WO2005105385A1 - 釘打機における釘案内装置 - Google Patents

Description

明 細 書

釘打機における釘案内装置

技術分野

[0001] 本発明は、圧縮空気等の動力によって衝撃的に駆動されるドライバを介して、ノ ーズ部に形成された射出口内に供給されている釘を射出ロカ 打ち出し、建築用金 具等の被固定部材に予め形成されている釘穴内へ釘等の固定具を誘導させて建築 用金具等を打ち止めさせる釘打機の釘案内装置に関する。

背景技術

[0002] 木造建築にお!ヽては、柱材ゃ桁材及び梁材等を接合する際や、又はこれらの 構造材の接合部分を補強するために予め多数の釘穴を形成した建築用金具が多用 される。これらの建築用金具は釘によって柱等の構造材へ打ち止め施工される。この ような予め釘穴が形成されている建築用金具の釘止め施工には、圧縮空気等の動 力によって連続的に釘を打ち込むようにした釘打機が使用される。このような建築金 具の釘穴内へ釘を打ち込むようにした釘打機では、動力的に駆動されるドライバを摺 動自在に案内している射出口内へ供給された釘を、該釘の先端が射出口の先端か ら突出させるように配置させ、射出口の先端力 突出させられている釘の先端を建築 用金具の穴内へ挿入させた状態で釘打機を起動させて釘穴内へ釘打ちを行う。

[0003] 釘打機を起動させる以前に釘の先端部を射出口の先端力 突出させておくた めの一つの機構においては、釘軸同士を平行に且つ各釘を軸方向にずらして斜め 方向に連結させた連結釘が釘打機の射出口を形成して ヽるノーズ部に連設させたマ ガジン内に装填され、マガジンからノーズ部の射出口内に供給された先頭の釘の先 端が射出口の先端力 突出され、この釘の先端が金具の穴内へ挿入され、釘打機を 位置決めして釘打ちが行われる。また別の機構においては、ノーズ部の射出口に沿 つて摺動するプッシュピストン機構が設けられ、ドライバによる釘の打ち出しに先立つ てプッシュピストン機構が射出口内に供給された先頭の連結釘を連結状態から切り 離すとともに射出口の先端方向へ押圧して、釘の先端部が射出口の先端から突出 するように保持される。 [0004] し力しながら前者の機構では、連結帯を介して連結されている連結釘の先頭の 釘を射出ロカ 突出させて、この釘の先端を建築用金具の穴に挿入させて釘打機を 位置決めさせるので、連結釘の連結帯の剛性によって先頭の釘が支持され釘打機 の位置決め操作が不安定となるという問題がある。また、後者の機構では、射出口内 へ供給された釘を射出口の先端方向へ移動させるためのプッシュピストン機構をノー ズ部へ設置することが必要となり、コストが上昇し、また、ノーズ部の外形形状が大きく なって操作性が阻害される。

[0005] 更に、これらの機構においては、ノーズ部の射出ロカも突出された釘の先端に よって建築用金具の釘穴へ釘打機が誘導されるので、ノーズ部の前方へ突出させて 配置したコンタクト部材を被打込材へ押し当てることとグリップを把持している手によ つて操作するトリガとによって釘打機を起動させるようにした安全機構が使用できない 。このため、射出ロカも突出されている釘先端を釘穴内に位置決めさせた後で、トリ ガを操作することによってコンタクト部材をノーズ部に沿って先端方向へ突出作動さ せ、このコンタクト部材が被打込材に当たってノーズ部の先端側へ突出される位置ま で移動できな力つたときに釘打機を起動させるという複雑な機構による安全装置が必 要という問題があった。

[0006] これらの問題に対応するため、特開平 08— 052666に開示される釘打機にお いては、ノーズ部に形成されている射出口の前方側に先端部の外周面の形状が先 細のテーパーを縦方向に半切した形状の釘ガイド部材が配置され、このガイド部材 の半切先細テーパー状の先端部分が建築用金具の釘穴内に挿入されて釘打機が 位置決めされる。射出ロカも打ち出される釘の先端力 Sこのガイド部材の後方側面に 形成されている誘導ガイド溝に沿って案内されることによって釘が建築用金具の釘穴 内へ誘導されて釘穴内に打ち込まれる。

