WO2006022103A1

WO2006022103A1 - ボルト抜け落ち防止構造、及び保持リング

Info

Publication number: WO2006022103A1
Application number: PCT/JP2005/013495
Authority: WO
Inventors: Tatsuhito Aoyama; Masayoshi Sato
Original assignee: Ckd Corporation
Priority date: 2004-08-23
Filing date: 2005-07-22
Publication date: 2006-03-02
Also published as: JPWO2006022103A1; KR20070049672A; TWI285242B; CN100455830C; TW200613649A; CN101006277A

Abstract

半導体製造装置に使用する、必要な保持力を保ったままボルトの抜き差しが容易で安価な、ボルト抜け落ち防止構造、及び保持リングを提供するため、本体固定ボルト１０を貫通させるネジ挿通孔１２が形成された被固定体の、本体固定ボルト１０頭が当接する面と反対側の面にネジ挿通孔１２より大径の座孔１２ａ‘が形成され、外周が円筒形状で、後端部の直径が座孔１２ａの内径より大きく、先端部の直径が座孔１２ａの内径と同じかまたは小さく、先端部に本体固定ボルト１０の山部と係合するボルト係合部１３ａが形成された保持リング１３が座孔１２ａに装着されることにより、本体固定ボルト１０の抜け落ちを防止する。

Description

明細書

ボルト抜け落ち防止構造、及び保持リング

技術分野

[0001] 本発明は、ボルトを貫通させるネジ揷通孔が形成された被固定体の取付孔であるネジ揷通孔に装着され、ボルトの抜け落ちを防止するためのボルト抜け落ち防止構造、及び保持リングに関するものである。

背景技術

[0002] 例えば、半導体製造装置に用いるガス集積ユニット等は、従来よりも集積度が求められるために、壁にかけるような状態で用いられることが多くなつてきている。そのため、これらの固定に用いるボルトは、横又は下からねじ込まれる場合もある。

そこで、特許文献 1に開示されるような方法でボルトを仮止めしておくことで作業性を向上させる方法がとられて、る。

[0003] 特許文献 1の図に示されており、その拡大詳細図を図 12に示し、以下にその説明を行う。

開閉弁等の取付フランジ部 11に設けられたボルト軸部揷通孔 112は、中程および下端部近くに、下端部が最も大径となるように段部 112a、段部 112bが設けられている。そして、 Oリング 111がボルト軸部揷通孔 112の下端力嵌め入れられて、中程の段部 112aに受け止められており、さらに、大径側から Oリング脱出阻止用のブッシュ 113が嵌め入れられている。こうして、中程の段部 112a、ブッシュ 113の上面及びボルト軸部揷通孔 112の周面によって、 Oリング嵌入用の環状凹所 115が形成されている。

[0004] ブッシュ 113の下端部には、下端近くの段部 112bに当接するフランジ部 11が設けられている。また、ブッシュ 113の中間部には、これが嵌め入れられているボルト軸部揷通孔 112の径よりも若干大きヽ外径を有する環状突起 117が設けられてヽる。また、ブッシュ 113を強制的にボルト軸部揷通孔 112の大径側力も嵌入すると、フランジ部 11が下端近くの段部 112bに受け止められ、環状突起 117が潰れてブッシュ 113 の抜け止めが果たされる。したがって、 Oリング 111が抜け落ちることはない。 Oリング 111の内径は、本体固定ボルト 10の軸部の外径よりも若干小さくされて、る。 Oリング 111は弾性を有して、るので、本体固定ボルト 10の軸部を Oリング 111に強制的に揷通することは極めて容易である。

また本体固定ボルト 10をねじ戻してこれが図示しないネジ孔力外れたときには、 Oリング 111の弾性力により、本体固定ボルト 10は Oリング 111から外れることはな!/ヽ。したがって、本体が垂直状に配置される場合でも、本体固定ボルト 10が紛失することはない。

[0005] また、特許文献 2のように板を用いて仮止めする方法もある。図 13に特許文献 2を紹介し、以下にその説明を行う。

図 13Aにおいて、機器などのケース本体 121の端部に固定用の取付板 121aを有し、ネジ 122によってプレート 124を介してベース 123に締結するようにしている。ケース本体 121の取付板 121aにはケースカバー 121bを挟んで内側に突起部 121cと外側に孔 121dとを有し、ケースカバー 121bの下端にスリット 121eを設けている。

ジ 122〖こは、図 13C〖こ示すようなジ本体 122a〖こ月同径 Aの月同咅 122bとベース 1 23のネジ孔 123a〖こ螺合する山径 B、有効長 Lをケース本体 121の孔 121dの深さよりも小さくするとともに孔 121dにネジ部 122cが自在に嵌合するようにしてある。

