明 細 書
光源ユニット、照明光学装置、露光装置および露光方法
技術分野
[0001] 本発明は、光源ユニット、照明光学装置、露光装置および露光方法に関する。さら に詳細には、本発明は、 5〜50nm程度の波長を有する EUV光 (極端紫外線)を用 V、て半導体素子などのマイクロデバイスをフォトリソグラフイエ程で製造するのに使用 される露光装置に好適な光源ユニットに関するものである。
背景技術
[0002] この種の露光装置では、転写すべき回路パターンの微細化に伴って解像力の一層 の向上が要求されており、露光光としてより短波長の光を用いるようになつている。な お、本明細書における「光」とは、目で見える狭義の「光」だけではなぐ電磁波のうち lmmよりも短 、波長を有する、 V、わゆる赤外線から X線までを含む広義の「光」を意 味する。近年、次世代装置として、 5〜50nm程度の波長を有する EUV (Extreme UltraViolet)光を用いる露光装置(以下、「EUVL (Extreme UltraViolet Lithography: 極紫外リソグラフィ)露光装置」 t 、う)が提案されて 、る。
[0003] 現在、 EUV光を供給する光源として、以下に示す 3つのタイプの光源が提案されて いる。
(1) SR (シンクロトロン放射光)を供給する光源
(2) LPP (Laser Produced Plasma)光源
(3) DPP (Discharge Produced Plasma)光源。
[0004] LPP光源(レーザプラズマ光源)では、ターゲット材料 (標的材料)上にレーザ光を 集光し、ターゲット材料をプラズマ化して EUV光を得る。一方、 DPP光源 (放電ブラ ズマ光源)では、電極間にターゲット材料が存在する状態で電極間に電圧を印加す ると、ある電圧を越えたところで電極間に放電が生じ、ターゲット材料がプラズマ化す る。この放電によって電極間に大電流が流れ、この大電流によって生じる磁場により プラズマ自身が微小空間内に圧縮され、プラズマ温度が上昇する。この高温プラズ マカゝら EUV光が放出(輻射)される。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] DPP光源では、たとえば長時間に亘る運転に起因する電極の消耗により、プラズマ 生成位置 (すなわち発光位置)が経時的に変化することがある。また、 LPP光源では 、長時間に亘つて運転すると、ターゲット材料を供給するノズルの近傍に生成される プラズマ力ものイオンなどの影響によりノズルが変形したり消耗したりする。その結果 、ノズルの変形や消耗によりターゲット材料の供給経路が経時的に変化し、ひいては プラズマ生成位置が経時的に変化することがある。
[0006] あるいは、 LPP光源では、レーザ光の集光位置が経時的に変化し、ひいてはプラ ズマ生成位置が経時的に変化することがある。 DPP光源や LPP光源において、ブラ ズマ生成位置が変化すると、プラズマカゝら輻射されて反射鏡 (集光ミラー)に入射する EUV光の光強度の角度分布(面内分布)が変化し、ひいては光源ユニットから供給 される EUV光の光強度の角度分布が変化してしまう。
[0007] また、消耗した電極やノズルや反射鏡を交換する際に、新たな部品を元の位置に 正確に取り付けることができず、交換取付け誤差が発生することがある。この場合、部 品の交換前とは異なる位置にプラズマが生成されたり、反射鏡を介して EUV光の集 光される位置すなわち集光位置が部品交換前の集光位置から位置ずれしたりする。 このように、プラズマ生成位置や集光位置が変化すると、すなわち光源位置が変化 すると、照明条件が変化することになり、露光装置に適用される場合には正確な露光 を行うことができなくなる。
[0008] 本発明は、所望の光強度角度分布 (面内分布)を有する EUV光を安定的に供給 することのできる光源ユニットを提供することを目的とする。また、本発明は、発光位 置 (プラズマ生成位置)や集光位置をほぼ所定位置に安定的に維持することのできる 光源ユニットを提供することを目的とする。また、本発明は、所望の光強度角度分布( 面内分布)を有する EUV光を安定的に供給する光源ユニットまたは発光位置や集光 位置をほぼ所定位置に安定的に維持する光源ユニットを用いて、所望の照明条件の もとでマスクパターンを感光性基板上に忠実に転写することのできる露光装置および 露光方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0009] 前記目的を達成するために、本発明の第 1形態では、標的材料をプラズマ化し、生 成されたプラズマカゝら EUV光を輻射させる光源本体と、
前記光源本体カゝら輻射された EUV光を所定の方向に反射するための反射鏡と、 前記反射鏡に入射する EUV光の光強度の角度分布 (面内分布)の軸対称性を検 出するための検出系と、
前記検出系の検出結果に基づいて、前記光強度の角度分布 (面内分布)がほぼ軸 対称になるように前記光源本体を調整するための調整系とを備えていることを特徴と する光源ユニットを提供する。
[0010] 本発明の第 2形態では、標的材料をプラズマ化し、生成されたプラズマカゝら EUV光 を輻射させる光源本体と、
前記光源本体カゝら輻射された EUV光を反射して所定位置に集光させるための反 射鏡と、
前記所定位置を介した EUV光の光強度の角度分布 (面内分布)の軸対称性を検 出するための検出系と、
前記検出系の検出結果に基づいて、前記光強度の角度分布 (面内分布)がほぼ軸 対称になるように前記反射鏡の位置および姿勢を調整するための調整系とを備えて
V、ることを特徴とする光源ユニットを提供する。
[0011] 本発明の第 3形態では、標的材料をプラズマ化し、生成されたプラズマカゝら EUV光 を輻射させる光源本体と、
前記光源本体から輻射された EUV光を反射して集光させるための反射鏡と、 前記反射鏡で反射された EUV光の集光位置を検出するための検出系と、 前記検出系の検出結果に基づいて、前記集光位置がほぼ所定位置になるように調 整するための調整系とを備えていることを特徴とする光源ユニットを提供する。
[0012] 本発明の第 4形態では、一対の電極間の放電により標的材料をプラズマ化し、生成 されたプラズマカゝら EUV光を輻射させる光源本体と、
前記光源本体カゝら輻射された EUV光を所定の方向に反射するための反射鏡と、 前記プラズマ力ゝらの EUV光の発光位置を検出するための検出系と、
前記検出系の検出結果に基づいて、前記発光位置がほぼ所定位置になるように前 記一対の電極の位置を調整するための調整系とを備えていることを特徴とする光源 ユニットを提供する。
[0013] 本発明の第 5形態では、第 1形態〜第 4形態の光源ユニットと、該光源ユニットから の EUV光を被照射面へ導くための導光光学系とを備えていることを特徴とする照明 光学装置を提供する。
[0014] 本発明の第 6形態では、標的材料をプラズマ化し、生成されたプラズマカゝら EUV光 を輻射させる光源本体と、
前記光源本体から輻射された EUV光を反射して集光させるための反射鏡と、 前記反射鏡でー且集光された EUV光をほぼ平行光に変換するためのコリメ一タミ ラーと、
前記コリメータミラーと被照射面との間に配置されたオプティカルインテグレータと、 前記オプティカルインテグレータに入射する EUV光の光強度の角度分布(面内分 布)の軸対称性を検出するための検出系と、
前記検出系の検出結果に基づいて、前記光強度の角度分布 (面内分布)がほぼ軸 対称になるように調整するための調整系とを備えていることを特徴とする照明光学装 置を提供する。
[0015] 本発明の第 7形態では、所定のパターンが形成された反射型のマスクを照明する ための第 5形態または第 6形態の照明光学装置と、前記マスクのパターン像を感光 性基板上に形成するための投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を 提供する。
