WO2006013628A1

WO2006013628A1 - 旋回式作業機械

Info

Publication number: WO2006013628A1
Application number: PCT/JP2004/011178
Authority: WO
Inventors: Hiroaki Ayabe; Mineaki Ogata
Original assignee: Yanmar Co., Ltd.
Priority date: 2004-08-04
Filing date: 2004-08-04
Publication date: 2006-02-09
Also published as: EP1788159A1; CA2576165A1; AU2004322051A1; US20080191516A1; CN101076635A; EP1788159A4

Abstract

　走行装置１の上部に旋回体８を備える旋回式作業機械であって、前記旋回体８の旋回中心からの後部突出長さが旋回中心から履帯側端までの長さと略同一であり、エンジン冷却形式が吐出式の旋回式作業機械において、エンジン３０を覆うボンネット１５に冷却風を排出する排気口１５ｂを設け、該排気口１５ｂに上向きの風向板１６ａを設けた。

Description

明細書

旋回式作業機械

技術分野

[0001] 本発明は旋回作業車における旋回体の構造に関し、特に、ボンネットに設ける排風構造に関する。

背景技術

[0002] 従来、機体下部にクローラ式走行装置等の走行装置の中央上部に旋回体を載置して、左右旋回自在に構成される旋回式作業車は一般的に知られている。

このような旋回作業車の旋回体内部には、エンジンが配設されており、該エンジンを冷却するためのラジェータ及び冷却ファンがエンジンの近傍に配設され、冷却後の排風は、旋回体の側部に開口した排気口より後方に排出するようにしたものが知られている（例えば、特許文献 1参照）。

また、ローダのボンネット後部に排気口を設け、該排気口に角度変更可能なルーバ機構を設け、ラジェータ水の水温や作業機用作動油や走行装置用作動油の油温に伴って、ルーバの角度を水平から上方に向けて可変に構成し、エンジンルームから漏れる騒音の低減、及び、エンジンの冷却効率を向上してオーバーヒートを防止するようにした技術が公開されている（特許文献 2参照）。また、ボンネットの後部開口に風向板を設けて下方に向けて排出するようにした技術も公知となっている（特許文献 3参照）。

そして、上記のような構造の作業車においては、ボンネットの排気口から後方に排気される構成となっていたために、排出されるエンジン排風が壁際の植込み等にか力、ることがなぐまた、作業車の側方を通る作業者や歩行者へ吹き付けることもなかつた。

し力ながら、バックホー等の旋回作業車であって、特に、旋回体の旋回中心からの後部突出長さが旋回中心から履帯側端までの長さと略同一、所謂後方小旋回型の作業車にあっては、壁際や歩道に沿って旋回して作業することが可能となるため、旋回体と壁際との距離が近くなつて、エンジン排風が排風口を介して直接立ち木等に吹きかかり、立ち木を枯らす原因となっていたのである。また、作業時において、側方を通行する作業者や歩行者へも直接吹きかかり、不快感を与えることもあったのである。

このような問題点を回避する為に、エンジンの冷却方式を吸い込み式にすることが考えられる力吸い込み式では運転席の下に熱気が溜まり、それによつてオペレータルームが熱くなり、オペレータにとって不快となるものであった。

[0003] 特許文献 1 :特開 2001— 342644号公報

特許文献 2：特開平 11-11162号公報

特許文献 3：実開平 2 - 41822号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 解決しょうとする課題は、エンジン冷却方式が吐き出し式のものであって、エンジンの排風が直接立ち木等に吹き力、かることを防止し、側方を通行する作業者や歩行者へ吹きかかることを防止することである。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明の旋回式作業機械は、走行装置の上部に旋回体を備える旋回式作業機械であって、前記旋回体の旋回中心からの後部突出長さが旋回中心から履帯側端までの長さと略同一であり、エンジン冷却形式が吐出式の旋回式作業機械において、エンジンを覆う外装カバーに冷却風を排出する開口部を設け、該開口部近傍に、前記エンジンからの排気を機体の上方向、下方向のうち少なくとも一方向に向けて排出する風向規制手段を設けたものである。

