JP3898503B2 - 建設機械 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧クレーン、油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、エンジンに吸込まれる空気を清浄化するためのエアクリーナを備えた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成されている。
【0003】
そして、上部旋回体を構成する旋回フレーム上にはエンジンが搭載され、該エンジンは、旋回フレーム上に設けられた建屋カバーによって覆われる構成となっている。また、エンジンの吸気側には、通常、空気中に含まれるダスト(粉塵)を分離して清浄な空気のみをエンジンに供給するためのエアクリーナが接続されている。
【0004】
ここで、従来技術によるエアクリーナとして遠心分離型のエアクリーナが知られており、この遠心分離型のエアクリーナは、エンジンの吸気管に接続されたケーシングと、該ケーシングに接続され空気を導入する空気導入管と、前記ケーシングに接続され遠心分離したダストを外部に排出するダスト排出管とにより大略構成されている。
【0005】
そして、遠心分離型のエアクリーナは、空気導入管を通じてケーシング内に吸込んだ空気中のダストを該ケーシング内で遠心分離し、この遠心分離したダストをダスト排出管から外部に排出することにより、清浄な空気のみをエンジンに供給するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のエアクリーナを建屋カバー上に配設した建設機械においては、通常、エアクリーナのダスト排出管が、建屋カバーの上面に向けて下向きに設けられているため、ダスト排出管から排出されたダストは、建屋カバーの上面に堆積するようになる。
【0007】
これにより、建設機械の外観美が損なわれてしまうだけでなく、建屋カバー上に山状に堆積したダストによってエアクリーナのダスト排出管が閉塞されてしまい、エアクリーナのダスト分離性能が低下してしまうという問題がある。
【0008】
一方、例えば建屋カバーの上面に孔を穿設し、ダスト排出管から排出されたダストを、該孔を通じて建屋カバー内に排出するようにした場合には、建屋カバー内に収容されたエンジン、ラジエータ、油圧ポンプ等が、排出されたダストによって汚損されてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、エアクリーナによって分離されたダストが建屋カバー上に堆積するのを抑え、エアクリーナの性能を長期に亘って良好に保つことができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、車体を構成するフレーム構造体と、該フレーム構造体上に設けられ空気取入口を有する建屋カバーと、該建屋カバー内に位置してフレーム構造体上に搭載されたエンジンと、該エンジンに取付けられ回転時に空気取入口を通じて建屋カバー内に冷却風を吸込む吸込み式の冷却ファンと、エンジンの吸気側に接続して設けられ空気中に含まれるダストを分離して清浄な空気をエンジンに供給するエアクリーナとを備えてなる建設機械に適用される。
【0011】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、エアクリーナは、分離したダストを外部に排出するダスト排出口を下向きとした状態で建屋カバー上に設け、建屋カバーには、冷却ファンによって建屋カバー内に冷却風が吸込まれたときに該建屋カバー内の空気をダスト排出口から排出されたダストに向けて吹き出す空気吹出口を設けたことにある。
【0012】
このように構成したことにより、エンジンの作動時に冷却ファンによって建屋カバー内に冷却風が吸込まれ、建屋カバー内の圧力が高まると、建屋カバー内の空気は、空気吹出口を通じて建屋カバーの外部へと導出され、エアクリーナのダスト排出口から排出されたダストに向けて吹き出す。これにより、空気吹出口から吹出す空気によってダストを吹き飛ばし、該ダストが建屋カバー上に堆積するのを抑えることができるので、ダスト排出口が堆積したダストによって閉塞されるのを抑えることができる。
【0013】
請求項2の発明は、建屋カバーには、空気吹出口からの空気がダスト排出口から排出されたダストに向けて吹出すように案内するガイド部材を設ける構成としたことにある。
【0014】
このように構成したことにより、空気吹出口から吹出した空気は、ガイド部材に案内されて建屋カバー上に排出されたダストに導かれるので、このダストを確実に吹き飛ばすことができる。
【0015】
請求項3の発明は、ガイド部材は、空気吹出口を上方から覆いダスト排出口から排出されたダストに向けて開口したガイド板により構成したことにある。
【0016】
このように構成したことにより、空気吹出口から吹出した空気を、ガイド板の開口を通じて、建屋カバー上に排出されたダストに集中して吹付けることができ、排出されたダストを効率良く吹き飛ばすことができる。また、ガイド板によって空気吹出口を上方から覆うことにより、ダスト排出口から排出されたダストが、空気吹出口を通じて建屋カバー内に侵入するのを抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図7を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図中、1はクローラ式の下部走行体、2は下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、これら下部走行体1と上部旋回体2とにより、油圧ショベルの車体が構成されている。
【0019】
3は上部旋回体2のベースをなすフレーム構造体としての旋回フレームで、該旋回フレーム3は、図2に示すように、底板(図示せず)と共にセンタフレームを形成し前,後方向に延びる左,右のセンタビーム3A,3Aと、基端側が各センタビーム3Aに固着され左,右方向に延びた複数本の張出しビーム(図示せず)と、これら張出しビームの先端側に固着され前,後方向に延びた左,右のサイドフレーム3B,3Bとにより強固な骨組み構造をもって構成されている。そして、各センタビーム3Aの前部側には、掘削作業用の作業装置(図示せず)が俯仰動可能に設けられ、各センタビーム3Aの後部側には、作業装置との重量バランスをとるためのカウンタウエイト4が設けられている。
