JP2020020367A - ブラインドボルト - Google Patents

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武田 淳
Atsushi Takeda
淳 武田
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Abstract

【課題】締結後に振動などにより緩み、ボルトが脱落することがない片側施工用のブラインドボルトを提供する。【解決手段】ボルト部とナット部とを組み立てることにより構成されるブラインドボルトであって、前記ナット部は、前記ボルト部により塑性加工で雌ねじを成形することが可能な内径を有する雌ねじ成形部と、前記雌ねじ成形部に隣接する中空の管状部とを有し、前記ボルト部は、雌ねじ塑性加工部と、前記雌ねじ塑性加工部から延びた先端部とを有し、前記ボルト部が、前記ナット部に挿入されて前記雌ねじ成形部において塑性変形により前記ナット部と勘合する勘合状態を形成するようになっており、前記勘合状態において、前記先端部は前記雌ねじ成形部の外に出ていて、前記雌ねじ成形部の内径は、前記先端部の外径より小さくなっている、ブラインドボルトにより、上記課題を解決する。【選択図】図6

Description

本発明は、ブラインドボルトに関する。特に、ボルト部材とナット部材とを組み立てることにより構成されるブラインドボルトに関する。
従来、ボルトとナットを組み合わせ、ボルトをナットにねじ込むことによって、ナットの一部を座屈させてバルブ形状に塑性変形させる片側施工用ボルトが存在する。
特許文献1は、ナットの一部を座屈させてバルブ形状に塑性変形させることに関するものであるが、ボルトがMねじのため、締結後に振動などにより緩み、しまいにはボルトが脱落する可能性があった。
緩み止め機能を有するナットで緩み防止効果を狙った製品もあるが、その場合、部品点数が増えてしまう。
また、特許文献2は、ねじ切り用ネジであるボルトをブラインドリベットであるナットに勘合させて、ナットの一部を座屈させてバルブ形状に塑性変形させることに関するものであるが、たとえ緩み防止機能があったとしてもボルトが絶対に脱落しないという保障はできない。
特開平2−158463号公報 特開平4‐302706号公報
したがって、締結後に振動などにより緩み、ボルトが脱落することがない緩み防止機能と脱落防止機能を併せ持った片側施工用のブラインドボルトを提供することが望ましい。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、以下のような特徴を有するものである。すなわち、本発明の1つの特徴によれば、ボルト部とナット部とを組み立てることにより構成されるブラインドボルトであって、前記ボルト部は、雌ねじ塑性加工部と、前記雌ねじ塑性加工部から延びた先端部とを有し、前記ナット部は、前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部の螺入による塑性加工で雌ねじが成形される中空の雌ねじ成形部と、前記雌ねじ成形部に隣接する中空の管状部と、前記管状部に隣接し前記雌ねじ成形部とは反対側に形成された開口付きのフランジとを有し、前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部が、前記ナット部の前記雌ねじ成形部に螺入され、前記ボルト部と前記ナット部とが勘合した勘合状態が形成されるようになっており、前記勘合状態において、前記先端部は前記雌ねじ成形部の外に出ていて、前記雌ねじ成形部の内径は、前記先端部の外径より小さくなっている、ブラインドボルトが提供される。
本発明において、前記ナット部の前記雌ねじ成形部の雌ねじが成形される前の内径は、前記ボルト部の前記先端部の外径より大きくなるように構成することができる。
本発明において、前記管状部の内径は、前記雌ねじ成形部の内径より大きく形成されており、前記管状部は、前記雌ねじ成形部より肉厚を薄くすることができる。
本発明において、前記ナット部は、前記ボルト部より軟質の材料であり、塑性加工で雌ねじを成形することができる。
