明 細 書 皮膚メラニン抑制剤 技術分野
この出願の発明は化粧品、ファンデーション、医薬等において有用な、 美白効果に優れたフラーレン類を有効成分とする皮膚メラニン抑制剤 に関するものである。 背景技術
従来より肌を黒くする色素メラニンを産生する皮膚細胞によるメラ ニン産生を抑制することのできる物質として、 ビタミン C (ァスコルビ ン酸類) が知られており、 またビタミン Pは、 このビタミン Cによる皮 膚の美白作用効果を増強する物質であることも知られている。 そして、 このような従来の知見に基づいて、 ビタミン C以外にも、 皮膚メラニン の産生を抑制するための活性成分や組成物が化粧料、 医用外用剤等とし てこれまでに各種のものが提案されている(たとえば、特許文献 1 _ 4)。 しかしながら、 これまでのものは、 化粧料や医薬外用剤等としての実際 的適用の観点からは、 必ずしも十分にはそのメラニン抑制の作用が発揮 されていないという問題があった。
特許文献 1 : WO 2 00 2/043 7 36
特許文献 2 :特開 2003— 22 1 3 0 7
特許文献 3 :特開 2004— 9 1 3 96
特許文献 4 :特表 2004— 50 1 1 76 発明の開示
そこで、 この出願の発明は、 以上のとおりの背景から、 皮膚メラニン 抑制活性が高く、 安全性の高い、 新しい皮膚メラニン抑制剤を提供する
ことを課題としている。
この出願の発明者らは、 上記の課題を解決すべく鋭意検討を進め、 そ の過程において、 フラーレン類が注目すべき皮膚メラニン抑制活性を有 しており、 良好な活性安定型のフラーレン類に極めて高い皮膚メラニン 抑制効果のあること見いだしこの出願の発明を完成した。 また、 フラー レン類を有効成分とする皮膚メラニン抑制剤は副作用が極めて少ない ばかりか既存の皮膚メラニン抑制剤との併用によりさらに皮膚メラ二 ン抑制活性が高められることも見出している。
すなわち、 この出願は、 上記の課題を解決するものとして以下の発明 を提供する。
〔1〕 フラーレン類のうちの 1種以上を有効成分とする皮膚メラニン抑 制剤。
〔2〕 フラーレン類は、 フラーレン、 フラーレン誘導体のあるいは有機 化合物により修飾もしくは包接されたフラーレンまたはフラーレン誘 導体の複合体のうちの 1種以上である皮膚メラニン抑制剤。
〔3〕 フラーレン誘導体は、 含酸素基、 含窒素基および置換基を有して いてもよい炭化水素基のうちの 1種以上を結合するフラーレンである 皮膚メラニン抑制剤。
〔4〕 フラーレン類は、 金属との塩類のうちの 1種以上である皮膚メラ ニン抑制剤。
〔5〕 フラーレン類の塩類は、 N a、 K、 M g、 C aおよび A 1の塩の うち 1種以上である皮膚メラニン抑制剤。
〔6〕 フラーレン類は、 水酸化フラーレン類とそのエステル類のうちの 1種以上である皮膚メラニン抑制剤。
〔7〕 水または結晶水との付加物を有効成分とする上記の皮膚メラニン 抑制剤。
〔8〕 フラーレン類は、 フラーレンおよびフラーレン誘導体のうちの 1 種以上と有機オリゴマー、 有機ポリマー、 シクロデキストリンおよびク
ラウンエーテルとそれらの類縁化合物のうちの 1種以上との複合体で ある皮膚メラニン抑制剤。
〔9〕 フラーレンおょぴフラーレン誘導体のうちの 1種以上とポリビニ ルピロリ ドン (PVP) との複合体である皮膚メラニン抑制剤。
〔10〕 前記ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、 8, 000か ら 400, 000である皮膚メラニン抑制剤。
〔11〕 上記の皮膚メラニン抑制剤とともに、 他の皮膚メラニン抑制剤 とを含有する皮膚メラニン抑制剤。
〔12〕 他の皮膚メラニン抑制剤が、 ァスコルビン酸またはその塩、 も しくはァスコルビン酸の誘導体、 あるいはこれらとビタミン Pとの混合 物のうちの 1種以上である上記の皮膚メラニン抑制剤。 図面の簡単な説明
図 1は、 P VP _フラーレンのメラニン抑制効果について例示した図 である。
図 2は、 ヒトメラノーマ細胞(HMV- I I) における紫外線 A波 (U VA) によるメラニン増加および黒褐色化抑制の様子を示した図であり、
(A) は細胞を観察した写真であり、 (B) は観察結果を示したグラフ である。
図 3は、 ヒト正常メラノサイト (NHEM) における紫外線 A波 (U VA) によるメラニン増加および黒褐色化抑制の様子を示した図であり、
(A) は細胞を観察した写真であり、 (B) は観察結果を示したグラフ である。
図 4は、 ヒトメラノーマ細胞 (HMV- II) における紫外線 A波 (U VA) によるメラニン増加おょぴ黒褐色化抑制 (マッソン ·フォンタナ 法) の様子を示した図であり、 (A) は細胞を観察した写真であり、 (B) は観察結果を示したヒストグラムである。
図 5は、 ヒトメラノーマ細胞 (HMV- II) における紫外線 A波 (U VA) によるメラニン増加および黒褐色化抑制 (マッソン · フォンタナ 法) の様子を示した図であり、 (A) は細胞を観察した写真であり、 (B) は観察結果を示したヒストグラムである。
図 6は、 ヒト皮膚片における紫外線 A波 (UVA) によるメラニン増 加および黒褐色化抑制 (マッソン ·フォンタナ法) の様子を観察した写 真であり、 (1) はコントロール (UVA照射なし)、 (2) は O Mの PVP - フラーレンを塗布、 (3) は I O O Mの PVP . フラーレン を塗布した場合である。
図 7は、 ヒト皮膚片における紫外線 A波 (UVA〉 によるメラニン増 加おょぴ黒褐色化抑制 (マッソン ·フォンタナ法) の様子を観察し、 そ の観察結果のヒストグラムであり、 (1) はコントロール (UVA照射 なし)、 (2) は 0 /iMの P VP · フラーレンを塗布、 (3) は 100 / Mの PVP · フラーレンを塗布した場合である。 発明を実施するための最良の形態
この出願の発明は、 上記のとおりの特徴をもつものであるが、 いかに その実施の形態について説明する。
この出願の発明の皮膚メラニン抑制剤における有効成分はフラーレ ン類の 1種以上のものである。そして、たとえば、 メラニン産生細胞(た とえば、 メラノ一マ細胞等) をはじめとする各種の細胞等に作用し、 メ ラニン増加を抑制する。 ここでフラーレン類とは、 フラーレン、 フラー レン誘導体、 あるいは有機化合物により修飾もしくは包接されたフラー レンまたはフラーレン誘導体の複合体であってよく、 このうちのフラー レンは、 Cn (nは 60以上の整数) として表わされるもので、 C 60 フラーレン、 C 70フラーレン等をはじめ、 さらにはカーボンチューブ フラーレン等の球面状、 チューブ等の炭素骨格構造を有する、 従来公知 のものをはじめとする各種のものが例として挙げられる。
そして、 この出願の発明のフラーレン類には、 このような炭素骨格構 造に各種の置換基、 たとえば置換基を有していてもよい炭化水素基、 酸 素架橋基、 水酸基、 ァシル基、 エーテル基、 カルボキシル基等の含酸素 基、 アミノ基、 シァノ基の含窒素基等を有しているフラーレン誘導体も 含まれる。
そしてまた、 たとえばこの出願の発明のフラーレンには、 メチレン鎖 等のアルキレン鎖を介して複数のフラーレンが結合したものや、 フラー レン 6 0の誘導体としては、 フラ一レン分子一個に対して修飾基が 1個 から 4 0個結合していればよく、 たとえばフラーレン 7 0の誘導体とし ては、 フラーレン分子一個に対して修飾基が 1個から 5 0個結合してい ればよく、 この修飾基は、 各々独立に水酸基またはその水酸基と無機も しくは有機酸とのエステル基または糖との配糖体基、 もしくは水酸基と ケトンとのケタール基もしくはアルデヒドとのァセ夕一ル基であれば よく、 このフラーレン修飾化合物またはその塩及ぴそこから選択される 少なくとも一種であればよい。 さらにこの出願の発明のフラーレンは、 C 6 0フラーレン、 C 7 0フラーレン又はナノチューブフラーレンでも よく、 それらから選択させる一種以上の混合物でもよい。 また、 フラー レンの未生成物であるカーボンブラック (フラーレン類を含むすす) が 残存したフラーレンでもよく、 フラーレン中のカーボンブラックの濃度 が 0〜 9 8重量%のものであればよい。
また、 フラーレン含酸素誘導体については、 フラーレン骨格の炭素原 子に直接的に、 あるいはアルキレン鎖等の炭素鎖を介して酸素原子が結 合するものが考慮される。 たとえば水酸化率が 5 0 Zモル · フラーレン 程度までの一 O H基が直接結合した水酸化フラーレン等が例示される。 たとえば以上のようなフラーレンまたはフラーレン導体を修飾もし くは包接する有機化合物としては、 有機オリゴマー、 有機ポリマーおよ ぴ包接化合物または包接錯体が形成可能なシクロデキストリン (C D ) やクラウンエーテルもしくはそれらの類縁化合物の 1種または 2種以
上のものが好適なものとして例示される。