[0016] 本発明の第 8形態では、第 5形態または第 6形態の照明光学装置を用いて所定の ノターンが形成された反射型のマスクを照明する照明工程と、投影光学系を介して 前記マスクのパターンを前記感光性基板上へ投影露光する露光工程とを含むことを 特徴とする露光方法を提供する。
発明の効果
[0017] 本発明では、反射鏡に入射する EUV光や反射鏡により一旦集光して発散する EU V光の光強度の角度分布 (面内分布)が様々な原因により実質的に軸非対称になる
ことがあっても、光強度の角度分布がほぼ軸対称になるように調整することができる。 また、本発明では、反射鏡で反射された EUV光の集光位置やプラズマからの EUV 光の発光位置が様々な原因により変化することがあっても、集光位置や発光位置が 所定位置になるように調整することができる。
[0018] すなわち、本発明の光源ユニットでは、所望の光強度角度分布 (面内分布)を有す る EUV光を安定的に供給したり、発光位置 (プラズマ生成位置)や集光位置をほぼ 所定位置に安定的に維持したりすることができる。したがって、本発明の露光装置お よび露光方法では、所望の光強度角度分布(面内分布)を有する EUV光を安定的 に供給する光源ユニットまたは発光位置や集光位置をほぼ所定位置に安定的に維 持する光源ユニットを用いて、所望の照明条件のもとでマスクパターンを感光性基板 上に忠実に転写することができ、ひいては高精度なマイクロデバイスを高スループット で製造することができる。
図面の簡単な説明
[0019] [図 1]本発明の実施形態にカゝかる光源ユニットを備えた露光装置の全体構成を概略 的に示す図である。
[図 2]ウェハ上に形成される静止露光領域と光軸との位置関係を示す図である。
[図 3]DPP光源タイプの光源ユニットの内部構成を概略的に示す図である。
[図 4]LPP光源タイプの光源ユニットの内部構成を概略的に示す図である。
[図 5]照明光学系および投影光学系の内部構成を概略的に示す図である。
[図 6]第 1実施例において凹面反射鏡に入射する EUV光の光強度の角度分布の軸 対称性を検出する検出系の構成を概略的に示す図である。
[図 7]図 6の検出系の検出結果に基づいて光強度の角度分布がほぼ軸対称になるよ うに光源本体を調整する調整系の構成を概略的に示す図である。
[図 8]液滴状または液柱状のターゲットに対してレーザ光の集光位置が相対的に変 化すると凹面反射鏡に入射する EUV光の光強度の角度分布が変化する様子を模 式的に示す図である。
[図 9]第 2実施例において凹面反射鏡により一旦集光して発散する EUV光の光強度 の角度分布の軸対称性を検出する検出系の構成を概略的に示す図である。
[図 10]図 9の検出系の検出結果に基づいて光強度の角度分布がほぼ軸対称になる ように凹面反射鏡の位置および姿勢を調整する調整系の構成を概略的に示す図で ある。
[図 11]第 3実施例において凹面反射鏡で反射された EUV光の集光位置を検出する 検出系の構成、および EUV光の集光位置を調整する調整系の構成を概略的に示 す図である。
[図 12]第 4実施例においてプラズマからの EUV光の発光位置を検出する検出系の 構成を概略的に示す図である。
[図 13]第 5実施例においてオプティカルインテグレータに入射する EUV光の光強度 の角度分布の軸対称性を検出する検出系の構成、および光強度の角度分布がほぼ 軸対称になるように調整する調整系の構成を概略的に示す図である。
[図 14]凹面反射鏡の反射面の位置を計測する計測系の構成および凹面反射鏡の反 射面を所定の位置に位置決めする駆動系の構成を概略的に示す図である。
[図 15]図 3に示す DPP光源タイプの光源ユニットに適用可能な飛散粒子除去機構の 一例を概略的に示す図である。
[図 16]図 4に示す LPP光源タイプの光源ユニットに適用可能な飛散粒子除去機構の 一例を概略的に示す図である。
[図 17]マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例について、そ のフローチャートを示す図である。 発明を実施するための最良の形態
[0020] 本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図 1は、本発明の実施形態 にかかる光源ユニットを備えた露光装置の全体構成を概略的に示す図である。また、 図 2は、ウェハ上に形成される静止露光領域と光軸との位置関係を示す図である。図 1において、投影光学系の光軸方向すなわち感光性基板であるウェハ Wの法線方向 に沿って Z軸を、ウェハ Wの面内において図 1の紙面に平行な方向に Y軸を、ウェハ Wの面内にぉ ヽて図 1の紙面に垂直な方向に X軸をそれぞれ設定して 、る。
[0021] 図 1を参照すると、本実施形態の露光装置は、露光光を供給するための DPP光源 タイプの光源ュ-ット 1または LPP光源タイプの光源ュ-ット 2を備えている。光源ュ
ニット 1または 2から供給された露光光、例えば 13. 5nm (または 11. 5nm)の波長を 有する EUV光 (X線) Lは、照明光学系 3および平面反射鏡 4を介して、転写すべき パターンが形成された反射型のマスク(レチクル) Mを照明する。マスク Mは、そのパ ターン面が XY平面に沿って延びるように、 Y方向に沿って移動可能なマスクステー ジ 5によって保持されている。
[0022] マスクステージ 5の移動は、レーザ干渉計 6により計測されるように構成されている。
照明されたマスク Mのパターンからの光は、反射型の投影光学系 PLを介して、感光 性基板であるウェハ W上にマスクパターンの像を形成する。すなわち、ウェハ W上に は、図 2に示すように、たとえば Y軸に関して対称で X方向に沿って細長く延びる円弧 状の露光領域 (すなわち静止露光領域または実効露光領域) ERが形成される。
[0023] 図 2を参照すると、光軸 AXを中心とした円形状の領域 (イメージサークル) IF内に おいて、このイメージサークル IFに接するように円弧状の静止露光領域 ERが設定さ れている。ウェハ Wは、その露光面が XY平面に沿って延びるように、 X方向および Y 方向に沿って二次元的に移動可能なウエノ、ステージ 7によって保持されている。ゥェ ハステージ 7の移動は、マスクステージ 5と同様に、レーザ干渉計 8により計測されるよ うに構成されている。
[0024] こうして、マスクステージ 5およびウェハステージ 7を Y方向に沿って移動させながら 、すなわち投影光学系 PLに対してマスク Mおよびウェハ Wを Y方向に沿って相対移 動させながらスキャン露光(走査露光)を行うことにより、ウェハ Wの 1つのショット領域 にマスク Mのパターンが転写される。また、ウェハステージ 7を X方向および Y方向に 沿って二次元的に移動させながら走査露光を繰り返すことにより、ウェハ Wの各ショッ ト領域にマスク Mのパターンが逐次転写される。
[0025] 図 3は、 DPP光源タイプの光源ユニットの内部構成を概略的に示す図である。図 3 を参照すると、 DPP光源タイプの光源ユニット 1は、光源本体 11と、凹面反射鏡 12と 、光源本体 11および凹面反射鏡 12を収容するチャンバ 13とを備えている。光源本 体 11は、チャンバ 13の隔壁 13aに設けられた一対の電極 11aおよび l ibと、間隔を 隔てた一対の電極 1 laと 1 lbとの間にパルス高電圧を印加するための電力供給源 1 lcとを有する。
[0026] 光源本体 11では、例えば円筒状の形態を有する第 1電極 11aと、この第 1電極 11a を包囲する同心円筒状の形態を有する第 2電極 l ibとの間に、図示を省略したガス 供給源カゝらキセノン (Xe)ガス 1 Idが供給される。ターゲットガス (標的材料)としての キセノンガス 1 Idが供給された状態で第 1電極 1 laと第 2電極 1 lbとの間に電力供給 源 1 lcからのパルス高電圧が印加されると、第 1電極 1 laと第 2電極 1 lbとの間に放 電が起こる。この放電によりキセノンガス l idがイオンィ匕してプラズマが生成され、生 成されたプラズマが電磁力により収斂されて高温で高密度のプラズマ Pとなり、このプ ラズマ Pから EUV光が輻射される。なお、ターゲットとして、たとえばスズ (Sn)等を用 いることちでさる。