【0020】
5は上部旋回体2の前部左側に位置して旋回フレーム3上に設けられたキャブで、該キャブ5は運転室を画成し、その内部にはオペレータが着席する運転席、操作レバー等(いずれも図示せず)が配置されている。
【0021】
6はキャブ5とカウンタウエイト4との間に位置して旋回フレーム3上に設けられた建屋カバーで、該建屋カバー6は、上面カバー7、左側面カバー8、右側面カバー9等によって囲まれた箱状に形成され、後述のエンジン10、油圧ポンプ11、冷却ファン12、熱交換器13等を取囲むように覆うものである。
【0022】
ここで、上面カバー7上には後述のエアクリーナ17が取付けられ、上面カバー7のうちエアクリーナ17の近傍となる部位には、後述の吸気管14が挿通される吸気管挿通孔7Aが穿設されている。また、右側面カバー9には、後述する冷却ファン12の回転時に建屋カバー6内に外気を取入れるための空気取入口9Aが設けられている。
【0023】
10は建屋カバー6内に位置して旋回フレーム3上に搭載されたエンジンで、該エンジン10は、図2に示すように、旋回フレーム3の各センタビーム3A上に左,右方向に延在する横置き状態に配設されている。そして、エンジン10は、油圧ショベルに搭載された油圧機器に圧油を供給する油圧ポンプ11,11を駆動するものである。ここで、エンジン10にはターボ過給機10Aが設けられ、該ターボ過給機10Aには、エンジン10の排気側に接続された排気管(図示せず)と、後述の吸気管14とが接続されている。
【0024】
12はエンジン10に取付けられた吸込み式の冷却ファンで、該冷却ファン12は、エンジン10によって回転駆動されるものである。そして、この冷却ファン12は、その回転時に建屋カバー6の空気取入口9Aを通じて建屋カバー6内に冷却風を吸込むものである。
【0025】
13は建屋カバー6の空気取入口9Aと冷却ファン12との間に位置して旋回フレーム3上に設けられた熱交換器で、該熱交換器13は、エンジン10の冷却水を冷却するラジエータ13A、作動油を冷却するオイルクーラ13B等によって構成されている。
【0026】
そして、エンジン10が作動して冷却ファン12が回転すると、右側面カバー9の空気取入口9Aを通じて建屋カバー6内に外気が吸込まれ、この外気は、図2中の冷却風Aとなり、熱交換器13を通じてエンジン10側へと吸込まれる。これにより、熱交換器13は、冷却風Aによってエンジン冷却水、作動油の熱を放熱し、これらの流体を冷却する構成となっている。
【0027】
14はターボ過給機10Aを介してエンジン10の吸気側に接続された吸気管で、該吸気管14の先端側は後述のエアクリーナ17に接続されている。そして、吸気管14は、エアクリーナ17によって清浄化された空気をエンジン10に供給するものである。
【0028】
15は建屋カバー6の後部側からカウンタウエイト4上に張出して設けられた排気ダクトで、該排気ダクト15は、エンジン10のターボ過給機10Aに接続された排気管、消音器等(いずれも図示せず)を覆うものである。そして、排気ダクト15の上方には、該排気ダクト15内に収容された消音器のテールパイプ16が突出している。
【0029】
17は建屋カバー6の後部左側に位置して上面カバー7上に配設された遠心分離型のエアクリーナで、該エアクリーナ17は、吸気管14の先端側に接続され、該吸気管14を通じてエンジン10に吸込まれる空気中のダスト(粉塵)を遠心分離し、清浄な空気をエンジン10に供給するものである。そして、エアクリーナ17は、図3及び図4に示すように、後述のケーシング18、各空気導入管21,22、ダスト排出管23等により構成されている。
【0030】
18はエアクリーナ17の外殻をなすケーシングで、該ケーシング18は、後述の各空気導入管21,22、ダスト排出管23が設けられたケーシング18Aと、該ケーシング18Aに連通し、吸気管14の先端側が接続されたケーシング18Bとにより構成されている。
【0031】
ここで、ケーシング18Aは、全体としてほぼ円筒状に形成され、ブラケット19等を用いて建屋カバー6の上面カバー7上に固定されている。一方、ケーシング18Bは、全体としてほぼ円筒状に形成され、ブラケット20等を用いて建屋カバー6の上面カバー7上に固定されている。また、ケーシング18B内には、空気中に混入したダストを捕捉するフィルタエレメント(図示せず)が設けられている。
【0032】
21,22はケーシング18Aに取付けられた空気導入管で、これら各空気導入管21,22は、ケーシング18Aに上向きに接続され、エンジン10の作動時にケーシング18A内に空気を導入するものである。そして、空気導入管21,22を通じてケーシング18A内に導入された空気は、該ケーシング18A内で旋回流を生成し、この旋回流によって空気中に含まれたダストが遠心分離される構成となっている。
【0033】
23はケーシング18Aに取付けられたダスト排出口としてのダスト排出管で、該ダスト排出管23は、上端側がケーシング18Aに接続され、下端側が建屋カバー6の上面カバー7に向けて下向きに伸長している。
【0034】
24はダスト排出管23の下端部に取付けられた薄肉なゴム等からなる常開の真空吸着弁で、該真空吸着弁24は、常時は自らの弾性によって開弁状態を保つものである。そして、真空吸着弁24は、例えばエンジン10が停止しているときには、ケーシング18A内が大気圧となることにより図5に示す如く開弁し、エンジン10の作動時には、ケーシング18A内が負圧となることにより図6に示す如く閉弁するものである。
【0035】
従って、ダスト排出管23は、エンジン10が停止して真空吸着弁24が開弁したときには、図5に示すように、ケーシング18A内で遠心分離されたダストDを建屋カバー6の上面カバー7上に排出し、エンジン10が作動して真空吸着弁24が閉弁したときには、図6に示すように、遠心分離されたダストDを貯留する構成となっている。
【0036】
