JP4308569B2 - ブラインドボルト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部や裏側に手が届かない部材に他の部材を締結する場合に片側からの操作によって締結できるブラインドボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から壁の内側等のように手が入れられない場所や部材に他の部材を締結する場合にブラインドボルトが用いられている。例えば、特開2000−154810号公報には、片側面からピンを打ち込んで固定し、固定後の増し締めを可能にすることを目的とする抜け止め機能付きボルトが記載されている(特許文献1)。この抜け止め機能付きボルトは、ナットがねじ嵌合されるおねじロッドの軸心に中心孔が穿設されており、このおねじロッドの端部に中心孔に至るスリット状の「割り」が形成され、この割りの部分が前記中心孔に強制的に嵌入されるピンによって拡開可能とされている。そして、そのピンの嵌入により拡開された拡開部とナットとの間で部材を締結するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−154810号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−154810号公報に記載された抜け止め機能付きボルトでは、ピンを中心孔に嵌入すると、ピンの先端部は分割された分割片の角部に当接する。そのため、ピンを打ち込んで、おねじロッドの中心孔に進入させると、ピンが分割片の中心側の角部を潰しながら軸線方向に進むことになる。したがって、ピンの打ち込み抵抗が大きいという問題がある。
【0005】
また、上記従来の抜け止め機能付きボルトでは、割り部の端部が締結物の裏側でテーパ状に拡開変形し、この拡開した変形部の外周面が締結物の下穴に摺接して、この摩擦力によってロッドの抜けを防止している。しかし、その拡開変形部によって締結物に引っ掛かる部分は、非常に限定的で小さい。このため、軸方向に引張力が作用すると、ロッドが軸方向に移動し易く、締め付けが緩んでしまうおそれがある。このような緩みを防止するために、拡開変形部をより大きく拡開させることも考えられるが、この場合、従来のボルトの構成では、外径の大きなピンを嵌入するしかなく、つまり、中心孔をより大きく穿設しなければならず、結局、おねじロッドの肉厚が薄くなり、ボルト全体の強度が著しく低下してしまい意味がない。
【0006】
さらに、従来の抜け止め機能付きボルトでは、変形部を拡開させるタイミングがわからない。つまり、おねじロッドをどれぐらい下穴に挿入すれば、最も下穴に強く引っ掛かる位置で拡開できるか不明である。おそらく現実的には、締結物及び被締結物の厚さを正確に測定しておき、この厚さに合わせて予めナットの締め付け位置を決めておかねば、適当な位置を知ることはできないであろう。これではとても面倒である。
【0007】
さらにまた、前述の抜け止め機能付きボルトでは、おねじロッドとピンとは、一体的な構成ではなく、ばらばらに構成されている。このため、保管や持ち運びが不便である。特に、外径寸法が数mm〜十数mmと多岐に渡るブラインドボルトにおいては、適合するピンをその都度探さねばならず極めて煩わしい。
【0008】
また、従来の抜け止め防止機能付きボルトでは、拡開変形部によって軸線方向の抜け止めはできるが、ナットを締め付ける際の周方向への共周りを防ぐことはできない。ナットと共にロッドが共周りすると、締結力が十分に得られないし、共周りの際に生じる摩擦によって下穴が削られ緩みやすいという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、ボルト本体への挿入ピンの打ち込み抵抗を低減できるとともに、拡開部分の大きさとボルトの肉厚とのバランスを適切に設定して安定的な高い締結力が得られ、また、挿入ピンの打ち込みによる拡開のタイミングやナット締めの位置を容易に認識できるし、共周りを防止できる等、作業性に優れたブラインドボルトを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るブラインドボルトの特徴は、先端部を軸線方向に沿って複数に分割する先細りのスリットを有するとともに、半径方向に膨拡された膨拡部を備え、後端部にナットを螺合させるためのおねじ部を形成し、軸線方向に延びる貫通孔を有するボルト本体と、このボルト本体の後端から前記貫通孔に挿入される挿入ピンとを備え、前記ボルト本体の先端面の輪郭形状は、複数の円弧からなる擬似多角形であり、前記挿入ピンが前記貫通孔を挿通してスリット内に進入することにより、前記先端部が拡開して、前記膨拡部の外径が半径方向に突出される点にある。このとき、膨拡部の外径は、おねじ部の外径よりも約30%半径方向に突出されることが好ましい。