[0027] 凹面反射鏡 12は、凹面形状 (球面形状、非球面形状、回転楕円面形状など)の反 射面 12aを有し、チャンバ 13の隔壁 13aに取り付けられている。凹面反射鏡 12は、 例えばニッケル (Ni) ,アルミニウム (A1) ,銅(Cu) ,シリコン(Si)のようなカ卩ェ性が高 く且つ熱伝導率の高い金属で形成された反射鏡本体 12b上に、反射面として例えば Mo/Si製の多層膜 12aをコートすることにより形成されている。
[0028] 多層膜 12aは、波長が 13. 5nmの EUV光を選択的に反射するとともに光学面の 劣化および変形を防ぐ特性を有する。凹面反射鏡 12の裏面側には、光源本体 11か らの輻射熱を受けて温度が上昇し易い凹面反射鏡 12を冷却するための冷却機構 1 4が取り付けられている。冷却機構 14では、たとえば循環する冷媒 (水、オイル、ガス など)の作用により、凹面反射鏡 12の反射面 12aから熱伝導率の高い反射鏡本体 1 2bを介して伝わった熱が効率良く外部へ排出される。
[0029] 光源本体 11から輻射された EUV光は、凹面反射鏡 12により一対の電極(11a, 1 lb)側に向力つて反射され、チャンバ 13の隔壁 13aに形成された開口部 15の所定 位置 P1に集光する。ー且集光した EUV光は、開口部 15を介してチャンバ 13の外部 へ導かれ、開口部 15の近傍に配置された選択フィルタ 16に入射する。選択フィルタ 16は、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、または窒化シリコン(SiN)などにより形成さ れた薄膜であって、光源本体 11からの可視光および紫外光を遮るとともに 13. 5nm の所望波長の EUV光を選択的に透過させる特性を有する。
[0030] チャンバ 13には、真空ポンプのような真空排気装置 17が接続されている。この真
空排気装置 17の作用により、チャンバ 13の内部にはほぼ真空雰囲気が形成されて いる。同様に、 EUV光の減衰を抑えるために、光源ユニット 1から照明光学系 3およ び投影光学系 PLを経てウェハ Wに至るまでのすベての光路中においてほぼ真空雰 囲気が形成されている。なお、真空雰囲気に限定されることなぐ適当な不活性ガス で満たされた減圧雰囲気をすベての光路中にお ヽて形成することもできる。一対の 電極(11a, l ib)の間に供給されたターゲットガス l idは、プラズマ Pが生成された後 に真空排気装置 17の作用によりチャンバ 13の外部へ排出される。
[0031] チャンバ 13の隔壁 13aに形成された比較的小さな開口部 15は、チャンバ 13内の 光源ユニット 1側の低い真空度と後段の照明光学系 3側の高い真空度とを分離する 差動排気に利用される。この差動排気により、光源ユニット 1側の真空度が低くても、 開口部 15よりも下流側の真空度が良好に保たれる。開口部 15による差動排気が不 十分な場合には、開口部 15の近傍に選択フィルタ 16を配置して差動排気に利用す ることが有効である。ただし、開口部 15による差動排気が十分な場合や、光源本体 1 1から開口部 15に達する可視光および紫外光が無視できる程度であれば、選択フィ ルタ 16の設置を省略することもできる。
[0032] 本実施形態の DPP光源タイプ Sの光源ユニット 1では、キセノンガス l idが供給され た状態で第 1電極 1 laと第 2電極 1 lbとの間に電力供給源 1 lcからのパルス高電圧 が印加される。その結果、一対の電極 11aと l ibとの間の放電により生成されたブラ ズマ Pから EUV光が輻射される。プラズマ Pから輻射された EUV光は凹面反射鏡 12 に入射し、その多層膜反射面 12aにより一対の電極(11a, l ib)側に向力つて反射 される。凹面反射鏡 12の多層膜反射面 12aにより選択的に反射された所望波長(13 . 5nm)の EUV光は開口部 15の所定位置 P1にー且集光し、選択フィルタ 16を介し てさらに波長選択された後、 EUV光 Lとして照明光学系 3に入射する。
[0033] 図 4は、 LPP光源タイプの光源ユニットの内部構成を概略的に示す図である。図 4 を参照すると、 LPP光源タイプの光源ユニット 2は、真空容器 (チャンバ) 21と、真空 容器 21に接続された真空ポンプ (真空排気装置) 22と、真空容器 21の内部の所定 位置に配置されたガスジェットノズル 23と、真空容器 21の隔壁に取り付けられた凹面 反射鏡 24とを備えている。
[0034] 真空容器 21の内部は、真空ポンプ 22の作用により排気され、後述のプラズマ Pか ら輻射された EUV光が減衰しないようにほぼ真空状態に設定されている。同様に、 E UV光の減衰を抑えるために、光源ユニット 2から照明光学系 3および投影光学系 PL を経てウエノ、 Wに至るまでのすベての光路中がほぼ真空状態に設定されている。な お、真空雰囲気に限定されることなぐ適当な不活性ガスで満たされた減圧雰囲気を すべての光路中にお 、て形成することもできる。
[0035] ガスジェットノズル 23は、例えばステンレス鋼により形成され、キセノン (Xe)ガスのよ うなターゲットガスが充填されたガスボンベ(不図示)に接続されている。ガスボンベ内 のターゲットガスは、配管およびバルブなどを介して、ガスジェットノズル 23から真空 容器 21の内部に噴射される。ガスジェットノズル 23から所定経路に沿って噴射され たターゲットガス 23aは、プラズマ Pを生成する際の標的材料となる。なお、ターゲット として、たとえばスズ (Sn)等を用いることもできる。
[0036] 凹面反射鏡 24は、例えば回転楕円面形状の反射面 24aを有し、真空容器 21の隔 壁に取り付けられている。凹面反射鏡 24は、その第 1焦点位置がプラズマ Pを生成す べき所定位置とほぼ一致するように位置決めされ、反射面 24aは真空容器 21の内部 に位置し、裏面 (反射面 24aと反対側の面)は真空容器 21の外部の大気側に露出し ている。凹面反射鏡 24は、例えば低熱膨張ガラス (ゼロデュア一や ULE等)により形 成された反射鏡本体 24b上に、反射面として例えば MoZSi製の多層膜 24aをコート すること〖こより形成されている。
[0037] ただし、反射面としての多層膜 24aは、凹面反射鏡 24の表面の中央透過領域 24c を除く領域に形成されている。多層膜 24aは、波長が 13. 5nmの EUV光を選択的に 反射するとともに光学面の劣化および変形を防ぐ特性を有する。具体的には、例え ば多層膜の最上層にルテニウム (Ru)をコートし、有機汚染や酸化を低減して 、る。 凹面反射鏡 24の裏面側には、プラズマ Pからの輻射熱を受けて温度が上昇し易い 凹面反射鏡 24を冷却するための冷却機構 25が取り付けられている。冷却機構 25で は、たとえば循環する冷媒 (水、オイル、ガスなど)の作用により、凹面反射鏡 24の反 射面 24aから反射鏡本体 24bを介して伝わった熱が外部へ排出される。
[0038] また、光源ユニット 2は、凹面反射鏡 24の裏面側に間隔を隔てて配置されたレーザ
光源 26、およびレーザ光源 26と凹面反射鏡 24との間の光路中に配置されたレンズ 27を備えている。例えば YAGレーザ光源のようなレーザ光源 26およびレンズ 27は、 凹面反射鏡 24の光軸ひいては光源ユニット 2の光軸に沿って配置されている。レー ザ光源 26から供給されたレーザ光は、レンズ 27の集光作用を受け、凹面反射鏡 24 の中央透過領域 24cを介して、ガスジェットノズル 23の近傍にお!、てプラズマ Pを生 成すべき光軸上の位置、すなわち凹面反射鏡 24の第 1焦点またはその近傍に集光 する。
