明 細 書
液晶組成物、光学補償フィルム、及び液晶表示装置
技術分野
[0001] 本発明は、液晶表示装置に関し、特に水平方向に配向した液晶分子に横方向の 電界を印加することにより表示を行う、インプレーンスイッチングモードの液晶表示装 置に関する。また、本発明は、液晶表示装置の視野角の拡大に寄与する光学補償フ イルム及びその作製に有用な液晶組成物に関する。
背景技術
[0002] 液晶表示装置としては、二枚の直交した偏光板の間に、ネマチック液晶をツイスト 配列させた液晶層を挟み、電界を基板に対して垂直な方向にかける方式、いわゆる TNモードが広く用いられている。この方式では、黒表示時に液晶が基板に対して立 ち上がるために、斜めから見ると液晶分子による複屈折が発生し、光漏れが起こる。 この問題に対して液晶性分子がノ、イブリツド配向したフィルムを用いることで、液晶セ ルを光学的に補償し、この光漏れを防止する方式が実用化されている。しかし、液晶 性分子を用いても液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常に難しぐ 画面下方向での諧調反転が抑えきれな 、と 、う問題を生じて ヽた。
[0003] 力かる問題を解決するため、横電界を液晶に対して印加する、いわゆるインプレー ンスイッチング (IPS)モードによる液晶表示装置や、誘電率異方性が負の液晶を垂 直配向してパネル内に形成した突起やスリット電極によって配向分割した垂直配向( VA)モードが提案され、実用化されている。近年、これらのパネルはモニター用途に 留まらず、 TV用途として開発が進められており、それに伴って画面の輝度が大きく向 上してきている。このため、これらの動作モードで従来問題とされていなつ力つた、黒 表示時の対角位斜め入射方向での僅かな光漏れが表示品質の低下の原因として顕 在化してきた。
[0004] この色調や黒表示の視野角を改善する手段の一つとして、液晶層と偏光板の間に 複屈折特性を有する光学補償材料を配置することが IPSモードにおいても検討され ている。例えば、傾斜時の液晶層のレターデーシヨンの増減を補償する作用を有す
る光軸を互いに直交した複屈折媒体を基板と偏光板との間に配置することで、白表 示又は中間調表示を斜め方向から直視した場合の色付きが改善できることが開示さ れて ヽる(特開平 9 80424号公報参照)。
また、負の固有複屈折を有するスチレン系ポリマーやディスコティック液晶性ィ匕合物 力もなる光学補償フィルムを使用した方法 (特開平 10— 54982号公報、特開平 11 — 202323号公報、特開平 9— 292522号公報参照)や、光学補償フィルムとして複 屈折が正で光学軸がフィルムの面内にある膜と複屈折が正で光学軸がフィルムの法 線方向にある膜とを組み合わせる方法 (特開平 11 133408号公報参照)。レター デーシヨンが二分の一波長の二軸性の光学補償シートを使用する方法 (特開平 11 305217号公報参照)、偏光板の保護膜として負のレターデーシヨンを有する膜を 使い、この表面に正のレターデーシヨンを有する光学補償層を設ける方式 (特開平 1 0— 307291号公報参照)が提案されている。
[0005] しかし、提案された方式の多くは、液晶セル中の液晶の複屈折の異方性を打ち消 して視野角を改善する方式であるために、直交偏光板を斜めから見た場合の偏光軸 交差角度の直交力 のズレに基づく光漏れを十分に解決できないという問題がある。 また、この光漏れを補償できるとされる方式でも、液晶セルを問題なく完全に光学的 に補償することは非常に難しい。さらに、延伸複屈折ポリマーフィルムで光学補償を 行う IPSモード液晶セル用光学補償シートでは、複数のフィルムを用いる必要があり 、その結果、光学補償シートの厚さが増し、表示装置の薄形ィ匕に不利である。また、 延伸フィルムの積層には粘着層を用いるため、温湿度変化により粘着層が収縮して フィルム間の剥離や反りといった不良が発生することがあった。
[0006] 一方、正の複屈折性を有し光軸が法線方向にある位相差膜を組み合わせることで I PSの光学補償を達成する方法が検討されており、カゝかる位相差膜を実現するには 液晶材料を垂直に配向させ、その配向状態を固定ィ匕する方法が知られている(例え ば、特表 2000— 514202号公報、特開平 10— 319408号公報、及び特開平 6— 3 31826号公報参照)。
[0007] また、棒状液晶性ィ匕合物を垂直に配向させる方法としては、配向膜に垂直配向膜 を用いる方法、または、垂直配向剤(例えば、 4級アンモ-ゥム置換のシランカツプリ
ング剤等)を基板上に形成させた上に液晶性化合物の層を形成する方法が提案され ている(例えば、岡野光治等、「液晶」 ·応用編、培風館、 1985年発行、 61頁、苗村 昌平、 Appl. Phys. Lett. 33卷、 1号、 1978年、 1〜3頁)。しかしながら、近年モ- ターの表示特性に対する要求が厳しくなつてきており、従来知られている垂直配向方 式で固定ィ匕した異方性材料ではミクロな均一性が十分ではなぐその改善が求めら れていた。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は前記諸問題に鑑みなされたものであって、簡易な構成で、表示品位のみ ならず、視野角特性が改善された IPS型液晶表示装置を提供することを目的とする。 また、本発明は、液晶表示装置、特に IPS型液晶表示装置の視野角特性の改善に 寄与する光学補償フィルム、及び該光学補償フィルムの作製に有用な組成物を提供 することを課題とする。また、本発明は、棒状液晶性化合物の分子を欠陥無く均一に 垂直配向させた位相差膜を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0009] 本願発明の目的は、下記の(1)〜(5)の組成物、 (6)〜(7)の光学補償フィルム、 及び (8)〜(13)の液晶表示装置により達成された。
(1) ォニゥム塩の少なくとも一種、棒状液晶性ィ匕合物の少なくとも一種、及び棒状 液晶化合物の空気界面での垂直配向を促進する添加剤の少なくとも一種を含有す る液晶組成物。
(2) 前記添加剤が、フルォロ脂肪族基と、カルボキシル基(一 COOH)、スルホ基( — SO H)、スルファト基(― OSO H)、ホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }及びそ
3 3 2 れらの塩力 なる群より選ばれる 1種以上の親水性基とを含む化合物である(1)の液 晶組成物。
(3) 前記添加剤が、フルォロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位の 少なくとも一種と、下記一般式(1)で表される繰り返し単位の少なくとも一種とを含む 共重合体である(1)又は(2)の液晶組成物。
[0010] [化 1]
一般式 (1 )
(式中、
R
2及び R
3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し; Lは下記の 連結基群から選ばれる 2価の連結基又は下記の連結基群から選ばれる 2種以上を組 み合わせて形成される 2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、— O—、— CO—、 -NR4- (R4は水素原子、アルキル基、ァリール基、又 はァラルキル基を表す)、— S—、 -SO 一、 — P ( = 0) (OR5)— (R5はアルキル基、
2
ァリール基、又はァラルキル基を表す)、アルキレン基及びァリーレン基;
Qはカルボキシル基(一 COOH)もしくはその塩、スルホ基(一 SO H)もしくはその
3
塩、又はホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩を表す。 )
2
[0011] (4) 前記添加剤が、下記一般式(2)で表される化合物である(1)又は(2)の液晶組 成物。
一般式 (2)
(R°) -L°- (W)
m n
(式中、 RQはアルキル基、末端に CF基を有するアルキル基、又は末端に CF H基を
3 2 有するアルキル基を表し、 mは 1以上の整数を表す。複数個の R°は同一でも異なつ ていてもよいが、少なくとも一つは末端に CF基又は CF H基を有するアルキル基を
3 2
表す。 は(m+n)価の連結基を表し、 Wはカルボキシル基(— COOH)もしくはそ の塩、スルホ基(― S03H)もしくはその塩、スルファト基(― OSO H)もしくはその塩、
3
又はホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩を表し、 nは 1以上の整数を
2
表す。)
(5) 前記ォ-ゥム塩力 第 4級アンモ-ゥム塩である(1)〜 (4)のいずれかの液晶組 成物。
[0012] (6) 前記ォニゥム塩力 下記一般式(3a)、もしくは、一般式(3b)で表される化合物
である(1)〜(5)の 、ずれかの液晶組成物;
[化 2] 般式 (3 a )
式(3a)中、 R
8は置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、アルキ-ル基 、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基を表し、 Dは水素結合性基を表し、 mは 1 〜3の整数を表し、 X—はァ-オンを表す;
[化 3]
般式 (3 b )
式(3b)中、 R
9及び R
1Qは各々置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、 アルキ-ル基、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基を表し、 X—はァ-オンを表す
(7) 前記ォニゥム塩が、下記一般式 (4)で表される化合物である(1)〜(6)のいず れかの液晶組成物;
[化 4]
般式 (4 )
一般式 (4)中、 L
1および L
2はそれぞれ独立に、 2価の連結基もしくは単結合を表 し; Yはフエ-ル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表し; Zは水素原子、置換 もしくは無置換の脂肪族炭化水素基又は置換もしくは無置換のァリール基を表し; R
1 1および R
12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ァリール基、ァシル基、カル
バモイル基、水酸基又はアミノ基を表すが、 R
11および R
12は連結して環を形成しても よく; nおよび pは 1〜10の整数を表し、 qは 0〜4の整数を表す力 pが 2以上の場合、 それぞれの繰り返し単位に含まれる L2、 Yおよび qは、同じであっても異なっていても よく; X—はァ-オンを表す。
[0015] (8) (1)〜(7)のいずれかの組成物カゝら形成された光学異方性層を有する光学補 償フィルム。
(9) 前記光学異方性層中において、棒状液晶性化合物の分子が実質的に垂直配 向している(8)に記載の光学補償フィルム。
(10) 少なくとも一種のポリマーと、少なくとも一種のォニゥム塩とを含有する配向膜 、及び、少なくとも一種の棒状液晶性ィヒ合物と、下記一般式(1)又は一般式 (2)から 選ばれる少なくとも一種の化合物とを含有する組成物から形成された光学異方層を 少なくとも一層有する光学補償フィルム。
(式中、
R
2及び R
3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し; Lは下記の 連結基群から選ばれる 2価の連結基又は下記の連結基群から選ばれる 2種以上を組 み合わせて形成される 2価の連結基を表し、
(連結 群)
単結合、— O—、— CO—、 -NR4- (R4は水素原子、アルキル基、ァリール基、又 はァラルキル基を表す)、— S—、 -SO 一、 — P ( = 0) (OR5)— (R5はアルキル基、
2
ァリール基、又はァラルキル基を表す)、アルキレン基及びァリーレン基;
Qはカルボキシル基(一 COOH)もしくはその塩、スルホ基(一 SO H)もしくはその
3
塩、又はホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩を表す。 )
2
一般式 (2)
(R°) -L°- (W)
m n
(式中、 RQはアルキル基、末端に CF基を有するアルキル基、又は末端に CF H基を
3 2 有するアルキル基を表し、 mは 1以上の整数を表す。複数個の R°は同一でも異なつ ていてもよいが、少なくとも一つは末端に CF基又は CF H基を有するアルキル基を
3 2
表す。 は(m+n)価の連結基を表し、 Wはカルボキシル基(— COOH)もしくはそ の塩、スルホ基(― S03H)もしくはその塩、スルファト基(― OSO H)もしくはその塩、
3
又はホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩を表し、 nは 1以上の整数を
2
表す。)
(11) 前記ォニゥム塩力 下記一般式(3a)又は下記一般式(3b)力 選ばれる少な くとも一種の化合物である(10)の光学補償フィルム。
[化 6] 一般式 (3 a )
式(3a)中、 R
8は置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、アルキ-ル基 、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基を表し、 Dは水素結合性基を表し、 mは 1 〜3の整数を表し、 ΧΊまァ-オンを表す;
[化 7] 一般式 (3 b )
式(3b)中、 R
9及び R
1Qは各々置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、 アルキ-ル基、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基を表し、 X—はァ-オンを表す
(12) 前記ォニゥム塩が、下記一般式 (4)で表される化合物である(10)又は(11) の光学補償フィルム。
般式 ( 4 )
一般式 (4)中、 L
1および L
2はそれぞれ独立に、 2価の連結基もしくは単結合を表し; Υはフヱ-ル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表し; Ζは水素原子、置換も しくは無置換の脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換のァリール基を表し; R
1 1および R
12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ァリール基、ァシル基、カル バモイル基、水酸基又はアミノ基を表すが、 R
11および R
12は連結して環を形成しても よく; ηおよび ρは 1〜10の整数を表し、 qは 0〜4の整数を表す力 pが 2以上の場合、 それぞれの繰り返し単位に含まれる L2、 Yおよび qは、同じであっても異なっていても よく; X—はァ-オンを表す。
(13) 前記棒状液晶性ィ匕合物の分子が、位相差膜の膜面に対して略垂直に配向し ている( 10)〜( 12)の!、ずれかの光学補償フィルム。
(14) 前記配向膜がポリビュルアルコール誘導体力もなる(10)〜(13)のいずれか の光学補償フィルム。
(15) 少なくとも、第 1偏光膜と、第 1位相差領域と、第 2位相差領域と、液晶層を一 対の基板で挟んだ液晶セルとを含み、黒表示時に液晶分子が前記一対の基板の表 面に対して実質的に平行に配向する液晶表示装置であって、
第 1位相差領域の波長 λ nmにおけるレターデーシヨン Re ( λ )力 S20nm〜150nm であり、且つ面内の屈折率 nxと ny(nx>ny)、及び厚さ方向の屈折率 nzを用いて N z= (nx— nz)Z(nx— ny)で定義される第 1位相差領域の値 Nzが 1. 5〜7であり、 第 2位相差領域の面内の屈折率 nxと nyが実質的に等しぐ nx<nzであり、第 2位 相差領域の厚み方向の波長 λ nmにおけるレターデーシヨン Rth ( λ )がー 80nm〜 — 400nmであり、第 2位相差領域が(1)〜(7)のいずれかの液晶組成物カゝら形成さ れた光学異方性層を含み、且つ該光学異方性層中にお!ヽて棒状液晶性化合物の 分子が実質的に垂直配向し、及び
前記第 1偏光膜の透過軸が、前記液晶層の黒表示時の液晶分子の遅相軸方向に 平行である液晶表示装置。
(16) 前記第 1偏光膜、前記第 1位相差領域、前記第 2位相差領域及び前記液晶 セルが、この順序で配置され、且つ前記第 1位相差領域の遅相軸が、前記第 1偏光 膜の透過軸に実質的に平行である(15)の液晶表示装置。
(17) 前記第 1偏光膜、前記第 2位相差領域、前記第 1位相差領域及び前記液晶 セルがこの順序で配置され、且つ前記第 1位相差領域の遅相軸が前記第 1偏光膜 の透過軸に実質的に直交である(15)の液晶表示装置。
(18) 前記第 1偏光膜の透過軸と直交する透過軸を有する第 2偏光膜をさらに有し 、前記第 1及び第 2偏光膜が、前記第 1位相差領域、前記第 2位相差領域及び前記 液晶セルを挟持して配置されて 、る( 15)〜( 17)の 、ずれかの液晶表示装置。
(19) 前記第 1偏光膜及び Z又は第 2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を 有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近 、側の保護膜の厚み方向の位相差 Rthが 、 40nm以下である(15)〜(18)のいずれかの液晶表示装置。
(20) 前記第 1偏光膜及び Z又は第 2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を 有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近 、側の保護膜がセルロースァシレートフィル ム又はノルボルネン系フィルムである(15)〜(19)のいずれかの液晶表示装置。 発明の効果
本発明では、少なくとも、第 1偏光膜と、第 1位相差領域と、第 2位相差領域と、液晶 材料力 なる液晶層を一対の基板で挟んだ液晶セルとを含み、黒表示時に該液晶 材料の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して実質的に平行に配向する液晶 表示装置であって、第 1位相差領域のレターデーシヨン Reが 20nm〜150nmであり 、面内の屈折率 nxと ny(nx>ny)、及び厚さ方向の屈折率 nzを用いて Nz= (nx— n z)Z(nx— ny)で定義される第 1位相差領域の値 Nzlが 1. 5〜7であり、第 2位相差 領域の面内の屈折率 nxと nyが実質的に等しぐ nx<nzであり、第 2位相差領域の厚 み方向のレターデーシヨン Rthがー 80nm〜一 400nmであり、且つ第 1偏光膜の透 過軸が黒表示時の液晶分子の遅相軸方向に平行にすることによって、正面方向の 特性を何ら変更させることなぐ斜めの方位角方向から見た場合に 2枚の偏光板の吸
収軸が 90度力もずれることから生ずるコントラストの低下、特に 45度の斜め方向から のコントラストの低下を改善している。さらに、偏光膜の保護膜の Rthを 40nm以下と することによって、コントラストをより向上させることができる。また、本発明の液晶組成 物を用いることにより、特殊な垂直配向膜を用いずに簡便に、前記第 2位相差領域を 作製することができる。さらに、本発明によれば、棒状液晶性化合物の分子を特定の 化合物の存在下で、ォ-ゥム塩を含有する配向膜上で配向させることにより、棒状液 晶性ィ匕合物の分子を安定的に垂直配向させることができる。
発明の実施の形態
[0021] 以下において、本発明の液晶表示装置の一実施形態及びその構成部材について 順次説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の 前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[0022] 本明細書にぉ 、て、 Re (え)、 Rth ( λ )は各々、波長 λにおける面内のリターデー シヨンおよび厚さ方向のリタ一デーシヨンを表す。 Re ( λ )は KOBRA 21ADH (王 子計測機器 (株)製)にお ヽて波長 λ nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定 される。 Rt ( X )は前記 Re ( λ )、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断され る)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して + 40° 傾斜した方向から波 長 λ nmの光を入射させて測定したレターデーシヨン値、および面内の遅相軸を傾斜 軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して 40° 傾斜した方向から波長 λ nmの 光を入射させて測定したレターデーシヨン値の計 3つの方向で測定したレターデーシ ヨン値を基に KOBRA 21ADHが算出する。波長 λとしては、通常 450〜750nm の範囲の値が用いられる。本願においては 589nmの値を用いている。ここで平均屈 折率の仮定値は ポリマーハンドブック (JOHN WILEY&SONS, INC)、各種光 学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でな 、も のについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率 の値を以下に例示する: セルロースァシレート(1. 48)、シクロォレフインポリマー(1 . 52)、ポリカーボネート(1. 59)、ポリメチノレメタタリレート(1. 49)、ポリスチレン(1. 59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、 KOBRA 21 AD Hは nx、 ny、 nzを算出する。この算出された nx、 ny、 nzより Νζ = (ηχ-ηζ) / (ηχ-
ny)が更に算出される。
[0023] 本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な角度 ± 10°未満の範囲内である ことを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、 ± 5°未満であることが好ましぐ ± 2°未満であることがより好ましい。また、「実質的に垂直」とは、厳密な垂直の角度 よりも ± 20°未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は 、 ± 15°未満であることが好ましぐ ± 10°未満であることがより好ましい。また、「遅相 軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。さらに屈折率の測定波長は特別な記 述がない限り、可視光域の λ = 550nmでの値である。
[0024] 本明細書において「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板及び液晶装置 に組み込まれる大きさに裁断された (本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及 び「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本 明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の 少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものと する。
[0025] 以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図 1は、本発明の液 晶表示装置の画素領域例を示す模式図である。図 2及び図 3は、本発明の液晶表示 装置の一実施形態の模式図である。
[液晶表示装置]
図 2に示す液晶表示装置は、偏光膜 8及び 20と、第 1位相差領域 10と、第 2位相差 領域 12と、基板 13及び 17と、該基板に挟持される液晶層 15とを有する。偏光膜 8及 20は、それぞれ保護膜 7aと 7b及び 19aと 19bによって挟持されて!、る。