【0011】
また、本発明では、ボルト先端部の膨拡部の大きさ、拡開の程度、およびボルトの肉厚を考慮し、締結力と全体強度とのバランスを最適にするために、膨拡部の外径をおねじ部の外径の約1.3倍に形成し、スリット幅を前記膨拡部の外径寸法と締結物の下穴径寸法との差を基準にして前記おねじ部の外径の0.21〜0.27倍の範囲になるように形成し、締結物の下穴に挿通する際に前記膨拡部がその下穴内周面に摺接する外径を備えるように前記ボルト本体の先端部を予め縮径させてなることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明では、ボルト本体の引っ張り強度を高め、かつ、ナット締結時の共回りを防止するため、先端部における膨拡部より後方部分の外径は、挿入ピンが挿入されて拡開されると、おねじ部よりも半径方向に突出して締結物の下穴に当接する大きさに形成されているとともに、軸線方向に沿って共回り防止用の縦溝が形成されているが好ましい。
【0013】
また、本発明では、挿入ピンをボルト本体に一体的に取り付けておき、かつ、ブラインドボルトを下穴に挿通させる際に、前記挿入ピンを叩いても、この挿入ピンは貫通孔に進入せず、ボルト本体だけが下穴に挿通されるようにするため、挿入ピンを貫通孔内に挿入する際のピン挿入抵抗力が、膨拡部を締結物の下穴に挿通する際のボルト挿通抵抗力よりも大きくするための挿通抵抗体を前記挿入ピンの外周面に備えていることが好ましい。この際、前記挿通抵抗体は、挿入ピンの長手方向における中間近傍若しくはそれよりも後方側の位置に、半径方向に膨拡された膨拡抵抗部を備えており、この膨拡抵抗部の表面に抵抗溝が形成されるように構成してもよい。さらに、その膨拡抵抗部は、挿入方向に径が小さくなるテーパ状に形成されており、その挿入方向前側の寸法を、貫通孔内に嵌合して挿入ピンの抜けを防止する程度の外径に形成し、その挿入方向後側の寸法を、貫通孔との摩擦によるピン挿入抵抗力がボルト挿通抵抗力よりも大きくなる外径に形成するようにしてもよい。
【0014】
さらに、本発明では、膨拡部が下穴を完全に通過したタイミングを容易に感知するため、ボルト本体の先端部は、締結物の下穴を挿通する際に膨拡部が受ける圧縮力に対して縮径し、下穴を挿通後に半径方向に復元する弾性力を備えた材料により形成することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るブラインドボルトの実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明に係るブラインドボルト1の実施形態を示す正面図であり、図2は図1の矢印Aから見た側面図であり、図3は図2のB−B線における断面図である。
【0016】
図1から図3に示すように、本実施形態のブラインドボルト1は、軸線上に貫通孔21が穿設されたボルト本体2と、この貫通孔21に挿入される挿入ピン3とから構成されている。ボルト本体2の先端部2aにはスリット24および膨拡部22が形成され、後端部2bにはおねじ部23が形成されている。そして、おねじ部23にはワッシャ4を介してナット5が螺合され、このナット5と膨拡部22とによって締結物Xに被締結物Yを締結するようになっている。
【0017】
本実施形態の各構成部についてより詳細に説明すると、ボルト本体2の先端部2aには、半径方向に膨拡された膨拡部22が形成されている。この膨拡部22を含む先端部2aには、軸線方向に沿ってスリット24が形成されており、このスリット24は貫通孔21と連通している。このスリット24によって、図2に示すように、ボルト本体2の先端部2aが略十字形状に4つに分割されている。
【0018】
また、ボルト本体2の先端部2aは、先細りするように縮径され、その外周面が先端に向かってテーパ状に傾斜されている。これにより、スリット24の幅は先端に向かって徐々に狭くなっている。また、図2に示すように、膨拡部22は、その先端面の輪郭形状が4つの円弧状の分割片22a,22a,…からなる擬似四角形に形成されている。