[0006] また図 13Bに示すようにプレート 124はスリット 121eを通る板厚 tを有し、一端部に、ケース本体 121の突起部 12 lcに遊びをもって嵌合して係止する係止孔 124aと、他端部にケース本体 121の孔 121 dと符合する位置に孔径 Cの貫通孔 124bを設けている。そして、板厚 tはネジ 122のネジ山ピッチ Pより小さぐ貫通孔 124bの孔径 C はネジ本体 122aの胴径 Aより大きく山径 Bより小さくしており、貫通孔 124bをネジ部 122cに螺合して胴部 122bに位置させたとき、ネジ 122は胴部 122bで貫通孔 124b を摺動するがネジ山に当たってプレート 124から脱落することがな、ようにして、る。上記構成において、プレート 124をケースカバー 121bのスリット 121eより通して、その係止孔 124aを突起部 12 lcに係止し、貫通孔 124bにネジ 122をねじ込んで、ー且図 13Aに示すように、貫通孔 124bを胴部 122bに位置させ、且つネジ部 122c を孔 121dに臨ませてネジ 122はプレート 124の貫通孔 124bを自在に摺動するがケース本体 121から脱落することがなくなる。そして、このケース本体 121をベース 123 にセットしてねじ締めすれば、ネジ部 122cは孔 121dにガイドされてネジ孔 123aに簡単に螺合させることができる。また、これによりネジ 122の脱落や紛失することがなくなる。

特許文献 1 :特開 2002— 317809号公報

特許文献 2：特開平 5— 1711号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] し力しながら、従来の方法では以下のような問題点がある。

特許文献 1の方法では Oリング 111が本体固定ボルト 10の軸部を保持することを前提として!/、るため、 Oリング 111の幅で本体固定ボルト 10を抑えて!/、る。

この Oリング 111は、本体固定ボルト 10が Oリング 111に挿入する際に、本体固定ボルト 10の軸部が Oリング 111を径方向に広げるような、内径の寸法でないと、 oリング 111は保持力を発揮することが出来な、。

すなわち、 Oリング 111自体が弾性変形することによって、本体固定ボルト 10を固定し、本体固定ボルト 10の軸部と Oリング 111の接線部分が最も強い力で軸部を押すことになる。

[0008] よって、 Oリング 111の部分を本体固定ボルト 10が通過するときに、 Oリング 111がきついので、本体固定ボルト 10の抜き差しがしづらい。また、着脱の際に本体固定ボルト 10のネジ山の部分が Oリング 111の内径部分で線接触し、 Oリング 111の内面を肖 IJることになるので、パーティクルが出る可能性もある。半導体製造装置に用いるガス集積ユニット等にこの装置を適用することを考えると、クリーンルーム内での使用が前提となるため、パーティクルの発生は好ましくない。

また構造的に、 Oリング 111の抜け止めとなるブッシュ 113を打ち込まなければならず、その結果、部品点数が増え、ブッシュ 113にも抜け止め用の環状突起 117を必要とする加工となるためコストも高くなつてしまう。

[0009] 特許文献 2の方法では、ネジ 122を保持するためには、プレート 124を用意するだけであるので、特許文献 2のような場合には効果が高ぐネジ 122のネジ本体 122aにプレート 124の貫通孔 124bが嵌るので、着脱時にネジ 122がプレート 124を削ったりするようなことも少な、と考えられる。

また、プレート 124の厚みがネジ山ピッチ Pよりも小さいので、プレート 124にねじ山を通過させる場合にも、パーティクルは出づらヽと考えられる。

しかし、ガス集積ユニット等のモジュールに適用する場合、開閉弁やマスフローコントローラ等の平らなフランジ面にプレート 124を取り付けるには、構造的にスリット 121 eや突起部 121cのようなプレート 124を取り付けるのに適した部分を必要とする。このため、構成部品や加工を増やさなければならず、製作コストが上がってしまう。また、クリーンルーム内で使用する機器であるため、パーティクル等の溜まりやすい凹凸をフランジ面に増やすことも好ましくな、。

[0010] 本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、必要な保持力を保つたままボルトの抜き差しが容易で、安価であり、使用時にパーティクルが発生しづらい機構を有するボルト抜け落ち防止構造、及び保持リングを提供することを目的とする課題を解決するための手段

[0011] 本発明に係るボルト抜け落ち防止構造、及び保持リングは、次のような構成を有している。

(1)ボルトを貫通させるネジ揷通孔が形成された被固定体の、ボルト頭が当接する面と反対側の面に前記ネジ揷通孔より大径の座孔が形成され、前記座孔に対して外形の形状によって保持され、内部に前記ボルトの山部と係合するボルト係合部が形成された保持リングが前記座孔に装着されることにより、前記ボルトの抜け落ちを防止することを特徴とする。

ここでいう、ボルトの山部と係合するボルト係合部とは、ボルト係合部の一部がボルトの谷部に入り込み、即ち、ボルト係合部の最も内側に位置する部分を通る、ボルトの軸を中心とした円の直径力ボルトの山の径よりも小さくなることで、ボルト係合部はボルトの山部に引つかかり、ボルトを支え、抜け止めとして機能するものである。よって、ボルトの山部と係合するとの文言は、ボルトの谷部と係合すると言い換えても、同じ意味となる。 [0012] (2) (1)に記載するボルト抜け落ち防止構造において、前記保持リングの外周が円筒形状で、後端部の直径が前記座孔の内径より大きぐ先端部の直径が前記座孔の内径と同じかまたは小さぐ前記先端部にボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とする。

(3) (1)または（2)に記載するボルト抜け落ち防止構造において、前記ボルト係合部の厚みが前記ボルトのピッチより小さいことを特徴とする。

(4) (1)または（2)または（3)に記載するボルト抜け落ち防止構造において、前記保持リングの材質がフッ素ゴム、又は-トリルゴムであることを特徴とする。

[0013] (5)取付孔に装着されボルトを保持するものであって、前記取付孔に対して外形の形状によって保持され、内部に前記ボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とする。