本発明において、前記管状部は、前記フランジに隣接する円筒形のストレート部と、前記ストレート部から前記雌ねじ成形部に向かって次第に細くなるテーパ部とを有し、前記ストレート部と、前記テーパ部とは、同じ肉厚とすることもできる。なお、前記管状部は、前記ストレート部のみからなるように構成し、テーパ部はなくてもよい。
本発明において、前記勘合状態において、前記ボルト部の頭部が前記ナット部の前記フランジに当接するように構成することができる。
本発明において、前記勘合状態から更にボルト部を螺合した状態において、前記管状部の一部を拡径するように塑性変形して出来た拡径部と前記フランジとの間に被取付部材と取付部材とを挟持して取り付けるように構成することができる。
また、本発明の別の特徴によれば、ボルト部とナット部とを組み立てることにより構成されるブラインドボルトによる取付部材を被取付部材に取り付ける方法であって、
前記ボルト部は、頭部と、前記頭部から延びた雌ねじ塑性加工部と、前記雌ねじ塑性加工部から延びた先端部とを有し、
前記ナット部は、前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部の螺入による塑性加工で雌ねじが成形される中空の雌ねじ成形部と、前記雌ねじ成形部に隣接する中空の管状部と、前記管状部に隣接し前記雌ねじ成形部とは反対側に形成された開口付きのフランジとを有し、
前記方法は、
前記ボルト部を前記ナット部に前記フランジ側から前記ボルト部の前記頭部が前記ナット部の前記フランジに当接するまで螺入して、前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部が前記ナット部の前記雌ねじ成形部に塑性加工により雌ねじを成形し、前記ボルト部と前記ナット部とが勘合する勘合状態を形成するステップを有し、
前記勘合状態において、前記雌ねじ成形部の内径は、前記先端部の外径より小さくなっており、
前記取付部材の取付孔を前記被取付部材の取付孔の位置に合わせて重ね、前記取付部材の取付孔と前記被取付部材の取付孔に前記ブラインドボルトを前記先端部から前記フランジが当接するまで挿入するステップを有し、
前記勘合状態から更にボルト部を螺合させることにより、前記管状部の一部を拡径するように塑性変形させ、変形した拡径部と前記フランジとの間に被取付部材と取付部材を把持して被取付部材を取付部材に取付けるステップを有する
方法が提供される。
本発明は、前記勘合状態において、前記ボルト部の頭部が前記ナット部の前記フランジに当接しており、
前記取付けるステップは、前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部が前記ナット部の前記雌ねじ成形部を更にねじを締める方向に回転させることにより、前記管状部の一部を拡径させるように構成することもできる。
本発明によれば、締結後に振動などにより緩み、ボルトが脱落することがない緩み防止機能と脱落防止機能を併せ持った片側施工用のブラインドボルトを提供することができる。
本発明の第1の実施形態によるブラインドボルトの正面図である。 図1のボルト部の正面図である。 図1のナット部の正面図である。 図1のブラインドボルトの左側面図である。 図1のブラインドボルトの右側面図である。 図4のブラインドボルトのA−A線に沿った断面図である。 図2のボルト部を図3のナット部に挿入する様子を示した断面図である。 ボルトの種類として、フォーミングスクリューとMねじを採用した場合それぞれについて、ナットに対する緩みの程度を評価した結果を示している。 図7の評価「ISO 16130(b)」について説明したものである。 図1のブラインドボルトを取付孔にセットし、被取付部材に取付部材を締結した状態の断面図である。
[ブラインドボルトの概要]
図1は、本発明の一実施形態によるブラインドボルト20の正面図である。図2は、図1のブラインドボルト20のうちのボルト部10の正面図である。図3は、図1のブラインドボルト20のうちのナット部11の正面図である。
図1のブラインドボルト20は、図2のボルト部10が図3のナット部11に挿入された状態を示すものであり、一実施形態では、このようにボルト部10とナット部11とを組み立てたブラインドボルト20で被取付部材は取付部材に取り付けされる。