[0026] 図 2の液晶表示装置では、液晶セルは、基板 13及び 17と、これらに挟持される液 晶層 15からなる。液晶層の厚さ d ( μ m)と屈折率異方性 Δ nとの積 Δ n · dは透過モ ードにおいて、ねじれ構造を持たない IPS型では 0. 2〜0. の範囲が最適値と なる。この範囲では白表示輝度が高ぐ黒表示輝度が小さいことから、明るくコントラ ストの高い表示装置が得られる。基板 13及び 17の液晶層 15に接触する表面には、 配向膜 (不図示)が形成されていて、液晶分子を基板の表面に対して略平行に配向 させるとともに配向膜上に施されたラビング処理方向 14及び 18等により、電圧無印
加状態もしくは低印加状態における液晶分子配向方向が制御されている。また、基 板 13若しくは 17の内面には、液晶分子に電圧印加可能な電極(図 2中不図示)が形 成されている。
[0027] 図 1に、液晶層 15の 1画素領域中の液晶分子の配向を模式的に示す。図 1は、液 晶層 15の 1画素に相当する程度の極めて小さ 、面積の領域中の液晶分子の配向を 、基板 13及び 17の内面に形成された配向膜のラビング方向 4、及び基板 13及び 17 の内面に形成された液晶分子に電圧印加可能な電極 2及び 3とともに示した模式図 である。電界効果型液晶として正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いてァク ティブ駆動を行った場合の、電圧無印加状態若しくは低印加状態での液晶分子配 向方向は 5a及び 5bであり、この時に黒表示が得られる。電圧が電極 2及び 3間に印 カロされると、電圧に応じて液晶分子は 6a及び 6b方向へとその配向方向を変える。通 常、この状態で明表示を行なう。
[0028] 再び図 2において、偏光膜 8の透過軸 9と、偏光膜 20の透過軸 21は直交して配置 されている。第 1位相差領域 10の遅相軸 11は、偏光膜 8の透過軸 9及び黒表示時の 液晶層 15中の液晶分子の遅相軸方向 16に平行である。
図 2に示す液晶表示装置では、偏光膜 8が二枚の保護膜 7a及び 7bに挟持された 構成を示しているが、保護膜 7bはなくてもよい。保護膜 7bがない場合は、第 1位相差 領域 10の一部又は全部が、偏光膜の保護膜 7bとしても機能し得る特性を有して 、る のが好ましい。また、偏光膜 20も二枚の保護膜 19a及び 19bに挟持されているが、 液晶層 15に近い側の保護膜 19aはなくてもよい。なお、図 2の態様では、第 1位相差 領域 10及び第 2位相差領域 12は、液晶セルの位置を基準にして、液晶セルと視認 側の偏光膜との間に配置されて 、てもよ 、し、液晶セルと背面側の偏光膜との間に 配置されていてもよい。本実施形態では、いずれの構成においても、第 2位相差領域 が液晶セルにより近くなるように配置する。
[0029] 本発明の他の実施形態を図 3に示す。図 3の液晶表示装置は、第 2位相差領域 12 が偏光膜 8及び第 1位相差領域 10の間に配置されている。図 3の液晶表示装置にお いて、保護膜 7bはなくてもよい。保護膜 7bがない場合は、第 2位相差領域 12の一部 又は全部が、偏光膜の保護膜 7bとしても機能し得る特性を有して 、るのが好ま U、。
また、偏光膜 20も二枚の保護膜 19a及び 19bに挟持されているが、液晶層 15に近 い側の保護膜 19aはなくてもよい。図 3に示す態様では、第 1位相差領域 10は、その 遅相軸 11が、偏光膜 8の透過軸 9と黒表示時の液晶層 15中の液晶分子の遅相軸方 向 16に直交になるように配置される。なお、図 3の態様では、第 1位相差領域 10及び 第 2位相差領域 12は、液晶セルの位置を基準にして、液晶セルと視認側の偏光膜と の間に配置されていてもよいし、液晶セルと背面側の偏光膜との間に配置されてい てもよい。本実施形態では、いずれの構成においても、第 1位相差領域が液晶セル により近くなるように配置する。
[0030] なお、図 3及び図 2には、上側偏光板及び下側偏光板を備えた透過モードの表示 装置の態様を示したが、本発明は一の偏光板のみを備える反射モードの態様であつ てもよく、かかる場合は、液晶セル内の光路が 2倍になることから、最適 A n'dの値は 上記の 1Z2程度の値になる。また、本発明に用いられる液晶セルは IPSモードに限 定されることなぐ黒表示時に液晶分子が前記一対の基板の表面に対して実質的に 平行に配向する液晶表示装置であれば、いずれも好適に用いることができる。この例 としては強誘電性液晶表示装置、反強誘電性液晶表示装置、 ECB型液晶表示装置 がある。
[0031] 本発明の液晶表示装置は、図 1〜図 3に示す構成に限定されず、他の部材を含ん でいてもよい。例えば、液晶層と偏光膜との間にカラーフィルターを配置してもよい。 また、偏光膜の保護膜の表面に反射防止処理ゃノ、ードコートを施しても良い。また、 構成部材に導電性を付与したものを使用してもよい。また、透過型として使用する場 合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッショ ン素子、エレクト口ルミネッセント素子を光源とするノ ックライトを背面に配置すること ができる。この場合、ノ ックライトの配置は図 2及び図 3の上側であっても下側であつ ても良い。また、液晶層とバックライトとの間に、反射型偏光板や拡散板、プリズムシ 一トゃ導光板を配置することもできる。また、上記した様に、本発明の液晶表示装置 は、反射型であってもよぐかかる場合は、偏光板は観察側に 1枚配置したのみでよく 、液晶セル背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を配置する。もちろん 前記光源を用いたフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。
[0032] 本発明の液晶表示装置には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。 本発明は、 TFTや MIMのような 3端子又は 2端子半導体素子を用いたアクティブマト リックス液晶表示装置に適用した態様が特に有効である。勿論、時分割駆動と呼ば れるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様も有効である。
[0033] 以下、本発明の液晶表示装置に使用可能な種々の部材の好ま 、光学特性や部 材に用いられる材料、その製造方法等について、詳細に説明する。
[0034] [第 1位相差領域]
本発明の液晶表示装置に含まれる第 1位相差領域は、レターデーンヨン Re ( λ )が 20ηπ!〜 150nmであって、斜め方向の光漏れを効果的に低減するためには、第 1位 相差領域の Re ( λ )は、 40nm〜 115nmであるのがより好ましぐ 60nm〜95nmで あるのがさらに好ましい。また、面内の屈折率 nxと ny(nx>ny)、及び厚さ方向の屈 折率 nzを用いて Nz= (nx—nz)Z(nx—ny)で定義されるNzがl. 5〜7であって、 斜め方向の光漏れを効果的に低減するためには、第 1位相差領域の Nzは、 2. 0〜 5. 5であるのがより好ましぐ 2. 5〜4. 5であるのがさらに好ましい。
[0035] 前記第 1位相差領域は、前記光学特性を有する限り、基本的にその材料及び形態 については特に制限されない。例えば、複屈折ポリマーフィルム力 なる位相差膜、 透明支持体上に高分子化合物を塗布後に加熱処理した膜、及び透明支持体上に 低分子あるいは高分子液晶性ィ匕合物を塗布もしくは転写することによって形成され た位相差層を有する位相差膜など、いずれも使用することができる。また、それぞれ を積層して使用することもできる。
[0036] 複屈折ポリマーフィルムとしては、複屈折特性の制御性や透明性、耐熱性に優れる ものが好ましい。この場合、用いる高分子材料としては均一な二軸配向が達成できる 高分子であれば特に制限はな!/、が、従来公知のもので溶液流延法ゃ押出し成形方 式で製膜できるもの好ましぐノルボルネン系高分子、ポリカーボネート系高分子、ポ リアリレート系高分子、ポリエステル系高分子、ポリサルフォン等の芳香族系高分子、 セルロースァシレート、または、それらポリマーの 2種又は 3種以上を混合したポリマ 一などがあげられる。
[0037] フィルムの二軸配向は、押出し成形方式や流延製膜方式等の適宜な方式で製造し
た熱可塑性榭脂からなるフィルムを、例えばロールによる縦延伸方式、テンターによ る横延伸方式や二軸延伸方式などにより、延伸処理することにより達成することがで きる。前記のロールによる縦延伸方式では加熱ロールを用いる方法や雰囲気を加熱 する方法、それらを併用する方法等の適宜な加熱方法を採ることができる。またテン ターによる二軸延伸方式では全テンター方式による同時二軸延伸方法や、ロール- テンター法による逐次二軸延伸方法などの適宜な方法を採ることができる。
また、配向ムラや位相差ムラの少ないものが好ましい。その厚さは、位相差等により 適宜に決定しうる力 一般には薄型化の点より 1〜300 μ m、就中 10〜200 μ m、特 に 20〜150 mとされる。
[0038] ノルボルネン系高分子としては、ノルボルネン及びその誘導体、テトラシクロドデセ ン及びその誘導体、ジシクロペンタジェン及びその誘導体、メタノテトラヒドロフルォレ ンおよびその誘導体などのノルボルネン系モノマーの主成分とするモノマーの重合 体であり、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開 環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、ノルボルネン系モノマーの付 加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付カロ 共重合体、及びそれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機 械的強度等の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が最も好ま しい。ノルボルネン系重合体、単環の環状ォレフィンの重合体又は環状共役ジェン の重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロへキサン溶液 (重 合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル'パーミエーシヨン'クロマトグラフ ィ一で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常 5, 000〜500, 000、好まし <は 8, 000〜200, 000、より好まし <は 10, 000〜100, 0 00の範囲であるときに、フィルムの機械的強度、及び成形カ卩ェ性とが高度にバランス されて好適である。代表的なポリマーとして、特開 2003— 327800号公報、特開 20 04— 233604号公報に記載されたポリマーが挙げられる。
[0039] セルロースァシレートのァシル基としては、脂肪族基でも芳香族基でもよぐ特に限 定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボ-ルエステル、ァルケ- ルカルボ-ルエステルあるいは芳香族カルボ-ルエステル、芳香族アルキルカルボ
-ルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよぐ総炭素数 力 S22以下のエステル基が好まし!/、。これらの好まし!/、セルロースァシレートとしては、 エステル部の総炭素数が 22以下のァシル基 (例えば、ァセチル、プロピオ-ル、ブ チロイル、バレル、ヘプタノィル、オタタノィル、デカノィル、ドデカノィル、トリデカノィ ル、へキサデカノィル、ォクタデカノィルなど)、ァリルカルボ-ル基(アクリル、メタタリ ルなど)、ァリールカルボ-ルキ(ベンゾィル、ナフタロイルなど)、シンナモイル基を挙 げることが出来る。これらの中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロ ピオネート、セノレロースアセテートブチレート、セノレロースアセテートステアレート、セ ルロースアセテートベンゾエートなどであり、混合エステルの場合はその比率は特に 限定されないが、アセテートが総エステルの 30モル%以上であることが好ましい。
[0040] これらの中でも、セルロースァシレートが好ましぐ特に写真用グレードのものが好ま しぐ市販の写真用グレードのものは粘度平均重合度、置換度等の品質を満足して 入手することができる。写真用グレードのセルローストリアセテートのメーカーとしては 、ダイセルィ匕学工業 (株)(例えば LT— 20, 30, 40, 50, 70, 35, 55, 105など)、ィ ース卜マンケミカル社(例えば、 CAB— 551— 0. 01、 CAB— 551— 0. 02、 CAB— 500— 5、 CAB— 381— 0. 5、 CAB— 381— 02、 CAB— 381— 20、 CAB— 321 —0. 2、 CAP - 504-0. 2、 CAP— 482— 20、 CA— 398— 3など)、コートルズ社 、へキスト社等があり、何れも写真用グレードのセルロースァシレートを使用できる。ま た、フィルムの機械的特性や光学的な特性を制御する目的で、可塑剤、界面活性剤 、レターデーシヨン調節剤、 UV吸収剤などを混合することができる。これらの添加剤 の詳糸田 ίこつ ヽて ίま、 f列え ίま、、特開 2002— 277632号公報、特開 2002— 182215 号公報に記載がある。
[0041] 透明榭脂をシート又はフィルム状に成形する方法は、例えば、加熱溶融成形法、溶 液流延法のいずれも用いることができる。加熱溶融成形法は、さらに詳細に、押出成 形法、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成 形法などに分類できるが、これらの方法の中でも、機械的強度、表面精度等に優れ たフィルムを得るためには、押出成形法、インフレーション成形法、及びプレス成形法 が好ましぐ押出成形法が最も好ましい。成形条件は、使用目的や成形方法により適
宜選択されるが、加熱溶融成形法による場合は、シリンダー温度が、好ましくは 100 〜400°C、より好ましくは 150〜350°Cの範囲で適宜設定される。上記シート又はフィ ノレムの厚みは、好ましくは 10〜300 μ m、より好ましくは 30〜200 μ mである。
上記シート又はフィルムの延伸は、該透明樹脂のガラス転移温度を Tgとするとき、 好ましくは Tg— 30°C力も Tg + 60°Cの温度範囲、より好ましくは Tg— 10°C力も Tg + 50°Cの温度範囲にて、少なくとも一方向に好ましくは 1. 01〜2倍の延伸倍率で行う 。延伸方向は少なくとも一方向であればよいが、その方向は、シートが押出成形で得 られたものである場合には、榭脂の機械的流れ方向(押出方向)であることが好ましく 、延伸方法は自由収縮一軸延伸法、幅固定一軸延伸法、二軸延伸法などが好まし V、。光学特性の制御はこの延伸倍率と加熱温度を制御することによって行なうことが 出来る。
[0042] [第 2位相差領域]
本発明の液晶表示装置が有する第 2位相差領域は、面内屈折率 nxと nyが実質的 に等しぐ厚さ方向の屈折率 nzが、 nxく nzを満足する。さらに、第 2位相差領域の厚 み方向のレターデーシヨン Rth ( λ )は、 80nm〜一 400nmである。
前記第 2位相差領域の Rth( λ )のより好ましい範囲は、他の光学部材の光学特性 に応じて変動し、特に、より近くに位置する偏光膜の保護膜 (例えば、トリァセチルセ ルロースフィルム)の Rth ( λ )に応じて変動するが、斜め方向の光漏れを効果的に低 減するためには、第 2位相差領域の Rth ( λ )は、 lOOnm〜― 340nmであるのが 好ましぐ 120nm〜一 270nmであるのがより好ましい。一方、第 2位相差領域の n Xと nyは、上記した様に、実質的に同一であり、 Re ( l )は 0近傍の値になる。具体的 には、面内レターデーシヨン Re ( )は、 0〜50nmであるのが好ましぐ 0〜20nmで あるのがより好ましい。
[0043] 前記第 2位相差領域は、後述する本発明の組成物から形成された光学異方性層を 含む。前記組成物は、棒状液晶性化合物を含有し、該光学異方性層中において、 棒状液晶性ィ匕合物の分子は垂直配向した状態に固定されている。前記第 2位相差 領域は、前記光学異方性層のみからなっていても、複数の光学異方性層からなって いてもよい。また、支持体と光学異方性層との積層体全体で上記光学特性を満たす
ようにして、第 2位相差領域を構成してもよい。用いる棒状液晶化合物としては、配向 固定させる温度範囲で、ネマチック液晶相、スメクチック液晶相、リオトロピック液晶相 状態をとるものが好適に用いられる。均一な配向状態を得るためにネマチック相を示 す液晶が好ましい。特にまた、添加剤の存在下において、適切な配向温度範囲で、 上記液晶状態となる棒状液晶性ィ匕合物にっ ヽては、該添加剤と棒状液晶性化合物 を含有する組成物を用いて層を形成するのも好まし ヽ。
[0044] 実質的に垂直とは、フィルム面と棒状液晶性ィ匕合物のダイレクターとのなす角度が 70° 〜90° の範囲内であることを意味する。これらの液晶性ィ匕合物は斜め配向させ てもよいし、傾斜角が徐々に変化するようにハイブリッド配向させてもよい。斜め配向 又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は 70° 〜90° であることが好ましぐ 80° 〜90。 力より好ましく、 85。 〜90。 力 S最ち好まし ヽ。
[0045] 以下、本発明の液晶組成物にっ 、て説明する。本発明の液晶組成物は、本発明 の液晶表示装置の第 2位相差領域を作製するのに用いることができる。
(本発明の液晶組成物)
本発明の液晶組成物は、ォ -ゥム塩の少なくとも一種、棒状液晶性ィ匕合物の少なく とも一種、及び棒状液晶化合物の空気界面での垂直配向を促進する添加剤の少な くとも一種を含有する。
《ォニゥム塩》
本発明の組成物はォ -ゥム塩の少なくとも一種を含有する。本発明にお 、てォ-ゥ ム塩は配向膜界面側において棒状液晶化合物の分子を垂直配向させるのに寄与す る。前記ォニゥム塩の例には、アンモニゥム塩、スルホニゥム塩、ホスホニゥム塩等の ォ -ゥム塩が含まれる。好ましくは、 4級ォ -ゥム塩であり、特に好ましくは第 4級アン モニゥム塩である。
[0046] 第 4級アンモ-ゥム塩は、一般に第 3級ァミン (例えば、トリメチルァミン、トリェチル ァミン、トリブチルァミン、トリエタノールァミン、 N—メチルピロリジン、 N—メチルビペリ ジン、 N, N—ジメチルピペラジン、トリエチレンジァミン、 N, N, Ν' , Ν,ーテトラメチ ルエチレンジァミンなど)あるいは含窒素複素環(ピリジン環、ピコリン環、 2, 2,—ビピ リジノレ環、 4, 4,一ビビリジル環、 1, 10—フエナント口リン環、キノリン環、ォキサゾー
ル環、チアゾール環、 N—メチルイミダゾール環、ピラジン環、テトラゾール環など)を アルキル化 (メンシュトキン反応)、ァルケ-ル化、アルキ-ル化あるいはァリール化し て得られる。
[0047] 第 4級アンモ-ゥム塩としては、含窒素複素環力 なる第 4級アンモ-ゥム塩が好ま しく、特に好ましくは第 4級ピリジ-ゥム塩である。
より具体的には、前記第 4級アンモニゥム塩は、下記一般式(3a)又は後述する一 般式(3b)で表される第 4級ピリジ-ゥム塩カも選ばれるのが好ま 、。
[0048] [化 9]
一般式 (3 a )
式(3a)中、 R
8は置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、アルキ-ル基 、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基を表し、 Dは水素結合性基を表し、 mは 1 〜3の整数を表し、 X—はァ-オンを表す。
[0049] まず、前記一般式 (3a)につ 、て説明する。
上記 R8で表されるアルキル基は、炭素数 1〜18の置換もしくは無置換のアルキル 基が好ましぐより好ましくは炭素数 1〜8の置換もしくは無置換のアルキル基である。 これらは、直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状であってもよい。これらの例としては、メチ ル、ェチル、 n—プロピル、イソプロピル、 n—ブチル、イソブチル、 tーブチル、 n—へ キシル、 n—ォクチル、ネオペンチル、シクロへキシル、ァダマンチル及びシクロプロ ピル等が挙げられる。
[0050] アルキル基の置換基の例としては、以下のものを挙げることができる。炭素数 2〜1 8 (好ましくは炭素数 2〜8)の置換もしくは無置換のアルケニル基 (例、ビニル);炭素 数 2〜18 (好ましくは炭素数 2〜8)の置換もしくは無置換のアルキニル基 (例、ェチ -ル);炭素数 6〜 10の置換もしくは無置換のァリール基(例、フエ-ル、ナフチル); ハロゲン原子 (例、 F、 Cl、 Br等);炭素数 1〜18 (好ましくは炭素数 1〜8)の置換もし くは無置換のアルコキシ基 (例、メトキシ、エトキシ);炭素数 6〜: L0の置換もしくは無
置換のァリールォキシ基(例、フエノキシ、ビフエ-ルォキシ、 p—メトキシフエノキシ); 炭素数 1〜18 (好ましくは炭素数 1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルチオ基 (例 、メチルチオ、ェチルチオ);炭素数 6〜: LOの置換もしくは無置換のァリールチオ基( 例、フ 二ルチオ);炭素数 2〜18 (好ましくは炭素数 2〜8)の置換もしくは無置換の ァシル基(例、ァセチル、プロピオ-ル);
[0051] 炭素数 1〜 18 (好ましくは炭素数 1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルスルホ二 ル基又はァリールスルホ -ル基(例、メタンスルホ -ル、 p—トルエンスルホ -ル);炭 素数 2〜18 (好ましくは炭素数 2〜8)の置換もしくは無置換のァシルォキシ基 (例、ァ セトキシ、プロピオニルォキシ);炭素数 2〜18 (好ましくは炭素数 2〜8)の置換もしく は無置換のアルコキシカルボ-ル基(例、メトキシカルボ-ル、エトキシカルボ-ル); 炭素数 7〜: L 1の置換もしくは無置換のァリールォキシカルボニル基 (例、ナフトキシ カルボニル);無置換のアミノ基、もしくは炭素数 1〜18 (好ましくは炭素数 1〜8)の置 換ァミノ基 (例、メチルァミノ、ジメチルアミ入ジェチルアミ入ァ-リノ、メトキシフエ- ルァミノ、クロロフヱニルアミ入ピリジルァミノ、メトキシカルボニルアミ入 n—ブトキシ カルボニルァミノ、フ ノキシカルボニルァミノ、メチルカルバモイルァミノ、ェチルチ ォカルバモイルアミ入フ 二ルカルバモイルアミ入ァセチルアミ入ェチルカルボ二 ルァミノ、ェチルチオ力ルバモイルアミ入シクロへキシルカルボニルアミ入ベンゾィ ルァミノ、クロロアセチルアミ入メチルスルホニルァミノ);
[0052] 炭素数 1〜18 (好ましくは炭素数 1〜8)の置換もしくは無置換の力ルバモイル基( 例、無置換の力ルバモイル、メチルカルバモイル、ェチルカルバモイル、 n—ブチル 力ルバモイル、 tーブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモ ィル、ピロリジノ力ルバモイル);無置換のスルファモイル基、もしくは炭素数 1〜18 ( 好ましくは炭素数 1〜8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、フエ二 ルスルファモイル);シァノ基;ニトロ基;カルボキシ基;水酸基;ヘテロ環基 (例、ォキ サゾール環、ベンゾォキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾ ール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピぺリジン環、ピロリジン 環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チォフェン環、ピラゾール環、ピロール環 、クロマン環、クマリン環)。アルキル基の置換基としては、特に好ましくは、ァリールォ
キシ基、ァリールチオ基、ァリールスルホ-ル基、ァリールォキシカルボ-ル基である
