WO2005095941A1 - 金属微粒子を用いた質量分析方法 - Google Patents

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Noriko Nagahori
Kenichi Niikura
Shinichiro Nishimura
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Shionogi Co., Ltd.
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Abstract

 本発明の課題は、金属に結合した自己組織化膜表面上での化学反応を高感度かつ正確に解析でき、将来の糖鎖構造解析に応用できる新しい質量分析法を提供することにある。  本発明によれば、金属が硫黄原子を介して有機残基と結合した金属-有機残基複合体から該硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオン化することを特徴とする、該硫黄原子を含む有機残基誘導体を質量分析する方法、が提供される。このことにより、上記課題が解決される。  

Description

明 細 書
金属微粒子を用いた質量分析方法
技術分野
[0001] 本発明は、金属が硫黄原子を介して有機残基と結合した金属一有機残基複合体 を用いて、硫黄原子を含む有機残基誘導体を質量分析する方法に関する。本発明 は、そのような質量分析方法に用いる金属一有機残基複合体およびその製造方法 に関する。本発明はまた、本発明の金属—有機残基複合体を用いた糖鎖または糖 鎖含有物質の捕捉方法、および金属一有機残基複合体の有機残基と相互作用しう る物質の分子量を測定する方法に関する。本発明はさらに、糖鎖捕捉用組成物また は糖鎖もしくは糖鎖含有物質の質量分析用キットに関する。
背景技術
[0002] 糖鎖は通常タンパク質や脂質等との複合体として存在し、糖鎖構造は構成単糖、 分岐、結合位置、ァノメリシティ等の多様性により極めて複雑な上、糖鎖生合成は多 数の糖鎖合成関連酵素により行われるため、遺伝子やタンパク質の発現解析でその 発現パターンを明らかにすることができない。カロえて、同一のタンパク質、脂質に結 合する糖鎖構造には不均一性があり、しばしば 1つのタンパク質に複数の糖鎖が結 合するため、タンパク質よりも高感度の解析技術が必然的に必要となる。
[0003] 糖鎖構造を解析するための新しい系として、糖鎖を有する力または糖鎖捕捉可能 な自己組織ィ匕膜が大いに期待される。一般に、金属 (例えば、 Au、 Ag、 Cuなど)基 板をチオール誘導体溶液に浸漬すると、金属表面上にチオール誘導体が吸着し、 分子間の相互作用(例えば、ファンデルワールス力)によって、分子がナノメーターレ ベルで二次元方向に規則的に整列することが知られている。分子が自発的に集合し 、整列した組織を形成することから、この形成された膜は「自己集合単分子膜」または 「自己組織化膜」と呼ばれる。金属の表面を有機膜で被覆できることを利用して、機 能性分子または生体分子 (糖鎖またはタンパク質など)を金属表面に固定したり、ま たは金属表面を改変する研究が多くの研究者によって行われている。
[0004] これまでに、金基板上にオリゴ糖鎖を固定ィ匕しそれを表面プラズモン共鳴でモニタ リングする手法が報告されている(例えば、特許文献 1参照)。し力しながら、この手法 は、金 液界面近傍の溶液の屈折率の変化で糖鎖の固定ィ匕を間接的にモニタリン グして 、るに過ぎず、糖鎖の正確な情報が得られて 、るわけではな!/、。
[0005] 近年、表面の構造を解析するための手法として、質量分析法が重要視され、生化 学および分子生物学の分野において特に有用となってきている。この手法は、測定 前に蛍光色素または放射性標識を被検体に直接的に結合させて解析するという煩 雑さを省き、高速で正確な情報を提供できるという利点を有する。これまでに、金基 板に結合したチオール化合物が MALDI— TOF Massのレーザーで切断されて検 出されるという報告が Mrksichらによってなされている(例えば、非特許文献 1参照) 。しかし、金基板表面上にたった一分子のチオール化合物が二次元方向に並んだ 単分子膜をレーザーで切断するため、検出されるチオールィ匕合物の絶対量が極め て微量であり、検出の際に夾雑物(例えば、バッファーまたは塩など)の影響を受けや すぐその結果感度が低下するおそれがある。
[0006] 高感度かつ正確に糖鎖解析を可能にする技術はいまだに存在せず、そのような技 術は翻訳後修飾解析を含めた次世代プロテオームを含めたグライコームにおいて極 めて重要であり、その開発は渴望されている。
特許文献 1 :特開 2003— 83969
特許文献 2:特開 2003 - 254959
特許文献 3: WO03/019178
特許文献 4: WO03/091724
非特許文献 l :Angew. Chem. Int. Ed. 41, 4715-4718, 2002
非特許文献 2 : Comb. Chem. 2002, 4, 120- 124
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 従来の上記欠点を克服し、金属に結合した自己組織化膜表面上での化学反応を 高感度かつ正確に解析でき、将来の糖鎖構造解析に応用できる新 ヽ質量分析法 を提供することにある。
課題を解決するための手段 [0008] 本発明者らは鋭意検討した結果、レーザーの乱反射 (すなわち、反射したレーザー が何度も金属表面に照射すること)が可能な金属表面を提供することにより高感度化 が達成されることを見出した。また、そのような金属表面に導入したチオールィ匕合物 が MALDI—TOF MS法のみならず、低分子マトリックスを必要としない LDI— TO F MS法によるレーザー照射によっても、金属との結合部分が切断'イオンィ匕され、 高感度に観測されることを確認できたことにより、上記課題を解決した。
[0009] 従って、本発明は、以下を提供する。
[0010] (項目 1)金属が硫黄原子を介して有機残基と結合した金属一有機残基複合体から 該硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオン化することを特徴とする、該硫黄原子を 含む有機残基誘導体を質量分析する方法。
[0011] (項目 2)—般式 (I) :
(R-S) -M1 (I)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する
(R— S)基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)
で表される金属一有機残基複合体から硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオンィ匕 することを特徴とする、
一般式 (Π) :
R-SH (II)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、および Zまたは
一般式 (ΠΙ) :
R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、 を質量分析する方法。
[0012] (項目 3)—般式 (IV) :
M1 - S - X - CH (R) - S - M1 (IV)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、両端の M1は同一実体の金属であ り、 Xは低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである) で表される金属一有機残基複合体から硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオン化 することを特徴とする、
一般式 (V) :
HS-X-CH(R) -SH (V)
(式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、およ び Zまたは
一般式 (VI) :
[0013] [化 18]
Figure imgf000006_0001
[0014] (式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、 を質量分析する方法。
[0015] (項目 4)以下の工程:
1)金属が以下の式:
S -Y- (OCH CH ) NH— C( = 0) CH — O— NH、
2 2 n 2 2
S -Y- (OCH CH ) NH— C( = 0) CH — O— NH(CH ) ,
2 2 n 2 3
S -Y- (OCH CH ) NH— C( = 0) -CH (NH ) W4 - SH、