(6) (5)に記載する保持リングにおいて、前記保持リングの外周が円筒形状で、後端部の直径が前記取付孔の内径より大きぐ先端部の直径が前記取付孔の内径と同じ力または小さぐ前記先端部にボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とする。

(7) (5)または（6)に記載する保持リングにおいて、前記ボルト係合部の厚みが前記ボルトのピッチより小さ、ことを特徴とする。

[0014] (8) (5)または（6)または（7)に記載する保持リングにぉ、て、材質がフッ素ゴム、又は-トリルゴムであることを特徴とする。

(9) (1)乃至 (4)のいずれか 1つに記載されるボルト抜け落ち防止構造において、前記保持リングの前記ボルト係合部の形状が、複数の突起からなり、前記突起の先端部力前記ボルトの山部と係合することを特徴とする。

(10) (5)乃至（8)のいずれか 1つに記載される保持リングにおいて、前記保持リングの前記ボルト係合部の形状が、複数の突起からなり、前記突起の先端部が、前記ボルトの山部と係合することを特徴とする。

発明の効果

[0015] 上記構成を有するボルト抜け落ち防止構造、及び保持リングの作用効果について説明する。本発明のボルト抜け落ち防止構造、及び保持リングにおいては、

(1)ボルトを貫通させるネジ揷通孔が形成された被固定体の、ボルト頭が当接する面と反対側の面に前記ネジ揷通孔より大径の座孔が形成され、前記座孔に対して外形の形状によって保持され、内部に前記ボルトの山部と係合するボルト係合部が形成された保持リングが前記座孔に装着されることにより、前記ボルトの抜け落ちを防止することを特徴とする構造であるので、被固定体の有する座孔に対して保持リングの外形の形状で保持リング自身を保持し、保持リングの有するボルト係合部力ボルトの谷部に入り込んで山部と係合することによりボルトを保持し、ボルトの抜き差しをする際に、座孔カも保持リングが抜け落ちたり回ったりすることがなぐ被固定体を固定するボルトの頭が下に来るような姿勢での取り付けが必要な場合にも、ボルトの抜け落ちが無!、と!/、う優れた効果を奏する。

[0016] (2) (1)に記載するボルト抜け落ち防止構造において、前記保持リングの外周が円筒形状で、後端部の直径が前記座孔の内径より大きぐ先端部の直径が前記座孔の内径と同じかまたは小さぐ前記先端部にボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とする構造であるので、被固定体を固定するボルトの頭が下に来るような姿勢での取り付けが必要な場合にも、ボルトの抜け落ちが無ぐ座孔を設けるといった極めて単純な力卩ェでボルト抜け落ち防止が可能となり、安価に済むという優れた効果を奏する。

(3) (1)または（2)に記載するボルト抜け落ち防止構造において、前記ボルト係合部の厚みが前記ボルトのピッチより小さ、ことを特徴とする構造であるので、必要なボルトの保持力を保ち、かつボルトの抜き差しが容易であり、厚みが薄いことで変形しやすぐボルト谷部に沿ってボルト係合部が嵌り、ボルトの山部と係合するので、ボルトの山部にボルト係合部が当たって保持リングが削れる等の原因によるパーティクルの発生を抑えるという優れた効果を奏する。

[0017] (4) (1)または（2)または（3)に記載するボルト抜け落ち防止構造において、前記保持リングの材質がフッ素ゴム、又は-トリルゴムであることを特徴とする構造であるので、耐熱性に優れ、かつ適度に変形性を持ち、その弾性力により必要なボルト保持力を発生すると!/、う優れた効果を奏する。 (5)取付孔に装着されボルトを保持するものであって、前記取付孔に対して外形の形状によって保持され、内部に前記ボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とする保持リングであるので、装着が容易であり、自身の弾性力で取付孔にフィットするので、ボルトの抜き差しを行う場合にも本体力も外れてしまうといったことがな、と、う優れた効果を奏する。

[0018] (6) (5)に記載する保持リングにおいて、前記保持リングの外周が円筒形状で、後端部の直径が前記取付孔の内径より大きぐ先端部の直径が前記取付孔の内径と同じ力または小さぐ前記先端部にボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とする保持リングであるので、取付孔に対して保持リングの外形の形状で保持リング自身を保持し、ボルト係合部がボルトの谷部に入り込んで山部と係合することによりボルトを保持し、ボルトの抜き差しをする際に、取付孔力保持リングが抜け落ちたり回ったりすることがなぐ被固定体を固定するボルトの頭が下に来るような姿勢での取り付けが必要な場合にも、ボルトの抜け落ちが無いという優れた効果を奏する

(7) (5)または（6)に記載する保持リングにおいて、前記ボルト係合部の厚みが前記ボルトのピッチより小さ、ことを特徴とする保持リングであるので、十分なボルトの保持力を保ち、かつボルトの抜き差しが容易であるという優れた効果を奏する。

(8) (5)または（6)または（7)に記載する保持リングにおいて、材質がフッ素ゴム、又は-トリルゴムであることを特徴とする保持リングであるので、耐熱性に優れ、かつ十分なボルトの保持力を発生すると!/、う優れた効果を奏する。