[0039] こうして、レーザ光源 26およびレンズ 27は、ガスジェットノズル 23から供給されるタ 一ゲットガス 23aに対して集光するようにレーザ光を照射するためのレーザ照射系を 構成して ヽる。ガスジェットノズル 23から所定経路に沿って噴射されたターゲットガス 23aに対してレーザ光源 26から供給されたレーザ光が集光することにより、レーザ光 の集光位置またはその近傍にプラズマ Pが生成され、このプラズマ P力も EUV光が輻 射される。すなわち、レーザ照射系(26, 27)およびガスジェットノズル 23は、 ターゲットガス 23aをプラズマ化し、生成されたプラズマ Pカゝら EUV光を輻射させる光 源本体を構成している。
[0040] なお、ガスジェットノズル 23から噴射されたターゲットガス 23aは、プラズマ Pが生成 された後に真空ポンプ 22の作用により真空容器 21の外部へ排出される。また、反射 鏡本体 24bを低熱膨張ガラスのような透明材料ではなぐ例えばニッケル (Ni) ,アル ミニゥム (A1) ,銅 (Cu) ,シリコン (Si)のような加工性が高く且つ熱伝導率の高い金属 で形成して冷却効率を高めることもできる。ただし、この構成では、レーザ光源 26から のレーザ光が通過する中央透過領域 24cに対応する部分に開口部を設け、この開 口部に光透過性の光学部材 (例えば石英製の窓部材等)を取り付ける必要がある。
[0041] また、光源ユニット 2は、真空容器 21の内部において凹面反射鏡 24に対向する位 置に配置された選択フィルタ 28およびピンホール部材 29を備えて 、る。選択フィル タ 28は、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、または窒化シリコン(SiN)などにより形成 された薄膜であって、プラズマ Pからの可視光や紫外光を遮るとともに 13. 5nmの所 望波長の EUV光を透過させる特性を有する。選択フィルタ 28は、図 4に示すようにピ ンホール部材 29の前側に配置されて 、てもよ 、し、ピンホール部材 29の後側に配
置されていてもよい。
[0042] 一方、ピンホール部材 29は、そのピンホール 29aの中心が凹面反射鏡 24の第 2焦 点位置とほぼ一致するように配置され、凹面反射鏡 24で散乱した不要光や、凹面反 射鏡 24の反射面 24aで反射されることなくプラズマ Pから直接入射する不要光などを 遮る機能を有する。また、ピンホール部材 29は、ピンホール 29aの上流側すなわち 光源ユニット 2側の低い真空度とピンホール 29aの下流側すなわち照明光学系 3側 の高い真空度とを分離する差動排気に利用される。この差動排気により、光源ュニッ ト 2側の真空度が低くても、ピンホール部材 29よりも下流側の真空度が良好に保たれ る。
[0043] 本実施形態の LPP光源タイプ Sの光源ユニット 2では、レーザ光源 26から供給され たレーザ光が、レンズ 27および凹面反射鏡 24の中央透過領域 24cを介して、ガスジ エツトノズル 23から所定経路に沿って噴射されたターゲットガス 23aに集光する。ガス ジェットノズル 23から超音速で噴射されたターゲットガス 23aは、集光されたレーザ光 のエネルギを受けて高温になり、凹面反射鏡 24の第 1焦点位置またはその近傍にプ ラズマ Pを生成する。このプラズマ P中のイオンが低ポテンシャル状態へ遷移する際 に、プラズマ Pから EUV光が放出(輻射)される。
[0044] プラズマ Pから輻射された EUV光は凹面反射鏡 24に入射し、その多層膜反射面 2 4aによりプラズマ P側に向かって反射される。凹面反射鏡 24の多層膜反射面 24aに より選択的に反射された所望波長(13. 5nm)の EUV光は、選択フィルタ 28を介し てさらに波長選択され、ピンホール部材 29のピンホール 29aの位置またはその近傍 の所定位置 P1に集光した後に、 EUV光 Lとして照明光学系 3に入射する。
[0045] 図 5は、照明光学系および投影光学系の内部構成を概略的に示す図である。図 5 を参照すると、 DPP光源タイプの光源ユニット 1または LPP光源タイプの光源ユニット 2から供給された EUV光 Lは、コリメータミラー(凹面反射鏡) 31を介してほぼ平行光 束となり、一対のフライアイミラー 32aおよび 32bからなるオプティカルインテグレータ 32に入射する。一対のフライアイミラー 32aおよび 32bとして、たとえば本出願人の特 開平 11— 312638号公報に開示されたフライアイミラーを用いることができる。なお、 フライアイミラーのさらに詳細な構成および作用については、同公報における関連の
記載を参照することができる。
[0046] こうして、第 2フライアイミラー 32bの反射面の近傍、すなわちオプティカルインテグ レータ 32の射出面の近傍には、所定の形状を有する実質的な面光源が形成される 。実質的な面光源力 の光は、平面反射鏡 4により偏向された後、マスク M上に細長 い円弧状の照明領域を形成する。照明されたマスク Mのパターン力 の光は、複数 の反射鏡(図 4では例示的に 6つの反射鏡 M1〜M6)力 なる投影光学系 PLを介し て、ウェハ W上にマスクパターンの像を形成する。
[0047] 以上、本実施形態にカゝかる DPP光源タイプの光源ユニット 1、 LPP光源タイプの光 源ユニット 2、および照明光学系 3について基本的な構成を説明した。以下、第 1実 施例〜第 4実施例を参照して、本実施形態の DPP光源タイプの光源ユニット 1およ び LPP光源タイプの光源ユニット 2の特徴的な構成について説明する。また、第 5実 施例を参照して、本実施形態の照明光学装置(1, 3 ; 2, 3)の特徴的な構成につい て説明する。
[0048] [第 1実施例]
図 6は、第 1実施例において凹面反射鏡に入射する EUV光の光強度の角度分布 の軸対称性を検出する検出系の構成を概略的に示す図である。図 7は、図 6の検出 系の検出結果に基づいて光強度の角度分布がほぼ軸対称になるように光源本体を 調整する調整系の構成を概略的に示す図である。図 6 (a)を参照すると、第 1実施例 にかかる検出系は、凹面反射鏡(12 ; 24)の周囲に配置された 4つの検出ユニット 61 〜64 (図 6 (a)では 63および 64は不図示)と、各検出ユニット 61〜64からの出力が それぞれ供給される制御部 65とを備えて ヽる。
[0049] 4つの検出ユニット 61〜64は、互いに同じ基本構成を有し、たとえば凹面反射鏡( 12 ; 24)の光軸に関してほぼ回転対称な位置に配置されている。一例として、第 1検 出ユニット 61は、図 6 (b)に示すように、たとえばフォトダイオードのような光検出器 61 aと、光源本体(11 ; 23, 26, 27)から凹面反射鏡(12 ; 24)の周囲に達する光のうち 所定波長(13. 5nm)の EUV光だけを反射してフォトダイオード 6 laへ導く多層膜ミ ラー 61bとを有する。
[0050] あるいは、別の態様として、第 1検出ユニット 61は、図 6 (c)に示すように、フォトダイ
オード 61aと、光源本体(11 ; 23, 26, 27)から凹面反射鏡(12 ; 24)の周囲に達す る光のうち所定波長(13. 5nm)近傍の EUV光だけを透過させてフォトダイオード 61 aへ導く選択フィルタ 61cとを有する。ここで、多層膜ミラー 61bは凹面反射鏡(12 : 2 4)の反射面(12a; 24a)を形成する多層膜と同様の特性を有し、選択フィルタ 61cは 選択フィルタ(16 ; 28)と同様の特性を有する。あるいは、凹面反射鏡(12 : 24)の反 射面が放射状に複数に分割されて ヽる場合 (ミラー基板が複数であっても良 ヽし、 1 つの基板上に成膜されている多層膜が複数に分割されていても良い)、個々の反射 面から放出される光電子または個々の反射面に流れる光電子流を測定し、 EUV光 強度分布をモニターしても良 、。
[0051] 第 1実施例では、各検出ユニット 61〜64からの出力が制御部 65へそれぞれ供給 される。制御部 65は、各検出ユニット 61〜64からの出力に基づいて、凹面反射鏡( 12 ; 24)に入射する EUV光の光強度の角度分布(面内分布)の軸対称性を検出す る。なお、第 1実施例において、各検出ユニットの内部構成、検出ユニットの数や配 置などについては、図 6の構成例に限定されることなく様々な変形例が可能である。
