WO2006022392A1

WO2006022392A1 - フライホイールに形成された突起のシェービング装置および突起のシェービング方法

Info

Publication number: WO2006022392A1
Application number: PCT/JP2005/015584
Authority: WO
Inventors: Nobuya Horiuchi; Tsugio Yokoo; Tsutomu Idei; Kouji Fukuzawa; Yasuhito Ito
Original assignee: Mitsuba Corporation
Priority date: 2004-08-25
Filing date: 2005-08-22
Publication date: 2006-03-02
Also published as: BRPI0513985A; CN1993873A; JPWO2006022392A1; EP1783883A1

Abstract

フライホイールのヨーク外周から突出状に打ち出されたトリガ信号を得るためのトリガ用の突起のシェービングを、高い真円性を確保し、かつ、トリガとしてのセンシング機能が優れたものにできるように構成する。フライホイール１を構成するヨーク２に、予めボスプレート５をカシメ固定する一方、シェービング装置７を、固定架台８側にボスプレート５のボス筒部を外嵌する支持軸部１０を設けるとともに、可動架台１４側に、支持軸部１０と同芯状で、かつ、突起２ｅを支持軸部１０の軸方向にシェービングするシェービング金型１５を設ける構成とする。

Description

明細書フライホイールに形成された突起のシエービング装置および突起のシェ一ビング方法技術分野

本発明は、回転軸に取り付けられて、回転状態を検知するためのフライホイ一ルに形成された突起のシエービング装置および突起のシヱービング方法の技術分野に属するものである。冃 '景技術

一般に、この種フライホイールのなかには、有底筒状に形成されたヨークの筒部內周に永久磁石を設けるとともに、筒部外周面から外径側に突出していてトリガ信号を得るためのトリガ用の突起を周回り方向に複数形成したものがあり、 .このようなフライホイールをァクチユエータの回転軸に一体的に外嵌する一方、ョ —クの筒部に対向してセンサを設け、該センサにより磁化された突起を検出することにより、回転軸の回転状態（ァクチユエータの駆動状態）を検知するように構成したものが知られている。このようなフライホイールを構成するヨークの筒部にトリガ用の突起を形成する方法としては、突起を別途用意して接着剤等の一体化手段を用いてョーク筒部に取り付ける方法や、筒部を打ち出して突起を成形する方法等、種々の提案がなされている。ところで、突起は回転軸に外嵌するョ —クの外周面に形成されるものであり、各突起のヨーク軸芯部からの径が一定になること、つまり、ヨークの真円性を損なわない状態で形成されることが求められる。特に、突起を打ち出し成形する場合では、ヨーク筒部の変形を伴うことが多く、真円性を損なわないための手段が必要となる。

この改善策として、ヨークの筒部に鋭角状の突起を形成する第一の打ち出しェ程と、該鋭角状の突起を円弧状に成形する第二の打ち出し工程とにより形成するようにして、簡単、かつ、安価に形成するように構成したものがある（例えば、特開昭 5 7— 1 4 8 5 6 8号公報参照。）しかるに、前記従来のものは、パンチによる打ち出し作動をヨークの筒内において行う構成であるため、打ち出し力を大きく確保することができず、予め第一の打ち出し工程において、大きく外径側に突出する鋭角状の突起を形成し、該突起を、第二の打ち出し工程で内径側に退避させて円弧状とし、これによつてトリガ用の突起（ポール）を形成するようにしており、このため、二回の打ち出しェ程が必要となり、作業工程数が多くなるという問題がある。

ところで、磁化された突起をトリガ信号発生手段として機能させる場合、突起の形成位置とともに、フライホイールの回転方向先側に位置する突起の端面（すみ角）が鋭くかつ精度よく仕上げられていることが要求される。このため、仮令二回の打ち出し工程を経て突起を形成したとしても、突起形成位置や端面の精度を充分に確保することが難しいという問題がある。さらには、前記二回の打ち出し工程による突起の形成は、必要な部材が組み込まれる以前のヨーク単品におけるときになされるものである。このため、仮令ヨーク単品においての突起の真円性が確保できたとしても、該ヨークに回転軸への嵌合用のボスプレートをカシメ固定等の手段により一体化した場合では、前記カシメ固定時の力がヨークに作用することによりヨークの真円性が損なわれ、突起の位置精度が低下してしまうという問題があり、― これらに本発明の解決すべき課題がある。発明の開示

