JP5413995B2 - ボルト - Google Patents

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Description

本発明は、緩み止め機能を備えたボルトに関するものである。
ボルトの雄ねじ部と該雄ネジ部に螺合される雌ねじ部との間は、両ねじ部に設けた螺旋条・溝を介して螺合され、螺旋条・溝との面間に働く摩擦力によって相互の回転が止められ固着関係が維持される。しかしながら螺旋条・溝面間に生じている摩擦力は滑らかな勾配面に生じているだけであり、両ねじ部に長期にわたって加わる温度変化による膨張・収縮、振動等により勾配面相互に滑りが生じ雌雄ねじ部間の固着条件が破れ、ボルトが緩み、脱落する等して事故の原因となることがある。
そこで、この種の事故防止のため緩み止め機能を備えたボルトが、従来から各種提案されている。
例えば特許文献1に開示されている緩み止めボルトは、図26に示すように、頭付ボルト1201と円盤状受部材1204とからなり、頭付ボルト1201はその先端下面にボルト軸芯と同心的な截頭円錐形の凸部1202が形成され、前記円盤状受部材1204には前記凸部1202と対称的な凹部1205がその上面に形成されており、前記凸部1202と前記凹部1205とは僅かに偏心させ、ボルトに軸方向とは直交する方向の大きな剪断応力を作用させることによって確実にボルトをロックするように構成している。
しかし、かかる構成の緩み止めボルトでは、円盤状受部材1204を予め有底ネジ穴に挿入しておき、該円盤状受部材1204の凹部1205にボルト1201の凸部1202を嵌合させるため、ボルトの長さを円盤状受部材1204が挿入されている位置に一致させなければならず、ボルトの寸法管理が問題となっている。
特開平10−37936号公報
本発明は、簡単な構成で確実に緩み止めができ、施工範囲が広く、繰り返し使用可能な緩み止め防止ボルトを提供することを目的とする。
また本発明は、温度差の激しい所での使用、振動の激しい所での使用に対しても確実に緩み防止ができる施工範囲が広く、繰り返し使用が可能な緩み止めボルトを提供することを目的とする。
本発明のボルトは、ボルト本体と、副ボルトと、拡径部材からなるボルトであり、
前記ボルト本体が、ボルト主体と補助ボルトとからなり、前記ボルト主体はその軸芯部に軸孔が設けられ、該軸孔の端部が先端に近いほど拡幅された円錐台状の空間となるように形成され、該円錐台状空間が形成された先端部軸孔の周方向に1乃至複数のスリットが形成されており、前記補助ボルトは、前記ボルト主体の軸孔に回転不能に挿入され、補助ボルト端部には前記拡径部材を装着した副ボルトを螺合するねじ部が設けられて前記副ボルトは前記ボルト主体に設けた軸孔に挿入され、前記補助ボルトのねじ部に螺合されて前記拡径部材をボルト本体の空間を拡径する方向に移動させて、前記ボルト本体の空間に拡径力を付与することを特徴とする。
本発明のボルトは、ボルト本体と、ナットと、副ボルトと、拡径部材からなるボルトであり、前記ボルト本体が、ボルト主体と補助ボルトとからなり、前記ボルト主体は、その一端に頭部が形成され、他端に前記ナットが装着され、その軸芯部に軸孔が設けられ、該軸孔の端部が先端に近いほど拡幅された円錐台状の空間となるように形成され、該円錐台状空間が形成された先端部軸孔の周方向に1乃至複数のスリットが形成されており、前記拡径部材はボルト本体の前記空間内に配設され、該空間の内壁に当接して空間を拡径する円錐台状側面を有し、前記補助ボルトは、前記ボルト主体の軸孔に回転不能に挿入され、補助ボルト端部には前記拡径部材を装着した副ボルトを螺合するねじ部が設けられ、前記副ボルトは前記補助ボルトに設けたねじ部に螺合され、前記拡径部材をボルト本体の空間を拡径する方向に移動させて前記ボルト本体の空間を拡径し、前記ナットの内壁面に拡径力を付与することを特徴とする。
本発明の前記拡径部材は、前記ボルト本体の空間内に配設され、該空間の内壁に当接して空間を拡径する円錐台状側面と、該円錐台状側面と前記空間との間に挿入される摩擦部材を保持する摩擦部材保持部を有し、該保持部に摩擦部材が保持されていることを特徴とする。


本発明のボルトは、該ボルトの雄ねじ部を被締結物の雌ねじ部に締め付けた後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げるので雄ねじ部は雌ねじ部に強固に結合し、両者の間は長期にわたり緩むことのない緩み止めボルトを提供することができる。
また本発明のボルトは、該ボルトの雄ねじ部を被締結物の雌ねじ部に締め付けた後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げるので雄ねじ部は雌ねじ部に強固に結合し、更に拡径部材とボルト本体の空間部との間には摩擦部材が存在するので、両者の間は振動や温度変化で緩むようなことがなく、長期にわたる振動等や温度変化の厳しい環境においても緩むことのない緩み止めボルトを提供することができる、優れた効果を有するものである。
また本発明のボルトは、該ボルトのボルト軸を被締結物の貫通孔に挿入した後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げるのでボルト軸は被締結物の貫通孔に強固に接合するので両者の間で緩むことのない緩み止めボルトを提供することができる。
また本発明のボルトは、該ボルトのボルト軸を被締結物の貫通孔に挿入した後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げるのでボルト軸は被締結物の貫通孔に強固に接合し、更に拡径部材とボルト本体の空間部との間には摩擦部材が存在するので、両者の間は振動や温度変化で緩むようなことがなく、長期にわたる振動等や温度変化の厳しい環境においても緩むことのない緩み止めボルトを提供することができる、優れた効果を有するものである。
また本発明のボルトは、該ボルトのボルト軸を被締結物の貫通孔に挿入した後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げるのでボルト軸は被締結物の貫通孔に強固に接合し、更に拡径部材とボルト本体の空間部との間には摩擦部材が存在し、前記拡径部材にはスリットが設けられているので、拡径部材と副ボルトも強固に結合するので、両者の間は振動や温度変化で緩むようなことがなく、長期にわたる振動等や温度変化の厳しい環境においても緩むことがなく、副ボルトの回動が阻止されるので盗難防止用のボルトとしても有効な緩み止めボルトを提供することができる、優れた効果を有するものである。
第1実施形態のボルトを示す図で、(a)は上面図、(b)は一部欠裁側面図、(c)は下面図である。 第1実施形態におけるボルト本体を示す図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は(a)のX−X線断面図である。 第1実施形態の副ボルトを示す側面図である。 拡径部材を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)〜(f)は応用例を示す側面図である。 第1実施形態のボルトを被締結物に取り付けた使用状態を示す図で、(a)は有底ねじ穴に螺結した状態を、(b)は貫通ねじ穴に螺結した状態を、(c)はねじ部を有しない被締結物の貫通孔にボルトを挿通し被締結物を結合した状態を示す。
第2実施形態のボルトを示すもので、(a)はボルトの一部欠裁側面図、(b)は拡径部材を副ボルトに取り付けた状態を示す側面図、(c)は係止体としてのナットを示す上面図である。 第3実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側図である。 第4実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側図である。 第5実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側図である。 第6実施形態のボルトを示す図で、(a)は上面図、(b)は一部欠裁側面図、(c)は下面図である。
拡径部材を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)〜(f)は応用例を示す側面図である。 第6実施形態のボルトを被締結物に取り付けた使用状態を示す図で、(a)は有底ねじ穴に螺結した状態を、(b)は貫通ねじ穴に螺結した状態を、(c)はねじ部を有しない被締結物の貫通孔にボルトを挿通し被締結物を結合した状態を示す。 第7実施形態のボルトを示すもので、(a)はボルトの一部欠裁側面図、(b)は拡径部材を副ボルトに取り付けた状態を示す側面図、(c)は係止体としてのナットを示す上面図である。 第8実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側図である。 第9実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側図である。
第10実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側図である。 第11実施形態のボルトを示す図で、(a)は上面図、(b)は一部欠裁側面図、(c)は下面図である。 拡径部材を示す図で、(a)は上面図、(b)(b1)は側面の断面図、(c)は下面図、(d)〜(f)(d1)〜(f1)は応用例を示す側面図である。 拡径部材の他の応用例を示す側面図で、(a)(a1)は側面図、(b)は(a)の一部拡大説明図である。 第12実施形態のボルトを示す図で、(a)は上面図、(b)は一部欠裁側面図、(c)は下面図である。 第13実施形態のボルトを示す図で、(a)は上面図、(b)は一部欠裁側面図、(c)は下面図である。