2 2 n 2
S -Y- (OCH CH ) NH— C( = S) -CH (NH ) — W4— SH、
2 2 n 2
S -W'-O-NH、
2
S -W'-O-NHCCH ) ,
3
S — W1— O— W2— O— NH、
2
S -W'-O-W^O-NHCCH ) ,
3
S - (CH CH O) W1— O— W2— O— -NH、
2 2 n 2
S - (CH CH O) W1— O— W2— O— NH(CH ) ,
2 2 n 3
S -W1-C( = 0) -NH-NH、
2
S -W1-C( = S) -NH-NH、
2
S — W1— NH— C( = 0) -CH (NH ) W4— SH、 s -w1- - NH— ' C ( = S) -CH (NH )—W4 SH、
2
s -z1- ■z2- - z3 Z4— Z5 O NH、
2
s -z1- ■z2- - z3 Z4 Z5 O NH (CH )、
3
s -z1- ■z2- - z3 -Z4-CH (NH O Z6 SH、
2
s -z1- ■z2- - z3 -Z4-CH (NH )—Z6 SH、
2
s -z1- o- - z3 -CH (NHト Z6— SH、
2
s -z1- o- - z3 -O-NH、
2
s -z1- o- - z3 — O NH (CH ) ,
3
s -z1- o- - z3 — Z4— Z5 O NH、
2
s -z1- o- - z3 -Z4-Z5-0-NH (CH )、
3
s -z1- o- - z3 -Z4-CH (NH
2 )—0— Z6 SH、
s -z1- o- - z3 -Z4-CH (NH ) Z6 SH、
2
s -z1- ■z3 - z4 Z5 O NH、
2
s -z1- ■z3 - z4 Z5 O NH (CH )、
3
s -z1- ■z3 - z4 -CH (NH ) O Z6 SH、
2
s — z1— ■z3 — z4 CH (NH ) Z6 SH、または
[0016] [化 19]
N—— N
S久 N人 N,NH2
I H
NH2
[0017] で表される基と結合した金属一有機残基複合体と、糖鎖または糖鎖含有物質とが反 応しうる条件下で接触させる工程、
2)該糖鎖または該糖鎖含有物質が結合した金属 有機残基複合体を得る工程、お よび
3)得られた金属一有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をイオン 化する工程、
を包含する、糖鎖または糖鎖含有物質を質量分析する方法。
[0018] (項目 5)前記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、項目 1〜4のいずれ かに記載の方法。
[0019] (項目 6)前記金属が金属微粒子である、項目 5に記載の方法。
[0020] (項目 7)前記金属が金、銀、カドミウムまたはセレンの単体である、項目 1〜6のい ずれかに記載の方法。
[0021] (項目 8)前記質量分析を MALDI— TOF MS法により行う、項目 1〜6のいずれ かに記載の方法。
[0022] (項目 9)前記質量分析をマトリックス試薬の存在下で行う、項目 8に記載の方法。
[0023] (項目 10)前記マトリックス試薬が 2, 5 ジヒドロキシ安息香酸である、項目 9に記載 の方法。
[0024] (項目 11)前記有機残基が糖鎖または糖鎖含有物質を含む基である、項目 1〜6の いずれかに記載の方法。
[0025] (項目 12)金属が硫黄原子を介して被検体と結合した金属 被検体複合体から該 硫黄原子を含む被検体をイオン化することを特徴とする、該硫黄原子を含む被検体 を質量分析する方法。
[0026] (項目 13)以下の工程:
1)還元剤の存在下、テトラクロ口金酸および硫黄原子を有する被検体を反応させる 工程、
2)金微粒子に該硫黄原子を介して被検体が結合した金 被検体複合粒子を得るェ 程、および
3)得られた金 被検体複合粒子から硫黄原子を有する被検体をイオン化する工程 を包含する、硫黄原子を有する被検体を質量分析する方法。
[0027] (項目 14)還元剤が水素化ホウ素ナトリウムまたはクェン酸ナトリウムである、項目 1 3に記載の方法。
[0028] (項目 15)上記工程 1)を水、アルコール系溶媒、酢酸ェチル、エーテル系溶媒また はそれらの混合溶媒力もなる群力も選択される溶媒中で行う、項目 13に記載の方法
[0029] (項目 16)上記工程 1)を— 20°Cから 200°Cで行う、項目 13に記載の方法。 (項目 上記工程 を 時間〜 時間で行う、項目 に記載の方法。
(項目 硫黄原子を介して被検体が結合した金属 被検体複合粒子を遠心濾過 により精製する、項目 に記載の方法。
(項目 上記質量分析を 法により行う、項目 に記載の方 法。
(項目 上記工程 をマトリックス試薬の存在下で行う、項目 に記載の方法。 (項目 項目 に記載の工程 で得られた金属 被検体複合粒子を化学反応 または酵素反応に付し、反応系中の金属 被検体複合粒子から硫黄原子を有する 被検体をイオン化することを特徴とする、該化学反応または酵素反応の進行を確認 する方法。
(項目 上記酵素反応が糖鎖伸長反応である、項目 に記載の方法。
(項目 糖鎖伸長反応の進行を利用して糖転移酵素の活性を確認する、項目 に記載の方法。
(項目 金属が以下の式:
) 、
2 2 n 2 2
)
2 2 n 2 3
) 、
2 2 n 2
) 、
2 2 n 2
2
3
2
3
2 2 n 2
2 2 n 3
2
2
2
) 、 s - z1 -z2- - z3— Z4— Z5 O NH、
2
s - z1 -z2- - z3 -Z4-Z5-0-NH(CH )、
3
s - z1 -z2- - z3 — Z4— CH(NH )—0— Z6— SH、
2
s - z1 - ζ2· - z3 -Z4-CH(NH )—Z6— SH、
2
s - z1 — o- -z3- -CH(NHト Z6 SH、
2
s - z1 — o- -z3- -O-NH、
2
s - z1 — o- -z3- — O NH(CH ),
3
s - z1 — o- -z3- - Z4— Z5 O NH、
2
s - z1 — o- -z3- -Z4-Z5-0-NH(CH )、
3
s - z1 — o- -z3- -Z4-CH(NH )—0— Z6— SH、
2
s - z1 — o- - z3- -Z4-CH(NH ) Z6 SH、
2
s - z1 - z3 - z4 — Z5 O NH、
2
s - z1 - z3 - z4 — Z5 O NH(CH )、
3
s - z1 - z3 - z4 -CH(NH ) O Z6 SH、
2
s — z1 — z3 — z4 CH(NH )— Z6— SH、または
[0038] [化 20]
N—— N
S义 N人 N,NH2
I H
NH2
[0039] (式中、 Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C( = 0)、—O - C( = S)、一 NH - C( = 0)、一 NH - C( = S)、—O 一、または S であり; Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表される基と結合した金属 有機残基複合体。
[0040] (項目 25)前記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、項目 24に記載の複 合体。
[0041] (項目 26)前記金属が金属微粒子である、項目 25に記載の複合体。
[0042] (項目 27)還元剤の存在下、テトラクロ口金酸および以下の式:
[0043] [化 21]
~4S— Y—(OCH2CH2)n— NH— C( = 0)— CH2— 0_NH2)2
~(S— Y—(OCH2CH2)n— NH— C( = 0)— CH2—0— NH(CH3))2
- S-Y- (OCH2CH2)n-NH-C( = 0)一 CH (NH2)—W4— SH)2
- S-Y- (OCH2CH2)n-NH-C( = S)— CH (NH2)一 W4— SH) 2
~(S— W1— O— NH2)2
4S—W1— 0_NH(CH3))2
~(S— W1— 0— W2—0— NH2)2
4S— W1— O—W2— O— NH(CH3))2
4S— (CH2CH20)n—W1— 0—W2—0—NH2)2
4S— (CH2CH20)n— W1— 0— W2— O— NH(CH3))2
~(S— W,_C( = 0)— NH— NH2)2
~(S— W1— C( = S)— NH— NH2)2
4S— W1— NH— C(=。)一 CH(NH2)— W4— SH)2
-S-W1-NH-C(=S)-CH(NH2)-W4-SH)2.