[0006] 本発明の旋回式作業機械は、前記外装カバーには、上向きの風向板を設けて前記風向規制手段としたものである。

[0007] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの出口には、上向きの風向板を設けて前記風向規制手段としたものである。

[0008] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの出口には、下向きの風向板を設けて前記風向規制手段としたものである。

[0009] 本発明の旋回式作業機械は、前記外装カバーには、上下略中央部より上側は上方向に、上下略中央部より下側は下方向に向ける風向板を設けて前記風向規制手段としたものである。

[0010] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの出口には、上下略中央部より上側は上方向に、上下略中央部より下側は下方向に向ける風向板を設けて前記風向規制手段としたものである。

[0011] 本発明の旋回式作業機械は、前記風向規制手段として風向板を複数設け、該風向板の一部または全部を着脱可能に構成したものである。

[0012] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの上側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段としたものである。

[0013] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの下側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段としたものである。

[0014] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの上側と下側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段としたものである。

[0015] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、該カバー体を着脱可能に構成したものである。

[0016] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、該カバー体を外装カバーと一体的に構成したものである。

[0017] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、開口部に風向板を配置したものである。

[0018] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの上部を覆う蓋体を着脱自在に構成したものである。

発明の効果 [0019] 本発明の旋回式作業機械は、走行装置の上部に旋回体を備える旋回式作業機械であって、前記旋回体の旋回中心からの後部突出長さが旋回中心から履帯側端までの長さと略同一であり、エンジン冷却形式が吐出式の旋回式作業機械において、エンジンを覆う外装カバーに冷却風を排出する開口部を設け、該開口部近傍に、前記エンジン力もの排気を機体の上方向、下方向のうち少なくとも一方向に向けて排出する風向規制手段を設けたので、

エンジン排風が水平方向に排出されることがなぐ壁際の立ち木等に直接吹きかかることがない。また、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがないものである。

[0020] 本発明の旋回式作業機械は、前記外装カバーには、上向きの風向板を設けて前記風向規制手段としたので、

エンジン排風を上方向に排出することができ、壁際の立ち木等に直接吹き力、かることがない。また、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがなレ、ものである。

[0021] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部とラジェータの間にダ外を設け、該ダクトの出口には、上向きの風向板を設けて前記風向規制手段としたので、

エンジン排風を上方向に排出することができ、壁際の立ち木等に直接吹き力かることがない。また、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがないものである。

[0022] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部とラジェータの間にダ外を設け、該ダクトの出口には、下向きの風向板を設けて前記風向規制手段としたので、

エンジン排風を下方向に排出することができ、壁際の立ち木等に直接吹き力かることがない。また、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがないものである。

[0023] 本発明の旋回式作業機械は、前記外装カバーには、上下略中央部より上側は上方向に、上下略中央部より下側は下方向に向ける風向板を設けて前記風向規制手段としたので、

[0024] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの出口には、上下略中央部より上側は上方向に、上下略中央部より下側は下方向に向ける風向板を設けて前記風向規制手段としたので、エンジン排風が水平方向に排出されることがなぐ壁際の立ち木等に直接吹きかかることがなレ、。また、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがないものである。

[0025] 本発明の旋回式作業機械は、前記風向規制手段として風向板を複数設け、該風向板の一部または全部を着脱可能に構成したので、

蔽された外装カバー内部のメンテナンスを容易に行うことができるようになる。また、簡単な構造でメンテナンス性の向上を図ることができる。

[0026] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの上側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段としたのでエンジン排風を上方向に排出することができ、壁際の立ち木等に直接吹き力、かることがない。また、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがなレ、ものである。

[0027] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの下側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段としたのでエンジン排風を下方向に排出することができ、壁際の立ち木等に直接吹き力かることがない。また、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがないものである。

[0028] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの上側と下側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段としたので、

エンジン排風が水平方向に排出されることがなぐ壁際の立ち木等に直接吹きかかることがなレ、。また、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがないものである。

[0029] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、該カバー体を着脱可能に構成したので、

[0030] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、該カバー体を外装カバーと一体的に構成したので、