本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項 1の発明は、回転軸に外嵌固定されるフライホイ

—ルの有底筒状のヨーク外周から外方へ突出形成された突起をシヱ一ビング仕上げするシェービング装置であって、該シェービング装置は、ヨークに設けられた回転軸外嵌用のボス部を貫通支持する支持軸部が設けられた固定架台と、支持軸部に同芯状に設けられ、突起を支持軸部の軸方向にシェービングするシエービング金型が設けられた可動架台とを備えて構成されているものである。

そして、このようにすることにより、高い真円性が確保され、かつ、周回り方向の突起の端面の位置決めが精度よくなされた信頼性の高いフラィホイールを形成することができる。請求項 2の発明は、請求項 1において、ヨークは、外周に周回り方向複数の突起が形成されるものとし、シヱービング金型は、ヨーク筒部の外径に沿う内筒面に、前記突起に対向する周回り方向に複数のシェービング歯が形成されているものであり、このようにすることにより、複数の突起を、一度のシェービング作動によりシェービングすることができる。

請求項 3の発明は、請求項 2において、シヱ一ビング歯は、突起の外周面と、突起の周回り方向両側面とをシェービングするように構成されているものであり、このようにすることにより、突起自体の真円性を高い状態で確保することができるうえ、突起の周回り方向における形成精度を高めるこどができて、突起による検知作動の精^が高められる。

請求項 4の発明は、請求項 1乃至 3の何れかにおいて、ヨークと固定架台とのあいだには、固定架台に対するヨークの周回り方向の位置決めをする位置決め手段が設けられているものであり、このようにすることにより、固定架台にヨークを固定するにあたり、周回り方向の位置決めが容易にできる。

請求項 5の発明は、請求項 1乃至 4の何れかにおいて、固定架台には、突起のシエービング方向先側の端面に突き当てられるシエービング受け部材が設けられ、該シェービング受け部材には、シェービングによる切削くずをシエービング装置から外部に案內する案内部が形成されているものであり、このようにすることにより、シェービングにより発生する切削くずが邪魔にならないようにできる。請求項 6の発明は、回転軸に外嵌固定されるフライホイールの有底筒状のョ一ク外周から外方へ突出形成された突起をシヱービング仕上げするにあたり、シヱ一ビング装置を、ヨークの回転軸外嵌用のボス部を貫通支持する支持軸部が設けられた固定架台と、支持軸部に同芯状に設けられ、突起を支持軸部の軸方向にシエービングするシヱービング金型が設けられた可動架台とで構成し、ヨークの前記ボス部を支持軸部に外嵌せしめた後、ヨークの突起を支持軸部の軸方向にシェ一ビングするようにしたものである。

そして、このようにすることにより、高い真円性が確保され、かつ、周回り方向の突起の端面の位置決めが精度よくなされた信頼性の高いフライホイールを形成することができる。請求項 7の発明は、請求項 6において、ヨークは、ボス部が予めカシメ固定されたものであり、このようにすることにより、ヨークとボス部とを別体に構成することができ、このようにした場合でも、ヨーク外周の突起の形成精度を高いものにすることができる。

請求項 1の発明とすることにより、高い真円性が確保され、かつ、周回り方向の突起端面の位置決めが精度よくなされた信頼性の高いフライホイールを形成できる。

請求項 2の発明とすることにより、複数の突起を、一度のシェービング作動によりシェービングできる。

請求項 3の発明とすることにより、突起自体の真円性を高い状態で確保することができるうえ、突起の周回り方向における形成精度を高めることができて、突起による検知作動の精度が高められる。

請求項 4の発明とすることにより、ヨークの固定架台への周回り方向位置決め状の固定が容易になる。

請求項 5の発明とすることにより、シェービングにより発生する切削くずが邪魔にならないようにできる。

請求項 6の発明とすることにより、高い真円性が確保され、かつ、周回り方向の突起端面の位置決めが精度よくなされた信頼性の高いフライホイールを形成できる。

請求項 7の発明とすることにより、ヨークとボス部とを別体に構成することができ、このようにした場合でも、ヨーク外周の突起の形成精度を高いものにすることができる。図面の簡単な説明