[0007] 上記特開平 08— 052666の釘打機においては、図 10に示すように釘打機の 釘打ち込み方向が被打込材面に対して垂直になるようにして打ち込む場合には、釘 ガイド部材 50の半切テーパー状に形成されている先端部 51が建築用金具 Mの釘穴 H内にほぼ半分の位置に嵌合される。このため、この釘ガイド部材 51の誘導ガイド溝 52に沿って案内されて打ち込まれる釘の先端が釘穴 H内へ誘導されて確実に建築 用金具 Mの釘穴 H内へ釘を打ち込むことができる。し力しながら、建築現場において は必ずしも釘打機の釘打ち込み方向を被打込材の面に対して垂直に維持することが できない場合があり、釘打機を前方側へ傾倒させて作動させてしまうことがある。この 場合、図 11に示すように、釘ガイド部材 50が前方側に傾倒する際に、釘ガイド部材 5 0の半切テーパー状の先端部 51が建築用金具 Mの釘穴 H内で後方側に滑って傾 倒する。このガイド部材 50の先端部 51が釘穴 Hの後方側の縁部に突き当たって釘 穴 Hを閉塞してしまい、誘導ガイド溝 52によって誘導される釘 Nの軸線方向が建築 用金具 Mの釘穴 H内に誘導されなくなってしまう。

[0008] このように釘打機を傾斜させた状態で起動させて釘を打ち込んでしまうと、釘ガ イド部材 50によって誘導される釘の先端が建築用金具 Mの表面に当たってしまい、 釘が思わぬ方向へ跳ね返ったりするため極めて危険である。更に、このような釘ガイ ド部材 50は先端部 51が薄く形成されているため破損しやすくたびたび交換する必 要があるが、釘ガイド部材 50を交換する際にはスパナやドライバ等の工具が必要で あり作業現場で容易に交換できな 、と 、う問題があった。

発明の開示

[0009] 本発明の実施例は、上記従来の問題点を解消するために、ノーズ部の射出口 内から打ち出される釘の先端を建築用金具の釘穴内に確実に誘導させるようにした 釘打機の釘案内装置を提供する。また、釘案内装置を構成している釘ガイド部材を 容易に交換することができる釘打機を提供する。

[0010] 本発明の実施例の釘打機は、圧縮空気等の駆動力によって作動されるドライバ と、該ドライバを摺動可能に案内する中空状の射出口が形成されているノーズ部と、 前記射出口の先端方向の前方側に配設されて前記ドライバで打撃された釘部材を 案内する釘ガイド部材とを備え、前記釘ガイド部材は、外径形状を半切先細テーパ 一状に形成されて被固定具部材に形成されている釘穴の内部に進入して前記釘打 機を前記釘穴に対して位置決めする突起部と、前記ドライバで打撃された釘の先端 を前記突起部へ誘導可能に形成されている誘導ガイド溝と、前記突起部の上方側に 形成されて前記被固定具部材の表面に当接する膨出部とを有し、前記膨出部が、前 記釘穴に対して位置決めされた前記釘打機が前方へ傾倒する際、該傾倒の支点と なる。

[0011] また、実施例にお 、て、前記釘ガイド部材が、前記ノーズ部に沿って移動可能 に設けられ前記射出口の先端よりも突出して配置されるコンタクト部材の先端側に設 けられている対向した側壁間に、少なくとも前記突起部と前記膨出部とが突出するよ ぅ配設されて、一端側に係止縁部が形成されて他端側に弾性環状部材が装着され ているピン部材によって前記対向側壁間に保持される。

[0012] その他の特徴および効果は、実施例の記載および添付のクレームより明白であ る。

[0013] 本発明の実施例によれば、ドライバで打撃された釘部材を案内する釘ガイド部 材が、外径形状を半切先細テーパー状に形成されて被固定具部材に形成されてい る釘穴の内部に進入して前記釘打機を前記釘穴に対して位置決めする突起部と、 前記ドライバで打撃された釘の先端を前記突起部へ誘導可能に形成されている誘導 ガイド溝と、前記突起部の上方側に形成されて前記被固定具部材の表面に当接す る膨出部とを有し、この膨出部を釘打機が前方へ傾倒する際の傾倒の支点となるよう にしている。この結果、釘ガイド部材の突起部を被固定部材の釘穴内に進入させて 位置決めした後で、釘打機を前方へ傾倒させたときに釘ガイド部材の膨出部が支点 となって釘打機が傾倒するので、釘ガイド部材の突起部が釘穴の後方側の端縁まで 移動してしまうことがな 、。このため釘ガイド部材の誘導ガイド溝によって突起部へ案 内された釘の先端を釘穴内へ誘導させる寸法が確保でき、釘打機を傾倒させた状態 で釘を打ち出しても釘の先端を釘穴内へ確実に誘導させることが可能となる。