[0031] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、開口部に風向板を配置したので、

[0032] 本発明の旋回式作業機械は、前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの上部を覆う蓋体を着脱自在に構成したので、

メンテナンス時に、蓋体を取り外すことで、排風ダクトの内部の清掃及び点検等が行い易くなるものである。

図面の簡単な説明

[0033] [図 1]図 1は、本発明の一実施例に係る旋回作業車の全体構成を示す側面図である

[図 2]図 2は、旋回体の構成を示す側面図である。

[図 3]図 3は、ボンネットの構成を示す側面図である。

[図 4]図 4は、旋回体内部の概略構成を示す平面図である。

[図 5]図 5は、グリルの構成を示す正面断面図である。

[図 6]図 6は、第二実施例のグリルの構成を示す正面断面図である。

[図 7]図 7は、第三実施例のグリルの構成を示す正面断面図である。

[図 8]図 8は、風向板の構成を示す正面断面図である。

[図 9]図 9は、別実施例の風向板の構成を示す正面断面図である。

[図 10]図 10は、カバー体の構成を示す正面断面図である。

[図 11]図 11は、第二実施例のカバー体の構成を示す正面断面図である。

[図 12]図 12は、第三実施例のカバー体の構成を示す正面断面図である。

[図 13]図 13は、ボンネットに一体成形された排風グリルの構成を示す後面斜視図である。 [図 14]図 14は、脱着可能な風向板の構成を示す斜視図である。

[図 15]図 15は、ボンネット内側に配される排風ダクトの構成を示す図である。

符号の説明

[0034] 1 クローラ式走行装置

8 旋回体

15 ボンネット

15a 排気ダクト

16 グリル

16a 風向板

16b 縦桟

30 エンジン

32 旋回フレーム

34 冷却ファン

37 ラジェータ

発明を実施するための最良の形態

[0035] 本発明をより詳細に詳述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。

[0036] まず、本発明の排気構造を有する旋回式作業車の全体構成について説明する。

図 1に示すように、旋回作業車は、クローラ式走行装置 1の上部中央に旋回台軸受

7を配置し、該旋回台軸受 7により旋回体 8を左右旋回可能に軸受支持している。該クローラ式走行装置 1の前後一端部において、排土板 10を上下回動自在に配設している。

[0037] 旋回体 8上には後述するエンジン 30を載置して外装カバー（以下ボンネットと称する） 15により被覆し、更に運転席 21や作業機の操作装置等が配設されている。旋回体 8の前端部には左右回動自在に取り付けられたブームブラケット 12に、ブーム 6の下端部が前後回動自在に枢支されている。該ブーム 6の先端部はアーム 5の基部が枢支されており、該アーム 5の先端部にはパケット 4等のアタッチメント機器が装着されるものである。また、旋回体 8の後部上にはキヤノピー 70が立設されている。

[0038] 前記クローラ式走行装置 1は前後一側に駆動スプロケット 41が配置され、他側に従動スプロケット 42が配置され、該駆動スプロケット 41と従動スプロケット 42の間に履帯 43が卷回されている。該駆動スプロケット 41は油圧モータ 44によって駆動される。また、旋回体 8の下部に配される旋回フレーム 32と旋回台軸受 7の間には旋回モータが配置され、該旋回モータにより旋回フレーム 32を旋回可能としている。

また、前記旋回体 8の旋回中心からの後部突出長さが旋回中心から履帯 43側端までの長さと略同一、所謂、後方小旋回型の掘削作業機械に構成しており、壁際に沿つて旋回して作業ができる構成としてレ、る。

[0039] 次に、旋回体 8の構成について説明する。

図 4、図 5に示すように、旋回体 8は旋回フレーム 32上にエンジン 30やラジェータ 3 7や油圧ポンプや作動油タンクゃバッテリや燃料タンク等を載置し、これらをボンネット 15やサイドカバー 11 (図 2)等により覆っている。エンジン 30とラジェータ 37との間には冷却ファン 34を配置しており、該ラジェータ 37の側方のボンネット 15側面には排気口 15bを設けて、該排気口 15bとラジェータ 37との間に排風ダクト 15aが配置され、これらを左右方向に順に配置している。エンジン 30の駆動により冷却ファン 34が回転駆動されてラジェータ 37に向けて冷却風が送風され、ラジェータ 37を通過して高温となった排風は排風ダクト 15aを介してボンネット 15に設けた排気口 15bより旋回体 8の外部に排出される構成としている。

