WO2006003784A1 - 指針式計器 - Google Patents

Abstract

　駆動装置と移動部材とをギヤ連結するにあたり、両者の適正な連結状態を確保することが可能な指針式計器を提供する。 　指針３と、この指針３の移動経路に沿って配列された指標部１１を有する指標板１と、指標部１１の配列形状に沿って延長形成され、指針３を支持すると共に周囲にギヤ列（第１のギヤ列）２１を有する移動部材２と、ギヤ列２１に噛み合うギヤ列（第２のギヤ列）５４を有する回転部材５２と、この回転部材５２を回転させる駆動軸５１とを有し、この駆動軸５２を通じて回転部材５２を回転させることにより指針３を指標部１１に沿って移動させる駆動装置５とを備えており、駆動軸５１に、移動部材２に接触してギヤ列２１とギヤ列５４との噛み合い深さを規制する規制手段５３を設けた。

Description

指針式計器

技術分野

[0001] 本発明は、例えば自動車を代表とする車両に搭載される指針式計器に関し、特に 指針の仮想回転中心を含む指標板の中央領域に、貫通部または透明部力 なる透 視部が形成され、この透視部を通じて指標板の背後に配置される表示装置を視認さ せると共に、透視部の外周にて指針式表示を行う指針式計器に関する。

背景技術

[0002] 従来、この種の指針式計器として、例えば下記特許文献 1に記載のものが知られて いる。この指針式計器は、中央領域に透視部が形成された指標板と、透視部に臨む 指標板の背後位置に配置された表示装置との間に、指針を搭載すると共に外周にギ ャ列が設けられたリング状の移動部材を設け、この移動部材のギヤ列に嚙み合う歯 車とこの歯車を回転させる駆動軸とを有し、この駆動軸を通じて歯車を回転させること により指標板上に位置する指針を指標部に沿って回転移動させる駆動装置とを備え ており、指針式表示にあっては本来デッドスペースとなる中央領域を比較的広面積 の情報表示スペースとして活用することができ、スペース効率がよく視認性にも優れ るといった利点がある。

特許文献 1 :特開 2000— 131099号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] ところで、前記特許文献 1記載の指針式計器は、移動部材にギヤ列を設け、駆動 装置にギヤ列に嚙み合う歯車を設け、ギヤ列と歯車とのギヤ連結を通じて移動部材 を回転移動させる構成であるため、移動部材 (指針)を適正に回転移動させるには、 ギヤ列と歯車とをバックラッシュ分のクリアランスを持たせて嚙み合わせる必要がある しかしながら、前記特許文献 1記載の指針式計器は、移動部材のギヤ列に駆動装 置の歯車を嚙み合わせるだけの構成であるため、例えば部品精度のばらつきや熱影 響によってギヤ列と歯車との嚙み合い深さが変動し、ギヤ列と歯車との適正な連結状 態を保てなくなることがある。例えばギヤ列と歯車との嚙み合い状態が深過ぎ、ギヤ 列と歯車との間に十分な (バックラッシュ分の）クリアランスを確保できな力つた場合、 駆動装置に過大な負荷力 Sかかりやすくなり、最悪、ロック状態となることがある。反対 にギヤ列と歯車との嚙み合い深さが浅過ぎる場合は、移動部材が振動しやすくなり、 最悪、嚙み合い状態が外れ、歯車が空回りすることがある。

そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、駆動装置と移動部材とをギヤ 連結するにあたり、両者の適正な連結状態を確保することが可能な指針式計器を提 供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0004] 本発明は、前記目的を達成するため、指針と、この指針の移動経路に沿って配列さ れた指標部を有する指標板と、前記指標部の配列形状に沿って延長形成され、前記 指針を支持すると共に周囲に第 1のギヤ列を有する移動部材と、前記第 1のギヤ列 に嚙み合う第 2のギヤ列を有する回転部材と、この回転部材を回転させる駆動軸とを 有し、この駆動軸を通じて前記回転部材を回転させることにより前記指針を前記指標 部に沿って移動させる駆動装置とを備え、前記駆動軸または前記回転部材の少なく とも一方に、前記移動部材に接触して前記第 1のギヤ列と前記第 2のギヤ列との嚙み 合い深さを規制する規制手段を設けたことを特徴とする。