図4は、図1のブラインドボルト20の左側面図である。図5は、図1のブラインドボルトの右側面図である。図6は、図4のブラインドボルト20のA−A線に沿った断面図である。
図7は、ボルト部10をナット部11に挿入する様子を示した図である。ボルト部10とナット部11を組み立てることにより、図1の本発明の一実施形態によるブラインドボルト20となる。
ブラインドボルト20は、ボルト部10とナット部11とからなり、全体として中心軸の周りに軸対称で円筒形である。
ボルト部10は、塑性加工で雌ねじを成形する雄ねじ(フォーミングスクリュー)であり、ボルト部10とナット部11は、ナット部11がボルト部10により塑性加工されることにより勘合するように構成されている。この点、ナット部11は、一端部に中空の雌ねじ成形部30を有する。雌ねじ成形部30は、ボルト部10が挿入されていない状態では、その内面が一定の径を有する円筒形となっている。雌ねじ成形部30のねじ成形は、ボルト部10がナット部分11の雌ねじ成形部30の内面を塑性加工することにより生じる。
ナット部11は、雌ねじ成形部30に隣接して、中空の管状部21を有する。管状部21は、雌ねじ成形部30に隣接するテーパ部22と、テーパ部22に隣接する円筒形のストレート部23とからなる。テーパ部22は、雌ねじ成形部30より薄い一定の肉厚で、ナットのフランジ側へ向かうに従って徐々に外径と内径が大きくなる。テーパ部22に隣接するストレート部23は、テーパ部22と同じ一定の肉厚で、円筒形である。
このように、テーパ部22とストレート部23とは同じ肉厚であることが好ましい。なお、管状部21は、ストレート部23のみからなるように構成し、テーパ部22はなくてもよいが、上述の通りテーパ部22とストレート部23を構成すると、後述するように、ストレート部23の部分が被取付部材に取り付けられる際に、テーパ部22とストレート部23との境界部の上下で同じように拡径するようになる。
ナット部11は、ストレート部23に隣接して雌ねじ成形部30の反対側にフランジ24を有する。フランジ24の外径は、ストレート部23の外径より大きく、取付部材の取付孔の内径より大きい。
ナット部11は、フランジ24側の端部から雌ねじ成形部30側の端部まで貫通孔26が形成されている。フランジ24側の端部からストレート部23まで貫通孔26の内径は一定であり、テーパ部22では雌ねじ成形部30に向かって内径が徐々に小さくなる。雌ねじ成形部30は内径が更に小さく一定となっている。ストレート部23の外径は一定で、テーパ部22の外径は雌ねじ成形部30に向かって徐々に小さくなる。
ナット部11は、管状部21を座屈させ拡径して締結するので、塑性変形可能な比較的柔らかな金属で形成される。ナット部11は、ボルト部10より軟質の材料で形成され得る。
ボルト部10は、先端部40と、先端部40に隣接するテーパ状雌ねじ塑性加工部50と、テーパ状雌ねじ塑性加工部50に対して先端部40の反対側に隣接するストレート雌ねじ塑性加工部52と、頭部54を有している。先端部40は、後述するように、ボルト部10がナット部11から脱落するのを防止するための機構である。先端部40は、ナット部11の勘合前の雌ねじ成形部30の内径への挿入後に、ボルト部10の螺入による塑性加工でねじ成形を開始するまでにボルト10の姿勢を維持する案内機能を有している。先端部40は、ボルト10がナット部11の勘合前の雌ねじ成形部30の内径への挿入を容易にするため、また、取付部材の取付孔への挿入を容易にするため、望ましくはテーパ形状部41を有している。テーパ形状部41を有することにより、ボルト部10の先端部40がナット部11の勘合前の雌ねじ成形部30の内径への挿入に際して多少傾斜した状態で行われたとしても、先端部40の案内を容易にするという効果がある。先端部40は、テーパ形状部41の代わりに半球形状とし、先端部40のナット部11への挿入をスムーズにするように構成してもよい。テーパ状雌ねじ塑性加工部50は、先端部40から離れる方向に雄ねじ外径が徐々に大きくなるように構成されており、ストレート雌ねじ塑性加工部52との境界においてストレート雌ねじ塑性加工部52の雄ねじ外径と同じ外径となるように構成されている。テーパ状雌ねじ塑性加工部50をこのような構成とすることにより、ストレート雌ねじ塑性加工部52によるねじ成形への誘導をスムーズにするようになっている。頭部54の外径は、ナット部11のフランジ24の内径より大きく形成されており、また、頭部54の形状は、六角頭でもキャップヘッドでもボタンヘッドでも良い。