そして、エアクリーナ17は、エンジン10の作動時に空気導入管21,22を通じてケーシング18A内に空気を導入し、この空気中に含まれたダストDをケーシング18A内で遠心分離してダスト排出管23内に貯留する。一方、ダストDが分離された空気をケーシング18B内に流入させ、該ケーシング18Bに接続された吸気管14を通じてエンジン10に供給する。この場合、ケーシング18B内に流入した空気は、該ケーシング18B内に設けられたフィルタエレメント(図示せず)を通じて吸気管14内に導入されるので、ケーシング18A内で遠心分離できなかったダストを、ケーシング18B内のフィルタエレメントによって捕捉することができ、エンジン10に対してダストのない清浄な空気のみを供給することができる構成となっている。
【0037】
25は建屋カバー6の上面カバー7に穿設された空気吹出口で、該空気吹出口25は、図5ないし図7に示すように、上面カバー7のうちエアクリーナ17を構成するケーシング18Aの下方に配設されている。
【0038】
そして、空気吹出口25は、エンジン10の作動時に冷却ファン12によって建屋カバー6内に冷却風Aが吸込まれ、該建屋カバー6内の圧力が高まることにより、建屋カバー6内の空気を該建屋カバー6の上面カバー7上に吹出すものである。これにより、図6に示すように、空気吹出口25を通じて建屋カバー6の上面カバー7上に吹出した空気(以下、吹出風Bという)により、エアクリーナ17のダスト排出管23から上面カバー7上に排出されたダストDを、建屋カバー6の外部に吹き飛ばすことができるようになっている。
【0039】
26は建屋カバー6の上面カバー7上に設けられたガイド部材としてのガイド板で、該ガイド板26は、空気吹出口25を通じて建屋カバー6の上面カバー7上に吹出した吹出風Bを、上面カバー7上に排出されたダストDに向けてほぼ水平方向へと案内するダクトを構成するものである。
【0040】
ここで、ガイド板26は、例えば薄肉な鋼板材に折曲げ加工、溶接加工等を施すことにより、図7に示す如く、上面カバー7に取付けられる水平な取付板部26A,26Aと、該各取付板部26Aから鉛直上方に立上がる側板部26B,26Bと、該各側板部26B間を連結する上板部26Cとにより構成され、上板部26Cは、上面カバー7の上面からエアクリーナ17のダスト排出管23に向けて僅かに斜め上向きに傾斜する傾斜面となっている。
【0041】
そして、ガイド板26は、各取付板部26Aをボルト27を用いて建屋カバー6の上面カバー7に固着することにより、各側板部26Bと上板部26Cとによって空気吹出口25を上方から覆うように配置されている。この場合、上板部26Cは、上面カバー7から斜め上向きに傾斜する傾斜面となっているので、ガイド板26は、エアクリーナ17のダスト排出管23側が開口部26Dとなっている。
【0042】
このため、空気吹出口25からの吹出風Bは、図6に示すように、ガイド板26の各側板部26Bと上板部26Cとに案内され、開口部26Dを通じてほぼ水平方向に吹出すことにより、ダスト排出管23から上面カバー7上に排出されたダストDに集中して吹付けるようになり、このダストDを効率良く建屋カバー6の外部に吹き飛ばすことができる構成となっている。
【0043】
本実施の形態による油圧ショベルは上述の如き構成を有するもので、以下、その作動について説明する。
【0044】
まず、エンジン10が作動すると、エアクリーナ17のケーシング18A,18B内が負圧状態となり、空気導入管21,22からケーシング18A内にダストを含んだ空気が吸込まれる。このとき、ダスト排出管23の先端側に取付けられた真空吸着弁24は、ケーシング18A内の負圧によって図6に示す如く閉弁している。
【0045】
そして、ケーシング18A内に吸込まれた空気は、該ケーシング18A内で旋回流を生成してダストを遠心分離した後、ケーシング18B内に流入し、該ケーシング18B内に設けられたフィルタエレメント等(図示せず)を通じて吸気管14内に導入される。
【0046】
ここで、ケーシング18A内に吸込まれた空気中のダストDは、空気がケーシング18A内で旋回流を生成することにより該空気から遠心分離され、図6に示すように、ダスト排出管23内に貯留される。
【0047】
一方、ケーシング18A内で遠心分離されなかったダストDは、空気がケーシング18B内のフィルタエレメント等を通じて吸気管14内に導入されるときに、フィルタエレメントによって捕捉される。このため、吸気管14を通じてエンジン10に供給される空気を充分に清浄化することができ、該エンジン10を保護することができる。
【0048】
次に、エンジン10の作動が停止し、ケーシング18A,18B内が大気圧となると、図5に示すように、ダスト排出管23に取付けられた真空吸着弁24が開弁する。これにより、ダスト排出管23内に貯留されたダストDが、建屋カバー6の上面カバー7上に排出される。
【0049】
次に、再びエンジン10が作動して冷却ファン12が回転すると、図2に示すように、建屋カバー6(右側面カバー9)の空気取入口9Aを通じて建屋カバー6内に冷却風Aが吸込まれ、該建屋カバー6内の圧力が高まる。これにより、図6に示すように、建屋カバー6内の空気が、上面カバー7に設けた空気吹出口25を通じ、吹出風Bとなって上面カバー7上に吹出す。
【0050】
ここで、空気吹出口25の上方にはガイド板26が設けられているので、空気吹出口25から吹出した吹出風Bは、ガイド板26の各側板部26Bと上板部26Cとに案内され、開口部26Dからほぼ水平方向に吹出す。これにより、ダスト排出管23から上面カバー7上に排出されたダストDに、吹出風Bを集中して吹付けることができ、この吹出風BによってダストDを効率良く建屋カバー6の外部に吹き飛ばすことができる。
【0051】
この場合、空気吹出口25の上方は、ガイド板26によって覆われているので、ダストDが空気吹出口25を通じて建屋カバー6内に侵入するのを抑えることができ、建屋カバー6内に収容されたエンジン10、油圧ポンプ11、熱交換器13等の機器類を清浄な状態に保つことができる。
【0052】
かくして、本実施の形態によれば、建屋カバー6の上面カバー7に、エアクリーナ17のダスト排出管23の近傍に位置して空気吹出口25を設ける構成としたので、ダスト排出管23から上面カバー7上に排出されたダストDを、エンジン10の作動時に空気吹出口25から吹出した吹出風Bによって吹き飛ばすことができる。
【0053】
しかも、空気吹出口25の上方にガイド板26を設け、このガイド板26によって、空気吹出口25からの吹出風Bを、建屋カバー6上に排出されたダストDに向けてほぼ水平方向に吹出すように案内する構成としたので、建屋カバー6上に排出されたダストDに吹出風Bを集中して吹付けることができ、ダストDを効率良く吹き飛ばすことができる。