[0052] LPP光源タイプの光源ユニット 2に適用される第 1実施例の調整系は、図 7 (a)に示 すように、レーザ光源 26からのレーザ光の集光位置 P2を変化させるための集光位置 変化手段として、レーザ照射系(26, 27)の光路中に配置されて光軸に対して傾動 可能な平行平面板 67と、制御部 65からの指令を受けて平行平面板 67の傾斜駆動 およびレンズ 27の光軸に沿った駆動を行うための駆動部 66aとを有する。図 7 (a)で は、平行平面板 67がレーザ光源 26とレンズ 27との間に配置されている力 レンズ 27 と集光位置 P2との間に平行平面板 67を配置することもできる。
[0053] また、光源ユニット 2に適用される第 1実施例の調整系は、図 7 (b)に示すように、制 御部 65からの指令を受けてガスジェットノズル 23の位置および姿勢を調整するため のノズル調整部 66bを有する。ノズル調整部 66bは、たとえばガスジェットノズル 23を 保持して!/ヽるノズルステージ 23bを適当なァクチユエータ(ピエゾ素子など)を介して 駆動することにより、ガスジェットノズル 23の位置および姿勢を調整し、ひいてはガス ジェットノズル 23から噴射されるターゲットガス 23aの経路を変化させる。なお、ガス 状のターゲット材料に代えて、液体状のターゲット材料を連続的に噴射したり、液滴と
して供給したりしても良い。
[0054] 図 8は、液滴状または液柱状ターゲットに対してレーザ光の集光位置が相対的に変 化すると凹面反射鏡に入射する EUV光の光強度の角度分布が変化する様子を模 式的に示す図である。図 8において、紙面に垂直な方向に沿って供給されるターゲッ ト 23aのほぼ中心位置に、レーザ照射系(26, 27)力 のレーザ光 L1 (図中実線で 示す)が集光する場合、凹面反射鏡 24に入射する EUV光の光強度の角度分布は 図中実線 D1で示すようにレーザ光軸に関してほぼ軸対称になる。
[0055] し力しながら、ターゲット 23aの中心から実質的に外れた位置に、レーザ照射系(26 , 27)力 のレーザ光 L2 (図中破線で示す)が集光する場合、凹面反射鏡 24に入射 する EUV光の光強度の角度分布は図中破線 D2で示すようにレーザ光軸に関して 実質的に軸非対称になる。換言すれば、ターゲット 23aに対してレーザ光の集光位 置 P2を相対的に変化させることにより、凹面反射鏡 24に入射する EUV光の光強度 角度分布の軸対称性を調整することができる。
[0056] そこで、光源ユニット 2に適用される第 1実施例の調整系では、制御部 65からの指 令を受けた駆動部 66aを介して、平行平面板 67の傾斜駆動を行うことにより、また必 要に応じてレンズ 27の光軸方向駆動を行うことにより、レーザ光源 26からのレーザ光 の集光位置 P2を変化させる。また、制御部 65からの指令を受けたノズル調整部 66b を介して、ノズル 23の位置および姿勢を調整し、ひいてはノズル 23から噴射されるタ 一ゲット 23aの経路を変化させる。こうして、レーザ光の集光位置 P2の変化やターゲ ット 23aの経路の変化により、凹面反射鏡 24に入射する EUV光の光強度の角度分 布をほぼ軸対称に調整することができる。ノズル調整部 66bによりターゲット位置が一 定になるように制御すると、発光位置を変えずに角度分布を調整することができる。
[0057] 一方、 DPP光源タイプの光源ユニット 1に適用される第 1実施例の調整系は、図 7 ( c)に示すように、制御部 65からの指令を受けて放電に際して一対の電極(11a, l ib )を放電軸廻りに回転させるための電極駆動手段として、たとえばモータのような電極 駆動部 66cを有する。この場合、制御部 65からの指令を受けた電極駆動部 66cの作 用により、一対の電極(11a, l ib)が放電軸廻りに回転し、ひいては凹面反射鏡 12 に入射する EUV光の光強度分布も軸回転する。その結果、いわゆる平均化効果に
より、凹面反射鏡 12に入射する EUV光の光強度の角度分布をほぼ軸対称に調整 することができる。
[0058] [第 2実施例]
図 9は、第 2実施例において凹面反射鏡により一旦集光して発散する EUV光の光 強度の角度分布の軸対称性を検出する検出系の構成を概略的に示す図である。図 10は、図 9の検出系の検出結果に基づいて光強度の角度分布がほぼ軸対称になる ように凹面反射鏡の位置および姿勢を調整する調整系の構成を概略的に示す図で ある。図 9 (a)を参照すると、第 2実施例に力かる検出系は、凹面反射鏡(12 ; 24)に より所定位置 P1でー且集光して発散する EUV光の有効光束 L3の周囲に配置され た 4つの検出ユニット 71〜74 (図 9 (a)では 73および 74は不図示)と、各検出ュ-ッ ト 71〜74からの出力がそれぞれ供給される制御部 75とを備えている。
[0059] 4つの検出ユニット 71〜74は、第 1実施例の検出ユニット 61〜64と同様に、互い に同じ基本構成を有し、たとえば所定位置 P 1を介した EUV光の有効光束 L3の中心 軸線に関してほぼ回転対称な位置に配置されている。一例として、第 1検出ユニット 7 1は、図 9 (b)に示すように、たとえばフォトダイオードのような光検出器 71aと、光源本 体(11 ; 23, 26, 27)から有効光束 L3の周囲に達する光のうち所定波長(13. 5nm )の EUV光だけを透過させてフォトダイオード 71aへ導く選択フィルタ 71bとを有する
[0060] あるいは、別の態様として、第 2検出ユニット 71は、図 9 (c)に示すように、フォトダイ オード 71aと、光源本体(11 ; 23, 26, 27)力 有効光束 L3の周囲に達する光のうち 所定波長(13. 5nm)の EUV光だけを反射してフォトダイオード 71aへ導く多層膜ミ ラー 71cとを有する。ここで、多層膜ミラー 71cは第 1実施例の多層膜ミラー 61bと同 様の特性を有し、選択フィルタ 71bは第 1実施例の選択フィルタ 61cと同様の特性を 有する。なお、多層膜ミラーと選択フィルタとを併用しても良い。
[0061] 第 2実施例では、各検出ユニット 71〜74からの出力が制御部 75へそれぞれ供給 される。制御部 75は、各検出ユニット 71〜74からの出力に基づいて、凹面反射鏡( 12 ; 24)により所定位置 P1でー且集光して発散する EUV光の光強度の角度分布 ( 面内分布)の軸対称性を検出する。なお、第 2実施例においても、各検出ユニットの
内部構成、検出ユニットの数や配置などについては、図 9の構成例に限定されること なく様々な変形例が可能である。
[0062] 第 2実施例の調整系は、図 10に示すように、制御部 75からの指令を受けて凹面反 射鏡(12; 24)の位置および姿勢を調整する反射鏡調整部 76を有する。反射鏡調整 部 76は、凹面反射鏡(12; 24)を適当なァクチユエータ (ピエゾ素子など)を介して駆 動することにより、その位置および姿勢を変化させる。こうして、制御部 75からの指令 を受けた反射鏡調整部 76の作用により、凹面反射鏡(12; 24)の位置および姿勢を 変化させて、所定位置 P1で一旦集光して発散する EUV光の角度分布をほぼ軸対 称に調整することができる。
[0063] なお、第 2実施例の調整系は、 LPP光源タイプの光源ユニット 2に適用される場合、 必要に応じて、図 7 (a)に示す集光位置変化手段(27, 66a, 67)や、図 7 (b)に示す ノズル調整手段 (66b)を有することが好ましい。この場合、図 10に示す反射鏡調整 手段 (76)と集光位置変化手段 (27, 66a, 67)やノズル調整手段 (66b)との協働作 用により、所定位置 P1でー且集光して発散する EUV光の角度分布をさらに正確に 且つ迅速に調整することができる。