有機オリゴマーや有機ポリマーとしては、 たとえば、 カルボン酸エス テル類、 アルコール類、 糖類、 多糖類、 多価アルコール類、 ポリエチレ ングリコール、 ブチレングリコール、 ポリプロピレングリコール、 ポリ ビニルアルコール、 等のポリアルキレンダリコール又は多価アルコール 類の重合体、 デキストラン、 プルラン、 デンプン、 ヒドロキシェチルデ ンプン及びヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプン誘導体を含 む非イオン性水溶性高分子、 アルギン酸、 ヒアルロン酸、 キトサン、 キ チン誘導体、 並びにこれらの高分子のァニオン性又はカチオン性誘導体 及びこれらの高分子グリセリン及び脂肪酸類、 油類、 炭酸プロピレン、 ラウリルアルコール、 エトキシル化ひまし油、 ポリソルベート類、 及び これらのエステル類又はエーテル類、 及ぴこれらの重合体、 及ぴこれら のポリエステル重合体類、 ポリビニルピロリ ドン等のピロリ ドン重合体 類、 不飽和アルコール重合体類のエステル類またはェ一テル類およびポ リォキシエチレンポリォキシプロピレンブロック共重合体等のものが フラーレン又はその誘導体に結合したものが好ましく、 それらの一種以 上の混合物であってもよい。 なかでも、 ポリエチレングリコール (P E G)等のポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリ ドン(P V P )、 等の各種のものが好ましいものとして例示される。 P E G、 P V P等の ポリマーの場合には、 その平均分子量については、 一般的には、 2 0 0 0〜1 0 0, 0 0 0程度が好ましい、 フラーレンまたはフラーレン含酸 素誘導体との比率としては、 モル比として 1 0 / 1以下程度とすること が考慮される。 この出願の発明において好適なフラーレン類としては、 水酸化フラーレン、 水酸化フラーレンのエステル類、 たとえば、 モノエ ステル類、 ジエステル類、 トリエステル類、 ポリエステル類やそれらの 塩類より選択される一種または二種以上の混合物も例示される。
これらフラーレン類は物質としては既に公知であり化粧品原料、 飼料 原料等に公知の用途がある。
この出願の発明のフラーレン類の塩類とは、 たとえば水酸化フラーレ ン類や、 フラーレンエステル類の塩類、 ポリ水酸化フラーレン類、 フラ 一レンジエステル、 フラーレントリエステル、 フラーレンポリエステル 等の塩類から選択されてよく、 その塩類は生理学的に受容される塩を形 成していればよい。 これら塩の例としては、 無機塩や有機塩が挙げられ る。
これらの塩としては、アル力リ金属(例、ナトリゥム、力リゥムなど)、 アルカリ土類金属 (例、 カルシウム、 マグネシウムなど) などの金属の 塩であってもよく、 あるいは、 トリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 N , N—ジベンジルエチレンジァミン、 エタノー ルァミン、ジエタノールァミン、 トリスヒドロキシメチルァミノメタン、 ジシクロへキシルァミン等の有機塩基との塩であってもよい。安全性の 高さ、 経済性等の観点から、 水酸化フラーレン類およびフラーレンモノ エステル類の塩類として、 ナトリウム、 カリウム、 マグネシウム、 カル シゥム、 アルミニウムから選択される一種または二種以上の金属塩が適 している。
フラーレン類として水溶性のあるフラーレン誘導体や有機化合物に よる修飾体あるいは包接体、 そしてフラーレン類の塩類は安定性が高く、 水に溶けやすく、 また p Hが調整可能なため、 細胞毒性が低く生体適合 性が高いので、 この出願の発明に使用するのにより適している。 たとえ ばフラーレンと高分子ポリマ一としての P E G (ポリエチレングリコー ル)、 P V P (ポロビニルピロリドン) や、 C D (シクロデキストリン) による修飾あるいは包接体、 そして 1価の塩類が 2価の塩類よりも水に 対する溶解性が高いことから好ましい。 特に、 フラーレン一 P V Pや、 水酸化フラーレン類やフラーレンエステル類のナトリウム、 水酸化フラ 一レン類やフラーレンモノエステル類の力リゥムが適している。
これらを用いた皮膚メラニン抑制剤は、 その製造コス卜が安価なため、 動物用などの安価な皮膚メラニン抑制剤にも適してもいる。
たとえば、 注目されるものの一つとして水溶性の P VP—フラーレン 複合体がある。 PVP (ポリビニルピロリ ドン) は、 次式
Polyvinylpyrrolidone
(PVP) で表わされるものであって、 この出願の発明においては、 その重量平均 分子量 (Mw) が 3, 0 0 0〜3, 0 0 0, 0 0 0程度の範囲のもの、 さらには、 6, 000〜1 , 50 0, 0 00程度のものが好適なものと して考慮される。 PVPは、 合成したものでもよいし、 市販品であって もよい。 この場合のフラーレンは上記のとおりのフラーレン誘導体であ つてもよい。
皮膚は表皮、 真皮、 脂肪層 (皮下組織) の 3層からなることが知られ ている。 このうち、 表皮は皮膚の最も外側にあり、 紫外線や外気など外 的刺激にさらされる。 表皮の最も内側に、 皮膚の色を濃くするメラニン 色素を生成するメラニン細胞がある。 このため、 メラニン増加抑制効果 を最大限発揮させるためには、 フラーレンが真皮に浸透せず、 表皮に留 まることが求められる。 P VP—フラーレン複合体に関し、 PVPの重 量平均分子量と皮膚浸透性との関係を調べたところ、 P V Pの重量平均 分子量を 8, 000〜 400, 0 00、 より好ましくは 40, 0 0 0〜 6 0, 0 00にすることにより、 フラーレンの真皮への浸透を抑制し、 表皮に留まらせる効果が顕著になることが判明した。
P VPの重量平均分子量が 8 , 000より小さいと、 フラーレンが真 皮まで浸透しやすくなる。 一方、 P VPの重量平均分子量が 400, 0 0 0より大きいと、 粘度が顕著に増大し、 フラーレンを水溶化する際
の調製 (処方) 条件 (温度、 撹拌時間) に制約が生じる。
そして、 この出願の発明のフラーレン類を有効成分とする皮膚メラ二 ン抑制剤には、 水に対する溶解性の高い物が含まれる。
またフラーレン類の水分付加物または結晶水付加物はその無水物よ りも水に対する溶解性が高いことから有用である。
この出願の発明のフラーレン類の水分付加物または結晶水付加物の 水分または結晶水の含量は特に限定されないが、 より良好な溶解性を保 持するためには水分含量が 1 %から 5 0重量%、 より好ましくは 5 %か ら 2 0重量%、 結晶水の場合は 1から 2 0水塩、 より好ましくは 1から 1 0水塩の範囲の水分子を保持するフラーレン類の水分付加物または 結晶水付加物が望ましい。
この出願の発明の皮膚メラニン抑制剤は低毒性であり、 投与すること ができる。
この出願の発明の皮膚メラニン抑制剤の剤形は、 特に限定されず外用 剤、 軟膏、 貼布剤、 散剤、 顆粒剤、 懸濁剤、 液剤、 などが挙げられる。
医薬上許容される不活性な担体または希釈剤およびまたは他の薬理 作用物質との混合物として組成することもできるし、 また投薬量単位形 に組成してもよい。
また公知の製剤学的製造法に準じ複合体として製剤化されたもので もよい。 たとえば水に対する溶解度を高めて吸収を促進し、 薬理活性を 高める目的でこの出願の発明の主成分をシクロデキストリンあるいは マルトシルーシクロデキストリンとの複合体として使用してもよい。
この出願の発明は、 これらの有効成分を、 公知の製剤学的製造法に準 じ、 所望により製剤学的に許容され得る第十二改正日本薬局方平成三年 (廣川書店) 等に収載された希釈剤、 賦形剤などを用い、 混合して一剤 としても投与できる。
この出願の発明の製剤が溶液である場合は、 水溶性剤 (たとえば、 蒸 留水等)、 水溶性製剤 (たとえば、 生理的食塩水、 リンゲル液等)、 油性
熔剤 (たとえば、 ゴマ油、 トウモロコシ油、 ォリーブ油等) 等の溶剤を 用いて、 常套手段により調整することもできる。 この際、 所望により溶 解補助剤 (たとえば、 サリチル酸ナトリウム、 酢酸ナトリウム等)、 緩 衝剤 (たとえばクェン酸ナトリウム、 グリセリン等)、 等張化剤 (たと えば、 ブドウ糖等)、 安定剤 (たとえばヒト血清アルブミン、 ポリェチ レンダリコール等)、 保存剤 (たとえばベンジルアルコール、 フエノー ル等)、 無痛化剤 (たとえば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロ力イン 等) 等の添加剤を用いることもできる。
所望により薬理学的、 製剤学的に許容され得る添加剤 (たとえば、 希 釈剤、 賦形剤、 結合剤、 崩壌剤、 着色剤、 安定剤、 増量剤、 湿潤化剤、 界面活性剤、 滑沢剤、 分散剤、 緩衝剤、 矯味剤、 矯臭剤、 香料、 保存剤、 溶解補助剤、 溶剤、 被覆剤、 糖衣剤など) を混合またはこれらを用いて 製剤化したものを使用することもできる。
この出願の発明の皮膚メラニン抑制剤の調整に用いられる希釈剤は、 製薬上許容しうるものであるが、 この出願の発明化合物以外の素材を意 味し、固体、半固体、液体等であってもよく、種々のものがあげられる。 たとえばこの出願の発明によって得られる皮膚メラニン抑制剤は、 既 知のいかなる方法で製造してもよい。
経口投与のための組成物としては、 錠剤、 丸剤、 顆粒剤、 散剤、 カブ セル剤、 シロップ剤、 乳剤、 縣濁剤、 噴霧剤などがあげられる。 かかる 組成物は自体公知の方法によって製造され、 担体もしくは賦形剤として、 乳糖、 でんぷん、 ショ糖、 ステアモノエステルマグネシウムなどが用い られる'。
