明 細 書
芳香族エーテル類の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、フエノール類とォキシランィ匕合物力も芳香族エーテル類を製造する方法 に関するものである。
背景技術
[0002] 芳香族エーテル類のうち、 2-フエノキシエタノール類をはじめとするグリコールエー テルは、優れた特性を有することから各種用途に利用されている。例えば、高沸点で あることから、作業環境の面で優れた溶剤として幅広い分野で使用されている。その 他、乳化剤や可塑剤、接着剤組成物としても利用されている。また、ポリエステル、ポ リウレタン、(メタ)アタリレート等の高分子化学品の重要原料としても用いられている。 更に、当該芳香族エーテル類の殺菌作用を利用して、抗菌剤、防腐剤、化粧品組成 物、パーソナルケア、香料保留剤、医薬品組成物など幅広い用途が知られている。 カロえて、良好な解像度、焦点深度および現像性を有し、且つ感度レジストパターン断 面形状並びに保存安定性に優れた集積回路作成用レジスト組成物としての用途や、 カチオン電着塗料組成物としての用途も知られて!/、る。
[0003] この様な芳香族エーテル類の中でも特に 2—フエノキシエタノールは、溶剤、乳化 剤、化学品の中間原料、抗菌剤や防腐剤、化粧品などの組成物成分、パーソナルケ ァなどとして、これまでにも様々な使用実績がある。例えば、塗料、インク、染料、染 毛剤、農薬、洗浄剤、種々のェマルジヨン、水性建材、乳化化粧料、可塑剤、接着剤 組成物;フルオレン誘導体、ポリエステル、ポリウレタン、殺菌用試薬の各合成中間体 や原料;化粧品、抗菌性低刺激化粧料、香料、防カビ剤、防虫剤、消毒剤、低温安 定防腐剤、防腐医薬製剤、敏感肌用皮膚外用剤、毛髪化粧料、シャンプーやへァリ ンス等の毛髪用コンディショニング組成物、口腔用組成物、 日焼け止め組成物、香 料分野における香料保留剤や香粧品用殺菌剤、医薬品分野における防腐医薬製 剤、医療用洗剤や家庭用洗剤などの洗剤組成物;柔軟剤組成物などの用途を挙げ ることがでさる。
[0004] 芳香族エーテル類はフエノール類とォキシランィ匕合物力も合成されるが、無触媒で は反応速度が極めて遅くまた副反応が多い。このため、芳香族エーテル類は触媒を 使用して製造されている。
[0005] 例えば、芳香族エーテル類に含まれる 2—フエノキシエタノール類の製法としては、 アルカリ金属塩と大量の水を用いて合成する方法が知られて 、る(特公昭 39— 302 72号公報)。し力しながら、大量に水を使用するとォキシランィ匕合物の使用効率の低 下を招くのみならず、多量の工業廃水が発生する。特にフエノール類には殺菌作用 を持つものが多いため、廃水が未反応フエノール類を含有している場合には、当該 廃水の活性汚泥処理が困難である。
[0006] このような理由から、芳香族エーテル類の製法としては、特公昭 39— 30272号公 報に開示の水系プロセスではなく非水系のプロセスが求められている。
[0007] 芳香族エーテル類の非水系プロセスによる製法としては、ハロゲン化ホスホ-ゥム 塩もしくは 3級ホスフィンとハロゲンィ匕アルキル力もなる触媒 (特公昭 50— 654号公報 )や、ハロゲン化トリアルキルべンジルアンモ -ゥム類の存在下での反応が知られて V、る (特公昭 49 - 33183号公報)。
[0008] また、フエノール性水酸基を有する芳香族エーテル類の合成法としては、例えば、 鉄イオンなどの遷移金属イオン触媒の存在下で、多価フエノール類にォキシランィ匕 合物を付加させる方法が知られている (オランダ国特許第 6600198号明細書)。
[0009] し力しながら本発明者らの検討によると、この方法では、触媒である遷移金属イオン によって反応系内に存在する微量の酸素が原料の多価フエノール (カテコール)を酸 化するため、キノン類が生成し易いことが判明した。このようなキノン類は、フエノール 類と所謂キンヒドロン類を形成する。このキンヒドロン類は、生成する芳香族エーテル 類の着色の原因となるため、反応工程後の精製工程での負担が大きくなり、工業的 に有利な方法ではない。
[0010] なおキンヒドロンは、一般的に多価フエノールであるヒドロキノンと、その酸化生成物 である p—べンゾキノンからなる分子化合物のことである力 ここでいうキンヒドロン類と は、多価フエノール類と、その酸ィ匕生成物であるキノン類力 なる分子化合物を指す
[0011] また、工業的プロセスで大量合成を行なうことを考慮すれば、反応終了後に未反応 の原料を回収して再利用することが好ましい。ところが、原料であるフエノール類を回 収する場合には、その物理的性質が類似しているなどの理由から、目的化合物や副 生成物である芳香族エーテル類が混入せざるを得なカゝつた。また、例えば同じ反応 器具を用いて逐次的に製造を行なう場合には、器具に付着した前反応での芳香族 エーテルが反応系に混入する場合もある。
[0012] そして従来製法では、混入した芳香族エーテル類とォキシランィ匕合物が更に反応 するという副反応が起こり、目的化合物の収率や品質が悪化する。そのため、従来製 法においては、未反応のフエノール類などの原料ィ匕合物を回収して再使用すること ができな力つた。この原料ィ匕合物の損失は、特に大量合成の際に問題となる。
発明の開示
[0013] 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フエノール類とォキ シランィ匕合物を原料として芳香族エーテル類を製造するものであり、大量合成にも適 し、また、目的化合物や副生成物である芳香族エーテル類が反応当初より混入して いる場合であっても、当該目的化合物と原料が反応することによる副生成物の産生 を抑えつつ、高品質の目的化合物を選択率良く効率的に製造し得る方法を提供す ることにめる。
[0014] 本発明者らは、上記課題を解決すベぐ特に触媒について鋭意検討を重ねたとこ ろ、ァ-オン交換基を有する触媒を用いることにより上記問題を全て克服できることを 見出した。即ち、アルカリ触媒等を用いた従来法では、フエノール性水酸基とアルコ ール性水酸基に対する反応選択性の差が小さいため、未反応フエノール類を回収し て用いる場合、付随する芳香族エーテル類にォキシランィ匕合物が過剰に付加した副 生成物が増力 tlしてしまう。一方、ァ-オン交換基を有する触媒ならば、フエノール性 水酸基との反応が高選択的に進行するため、目的とする芳香族エーテル類を選択 的かつ効率的に得ることが可能になる。