[0014] また、建築用金具に形成されている釘穴の内径が異なるとテーパー状に形成さ れている釘ガイド部材の突起部が釘穴内に進入する深さが変化してしまい、この結 果釘打機から打ち出される釘の打ち込み深さが変動してしまうことがある力 テーパ 一状の突起部の上方側に膨出部を形成しているので、建築用金具の釘穴径の寸法 の大きさに関わらず前記膨出部が建築用金具の表面に係合して、釘ガイド部材と建 築用金具の表面の位置関係を一定に維持させるので、釘打機力 打ち出される釘の 打ち込み深さを一定に維持させることができる。

[0015] 更に、本発明の実施例によれば、前記釘ガイド部材が、前記ノーズ部に沿って 移動可能に設けられ前記射出口の先端よりも突出して配置されるコンタクト部材の先 端側に設けられている対向した側壁間に、少なくとも前記突起部と前記膨出部とが突 出するよう配設されて、一端側に係止縁部が形成されて他端側に弾性環状部材が装 着されているピン部材によって前記対向側壁間に保持させている。このため、ピンの 端部に装着されている弾性環状部材を取り外すことによってピンを抜き取り釘ガイド 部材を容易にコンタクト部材と分離させることができ、また、コンタクト部材の対向した 側壁間に釘ガイド部材を配置させた状態でピンを貫挿してこのピンの端部に弾性環 状部材を装着することによって釘ガイド部材をコンタクト部材へ取り付けすることがで きる。この結果、釘ガイド部材の交換時に何らの工具をも必要とせず、容易に釘ガイ ド部材の交換作業を行うことができる。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1]本発明の実施例の釘打機の一部を示す縦断側面図

[図 2]図 1の釘打機のコンタクト部材とコンタクトアームを示す正面図

[図 3]図 2と同じコンタクト部材とコンタクトアームの側面図

[図 4]図 1の釘打機のコンタクト部材の縦断側面図

[図 5]図 4における V— V線での断面図

[図 6]釘ガイド部材を脱却している状態の図 4と同じコンタクト部材の縦断側面図

[図 7]建築用金具の釘穴内へ釘を打ち込む作動状態を示す縦断側面

[図 8]建築用金具の釘穴内へ釘を打ち込み完了した作動状態を示す縦断側面

[図 9]前傾させた釘ガイド部材と建築用金具の釘穴の状態を示す縦断側面図

[図 10]関連技術の釘ガイド部材による建築用金具の釘穴の係合状態を示す縦断側 面図

[図 11]傾斜した関連技術の釘ガイド部材と建築用金具の釘穴の係合状態を示す縦 断側面図

符号の説明

[0017] 7 射出口

8 ノーズ部

16 コンタクト部材 20 釘案内装置

21 釘ガイド部材

22 ラチエツト部材

23 誘導ガイド溝

24 突起部

30 膨出部

31 固定軸

発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下図面を参照して、本発明の実施例を説明する。

[0019] 図 1は本発明の実施例に力かる釘の案内機構を備えた釘打機 1である。グリツ プ部 2がー体に形成された中空状のハウジング 3内に打撃シリンダ 4が配置される。 該打撃シリンダ 4内には釘を打撃するためのドライバ 5を下面に結合した打撃ピストン 6が摺動自在に収容される。ハウジング 3の下方には釘を被打込材へ向けて打ち出 し案内する射出口 7を形成しているノーズ部 8が取り付けられる。このノーズ部 8の射 出口 7内に前記ドライバ 5が摺働可能に案内される。前記ノーズ部 8の射出口 7の後 方側には釘を射出口 7内へ導入するための開口が形成される。この開口の一方の側 縁と軸部を互 、に連結された連結釘を収容して ヽるマガジン 11との間に釘供給ガイ ド 9が形成される。この釘供給ガイド 9に沿って釘供給機構 10が配置される。この釘 供給機構 10によってマガジン 11内に収容されて!、る連結釘が釘供給ガイド 9に沿つ て供給される。連結釘の先頭の釘が前記ノーズ部 8の射出口 7内へ順次供給される。

