転軸の変位を乗り心地に影響しないよう小さくすること力 Sできる。また、回転軸の曲率を維持したまま各回転体を回転させることができるので滑らかな回転が可能である。各回転体が軸方向に圧縮されているため、各回転体に引張応力が加わるときに比べ、弾性材の耐久性を向上させることができる。また、接地面からの力で、各回転体が回転軸方向に変位したり、橈んで当初の回転軸に沿う平面から逸脱したりするのを抑えることもできる。

[0016] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体は、前記コイルスプリングを前記弾性体で円筒状に被覆して成ることが好ましい。

[0017] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体は、外側側面が隣合う回転体の外側側面と連続するよう配置されていることが好ましい。その場合、回転体の外側側面とは、回転体の接地する位置側の側面のことであり、連続するとは、多少の隙間はあつてもほぼ連続している状態をいう。この場合、回転体の外側側面で隣合う回転体との隙間が小さくなるため、走行時の隙間による振動や騒音をより抑えることができる。また、回転体のホイール側側面では適正な隙間を確保することでロール支持柱を楔形の断面とし、その強度を確保することができる。

[0018] 本発明に係る全方向移動車輪で、複数の芯材を有し、各回転体は円筒体から成り、各芯材は各回転体の内部に挿入されて両端が前記回転体支持部に結合されていることが好ましい。この場合、芯材の形状により回転体の湾曲形状を好ましい形に強制することができ、また各回転体に過荷重が加わった場合にも回転体内壁を支持することで過大な変位を抑えることができ、乗り心地への影響を小さくすることができる。また、回転体が大きく変形して破損するのを防ぐこともできる。各回転体の内壁と芯材との間を、ベアリングなどで回転可能に支持することがさらに好ましい。

[0019] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記ホイールは隣合う 2つの回転体の問の隙間を塞ぐ複数の板材を有していてもよい。この場合、板材により、隣合う 2つの回転体の間の隙間に、小石などの異物が挟まるのを防ぐことができる。これにより、回転体の回転が悪くなつたり、乗り心地が悪くなつたり、回転体やホイールが破損したりするのを、未然に防止することができる。

[0020] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記ホイールはホイール本体と複数の回転体支持部とから成り、各回転体は円筒体力成り、各回転体支持部は前記ホイール本体の外周に放射状に固定され、それぞれ隣合う 2つの回転体の問に配置されて各回転体をその端部内周で回転可能に支持していてもよい。この場合、ホイールと各回転体との一体性が高くなるため、走行時の振動や騒音を抑えつつ、より快適な走破性を確保すること力 Sできる。

[0021] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体はコイルスプリングを弾性体で円筒状に被覆して成り、前記コイルスプリングの間隙に沿って円筒内部側面に溝を有することが好ましい。この場合、各回転体が湾曲するとき、各回転体の内側側面で、溝によりコイルスプリングの線材の間隔を容易に縮めることができる。これにより、各回転体の湾曲が容易になり、各回転体を回転しやすくすることができる。この構成では、弾性体に体積圧縮性の大きい材質を用いて各回転体の湾曲を容易にする場合に比べて、材料費を低減することができる。この構成は、溝成型加工の量産が可能である場合、特に有用である。ただし、溝成型加工の量産が難しい場合には、溝が無ぐ体積圧縮の変形抵抗が充分小さレ、材質のものを用いるのが好ましレ、。

[0022] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体は円筒状の側面、両端から中央に力 4ナて凸状に連続的に湾曲した側面、または両端部を太くした凹状で中央部が凸状に連続的に湾曲した側面を有していてもよい。この場合、前記回転体の側面の形状を変えることにより、無荷重走行する時の全方向移動車輪の外周の真円度を高めることができ、より滑らかに空走することができる。また、荷重を加えた実際の使用状態で、車輪の接地部がより真円となり、より滑ら力に回転すること力 Sできる。

[0023] 本発明に係る移動装置は、前記各回転体が、前記可撓性および前記回転軸に垂直な方向に橈み抵抗性を有する強度異方性の構造体を有することが好ましい。

[0024] 本発明に係る全方向移動車輪で、各回転体は、前記構造体が回転軸方向に伸縮可能なベローズから成っていてもよい。また、各回転体は、前記構造体が概ね円筒状で、円筒の直径線を挟んで対向した複数の切込みを有し、各切込みは円筒状の前記構造体の外周面から径方向に貫通して設けられ、回転軸方向で隣合う切込みに対してずれて配置されることで、回転軸を湾曲可能な可撓性を有していてもよい。各回転体は、前記構造体が異形断面線材のコイルスプリングから成っていてもよい。各回転体は、前記構造体が切削加工によりコイルスプリング状に成形されたパネから成っていてもよい。各回転体は、前記構造体が複数の同径および同ピッチのコイルスプリングを有し、互いに線材間に他のコイルスプリングの線材が配置されるよう、各コィルスプリングを中心軸を一致させて配置して成っていてもよい。各回転体は、前記構造体が大径のコイルスプリングと、前記大径のコイルスプリングの内径より小さい外径を有する小径のコイルスプリングとを有し、前記大径のコイルスプリングの内側に前記小径のコイルスプリングを設けて成っていてもよい。各回転体は、前記構造体が外周部に滑り止め用の複数の突起部材を有していてもよい。各回転体は、前記構造体がプラスチック製のコイルスプリングを有し、前記コイルスプリングの隙間を覆うよう前記コイルスプリングの内側にプラスチック製のフィルムを円筒状に貼り付けて成っていてもよレ、。各回転体は、前記構造体がコイルスプリングから成っていてもよい。

[0025] さらに、本発明に係る全方向移動車輪で、各回転体は、前記構造体と、接地の弾力性を受持つ弾性体とから成っていてもよい。各回転体は、前記可撓性構造体の外周を前記弾性体で概ね円筒状に覆って成っていてもよい。各回転体は、前記構造体を前記弾性体で概ね円筒状に被覆して成っていてもよい。各回転体は、前記構造体の線材を前記弾性体で被覆して成っていてもよい。各回転体は、前記弾性体の外面に溝を有していてもよい。各回転体は、前記弾性体の外面または内面の少なくとも一方に溝を有していてもよい。各回転体は、前記弾性体の外面にトレッドパターンの凹凸が形成されていてもよい。

[0026] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体は可撓性構造体を弾性体で概ね円筒状に被覆して成り、内面に前記可撓性構造体の間隙に沿った溝を有し、外面にスパイラルまたは円周方向に沿った溝を有することが好ましい。

[0027] 本発明に係る全方向移動車輪で、車輪外径に対して回転体の径を大きく設計したい場合には、前記回転体は両端から中央にかけて凸状に連続的に湾曲した太鼓型の側面、両端部を太くした凹状で中央部が凸状に連続的に湾曲した側面を有していても良い。このような形状にすることで、より小径の車輪を実現することができ、また可橈性のない回転体の径変化よりも少なレ、径変化で同じ直径の車輪を実現することができる。その場合、本発明に係る全方向移動車輪では、各回転体の外径が変化している力用途に応じて許容される最小径が確保されるよう設計可能である。

[0028] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体は外面または内面の少なくとも一方に溝を有する弾性体から成ることが好ましレ、。 [0029] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体は、タイヤ型弾性体を前記回転体の回転軸方向に複数連結した構造体であってもよい。またこの場合、前記タイヤ型弾性体の内周面には、前記タイヤ型弾性体の回転軸を中心とする環状の溝孔を形成した形状を有する。

[0030] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体は平行に間隔をあけて配置した複数のリングを連結するよう、円筒状の弾性材で各リングの外周面を覆って成っていてあよい。

[0031] 本発明に係る全方向移動車輪の前記回転体で、前記構造体は概ね円筒状で、円筒の直径線を挟んで対向した複数の切込みを有し、各切込みは円筒状の前記構造体の外周面から径方向に貫通して設けられ、回転軸方向で隣合う切込みに対してずれて配置されることが好ましレ、。

[0032] 本発明に係る全方向移動車輪の前記回転体で、前記構造体は異形断面線材のコィルスプリングから成ることが好ましい。

[0033] 本発明に係る全方向移動車輪の前記回転体で、前記構造体は切削加工によりコィノレスプリング状に成形されたパネから成ることが好ましい。

[0034] 本発明に係る全方向移動車輪の前記回転体で、前記構造体は複数の同径および同ピッチのコイルスプリングを有し、互いに線材間に他のコイルスプリングの線材が配置されるよう、各コイルスプリングを中心軸を一致させて配置して成ることが好ましい。

[0035] 本発明に係る全方向移動車輪の前記回転体で、前記構造体は大径のコイルスプリングと、前記大径のコイルスプリングの内径より小さい外径を有する小径のコイルスプリングとを有し、前記大径のコイルスプリングの内側に前記小径のコイルスプリングを設けて成ることが好ましい。