非経口投与のためには、 たとえば坐薬、 貼布剤、 液剤、 外用剤などと することができ、注射剤としてはたとえば、皮下注射剤、筋肉内注射剤、 などとして用いられる。 外用剤としてはたとえば軟膏、 経鼻投与剤、 経 皮製剤等が挙げられる。
外用剤とするには、 自体公知の方法に従い、 この出願の発明の組成物
を固状、 半固状または液状の外用剤とすることができる。 たとえば、 上 記固状のものとしては、 この出願の発明の組成をそのままあるいは賦形 剤 (例、 グリコール、 マンニトール、 デンプン、 微結晶、 セルロースな ど)、 増粘剤 (例、 天然ガム類、 セルロース誘導体、 アクリル重合体な ど) などを添加混合して粉状の組成物とする。
上記液状のものとしては、 油性あるいは水性縣濁剤とする。 半固体の 場合は、 水性または油性のゲル剤、 あるいは軟膏状のものがよい。
また、 これらはいずれも、 p H調節剤 (例、 炭酸、 モノエステル、 ク ェン酸、 塩酸、 水酸化ナトリウムなど)、 防腐剤 (例、 パラォキシ安息 香酸エステル類、 クロロブ夕ノール、 塩化ベンザルコニゥムなど) など を加えてもよい。 自体公知の方法にしたがい、 この出願の発明の組物を 油性または水性の固状、 半固状あるいは液状とすることができる。
そこで、 メラニン抑制のために外用剤として適用することについて以 下に詳しく説明する。
<A>外用剤としてのフラーレン類の投与方法
1 . 投与量
この出願の発明のフラーレン類の濃度は 0 . 0 0 0 0 1 %から 3 0 % 重量濃度であればよいが使用感的側面から好ましくは 5 %以下が良い。 皮膚に投与する場合外用組成物の量は皮膚面積 1平方メートル当たり 液体 0 . 0 0 1〜 2 O m 1好ましくは 0 . 0 1〜 5 . O m lを外用塗布、 湿布または粉霧するのがのぞましい。
2 . 投与形態
皮膚外用組成物の形態の例としては、 特に限定されず、 たとえば、 水 溶剤、 軟膏、 乳液、 クリーム、 ジエル剤、 パック、 浴剤、 洗浄剤、 パッ プ剤、 分散液等のあらゆる外用剤の形態を取ることができ、 その剤型に ついても特に制限はなく、 固型状、 ペースト状、 ムース状、 ジエル状、 粉末状、 溶液系、 可溶化系、 乳化系、 粉末分散系、 多層状とすることが できる。 特に水溶液、 乳剤、 軟膏剤、 ジエル剤、 水溶製剤、 美容液、 パ
ック剤については、 これらの剤を外用した後に加湿導入器、振動導入器、 イオン導入器、 音波導入器、 電磁波導入器を用いることによりフラーレ ン類の皮膚への浸透を促進することができより大きな効果を発揮でき る。
塗布方法は、 液剤の場合、 スプレー、 貼布、 湿布、 デイツビング、 マ スク等物理的に可能な全ての方法を用いることができる。
< B >フラーレン類を含有する外用剤
この出願の発明の抗酸化組成物、 そして外用組成物は、 基本的に従来 より知られている化粧品や外用薬剤を構成する各種成分との組合わせ として実現される。
以下にまず、 これら成分一般について概説する。
1 . 油剤
この出願の発明のフラ一レン類はオイル類、 好ましくは天然オイル、 より好ましくはオレンジオイル、 ビーバ一オイル、 ォリーブオイル、 パ ィンオイルから選択される一種又は二種以上のオイル類を含有するォ ィルに分散させて生体、 特に皮膚に投与することが好ましい。
油剤としては、 通常の化粧料に使用されるものであれば、 天然系油で あるか、 合成油であるか、 或いは、 固体、 半固体、 液体であるか等の性 状は問わず、 炭化水素類、 ロウ類、 脂肪酸類、 高級アルコール類、 エス テル油、 シリコーン油類、 フッ素系油類等、 いずれの油剤も使用するこ とができる。 たとえば、 スクヮラン、 スクワレン、 セレシン、 パラフィ ン、 パラフィンワックス、 流動パラフィン、 プリスタン、 ポリイソプチ レン、 マイクロクリス夕リンワックス、 ヮセリン等の炭化水素類; ミツ ロウ、 カルナウパロウ、 キャンデリラロウ、 鯨ロウ等のロウ類;牛脂、 牛脚脂、 牛骨脂、 硬化牛脂、 硬化油、 タートル油、 豚脂、 馬脂、 ミンク 油、肝油、卵黄油等の動物油;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、 ラノリンアルコール、 硬質ラノリン、 酢酸ラノリン、 ラノリン脂肪酸ィ ソプロピル、 P O Eラノリンアルコールエーテル、 P O Eラノリンアル
コールアセテート、 ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 P O E水 素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘導体; ラウリン酸、 ミリスチン酸、 パルミチン酸、 ステアリン酸、 ベヘン酸、 ゥンデシレン 酸、 ォレイン酸、 ァラキドン酸、 ドコサへキサェン酸 (D H A)、 イソ ステアリン酸、 1 2—ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類が挙げられ る。
油剤としては、 また、 ラウリルアルコール、 ミリスチルアルコール、 パルミチルアルコール、 ステアリルアルコール、 ベへニルアルコール、 へキサデシルアルコール、 ォレイルアルコール、 イソステアリルアルコ ール、 へキシルドデカノ一ル、 ォクチルドデカノール、 セトステアリル アルコール、 2—デシルテトラデシノール、 コレステロール、 フィ トス テロール、 シ卜ステロール、 ラノステロール、 P O Eコレステロールェ 一テル、 モノステアリルグリセリンエーテル (バチルアルコール) 等の 高級アルコール;アジピン酸ジイソプチル、 アジピン酸一 2—へキシル デシル、 アジピン酸ージ— 2—へプチルゥンデシル、 モノイソステアリ ン酸— N—アルキルダリコール、 イソステアリン酸イソセチル、 トリィ ソステアリン酸トリメチロールプロパン、 ジ— 2—ェチルへキサン酸ェ チレングリコール、 2—ェチルへキサン酸セチル、 トリ— 2—ェチルへ キサン酸トリメチロールプロパン、 テトラ— 2—ェチルへキサン酸ペン 夕エリスリ トール、オクタン酸セチル、ォクチルドデシルガムエステル、 ォレイン酸ォレイル、ォレイン酸ォクチルドデシル、ォレイン酸デシル、 ジカプリン酸ネオペンチルダリコール、 クェン酸トリエチル、 コハク酸 — 2—ェチルへキシル、 酢酸ァミル、 酢酸ェチル、 酢酸プチル、 ステア リン酸イソセチル、 ステアリン酸プチル、 セパシン酸ジイソプロピル、 セパシン酸ジ— 2—ェチルへキシル、 乳酸セチル、 乳酸ミリスチル、 パ ルミチン酸イソプロピル、 パルミチン酸一 2—ェチルへキシル、 パルミ チン酸一 2—へキシルデシル、 パルミチン酸— 2—へプチルゥンデシル、 1 2—ヒドロキシステアリル酸コレステリル、 ジペンタエリスリ トール
脂肪酸エステル、 ミリスチン酸イソプロピル、 ミリスチン酸ォクチルド デシル、ミリスチン酸一 2—へキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、 ジメチルオクタン酸へキシルデシル、 ラウリン酸ェチル、 ラウリン酸へ キシル、 N—ラウロイル— L一グルタミン酸— 2—ォクチルドデシルェ ステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油が挙げられる。等に、 油剤として、 ァセ卜グリセライド、 トリイソオクタン酸グリセライド、 トリイソステアリン酸グリセライド、 トリイソパルミチン酸グリセライ ド、 トリー 2—ェチルへキサン酸グリセライド、 モノステアリン酸ダリ セライド、 ジ一 2—へプチルゥンデカン酸グリセライド、 トリミリスチ ン酸グリセライド等のグリセライド油;ジメチルポリシロキサン、 メチ ルフエ二ルポリシロキサン、 メチルハイドロジエンポリシロキサン、 ォ ク夕メチルシクロテ卜ラシロキサン、 デカメチルシクロペン夕シロキサ ン、 ドデカメチルシクロへキサシロキサン、 テトラメチルテトラ八イド ロジェンシクロテトラシロキサン、 ステアロキシシリコーン等の高級ァ ルコキシ変性シリコーン;高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、 シリコンゴム、 シリコーン油等のシリコーン系油剤;パーフルォロポリ エーテル、 パーフルォロデカリン、 パーフルォロオクタン等のフッ素系 油剤が挙げられる。
2 . 界面活性剤
この出願の発明のフラーレン類の製剤 Z化粧品には力プリル酸モノ グリセリ ドおよび/またはカプリン酸モノグリセリ ドを含有すること もでき、 さらに、 ラウリン酸モノグリセリ ドを配合することもできる。 力プリル酸モノグリセリ ド、 カプリン酸モノグリセリ ドおよびラウリン 酸モノグリセリ ド (以下、 単にグリセリ ドともいう) は、 いずれも食品 添加物;グリセリン脂肪酸エステルに指定され、 その安全性が確認され ており、 食しても何ら問題のない食品用乳化剤である。
この出願の発明のフラーレン類は水に分散させるために乳化剤を添 加することもできる。 たとえば、 乳化剤としては、 H L Bが 1 0以上の
ポリォキシエチレンソルビタンモノォレイン酸エステル等のポリォキ シエチレンソルビ夕ン脂肪酸エステル若しくはポリグリセリン脂肪酸 エステルのようなノニオン系界面活性剤、 または、 ラウリル硫酸ナトリ ゥム等のァニオン系界面活性剤を用いることもできる。