[0053] 上記 R8で表されるァルケ-ル基は、炭素数 2〜18の置換もしくは無置換のァルケ -ル基が好ましぐより好ましくは炭素数 2〜8の置換もしくは無置換のァルケ-ル基 であり、例えば、ビュル、ァリル、 1 プロべ-ル、 1, 3 ブタジェ-ル等が挙げられ る。アルケニル基の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好 ましい。
[0054] 上記 R8で表されるアルキ-ル基は、炭素数 2〜18の置換もしくは無置換のアルキ -ル基が好ましぐより好ましくは炭素数 2〜8の置換もしくは無置換のアルキ-ル基 であり、例えば、ェチュル、 2—プロピ-ル等が挙げられる。アルキ-ル基の置換基は 、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ま U、。
[0055] 上記 R8で表されるァラルキル基は、炭素数 7〜18の置換もしくは無置換のァラルキ ル基が好ましぐ例えば、ベンジル、メチルベンジル、ビフエ-ルメチル、ナフチルメチ ル等が好まし ヽ。ァラルキル基の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたも のが挙げられる。
[0056] 上記 R8で表されるァリール基は、炭素数 6〜18の置換もしくは無置換のァリール基 が好ましぐ例えば、フエニル、ナフチル、フルォレニル等が挙げられる。ァリール基 の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたものが好まし 、。またこれらの他に 、アルキル基 (例えば、メチル、ェチル等)、アルキニル基、ベンゾィル基も好ましい。
[0057] 上記 R8で表される複素環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子から 構成される 5〜6員環の飽和又は不飽和の複素環であり、これらの例としては、ォキ サゾール環、ベンゾォキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾ ール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピぺリジン環、ピロリジン 環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チォフェン環、ピラゾール環、ピロール環 、クロマン環、及びクマリン環が挙げられる。複素環基は置換されていてもよぐその 場合の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。 で 表される複素環基としては、ベンゾォキサゾール環、ベンゾチアゾール環が特に好ま しい。
[0058] 上記 R8は好ましくは、置換もしくは無置換の、アルキル基、ァラルキル基、ァリール 基又は複素環基である。
[0059] Dは水素結合性基を表す。水素結合は、電気的に陰性な原子 (例えば、 O, N, F, C1)と、同じように電気的に陰性な原子に共有結合した水素原子間に存在する。水素 結合の理論的な解釈としては、例えば、 H. Uneyama and K. Morokuma、Jo unal of American Chemical Society,第 99卷、第 1316〜1332頁、 1977 年に報告がある。具体的な水素結合の様式としては、例えば、 J. N.イスラエスァチ ヴイリ著、近藤保、大島広行訳、分子間力と表面力、マグロウヒル社、 1991年の第 98 頁、図 17に記載の様式が挙げられる。具体的な水素結合の例としては、例えば、 G. R. Desiraju^ Angewante し hemistry International Edition English^第 d 4卷、第 2311頁、 1995年に記載のものが挙げられる。
[0060] 好まし 、水素結合性基としては、メルカプト基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボンアミ ド基、スルホンアミド基、酸アミド基、ウレイド基、力ルバモイル基、カルボキシル基、ス ルホ基、含窒素複素環基 (例えば、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピラゾリル 基、ピリジル基、 1, 3, 5—トリアジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、キノリル基、ベン ズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、コハクイミド基、フタルイミド基、マレイミド基、 ゥラシル基、チォゥラシル基、バルビツール酸基、ヒダントイン基、マレイン酸ヒドラジド 基、ィサチン基、ゥラミル基などが挙げられる)を挙げることができる。更に好ましい水 素結合性基としては、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、カル バモイル基、カルボキシル基、スルホ基、ピリジル基を挙げることができ、特に好ましく は、アミノ基、力ルバモイル基、ピリジル基を挙げることができる。
[0061] X—で表されるァ-オンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンの 、ずれであってもよ ぐハロゲン陰イオン (例え、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど )、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルォロメタンスルホン酸 イオン、メチル硫酸イオン、 ρ—トルエンスルホン酸イオン、 p—クロ口ベンゼンスルホン 酸ィ才ン、 1, 3—ベンゼンジスノレホン酸ィ才ン、 1, 5—ナフタレンジスノレホン酸ィ才ン 、 2, 6—ナフタレンジスルホン酸イオンなど)、硫酸イオン、チォシアン酸イオン、過塩 素酸イオン、テトラフルォロほう酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、リン酸イオン
(例えば、へキサフルォロリン酸イオン)、水酸イオンなどが挙げられる。 ΧΊま、好まし くは、ハロゲン陰イオン、スルホネートイオン、水酸イオンである。なお X—は 1価のァ- オンである必要はなぐ 2価以上のァ-オンであってもよぐかかる場合は、前記化合 物中のカチオンとァニオンとの比率も 1: 1である必要はなぐ適宜決定される。
[0062] 前記一般式(3a)中、 mは好ましくは 1である。
[0063] また、前記一般式(3a)としてより好ましい 4級アンモ-ゥム塩としては、下記一般式
(4)で表される。
[化 10]
一般式 (4 )
[0064] 一般式 (4)中、 L1および L2はそれぞれ独立に、 2価の連結基もしくは単結合を表す 。 2価の連結基としては、炭素数 1〜: L0の置換もしくは無置換のアルキレン基 (例え ば、メチレン基、エチレン基、 1, 4 ブチレン基等)、 O 、 一 C ( = 0)—、 一 C (= 0) 0 、 一 OC ( = 0) 0 、 一 S 、 一 NR' 、 一 C ( = 0) NR,,一、 S ( = 0) —又
2 はこれらを更に 2つ以上連結した 2価の連結基を表し、 R'および R"は水素原子又は 置換もしくは無置換のアルキル基を表す。尚、これら 2価の連結基が左右非対称の 場合 (例えば C ( = O) O 等)は、どちらの向きで連結して!/、てもよ!/、。
[0065] Yは、フエニル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表す。 Yで表される置換 基としては、ハロゲン原子、アルキル基 (シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含 む)、ァルケ-ル基(シクロアルケ-ル基、ビシクロアルケ-ル基を含む)、アルキ-ル 基、ァリール基、ヘテロ環基、シァノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、ァリ ールォキシ基、ァシルォキシ基、力ルバモイルォキシ基、アミノ基 (ァ-リノ基を含む) 、ァシルァミノ基、スルファモイルァミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、ァリールチ ォ基、ァシル基、ァリールォキシカルボ-ル基、アルコキシカルボ-ル基、力ルバモイ ル基、が例として挙げられる。
[0066] R11および R12は水素原子、アルキル基、ァリール基、ァシル基、力ルバモイル基、水 酸基、もしくは、アミノ基を表す。また、 R11および R12は連結して環を形成してもよい。
Zは水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基 (例えば、炭素数 1〜30の アルキル基、炭素数 2〜30のアルケニル基等)、又は置換もしくは無置換のァリール 基(例えば、炭素数 6〜30のフエ-ル基等)を表し、 nおよび pは 1〜10の整数を表し 、 qは 0〜4の整数を表す。ただし、 pが 2以上の場合、それぞれの繰り返し単位に含ま れる L2、 Y、および qは、同じであっても異なっていてもよい。
[0067] 以下に一般式 (4)で表される好まし 、4級アンモニゥムにつ 、て詳細に記載する。
一般式 (4)中、 L1で表される 2価の連結基としては、一 O—もしくは、単結合が好ま しぐ L2で表される 2価の連結基としては、一 O—、— C ( = 0) 0 OC ( = 0) 0— 又は単結合が好ましい。
一般式 (4)中、 Yで表される好ましい置換基としては、ハロゲン原子 (例えば、フッ素 原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換 のアルキル基を表し、より好ましくは、アルキル基 (好ましくは炭素数 1から 30のアル キル基、例えばメチル、ェチル、 n—プロピル、イソプロピル、 t—ブチル、 n—ォクチ ル、 2—クロロェチル、 2—シァノエチル、 2—ェチルへキシル)、アルコキシ基(例え ば、メトキシ基、エトキシ基等)、シァノ基を表す。
一般式 (4)中、 R11および R12として好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基で あり、最も好ましくはメチル基である。
一般式 (4)中の、 pは 1〜5が好ましぐ 2〜4がより好ましぐ nは 1〜4が好ましぐ 1 もしくは 2がより好ましぐ qは 0もしくは 1が好ましい。ただし、 pが 2以上の場合は、少 なくとも一つの構成単位にお 、て qが 1以上であることがより好まし 、。
[0068] 次に、前記一般式(3b)について説明する。
[化 11]
一般式 (3 b )
式(3b)中、 R
9及び R
1Qは各々置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、
アルキ-ル基、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基を表し、 X—はァ-オンを表 す。
R9及び R1Qで各々表される置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、アル キニル基、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基は、前記一般式 (3a)中、 R8で表 される基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。 X—で表されるァ-オンは、前 記一般式(3a)中、 X—で表されるァ-オンと同義であり、その好ましい範囲も同一であ る。前記した様に、 X—は 1価のァ-オンである必要はなぐ 2価以上のァ-オンであつ てもよく、かかる場合は、前記化合物中のカチオンとァ-オンとの比率も 1 : 2である必 要はなぐ適宜決定される。
[0069] 本発明に使用可能なォニゥム塩の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるォ 二ゥム塩はこれらに限定されるものではない。下記の具体例中、 No. II— 1〜12は一 般式(3b)、 No. II— 13〜32は一般式(3a)で表される化合物の例である。
[0070] [化 12]
Π - 1 Π-2
Π
it
Π
2C1-
Π-11
13]
E-13 Π - 14
Π-29
Π-30
]
Π-33 Π-34
CH3 CH3
H3C-N+-CH3 p- H3C-N+-CH3 ΟΗ" CH3 CH3
Π-37 Π-38
Ph3P+Me Br' Ph4P+Me Br
[0074] また、下記(1)〜(60)の第 4級アンモ-ゥム塩も好ま U、。
[化 16]
[0077] [化 19]
(4) C
8H
170 〇(CH
2)g-N\\
[0078] [化 20]
[0083] [化 25]
[0093] [化 35]
[0094] [化 36]
[0095] [化 37]
[0096] [化 38]
lSS9l0/S00idf/X3d 9ε .8T8Z0/900J ΟΛΧ
[0099] 上記のピリジ-ゥム誘導体は、一般にピリジン環をアルキルィ匕 (メンシュトキン反応) して得られる。
[0100] 本発明の組成物中のォ-ゥム塩の含有量は、その種類によって好ましい含有量が 変動するが、通常は、併用される棒状液晶性化合物の含有量に対して、 0. 01〜: L0 質量%であるのが好ましぐ 0. 05〜7質量%であるのがより好ましぐ 0. 05〜5質量 %であるのがさらに好ましい。ォ-ゥム塩は二種類以上用いてもよいが、かかる場合 は、使用する全種類のォ -ゥム塩の含有量の合計が前記範囲であるのが好まし 、。
[0101] 《棒状液晶性化合物》
本発明の組成物は棒状液晶性化合物の少なくとも一種を含有する。前記棒状液晶 性ィ匕合物は、正の屈折率異方性を有する。本発明に用いる棒状液晶性ィ匕合物は、 高分子化合物であっても低分子化合物であってもよい。また、棒状液晶性化合物は 、光学異方性層中において固定された状態では、もはや液晶性を失っていてもよい 。前記棒状液晶性ィ匕合物の好ましい例としては、ァゾメチン類、ァゾキシ類、シァノビ フエ-ル類、シァノフエ-ルエステル類、安息香酸エステル類、シクロへキサンカルボ ン酸フエ-ルエステル類、シァノフエ-ルシクロへキサン類、シァノ置換フエ-ルビリミ
ジン類、アルコキシ置換フエ-ルビリミジン類、フエ-ルジォキサン類、トラン類及びァ ルケ-ルシクロへキシルベンゾ-トリル類が挙げられる。以上のような低分子液晶性 分子だけではなぐ高分子液晶性分子も用いることができる。液晶分子には活性光 線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有するものが 好適に用いられる。その部分構造の個数は 1〜6個、好ましくは 1〜3個である。本発 明に可能な棒状液晶性分子は、その配向状態を固定するために、重合性基を有す る重合性棒状液晶性化合物であるのが好ましい。重合性基は、ラジカル重合性不飽 基又はカチオン重合性基が好ましぐ具体的には、例えば特開 2002— 62427号公 報中の段落番号 [0064]〜[0086]記載の重合性基、重合性液晶化合物が挙げら れる。
[0102] 《空気界面垂直配向剤》
本発明の組成物は、棒状液晶化合物の空気界面での垂直配向を促進する添加剤 (以下、「空気界面垂直配向剤」という場合がある)の少なくとも一種を含有する。通常 、棒状液晶性化合物は、空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一 に垂直配向した状態を得るために、空気界面側において液晶性ィ匕合物を垂直に配 向制御することが必要である。この目的のために、空気界面側に偏在して、その排除 体積効果や静電気的な効果によって液晶性化合物を垂直に配向させる作用を及ぼ す化合物を組成物に含有させて、光学異方性層を形成するのが好まし ヽ。
[0103] 空気界面垂直配向剤としては、特開 2002— 20363号公報、特開 2002— 12916 2号公報に記載されている化合物を用いることができる。また、特開 2004— 53981 号明細書の段落番号 [0072]〜 [0075]、特開 2004— 4688号明細書の段落番号 [0071ト [0078]、特開 2004— 139015号明細書の段落番号 [0052ト [0054] 、 [0065]〜 [0066]、 [0092]〜 [0094]、に記載される事項も本発明に適宜適用 することができる。また、空気界面垂直配向剤の例には、以下の化合物 B— 1〜B— 3 3、及び化合物 C 1〜C 45が含まれる。
42]
B-13 B-14
B-23 B— 24
B-27 B-28
45]
(C-22) (C - 23)
[0110] 空気界面垂直配向剤は、フルォロ脂肪族基と、カルボキシル基(一 COOH)、スル ホ基( SO H)、スルファト基( OSO H)、ホスホノキシ基 {—OP ( = 0) (OH) }及
3 3 2 びそれらの塩からなる群より選ばれる 1種以上の親水性基とを含む化合物から選ば れるのが好ましい。力かる構造の化合物は、棒状液晶性化合物の空気界面側のダイ レクターの傾斜角度を大きくさせるとともに、組成物の塗布性を改善させ、ムラ、弾き の発生の低減にも寄与する。なお、前記フルォロ脂肪族基及び親水性基の少なくと も一種を有する化合物(高分子及び低分子化合物を含む)は、重合性基を有して ヽ てもよく、かかる場合は、併用される液晶性分子の配向の固定ィ匕にも寄与する。
[0111] 本発明に用いられる空気界面垂直配向剤は、フルォロ脂肪族基及び親水性基を それぞれ少なくとも一種有するポリマー(以下、「フッ素系ポリマー」という場合がある)
;又は下記一般式(2)で表される化合物であるのが好ま U、。
まず、本発明の組成物に使用可能なフッ素系ポリマーについて説明する。 《フッ素系ポリマー》
本発明の組成物には、空気界面垂直配向剤として、フルォロ脂肪族基と、カルボキ シル基( COOH)、スルホ基( SO H)、ホスホノキシ基 { OP ( = O) (OH) }及
3 2 びそれらの塩力 なる群より選ばれる 1種以上の親水性基とを有するフッ素系ポリマ 一を用いてもよい。ポリマーの種類としては、「改訂 高分子合成の化学」(大津隆行 著、発行:株式会社化学同人、 1968) 1〜4ページに記載があり、例えば、ポリオレフ イン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート
類、ポリスルホン類、ポリカーボナート類、ポリエーテル類、ポリアセタール類、ポリケト ン類、ポリフエ-レンォキシド類、ポリフエ-レンスルフイド類、ポリアリレート類、 PTFE 類、ポリビ-リデンフロライド類、セルロース誘導体などが挙げられる。前記フッ素系ポ リマーは、ポリオレフイン類であることが好ましい。
[0112] 前記フッ素系ポリマーは、フルォロ脂肪族基を側鎖に有するポリマーである。前記 フルォロ脂肪族基は、炭素数 1〜12であるのが好ましぐ 6〜10であるのがより好まし い。脂肪族基は、鎖状であっても環状であってもよぐ鎖状である場合は直鎖状であ つても分岐鎖状であってもよい。中でも、直鎖状の炭素数 6〜10のフルォロ脂肪族基 が好ましい。フッ素原子による置換の程度については特に制限はないが、脂肪族基 中の 50%以上の水素原子がフッ素原子に置換されているのが好ましぐ 60%以上 が置換されているのがより好ましい。フルォロ脂肪族基は、エステル結合、アミド結合 、イミド結合、ウレタン結合、ゥレア結合、エーテル結合、チォエーテル結合、芳香族 環などを介してポリマー主鎖と結合した側鎖に含まれる。フルォロ脂肪族基の一つは 、テロメリゼーシヨン法 (テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーシヨン法 (オリゴマ 一法とも 、われる)により製造されたフルォロ脂肪族化合物力も導かれるものである。 これらのフルォロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成 と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、 1987)の 117〜118ぺー ンゃ、 「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」 (Monograph 18 7, Ed by Milos Hudlicky and Attila E. Pavlath, American Chemical Society 1995)の 747— 752ページに記載されている。テロメリゼーシヨン法とは
、ヨウ化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルノ、ライドをテロ一ゲンとして、テトラフ ルォロエチレン等のフッ素含有ビュル化合物のラジカル重合を行 、、テロマーを合 成する方法である(Scheme— 1に例を示した)。
[0113] [化 47]
Scheme! —— I +· n r7^— CF2 R- CF F;
n
[0114] 得られた、末端ヨウ素化テロマーは通常、例えば [Scheme2]のごとき適切な末端 化学修飾を施され、フルォロ脂肪族化合物へと導かれる。これらの化合物は必要に 応じ、さらに所望のモノマー構造へと変換され、フルォロ脂肪族基含有ポリマーの製 造に使用される。
[0115] [化 48]
SchemeZ
CH2CH2— OH -^CF2CF2)-CH=CH2 — *- R- cF2CF2)-CO
[0116] 本発明に使用可能なフッ素系ポリマーの製造に利用可能なフルォロ脂肪族基含有 モノマーの具体例を以下に挙げる力 本発明は以下の具体例によってなんら制限さ れるものではない。
[0117] [化 49]
N— CH2CH2-(CF2CF2)2F :-21
]
-31
-32
CH2CH3
-"H2CH2CH2CH2CH2CH2-(CF2CF2)2F F-40
O
CH2CH2CH3
N-CH2CH2-(CF2CF2)2F F-41
-CH2CH2-(CF2CF2)2F F-51
]
S— CH2CH2- (CF2CF2)2F F-61
H
^O— CH2-(CF2CF2)3H F-67
H
-0-CH2-(CF2CF2)4H F-69
フッ素系ポリマーは、フルォロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単
位と、下記一般式(1)で表される親水性基を含有する繰り返し単位とを有する共重合 体力 選ばれるのが好まし 、。
[化 56] 一般式 (1 )
[0126] 上記一般式(1)において、
R
2及び R
3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基 を表す。 Qはカルボキシル基(— COOH)又はその塩、スルホ基(— SO H)又はその
3
塩、ホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }又はその塩を表す。 Lは下記の連結基群か
2
ら選ばれる任意の基、又はそれらの 2つ以上を組み合わせて形成される 2価の連結 基を表す。
(連結基群)
単結合、— O—、— CO—、 -NR4- (R4は水素原子、アルキル基、ァリール基、又 はァラルキル基を表す)、— S—、 -SO 一、 — P ( = 0) (OR5)— (R5はアルキル基、
2
ァリール基、又はァラルキル基を表す)、アルキレン基及びァリーレン基。
[0127] 一般式(1)中、
R
2及び R
3はそれぞれ独立に、水素原子又は下記の置換基群 Y から選ばれる置換基を表す。
(置換基群 Y)
アルキル基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜12、特に好ましく は炭素数 1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、ェチル基、イソプロピル基、 t ert—ブチル基、 n—ォクチル基、 n—デシル基、 n—へキサデシル基、シクロプロピ ル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基などが挙げられる)、アルケニル基 (好まし くは炭素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜12、特に好ましくは炭素数 2〜8のアル ケニル基であり、例えば、ビニル基、ァリル基、 2—ブテニル基、 3—ペンテニル基な どが挙げられる)、アルキ-ル基 (好ましくは炭素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜 12、特に好ましくは炭素数 2〜8のアルキ-ル基であり、例えば、プロパルギル基、 3