第 1図は、フライホイールの断面図である。

第 2図は、シェービング装置を説明する断面図である。

第 3図は、シエービング装置の可動架台を説明する底面図である。

第 4図は、第 3図の一部拡大図である。

第 5図は、シヱ一ビングパンチを説明する一部側面図である。第 6図（A) 、 ( B ) はそれぞれシェービング装置によるシェービング作動を説明する要部断面図である。発明を実施するための最良の形態

つぎに、本発明の実施の形態について、第 1図〜第 6図の図面に基づいて説明する。

図面において、 1は、自動二輪車のエンジンのクランクシャフトに外嵌するよう構成されたフライホイールであって、該フライホイール 1を構成するヨーク 2 は、強磁性材料（例えば鉄）で有底筒状に形成されており、該ヨーク 2の筒部 2 aの內周面には、磁石ホルダ 3が接着剤等の一体化手段を介して設けられており、該磁石ホルダ 3と、ヨーク筒部 2 aの開口側に配されるホルダピン 3 aとにより、複数対の永久磁石 4が支持固定されている。

さらに、フライホイール 1を構成するヨーク 2の筒底部 2 bには、筒部 2 aの軸芯と同芯となる位置関係で貫通孔 2 cが開設されており、筒底部 2 bの外側面には、ボスプレート 5がー体的に設けられている。前記ボスプレート 5は、円板状のプレート部 5 aと、該プレート部 5 aの軸芯部に位置し、ヨーク貫通孔 2 c に嵌着されるボス筒部 5 bとにより構成されている。前記プレート部 5 aとョーク筒底部 2 bとには、複数の力シメ用貫通孔 5 c、 2 dが開設されており、これらカシメ用貫通孔 5 c、 2 dにカシメピン 6を揷通してカシメ固定することにより、ヨーク 2とボスプレト 5とが一体化されるように構成されている。また、ボス筒部 5 bは、ヨーク 2に一体固定した状態で、ヨーク貫通孔 2 cから筒部 2 a内側に（筒底部 2 b側に向けて）突出しており、その筒孔 5 dの形状は、ョーク筒部 2 aの開口側ほど筒孔径が小さくなる傾斜状に形成されている。このように構成されたフライホイール 1は、ボス筒部 5 bを、傾斜状の筒孔 5 dを介してクランクシャフトに外嵌させることにより、クランクシャフトに回り止め状に連動連結されるように設定されている。

そして、ヨーク筒部 2 aの外周面には、外径側に突出し、かつ、軸方向に長い形状のトリガ用の突起 2 eが周回り方向に複数形成されている。これらの突起 2 eは、周回り方向に所定角度間隔（本実施の形態では 3 0度）を存して形成され、さらには、筒部 2 aの全周にわたることなく 2 4 0度の角度範囲において適宜数 (本実施の形態では 9個）のものが形成されている。そして、フライホイール 1 は、予め筒部 2 aの外周に突起 2 eが打ち出し成形されたヨーク 2に、永久磁石 4等の必要な部材を組み込むことで構成されている。そして、このものでは、ョ —ク筒部 2 aのトリガ用の突起 2 eは、予め径方向、および周回り方向に大きく形成され、このものを、後述するシヱ一ビング装置 7によってシェービング仕上げをすることによって、予め設定される大きさの突起 2 eに形成されるとともに、突起 2 eを含むヨーク 2の真円性が確保され、しかも、突起 2 eの周回り方向の位置が精度よく確保されるように設定されている。

さて、前記シェービング装置 7を構成する固定側となる固架台 8には、ボスプレート 5が組み込まれたヨーク 2が組み込みセットされる円形状の固定ガイド体 9がー体的に固定されており、該固定ガイド体 9の軸芯部位には、本発明の支持軸部 1 0が設けられている。前記支持軸部 1 0は、先端（上端）側ほど外径が小さくなるテーパ状の先端部 1 0 aを備えて構成され、基端（下端）部には前記軸部よりも大径な頭部 1 0 bを備えたピン軸状に形成されている。一方、固定ガィド体 9の軸芯部には、上下方向中間部に段差部 9 aが形成された貫通孔が開設されており、上側に位置する上側貫通孔 9 bは支持軸部 1 0を上下方向移動自在に貫通せしめる大きさに設定されており、下側貫通孔 9 cは上側貫通孔 9わよりも大径に形成されている。そして、支持軸部 1 0は、先端部 1 0 aを下側貫通孔 9 c側から挿通させることにより、頭部 1 0 bが段差部 9 aに係止して上方への抜け止めがなされ、この状態において、先端部 1 0 aが固定ガイド体 9の上面から突出するように設定されている。ここで、前記支持軸部先端部 1 0 aは、フラィホイール 1を外嵌せしめるクランクシャフトと同形状のものに形成されており、ボスプレート 5のボス筒部 5 bが回り止め状に外嵌される形状となっている。さらに、固定架台 8には、段差部 8 aが形成された貫通孔 8 bが開設され、該貫通孔 8 bは、固定ガイド体 9の下側貫通孔 9 cに連通するように構成されている。そして、貫通孔 8 bには、前記段差部 8 aに係止される状態でコイル弾機 1 1が内装されており、該コイル弾機 1 1の上端部が、固定ガイド体下側貫通孔 9 c側に嵌入して、支持軸部 1 0の頭部 1 0 bを下側から押圧支持するように設定されている。これによつて、支持軸部 1 0は、コイル弾機 1 1の付勢力を受けて先端部 1 0 aを固定ガイド体 9から突出させており、コイル弾機 1 1を圧縮させることにより固定ガイド体 9に対して下動するように構成されている。