第14実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側面図である。 第15実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側面図である。 第16実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側面図である。 第17実施形態のボルトの構成を使用状態において示す一部欠裁側面図である。 従来の緩み止めボルトを説明する一部欠裁側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態のボルト10を示すもので、ボルト10は、ボルト本体11と、副ボルト21と、拡径部材(所謂こま)31とで構成されている。
ボルト本体について説明する。
図2はボルト本体11を示すもので、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は(a)に示すX−X線断面図である。
ボルト本体11は、六角形または円形の頭部12(図では六角形を表示している)と、該頭部12と一体形成された円柱形状の軸部13とからなる頭締めボルトである。
頭部12の側面が図示するように六角形であれば工具係合部となり、円形であれば頭部12の頂面に六角の凹部16を穿設して工具系合部を形成する。なお、図2では側面が六角形で凹部16を円形に穿設している。
軸部13の外周表面の少なくとも先端部分には螺旋溝(雄ねじ部)14が刻設されている。
ボルト本体11の軸芯部には後述する副ボルト21を収納する軸孔15が設けられている。該軸孔15の頭部12方向は副ボルト21の頭部を回転可能に収納する凹部16が形成され、軸孔15の端部(頭部と反対側)はその先端に近いほど拡幅した截頭円錐台形状(以下、円錐台状という)の空間17となるように形成されている。
また、前記円錐台状空間17が形成された軸部13の端部は、その先端から頭部12に向かって1乃至複数本のスリット18が設けられている。なお、スリットの数は2乃至4本程度が最適である。
副ボルトについて説明する。
図3に示すように、副ボルト21は係止頭部22と、該係止頭部22と一体に形成された締結軸部23とからなっている。副ボルト21は図1に示すようにボルト本体11に設けた軸孔15に収納される。副ボルト21がボルト本体11の軸孔15に収納されたとき、係止頭部22はボルト本体11の頭部12に設けた凹部16内に回動可能に収納される。係止頭部22は副ボルト21を回転するための工具を係止できる形状に形成されている。例えば、凹部16が円形であれば係止頭部22の側面は多角形(例えば六角形)に、凹部16が多角形であれば係止頭部22の頂面に多角形の窪み、マイナス〔−〕又はプラス(+)の溝を形成する。図3では多角形の窪み24を点線で示している。
なお、副ボルト21の締結軸部23の長さは、前記ボルト本体11の軸孔15の長さと略同一、あるいは、やや短く設計することが好ましい。
締結軸部23の先端部(頭部22と反対側)には後述する拡径部材31を連結するねじ部25が刻設されている。
拡径部材について説明する。
拡径部材31は、ボルト本体11に設けた円錐台状空間17内に挿入され、副ボルト21で移動されたときにボルト本体11の先端ねじ部を外方に押し拡げる役割をする。
拡径部材31は図4に示すように円錐台形状をしている。拡径部材31の側面32は前記ボルト本体11に設けた円錐台状空間17の傾斜角度にあわせた、円錐の頂部を無くした截頭円錐台形の形状に成形されている。なお、拡径部材31としては、少なくとも一部に円錐台状部を有していて、この円錐台状側面32が空間17の側面に専ら当接し、該空間17を拡径するようになっていればよい。
該拡径部材31は前記副ボルト21と螺合される。本実施形態では拡径部材31の軸芯部に副ボルト21のねじ部25(図3参照)と螺合するねじ孔33(連結孔)が螺設されている。
また、円錐台状側面32には必要により回転防止機能を設ける。該回転防止機能は前記ボルト本体11に設けたスリット18にはめ込む図4(a〜c)に図示するような羽35を設け、図4(d)に図示するようなピン36を設け、あるいは摩擦で回転を阻止する図4(e)に図示するようなロレット加工37等を施す。
このように拡径部材31に回転阻止機能を設けるのは副ボルト21に螺合した拡径部材31を、副ボルト21を回動して移動させるときに、拡径部材31が回転するのを阻止するためである。なお、拡径部材31の回転を防止する機構は、拡径部材31が回転するのを阻止する機能を果たせれば良いのでその構成はいずれでもよい。本実施形態では羽35を別体に作成し、該羽35を拡径部材31の側面に穿設した軸方向に延びるスリットに嵌合させて固定している。前記スリットの数(羽35の数)(またはピン36の数)はボルト本体11に設ける1乃至複数のスリット18の数に合わせることが好ましい。
なお、拡径部材31の長さ(軸方向寸法)を長くすると単位移動量に対する拡径の割合を小さくでき、調整がしやすく、より細かな拡径(緩み防止力の付与)が可能となる。また、拡径範囲を大きくとりたい場合は拡径部材31の傾斜面の角度を大きくするとよい。
図4(f)は拡径部材31の長さを他の実施形態より長くし、側面の傾斜を2段階とした実施形態を示している。
拡径部材31の移動量に対する拡径の割合は拡径部材31の形状、特に円錐台状側面32の角度で決まる。図4(f)のように、拡径部材31の長さ(軸方向寸法)を長くすると単位移動量に対する拡径の割合を小さくでき、また、拡径範囲を大きくとりたい場合、拡径部材31の側面の傾斜角度を大きくするとよい。
上述したように回転防止機能としては羽35の代わりに、図4(d)に示すように拡径部材31の側面に、ボルト本体11のスリット18と係合し回転を防止する係止手段として、スリット18に対応する位置にピン(係止突部)36を立設した構成としてもよい。
更には、こうした係止突部に代えて、空間17に挿入された拡径部材31の回転防止のために、図4(e)に示すように円錐台状側面32に軸方向に延びるロレット加工37を施すようにしてもよい。ロレット加工による凹凸が回転防止機能である。この方法は簡易な手法で回転防止効果を得ることができる。
ボルトの組み立てに付き説明する。
次に、本実施形態におけるボルトの組み立てについて具体的に説明する。
図1に示すように副ボルト21をボルト本体11の軸部13に穿設の軸孔15に挿入する。副ボルト21の締結軸部23は軸孔15に摺動自在に挿入され、該締結軸部23の上端に一体形成された係止頭部22はボルト本体11の凹部16に収納される。
次いで拡径部材31を副ボルト21の締結軸部23の端部先端に螺着する。副ボルト21の締結軸部23の長さは、前記ボルト本体11の軸孔15の長さと略同一、あるいは、やや短く形成されているので、拡径部材31はボルト本体11の下端から挿入し、拡径部材31のねじ孔33を副ボルト21の軸部23に螺設のねじ部25に螺合することができる。このとき、拡径部材31に設けた羽35をボルト本体11の下端に設けたスリット18にはめ込む。スリット18に羽35をはめ込むことで、副ボルト21を回転して拡径部材31を引き上げるとき、拡径部材31は回転を阻止され、拡径部材31は副ボルト21の回動に追随して上(下)方へ移動する。
副ボルト21は、その係止頭部22が軸孔15よりも太径の円柱状で、その中心から締結軸部23が延在する。従って係止頭部22は、ボルト本体11の凹部16の底面を座面とし当接する係止体として機能し、締結軸部23の端部先端に螺合する拡径部材31を、軸部23を介し引き上げる張力を生じさせる。
このように副ボルト21をボルト本体の軸孔15に挿入し、副ボルト21の軸部23の端部先端に拡径部材31を螺合した状態で副ボルト21を図示しない工具で回転することにより拡径部材31を頭部22方向に引き上げて仮止めし、ボルト10の組み立てを完了する。
上述したように副ボルト21をボルト本体の軸孔15に挿入し、副ボルト21の軸部23の端部先端に拡径部材31を螺合した状態で副ボルト21を回転し、拡径部材31を引き上げた状態(仮止めした状態)で、ボルト10を通常のボルトと同様に後述するように使用する。
本実施形態におけるボルト本体11、副ボルト21、拡径部材31は鉄、ステンレス等の金属で作成することが好ましいが、その他、十分な剛性を持つ硬質のプラスチックで作成することも可能である。なお、副ボルト21のねじ部25のねじの向きは、ボルト本体11の螺旋溝14と同じ一般的な右ねじとするが、逆ねじとしても全く差し支えない。
使用状態につき説明する。
本実施形態のボルト10による被締結物を締結する実施例につき説明する。
図5(a)は本実施形態のボルト10で2枚の被締結物A、Bを締結した状態を示している。
先ず、前述したように副ボルト21をボルト本体11の軸孔15に通し、締結軸部23の先端部に拡径部材31を螺合し軽くねじ締めして仮止めし、ボルト10を組立てる。(図1(b)参照)。この状態では、ボルト本体11のねじ部14先端は径方向外方に膨出せず(拡径せず)、通常寸法を保っているので通常のボルトと同様に扱える。
組み立てたボルト10で2枚の被締結物A、Bを結合するには、図5(a)に示すように、ボルト本体11の雄ねじ部14に螺合する螺旋溝を切った基台側被締結物Bのねじ部B1にボルト本体11をねじ込む。なお、図示していないが、原則的に、スプリングワッシャを用いる。ねじ込むにあたっては、レンチ等でボルト10を締めてボルト頭部12の下部を被締結物Aの面に当接させ通常の締め付け強さで被締結物A、Bを締結する。