界面活性剤としては、 ァニオン性、 カチオン性、 非イオン性及ぴ両性 の活性剤が用いられる。 ァニオン性界面活性剤としては、 ステアリン酸 ナトリウム、 パルミチン酸トリエタノールァミン等の脂肪酸セッゲン、 アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、 アミノ酸と脂肪酸の縮合物等 のカルボン酸塩、 アルキルスルホン酸、 アルケンスルホン酸塩、 脂肪酸 エステルのスルホン酸塩、 脂肪酸アミドのスルホン酸塩、 アルキルスル ホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、 アルキル硫酸エステ ル塩、 第二級高級アルコール硫酸エステル塩、 アルキル及ぴァリルエー テル硫酸エステル塩、 脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、 脂肪酸アルキ ロールアミドの硫酸エステル塩、 ロート油等の硫酸エステル塩類、 アル キルリン酸塩、 エーテルリン酸塩、 アルキルァリルエーテルリン酸塩、 アミドリン酸塩、 N _ァシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、 アルキルアミン塩、 ポリアミン及び ァミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、 アルキル酸四級アンモニ ゥム塩、 芳香族四級アンモニゥム塩、 ピリジゥム塩、 イミダゾリウム塩 等が挙げられる。 非イオン性界面活性剤としては、 ソルビ夕ン脂肪酸ェ ステル、 グリセリン脂肪酸エステル、 ポリグリセリン脂肪酸エステル、 プロピレンダリコール脂肪酸エステル、 ポリエチレングリコール脂肪酸 エステル、 ショ糖脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンアルキルェ一テ ル、 ポリォキシプロピレンアルキルエーテル、 ポリオキシエチレンアル キルフエニルエーテル、 ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、 ポリオキ シエチレンソルビ夕ン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンソルビ卜ー ル脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、 ポ リオキシエチレンプロピレンダリコール脂肪酸エステル、 ポリオキシェ
チレンヒマシ油、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、 ポリオキシェチレ ンフィ トス夕ノールエーテル、 ポリオキシエチレンフィ 卜ステロールェ —テル、 ポリオキシエチレンコレス夕ノールエーテル、 ポリオキシェチ レンコレステリルエーテル、 ポリォキシアルキレン変性オルガノポリシ ロキサン、 ポリオキシアルキレン ·アルキル共変性オルガノポリシロキ サン、 アル力ノールアミド、 糖エーテル、 糖アミド等が挙げられる。 両 性界面活性剤としては、 ベタイン、 アミノカルボン酸塩、 イミダゾリン 誘導体等が挙げられる。
金属セッケンとしては、 1 2—ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、 ステアリン酸亜鉛、 ステアリン酸アルミニウム、 ステアリン酸カルシゥ ム、 ステアリン酸マグネシウム、 ミリスチン酸亜鉛、 ミリスチン酸マグ ネシゥム、 セチルリン酸亜鉛、 セチルリン酸カルシウム、 セチルリン酸 亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ゥンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
3 . 顔料
この出願の発明のフラーレン類の多くは有色なので化粧品として適 宜顔料を配合して違
和感のない色調に調整することは望ましい。有色顔料としては、酸化鉄、 水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、 Ύ一酸化鉄等の無機褐色系顔料、 黄酸化鉄、 黄土等の無機黄色系顔料、 黒酸化鉄、 カーボンブラック等の 無機黒色顔料、 マンガンバイオレット、 コバルトバイオレット等の無機 紫色顔料、 水酸化クロム、 酸化クロム、 酸化コバルト、 チタン酸コパル ト等の無機緑色顔料、 紺青、 群青等の無機青色系顔料、 タール系色素を レーキ化した顔料、 天然色素をレーキ化した顔料、 及びこれらの粉体を 複合化した複合粉体等が挙げられる。 パール顔料としては、 酸化チタン 被覆雲母、 酸化チタン被覆マイ力、 ォキシ塩化ビスマス、 酸化チタン被 覆ォキシ塩化ビスマス、 酸化チタン被覆タルク、 魚鱗箔、 酸化チタン被 覆着色雲母等が挙げられる。 金属粉末顔料としては、 アルミニウムバウ ダー、 カッパ一パウダー、 ステンレスパウダー等が挙げられる。
タール色素としては、 赤色 3号、 赤色 1 0 4号、 赤色 1 0 6号、 赤色 2 0 1号、赤色 2 0 2号、赤色 2 0 4号、赤色 2 0 5号、赤色 2 2 0号、 赤色 2 2 6号、 赤色 2 2 7号、 赤色 2 2 8号、 赤色 2 3 0号、 赤色 4 0 1号、 赤色 5 0 5号、 黄色 4号、 黄色 5号、 黄色 2 0 2号、 黄色 2 0 3 号、黄色 2 0 4号、黄色 4 0 1号、青色 1号、青色 2号、青色 2 0 1号、 青色 4 0 4号、緑色 3号、緑色 2 0 1号、緑色 2 0 4号、緑色 2 0 5号、 橙色 2 0 1号、 橙色 2 0 3号、 橙色 2 0 4号、 橙色 2 0 6号、 橙色 2 0 7号等が挙げられる。 天然色素としては、 カルミン酸、 ラッカイン酸、 カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。上記した無機粉体、 有機粉体、 顔料、 タール色素等の粉体は、 複合化したり、 油剤ゃシリコ ーン、 又はフッ素化合物で表面処理を行なってもよい。
4 . 保湿剤
プロピレングリコール、 グリセリン、 ポリグリセリン、 ソルビタン、 ソルビトール等の多価アルコールは、 皮膚の保湿おょぴ刺激を緩和する ために添加される。 保湿剤としては、 アルカリ単純温泉水、 深層水、 ヒ アルロン酸、 コンドロイチン硫酸、 デルマタン硫酸、 へパラン硫酸、 へ パリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類またはそれらの塩、 コラーゲ ン、 エラスチン、 ケラチンなどのタンパク質またはそれらの誘導体並ぴ にそれらの塩、大豆及び卵由来のリン脂質、糖脂質、セラミド、ムチン、 八チミッ、エリスリ トール、マルト一ス、マルチトール、キシリ トール、 キシロース、 ペン夕エリスリ トール、 フルクトース、 デキストリン及ぴ その誘導体、 マンニトール、 ソルビトール、 イノシトール、 トレハロー ス、 ブドウ糖等の糖類、 尿素、 ァスパラギン、 ァスパラギン酸、 ァラニ ン、 アルギニン、 イソロイシン、 オルチニン、 グルタミン、 グリシン、 グルタミン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、システィン、シスチン、 シトルリン、 スレオニン、 セリン、 チロシン、 トリブトファン、 テア二 ン、 ノ リン、 ヒズチジン、 ヒドロキシリジン、 ヒドロキシプロリン、 ピ 口リドンカルボン酸及びその塩、 プロリン、 フエ二ルァラニン、 メチォ
ニン、 リジンなどのアミノ酸及びそれらの誘導体又はそれらの塩などが 挙げられる。
更に保湿剤として、 D—パンテノール、 アボカド抽出物、 アーモンド 油、イナゴマメ抽出物、イネ抽出物、イチゴ抽出物、ウイキヨゥ抽出物、 ウスべニァオイ抽出物、 ォゥレン抽出物、 ォリーブ油、 ォドリコソゥ抽 出物、 カカオ脂、 カラスムギ抽出物、 キズタ抽出物、 クマザサ抽出物、 クチナシ抽出物、 グレープフルーツ抽出物、 ゲンノショウコ抽出物、 ゲ ンチアナ抽出物、 ゴボウ抽出物、 コボタンヅル抽出物、 ゴマ抽出物、 サ ポテン抽出物、 サボンソゥ抽出物、 ショウガ抽出物、 ジォゥ抽出物、 シ ァ脂、 シモッケ抽出物、 センキユウ抽出物、 ゼニァオイ抽出物、 夕チジ ヤコゥソゥ抽出物、 ツバキ抽出物、 トウモロコシ抽出物、 トウチュウ力 ソゥ抽出物、 トルメンチラ抽出物、 ドクダミ抽出物、 パクモンドウ抽出 物、 ハウチマメ抽出物、 ハマメリス抽出物、 ハツ力抽出物、 ミドリハツ 力抽出物、 セィヨウハツ力抽出物、 パセリ抽出物、 パラ抽出物、 ヒマヮ リ抽出物、 ヒノキ抽出物、 へチマ抽出物、 ブルーン抽出物、 ブッチャー ズブルーム抽出物、 ボラージ油、 ポタン抽出物、 ホホバ油、 ポダイジュ 抽出物、 ホップ抽出物、 マツ抽出物、 マロニエ抽出物、 マカデミアナツ ッ油、 マルメ口抽出物、 ムラサキ抽出物、 メドウホーム油、 メリッサ抽 出物、 ャグルマソゥ抽出物、 ユリ抽出物、 ュズ抽出物、 ライム抽出物、 ラベンダー抽出物、 リンドウ抽出物、 ヮレモコゥ抽出物及びリンゴ抽出 物等が挙げられる。 上記に挙げた保湿剤は、 一種又は二種以上を適宜選 択して配合することができる。