[0020] 前記打撃シリンダ 4の上端にはメインバルブ 12が配置される。該メインノ レブ 12 は打撃シリンダ 4内を圧縮空気供給源に接続されているグリップ部 2の内部に形成さ れているエアチャンバ 13内と排気口間とを選択的に接続する。メインバルブ 12が打 撃シリンダ 4内をエアチャンバ 13に接続することによりエアチャンバ 13内の圧縮空気 が打撃シリンダ 4内に導入される。この圧縮空気によって打撃ピストン 6が駆動されて 、打撃ピストン 6に結合されたドライバ 5が射出口 7内に供給されている釘を打撃して 打ち出す。グリップ部 2の付け根部分には、前記メインバルブ 12をコントロールするた めのトリガバルブ 14が配置される。該トリガバルブ 14は手動操作可能なトリガレバー 15の操作により作動して前記メインノ レブ 12を作動させる。

[0021] 図 2及び図 3に示すように、前記ノーズ部 8の先端方向の前方側には、釘打機 1 を駆動させる際に被打込材と係合できるようにノーズ部 8の先端方向に突出して配置 されているコンタクト部材 16が前記ノーズ部 8の延設方向に沿って移動可能に設けら れている。このコンタクト部材 16の上端側には、上端部 18が前記トリガレバー 15の基 部の近傍に配置されているコンタクトアーム 17が連結されている。釘打機 1を被打込 材に向力つて押圧する反力によってコンタクト部材 16が作動して、コンタクトアーム 1 7の上端部 18がトリガレバー 15に枢着支持されて 、るコンタクトレバー 19を回動操作 し、更に、前記トリガレバー 15が作業者によって回動操作されることによって前記トリ ガバルブ 14が作動して釘打機 1を起動させるようにして 、る。

[0022] 図 4に示すように、前記コンタクト部材 16にはノーズ部 8の射出口 7からドライバ 5によって打ち出される釘を被打込材へ向けて誘導案内させる釘案内装置 20が形成 されている。釘案内装置 20は、釘ガイド部材 21とラチエツト部材 22とによって構成さ れている。釘ガイド部材 21は、射出口 7の前方側に配置され、ノーズ部 8の射出口 7 カゝら打ち出される釘をノーズ部 8に形成されて ヽる射出口 7を延長させた方向に向け て誘導案内する。ラチヱット部材 22は、射出口 7の後方側に配置され、ノーズ部 8の 射出口 7から打ち出される釘が射出口 7の後方側に開口されているマガジン 11から 釘を供給するための開口部からノーズ部 8の後方側へ向けて打ち出されるのを防止 する。

[0023] 釘ガイド部材 21の後方側面にはノーズ部 8の射出口 7から打ち出される釘を射 出口の延長方向へ誘導案内させる誘導ガイド溝 23が形成される。前記誘導ガイド溝 23がノーズ部 8の射出口 7と同軸状に配置されるように、釘ガイド部材 21はコンタクト 部材 16に対して取り付けられる。更に、この釘ガイド部材 21の先端部には、この先端 部を被固定部材の一例である建築用金具の釘穴内に挿入できるように先細のテー パー形状を縦方向に半切させた外形形状の突起部 24が形成される。この半切先細 テーパー状に形成された釘ガイド部材 21の突起部 24がコンタクト部材 16の先端より 更に先端方向へ突出して配置される。この釘ガイド部材 21の突起部 24が建築用金 具の釘穴内に嵌合され、釘打機のノーズ部 8が位置決めされる。この結果、ノーズ部 8の射出口 7から打ち出される釘の先端が釘穴内へ誘導される。