次いで、緩み止めのために、副ボルト21の頭部22に図示しない回動工具(例えば6角レンチ)を当てて副ボルト21を回転させ、副ボルト21の端部先端に螺合している拡径部材31を引き上げる。拡径部材31が係止頭部22の側に引き上げられると、該拡径部材31側面32の応力が空間17に印加される。空間17にはスリット18が設けられているので、空間17は外方に押し広げられ、ボルト本体11の軸部13の下方は拡径される。軸部13が拡径されることで螺旋溝(雄ねじ部)14は被締結物Bのねじ部(螺旋溝)B1に強固に当接され、ボルト本体11を取り外す方向に回転しても、頭部12を回転する工具の力ではボルト10を緩めることはできない。
従って、拡径部材31がボルト本体11のねじ部先端を拡径(拡幅)して強力なロック効果を発揮する結果、ボルトの緩みを確実に防止することができ、ボルト10と被締結物A、Bとの結合が緩み、外れる方向に回動することはない。
なお、本実施形態では副ボルト21で拡径部材31を引き上げ、拡径部材31をボルト本体の空間17に固定した後、副ボルト21を締付けとは反対方向に回転させて抜き去ることも可能である。即ち、副ボルト21を、拡径部材31を締め付けた方向とは反対の方向に回転することで副ボルト21を拡径部材31から分離することができる。副ボルト21を拡径部材31から抜き去っても、拡径部材31はボルト本体に固定されているので、ボルトの緩み止め機能に支障をきたすことはない。このように副ボルトを抜き去ることで、ボルトから副ボルトがなくなるので、作業者が副ボルトを締め忘れることを未然に防止することができる効果も発揮する。なお、必要ならば取り外した副ボルト21を、再度使用することもできる。
また、前記副ボルトを一定のトルク以上の力が付加されると所定の位置で切断される構成とすることも好ましい。即ち、副ボルトの頭部22に切り込みを設け、その先端部分で副ボルトを回転することで、頭部に一定のトルク以上の力が掛けられると破断し、拡径部材31に過度の力が加わらないように構成することができる。このように副ボルトの頭部を切り離すことで、ボルトから副ボルトの頭部がなくなるので、作業者が副ボルトを締め忘れることを未然に防止することができる効果も発揮する。
図5(b)に示す実施形態は、ボルト軸部13の長さが被締結物A、Bの厚さより長い場合の例である。ボルトの組立て、被締結物への螺着は上述した図5(a)の場合と同様である。図5(b)ではボルト本体11の軸部13の端部先端が被締結物Bから突き抜けている。従って拡径部材31を引き上げると、ボルト本体11の先端部が拡径して被締結物を貫通したボルト先端が開いた状態となり緩み防止効果がより強力に得られる。図5(b)の貫通ねじ穴を対象とする用途の場合には、図4(f)に示す形状の拡径部材31を使用すると、より適切な緩み止め効果が得られる。
即ち、図4(f)の拡径部材31では、例えば頂角8度の円錐の頂部を無くした截頭円錐の下底部に連続させて例えば頂角30度の円錐の頂部を無くした截頭円錐の上底部が形成されたくびれをもった側周面の円錐台形状の本体部分(図では角度は誇張して描かれている)に羽35を固着してある。このように傾斜に角度を設け、ボルトの先端がより大きい角度で拡張されることで、緩み止め効果は一層向上する。また、このように構成することで、裏側からのナット装着が困難な部位に対しても、ナットを用いることなく、強固なねじ止めができる優れた効果も発揮する。
上述した実施形態では、副ボルト21の工具係合部として、副ボルト21の係止頭部22の外周を六角形状に形成して、スパナ等で回動できるように構成したが、六角形状の窪みとし、あるいはマイナス、プラスドライバーを挿入しうるマイナスまたはプラスの溝等であってもよいことは勿論である。何れにしても工具係合部としては、副ボルト21を回動できる構成であればどの様な形状であってもよいことは勿論である。また、ボルト本体11についても、これを回動させる工具係合部としては、六角形状以外の形状であっても構わない。
前記実施形態の緩み止めボルトは、該ボルトの雄ねじ部を被締結物の雌ねじ部に締め付けた後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げ、雄ねじ部は雌ねじ部に強固に結合し、被締結物を強固に結合したが、図5(c)に示すように被締結部に雌ねじ部を設けず、ボルト軸部13の長さを被締結物A、Bの貫通孔の長さより長くし、ボルト本体11の後端部空間17を拡径部材31により押し広げて後部空間を拡径することでボルト軸部13が被締結物Bから露出する部分が貫通孔の口径より大きく拡径することで被締結物を強固に結合するように構成することもできる。即ち拡径された部分にナットの役割を付加するように構成することもできる。
なお、この実施形態ではボルト本体11の軸部13にねじ部14を設けているが、ねじ部を設けない構成とすることも可能である。
〔第2実施形態〕
副ボルトと、ボルトの組み立てに付き説明する。
ボルトの第2実施形態を図6を用いて説明する。
図6は第2実施形態のボルト210を示すもので、(a)は一部欠裁側面図、(b)は拡径部材を取り付けた副ボルト221の側面図、(c)は係止体としてのナット251の上面図である。
第2実施形態では、副ボルト221が前記第1実施形態と異なっている他は、前記実施形態と同様なので、同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
第2実施形態では副ボルト221がナット251と締結軸部223とで構成されている。締結軸部223は少なくとも先端端部にねじ部225が刻設され、該ねじ部225にナット251が螺合される。締結軸部223の後端端部には拡径部材31が設けられている。締結軸部223と拡径部材31は両者を一体に作成し、或いは別々に作成して接着、螺着等で取り付ける。
本第2実施形態のボルトの組立ては、ボルト本体11の軸孔15に,締結軸部223の後端端部に拡径部材31を取り付けた締結軸部223のねじ部225側をボルト本体11の頭部12とは反対側から挿入し、その先端をボルト本体11の頭部12に設けた凹部16に突出させる。次いで突出した締結軸部223先端にナット251を螺着し、仮止めして組み立てを完了する。
なお、締結軸部223とナット251とを最初に螺合し、次いで、締結軸部223に拡径部材31を取り付ける構成として組立てることも可能である。
使用方法につき説明する。
第1実施形態と同様、ボルト210により被締結物をネジ止めした後、ナット251をボルト本体11の頭部12側から締める。ナット251を締め付けることで拡径部材31がボルト本体11先端の空間17内で引き上げられる。拡径部材31が引き上げられると、該拡径部材31の側面32の応力が空間17に印加される。空間17にはスリット18が設けられているので、空間17は外方に押し広げられ、ボルト本体11の軸部13は拡径される。軸部13が拡径されることで螺旋溝(雄ねじ部)14は被締結物に強固に当接され、ボルト本体11を取り外す方向に回転しても、頭部12を回転する工具の力ではボルト10を緩めることはできない。
従って、拡径部材31がボルト本体11のねじ部先端を拡径(拡幅)して強力なロック効果を発揮する結果、ボルトの緩みを確実に防止することができる。
前記第2実施形態の緩み止めボルトは、ボルトにより被締結物をネジ止めしたボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げ、雄ねじ部は雌ねじ部に強固に結合し、被締結物を強固に結合したが、前記第1実施形態(図5参照)で説明したようにボルト軸部、被締結物にねじ部を設けることなく、ボルト軸を被締結物の貫通孔に挿入した後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げ、ボルト軸の後端部空間を被締結物の貫通孔に強固に接合して被締結物を接合するように構成することも可能であり、更にボルト軸の長さを被締結物の貫通孔の長さより長くすることで、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げて後部空間を拡径することでボルト軸の被締結物から露出する部分が貫通孔の口径より大きくなり、即ち拡径された部分がナットの役割を果たすこととなり、被締結物を強固に結合することができる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態のボルト310を図7を用いて説明する。
図7は第3実施形態のボルト310を示す一部欠裁側面図である。
ボルト本体について説明する。
第3実施形態では、ボルト本体311は、六角形または円形の頭部312(図では六角形を表示している)と、該頭部312と一体形成された円柱形状の軸部313とからなる頭締めボルトである。
頭部312の側面が図示するように六角形であれば工具係合部となり、円形であれば頭部12の頂面に図示しない六角溝、或いはプラス、マイナスの溝を穿設して工具系合部を形成する。
軸部313の外周表面の少なくとも先端部分には螺旋溝(ねじ部)314が刻設されている。
ボルト本体311の頭部312とは反対側の端部から頭部に向けて後述する副ボルト321を収納する軸孔315(図では有底の孔を示しているが、貫通孔でもよい)が設けられている。該軸孔315の端部(頭部と反対側)はその先端に近いほど拡幅した截頭円錐台形状(以下、円錐台状という)の空間317となるように形成され、該空間317に続いてねじ部355が刻設されている。
また、前記円錐台状空間317が形成されたボルト本体軸部313の端部は、その先端から本体頭部312に向かって1乃至複数本のスリット318(図2のスリット18と同様であるので、図示を省略する)が設けられている。なお、スリット318の数は2乃至4程度が最適である。
副ボルトについて説明する。
副ボルト321は図7に示すように係止頭部357と、該係止頭部357と一体に形成され少なくとも先端に前記ねじ部355と螺合するねじ部358が設けられた締結軸部359とからなっている。副ボルト321は図7に示すようにボルト本体311に設けた軸孔315に収納される。