5 . 賦形剤 ·基剤
ゲル化剤としては、 N—ラウロイルー L—グルタミン酸、 0;, ァ―ジ —n—プチルァミン等のアミノ酸誘導体、 デキス卜リンパルミチン酸ェ ステル、 デキストリンステアリン酸エステル、 デキストリン 2—ェチル へキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、 シ ョ糖パルミチン酸エステル、 ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂
肪酸エステル、 モノべンジリデンソルビト一ル、 ジベンジリデンソルビ トール等のソルビトールのペンジリデン誘導体、 ジメチルベンジルドデ シルアンモニゥムモンモリ口ナイトクレー、 ジメチルジォクタデシルァ ンモニゥムモンモリ口ナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げら れる。
アルコール類としてはエタノール、 ィソプロパノール等の低級アルコ ール、 グリセリン、 ジグリセリン、 エチレングリコール、 ジエチレング リコール、 トリエチレングリコール、 プロピレングリコール、 ジプロピ レンダリコール、 1, 3—ブチレングリコール、 ポリエチレングリコー ル等の多価アルコール等が挙げられる。
水溶性高分子としては、 アラビアゴム、 トラガカント、 ガラクタン、 キヤロブガム、 グァーガム、 カラャガム、 カラギーナン、 ぺクチン、 寒 天、 アルゲコロイド、 トラントガム、 ローカストビーンガム、 ガラク卜 マンナン等の植物系高分子;キサンタンガム、 デキストラン、 サクシノ グルカン、 プルラン等の微生物系高分子;カゼイン、 アルブミン、 ゼラ チン等の動物系高分子;デンプン、 カルボキシメチルデンプン、 メチル ヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、 ェチルセルロース、 メチルヒドロキシプロピルセルロース、 カルポキシ メチルセルロース、 ヒドロキシメチルセルロース、 ヒドロキシプロピル セルロース、 ニトロセルロース、 セルロース硫酸ナトリウム、 カルボ キシメチルセルロースナトリウム、 結晶セルロース、 セルロース末のセ ルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、 アルギン酸プロピレンダリ コールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルメチルエーテル、 カルボキシビ二ルポリマー、 アルキル変性力ルポキシビ二ルポリマー等 のビニル系高分子;ポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、 ポリェチルァクリレート、 ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子; ポリエチレンィミン、 カチオンポリマー、 ベントナイト、 ラボナイト、
ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。 また、 この中には、 ポ リビニルアルコールやポリビニルピロリ ドン等の皮膜形成剤も含まれ る。
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球 状、 針状、 板状等) や粒子径 (煙霧状、 微粒子、 顔料級等)、 粒子構造 (多孔質、 無孔質等) を問わず、 無機粉体、 有機粉体、 顔料などいずれ のものも使用することができる。 例えば、 無機粉体としては、 酸化マグ ネシゥム、 硫酸バリウム、 硫酸カルシウム、 硫酸マグネシウム、 炭酸力 ルシゥム、 炭酸マグネシウム、 タルク、 合成雲母、 マイ力、 カオリン、 セリサイト、 白雲母、 合成雲母、金雲母、紅雲母、 黒雲母、 リチア雲母、 ゲイ酸、 無水ゲイ酸、 ケィ酸アルミニウム、 ゲイ酸マグネシウム、 ゲイ 酸アルミニウムマグネシウム、 含硫ケィ酸アルミニウム、 ゲイ酸カルシ ゥム、ゲイ酸バリゥム、ゲイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、 ヒドロキシァパタイ卜、 パーミキユラィ卜、 ハイジライ卜、 モンモリロ ナイト、 ゼォライト、 セラミックスパウダー、 第二リン酸カルシウム、 アルミナ、 水酸化アルミニウム、 窒化ホウ素、 窒化ポロン等が挙げられ る。
有機粉体としては、 ポリアミドパウダー、 ポリエステルパウダー、 ポ リエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、 ポリウレタン、 ベンゾグアナミンパウダー、 ポリメチルベンゾグァナミ ンパウダー、 テトラフルォロエチレンパウダー、 ポリメチルメタクリレ
—卜パウダー、 シルクパウダー、 ナイロンパウダ一、 1 2ナイロン、 6 ナイロン、 スチレン ·アクリル酸共重合体、 ジビニルベンゼン 'スチレ ン共重合体、 ビニル樹脂、 尿素樹脂、 フエノール樹脂、 フッ素樹脂、 ケ ィ素樹脂、 アクリル樹脂、 メラミン樹脂、 エポキシ樹脂、 ポリカーボネ イト樹脂、 微結晶繊維粉体、 ラウロイルリジン等が挙げられる。
6 . 細胞賦活剤
この出願の発明のフラーレン類を生体や皮膚に投与して薬効を促進
するためには投与対象である細胞を賦活するための薬剤を同時投与す ることは好ましい。細胞賦活剤としては、デォキシリボ核酸及びその塩、 アデノシン三リン酸、 アデノシンーリン酸などのアデニル酸誘導体及び それらの塩、 リボ核酸及びその塩、 サイクリック AM P、 サイクリック GM P、 フ.ラビンアデニンヌクレオチド、 グァニン、 アデニン、 シトシ ン、 チミン、 キサンチン及びそれらの誘導体であるカフエイン、 テオフ エリン並びにそれらの塩等の核酸関連物質、 幼牛血液抽出液、 血清除蛋 白抽出物、 脾臓抽出物、 トリ等の卵成分、 鶏冠抽出物、 貝殻抽出物、 貝 肉抽出物、 ローヤルゼリー、 シルクプロテイン及びその分解物又はそれ らの誘導体、 ヘモグロビン又はその分解物、 ラクトフエリン又はその分 解物、 イカスミ等の軟体動物抽出物、 魚肉抽出物等、 哺乳類、 鳥類、 貝 類、 昆虫類、 魚類、 軟体動物類、 甲殻類等の動物由来の抽出物、 酵母抽 出物、 乳酸菌抽出物、 ビフィズス菌抽出物等の発酵代謝産物から選ばれ る微生物由来の抽出物が挙げられる。
更に細胞賦活剤としては、 レチノール及びその誘導体 (パルミチン酸 レチノール、 酢酸レチノール等)、 レチナ一ル及ぴその誘導体、 デヒド ロレチナール、 トレチノイン、 カロチン等のカロチノイド等のビタミン A類、 チアミン類 (チアミン塩酸塩、 チアミン硫酸塩)、 リボフラビン 類 (リボフラビン、 酢酸リボフラビン等)、 ピリ ドキシン類 (塩酸ピリ ドキシン、 ピリ ドキシンジォク夕ノエート等)、 フラビンアデニンヌク レオチド、 シァノコバラミン、 葉酸類、 ニコチン酸類 (ニコチン酸アミ ド、 ニコチン酸べンジル等)、 コリン類等のビタミン B類、 アンズ抽出 物、 イチヨウ抽出物、 ォ夕ネニンジン抽出物、 ォォムギ抽出物、 オレン ジ抽出物、 キユウリ抽出物、 キウイ抽出物、 シィタケ抽出物、 スギナ抽 出物、 センプリ抽出物、 夕イソゥ抽出物、 トウガラシ抽出物、 ニンニク 抽出物、 ニンジン抽出物、 ブクリヨウ抽出物、 モモ抽出物、 レタス抽出 物、 レモン抽出物、 霊芝抽出物、 ローズマリー抽出物、 アスパラガス抽 出物、 イブキトラノォ抽出物、 エンドゥ豆抽出物、 エイジッ抽出物、 ォ
ゥゴン抽出物、 オノニス抽出物、 海藻抽出物、 キイチゴ抽出物、 クジン 抽出物、 ゲイケットウ抽出物、 ゴカヒ抽出物、 リノール酸を含有する植 物油、 サイシン抽出物、 サンザシ抽出物、 サンペンズ抽出物、 シラユリ 抽出物、 シャクャク抽出物、 センプクカ抽出物、 ソゥハクヒ抽出物、 大 豆抽出物、 茶抽出物、 トウキ抽出物、 糖蜜抽出物、 ビヤクレン抽出物、 ブナノキ抽出物、 ブドウ種子抽出物、 フローデマニータ抽出物、 ホップ 抽出物、 マイカイ力抽出物、 モッカ抽出物、 ユキノシタ抽出物、 ョクイ ニン抽出物及び羅漢果抽出物、 さらには、 ァカネ、 ァカブドウ、 ァカメ ガシヮ、 ァケビ、 アサ、 アサガオ、 ァズキ、 ァセンャク、 アマチヤ、 ァ マチヤヅル、 イタドリ、 イチジク、 イチヨウ、 イランイラン、 ゥッポグ サ、 ウメ、 ゥヮウルシ、 ゥンシユウミカン、 ェゾゥコギ、 ェビスダサ、 ェンジュ、 エンドゥ、 ォォパコ、 オクラ、 ォグルマ、 ォニグルミ、 ォミ ナェシ、 オランダイチゴ、 カキ、 カキドウシ、 カシュゥ、 カシュ一、 力 ノコソゥ、 カラスゥリ、 カリン、 ガラナ、 キキヨウ、 キク、 キササゲ、 ギシギシ、 ギムネマ ·シルべス夕、 キンミズヒキ、 グアバ、 クコ、 クズ、 クスノキ、 クリ、 ゲイケットウ、ゲッケイジュ、 ゲイヒ、 ゴショイチゴ、 コショウ、 コーヒー、 ゴマノハグサ、 コロンボ、サザン力、サンショウ、 サフラン、 サクラ、 ザクロ、 サンズコン、 サンペンズ、 シオン、 ショウ ブ、 スイカ、 ステビア、 スモモ、 セィヨウキズ夕、 セィヨウナシ、 セィ ヨウノコギリソゥ、セィヨウネズ、セィヨウヮサビ、セキショウ、セリ、 セネガ、 センナ、 ダイォゥ、 ダイダイ、 タマリンド、 タラノキ、 タンボ ポ、 チコリ、 チヨウジ、 チョウセンゴミシ、 チヨレイ、 ツキミソゥ、 ッ ポクサ、 ツユクサ、 ッルナ、 テゥチグルミ、 トウガン、 トチュウ、 トロ ロアオイ、 ナズナ、 ナツミカン、 ナンテン、 二ガキ、 ノゴギリソゥ、 パ ィナツプル、 ハイビスカス、 パパイヤ、 パジル、 ハス、 ハダカムギ、 ヒ ォウギ、 ピーナツ、 ヒキォコシ、 ヒシ、 ビス夕チォ、 ヒパ、 ヒメマッタ ケ、 ビヤクシ、 ビヮ、 フキタンポポ、 フシノキ、 フジパカマ、 ブルーべ リー、 ボウフゥ、 ホオズキ、 ホオノキ、 ボケ、 マイカイ、 マオゥ、 マン