【0054】
これにより、建屋カバー6(上面カバー7)上に、排出されたダストDが堆積するのを確実に抑えることができる。このため、堆積したダストによってダスト排出管23が閉塞されることがなく、エアクリーナ17のダスト分離性能を長期に亘って良好に保つことができ、エンジン10に常時清浄な空気を供給することができる。
【0055】
また、エンジン10の作動時に空気吹出口25から吹出した吹出風Bによって、建屋カバー6上に排出されたダストを自動的に吹き飛ばすことができるので、建屋カバー6上に排出されたダストを清掃する手間を省くことができ、油圧ショベルの外観美を良好に保つことができる。
【0056】
さらに、建屋カバー6上にダストが堆積するのを避けるために、該ダストを建屋カバー6内に排出する必要がなくなるので、建屋カバー6内に収容されたエンジン10、油圧ポンプ11、熱交換器13等の機器類がダストによって汚損されることがなく、これら機器類を円滑に作動させることができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態では、建屋カバー6の上面カバー7上に、1基のエアクリーナ17を設けると共に、空気吹出口25とガイド板26とを1個ずつ設けた場合を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば2基以上の複数のエアクリーナを設けると共に、このエアクリーナに対応した複数の空気吹出口とガイド板とを設ける構成としてもよい。
【0058】
また、上述した実施の形態では、建設機械として油圧ショベルを例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等の他の建設機械にも広く適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、建屋カバーに、冷却ファンによって建屋カバー内に冷却風が吸込まれたときに該建屋カバー内の空気を吹出す空気吹出口を設ける構成としている。これにより、エンジンの作動時に空気吹出口から吹出した空気(吹出風)を、エアクリーナのダスト排出口から建屋カバー上に排出されたダストに向けて吹き付け、該ダストを建屋カバーから吹き飛ばすことができる。
【0060】
このため、エアクリーナから排出されたダストが、建屋カバー上に堆積するのを抑えることができ、エアクリーナのダスト排出口が堆積したダストによって閉塞されることがなく、エアクリーナのダスト分離性能を良好に保つことができる。また、建屋カバー上に排出されたダストを清掃する手間を省くことができ、建設機械の外観美を良好に保つことができる。さらに、建屋カバー上にダストが堆積するのを避けるために該ダストを建屋カバー内に排出する必要がなくなるので、建屋カバー内に収容されたエンジン等の機器類がダストによって汚損されることがなく、これら機器類を円滑に作動させることができる。
【0061】
また、請求項2の発明によれば、建屋カバーに、空気吹出口からの空気が排出されたダストに向けて吹出すように案内するガイド部材を設ける構成としたので、空気吹出口から吹出した空気を、ガイド部材によって建屋カバー上のダストに導くことができ、該ダストを確実に吹き飛ばすことができる。
【0062】
さらに、請求項3の発明によれば、ガイド部材を、空気吹出口を上方から覆い排出されたダストに向けて開口したガイド板により構成したので、空気吹出口から吹出した空気を、ガイド板の開口を通じて、建屋カバー上に排出されたダストに集中して吹付けることができ、該ダストを効率良く吹き飛ばすことができる。また、ガイド板によって空気吹出口を上方から覆うことができるので、排出されたダストが、空気吹出口を通じて建屋カバー内に侵入するのを抑えることができ、建屋カバー内に収容されたエンジン等の機器類を清浄な状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建設機械の実施の形態による油圧ショベルを、作業装置を省略した状態で示す正面図である。
【図2】油圧ショベルの建屋カバー、エンジン、冷却ファン、エアクリーナ等を図1中の矢示II−II方向からみた拡大断面図である。
【図3】図2中の建屋カバー、吸気管、エアクリーナ、ガイド板等を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】建屋カバー、吸気管、エアクリーナ、ガイド板等を図3中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。
【図5】空気吹出口、ガイド板、エアクリーナのダスト排出管等を、真空吸着弁が開弁した状態で示す図4中の矢示V−V方向からみた要部拡大断面図である。
【図6】空気吹出口、ガイド板、エアクリーナのダスト排出管等を、真空吸着弁が閉弁した状態で示す図5と同様の要部拡大断面図である。
【図7】建屋カバー、空気吹出口、エアクリーナ、ガイド板等を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 下部走行体(車体)
2 上部旋回体(車体)
3 旋回フレーム(フレーム構造体)
6 建屋カバー
7 上面カバー
8 左側面カバー
9 右側面カバー
9A 空気取入口
10 エンジン
12 冷却ファン
14 吸気管
17 エアクリーナ
23 ダスト排出管(ダスト排出口)
24 真空吸着弁
25 空気吹出口
26 ガイド板(ガイド部材)
26D 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧クレーン、油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、エンジンに吸込まれる空気を清浄化するためのエアクリーナを備えた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成されている。
【0003】
そして、上部旋回体を構成する旋回フレーム上にはエンジンが搭載され、該エンジンは、旋回フレーム上に設けられた建屋カバーによって覆われる構成となっている。また、エンジンの吸気側には、通常、空気中に含まれるダスト(粉塵)を分離して清浄な空気のみをエンジンに供給するためのエアクリーナが接続されている。