なお、副ボルト321の締結軸部359の長さは、前記ボルト本体311の軸孔315の長さと略同一、あるいは、やや短く設計することが好ましい。
拡径部材について説明する。
拡径部材31は、ボルト本体311に設けた円錐台状空間317内に挿入され、副ボルト321で移動されたときにボルト本体311の先端ねじ部314を外方に押し拡げる役割を施す。
拡径部材31の中心部には貫通孔338が設けられる。貫通孔338の大きさは前記副ボルト321を挿通できる大きさとする。その他の構成は第1実施形態で説明した図4に示すものと同一なので、詳細な説明は省略する。
ボルトの組み立てと使用方法につき説明する。
次に、本実施形態におけるボルトの組み立てと使用方法について具体的に説明する。
図7に示すようにボルト本体311を被締結物A、Bの貫通孔に挿通する。ボルト本体311の軸部313の長さは被締結物AとBの貫通孔の長さとほぼ同一に設計する。なお、本実施形態を示す図7では被締結物Bの貫通孔の内周壁にねじ部B1が形成されている。
本実施形態ではボルト本体311の頭部312を工具で回転させてボルト本体311を被締結物Aの貫通孔に挿入し、被締結物Bのねじ部B1に螺着し、被締結物A、Bを締結する。
次いで拡径部材31を副ボルト321の締結軸部353に挿通し、ボルト本体に設けた空間317に副ボルト321と共に拡径部材31を嵌め込み、副ボルト321をボルト本体311に締め込むことで拡径部材31を空間317の奥に移動させる。このとき、拡径部材31に設けた羽35(図4参照)をボルト本体311の下端に設けたスリット18(図2参照)にはめ込む。スリット18に羽35をはめ込み、副ボルト321を回転して拡径部材31をボルト本体内に引き込むことで、拡径部材31は回転を阻止され、拡径部材31は副ボルト321の回動に追随して移動する。
上述したように副ボルト321をボルト本体311の軸孔315に挿入し、副ボルトを図示しない工具で回転することにより拡径部材31は頭部312方向に引き上げられる。拡径部材31が引き上げられることにより拡径部材31の円錐台状側面に加わる力は、ボルト本体の円錐台状空間317を拡径する方向に、即ち、ボルト本体311の軸部313の先端部分を内側から外周側へ押し広げる方向に作用する。
このように拡径部材31の側面がボルト本体311の軸部313の先端部分を内側から外周側へ押し広げるように移動し、拡径部材31によりボルト本体311の端部が押し広げられ、被締結物Bのねじ部B1に押し付けられることでボルト本体311は被締結物に強固に固着され、長期にわたり緩むようなことがない。
〔第4実施形態〕
第4実施形態の緩み防止ボルト410を図8を用いて説明する。
ボルト本体について説明する。
第4実施形態では、第1実施形態のボルト本体11と相違し、ボルト本体411には頭部がなく、円柱形状の軸部413のみからなる。該ボルト本体411の少なくとも両端部にはねじ部414が刻設されている。
また、両端部には前記第3実施形態と同様、有底の軸孔453が設けられている。なお、この軸孔453は貫通孔であってもよい。
軸孔453の開口端部は前記第1、第3実施形態と同様円錐台状空間417に形成され、その先にはねじ部414が刻設されている。また、先端から中心方向に向かって1乃至複数本のスリット18(図2参照)が設けられている。なお、スリットの数は2乃至4程度が最適である。
ボルト本体411の両端部のねじ部414には該ねじ部414に螺合するナット451が設けられる。
副ボルトに付いて説明する。
副ボルト421は図8に示すように前記第3実施形態で説明した副ボルト321と同じ構成となっている。また、拡径部材31も第3実施形態と同様なので、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
使用方法につき説明する。
図8は第4実施形態のボルト410の使用状態での一部断面図である。
ボルト本体411を被締結物A、Bの貫通孔に通す。このとき、被締結物A、Bの面からボルト本体411の両端部(ねじ部414が形成された両端部)がほぼ同じ程度突出した状態とする。
ボルト本体411の各突出端部のねじ部414に、該ねじ部414に螺合する螺旋溝を内周面に有するナット451を、ワッシャ452を介在させて装着し、被締結物A、Bを締付け固定する。
次いで、ボルト本体411の両端の円錐台状の空間417に、外側から拡径部材31(例えば図4(f)と同形状のもの)を挿入し、拡径部材31の連結孔を通して副ボルト321を挿し込み、副ボルト321を工具等で回転させる。
副ボルト321を回転させて軸孔453にねじ込む際に、拡径部材31は、第1実施形態等と同様、ボルト本体の図示しないスリットに係合する羽根等の回転防止機能によって回転が防止されるように構成する。また、副ボルト321の係止頭部357に押されて拡径部材31が、円錐台状の空間417内を内方に移動する。そのため、ボルト本体411の端部が拡径されてナット451の内周壁に強く押し当てられ、両者は強固に結合される。
この副ボルト321を締める動作を、被締結物Aの側と被締結物Bの側で同時に、または交互に行うことで、被締結物AとBが締め付けられ、ボルトは緩むことなく強固に固定される。
第4実施形態は図8に示すようにボルト本体411の外径より大きい貫通孔を有する被締結物A、Bに適用する場合に特に有効である。
〔第5実施形態〕
第5実施形態の緩み防止ボルト510を図9を用いて説明する。
ボルト本体に付き説明する。
第5実施形態のボルト本体511は第1実施形態で説明したボルト本体11と略同一のボルト主体561と、該ボルト主体561の軸孔565に挿入される補助ボルト571とで構成されている。
ボルト主体561の頭部562には凹部566が穿設され、後述する補助ボルト571の頭部572を回転不能に収納するように形成されている。
補助ボルト571は頭部572と軸部573からなり、軸部573の先端部分に軸孔575が設けられ、該軸孔575にはねじ部574が設けられている。軸部573の長さはボルト主体561の長さより短く、後述する拡径部材31の機能が発揮できる長さに設計されている。
ボルト主体561の頭部562に設けた凹部566は補助ボルト571の頭部572を収納するとともに、該頭部572の回転を阻止するように形成されている。例えばボルト主体561の頭部562が6角形に形成されていれば、その形状に合わせた6角形の凹部566に形成し、補助ボルト571がボルト主体561の軸孔565に挿入された時に補助ボルトの頭部572を回転不能に収納するように形成されている。なお、頭部に設ける凹部566の形状はボルト主体561を回転不能に収納できれば足りるので、その形状等は任意である。
副ボルト521は第3実施形態で説明した副ボルト321と同一であり、拡径部材31、ナット551も前記した実施形態と同様である。
使用に付き説明する。
先ずボルト主体561を被締結物A、Bの貫通孔に挿通する。次いでボルト主体561の軸部563が被締結物から突き出た先端にナット551を螺着し、ナット551を締付け、被締結物A、Bを締結する。この状態で補助ボルト571をボルト主体561の軸孔565に挿入し、補助ボルト571の頭部572をボルト主体561の凹部566に納めるように挿入する。
次いで、補助ボルト571の後端に拡径部材31を挿通した副ボルト521をボルト主体561の円錐台状の空間567に、拡径部材31(例えば図4(f)と同形状のもの)が収まるように挿入し、副ボルトを工具等で回転する。
副ボルト521を回転させて軸孔575にねじ込むことで、拡径部材31は副ボルト521の係止頭部572に押されて円錐台状の空間567内を内方に移動する。そのため、ボルト本体511の端部が拡径されてナット551の内周壁に強く押しあてられ両者は強固に結合する。
第5実施形態も図9に示すようにボルト本体511の外径より大きい貫通孔を有する被締結物A、Bに適用する場合に特に有効である。
前記第4、5実施形態の緩み止めボルトは、ボルト本体411,511とナット451,551とにより被締結物を結合した後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げ、雄ねじ部をナットに強固に結合する構成につき説明したが、ナット451を設けずに、ボルト本体の端部空間を拡径部材により押し広げて端部空間を被締結物の貫通孔の口径より大きく拡径することで、前記第1実施形態の図5(c)で説明したようにボルト軸部を被締結物の貫通孔から引抜くことができなくなり、従って被締結物を締結することができる。
前記緩み止めボルトは通常の使用に対しては緩むようなことはない。しかし、該ボルトに温度差による膨張収縮力が作用し、或いは激しい振動が長期に亘り作用すると副ボルトと拡径部材との間で緩みが生じ、ボルト本体の空間を拡径する力が弱まり、最悪の場合には、ボルトで締結している非締結物の締付け力が低下し、緩みが生じる恐れが懸念される。
従って、温度差の激しい、或いは振動の激しい環境での使用でボルトに緩みが発生する不安がある場所での適用が懸念される場合は以下の実施形態のボルトを使用する。
〔第6実施形態〕
図10は本発明の第6実施形態を示すもので、ボルト600は、ボルト本体11と、副ボルト21と、拡径部材(所謂こま)31と摩擦部材41とで構成されている。
ボルト本体、副ボルトについて説明する。
ボルト本体11、副ボルト21は前記第1実施形態と同一であるので詳細な説明は省略する。
拡径部材について説明する。
拡径部材31は、ボルト本体11に設けた円錐台状空間17内に挿入され、副ボルト21で移動されたときにボルト本体11の先端ねじ部を外方に押し拡げる役割をする。
拡径部材31は図11に示すように円錐台形状をしている。拡径部材31の側面32は前記ボルト本体11に設けた円錐台状空間17の傾斜角度にあわせた、円錐の頂部を無くした截頭円錐台形の形状に成形されている。なお、拡径部材31としては、少なくとも一部に円錐台状部を有していて、この円錐台状側面32が空間17の側面に専ら当接し、該空間17を拡径するようになっていればよい。