[0005] また本発明は、前記規制手段が前記移動部材の移動に連動して回転することを特 徴とする

[0006] また本発明は、前記移動部材が前記規制手段側とは反対側に移動するのを規制 する第 2の規制手段を設けたことを特徴とする。

[0007] また本発明は、前記第 2の規制手段と前記移動部材とが所定のクリアランスを介し て対向し、このクリアランスが前記第 1のギヤ列と前記第 2のギヤ列との嚙み合い深さ よりも小さく設定されていることを特徴とする。

[0008] また本発明は、前記第 2規制手段が弾性を有して前記移動部材を押圧する弾性押 圧手段からなることを特徴とする。

[0009] また本発明は、前記弾性押圧部材手段が少なくとも 2つの支点を通じて環状に架け 渡された柔軟部材からなることを特徴とする。

[0010] また本発明は、前記移動部材と点接触または線接触することにより前記移動部材を 移動可能に支持する支持部材を設けたことを特徴とする。

発明の効果

[0011] 本発明によれば、初期の目的を達成でき、駆動装置と移動部材とをギヤ連結する にあたり、両者の適正な連結状態を確保することが可能な指針式計器を提供すること ができる。

図面の簡単な説明

[0012] [図 1]本発明の実施形態による指針式計器の正面図である。

[図 2]図 1中、指標板を取り外した際の正面図である。

[図 3]図 2の A— A断面図である。

[図 4]図 2の B— B断面図である。

[図 5]本発明の第 2の実施形態を示す要部断面図である。

[図 6]本発明の第 3の実施形態による指針式計器の指標板を取り外した際の正面図 である。

[図 7]図 6の D— D断面図である。

[図 8]同上実施形態における各ギヤ列の要部正面図である。

[図 9]図 7に示す矢印方向に移動部材がずれた状態の各ギヤ列の要部正面図である

[図 10]本発明の第 4の実施形態を示し、指標板を取り外した際の正面図である。

[図 11]図 10の E— E断面図である。

[図 12]図 10の F— F断面図である。

符号の説明

[0013] 1 指標板

2 移動部材 表示装置

回路基板

弾性押圧手段 (第 2の規制手段）

透視部

指標部

矢印

嚙合保持手段 (第 2の規制手段）

プレート

ギヤ列 (第 1のギヤ列）

接触部

貫通部

第 1の受部

第 2の受部

第 3の受部

駆動軸

回転部材

, 55 規制手段 (第 1の規制手段）

ギヤ列（第 2のギヤ列）

環状押圧手段 (弾性押圧手段，第 2の規制手段) 第 1の支承部材 (支点）

第 2の支承部材 (支点）

ベノレト

張力調整手段

パネ

第 3の支承部材

円筒部

押圧部

押圧片 84 軸部

85 付勢部材

C クリアランス（隙間）

G 嚙み合い深さ

発明を実施するための最良の形態

[0014] 以下、図面に基づいて本発明による指針式計器の第 1の実施形態について説明 する。図 1〜図 4は、本発明の第 1の実施形態を示すもので、図 1は本実施形態によ る指針式計器の正面図、図 2は図 1中、指標板を取り外した際の正面図、図 3は図 2 の A— A断面図、図 4は図 2の B— B断面図である。

[0015] 本実施形態による指針式計器は、図 1及び図 2に示すように、指標板 1と、この指標 板 1の背後に配置される移動部材 2と、この移動部材 2に装着される指針 3と、移動部 材 3を回転移動可能に支持する支持部材 4と、移動部材 2を回転移動させる駆動装 置 5と、観察者に所定情報を表示する表示装置 6と、この表示装置 6の背後に配置さ れる回路基板 7とを備えている。

[0016] 指標板 1は、略中央領域に貫通孔からなる透視部 11を有し、この透視部 11の外周 には、指針 3の移動経路に沿って円弧状に配列された文字や目盛等の指標部 12を 備えている。これら指標部 12は、指標板 1を構成する合成樹脂板からなる基材上に スクリーン印刷等の手段により形成されている。

[0017] 移動部材 2は、指標部 11の配列形状に沿ってリング状に形成された合成樹脂体か らなり、その内周には駆動装置 5の後述する回転部材に嚙み合うギヤ列（第 1のギヤ 列) 21と、駆動装置 5の後述する規制手段及び支持部材 4の後述する第 3の受部と 接触する接触部 22がそれぞれ形成されている（図 3参照)。なお本例では移動部材 2 をリング状としたが、指標部 12の配列形状に沿う形状であれば、帯状や円弧状であ つてもよい。