ゴー、 マンネンタケ、 ミシマサイコ、 ミソハギ、 ミツバ、 ミモザ、 メリ ロート、 メロン、 モクレン、 モモルディ力 ·ダロスべノリィ、 モロヘイ ャ、 モヤシ、 ャクチ、 ャクモソゥ、 ガグルマソゥ、 ヤシ、 ヤシャジッ、 ャドリギ、 ャナギタデ、 ャマゴボウ、 ャマモモ、 ュズリハ、 ョモギ、 ラ ィムギ、 ラン、 リュウガン、 リンゴ、 レイシ、 レンギヨゥ等の抽出物、 ヒノキチオール、 セファランチン等の植物由来の抽出物、 Q!—及ぴ Ύ— リノレン酸、 エイコサペン夕ェン酸及びそれらの誘導体、 ェストラジオ ール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、コハク酸、乳酸、 サリチル酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げ られる。
上記に挙げた細胞賦活剤は一種又は二種以上を適宜選択して配合する ことができる。
ビタミンとしては、 フィ 卜ナジオン、 メナキノン、 メナジオン、 メナ ジオール等のビタミン K類、 エリオシトリン、 ヘスペリジン等のビタミ ン P類、 ピオチン、 カルチニン、 フェルラ酸等が挙げられる。 血行促進 剤としては、 ノニル酸ヮレニルアミド、 カブサイシン、 ジンゲロン、 力 ン夕リスチンキ、 イク夕モール、 Q!—ポルネオール、 イノシトールへキ サニコチネート、 シクランテレー卜、 シンナリジン、 トラゾリン、 ァセ チルコリン、 ペラパミル、 ァーオリザノール等が挙げられる。 皮膚収斂 剤としてはタンニン酸等、 抗脂漏剤としてはチアントロール等、 酵素と してはリパーゼ、 パパイン等が挙げられる。
アミノ酸類としては、 グリシン、 ァラニン、 パリン、 イソロイシン、 セリン、 スレオニン、 ァスパラギン酸、 グルタミン酸、 ァスパラギン、 グルタミン、 リジン、 ヒドロキシリジン、 アルギニン、 シスチン、 メチ ォニン、フエ二ルァラニン、チロシン、プロリン、 ヒドロキシプロリン、 オルチニン、 シトルリン、 テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体並 びにそれらの塩、 あるいはピロリドンカルボン酸等のアミノ酸誘導体ま たはその誘導体等が挙げられる。 核酸関連物質としては、 デォキシリポ
核酸及ぴその塩、 アデノシン三リン酸、 アデノシン二リン酸、 アデノシ ンーリン酸から選ばれるアデニル酸誘導体及びそれらの塩、 リポ核酸及 びその塩、 サイクリック AM P、 サイクリック G M P、 フラピンアデ ニンヌクレオチド、 グァニン、 アデニン、 シトシン、 チミン、 キサンチ ン及ぴそれらの誘導体であるカフエイン、 デオフィリン並びにそれらの 塩、 ホルモンとしては、 エストラジオ一ル、 ェテニルエス卜ラジオール 等が挙げられる。
7 . ァスコルビン酸
この出願の発明の外用組成物においては、 ァスコルビン酸またはその 誘導体が好適に使用される。
なかでも、 前記の式で表される化合物またはその塩及びそこから選択 される少なくとも一種であればよい。
ァスコルビン酸そのものを使用することもでき、 ァスコルビン酸とし ては L体、 D体または D L体のいずれでも良く、 無機酸または有機酸と のエステル、 糖との配糖体、 あるいはァスコルビン酸の水酸基のうち隣 接した 2個の水酸基とケトン結合したケタールまたはアルデヒドと結 合したァセタールであってもよい。
この場合の無機酸としては、 リン酸、 ジリン酸、 トリリン酸、 硫酸な どが挙げられ好ましくはリン酸である。 有機酸としては、 酢酸、 プロピ オン酸、 酪酸、 イソ酪酸、 ステアリン酸、 ミリスチン酸、 パルミチン酸 などが挙げられ、 パルミチン酸などの高級脂肪酸が特に好ましい。 糖と しては、 グルコース、 スクロース、 フラクトースなどであり、 特にダル コースが好ましい。 ケトンとしてはアセトン、 メチルェチルケトンが挙 げられ、 アルデヒドとしてはァセトアルデヒド、 プロピンアルデヒド、 ベンズアルデヒドなどを挙げることができる。 塩とする時は、 ナトリウ ム、 カリウム、 マグネシウム、 カルシウムなどを挙げることができ、 ナ トリウム塩、 マグネシウム塩が特に好ましい。
このようなァスコルビン酸誘導体の具体例としては、 例えばァスコル
ビン酸一 2—リン酸、 ァスコルビン酸一 2—二リン酸、 ァスコルビン酸 一 2—三リン酸、 ァスコルビン酸— 2—ポリリン酸、 ァスコルビン酸一 2—リン酸ジエステル、 ァスコルビン酸— 2 —リン酸 6—パルミチン酸、 ァスコルビン酸— 2 —リン酸 6 —ミリスチン酸、 ァスコルビン酸一 2— リン酸 6—ステアリン酸、 ァスコルビン酸一 2—リン酸 6—ォレイン酸、 ァスコルビン酸一 2—ダルコシド、 ァスコルビン酸一 2—ダルコシド 6 —パルミチン酸、 ァスコルビン酸一 2—ダルコシド 6 —ミリスチン酸、 ァスコルビン酸 _ 2—ダルコシド 6—ステアリン酸、 ァスコルビン酸一 2—ダルコシド 6—才レイン酸、 ァスコルビン酸一 2—硫酸などのァス コルビン酸エステル類、 L—ァスコルビン酸アルキルエステル、 L—ァ スコルビン酸リン酸エステル、 L—ァスコルビン酸硫酸エステル等の誘 導体等であり、 これらの塩であるナトリウム塩、 カリウム塩等のアル力 リ金属塩、 カルシウム塩、 マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等で も良い。 更に具体的には、 パルミチン酸 L—ァスコルビン酸、 ジパルミ チン酸 L—ァスコルピン酸、 イソパルミチン酸 Lーァスコルビン酸、 ジ イソパルミチン酸 Lーァスコルビン酸、 テトライソパルミチン酸 L—ァ スコルビン酸、 ステアリン酸 L—ァスコルビン酸、 ジステアリン酸 L— ァスコルビン酸、 イソステアリン酸 L—ァスコルビン酸、 ジイソステア リン酸 L—ァスコルビン酸、 ミリスチン酸 L—ァスコルビン酸、 ジミリ スチン酸 L—ァスコルビン酸、 イソミリスチン酸 L—ァスコルビン酸、 ジイソミリスチン酸 Lーァスコルビン酸、 ォレイン酸 Lーァスコルビン 酸、 ジォレイン酸 L—ァスコルビン酸 2—ェチルへキサン酸 L—ァスコ ルビン酸、 L—ァスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、 L—ァスコ ルビン酸リン酸エステル力リゥム、 Lーァスコルビン酸リン酸エステル マグネシウム、 L—ァスコルビン酸リン酸エステルカルシウム、 L—ァ スコルビン酸リン酸エステルアルミニウム、 L—ァスコルビン酸硫酸ェ ステルナトリウム、 Lーァスコルビン酸硫酸エステルカリウム、 L—ァ スコルビン酸硫酸エステルマグネシウム、 L—ァスコルビン酸硫酸エス
テルカルシウム、 Lーァスコルビン酸硫酸エステルアルミニウム、 L一 ァスコルビン酸ナトリウム、 Lーァスコルビン酸カリウム、 L一ァスコ ルビン酸マグネシウム、 L—ァスコルビン酸カルシウム、 L—ァスコル ビン酸アルミニウム等であり、 およびこれらのナトリウム塩、 カリウム 塩、 マグネシウム塩、 カルシウム塩、 亜鉛塩、 アンモニゥム塩、 アルキ ル置換アンモニゥム塩、 ヒドロキシアルキル置換アンモニゥム塩等が挙 げられる。
また、 これらァスコルビン酸誘導体がポリマー鎖に結合している形状 でもよい。 水溶性等の製剤上の利便性と誘導体の化学的安定性、 さらに 効果の点から、 特にァスコルビン酸一 2—リン酸およびァスコルビン酸 - 2—ダルコシド、 および特にこれらの上記塩類が好ましい。
8 . p H調整剤としては、 保存安定化剤又はキレート効果を有する有 機酸又はその塩が好適に例示される。 これらは、 エリソルピン酸及ぴそ の塩、ジブチルヒドロキシトルエン、 トコフエロールおょぴその誘導体、 ポルフィリン、 プチルヒドロキシァニソール、 亜硫酸水素ナトリウム、 無水亜硫酸ナトリウム、 没食子酸及びその誘導体、 ァラニン、 エチレン ジアミンヒドロキシェチル三酢酸ナトリゥム、 エチレンジァミン四酢酸 及びその塩、 クェン酸及びその塩、 ダルコン酸、 酒石酸、 フィチン酸、 ポリリン酸ナトリウム、 メ夕リン酸ナトリウムからなる群より選ばれる 少なくとも 1種であり、その配合量は、外用組成物の全重量に対して 0 . 0 1 %から 5 0 %重量の範囲で、 好ましくは 0 . 1 %から 5 %重量の範 囲で添加すればよい。 塩としては、 特に限定されないがその皮膚に対す る安全性から遷移金属以外の金属が望ましく特にナトリウム、 カリウム、 マグネシウム、 カルシウムが望ましい。
9 . 活性酸素消去剤
活性酸素消去剤を同時投与することも好ましい。活性酸素消去剤とし ては、スーパーォキサイドデイスム夕ーゼ、マンニトール、ピリルビン、 コレステロール、 トリブトファン、 ヒスチジン、 クェルセチン、 クエル