ペンチニル基などが挙げられる)、ァリール基 (好ましくは炭素数 6〜30、より好まし くは炭素数 6〜20、特に好ましくは炭素数 6〜12のァリール基であり、例えば、フエ二 ル基、 p メチルフエニル基、ナフチル基などが挙げられる)、ァラルキル基 (好ましく は炭素数 7〜30、より好ましくは炭素数 7〜20、特に好ましくは炭素数 7〜12のァラ ルキル基であり、例えば、ベンジル基、フエネチル基、 3—フエニルプロピル基などが 挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基 (好ましくは炭素数 0〜20、より好ましくは 炭素数 0〜10、特に好ましくは炭素数 0〜6のァミノ基であり、例えば、無置換アミノ 基、メチルァミノ基、ジメチルァミノ基、ジェチルァミノ基、ァ-リノ基などが挙げられる )、
アルコキシ基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好ましく は炭素数 1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基な どが挙げられる)、アルコキシカルボ-ル基 (好ましくは炭素数 2〜20、より好ましくは 炭素数 2〜16、特に好ましくは 2〜 10のアルコキシカルボ-ル基であり、例えば、メト キシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、ァシルォキシ基 (好ま しくは炭素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜16、特に好ましくは 2〜 10のァシルォ キシ基であり、例えば、ァセトキシ基、ベンゾィルォキシ基などが挙げられる)、ァシル アミノ基 (好ましくは炭素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜16、特に好ましくは炭素 数 2〜10のァシルァミノ基であり、例えばァセチルァミノ基、ベンゾィルァミノ基などが 挙げられる)、アルコキシカルボニルァミノ基 (好ましくは炭素数 2〜20、より好ましくは 炭素数 2〜 16、特に好ましくは炭素数 2〜 12のアルコキシカルボ-ルァミノ基であり、 例えば、メトキシカルボ-ルァミノ基などが挙げられる)、ァリールォキシカルボ-ルァ ミノ基 (好ましくは炭素数 7〜20、より好ましくは炭素数 7〜16、特に好ましくは炭素数 7〜 12のァリールォキシカルボ-ルァミノ基であり、例えば、フエ-ルォキシカルボ- ルァミノ基などが挙げられる)、スルホニルァミノ基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ま しくは炭素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12のスルホ -ルァミノ基であり、例え ば、メタンスルホ -ルァミノ基、ベンゼンスルホ -ルァミノ基などが挙げられる)、スルフ ァモイル基 (好ましくは炭素数 0〜20、より好ましくは炭素数 0〜16、特に好ましくは 炭素数 0〜 12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファ
モイル基、ジメチルスルファモイル基、フエ-ルスルファモイル基などが挙げられる)、 力ルバモイル基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好まし くは炭素数 1〜12の力ルバモイル基であり、例えば、無置換の力ルバモイル基、メチ ルカルバモイル基、ジェチルカルバモイル基、フエ-ルカルバモイル基などが挙げら れる)、
アルキルチオ基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好まし くは炭素数 1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、ェチルチオ基な どが挙げられる)、ァリールチオ基 (好ましくは炭素数 6〜20、より好ましくは炭素数 6 〜16、特に好ましくは炭素数 6〜12のァリールチオ基であり、例えば、フエ-ルチオ 基などが挙げられる)、スルホニル基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12のスルホ-ル基であり、例えば、メシル基、トシ ル基などが挙げられる)、スルフィエル基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭 素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12のスルフィエル基であり、例えば、メタンス ルフィ-ル基、ベンゼンスルフィエル基などが挙げられる)、ウレイド基 (好ましくは炭 素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12のウレイド基 であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フエ-ルゥレイド基などが挙 げられる)、リン酸アミド基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特 に好ましくは炭素数 1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジェチルリン酸アミド基、 フエニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子 (例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シァノ基、スルホ基、カルボ キシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環 基 (好ましくは炭素数 1〜30、より好ましくは 1〜12のへテロ環基であり、例えば、窒 素原子、酸素原子、硫黄原子等のへテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、ィ ミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾ ォキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリ ル基 (好ましくは、炭素数 3〜40、より好ましくは炭素数 3〜30、特に好ましくは、炭素 数 3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフエ-ルシリル基などが挙 げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されてい
てもよい。また、置換基を二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可 能な場合には互いに結合して環を形成して 、てもよ 、。
[0130] R2及び R3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子 (例えば、 フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、又は後述する L Qで表され る基であることが好ましぐ水素原子、炭素数 1〜6のアルキル基、塩素原子、 -L- Qで表される基であることがより好ましぐ水素原子、炭素数 1〜4のアルキル基である ことが特に好ましぐ水素原子、炭素数 1〜2のアルキル基であることが最も好ましい。 該アルキル基の具体例としては、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、 n—ブチル基 、 sec ブチル基等が挙げられる。該アルキル基は、適当な置換基を有していてもよ い。該置換基としては、ハロゲン原子、ァリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、ァリ ールォキシ基、アルキルチオ基、ァリールチオ基、ァシル基、ヒドロキシル基、ァシル ォキシ基、アミノ基、アルコキシカルボ-ル基、ァシルァミノ基、ォキシカルボ-ル基、 力ルバモイル基、スルホ-ル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホリル基、 カルボキシル基などが挙げられる。なお、上記のアルキル基の炭素数には、置換基 の炭素原子を含まない。以下、他の基の炭素数についても同様である。
[0131] Lは、上記連結基群から選ばれる 2価の連結基、又はそれらの 2つ以上を組み合わ せて形成される 2価の連結基を表す。上記連結基群中、 NR4—の R4は、水素原子 、アルキル基、ァリール基又はァラルキル基を表し、好ましくは水素原子又はアルキ ル基である。また、 PO (OR5)—の R5はアルキル基、ァリール基又はァラルキル基 を表し、好ましくはアルキル基である。 R4及び R5がアルキル基、ァリール基又はァラ ルキル基を表す場合の炭素数の好ましい範囲は、「置換基群 Y」中で説明したものと 同じである。 Lとしては、単結合、 Ο 、 一 CO 、 一 NR4—、 一 S―、 一SO―、ァ
2 ルキレン基又はァリーレン基を含むことが好ましぐ一CO 、 一O 、 一NR4—、ァ ルキレン基又はァリーレン基を含んで 、るのがより好まし 、。 Lがアルキレン基を含む 場合、アルキレン基の炭素数は好ましくは 1〜10、より好ましくは 1〜8、特に好ましく は 1〜6である。特に好ましいアルキレン基の具体例として、メチレン、エチレン、トリメ チレン、テトラブチレン、へキサメチレン基等が挙げられる。 L力 ァリーレン基を含む 場合、ァリーレン基の炭素数は、好ましくは 6〜24、より好ましくは 6〜18、特に好まし
くは 6〜12である。特に好ましいァリーレン基の具体例として、フエ二レン、ナフタレン 基等が挙げられる。 Lが、アルキレン基とァリーレン基を組み合わせて得られる 2価の 連結基 (即ちァラルキレン基)を含む場合、ァラルキレン基の炭素数は、好ましくは 7 〜34、より好ましくは 7〜26、特に好ましくは 7〜16である。特に好ましいァラルキレ ン基の具体例として、フエ二レンメチレン基、フエ二レンエチレン基、メチレンフエユレ ン基等が挙げられる。 Lとして挙げられた基は、適当な置換基を有していてもよい。こ のような置換基としては先に Ri〜R3における置換基として挙げた置換基と同様なもの を挙げることができる。
[0132] 以下に Lの具体的構造を例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるもの ではない。
[0133] [化 57]
-CONH-(-CH2- 3
レ 8 - COO十 CH2CH20"^CH2 レ 9 レ 10
レ 23 -COO-GH2CH2OCO—
L-24 -OCH
2CH
2NHCOCH
2CH
3——
[0135] 前記式(1)中、 Qはカルボキシル基、カルボキシル基の塩 (例えばリチウム塩、ナトリ ゥム塩、カリウム塩、アンモ-ゥム塩(例えばアンモ-ゥム、テトラメチルアンモ-ゥム、 トリメチル 2—ヒドロキシェチルアンモ-ゥム、テトラプチルアンモ-ゥム、トリメチル ベンジルアンモ-ゥム、ジメチルフエ-ルアンモ -ゥムなど)、ピリジ-ゥム塩など)、ス ルホ基、スルホ基の塩 (塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載の ものと同じ)、ホスホノキシ基、ホスホノキシ基の塩 (塩を形成するカチオンの例は上記 カルボキシル基に記載のものと同じ)を表す。より好ましくはカルボキシル基、スルホ 基、ホスホ基であり、特に好ましいのはカルボキシル基又はスルホ基である。
[0136] 前記フッ素系ポリマーは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を 1種含んでい てもよいし、 2種以上含んでいてもよい。また、前記フッ素系ポリマーは、上記各繰り 返し単位以外の他の繰り返し単位を 1種又は 2種以上有して 、てもよ 、。前記他の繰 り返し単位については特に制限されず、通常のラジカル重合反応可能なモノマーか
ら誘導される繰り返し単位が好ましい例として挙げられる。以下、他の繰り返し単位を 誘導するモノマーの具体例を挙げる。前記フッ素系ポリマーは、下記モノマー群から 選ばれる 1種又は 2種以上のモノマー力 誘導される繰り返し単位を含有していても よい。
[0137] モノマー群
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、 1—ブテン、イソブテン、 1—へキセン、 1—ドデセン、 1—オタ タデセン、 1—エイコセン、へキサフルォロプロペン、フッ化ビ-リデン、クロ口トリフル ォロエチレン、 3, 3, 3—トリフルォロプロピレン、テトラフルォロエチレン、塩化ビュル 、塩ィ匕ビユリデンなど;
(2)ジェン類
1, 3 ブタジエン、イソプレン、 1, 3 ペンタジェン、 2 ェチノレー 1, 3 ブタジェ ン、 2— n—プロピル一 1, 3 ブタジエン、 2, 3 ジメチルー 1, 3 ブタジエン、 2— メチル 1 , 3 ペンタジェン、 1—フエニル一 1, 3 ブタジエン、 1— α—ナフチル - 1, 3 ブタジエン、 1 j8—ナフチノレー 1, 3 ブタジエン、 2 クロロー 1, 3 ブ タジェン、 1ーブロモー 1, 3 ブタジエン、 1 クロ口ブタジエン、 2 フノレオロー 1, 3 ブタジエン、 2, 3 ジクロロー 1, 3 ブタジエン、 1, 1, 2 トリクロロー 1, 3 ブタ ジェン及び 2 シァノー 1 , 3 ブタジエン、 1, 4ージビニルシクロへキサンなど; [0138] (3) a , j8—不飽和カルボン酸の誘導体
(3a)アルキルアタリレート類
メチルアタリレート、ェチルアタリレート、 n—プロピルアタリレート、イソプロピルアタリ レート、 n ブチルアタリレート、イソブチルアタリレート、 sec ブチルアタリレート、 ter tーブチノレアタリレート、アミノレアタリレート、 n—へキシルアタリレート、シクロへキシノレ アタリレート、 2—ェチルへキシルアタリレート、 n—ォクチルアタリレート、 tert—ォクチ ルアタリレート、ドデシルアタリレート、フエ-ルアタリレート、ベンジルアタリレート、 2- クロ口ェチルアタリレート、 2 ブロモェチルアタリレート、 4 クロロブチノレアタリレート 、 2—シァノエチルアタリレート、 2—ァセトキシェチルアタリレート、メトキシベンジルァ タリレート、 2—クロロシクロへキシルアタリレート、フルフリルアタリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアタリレート、 2—メトキシェチルアタリレート、 ω—メトキシポリエチレングリコ ールアタリレート(ポリオキシエチレンの付カ卩モル数: η= 2な!、し 100のもの)、 3—メト キシブチルアタリレート、 2—エトキシェチルアタリレート、 2—ブトキシェチルアタリレ ート、 2—(2—ブトキシエトキシ)ェチルアタリレート、 1ーブロモー 2—メトキシェチル アタリレート、 1, 1ージクロロー 2—エトキシェチルアタリレート、グリシジルアタリレート など);
[0139] (3b)アルキルメタタリレート類
メチルメタタリレート、ェチルメタタリレート、 n プロピルメタタリレート、イソプロピルメ タクリレート、 n—ブチルメタタリレート、イソブチルメタタリレート、 sec ブチルメタタリ レート、 tert ブチルメタタリレート、ァミルメタタリレート、 n—へキシルメタタリレート、 シクロへキシルメタタリレート、 2—ェチルへキシルメタタリレート、 n—ォクチルメタタリ レート、ステアリルメタタリレート、ベンジルメタタリレート、フエ-ルメタタリレート、ァリル メタタリレート、フルフリルメタタリレート、テトラヒドロフルフリルメタタリレート、クレジルメ タクリレート、ナフチノレメタタリレート、 2—メトキシェチノレメタタリレート、 3—メトキシブチ ノレメタタリレート、 ω—メトキシポリエチレングリコーノレメタタリレート(ポリオキシエチレン の付カ卩モル数: η= 2ないし 100のもの)、 2—ァセトキシェチルメタタリレート、 2—エト キシェチノレメタタリレート、 2—ブトキシェチノレメタタリレート、 2—(2—ブトキシエトキシ )ェチルメタタリレート、グリシジルメタタリレート、 3—トリメトキシシリルプロピルメタタリ レート、ァリノレメタタリレート、 2—イソシアナトェチノレメタタリレートなど;
[0140] (3c)不飽和多価カルボン酸のジエステル類
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、ィタコン酸ジメチル、タコン酸ジブチル、 クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジへキシル、フマル酸ジェチル、フマル酸ジメチルな ど;
[0141] (3d) α、 β 不飽和カルボン酸のアミド類
Ν, Ν—ジメチルアクリルアミド、 Ν, Ν ジェチルアクリルアミド、 Ν—η—プロピルァ クリルアミド、 Ν— tertブチルアクリルアミド、 N— tertォクチルメタクリルアミド、 N シ クロへキシルアクリルアミド、 N—フエ-ルアクリルアミド、 N— (2—ァセトァセトキシェ チル)アクリルアミド、 N べンジルアクリルアミド、 N アタリロイルモルフォリン、ジァ
セトンアクリルアミド、 N—メチルマレイミドなど;
[0142] (4)不飽和二トリル類
アクリロニトリル、メタタリロニトリルなど;
(5)スチレン及びその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、ェチルスチレン、 p— tertブチルスチレン、 p—ビニル安 息香酸メチル、 α—メチルスチレン、 ρ—クロロメチルスチレン、ビュルナフタレン、 ρ ーメトキシスチレン、 ρ—ヒドロキシメチルスチレン、 ρ—ァセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビュル、プロピオン酸ビュル、酪酸ビュル、イソ酪酸ビュル、安息香酸ビュル、 サリチル酸ビュル、クロ口酢酸ビュル、メトキシ酢酸ビュル、フエ-ル酢酸ビュルなど; [0143] (7)ビュルエーテル類
メチノレビニノレエーテノレ、ェチノレビニノレエーテノレ、 η—プロピノレビニノレエーテノレ、イソ プロピルビニルエーテル、 η—ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、 t ert—ブチノレビ-ノレエーテノレ、 n—ペンチノレビ-ノレエーテノレ、 n キシノレビ-ノレェ ーテノレ、 n—オタチノレビニノレエーテノレ、 n—ドテンノレビニノレエーテノレ、 n—エイコシノレ ビニノレエーテノレ、 2—ェチノレへキシノレビニノレエーテノレ、シクロへキシノレビニノレエーテ ル、フルォロブチルビ二ルエーテル、フルォロブトキシェチルビニルエーテルなど;及 び
(8)その他の重合性単量体
N—ビニルピロリドン、メチルビ二ルケトン、フエ二ルビ二ルケトン、メトキシェチルビ 二ルケトン、 2—ビニルォキサゾリン、 2—イソプロぺニルォキサゾリンなど。
[0144] 前記フッ素系ポリマー中、フルォロ脂肪族基含有モノマーの量は、該ポリマーの構 成モノマー総量の 5質量%以上であるのが好ましぐ 10質量%以上であるのがより好 ましぐ 30質量%以上であるのがさらに好ましい。前記フッ素系ポリマーにおいて、前 記一般式(1)で表される繰り返し単位の量は、該フッ素ポリマーの構成モノマー総量 の 0. 5質量%以上であるのが好ましぐ 1 20質量%であるのがより好ましぐ 1 10 質量%であるのがさらに好ましい。上記の質量百分率は使用するモノマーの分子量 によって、好ましい範囲が変動し易いため、ポリマーの単位質量当たりの官能基モル
数で表す方が、一般式(1)で表される繰り返し単位の含有量を正確に規定できる。 該表記を用いた場合、前記フッ素系ポリマー中に含有される親水性基 (式(1)中の Q )の好ましい量は、 0. lmmolZg〜10mmolZgであり、より好ましい量は 0. 2mmol
[0145] 本発明に用いる前記フッ素系ポリマーの質量平均分子量は、 1, 000, 000以下で あるのが好ましぐ 500, 000以下であるのがより好ましぐ 100, 000以下であるのが さらに好ましぐ 2, 000以上 50, 000以下が最も好ましい。質量平均分子量は、ゲル パーミエーシヨンクロマトグラフィ(GPC)を用いて、ポリスチレン(PS)換算の値として 測定可能である。
[0146] 前記フッ素系ポリマーの製造方法は、特に限定されるものではなぐ公知慣用の方 法で製造することができる。例えば先にあげたフルォロ脂肪族基を有するモノマー、 水素結合性基を有するモノマー等を含む有機溶媒中に、汎用のラジカル重合開始 剤を添加し、重合させることにより製造できる。また、場合によりその他の付加重合性 不飽和化合物を、さらに添加して上記と同じ方法にて製造することができる。各モノマ 一の重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合 法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。例えば、ビュル基を利用 したカチオン重合やラジカル重合、あるいは、ァ-オン重合等の重合方法を採ること ができ、これらの中ではラジカル重合が汎用に利用できる点で特に好ましい。ラジカ ル重合の重合開始剤としては、ラジカル熱重合開始剤や、ラジカル光重合開始剤等 の公知の化合物を使用することができるが、特に、ラジカル熱重合開始剤を使用する ことが好ましい。ここで、ラジカル熱重合開始剤は、分解温度以上に加熱することによ り、ラジカルを発生させる化合物である。このようなラジカル熱重合開始剤としては、 例えば、ジァシルバーオキサイド(ァセチルパーオキサイド、ベンゾィルパーォキサイ ド等)、ケトンパーオキサイド (メチルェチルケトンパーオキサイド、シクロへキサノンパ 一オキサイド等)、ハイド口パーオキサイド (過酸ィ匕水素、 tert ブチルノヽイドバーオ キサイド、クメンハイド口パーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド(ジ tert—ブ チルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等)、パー ォキシエステル類(tert ブチルパーォキシアセテート、 tert ブチルパーォキシピ
パレート等)、ァゾ系化合物(ァゾビスイソブチ口-トリル、ァゾビスイソバレロ-トリル等 )、過硫酸塩類 (過硫酸アンモニゥム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等)が挙げら れる。このようなラジカル熱重合開始剤は、 1種を単独で使用することもできるし、ある いは 2種以上を組み合わせて使用することもできる。
[0147] ラジカル重合方法は、特に制限されるものでなぐ乳化重合法、懸濁重合法、塊状 重合法、溶液重合法等を採ることが可能である。典型的なラジカル重合方法である 溶液重合についてさらに具体的に説明する。他の重合方法についても概要は同等 であり、その詳細は例えば「高分子科学実験法」高分子学会編 (東京化学同人、 198 1年)等に記載されている。
[0148] 溶液重合を行うためには有機溶媒を使用する。これらの有機溶媒は本発明の目的 、効果を損なわない範囲で任意に選択可能である。これらの有機溶媒は通常、大気 圧下での沸点が 50〜200°Cの範囲内の値を有する有機化合物であり、各構成成分 を均一に溶解させる有機化合物が好ましい。好ましい有機溶媒の例を示すと、イソプ ロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジブチルエーテル、エチレングリコールジ メチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジォキサン等のエーテル類;アセトン、メチルェチ ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロへキサノン等のケトン類;酢酸ェチル、酢酸 ブチル、酢酸ァミル、 y—ブチ口ラタトン等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレ ン等の芳香族炭化水素類;が挙げられる。なお、これらの有機溶媒は、 1種単独又は 2種以上を組み合わせて用いることが可能である。さらに、モノマーや生成するポリマ 一の溶解性の観点から上記有機溶媒に水を併用した水混合有機溶媒も適用可能で ある。