旋回体 8の後部にはカウンタウェイト 31が配設され、左右側部はサイドカバー 11 · 1 1により被装されるものである。また、旋回体 8の略中央上に運転席 21が配設される。

[0040] エンジンやラジェ一タ等を覆う外装カバーは本実施例では左ボンネットと右ボンネットと後部ボンネットと上部ボンネットより構成されてレ、るが、これらのうち複数を一体的に構成することもでき、ラジェータ 37の排出側の外装カバーに排気口が構成されている。本実施例では右側のボンネット 15に排気口 15bが形成されている。

該ボンネット 15の構成について図 2乃至図 5により説明する。

図 2に示すように、ボンネット 15は旋回体 8の上側部を被装するものであり、旋回体 8の側部形状に沿った形状に構成されている。旋回体 8のラジェータ 37配置側のボンネット 15には排気口 15bを設け、該排気口 15bに断面視階段状に形成される段付き部（図 5)を有するグリル 16が形成されている。本実施例では斜め側部後方にダリノレ 16が配置されている。該グリル 16には排風方向を変更する手段が設けられ、ボンネット 15またはダクト出口部分と一体的に構成することもできるし、別部材で構成して着脱可能に構成することもできる。該グリル 16にはプレート状のフィン等によって風向板 16a ' 16a ' · ·を形成して、エンジン冷却風の排風方向を変更できるようにしているボンネット 15の後部は、旋回体 8の後部に配設されるカウンタウェイト 31の側部形状に沿って構成されており、ボンネット 15の後下部は切りかかれた形状になっている

[0041] 前記グリル 16は格子状に形成されており、正面断面視においては、階段状に構成されている。グリル 16は板状に形成された風向板 16aを上下平行に前後（または左右)方向に横設しており、それぞれ機体外側を斜上方へ傾けて配置して、エンジン 3 0から排出される排気を斜め上方へ吐き出すように構成している。また、各風向板 16 a - 16a - · ·の前後（または左右）間には適宜間隔をあけて梯子状に縦桟 16bが懸架され、エンジン排風の風圧により各風向板間の幅が変化しないようにすると共に、風向板 16aの補強を図っているものである。

このように成形されるグリル 16をボンネット 15に設けた排気口 15bに装着し、ェンジン排風方向を変更するようにしているのである。尚、縦桟 16bの位置はラジェータの縦桟ゃ側板の位置に合わせて対向した外側に配設され、できるだけ排風の抵抗の増加を防止するようにしてレ、る。

[0042] 以上のように、旋回体 8のボンネット 15に排風方向を変更する形状を有するダリノレを設けたので、エンジン排風方向を上方に向けることができ、エンジン排風が壁際の立ち木や、歩行者に吹き力、かることを防止できるのである。また、エンジンの冷却方式を吐き出し式としているので、オペレータルームが熱くなることがなぐオペレータルーム内の快適性を保つことができる。

[0043] なお、図 6に示すように、前記グリル 16に形成される横向きの風向板 16aを、それぞれ斜め下方に傾けて配置する構成としてもよい。

即ち、このように構成することで、エンジン排風を下方向に向けて排出することが可能となり、壁際に沿って作業する際に、エンジン排風が壁際の立ち木や、歩行者に吹き力かることを防止できるのである。

[0044] また、図 7に示すように、前記横向きの風向板 16aをグリル 16の上下中間位置より上部分は斜め上方に傾けて配置し、下部分は斜め下方に傾けて配置する構成としてもよい。

このような構成とすることで、エンジン排風を上下方向に排出することが可能となり、エンジン排風が水平方向へ排出されることがなぐエンジン排風が壁際の立ち木や、歩行者に吹き力、かることを防止できるのである。