AS- — z1 -z2 — z3- — Z4— Z5— 0— NH2)2
s — z1一 z2 — z3 — Z4— Z5— O— NH(CH3))2
- s- -z1一 z2 — z3 -Z4— CH(NH2)—O— Z6— SH)2
As- -z1 -z2Z3. -Z4-CH(NH2)一 Z6— SH)2
As- -21一 o- - z3- -CH(NH2)— Z6— SH)2
-Cs- -z1 -o- -z3- -O— NH2)2
-z1一 o-一 Z3_ -O— NH(CH3))2
-4s -z1 — o- -z3- -Z4— Z5— O— NH2)2
-4s -21 -o- - z3- -Z4— Z5— O— NH(CH3))2
s -z1 — o-一 Z3一 -Z4 - CH(NH2) - O—Z6— SH)2
-4s — Z,一 o- -z3- -Z4— CH(NH2)—Z6— SH)2
-4s -Z1一 z3 — z4 — Z5_0— NH2)2
-4s -z1 -z3 — z4 — Z5—0—NH(CH3))2
— z1 -z3一で — CH(NH2)—0— Z6— SH)2
-Cs -z1一 z3一で — CH(NH2) - Z6 - SH)2
[0044] または [0045] [化 22]
Figure imgf000013_0001
[0046] (式中、 Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであ り;
Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表される化合物もしくはその塩を反応させることによる、金一有機残基複合粒子の 製造方法。
[0047] (項目 28)還元剤が水素化ホウ素ナトリウムまたはクェン酸ナトリウムである、項目 2 7に記載の製造方法。
[0048] (項目 29)水、アルコール系溶媒、酢酸ェチル、エーテル系溶媒、またはそれらの 混合溶媒中で行う、項目 28に記載の製造方法。
[0049] (項目 30) - 20°Cから 200°Cで行う、項目 28に記載の製造方法。
[0050] (項目 31) 0. 1時間〜 24時間で行う、項目 28に記載の製造方法。
[0051] (項目 32)金一有機残基複合粒子を遠心濾過により精製する、項目 28に記載の製 造方法。
[0052] (項目 33)金属が以下の式:
S— Y—(OCH CH ) NH— C ( = 0)— CH— O— NH 、
2 2 n 2 2
S— Y—(OCH CH ) NH— C ( = 0)— CH— O— NH (CH )、
2 2 n 2 3
( ) ¾¾ZZ CHNHn— -I Ι"
( ) CZZHNHozSH— -Ill I"
N N (Nz ZzONHCH— l -I N N N N N N N N N N N
ω O O O O O O O N
(ZZCHNH -II"" (z ZzONHCH l l II
, z z ZONH—广 II"
(〇z N:Hcn -——"
.〇 ZNH广- ( ) ZZZCHNHozSH— -IIll I""
Figure imgf000014_0001
(z Zzzo NHCH— l— l—
l I ())( )YH〇CHCNHC〇CHNHwspi -— II I l I [0053] [化 23]
N—— N
\ S义 N人 N,NH2
I H
NH2
[0054] (式中、 Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表される基と結合した金属一有機残基複合体と、糖鎖または糖鎖含有物質とが反 応しうる条件下で接触させることを特徴とする、糖鎖または糖鎖含有物質の捕捉方法
[0055] (項目 34)以下の工程:
1)金属が硫黄原子を介して有機残基と結合した金属一有機残基複合体と、該有機 残基と相互反応しうる物質とを、接触させる工程、
2)該相互作用しうる物質が結合した金属一有機残基複合体を得る工程、および
3)得られた金属一有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をイオン 化する工程、
を包含する、金属一有機残基複合体の有機残基と相互作用しうる物質の分子量を測 定する方法。
[0056] (項目 35)前記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、項目 34に記載の方 法。 [0057] (項目 36)前記金属が金属微粒子である、項目 35に記載の方法。
[0058] (項目 37)以下の工程:
1)式:
[0059] [化 24]
N—— N
HS义 N人 zNH2
N I H
NH2
[0060] で表される化合物と金属とを接触させる工程、
2) 1)で得られた金属一有機残基複合体を、糖鎖または糖鎖含有物質とが反応しうる 条件下で接触させる工程、および
3) 2)で得られた金属 有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をィ オンィ匕する工程、
を包含する、糖鎖または糖鎖含有物質を質量分析する方法。
[0061] (項目 38)以下の工程:
1)式:
[0062] [化 25]
N—— N
HS义 N人 zNH2
N I H NH2
[0063] で表される化合物と糖鎖または糖鎖含有物質とを、該化合物と該糖鎖または糖鎖含 有物質とが反応しうる条件下で接触させる工程、
2) 1)で得られたィ匕合物と金属とを接触させる工程、および
3) 2)で得られた金属 有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をィ オンィ匕する工程、
を包含する、糖鎖または糖鎖含有物質を質量分析する方法。
[0064] (項目 39)前記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、項目 37または 38に 記載の方法。
[0065] (項目 40)前記金属が金属微粒子である、項目 39に記載の方法。
[0066] (項目 41) 一般式 (π) :
R-SH (II)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (ΠΙ) :
R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (V) :
HS-X-CH (R) -SH (V)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、 Xは低級アルキレンまたは低級ァルケ-レ ンである)で表される化合物もしくはその塩;
一般式 (VI) :
[0067] [化 26]
Figure imgf000017_0001
[0068] (式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩;また はそれらの混合物を含有する、糖鎖捕捉用組成物。
[0069] (項目 42)以下の式:
〔〕¾0 ¾0n71
Figure imgf000018_0001
22コ32C (S (SC,CH) )HwOWO NHCH I— l I—II2
2-22½?())CH0CHw0w0NH -——1---"
3?sw())owo NHCH !llll—" 3? () ) o NHCH Il l
C I n2222? (4)())SYOCHCC oHNHCHONH I =II—I III
〔〕〕00707 [0072] [化 28]
HS丄
[0073] (式中、
ルケ- W4は、
Z1は、
り;
Z2は、
Z3およ
Z4は、
Z6は、
nは 1
で表さ
[0074] (項
M2- (
(O
Figure imgf000019_0001
M2— (s- -Y- (OCH CH ) NH C(= =o) -CH (NH ) -w4
2 2 n 2 2— - - - — = = - - - 4-
M2- (s -w1- - c( = S)-NH-NH ) 、
2 m
M2- (s -w1- -NH-C( = 0) -CH(NH ) -W4-SH) 、
2 m
M2- (s -w1- -NH-C( = S) -CH(NH ) -W4-SH) 、
2 m
M2- (s -z1- ■z2- - Z3— Z4— Z5— O— NH ) 、
2 m
M2- (s -z1- ■z2- - Z3 - Z4 - Z5 - O - NH(CH )) 、
3 m
M2- (s -z1- ■z2- -Z3-Z4-CH(NH )-0-Z6-SH) 、
2 m
M2- (s -z1- ■z2- -Z3-Z4-CH(NH )-Z6-SH) 、
2 m
M2- (s -z1- o- Z3-CH(NH ) -Z6-SH) 、
2 m
M2- (s -z1- o- Z3— O— NH ) 、
2 m
M2- (s -z1- o- Z3— O— NH(CH )) 、
3 m
M2- (s -z1- o- Z3— Z4— Z5— O— NH ) 、
2 m
M2- (s -z1- o- Z3 - Z4 - Z5 - O - NH(CH )) 、
3 m
M2- (s -z1- o- Z3-Z4-CH(NH )-0-Z6-SH) 、
2 m
M2- (s -z1- o- Z3 - Z4 - CH(NH ) - Z6 - SH) 、
2 m
M2- (s -z1- ■z3- - Z4— Z5— O— NH ) 、
2 m
M2- (s -z1- ■z3- - Z4— Z5— O— NH(CH )) 、
3 m
M2- (s -z1- ■z3- - Z4— CH(NH )— O— Z6— SH) 、
2 m
M2- (s — z1— ■z3- -Z4-CH(NH )— Z6— SH) 、または
一般式 (VII):
[化 29]
Figure imgf000020_0001
(式中、 M2は金属であり;
mは、 M2に対する硫黄原子を含む有機残基の化学量論比を表し、 1以上の整数で あり; Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12アル ケニレンまたは C2〜C12アルキニレンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり; Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜 10の整数である)で表される金属 有機残基複合体。
[0077] (項目 44)前記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、項目 43に記載の複 合体。
[0078] (項目 45)前記金属が金属微粒子である、項目 44に記載の複合体。
[0079] (項目 46)—般式 (I) :
(R-S) -M1 (I)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する (R— S)基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)で表される金属一有機残基複 合体;または
一般式 (IV) :
M1 - S - X - CH (R) - S - M1 (IV)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、両端の M1は同一実体の金属であり、 Xは 低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである)で表される金属—有機残基複合体、 を含有する、糖鎖捕捉用組成物。
[0080] (項目 47)以下の式:
M2- (S-Y- (OCH CH ) -NH-C ( = 0) -CH—O— NH ) 、 M2—(S—Y
2 2 n 2 2 m
- (OCH CH ) NH— C ( = 0)— CH— O— NH (CH ) ) 、
M2— (s- — Y— (OCH CH ) -NH- - SH)
2 2 n -c (: =o) -CH (NH )
2 -w4- 、
m
M2— (s- — Y— (OCH CH ) -NH- H (NH ) -
2 2 n -c (: =s) - -C
2 -w4- SH) 、
m
M2— (s- -w1- -O—NH ) 、
2 m
M2— (s- -w1- -0-NH (CH ) ) 、
3
3
Figure imgf000022_0001
( )) , WOW o NHCHII——t ) . ^o^o§rlll [0081] [化 30]
Figure imgf000023_0001
[0082] (式中、 M2は金属であり;
mは、 M2に対する硫黄原子を含む有機残基の化学量論比を表し、 1以上の整数で あり; Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12アル ケニレンまたは C2〜C12アルキニレンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)で表される金属一有機残基複合体を含有する、糖鎖捕捉 用組成物。
[0083] (項目 48)前記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、項目 46または 47に 記載の組成物。
[0084] (項目 49)前記金属が金属微粒子である、項目 48に記載の組成物。
[0085] (項目 50)以下の A)および B):
A)—般式 (Π) :
R-SH (II)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (ΠΙ) :
R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (V) :
HS— X— CH (R)— SH (V)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、 Xは低級アルキレンまたは低級アルケ ンである)で表される化合物もしくはその塩;
一般式 (VI) :
[化 31]
Figure imgf000024_0001
[0087] (式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩;また はそれらの混合物;および
B)金属、
を含む、糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キット。
[0088] (項目 51)以下の A)および B):
A)以下の式:
[0089] [化 32]
~4S— Y—(OCH2CH2)n— NH— C( = 0)— CH2— 0_NH2)2
~(S— Y—(OCH2CH2)n— NH— C( = 0)— CH2—0— NH(CH3))2
- S-Y- (OCH2CH2)n-NH-C( = 0)一 CH (NH2)—W4— SH)2
- S-Y- (OCH2CH2)n-NH-C( = S)— CH (NH2)一 W4— SH) 2
~(S— W1— O— NH2)2
4S—W1— 0_NH(CH3))2
~(S— W1— 0— W2—0— NH2)2
4S— W1— O—W2— O— NH(CH3))2
4S— (CH2CH20)n—W1— 0—W2—0—NH2)2
4S— (CH2CH20)n— W1— 0— W2— O— NH(CH3))2
~(S— W,_C( = 0)— NH— NH2)2
~(S— W1— C( = S)— NH— NH2)2
4S— W1— NH— C(=。)一 CH(NH2)— W4— SH)2
-S-W1-NH-C(=S)-CH(NH2)-W4-SH)2.