[0149] また、溶液重合条件も特に制限されるものではないが、例えば、 50〜200°Cの温 度範囲内で、 10分〜 30時間加熱することが好ましい。さらに、発生したラジカルが失 活しないように、溶液重合中はもちろんのこと、溶液重合開始前にも、不活性ガスパ ージを行うことが好ましい。不活性ガスとしては通常窒素ガスが好適に用いられる。
[0150] 前記フッ素系ポリマーを好ましい分子量範囲で得るためには、連鎖移動剤を用い たラジカル重合法が特に有効である。連鎖移動剤としてはメルカブタン類 (例えば、 ォクチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、 tert—ドデシルメ
ルカブタン、ォクタデシルメルカプタン、チォフエノール、 p—ノ-ルチオフエノール等
)、ポリハロゲン化アルキル(例えば、四塩化炭素、クロ口ホルム、 1, 1, 1—トリクロ口 ェタン、 1, 1, 1—トリブロモオクタンなど)、低活性モノマー類(α—メチルスチレン、 a—メチルスチレンダイマー等)のいずれも用いることができる力 好ましくは炭素数 4〜 16のメルカブタン類である。これらの連鎖移動剤の使用量は、連鎖移動剤の活 性やモノマーの組み合わせ、重合条件などにより著しく影響され精密な制御が必要 であるが、通常は使用するモノマーの全モル数に対して 0. 01モル%〜50モル0 /0程 度であり、好ましくは 0. 05モル%〜30モル0 /0、特に好ましくは 0. 08モル%〜25モ ル%である。これらの連鎖移動剤は、重合過程において重合度を制御するべき対象 のモノマーと同時に系内に存在させればよぐその添加方法については特に問わな い。モノマーに溶解して添カ卩してもよいし、モノマーと別途に添加することも可能であ る。
[0151] なお前記した様に、前記フッ素系ポリマーは、棒状液晶性化合物の分子の配向状 態を固定ィ匕するために置換基として重合性基を有するものも好ま 、。
[0152] 以下に、フッ素系ポリマーとして本発明に好ましく用いられるフルォロ脂肪族基含有 共重合体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例によってなんら限定されるも のではない。ここで式中の数値(a、 b、 c、 d等の数値)は、それぞれ各モノマーの組成 比を示す質量百分率であり、 Mwは GPCにより測定された PS換算の質量平均分子 量である。
[0153] [化 59]
JP2005/016551
2005/016551
a/b/c/d=25/5/50/20
ccl
Mw=42000
a/b/c/d= 15/5/40/40
JP2005/016551
? H3、 CH3、
P-20 -CHフー C— -CH2— C—— a/b=35/65
COO(CH2)4S03Na COOCH2(CF2)6H Mw=24000
a/b/c/d=10/9/l/80
Mw=15000
? H3、
P-22 -CH2— CH -CH2— C—— -CH2-CH
b
COOH COOCH2CH2OH COOCH2(CF2)6H
a/b/c=5/15/80
Mw= 14000
Mw=46000
P-24 -CH2— CH -CH2— CH -CH2— CH
COOCH2CH2OH COOCH2(CF2)6H
COOH
a/ /c= 15/5/80 Mw= 18000 63]
[0158] 組成物中における前記フッ素系ポリマーの含有量の好ましい範囲は、その用途に よって異なる力 光学異方性層の形成に用いる場合は、組成物(塗布液である場合 は溶媒を除いた組成物)中、 0. 005〜8質量%であるのが好ましぐ 0. 01〜5質量 %であるのがより好ましぐ 0. 05〜1質量%であるのがさらに好ましい。前記フッ素系 ポリマーの添加量が 0. 005質量%未満では効果が不十分であり、また 8質量%より 多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、光学フィルムとしての性能 (例 えばレターデーシヨンの均一性等)に悪影響を及ぼしたりする。
[0159] 次に、一般式(2)で表される含フッ素化合物について説明する。
《一般式 (2)で表される含フッ素化合物》
一般式 (2)
(R°) -L°- (W)
m n
式中、 RQはアルキル基、末端に CF基を有するアルキル基、又は末端に CF H基を
3 2 有するアルキル基を表し、 mは 1以上の整数を表す。複数個の R°は同一でも異なつ ていてもよいが、少なくとも一つは末端に CF基又は CF H基を有するアルキル基を
3 2
表す。 は(m+n)価の連結基を表し、 Wはカルボキシル基(— COOH)もしくはそ の塩、スルホ基(— SO H)もしくはその塩、スルファト基(— OSO H)もしくはその塩、
3 3
又はホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩を表し、 nは 1以上の整数を
2
表す。
[0160] 式(2)中、 R°で表されるアルキル基は置換もしくは無置換のアルキル基であり、直 鎖状であっても分岐鎖状であってもよぐ好ましくは炭素数 1〜20のアルキル基であ
o
り、更に好ましくは 4〜16のアルキル基であり、特に好ましくは 6〜16のアルキル基で あ 11る— 。該置換基としては後述の置換基群 Dとして例示した置換基の ヽずれかを適用 できる。
[0161] RQで表される末端に CF基を有するアルキル基は、好ましくは炭素数 1〜20であり
3
、更に好ましくは 4〜16であり、特に好ましくは 4〜8である。前記末端に CF基を有
3 するアルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で 置換されたアルキル基である。アルキル基中の水素原子の 50%以上がフッ素原子 で置換されているのが好ましぐ 60%以上が置換されているのがより好ましぐ 70% 以上が置換されているのが特に好ましい。残りの水素原子は、さらに後述の置換基 群 Dとして例示された置換基によって置換されて 、てもよ 、。 RQで表される末端に CF H基を有するアルキル基は、好ましくは炭素数 1〜20であり、更に好ましくは 4〜16
2
であり、特に好ましくは 4〜8である。前記末端に CF H基を有するアルキル基は、ァ
2
ルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル 基である。アルキル基中の水素原子の 50%以上がフッ素原子で置換されているのが 好ましぐ 60%以上が置換されているのがより好ましぐ 70%以上が置換されている のが特に好ましい。残りの水素原子は、さらに後述の置換基群 Dとして例示された置 換基によって置換されていてもよい。 R°で表される末端に CF基を有するアルキル基
3
、又は末端に CF H基を有するアルキル基の例を以下に示す。
: n— CF -
8 17
R2: : n— CF -
6 13
R3: : n— C F—
4 9
R4: : n— CF - -(CH)
8 17 2 :
R5: : n— CF - -(CH)
6 13 2 :
R6: : n— C F— (CH)
4 9 2 2
R7: : H- "(CF)
2 8
R8: : H- "(CF)
2 6
R9: : H- "(CF) ―
R10:H-(CF) 一 (CH)—
R11 :H- (CF ) 一(CH )—
2 6 2
R12 :H- (CF ) 一(CH )—
2 4 2
[0163] 式(2)にお!/、て、 L°で表される (m+n)価の連結基は、アルキレン基、ァルケ-レン 基、芳香族基、ヘテロ環基、 CO 、 一 NR—(Rは炭素原子数が 1〜5のアルキル 基又は水素原子)、—O—、—S—、—SO—及び—SO—力 なる群より選ばれる基
2
を少なくとも二種を組み合わせた連結基であることが好ま 、。
[0164] 式(2)において、 Wはカルボキシル基(一 COOH)もしくはその塩、スルホ基(一 SO
H)もしくはその塩、スルファト基(一 OSO H)もしくはその塩、又はホスホノキシ基 {
3 3
— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩を表す。 Wの好ましい範囲は、一般式(1)におけ
2
る Qと同一である。
[0165] 前記一般式 (2)で表される含フッ素化合物の中でも、下記一般式 (2a)又は後述す る一般式(2b)で表される化合物が好ま 、。
[0166] [化 64] 一般式 (2 a )
[0167] 式(2a)中、 R5及び R6は各々アルキル基、末端に CF基を有するアルキル基、又は
3
末端に CF H基を有するアルキル基を表す力 R5及び R6が同時にアルキル基である
2
ことはない。 W1及び W2は各々水素原子、カルボキシル基(一 COOH)もしくはその塩 、スルホ基(一SO H)もしくはその塩、スルファト基(一 OSO H)もしくはその塩、ホス
3 3
ホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩、又は置換基としてカルボキシル基、
2
スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有する、アルキル基、アルコキシ基又 はアルキルアミノ基を表す力 w1及び w2が同時に水素原子であることはない。
[0168] R5及び R6は前記一般式(2)における R°と同義であり、その好ましい範囲も同一であ る。 W1及び W2で表されるカルボキシル基( COOH)もしくはその塩、スルホ基(― S O H)もしくはその塩、スルファト基(一 OSO H)もしくはその塩、ホスホノキシ基 {—O
P ( = 0) (OH) }もしくはその塩は前記一般式(2)における Wと同義でありその好まし
2
い範囲も同一である。 w1及び w2で表される置換基としてカルボキシル基、スルホ基、 スルファト基もしくはホスホノキシ基を有するアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖 状であってもよぐ好ましくは炭素数 1〜20のアルキル基であり、更に好ましくは 1〜8 のアルキル基であり、特に好ましくは 1〜3のアルキル基である。前記置換基として力 ルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有するアルキル基は、 少なくとも一つのカルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有 していればよぐカルボキシル基、スルホ基、スルファト基及びホスホノキシ基としては 、前記一般式(2)中の Wが表すカルボキシル基、スルホ基、スルファト基及びホスホ ノキシ基と同義であり好ま 、範囲も同一である。前記置換基としてカルボキシル基、 スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有するアルキル基は、これ以外の置 換基によって置換されていてもよぐ該置換基としては後述の置換基群 Dとして例示 した置換基の 、ずれかを適用できる。 W1及び W2で表される置換基としてカルボキシ ル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有するアルコキシ基は、直鎖状 であっても分岐鎖状であってもよぐ好ましくは炭素数 1〜20のアルコキシ基であり、 更に好ましくは 1〜8のアルコキシ基であり、特に好ましくは 1〜4のアルコキシ基であ る。前記置換基としてカルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基 を有するアルコキシ基は、少なくとも一つのカルボキシル基、スルホ基、スルファト基 もしくはホスホノキシ基を有していればよぐカルボキシル基、スルホ基、スルファト基 及びホスホノキシ基としては、前記一般式(2)中の Wが表すカルボキシル基、スルホ 基、スルファト基及びホスホノキシ基と同義であり好ましい範囲も同一である。前記力 ルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有するアルコキシ基は 、これ以外の置換基によって置換されていてもよぐ該置換基としては後述の置換基 群 Dとして例示した置換基の 、ずれかを適用できる。 W1及び W2で表される置換基と してカルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有するアルキル アミノ基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよぐ好ましくは炭素数 1〜20のァ ルキルアミノ基であり、更に好ましくは 1〜8のアルキルアミノ基であり、特に好ましくは 1〜4のアルキルアミノ基である。前記カルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしく
はホスホノキシ基を有するアルキルアミノ基は、少なくとも一つのカルボキシル基、ス ルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有していればよぐカルボキシル基、ス ルホ基、スルファト基及びホスホノキシ基としては、前記一般式(2)中の Wが表すカル ボキシル基、スルホ基、スルファト基及びホスホノキシ基と同義であり好ましい範囲も 同一である。前記カルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有 するアルキルアミノ基は、これ以外の置換基によって置換されていてもよぐ該置換基 としては後述の置換基群 Dとして例示した置換基のいずれかを適用できる。
[0169] W1及び W2は、特に好ましくはそれぞれ水素原子又は(CH ) SO M (nは 0又は 1
2 n 3
を表す。)である。 Mはカチオンを表す力 分子内で荷電力^になる場合は Mはなくて もよい。 Mで表されるカチオンとしては、例えばプロトニゥムイオン、アルカリ金属ィォ ン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)、アルカリ土類金属イオン( ノ リウムイオン、カルシウムイオンなど)、アンモ-ゥムイオンなどが好ましく適用される 。このうち、特に好ましくはプロトニゥムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、力リウ ムイオン、アンモ-ゥムイオンである。
[0170] 次に、下記一般式(2b)について説明する。
一般式(2b)
(R7— L1— ) (Ar1) -W3
m2
式(2b)中、 R7はアルキル基、末端に CF基を有するアルキル基、又は末端に CF
3 2
H基を有するアルキル基を表し、 m2は 1以上の整数を表し、複数個の R7は同一でも 異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端に CF基又は CF H基を有するアルキ
3 2
ル基を表す。 L1は、アルキレン基、芳香族基、—CO—、 -NR- (Rは炭素原子数が 1〜5のアルキル基又は水素原子)、—O—、—S—、—SO—、 -SO 及びそれら
2
の組み合わせ力 なる群より選ばれる二価の連結基を表し、複数個の L1は同一でも 異なっていてもよい。 Ar1は芳香族炭化水素環又は芳香族へテロ環を表し、 W3は力 ルボキシル基(一 COOH)もしくはその塩、スルホ基(一 SO H)もしくはその塩、スル
3
ファト基(― OSO H)もしくはその塩、ホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはそ
3 2 の塩、又は置換基としてカルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ 基を有するアルキル基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表す。
[0171] Ar1が表す芳香族炭化水素環は、炭素数 6〜12の芳香族炭化水素環が好ましぐ 例えば、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましい。また、 Ar1が表す芳香族へテロ環 は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子の少なくとも 1種及び炭素原子を環構成原子 とする芳香族へテロ環であるのが好ましぐ例えば、ピリジン環、チォフェン環、フラン 環、ピリミジン環等が好ましい。 Ar1としては芳香族炭化水素環が好ましぐ中でもベン ゼン環及びナフタレン環がより好ましぐベンゼン環がさらに好ましい。
[0172] R7は前記一般式(2)における R°と同義であり、その好ましい範囲も同一である。 L1 は、好ましくは炭素数 1〜12のアルキレン基、炭素数 6〜12の芳香族基、—CO—、 —NR—、—0—、—S—、—SO—、—SO 及びそれらの組み合わせからなる総
2
炭素数 0〜40の連結基を表し、特に好ましくは炭素数 1〜8のアルキレン基、フエ二 ル基、—CO—、—NR—、—0—、—S—、—SO 及びそれらの組み合わせから
2
なる総炭素数 0〜20の連結基を表す。 W3で表されるカルボキシル基(一 COOH)も しくはその塩、スルホ基(一SO H)もしくはその塩、スルファト基(一 OSO H)もしくは
3 3 その塩、ホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩、又は置換基としてカル
2
ボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキシ基を有するアルキル基、アル コキシ基、又はアルキルアミノ基は、前記一般式(2a)における W1及び W2で表される カルボキシル基(一 COOH)もしくはその塩、スルホ基(一 SO H)もしくはその塩、ス
3
ルファト基(一 OSO H)もしくはその塩、ホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくは
3 2 その塩、又は置換基としてカルボキシル基、スルホ基、スルファト基もしくはホスホノキ シ基を有するアルキル基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基と同義でありその好ま しい範囲も同一である。
[0173] W3は、好ましくはカルボキシル基(一 COOH)もしくはその塩、スルホ基( SO H)
3 もしくはその塩、又は置換基としてカルボキシル基( COOH)もしくはその塩又はス ルホ基(一 SO H)もしくはその塩を有するアルキルアミノ基であり、特に好ましくは SO
3
M、又は CO Mである。 Mはカチオンを表す力 分子内で荷電が 0になる場合は M
3 2
はなくてもよい。 Mで表されるカチオンとしては、例えばプロトニゥムイオン、アルカリ 金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)、アルカリ土類金属 イオン (バリウムイオン、カルシウムイオンなど)、アンモ-ゥムイオンなどが好ましく適
用される。このうち、特に好ましくはプロトニゥムイオン、リチウムイオン、ナトリウムィォ ン、カリウムイオン、アンモ-ゥムイオンである。
[0174] 本明細書において、置換基群 Dには、アルキル基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好 ましくは炭素数 1〜12、特に好ましくは炭素数 1〜8のアルキル基であり、例えば、メ チル基、ェチル基、イソプロピル基、 tert—ブチル基、 n—ォクチル基、 n—デシル基 、 n—へキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基など が挙げられる)、アルケニル基 (好ましくは炭素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜1 2、特に好ましくは炭素数 2〜8のァルケ-ル基であり、例えば、ビニル基、ァリル基、 2—ブテニル基、 3—ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基 (好ましくは炭 素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜 12、特に好ましくは炭素数 2〜8のアルキニル 基であり、例えば、プロノルギル基、 3—ペンチ-ル基などが挙げられる)、ァリール 基 (好ましくは炭素数 6〜30、より好ましくは炭素数 6〜20、特に好ましくは炭素数 6 〜12のァリール基であり、例えば、フエ-ル基、 p—メチルフエ-ル基、ナフチル基な どが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基 (好ましくは炭素数 0〜20、より好ま しくは炭素数 0〜 10、特に好ましくは炭素数 0〜6のァミノ基であり、例えば、無置換 アミノ基、メチルァミノ基、ジメチルァミノ基、ジェチルァミノ基、ジベンジルァミノ基な どが挙げられる)、
[0175] アルコキシ基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜12、特に好ましく は炭素数 1〜8のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基な どが挙げられる)、ァリールォキシ基 (好ましくは炭素数 6〜20、より好ましくは炭素数 6〜16、特に好ましくは炭素数 6〜12のァリールォキシ基であり、例えば、フエ-ルォ キシ基、 2—ナフチルォキシ基などが挙げられる)、ァシル基 (好ましくは炭素数 1〜2 0、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12ァシル基であり、例え ば、ァセチル基、ベンゾィル基、ホルミル基、ビバロイル基などが挙げられる)、アルコ キシカルボニル基 (好ましくは炭素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜16、特に好ま しくは炭素数 2〜 12のアルコキシカルボ-ル基であり、例えば、メトキシカルボ-ル基 、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、ァリールォキシカルボ-ル基 (好ましくは 炭素数 7〜20、より好ましくは炭素数 7〜16、特に好ましくは炭素数 7〜: LOのァリー
ルォキシカルボ-ル基であり、例えば、フエ-ルォキシカルボ-ル基などが挙げられ る)、ァシルォキシ基 (好ましくは炭素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜16、特に好 ましくは炭素数 2〜 10のァシルォキシ基であり、例えば、ァセトキシ基、ベンゾィルォ キシ基などが挙げられる)、
[0176] ァシルァミノ基 (好ましくは炭素数 2〜20、より好ましくは炭素数 2〜16、特に好ましく は炭素数 2〜 10のァシルァミノ基であり、例えばァセチルァミノ基、ベンゾィルァミノ 基などが挙げられる)、アルコキシカルボ-ルァミノ基 (好ましくは炭素数 2〜20、より 好ましくは炭素数 2〜16、特に好ましくは炭素数 2〜 12のアルコキシカルボ-ルアミ ノ基であり、例えば、メトキシカルボニルァミノ基などが挙げられる)、ァリールォキシ力 ルポニルァミノ基 (好ましくは炭素数 7〜20、より好ましくは炭素数 7〜16、特に好まし くは炭素数 7〜 12のァリールォキシカルボ-ルァミノ基であり、例えば、フエ-ルォキ シカルボニルァミノ基などが挙げられる)、スルホ -ルァミノ基 (好ましくは炭素数 1〜2 0、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12のスルホ -ルァミノ基 であり、例えば、メタンスルホ -ルァミノ基、ベンゼンスルホ -ルァミノ基などが挙げら れる)、スルファモイル基 (好ましくは炭素数 0〜20、より好ましくは炭素数 0〜16、特 に好ましくは炭素数 0〜 12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メ チルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フエ-ルスルファモイル基などが 挙げられる)、力ルバモイル基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16 、特に好ましくは炭素数 1〜12の力ルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモ ィル基、メチルカルバモイル基、ジェチルカルバモイル基、フエ-ルカルバモイル基 などが挙げられる)、