[0045] 以上のように、旋回体 8のボンネット 15に設けた排風ダクト 15aに排風方向変更手段を設けて、エンジン排風方向を上方向、下方向、又は、上下方向に向けて排出するように構成したので、エンジン排風方向が水平方向に排出されることがないため、機体側方を通行する歩行者に吹き力かることがなぐまた、壁際に沿って作業する際においても、壁際の立ち木等に吹き力かることがないため、立ち木等を枯らす心配がないのである。

[0046] 次に、排風方向変更手段の第二実施例について説明する。

前記第一実施例ではボンネットとダクトと風向板が一体的、または、ボンネットと風向板が一体的、または、ダクトと風向板が一体的に構成していた力第二実施例では、風向板をボンネットまたはダクトと別部材とで構成している。

即ち、図 8に示すように、排風ダクト 15aの内部、または、ボンネット 15に設けた排気口 15bの内側に複数の板状の風向板 19を、互いに略平行となるように上下に並べて配設して、エンジン排風方向を下方向に排出できるように構成している。

前記風向板 19はボンネット 15に設けた排気口 15bの内側に配される排風ダクト 15 a内部に横架され、排風ダクト 15aの内部側面に両端部を固設している。また、風向板 19は上下方向に複数並設されて、それぞれ外側が斜下方に傾けて配置されている。また、図示しないが、全て外側が斜上方に傾けて配置することもできる。

このような構成により、エンジン排風方向を下方向（または上方向）に案内することができ、壁際に沿って作業する際に、エンジン排風が壁際の立ち木や、歩行者に吹き力かることを防止することができるのである。

[0047] また、図 9に示すように、排風ダクト 15a内部の上下位置に複数並設した風向板 19 の上半部は斜上方に向けて傾けて配置し、下半部は斜下方に向けて傾けて配置することで、エンジン排風方向を上下方向に排出するように構成してもよい。

即ち、ボンネットに設けた排気口 15bの上下中間位置を基準として上半部分の風向板 19aは斜上方に傾けて配置し、下半部分の風向板 19bは斜下方に傾けて配置しているのである。

このように構成することで、ラジェータ 37を通過して排風ダクト 15a内に進入するェンジン排風が水平方向に排出されることがないため、壁際の立ち木や歩行者に吹きかかることを防止できるのである。

また、図示しないが、グリルのみボンネットやダクトと別部材で構成し、前記同様に風向板を斜上方向、または、斜下方向、または、上部中間から上半分は斜上方に、下半分は斜下方に向けて配置する構成とすることもできる。このとき、グリルはボンネットまたはダクトに対して着脱自在に構成し、ボルト等により固定するものである。次に、排風方向変更手段の第三実施例について説明する。

前記第一実施例及び第二実施例では風向板または風向板を用いて風向を変更していたが、第三実施例では、ボンネットまたはダクトの排気用開口部の外側に、所定間隔をあけてカバー体を設けて、該カバー体とボンネットまたはダクトの開口端との間の上部または下部または側部に出口開口を設けて、その出口開口から上方または下方に排風を導くように構成している。但し、開口部に風向板を設ける構成とすることも、設けない構成とすることもできる。

即ち、図 10に示すように、ボンネット 15にカバー体 25を設ける構成について説明すると、ボンネット 15に設けた冷却風排出用の排気口 15bの位置及び大きさに合わせて、排気口 15bの外側にカバー体 25を配置して、該カバー体 25の上部とボンネット 15の間からエンジン排風を上方向に排出できるように構成している。

つまり、カバー体 25はボンネット 15の外面側から所定間隔を開けて外側に突出して配置し、ボンネット 15に設けた排気口 15bの下部及び左右側部を密閉して固定して、ボンネット 15外面とカバー体 25上部の間に開口を設ける構成としている。そして、エンジン排風がこの上部の出口開口のみ力、ら排出される構成としている。また、風向板 19 · 19 · · ·をボンネット 15に設けた排気口 15b内に配置して、カバー体 25上部の開口部にエンジン排風を案内できるようにしてレ、る。