[0024] 前記ラチエツト部材 22は前記釘ガイド部材 21の誘導ガイド溝 23と対向するよう に射出口 7の後方側でコンタクト部材 16に回動支軸 25によって回動可能に支持され る。このラチエツト部材 22の上面及び前面には、ノーズ部 8の射出口 7内で後方側へ 傾いて打ち出される釘の先端と摺接して該釘の先端部を前方へ向けて誘導させるた めの傾斜面 26と、釘の先端と軸部を幅方向の中心位置へ誘導させるための円錐面 状に形成された誘導面 27が形成されている。更に、このラチエツト部材 22はコンタク ト部材 16に形成されているパネ受け部 28との間に介在されているパネ 29によって、 前記誘導面 27の下端部が前記釘ガイド部材 21の誘導ガイド溝 23に接近するように 回動付勢されている。この回動付勢力によってノーズ部 8の射出口 7から打ち出され る釘の軸部を釘ガイド部材 21の誘導ガイド溝 23の側へ押圧して、釘の先端部を誘導 ガイド面 23に密着させる。

[0025] 図 4に詳細に示すように、釘ガイド部材 21の突起部 24に形成された半切先細 テーパー状のテーパー形状はテーパーの角度 Aが 45度より大きくなるように形成さ れる。これによつて建築用金具の釘穴内へ挿入された突起部 24が、この釘穴内に釘 が打ち込まれる際に釘穴力も退避され易くなる。このように突起部 24のテーパー角 度 Aを 45度より大きくなるように形成することによって釘ガイド部材 21の半切先細テ 一パー状の突起部 24の耐久性が増す。更に、釘ガイド部材 21の突起部 24よりも上 方の前方側には、先細状の突起部 24を建築用金具の釘穴内に挿入したときに、釘 穴の周囲の建築用金具の表面と係合される膨出部 30が形成されて 、る。この膨出 部 30の位置は、膨出部 30から先細状の突起部 24が突出する長さ Lが、この釘打機 で施工される最も薄!ヽ建築用金具の厚さ寸法 Tよりも小さくなるように設定されて!ヽる

[0026] この実施例では、この釘打機 1で施工する最も薄い建築用金具の厚さ寸法丁が 1. 2mmに対して、膨出部 30より先端方向へ突出させた突起部 24の突出長さを 0. 5mmから 1. Ommの間の寸法に設定している。これによつて、釘ガイド部材 21の突 起部 24を最も薄 、建築用金具の釘穴に挿入したときでも、釘ガイド部材 21の突起部 24が下地材と当接することが無ぐこれによつて釘打機 1のノーズ部 8を建築用金具 の表面力も一定の位置に位置決めさせることができるとともに、釘ガイド部材 21の突 起部 24が釘穴内に嵌合したことを釘打機 1を操作している手によって関知することが できるようにしている。

[0027] 前記釘ガイド部材 21は図 5に示すように、コンタクト部材 16を形成している対向 側壁 16a、 16aの間に配置されており、釘ガイド部材 21を貫通する固定軸 31の両端 部をコンタクト部材 16の対向側壁 16a、 16aに貫通支持させることによって釘ガイド部 材 21がコンタクト部材 16に固定されている。図 4に示すように、釘ガイド部材 21はコ ンタクト部材 16に互いに直交する向きに形成されている当り面 32、 33と当接させるこ とによってコンタクト部材 16に対して回動や移動ができな 、ように固定されて 、る。図 5に示すように、釘ガイド部材 21を固定している固定軸 31は、一端側に拡径された 頭部 34が係止縁部として形成されるとともに他端側には環状溝 35が形成されて構 成されており、釘ガイド部材 21とコンタクト部材 16の両側壁 16a、 16aを貫通させた 固定軸 31の環状溝 35に弾性環状部材 36を装着することによって固定軸 31の抜け 止めを行っている。

[0028] なお、ラチエツト部材 22を回動自在にコンタクト部材 16に支持する支軸 25も、 前記固定軸 31と同様に一端側に拡径された頭部 37が形成されるとともに他端側に は環状溝 38が形成されて構成されており、ラチエツト部材 22とコンタクト部材 16の対 向側壁 16a、 16aを貫通する支軸 25の環状溝 38に弾性環状部材 39を装着すること によって支軸 25の抜け止めを行って 、る。