[ボルト部10のナット部11からの脱落防止機構]
先端部40の最大径は、雌ねじ成形部30が成形される前の内径より小さくなっており、先端部40は、雌ねじ成形部30に挿入することができる。先端部40が雌ねじ成形部30に挿入された後、テーパ状雌ねじ塑性加工部50が雌ねじ成形部30に挿入され始めると、テーパ状雌ねじ塑性加工部50は、徐々に、雌ねじ成形部30の内径を螺入による塑性加工でねじ成形しながら進む。テーパ状雌ねじ塑性加工部50は、テーパ状になっているため、ねじ成形がスムーズに進むようになっている。その後、ストレート雌ねじ塑性加工部52が、徐々に、雌ねじ成形部30の内径を螺入による塑性加工でねじ成形しながら進み、ストレート雌ねじ塑性加工部52が雌ねじ成形部30のねじ成形された雌ねじの内径に勘合し、ボルト部10の頭部54がナット部11のフランジ24に当接した状態となるとボルト部10とナット部11が完全に結合され勘合状態となる。
ストレート雌ねじ塑性加工部52が雌ねじ成形部30の内径に勘合した状態では、雌ねじ成形部30の内側表面は、ねじ成形により成形された内径(山の径)を有することになる。雌ねじ成形部30のねじ成形後のこの内径は、勘合前のねじ成形されていない状態の雌ねじ成形部30の内径より小さくなっている。ここで、本発明は、先端部40の最大径は、勘合前後の雌ねじ成形部30の内径と以下の関係を利用するものである。
勘合前の雌ねじ成形部30の内径>先端部40の最大径>雌ねじ成形部30のねじ成形後の内径
すなわち、上記の関係により、ストレート雌ねじ塑性加工部52が雌ねじ成形部30の内径に勘合した後は、先端部40は、雌ねじ成形部30を抜け出て雌ねじ成形部30の外側に出ており、仮に、その勘合部分が緩んできたとしても、先端部40の最大径が、雌ねじ成形部30の内径に引っかかることになり、ボルト部10がナット部11から脱落することはない。
このように、本発明では、ボルト部10がナット部11に対して緩みにくくするために、ボルト部10として塑性加工で雌ねじを成形する雄ねじであるフォーミングスクリューを用いている。そして、更に、仮にボルト10が緩んだとしても、ねじ成形後には、ボルト部10がナット部11から脱落しない構成となっている。
この点、ボルト部10を被取付部材に対して直接的にねじ成形する構成も考えられるが、このような構成は、被取付部材が薄い場合や硬度の高い場合には利用することは難しい。本発明では、その点を考慮して、ボルト部10を塑性変形可能な比較的柔らかな金属であるナット部11に勘合することによりボルトとナットを一体化して、ボルトのナットからの脱落防止を確実にした状態で、後述の通り、取付部材を被取付部材に取り付けるように構成したことに1つの特徴を有する。
[緩み防止効果の評価テスト]
図8は、ボルトの種類として、フォーミングスクリューとMねじを採用した場合それぞれについて、ナットに対する緩みの程度を評価した結果を示したものである。
図9は、図8の評価法「ISO 16130(b)」について説明したものである。図8の振動試験後の残留軸力(F/FM%)について、Fは残留軸力を示しており、また、FMは初期負荷軸力を示しており、相対的軸力消失率(Y%)について、Y=(FM-F)*100である。
本発明は、ボルトとナットを一体化したブラインドボルトであり、ボルトがナットから緩むことにより脱落することがないようにした点に1つの特徴を有するものであり、ボルトとしてMねじではなくフォーミングスクリューを採用することによって実現されるものである。この点、図8の右端の本評価結果により示される通り、Mねじでは、「3:セルフロック機能が乏しい」という評価である一方で、フォーミングスクリューでは、「2:許容範囲内の軸力喪失」という評価である(評価の説明については図9参照)。
したがって、フォーミングスクリューによれば、ボルトのナットに対する緩みは許容されるレベルであることになるが、フォーミングスクリューでは、「1:ロック機能良好」のレベルには達していない。