このような構成により、エンジン排風方向を上方向に案内することができ、壁際に沿つて作業する際に、エンジン排風が壁際の立ち木や、歩行者に吹き力かることを防止することができるのである。

[0049] また、図 11に示すように、前述の形態と逆に、カバー体 25をボンネット 15の外面であって、ボンネット 15に設けた排気口 15bの上部及び左右側部を密閉固定して、下部を出口開口した構成としてもよい。風向板 19 · 19 · · ·は斜め下方に向ける。

つまり、このような構成とすることで、エンジン排風が下部の開口部のみから排出されることとなり、エンジン排風方向を下方向に案内することができ、同様の効果を得ることができるのである。

[0050] さらに、図 12に示すように、前記カバー体 25をボンネット 15の外面であって、ボンネット 15の排気口 15bの左右側部を密閉固定して、上部と下部を出口開口とする構成としてもよい。

この場合、排気口 15bの上下中間位置より上側の風向板 19a ' 19a ' · ·は斜上方に傾けて配置し、下側の風向板 19b ' 19b ' · ·は斜下方に傾けて配置している。

このように、排気口 15bに別体で風向板 19 · 19 · · ·を設け、ボンネット 15外装に別体としてカバー体 25を設けると共に、カバー体 25の上部と下部を開口したので、ェンジン排風が上部と下部の出口開口のみから排出されることとなり、エンジン排風方向を上下方向に案内することができる。そして、水平方向へエンジン排風が排出されることがなぐ壁際の立ち木や、歩行者に吹き力かることを防止できるのである。尚、前記カバー体 25は排気口 15bより大きく構成して直接排気が側方へ排出されないようにしており、該カバー体 25はボンネットまたはダクトに対して着脱自在に構成することができ、または、ボンネットまたはダクトと一体的に構成することもできる。また、開口面積を大きくするために、カバー体 25の四隅を固定して、カバー体 25とボンネットの間の上下左右に開口部を設けることもできる。

[0051] 次に、第一実施例または第二実施例のグリルにおいて、複数の風向板を部分的、つまり、一つまたは複数を着脱可能とした実施例について説明する。

つまり、本実施例では最下端の風向板を着脱可能に構成した実施例について説明する。図 13、図 14に示すように、旋回体 8を形成するボンネット 15の外装に排風ダリル 26がー体的に設けられており、該排風グリル 26は格子状に形成されている。該排風グリル 26を構成する複数の風向板 26a ' 26a ' · ·は斜上方に向けて傾けて配置されており、該風向板 26a ' 26a ' · ·の間には梯子状に縦桟 26b ' 26b ' · ·が懸架されている。

[0052] 前記排風グリル 26の下部には脱着自在に風向板 29がボルト 20等で固定されて配置されており、該風向板 29は前記風向板 26aと同様に斜上方に向けて傾けて配置されている。前記ボルト 20 · 20は排風グリル 26の下部に穿孔された孔を揷通して、風向板 29の左右両端に螺揷されている。そして、該ボルト 20 · 20を取り外すことで、風向板 29を取り外すことができるようにしている。

[0053] このような構成により、両側のボノレト 20.20を外すことにより、前記風向板 29を外して開口部 26cの下部において手を揷入できる程度の開口を設けることができ、該開口部 26cから排風グリル 26内部側に配置されたラジェータ等のメンテナンスを行うことが可能となるのである。例えば、ラジェータの冷却水を交換する場合など、大きなボンネットを外すことなぐ最下部の風向板 29を外すだけでラジェータ下部に設けたドレンの栓を外すことができるのである。このとき、風向板 26aが上方に傾斜して設けられていると、下方に向かって容易に手を挿入することができ、外す風向板の数も少なくできるのである。また、ラジェータの上下中途部に温度センサが配置されているときには、その温度センサが配置されている高さに一致する風向板を着脱可能に構成することで、温度センサの不良の判断や交換等が容易にできるのである。また、開口部と風向板の間にオイルクーラーやコンデンサ等の冷却を要する機器が配置されている場合も同様に、その機器の高さに合致する風向板を着脱可能に構成することによつて、その部分の風向板を外すことで容易にメンテナンスができるのである。