該拡径部材31は前記副ボルト21と螺合される。本実施形態では拡径部材31の軸芯部に副ボルト21のねじ部25と螺合するねじ孔33(連結孔)が螺設されている。
拡径部材31の円錐台状側面32の円周方向には、後述する摩擦部材41(伸縮性のあるOリング、あるいは必要により2または複数に分割した円形のばね部材等)が装着される摩擦部材保持部(以下溝と表現することがある)34が穿設されている。該摩擦部材保持部(本実施形態では以下溝と表現することがある)34の形状は摩擦部材41の形状と合わせて穿設することが好ましい。
また、円錐台状側面32には必要により回転防止機能を設ける。該回転防止機能は前記ボルト本体11に設けたスリット18にはめ込む図11(a〜c)に図示するような羽35を設け、図11(d)に図示するようなピン36を設け、あるいは摩擦で回転を阻止する図11(e)に図示するようなロレット加工37等を施す。
このように拡径部材31に回転阻止機能を設けるのは副ボルト21に螺合した拡径部材31を、副ボルト21を回動して移動させるときに、拡径部材31が回転するのを阻止するためである。なお、拡径部材31の回転を阻止する機構は、拡径部材31が回転するのを阻止する機能を果たせれば良いのでその構成はいずれでもよい。本実施形態では羽35を別体に作成し、該羽35を拡径部材31の側面に穿設した軸方向に延びるスリットに嵌合させて固定している。前記スリットの数(羽35の数)(またはピン36の数)はボルト本体11に設ける1乃至複数のスリット18の数に合わせることが好ましい。
なお、拡径部材31の長さ(軸方向寸法)を長くすると単位移動量に対する拡径の割合を小さくでき、調整がしやすく、より細かな拡径(緩み防止力の付与)が可能となる。また、拡径範囲を大きくとりたい場合は拡径部材31の傾斜面の角度を大きくするとよい。
図11(f)は拡径部材31の長さを他の実施形態より長くし、側面の傾斜を2段階とした実施形態を示している。
拡径部材31の移動量に対する拡径の割合は拡径部材31の形状、特に円錐台状側面32の角度で決まる。図4(f)のように、拡径部材31の長さ(軸方向寸法)を長くすると単位移動量に対する拡径の割合を小さくでき、また、拡径範囲を大きくとりたい場合、拡径部材31の側面の傾斜角度を大きくするとよい。
上述したように回転防止機能としては羽35の代わりに、図11(d)に示すように拡径部材31の側面に、ボルト本体11のスリット18と係合し回転を阻止する係止手段として、スリット18に対応する位置にピン(係止突部)36を立設した構成としてもよい。
更には、こうした係止突部に代えて、空間17に挿入された拡径部材31の回転防止のために、図11(e)に示すように円錐台状側面32に軸方向に延びるロレット加工37を施すようにしてもよい。ロレット加工による凹凸が回転防止機能である。この方法は簡易な手法で回転防止効果を得ることができる。
摩擦部材について説明する。
摩擦部材41は伸縮性のあるOリング、あるいは必要により2または複数に分割した円形のばね部材等で構成される。摩擦部材41としては前記空間17と円錐台状側面32との間に挟まれて、拡径部材31がボルト本体11から脱落するのを効果的に阻止するものであればよい。
摩擦部材41は拡径部材31に形成の溝(摩擦部材保持部)34に装着され、拡径部材31と共に本体11の空間17に押し込まれた時に圧縮、或いは変形して拡径部材31が長期にわたりボルト本体から脱落するのを阻止する役割を果たすものである。従って、摩擦部材41としてはOリング、板ばね等でなくても、その役割を果たすものであれば材質、形状にかかわりなく採用することができる。
ボルトの組み立てに付き説明する。
次に、本実施形態におけるボルトの組み立てについて具体的に説明する。
図10に示すように副ボルト21をボルト本体11の軸部13に穿設の軸孔15に挿入する。副ボルト21の締結軸部23は軸孔15に摺動自在に挿入され、該締結軸部23の上端に一体形成された係止頭部22はボルト本体11の頭部凹部16に収納される。
次いで拡径部材31の溝34に摩擦部材41(例えばOリング42)を装着した拡径部材31を副ボルト21の締結軸部23の端部先端に螺着する。副ボルト21の締結軸部23の長さは、前記ボルト本体11の軸孔15の長さと略同一、あるいは、やや短く形成されているので、拡径部材31はボルト本体11の下端から挿入し、拡径部材31のねじ孔33を副ボルト21の軸部23に螺設のねじ部25に螺合することができる。このとき、拡径部材31に設けた羽35をボルト本体11の下端に設けたスリット18にはめ込む。スリット18に羽35をはめ込むことで、副ボルト21を回転して拡径部材31を引き上げるとき、拡径部材31は回転を阻止され、拡径部材31は副ボルト21の回動に追随して上(下)方へ移動する。
副ボルト21は、その係止頭部22が軸孔15よりも太径の円柱状で、その中心から締結軸部23が延在する。従って係止頭部22は、ボルト本体11の頭部凹部16の底面を座面とし当接する係止体として機能し、締結軸部23の端部先端に螺合する拡径部材31を、軸部23を介し引き上げる張力を生じさせる。
このように副ボルト21をボルト本体の軸孔15に挿入し、副ボルト21の軸部23の端部先端に拡径部材31を螺合した状態で副ボルト21を図示しない工具で回転することにより拡径部材31を頭部22方向に引き上げて仮止めし、ボルト10の組み立てを完了する。
上述したように副ボルト21をボルト本体の軸孔15に挿入し、副ボルト21の軸部23の端部先端に拡径部材31を螺合した状態で副ボルト21を回転し、拡径部材31を引き上げた状態(仮止めした状態)で、ボルト10を通常のボルトと同様に後述するように使用する。
本実施形態におけるボルト本体11、副ボルト21、拡径部材31は鉄、ステンレス等の金属で作成することが好ましいが、その他、十分な剛性を持つ硬質のプラスチックで作成することも可能である。なお、副ボルト21のねじ部25のねじの向きは、ボルト本体11のねじ部14と同じ一般的な右ねじとするが、逆ねじとしても全く差し支えない。
摩擦部材41はOリング42のように弾力性のある部材で構成する他に、例えばリング状の板ばねを2分割したものを採用することもできる。板ばね43(摩擦部材41)を採用すると後述する図14に拡大して示すように板ばね43の外側が空間17の側面に食い込み、拡径部材31を強固にボルト本体に固着することができ、好ましい。
使用状態につき説明する。
本実施形態のボルト600による被締結物を締結する実施例につき説明する。
図12(a)は本実施形態のボルト600で2枚の被締結物A、Bを締結した状態を示している。
先ず、前述したように副ボルト21をボルト本体11の軸孔15に通し、締結軸部23の先端部に摩擦部材41を装着した拡径部材31を螺合し軽くねじ締めして仮止めし、ボルト600を組立てる。(図10(b)参照)。この状態では、ボルト本体11のねじ部14先端は径方向外方に膨出せず(拡径せず)、通常寸法を保っているので通常のボルトと同様に扱える。
組み立てたボルト600で2枚の被締結物A、Bを結合するには、図12(a)に示すように、ボルト本体11の雄ねじ部14に螺合する螺旋溝を切った基台側締結物Bのねじ部B1にボルト本体11をねじ込む。なお、図示していないが、原則的に、スプリングワッシャを用いる。ねじ込むにあたっては、レンチ等でボルト600を締めてボルト頭部12の下部を被締結物Aの面に当接させ通常の締め付け強さで被締結物A、Bを締結する。
次いで、緩み止めのために、副ボルト21の頭部22に図示しない回動工具(例えば6角レンチ)を当てて副ボルト21を回転させ、副ボルト21の端部先端に螺合している拡径部材31を引き上げる。拡径部材31が係止頭部22の側に引き上げられると、該拡径部材31側面32の応力が空間17に印加される。空間17にはスリット18が設けられているので、空間17は外方に押し広げられ、ボルト本体11の軸部13の下方は拡径される。軸部13が拡径されることで螺旋溝(雄ねじ部)14は被締結物Bのねじ部(螺旋溝)B1に強固に当接され、ボルト本体11を取り外す方向に回転しても、頭部12を回転する工具の力ではボルト600を緩めることはできない。
さらに本実施形態では拡径部材31に摩擦部材41がはめ込まれ、該摩擦部材41がボルト本体11と拡径部材31とを強固に結合するため、長期にわたる温度変化による膨張収縮、過度の振動等が加わっても拡径部材31がボルト本体から脱落するようなことはない。
従って、拡径部材31がボルト本体11のねじ部先端を拡径(拡幅)して強力なロック効果を発揮する結果、ボルトの緩みを確実に防止することができ、ボルト本体11と拡径部材31とは摩擦部材41の介在により強固に結合されているので、強い振動が加わっても、ボルト600と被締結物A、Bとの結合が緩み、外れる方向に回動することはない。
なお、本実施形態では副ボルト21で拡径部材31を引き上げ、拡径部材31をボルト本体の空間17に固定した後、副ボルト21を締付けとは反対方向に回転させて抜き去ることも可能である。即ち、副ボルト21を、拡径部材31を締め付けた方向とは反対の方向に回転することで副ボルト21を拡径部材31から分離することができる。副ボルト21を拡径部材31から抜き去っても、拡径部材31は摩擦部材41の摩擦力によって(あるいは板ばねのようにボルト本体に食い込むことにより)ボルト本体に強固に固定されているので、ボルトの緩み止め機能に支障をきたすことはない。このように副ボルトを抜き去ることで、ボルトから副ボルトがなくなるので、作業者が副ボルトを締め忘れることを未然に防止することができる効果も発揮する。なお、必要ならば取り外した副ボルト21を、再度使用することもできる。