[0015] その上、当該触媒を使用することで、反応活性を高めて高収率で目的化合物であ る芳香族エーテル類を製造できる。また、実質的に水を使用しない反応条件でも反 応が行えるため、ォキシラン化合物の損失が少なぐ且つ少ない廃水で芳香族エー
テル類を製造することが可能である。
[0016] 本発明に係る芳香族エーテル類の製造方法は、原料としてフエノール類とォキシラ ン化合物を用い、芳香族エーテル類の存在下でフエノール類とォキシラン化合物を 反応させるに当たり、ァニオン交換基を有する触媒を用 ヽることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
[0017] 以下、本発明について詳細に説明する。本発明の芳香族エーテル類は、後述する フエノール類とォキシランィ匕合物を反応させることで合成可能な化合物であり、アルコ ール性水酸基およびフ ノール性水酸基を有するもの、或いはフ ノール性水酸基 は有さずにアルコール性水酸基を有するものが含まれる。
[0018] 本発明方法で使用される原料のフ ノール類は、固体、液体のいずれであっても良 ぐ形態 (荷姿)、純度についても特に制限はない。
[0019] 上記フ ノール類とは、分子内にフエノール性水酸基を 1以上含有する芳香族化合 物を意味する。芳香族化合物とは芳香環を有する化合物であり、芳香環には、シクロ ペンタジェン環などの非ベンゼン系芳香環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン 環、ピレン環など;非ベンゼン系芳香環とベンゼン環等が互 、に縮合して 、るもの;こ れら非ベンゼン系芳香環、芳香環あるいは縮合芳香環の 1以上の炭素原子が、酸素 原子、窒素原子、硫黄原子などのへテロ原子に置き換えられている複素芳香環 (ピロ ール環、ピリジン環、チオフ ン環、フラン環など);複素芳香環が還元された飽和複 素環と芳香環が縮合して 、るもの等が含まれる。
[0020] 単価のフエノール類としては、フエノール; o, mまたは p クレゾール、 o, mまたは p ェチルフエノール、 o, mまたは p— t ブチルフエノール、 o, mまたは p—ォクチル フエノール、 2, 3 キシレノール、 2, 6 キシレノール、 3, 4 キシレノール、 3, 5— キシレノール、 2, 4 ジー t ブチルフエノールなどの炭化水素置換基を有するフエ ノール; o, mまたは p フエ-ルフエノール、 ρ— ( α—タミル)フエノール、 4—フエノキ シフエノールなどの芳香族置換基ある 、は芳香環を含む置換基を有するフエノール; ο, mまたは ρ ヒドロキシベンズアルデヒドなどのアルデヒド基を有するフエノール;グ ァヤコール、グェトールなどのエーテル結合を含む置換基を有するフエノール; p ヒ ドロキシフエネチルアルコールなどのアルコール性水酸基を含む置換基を有するフエ
ノール; p ヒドロキシ安息香酸メチル、 p ヒドロキシフエ-ル酢酸メチルエステル、へ プチルパラベンなどのエステル結合を含む置換基を有するフエノール; 2, 4, 6 トリ クロ口フエノール、 2 -ァミノ 4 クロ口フエノールなどのハロゲン基を有するフエノー ル; oまたは p -トロフエノールなどの-トロ基を有するフエノール;ァミノフエノール、 2, 4, 6 トリス(ジメチルァミノ)フエノール、 p ヒドロキシフエ-ルァセトアミドなどの 窒素原子を含む置換基を有するフエノール; (X ナフトール、 13 ナフトール;などが 挙げられる。これらの中でもフエノールおよびタレゾールが好ましい。
多価フエノール類としては、カテコール類(カテコール、プロトカテキュ酸、クロルァ セチルピロカテキン、アドレナロン、アドレナリン、アポモルフイン、ウルシオール、チロ ン、フエ-ルフルォロンなど)、レゾルシノール類(レゾルシノール、オルシン、へキシ ルレゾルシンなど)、ハイドロキノン類(2, 3, 5 トリメチルハイドロキノン、 2—t—ブチ ルハイドロキノン、ホモゲンチジン酸エステルなど)などの 2価フエノール;ピロガロー ル類(ピロガロール、 2, 3, 4 トリヒドロキシベンゾフエノン、没食子酸ラウリル、没食 子酸エステル、プルプロガリンなど)、フロログルシン類(フロログルシンなど)、ォキシ ハイドロキノン類(ォキシハイドロキノンなど)などの 3価フエノール;ビス(3, 5—ジメチ ルー 4 ヒドロキシフエ-ル)スルホン、ビス(4 ヒドロキシフエ-ル)スルホン、 2, 2, —メチレンビス(4—メチル 6— t—ブチルフエノール)、 2, 2,一メチレンビス(4 ェ チルー 6— t—ブチルフエノール)、 4, 4'ーチォビス(3—メチルー 6— t—ブチルフエ ノール)、 4, 4,ーブチリデンビス(4ーメチルー 6— t—ブチルフエノール)、 3, 9—ビ ス(1, 1—ジメチルー 2 ( j8— (3— t—ブチル—4 ヒドロキシ— 5—メチルフエ-ル) プロピオ-ルォキシ)ェチルー 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ(5, 5)ゥンデカン、 アルミノン、アトラノリン、エリトリン、カテキン、ェピカテキン、イソカルタミン、クルクミン 、コクラウリン、シァ-ジン、シリンギジン、スチルベストロール、タンニン酸エステル、ビ スフエノール八、ビスフエノーノレ S、ビスフエノーノレ Z、ビスフエノールフルオレン、ビスク レゾールフルオレン、フエノールレッド、フロリジン、へキセストロール、へマトキシリン、 ペラルゴ-ジン、モリン、レカノール酸などのビスフエノール類; 1, 4ージヒドロキシナ フタレン、カルボ-ル J酸、(R)— 1, 1,一ビ一 2—ナフトール、(S)— 1, 1,一ビ一 2— ナフトール、エリオクロムブラック T、 aービナフトール、 13ービナフトール、 γ—ビナ
フトールなどのヒドロキシナフタレン類; 1, 4ージヒドロキシアントラキノン、ロイコー 1, 4ージァミノアントラキノン、ロイコー 1, 4ージヒドロキシアントラキノン、アントラヒドロキ ノン、ァリザリン、ァリザリン S、ェモジン、キ-ザリン、ケルメス酸エステル、酸性アント ラキノン染料(ァリザリンサフィロール Bなど)、プルプリン、プルプロキサンチンなどの ヒドロキシアントラセン類またはヒドロキシアントラキノン類;シトラジン酸; 1, 1, 3—トリ ス(2—メチルー 4ーヒドロキシー5— t—ブチルフエ-ル)ブタン; 1, 3, 5—トリメチル —2, 4, 6—トリス(3, 5—ジ一 t—ヒドロキシベンジル)ベンゼン;ポリフエノール類、ノ ポラック榭脂、レゾール榭脂、アトロメンチン、アントラキノン染料 (建て染め紫)、ウス ニン酸、デヒドロウルシオール、ェキノクロム、ォルセリン酸エステル、カルタミン、酸性 媒染染料(ダイヤモンドブラック F、クロムファストネビーブル B、パラチンファストブル 一など)、ジヒドロフエ-ルァラニンエステル、ジロホール酸エステル、デルフィ-ジン、 ビタミン P、フルォレセイン、ポリポル酸などの高分子系フエノール類;などが挙げられ る。