[0036] 本発明に係る全方向移動車輪の前記回転体で、前記構造体は外周部に滑り止め用の複数の突起部材を有することが好ましい。

[0037] ·

本発明に係る全方向移動車輪の前記回転体で、前記構造体はプラスチック製のコィルスプリングを有し、前記コイルスプリングの隙間を覆うよう前記コイルスプリングの内側にプラスチック製のフィルムを円筒状に貼り付けた構造で成ることが望ましい。 [0038] 本発明に係る全方向移動車輪の前記回転体で、前記構造体はコイルスプリングから成ることが好ましい。

[0039] 本発明に係る全方向移動車輪では前記各回転体を概ね円筒状に形成しても、ホイールの外周をリング状に形成することができる。このため、各回転体の回転軸方向で外径が変化せず、全方向移動車輪が横行する走行面上にある障害物の乗越えは、常に各回転体の最大径の部分によって行われ、各回転体の最大の乗越え性能が常に発揮される。このように、本発明に係る全方向移動車輪は、各回転体の回転軸方向の位置によらず、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能が高い。

[0040] 各回転体がそれぞれホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能にホイールに設けられているため、各回転体をホイールの回転方向に対して垂直方向に回転させることができる。これにより、例えば車輪として使用した場合、車軸を固定しても任意の方向に方向転換することができる。このため、キャスターに求められるような車輪の方向転換のためのスペースが不要であり、車輪の径を大きくして、悪路での走破性を高めることができる。また、車軸姿勢が変らなレ、ので駆動機構を盛込むことが容易であり、その場合走破性をさらに向上させることができる。

[0041] また、各回転体がホイールの外周をリング状に包囲するよう湾曲して設けられているため、点接触で接地することができる。このため、走行する面が平滑な一平面でなくてもよく、凹凸を有する悪路や曲面などでも走行することができる。各回転体が回転軸方向に圧縮されているため、各回転体に引張応力が加わるときに比べ、弹性材の耐久性を向上させることができる。また、接地面からの反力で、各回転体が回転軸方向に変位したり、回転軸が沿う平面から橈んでしまったり湾曲のたわみ量が変化したりするのを抑制することもできる。

[0042] なお、本発明に係る全方向移動車輪で、各回転体は、それ自身径方向の潰し力に対する抵抗力を有している。また、各回転体は、径方向の荷重を受け持つ構造と、接地時の弾力性を発揮する弾性性能とを、ともに有していることが好ましい。

[0043] 本発明に係る全方向移動車輪は、前記ホイールと前記回転体と各回転体の両端の姿勢を拘束しつつ回転可能に支持する回転体支持部を有することが好ましい。この場合、各回転体に荷重が加えられたとき、その回転軸の変位を乗り心地に影響しないよう小さくすることができる。また、回転軸の曲率を概ね維持したまま、各回転体を回転させることができる。特に各回転体への荷重が軽負荷の場合は、このような簡略な構造をとることで、軽量化とコストの低減を図ることができる。

[0044] 本発明に係る全方向移動車輪は、各回転体の内部に揷入され、両端が前記回転体支持部に結合されている芯材を有していてもよい。この場合、芯材の形状により回転体の湾曲形状を好ましい形に強制することができ、また各回転体に過荷重が加わつた場合にも回転体内壁を支持することで過大な変位を抑えることができ、乗り心地への影響を小さくすることができる。また、回転体が大きく変形して破損するのを防ぐこともできる。各回転体を屈曲した状態で組立ておくことができるため、予め予備品を準備しておくことができる。これにより、万一の各回転体の破損時など交換が必要になった場合、簡単な工具で容易に各回転体を交換することができ、使用者自身での保守修理が可能となり、メンテナンスの迅速性の確保や、そのコストの低減を図ることあでさる。

[0045] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記芯材は両端間の所定の位置に各回転体を回転可能に支持するよう設けられた中間支持部材を有していてもよい。この場合、過荷重が加わったときの各回転体の変形をさらに抑制することができる。また、組立時の各回転体の形状を強制することによって車輪外周の形状を矯正し、より真円に近づけることで無負荷時の多角形回転効果による走行振動を軽減することができる。各回転体の寸法を長くすることにより、回転体支持部の設置数を削減し、デザイン性の向上やコストの低減を図ることができる中間支持部材は、転がり軸受ゃ滑り軸受などの軸受から成ることが好ましレ、。

[0046] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記ホイールは中心軸に位置するホイール本体と、前記ホイール本体と前記回転体支持部とを接続する複数のスポークとを有していてもよレ、。スポークによって回転体支持部をホイール中心に向かって引き寄せることで、回転体支持部ゃ芯材等で形成されるリング状の部品列が、各部品のホイール半径方向端面で強く押し当てられ緊縛することで荷重に耐えうる強固な 1個のリングを形成することができる。この場合、大径の全方向移動車輪を構成するとき、小径のホイール本体と複数のスポークとにより回転体支持部を支持することができ、大径のホイール本体を必要としないため、大幅な軽量ィ匕を図ることができる。また、リング状で、回転体支持部を外周に配置したリムを設け、このリムと小径ホイールとの間をスポークで連結する構造としてもよい。この場合、より大きな車輪耐荷重が得られる。

[0047] 本発明に係る全方向移動車輪は、各回転体の両端にその両端の開口を塞ぐシール部材を有していてもよい。この場合、砂地などを走行するときでも、各回転体の内部や隙間に砂塵が入り込むのを防ぐことができる。このため、各回転体の内部や隙間に砂塵が入り込んで、次第に回転メカロスが増大し、横行に力を要する状態になるのを防止することができる。シール部材は、金属あるいはプラスチック製の皿バネ構造のシールリングから成ることが好ましレ、。このとき、皿パネの高さを圧縮することでシーノレ圧力とすることができる。

[0048] 本発明に係る全方向移動車輪で、前記回転体は前記ブレーキを有し、前記ブレーキは各回転体を選択的に固定または回転可能に、ホイールに取り付けられていることが好ましい。

使用の状況に応じて、固定車輪としてホイール回転方向にのみ移動可能に機能させたり、自在車輪として全方向に移動可能に機能させたりする選択が可能となる。このため、例えば路面に傾斜がある場合、重力によって低い方向へ移動しないよう各回転体を固定して直進することができる。このように、本発明に係る全方向移動車輪は、直進性を高めることができ、安定した動作が可能である。

[0049] 本発明に係る全方向移動車輪は、例えば、狭い通路内を安全に直進走行し、時には幅寄せして障害物を回避する鉄道車両内での販売車や、積載物の受渡しのために微妙な位置合せを必要とする工場内の搬送台車、机に正対したまま僅かにサイドスリップして作業に適した姿勢を選択しょうとする車椅子などの車輪として使用されると、非常に有用である。

[0050] 本発明に係る全方向移動車輪で，前記ブレーキは複数のブレーキシュ一とカムリングと操作部とを有し、各ブレーキシュ一は、カムフォロワを有し、各回転体に当接する制動位置と各回転体力離れた解放位置とに移動可能に前記ホイールの外周に設けられており、前記カムリングは前記ホイールにそのホイールの回転軸と同軸で回転可能に設けられ、各カムフォロワと係合して前記ホイールに対する回転角度により前記ブレーキシュ一を前記制動位置と前記解放位置とに選択的に移動可能なカム形状を有し、前記操作部は前記カムリングを前記ホイールに対し回転可能に設けられていることが好ましい。この場合、操作部によりカムリングをホイールに対して回転させると、そのホイールに対する回転角度により、カムリングに係合されたカムフォロワとともに、ブレーキシュ一を制動位置と開放位置とに選択的に移動させることができる。ブレーキシュ一が制動位置のとき、各回転体にプレーキシュ一が当接し、各回転体がその回転軸を中心として回転しないよう、各回転体を固定することができる。ブレーキシュ一が解放位置のとき、各回転体からブレーキシュ一が離れ、各回転体をその回転軸を中心として自在に回転可能にすることができる。

[0051] 本発明に係る移動装置は、本体に本発明に係る全方向移動車輪を有することを特徴とする。本発明に係る移動装置は、全方向移動車輪により、走行時の振動や騒音が少なぐ悪路でも走破性がよい。また、全方向移動車輪の軸方向を固定したまま、任意の方向に方向転換可能である。

[0052] また、本発明に係る移動装置は、本発明に係る全方向移動車輪を有しているため、各回転体の回転軸方向の位置によらず、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能が高い。また、ブレーキにより各回転体を選択的に固定または回転可能であるため、直進性を高めることができ、安定した動作が可能である。本発明に係る移動装置は、好適には、鉄道車両内での販売車や、工場内の搬送台車、車椅子などである。