また、前記副ボルトを一定のトルク以上の力が付加されると所定の位置で切断される構成とすることも好ましい。即ち、副ボルトの頭部22に切り込みを設け、その先端部分で副ボルトを回転することで、頭部に一定のトルク以上の力が掛けられると破断し、拡径部材31に過度の力が加わらないように構成することができる。このように副ボルトの頭部を切り離すことで、ボルトから副ボルトの頭部がなくなるので、作業者が副ボルトを締め忘れることを未然に防止することができる効果も発揮する。
図12(b)で示す実施形態は、ボルト軸部13の長さが被締結物A、Bの厚さより長い場合の例である。ボルトの組立て、被締結物への螺着は上述した図12(a)の場合と同様である。図12(b)ではボルト本体11の軸部13の端部先端が被締結物Bから突き抜けている。従って拡径部材31を引き上げると、ボルト本体11の先端部が拡径して被締結物を貫通したボルト先端が開いた状態となり緩み防止効果がより強力に得られる。図12(b)の貫通ねじ穴を対象とする用途の場合には、図11(f)に示す形状の拡径部材31を使用すると、より適切な緩み止め効果が得られる。
即ち、図11(f)の拡径部材31では、例えば頂角8度の円錐の頂部を無くした截頭円錐の下底部に連続させて例えば頂角30度の円錐の頂部を無くした截頭円錐の上底部が形成されたくびれをもった側周面の円錐台形状の本体部分(図では角度は誇張して描かれている)に羽35を固着してある。このように傾斜に角度を設け、ボルトの先端がより大きい角度で拡張されることで、緩み止め効果は一層向上する。また、このように構成することで、裏側からのナット装着が困難な部位に対しても、ナットを用いることなく、強固なねじ止めができる優れた効果も発揮する。
上述した実施形態では、副ボルト21の工具係合部として、副ボルト21の係止頭部22の外周を六角形状に形成して、スパナ等で回動できるように構成したが、六角形状の窪みとし、あるいはマイナス、プラスドライバーを挿入しうるマイナスまたはプラスの溝等であってもよいことは勿論である。何れにしても工具係合部としては、副ボルト21を回動できる構成であればどの様な形状であってもよいことは勿論である。また、ボルト本体11についても、これを回動させる工具係合部としては、六角形状以外の形状であっても構わない。
前記実施形態の緩み止めボルトは、該ボルトの雄ねじ部を被締結物の雌ねじ部に締め付けた後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げ、雄ねじ部は雌ねじ部に強固に結合し、被締結物を強固に結合したが、図12(c)に示すように被締結部に雌ねじ部を設けず、ボルト軸部13の長さを被締結物A、Bの貫通孔の長さより長くし、ボルト本体11の後端部空間17を拡径部材31により押し広げて後部空間を拡径することでボルト軸部13が被締結物Bから露出する部分が貫通孔の口径より大きく拡径することで被締結物を強固に結合するように構成することもできる。即ち拡径された部分にナットの役割を付加するように構成することもできる。
なお、この実施形態ではボルト本体の軸部13にねじ部14を設けているが、ねじ部を設けない構成とすることも可能である。
更に、拡径部材とボルト本体の空間部との間には摩擦部材が存在するので、両者の間は振動や温度変化で緩むようなことがなく、長期にわたる振動等や温度変化の厳しい環境においても緩むことのない緩み止めの効果を有する。
〔第7実施形態〕
副ボルトと、ボルトの組み立てに付き説明する。
緩み防止ボルトの第7実施形態を図13を用いて説明する。
図13は第7実施形態のボルト700を示すもので、(a)は一部欠裁側面図、(b)は拡径部材を取り付けた副ボルト221の側面図、(c)はナット251の上面図である。
第7実施形態では、副ボルト221が前記第6実施形態と異なっている他は、前記第6実施形態と同様なので、同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
第7実施形態では副ボルト221がナット251と締結軸部223とで構成されている。締結軸部223は少なくとも先端端部にねじ部225が刻設され、該ねじ部225にナット251が螺合される。締結軸部223の後端端部には摩擦部材41を装着した拡径部材31が設けられている。なお、締結軸部223と拡径部材31は両者を一体に作成し、或いは別々に作成して接着、螺着等で取り付ける。
本第7実施形態のボルト700の組立ては、ボルト本体11の軸孔15に,締結軸部223の後端端部に拡径部材31を取り付けた締結軸部223のねじ部225側をボルト本体11の頭部12とは反対側から挿入し、その先端をボルト本体11の頭部12に設けた凹部16に突出させる。次いで突出した締結軸部223先端にナット251を螺着し、仮止めして組み立てを完了する。
なお、締結軸部223とナット251とを最初に螺合し、次いで、締結軸部に摩擦部材41を装着した拡径部材31を取り付ける構成として組立てることも可能である。
使用方法につき説明する。
第6実施形態と同様、ボルト700により被締結物をネジ止めした後、ナット251をボルト本体11の頭部12側から締める。ナット251を締め付けることで拡径部材31がボルト本体11先端の空間17内で引き上げられる。拡径部材31が引き上げられると、該拡径部材31の側面32の応力が空間17に印加される。空間17にはスリット18が設けられているので、空間17は外方に押し広げられ、ボルト本体11の軸部13は拡径される。軸部13が拡径されることで螺旋溝(雄ねじ部)14は被締結物に強固に当接され、ボルト本体11を取り外す方向に回転しても、頭部12を回転する工具の力ではボルト700を緩めることはできない。さらに本実施形態では拡径部材31に摩擦部材41がはめ込まれ、該摩擦部材41がボルト本体11と拡径部材31とを強固に結合するため、長期にわたる温度変化による膨張収縮、過度の振動等が加わっても拡径部材31がボルト本体から脱落するようなことはない。
従って、拡径部材31がボルト本体11のねじ部先端を拡径(拡幅)して強力なロック効果を発揮する結果、ボルトの緩みを確実に防止することができる。ボルト本体11と拡径部材31とは摩擦部材41の介在により強固に結合されているので、強い振動が加わっても、ボルト700と被締結物との結合が緩み、外れる方向に回動することはない。
本第7実施形態の緩み止めボルトは、ボルトにより被締結物をネジ止めしたボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げ、雄ねじ部は雌ねじ部に強固に結合し、被締結物を強固に結合したが、前記第6実施形態(図12参照)で説明したようにボルト軸部、被締結物にねじ部を設けることなく、ボルト軸を被締結物の貫通孔に挿入した後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げ、ボルト軸の後端部空間を被締結物の貫通孔に強固に接合して被締結物を接合するように構成することも可能であり、更にボルト軸の長さを被締結物の貫通孔の長さより長くすることで、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げて後部空間を拡径することでボルト軸の被締結物から露出する部分が貫通孔の口径より大きくなり、即ち拡径された部分がナットの役割を果たすこととなり、被締結物を強固に結合することができる。また、拡径部材とボルト本体の空間部との間には摩擦部材が存在するので、両者の間は振動や温度変化で緩むようなことがなく、長期にわたる振動等や温度変化の厳しい環境においても緩むことのない緩み止めボルト効果を有する。
〔第8実施形態〕
図14は第8実施形態のボルト800を示す一部欠裁側面図である。
第8実施形態の緩み防止ボルト800を図14を用いて説明する。
第8実施形態は、拡径部材が前記第3実施形態と異なっている他は、前記第3実施形態と同様なので、同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
なお、拡径部材、摩擦部材は前記第6実施形態と同じなので詳細な説明は省略する。
ボルトの組み立てと使用方法につき説明する。
次に、本実施形態におけるボルト800の組み立てと使用方法について具体的に説明する。
図14に示すようにボルト本体311を被締結物A、Bの貫通孔に挿通する。ボルト本体311の軸部313の長さは被締結物AとBの貫通孔の長さとほぼ同一に設計する。なお、本実施形態を示す図14では被締結物Bの貫通孔の内周壁にねじ部B1が形成されている。
本実施形態ではボルト本体311の頭部312を工具で回転させてボルト本体311を被締結物AとBの貫通孔に挿入し、被締結物AとBを締結する。
次いでばね部材からなる摩擦部材41を装着した拡径部材31を副ボルト321の締結軸部353に挿通し、ボルト本体に設けた空間317に副ボルト321と共に拡径部材31を嵌め込み、副ボルト321をボルト本体311に締め込むことで拡径部材31を空間317の奥に移動させる。このとき、拡径部材31に設けた羽35(図11参照)をボルト本体311の下端に設けたスリット18にはめ込む。スリット18に羽35をはめ込むことで、副ボルト321を回転して拡径部材31をボルト本体内に引き込むことで、拡径部材31は回転を阻止され、拡径部材31は副ボルト321の回動に追随して移動する。
上述したように副ボルト321をボルト本体311の軸孔315に挿入し、副ボルトを図示しない工具で回転することにより拡径部材31は頭部312方向に引き上げられる。拡径部材31が引き上げられることにより拡径部材31の円錐台状側面に加わる力は、ボルト本体の円錐台状空間317を拡径する方向に、即ち、ボルト本体311の軸部313の先端部分を内側から外周側へ押し広げる方向に作用する。