シトリン、 カテキン、 カテキン誘導体、 ルチン、 ルチン誘導体、 タウリ ン、 チォタウリン、 卵殻膜抽出物、 没食子酸、 没食子酸誘導体、 酵母抽 出物、 霊芝抽出物、 ヤシャジッ抽出物、 ゲンノショウコ抽出物、 ポタン ピ抽出物、 メリッサ抽出物、 パセリ抽出物及びジコッピ抽出物、 レチノ 一ル及ぴその誘導体 (パルミチン酸レチノール、 酢酸レチノール等)、 レチナ一ル及ぴその誘導体、 デヒドロレチナール等のビタミン A類;チ アミン類 (チアミン塩酸塩、 チアミン硫酸塩等)、 リボフラビン類 (リ ポフラビン、 酢酸リボフラビン等)、 ピリ ドキシン類 (塩酸ピリ ドキシ ン、 ピリ ドキシンジォク夕ノエート等)、 フラビンアデニンヌクレオチ ド、 シァノコパラミン、 葉酸類、 ニコチン酸類 (ニコチン酸アミド、 二 コチン酸べンジル等)、 コリン類等のビタミン B類;ェルゴカルシフエ ロール、 コレカルシフエロール、 ジヒドロキシスタナール等のビタミン D類; トコフエロール及びその誘導体 (d l — α ( β、 r ) —トコフエ ロール、 酢酸 d I - a -トコフエロール、 ニコチン酸— d 1 — a—トコ フエロール、 リノール酸— d 1 — a;—トコフエロール、 コハク酸 d 1 一 Q! -トコフエロール等)、 ュビキノン類等のビタミン E類; ジブチルヒ ドロキシトルレン及ぴブチルヒドロキシァ二ソール等が挙げられる。
1 0 . その他の配合剤
この出願の発明のフラーレン類を含有する外用組成物またはその希 釈液を保存する目的で、 エタノールのような防腐剤を添加することがで きる。 また、 クェン酸、 フマル酸、 コハク酸、 乳酸等の有機酸のような p H調節剤ゃN a O H、 K O Hを添加し、 p Hを調整することもできる。 いずれにしても、 この出願の発明のフラーレン類を含有する外用組成 物には、 薬理効果を損なわない範囲で、 通常、 外用剤等の製剤に使用さ れる成分、 すなわち、 水 (精製水、 温泉水、 深層水等)、 油剤、 界面活 性剤、 金属セッゲン、 ゲル化剤、 粉体、 アルコール類、 水溶性高分子、 皮膜形成剤、 樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、 香料、 消臭剤、 塩類、 p H調整剤、 清涼剤、 動物 ·微生物由来抽出物、 植物抽出物、 血
行促進剤、 収斂剤、 抗脂漏剤、 活性酸素消去剤、 細胞賦活剤、 保湿剤、 角質溶解剤、 酵素、 ホルモン類、 ビタミン類等を適宜一種又は二種以上 添加することができる。
また紫外線防御剤として、 パラメトキシケィ皮酸一 2—ェチルへキシ ル、 パラメトキシケィ皮酸イソプロピル、 パラメトキシハイドロケィ皮 酸ジエタノールアミン塩、 ジパラメトキシケィ皮酸モノ一 2—ェチルへ キサン酸グリセリル、 メトキシケィ皮酸ォクチル、 ジイソプロピルケイ 皮酸メチル等のケィ皮酸系紫外線吸収剤一 2 —ヒドロキシー 4—メト キシベンゾフエノン一 2—ヒドロキシ一 4—メトキシベンゾフエノン — 5—硫酸一 2 —ヒドロキシ一 4ーメトキシベンゾフエノン一 5—硫 酸ナトリウム、 2, 4—ジヒドロキシベンゾフエノン、 2 , 2 ' —ジヒ ドロキシー 4 , 4 ' ージメトキシベンゾフエノン、 2 , 2 ' ージヒドロ キシ一 4—メトキシベンゾフエノン、 2 , 2 ' , 4, 4 ' —テトラヒド ロキシベンゾフエノン一 2 —ヒドロキシ一 4— n—ォク卜キシベンゾ フエノン等のベンゾフエノン系紫外線吸収剤、 パラアミノ安息香酸、 パ ラァミノ安息香酸ェチル、 パラアミノ安息香酸プチル、 パラジメチルァ ミノ安息香酸— 2—ェチルへキシル、 パラアミノ安息香酸グリセリル、 パラアミノ安息香酸ァミル等の安息香酸系紫外線吸収剤、 サリチル酸一 2 _ェチルへキシル、 サリチル酸トリエタノールァミン、 サリチル酸ホ モメンチル、 サリチル酸ジプロピレングリコール、 サリチル酸メチル、 サリチル酸エチレングリコール、 サリチル酸フエニル、 サリチル酸アミ ル、 サリチル酸ベンジル、 サリチル酸イソプロピルベンジル、 サリチル 酸カリウム等のサリチル酸系紫外線吸収剤; 4— t 一プチルー 4 ' ーメ ーメトキシジベンゾィルメタン、 4— t 一プチルー 4 ' ーヒドロキシジ ベンゾィルメタン等のジベンゾィルメタン系紫外線吸収剤;メンチル一
0—ァミノべンゾエート、 2 —フエ二ルーベンズイミダゾル— 5 —硫酸、 2 —フエ二ルー 5 —メチルベンゾキサゾール、 3— (4一メチルベンジ
リデン) カンフル、 2—ェチルへキシル一 2—シァノ一 3, 3—ジフエ ニルァクリレート、 2 —ェチルー 2 —シァノ一 3, 3 ' —ジフエニルァ クリレート、 2— ( 2 ' —ヒドロキシ— 5 —メチルフエニル) ベンゾト リアゾール、 アントラニル酸メンチル等のアントラニル酸系紫外線吸収 剤;ゥロカニン酸ェチル等のゥロカニン酸系紫外線吸収剤;酸化チタン、 酸化ジルコニウム、 酸化セリウム等が挙げられる。 これらの金属酸化物 はシリカ被覆されたものでもよい。 紫外線防御剤の配合量としては 0 . 0 0 1から 5 0 %重量であればよく好ましくは 0 . 0 1から 1 0 %であ る。
抗菌剤としては、 安息香酸、 安息香酸ナトリウム、 石炭酸、 ソルビン 酸、 ソルビン酸カリウム、 パラォキシ安息香酸エステル、 パラクロルメ 夕クレゾール、 へキサクロ口フェン、 塩化ベンザルコニゥム、 塩化クロ ルへキシジン、 トリクロロカルバニリド、 感光素、 ビス ( 2—ピリジル チォ— 1—ォキシド) 亜鉛、 フエノキシエタノール及びチアントール、 イソプロピルメチルフエノール等が挙げられる。 p H調整剤としては、 炭酸カリウム、 炭酸水素ナトリウム、 炭酸水素アンモニゥム等が挙げら れる。 清涼剤としては、 L—メントール、 カンフル等が挙げられる。 抗炎症剤としては、 グリチルリチン酸ジカリウム、 グリチルリチン酸 モノアンモニゥム等、 j8—グリチルレチン酸、 グリチルレチン酸ステア リル、 3—サクシニルォキシグリチルレチン酸ニナ卜リゥム等のグリチ ルリチン酸、 若しくはグリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれ らの塩、 メフエナム酸、 フエ二ルブタゾン、 インドメタシン、 イブプロ フェン、 ケトプロフェン、 アラントイン、 グアイァズレン、 パンテトン 酸カルシウム、 D—パントテニルアルコール、 パントテニルェチルエー テル、 ァセチルパントテニルェチルエーテル等のパンテノール及びそれ らの誘導体並びにそれらの塩、 ε —アミノカプロン酸、 ジクロフェナク ナトリウム、 トラネキサム酸等が挙げられる。 配合量としては 0 . 0 0 1から 1 0 %重量であり、より好ましくは 0 . 0 1から 5 %重量である。
抗酸化剤としては、スーパーォキシドデイスムターゼ、マンニトール、 ヒスチジン、 トリブトファン、 ピリルビン、 クェルセチン、 クエルシト リン、 ポリフエノール、 プロアントシァニジン、 トコ卜リエノール、 力 テキン、 カテキン誘導体、 ルチン及びその誘導体、 没食子酸及びその誘 導体等、 ュビキノン、 ァスタキサンチン、 カロチン、 及ぴその他のパル ミチン酸レチノール、 酢酸レチノール等のレチノ一ル及ぴその誘導体、 レチナ一ル及ぴその誘導体、デヒド口レチナール、カロチン、リコピン、 ァスタキサンチン等のカロチノィド、カロチノィド類;チアミン塩酸塩、 チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、 ピリ ドキシンジォクタノエート等のピリ ドキシン類、 フラビンアデニン ヌクレオチド、 シァノコパラミン、 葉酸類、 ニコチン酸アミド、 ニコチ ン酸べンジル等のニコチン酸類、 コリン類等のビタミン B類;エルゴカ ルシフエロール、 コレカルシフエロール、 ジヒドロキシス夕ナ一ル等の ビタミン D類; d I — a ( β、 r ) 一トコフエロール、 酢酸 d I - - トコフエロール、 ニコチン酸— d 1 — α—トコフエロール、 リノール酸 — d 1 — α—トコフエロール、 コハク酸 d l — α—トコフエロール等の トコフエロール及びその誘導体、 ュビキノン類等のビタミン Ε類;ジブ チルヒドロキシトルエン及ぴブチルヒドロキシァ二ソ一ル等が挙げら れる。
この出願の発明の皮膚メラニン抑制剤の有効成分であるフラ一レン 類はァスコルビン酸の酸化分解を阻害し安定化するため製剤の製造時、 保存期間における経時的分解がほとんどない。
また、 通常のァスコルビン酸は生体内に取り込まれると生体中でラジ カルにより分解され細胞に到達する前に加水分解され失活するが、 この 出願の発明の有効成分であるフラーレン類は安定であるため失活しな いで細胞等に吸収される。
この出願の発明者らの検討の結果によると、 フラーレン類は極めて高 い細胞吸収性を示す。 これにより細胞内ァスコルビン酸濃度をフラーレ
ンと比較し最大で約 30倍、 ァスコルビン酸と比較し最大で約 2倍も高 めることができることが確認された。 これにより皮膚メラニン抑制作用 を発揮できるものと推定される。
以下、 実施例、 比較例を挙げてこの出願の発明を説明するが、 これら により発明が限定されることはない。 実施例
<実施例 1>