[0064] また、第 2実施例の調整系は、 DPP光源タイプの光源ユニット 1に適用される場合、 必要に応じて、電極駆動手段(66c)を有することが好ましい。この場合、図 10に示す 反射鏡調整手段 (76)と電極駆動手段 (66c)との協働作用により、所定位置 P1で一 且集光して発散する EUV光の角度分布をさらに正確に且つ迅速に調整することが できる。
[0065] [第 3実施例]
図 11は、第 3実施例にお 、て凹面反射鏡で反射された EUV光の集光位置を検出 する検出系の構成、および EUV光の集光位置を調整する調整系の構成を概略的に 示す図である。第 3実施例に力かる検出系は、 LPP光源タイプの光源ユニット 2に適 用される場合、図 11 (a)に示すように、凹面反射鏡 24で反射された EUV光が集光 すべき所定位置 P1に配置されたピンホール部材 29の光入射側の面に取り付けられ た二次元光検出器 81と、二次元光検出器 81からの出力が供給される制御部 82とを 備えている。
[0066] 二次元光検出器 81は、たとえばピンホール部材 29の光入射側の面を 4分割して得 られる扇状の各分割領域にフォトダイオード 81a〜81dを配置することにより形成され ている。この場合、凹面反射鏡 24で反射された EUV光の集光位置がピンホール部 材 29のピンホール 29aから位置ずれすると、 4つのフォトダイオード 81a〜81dのうち の少なくとも 1つのフォトダイオードの出力信号が変化する。
[0067] 第 3実施例では、二次元光検出器 81としての 4つのフォトダイオード 81a〜81dから の出力が制御部 82へそれぞれ供給される。制御部 82は、各フォトダイオード 8 la〜 81 dからの出力に基づ 、て、凹面反射鏡 24で反射された EUV光の集光位置および 強度分布を検出する。同様に、 DPP光源タイプの光源ユニット 1に適用する場合にも 、凹面反射鏡 12で反射された EUV光が集光すべき所定位置 P1に 4つのフォトダイ オード 8 la〜8 Idを配置すれば良い。
[0068] なお、第 3実施例において、ピンホール部材の光入射面における分割数をさらに増 やすことにより、 EUV光の集光位置や強度分布をさらに高精度に検出することがで きる。また、複数のフォトダイオードを用いる構成に限定されることなぐ単に複数の分 割された金属板魏光位置の近傍に配置し、それぞれの金属板カゝら放出される光電 子または流れる光電子流を計測しても良い。また、ピンホール部材の光入射面に配 置した二次元撮像素子を用いる構成も可能であり、凹面反射鏡(12; 24)で反射され た EUV光の集光位置を検出する検出系について、図 11の構成例に限定されること なく様々な変形例が可能である。
[0069] 第 3実施例の調整系は、制御部 82からの指令を受けて凹面反射鏡(12 ; 24)の位 置および姿勢を調整する反射鏡調整部 76 (図 10を参照)を有する。反射鏡調整部 7 6は、凹面反射鏡(12; 24)を適当なァクチユエータ (ピエゾ素子など)を介して駆動 することにより、その位置および姿勢を変化させる。こうして、制御部 82からの指令を 受けた反射鏡調整部 76の作用により、凹面反射鏡(12; 24)の位置および姿勢を変 化させて、凹面反射鏡( 12; 24)で反射された EUV光の集光位置がほぼ所定位置 P 1になるように調整することができる。
[0070] また、第 3実施例の調整系は、 LPP光源タイプの光源ユニット 2に適用される場合、 プラズマ Pからの EUV光の発光位置を変化させるための発光位置変化手段として、
図 7 (a)に示す集光位置変化手段(27, 66a, 67)および図 7 (b)に示すノズル調整 手段 (66b)を有する。こうして、制御部 82からの指令を受けた集光位置変化手段(2 7, 66a, 67)およびノズル調整手段(66b)の作用により、プラズマ Pからの EUV光の 発光位置を変化させて、凹面反射鏡 24で反射された EUV光の集光位置がほぼ所 定位置 P1になるように調整することができる。
[0071] また、第 3実施例の調整系は、 DPP光源タイプの光源ユニット 1に適用される場合、 図 11 (b)に示すように、制御部 82からの指令を受けて一対の電極(11a, l ib)の位 置を変化させる電極位置変化手段 83を有する。電極位置変化手段 83は、一対の電 極( 11 a, 1 lb)を適当なァクチユエータ (ピエゾ素子など)を介して一体的に駆動する ことにより、その位置を変化させる。こうして、制御部 82からの指令を受けた電極位置 変化手段 83の作用により、一対の電極(11a, l ib)の位置を変化させ、ひいてはプ ラズマ Pからの EUV光の発光位置を変化させて、凹面反射鏡 12で反射された EUV 光の集光位置がほぼ所定位置 P1になるように調整することができる。
[0072] [第 4実施例]
図 12は、第 4実施例においてプラズマ力ゝらの EUV光の発光位置を検出する検出 系の構成を概略的に示す図である。図 12を参照すると、第 4実施例に力かる検出系 は、プラズマ Pから凹面反射鏡( 12; 24)へ入射する EUV光の有効光束の周囲に配 置された 2つの検出ユニット 91および 92と、各検出ユニット 91および 92からの出力 がそれぞれ供給される制御部 93とを備えている。 2つの検出ユニット 91および 92は 、互いに同じ基本構成を有する。
[0073] すなわち、各検出ユニット 91 (92)は、たとえば二次元 CCDのような二次元撮像素 子 91a (92a)と、プラズマ Pと二次元 CCD91a (92a)との間の光路中に配置されたピ ンホール部材 9 lb (92b)を有する。第 4実施例では、各検出ユニット 91および 92か らの出力が制御部 93へそれぞれ供給される。制御部 93は、各検出ユニット 91およ び 92からの出力に基づいて、プラズマ Pからの EUV光の発光位置を検出する。なお 、第 4実施例においても、各検出ユニットの内部構成、検出ユニットの数や配置など については、図 12の構成例に限定されることなく様々な変形例が可能である。
[0074] 第 4実施例の調整系は、 DPP光源タイプの光源ユニット 1に適用される場合、図 11
(b)に示すように、制御部 93からの指令を受けて一対の電極(11a, l ib)の位置を 調整する電極位置変化手段 83を有する。こうして、制御部 93からの指令を受けた電 極位置変化手段 83の作用により、一対の電極(11a, l ib)の位置(例えば X, Υ, Z 方向)を変化させ、ひいてはプラズマ Pからの EUV光の発光位置がほぼ所定位置に なるよう〖こ調整することがでさる。
[0075] 第 4実施例の調整系は、 LPP光源タイプの光源ユニット 2に適用される場合、図 7 (a )に示す集光位置変化手段(27, 66a, 67)および図 7 (b)に示すノズル調整手段 (6 6b)を有する。こうして、制御部 93からの指令を受けた集光位置変化手段(27, 66a , 67)およびノズル調整手段(66b)の作用により、プラズマ Pからの EUV光の発光位 置がほぼ所定位置になるように調整することができる。
[0076] [第 5実施例]
図 13は、第 5実施例にお 、てオプティカルインテグレータに入射する EUV光の光 強度の角度分布の軸対称性を検出する検出系の構成、および光強度の角度分布を ほぼ軸対称に調整する調整系の構成を概略的に示す図である。図 13 (a)を参照す ると、第 5実施例に力かる検出系は、第 1フライアイミラー 32aを構成する多数の要素 ミラー 32aaのうちの複数の要素ミラーに接続された電流計 101と、この電流計 101の 出力が供給される制御部 102とを備えて 、る。