[0177] アルキルチオ基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好まし くは炭素数 1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、ェチルチオ基な どが挙げられる)、ァリールチオ基 (好ましくは炭素数 6〜20、より好ましくは炭素数 6 〜16、特に好ましくは炭素数 6〜12のァリールチオ基であり、例えば、フエ-ルチオ 基などが挙げられる)、スルホニル基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12のスルホ-ル基であり、例えば、メシル基、トシ ル基などが挙げられる)、スルフィエル基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭
素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12のスルフィエル基であり、例えば、メタンス ルフィ-ル基、ベンゼンスルフィエル基などが挙げられる)、ウレイド基 (好ましくは炭 素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特に好ましくは炭素数 1〜12のウレイド基 であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フエ-ルゥレイド基などが挙 げられる)、リン酸アミド基 (好ましくは炭素数 1〜20、より好ましくは炭素数 1〜16、特 に好ましくは炭素数 1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジェチルリン酸アミド基、 フエニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子 (例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シァノ基、スルホ基、カルボ キシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環 基 (好ましくは炭素数 1〜30、より好ましくは 1〜12のへテロ環基であり、例えば、窒 素原子、酸素原子、硫黄原子等のへテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、ィ ミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾ ォキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリ ル基 (好ましくは、炭素数 3〜40、より好ましくは炭素数 3〜30、特に好ましくは、炭素 数 3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフエ-ルシリル基などが挙 げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されてい てもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可 能な場合には互いに結合して環を形成して 、てもよ 、。
[0178] なお、前記含フッ素化合物は棒状液晶性ィ匕合物の分子の配向状態を固定ィ匕する ために置換基として重合性基を有するものも好ま 、。
[0179] 本発明に使用可能な前記一般式 (2)で表される含フッ素化合物の具体例を以下に 示すが、本発明に用いられる含フッ素化合物はこれらに限定されるものではない。下 記の具体例中、 No. I— 1〜38は一般式(2a)、No. I— 39〜62は一般式(2b)で表 される化合物の例である。
1-9 -COOC12H25 1-10 ,COOC12H25
HO3S COOCH2(CF2)8H
Na03S COOCH2(CF2)8H
1-11 1-12
OOCH2(CF2)8H ,COOCH2(CF2)8H
Na03S COOCH2(CF2)8H HO3S ヽ COOCH2(CF2)8H
1-13 1-14
OOCH2(CF2)6H ,COOCH2(CF2)6H
Na03S 、COOCH2(CF2)6H H03S COOCH2(CF2)6H
1-15 ,COOCH2(CF2)8H
Na03S、
COOCH
2(CF
2)
aH
66]
1-17 1-18
,COOCH2CH2C4F3 ,COOCH2CH2C4F9
Na03S 、COOCH2CH2C4F9 HO3S' 'COOCH2CH2C4F3-19 1-20
,COOCH2CH2C8F17 COOCH2CH2CsF17
Na0
3S COOCH
2CH
2C
BF COOCH
2CH
2C
8F
17
1-23 1-24
,COOCH2CH2CeF13 ,COOCH2CH2CeF13
Na03Sノ 、COOCH2CH2C6F13 H03S "COOCH2CH2C6Fi3 1-25
,COOCH2CH2C6F13 1-26 ,COOCH2CH2C8F17
H03S 、COOCH2CH2C4Fg H03S 、COOCH2CH2C4F3
1-27 1-28
OOCH2(CF2)6H ,COOCH2(CF2)6H
H03S COOCH2CH2C4F9 HO3S 、COOCH2CH2CsF13
1-29 1-30
NaO3S0 coocH2CH2C6F1; Na03SC ,COOCH2CH2C8F17
Na03SO COOCH2CH2CsF13 Na03SO 、COOCH2CH2C8F17
1-31 1-32
HO3SO CooCH2CH2C6F13 H03SO、 XOOCH2CH2C8F17
HO3SO COOCH2CH2C6F13 H03S0' 、COOCH2CH2C8F17-33 1-34
Na03S(H2C)40 COOCH2CH2CSF13 /COOCH2CH2C3F17 Na03S(H2C)40 COOCH2CH2C6F13 ヽ COOCH2CH2C8F17
H03S(H2C)40 COOCH2CH2C6F13 ,COOCH2CH2C4F9 H03S(H2C)40 C OCH2CH2CsF13 H03S(H2C)40 "COOCH2CH2C4F9
67]
I一 1-46
I
1-55 1-56
1-62
1-61
[0185] 本発明の組成物中における前記含フッ素化合物の含有量の好ましい範囲は、その 用途によって異なるが、光学異方性層の形成に用いる場合は、組成物(塗布液であ る場合は溶媒を除いた組成物)中、 0. 005〜8質量%であるのが好ましぐ 0. 01〜 5質量%であるのがより好ましぐ 0. 05〜1質量%であるのがさらに好ましい。
[0186] 《組成物中の他の材料》
本発明の組成物は、棒状液晶性化合物、ォニゥム塩、及び空気界面垂直配向剤と 共に、重合開始剤、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を含有していてもよい。 これらの材料は、種々の目的、例えば、配向の固定化、塗工膜の均一性、膜の強度 、液晶性ィ匕合物の配向性の向上等を目的として添加される。これらの材料は、併用 する棒状液晶性ィ匕合物と相溶性を有し、配向を阻害しな 、ことが好ま 、。
[0187] 重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤の 、ずれを用いてもょ 、。
光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤の例には、 a—カルボニル化合物(米国特 許 2367661号、同 2367670号の各明細書記載)、ァシロインエーテル(米国特許 2 448828号明細書記載)、 a—炭化水素置換芳香族ァシロインィ匕合物 (米国特許 27 22512号明細書記載)、多核キノンィ匕合物(米国特許 3046127号、同 2951758号
の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーと P—アミノフエ-ルケトンとの組 み合わせ (米国特許 3549367号明細書記載)、アタリジン及びフエナジン化合物(特 開昭 60— 105667号公報、米国特許 4239850号明細書記載)及びォキサジァゾ一 ル化合物(米国特許 4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の 0. 01〜20質量%であることが好ま しぐ 0. 5〜5質量%であることがさらに好ましい。
[0188] 重合性モノマーとしては、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の化合物が挙げ られる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有 の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開 2002— 296423号公報 明細書中の段落番号 [0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添 加量は、棒状液晶性ィ匕合物に対して一般に 1〜50質量%の範囲にあり、 5〜30質 量%の範囲にあることが好ましい。
[0189] 界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が 好ましい。具体的には、例えば特開 2001— 330725号公報明細書中の段落番号 [ 0028]〜 [0056]記載の化合物が挙げられる。また、本発明に利用可能な界面活性 剤の例には、下記化合物 P— 1〜P— 71が含まれる。
[0190] [化 70]
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棒状液晶性ィ匕合物とともに使用するポリマーは、塗布液を増粘できることが好まし い。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエス テルの好ましい例としては、特開 2000— 155216号公報明細書中の段落番号 [017 8]記載のものが挙げられる。液晶性ィ匕合物の配向を阻害しないように、上記ポリマー
の添加量は、液晶性分子に対して 0. 1〜: LO質量%の範囲にあることが好ましぐ 0. 1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
[0200] 《光学異方性層の作製方法》
前記光学異方性層は、本発明の組成物を塗布液として調製し、該塗布液を、支持 体等の表面に塗布して、棒状液晶性化合物の分子を垂直配向させ、該配向状態を 固定することで形成することができる。仮支持体上に光学異方性層を形成した場合 は、形成された光学異方性層は、支持体上に転写される。さらに、 1層の光学異方性 層のみならず複数の光学異方性層を積層して、上記光学特性を示す第 2位相差領 域を構成することもできる。また、支持体と光学異方性層との積層体全体で上記光学 特性を満たすようにして、第 2位相差領域を作製してもよ 、。
[0201] 塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒 の例には、アミド(例、 N, N—ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスル ホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、へキサン)、ァ ルキルハライド(例、クロ口ホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブ チル)、ケトン(例、アセトン、メチルェチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、 1 , 2—ジメトキシェタン)が含まれる。アルキルノヽライド及びケトンが好ましい。二種類 以上の有機溶媒を併用してもよい。
[0202] 塗布液の塗布は、公知の方法 (例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコー ティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
[0203] 棒状液晶性化合物の分子を垂直配向させた後、その配向状態に分子を固定する のが好ましい。固定ィ匕は、棒状液晶性化合物が重合性基を有する場合は棒状液晶 性ィ匕合物及び Z又は別途重合性モノマーを添加した場合は重合性モノマーの重合 反応により実施することが好ましい。固定ィ匕のために実施する重合反応には、光重合 開始剤を用いた光重合反応を利用するのが好ま 、。棒状液晶性分子の重合のた めの光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、 20miZcm2〜5 OjZcm2であることが好ましぐ 100〜800mjZcm2であることがさらに好ましい。光 重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
[0204] 前記光学異方性層の厚さは、 0. 1〜10 μ mであることが好ましぐ 0. 5〜5 μ mで
あることがさらに好ましぐ l〜5 /z mであることが最も好ましい。
[0205] (配向膜)
前記光学異方性層の作製には、配向膜を利用してもよい。配向膜は、棒状液晶性 分子の配向方向を規定する機能を有する。しかし、棒状液晶性化合物の分子をホメ オト口ピック配向させる場合は、面内の配向方向はないため、配向膜は本発明にお いて必須ではない。また、本発明の組成物は、ォ-ゥム塩及び空気界面垂直配向剤 を含有するので、垂直配向膜を用いなくても、棒状液晶性化合物の分子を安定的に 垂直配向させることができるので、光学異方性層を形成するのに垂直配向膜は必須 ではない。しかし、配向膜は液晶性組成物の配向の均一性を向上させたり、ポリマー 基材と光学異方性層との間の密着性を向上させることができるために、必要であれば 用いることができる。また、棒状液晶性ィ匕合物の分子を配向させ、その配向状態に固 定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、除去することも可能である 。例えば、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを、偏光子上に転 写して光学異方性層を有する偏光板を作製することも可能である。
[0206] 配向膜は、有機化合物 (好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸 着、マイクログループを有する層の形成、あるいはラングミュア'プロジェット法 (LB膜 )による有機化合物(例、 ω—トリコサン酸、ジォクタデシルメチルアンモ -ゥムクロライ ド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。さらに、電場の付 与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
[0207] 配向膜は、必要であればラビング処理することができる。配向膜に使用するポリマ 一は、原則として、液晶性分子を配向させる機能のある分子構造を有する。
本発明では、液晶性分子を配向させる機能に加えて、架橋性官能基 (例、二重結 合)を有する側鎖を主鎖に結合させる力 あるいは、液晶性分子を配向させる機能を 有する架橋性官能基を側鎖に導入することが好ましい。
配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤によ り架橋されるポリマーのいずれも使用することができし、これらの組み合わせを複数使 用することができる。
[0208] ポリマーの例には、例えば特開平 8— 338913号公報明細書中段落番号 [0022]
記載のメタタリレート系重合体、スチレン系重合体、ポリオレフイン、ポリビュルアルコ ール及び変性ポリビュルアルコール、ポリ(N—メチロールアクリルアミド)、ポリエステ ル、ポリイミド、酢酸ビニル重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリカーボネート等 が含まれる。シランカップリング剤をポリマーとして用いることができる。水溶性ポリマ 一(例、ポリ(N—メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、 ポリビュルアルコール、変性ポリビュルアルコール)が好ましぐゼラチン、ポリビニル アルコール及び変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビュルアルコール及 び変性ポリビニルアルコールが最も好まし 、。重合度が異なるポリビニルアルコール 又は変性ポリビュルアルコールを 2種類併用することが特に好ましい。
[0209] ポリビュルアルコールの鹼化度は、 70〜100%力 子ましく、 80〜100%がさらに好 ましい。ポリビュルアルコールの重合度は、 100〜5000であること力好ましい。
[0210] 液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖は、一般に疎水性基を官能基として有 する。具体的な官能基の種類は、液晶性分子の種類及び必要とする配向状態に応 じて決定する。
例えば、変性ポリビニルアルコールの変性基としては、共重合変性、連鎖移動変性 又はブロック重合変性により導入できる。変性基の例には、親水性基 (カルボン酸基 、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アンモ-ゥム基、アミド基、チオール基等)、 炭素数 10〜: LOO個の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チォエーテル基 、重合性基 (不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基等)、アルコキシシリル基( トリアルコキシ、ジアルコキシ、モノアルコキシ)等が挙げられる。これらの変性ポリビ- ルアルコール化合物の具体例として、例えば特開 2000— 155216号公報明細書中 の段落番号 [0022]〜[0145]、同 2002— 62426号公報明細書中の段落番号 [00 18]〜 [0022]に記載のもの等が挙げられる。
[0211] 架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液 晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポ リマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その 結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなぐ配向膜ポリマーと配向 膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固
に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、光学補償 シートの強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むこと が好ましい。具体的には、例えば特開 2000— 155216号公報明細書中段落番号 [ 0080]〜 [0100]記載のもの等が挙げられる。
[0212] 配向膜ポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させること ちでさる。
架橋剤としては、アルデヒド、 N—メチロールイ匕合物、ジォキサン誘導体、カルボキ シル基を活性ィ匕することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲンィ匕 合物、イソォキサゾール及びジアルデヒド澱粉が含まれる。 2種類以上の架橋剤を併 用してもよい。具体的には、例えば特開 2002— 62426号公報明細書中の段落番号 [0023]〜 [024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特に グルタルアルデヒドが好まし!/、。
[0213] 架橋剤の添加量は、ポリマーに対して 0. 1〜20質量%が好ましぐ 0. 5〜15質量 %がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、 1. 0質量%以下で あることが好ましぐ 0. 5質量%以下であることがさらに好ましい。このように調節する ことで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放 置しても、レチキユレーシヨン発生のな 、充分な耐久性が得られる。
[0214] 配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー、架橋剤を含む透明支 持体上に塗布した後、加熱乾燥 (架橋させ)し、必要であればラビング処理することに より形成することができる。架橋反応は、前記のように、透明支持体上に塗布した後、 任意の時期に行なって良い。ポリビュルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜 形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒 (例、メタノール )と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で、水:メタノールが 0より 大きく 99以下: 100未満 1以上が好ましぐ 0より大きく 91以下: 100未満 9以上である ことがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層 の層表面の欠陥が著しく減少する。
[0215] 配向膜の塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコ
一ティング法、エタストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコ 一ティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚 は 0. 1〜: LO /z mが好ましい。加熱乾燥は、 20度〜 110度で行なうことができる。充分 な架橋を形成するためには 60度〜 100度が好ましぐ特に 80度〜 100度が好ましい 。乾燥時間は 1分〜 36時間で行なうことができる力 好ましくは 1分〜 30分である。 p Hも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましぐダルタルアルデヒドを使 用した場合は、 pH4. 5〜5. 5で、特に 5が好ましい。
[0216] 配向膜は、透明支持体上又は上記下塗層上に設けられる。配向膜は、上記のよう にポリマー層を架橋したのち、必要であれば表面をラビング処理することにより得るこ とがでさる。
[0217] 前記ラビング処理は、 LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方 法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムある いはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る 方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛 した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
[0218] 配向膜上で液晶性分子を配向させた後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異 方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させる力、あるいは、架橋剤を用いて配向 膜ポリマーを架橋させてもよい。配向膜の膜厚は、 0. 1〜10 mの範囲にあることが 好ましい。
[0219] [支持体]
本発明では、前記光学異方性層を、支持体上に形成してもよい。支持体は透明で あるのが好ましぐ具体的には、光透過率が 80%以上であるのが好ましい。支持体は 、波長分散が小さいのが好ましぐ具体的には、 Re400ZRe700の比力 . 2未満で あることが好ましい。中でも、ポリマーフィルムが好ましい。前記光学異方性層の支持 体は、第 2位相差領域の一部であってもよぐまた、第 1位相差領域の一部又は全部 であってもよい。また、前記光学異方性層の支持体は、偏光膜の保護膜としても機能 していてもよい。