このように拡径部材31の側面がボルト本体311の軸部313の先端部分を内側から外周側へ押し広げるように移動すると、拡径部材31にはめ込まれた摩擦部材41は拡径部材31の側面とボルト本体311の円錐台状空間317の側面との間に挟まれてばね部材からなる摩擦部材41は拡大図に模式的に示すようにその外周がボルト本体の空間317に食い込むように圧接され、拡径部材31を空間部側面に固着する。このため、拡径部材31は空間317に強固に固着されることで、振動や、温度変化の激しい状況の下でも脱落するようなことはない。
このように、拡径部材31によりボルト本体311の端部が押し広げられ、被締結物Bの貫通孔に押し付けられることでボルト本体311は被締結物に強固に固着され、長期にわたり緩むようなことがない。また、ボルト本体311の端部が拡張されるので、同時にナットの役割も果たすことができる。
〔第9実施形態〕
図15は第9実施形態のボルト900を示す一部欠裁側面図である。
第9実施形態は、前記第4実施形態と同様なので、同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
また、拡径部材、摩擦部材は前記第6実施形態と同じなので詳細な説明は省略する。
使用方法につき説明する。
図15は第9実施形態のボルト900の使用状態での一部断面図である。
ボルト本体411を被締結物A、Bの貫通孔に通す。このとき、被締結物A、Bの面からボルト本体411の両端部(ねじ部414が形成された両端部)がほぼ同じ程度突出した状態とする。
ボルト本体411の各突出端部のねじ部414に、該ねじ部414に螺合する螺旋溝を内周面に有するナット451を、ワッシャ452を介在させて装着し、被締結物A、Bを締付け固定する。
次いで、ボルト本体411の両端の円錐台状の空間417に、外側から摩擦部材41を装着した拡径部材31(例えば図11(f)と同形状のもの)を挿入し、拡径部材31の連結孔を通して副ボルト321を挿し込み、副ボルト321を工具等で回転させる。
副ボルト321を回転させて軸孔453にねじ込む際に、拡径部材31は、第1実施形態等と同様、ボルト本体の図示しないスリットに係合する羽根等の回転防止機能によって回転が防止されるように構成する。また、副ボルト321の係止頭部357に押されて拡径部材31が、円錐台状の空間417内を内方に移動する。そのため、ボルト本体411の端部が拡径されてナット451の内周壁に強く押し当てられるとともに摩擦部材41がナット451の内壁と拡径部材31とのあいだに入り、両者は強固に結合される。
この副ボルト321を締める動作を、被締結物Aの側と被締結物Bの側で同時に、または交互に行うことで、被締結物AとBが締め付けられ、ボルトは緩むことなく強固に固定される。
第9実施形態は図15に示すようにボルト本体411の外径より大きい貫通孔を有する被締結物A、Bに適用する場合に特に有効である。
〔第10実施形態〕
図16は第10実施形態のボルト1000を示す一部欠裁側面図である。
第10実施形態は、拡径部材が前記第5実施形態と異なっている他は、前記第5実施形態と同様なので、同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
また、拡径部材、摩擦部材は前記第6実施形態と同じなので詳細な説明は省略する。
使用に付き説明する。
先ずボルト主体561を被締結物A、Bの貫通孔に挿通する。次いでボルト主体561の軸部563が被締結物から突き出た先端にナット551を螺着し、ナット551を締付け、被締結物A、Bを締結する。この状態で補助ボルト571をボルト主体561の軸孔565に挿入し、補助ボルト571の頭部572をボルト主体561の凹部566に納める。
次いで、補助ボルト571の後端に摩擦部材41を嵌めた拡径部材31を挿通した副ボルト521をボルト主体561の円錐台状の空間567に、拡径部材31(例えば図11(f)と同形状のもの)が収まるように挿入し、副ボルトを工具等で回転する。
副ボルト521を回転させて軸孔575にねじ込むことで、拡径部材31は副ボルト521の係止頭部571に押されて拡径部材31が、円錐台状の空間567内を内方に移動する。そのため、ボルト本体511の端部が拡径されてナット551の内周壁に強く押しあてられ押し当てるとともに摩擦部材41がナット551の内壁と拡径部材31とのあいだに入り、両者を強固に結合する。
本第10実施形態も図示すようにボルト本体511の外径より大きい貫通孔を有する被締結物A、Bに適用する場合に特に有効である。
前記第9、10実施形態のボルトは、ボルト本体411,511とナット451,551とにより被締結物を結合した後、ボルト本体の後端部空間を拡径部材により押し広げ、雄ねじ部をナットに強固に結合する構成につき説明したが、ナット451を設けずに、ボルト本体の端部空間を拡径部材により押し広げて端部空間を被締結物の貫通孔の口径より大きく拡径することで、前記第6実施形態の図12(c)で説明したようにボルト軸部を被締結物の貫通孔から引抜くことができなくなり、従って被締結物を締結することができる。また、拡径部材とボルト本体の空間部との間には摩擦部材が存在するので、両者の間は振動や温度変化で緩むようなことがなく、長期にわたる振動等や温度変化の厳しい環境においても緩むことのない緩み止めボルト効果を有する。
〔第11実施形態〕
図17は第11実施形態のボルト1100を示す一部欠裁側面図である。
第11実施形態は、拡径部材が前記第5実施形態と異なっている他は、前記第5実施形態と同様なので、同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
拡径部材に付き説明する。
図18は拡径部材で、図11に示す拡径部材31と相違するところは拡径部材に縦に1乃至複数のスリット45を設けている点である。詳細に説明するが図11に示す拡径部材31と同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、図18は図11に示す摩擦部材41を有する拡径部材31にスリット45を設けた実施形態であるが、図4に示す拡径部材31に適用できることは勿論である。
拡径部材31は、ボルト本体11に設けた円錐台状空間17内に挿入され、副ボルト21で移動されたときにボルト本体11の先端ねじ部を外方に押し拡げる役割をする点では前記の拡径部材31と同様である。
本実施形態の拡径部材31は図18に示すように円錐台形状をしている。拡径部材31の側面32は前記ボルト本体11に設けた円錐台状空間17の傾斜角度にあわせた、円錐の頂部を無くした截頭円錐台形の形状に成形されている。なお、拡径部材31としては、少なくとも一部に円錐台状部を有していて、この円錐台状側面32が空間17の側面に専ら当接し、該空間17を拡径するようになっていればよい。
該拡径部材31は前記副ボルト21と螺合される。本実施形態では拡径部材31の軸芯部に副ボルト21のねじ部25と螺合するねじ孔33(連結孔)が螺設されている。
また、円錐台状側面32には必要により回転防止機能を設ける。該回転防止機能は前記ボルト本体11に設けたスリット18にはめ込む図18(a〜c)に図示するような羽35を設け、図18(d)に図示するようなピン36を設け、あるいは摩擦で回転を阻止する図18(e)に図示するようなロレット加工37等を施す。
このように拡径部材31に回転阻止機能を設けるのは副ボルト21に螺合した拡径部材31を、副ボルト21を回動して移動させるときに、拡径部材31が回転するのを阻止るためである。なお、拡径部材31の回転を防止する機構は、拡径部材31が回転するのを阻止する機能を果たせれば良いのでその構成はいずれでもよい。
本実施形態では拡径部材31に1乃至複数のスリット45を設ける。スリット45は図示するように拡径部材の縦方向に上から下へ、或いは下から上へ設ける。
図18(b)は羽35を有する拡径部材31にスリット45を上から下へ設けた実施例である。同(b1)は下から上にスリット45を設けた実施例である。
図18(d)はピン36を有する拡径部材31にスリット45を上から下へ設けた実施例である。同(d1)は下から上にスリット45を設けた実施例である。
図18(e)はロレット加工37を施した拡径部材31にスリット45を上から下へ設けた実施例である。同(e1)は下から上にスリット45を設けた実施例である。
図18(f)は側面に段差を設けた拡径部材31にスリット45を上から下へ設けた実施例であり、図18(f1)は拡径部材31にスリット45を下から上へ設けた実施例である。
図19(a)は拡径部材31にスリット45を上から下へ設けると共に該スリットに対応した側面の径を少々大きくした実施例である。同(a1)は下から上にスリット45を設けると共に該スリットに対応した側面の径を少々大きくした実施形態である。なお、図19(b)は図19(a)の拡大説明図である。
図18、図19は拡径部材31に摩擦部材41を付加した実施形態に付き説明したが、図4に示す摩擦部材を有しない拡径部材にスリットを設けることも有効であることは勿論である。
使用状態に付き説明する。
使用状態を図17に示すボルト1100で2枚の被締結物A、B(図12a参照)を締結した状態を示す実施形態で説明する。
先ず、副ボルト21をボルト本体11の軸孔15に通し、締結軸部23の先端部に拡径部材31を螺合し軽くねじ締めして仮止めし、ボルト1100を組立てる。(図17(b)参照)。この状態では、ボルト本体11のねじ部14先端は径方向外方に膨出せず(拡径せず)、通常寸法を保っているので通常のボルトと同様に扱える。
組み立てたボルト1100で2枚の被締結物A、Bを結合するには、図12(a)に示すように、ボルト本体11の雄ねじ部14に螺合する螺旋溝を切った基台側締結物Bのねじ部B1にボルト本体11をねじ込む。ねじ込むにあたっては、レンチ等でボルト1100を締めてボルト頭部12の下部を被締結物Aの面に当接させ通常の締め付け強さで被締結物A、Bを締結する。