AS- — z1 -z2 — z3- — Z4— Z5— 0— NH2)2
s — z1一 z2 — z3 — Z4— Z5— O— NH(CH3))2
- s- -z1一 z2 — z3 -Z4— CH(NH2)—O— Z6— SH)2
As- -z1 -z2Z3. -Z4-CH(NH2)一 Z6— SH)2
As- -21一 o- - z3- -CH(NH2)— Z6— SH)2
-Cs- -z1 -o- -z3- -O— NH2)2
-z1一 o-一 Z3_ -O— NH(CH3))2
-4s -z1 — o- -z3- -Z4— Z5— O— NH2)2
-4s -21 -o- - z3- -Z4— Z5— O— NH(CH3))2
s -z1 — o-一 Z3一 -Z4 - CH(NH2) - O—Z6— SH)2
-4s — Z,一 o- -z3- -Z4— CH(NH2)—Z6— SH)2
-4s -Z1一 z3 — z4 — Z5_0— NH2)2
-4s -z1 -z3 — z4 — Z5—0—NH(CH3))2
— z1 -z3一で — CH(NH2)—0— Z6— SH)2
-Cs -z1一 z3一で — CH(NH2) - Z6 - SH)2
[0090] または [0091] [化 33]
Figure imgf000026_0001
[0092] (式中、 Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであ り;
Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表される、硫黄原子を含む有機残基誘導体;および
B)金属、
を含む、糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キット。
[0093] (項目 52)前記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、項目 50または 51に 記載のキット。
[0094] (項目 53)前記金属が金属微粒子である、項目 52に記載のキット。
[0095] (項目 54)前記金属がテトラクロ口金酸であり、
C)還元剤、
をさらに含む、項目 50または 51に記載のキット。
[0096] (項目 55)前記還元剤が水素化ホウ素ナトリウムまたはクェン酸ナトリウムである、項 目 42に記載のキット。
[0097] (項目 56)—般式 (I) :
(R—S) —M1 (I) (式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する 基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)で表される金属一有機残基複 合体;または
一般式 (式中、 および は前記と同意義であり、両端の は同一実体の金属であり、 は 低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである)で表される金属—有機残基複合体、 を含有する、糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キット。
(項目 57)以下の式:
2 2 n 2 2 m
2 2 n 2 3 m
2 2 n 2 m
2 2 n 2 m ( ゝ
2 m
3 m
( ゝ
2 m
( 、
3 m
2 2 n 2 m
Figure imgf000027_0001
2 m
2 m
( 、
2 m
2 m
( ゝ
2 m
( 、
3 m
2 m
2 m
( 、 M2- (s - z1— o- - z3 -O-NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 — o- - z3 -0-NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 — o- - z3 -Z4— Z5 O NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 — o- - z3 -Z4 Z5 O NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 — o- - z3 -Z4-CH(NH )-0-Z6-SH) 、
2 m
M2- (s - z1 — o- - z3 -Z4-CH(NH ) -Z6-SH) 、
2 m
M2- (s - z1 - z3 -z4 Z5 O NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 - z3 -z4 Z5 O NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 - z3 -z4 CH(NH ) O Z6 SH) 、
2 m
M2- (s — z1 — z3 -z4 -CH(NH )-Z6-SH) 、または
一般式 (VII):
[0099] [化 34]
Figure imgf000028_0001
[0100] (式中、 M2は金属であり;
mは、 M2に対する硫黄原子を含む有機残基の化学量論比を表し、 1以上の整数で あり; Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12アル ケニレンまたは C2〜C12アルキニレンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり
Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C( = 0)、—O - C( = S)、一 NH - C( = 0)、一 NH - C( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)で表される金属一有機残基複合体を含む、糖鎖または糖 鎖含有物質の質量分析用キット。
[0101] (項目 58)上記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、項目 56または 57に 記載のキット。
[0102] (項目 59)上記金属が金属微粒子である、項目 58に記載のキット。
[0103] (項目 60)上記金属が金微粒子である、項目 56または 57に記載のキット。
[0104] (項目 61)金属が、鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )の表面に被覆した
3 4
金、銀、カドミウムまたはセレンの層を含む複合金属である項目 1〜23のいずれかに 記載の方法。
[0105] (項目 62)金属力 鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )の表面に被覆した
3 4
金、銀、カドミウムまたはセレンの層を含む複合金属である項目 24〜26および 43〜 45のいずれかに記載の金属一有機残基複合体。
[0106] (項目 63)金属力 鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )の表面に被覆した
3 4
金、銀、カドミウムまたはセレンの層を含む複合金属である項目 27〜32のいずれか に記載の製造方法。
[0107] (項目 64)金属が、鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )の表面に被覆した
3 4
金、銀、カドミウムまたはセレンの層を含む複合金属である項目 33〜40のいずれか に記載の製造方法。
[0108] (項目 65)金属力 鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )の表面に被覆した
3 4
金、銀、カドミウムまたはセレンの層を含む複合金属である項目 41、 42および 46〜4 9の 、ずれかに記載の糖鎖捕捉用組成物。
[0109] (項目 66)金属力 鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )の表面に被覆した
3 4
金、銀、カドミウムまたはセレンの層を含む複合金属である項目 50〜60のいずれか に記載のキット。
[0110] (項目 67)上記金属微粒子が、鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )の粒
3 4 子および該粒子の表面に被覆した金、銀、カドミウムまたはセレンの層を含む複合微 粒子である、項目 6、 26、 36、 40、 45、 49、 53、 59の!ヽずれ力に記載の方法。
[0111] (項目 68)上記質量分析を LDI— TOF MS法により行う、項目 1〜6のいずれ力に 記載の方法。 [0112] (項目 69)上記質量分析を LDI— TOF MS法により行う、項目 13に記載の方法。 発明の効果