[0220] 支持体の光学異方性は小さいのが好ましぐ面内レターデーシヨン (Re)が 20nm
以下であることが好ましぐ lOnm以下であることがさらに好ましぐ 5nm以下であるこ とが最も好ましい。また、第 1位相差領域を兼ねる場合は、レターデーシヨン Reが 20 nm〜150nmであって、 40nm〜115nmであるのがより好ましぐ 60nm〜95nmで あるのがさらに好ましい。また、 Nzが 1. 5〜7であって、 2. 0〜5. 5であるのがより好 ましぐ 2. 5〜4. 5であるのがさらに好ましい。
[0221] 支持体となるポリマーフィルムの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポ リスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアタリレート及びポリメタタリレートのフィルムが 含まれる。セルロースエステルフィルムが好ましぐァセチルセルロースフィルムがさら に好ましく、トリァセチルセルロースフィルムが最も好ましい。ポリマーフィルムは、ソル ベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、 20-500 であることが好ましぐ 40〜200 /ζ πιであることがさらに好ましい。透明支持体とその 上に設けられる層 (接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため 、透明支持体に表面処理 (例、グロ一放電処理、コロナ放電処理、紫外線 (UV)処理 、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよ い。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与した り、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が 10〜: LOOn m程度の無機粒子を固形分重量比で 5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片 側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
[0222] [偏光膜用保護膜]
第 1及び第 2偏光膜用保護膜としては、可視光領域に吸収が無ぐ光透過率が 80 %以上であり、複屈折性に基づくレターデーシヨンが小さいものが好ましい。具体的 には、面内の Reが 0〜30nmが好ましぐ 0〜15nmがより好ましぐ 0〜5nmが最も 好ましい。さらに、厚み方向のレターデーシヨン Rthは 0〜40nmであることが好ましく 、 0〜20nmがより好ましぐ 0〜: LOnmであることが最も好ましい。この特性を有するフ イルムであれば好適に用いることができる力 偏光膜の耐久性の観点からはセルロー スァシレートやノルボルネン系のフィルムがより好まし 、。セルロースァシレートフィル ムの Rthを/ J、さくする方法として、特開平 11 246704号公報、特開 2001— 24771 7号公報、特願 2003— 379975号明細書に記載の方法などが挙げられる。また、セ
ルロースァシレートフィルムの厚みを小さくすることによつても、 Rthを小さくすることが できる。第 1及び第 2偏光膜用保護膜としてのセルロースシレートフィルムの厚みは 1 0〜: L 00 mであること力好ましく、 10〜60 111でぁるのカ^ょり好ましく、 20〜45 m であることがさらに好ましい。
[0223] また、本発明は、少なくとも一種のポリマーと、少なくとも一種のォ -ゥム塩とを含有 する配向膜、及び、少なくとも一種の棒状液晶性ィヒ合物と、下記一般式(1)又は一 般式 (2)から選ばれる少なくとも一種の化合物とを含有する組成物から形成された光 学異方層を少なくとも一層有する光学補償フィルムにも関する。配向膜中の前記ォ 二ゥム塩は、配向膜界面側において棒状液晶化合物の分子を垂直配向させるのに 寄与する。前記ォ-ゥム塩としては、ピリジ-ゥム塩、アンモニゥム塩、スルホ -ゥム塩 、ホスホ-ゥム塩等が挙げられる。中でも、ピリジ-ゥム塩が好ましぐピリジ-ゥム塩 のみを含有し、他のォ-ゥム塩を含有しな 、のがより好まし!/、。
なお、光学異方層中には、ォ-ゥム塩は含有されていても含有されていなくてもよ い。
[0225] 式中、
R
2及び R
3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し; Lは下記の 連結基群から選ばれる 2価の連結基又は下記の連結基群から選ばれる 2種以上を組 み合わせて形成される 2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、— O—、— CO—、 -NR4- (R4は水素原子、アルキル基、ァリール基、又 はァラルキル基を表す)、— S—、 -SO一、— P ( = 0) (OR5)— (R5はアルキル基、
2
ァリール基、又はァラルキル基を表す)、アルキレン基及びァリーレン基;
Qはカルボキシル基(一 COOH)もしくはその塩、スルホ基(一 SO H)もしくはその
塩、又はホスホノキシ基 {—OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩を表す。
2
[0226] 一般式(2)
(R°) -L°- (W)
m n
式中、 RQはアルキル基、末端に CF基を有するアルキル基、又は末端に CF H基を
3 2 有するアルキル基を表し、 mは 1以上の整数を表す。複数個の R°は同一でも異なつ ていてもよいが、少なくとも一つは末端に CF基又は CF H基を有するアルキル基を
3 2
表す。 は(m+n)価の連結基を表し、 Wはカルボキシル基(— COOH)もしくはそ の塩、スルホ基(― S03H)もしくはその塩、スルファト基(― OSO H)もしくはその塩、
3
又はホスホノキシ基 {— OP ( = 0) (OH) }もしくはその塩を表し、 nは 1以上の整数を
2
表す。
[0227] 前記ピリジニゥム塩は、下記一般式(3a)又は下記一般式(3b)力 選ばれる少なく とも一種の化合物であるのが好まし 、。
[0228] [化 80] 般式 (3 a )
式(3a)中、 R
8は置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、アルキ-ル基 、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基を表し、 Dは水素結合性基を表し、 mは 1 〜3の整数を表し、 X—はァ-オンを表す。
[0229] [化 81]
一般式 (3 b )
式(3b)中、 R
9及び R
1Qは各々置換もしくは無置換の、アルキル基、ァルケ-ル基、 アルキ-ル基、ァラルキル基、ァリール基又は複素環基を表し、 X—はァ-オンを表す
[0230] 前記ピリジニゥム塩は、下記一般式 (4)で表される化合物であるのがより好ましい。
[化 82] 一般式 (4 )
一般式 (4)中、 L
1および L
2はそれぞれ独立に、 2価の連結基もしくは単結合を表し; Yはフヱ-ル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表し; Zは水素原子、置換も しくは無置換の脂肪族炭化水素基、又は置換もしくは無置換のァリール基を表し; R
1 1および R
12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ァリール基、ァシル基、カル バモイル基、水酸基又はアミノ基を表すが、 R
11および R
12は連結して環を形成しても よく; nおよび pは 1〜10の整数を表し、 qは 0〜4の整数を表す力 pが 2以上の場合、 それぞれの繰り返し単位に含まれる L2、 Yおよび qは、同じであっても異なっていても よく; X—はァ-オンを表す。
[0231] 前記一般式(1)、 (2)、 (3a) , (3b)及び (4)の好ましい範囲、具体例については、 本発明の組成物で説明した各一般式の好ましい範囲及び具体例と同様である。前 記配向膜の作製に用いるポリマーにつ ヽては特にで制限はな 、が、ポリビニルアル コール誘導体が好ましい。
実施例
[0232] 以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の 実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸 脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具 体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[0233] <IPSモード液晶セル 1の作製 >
一枚のガラス基板上に、図 1に示す様に、隣接する電極間の距離が 20 mとなるよ うに電極(図 1中 2及び 3)を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビン グ処理を行なった。図 1中に示す方向 4に、ラビング処理を行なった。別に用意した
一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向 膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士を対向させて、基板の間隔 (ギャップ; d) を 3. とし、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り 合わせ、次 、で屈折率異方性( Δ n)が 0. 0769及び誘電率異方性( Δ ε )が正の 4 . 5であるネマチック液晶組成物を封入した。液晶層の d' Δηの値は 300nmであった
[0234] く第 1位相差領域 1、第 1位相差領域 2、第 1位相差領域 3の作製〉
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し 、セルロースアセテート溶液を調製した。該溶液を保留粒子径 4 m、濾水時間 35秒 の濾紙 (No. 63、アドバンテック製)を 0. 5MPa (5kg/cm2)以下で用いてろ過した
[0235]
セルロースァセテ一ト溶液組成 酢化度 6 0 . 9 %のセルロースアセテート
(重合度 3 0 0、 M n ZMw = 1 . 5 ) 1 0 0質量部
トリフエニルホスフェート (可塑剤) 7 . 8質量部 ビフエニルジフエニルホスフェート (可塑剤) 3 . 9質量部 メチレンクロライ ド (第 1溶媒) 3 0 0質量部 メタノール (第 2溶媒) 5 4質量部 1ーブタノ一ル (第 3溶媒)
[0236] 別のミキシングタンクに、下記のレターデーシヨン上昇剤 Aを 8質量部、レターデー シヨン上昇剤 Bを 10質量部、二酸化珪素微粒子(平均粒径: 0. : m) 0. 28質量部 、メチレンクロライド 80質量部およびメタノール 20質量部を投入し、加熱しながら攪拌 して、レターデーシヨン上昇剤溶液 (かつ微粒子分散液)を調製した。セルロースァセ テート溶液 474質量部に該レターデーシヨン上昇剤溶液 40質量部を混合し、充分に 攪拌してドープを調製した。
[0237] [化 83]
[0238] [化 84]
[0239] 得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が 15質量%のフィ ルムを、 130°Cの条件で、テンターを用いて 20%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の 幅のまま 50°Cで 30秒間保持した後クリップを外してセルロースアセテートフィルムを 作製した。延伸終了時の残留溶媒量は 5質量%であり、さらに乾燥して残留溶媒量 を 0. 1質量%未満としてフィルムを作製した。
[0240] このようにして得られたフィルム(第 1位相差領域 1)の厚さは 80 μ mであった。作製 した第 1位相差領域 1について、自動複屈折率計 (KOBRA— 21ADH、王子計測 機器 (株)社製)を用いて、 Reの光入射角度依存性を測定することによって、 Reが 70 nm、 Rthが 175nmであり、これから Nzが 3. 0であることが分かった。
[0241] 別のミキシングタンクに、前記のレターデーシヨン上昇剤 Aを 16質量部、レターデー シヨン上昇剤 Bを 8質量部、二酸化珪素微粒子(平均粒径: 0. 1 ^ πι) 0. 28質量部、 メチレンクロライド 80質量部およびメタノール 20質量部を投入し、加熱しながら攪拌 して、レターデーシヨン上昇剤溶液 (かつ微粒子分散液)を調製した。セルロースァセ テート溶液 474質量部に該レターデーシヨン上昇剤溶液 45質量部を混合し、充分に 攪拌してドープを調製し、前述の第 1位相差領域 1同様に製膜した。このようにして得 られたフィルム (第 1位相差領域 2)の厚さは 80 μ mであった。作製した第 1位相差領 域 2について、自動複屈折率計 (KOBRA— 21ADH、王子計測機器 (株)社製)を
用いて、 Reの光入射角度依存性を測定することによって、 Reが 60nm、 Rth力 lOn mであり、これ力 Nzが 4. 0であることが分かった。
[0242] 別のミキシングタンクに、前記のレターデーシヨン上昇剤 Aを 18質量部、二酸化珪 素微粒子(平均粒径: 0.: m) 0. 28質量部、メチレンクロライド 80質量部およびメ タノール 20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーシヨン上昇剤溶液( かつ微粒子分散液)を調製した。セルロースアセテート溶液 474質量部に該レターデ ーシヨン上昇剤溶液 25質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製し、延伸倍率 を 23%にした以外は前述の第 1位相差領域 1同様に製膜した。このようにして得られ たフィルム (第 1位相差領域 3)の厚さは 80 μ mであった。作製した第 1位相差領域 3 について、自動複屈折率計 (KOBRA— 21ADH、王子計測機器 (株)社製)を用い て、 Reの光入射角度依存性を測定することによって、 Reが 35nm、 Rthが 135nmで あり、これ力も Nzが 4. 4であることが分かった。
[0243] <第 2位相差領域 1〜9の作製 >
製作した第 1位相差領域 1、第 1位相差領域 2、及び第 1位相差領域 3の表面のケ ン化処理を行 ヽ、このフィルム上に下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコ一 ターで 20mlZm2塗布した。 60°Cの温風で 60秒、さらに 100°Cの温風で 120秒乾燥 し、膜を形成した。次に、形成した膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビン グ処理を施して、配向膜を得た。
配向膜塗布液の組成
下記の変性ポリビュルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0. 5質量部
[0244] [化 85] 変性ポリビニルアルコール
[0245] 次に、下記の棒状液晶化合物 3. 8g、光重合開始剤 (ィルガキュア一 907、チバ 'ス ぺシャルティ'ケミカルズ (株)製) 0. 06g、増感剤 (カャキュア一 DETX、日本化薬( 株)製) 0. 02g、下記のォ -ゥム塩、 0. 076g、下記の空気界面側垂直配向剤 0. 00 2gを 9. 2gのメチルェチルケトンに溶解した溶液(表 1中に示す No. 2—1〜2— 9の 塗布液)をそれぞれ調製した。この塗布液を前記配向膜の表面に、表 2に示す番手 のワイヤーバーでそれぞれ塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、 100°Cの恒温 槽中で 2分間加熱し、棒状液晶化合物を配向させた。次に、 80°Cで 120WZcm高 圧水銀灯により、 20秒間 UV照射し棒状液晶化合物を架橋して、その後、室温まで 放冷して光学異方性層を作製した。
[0247] [化 87]
C8H170 0(CH2)2 - N N
Br ォニゥム塩 B
CI ォニゥム塩 D
[0248] [化 88] 空気界面垂直配向剤 (
a, b, cは質量比である) P- 27
a=40 b=55 c=5
1 -48
[0249] [表 1]
位位位位位位位位位フィルム番号 塗布液番号 ォニゥム塩 空気界面垂直配向剤 相相相相相相相相相
第 2位差差差差差差差差差相差領域 1 2一 1 A 例示化合物 P— 2 7
第 2位相46892357 1差領域 2 2一 2 B 例示化合物 I 一 4 8
第 2位相差領域 3 2一 3 C 例示化合物 P— 2 7
第 2位相差領域 4 2― 4 B 例示化合物 I 一 4 8
第 2位相差領域 5 2一 5 A 例示化合物 P— 2 7
第 2位相差領域 6 2一 6 A なし
第 2位相差領域 7 2一 7 なし 例示化合物 P— 2 7
第 2位相差領域 8 2一 8 D 例示化合物 P— 2 7
第 2位相差領域 9 2一 9 D 例示化合物 P一 2 2
[0250] [表 2] フィルム番号 棒状液晶からなる位相差層 支持体 ワイヤーバー番手 第 2位相差領域名称 第 1位相差領域名称
第 2位相差領域 1 第 1位相差領域 1 # 4 . 5
第 2位相差領域 2 第 1位相差領域 1 # 3 . 6
第 2位相差領域 3 第 1位相差領域 2 # 6 . 0
第 2位相差領域 4 第 1位相差領域 1 # 3 . 4
第 2位相差領域 5 第 1位相差領域 3 # 6 . 0
第 2位相差領域 6 第 1位相差領域 3 # 6 . 0
第 2位相差領域 7 第 1位相差領域 3 # 6 . 0
第 2位相差領域 8 第 1位相差領域 1 # 4 , 5
第 2位相差領域 9 第 1位相差領域 1 # 4 , 5
[0251] 位相差 6及び 7は、消光位を示さず、それぞれの第 2位相差領域にシュリーレン欠 陥が観察された。第 2位相差領域 6及び 7はそれぞれ、ォ-ゥム塩及び空気界面垂 直配向剤の 、ずれか一方が添加されて ヽな 、塗布液を用いて形成された光学異方 性層であり、この結果より、棒状液晶性化合物の垂直配向にはォニゥム塩と空気界 面垂直配向剤の双方が必要であることが判った。
なお、自動複屈折率計 (KOBRA— 21ADH、王子計測機器 (株)社製)を用いて、 製作したフィルムの Reの光入射角度依存性を測定し、予め測定した支持体の寄与 分を差し引くことによって、第 2位相差領域のみの光学特性を算出したところ、それぞ れ第 2位相差領域 1は Reが Onm、 Rth力— 225nm、第 2位相差領域 2は Reが Onm 、 Rth力— 180nm、第 2位相差領域 3は Reが Onm、 Rth力— 295nm、第 2位相差領 域 4は Reが Onm、 Rthが— 170nm、第 2位相差領域 5は Reが Onm、 Rth力— 292η
m、第 2位相差領域 8は Reが Onm、 Rth力— 226nm、第 2位相差領域 9は Reが On m、 Rthが— 297nmであって、いずれも棒状液晶が略垂直に配向していることを確 した 0
[0252] <偏光板保護膜 1の作製 >
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し 、セノレロースアセテート溶液 Aを調製した。
<セノレロースアセテート溶液 A糸且成 >
置換度 2. 86のセルロースアセテート 100質量部
トリフエ-ルホスフェート(可塑剤) 7. 8質量部
ビフエ-ルジフエ-ルホスフェート(可塑剤) 3. 9質量部
メチレンクロライド (第 1溶媒) 300質量部
メタノール (第 2溶媒) 54質量部
1ーブタノール 11質量部
[0253] 別のミキシングタンクに、下記の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を 溶解し、添加剤溶液 B—1を調製した。
<添加剤溶液 B— 1組成 >
メチレンクロライド 80質量部
メタノール 20質量部
下記のレターデーシヨン低下剤 40質量部
[0254] [化 89]
レターデーション低下剤
[0255] セルロースアセテート溶液 Aを 477質量部に、添加剤溶液 B— 1の 40質量部を添 加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延ロカも 0°Cに冷却したドラム 上に流延した。溶媒含有率 70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端を
ピンテンター(特開平 4— 1009号公報の図 3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒 含有率が 3〜5質量%の状態で、横方向 (機械方向に垂直な方向)の延伸率が 3%と なる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより 、さらに乾燥し、厚み 80 mの偏光板保護膜 1を作製した。
自動複屈折率計 (KOBRA— 21ADH、王子計測機器 (株)社製)を用いて、 Reの 光入射角度依存性を測定し、光学特性を算出したところ、 Reが lnm、 Rthが 6nmで あることが確認できた。
[0256] <偏光板 Aの作製 >
次に延伸したポリビュルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作し、 市販のセルロースアセテートフィルム(フジタック TD80UF、富士写真フィルム(株) 製、 Re = 3nm、 Rth=45nm)にケン化処理を行い、ポリビュルアルコール系接着剤 を用いて、偏光膜の片面に貼り付け偏光板 Aを形成した。
[0257] <偏光板 Bの作製 >
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作し、市販 のセルロースアセテートフィルム(フジタック TD80UF、富士写真フィルム(株)製)に ケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の両面に貼り 付け偏光板 Bを形成した。
[0258] <偏光板 Cの作製 >
同様にして偏光膜を製作し、市販のセルロースアセテートフィルム(フジタック TD8 OUF、富士写真フィルム (株)製)にケン化処理を行い、ポリビュルアルコール系接着 剤を用いて、偏光膜の片面に貼り付けた。さらに同様にして前記製作の偏光板保護 膜 1を偏光膜のもう片面に貼り付け偏光板 Cを形成した。
[0259] <偏光板 Dの作製 >
同様にして偏光膜を製作し、市販のセルロースアセテートフィルム(フジタック TD8 OUF、富士写真フィルム (株)製)にケン化処理を行い、ポリビュルアルコール系接着 剤を用いて、偏光膜の片面に貼り付けた。さらに同様にして市販のセルロースァセテ 一トフイルム(フジタック T40UZ、富士写真フィルム(株)製、 Re= lnm、 Rth = 35η m)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜のもう片面
に貼り付け偏光板 Dを形成した。
[0260] く偏光板 Eの作製 >
偏光板 Cにおいて、偏光板保護膜 1の代わりにゼォノア ZF14 (日本ゼオン (株)製
、 Re = 5nm, Rth= 5nm)を用いて偏光板 Eを形成した。
[0261] [実施例 1]
偏光板 Aにポリビュルアルコール系接着剤を用いて、作製したフィルム位相差 1を、 第 1位相差領域 1側が偏光膜側となるように、且つ偏光膜の透過軸と第 1位相差領域 1の遅相軸が平行になるように偏光膜のセルロースアセテートフィルムを貼合して ヽ ない側に貼り付け偏光板 1を形成した。
[0262] これを、前記で作製した IPSモード液晶セル 1の一方に、第 1位相差領域 1の遅相 軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように (即ち、第 1位相差領域 1の遅相軸 力 黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と平行になるように)、且つ第 2位相差 領域 1面側が液晶セル側になるように偏光板 1を貼り付けた。