[0053] さらに、本発明に係る移動装置は、本体と、 1対の固定車輪と、本発明に係る全方向移動車輪を少なくとも 1つ以上有し、前記固定車輪は前記本体に軸方向が固定されて回転可能に取り付けられ、前記全方向移動車輪は前記固定車輪とともに前記本体を支持するよう前記本体に回転可能に取り付けられていることが好ましい。この本発明に係る移動装置は、全方向移動車輪により、走行時の振動や騒音が少なぐ悪路でも走破性がよい。また、固定車輪および全方向移動車輪の軸方向を固定したまま、任意の方向に方向転換可能である。

[0054] 本発明に係る移動装置で、前記固定車輪および前記全方向移動車輪は長方形の頂点の位置に配置されていることが好ましい。この場合、本体を支持するバランスがよぐ走行時の安定性がよい。また、固定車輪および全方向移動車輪の位置により車両感覚をつかみやすぐ操作性がよい。

[0055] 本発明に係る移動装置は、前記固定車輪および前記全方向移動車輪に互いに対になるよう 2つの伝動ベルトが卷き掛けられていてもよい。この場合、固定車輪および全方向移動車輪を同時に周速度を同期して回転させることができるため、 4輪駆動となり、安定性や走行性がよい。また、砂地や段差があっても容易に乗り越えることができる。

[0056] また、本発明に係る全方向移動車輪は、移動装置の車輪としてだけではなぐ搬送装置用ローラ、マッサージ装置用揉み玉などとしても使用することができる。

本発明に係る搬送装置は、物品を搬送する搬送装置において、本体に本発明に係る全方向移動車輪を搬送用ローラとして有することを特徴とする。また、本発明に係るマッサージ装置は、本体に本発明に係る全方向移動車輪をマッサージ用揉み玉として有することを特徴とする。このようなマッサージ装置は本発明の全方向移動による効果を享受できるため、圧迫しながら上下左右に移動するマッサージ動作が可能となり、無理なく横移動する。

図面の簡単な説明

[0057] [図 1]本発明の第 1の実施の形態の全方向移動車輪を示す斜視図である。

[図 2]図 1に示す全方向移動車輪の部分断面図である。回転体構造を形成するコィルスプリングの表記は省略した。

[図 3]図 1に示す全方向移動車輪のロール支持柱を示す斜視図である。

[図 4]図 1に示す全方向移動車輪のコイルスプリングを示す斜視図である。

[図 5]図 1に示す全方向移動車輪の回転体を示す縦断面図である。

[図 6]図 1に示す全方向移動車輪の回転体の湾曲した状態を示す斜視図である。回転体構造を形成するコイルスプリングの表記は省略した。

[図 7]図 1に示す全方向移動車輪の回転体の湾曲した状態を示す縦断面図である。

[図 8]本発明の第 2の実施の形態の全方向移動ローラを示す斜視図である。

[図 9]図 8に示す全方向移動ローラの回転体を示す縦断面図である。 [図 10]図 8に示す全方向移動ローラの回転体、芯材およびキャップを示す縦断面図である。以下、回転体内面を形成するべローズ等の構造体の表記は省略した場合がある。

園 11]図 8に示す全方向移動車輪の芯材がない変形例を示す縦断面図である。

[図 12]図 8に示す全方向移動車輪の中間支持部材を有する変形例を示す縦断面図である。

園 13]図 8に示す全方向移動車輪のスポークを有する変形例を示す正面図である。園 14]図 8に示す全方向移動車輪のシール部材を有する変形例を示す縦断面図である。

園 15]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 1を示す縦断面図である。園 16]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 2を示す縦断面図である。

[図 17]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 3を示す斜視図である。

園 18]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 4を示す縦断面図である。園 19]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 5を示す縦断面図である。

[図 20]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 6を示す縦断面図である。

[図 21]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 7を示す縦断面図である。

[図 22]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 8を示す縦断面図である。

[図 23]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 9を示す縦断面図である。園 24]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 10を示す縦断面図である。

[図 25]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 11を示す縦断面図である。

[図 26]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 12を示す縦断面図である。

[図 27]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 13を示す縦断面図である。

[図 28]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 14を示す縦断面図である。

[図 29]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 15を示す縦断面図である。

[図 30]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 16を示す (a)回転体の縦断面図、（b)全体の正面図である。

園 31]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 17を示す縦断面図である。

[図 32]図 8に示す全方向移動車輪の回転体の変形例 18を示す縦断面図である。 [図 33]本発明の第 3の実施の形態の全方向移動車輪を示す (a)正面図, (b)カムリングホルダを外した状態の正面図である。

[図 34]図 33に示す全方向移動車輪の (a)A-A線断面図、（b)そのブレーキの拡大断面図である。

[図 35]図 33に示す全方向移動車輪のカムリングを外した状態のブレーキの拡大正面図である。

[図 36]図 33に示す全方向移動車輪のカムリングを示す (a)正面図、（b)カム形状の拡大正面図である。

[図 37]図 33に示す全方向移動車輪の鉄道車両内での販売車への使用状態を示す（ a)—部切り欠き側面図 (b)—部切り欠き背面図である。

[図 38]図 33に示す全方向移動車輪の車椅子への使用状態を示す側面図である。発明を実施するための最良の形態

[0058] 以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。

[0059] 第 1の実施形態について説明する。図 1乃至図 7は、本発明の実施の形態の全方向移動車輪を示している。図 1に示すように、全方向移動車輪 101は、ホイール 102と複数のロール 103とを有してレ、る。

[0060] 図 1乃至図 3に示すように、ホイール 102は、金属製またはプラスチック製で,ホイール本体 104と 8つの回転体支持部 105とを有している。図 1に示すように、ホイール本体 10 4は、外周に 8つの矩形の支持部固定面 104aを有している。図 2および 3に示すように、各回転体支持部 105は、ホイール本体 104の各支持部固定面 104aの大きさよりやや小さい矩形板状の固定板部 105aと、固定板部 105aの中央から垂直に伸びて設けられた支持板部 105bとを有している。支持板部 105bは、断面が楔形で、中央部に設けられた回転体固定孔 105cと、回転体固定孔 105cの周囲に設けられた支持用環状突部 105dとを有している。支持用環状突部 105dは、 2つの切込み 105i¾r有している。

[0061] 図 1および図 2に示すように、各回転体支持部 105は、支持板部 105bがホイール本体 104の回転方向に対して垂直になるよう、固定板部 105aをホイール本体 104の各支持部固定面 104aにネジ 105eで固定して取り付けられている。各回転体支持部 105は、ホイール本体 104の外周に放射状に固定されてレ、る。 [0062] 図 1に示すように、ロール 103は 8個力成り、図 4乃至図 7に示すように、各ロール 10 3はそれぞれ回転体 106と芯材 107と 1対のキャップ 108とを有している。図 4および図 5 に示すように、回転体 106は、コイルスプリング 106aを弾性体 106bで円筒状に被覆して形成されている。弾性体 106bは、例えば、ポリウレタン、シリコンゴム、発泡ゴムなど力成る。図 4に示すように、コイルスプリング 106aは、全方向移動車輪 101の使用目的に応じて、径方向のつぶれに対して十分な抵抗強度を得るよう、線材の径とコィノレ径、卷数と自由長とを適正に選択したものが使用される。図 5に示すように、各回転体 106は、コイルスプリング 106aの間隙に沿って弾性体 106bの円筒内部側面に溝 106c を有している。各回転体 106は、回転軸を湾曲可能な可撓性を有している。なお、図 7 では、コイルスプリング 106aと溝 106cの記載を省略している。

[0063] 図 2および図 7に示すように、芯材 107は、円筒を円弧状に湾曲させた形状を有している。芯材 107は、回転体 106の内径よりも小さい径を有し、回転体 106の内壁との間に隙間を有するよう、回転体 106の内部に挿入されている。

[0064] 図 6および図 7に示すように、各キャップ 108は、円筒状で、中央に回転体固定孔 105 cおよび支持用環状突部 105dに嵌合可能な中央固定部 108aと、ベアリング 108bを介して中央固定部 108aの周囲に設けられた回転円周部 108cとを有している。各キヤップ 108は、回転体 106の両端に、その開口を塞ぐよう取り付けられている。各キャップ 1 08は、中央固定部 108aが芯材 107にネジ 108dで固定され、回転円周部 108cが回転体 106の端部に固定されている。これにより、回転体 106は、キャップ 108の中央固定部 108aおよび芯材 107に対して、回転円周部 108cとともに滑らかに回転可能に構成されている。中央固定部 108aは、回転体固定孔 105cに嵌合したとき、支持用環状突部 105dの各切込み 105fと係合可能な 2つの係合突起 108eを有している。なお、図 3に示すように、ロール支持柱 109は、固定板部 105aと支持板部 105bと回転体固定孔 105 cと支持用環状突部 105dとネジ 105eと切込み 105fとで構成されている。また、回転体支持部 105は、ロール支持柱 109とキャップ 108とで構成されている。