[0113] 本発明によれば、硫黄原子を含む有機残基誘導体につ!ヽて極めて感度の高!、質 量分析法を提供することができる。
[0114] 本発明によれば、糖鎖関連酵素反応のリアルタイムでの正確なモニタリングが可能 となる。レーザーの乱反射可能な金属表面上に酵素反応の基質となる糖鎖を提示す ることにより、質量分析法によって酵素反応を追跡することができる。本発明によれば 、質量分析の際、通常の質量分析法では好ましくないバッファーまたは塩などがたと え高濃度で存在したとしても、それらの影響を受けず、高感度に測定することができ、 反応溶液の一部をそのまま分析に用いることができ、簡便である。また生成物を直接 観測できるので、酵素反応の速度論的解析も容易に行えると 、う利点を有する。
[0115] 従来の MALDI—TOF MS法において、「薬剤候補ィ匕合物として多いであろう低 分子領域」について、マトリックス自身の強いピークにより、目的物のピークがうまく観 察できないことが欠点とされてきた力 本発明によれば、目的の低分子化合物を金属 基板 (特に、金属微粒子)に担持することにより、マトリックスフリーな LDI—TOF M Sを、高感度かつ正確に行うことができるという利点を有する。
[0116] 本発明の金属一有機残基複合粒子を提供することにより、チオール基と金属との 結合を利用して、金属微粒子表面に糖鎖や種々の官能基を提示することができ、ま たその金属微粒子の溶解性を、金属微粒子表面に導入するリガンドの性質によって 自在に制御することができる。従って、チオールィ匕合物で被覆した金属微粒子は、水 系での反応のみならず有機溶媒系での固相合成を行う際に有用な固相担体として 利用することができる。微粒子は反応溶媒に溶解しているが、精製の際には固体とし て遠心濾過によって溶液成分と分離可能であるため、分離精製も非常に容易に行え るという利点がある。さらに反応の経過を質量分析法によって直接追跡することがで き、効率的に反応を行える。
[0117] 本発明によれば、金属微粒子として、例えば鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄( Fe O )などの磁性粒子およびこの粒子の表面に被覆した金、銀、カドミウムまたはセ
3 4
レンなどの層を含む複合微粒子を使用することにより、これに硫黄原子を含む有機残 基誘導体を担持したのち、磁石等を用いて微粒子を簡易に回収し、精製無しで質量 分析することができるという利点を有する。
[0118] また、本発明によれば、硫黄原子を介して細胞毒性の無い有機残基と結合した金 属微粒子を提供することにより、金属一有機残基複合粒子を生細胞に直接取り込ま せることができ、細胞内で生じる様々な化学反応 (例えば、酵素反応)を、その反応生 成物を質量分析することで正確に解析することができる。
図面の簡単な説明
[0119] [図 1]図 1は、金微粒子表面に担持したチオール化合物の MALDI TOF Massス ベクトルを示す。 a)は遠心濾過操作で得られた金微粒子の MALDI— TOF Mass スペクトルを示し、 b)はろ液の MALDI— TOF Massスペクトルを示す。
[図 2]図 2は、金微粒子を固相担体として用いたィ匕学反応後の MALDI TOF Mas sスペクトルを示す。
[図 3]図 3は、糖鎖 金微粒子の MALDI— TOF Massスペクトルを示す。
[図 4]図 4は、糖鎖密度を制御した糖鎖(GlcNAc)—金微粒子の MALDI— TOF
Massスペクトルを示す。
[図 5]図 5は、糖鎖密度を制御した糖鎖 (GlcNAc) 金微粒子の電子顕微鏡写真を 示す。
[図 6]図 6は、糖鎖 (GlcNAc)—金微粒子上でのガラクトース転移酵素による糖鎖伸 長反応を追跡した MALDI— TOF Massスペクトルの経時変化を示す。
[図 7]図 7は、図 6のスペクトル力も得た糖鎖伸長反応における時間 反応度プロット を示す。縦軸の反応は値は、 [生成物のピーク強度 Z (出発物質のピーク強度 +生 成物のピーク強度) ]の式から導かれる値を示す。
[図 8]図 8は、 UDPによる GalT反応の阻害活性測定結果を示す。
[図 9]図 9は、糖鎖捕捉能をもつ金ナノパーティクルの MALDI— TOF Massスぺク トルを示す。
[図 10]図 10は、金微粒子上での Boc基の脱保護反応後の MALDI— TOF Mass スぺクトノレを示す。
[図 11]図 11は、糖鎖捕捉金微粒子を用 ヽた水溶液中での糖鎖 (マンノース)捕捉反 応後の MALDI— TOF Massスペクトルを示す。
[図 12]図 12は、糖鎖捕捉金微粒子を用いた水溶液中での糖鎖 (グルコース)捕捉反 応後の MALDI— TOF Massスペクトルを示す。
[図 13]図 13は、糖鎖捕捉金微粒子を用 、た水溶液中での糖鎖 (N -ァセチルダルコ サミン)捕捉反応後の MALDI - TOF Mas sスぺクトノレを示す。
[図 14]図 14は、糖鎖捕捉金微粒子を用いた水溶液中での糖鎖 (マンノペンタオース )捕捉反応後の MALDI— TOF Massスペクトルを示す。
[図 15]図 15は、金基板を用いた AHTMのタンパク質の捕捉実験 (方法 (I)および (II ) )を示す。
[図 16]図 16は、金基板を用いた AHTMのタンパク質の捕捉実験 (方法 (III)および( IV) )を示す。
[図 17]図 17は、金基板を用いた AHTMのタンパク質の捕捉実験 (方法 (I)〜 (IV) ) の概念図および MALDI— TOF Massスペクトルを示す。
[図 18]図 18は、大腸菌で発現した糖転移酵素 (ガラタトース転位酵素)による、糖鎖( GlcNAc)金微粒子上での糖鎖伸長反応の模式図および反応後の MALDI— TOF
Massスペクトルを示す。
[図 19]図 19は、 a)の LDI—TOF Massスペクトルおよび、 b)ヨウ素処理によって微 粒子表面カもチオールィ匕合物を遊離した、糖鎖チオール (GlcNAc)と金微粒子の 混合溶液の LDI— TOF Massスペクトルを示す。
[図 20]図 20は、糖鎖(Gal— GlcNAc)—金微粒子上でのフコース転移酵素(FucT) による糖鎖伸長反応を追跡した MALDI—TOF Massスペクトルの経時変化を示 す。
[図 21]図 21は、図 20のスペクトル力も得た糖鎖伸長反応における時間—反応度プロ ットを示す。縦軸の値 (反応度) [生成物のピーク強度 Z (出発物質のピーク強度 +生 成物のピーク強度) ]の式から導かれる値を示す。
[図 22]図 22は、糖鎖(Lex) 金微粒子の LDI—TOFZTOF Massスペクトルを示 す。
[図 23]図 23は、 a)チオール(ィ匕合物 1) 金基板の LDI— TOF Massスペクトル、 および b)チオール(ィ匕合物 1) 金微粒子の LDI— TOF Masssスペクトルを示す。
[図 24]図 24は、チオール(化合物 9) 磁性金微粒子の LDI— TOF Massスぺタト ルを示す。
[図 25]図 25は、糖鎖(GlcNAc) 磁性金微粒子の MALDI— TOF Massスぺタト ル(上段)、および LDI—TOF Massスペクトル(下段)を示す。
[図 26]図 26は、糖鎖 (GlcNAc)—磁性金微粒子上でのガラクトース転位酵素による 糖鎖伸長反応の反応前(上段)および反応後(下段)の MALDI— TOF Massスぺ タトルを示す。
[図 27]図 27は、チオール(化合物 9)—CdS微粒子の LDI—TOF Massスペクトル を示す。
[図 28]図 28は、金微粒子上でのグリコシル化反応後の MALDI— TOF Mass (上 段)および LDI—TOF Mass (下段)スぺクトノレを示す。
[図 29]図 29は、糖鎖 (GlcNAc)—磁性金微粒子によってタンパク質混合物中から釣 り上げられたタンパク質の MALDI— TOF Massスペクトルを示す。上段は、糖鎖( GlcNAc) 磁性金微粒子によって釣り上げられたタンパク質の MALDI— TOF M assスペクトル、中段は標準物質 PNAの MALDI—TOF Massスペクトル、下段は 標準物質 WGAの MALDI—TOF Massスペクトルを示す。
[図 30]図 30は、金微粒子に結合したタンパク質 アミラーゼ)と阻害剤ァカルボ ースとの混合溶液の、限外ろ過処理前の溶液の MALDI— TOF Massスペクトルを 示す。
[図 31]図 31は、金微粒子に結合したタンパク質 アミラーゼ)と阻害剤ァカルボ ースとの混合溶液の、限外ろ過処理後の溶液の MALDI—TOF Massスペクトルを 示す。
[図 32]図 32は、ォキシァミン金微粒子によって捕捉された糖脂質オゾン酸ィ匕物の M ALDI-TOF Massスペクトルを示す。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及 しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書 において