[0029] 固定軸 31及び支軸 25の環状溝 35、 38に装着されている弾性環状部材 36、 3 9は手指によって容易に環状溝 35、 38から外すことができ、弾性環状部材 36、 39が 外された固定軸 31及び支軸 25は容易にコンタクト部材 16力も抜くことができ、これに よって釘ガイド部材 21とラチエツト部材 22とをコンタクト部材 16から取り外すことが可 能となる。なお、図 6に示すように、固定軸 31を抜き取った後で釘ガイド部材 21をラ チェット部材 22を回動させるようにしてコンタクト部材 16に対して釘の打ち出し方向 へ取り外すことができる。更に、釘ガイド部材 21とラチエツト部材 22をコンタクト部材 1 6に組み付ける際には、コンタクト部材 16の対向側壁 16a、 16a間に配置した釘ガイ ド部材 21及びラチエツト部材 22に、前記対向側壁 16a、 16aを通して固定軸 31及び 支軸 25を貫通させてこれらの両軸 31、 25の環状溝 35、 38に弾性環状部材 36、 39 をそれぞれ装着することによって何らの工具を必要とせずに組み付けることができる

[0030] 以下図 7乃至図 9に基づいて上記実施例による釘打機の釘案内装置 20の作動 状態を説明する。釘打機のコンタクト部材 16の先端方向に突出している釘ガイド部 材 21の突起部 24を建築用金具 Mの表面に接触させて釘打機 1を移動操作しながら 前記突起部 24を建築用金具 Mの釘穴 Hと係合させる。釘ガイド部材 21の突起部 24 が建築用金具 Mの釘穴 H内に係合した状態で釘打機 1を建築用金具 Mへ押し付け 操作することによって釘打機 1のノーズ部 8が建築用金具 Mの釘穴 Hに対して位置決 めされて、この後トリガレバーを操作することによって釘打機が起動されてノーズ部の 射出口から釘が打ち出される。

[0031] 図 7に示すように、釘打機のノーズ部 8の射出口 8が建築用金具 Mに対してほぼ 垂直な状態に保持されている場合には、ノーズ部 8の射出口 7からドライバ 5によって 打ち出される釘 Nは、先端カ^チエツト部材 22の傾斜面 26と誘導面 27と係合するこ とによって前方側に向けて誘導されて、釘 Nの先端が釘ガイド部材 21の誘導ガイド 溝 23に沿うように打ち込まれ、この結果釘 Nの先端が建築用金具 Mの釘穴 H内に誘 導されて釘穴 H内に打ち込まれる。このように、釘ガイド部材 21がほぼ垂直に建築用 金具 Mの釘穴 Hに位置決めされて ヽる状態では、釘ガイド部材 21に形成されて ヽる 膨出部 30の下面側が建築用金具 Mの表面と当接して、建築用金具 Mの表面からの ノーズ部 8の位置を一定に維持させて釘の打ち込み深さを一定に維持させることがで きる。釘 Nの先端部の尖端が釘穴 H内に誘導されて釘軸部が釘穴 H内に貫入する際 に、釘ガイド部材 21の突起部 24は打ち込まれる釘 Nによって押圧されて、突起部 24 の外形のテーパー形状に沿って釘穴 H内から押し出されて、図 8に示すように釘 Nが 建築用金具 Mの釘穴 H内に打ち込まれる。

[0032] 釘ガイド部材 21の突起部 24を建築用金具 Mの釘穴 H内に係合させた後で釘 打機 1を建築用金具 Mへ押し付け操作する際に、図 9に示すように、釘打機を前方 へ傾倒させてしまった場合には、釘ガイド部材 21の突起部 24の上方側に形成した 膨出部 30が建築用金具 Mの表面と係合して、この膨出部 30が傾倒の回動支点とな つて釘ガイド部材 21が回転するように傾倒する。このように釘ガイド部材 21の突起部 24の上方に形成した膨出部 30を建築用金具 Mの表面と係合させて釘打機を回動さ せるようにすることにより、釘ガイド部材 21の半切先細テーパー状の突起部 24が建 築用金具 Mの釘穴 H内の後方側に移動して釘穴 Hを閉塞してしまうことが無い。また 、図 9に示すように、傾倒した釘ガイド部材 21の誘導ガイド溝 23によって打ち込み案 内される釘の先端を釘穴 H内に誘導させることができ、確実に釘 Nを建築用金具 M の釘穴 H内へ打ち込むことが可能となる。