[0022] これら多価フ ノール類の中でも、フ ノール性水酸基を有する芳香族エーテル類 の原料として好ましいのは、カテコール類、レゾルシノール類、ハイドロキノン類であり 、より好ましいのはカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノンである。また、フエノー ル性水酸基が実質的に残存しな ヽ芳香族エーテル類の原料として好まし ヽのはビス フエノール類であり、より好ましいのはビスフエノール A、ビスフエノール S、ビスフエノ ールフルオレン、ビスクレゾールフルオレンである。
[0023] 一方の原料であるォキシランィ匕合物とは、分子内に一つ以上のエポキシ基 (三員 環エーテル)を有する化合物をいう。例えば、エチレンオキサイド、プロピレンォキサ イド、イソブチレンオキサイド、 1, 2—ブチレンオキサイド、 2, 3—ブチレンオキサイド 、ペンチレンオキサイドなどの脂肪族アルキレンオキサイド;スチレンオキサイドなどの 芳香族アルキレンオキサイド;シクロへキセンオキサイドなどが好適である。これらのォ キシランィ匕合物は、 1種単独で使用しても良ぐ 2種以上を併用してもよい。好適には 1種を単独で用いる。上記のォキシランィ匕合物の中でも、炭素数が 2〜4の脂肪族ァ ルキレンオキサイド、すなわち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、イソブチレ ンオキサイド、 2, 3—ブチレンオキサイドが好ましい。
[0024] 本発明の目的化合物である芳香族エーテル類の構造は、下記一般式(1)で表され る。
[0025] [化 1]
[0026] 上記一般式(1)において、 Zは芳香環を含む炭化水素残基であり、具体的には、フエ ノール類について上述した非ベンゼン系芳香環、ベンゼン環、縮合芳香環および複 素芳香環を含む炭化水素残基を示す。「OH」および「0— A— 0¾は∑上の水素原 子を置換する基であり、 mは 1以上で且つ n以下の整数を示し、 nは 1以上且つ Z上の 置換され得る水素原子の最大数以下の整数で、 nは 0以上 m以下の整数を示す。 A は下記一般式(2)で示される。
[0027] [化 2]
[0028] 上記一般式(2)にお 、て、 Ri〜R4は各々独立して、水素原子、アルキル基、または ァリール基を示す。 Ri〜R4がアルキル基および/またはァリール基の場合には、各 種置換基を有して 、てもよ 、。また、 R1 (あるいは R2) R3 (あるいは R4)が環状構造( 例えば、 5員環や 6員環など)を形成して 、てもよ!/、。
[0029] 上記一般式(1)中の Zの芳香環に結合した水酸基が本明細書でいう「フ ノール性 水酸基」であり、 Aに結合した水酸基が本明細書でいう「アルコール性水酸基」である
[0030] また、上記フエノール類の構造は、下記一般式(3)で示される。
[0031] [化 3]
OH
[0032] 上記一般式(3)において、 Zおよび nは、上記一般式(1)と同じ意味である。また、「 OH」は Z上の水素原子を置換する基である。
[0033] これらフエノール類の中でも、 Zがフエ-ル基で n= 1のもの(フエノール)、 Zがメチ ルフエ-ル基で n= 1のもの(タレゾール)、 Zがフエ-ル基で n= 2のもの(カテコール 、レゾルシノール、ハイドロキノン)、 Zが下記一般式 (4)〜(7)で示される炭化水素残 基で n= 2のもの {ビスフヱノール A [—般式(4) ]、ビスフエノール S [—般式(5) ]、ビ スフヱノールフルオレン [一般式(6) ]、ビスクレゾールフルオレン [一般式(7) ] }が好 ましい。
[0034] [化 4]
[0035] [化 5]
[0036] [ィ匕 6]
(7)
[0038] さらに、上記ォキシランィ匕合物の構造は、下記一般式 (8)で示される。
[0039] [ィ匕 8]
上記一般式 (8)において、 R
5〜R
8は各々独立して、水素原子、アルキル基、または ァリール基を示す。 R
5〜R
8がアルキル基および/またはァリール基の場合には、各 種置換基を有して 、てもよ 、。また、 R
5 (あるいは R
6) R
1 (あるいは R
8)が環状構造( 例えば、 5員環や 6員環など)を形成して 、てもよ!/、。
これらォキシランィ匕合物の中でも、 R5〜R8が水素原子 (エチレンオキサイド)、 R5〜 R8のいずれ力 1つ力 Sメチル基で他の 3つが水素原子 (プロピレンオキサイド)、 R5およ
び R6カ チル基で、 R7および R8が水素 (イソブチレンオキサイド)、 R5および R7がメチ ル基で、 R6および R8が水素(2, 3—ブチレンオキサイド)であるものが好ましい。
[0040] 上記フエノール類とォキシランィ匕合物力 製造される芳香族エーテル類としては、 2 —フエノキシエタノール類がある。この 2—フエノキシエタノール類は、 2—フエノキシ エタノールを基本骨格とし、一般的な置換基を有していてもよい化合物である。一般 的な置換基は特に限定されないが、例えば、 C アルキル、シクロアルキル、ァリール
1-6
、ヘテロァリール、 c アルコキシ、 C ァシルォキシ、アミ入 C アルキルァミノ、ジ(
1-6 1-6 1-6
C アルキル)アミ入 C ァシルアミ入力ルバモイルァミノ、 C アルコキシカルボ-
1-6 1-6 1-6
ル、 C アルキルチオ、ァリールチオ、ヘテロァリールチオ、カルボキシ、ヒドロキシ、ヒ
1-6
ドロキシィミノおよびハロゲン原子力もなる群より選択されるものを挙げることができる
[0041] 本発明方法で用いるァ-オン交換基を有する触媒は、より酸性度の強い水酸基を 有する化合物に対して高選択的に反応を促進するものである。つまり、本発明方法 の目的化合物である芳香族エーテル類は、原料ィ匕合物であるフエノール類に含まれ る 1以上のフエノール性水酸基がォキシランィ匕合物と反応して生成するものであるた め、当該反応によりアルコール性水酸基が生じる力 アルコール性水酸基の酸性度 はフエノール性水酸基よりも低い。従来の触媒では、斯カる酸性度の違いを十分に 反応性に反映させることができず、反応系に目的化合物が多く存在すると、この目的 化合物が有するアルコール性水酸基とォキシランィ匕合物との反応をも促進してしまう 。一方、本発明の触媒は、より酸性度の高い原料化合物に対して選択的に触媒作用 を発揮できるため、効率的に主反応を触媒することができる。