さらに、固定ガイド体 9には、予め設定される任意の位置に上下方向を向く位置決めピン 1 2が配設される一方、フライホイール 1のヨーク筒底部 2 bとボスプレート 5のプレート部 5 aとには、位置決め孔 2 f 、 5 eがそれぞれ連通状に開設されており、ボスプレート 5が組み込まれたヨーク 2を固定ガイド体 9に組み込む場合に、ボス筒部 5 bを支持軸部 1 1に外嵌せしめるとともに、位置決め孔 2 f 、 5 eを位置決めピン 1 2に外嵌せしめることにより、固定ガイド体 9に対して周回り方向の位置決めがなされた状態でヨーク 2が組み込みセットされるように構成されており、該構成が本発明の位置決め手段に相当している。

ここで、シェ一ビング仕上げをするために固定ガイド体 9に組み込みセットされるヨーク 2は、前述したように、ボスプレート 5がカシメ固定された状態となつているが、筒部 2 aの外周に形成される突部 2 eは、前述したように、フライホイール 1として機能するトリガ用に設定される大きさよりも大きく形成されている。そして、シェービング装置 7を用いて突部 2 eをシェービングすることにより、第 4図に示すように、切り落とし代 Cが切り落とされ、これによつて、予め設定される所定の大きさの突起 2 eにシェービング（切削）されるように設定されている。

さらに、固定架台 8には、固定ガイド体 9の外周に位置して、固定ガイド体 9 に組み込みセットされたヨーク筒部 2 aの突起 2 eの下側端面（シェービング方向先側の端面） 2 gに下側から突き当てられるシェービングパンチ（本発明のシエービング受け部材に相当する） 1 3が設けられている。該シェービング受け部材 1 3は、固定ガイド体 9外周に遊嵌状に外嵌するリング状の支持部 1 3 aと、該支持部 1 3 aの上方に載置するように配設され、上端ほど外径が小さくなる傾斜面を備えた傾斜支持部 1 3 bと、該傾斜支持部 1 3 bの上端部から上方に突出し、上端部が突起 2 eの下側端面 2 gに付き当てられる突き当て片部 1 3 cとを備えて形成されているが、突き当て片部 1 3 cは、各突起 2 eに対向して傾斜支持部 1 3 bの周回り方向に九個形成されている。そして、各突き当て片部 1 3 cは、突起 2 eと同様の周回り方向長さを存して形成されているが、それぞれの突き当て片部 1 3 cの下方には、傾斜支持部 1 3 bの上面から突出する状態で傾斜状の案内部 1 3 dがー体的に突出形成されており、該案内部 1 3 dは、シェービング作動により水平断面コ字形に切り落とされた切り落とし代 C (切削くず）を支持部 1 3 aの外径側に案内するガイド面に形成されており、つぎの製品（ヨーク 2 ) のシェービング作動において、切り落とし代 Cが邪魔になってしまうことがないように構成されている。