【0019】
この膨拡部22の縮径の程度は、締結物X及び被締結物Yの下穴hに挿通する際、その内周面に摺接して軽い抵抗で挿通できる程度まで縮径されている。本実施形態では、膨拡部22をおねじ部23の外径(基準寸法)より約30%大きい外径に形成しておき、その後、下穴hに軽い抵抗で貫通する程度まで縮径することを考慮し、スリット24の幅をおねじ部23の外径の約0.21〜0.27倍に形成する。これにより、分割片22a,22a…の先端が接触する手前まで約30%弱に縮径するようになっている。なお、スリット24の幅は、おねじ部23の外径の約0.21〜0.27倍の範囲内で、膨拡部22と下穴hとの径寸法の差を基準にして決定される。通常、下穴hはボルト径(おねじ部23の外径)よりも0.5mm〜1.0mm大きく穿設されるので、この下穴径のぶれを考慮して最終的なスリット幅が決定される。
【0020】
このような大きさに設定するのは、拡開した膨拡部22の大きさと、縮径するためのスリット24の幅とのバランスを考慮するからである。もちろん、膨拡部22が大きい程、拡開したときに締結物Xに係止する面積が大きくなるので好ましいが、逆に、下穴hに挿通させるために縮径度も大きくしなければならず、このためにはスリット24の幅を大きしカッティングしなければならない。さらに、拡開度を大きくするために、大径の挿入ピン3を挿入しなければならず、このための貫通孔21も大きく穿設しなければならなくなり、結局、ボルト本体2の肉厚が薄くなってしまう。このように係止力として必要な膨拡部22の大きさと、強度として必要なボルト本体2の肉厚とを試行錯誤した結果、最適と思われる数値が、上記の範囲である。
【0021】
また、先端部2aにおける膨拡部22より後方部分は、共回り防止部25とされている。この共回り防止部25は、おねじ部23の外径よりも約0.7mm程度大きく形成されており、図4に示すように、縮径された状態から挿入ピン3により拡開されると、半径方向に膨拡されて締結物Xの下穴hに当接するようになっている。そして、この共回り防止部25の外周面には、ローレットによって軸線方向に縦溝25aが形成されており、下穴hとの摩擦力を高められるようになっている。これにより、縦溝25aは、ナット5の締め付けの際にブラインドボルト1が一緒に回ってしまうのを防止する。
【0022】
これら膨拡部22及び共回り防止部25から構成される先端部2aは、締結物Xの下穴hを挿通する際に、膨拡部22が受ける圧縮力に対して縮径するとともに、下穴hを挿通した後に半径方向に復元する弾性力を備えた材料により形成されている。例えば、焼き鈍しされた鉄であるとか、プラスチック素材等が挙げられる。
【0023】
つぎに、挿入ピン3について説明する。挿入ピン3は、ボルト本体2の貫通孔21に挿入されて、ボルト本体2の縮径されている分割片22a,22a…を半径方向に拡開するためのものである。このため、挿入ピン3全体としては、貫通孔21よりも小径であって、ボルト本体2よりやや長めに形成されている。また、挿入ピン3の先端はテーパ状に形成されており、スリット24内に進入する際の打ち込み抵抗を低減するようになっている。
一方、挿入ピン3の後端には、径の大きい打込部31が形成されている。
【0024】
また、挿入ピン3は、ボルト本体2に挿入された状態で保持されている。つまり、挿入ピン3の先端が貫通孔21内の先端部2aまで達したときに、ボルト本体2の後端における貫通孔21に嵌合し得る挿通抵抗体32が挿入ピン3の外周面に形成されている。図1に示すように、この挿通抵抗体32は、後端に向かって徐々に拡大されるテーパ状の膨拡抵抗部32aとして形成されており、長手方向にそって抵抗溝33が形成されている。なお、この抵抗溝33を挿入ピン3の長手方向に対して斜めに形成し、より高い抵抗力を生じさせるようにしてもよい。
【0025】
この膨拡抵抗部32aの外形寸法は、挿入方向前側の部分を、貫通孔21内に嵌合して挿入ピン3の抜けを防止し得る程度の外径に形成し、挿入方向後側の部分を、貫通孔21に挿入するピン挿入抵抗力が、ボルト挿通抵抗力よりも大きくなるような外径に形成している。換言すれば、膨拡抵抗部32aの挿入方向前側はピン抜け防止機能を果たし、挿入方向後側はピン挿入防止機能を果たす。