[0042] この様な作用を発揮できるァ-オン交換基としては、 3級ァミン、 4級アンモ-ゥム塩 、 3級ホスフィン、または 4級ホスホ-ゥム塩の各構造を有する基が挙げられ、その中 でも 4級アンモ-ゥム塩構造および 4級ホスホ-ゥム塩構造を有する基が好ま 、。さ らには、ァ-オン交換基は耐熱性に優れる構造を有していることが好ましぐ具体的 には、以下の 2構造を有することが推奨される。
[0043] 第 1には、ァ-オン交換基が環状構造を有して!/ヽるものが挙げられる。環状構造の 形態としては、 5員環、 6員環などが好ましぐ 5員環がより好ましい。特に 4級アンモ-
ゥム塩構造を有する場合には、ピロリジン骨格、ピぺリジン骨格またはピリジン骨格を 有して 、るものが好適である。このような環状 4級アンモ-ゥム塩構造を有するァ-ォ ン交換基を含むァ-オン交換榭脂としては、カゝかる樹脂が容易に形成される観点か ら、ビュルピリジンゃジァリルジメチルアンモ -ゥムクロライドによって合成されるもの が推奨される。また、 4級アンモ-ゥム塩構造を有するァ-オン交換榭脂としては、特 開 2001— 354777号公報および特開 2002— 105138号公報に記載されているも のを例示することができる。
[0044] 第 2には、ァ-オン交換基が炭素数 4以上のアルキレン鎖を介して主鎖に結合され ている構造が挙げられる。
[0045] 本発明触媒は、上記第 1と第 2の構造の何れか一方を有するものであってもよいし、 両方を有するものであってもよ 、。
[0046] また、上記の 4級アンモ-ゥム塩ゃ 4級ホスホ-ゥム塩は、一般的に陽イオン化した ヘテロ原子と対をなす陰イオンを有しており、そのイオン種は特に制限されないが、 例えば水酸化物イオン;フッ化物イオン、塩ィ匕物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物ィォ ンなどのハロゲン化物イオン;有機酸のァ-オン(カルボン酸ァ-オン、フエノキシァ ユオン類など);無機酸のァ-オン;などが挙げられる。無機酸のァ-オンには、硫酸 イオン、亜硫酸イオン、亜硫酸水素イオン、亜リン酸イオン、ホウ酸イオン、シアンィ匕 物イオン、炭酸イオン、チォシアン酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素ィ 才ン、メタレートィ才ン(ί列えば 'モリブデン酸ィ才ン、タングステン酸ィ才ン、リンタンダ ステン酸イオン、メタバナジン酸イオン、ピロバナジン酸イオン、水素ピロバナジン酸ィ オン、ニオブ酸イオン、タンタル酸イオンなど)などが含まれる。上記例示の陰イオン 種の中でも、各種有機酸のァ-オン、水酸ィ匕物イオン、ハロゲンィ匕物イオンが好まし い。
[0047] 本発明で使用する触媒としては、実質的に反応系に溶解しないものが好適である。
反応終了後、濾過などにより容易に分離することができ、繰り返し使用できるからであ る。一方、従来触媒 (例えば、特公昭 50— 654号公報ゃ特公昭 49— 33183号公報 に記載のもの)は、反応系に溶解してしまう。その結果、反応終了後でも除去しきれ ず、 目的化合物である芳香族エーテル類に混入し、製品(当該芳香族エーテル類)
に悪影響を及ぼす場合がある。また、従来触媒の中には未反応の原料フエノール類 と塩を形成するものがある。その場合には、塩を除去するため反応終了後に中和ェ 程や洗浄工程を必要とする。過剰にォキシラン化合物を用いることにより当該塩の形 成を抑制する方法もあるが、ォキシランィ匕合物が過剰に付加した不純物の増加を引 き起こすおそれがある。一方、実質的に溶解しない触媒であれば斯かる塩を形成す ることがない。
[0048] また、本発明で使用する触媒としては、上記ァ-オン交換基が直接或 ヽは架橋部 位を介して高分子に結合しているもの、即ちァ-オン交換榭脂も好適である。斯かる ァ-オン交換榭脂としては、低分子ァ-オン交換榭脂、高分子ァ-オン交換樹脂の いずれも使用可能である。低分子ァ-オン交換樹脂の場合には、フエノール類とォ キシランィ匕合物の反応後、触媒を分離し繰り返し使用し得るものが好ましいといった 観点から、分子量 500以上のものが望ましぐ 1000以上のものがより望ましい。
[0049] また、このァ-オン交換榭脂は、原料ィ匕合物であるフエノール類自体や反応溶媒に 溶解するものを用いてもよぐ溶解せずに固体のままで存在するものを用いてもょ ヽ 1S 上述した理由により溶解しないものが好適である。溶解しないまま固体で存在す る場合には、顆粒、粒子、粉末、支持体に担持された状態などを採り得る。
[0050] 以上説明したァ-オン交換樹脂の具体例としては、例えば、ァ-オン交換基が上 記第 2の構造を有するものとして、三菱ィ匕学社製「ダイヤイオン TSA1200」が挙げら れる。
[0051] また、耐熱性は比較的低!ヽが、三菱化学社製「ダイヤイオン PA300シリーズ」、「ダ ィャイオン PA400シリーズ」、「ダイヤイオン HPA25, 75」;DOW社製「ダウエックス」 (SBR、 SBR— P— C、 SAR、 MSA— 1、 MSA— 2、 22、マラソン A、マラソン ALB、 マラソン A2、モノスフィァー 550A);ローム 'アンド'ハース社製「デュオライト」 (Al l 3 、 A113LF、 A113MB、 A109D、 A116、 A116LF、 A161TRS04、 A162LF、 A368S、 A378D、 A375LF, A561、 A568K、 A7);ローム,アンド、ノヽース社製「 アンバーライト」(RA400など); Reilly社製「Reillex HPQ547719」などの市販の ァニオン交換榭脂も使用可能である。
[0052] 本発明方法では、フエノール類とォキシランィ匕合物を反応させる際に、溶媒を用い
てもよく用いなくてもよく。溶媒を用いる場合には、水溶媒、有機溶媒、これらの混合 溶媒が使用できるが、フエノール類を含む廃水は活性汚泥処理が困難であることか ら、水以外の溶媒を使うことがより好ましい。また、溶媒を除去する必要がなく精製が 容易であることから、溶媒を用いな 、態様が好適である。