本発明によれば、フォーミングスクリューを採用した上で、更に、ボルトがナットから脱落することを防止するための構造を有しており、本発明のボルトとナットの構造は、少ない部品点数でもMねじ構造の締結よりは緩みにくく、片側施工用のブラインドボルトとしての施工性を損なわないものである。
[取付動作]
図10を参照して、被取付部材70に取付部材71を締結するためにブラインドボルト20を取付ける動作を説明する。
図10は、板状の被取付部材70の取付孔72と取付部材71の取付孔73にブラインドボルト20をセットし、締結した様子の断面を示している。
ブラインドボルト20は、取付部材71の取付孔73に、先端部40から挿入され、フランジ24が取付部材71に当接する。ボルト部10の頭部54を、ナット部11のフランジ24に当接させ、フランジ24が回転しないように支持した状態で、ボルト部10のストレート雌ねじ塑性加工部52を回転させる。このとき、ボルト部10の頭部54は、ナット部11のフランジ24を図の右向きに押して支持し、ストレート雌ねじ塑性加工部52の雌ねじ成形部30と勘合している部分は、雌ねじ成形部30をフランジ24側へ引きつける。
このとき、ストレート部23における被取付部材70の取付孔72ならびに取付部材71の取付孔73の中にある部分は、取付孔72ならびに取付孔73により外径を規制されるので、取付孔72ならびに取付孔73の内径より大きくは拡径することができない。
一方、管状部21は、ストレート部23とテーパ部22の境界が変形しやすいので、ここから拡径していく。
ストレート部23は、被取付部材70の取付孔72ならびに取付部材71の取付孔73の中にない部分が拡径する。ストレート部23とテーパ部22との塑性変形が進み、塑性変形した部分は拡径部80となって、拡径部80とフランジ24との間に被取付部材70と取付部材71が挟まれて固定される。
ストレート部23とテーパ部22とを有するナット部11を用いると、テーパ部22とストレート部23との境界部から拡径するように塑性変形する。境界部は、被取付部材の表面より先端部40側にあるので、拡径部80は十分大きな外径となるように拡径し、座屈浮きが生じにくい。ストレート部23とテーパ部22があると、拡径の開始位置が決まり、取付部材71を被取付部材70に確実に固定することができる。
本発明に係る片側施工用のブラインドボルトは、ボルトとナットを結合した上で取付部材を被取付部材に取り付けるものであり、薄い締結材や硬度の高い締結材、奥行のない施工に対して有用であり、また、ボルトのナットに対する脱落防止機能を併せ持つものである。
本発明に係る片側施工用のブラインドボルトは、上述の通り、ボルトをフォーミングスクリューとした上で特有の外径を有する先端部を有している。ボルトをフォーミングスクリューとしただけでは、ボルトがナットに対してなお緩んでしまうという危険性は存在するが、本発明によれば、仮にボルトがナットに対して緩んでしまったとしても、塑性加工により成形されたナットの内径によりボルトの先端部が脱落することはないようになっている。
また、ボルトの先端部により脱落防止が確実になることから、片側施工用として取付面の反対側に奥行がない場合の施工にも有効である。
以上のように、本発明に係るブラインドボルトの実施の一形態及び実施例について説明してきたが、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、これに種々の変更を加え得るものであることは容易に理解される。そして、それらが特許請求の範囲の各請求項に記載した事項、及びそれと均等な事項の範囲内にある限り、当然に本発明の技術的範囲に含まれる。上記の実施例は、対象物に対する影及び対象物が段差を有する場合に対してのものであったが、これはあくまでも一例であり、本発明がこの特定の具体例に限定されるものではない。
10 ボルト部
11 ナット部
20 ブラインドボルト
21 管状部
22 テーパ部
23 ストレート部
24 フランジ
26 貫通孔
30 雌ねじ成形部
40 先端部
41 テーパ形状部
50 テーパ状雌ねじ塑性加工部
52 ストレート雌ねじ塑性加工部
54 頭部
70 被取付部材
71 取付部材
72 取付孔
73 取付孔
80 拡径部

Claims (8)

  1. ボルト部とナット部とを組み立てることにより構成されるブラインドボルトであって、