[0077] 要素ミラー 32aaに EUV光が入射すると、入射光の強度に応じた数の光電子が金 属の表面力 放出される。電流計 101では、各要素ミラー力 の光電子の放出により 発生する電流すなわち光電子電流を検出する。第 5実施例では、電流計 101の出力 が制御部 102へ供給される。制御部 102は、電流計 101からの出力に基づいて、す なわち各要素ミラーで発生した光電子電流量に関する情報に基づいて、第 1フライア イミラー 32aに入射する EUV光ひいてはオプティカルインテグレータ 32に入射する E UV光の光強度の角度分布の軸対称性を検出する。なお、検出対象の要素ミラーの 数と同数の電流計 101を用いてもょ 、し、 1つあるいは少数の電流計 101により時分 割方式で各要素ミラーからの光電子電流を順次検出してもよい。
[0078] 第 5実施例の調整系は、図 13 (b)に示すように、制御部 102からの指令を受けてコ リメータミラー 31の位置および姿勢を調整するミラー調整部 103を有する。ミラー調
整部 103は、コリメータミラー 31を適当なァクチユエータ(ピエゾ素子など)を介して駆 動することにより、その位置および姿勢を変化させる。こうして、制御部 102からの指 令を受けたミラー調整部 103の作用により、コリメータミラー 31の位置および姿勢を 変化させて、オプティカルインテグレータ 32に入射する EUV光の光強度の角度分布 (面内分布)をほぼ軸対称に調整することができる。あるいは、光学素子の汚染など によりマスク上の照度分布が均一ではなくなつたときに、コリメータミラー 31の位置ま たは姿勢を変化させることにより、角度分布 (面内分布)の軸対称性を意図的に悪ィ匕 させてマスク上の照度分布が均一になるように制御しても良 、。
[0079] また、第 5実施例の調整系は、制御部 102からの指令を受けて凹面反射鏡(12 ; 24 )の位置および姿勢を調整する反射鏡調整部 76 (図 10を参照)を有する。この場合、 制御部 102からの指令を受けた反射鏡調整部 76の作用により、凹面反射鏡(12 ; 24 )の位置および姿勢を変化させて、オプティカルインテグレータ 32に入射する EUV 光の光強度の角度分布をほぼ軸対称に調整することができる。
[0080] 以上のように、本実施形態では、電極やノズルの変形または消耗、消耗した電極や ノズルや凹面反射鏡の交換取付け誤差、ターゲットガスに対するレーザ光の集光位 置の変化など様々な原因により、凹面反射鏡(12 ; 24)に入射する EUV光や、凹面 反射鏡(12; 24)により一旦集光されて発散しつつ光源ユニット(1; 2)から供給される EUV光の光強度の角度分布(面内分布)が実質的に軸非対称になることがあっても 、上述の第 1実施例または第 2実施例の構成を適用することにより光強度の角度分布 がほぼ軸対称になるように調整することができる。すなわち、本実施形態の光源ュ- ットでは、所望の光強度角度分布(面内分布)を有する EUV光を安定的に供給する ことができる。
[0081] また、本実施形態では、上述したような様々な原因により、凹面反射鏡(12 ; 24)で 反射された EUV光の集光位置やプラズマ Pからの EUV光の発光位置が変化するこ とがあっても、上述の第 3実施例または第 4実施例の構成を適用することにより集光 位置や発光位置が所定位置になるように調整することができる。すなわち、本実施形 態の光源ユニットでは、発光位置 (プラズマ生成位置)や集光位置をほぼ所定位置 に安定的に維持することができる。
[0082] さらに、本実施形態では、上述したような様々な原因により、オプティカルインテグレ ータ 32に入射する EUV光の光強度の角度分布(面内分布)が実質的に軸非対称に なることがあっても、上述の第 5実施例の構成を適用することにより光強度の角度分 布がほぼ軸対称になるように調整することができる。すなわち、本実施形態の照明光 学装置では、所望の光強度角度分布 (面内分布)を有する EUV光で被照射面 (マス ク M)を安定的に照明することができる。
[0083] したがって、本実施形態の露光装置では、所望の光強度角度分布 (面内分布)を 有する EUV光を安定的に供給する光源ユニット、発光位置や集光位置をほぼ所定 位置に安定的に維持する光源ユニット、または所望の光強度角度分布 (面内分布) を有する EUV光で被照射面を安定的に照明する照明光学装置を用いて、所望の照 明条件 (例えば均一な照射光量分布)のもとでマスクパターンを感光性基板上に忠 実に転写することができる。なお、本実施形態では、第 1乃至第 5実施例の構成をそ れぞれ単独で適用してもょ ヽし、複数の実施例の構成を適宜組み合わせて適用して ちょい。
[0084] ところで、本実施形態では、凹面反射鏡( 12; 24)の反射面( 12a; 24a)がプラズマ Pに直接さらされ、プラズマ Pからの輻射熱の影響および EUV光の照射熱の影響を 受けるため、凹面反射鏡(12 ; 24)を交換することが必要になる。そこで、凹面反射鏡 ( 12; 24)を容易に且つ正確に交換するために、凹面反射鏡( 12; 24)の反射面( 12 a; 24a)の位置 (および姿勢)を計測するための計測系と、この計測系の計測結果に 基づ 、て凹面反射鏡( 12; 24)の反射面( 12a; 24a)を所定の位置に位置決めする ための駆動系とを備えて!/、ることが好ま 、。
[0085] 図 14は、凹面反射鏡の反射面の位置を計測する計測系の構成および凹面反射鏡 の反射面を所定の位置に位置決めする駆動系の構成を概略的に示す図である。図 14に示す計測系は、たとえば 3つの計測ユニット 51〜53 (53は不図示)と、各計測 ユニット 51〜53からの出力がそれぞれ供給される制御部 54とを備えている。 3つの 計測ユニット 51〜53は、互いに同じ基本構成を有する。すなわち、各計測ユニット 5 1 (52, 53)は、凹面反射鏡(12 ; 24)の反射面(12a ; 24a)に向力つて計測光を射出 するための半導体レーザ 51a (52a, 53a)と、凹面反射鏡(12 ; 24)の反射面(12a;
24a)で反射された計測光の位置を検出するための二次元 CCD51b (52b, 53b)と を有する。
[0086] 制御部 54は、各計測ユニット 51〜53からの出力に基づいて、凹面反射鏡(12 ; 24 )の反射面(12a ; 24a)の位置(および姿勢)を計測する。こうして、制御部 54からの 指令を受けた駆動系 55 (図 10の反射鏡調整部 76に対応)が、適当なァクチユエータ (ピエゾ素子など)を介して凹面反射鏡( 12; 24)を駆動することにより、凹面反射鏡( 12 ; 24)の反射面(12a ; 24a)が所定の位置に位置決めされる。なお、図 14におい ては、レーザダイオード (半導体レーザ)を用いたが、これに限定されることなぐ発光 ダイオード (LED)とレンズ等とで構成しても良いし、 CCDに代えて 4分割フォトダイォ ードを用いても良い。また、凹面反射鏡(12 ; 24)の反射面(12a; 24a)の位置を計 測するための計測系の構成については、図 14の構成例に限定されることなぐ様々 な変形例が可能である。
[0087] また、本実施形態では、プラズマ Pからの EUV光の輻射に際して放出される飛散粒 子 (デブリ)が凹面反射鏡( 12; 24)の反射面(12a ; 24a)に付着すると、凹面反射鏡 (12 ; 24)の反射特性 (光学特性)が劣化し、その交換頻度が増大してしまう。そこで 、本実施形態では、プラズマ Pから放出される飛散粒子をプラズマ Pと凹面反射鏡(1 2; 24)との間の光路中にお 、て除去するための飛散粒子除去機構を備えて 、ること が好ましい。
[0088] 図 15は、図 3に示す DPP光源タイプの光源ユニットに適用可能な飛散粒子除去機 構の一例を概略的に示す図である。図 15の飛散粒子除去機構は、凹面反射鏡 12を 覆うカバー 18を備えている。カバー 18の中には、回転軸 19aを中心として回転可能 な回転羽 19 (飛散粒子阻止部材)が収納されている。回転軸 19aは、チャンバ一 13 の外部にある駆動系(不図示)の作用により、回転導入部 19bを介して回転駆動され る。