続、て、この IPSモード液晶セル 1のもう一方の側に偏光板 Cを偏光板保護膜 1側 が液晶セル側になるように、且つ偏光板 1とはクロス-コルの配置になるように貼り付 け、液晶表示装置を作製した。このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定し た。左斜め方向 60° から観察した際の漏れ光は 0. 06%であった。
[0263] [実施例 2]
偏光板 Aにポリビュルアルコール系接着剤を用いて、作製したフィルム位相差 2を、 第 1位相差領域 1側が偏光膜側となるように、且つ偏光膜の透過軸と第 1位相差領域 1の遅相軸が平行になるように偏光膜のセルロースアセテートフィルムを貼合して ヽ ない側に貼り付け偏光板 2を形成した。
[0264] これを、前記で作製した IPSモード液晶セル 1の一方に、第 1位相差領域 1の遅相 軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように (即ち、第 1位相差領域 1の遅相軸 力 黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と平行になるように)、且つ第 2位相差 領域 2面側が液晶セル側になるように偏光板 2を貼り付けた。
続!、て、この IPSモード液晶セル 1のもう一方の側に偏光板 Dを T40UZ側が液晶 セル側になるように、且つ偏光板 2とはクロス-コルの配置になるように貼り付け、液
晶表示装置を作製した。このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左 斜め方向 60° 力 観察した際の漏れ光は 0. 07%であった。
[0265] [実施例 3]
偏光板 Bにフィルム位相差 3を、第 2位相差領域 3側が偏光膜側となるように、且つ 偏光膜の透過軸と第 1位相差領域 2の遅相軸が直交になるようにアクリル榭脂系接 着剤を用いて、貼り付け偏光板 3を形成した。
[0266] これを、前記で作製した IPSモード液晶セル 1の一方に、第 1位相差領域 2の遅相 軸が液晶セルのラビング方向と直交になるように (即ち、第 1位相差領域 2の遅相軸 力 黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つ第 1位相差 領域 2面側が液晶セル側になるように偏光板 3を貼り付けた。
続、て、この IPSモード液晶セル 1のもう一方の側に偏光板 Cを偏光板保護膜 1側 が液晶セル側になるように、且つ偏光板 3とはクロス-コルの配置になるように貼り付 け、液晶表示装置を作製した。このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定し た。左斜め方向 60° から観察した際の漏れ光は 0. 08%であった。
[0267] [実施例 4]
偏光板 Cにフィルム位相差 4を、第 2位相差領域 4側が偏光膜側となるように、且つ 偏光膜の透過軸と第 1位相差領域 1の遅相軸が直交になるようにアクリル榭脂系接 着剤を用いて、偏光板保護膜 1側に貼り付け偏光板 4を形成した。
[0268] これを、前記で作製した IPSモード液晶セル 1の一方に、第 1位相差領域 1の遅相 軸が液晶セルのラビング方向と直交になるように (即ち、第 1位相差領域 1の遅相軸 力 黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と直交になるように)、且つ第 1位相差 領域 1面側が液晶セル側になるように偏光板 4を貼り付けた。
続いて、この IPSモード液晶セル 1のもう一方の側に偏光板 Bを偏光板 4とはクロス ニコルの配置になるように貼り付け、液晶表示装置を作製した。このように作製した液 晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向 60° から観察した際の漏れ光は 0. 1 0%であった。
[0269] [実施例 5]
偏光板 Eにフィルム位相差 6を、第 2位相差領域 6側が偏光膜側になるように、かつ
偏光膜の透過軸と第 1位相差領域 1の遅相軸が直交になるようにアクリル榭脂系接 着剤を用いて、ゼォノア側に貼り付けて偏光板 6を形成した。
これを、実施例 4と同様に液晶表示装置を作成しモレ光を測定した。左斜め方向 6 0° から観察した際のモレ光は 0. 15%であった。
[0270] [実施例 6]
偏光板 Aに、第 1位相差領域 3を、その遅相軸が偏光膜の透過軸と平行になるよう にポリビュルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせた。次に、この偏光板 Aに貼り 付けた第 1位相差領域 3に、フィルム位相差 5を、第 1位相差領域 3を、貼り付けた第 1位相差領域 3側にして、且つ偏光板 Aの偏光膜の透過軸と第 1位相差領域 3の遅 相軸を平行にして、アクリル榭脂系接着剤を用いて貼り付け、偏光板 5を形成した。こ の場合、第 1位相差領域は、 2枚の第 1位相差領域 3 (Re = 35nm、 Rth= 135nm) の積層体からなり、位相差領域として Re = 70nm、 Rth= 270nm、 Nz=4. 4の光学 特性を有する。
[0271] これを、前記で作製した IPSモード液晶セル 1の一方に、第 1位相差領域 3の遅相 軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように (即ち、第 1位相差領域 3の遅相軸 力 黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と平行になるように)、且つ第 2位相差 領域 3面側が液晶セル側になるように偏光板 5を貼り付けた。
続!、て、この IPSモード液晶セル 1のもう一方の側に偏光板 Dを T40UZ側が液晶セ ル側になるように、且つ偏光板 2とはクロス-コルの配置になるように貼り付け、液晶 表示装置を作製した。このように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜 め方向 60° 力も観察した際の漏れ光は 0. 13%であった。
[0272] [実施例 7]
実施例 1に記載した偏光板 1の形成にぉ 、て用いたフィルム位相差 1をフィルム位 相差 8に変更したこと以外は同様にして偏光板 8を作製した。更に実施例 1に記載の 方法と同様に液晶セルに貼り付け液晶表示装置を作製した。このように作製した液 晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向 60° から観察した際の漏れ光は 0. 0 5%であった。
[実施例 8]
実施例 1に記載した偏光板 1の形成にぉ 、て用いたフィルム位相差 1をフィルム位 相差 9に変更したこと以外は同様にして偏光板 8を作製した。更に実施例 1に記載の 方法と同様に液晶セルに貼り付け液晶表示装置を作製した。このように作製した液 晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向 60° から観察した際の漏れ光は 0. 0 4%であった。
[0273] [比較例 1]
前記作製した IPSモード液晶セル 1の両側に市販の偏光板 (HLC2— 5618、(株) サンリッツ製)を、クロス-コルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。光学補 償フィルムは用いな力つた。上記液晶表示装置では、実施例 1と同様に、上側の偏 光板の透過軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように偏光板を貼り付けた。こ のように作製した液晶表示装置の漏れ光を測定した。左斜め方向 60° から観察した 際の漏れ光は 0. 55%であった。
[0274] [実施例 9]
< IPSモード液晶セル 1 2の作製 >
一枚のガラス基板上に、図 1に示す様に、隣接する電極間の距離が 20 mとなるよ うに電極(図 1中 2および 3)を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビ ング処理を行なった。図 1中に示す方向 4に、ラビング処理を行なった。別に用意した 一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向 膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士を対向させて、基板の間隔 (ギャップ; d) を 3. とし、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り 合わせ、、 、で屈折率異方性( Δ n)が 0. 0769および誘電率異方性( Δ ε )が正の 4. 5であるネマチック液晶組成物を封入した。液晶層の d' Δ ηの値は 300nmであつ た。
[0275] く第 1位相差膜 1—2の作製 >
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し 、セルロースアセテート溶液を調製した。該溶液を保留粒子径 4 m、濾水時間 35秒 の濾紙 (No. 63、アドバンテック製)を用いて 5kg/cm2以下でろ過した。
[0276] 〔セルロースアセテート溶液組成〕
'酢化度 60. 9%のセルロースアセテート 100質量部
(重合度 300、 Mn/Mw= l. 5)
•トリフエニルホスフェート(可塑剤) 7. 8質量部
•ビフエ-ルジフエ-ルホスフェート(可塑剤) 3. 9質量部
.メチレンクロライド (第 1溶媒) 300質量部
'メタノール (第 2溶媒) 54質量部
•1ーブタノール (第 3溶媒) 11質量部
[0277] 別のミキシングタンクに、下記レターデーシヨン上昇剤 A 8質量部、下記レターデ ーシヨン上昇剤 B 10質量部、二酸化珪素微粒子(平均粒径 : 0. l /z m) 0. 28質 量部、メチレンクロライド 80質量部およびメタノール 20質量部を投入し、加熱しな 力 攪拌して、レターデーンヨン上昇剤溶液 (微粒子分散液を兼ねる)を調製した。上 記セルロースアセテート溶液 474質量部に上記レターデーシヨン上昇剤溶液 40質量 部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。
[0278] [化 90]
[0279] [化 91] レターデーション上昇剤 B
\U/oco\ H )-coo^ )
[0280] 得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が 15質量%のフィ ルムを、 130°Cの条件で、テンターを用いて 20%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の 幅のまま 50°Cで 30秒間保持した後クリップを外してセルロースアセテートフィルムを
作製した。延伸終了時の残留溶媒量は 5質量%であり、さらに乾燥して残留溶媒量 を 0. 1質量%未満としてフィルムを作製した。
[0281] このようにして得られたフィルム(第 1位相差膜 1— 2)の厚さは 80 /z mであった。作 製した第 1位相差膜 1について、自動複屈折率計 (KOBRA— 21ADH、王子計測 機器 (株)社製)を用いて、 Reの光入射角度依存性を測定することによって、 Reが 70 nm、Rthが 175nmであり、これから Nzが 3. 0であることが分かった。
[0282] <第 2位相差膜 1—2の作製 >
製作した第 1位相差膜 1— 2の表面のケンィ匕処理を行い、このフィルム上に下記の 組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコ一ターで 20mlZm2となるように塗布した。 60
°Cの温風で 60秒、さらに 100°Cの温風で 120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成し た膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施して、配向膜を得た。
[0283] ほ S向膜塗布液の組成〕
•下記変性ポリビュルアルコール (AL— 1) 10質量部
•下記ピリジニゥム塩 0. 1質量部
•水 371質量部
'メタノール 119質量部
•グルタルアルデヒド 0. 5質量部
[0284] [化 92]
Aし- 変性ポリビニルアルコール
[0285] 次に、下記棒状液晶化合物 A3. 8g、光重合開始剤 (ィルガキュア一 907、チバ 'ス ぺシャリティ'ケミカルズ社製) 0. 06g、増感剤 (カャキュア一 DETX、 日本化薬 (株) 製) 0. 02g、下記空気界面垂直配向剤 0. 002gを、メチルェチルケトン 9. 2gに溶解
した溶液を調製した。この溶液を、上記配向膜を形成したフィルムの配向膜側に、 #
4. 5のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、 100°Cの恒温槽中 で 2分間加熱し、棒状液晶化合物を配向させた。次に、 80°Cで 120WZcm高圧水 銀灯により、 20秒間 UV照射し棒状液晶化合物を架橋して、その後、室温まで放冷し て光学異方性層を形成し、第 1位相差膜上に第 2位相差膜が形成された位相差フィ ルム 1—2を得た。
[0286] [化 93] 棒状液晶性化合物 A
[0287] [化 94]
a=40 b=55 c=5
[0288] 自動複屈折率計 (KOBRA— 21ADH、王子計測機器 (株)社製)を用いて、製作 したフィルムの Reの光入射角度依存性を測定し、予め測定した支持体の寄与分を差 し引くことによって、第 2位相差膜のみの光学特性を算出したところ、第 2位相差膜 1 — 2は Reが Onm、 Rthが— 218nmであって、棒状液晶が略垂直に配向していること を確認した。
また、こうして作製された第 2位相差膜 1—2を偏光顕微鏡下で観察し、配向状態お よび配向欠陥の評価を行い、光学異方性層中に生じた配向欠陥の数を光学顕微鏡 で観察して調べた結果、点欠陥の個数(1. Omm2範囲の平均値)は 1. Omm2範囲で 5個であった。
更に、密着性の評価として、その表面に市販のテープ (PET)を貼り付け、 30秒後 に剥がした後の状態を観察した。評価基準としては、
A:全く剥がれない、
B : l〜10%剥がれる、
C : 10〜30%剥がれる、
D : 30〜50%剥がれる、
E : 50%以上剥がれる、
の 5段階で評価した結果、第 2位相差膜 1の密着性は Aのレベルであった。
[0289] <偏光板保護膜 1 2の作製 >
下記の組成をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、 セノレロースアセテート溶液 Aを調製した。
[0290] 〔セルロースアセテート溶液 Aの組成〕
'置換度 2. 86のセルロースアセテート 100質量部
'トリフエ-ルホスフェート(可塑剤) 7. 8質量部
'ビフエ-ルジフエ-ルホスフェート(可塑剤) 3. 9質量部
.メチレンクロライド (第 1溶媒) 300質量部
'メタノール (第 2溶媒) 54質量部
•1ーブタノール 11質量部
[0291] 別のミキシングタンクに、下記の組成を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶 解し、添加剤溶液 B—1を調製した。
[0292] 〔添加剤溶液 B—1の組成〕
'メチレンクロライド 80質量部
'メタノール 20質量部
•下記光学的異方性低下剤 40質量部
[0293] [化 95] 光学的異方性低下剤
[0294] セルロースアセテート溶液 A477質量部に、添加剤溶液 B— 1を 40質量部添カロし、 充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延ロカも 0°Cに冷却したドラム上に流 延した。溶媒含有率 70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテ ンター(特開平 4— 1009号公報の図 3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率 力^〜 5質量%の状態で、横方向 (機械方向に垂直な方向)の延伸率が 3%となる間 隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに 乾燥し、厚み 80 μ mの偏光板保護膜 1― 2を作製した。
自動複屈折率計 (KOBRA— 21ADH、王子計測機器 (株)社製)を用いて、 Reの 光入射角度依存性を測定し、光学特性を算出したところ、 Reが lnm、 Rthが 6nmで あることが確認できた (測定波長え: 589nm)。
[0295] <偏光板 A— 2の作製 >
次に延伸したポリビュルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を製作し、 市販のセルロースアセテートフィルム(フジタック TD80UF、富士写真フィルム(株) 製、 Re = 3nm、 Rth=45nm)にケン化処理を行い、ポリビュルアルコール系接着剤 を用いて、偏光膜の片面に貼り付け偏光板 A— 2を形成した。
[0296] <偏光板 B— 2の作製 >
同様にして偏光膜を製作し、市販のセルロースアセテートフィルム(フジタック TD8 OUF、富士写真フィルム (株)製)にケン化処理を行い、ポリビュルアルコール系接着 剤を用いて、偏光膜の片面に貼り付けた。さらに同様にして上記製作の偏光板保護 膜 1を偏光膜のもう片面に貼り付け偏光板 B— 2を形成した。
[0297] <液晶表示装置の作製 >
偏光板 A— 2にポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した本発明の位相差 フィルム 1—2を、第 1位相差膜 1—2側が偏光膜側となるように、且つ偏光膜の透過 軸と第 1位相差膜 1 2の遅相軸が平行になるように偏光膜のセルロースアセテート フィルムを貼合して 、な 、側に貼り付け偏光板 1 2を形成した。
[0298] これを、上記で作製した IPSモード液晶セル 1 - 2の一方に、第 1位相差膜 1 - 2の 遅相軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように (即ち、第 1位相差膜 1— 2の遅 相軸が、黒表示時の液晶セルの液晶分子の遅相軸と平行になるように)、且つ第 2位
相差膜 1 2面側が液晶セル側になるように偏光板 1 2を貼り付けた。 続、て、この IPSモード液晶セル 1 2のもう一方の側に偏光板 B— 2を偏光板保護 膜 1 2側が液晶セル側になるように、且つ偏光板 1 2とはクロス-コルの配置にな るように貼り付け、液晶表示装置を作製した。このように作製した液晶表示装置の漏 れ光を測定した。左斜め方向 60° から観察した際の漏れ光は 0. 1%であった。なお 、本明細書における漏れ光は、以下のようにして測定したものである。
まず、暗室内に設置されたシヤーカステン上に、偏光板を貼りあわせない状態で液 晶セル 1— 2を置き、液晶セルのラビング方向を基準として左方向に 45度の方位で、 且つ液晶セル法線方向から方向 60° の方向に lm離れたところに設置された輝度 計で輝度 1を測定した。
次いで、上記と同じシヤーカステン上に実施例 9の液晶表示パネルを同様に配置し て、暗表示の状態で同様に輝度 2を測定し、これを輝度 1に対する 100分率で表した ものを漏れ光とした。
[0299] [実施例 10]
<第 2位相差膜 2— 2〜7— 2の作製 >
上記第 2位相差膜 1 - 2の作製にぉ 、て、配向膜に添加した上記ピリジ-ゥム塩を 、それぞれ、下記の具体例 (Π— 1) , (11- 29) ,および、(41)で表されるピリジ-ゥム 塩に変えた以外は同様の方法で、第 2位相差膜 2— 2、 3— 2および 4 2をそれぞれ 作製した。また、比較例として、配向膜にピリジ-ゥム塩を添加しないこと以外は同様 にして作製された第 2位相差膜 5— 2、および、下記のアンモ-ゥム塩 Aをピリジ-ゥ ム塩の変わりに添加したこと以外は同様にして作製された第 2位相差膜 6— 2を作製 した。更に、配向膜として、下記の垂直配向膜 (AL— 2)を用いたこと以外は第 2位相 差膜 5— 2と同様にして作製された、第 2位相差膜 7— 2を作製した。この様にして作 製された位相差膜の棒状液晶の配向方向と、配向欠陥および、密着性を、上記の第 2位相差膜 1—2と同様に評価した。結果を下記表に記す。
[0300] [化 96]
ピリジニゥム塩
Π- 1
(A L-2)
-(CHg-CHJeg— — (GH2~CH)一
[0301] [表 3] フィルム番号 第 2位相差領域 1 配向膜 ピリジ-ゥム塩 棒状液晶の配向 配向欠陥数 密: 位相差 1一 第 2位相差領域 1 2 AL- 1 28 垂直配向 5個 A 位相差 2一 2 第 2位相差領域 2— 2 ΛΙ'— 1 11- 1 垂直配向 1 5個 A 位相差 3 2 第 2位相差領域 3— 2 AL- 1 Π 29 垂直配向 10個 A 位相差 4 - 2 第 2位相差領域 4一 2 AL- 1 41 垂直配向 2個 A 位相差 5一 2 第 2位相差領域 5 - 2 AL- 1 なし 水平配向 5個 A 位相差 6一 2 第 2位相差領域 6— 2 AL- 1 アンモニゥム塩 A 垂直配向 30個 B 位相差 7 - 2 第 2位相差領域 7— 2 AL- 2 なし 垂直配向 50個 E
[0302] 上記の結果から、ピリジニゥム塩を配向膜中に垂直配向剤として用い、且つ、光学
異方性層中に空気界面垂直配向剤を用いることで、特殊なポリマーを用いなくても、 工業的に生産性の高 、変性ポリビュルアルコールを用いても、棒状液晶を均一に、 且つ、欠陥が少なく垂直に配向させて、位相差フィルムを作製できることがわかる。
[0303] [実施例 11]
実施例 9において、本発明の位相差フィルム 1—2を実施例 10における本発明の 位相差フィルム 2— 2〜5— 2、および、比較用の位相差フィルム 6— 2および 7— 2に 代えた以外は、実施例 9と同様にして偏光板 2— 2〜7— 2を作製した。また、これを 用いて、実施例 9と同様に液晶表示装置を作製し、左斜め方向 60° から観察した漏 れ光を測定した。結果を以下の表に示す。
[0304] [表 4] 偏光板 フィルム番号 第 2位相差領域 1 漏れ光 偏光板 1 2 位相差 1 2 第 2位相差領域 1 2 0
偏光板 2— 2 位相差 2— 2 第 2位相差領域 2— 2 0
偏光板 3 - 2 位相差 3— 2 第 2位相差領域 3— 2 0
偏光板 4 2 位相差 4 2 第 2位相差領域 4 2 0 o 25 1111
偏光板 5— 2 位相差 5 - 2 第 2位相差領域 5— 2 0 o 85351
o o o o o dメ/////
偏光板 6— 2 位相差 6 - 2 第 2位相差領域 6— 2 0
偏光板 7— 2 位相差 7— 2 第 2位相差領域 7 2 ― 0
本本本本比比比 較較発発発発較
[0305] 上記表の結果から、ピリジ-ゥム塩を配向膜中に垂直配向剤として用い、且つ、例例例明明明明光 学異方性層中に空気界面垂直配向剤を用いることによって、斜め方向からの光漏れ の少な 、液晶表示装置を作製することができた。
図面の簡単な説明
[0306] [図 1]本発明の液晶表示装置の画素領域例を示す概略図である。
[図 2]本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。
[図 3]本発明の液晶表示装置の他の例を示す概略図である。
符号の説明
[0307] 1 液晶素子画素領域
2 画素電極
3 表示電極
4 ラビング方向
5a、 5b 黒表示時の液晶化合物のダイレクター
6a、 6b 白表示時の液晶化合物のダイレクター
7a, 7b、 19a, 19b 偏光膜用保護膜
8、 20 偏光膜
9、 21 偏光膜の偏光透過軸
10 第 1位相差領域
11 第 1位相差領域の遅相軸
12 第 2位相差領域
13、 17 セル基板
14、 18 セル基板ラビング方向
15 液晶層
16 液晶層の遅相軸方向
この出願は、 2004年 9月 9曰に提出した曰本国特願 2004— 261898号及び 200 5年 2月 25日に出願した日本国特許出願 2005— 051076号の優先権を主張してい る。