[0019] (9) (1)乃至 (4)のいずれか 1つに記載されるボルト抜け落ち防止構造において、前記保持リングの前記ボルト係合部の形状が、複数の突起からなり、前記突起の先端部が、前記ボルトの谷部に入り込み、山部と係合することを特徴とするので、ボルトの抜き差しをする際に、座孔カも保持リングが抜け落ちたり回ったりすることがなぐ被固定体を固定するボルトの頭が下に来るような姿勢での取り付けが必要な場合にも、ボルトの抜け落ちが無いという優れた効果を奏する。また、保持リングが、被固定体を固定するボルトを保持する保持力の調整を、ボルト係合部の突起の数を増減することで容易に調整が可能となる。この構造を採用すれば、保持リングを製造する際に保持力の調整を突起の数で調整可能となるので、製造が容易になるという効果を奏する。

(10) (5)乃至（8)のいずれか 1つに記載される保持リングにおいて、前記保持リングの前記ボルト係合部の形状が、複数の突起からなり、前記突起の先端部が、前記ボルトの山部と係合することを特徴とするので、ボルトの抜き差しをする際に、座孔から保持リングが抜け落ちたり回ったりすることがなぐ被固定体を固定するボルトの頭が下に来るような姿勢での取り付けが必要な場合にも、ボルトの抜け落ちが無いという優れた効果を奏する。また、保持リングが、被固定体を固定するボルトを保持する保持力の調整を、ボルト係合部の突起の数を増減することで容易に調整が可能となる。この構造を採用すれば、保持リングを製造する際に保持力の調整を突起の数で調整可能となるので、製造が容易になると、う効果を奏する。

図面の簡単な説明

[図 1]図 1は、ボルト抜け落ち防止機構、及び保持リングの正面部分断面図である。

[図 2A]図 2Aは、ボルト抜け落ち防止機構、及び保持リングの、被固定体のフランジ部分の部分詳細図である。

[図 2B]図 2Bは、ボルト抜け落ち防止機構、及び保持リングの、保持リングの部品図である。

[図 3]図 3は、本発明に係る第 1実施例の保持リングの立体斜視図である。

[図 4]図 4は、本発明に係る第 2実施例の保持リングの立体斜視図である。

[図 5]図 5は、本発明に係る第 3実施例の保持リングの上面視図である。

[図 6]図 6は、本発明に係る第 3実施例の保持リングを被固定体に取り付け、ボルトを差し込んだ状態での、図 5の AOA断面を示す組立断面図である。

[図 7]図 7は、本発明に係る第 4実施例の保持リングの立体斜視図である。

[図 8]図 8は、本発明に係る第 4実施例の保持リングを被固定体に取り付け、ボルトを差し込んだ状態での^ a立断面図である。

[図 9]図 9は、本発明に係る第 5実施例の保持リングの上面視図である。

[図 10]図 10は、本発明に係る第 5実施例の保持リングを被固定体に取り付け、ボルトを差し込んだ状態での立断面図である。圆 11]図 11は、本発明に係る第 6実施例の保持リングの上面視図である。

[図 12]図 12は、ボルト抜け落ち防止機構、及び保持リングに関する特許文献 1の正面断面図である。

圆 13A]図 13Aは、ボルト抜け落ち防止機構、及び保持リングに関する特許文献 2の正面断面図である。

圆 13B]図 13Bは、ボルト抜け落ち防止機構、及び保持リングに関する特許文献 2の部品図である。

圆 13C]図 13Cは、ボルト抜け落ち防止機構、及び保持リングに関する特許文献 2に使用して、るボルトの側面図である。

符号の説明

10 本体固定ボルト

11 取付フランジ咅

12 ネジ揷通孔

12a 座孔

12b 段差面

13 保持リング

13a ボルト係合部

13b 第 2ボルト係合部

Θ 角度

L1 後端部直径

L2 先端部直径

L3 保持リング高さ

L4 座孔深さ

L5 厚み

L6 座孔直径

L7、 L7a、 L7b ボルト係合部内径

P ネジ山ピッチ

発明を実施するための最良の形態 [0022] 本発明に係るボルト抜け落ち防止構造、及び保持リングにっヽて、具体化した形態をあげ、図面に基づいて詳細に説明する。

(第 1実施例）

図 1は本発明に係るボルト抜け落ち防止構造、及び保持リングにおける、正面部分断面図であり、詳しくは、半導体製造装置等に用いるガス集積ユニットのモジュールであり被固定体である開閉弁や流量計、マスフローコントローラ等の取付フランジ部 1 1に複数設けられた取付孔であるネジ揷通孔 12部分の断面図である。この取付孔であるネジ揷通孔 12 (以後、ネジ揷通孔 12と称する）に本体固定ボルト 10を挿通することで、前記モジュールを図示しな!、取付レールゃ流路ブロックに取り付ける。

[0023] 図 2はその部分詳細図、及び部品図である。図 2Aのネジ揷通孔 12は、ガス集積ュニットのモジュールである開閉弁や、マスフローコントローラの取付フランジ部 11に数箇所設けられており、本体固定ボルト 10の頭が当接する面と反対側の面に、ネジ揷通孔 12より大径で座孔深さ L4程度の座孔 12aが形成されている。

図 2Bの保持リング 13は、外周が円筒形状で、後端部直径 L1が座孔 12aの内径より大きぐ先端部直径 L2が座孔 12aの内径と同じか又は小さぐ先端部に本体固定ボルト 10の谷部に入り込み山部と係合するボルト係合部 13aが形成されている。保持リング 13の高さは保持リング高さ L3程度で、座孔深さ L4よりも若干短い程度、外径に関しては、先端部直径 L2より後端部直径 L1を大きくし、角度 Θだけテーパを設けてある。また、保持リング 13のボルト係合部 13aの厚み L5は、ネジ山ピッチ Pよりも薄い。