このように、旋回体 8の外装に一体的に設けた排風グリル 26の一部の風向板を脱着可能に構成したので、簡単な構造でメンテナンス性を向上できるのである。

[0054] 次に、排風ダクト 15aの構造について図 4、図 15により説明する。

前述の如ぐ排風ダクト 15aは、ボンネット 15の側面に設けた排気口 15bとラジェ一タ 37との間に配置されている。図 15に示すように、前記排風ダクト 15aはボンネット 15の内側に配置され、排気口 15bを覆うように水平方向に貫通されたボックス状に形成されている。また、前記排風ダクト 15aは、略円弧状に湾曲されたボンネット 15の側面に設けられた排気口 15bを覆うため、外周形状を平面視略三角形状に形成している（図 4)。

[0055] 前記排風ダクト 15aの上板は、外側外周をボンネット 15の形状に合わせて略扇状に形成され、その他の部分は排風ダクト 15aの上部形状に合わせて蓋体 38が構成されており、排風ダクト 15aの上部からエンジン排風が漏れないようにしている。前記蓋体 38は、ボルト等の締結具を揷通するための揷通孔 38aを複数外周部に有しており、ボルト 39により排風ダクト 15aの上部に固定されているものである。

また、前記蓋体 38はボルト 39を取り外すことで、容易に排風ダクト 15aの上部から取り外すことが可能となっているものである。但し、ボルトによる固定以外に、ワンタツチ式の係止具を用いたり、嵌め込み式に構成することもでき、着脱可能として固定するための構造は限定するものではない。

[0056] このように排風ダクト 15aの上部に着脱自在に蓋体 38を設けていることで、作業時には排風ダクト 15aの上部を閉じておくことができ、メンテナンス時には、上部ボンネットを開放して、前記蓋体 38を取り外すことで、排風ダクト 15aの内部の清掃及び点検等を行レ、易くすることができるのである。

産業上の利用可能性

[0057] 本発明は、環境問題等の観点より、熱気や粉塵等を含んだ排風の水平方向への排出の防止が不可欠な、あらゆる用途に適用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 走行装置の上部に旋回体を備える旋回式作業機械であって、前記旋回体の旋回中心からの後部突出長さが旋回中心から履帯側端までの長さと略同一である、ェンジン冷却形式が吐出式の旋回式作業機械において、

エンジンを覆う外装カバーに冷却風を排出する開口部を設け、該開口部近傍に、前記エンジン力の排気を機体の上方向、下方向のうち少なくとも一方向に向けて排出する風向規制手段を設けたことを特徴とする旋回式作業機械。

[2] 前記外装カバーには、上向きの風向板を設けて前記風向規制手段とすることを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[3] 前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの出口には、上向きの風向板を設けて前記風向規制手段とすることを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械

[4] 前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの出口には、下向きの風向板を設けて前記風向規制手段とすることを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械

[5] 前記外装カバーには、上下略中央部より上側は上方向に、上下略中央部より下側は下方向に向ける風向板を設けて前記風向規制手段とすることを特徴とする請求項

1記載の旋回式作業機械。

[6] 前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの出口には、上下略中央部より上側は上方向に、上下略中央部より下側は下方向に向ける風向板を設けて前記風向規制手段とすることを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[7] 前記風向規制手段として風向板を複数設け、該風向板の一部または全部を着脱可能に構成することを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[8] 前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの上側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすることを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[9] 前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの下側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすることを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[10] 前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの上側と下側の間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすることを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[11] 前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、該カバー体を着脱可能に構成することを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[12] 前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、該カバー体を外装カバーと一体的に構成することを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[13] 前記開口部の外側にカバー体を設けて、該カバー体と前記外装カバーの間に出口開口を設けて前記風向規制手段とすると共に、開口部に風向板を配置することを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。

[14] 前記開口部とラジェータの間にダクトを設け、該ダクトの上部を覆う蓋体を着脱自在に構成することを特徴とする請求項 1記載の旋回式作業機械。