【0004】
ここで、従来技術によるエアクリーナとして遠心分離型のエアクリーナが知られており、この遠心分離型のエアクリーナは、エンジンの吸気管に接続されたケーシングと、該ケーシングに接続され空気を導入する空気導入管と、前記ケーシングに接続され遠心分離したダストを外部に排出するダスト排出管とにより大略構成されている。
【0005】
そして、遠心分離型のエアクリーナは、空気導入管を通じてケーシング内に吸込んだ空気中のダストを該ケーシング内で遠心分離し、この遠心分離したダストをダスト排出管から外部に排出することにより、清浄な空気のみをエンジンに供給するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のエアクリーナを建屋カバー上に配設した建設機械においては、通常、エアクリーナのダスト排出管が、建屋カバーの上面に向けて下向きに設けられているため、ダスト排出管から排出されたダストは、建屋カバーの上面に堆積するようになる。
【0007】
これにより、建設機械の外観美が損なわれてしまうだけでなく、建屋カバー上に山状に堆積したダストによってエアクリーナのダスト排出管が閉塞されてしまい、エアクリーナのダスト分離性能が低下してしまうという問題がある。
【0008】
一方、例えば建屋カバーの上面に孔を穿設し、ダスト排出管から排出されたダストを、該孔を通じて建屋カバー内に排出するようにした場合には、建屋カバー内に収容されたエンジン、ラジエータ、油圧ポンプ等が、排出されたダストによって汚損されてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、エアクリーナによって分離されたダストが建屋カバー上に堆積するのを抑え、エアクリーナの性能を長期に亘って良好に保つことができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、車体を構成するフレーム構造体と、該フレーム構造体上に設けられ空気取入口を有する建屋カバーと、該建屋カバー内に位置してフレーム構造体上に搭載されたエンジンと、該エンジンに取付けられ回転時に空気取入口を通じて建屋カバー内に冷却風を吸込む吸込み式の冷却ファンと、エンジンの吸気側に接続して設けられ空気中に含まれるダストを分離して清浄な空気をエンジンに供給するエアクリーナとを備えてなる建設機械に適用される。
【0011】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、エアクリーナは、分離したダストを外部に排出するダスト排出口を下向きとした状態で建屋カバー上に設け、建屋カバーには、冷却ファンによって建屋カバー内に冷却風が吸込まれたときに該建屋カバー内の空気をダスト排出口から排出されたダストに向けて吹き出す空気吹出口を設けたことにある。
【0012】
このように構成したことにより、エンジンの作動時に冷却ファンによって建屋カバー内に冷却風が吸込まれ、建屋カバー内の圧力が高まると、建屋カバー内の空気は、空気吹出口を通じて建屋カバーの外部へと導出され、エアクリーナのダスト排出口から排出されたダストに向けて吹き出す。これにより、空気吹出口から吹出す空気によってダストを吹き飛ばし、該ダストが建屋カバー上に堆積するのを抑えることができるので、ダスト排出口が堆積したダストによって閉塞されるのを抑えることができる。
【0013】
請求項2の発明は、建屋カバーには、空気吹出口からの空気がダスト排出口から排出されたダストに向けて吹出すように案内するガイド部材を設ける構成としたことにある。
【0014】
このように構成したことにより、空気吹出口から吹出した空気は、ガイド部材に案内されて建屋カバー上に排出されたダストに導かれるので、このダストを確実に吹き飛ばすことができる。
【0015】
請求項3の発明は、ガイド部材は、空気吹出口を上方から覆いダスト排出口から排出されたダストに向けて開口したガイド板により構成したことにある。
【0016】
このように構成したことにより、空気吹出口から吹出した空気を、ガイド板の開口を通じて、建屋カバー上に排出されたダストに集中して吹付けることができ、排出されたダストを効率良く吹き飛ばすことができる。また、ガイド板によって空気吹出口を上方から覆うことにより、ダスト排出口から排出されたダストが、空気吹出口を通じて建屋カバー内に侵入するのを抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図7を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図中、1はクローラ式の下部走行体、2は下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、これら下部走行体1と上部旋回体2とにより、油圧ショベルの車体が構成されている。
【0019】
3は上部旋回体2のベースをなすフレーム構造体としての旋回フレームで、該旋回フレーム3は、図2に示すように、底板(図示せず)と共にセンタフレームを形成し前,後方向に延びる左,右のセンタビーム3A,3Aと、基端側が各センタビーム3Aに固着され左,右方向に延びた複数本の張出しビーム(図示せず)と、これら張出しビームの先端側に固着され前,後方向に延びた左,右のサイドフレーム3B,3Bとにより強固な骨組み構造をもって構成されている。そして、各センタビーム3Aの前部側には、掘削作業用の作業装置(図示せず)が俯仰動可能に設けられ、各センタビーム3Aの後部側には、作業装置との重量バランスをとるためのカウンタウエイト4が設けられている。
【0020】
5は上部旋回体2の前部左側に位置して旋回フレーム3上に設けられたキャブで、該キャブ5は運転室を画成し、その内部にはオペレータが着席する運転席、操作レバー等(いずれも図示せず)が配置されている。
【0021】
6はキャブ5とカウンタウエイト4との間に位置して旋回フレーム3上に設けられた建屋カバーで、該建屋カバー6は、上面カバー7、左側面カバー8、右側面カバー9等によって囲まれた箱状に形成され、後述のエンジン10、油圧ポンプ11、冷却ファン12、熱交換器13等を取囲むように覆うものである。
【0022】