[0024] 例えば、使用する本体固定ボルト 10を M5のボルトだとすると、後端部直径 L1は φ 7. 7mm、先端部直径 L2は φ 7. 4mm、座孔直径 L6は φ 7. 5mm程度となり、高さも保持リング高さ L3は 3. 7mm、座孔深さ L4は 4mm程度となる。さらに、テーパの角度 Θは約 2° になり、保持リング 13の弾性力によって、座孔 12a内に保持される。本体固定ボルト 10は M5なのでネジ山ピッチ Pは 0. 8mmであり、ボルト係合部 13aの厚み L5は 0. 5mm程度に設定されるので、本体固定ボルト 10の谷部に沿って山部と係合する。なお、試作の結果ボルト係合部 13aの厚み L5は、ネジ山ピッチ Pの 7割以下程度で適当な保持力となったので、ネジ山ピッチ Pの約 63%である 0. 5mmとしている。

また、保持リング 13の材質には弾力性と耐熱性を考慮し、フッ素ゴムを使用している。フッ素ゴムの硬度は変形性及び、座孔 12aでの保持力を考慮し、硬度 70の素材を使用している。なお、弾力性及び耐熱性という意味では、比較的高温まで使用が可能な-トリルゴム (NBR)を用いても良!、。

[0025] これらは図 1に示すように構成されており、保持リング 13は座孔 12a側カゝら圧入され、段差面 12bに接して座孔 12a内に保持される。本体固定ボルト 10がネジ揷通孔 12 に挿入されると、ボルト係合部 13aが本体固定ボルト 10のネジ部の谷の部分に嵌まり込み、抜け止めとなって適度な保持力で本体固定ボルト 10を保持する。本体固定ボルト 10は、座孔深さ L4はそれほど深くないため、本体固定ボルト 10が全ネジタイプでなカゝつたとしても、不完全ネジ部ではなくネジ部の山部で保持される。なお、保持リング 13の外径は先端部直径 L2より後端部直径 L1を大きくし、角度 Θだけテーパを設けてあるので、座孔 12a内に圧入しやすぐかつ抜けにくい。よって、本体固定ボルト 10を抜き差ししても、保持リング 13が動かない程度の保持力を発生している。

[0026] 上記のような構成を有するので、例えば、図示しない被固定体である開閉弁を取付レールの上に取り付ける場合、まず、被固定体の取付フランジ部 11に数箇所空けられたネジ揷通孔 12に、本体固定ボルト 10を、ネジ揷通孔 12に設けられた座孔 12a に保持されてヽる保持リング 13のボルト係合部 13aに達する深さまでそれぞれ差し込み、本体固定ボルト 10の仮固定を行う。その後、取付レールのネジ孔に本体固定ボルト 10が挿入できる位置に開閉弁を保持し、工具等で本体固定ボルト 10を締めこんで開閉弁を取付レールに固定する。

取り外す場合は、開閉弁を片手で保持したまま、各本体固定ボルト 10を緩め、ネジ孔から外れても、保持リング 13のボルト係合部 13aに本体固定ボルト 10のネジ部が保持されているため、本体固定ボルト 10は取付フランジ部 11から脱落する心配がない。

[0027] したがって、このように本体固定ボルト 10の抜け落ちを防止することが可能であるので、被固定体を固定するボルトの頭力横向きや下向きになるような姿勢での取り付けが必要な場合にも、ボルトの抜け落ちが無くなり、作業性が向上する。また、特許文献 1や特許文献 2に開示された方法より必要な加工が単純であるので、安価にボルト抜け落ち防止構造を実現することが可能である。さらに、保持リング 13の材質にフッ素ゴムを使用して、るので耐熱性が高ぐ 120°C程度までヒータによって熱をかける場合がある半導体製造装置等に用いるのにも適している。さらに、本体固定ボルト 10の頭が当接する部分の裏面であり、取付レールゃ流路ブロックとの当接面側に座孔 12aがくるため、凹凸を増やすようなことも無ぐ凹凸にパーティクル等が溜まることを心配する必要も無い。

[0028] さらに、ネジ山ピッチ Pよりもボルト係合部 13aの厚み L5が薄いため、本体固定ボルト 10が適度に保持されて、かつ本体固定ボルト 10の取り外しも容易であり、仮に本体固定ボルト 10を頻繁に交換したとしても、特許文献 1と異なりボルト係合部 13aがネジ山ピッチ Pよりも薄いため、本体固定ボルト 10の谷部に倣って変形し、ボルト係合部 1 3aがボルト山部に削られることも殆ど無ぐクリーンルーム内での使用においてもパーティクル等の発生を最小限に抑えられる。

なお、特許文献 2の板も、本発明に係る保持リング 13同様、ボルト係合部 13aはネジ山ピッチ Pよりも薄く作られているが、本発明に係る保持リング 13のように適度に変形性を持つ部材であるとの記載は無ぐまた、取付方法も本発明に係る保持リング 13 の方が容易であり、特許文献 2のようなスリット 121eや突起部 121cのようなプレート 1 24を取り付けるのに適した部分を必要としないため、コスト的にも優れる。