水溶性フラーレン類の配^:とその製造例
次の表 1に示したフラーレン類の配合を行った。
表 1
なお、 PVP (ポリビニルピロリドン) 修飾複合化フラーレン: PV P—フラ一レンはたとえば以下の方法により調製されたものである。 すなわち、 まず、 トルエン (1. 0ml) に溶解した混合フラーレン (C60 : C 70 = 3. 5 : 1 mo 1 /mo 1 ) ( 0. 8 m g ) の攪拌 溶液を、 P VP :分子量 60, 000 (l O Omg) のエタノール溶液 に室温において添加した。 十分に混合した後に、 溶媒を減圧下に蒸発さ せた。 残査を 2. Om lの M i 1 1 i— Q水に溶解し、 懸濁液を共沸蒸 留してトルエンを留去した。
これによつてフラーレン. P VP複合体水溶液を得た。 また、 水を蒸 発除去して粉末を得た。
<実施例 2>
皮膚メラニン抑制作用の試験例
前記表 1の番号 3.について、 その活性試験を行った。 すなわち、 茶
葉に含有されるアルカロウド;テオフィリンでメラニン産生能を増加さ せたヒトメラニン産生細胞 HMV— IIに対して、 前記番号 3.の配合例 の PVP—フラーレン (P VP分子量 60, 000) を 40 iiMおよび 100 M加えた。 プレートリーダー (A 350 nm) による吸光強度 測定でメラニン増加抑制について評価した。 その結果、 図 1に示したよ うに、 P VP—フラーレンを添加しない場合(positive control)に比べ、 40 AtMの場合にはメラニン増加量を 50. 2%に抑制し、 100 χΜ の場合には 42. 8%と顕著に抑制することが確認された。
さらに、 油性プロビタミン Cの VC— I Ρ (ァスコルビン酸テトライ ソパルミテ一ト) に溶解した 100 Mの上記 P VP ·フラーレンの場 合には、 29. 3%にまで抑制することが確認された。
表 1の他の配合例の 1 00 M添加の場合についても同様に試験を 行ったところ次の表 2のとおりの結果を得た。
表 2 配 合 例 メラニン抑制率
号 (%)
1 42. 8
2 54. 8
3 60. 2
4 60. 1
5 62. 3
6 59. 8
7 63. 1
8 44. 7
9 48. 5
10 62. 1
11 61. 9
12 61. 4
13 50. 3
<実施例 3>
ヒトメラノ一マ細胞 (HMV · I I) における紫外線 A波 (UVA) によるメラニン増加および黒褐色化抑制評価例
メラニン生成阻害試験として、 培養したヒトメラノーマ細胞 (HM V . I I) に PVP *フラーレン (最終濃度それぞれ 10 χΜ、 2 5 a Μ) を投与して 3時間経過後、 培養上清をリンスし、 培地を PR · f r e e DMEMへ変更してから、 33 J c m2の UVAを照射した。 さらに、 NaOH溶液を添加して溶かした細胞を用いて > 照射前後の 吸光度変化量を算出し、 メラニンの黒褐色化の程度を求めた。
結果は、 図 2 (A) に示すように、 P VP · フラーレンによって沈澱 メラニンが著しく減少することが認められた。
また、 図 2 (B) に示すように、 PVP ·フラーレン投与濃度 25 n Mの場合、 培養したヒトメラノーマ細胞 (ΗΜΥ · I I) に紫外線 (U
VA) を照射すると生じるメラニン増加おょぴ黒褐色化抑制が明瞭に観 察された。
ぐ実施例 4 >
ヒト正常メラノサイト (NHEM) における紫外線 A波 (UVA) に よるメラニン増加および黒褐色化抑制評価例
より実際の肌に近い状態で検証することを目的とし、 ヒト正常メラノ サイト (NHEM) を培養して、 上記実施例 3と同様の手順で評価試験 を実施した。
この結果、 図 3 (A) (B) に示すように、 PVP · フラーレンは、 紫外線 (UVA) を照射すると細胞内で生じるメラニン増加および黒褐 色化を顕著に抑制した。 このことから、 実際の人の皮膚におけるメラ二 ン増加抑制と黒褐色化抑制が期待できる。
ぐ実施例 5 >
ヒトメラノ一マ細胞 (HMV * I I) における紫外線 A波 (UVA) によるメラニン増加および黒褐色化抑制評価例 (マッソン ·フォンタナ 法)
培養したヒトメラノーマ細胞 (HMV - I I) に紫外線 (UVA: 3 3 J/cm2) 照射後、 24時間培養し、 細胞内で生じたメラニンを赤 く染色した。 メラニンの生産(メラノジェネシス) の観察は、マッソン - フォンタナ法 (メラニン自身の硝酸銀還元力を利用しメラニンを検出す る方法で、 赤色に染まった細胞質内に黒染されたメラニン顆粒を観測す ることができる) により行った。
染色後、 メラニンの局在と程度を光学範微鏡で観察した結果、 図 4、 図 5に示したとおり、 PVP ·フラーレンを少量投与するだけで、 非投 与の場合 (図 4 (A)) よりも色が薄く見られ、 紫外線 (UVA) 照射 (UVA: 33 J /cm2) によるメラニン増殖を抑制し、 その生産量 が低下したことが認められた (図 5 (A))。
また、 ヒストグラムは、 画像内のメラノサイト内部の直線矢印の端か
ら端までを走査した各点の持つ色の渡さ (強度) の分布を示したグラフ であり、 縦軸が色の渡さ、 横軸が走査した距離を表す (図 4 (B)、 図 5 (B))。
ぐ実施例 6 >
ヒト皮膚片における紫外線 A波 (UVA) によるメラニン増加および 黒褐色化抑制評価例 (マッソン ·フォンタナ法)
ヒトから摘出し器官培養した皮膚片に日常的な線量の紫外線 A波 (4
0 J /cm2) を照射し、 クライオス夕ットで 4 /^mの凍結切片を作成 後、 マッソン ·フォンタナ染色 (メラニン自身の硝酸銀還元力を利用し メラニンを検出する方法で、 赤色に染まった細胞質内に黒染されたメラ ニン顆粒を観測することができる) によりメラニンを検出、 光学顕微鏡 を用いて写真撮影をした。
ヒ卜の皮膚の表皮は、 外側から角質層 ·顆粒層 ·有鰊層 ·基底層に分 かれていて、 約 0. 2mmと極めて薄くできているが、 表皮の最も内側 にあるメラニン色素を作る細胞がメラノサイト(メラニン生成細胞)で、 紫外線の照射などによりメラノサイトからメラニン色素が生成 ·増殖さ れ肌が黒くなる。
ヒト皮膚片に紫外線 A波を照射した結果、 図 6 (1) (2) (3) に示 したとおり、 P VP ·フラーレンはメラニン産出 ·増加を抑制した。 図 6 (1) (2 ) ( 3 ) は、 34歳 ·女性の耳の皮膚の例であるが、 紫外線 を照射する前はメラニンが少ないが (図 6 (1))、 A O JZcm2の A を照射するとメラニンの黒褐色化あるいは増加した (図 6 (2))。 あら かじめ I O O Mの PVP *フラーレン水溶液を皮膚表面に塗布してお くと、 メラニンの増加が抑制された (図 6 (3))。
また、 図 7 (1) (2) (3) に示したヒストグラムは、 図 6 (1) (2) (3) それぞれに対応した、 画像内のメラノサイ卜内部の曲線矢印の端 から端までを走査した各点の持つ色の渡さ (強度) の分布を示したダラ フであり、 縦軸が色の渡さ、 横軸が走査した距離を表す。
ぐ実施例 7 >
皮膚浸透性の評価
表皮おょぴ真皮に浸透したフラーレン量の測定方法について以下に 説明する。
まず、 ヒト摘出皮膚片の表面に、 表 1の番号 3. の PVP—フラ一レ ン水溶液(1000、 0. 2ml)を塗布した。 PVP—フラーレン水溶 液を塗布したヒト摘出皮膚片を 18時間、 培養した。 培養したヒト摘出 皮膚片を表皮と真皮に分離した。分離後の表皮および真皮をクロ口ホル ム lm 1にそれぞれ浸漬した後、 破砕した。 粉砕された表皮および真皮 に含まれる C60を HPLC (高速液体クロマトグラフィー)分析により算 出した。 HPLCの操作条件を下記に記載する。
(HPLC操作条件)
使用カラム : Cosmos il 5PBB Packed Column (4. 6 mm I. D. X 250 mm, Nacalai tesdue製)
移動層: トルエン
流速: 1. 0m 1 Z分
検出波長: 285 nm
注入量: 20 X 1
モニタ一時間: 22分
この結果、 前記表 1の番号 3.の P VP—フラーレンは、 表皮 7.2g中 に 0.065 士 0.034gが検出されたが、 真皮中では検出限界以下であるこ とが確認された。 上述のように、 表 1の番号 3. の PVP—フラーレン は、 濃度が 40 tM〜 100 tMの場合に堅調なメラニン増加抑制効果 を示す。 本皮膚浸透性評価に用いた表 1の番号 3. の水溶液の濃度 (1 000 M) は、 メラニン増加抑制効果が得られる濃度の 10〜25倍 の濃度に相当する。 このような高濃度の P VP—フラーレン水溶液であ つても、 PVPの平均分子量を 8, 000から 400, 000の範囲内 とすることによって、 フラーレンが真皮に浸透することが抑制され、 表
皮に留まることが確認された。
以上のいずれの例の組成物においても、 皮膚メラニン抑制の効果が確 認された。 産業上の利用可能性
以上のとおりのこの出願の発明によれば、 皮膚メラニン抑制活性が高 く、 副作用を抑えて安全性の良好なものとした、 美白効果に優れた皮膚 メラニン抑制剤が提供される。皮膚メラニン抑制剤との併用によりその 優れた特長はさらに増大されることになる。