使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いら れることが理解されるべきである。
[0121] (用語)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
[0122] 本明細書において「金属」とは、その少なくとも一部に、硫黄原子含有物質 (例えば 、チオールまたはジスルフイドなど)が結合可能な金属を含む、金属単体または金属 複合体を意味し、硫黄原子含有物質が結合可能である代表的な金属の種類として、 金、銀、カドミウムおよびセレンなどが挙げられる。
[0123] 本明細書にぉ 、て「金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する」とは、上で定 義した金属が、その表面に照射されて反射したレーザーが何度も金属表面に照射さ れるような凹凸面または湾曲面を有することを意味する。レーザーの乱反射が多いほ ど、質量分析の感度が高くなる。レーザーの乱反射可能な表面を有する金属の理想 的な例として、金属微粒子が挙げられる。
[0124] 本明細書にぉ 、て「金属微粒子」とは、平均粒径 ΙΟηπ!〜 5 μ mを有する上で定義 した金属の粒子を意味し、単分散型であってもよいし、多分散型であってもよい。本 発明の金属微粒子が金属複合体である場合には、その複合体のコアとなる粒子の表 面が、上記硫黄原子含有物質が結合可能な金属の層で覆われた構造をとる。本発 明で使用する代表的な金属微粒子として、金または銀の金属単体の微粒子、あるい は鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )などの磁性粒子の表面が金または銀
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で覆われた金属複合体の微粒子が挙げられる。本発明の「金属微粒子」は、溶液中 でコロイドを形成する。上で挙げた金属微粒子の例のほかにも、商品名 Quantum Dots (Quantum Dot Corporation, Hayward, CA, USA、以下「QDs」と示す )も使用可能である。 QDsに用いられる金属の種類としては、例えば ZnSe、 CdS、 C dSe、 CdTeなどが挙げられる。典型的な例として、コアに CdSe、その周りに ZnSを 持つナノパーティクルがある。表面にでている Znと— SHの結合 (この結合は Au— S と同じ種類)を介して—SH化合物を QDs表面に提示することができる。本明細書に お!、て「微粒子」との用語は、「ナノパーティクル」または「ナノ粒子」と互換可能に使 用され得る。金微粒子の作製およびその応用については、 JACS 125, 7790- 77 91 (2003); Angew Chem Int Ed 40 (12) , 2257- 2261 (2001) ;Chem E ur J 9, 1909— 1921 (2003)【こ記載されて!ヽる。
[0125] 本明細書において「有機残基」とは、下記で定義した「生体分子」および人工的に 合成された有機化合物をさす。
[0126] 本明細書にぉ ヽて「被検体」とは、質量分析でイオン化される分析物を意味し、上 で定義した「有機残基」が含まれる。
[0127] 本明細書において「金属-有機残基複合体」とは、上で定義した金属微粒子の表 面上に硫黄原子を介して有機残基が結合して得られた複合体を意味する。
[0128] 本明細書において「金属-有機残基複合粒子」とは、上で定義した金属微粒子の 表面上に硫黄原子を介して有機残基が結合して得られた微粒子を意味する。本明 細書において、特に金微粒子の表面上に硫黄原子を介して糖鎖または糖鎖含有物 質が結合して得られた微粒子は、「糖鎖—金微粒子」との用語が使用される。
[0129] 本明細書において「金属-被検体複合体」とは、上で定義した金属の表面上に硫 黄原子を介して被検体が結合して得られた複合体を意味する。
[0130] 本明細書にぉ ヽて「金属-被検体複合粒子」とは、上で定義した金属微粒子の表 面上に硫黄原子を介して被検体が結合して得られた微粒子を意味する。
[0131] 本明細書において「質量分析」とは、原子、分子、クラスタ一等の粒子を気体状のィ オンとし (つまり、イオンィ匕し)、真空中で運動させ電磁気力を用いてそれらイオンを質 量電荷比 (mZz)に応じて分離'検出することを意味する。 mZzに応じて分離'検出 されたイオンをもとに、横軸に mZz、縦軸にイオンの相対強度をとつたスペクトルが、 マススペクトルである。分子量情報を与えるイオンは、一般に分子量関連イオン(中性 分子 M力も電子 1個が失われた Μ+·、電子 1個が付加した Μ_·、プロトンが付加した [ Μ + Η] +、プロトンが失われた [Μ— Η] _、ハイドライドが失われた [Μ— Η] +、アル カリ金属 (Naなど)が付加した [M + Na] +などがある)と呼ばれる。試料やイオン化法 (特に EI法では)によっては全く分子量関連イオンが出現しない場合がある力 その 場合はソフトなイオンィ匕法を用いることで分子量関連イオンを確認できる。分子イオン より低質量側に出現するイオンをフラグメントイオンと呼び、このフラグメントイオンは 分子イオンが分解したもので、試料分子の構造情報を与える。スペクトル中最もィォ ン強度の高いイオンをベースピークと呼び、相対強度を 100%としスペクトルを規格 化するために用いる。
[0132] 本発明における「イオン化」は、以下の 7通りの方法の中力も適宜選択して行われる
[0133] 1)電子イオン化法(EI : electron ionization法)
電子イオン化法は、気化した試料に熱電子をあててイオン化する方法で、最も普及 しているイオンィ匕法である。イオンィ匕は試料をガス化して行なうため、液体あるいは個 体試料は予め気化させる必要がある。気化させるのに熱を加えるため熱不安定物質 、難揮発性物質の測定は不可能である。ただし、メチル化、シリル化、ァシル化等の 誘導体化により揮発性、熱安定性が得られる物質の場合は測定が可能となる。通常 70eVのエネルギーでイオン化を行なうため、分子イオンの生成とともに過剰エネル ギ一によりフラグメントイオンが生成する(一般的な有機化合物のイオンィ匕エネルギー は、 10数 eVである)。このフラグメントイオンの情報よりィ匕合物の構造解析が可能とな る。しかし、分子イオンが出にくいため分子量情報が得られない場合が多い。この場 合はイオンィ匕エネルギーを 20eV程度に落す力 よりソフトなイオン化法 (CI、 DEI、 DCI、 FAB、 ESI)を選択する必要がある。
[0134] 2)化学イオン化法(CI : chemical ionization法)
あらかじめイオン化された反応ガス (試薬ガス)の中に気化した試料を送り込みィォ ン化する方法である。イオン分子反応を用いてイオンィ匕するため、イオンィ匕エネルギ 一が有機化合物のイオンィ匕エネルギーに近いためフラグメントイオンが非常に少なく 、分子量情報を持ったイオン((M + H) +、 (M + NH ) +、(M— H) _など)がベース
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イオンとして現れる。反応ガスとしては一般的にメタン、イソブタン、アンモニアが用い られている。
[0135] 3)脱離電子イオン化法(DEI Resorption electron ionization法)
電子線の近傍で瞬間加熱を行な!ヽ試料が熱分解を起こす前に、気化させイオン化 させる方法で、熱不安定物質や難揮発性物質の測定が可能となる。さらに、通常の 直接導入法における EI法より分子イオンが強く出るため分子量情報が得やすくなる。 測定法は、試料溶液をポイント 'フィラメント(直径 100 μ mの白金線)の先端に付着さ せ、イオン源内に挿入後フィラメントを急速加熱し試料を気化させる。
[0136] 4)脱離化学イオン化法(DCI Resorption chemical ionization法)
イオン源を CIの状態で DEIの操作を行なった場合力 DCIである。
[0137] 5)高速原子衝撃)法(FAB : fast atom bombardment法)
試料とマトリックス分子を良く混合し、ターゲット上に塗布し Xe等の高速中性原子を 衝突させイオンィ匕させる方法である。 EI、 CIと違い、試料を気化させる必要がないた め、熱不安定物質や難揮発性物質の測定に適している。しかし、低質量域にはマトリ ックス由来のノ ックグラウンドピークが強く現れるため低分子量の試料は測定が難し い場合がある。その場合は FRIT— FABによる測定が有効である。
[0138] 6)フリット高速原子衝撃法(FRIT—FAB :FRIT—fast atom bombardment法 )