    前記ボルト部は、雌ねじ塑性加工部と、前記雌ねじ塑性加工部から延びた先端部とを有し、
    前記ナット部は、前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部の螺入による塑性加工で雌ねじが成形される中空の雌ねじ成形部と、前記雌ねじ成形部に隣接する中空の管状部と、前記管状部に隣接し前記雌ねじ成形部とは反対側に形成された開口付きのフランジとを有し、
    前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部が、前記ナット部の前記雌ねじ成形部に螺入され、前記ボルト部と前記ナット部とが勘合した勘合状態が形成されるようになっており、
    前記勘合状態において、前記先端部は前記雌ねじ成形部の外に出ていて、前記雌ねじ成形部の内径は、前記先端部の外径より小さくなっている、
    ブラインドボルト。
  2. 前記ナット部の前記雌ねじ成形部の雌ねじが成形される前の内径は、前記ボルト部の前記先端部の外径より大きくなっている、請求項1に記載のブラインドボルト。
  3. 前記管状部の内径は、前記雌ねじ成形部の内径より大きく形成されており、前記管状部は、前記雌ねじ成形部より肉厚が薄い、請求項1又は2に記載のブラインドボルト。
  4. 前記ナット部は、前記ボルト部より軟質の材料で形成されている、請求項1から3のいずれか1つに記載のブラインドボルト。
  5. 前記管状部は、前記フランジに隣接する円筒形のストレート部と、前記ストレート部から前記雌ねじ成形部に向かって次第に細くなるテーパ部とを有し、前記ストレート部と、前記テーパ部とは、同じ肉厚である、請求項1から4のいずれか1つに記載のブラインドボルト。
  6. 前記勘合状態において、前記ボルト部の頭部が前記ナット部の前記フランジに当接している請求項1から5のいずれか1つに記載のブラインドボルト。
  7. 前記勘合状態から更に前記ボルト部を螺合した状態において、前記管状部の一部を拡径するように塑性変形して出来た拡径部と前記フランジとの間に被取付部材と取付部材とを挟持して取り付けるように構成される請求項1から6のいずれか1つに記載のブラインドボルト。
  8. ボルト部とナット部とを組み立てることにより構成されるブラインドボルトによる取付部材を被取付部材に取り付ける方法であって、
    前記ボルト部は、頭部と、前記頭部から延びた雌ねじ塑性加工部と、前記雌ねじ塑性加工部から延びた先端部とを有し、
    前記ナット部は、前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部の螺入による塑性加工で雌ねじが成形される中空の雌ねじ成形部と、前記雌ねじ成形部に隣接する中空の管状部と、前記管状部に隣接し前記雌ねじ成形部とは反対側に形成された開口付きのフランジとを有し、
    前記方法は、
    前記ボルト部を前記ナット部に前記フランジ側から前記ボルト部の前記頭部が前記ナット部の前記フランジに当接するまで螺入して、前記ボルト部の前記雌ねじ塑性加工部が前記ナット部の前記雌ねじ成形部に塑性加工により雌ねじを成形し、前記ボルト部と前記ナット部とが勘合する勘合状態を形成するステップを有し、
    前記勘合状態において、前記雌ねじ成形部の内径は、前記先端部の外径より小さくなっており、
    前記取付部材の取付孔を前記被取付部材の取付孔の位置に合わせて重ね、前記取付部材の取付孔と前記被取付部材の取付孔に前記ブラインドボルトを前記先端部から前記フランジが当接するまで挿入するステップを有し、
    前記勘合状態から更にボルト部を螺合させることにより、前記管状部の一部を拡径するように塑性変形させ、変形した拡径部と前記フランジとの間に被取付部材と取付部材を把持して被取付部材を取付部材に取付けるステップを有する、
    方法。
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CN111963541A (zh) * 2020-08-19 2020-11-20 中国航空工业集团公司沈阳飞机设计研究所 一种飞机结构连接组件
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