[0029] (第 2実施例）

次に、本発明の第 2実施例について説明する。

図 3は、第 1実施例の立体斜視図を示しており、図 4は第 2実施例の立体斜視図を示している。

第 2実施例の保持リング 13は、第 1実施例の保持リング 13とほぼ同様の外形をしているが、ボルト係合部 13aの部分の形状が異なっている。第 2実施例のボルト係合部 13aは、単純な円形でなぐ 3箇所に切り欠き部が有り、ボルト係合部 13aと本体固定ボルト 10の接触面積が少なくなつている。即ち、ボルト係合部 13aは 3つの略台形の突起からなり、本体固定ボルト 10の雄ネジ部の谷の径に、略台形の突起の 1辺が接する構造となっている。なお、ボルト係合部 13aの厚み L5は、第 1実施例と同等であり、ネジ山ピッチ Pよりも厚み L5は薄く設定されている。

[0030] 前述したように、図 1に示す通り、保持リング 13は座孔 12a側から圧入され、段差面 12bに接して座孔 12a内に保持される。そして、本体固定ボルト 10がネジ揷通孔 12 に挿入されると、ボルト係合部 13aが本体固定ボルト 10のネジ部の谷の部分に嵌まり込み、抜け止めとなって適度な保持力で本体固定ボルト 10を保持する。

従って、保持リング 13は、座孔 12aの円筒形状面に保持リング 13の外側略円筒形状面が接触することで、両方の面に摩擦力が発生し、座孔 12a内部に保持されることになる。

一方、本体固定ボルト 10は、保持リング 13のボルト係合部 13aが、本体固定ボルト 10のネジ部の谷の部分に嵌り込み、即ち本体固定ボルト 10のネジ部の山の部分に引っ掛力ることで、抜け止めとなる。つまり、ボルト係合部 13aの内径であるボルト係合部内径 L7は、本体固定ボルト 10のネジ部の谷の径よりやや大きぐネジ部の山の径より小さいため、本体固定ボルト 10の谷部にボルト係合部 13aが入り込み、ボルト係合部 13aは本体固定ボルト 10の山部と係合する。

[0031] 第 1実施例の場合でも、第 2実施例の場合でも、本体固定ボルト 10をネジ揷通孔 1 2に挿入する際に、保持リング 13の外側略円筒形状面と座孔 12aが発生する摩擦力力本体固定ボルト 10とボルト係合部 13aの接触部が発生する摩擦力よりも、強い必要がある。つまり、保持リング 13が本体固定ボルト 10を保持する力よりも、保持リング 13が座孔 12aに留まる力のほうが大きい必要がある。

通常は、保持リング 13の外面のほうが、ボルト係合部 13aが本体固定ボルト 10に接触する面積よりも数倍も広くなつているので、問題となる場合は少ないが、仮に、保持リング 13の外側略円筒形状面と座孔 12aが発生する摩擦力が、本体固定ボルト 10とボルト係合部 13aの接触部が発生する摩擦力よりも、弱い場合には、本体固定ボルト 10をネジ揷通孔 12に挿入する際に、保持リング 13が抜けてしまうことが考えられる。特に、本体固定ボルト 10をネジ揷通孔 12に挿入する際に、本体固定ボルト 10を回転させずに挿入する場合には、本体固定ボルト 10のネジ山がボルト係合部 13aに引つかかり、保持リング 13にその力が力かることになる。

本体固定ボルト 10を回転させて保持リング 13に挿入する場合と、本体固定ボルト 1 0を回転させな、で保持リング 13に挿入する場合では、後者のほうが強、力が保持リング 13にかかることは明らかであり、その力が、保持リング 13を座孔 12aから抜こうとする方向に働くので、この際に保持リング 13の外面と座孔 12aの内面が発生する摩擦力が小さいと、保持リング 13が抜け落ちてしまう危険性が高くなる。

[0032] このようなことを避けるために、第 1実施例ではボルト係合部 13aの厚み L5と、ボルト係合部内径 L7を調整することで適度な保持力を発生している。また、保持リング 13 の外径は先端部直径 L2より後端部直径 L1を大きくし、角度 Θだけテーパを設けてあるので、座孔 12a内に圧入しやすぐかつ抜けにくい。よって、本体固定ボルト 10を抜き差ししても、保持リング 13が動かない程度の保持力を発生している。

しカゝしながら、ボルト係合部 13aの厚み L5を調整する場合も、ボルト係合部内径 L7 を調整する場合も、保持リング 13の外側に設けるテーパの角度 Θを大きくする場合も、製作する時点で型等の変更が必要となる。このため、図 4に示す第 2実施例では、ボルト係合部 13aに切り欠きを入れて、保持力を調整可能とした。これによつて、例えば第 1実施例の形状に成形した後に追加工を行い第 2実施例の形状にすることも可能であり、ボルト係合部 13aの突起の数で保持力を調整することが出来るので、本体固定ボルト 10を保持する力の弱い保持リング 13を作ることが容易になる。

[0033] (第 3実施例）

次に、本発明の第 3実施例について説明する。

図 5は、第 3実施例の上面図を示しており、図 6は、第 3実施例の断面図を示している。

第 3実施例では、第 1実施例の保持リング 13とほぼ同様の略円筒状の外形をしているが、本体固定ボルト 10を保持するための部材であるボルト係合部 13aは、第 2実施例のボルト係合部 13aと異なり、本体固定ボルト 10のボルトのピッチよりも厚み L5 の幅が広く取ってある。第 3実施例ではボルト係合部 13aの厚み L5は、本体固定ボルト 10のピッチの 2倍以上としている。