1 4はシェービング装置 7の可動側を構成する可動架台であって、該可動架台 1 4は、図示しない駆動手段の駆動に基づいて上下方向に移動するように設定されている。前記可動架台 1 4は、固定ガイド体 9に組み込みセットされたヨーク筒部 2 aの外周に対向する状態で、突起 2 eをシヱ一ビング仕上げするためのシエービング金型 1 5がー体的に設けられている。前記シェービング金型 1 5は、円形状の筒孔 1 5 aを備えて構成されるが、該筒孔 1 5 aは、固定架台 8側の支持軸部 1 0の軸芯と同芯となる関係で配設されている。そして、筒孔 1 5 aには、ヨーク筒部 2 a外周に形成される周回り方向九個の突起 2 eのシェービング仕上げをするためのシェービング歯 1 5 bが各突起 2 e形成部位に対向して周回り方向九箇所に形成されるが、これらシヱ一ビング歯 1 5 bは、支持軸部 1 0と同芯となる位置関係で形成されている。尚、シェービング歯 1 5 bは、上下方向に長く形成され、水平断面がコ字形状に形成されている。

また、可動架台 1 4には、シェービング金型 1 5の筒孔 1 5 a内に位置し、力つ、シェービング金型 1 5と同芯状となる位置関係で円板状の押さえガイド体 1 6が設けられている。前記押さえガイド体 1 6は、可動架台 1 4とのあいだに介装された一対のコイル弾機 1 7により可動架台 1 4側に支持されており、可動架台 1 4を下動させることに伴い、シェービング歯 1 5 bが突起 2 eをシヱービングすることに先行して、固定ガイド体 9に組み込みセットされたヨーク 2の開口端に当接し、シェービング歯 1 5 bがシェービング作動をする状態では、コイル弾機 1 7の付勢力を受けてヨーク 2を固定ガイド体 9側に押さえつける構成となつている。

このように構成されたシェービング装置 7において、ボスプレート 5が組み込まれたヨーク 2のボス筒部 5 aを固定ガイド体 9から突出する支持軸部先端部 1 0 aに外嵌せしめ、位置決め孔 2 f 、 5 eを位置決めピン 1 2に外嵌せしめることにより、ヨーク 2は、固定ガイド体 9に対し周回り方向の位置決めがなされるとともに、支持軸部 1 0に同芯状に組み込みセットされる。このようにセットした後、可動架台 1 4を下動せしめることにより、押さえガイド体 1 6がヨーク 2 の開口端に当接してヨーク 2を固定ガイド体 9側に押さえつけ、突起 2 eをシェ一ビングパンチ 1 3の突き当て片 1 3 c側に押し付ける状態となるように設定されている。そして、この状態において、シェービング金型 1 5のシェービング歯 1 5 bにより突起 2 eをシェービングすることになるが、このとき、該シエービング作動によりヨーク 2に作用する負荷は、支持軸部 1 0と固定ガイド体 9とのあいだに設けられたコイル弾機 1 1の付勢力と、押さえガイド体 1 6と可動架台 1 4とのあいだに介装されたコイル弾機 1 7の付勢力とにより受け止められるように設定されている。

叙述の如く構成された本形態において、フライホイール 1を構成するヨーク 2 の筒部 2 a外周に形成された突起 2 eを、シェービング装置 7によりシエービングするにあたり、ヨーク 2はボスプレート 5をカシメ固定した実際の使用状態に近い組み込み状態としてからシェービングされるので、フライホイール 1に形成した状態でも高い真円性を確保することができて、信頼性の高い製品を提供できる。

しかもこの場合に、シェービング装置 7は、固定架台 8側の固定ガイド体 9に支持軸部 1 0を設け、該支持軸部 1 0に対して同芯となる位置関係でシニービング金型 1 5が組み込まれているうえ、支持軸部 1 0の軸芯方向にシェービングをする構成であるので、ヨーク 2に予め突出形成される突起 2 eの真円精度、および周回り方向の形成位置の精度が低下したとしても、シェービングすることにより真円精度とともに、周回り方向の突起 2 eの形成位置精度を高めることができて、一層信頼性の高いフライホイール 1とすることができる。しかも、シエービング作動は、支持軸部の軸方向、即ち、ヨーク 2の筒長方向であるため、フライホイール 1回転方向に位置する端面（すみ角）にパリができてしまうような不具合がなく、トリガとしての精度の高い検知を行うことができる。そして、 .この場合に、突起 2 eにバリが形成されるとしても、ノリは、突起 2 eの底片部 2 b側の端面となって、該突起 2 eをトリガとしてのセンシング機能に影響を与えることがない。