ここで、上面カバー7上には後述のエアクリーナ17が取付けられ、上面カバー7のうちエアクリーナ17の近傍となる部位には、後述の吸気管14が挿通される吸気管挿通孔7Aが穿設されている。また、右側面カバー9には、後述する冷却ファン12の回転時に建屋カバー6内に外気を取入れるための空気取入口9Aが設けられている。
【0023】
10は建屋カバー6内に位置して旋回フレーム3上に搭載されたエンジンで、該エンジン10は、図2に示すように、旋回フレーム3の各センタビーム3A上に左,右方向に延在する横置き状態に配設されている。そして、エンジン10は、油圧ショベルに搭載された油圧機器に圧油を供給する油圧ポンプ11,11を駆動するものである。ここで、エンジン10にはターボ過給機10Aが設けられ、該ターボ過給機10Aには、エンジン10の排気側に接続された排気管(図示せず)と、後述の吸気管14とが接続されている。
【0024】
12はエンジン10に取付けられた吸込み式の冷却ファンで、該冷却ファン12は、エンジン10によって回転駆動されるものである。そして、この冷却ファン12は、その回転時に建屋カバー6の空気取入口9Aを通じて建屋カバー6内に冷却風を吸込むものである。
【0025】
13は建屋カバー6の空気取入口9Aと冷却ファン12との間に位置して旋回フレーム3上に設けられた熱交換器で、該熱交換器13は、エンジン10の冷却水を冷却するラジエータ13A、作動油を冷却するオイルクーラ13B等によって構成されている。
【0026】
そして、エンジン10が作動して冷却ファン12が回転すると、右側面カバー9の空気取入口9Aを通じて建屋カバー6内に外気が吸込まれ、この外気は、図2中の冷却風Aとなり、熱交換器13を通じてエンジン10側へと吸込まれる。これにより、熱交換器13は、冷却風Aによってエンジン冷却水、作動油の熱を放熱し、これらの流体を冷却する構成となっている。
【0027】
14はターボ過給機10Aを介してエンジン10の吸気側に接続された吸気管で、該吸気管14の先端側は後述のエアクリーナ17に接続されている。そして、吸気管14は、エアクリーナ17によって清浄化された空気をエンジン10に供給するものである。
【0028】
15は建屋カバー6の後部側からカウンタウエイト4上に張出して設けられた排気ダクトで、該排気ダクト15は、エンジン10のターボ過給機10Aに接続された排気管、消音器等(いずれも図示せず)を覆うものである。そして、排気ダクト15の上方には、該排気ダクト15内に収容された消音器のテールパイプ16が突出している。
【0029】
17は建屋カバー6の後部左側に位置して上面カバー7上に配設された遠心分離型のエアクリーナで、該エアクリーナ17は、吸気管14の先端側に接続され、該吸気管14を通じてエンジン10に吸込まれる空気中のダスト(粉塵)を遠心分離し、清浄な空気をエンジン10に供給するものである。そして、エアクリーナ17は、図3及び図4に示すように、後述のケーシング18、各空気導入管21,22、ダスト排出管23等により構成されている。
【0030】
18はエアクリーナ17の外殻をなすケーシングで、該ケーシング18は、後述の各空気導入管21,22、ダスト排出管23が設けられたケーシング18Aと、該ケーシング18Aに連通し、吸気管14の先端側が接続されたケーシング18Bとにより構成されている。
【0031】
ここで、ケーシング18Aは、全体としてほぼ円筒状に形成され、ブラケット19等を用いて建屋カバー6の上面カバー7上に固定されている。一方、ケーシング18Bは、全体としてほぼ円筒状に形成され、ブラケット20等を用いて建屋カバー6の上面カバー7上に固定されている。また、ケーシング18B内には、空気中に混入したダストを捕捉するフィルタエレメント(図示せず)が設けられている。
【0032】
21,22はケーシング18Aに取付けられた空気導入管で、これら各空気導入管21,22は、ケーシング18Aに上向きに接続され、エンジン10の作動時にケーシング18A内に空気を導入するものである。そして、空気導入管21,22を通じてケーシング18A内に導入された空気は、該ケーシング18A内で旋回流を生成し、この旋回流によって空気中に含まれたダストが遠心分離される構成となっている。
【0033】
23はケーシング18Aに取付けられたダスト排出口としてのダスト排出管で、該ダスト排出管23は、上端側がケーシング18Aに接続され、下端側が建屋カバー6の上面カバー7に向けて下向きに伸長している。
【0034】
24はダスト排出管23の下端部に取付けられた薄肉なゴム等からなる常開の真空吸着弁で、該真空吸着弁24は、常時は自らの弾性によって開弁状態を保つものである。そして、真空吸着弁24は、例えばエンジン10が停止しているときには、ケーシング18A内が大気圧となることにより図5に示す如く開弁し、エンジン10の作動時には、ケーシング18A内が負圧となることにより図6に示す如く閉弁するものである。
【0035】
従って、ダスト排出管23は、エンジン10が停止して真空吸着弁24が開弁したときには、図5に示すように、ケーシング18A内で遠心分離されたダストDを建屋カバー6の上面カバー7上に排出し、エンジン10が作動して真空吸着弁24が閉弁したときには、図6に示すように、遠心分離されたダストDを貯留する構成となっている。
【0036】
そして、エアクリーナ17は、エンジン10の作動時に空気導入管21,22を通じてケーシング18A内に空気を導入し、この空気中に含まれたダストDをケーシング18A内で遠心分離してダスト排出管23内に貯留する。一方、ダストDが分離された空気をケーシング18B内に流入させ、該ケーシング18Bに接続された吸気管14を通じてエンジン10に供給する。この場合、ケーシング18B内に流入した空気は、該ケーシング18B内に設けられたフィルタエレメント(図示せず)を通じて吸気管14内に導入されるので、ケーシング18A内で遠心分離できなかったダストを、ケーシング18B内のフィルタエレメントによって捕捉することができ、エンジン10に対してダストのない清浄な空気のみを供給することができる構成となっている。
【0037】
25は建屋カバー6の上面カバー7に穿設された空気吹出口で、該空気吹出口25は、図5ないし図7に示すように、上面カバー7のうちエアクリーナ17を構成するケーシング18Aの下方に配設されている。
【0038】