[0053] ちなみに、本発明方法で使用する上記の触媒は、実質的に水の非存在下で、フエ ノール類とォキシラン化合物との反応を有利に進行させることができるため、水は不 要である。ここでいう実質的な水の非存在とは、原料 (フエノール類およびォキシラン 化合物)に対する水の含有量力 ^質量%未満の状態をいい、さらに好ましくは ΙΟΟΟρ pm未満 (質量基準)の状態を!、う。
[0054] 本発明方法で使用し得る溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、 n—プロ パノール、 2—プロパノール、 n—ブタノール、へキサノール、シクロへキサノールなど の炭素数 1〜6のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレング リコールモノェチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数 3 〜6のグリコールエーテル類;テトラヒドロフラン、ジォキサンなどの炭素数 2〜6のェ 一テル類などが挙げられる。また、ペンタン、へキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化 水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;シクロへキサンなど の脂環式炭化水素類;アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル イソプロピルケトン、シクロへキサノンなどのケトン類;酢酸ェチル、酢酸ブチルなどの エステル類;ジクロロメタン、 1, 2—ジクロロェタンなどのハロゲン化炭化水素類;ェチ レングリコールなどのグリコール類;ピリジン;ァセトニトリル;ジメチルスルホキシド;ジメ チルホルムアミド;エチレンカーボネートなどを用いることもできる。
[0055] 本発明方法における上記反応の形態は特に限定されず、例えば上記反応をバッ チ方式で実施してもよぐ連続方式で実施しても構わない。連続方式の場合は触媒 を反応釜内に懸濁させることもでき、触媒を固定床として反応原料を通過させること で反応を進行させることもできる。また、本発明方法では、原料は反応中に均一に混 合して 、ることが好ま 、が、反応できる状態にある限り 2層に分離して 、ても構わな い。
[0056] 上記反応の実施に際しては、原料仕込み量、触媒量、溶媒量、反応時間および反
応温度は特に制限されず、目的とする芳香族エーテル類の構造に応じてこれらの条 件を適宜選択すればよい。
[0057] 例えば、フエノール類として多価フエノール類を用いて、フエノール性水酸基を有す る芳香族エーテル類を製造する場合には、以下の条件を採用することが望ましい。 原料仕込み量は、多価フエノール類が有するフエノール性水酸基のうち、ォキシラン 化合物を付加させるべきフ ノール性水酸基の量に対し、ォキシラン化合物の量を、 モル比で 0. 1〜2. 0とすることが好ましぐ経済性の観点からは、 0. 5〜1. 5とするこ とがより好ましい。さらに好ましくは 0. 9〜1. 2である。
[0058] 他方、フエノール類に単価または多価のフエノール類を用いて、フエノール性水酸 基をできる限り残存させずにォキシランィ匕合物と反応させた芳香族エーテル類を製 造するには、以下の条件を採用することが推奨される。原料仕込み量は、多価フエノ ール類が有するフエノール性水酸基量に対し、ォキシランィ匕合物の量を、モル比で 少なくとも 0. 9とすることが好ましい。より好ましくは 0. 95以上、さらに好ましくは 1. 0 以上である。また、多価フエノール類が有するフエノール性水酸基量に対するォキシ ランィ匕合物量のモル比の上限は 5であることが好ましぐ 2であることがより好ましぐ 1 . 5であることがさらに好ましぐ 1. 2であることが特に好ましぐ 1. 05であることが最も 好ましい。
[0059] 触媒量、溶媒量、反応時間および反応温度は、目的とする芳香族エーテル類の構 造によらず、以下の範囲内から選択することが推奨される。
[0060] 触媒量は、触媒を含む反応液全体積に対して 1〜70体積%とすることが好ましぐ さらに好ましくは 5〜30体積%である。
[0061] 溶媒を使用する場合、その量は、原料である多価フエノール類に対して質量比で 0
〜5とすることが好ましぐさらに好ましくは 0〜2. 5である。
[0062] 反応温度は 50〜150°Cとすることが好ましぐ 80〜120°Cとすることがより好ましい
。反応時間は、生産性を考慮すると 1〜24時間とすることが好ましぐ 1〜12時間とす ることがより好まし!/、。
[0063] 上記反応終了後には、生成した芳香族エーテル類を精製することが好ましい。その 方法は特に制限されないが、例えば、蒸留、抽出、晶析など一般的な方法を用いる
ことができる。但し、本発明方法により製造される芳香族エーテル類は純度が高いた め、上記反応後そのまま製品とすることもでき得る。その他、触媒を用いて原料である フエノール類を転ィ匕させて系内をフエノール類が実質的に非存在な状態とし、フエノ ール類が転ィヒした後の生成物を上述の如き一般的な方法で分離しても構わない。
[0064] 本発明方法は、原料であるフエノール類とォキシランィ匕合物に目的化合物或いは 目的化合物に類似する芳香族エーテル類が混入した場合であっても、目的化合物 を効率よく合成できることを特徴の一つとする。ここで、原料に芳香族エーテル類が 混入する場合としては、連続的な大量合成プロセスにおいて目的化合物が残留する 場合等も考えられる力 特に、未反応のフエノール類を回収してリサイクルする場合 が考えられる。即ち、上述した様な方法で目的化合物である芳香族エーテル類を分 離した後、未反応のまま残ったフエノール類を回収して原料の全部または一部として 用いれば、生産効率を向上させることができる。しかしこの場合には、物理的性質の 類似性等から、芳香族エーテル類が混入する。
[0065] 従来の技術では、混入した芳香族エーテル類に対してォキシラン化合物が過多に 付加する反応が起こり、副生成物が増加する傾向にあった。例えば、フ ノール性水 酸基にォキシランィ匕合物が 1個付加した化合物のアルコール性水酸基に、さらにォ キシランィ匕合物が付加することがある。一方、本発明方法では、前述した触媒を用い ることによって、原料フエノール類とォキシランィ匕合物との反応を優先的に促進させる ことができ、副反応を抑制することが可能である。このことから、芳香族エーテル類を 含有した回収フエノール類を反応系へリサイクルすることで原料フエノール類をより有 効に活用できることから、目的とする芳香族エーテル類を経済的に有利に製造できる