そのうえ、このものでは、突起 2 eの周回り方向の両端面においてパリが形成されることがなく、しかも、精度のよい周回り方向の位置決めがなされる構成であるので、フライホイール 1の回転方向が何れの方向であっても高い精度での検出作動をすることができ、汎用性を高めることができるという利点もある。しかもこのものでは、突起 2 eはヨーク筒部 2 aの周回り方向に複数設けられるものであるが、突起 2 eのシェービングは、筒長方向にシェービング作動するものであるため、周回り方向全ての突起 2 eを一度のシェービング作動でシエービングすることができ、作業性のよいものとすることができる。

しかも、本発明が実施されたシェービング装置 7には、位置決め手段が設けられているため、固定ガイド体 9の位置決めピン 1 2を位置決め孔 2 f 、 5 eに嵌入させる簡単な操作で、ヨーク筒部 2 aの周回り方向の位置決めをすることができ、ヨーク筒部 2 aの外周に均等ではなく一部にのみ変位した状態で突起 2 eが形成されるようなものでも、ヨーク 2の固定架台 8への位置決め状のセットが簡単かつ容易となり、作業性のさらなる向上を図ることができる。

さらにこのものでは、シェービング受け部材 1 3の突き当て片部 1 3 cに続いて案内部 1 3 dが形成されているため、シェービング作動により形成される切り落とし代 C (切削くず). がシェービング装置 7から外部に効率良く排出されて、切り落とし代 Cがつぎの製品（ヨーク 2 ) のシェービング作動の邪魔をすることがなく、作業性が一層向上する。

尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、ヨークは、ボス部が別体に形成されたものであってもよく、この場合では、ヨークに予めボス部をカシメ固定することになるが、カシメ固定することによりヨークの真円性が損なわれたとしても、ボス部をカシメ固定後、シェービング装置によりシエービングすることにより、突起の真円性が確保され、信頼性の高いフライホイールとすることができる。産業上の利用可能性

以上のように、本発明にかかるフライホイールに形成された突起のシエービング装置および突起のシェービング方法は、回転軸に取り付けられて、回転状態を検知するためのフライホイールに形成された突起のシヱービング装置およぴ突起のシェービング方法等として有用であり、特にヨーク筒部の真円性を損なわずに成形するのに適している。

Claims

請求の範囲

回転軸に外嵌固定されるフライホイールの有底筒状のヨーク外周から外方へ突出形成された突起をシエービング仕上げするシエービング装置であって、該シェービング装置は、ヨークの回転軸外嵌用のボス部を貫通支持する支持軸部が設けられた固定架台と、支持軸部に同芯状に設けられ、突起を支持軸部の軸方向にシエービングするシエービング金型が設けられた可動架台とを備えて構成されているフライホイールに形成された突起のシエービング装置。請求項 1において、ヨークは、外周に周回り方向複数の突起が形成されるものとし、シェービング金型は、ヨーク筒部の外径に沿う内筒面に、前記突起に対向する周回り方向に複数のシエービング歯が形成されているフライホイールに形成された突起のシェービング装置。

請求項 2において、シェービング歯は、突起の外周面と、突起の周回り方向両側面とをシェービングするように構成されているフライホイールに形成された突起のシエービング装置。

請求項 1乃至 3の何れかにおいて、ヨークと固定架台とのあいだには、固定架台に対するヨークの周回り方向の位置決めをする位置決め手段が設けられているフライホイールに形成された突起のシエービング装置。 .^

請求項 1乃至 4の何れかにおいて、固定架台には、突起のシェービング方向先側の端面に突き当てられるシェービング受け部材が設けられ、該シエービング受け部材には、シエービングによる切削くずをシェービング装置から外部に案内する案内部が形成されているフライホイールに形成された突起のシエービング装置。

回転軸に外嵌固定されるフライホイールの有底筒状のヨーク外周から外方へ突出形成された突起をシヱービング仕上げするにあたり、シエービング装置を、ヨークの回転軸外嵌用のボス部を貫通支持する支持軸部が設けられた固定架台と、支持軸部に同芯状に設けられ、突起を支持軸部の軸方向にシエービングするシエービング金型が設けられた可動架台とで構成し、ヨークの前記ボス部を支持軸部に外嵌せしめた後、ヨークの突起を支持軸部の軸方向にシェービングするようにしたフライホイールに形成された突起のシエービング方法。

請求項 6において、ヨークは、ボス部が予めカシメ固定されたものであるフライホイ一ルに形成された突起のシヱービング方法。