[0018] 指針 3は、線状の合成樹脂体からなり、その先端が中心側を向くように移動部材 2 に装着固定され、移動部材 2と共に回転移動して指標部 12を指示する。なお指針 3 と指標部 12は、光透過性を有し、図示しない光源力もの光を受けて発光するもので ある。 [0019] 支持部材 4は、指標板 1の透視部 11及び表示装置 6に対応する貫通部 41を有す る概略環状形状の合成樹脂体からなり、回路基板 7上に設置されている。この支持 部材 4は、移動部材 2の底部を点接触にて受ける突起状の第 1の受部 42 (図 3参照） と、移動部材 2の前面を点接触にて受ける突起状の第 2の受部 43 (図 4参照）と、移 動部材 2の内周を線接触にて受ける円柱状の第 3の受部 44 (図 4参照）とを有する他 、移動部材 2の外周を駆動装置 5の後述する規制手段側に弾性を有して押圧し、移 動部材 2が前記規制手段とは反対側に移動するのを規制する弾性押圧手段 (第 2の 規制手段) 8が設けられている。

[0020] 第 1の受部 42は、支持部材 4の前面側に複数個、適宜間隔を空けて形成され、第 2の受部 43は、略逆「L」字状に突出するよう適宜間隔を空けて設けられた延長部 45 の支持部材 4に対向する壁面に形成され、第 3の受部 44は、移動部材 2の内周縁に 対応する位置で適宜間隔を空けて前方に突出形成されている。なおこの場合、第 1, 第 2の受部 42, 43は移動部材 2のスラスト受け部を構成し、第 3の受部 44は、移動部 材 2のラジアル受け部を構成する。

[0021] 弾性押圧手段 8は、図 3に示すように、円筒部 81とこの円筒部 81から移動部材 2に 向けて延びる押圧部 82とを有する押圧片 83と、支持部材 4力 前方に向けて突出形 成され押圧片 83の円筒部 81を軸支する軸部 84と、一端が支持部材 4に、他端が押 圧部 82にそれぞれ固定され、軸部 84を支点として押圧部 82を移動部材 2側の押圧 付勢するコイルスプリング力もなる付勢部材 85とからなる。なおこの場合、押圧部 82 を移動部材 2の側壁面に点接触するように構成することで摩擦を低減して!/ヽる。

[0022] 駆動装置 5は、例えばステッピングモータ力 なり、回路基板 7上に接続固定されて いる。駆動装置 5の駆動軸 51は、前方に延びており、回転部材 52と、規制手段 53と が設けられている。

[0023] 回転部材 52は、その外周に移動部材 2のギヤ列 21に嚙み合うギヤ列（第 2のギヤ 列） 54を有する合成樹脂体からなり、駆動軸 51と共に回転するよう固定されている。

[0024] 規制手段 53は、回転部材 52に隣接する位置で駆動軸 51に軸支された合成樹脂 体力もなり、外周部が移動部材 2の接触部 22に接触しながら移動部材 2と共に回転 する従動ローラとして、駆動軸 51に軸支されている。なお規制手段 53は、駆動軸 51 に対して固定とし、回転部材 52と共に回転するようにしてもよぐこの場合、規制手段

53は結果的に移動部材 2の回転移動に連動して回転する。

[0025] 表示装置 6は、例えば液晶表示装置からなり、指標板 1の透視部 11に臨むように、 回路基板 7上に搭載されている。

[0026] このように構成された本実施形態の指針式計器は、駆動装置 5の駆動軸 51が計測 量に応じて回転するよう設定されており、駆動軸 51の回転によって回転部材 52が回 転すると、回転部材 52のギヤ列 54に嚙み合うギヤ列 21を有する移動部材 2が回転 移動し、移動部材 2に設けた指針 3が、表示装置 6が臨む透視部 11の外周で指標部

12を指示する。

[0027] ここで駆動部材 5の駆動軸 51には、移動部材 2の接触部 22に接触して各ギヤ列 2 1, 54の嚙み合い深さを規制する規制手段 53が設けられているため、例えば寸法ば らつきや熱影響により支持部材 2の寸法が変化しても、各ギヤ列 21, 54間に適正な クリアランス（バックラッシュ分のクリアランス）が確保でき、各ギヤ列 21, 54の嚙み合 い深さが深くなり過ぎ、駆動装置 5に過大な負荷がかかったり、各ギヤ列 21, 54が口 ックすることを防止することができる。