[0065] 図 1および図 2に示すように、各ロール 103は、ホイール 102の外周をリング状に包囲するよう湾曲して、それぞれ 2つのロール支持柱 109の問に配置されている。各ロール 103は、各係合突起 108eが各切込み 105fに係合するよう、キャップ 108の中央固定部 1 08aを回転体固定孔 105cに嵌合して固定されている。各係合突起 108eが各切込み 10 5fと係合することにより、キャップ 108の中央固定部 108aおよび芯材 107は、回転体 106 とともに回転しないようになっている。各ロール 103はそれぞれ 2つのロール支持柱 109 の間で押えられ、回転体 106および芯材 107は円筒を円弧状に湾曲させた形状に保持されている。また、各回転体 106は、それぞれ 2つの回転体支持部 105により回転体の両端を支持されている。各回転体 106は、それぞれホイール 102の回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に、ホイール 102に設けられている。

[0066] また、各ロール 103は、回転体 106が軸方向に圧縮されて取り付けられている。図 1 に示すように、各回転体 106は、外側側面 106dが隣合う回転体 106の外側側面 106dとほぼ連続するよう配置されている。各回転体 106は、ホイール側側面 106eから外側側面 106dにかけて、各回転体支持部 105により隣合う回転体 106との隙間がほぼ塞がれるよう配置されている。

[0067] 次に、作用について説明する。全方向移動車輪 101は、各回転体 106がそれぞれホィール 102の回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能にホイール 102に設けられているため、各回転体 106をホイール 102の回転方向に対して垂直方向に回転させることができる。これにより、車軸を固定しても任意の方向に方向転換することができる。このため、車輪の方向転換のためのスペースが不要であり、車輪の径を大きくして、悪路での走破性を高めることができる。

[0068] 全方向移動車輪 101は、各回転体 106がホイール 102の外周をリング状に包囲するよう湾曲して設けられているため、点接触で接地することができる。このため、走行する面が平滑な一平面でなくてもよぐ凹凸を有する悪路や曲面などでも走行することができる。また、各回転体 106が湾曲して設けられているため、各回転体 106を隣接する回転体 106に重ならないよう配置することができる。このため、各回転体 106を十分な強度と弾性を有する肉厚に形成しても、隣接する回転体 106との隙間を小さくすることができ、走行時の振動や騒音を抑えることができる。

[0069] 各回転体 106は、コイルスプリング 106aを弾性体 106bで円筒状に被覆して成っているため、各回転体 106の外側側面 106dでは、湾曲によりコイルスプリング 106aの線材問の距離が広くなつているが、弾性体 106bにより、滑らかに回転することができる。コィルスプリング 106aにより荷重に対する強度が得られ、弾性体 106bにより接地時の弹力性が得られるため、耐荷重性能が高くなつていると同時に、振動を抑えて走行することができ、乗り心地も良い。

[0070] 隣合う回転体 106との隙間が小さいため、走行時の隙間による振動や騒音をより抑えること力できる。また、その隙間がほぼ塞がれているため、隣合う 2つの回転体 106 の間の隙間に、小石などの異物が挟まるのを防ぐことができる。このため、回転体 106 の回転が悪くなつたり、乗り心地が悪くなつたり、回転体 106やホイール 102が破損したりするのを、未然に防止することができる。回転体 106の内部に芯材 107が揷入されているため、各回転体 106に一時的に大きい荷重が加えられても、各回転体 106の変位を抑えることができ、乗り心地への影響を小さくすることができる。また、大きく変形して各回転体 106が破損するのを防ぐこともできる。

[0071] 各回転体 106がコイルスプリング 106aの間隙に沿って弾性体 106bの円筒内部側面に溝 106cを有しているため、各回転体 106が湾曲するとき、各回転体 106の内側側面で、溝 106cによりコイルスプリング 106aの線材の間隔を容易に縮めることができる。これにより、各回転体 106の湾曲が容易になり、各回転体 106を回転しやすくすることができる。また、各回転体 106の湾曲を容易にするため、弾性体 106bに体積圧縮率の大きい材質を用いる場合に比べて、材料選択の幅が広ぐ材料費を低減することができる。

[0072] 各回転体 106が軸方向に圧縮されているため、各回転体 106に引張応力が加わるときに比べ、弾性体 106bの耐久性が高レ、。また、接地面からの力で、各回転体 106が回転軸方向に変位したり、回転軸が橈んだりするのを抑えることもできる。また、ホイール 102と各回転体 106との一体性が高まるため、走行時の振動や騒音を抑えつつ、より快適な走破性を確保することができる。

[0073] なお、全方向移動車輪 101は、回転体 106の内壁と芯材 107との問の隙間にベアリングを有していてもよい。この場合、各回転体 106に荷重が加えられたとき、その回転軸の変位を乗り心地に影響しないよう小さくすることができる。また、回転軸の曲率を維持したまま、各回転体 106を回転させることができる。全方向移動車輪 101で、ホイ一ノレ 102を軽量とするために、ロール支持柱 109を支持部固定面 104aにネジ止め固定する代わりに、スポークでホイール中心に向かって引き寄せて緊縛し自転車の車輪のように構成してもよい。

[0074] また、全方向移動車輪 101で、各回転体 106は、コイルスプリング 106aを被覆してレヽる弾性体 106bの外側を、ブロックパターンの耐摩耗性の被覆材で被覆して形成されていてもよい。この場合、各回転体 106のホイール側側面 106eでブロックが互いに干渉しないよう、ブロックパターンを形成する。これにより、各回転体 106の耐久性が向上するとともに、雪道などでの走破性を高めることもできる。また、ブロックパターンをホイール 102の回転軸と角度を有して形成することにより、ブロックパターンによる振動を防ぐこともできる。なお、被覆材を有さず、弾性体 106bの表面を彫り込むことによりブロックパターンが形成されていてもよい。

[0075] 本発明の実施の形態の全方向移動車輪 101は、車椅子などの移動装置に使用される。移動装置は、例えば、本体と、 1対の固定車輪と、 1対の全方向移動車輪 101とを有し、固定車輪は本体に軸方向が固定されて回転可能に取り付けられ、全方向移動車輪 101は固定車輪とともに本体を支持するよう本体に回転可能に取り付けられてレ、ることが好ましい。この移動装置は、全方向移動車輪 101により、キャスターのような車輪の方向転換スペースと搭乗者の足との干渉を考慮する必要が無ぐ走行性に要求されるだけ充分に大きな車輪径を選択できることから、悪路走破性がよい。また、固定車輪および全方向移動車輪 101の車軸を固定したまま、任意の方向に方向転換可能であり、そのとき、キャスターのような迷走がなく安全である。

[0076] なお、移動装置は、固定車輪および全方向移動車輪 101が長方形の頂点の位置に配置されていてもよい。この場合、本体を支持するバランスがよぐ走行時の安定性がよレ、。また、固定車輪および全方向移動車輪 101の位置により車両感覚をつかみやすぐ操作性がよい。さらに、移動装置は、固定車輪および全方向移動車輪 101に互いに対になるよう 2つの伝動ベルトが卷き掛けられていてもよレ、。この場合、固定車輪および全方向移動車輪 101を同期して回転させることができるため、 4輪駆動となり、安定性や走行性がよい。また、砂地や段差があっても容易に乗り越えることができる。 [0077] 別の用い方として、キャスターでは、車輪の方向転換スペース確保のために移動装置の外側に配置せざるを得なかった力全方向移動車輪 101ではその必要がなぐ固定車輪の幅より狭ぐ全体が台形状になるように配置することもできる。このとき、車椅子等の回転スペースを小さくすることができる。なお、移動装置は、 4輪に限られず、 3輪、 5輪、 6輪などであってもよい。例えば、 3輪の場合、全方向移動車輪 101が 1個または 2個または 3個から成る。

[0078] また、本発明の実施の形態の全方向移動車輪 101は、全方向に移動走行するのが好ましい。例えば、家庭用電気掃除機台車、車椅子、汎用の荷物運搬台車などの車輪として好適に使用することができる。

[0079] 次に第 2の実施形態について説明する。尚、この第 2の実施形態も全方向移動車輪であるが、いわゆるコンベア等の搬送用回転ローラに使用することも想定し、全方向移動ローラと称して説明するものとする。図 8乃至図 14は、本発明の実施の形態の全方向移動ローラを示している。図 8乃至図 10に示すように、全方向移動ローラ 201 は、複数の回転体 202とホイール 204と回転体支持部 206とを有している。

[0080] 図 9に示すように、各回転体 202は、回転軸方向に伸縮可能なベローズ 202aを弾性体 202bで被覆して成っている。弾性体 202bは、例えば、ポリウレタン、シリコンゴム、発泡ゴムなどから成る。各回転体 202は、径方向には潰れにくい強度を持ちながら、同時に回転軸を湾曲可能な可撓性を有している。