Continuous -flow FABとも呼ばれ、マトリックス溶液に溶解した試料を連続的 に流し溶出液出口を高速中性原子で衝突させイオンィ匕させる方法である。
[0139] 7)エレクトロスプレーイオン化法(ESI : electrospray ionization法)
大気圧イオンィ匕法の一種で、キヤビラリに高電圧を印加すると試料溶液が自ら噴霧 、イオンィ匕を行なう現象を利用したイオン化法である。 FAB同様、試料を気化させる 必要がないため、熱不安定物質や難揮発性物質の測定に適している。このことは、 質量範囲の小さい四重極型のタイプでも分子量の大きなペプチドやタンパクなどが 測定できるようになる。通常の ESI測定では構造情報を持つフラグメントイオンが得ら れないため、通常より高めに電圧を Capillay/Skimmer— 1に印加することにより In source CIDが起き構造情報を持つフラグメントイオンを測定することが可能とな る。
[0140] 本明細書において「MALDI— TOF MS」とは、 Matrix Assisted Laser Des orption Ionization ― Time of— Flight (Mass Spectrometer)の略 f&であ る。 MALDIとは、田中らによって見いだされ、 Hillenkampらによって開発された技 法である(Karas M. , Hillenkamp, F. , Anal. Chem. 1988, 60, 2299— 230 D oこの方法では、試料とマトリックス溶液をモル比で(10一2〜 5 X 10_4): 1に混合し た後、混合溶液を標的上で乾固し、結晶状態にする。パルスレーザー照射により、大 きなエネルギーがマトリックス上に与えられ、(M + H) +、(M + Na) +などの試料由来 イオンとマトリックス由来イオンとが脱離する。微量のリン酸緩衝液、 Tris緩衝液、グァ 二ジンなどで汚染されていても分析可能である。 MALDI-TOF (MS)は、 MALDI を利用して飛行時間を元に質量を測定するものである。イオンが一定の加速電圧 V で加速される場合、イオンの質量を m、イオンの速度を v、イオンの電荷数を z、電気 素量を e、イオンの飛行時間を tとしたとき、イオンの mZzは、
m/z = 2eVt2/L2
で表すことができる。このような MALDI—TOF測定には、島津 ZKratosの KOMP ACT MALDI ΠΖΠΙなどを使用することができる。その測定の際には、製造業者 が作成したパンフレットを参照することができる。 MALDI— TOFの測定時に使用さ れるレーザー照射の照射エネルギーを本明細書にお 、て「解離エネルギー」と 、う。
[0141] 本明細書において「LDI—TOF MS」とは、上で定義した「MALDI—TOF
MS」とは対照的に、低分子マトリックス試薬を使用せずに、レーザー照射により目 的の分子を脱離'イオンィ匕する方法を意味する。
[0142] 本明細書にぉ 、て「同一実体」とは、本明細書にぉ 、て便宜上複数で表現されて いる実体が同じ個体そのものであることを意味する。
[0143] 本明細書において「糖鎖」とは、単位糖 (単糖および Zまたはその誘導体)が 1っ以 上連なってできたィ匕合物をいう。単位糖が 2つ以上連なる場合は、各々の単位糖同 士の間は、グリコシド結合による脱水縮合によって結合する。このような糖鎖としては 、例えば、生体中に含有される多糖類 (グルコース、ガラクトース、マンノース、フコー ス、キシロース、 N—ァセチルダルコサミン、 N—ァセチルガラタトサミン、シアル酸な らびにそれらの複合体および誘導体)の他、分解された多糖、糖タンパク質、プロテ ォグリカン、グリコサミノダリカン、糖脂質などの複合生体分子から分解または誘導さ れた糖鎖など広範囲なものが挙げられるがそれらに限定されない。したがって、本明 細書では、糖鎖は、「多糖 (ポリサッカリド)」、「糖質」、「炭水化物」と互換可能に使用 され得る。また、特に言及しない場合、本明細書において「糖鎖」は、糖鎖および糖 鎖含有物質の両方を包含することがある。 [0144] 本明細書にぉ ヽて「糖鎖含有物質」とは、糖鎖および糖鎖以外の物質を含む物質 をいう。このような糖鎖含有物質は、生体内に多く見出され、例えば、生体中に含有 される多糖類の他、分解された多糖、糖タンパク質、プロテオダリカン、グリコサミノグ リカン、糖脂質などの複合生体分子力も分解または誘導された糖鎖など広範囲なも のが挙げられるがそれらに限定されない。
[0145] 本明細書において「単糖」とは、これより簡単な分子に加水分解されず、少なくとも 1 つの水酸基および少なくとも 1つのアルデヒド基またはケトン基を含む、ポリヒドロキシ アルデヒドまたはポリヒドロキシケトンならびにその誘導体をいう。通常単糖は、一般式 C H Oで表されるがそれらに限定されず、フコース(デォキシへキソース)、 N ァ n 2n n
セチノレグノレコサミンなども含まれる。ここで、上の式【こお!ヽて、 n= 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9および 10であるものを、それぞれジオース、トリオース、テトロース、ペントース、 へキソース、ヘプトース、オタトース、ノノースおよびデコースという。一般に鎖式多価 アルコールのアルデヒドまたはケトンに相当するもので、前者をアルドース、後者をケ トースという。
[0146] 本明細書において特に言及するときは、「単糖の誘導体」は、置換されていない単 糖上の一つ以上の水酸基が別の置換基に置換され、結果生じる物質をいう。そのよ うな単糖の誘導体としては、カルボキシル基を有する糖 (例えば、 C—1位が酸化され てカルボン酸となったアルドン酸(例えば、 D—グルコースが酸化された D ダルコン 酸)、末端の C原子がカルボン酸となったゥロン酸(D グルコースが酸化された D— グルクロン酸)、アミノ基またはァミノ基の誘導体 (例えば、ァセチルイ匕されたァミノ基) を有する糖 (例えば、 N ァセチル— D—ダルコサミン、 N ァセチル— D ガラタト サミンなど)、アミノ基およびカルボキシル基を両方とも有する糖 (例えば、 N ァセチ ルノイラミン酸 (シアル酸)、 N ァセチルムラミン酸など)、デォキシィ匕された糖 (例え ば、 2—デォキシ D リボース)、硫酸基を含む硫酸化糖、リン酸基を含むリン酸ィ匕 糖などがあるがそれらに限定されない。本明細書では、単糖という場合は、上記誘導 体も包含する。あるいは、へミアセタール構造を形成した糖において、アルコールと 反応してァセタール構造のグリコシドもまた、単糖の範囲内にある。
[0147] 本明細書において「相互作用」とは、 2つの物体について言及するとき、その 2つの 物体が相互に力を及ぼしあうことをいう。そのような相互作用としては、例えば、共有 結合、水素結合、ファンデルワールス力、イオン性相互作用、非イオン性相互作用、 疎水性相互作用、静電的相互作用などが挙げられるがそれらに限定されない。好ま しくは、相互作用は、水素結合、疎水性相互作用などである。本明細書において「共 有結合」とは、当該分野における通常の意味で用いられ、電子対が 2つの原子に共 有されて形成する化学結合をいう。本明細書において「水素結合」とは、当該分野に おける通常の意味で用いられ、電気的陰性度の高い原子に一つしかない水素原子 の核外電子が引き寄せられて水素原子核が露出し、これが別の電気的陰性度の高 い原子を引き寄せて生じる結合をいい、例えば、水素原子と電気的陰性度の高い( フッ素、酸素、窒素などの)原子との間にできる。
[0148] 本明細書において「糖鎖または糖鎖含有物質の捕捉」とは、本発明の「金属—有機 残基複合体」または「金属 被検体複合体」と「糖鎖または糖鎖含有物質」との相互 作用によって、上記複合体の糖鎖捕捉部位に糖鎖または糖鎖含有物質が結合され ることを意味する。本発明における複合体の糖鎖捕捉部位は、保護されていてもよい アミノォキシ基、保護されていてもよい N アルキルアミノォキシ基、ヒドラジド基、アジ ド基、チォセミカルバジド基およびシスティン残基ならびにそれらの誘導体を含むこと が好ましい。
[0149] 本明細書にぉ 、て「転移酵素」とは、基転移反応を触媒する酵素の総称を 、う。本 明細書において、「転移酵素」は「トランスフェラーゼ」と互換可能に使用され得る。基 転移反応は、以下の式(1) :
X-Y+Z-H X-H + Z-Y (1)
に示すように、一つの化合物 (供与体)から基 Yが他の化合物 (受容体)に転移する 形で行われる。