[0028] また本実施形態では、弾性押圧手段 8により移動部材 2を規制手段 53側に押圧し 、移動部材 2が規制手段 53とは反対側に移動するのを規制するため、上記のように 支持部材 2の寸法が変化しても、ギヤ列と歯車との嚙み合い深さが浅くなり過ぎること を防止でき、これにより移動部材 2の振動、嚙み合い外れ、回転部材 52の空回り等を 防止することができる。

[0029] 以上のように、本実施形態による指針式計器は、指針 3と、この指針 3の移動経路 に沿って配列された指標部 12を有する指標板 1と、指標部 12の配列形状に沿って 延長形成され、指針 3を支持すると共に周囲にギヤ列 (第 1のギヤ列） 21を有する移 動部材 2と、ギヤ列 21に嚙み合うギヤ列（第 2のギヤ列） 54を有する回転部材 52と、 この回転部材 52を回転させる駆動軸 51とを有し、この駆動軸 52を通じて回転部材 5 2を回転させることにより指針 3を指標部 12に沿って移動させる駆動装置 5とを備えて おり、駆動軸 51に、移動部材 2に接触してギヤ列 21とギヤ列 54との嚙み合い深さを 規制する規制手段 53を設けたことにより、各ギヤ列 21, 54の嚙み合い深さが深くな り過ぎることを防止でき、これにより両者の適正な連結状態を確保し、信頼性を高める ことができる。

[0030] また本実施形態では、規制手段 53が移動部材 2の移動に連動して回転することに より、移動部材 2に対する回転負荷を低減することができる。

[0031] また本実施形態では、移動部材 2の規制手段 53に対面する側とは反対側に、移動 部材 2が規制手段 53とは反対側に移動するのを規制する弾性押圧手段 (第 2の規制 手段) 8を設けたことにより、各ギヤ列 21, 54の嚙み合い深さが浅くなり過ぎることも防 止でき、これにより両者の適正な連結状態を確保し、信頼性を高めることができる。な お本実施形態では、弾性押圧手段 (第 2の規制手段) 8を移動部材 2の規制手段 53 に対面する側とは反対側に設置したが、ギヤ列 21がギヤ列 54とは反対側に移動す るのを規制することができれば、その設置位置や個数は任意であり、たとえば規制手 段 53とは 180度異なる移動部材 2の内周個所に設置してもよい。

[0032] また本実施形態では、第 2の規制手段を弾性押圧手段 8として弾性を持たせたこと により、移動部材 2の寸法変化に対する追従性を向上させることができ、移動部材 2 が寸法変化しても規制手段 53に対する移動部材 2の接触強さを略一定に保つことが できる。なお第 2の規制手段に弾性を持たせる場合、移動部材 2を規制手段 53側の 弾性を有して押圧できれば、任意の構成を適用でき、例えば本実施形態の弾性押 圧手段 8に替えて、金属または合成樹脂からなる単独のばね部材により弾性押圧手 段 8を設けてもよい。

[0033] また本実施形態では、移動部材 2を移動可能に支持する支持部材 4に移動部材 2 と点接触または線接触する第 1〜第 3の受部 42〜44を設けたことにより、支持部材 4 と移動部材 2との摩擦を低減することができる。なお本実施形態では支持部材 4側に 点接触または線接触する箇所を設けた移動部材 2側に設けてもよい。

[0034] また本実施形態では、移動部材 2の内側に規制手段 53を配置したが、ギヤ列 21が 外周に形成される場合は、移動部材 2の外側に規制手段 53を配置してもよ ヽ。

[0035] 図 5は、本発明の第 2の実施形態を示す要部断面図であり、本例では回転部材の 一部に規制手段を設けたものである。

[0036] すなわち、本実施形態の回転部材 52は、ギヤ列 54に加えて規制手段 55を有して おり、これにより前記実施形態と同様の効果が得られる他、部品数及び組み付けェ 数を削減することができる。

[0037] 次に、本発明の第 3の実施形態を図 6から図 9を用いて説明する。前述の実施形態 と同一もしくは相当箇所の詳細な説明を省くものとする。図 6は、第 2の実施形態によ る指針式計器の指標板 1を取り外した際の正面図、図 7は、図 6の D— D断面図、図 8 は、各ギヤ列 21, 54の要部正面図、図 9は、図 7の矢印 13方向に移動部材 2 (第一 のギヤ列 21)がずれた状態の各ギヤ列 21, 54の要部正面図である。