次いで、緩み止めのために、副ボルト21の頭部22に図示しない回動工具(例えば6角レンチ)を当てて副ボルト21を回転させ、副ボルト21の端部先端に螺合している拡径部材31を引き上げる。拡径部材31が係止頭部22の側に引き上げられると、該拡径部材31の側面32の応力が空間17に印加される。空間17にはスリット18が設けられているので、空間17は外方に押し広げられ、ボルト本体11の軸部13は拡径される。軸部13が拡径されることで螺旋溝(雄ねじ部)14は被締結物Bのねじ部(螺旋溝)B1に強固に当接され、ボルト本体11を取り外す方向に回転しても、頭部12を回転する工具の力ではボルト1100を緩めることはできない。
一方、拡径部材31は係止頭部22の側に引き上げられるにしたがって、該拡径部材31の側面32の応力が副ボルト21を締付ける方向に印加される。拡径部材31にはスリット45が設けられているので、該拡径部材31に印加される圧力は副ボルト21を強力な力で締付けることとなり、副ボルト21の軸部23は回転を阻止される。副ボルト21の軸部23が拡径部材31で強固に締め付けられるため副ボルト21を取り外す方向に回転しても、副ボルト21の係止頭部22を回転する工具の力ではボルト1100を緩めることはできない。従って本実施例のボルト1100は盗難防止用としても有効に使用することができる。
特に図19(a)(a1)、詳細には図19(b)に拡大して示すようにスリット45に対応した側面32の径を少々大きくしたことで、拡径部材31が空間17内を押し広げるように移動し、空間を押し広げた後の移動でスリット45を締付ける力がより強くなり、拡径部材31を副ボルトの締結軸部に強固に結合することとなる。拡径部材31が副ボルトの軸部をより強固に締付けることで緩み止め効果は一層有効となる。
前記第6実施形態等では拡径部材31の円錐台状側面32の円周方向に摩擦部材41(伸縮性のあるOリング、あるいは必要により2または複数に分割した円形のばね部材等)を装着した。本実施形態では摩擦部材41は副ボルト21に強固に接合するため必ずしも摩擦部材41を必要としないが、安全を見て使用することはより効果的である。
本実施形態では副ボルト21が拡径部材31で固定されるため、被締結物に振動や温度変化等が加わっても緩むことがなく、経年安定した締結が可能となると共に、簡単に副ボルト21が外されることがないので盗難防止用ボルトとしても優れた効果を有する。
なお、本発明のボルトを盗難防止用として使用する場合、例えば上記各実施形態のボルト本体の頭部形状や凹部形状、副ボルトの頭部形状を6角形から5角形に変更することも効果的である。一般に市販されているボルトを回動する工具は6角形(偶数角形)対応である。このため、工具を用いてボルト等を回動する頭部を5角形とすることで、ボルトを回動する工具として特殊な工具を用いることとなり、市販の工具では回動できないため、このようにボルト頭部を5角形(奇数角形、7角形、9角形でも可)とすることで盗難防止の一翼を担うことができる。
〔第12、13実施形態〕
第1実施形態におけるボルトは前記したように熱膨張収縮の影響や振動による影響で緩む危険性があり、係る危険性を第6実施形態、第11実施形態等で解消した。本実施形態では副ボルトが緩むのを簡単な構成で防止した実施形態である。
本実施形態を第1実施形態に適用した状態で説明する。
図20は第12実施形態を示すもので、第1実施形態で説明したボルト本体、副ボルト、拡径部材は同一なので、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態ではボルトの使用中に副ボルトが温度変化や振動等で緩み、抜け出るのを防止する突出防止部材60が設けられている。
突出防止部材60は、ボルト本体11の頭部12に設けた凹部16を塞ぐように設けられている。該突出防止部材60はボルト本体11の頭部12に設けた凹部16を塞ぐことで、副ボルト21が使用中に緩みボルト本体から抜け出す方向(突出する方向)に移動しても、副ボルト21の頭部22が突出防止部材60で突出を阻止されて抜け出すことができないように構成する。
図20は第12実施形態で、副ボルトが緩みボルト本体から突出して抜け出るのを突出防止部材60で阻止する構成としたもので、突出防止部材60を蓋型に形成し、ボルト本体11の頭部12に螺子62で固定した状態を示している。
第12実施形態は突出防止部材60を蓋型に成形したが、副ボルトの突出、即ち、副ボルトが回転するのを阻止し、突出するのを阻止できる構造であればどの様な形状でも良い。例えば図21に示す第13実施形態のようにコの字状に折り曲げた板(突出防止部材61)をボルト本体の凹部を横切るように配置してボルト頭部12に固定するようにしてもよい。
或いは図1に示すような、ボルト本体頭部12の凹部16に副ボルトの頭部22が挿入されるタイプでは凹部16と頭部22との間隙に固形部材、例えば硬化性樹脂等を充填することで副ボルトの回転を阻止するように構成してもよく、副ボルトをボルト本体に溶接、接着剤による接着で固定してもよい。
〔第14、15,16実施形態〕
図22、図23は本発明の第14、15実施形態で、ボルト本体11の頭部21を被締結部物Aに設けた凹部A2に埋め込むように構成したものである。
特に図23に示す実施形態はボルト頭部の下部を傾斜面として被締結物Aに埋め込んだ時に被締結物表面と頭部とが凹凸がないように施工するように構成したものである。
また、図24は本発明の第16実施形態であり、ボルト本体をなべねじで構成したものである。
〔第17実施形態〕
図25は本発明の第17実施形態で、図15に示すボルト本体411を六角穴付き止めボルト412で構成し、副ボルトの頭部357に該副ボルトを回動するマイナスまたはプラスの溝を設けた構成としている。
第14〜17実施形態は部分的に前記実施形態と異なるが、本質は前記実施形態と同様なのでその詳細な説明は省略する。
以上、複数の実施形態により本発明を説明したが、各実施形態で説明したボルト本体、副ボルト、拡径部材、摩擦部材の組み合わせを任意に変えて実施できることは勿論、本発明は上記実施形態に限定されず、発明の主旨を変えない範囲での変更が種々可能である。
10 ボルト
11 ボルト本体
12 ボルト頭部
13 ボルト軸部
14 螺旋溝
15 軸孔
16 頭部凹部
17 後端部空間
18 スリット
21 副ボルト
22 係止頭部
23 締結軸部
25 ねじ部
31 拡径部材
32 側面
32 円錐台状側面
33 ねじ孔
34 摩擦部材保持部(溝)
35 羽
36 ピン
37 ロレット加工
41 摩擦部材
45 スリット
60 突出防止部材
61 突出防止部材
210 ボルト
221 副ボルト
223 締結軸部
225 ねじ部
251 ナット
310 ボルト
311 ボルト本体
312 頭部
313 ボルト本体軸部
314 螺旋溝
315 軸孔
317 円錐台状空間
318 スリット
321 副ボルト
338 貫通孔
353 締結軸部
355 ねじ部
357 係止頭部
358 ねじ部
359 締結軸部
410 防止ボルト
410 ボルト
411 ボルト本体
413 軸部
414 ねじ部
417 円錐台状空間
421 副ボルト
451 ナット
453 軸孔
510 ボルト
511 ボルト本体
521 副ボルト
551 ナット
561 ボルト主体
562 頭部
563 軸部
565 軸孔
566 凹部
567 空間
571 補助ボルト
572 頭部
573 軸部
574 ねじ部
575 軸孔
600 ボルト
700 ボルト
800 ボルト
900 ボルト
1000 ボルト
1100 ボルト
A 被締結物
B 被締結物
B1 ねじ部

Claims (3)

  1. ボルト本体と、副ボルトと、拡径部材からなるボルトであり、
    前記ボルト本体が、ボルト主体と補助ボルトとからなり、
    前記ボルト主体はその軸芯部に軸孔が設けられ、該軸孔の端部が先端に近いほど拡幅された円錐台状の空間となるように形成され、該円錐台状空間が形成された先端部軸孔の周方向に1乃至複数のスリットが形成されており、
    前記補助ボルトは、前記ボルト主体の軸孔に回転不能に挿入され、補助ボルト端部には前記拡径部材を装着した副ボルトを螺合するねじ部が設けられて
    前記副ボルトは前記ボルト主体に設けた軸孔に挿入され、前記補助ボルトのねじ部に螺合されて前記拡径部材をボルト本体の空間を拡径する方向に移動させて、前記ボルト本体の空間に拡径力を付与する
    ボルト。
  2. ボルト本体と、ナットと、副ボルトと、拡径部材からなるボルトであり、
    前記ボルト本体が、ボルト主体と補助ボルトとからなり、
    前記ボルト主体は、その一端に頭部が形成され、他端に前記ナットが装着され、その軸芯部に軸孔が設けられ、該軸孔の端部が先端に近いほど拡幅された円錐台状の空間となるように形成され、該円錐台状空間が形成された先端部軸孔の周方向に1乃至複数のスリットが形成されており、
    前記拡径部材はボルト本体の前記空間内に配設され、該空間の内壁に当接して空間を拡径する円錐台状側面を有し、
    前記補助ボルトは、前記ボルト主体の軸孔に回転不能に挿入され、補助ボルト端部には前記拡径部材を装着した副ボルトを螺合するねじ部が設けられ、
    前記副ボルトは前記補助ボルトに設けたねじ部に螺合され、前記拡径部材をボルト本体の空間を拡径する方向に移動させて前記ボルト本体の空間を拡径し、前記ナットの内壁面に拡径力を付与する
    ボルト。
  3. 前記拡径部材は、前記ボルト本体の空間内に配設され、該空間の内壁に当接して空間を拡径する円錐台状側面と、該円錐台状側面と前記空間との間に挿入される摩擦部材を保持する摩擦部材保持部を有し、該保持部に摩擦部材が保持されている請求項1又は2に記載のボルト
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