ボルト係合部 13aの形状は、単純な円形でなぐ 3箇所に切り欠き部が有り、ボルト係合部 13aと本体固定ボルト 10の接触面積が少なくなつている。即ち、ボルト係合部 13aは 3つの略台形の突起からなり、本体固定ボルト 10の雄ネジ部の谷の径に、略台形の突起の 1辺が接する構造となっており、第 2実施例と似たような形となっている保持リング 13の取り付け方法については、第 1実施例、第 2実施例と同様である。

[0034] 一見、この第 3実施例は、本体固定ボルト 10の谷部にボルト係合部 13aが入り込んで係合するのでなぐ本体固定ボルト 10の山部をボルト係合部 13aが押さえるように係合するため、第 1実施例、及び第 2実施例とは、逆の思想のようにも思える。

し力しながら、結局、第 1実施例及び第 2実施例においても、本体固定ボルト 10を保持するためには、本体固定ボルト 10の山部が保持リング 13のボルト係合部 13aに引っ掛かれば良い。即ち、必ずしも本体固定ボルト 10の谷部にぴったりとボルト係合部 13aと嚙み合わなくても、その機能は発揮されるはずである。

事実、第 1実施例のボルト係合部 13aの先端は矩形であっても、本体固定ボルト 10 の谷部にピッタリと沿う形状であっても、本体固定ボルト 10の谷部にボルト係合部 13 aが入り込むことで、その機能が発揮されることを出願人は確認している。そして、保持リング 13を製作する上では、ボルト係合部 13aの先端が矩形であるほうが都合は良い。

[0035] 第 3実施例はこの考えを拡張したものであり、ボルト係合部 13aは本体固定ボルト 1 0の山部と係合することで、本体固定ボルト 10を保持する。即ち、ボルト係合部 13aの座孔直径 L6は本体固定ボルト 10の山の径よりも若干小さめに作られており、本体固定ボルト 10を差し込むことでボルト係合部 13aが本体固定ボルト 10の山部に押され、弾性変形をして、本体固定ボルト 10を内側に押圧する力が発生するとともに、本体固定ボルト 10の谷部には、本体固定ボルト 10のボルト係合部 13aが若干入り込む形となる。こうすること〖こより、本体固定ボルト 10を、第 1実施例及び第 2実施例よりも強い力で保持することが可能になる。

[0036] このことは即ち、本体固定ボルト 10の山部とボルト係合部 13aが係合することによつて、本体固定ボルト 10を保持することに他ならない。言い換えれば本体固定ボルト 1 0の谷部ともボルト係合部 13aは係合して、るとも、える。

このように、第 2実施例とは違い、第 1実施例よりもさらに強い本体固定ボルト 10を保持する力を発生させたい場合には、第 3実施例に係る発明は有効である。また、本体固定ボルト 10の山部 2ピッチ分で、保持リング 13のボルト係合部 13aが本体固定ボルト 10を保持するため、第 1実施例や第 2実施例よりもボルト係合部 13a の内径を大きくして作る、即ち、ボルト係合部 13aが本体固定ボルト 10の谷部に入り込む量を少なくし、第 1実施例や第 2実施例と同等の保持力を発生することが可能である。したがって、ボルト係合部 13aの本体固定ボルト 10の谷部への入り込みを小さくでき、パーティクルの発生を抑制することが期待できる。

[0037] (第 4実施例）

図 7は、第 4実施例の、ネジ保持リングの立体斜視図である。また、図 8は、第 4実施例の、ネジ保持リングを穴に挿入した状態の上面視図である。

第 4実施例の保持リング 13は、外形が立方体形状であり、ボルト係合部 13aの形状は、第 2実施例と同様に、 3箇所に切り欠き部が有り、ボルト係合部 13aと本体固定ボルト 10の接触面積が少なくなつている。即ち、ボルト係合部 13aは 3つの略台形の突起からなり、本体固定ボルト 10の雄ネジ部の谷の径に、略台形の突起の 1辺が接する構造となっている。

なお、外形については、下面が上面より面積の広い、台形形状であっても良い。

[0038] 第 4実施例においては、図 8に示すように、取付フランジ部 11に設けたネジ揷通孔 12は丸穴であり、それに対して保持リング 13の外形が矩形であるので、保持リング 1 3が座孔 12aに挿入されることで、保持リング 13の角が潰されて、その復元力で保持リング 13が座孔 12aから抜け落ちな、ように支えると、う特徴を持って、る。

このような構成にすることで、保持リング 13を座孔 12aにしつ力りと係合させた上で、保持リング 13を座孔 12aから抜き出す場合に、座孔 12aと保持リング 13との間に空間があることによって抜きやすくなるといった特徴がある。

また、このように座孔 12aが丸穴なのに対し、保持リング 13の外形が矩形である場合、保持リング 13の角が潰れて座孔 12aに入り込めばよいので、ある程度の寸法差を許容することになる。つまり、座孔 12aの大きさが規格よりも若干大き力つたり小さかつたりした場合でも、保持リング 13の外形が円筒形である場合よりも、保持リング 13を座孔 12aの内部に入れやすくなる。これは、空いた空間に潰れた部分が逃げるためである。 [0039] (第 5実施例）