[0038] 本実施形態による指針式計器は、嚙合保持手段 (第 2の規制手段） 14を備える。嚙 合保持手段 14は、合成樹脂からなり、円柱形状である。嚙合保持手段 14は、移動部 材 2の外側に所定のクリアランス（隙間） Cを介して対向するように支持部材 4に圧入さ れる。クリアランス Cは、常時ギヤ列（第 1のギヤ列） 21とギヤ列（第 2のギヤ列） 54の 嚙み合い深さ Gよりも小さくなるように設定される。嚙み合い深さ G (G1)は、図 8に示 すようにギヤ列 21とギヤ列 54に設けられるそれぞれの歯が嚙み合う幅である。

[0039] 本実施形態では、ギヤ列 21が図 7に示す矢印 13方向に外側にずれた場合や形状 が変化した場合でも、嚙合保持手段 14によって、そのずれは、図 9に示すようにタリ ァランス C分に制限される。このように嚙合保持手段 14と移動部材 2とが接触する場 合の嚙み合 、深さ G2は、嚙み合 、深さ G1からクリアランス Cを引いた分 (G1— C)で あり、嚙み合い深さ G>クリアランス Cであるから、嚙み合い外れが起きることがない。 ギヤ列 21とギヤ列 54とは、移動手段 2の内外に設けられた第一の規制手段 53と嚙 合保持手段 14とによって、嚙み合い深さ Gが規制されるために、適正な連結状態を ½保することができる。

[0040] また、嚙合保持手段 14は、移動手段 2とクリアランス Cを介して対向配置され、移動 手段 2に接触していないため、点接触にて押圧する構造である第 1の実施形態の弾 性押圧手段 8に比べ、駆動装置 5にかかる負荷を軽減することができる。

[0041] また、嚙合保持手段 14は、第 1の実施形態における弾性押圧部材 8に比べ、部品 数及び組み付け工数を削減することができる。

[0042] なお、嚙合保持手段 14は、本実施形態においては、合成樹脂からなる円柱形状で あり、移動部材 2と線接触するものであつたが、構成材料及び形状は任意であり、移 動部材 2の外周を囲む壁や金属製のピン，あるいは、対向面に凸部を備え、凸部と 移動部材 2との距離をクリアランス Cとし、移動部材 2に点接触させるものであってもよ い。

[0043] 次に、本発明の第 4の実施形態を図 10から図 12を用いて説明する。前述の実施形 態と同一もしくは相当箇所の詳細な説明を省くものとする。図 10は、第 3の実施形態 による指針式計器の指標板 1を取り外した際の正面図、図 11は、図 10の E—E断面 図、図 12は、図 10の F— F断面図である。

[0044] 本実施形態の指針式計器は、環状押圧手段 (弾性押圧手段) 61と張力調整手段 7 1とを備える。環状押圧手段 61は合成樹脂等からなるローラ状の二つの支承部材（ 支点） 62, 63と、この支承部材 62, 63に架け渡されるベルト (柔軟部材) 64とを有す る。

[0045] 第 1の支承部材 (支点） 62は、支持部材 4を貫通する軸 62aと、支持部材 4の背面 力 軸を支える軸受け 62bと、支持部材 4上に設けられる二つのフリンジ 62cと、ベル トの回転と共に回動する円盤部 62dとを有する。第 2の支承部材 (支点） 63は、軸 63 aと、軸受け 63bと、軸押さえのためのフリンジ部 63cと、円盤部 63dと力もなる。

[0046] ベルト 64は、帯状の平ベルトであり、第 1の支承部材 62と第 2の支承部材 63のそれ ぞれの円盤部 62d, 63dに所定の張力をもって架け渡される。環状押圧手段 61は、 図 10及び図 11に示すように、環状のベルト 64力 第 1の支承部材 62と第 2の支承部 材 63との間の中央で移動部材 2と接触するように、移動手段 2の外周に設けられる。 ベルト 64は、移動手段 2との摩擦が大きければ、移動手段 2の移動に伴い回転し、第 1の規制手段 53と共に、各ギヤ列 21, 54の嚙み合い深さ Gを調整し、適正な嚙み合 い状態を維持する。ベルト 64と移動手段 2との摩擦が小さい場合には、移動手段 2は 、ベルト 64上を滑るように移動するため、駆動装置 5の負荷を軽減することができる。