[0066] 本発明において、反応原料溶液中の芳香族エーテル類の割合は特に制限されな いが、生産性を損なわない程度に含まれていることが好ましぐその上限は、全反応 液に対して 50質量%が好ましぐより好ましくは 30質量%以下である。
[0067] なお、反応原料中に含まれる芳香族エーテル類は、その製造方法を特に限定する ものではなぐ必ずしも本発明方法により得られたものである必要はない。しかし、製 造効率の観点から、本発明方法により得られたものであることが好ましい。また、原料
中に含まれる芳香族エーテル類は、本発明方法と同一のフエノール類とォキシラン 化合物から製造されたものである必要はない。しかし、同じく製造効率の観点から、 本発明方法で使用するフ ノール類とォキシランィ匕合物と同一の原料力 製造され たものであることが好まし!/、。
[0068] 蒸留法としては、減圧蒸留、水蒸気蒸留、分子蒸留、抽出蒸留などが挙げられるが 、これらに限定される訳でない。また、晶析法としては、(1)反応終了後の反応液を冷 却する、(2)目的物に対する貧溶媒を反応液に加える、(3)反応液中の溶媒を留去 する、(4)反応液に徐々に加圧する、などの方法があり、これらを単独で、または組み 合わせて実施できる。
[0069] また、晶析工程に先立って、反応に使用した触媒を反応液 (晶析溶液)から除去し ておくことも望ましい。例えば、反応溶媒に溶解し得るァ-オン交換榭脂触媒を使用 した場合などでは、晶析を行った際に、当該触媒が目的化合物に含有されることがあ る力 である。触媒の除去方法としては、吸着、ろ過、濃縮、蒸留、洗浄などの公知の 方法の中から、使用した触媒に応じて好適な方法を適宜選択すればよい。なお、触 媒の残存量の目安としては、晶析溶液に含まれる粗芳香族エーテル類中、 1質量% 以下であることが好ましぐより好ましくは 0. 5質量%以下、さらに好ましくは 0. 1質量 %以下である。なお、この「粗芳香族エーテル類」には、目的化合物である芳香族ェ 一テル類の他、未反応の原料や上記反応時に生成した副生成物などの不純物も含 まれている。
[0070] 上述した通り、製造された芳香族エーテル類は、用途に応じて使用上問題が無け れば、その範囲において、上記反応終了後に未反応の原料やその他の不純物を含 有したままの状態で製品として使用できる。
[0071] 芳香族エーテル類を製造するに当たり、従来力 用いられている触媒としては、上 述したように、アルカリ金属塩、金属水酸化物、ハロゲン化アンモニゥム塩、ハロゲン 化ホスホ-ゥム塩などが知られている。しかし、これら公知の触媒を本発明に係る芳 香族エーテル類の製造に用いた場合には、触媒除去工程を設けたとしても、微量の 金属(例えば、上記アルカリ金属塩ではアルカリ金属、上記金属水酸化物ではこの金 属)あるいはハロゲン (例えば、上記ハロゲンィ匕アンモ-ゥム塩および上記ハロゲンィ匕
ホスホ-ゥム塩では、これらのハロゲンで、具体的には、 F、 Cl、 Br、 I)が製品である 芳香族エーテル類に混入することは避けられな 、。
[0072] 芳香族エーテル類の用途では、物性低下の原因となることから、また環境への配慮 の観点から、こうした金属ゃノヽロゲンの混入量の低減が求められている。金属の混入 の許容量の上限値は lOOppmであり、好ましくは 50ppm、より好ましくは 30ppm、さ らに好ましくは 10ppm、特に好ましくは lppmである。また、ハロゲンの混入の上限値 は lOOppmであり、好ましくは 50ppm、より好ましくは 30ppm、さらに好ましくは ΙΟρρ m、特に好ましくは lppmである。金属またはハロゲンの混入量がこれらの上限値を 越えると、芳香族エーテル類の使用時に、各種物性が低下する。
[0073] これに対して本発明方法では、触媒にァ-オン交換榭脂を用いるため、上記反応 終了後の粗製物および精製物には不純物である金属やハロゲンの含有量が少なぐ 実質的に金属やハロゲンを含まない製品も製造可能である。具体的には、金属およ び Zまたはハロゲンの含有量が lOOppm未満、好ましくは 50ppm未満、より好ましく は 30ppm未満、さらに好ましくは lOppm未満、特に好ましくは lppm未満に抑制さ れているものが得られる。
[0074] なお、本明細書で!/、う金属の含有量は、誘導結合プラズマ発光分析法で測定した 値であり、ハロゲンの含有量は蛍光 X線分析法により測定した値である。
[0075] 具体的には、金属の含有量を測定する際には、分析装置としてセイコー電子工業 株式会社製の誘導結合プラズマ発光分析装置「SPS4000」を用いる。
[0076] また、ハロゲンの含有量の測定には、分析装置に PHILPS社製の蛍光 X線分析装 置「PW2404」を用い、装置に備えられている定性分析プログラムを使用し、ハロゲン 元素 (F、 Cl、 Br、 I)の標準試料と比較することにより定量する。
[0077] なお、ハロゲンの含有量が蛍光 X線分析装置の検出限界を下回るような場合は、ィ オンクロマトグラフィーとして Dionex社製「DX— 500」を用いて測定することもできる 。このイオンクロマトグラフィーでは、ハロゲンがイオン状態の場合に検出可能である ため、必要に応じてハロゲンをイオンィ匕した後に測定を行う。測定条件は以下の通り である。
[0078] 検出器 : CD— 20 (電気伝導度検出器)
カラム : AS4A—SC
ガードカラム : AG4A—SC
溶離液 : 1. 8mmolZL Na CO
2 3
1. 7mmol/L NaHCO
3
再生液 : 25mmolZL H SO
2 4
[0079] また、本発明方法では、触媒にァ-オン交換榭脂を用いるため、不純物の含有量 が少なぐ効率よく目的化合物を製造できる。さらに、触媒の分離が容易であるため、 生成物の精製を効率的に実施することができる。未反応フエノール類の量は、該芳 香族エーテル類に対して 500ppm以下 (質量基準、以下同じ)、好ましくは lOOppm 以下、より好ましくは 30ppm以下に抑制することができる。また、芳香族エーテル類 のフエノール性水酸基にォキシランィ匕合物が過剰に付加した不純物の割合は、 10 質量%以下、好ましくは 5質量%以下、より好ましくは 2質量%以下とすることが可能 である。
[0080] 力!]えて、本発明方法では、 目的化合物がフエノール性水酸基を有する芳香族エー テル類の場合も、高選択率で製造できる。例えば、 2価のフエノール類であるカテコ ールにォキシランィ匕合物のエチレンオキサイドを反応させる際には、 1つのフエノー ル性水酸基を残存させた 2—(2—ヒドロキシフエノキシ)エタノールを高選択率で得る ことが可能である。この化合物では、 lg当たり 6mmol以上のフエノール性水酸基を 有することが好ましい。なお、このフエノール水酸基の好適量は、原料フエノール類お よび目的とする芳香族エーテル類によって異なる。