[0089] 回転軸 19a内には冷媒 (例えば、冷却水、フロリナート、ヘリウム (He)ガスなど)が 流れるように構成されており、この冷媒の作用により回転羽 19が冷却される。カバー 1 8には配管 18aが取り付けられており、バッファガス(He, Ar, N , Ne, Kr, Hなど)
2 2 が配管 18aを介して凹面反射鏡 12の周辺力もカバー 18内へ導入される。
[0090] 図 15の飛散粒子除去機構において、一対の電極(11a, l ib)近傍のプラズマ Pか ら放出された飛散粒子は、チャンバ一 13内に導入されたバッファガス分子と衝突して その運動エネルギーが減少し、チャンバ一 13内を浮遊する。そして、カバー 18内に 入った飛散粒子は、回転羽 19に衝突することにより回転羽 19に付着する。これによ り、カバー 18内に侵入した飛散粒子は回転羽 19により排除されて凹面反射鏡 12に 実質的に達することなぐ飛散粒子の付着などによる凹面反射鏡 12の反射率低下を 防ぐことができる。
[0091] 特に、回転羽 19の冷却により飛散粒子が付着 '堆積し易くなつているので、より効 果的に飛散粒子を排除することができる。また、凹面反射鏡 12の近傍からバッファガ スがカバー 18内に導入され、カバー 18の開口部からバッファガスが外部へ流出する ように構成することにより、このガス流の作用によってもカバー 18内に侵入した飛散 粒子を排除することができるのでより好ましい。また、回転羽 19は交換可能であること が好ましい。回転羽 19の回転速度はできるだけ速い方力 マスク上での光量ムラを 低減する上で好ましい。例えば、毎分 10回転以上とすれば良い。また、 EUV光の発 光の繰り返し周波数の比が整数倍にならないようにすると、羽根が光束を遮る位置が 同じにならなくなるので良い。あるいは、回転速度を変えながら羽根を回してもよぐ 特に回転速度をランダムにするとより好ましい。なお、上述の説明ではプラズマ Pと凹 面反射鏡 12との間に飛散粒子除去機構を配置しているが、集光光学系を構成する 一対の反射鏡間 (たとえば凹面反射鏡と凸面反射鏡のような複数の反射鏡の間)の 光路中にお 、て飛散粒子を除去するために、図 15に示すような飛散粒子除去機構 を酉己置することちできる。
[0092] 図 16は、図 4に示す LPP光源タイプの光源ユニットに適用可能な飛散粒子除去機 構の一例を概略的に示す図である。図 16の飛散粒子除去機構は、凹面反射鏡 24を 覆うカバー 40を備えている。カバー 40には配管 41が取り付けられ、ノ ッファガス (He , Ar, Kr, N , Ne, Hなど)が配管 41を介してカバー 40内に導入される。カバー 40
2 2
の中にお 、て、プラズマ Pと凹面反射鏡 24との間の光路中にフィン 42が設けられて いる。フィン 42の中心には開口部 42aが形成され、レーザ光源 26から射出されて凹 面反射鏡 24を通過したレーザ光は開口部 42aを介してプラズマ Pの位置に達する。
[0093] 図 16の飛散粒子除去機構において、プラズマ Pから放出された飛散粒子は、チヤ ンバー 21内に導入されたバッファガス分子と衝突してその運動エネルギーが減少し 、チャンバ一 21内を浮遊する。そして、カバー 40内に入った飛散粒子は、フィン 42 ( 飛散粒子阻止部材)に衝突することによりフィン 42に付着する。これにより、カバー 4 0内に侵入した飛散粒子はフィン 42により排除されて凹面反射鏡 24に実質的に達 することなぐ凹面反射鏡 24の反射率低下を防ぐことができる。
[0094] 凹面反射鏡 24の近傍からバッファガスを導入し、カバー 40の開口部からガスが外 部へ流出するように構成することにより、このガス流の作用によってもカバー 40内に 侵入した飛散粒子を排除することができるのでより好ましい。フィン 40の断面形状を 図 16に示すような形状にすることにより、光の損失を最小限に抑えることができる。フ イン 40を冷却することにより飛散粒子が付着 '堆積し易くなるので、より効果的に飛散 粒子を排除することができる。また、フィン 40をレーザ光軸 (EUV光の光軸)の周りに 回転させても飛散粒子の除去能力が増すので好ましい。また、フィン 40は交換可能 であることが好ましい。
[0095] なお、上述の実施形態では、図 3に示すような基本構成を有する DPP光源タイプの 光源ユニット 1、および図 4に示すような基本構成を有する LPP光源タイプの光源ュ ニット 2に対して本発明を適用している。し力しながら、これに限定されることなぐ一 般的な DPP光源タイプの光源ユニットおよび LPP光源タイプの光源ユニットに対して 本発明を適用することができる。具体的には、図 3に示す構成とは異なり、たとえば一 対の電極間の放電により生成されたプラズマカゝら輻射された EUV光を斜入射ミラー ゃシュバルッシルド光学系などを用いて集光する構成を有する LPP光源タイプの光 源ユニットに対しても本発明を適用することができる。また、図 4に示す構成とは異な り、たとえば凹面反射鏡を通過することなくターゲットにレーザ光を集光させる構成を 有する LPP光源タイプの光源ユニットに対しても本発明を適用することができる。
[0096] 上述の実施形態に力かる露光装置では、照明系によってマスクを照明し (照明工程 )、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光 する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子 、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用い
て感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイ クロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図 17のフローチヤ ートを参照して説明する。
[0097] 先ず、図 17のステップ 301において、 1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次 のステップ 302において、その 1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布さ れる。その後、ステップ 303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク(レチ クル)上のパターンの像がその投影光学系を介して、その 1ロットのウェハ上の各ショ ット領域に順次露光転写される。
[0098] その後、ステップ 304において、その 1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行 われた後、ステップ 305において、その 1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスク としてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターン力 各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターン の形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体 デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスを スループット良く得ることができる。
符号の説明
[0099] 1 DPP光源タイプの光源ユニット
2 LPP光源タイプの光源ユニット
3 照明光学系
5 マスクステージ
7 ウェハステージ
11 光源本体
11a, l ib 電極
12, 24 凹面反射鏡
13 チャンバ
15 開口部
16, 28 選択フィルタ
21 真空容器
23 ガスジェットノズル
26 レーザ光源
29 ピンホール部材
31 コリメータミラー
32 ォプティカノレインテグレータ
32a, 32b フライアイミラー
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