そして、空気吹出口25は、エンジン10の作動時に冷却ファン12によって建屋カバー6内に冷却風Aが吸込まれ、該建屋カバー6内の圧力が高まることにより、建屋カバー6内の空気を該建屋カバー6の上面カバー7上に吹出すものである。これにより、図6に示すように、空気吹出口25を通じて建屋カバー6の上面カバー7上に吹出した空気(以下、吹出風Bという)により、エアクリーナ17のダスト排出管23から上面カバー7上に排出されたダストDを、建屋カバー6の外部に吹き飛ばすことができるようになっている。
【0039】
26は建屋カバー6の上面カバー7上に設けられたガイド部材としてのガイド板で、該ガイド板26は、空気吹出口25を通じて建屋カバー6の上面カバー7上に吹出した吹出風Bを、上面カバー7上に排出されたダストDに向けてほぼ水平方向へと案内するダクトを構成するものである。
【0040】
ここで、ガイド板26は、例えば薄肉な鋼板材に折曲げ加工、溶接加工等を施すことにより、図7に示す如く、上面カバー7に取付けられる水平な取付板部26A,26Aと、該各取付板部26Aから鉛直上方に立上がる側板部26B,26Bと、該各側板部26B間を連結する上板部26Cとにより構成され、上板部26Cは、上面カバー7の上面からエアクリーナ17のダスト排出管23に向けて僅かに斜め上向きに傾斜する傾斜面となっている。
【0041】
そして、ガイド板26は、各取付板部26Aをボルト27を用いて建屋カバー6の上面カバー7に固着することにより、各側板部26Bと上板部26Cとによって空気吹出口25を上方から覆うように配置されている。この場合、上板部26Cは、上面カバー7から斜め上向きに傾斜する傾斜面となっているので、ガイド板26は、エアクリーナ17のダスト排出管23側が開口部26Dとなっている。
【0042】
このため、空気吹出口25からの吹出風Bは、図6に示すように、ガイド板26の各側板部26Bと上板部26Cとに案内され、開口部26Dを通じてほぼ水平方向に吹出すことにより、ダスト排出管23から上面カバー7上に排出されたダストDに集中して吹付けるようになり、このダストDを効率良く建屋カバー6の外部に吹き飛ばすことができる構成となっている。
【0043】
本実施の形態による油圧ショベルは上述の如き構成を有するもので、以下、その作動について説明する。
【0044】
まず、エンジン10が作動すると、エアクリーナ17のケーシング18A,18B内が負圧状態となり、空気導入管21,22からケーシング18A内にダストを含んだ空気が吸込まれる。このとき、ダスト排出管23の先端側に取付けられた真空吸着弁24は、ケーシング18A内の負圧によって図6に示す如く閉弁している。
【0045】
そして、ケーシング18A内に吸込まれた空気は、該ケーシング18A内で旋回流を生成してダストを遠心分離した後、ケーシング18B内に流入し、該ケーシング18B内に設けられたフィルタエレメント等(図示せず)を通じて吸気管14内に導入される。
【0046】
ここで、ケーシング18A内に吸込まれた空気中のダストDは、空気がケーシング18A内で旋回流を生成することにより該空気から遠心分離され、図6に示すように、ダスト排出管23内に貯留される。
【0047】
一方、ケーシング18A内で遠心分離されなかったダストDは、空気がケーシング18B内のフィルタエレメント等を通じて吸気管14内に導入されるときに、フィルタエレメントによって捕捉される。このため、吸気管14を通じてエンジン10に供給される空気を充分に清浄化することができ、該エンジン10を保護することができる。
【0048】
次に、エンジン10の作動が停止し、ケーシング18A,18B内が大気圧となると、図5に示すように、ダスト排出管23に取付けられた真空吸着弁24が開弁する。これにより、ダスト排出管23内に貯留されたダストDが、建屋カバー6の上面カバー7上に排出される。
【0049】
次に、再びエンジン10が作動して冷却ファン12が回転すると、図2に示すように、建屋カバー6(右側面カバー9)の空気取入口9Aを通じて建屋カバー6内に冷却風Aが吸込まれ、該建屋カバー6内の圧力が高まる。これにより、図6に示すように、建屋カバー6内の空気が、上面カバー7に設けた空気吹出口25を通じ、吹出風Bとなって上面カバー7上に吹出す。
【0050】
ここで、空気吹出口25の上方にはガイド板26が設けられているので、空気吹出口25から吹出した吹出風Bは、ガイド板26の各側板部26Bと上板部26Cとに案内され、開口部26Dからほぼ水平方向に吹出す。これにより、ダスト排出管23から上面カバー7上に排出されたダストDに、吹出風Bを集中して吹付けることができ、この吹出風BによってダストDを効率良く建屋カバー6の外部に吹き飛ばすことができる。
【0051】
この場合、空気吹出口25の上方は、ガイド板26によって覆われているので、ダストDが空気吹出口25を通じて建屋カバー6内に侵入するのを抑えることができ、建屋カバー6内に収容されたエンジン10、油圧ポンプ11、熱交換器13等の機器類を清浄な状態に保つことができる。
【0052】
かくして、本実施の形態によれば、建屋カバー6の上面カバー7に、エアクリーナ17のダスト排出管23の近傍に位置して空気吹出口25を設ける構成としたので、ダスト排出管23から上面カバー7上に排出されたダストDを、エンジン10の作動時に空気吹出口25から吹出した吹出風Bによって吹き飛ばすことができる。
【0053】
しかも、空気吹出口25の上方にガイド板26を設け、このガイド板26によって、空気吹出口25からの吹出風Bを、建屋カバー6上に排出されたダストDに向けてほぼ水平方向に吹出すように案内する構成としたので、建屋カバー6上に排出されたダストDに吹出風Bを集中して吹付けることができ、ダストDを効率良く吹き飛ばすことができる。
【0054】
これにより、建屋カバー6(上面カバー7)上に、排出されたダストDが堆積するのを確実に抑えることができる。このため、堆積したダストによってダスト排出管23が閉塞されることがなく、エアクリーナ17のダスト分離性能を長期に亘って良好に保つことができ、エンジン10に常時清浄な空気を供給することができる。
【0055】
また、エンジン10の作動時に空気吹出口25から吹出した吹出風Bによって、建屋カバー6上に排出されたダストを自動的に吹き飛ばすことができるので、建屋カバー6上に排出されたダストを清掃する手間を省くことができ、油圧ショベルの外観美を良好に保つことができる。