[0081] このようにして得られる芳香族エーテル類は、用途に応じて単独で、または他の成 分と混合して使用し得る。形状や状態についても特に限定されず、固体 (例えば、粉 体、フレーク、顆粒など)、スラリー、溶液 (例えば、有機溶媒溶液)などの形態で取り 扱うことができる。
[0082] また、芳香族エーテル類の輸送や保存の形態としては、反応終了後の粗製物、お よび精製物に、希釈剤や安定剤などを加えたものなどが挙げられる。例えば、フエノ ール性水酸基の酸ィ匕防止の観点から、不活性ガスにより気相部を置換し (通常、酸 素濃度: 0. 01vol%以下、好ましくは 0. 001vol%以下)、遮光された状態とすること
が好ましい。さらには、ラジカル捕捉剤(例えば、亜リン酸または亜リン酸ジエステル 1 0〜: LOO質量 ppm程度)を共存させることも好ましい。色相悪化防止の観点からは、 微酸性条件 (例えば、 pH6〜7程度)にしておくことも推奨される。この場合、例えば、 脂肪族カルボン酸 (ギ酸、シユウ酸、クェン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸 、リンゴ酸、グリセリン酸など、より好ましくは、低揮発性の乳酸ゃコハク酸など)などの 有機酸を添加することができる。添加量は、好ましくは 1〜: LOOO質量 ppm、より好まし くは 5〜: LOO質量 ppm程度である。これらの添加剤(希釈剤、安定剤)の添加時期は 特に制約されない。すなわち、反応工程、晶析工程、製品化工程などの工程のいず れの時期であってもよい。
[0083] 以上説明した通り、本発明方法で得られた芳香族エーテル類は、極めて高品質で あることから、様々な用途が考えられる。例えば、本発明に係る芳香族エーテル類は
、その構造的特性として、芳香環部分力 なる親油性と、水酸基および Zまたはエー テル基に由来する親水性を示すことから、優れた相溶化能を有する。また、高沸点- 低揮発性であることから安全性の面力もも優れており、溶剤,乳化剤,洗浄剤といつ た用途に有用である。更に、優れた相溶ィ匕能と高沸点という特性に加え、殺菌作用 を有することから、抗菌'防腐剤,化粧品組成物,香料保留剤等としても有用である。
[0084] 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。但し、下記実施例は本発明を制 限するものではなぐ前 ·後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全 て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例
[0085] 実施例 1
ァ-オン交換基を有する触媒として、ダイヤイオン TSA1200 (三菱化学製の耐熱 性ァ-オン交換榭脂、 OH型含水体、 40. 5mL)を使用した。但し、このァ-オン交 換榭脂は水を含むため、目的化合物である 2—フエノキシエタノール(300mL)で洗 浄した後に濾過する操作を 2回繰り返した (以下、これを「洗浄済触媒 A」という)。以 降の実験例では、この洗浄済触媒 Aを同量使用した。
[0086] 次に、ガス供給管、攪拌装置および液抜きラインを備えた 500mL容オートクレープ へ、フエノール(201. 5g、約 2. lmol)と上記洗浄済触媒 Aを投入し、密閉した。脱
気操作により液中の溶存酸素を除去し、気相部を窒素で置換した後、更に窒素を加 えて加圧(1. 5kg/cm2)した。次いで 100°Cに昇温し、ガス供給管を通してエチレン オキサイド(98. 8g、約 2. 2mol、以下、「EO」という)を 2時間かけて添カ卩した。その 後、内温を 100 ±2°Cに維持して 2時間反応を行なった。なお、原料として用いたフエ ノールとエチレンオキサイドおよび洗净済触媒 Aに含まれる 2—フエノキシエタノール の合計に対する当該 2—フエノキシエタノールの割合は、 11. 2%だった。
[0087] この反応液を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。分析条件は以下の通りである
[0088] 装置 : 島津製作所製、 GC— 15A
カラム : J&W社製、 DB— 1 ( φ Ο. 53mm X 30m)
キャリアガス : ヘリウム
温度条件 : 70°Cで 5分→ 15°CZ分で 300°Cまで昇温
→ 300。Cで 5分
ガスクロマトグラフィーの結果、原料フ ノールの転化率(原料フ ノールのうち反応 したものの割合)が 93. 7%、フエノールの EOl付カ卩体(2—フエノキシエタノール)の 選択率 (反応したフエノールのうち、 EOl付加体に変換されたものの割合)は 97. 5 %、フエノールの E02付カ卩体(2—フエノキシエタノールの水酸基へ、 EOが更に付カロ した化合物)の選択率は 2. 3%であった。
[0089] この様に、フエノール類とォキシランィ匕合物を反応させて芳香族エーテル類を合成 するに当たって、触媒としてァ-オン交換榭脂を用いれば、反応当初から目的化合 物である芳香族エーテル類が混入している場合であっても E02付加体の生成が抑 制され、 EOl付加体を効率よく合成できることが明らかになった。
[0090] 実施例 2
フエノールと EOを原料として 2—フエノキシエタノールを合成した場合に、残存する フエノールを回収し、これを原料の一部として用いることを想定して、 目的化合物であ る 2—フエノキシエタノールを更に反応系へ添カ卩して合成を行なった。
[0091] 原料としてフエノール(182. 7g、約 1. 9mol)と EO (89. 8g、約 2. Omol)を用い、 更に 2—フエノキシエタノール(30. Og)を添カ卩し、 100 ± 2°Cで 3時間反応させた以
外は、上記実施例 1と同様の反応を行なった。この場合、反応系に当初から存在する 2—フエノキシエタノール (洗浄済触媒 Aに含まれているものと新たに添加したものと の合計)の割合は、フエノール、 EO、全 2—フエノキシエタノールの合計に対して約 1 9. 1質量%である。なお、ァ-オン交換榭脂も上記実施例 1と同様の前処理を行な つて、同量を使用した。