[0033] なお、上記においては釘 Nを用いて説明した力 本実施例はこれに限定される ことなぐ釘 Nに替えてコンクリート中への打ち込みを行うようにしたピン部材としてもよ ぐまた、軸部にねじ山を形成したネジ部材を用いてもよい。また、被固定部材として 建築用金具 Mを用いて詳述したが、これに限定されることはなぐ建築用金具 Mに替 えて釘穴が形成されている瓦部材ゃ又はタイル状の部材としてもよい。要は、本実施 例は、釘やピン又はネジ等の打ち込み部材を被固定部材に形成されている開口穴 を介して被打込材に打ち込む技術に広範に適用できる。更に、上記では、圧縮空気 を動力源として作動する釘打機について説明してきたが、燃焼ガスを動力源としてド ライバを駆動させるようにした釘打機であってもよ 、。

[0034] 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と 範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって 明らかである。

[0035] 本出願は、 2004年 4月 28日出願の日本特許出願（特願 2004— 134306)、

に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0036] 本発明の実施例の釘打機において、ドライバで打撃された釘部材を案内する釘 ガイド部材が、外径形状を半切先細テーパー状に形成されて被固定具部材に形成 されて 、る釘穴の内部に進入して前記釘打機を前記釘穴に対して位置決めする突 起部と、前記ドライバで打撃された釘の先端を前記突起部へ誘導可能に形成されて いる誘導ガイド溝と、前記突起部の上方側に形成されて前記被固定具部材の表面に 当接する膨出部とを有し、この膨出部が釘打機が前方へ傾倒する際の傾倒の支点と なるので、ノーズ部の射出口内から打ち出される釘部材の先端は、被固定部材に形 成されている釘穴内に確実に誘導される。

Claims

請求の範囲

[1] 釘を打撃するドライバと、

前記ドライバを案内し、射出口を有するノーズ部と、

前記射出口の先端方向の前方側に配設された釘ガイド部材と、 を具備し、

釘ガイド部材は、

半切先細テーパー状の外形形状を有する突起部と、

前記釘ガイド部材の後方側面に設けられた誘導ガイド溝と、

前記突起部の上方側に設けられた膨出部と、

を具備する、

釘打機。

[2] 前記突起部は、被固定具部材の釘穴の内部に侵入して、前記釘打機を前記釘 穴に対して位置決めし、

前記膨出部は、被固定具部材の表面に当接し、

前記誘導ガイド部は、前記ドライバに打撃された釘の先端を前記突起部へ誘導 し、

前記釘穴に対して位置決めされた前記釘打機が前方に傾倒するときに、前記 膨出部が傾倒の支点となる、

請求項 1の釘打機。

[3] 前記誘導ガイド溝は、前記射出口と同軸状に配置される、請求項 1の釘打機。

[4] 更に、前記ノーズ部に沿ってスライド可能なコンタクト部材を、具備し、

前記釘ガイド部材は、ピン部材によって前記コンタクト部材に保持される、 請求項 1の釘打機。

[5] 前記コンタクト部材の先端には、前記射出口の先端よりも突出する互いに対向 する側壁が設けられ、

前記釘ガイド部材は、側壁間に、少なくとも前記突起部と前記膨出部とが突出 するように配置され、

前記ピン部材の一端側に係止縁部が形成され、他端側に弾性環状部材が装 着される、

請求項 4の釘打機。

[6] 前記釘ガイド部材は、前記コンタクト部材に対して回動や移動できな 、ように固 定される、

請求項 4の釘打機。

[7] 更に、前記射出口の後方側に配置され、前記コンタクト部材に対して回動可能 に支持される、ラチェット部材、を具備する、

請求項 6の釘打機。

[8] 更に、前記ラチエツト部材を前記釘ガイド部材へ向けて回動付勢するパネ、を具 備する、

請求項 7の釘打機。

[9] 前記突起部のテーパーの角度は、 45度よりも大きい、請求項 1の釘打機。

[10] 前記突起部が前記膨出部よりも突出する長さは、被固定具部材の厚さよりも小 さい、請求項 2の釘打機。

[11] 半切先細テーパー状の外形形状を有する突起部と、

前記釘ガイド部材の後方側面に設けられた誘導ガイド溝と、

前記突起部の上方側に設けられた膨出部と、

を具備する、

釘打機の釘ガイド部材。