[0081] 図 10に示すように、芯材 203は、円柱を円弧状に湾曲させた形状を有している。芯材 203は、回転体 202の内径よりも小さい径を有し、回転体 202の内壁との間に隙間を有するよう、回転体 202の内部に挿入されている。

[0082] 図 8に示すように、ホイール 204は、金属製またはプラスチック製で、ホイール本体 20 5と回転体支持部 206とを有している。ホイール本体 205は、外周に複数の支持部固定面 205aを有している。各回転体支持部 206は、ホイール本体 205の各支持部固定面 205aの大きさよりやや小さい矩形板状の固定板部 206aを有している。図 8に示すように、各回転体支持部 206は、支持板部 206bがホイール本体 205の回転方向に対して垂直になるよう、固定板部 206aをホイール本体 205の各支持部固定面 205aにネジ 2 07で固定して取り付けられている。各回転体支持部 206は、ホイール本体 205の外周に放射状に固定されている。

[0083] 図 10に示すように、回転支持部 206は、支持板部 206bに着脱可能なキャップ 208を有している。キャップ 208は、中央固定部 208aと、ベアリング 208bを介して中央固定部 208aの周囲に設けられた回転円周部 208cとを有している。キャップ 208は、中央固定部 208aを支持板部 206bに着脱可能になっている。また、中央固定部 208aには突起 2 08eが設けられており、中央固定部 208aと支持板部 206bとの回転方向の位置決め (廻り止め)となっている。これによつて、芯材 203の姿勢を固定している。キャップ 208は、回転体 202の両端に、その開口を塞ぐよう取り付けられている。キャップ 208は、中央固定部 208aが芯材 203に押さえボルト 208dで固定され、回転円周部 208cが回転体 20 2の端部に固定されている。これにより、各回転体 202は、キャップ 208の中央固定部 2 08aおよび芯材 203に対して、回転円周部 208cとともに滑らかに回転可能に構成されている。

[0084] 図 8に示すように、全方向移動ローラ 201は、各回転体 202をその回転軸方向に圧縮して、ホイール 204の外周をリング状に包囲するよう湾曲させ、それぞれ各回転体支持部 206の間に配置して、各回転体 202の両端に取り付けられたキャップ 208の中央固定部 208aを支持板部 206bに固定している。全方向移動ローラ 201は、各回転体支持部 206が各回転体 202の両端を回転可能に支持し、各回転体 202の円筒を円弧状に湾曲させた形状に保持している。また、全方向移動ローラ 201は、芯材 203の両端が 2つの回転体支持部 206に結合され、円弧状に湾曲した芯材 203を保持している。こうして、各回転体 202は、それぞれホイール 204の回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能になつてレ、る。

このような構造に似かよったものとして、特開 2005-67334において、回転軸が可撓性を持つ円筒形状の回転体であるフレキシブルタイヤが提案されている。しかし、この回転体は弾性材で構成されているなどのため、自身で車輪に負荷される荷重を支持することができず、回転体内径のほぼ全長に渡って回転軸に可撓性のない金属円筒短管で支持し、さらにその金属短菅の内径を湾曲した金属軸が支持する構造となつている。これは荷重支持構造から見れば、特許文献 4または 5の回転体外周を弾性材チューブで被覆し、方絡線の多角形効果を軽減させたものといえる力支持体として内接する金属短菅外周の不連続な外形形状をフレキシブルタイヤで緩和しきれず、またフレキシブルタイヤ内径の摺動メカロス等が避けられないことから、滑らかで軽い全方向移動は実現できていなかった。

[0085] 次に、作用について説明する。全方向移動ローラ 201では、各回転体 202が回転軸を湾曲可能な可撓性を有しているため、各回転体 202を概ね円筒状に形成しても、ホィール 204の外周をリング状に形成することができる。このため、各回転体 202の回転軸方向で外径が変化せず、全方向移動ローラ 201が横行する走行面上にある障害物の乗越えは、常に各回転体 202の最大径の部分によって行われ、各回転体 202の最大の乗越え性能が常に発揮される。このように、全方向移動ローラ 201は、各回転体 202の回転軸方向の位置によらず、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能力咼レヽ。

[0086] 各回転体 202がそれぞれホイール 204の回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能にホイール 204に設けられているため、各回転体 202 をホイール 204の回転方向に対して直角方向に回転させることができる。これにより、例えばコンベアのローラーとして使用した場合、ローラーを固定設置しても搬送する物体を任意の方向に方向転換することができる。また、ローラーを強制駆動することで搬送物に送り力やブレーキ力を与えたり、コンベアライン力イジェタトしたりすることも容易に可能である。

[0087] 各回転体 202が回転軸方向に圧縮されているため、各回転体 202に引張応力が加わるときに比べ、その耐久性を向上させることができる。また、搬送物からの反力で、各回転体 202が回転軸方向に変位したり、回転軸の湾曲のたわみ量が変化するのを抑制することちでさる。

[0088] 各回転体 202が回転軸方向に伸縮可能なベローズ 202aを弾性体 202bで被覆して成るため、成形精度が高ぐ回転トルクムラを小さくすることができる,このため、横行時の操作力をより小さくすることができる。両端をベアリング支持箱として成型したり、さらには弾性体 202bの注型時にベローズ 202aを壁面として利用できるので、注型製作が容易になる。また、注型時に、剥離材使用の必要が無く下地剤を使用できること力弾性体 202bの接着が強ぐ耐久性の高い回転体 202とすることができる。弾性体 2 02bが破損した場合にも、耐水、耐塵へのシール性に優れ、特に車輪として使用されたときの信頼性が高い。

[0089] 回転体支持部 206により、各回転体 202に荷重が加えられたときの回転軸の変位を乗り心地に影響しないよう小さくすることができる。また、回転軸の曲率を維持したまま、各回転体 202を回転させることができる。芯材 203の形状により回転体 202の湾曲形状を好ましい形に強制することができ、また各回転体 202に過荷重が加わった場合にも回転体 202の内壁を支持することで過大な変位を抑えることができ、さらに乗り心地への影響を小さくすることができる。また、芯材 203により、回転体 202が大きく変形して破損するのを防ぐこともできる。芯材 203により、各回転体 202を屈曲した状態で組立ておくことができるため、予め予備品を準備しておくことができる。これにより、万一の各回転体 202の破損時など交換が必要になった場合、簡単な工具で容易に各回転体 202を交換することができ、使用者自身での保守修理が可能となり、メンテナンスの迅速性の確保や、そのコストの低減を図ることもできる。

[0090] なお、図 11に示すように、全方向移動ローラ 201は、芯材 203の代わりにベアリング押え 208f¾r設けてもよい。この構成は、過負荷の可能性がない場合、あるいは仮に過負荷が加わったとしても車軸高さの変位量をある程度に制限しょうという意図が無い場合に、充分に機能することができる。芯材 203を省略することにより、軽量化とコストの低減を図ることができる。

[0091] また、図 12に示すように、全方向移動ローラ 201で、芯材 203は、両端間の所定の位置に、各回転体 202を回転可能に支持するよう設けられ、ベアリング 209aを有する転力 Sり軸受から成る中間支持部材 209を有していてもよい。この場合、過荷重が加わつたときの各回転体 202の変形をさらに抑制しつつ、滑り摩擦によるメカロスを回避すること力 Sできる。また、組立時の各回転体 202の形状を強制することによって車輪外周の形状を矯正し、より真円に近づけることで無負荷時の多角形回転効果による走行振動を軽減することができる。各回転体 202の寸法を長くすることにより、回転体支持部 206の設置数を削減し、デザイン性の向上やコストの低減を図ることができる。

[0092] 図 13に示すように、全方向移動ローラ 201で、ホイール 204は、中心軸に位置する小径のホイール本体 205と、ホイール本体 205と回転体支持部 206とを接続する複数のスポーク 210とを有していてもよレ、。この場合、大径の全方向移動ローラ 201を構成するとき、小径のホイール本体 205と複数のスポーク 210とにより回転体支持部 206を支持することができ、大径のホイール本体を必要としないため、大幅な軽量ィ匕を図ることができる。スポーク 210によって回転体支持部 206をホイール 204中心に向かって引き寄せることで、芯材 203、ベアリング 208b、キャップ 208、回転体支持部 206で形成されるリング状の部品列が、各部品のホイール 204半径方向端面で強く押し当てられ緊縛することで荷重に耐えうる強固な 1個のリングを形成することができる。

[0093] 図 14に示すように、全方向移動ローラ 201は、回転体支持部 206の支持板部 206bとキャップ 208との間に、皿パネから成り、各回転体 202の両端の開口を塞ぐシール部材 211を有していてもよレ、。この場合、砂地などを走行するときでも、各回転体 202の内部や隙間に砂塵が入り込むのを防ぐことができる。このため、各回転体 202の内部や隙間に砂塵が入り込んで、次第に回転メカロスが増大し、横行に力を要する状態になるのを防止することができる。なお、シール部材 211は、皿パネの高さを圧縮することでシール圧力を調整することができる。