【0026】
なお、膨拡抵抗部32aは挿入ピン3の全周に形成せずに、適宜な間隔を隔てて放射状に形成するようにしてもよい。また、挿通抵抗体32は、適当な高さの突起物を挿入ピン3に形成して抵抗を高めるようにしてもよい。
【0027】
つぎに、このような構成を備えた本実施形態におけるブラインドボルト1の作用について図5から図10を参照しつつ説明する。
【0028】
内部に手が届かない締結物Xに被締結物Yを締結させる場合、その締結物Xおよび被締結物Yに下穴hを穿孔しておく。ボルト本体2には、貫通孔21に挿入ピン3が挿入され、膨拡抵抗部32aによって貫通孔21から抜け落ちないように保持されている。
【0029】
そして、ブラインドボルト1の先端部2aを下穴hに挿入し、挿入ピン3の打込部31をハンマーで軽く叩く。このとき、膨拡抵抗部32aのピン挿入防止機能により、挿入ピン3の挿入抵抗力がボルト挿通抵抗力よりも大きいので、挿入ピン3は挿入されることなく、ブラインドボルト1を下穴hに挿通できる。また、下穴hに挿通される間、ボルト本体2の先端部2aは、下穴hにより軸心方向に圧縮されるが、その先端部2aの有する弾性力によって弾性変形し(図6参照)、前記下穴hに摺接しながら進行する(図7参照)。
【0030】
さらにボルト本体2を打ち込むと、膨拡部22が下穴hを完全に通過し、下穴hとの当接状態が解放される。このとき、膨拡部22と下穴hとの当接面に生じていた摩擦力が無くなるので、作業者は膨拡部22が下穴hを完全に通過したことを感知する。また、ボルト本体2は弾性を備えた材料により形成されているため、膨拡部22が半径方向に拡開して復元する(図8参照)。これにより、ブラインドボルト1の締結位置が定まるので、作業者は挿入ピン3の打ち込み開始の契機を知ることができる。
【0031】
この位置でワッシャ4を被締結物Yに当接させてナット5を仮締めする。これにより、ボルト本体2がその位置より下穴hに深く挿入されるのを防止する。この状態で挿入ピン3を強く打ち込むと、ボルト本体2はナット5により固定された状態なので、膨拡抵抗部32aが潰されつつ貫通孔21内に進入する。さらに、図9に示すように、挿入ピン3はスリット24の間隙に進入して先端部2aを拡開する(図9参照)。このとき、スリット24は貫通孔21との連通部分から緩やかな傾斜で先細りするように形成されているため、挿入ピン3は先端部2aを容易に拡開する。図4に示すように、先端部2aの膨拡部22は、下穴hよりも大きく外側に拡開され、先端部2aの共回り防止部25は、下穴hの内周面に当接する。
【0032】
そして、ナット5を締め付けると、ボルト本体2は挿通された方向とは逆方向に引き寄せられる(図10参照)。これにより、膨拡部22は締結物Xの内壁に当接し、さらにナット5を締め付けることにより、被締結物Yを締結物Xに締結する。このナット5の締め付けの際、回転トルクによってボルト本体2が周方向の回転力を受けるが、共回り防止部25の縦溝25aが下穴hの内周面に食い込んで回転を抑止し、共回りを防止する。これにより強固な締結力が得られる。
【0033】
以上のような本実施形態によれば、挿入ピン3を貫通孔21に挿通すると、挿入ピン3は先細りするように形成されたスリット24のテーパ面に当接しつつ拡開するため、打ち込み抵抗を低減することができる。また、先端部2aの外周面と下穴hとの摩擦力によって挿入ピン3の抜けを防止するのではなく、膨拡部22が半径方向におねじ部23の外径よりも約30%突出して締結物Xの内壁に当接するため、高い締結力を得ることができる。
【0034】
また、膨拡部22の外径をおねじ部23の外径の約1.3倍に形成し、スリット24の幅をおねじ部23の外径の0.21〜0.27倍に形成しているので、先端部2aが拡開されたとき、本ブラインドボルト1として好適な締結力とボルト強度がバランス良く得られる。
【0035】
さらに、共回り防止部25が下穴hに当接するため、締結後の引っ張り抵抗を高めることができるし、共周りを防止して強固な締結力を得ることができる。
【0036】
また、挿入ピン3に形成した膨拡抵抗部32aによって、挿入ピン3がボルト本体2の貫通孔21内に保持されて抜け落ちないようにできるし、また、挿入ピン3が不用意に貫通孔21内を進入するのを防止するため、ボルト本体2の先端部2aが誤って拡開することがない。
【0037】