【0056】
さらに、建屋カバー6上にダストが堆積するのを避けるために、該ダストを建屋カバー6内に排出する必要がなくなるので、建屋カバー6内に収容されたエンジン10、油圧ポンプ11、熱交換器13等の機器類がダストによって汚損されることがなく、これら機器類を円滑に作動させることができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態では、建屋カバー6の上面カバー7上に、1基のエアクリーナ17を設けると共に、空気吹出口25とガイド板26とを1個ずつ設けた場合を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば2基以上の複数のエアクリーナを設けると共に、このエアクリーナに対応した複数の空気吹出口とガイド板とを設ける構成としてもよい。
【0058】
また、上述した実施の形態では、建設機械として油圧ショベルを例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等の他の建設機械にも広く適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、建屋カバーに、冷却ファンによって建屋カバー内に冷却風が吸込まれたときに該建屋カバー内の空気を吹出す空気吹出口を設ける構成としている。これにより、エンジンの作動時に空気吹出口から吹出した空気(吹出風)を、エアクリーナのダスト排出口から建屋カバー上に排出されたダストに向けて吹き付け、該ダストを建屋カバーから吹き飛ばすことができる。
【0060】
このため、エアクリーナから排出されたダストが、建屋カバー上に堆積するのを抑えることができ、エアクリーナのダスト排出口が堆積したダストによって閉塞されることがなく、エアクリーナのダスト分離性能を良好に保つことができる。また、建屋カバー上に排出されたダストを清掃する手間を省くことができ、建設機械の外観美を良好に保つことができる。さらに、建屋カバー上にダストが堆積するのを避けるために該ダストを建屋カバー内に排出する必要がなくなるので、建屋カバー内に収容されたエンジン等の機器類がダストによって汚損されることがなく、これら機器類を円滑に作動させることができる。
【0061】
また、請求項2の発明によれば、建屋カバーに、空気吹出口からの空気が排出されたダストに向けて吹出すように案内するガイド部材を設ける構成としたので、空気吹出口から吹出した空気を、ガイド部材によって建屋カバー上のダストに導くことができ、該ダストを確実に吹き飛ばすことができる。
【0062】
さらに、請求項3の発明によれば、ガイド部材を、空気吹出口を上方から覆い排出されたダストに向けて開口したガイド板により構成したので、空気吹出口から吹出した空気を、ガイド板の開口を通じて、建屋カバー上に排出されたダストに集中して吹付けることができ、該ダストを効率良く吹き飛ばすことができる。また、ガイド板によって空気吹出口を上方から覆うことができるので、排出されたダストが、空気吹出口を通じて建屋カバー内に侵入するのを抑えることができ、建屋カバー内に収容されたエンジン等の機器類を清浄な状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建設機械の実施の形態による油圧ショベルを、作業装置を省略した状態で示す正面図である。
【図2】油圧ショベルの建屋カバー、エンジン、冷却ファン、エアクリーナ等を図1中の矢示II−II方向からみた拡大断面図である。
【図3】図2中の建屋カバー、吸気管、エアクリーナ、ガイド板等を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】建屋カバー、吸気管、エアクリーナ、ガイド板等を図3中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図である。
【図5】空気吹出口、ガイド板、エアクリーナのダスト排出管等を、真空吸着弁が開弁した状態で示す図4中の矢示V−V方向からみた要部拡大断面図である。
【図6】空気吹出口、ガイド板、エアクリーナのダスト排出管等を、真空吸着弁が閉弁した状態で示す図5と同様の要部拡大断面図である。
【図7】建屋カバー、空気吹出口、エアクリーナ、ガイド板等を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 下部走行体(車体)
2 上部旋回体(車体)
3 旋回フレーム(フレーム構造体)
6 建屋カバー
7 上面カバー
8 左側面カバー
9 右側面カバー
9A 空気取入口
10 エンジン
12 冷却ファン
14 吸気管
17 エアクリーナ
23 ダスト排出管(ダスト排出口)
24 真空吸着弁
25 空気吹出口
26 ガイド板(ガイド部材)
26D 開口部
Claims (3)
- 車体を構成するフレーム構造体と、該フレーム構造体上に設けられ空気取入口を有する建屋カバーと、該建屋カバー内に位置して前記フレーム構造体上に搭載されたエンジンと、該エンジンに取付けられ回転時に前記空気取入口を通じて前記建屋カバー内に冷却風を吸込む吸込み式の冷却ファンと、前記エンジンの吸気側に接続して設けられ空気中に含まれるダストを分離して清浄な空気をエンジンに供給するエアクリーナとを備えてなる建設機械において、
前記エアクリーナは、分離したダストを外部に排出するダスト排出口を下向きとした状態で前記建屋カバー上に設け、
前記建屋カバーには、前記冷却ファンによって建屋カバー内に冷却風が吸込まれたときに該建屋カバー内の空気を前記ダスト排出口から排出されたダストに向けて吹き出す空気吹出口を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。 - 前記建屋カバーには、前記空気吹出口からの空気が前記ダスト排出口から排出されたダストに向けて吹出すように案内するガイド部材を設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
- 前記ガイド部材は、前記空気吹出口を上方から覆い前記ダスト排出口から排出されたダストに向けて開口したガイド板により構成してなる請求項2に記載の建設機械。
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