[0094] 図 15に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、円筒の直径線を挟んで対向した複数の切込み 220を有し、各切込みは円筒状の前記構造体の外周面力径方向に貫通して設けられ、各切込み 220は回転軸方向で隣合う切込み 220に対してずれて配置されることで径方向の耐荷重性と回転軸方向の可撓性を実現した概ね円筒状の構造体から成ってレ、てもよレ、。

[0095] 図 16に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、異形断面線材のコィノレスプリング 221をたとえば弾性体 (図示せず)で概ね円筒状に被覆して成っていてもよレ、。この場合、コイルスプリング 221の線材間の隙間を大きくとることができるため、円形断面のコイルスプリングに較べて曲率を大きくとることができる。このため、小径の全方向移動車輪を構成するのが容易である。また、径方向への変形抵抗を大きくすることにより、耐荷重性を上げることができる。弾性体とコイルスプリング 221との接触面積増大により接着力が向上するため、耐久性を高めることができる。

[0096] 図 17に示すように、全方向移動ローラ 201で、異形線材が条帯である場合は、各回転体 202は、竹の子ばねとなる。 [0097] 図 18に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、切削によりコイルスプリング状に加工されたパネから成っていてもよい。この場合、卷線型のコイルスプリングに較べ、高精度に機械加工ができ、図 19に示すように容易に多条化が可能であるため、湾曲した状態での回転トルクムラを小さくすることができ、より小さな力で横行時の操作が可能となる。両端の加工度を上げることにより、ベアリング嵌合部等を一体に形成することができ、精度や組立加工性を向上することができる。なお、各回転体 202は、両端に押さえ用のフランジ 222が加工されてレ、てもよレ、。

[0098] 図 19に示すような切削によらずとも、複数の同径および同ピッチのコイルスプリング 2 23a,223bを有し、互いに線材間に他のコイルスプリング 223a,223bの線材が配置されるよう、各コイルスプリング 223a，223bを中心軸を一致させて配置して成っていてもよい。この場合、座卷のない切離しのコイルスプリング 223a，223bを、例えば 180度位相をずらして固定した 2条バネとして各回転体 202を形成すると、座卷精度の影響が緩和されるため、回転トルクムラを少なくすることができる。

[0099] 図 20に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、大径のコイルスプリング 224aと、大径のコイルスプリング 224aの内径より小さい外径を有する小径のコイルスプリング 224bとを有し、大径のコイルスプリング 224aの内側に小径のコイルスプリング 224bを設けて成っていてもよレ、。この場合、 2個のコイルスプリング 224a，224bにより、回転メカロスむらを相殺してメカロスを軽減することができる。右巻きのコイルスプリングの内側に、左巻きのコイルスプリングを組合せてもよい。特に、超重荷重用として好適に使用可能である。寸法制限や材料寸法の制限があるときでも、超重荷重用として構成可能である。なお、各回転体 202は,両端に位置規制リング 225を有していてあよい。

[0100] 図 21に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、外周部に滑り止め用の複数の突起部材 226を有するコイルスプリング 227から成っていてもよレ、。この場合，突起部材 226により、接地のグリップ効果を向上させることができ、特に軟弱路面での滑りを軽減することができる。

[0101] 図 22に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、プラスチック製のコィルスプリング 228を有し、コイルスプリング 228の隙間を覆うようコイルスプリング 228の内側にプラスチック製のフィルム 229を円筒状に貼り付けあるいは成形して成っていてもよい。この場合、超軽荷重用として好適に使用可能である。

[0102] 図 23に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、コイルスプリング 230 と、コイルスプリング 230の外周を覆うように嵌め合わせて接着等で固定した概ね円筒状の弾性体 231とを有してレ、てもよレ、。

[0103] 図 24に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、例えばコイルスプリング 232を有し、コイルスプリング 232の線材が弾性体 233で被覆されていてもよレ、。この場合、車輪として砂地や軟弱地盤での走行に適している。すなわち、各回転体 202 が砂地や軟弱地盤に坦め込まれることにより、多角形回転による走行振動が問題とならず、各回転体 202の凹凸による引き掛力効果によって高い推進力が得られる。なお、弾性体 233の薄いチューブを各回転体 202の内径に付加し、内径側への異物侵入を防止する構成としてもよレヽ。

[0104] 図 25に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、例えばコイルスプリング 234を弾性体 235で概ね円筒状に被覆して成っていてもよい。

[0105] 図 26に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、外面に溝 236を有する弾性体と組み合わせて成っていてもよレ、。この場合、外面の溝 236はコイルスプリングのようにスパイラル状であってもよぐまたはリング状であっても良い。

[0106] 図 27に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、例えばコイルスプリング 237を弾性体 238で概ね円筒状に被覆して成り、内面に溝 239を有していてもよい。この場合、内面の溝 239はコイルスプリング 237の線間にスパイラル状に配置され、できるだけ座卷近くまで形成されているのが好ましい。

[0107] 図 28に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、例えばコイルスプリング 240を弾性体 241で概ね円筒状に被覆して成り、コイルスプリング 240の間隙に沿つて外面および内面に溝 242a，242bを有していてもよい。この場合、溝 242a,242bにより、弾性体 241の圧縮抵抗力を大幅に軽減させることができ、回転メカロスを小さくすること力 Sできる。

[0108] 図 29に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、外面にトレッドパターンの凹凸 243が形成されている弾性体と組み合わされて成っていてもよい。 [0109] 図 30に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、両端から中央にかけて凸状に連続的に湾曲した側面 244を有していてもよい。この場合、小径の全方向移動ローラ 201を構成するとき、実施が容易である。

[0110] 図 31に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は、アーチ形の弾性体を回転軸を中心に、アーチ形弾性体の凸部分を回転軸に対して外側に向けて回転させた形、いわゆるタイヤ型弾性体を有しており、前記タイヤ型弾性体を前記タイヤ型弾性体の回転軸方向に複数連結した構造体であってもよい。尚、タイヤ型弾性体同士の連結には連結ピン 247を使用する。またこの場合、前記タイヤ型弾性体の内周面には、前記タイヤ型弾性体の回転軸を中心とする環状の溝孔 245を形成した形状を有する。

[0111] 図 32に示すように、全方向移動ローラ 201で、各回転体 202は,平行に間隔をあけて配置した複数のリング 248を連結するよう、円筒状の弾性体 249で各リング 248の外周面を覆って成っていてもよい。

[0112] 次に第 3の実施形態について説明する。図 33乃至図 38は、本発明の実施の形態の全方向移動車輪および移動装置を示している。図 33乃至図 36に示すように、全方向移動車輪 301は、複数の回転体 302とホイール 303とブレーキ 304とを有している。

[0113] 図 33(b)に示すように、ホイール 303は、金属製またはプラスチック製で、ホイール本体 311と、ホイール本体 311の外周に放射状に固定された複数の回転体支持部 312とを有している。各回転体 302は、コイルスプリングから成る構造体を、弾性体で被覆して成っている。コイルスプリングは、強度異方性の構造体で、回転軸を湾曲可能な可橈性および回転軸に垂直な方向に橈み抵抗性を有している。

[0114] 図 33および図 34に示すように、各回転体 302は、各回転体 302の回転軸方向に圧縮され、ホイール 303の外周をリング状に包囲するよう湾曲して、各回転体支持部 312の間に設けられている。各回転体 2は、それぞれホイール 303の回転軸 313に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に、両端が各回転体支持部 3 12に支持されている。各回転体 302は、ホイール本体 311との間に隙間を有して、各回転体支持部 312の問に設けられている。

[0115] 図 33乃至図 36に示すように、ブレーキ 304は、複数のブレーキシュ一 314とカムリング 315とカムリングホルダ 316と操作部 317とを有している。各ブレーキシュ一 314は、それぞれ各回転体支持部 312の間の、ホイール本体 311の外周に設けられている。各ブレーキシュ一 314は、各回転体 302とホイール本体 311との隙間に設けられ、プレーキユニットベース 318とブレーキアーム 319とブレーキアーム揺動軸 320とブレーキスプリング 321ュとシユー部 322とカムフォロワ 323とを有している。

[0116] 図 34および図 35に示すように、ブレーキユニットベース 318は、ホイール本体 311の外周に固定されている。ブレーキアーム 319は、各回転体 302の回転軸方向に伸びて設けられ、一端 319aがホイール本体 311と回転体 302との問で移動可能に、他端 319b がブレーキアーム揺動軸 320によってブレーキユニットベース 318に回転可能に設けられている。ブレーキスプリング 321は、ブレーキアーム 319を回転体 302側に付勢するよう、ブレーキユニットベース 318とブレーキアーム 319とを連結して設けられている。シュ一部 322は、回転体 302の外面に密着して当接可能に、ブレーキアーム 319の一端 319aの回転体 302側に設けられている。カムフォロワ 323は、ブレーキアーム 319の一端 319aに、ホイール 303の回転軸 313に平行に突出して設けられている。カムフォロヮ 323は、ホイール 303の一方の側面 303aの方向に突出して設けられてレ、る。