[0092] 反応終了後、上記実施例 1と同様のガスクロマトグラフィー分析を行なったところ、 原料フ ノールの転化率は 97. 0%,フ ノールの EOl付加体の選択率は 97. 3% ,フエノールの E02付加体の選択率は 2. 6%だった。従って、本発明方法によれば 、原料フエノールとして回収したものを用い、 目的化合物である 2—フエノキシェタノ ールが当初力 反応系に存在する場合であっても、 E02付加体の生成を抑制しつ つ、 2—フエノキシエタノールを効率よく合成できることが実証された。
[0093] 比較実施例 1
原料であるフエノールとして回収したものを用いることを想定して、当初から反応系 に目的化合物である 2—フエノキシエタノールを添加して反応を行なうに当たり、触媒 としてァ-オン交換榭脂ではなく水酸ィ匕ナトリウムを用いて実験を行なった。
[0094] 上記実施例 1と同様の 500mL容オートクレーブへ、フエノール(172. 8g、約 1. 8 mol)、 2—フエノキシエタノール(108. 5g)および水酸化ナトリウム(0. 2635g)を投 入し、密閉した。この場合、反応系に当初力も存在する 2—フエノキシエタノールの割 合は、フエノール、 EO、 2—フエノキシエタノールの合計に対して約 29. 6質量0 /0であ る。脱気操作により液中の溶存酸素を除去し、気相部を窒素で置換した後、更に窒 素を加えて加圧(1. 5kg/cm2)した。次いで 140°Cに昇温し、ガス供給管を通して E 0 (84. 7g、約 1. 9mol)を 2時間かけて添カ卩した。その後、内温を 140± 5°Cに維持 して 1時間反応を行なった。
[0095] EOの添加終了直後に上記実施例 1と同様のガスクロマトグラフィー分析を行なった ところ、原料フヱノールの転化率は 87. 6%,フヱノールの EOl付加体の選択率は 9 4. 8%,フエノールの E02付加体の選択率は 4. 7%だった。また、反応終了後にお ける分析では、原料フエノールの転ィ匕率は 99. 0%と原料は消費されているものの、 フエノールの EOl付カ卩体の選択率は 94. 2%、フエノールの E02付カ卩体の選択率は
5. 2%であった。
[0096] 実施例 3
上記実施例 2と同様に、原料であるフエノールとして回収したものを用いた場合を想 定して、当初から目的化合物である 2—フエノキシエタノールを反応系に添カ卩して、 合成を行なった。原料としてフエノーノレ(146. 2g、約 1. 6mol)と EO (71. 9g、約 1. 6mol)を用い、更に 2—フエノキシエタノール(90. lg)を添カ卩した以外は上記実施 例 1と同様の反応を行なった。この場合、反応系に当初力も存在する 2—フエノキシ エタノール (洗浄済触媒 Aに含まれて 、るものと新たに添加したものとの合計)の割合 は、フエノール、 EO、全 2—フエノキシエタノールの合計に対して約 39. 0質量0 /0であ る。
[0097] 反応終了後、上記実施例 1と同様のガスクロマトグラフィー分析を行なったところ、 原料フ ノールの転化率は 94. 8%,フ ノールの EOl付加体の選択率は 97. 2% ,フエノールの E02付カ卩体の選択率は 2. 7%だった。
[0098] 実施例 4
工業的な大量合成を志向して、さらに大容量で合成実験を行なった。
[0099] ァ-オン交換基を有する触媒として、ダイヤイオン TS A1200 (三菱化学製の耐熱 性ァ-オン交換榭脂、 OH型含水体、 810. OmL)を使用した。上記実施例 1と同様 に、当該ァ-オン交換榭脂を目的化合物である 2—フエノキシエタノール (約 6670m L)で洗浄した後に濾過する操作を 2回繰り返すことによって、水分を除去した。以下 、これを洗浄済触媒 Bという。
[0100] 次に、ガス供給管,攪拌装置および液抜きラインを備えた 10L容オートクレープへ 、フエノール (4021g、約 42. 7mol)と上記洗浄済触媒 Bを投入して密閉した。脱気 操作により液中の溶存酸素を除去し、気相部を窒素で置換した後、更に窒素を加え て加圧(1. 5kg/cm2)した。次いで 100°Cに昇温し、ガス供給管を通して EO (1976 g、約 44. 9mol)を 6時間かけて添カ卩した。その後、内温を 100 ± 2°Cに維持して 2時 間反応を行なった。なお、反応系に当初力も存在する 2—フエノキシエタノール (洗浄 済触媒 Bに含まれるもの)の割合は、フエノール、 EO、 2—フエノキシエタノールの合 計に対して約 12. 6質量%である。
[0101] この反応液を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果、原料フエノールの 転化率は 99. 3%、フエノールの EOl付カ卩体の選択率は 96. 9%、フエノールの EO 2付加体の選択率は 2. 9%だった。その後、残存するフエノール濃度が 88ppmにな るまで熟成を行なった。
[0102] 次 、で、ァ-オン交換榭脂を除去した後、得られた濾液(2012g)を 3L容のガラス 製蒸留フラスコへ投入し、段数 10段のオルダ一ショー型蒸留塔を用いて、トップ圧力 2kPa、ボトム温度 148〜181°Cで蒸留を行なった。初留として、 99. 9%のフエノー ルの EOl付カ卩体と 643ppmのフエノールを含む留分 178gを回収した。その後、 2— フエノキシエタノール留分 1546gを得た (蒸留収率: 76. 8%)。得られた 2—フエノキ シエタノールを吸光光度計(島津製作所社製、 UV— VISIBLE SECTROPHOT OMETER「UV— 1600」)により分析したところ、純度 99. 9%、フエノール含有量 1 8ppmたった。
産業上の利用可能性
[0103] 本発明方法によれば、フエノール類とォキシランィ匕合物を反応させて芳香族エーテ ル類を合成するに当たり、触媒としてァニオン交換基を有する触媒を使用すること〖こ よって、原料中に芳香族エーテル類が混入する場合であっても、副反応の生成を抑 えて、 目的の構造を有する芳香族エーテル類を効率よく製造できる。よって、未反応 のフエノール類を回収し原料として用いる場合等に、芳香族エーテル類が混入しても 、 目的化合物の効率的な製造が可能になり経済的である。
[0104] 従って、本発明に係る製造方法は、芳香族エーテル類の工業的プロセスにおける 大量合成に適するものとして、産業上極めて有用である。
[0105] 本願 ίま、 2004年 9月 16曰【こ曰本特許庁へ提出された特願 2004— 269360【こ基 づくものであり、当該基礎出願の内容は、参照により本願明細書中に組み込むことが できる。