[0047] 張力調整手段 71は、パネ 72と、第 1の支承部材 62と、第 3の支承部材 73と、から なる。

[0048] 第 1の支承部材 62は、図 12に示すように支持部材 4を貫通するように設けられた長 孔形状の溝部 7aをスライドする。第 3の支承部材 73は、第 1の支承部材 62と同様に 軸 73aと、軸受け 73bと、二つのフリンジ 73cとを有し、支持部材 4に固定される。軸 6 2a, 73aに設けられる二つのフリンジ 62c, 73cは、パネ 72の高さ方向の位置を調整 するために設けられる。二つのフリンジ 62c, 73cのうち支持部材 4上に配置されるフ リンジ 62c, 73cは軸 62a, 73aを支え、傾きを防止する役割も果たす。パネ 72は、第 1の支承部材 62と第 3の支承部材 73に架け渡される。張力調整手段 71は、パネ 72 の張力によって第 1の支承部材 62が溝部 7aをスライドし、第 1の支承部材 62と第 3の 支承部材 73との距離を伸縮させることで、ベルト 64の張力を調整する。張力調整手 段 71は、ベルト 64の張力を調整することで、環状押圧手段 61による移動部材 2への 押圧を調整する。支持部材 4には、前面側及び背面側に支持部材 4を挟むように、合 成榭脂からなるプレート 15が設けられており、第 1の支承部材 62のすべりが良くなる ようにしてある。

[0049] 本実施形態は、各ギヤ列 21, 54の適正な連結状態を確保することに加え、二つの 支承部材 62, 63にベルト 64を架け渡す構造であるため、移動部材 2とベルト 64 (第 2の規制手段 61)との接触位置にスペースがない場合に、省スペースな構造として有 効である。また、移動部材 2に併せてベルト 64が回転するため、移動部材 2とベルト 6 4との摩擦を軽減でき、駆動装置 5にかかる負荷を抑制することができる。また、第 2 の規制手段 61に柔軟部材であるベルト 64を用いたことにより、移動部材 2の寸法変 化に対する追従性を向上させることができ、移動部材 2が寸法変化しても規制手段 5 3に対する移動部材 2の接触強さを略一定に保つことができる。

[0050] なお、本実施形態は、ベルト 64を 2点支持とし、二つの支承部材 62, 63に架け渡 すものであつたが、 3点支持としてもよい。

[0051] また、本実施形態は、平ベルト 64であった力 ベルト 64の形状は任意であり、歯付 さべノレトでもよい。

[0052] また、本実施形態は、張力調整手段 71を備えるが、その構造は任意であり、備えな くとちょい。

産業上の利用可能性

[0053] 本発明は、例えば自動車を代表とする車両に搭載され、車両の走行速度，ェンジ ンの回転数等の車両状態を指針によって表示する指針式計器であって、特に指針 の仮想回転中心を含む指標板の中央領域に配置される表示装置を視認させると共 に、透視部の外周にて指針式表示を行う指針式計器に適用されるものである。

Claims

請求の範囲

[1] 指針と、

この指針の移動経路に沿って配列された指標部を有する指標板と、

前記指標部の配列形状に沿って延長形成され、前記指針を支持すると共に周囲に 第 1のギヤ列を有する移動部材と、

前記第 1のギヤ列に嚙み合う第 2のギヤ列を有する回転部材と、この回転部材を回転 させる駆動軸とを有し、この駆動軸を通じて前記回転部材を回転させることにより前 記指針を前記指標部に沿って移動させる駆動装置とを備え、

前記駆動軸または前記回転部材の少なくとも一方に、前記移動部材に接触して前記 第 1のギヤ列と前記第 2のギヤ列との嚙み合い深さを規制する規制手段を設けたこと を特徴とする指針式計器。

[2] 前記規制手段が前記移動部材の移動に連動して回転することを特徴とする請求項 1 記載の指針式計器。

[3] 前記移動部材が前記規制手段側とは反対側に移動するのを規制する第 2の規制手 段を設けたことを特徴とする請求項 1記載の指針式計器。

[4] 前記第 2の規制手段と前記移動部材とが所定のクリアランスを介して対向し、このタリ ァランスが前記第 1のギヤ列と前記第 2のギヤ列との嚙み合い深さよりも小さく設定さ れて!ヽることを特徴とする請求項 3記載の指針式計器。

[5] 前記第 2の規制手段が弾性を有して前記移動部材を押圧する弾性押圧手段からな ることを特徴とする請求項 3記載の指針式計器。

[6] 前記弾性押圧手段が少なくとも 2つの支点を通じて環状に架け渡された柔軟部材か らなることを特徴とする請求項 5記載の指針式計器。

[7] 前記移動部材と点接触または線接触することにより前記移動部材を移動可能に支持 する支持部材を設けたことを特徴とする請求項 1記載の指針式計器。