さらに、ボルト本体2の膨拡部22の縮径度、及び先端部2aの弾性力によって、ブラインドボルト1が下穴hを貫通した時点を容易に感知できるので、挿入ピン3の打ち込みタイミングを容易に知ることができる。これにより、締結物X及び被締結物Yの厚さを正確に測定する煩わしさから開放され、誤った位置での拡開作業や締結作業をすることがない。
【0038】
【実施例】
つぎに、本実施形態のブラインドボルト1の具体的な実施例について説明する。各実施例では、ボルト径の異なるM6、M8、M10、M12、M16、M20、M24の各ブラインドボルト1について最適な拡開径、スリット幅、挿入ピン径および下穴径の値を求めた。その数値を図11に示す。
【0039】
図11に示すブラインドボルト1は、下穴hの径はおねじ部23の径より0.5mmだけ大きく形成される場合を想定している。以上のようなブラインドボルト1によれば、打ち込み抵抗が低減されるとともに、高い締結性を示し、例えば、M12のブラインドボルト1では、約39.2kNの破断強度を示した。
【0040】
なお、本発明に係るブラインドボルト1は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0041】
例えば、本実施形態では、スリット24を断面略十字形状に形成してボルト本体2の先端部2aを4等分に分割しているが、これに限らず、ボルト本体2の先端を径方向に3等分や6等分など適宜分割するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入ピンの打ち込み抵抗を低減できるとともに、拡開部分の大きさとボルトの肉厚とのバランスを適切に設定して安定した高い締結力を得ることができる。また、膨拡部を拡開するタイミングやナットの締め付け位置を容易に認識できるし、ナットとの共周りを防止できる等、作業性を高めることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブラインドボルトの実施形態を示す正面図である。
【図2】 図1の矢印Aから見た側面図である。
【図3】 図2のB−B線における断面図である。
【図4】 本実施形態においてボルト本体の貫通孔内に挿入ピンが挿通されて先端部が拡開された状態を示す、(a)正面図、(b)左側面図である。
【図5】 本実施形態のブラインドボルトを下穴に嵌入する前の状態を示す図である。
【図6】 本実施形態のブラインドボルトにおける先端部が弾性変形した状態を示す図である。
【図7】 本実施形態のブラインドボルトを下穴に挿入した状態を示す図である。
【図8】 本実施形態のブラインドボルトにおける膨拡部が下穴を通過した状態を示す図である。
【図9】 本実施形態のブラインドボルトにおける挿入ピンを打ち込んだ状態を示す図である。
【図10】 本実施形態のブラインドボルトにおけるナットを締め付けた状態を示す図である。
【図11】 本実施形態における実施例の最適値を示す表である。
【符号の説明】
1 ブラインドボルト
2 ボルト本体
2a 先端部
2b 後端部
3 挿入ピン
4 ワッシャ
5 ナット
21 貫通孔
22 膨拡部
22a 分割片
23 おねじ部
24 スリット
25 共回り防止部
25a 縦溝
31 打込部
32 挿通抵抗体
32a 膨拡抵抗部
33 抵抗溝
h 下穴
X 締結物
Y 被締結物

Claims (1)

  1. 先端部を軸線方向に沿って複数に分割する先細りのスリットを有するとともに、半径方向に膨拡された膨拡部を備え、後端部にナットを螺合させるためのおねじ部を形成し、軸線方向に延びる貫通孔を有するボルト本体と、
    このボルト本体の後端から前記貫通孔に挿入される挿入ピンとを備え、
    前記ボルト本体の先端面の輪郭形状は、複数の円弧からなる擬似多角形であり、
    前記挿入ピンが前記貫通孔を挿通してスリット内に進入することにより、前記先端部が拡開して、前記膨拡部が半径方向に突出されるように構成されており、
    前記先端部における膨拡部より後方部分の外径は、挿入ピンが挿入されて拡開されると、おねじ部よりも半径方向に突出して締結物の下穴に当接する大きさに形成されているとともに、軸線方向に沿って共回り防止用の縦溝が形成されているブラインドボルト。
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