[0117] 図 36(a)に示すように、カムリング 315は、円環状を成している。カムリング 315は、内周のカム面 324が回転体 302の数と同じ数の繰り返し形状から成るカム形状を成している。図 336(b)に示すように、カムリング 315は、カム面 324の各繰り返し形状の一端に内径が大きいブレーキ制動ロック位置 325を有し、他端に内径が小さいブレーキ解除ロック位置 326を有し、ブレーキ制動ロック位置 325とブレーキ解除ロック位置 326との間に内径が滑らかに変化する移行区間 327を有している。なお、カムリング 315は、ブレーキ制動ロック位置 325およびブレーキ解除ロック位置 326と、移行区間 327との境界に、カムリング 315の中心方向に僅かに突出した突出部 328を有している。また、力ムリング 315は、カム面 323の各繰り返し形状の境界に、カムリング 315の中心方向に突出した境界部 329を有してレ、る。

[0118] 図 34に示すように、カムリング 315は、ホイール 303の一方の側面 303aに設けられている。カムリング 315は、カム面 324の各繰り返し形状に、それぞれ各ブレーキシュ一 3 14のカムフォロワ 323が係合するよう設けられている。カムリング 315は、ホイール 303の回転軸 313と同軸で回転可能に設けられている。カムリング 315は、カムフォロワ 323が移行区間 327を介してブレーキ制動ロック位置 325とブレーキ解除ロック位置 326との問を相対的に往復するよう、ホイール 303に対して回転可能になっている。カムリング 315は、カムフォロワ 323がフレーキ制動ロック位置 325に係合しているとき、ブレーキスプリング 321によりブレーキアーム 319が回転体 302側に付勢され、シュ一部 322が回転体 302の外面に当接するようになつている。また、カムリング 315は、カムフォロワ 323 がブレーキ解除ロック位置 ₃₂₆に係合しているとき、ブレーキスプリング 321の付勢力に抗してブレーキアーム 309がホイール本体 311側に押し戻され,シュ一部 322が回転体 302から離れるようになつている。こうして、カムリング 315は、ホイール 303に対する回転角度により、各ブレーキシュ一 314を各回転体 302に当接する制動位置と各回転体 302から離れた解放位置とに、選択的に移動可能に構成されている。

[0119] 図 33(a)および図 34に示すように、カムリングホルダ 316は、円盤状で、ホイール本体 311との間にカムリング 315を配するよう、ホイール 303の一方の側面 303a側に設けられている。カムリングホルダ 316は、外周部にカムリング 315が固定され、カムリング 315 とともにホイール 303に対して回転可能に設けられている。

[0120] 操作部 317は、複数の棒状のブレーキハンドル力成り、カムリングホルダ 316に設けられている。操作部 317は、ホイール 303の一方の側面 303aに沿って、等角度間隔で放射状に設けられている。操作部 317は、ホイール 303の回転方向に沿ってホイ一ノレ 303に対して正転および反転させることにより、カムリング 315をホイール 303に対し正逆に回転可能に構成されている。なお、操作部 317は、棒状ハンドルを例としたが、カムリングホルダ 316を正逆に回転できる機構であれば、グリップハンドノレによって操作されるワイヤや電磁マグネット、モーター、圧縮ガスや油圧等によって駆動されるァクチユエータなどによっていても良い。

[0121] 次に、作用について説明する。全方向移動車輪 301は、操作部 317によりカムリング 315をホイール 303に対して回転させると、そのホイール 303に対する回転角度により、カムリング 315に係合されたカムフォロワ 323とともに、ブレーキシュ一 314を制動位置と開放位置とに選択的に移動させることができる。ブレーキシュ一 314が制動位置のとき、各回転体 302にブレーキシュ一 314が当接し、各回転体 302がその回転軸を中心として回転しないよう、各回転体 302を固定することができる。プレーキシュ一 314が解放位置のとき、各回転体 302からブレーキシュ一 314が離れ、各回転体 302をその回転軸を中心として自在に回転可能にすることができる。

[0122] このように、ブレーキ 304が、各回転体 302を選択的に固定または回転可能に、ホイール 303に取り付けられているため、使用の状況に応じて、固定車輪として前後方向にのみ移動可能に機能させたり、自在車輪として全方向に移動可能に機能させたりする選択が可能となる。このため、例えば全輪に全方向移動車輪を用いた移動装置において、路面に傾斜がある場合でも、重力によって低い方向へ移動しないよう各回転体 302を固定して直進することができる。このように、全方向移動車輪 301は、直進性を高めることができ、安定した動作が可能である。

[0123] 全方向移動車輪 301では、各回転体 302が回転軸を湾曲可能な可撹性を有しているため、各回転体 302を概ね円筒状に形成しても、ホイール 303の外周をリング状に形成すること力できる。このため、各回転体 302の回転軸方向で外径が変化せず、全方向移動車輪 301が横行する走行面上にある障害物の乗越えは、常に各回転体 302 の最大径の部分によって行われ、各回転体 302の最大の乗越え性能が常に発揮される。このように、全方向移動車輪 301は、各回転体 302の回転軸方向の位置によらず、横行する走行面上にある障害物の乗越え性能が高い。

[0124] 各回転体 302がそれぞれホイール 303の回転軸 313に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能にホイール 303に設けられているため、各回転体 302をホイール 303の回転方向に対して垂直方向に回転させることができる。これにより、車軸を固定しても任意の方向に方向転換することができる。このため、キャスタ一に求められるような車輪の方向転換のためのスペースが不要であり、車輪の径を大きくして、悪路での走破性を高めることができる。また、車軸姿勢が変らないので駆動機構を盛込むことが容易であり、その場合走破性をさらに向上させることができる。

[0125] また、各回転体 302がホイール 303の外周をリング状に包囲するよう湾曲して設けられているため、点接触で接地することができる。このため、走行する面が平滑な一平面でなくてもよぐ凹凸を有する悪路や曲面などでも走行することができる。各回転体 302が回転軸方向に圧縮されているため、各回転体 302に引張応力が加わるときに比ベ、その耐久性を向上させることができる。また、接地面からの反力で、各回転体 302 が回転軸方向に変位したり、回転軸の湾曲のたわみ量が変化したりするのを抑制することちでさる。

[0126] また、全方向移動車輪 301は、各回転体 302に荷重が加えられたとき、回転体支持部 312により、その回転軸の変位を乗り心地に影響しないよう小さくすることができる。また、回転軸の曲率を概ね維持したまま、各回転体 302を回転させることができる。

[0127] 全方向移動車輪 301は、例えば、狭い通路内を安全に直進走行し、時には幅寄せして障害物を回避する鉄道車両内での販売車や、積載物の受渡しのために微妙な位置合せを必要とする工場内の搬送台車、机に正対したまま僅かにサイドスリップして作業性が良い姿勢を選択しょうとする車椅子などの車輪として使用されると、非常に有用である。

[0128] 鉄道車両内での販売車に使用される場合、例えば図 37に示すように、全方向移動車輪 301から成る後輪と、ブレーキ 304を有さなレ、全方向移動車輪 350から成る前輪と，対応する前輪と後輪とに卷き掛けられた駆動力伝達ベルト 351とを有している。この構成により、車輪 301,350の姿勢が変らなくてよいので、キャスターのように占有スぺースを大きくとらずとも大径車輪が装着でき、四輪駆動もできるため、車両連結部のカバーなど路面の凹凸の乗越えが容易になる。大径車輪を使用しても、商品を積載するスペースが余分に確保できる。車輪 301,350を台車カバー内に収納してはみ出しをなくすことができるので、安全である。通路幅等の理由から車幅制限があっても、キヤスターに較べ車輪 301,350の接地有効幅が大きく取れ、すわりが安定するので転倒しにくぐ安全である。通路内で通行する人と交換するとき、簡単に幅寄せして充分な空間を空けることができる。収納のとき、幅寄せによって壁面にぴたりと押し付けることができスペースを節約することができる。

[0129] また、航空機内のミールサービス台車に使用される場合、ミールサービス台車を所定の収納スペースに容易に格納できる。工場内の搬送台車に使用される場合、前後走行による微妙な位置合せなしで、所定の受渡位置へぴたりと寄せることができる。トラック荷台 ·エレベータ'搬送機などへの収納効率を向上させることができる。

[0130] 車椅子に使用される場合、例えば図 38に示すように、全方向移動車輪 301から成る後輪と、ブレーキ 304を有さない全方向移動車輪 350から成る前輪と、対応する前輪と後輪とに巻き掛けられた駆動ベルト 352とを有している。この構成により、机作業で容易に微妙なサイドスリップが可能となり、正しい作業姿勢が保てるため、疲れない。ェレベータ等で壁際に寄ることができ、空間占有感が軽減し気持ちの負担が軽くなる。物理的に無効スペースが削減できる。狭い入口で位置が会わないときの再進入動作が不要になる。室内の移動が容易になり、リラックスすること力 Sできる。