図 9は第 5実施例の、ネジ保持リングの上面視図である。また、図 10は、第 5実施例の、取付フランジ部 11に本体固定ボルト 10と保持リング 13を取り付けた状態の断面図である。

第 5実施例では、保持リング 13がボルト係合部 13aと、第 2ボルト係合部 13bの 2つのボルト係合部を持つことを特徴として!、る。ボルト係合部 13aは M5のボルトと係合するように、ボルト係合部内径 L7aが決定されており、第 2ボルト係合部 13bは、 M4 のボルトと係合するように、ボルト係合部内径 L7bが決定されている。なお、ボルト係合部 13a及び第 2ボルト係合部 13bの厚み L5は、第 1実施例と同様に、本体固定ボルト 10のネジ山ピッチ Pよりも小さくしてある。

このようにすることで、実際の機器でよく使われる M4サイズの本体固定ボルト 10と、 M5サイズの本体固定ボルト 10を共用することが可能になる。これによつて、部品点数を減らせるとヽつた効果がある。

[0040] (第 6実施例）

図 11は第 6実施例の、ネジ保持リングの上面視図である。

第 6実施例では、第 5実施例と同様の考えに基づくもので、ボルト係合部 13aの形状力保持リング 13に十字の切込みを入れた形になっている。即ち、本体固定ボルト 10を保持リング 13に挿入した際に、ボルト係合部 13aを押し広げる形で本体固定ボルト 10は保持リング 13内に挿入される。保持リング 13はフッ素ゴム、又は-トリルゴムなどの弾性体で出来ているので、復元力が働いて、内側にある本体固定ボルト 10を押す力を発生する。このことで、本体固定ボルト 10を保持するのである。

この構造であれば、ボルト係合部 13aの形状は本体固定ボルト 10のサイズに依存しないで良いので、数種類の本体固定ボルト 10で保持リング 13の共用が可能であるし、例えばインチサイズの本体固定ボルト 10や、細目の本体固定ボルト 10であっても対応できるというメリットがある。

[0041] 以上、本発明の実施の形態について説明した力本発明は、上記実施の形態に限定されることなぐ色々な応用が可能である。例えば、必要に応じて座孔の形状を楕円や多角形にし、保持リングの外形もそれに応じて形を変えることで、座孔に対する保持リング自体の保持力を高めたり、保持リングのみ一部を切り欠いた形状にして取付性を容易にしたり、ボルト係合部の位置を保持リングの高さ方向に移動させることで保持リングの変形具合を調整したりすることを妨げない。

また、ボルト係合部の位置は自由に移動可能であるし、その形状も、三角や四角、曲線状でも良い。保持リングの外側円筒形状部と、座孔が有する摩擦力よりも弱い力でボルト係合部の谷部と係合する形状であれば、その機能は果たす力である。

Claims

請求の範囲

[1] ボルトを貫通させるネジ揷通孔が形成された被固定体の、ボルト頭が当接する面と反対側の面に前記ネジ揷通孔より大径の座孔が形成され、

前記座孔に対して外形の形状によって保持され、内部に前記ボルトの山部と係合するボルト係合部が形成された保持リングが前記座孔に装着されることにより、前記ボルトの抜け落ちを防止することを特徴とするボルト抜け落ち防止構造。

[2] 請求項 1に記載するボルト抜け落ち防止構造にぉ、て、

前記保持リングの外周が円筒形状で、後端部の直径が前記座孔の内径より大きぐ先端部の直径が前記座孔の内径と同じ力または小さぐ前記先端部にボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とするボルト抜け落ち防止構造。

[3] 請求項 1または請求項 2に記載するボルト抜け落ち防止構造にぉ、て、

前記ボルト係合部の厚みが前記ボルトのピッチより小さいことを特徴とするボルト抜け落ち防止構造。

[4] 請求項 1または請求項 2または請求項 3に記載するボルト抜け落ち防止構造にぉ、て、

前記保持リングの材質がフッ素ゴム、又は-トリルゴムであることを特徴とするボルト抜け防止構造。

[5] 取付孔に装着されボルトを保持するものであって、

前記取付孔に対して外形の形状によって保持され、内部に前記ボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とする保持リング。

[6] 請求項 5に記載する保持リングにおいて、

前記保持リングの外周が円筒形状で、後端部の直径が前記取付孔の内径より大きぐ先端部の直径が前記取付孔の内径と同じ力または小さぐ前記先端部にボルトの山部と係合するボルト係合部が形成されたことを特徴とする保持リング。

[7] 請求項 5または請求項 6に記載する保持リングにぉ、て、

前記ボルト係合部の厚みが前記ボルトのピッチより小さいことを特徴とする保持リング。

[8] 請求項 5または請求項 6または請求項 7に記載する保持リングにぉ、て、材質がフッ素ゴム、又は-トリルゴムであることを特徴とする保持リング。

[9] 請求項 1乃至請求項 4のいずれか 1つに記載されるボルト抜け落ち防止構造において、

前記保持リングの前記ボルト係合部の形状が、複数の突起からなり、前記突起の先端部が、前記ボルトの山部と係合することを特徴とするボルト抜け落ち防止構造。

[10] 請求項 5乃至請求項 8のいずれか 1つに記載される保持リングにおいて、

前記保持リングの前記ボルト係合部の形状が、複数の突起からなり、前記突起の先端部が、前記ボルトの山部と係合することを特徴とする保持リング。