Claims

請求の範囲

[1] 複数の回転体とホイールとを有し、各回転体は、回転軸を湾曲可能な可撓性を有し、前記ホイールの外周をリング状に包囲するよう湾曲してそれぞれ前記ホイールの回転軸に対する同一垂直面に沿った曲線の回転軸を中心として回転可能に、各回転体の回転軸方向に圧縮されて前記ホイールに設けられていることを特徴とする全方向移動車輪。

[2] 前記各回転体は、径方向に橈み抵抗性があり、回転軸に可撓性のあることを特徴する請求項 1記載の全方向移動車輪。

[3] 前記各回転体は、コイルスプリングを弾性体で被覆して成り、前記ホイールは、各回転体の両端の姿勢を拘束したまま回転可能に支持する回転体支持部を有することを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[4] 前記回転体は、前記コイルスプリングを前記弾性体で円筒状に被覆して成ることを特徴とする請求項 3記載の全方向移動車輪。

[5] 前記各回転体は、外側側面が隣合う回転体の外側側面と連続するよう配置されていることを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[6] 複数の芯材を有し、各回転体は、円筒体力成り、各芯材は、各回転体の内部に挿入されて両端が前記回転体支持部に結合されていることを特徴とする請求項 3記載の全方向移動車輪。

[7] 前記ホイールは、隣合う 2つの回転体の問の隙間を塞ぐ複数の板材を有することを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[8] 前記ホイールは、ホイール本体と複数の回転体支持部とから成り、各回転体は、円筒体から成り、各回転体支持部は、前記ホイール本体の外周に放射状に固定され、それぞれ隣合う 2つの回転体の間に配置されて各回転体をその端部内周で回転可能に支持していることを特徴とする請求項 3記載の全方向移動車輪。

[9] 前記回転体は、前記コイルスプリングを弾性体で円筒状に被覆して成り、前記コィノレスプリングの間隙に沿つて円筒内部側面に溝を有することを特徴とする請求項 3記載の全方向移動車輪。

[10] 前記回転体は、円筒状の側面、両端から中央にかけて凸状に連続的に湾曲した側面、または両端部を太くした凹状で中央部が凸状に連続的に湾曲した側面を有することを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[11] 前記各回転体は、可撓性および前記回転軸に垂直な方向に橈み抵抗性を有する強度異方性の構造体を有することを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[12] 前記回転体は、前記構造体が回転軸方向に伸縮可能なベローズ力成ることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[13] 前記回転体は、前記構造体が概ね円筒状で、円筒の直径線を挟んで対向した複数の切込みを有し、各切込みは円筒状の前記構造体の外周面から径方向に貫通して設けられ、回転軸方向で隣合う切込みに対してずれて配置されることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[14] 前記回転体は、前記構造体が異形断面線材のコイルスプリング力成ることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[15] 各回転体は、前記構造体の線材を弾性体で被覆して成ることを特徴とする請求項 1

1記載の全方向移動車輪。

[16] 前記回転体は、前記構造体が切削加工によりコイルスプリング状に成形されたパネ力成ることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[17] 前記回転体は、前記構造体が複数の同径および同ピッチのコイルスプリングを有し

、互いに線材間に他のコイルスプリングの線材が配置されるよう、各コイルスプリングを中心軸を一致させて配置して成ることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[18] 前記回転体は、前記構造体が大径のコイルスプリングと、前記大径のコイルスプリングの内径より小さい外径を有する小径のコイルスプリングとを有し、前記大径のコィノレスプリングの内側に前記小径のコイルスプリングを設けて成ることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[19] 前記回転体は、前記構造体が外周部に滑り止め用の複数の突起部材を有することを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[20] 前記回転体は、前記構造体がプラスチック製のコイルスプリングを有し、前記コイルスプリングの隙間を覆うよう前記コイルスプリングの内側にプラスチック製のフィルムを円筒状に貼り付けて成ることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[21] 前記回転体は、前記構造体がコイルスプリングから成ることを特徴とする請求項 11 記載の全方向移動車輪。

[22] 前記回転体は、前記構造体と、接地の弾力性を受持つ弾性体とから成ることを特徴とする請求項 21記載の全方向移動車輪。

[23] 前記回転体は、前記構造体の外周を前記弾性体で概ね円筒状に覆って成ることを特徴とする請求項 22記載の全方向移動車輪。

[24] 各回転体は、前記構造体を前記弾性体で概ね円筒状に被覆して成ることを特徴とする請求項 22記載の全方向移動車輪。

[25] 前記回転体は、前記弾性体の外面に溝を有することを特徴とする請求項 23記載の全方向移動車輪。

[26] 前記回転体は、前記弾性体の外面または内面の少なくとも一方に溝を有することを特徴とする請求項 24記載の全方向移動車輪。

[27] 前記回転体は、前記弾性体の外面にトレッドパターンの凹凸が形成されていることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[28] 前記回転体は可撓性構造体を弾性体で概ね円筒状に被覆して成り、内面に前記可撓性構造体の間隙に沿った溝を有し、外面にスパイラルまたは円周方向に沿った溝を有することを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[29] 前記回転体は両端から中央にかけて凸状に連続的に湾曲した太鼓型の側面、両端部を太くした凹状で中央部が凸状に連続的に湾曲した側面を有することを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[30] 前回転体は外面または内面の少なくとも一方に溝を有する弾性体力成ることを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[31] 前記回転体は、タイヤ型弾性体を前記回転体の回転軸方向に複数連結した構造体であり、またこの場合、前記タイヤ型弾性体の内周面には、前記タイヤ型弾性体の回転軸を中心とする環状の溝孔を形成した形状を有することを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[32] 前記各回転体は平行に間隔をあけて配置した複数のリングを連結するよう、円筒状の弾性材で各リングの外周面を覆って成ることを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[33] 前記ホイールは各回転体の両端を回転可能に支持する回転体支持部を有することを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[34] 各回転体の内部に揷入され、両端が前記回転体支持部に結合されている芯材を有することを特徴とする請求項 33記載の全方向移動車輪。

[35] 前記芯材は両端間の所定の位置に、各回転体を回転可能に支持するよう設けられた中間支持部材を有することを特徴とする請求項 34記載の全方向移動車輪。

[36] ホイールは中心軸に位置するホイール本体と、前記ホイール本体と前記回転体支持部とを接続する複数のスポークとを有することを特徴とする請求項 34記載の全方向移動車輪。

[37] 前記回転体の両端にその両端の開口を塞ぐシール部材を有することを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[38] 前記回転体は、ブレーキを有し、前記ブレーキは各回転体を選択的に固定または回転可能に前記ホイールに取り付けられていることを特徴とする請求項 11記載の全方向移動車輪。

[39] 前記回転体は、ブレーキを有し、前記ブレーキは各回転体を選択的に固定または回転可能に前記ホイールに取り付けられていることを特徴とする請求項 1記載の全方向移動車輪。

[40] 前記ブレーキは複数のブレーキシュ一とカムリングと操作部とを有し、各ブレーキシユーは、カムフォロワを有し、各回転体に当接する制動位置と各回転体から離れた解放位置とに移動可能に前記ホイールの外周に設けられており、前記カムリングは前記ホイールにそのホイールの回転軸と同軸で回転可能に設けられ、各カムフォロワと係合して前記ホイールに対する回転角度により前記ブレーキシュ一を前記制動位置と前記解放位置とに選択的に移動可能なカム形状を有し、前記操作部は前記カムリングを前記ホイールに対し回転可能に設けられていることを特徴とする請求項 38記載の全方向移動車輪。

[41] 本体に請求項 1記載の全方向移動車輪を有することを特徴とする移動装置。

[42] 物品を搬送する搬送装置において、本体に請求項 1記載の全方向移動車輪を有することを特徴とする搬送装置

[43] 本体に請求項 1記載の全方向移動車輪を有することを特徴とするマッサージ装置。

[44] 本体と、 1対の固定車輪と、請求項 1記載の全方向移動車輪を少なくとも 1つ以上有し、前記固定車輪は前記本体に軸方向が固定されて回転可能に取り付けられ、前記全方向移動車輪は前記固定車輪とともに前記本体を支持するよう前記本体に回転可能に取り付けられてレ、ることを特徴とする移動装置。

[45] 固定車輪および前記全方向移動車輪は長方形の頂点の位置に配置されていることを特徴とする請求項 41記載の移動装置。

[46] 固定車輪および前記全方向移動車輪に互いに対になるよう 2つの伝動ベルトが卷き掛けられていることを特徴とする請求項 41記載の移動装置。