[0150] 本明細書において「糖転移酵素」とは、糖 (上記式(1)の基 Yに相当;単位糖または 糖鎖)をある場所 (上記式(1)の化合物 X— Yに相当)から別の場所 (上記式( 1)の化 合物 Z— Hに相当)へと転移させるよう触媒する作用を有する酵素をいう。糖転移酵 素としては、例えば、ガラクトース転移酵素、グルコース転移酵素、シアル酸転移酵 素、マンノース転移酵素、フコース転移酵素、キシロース転移酵素、 N ァセチルダ ルコサミン転移酵素、および N ァセチルガラタトサミン転移酵素などが挙げられるが それらに限定されない。そのような糖転移酵素としては、例えば、糖転移酵素の例と しては、 β 1, 4 ガラクトース転移酵素、 α—1, 3 ガラクトース転移酵素、 β ΐ, 4 ガラクトース転移酵素、 j81, 3—ガラクトース転移酵素、 /31, 6—ガラクトース転移 酵素、ひ 2, 6 シアル酸転移酵素、ひ1, 4 ガラクトース転移酵素、セラミドガラクト ース転移酵素、 αΐ, 2 フコース転移酵素、《1, 3 フコース転移酵素、《1, 4— フコース転移酵素、ひ1, 6 フコース転移酵素、ひ1, 3— Ν ァセチルガラタトサミ ン転移酵素、 αΐ, 6— Ν ァセチルガラタトサミン転移酵素、 β ΐ, 4— Ν ァセチル ガラクトサミン転移酵素、ポリペプチド Ν ァセチルガラタトサミン転移酵素、 β ΐ, 4— Νァセチルダルコサミン転移酵素、 131, 2— Νァセチルダルコサミン転移酵素、 131, 3—Νァセチルダルコサミン転移酵素、 β ΐ, 6— Νァセチルダルコサミン転移酵素、 al, 4— Nァセチルダルコサミン転移酵素、 β ΐ, 4 マンノース転移酵素、 αΐ, 2 —マンノース転移酵素、《1, 3 マンノース転移酵素、《1, 4 マンノース転移酵 素、 αΐ, 6 マンノース転移酵素、 αΐ, 2 グルコース転移酵素、 α 1, 3 ダルコ ース転移酵素、 α2, 3 シアル酸転移酵素、《2, 8 シアル酸転移酵素、《1, 6 ダルコサミン転移酵素、 αΐ, 6—キシロース転移酵素、 j8キシロース転移酵素(プ 口テオダリカンコア構造合成酵素)、 j81, 3—グルクロン酸転移酵素、ヒアルロン酸合 成酵素、他の糖ヌクレオチドを糖ドナーとして用いる糖転移酵素およびドルコールリ ン酸型糖ドナーを用いる糖転移酵素などが挙げられるがそれらに限定されない。
[0151] 本発明にお ヽて「糖鎖伸長反応」とは、上で定義した糖転移酵素の存在下で糖鎖 の鎖長が伸長する反応をいう。
[0152] 本明細書において使用される用語「生体分子」とは、生体に関連する分子をいう。
そのような生体分子を含む試料を、本明細書にぉ 、て特に生体試料と 、うことがある 。本明細書において「生体」とは、生物学的な有機体をいい、動物、植物、菌類、ウイ ルスなどを含むがそれらに限定されない。従って、生体分子は、生体から抽出される 分子を包含するが、それに限定されず、生体に影響を与え得る分子であれば生体分 子の定義に入る。そのような生体分子には、タンパク質、ポリペプチド、オリゴぺプチ ド、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、核酸(例えば、 cDN A、ゲノム DNAのような DNA、 mRNAのような RNAを含む)、ポリサッカリド、オリゴ サッカリド、脂質、低分子 (例えば、ホルモン、リガンド、情報伝達物質、有機低分子な ど)、これらの複合分子などが包含されるがそれらに限定されない。本明細書では、 生体分子は、好ましくは、糖鎖または糖鎖を含む複合分子 (例えば、糖タンパク質、 糖脂質など)であり得る。
[0153] そのような生体分子の供給源としては、生物由来の糖鎖が結合または付属する材 料であれば特にその由来に限定はなぐ動物、植物、細菌、ウィルスを問わない。より 好ましくは動物由来生体試料が挙げられる。好ましくは、例えば、全血、血漿、血清、 汗、唾液、尿、膝液、羊水、髄液等が挙げられ、より好ましくは血漿、血清、尿が挙げ られる。生体試料には個体から予め分離されていない生体試料も含まれる。例えば 外部から試液が接触可能な粘膜組織、あるいは腺組織、好ましくは乳腺、前立腺、 脾臓に付属する管組織の上皮が含まれる。
[0154] 本明細書において使用される用語「タンパク質」、「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」 および「ペプチド」は、本明細書において同じ意味で使用され、任意の長さのアミノ酸 のポリマーをいう。このポリマーは、直鎖であっても分岐していてもよぐ環状であって もよい。アミノ酸は、天然のものであっても非天然のものであってもよぐ改変されたァ ミノ酸であってもよい。この用語はまた、複数のポリペプチド鎖の複合体へとァセンブ ルされたものを包含し得る。この用語はまた、天然または人工的に改変されたァミノ 酸ポリマーも包含する。そのような改変としては、例えば、ジスルフイド結合形成、ダリ コシル化、脂質化、ァセチル化、リン酸ィ匕または任意の他の操作もしくは改変(例え ば、標識成分との結合体化)。この定義にはまた、例えば、アミノ酸の 1または 2以上 のアナログを含むポリペプチド (例えば、非天然のアミノ酸などを含む)、ペプチド様 化合物(例えば、ぺプトイド)および当該分野にお!、て公知の他の改変が包含される 。本発明の遺伝子産物は、通常ポリペプチド形態をとる。このようなポリペプチド形態 の本発明の遺伝子産物は、本発明の診断、予防、治療または予後のための組成物 として有用である。
[0155] 本明細書において使用される用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「 核酸」は、本明細書において同じ意味で使用され、任意の長さのヌクレオチドのポリ マーをいう。この用語はまた、「誘導体オリゴヌクレオチド」または「誘導体ポリヌクレオ チド」を含む。「誘導体オリゴヌクレオチド」または「誘導体ポリヌクレオチド」とは、ヌク レオチドの誘導体を含む力、またはヌクレオチド間の結合が通常とは異なるオリゴヌク レオチドまたはポリヌクレオチドをいい、互換的に使用される。そのようなオリゴヌタレ ォチドとして具体的には、例えば、 2 ' O—メチルーリボヌクレオチド、オリゴヌクレオ チド中のリン酸ジエステル結合がホスホロチォエート結合に変換された誘導体オリゴ ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合が N3,一 P5,ホスホロアミ デート結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリボースと リン酸ジエステル結合とがペプチド核酸結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、 オリゴヌクレオチド中のゥラシルが C 5プロピ-ルゥラシルで置換された誘導体オリ ゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のゥラシルが C— 5チアゾールゥラシルで置換さ れた誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンが C— 5プロピニルシト シンで置換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフエノ キサジン修飾シトシン(phenoxazine— modified cytosine)で置換された誘導体 オリゴヌクレオチド、 DNA中のリボースが 2,—O プロピルリボースで置換された誘 導体オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド中のリボースが 2,ーメトキシエトキシリ ボースで置換された誘導体オリゴヌクレオチドなどが例示される。他にそうではな!/、と 示されなければ、特定の核酸配列はまた、明示的に示された配列と同様に、その保 存的に改変された改変体 (例えば、縮重コドン置換体)および相補配列を包含するこ とが企図される。具体的には、縮重コドン置換体は、 1またはそれ以上の選択された( または、すべての)コドンの 3番目の位置が混合塩基および Zまたはデォキシイノシ ン残基で置換された配列を作成することにより達成され得る(Batzerら、 Nucleic A cid Res. 19 : 5081 (1991) ; Ohtsukaら、 Biol. Chem. 260 : 2605— 2608 (1 985); Rossoliniら、 Mol. Cell. Probes 8 : 91— 98 (1994) )。本発明の遺伝子は 、通常、このポリヌクレオチド形態をとる。このようなポリヌクレオチド形態の本発明の 遺伝子または遺伝子産物は、本発明の診断、予防、治療または予後のための糸且成 物として有用である。
本明細書において、物質 (例えば、糖鎖、核酸またはタンパク質などの生物学的因 子)の「単離」とは、その生物学的因子が天然に存在する生物体の細胞内の他の物 質 (例えば、糖鎖または糖鎖含有物質である場合、糖鎖または糖鎖含有物質以外の 因子、あるいは、目的とする糖鎖または糖鎖含有物質以外の糖鎖または糖鎖含有物 質;核酸である場合、核酸以外の因子および目的とする核酸以外の核酸配列を含む 核酸;タンパク質である場合、タンパク質以外の因子および目的とするタンパク質以 外のアミノ酸配列を含むタンパク質など)力も実質的に分離または精製されたものを いう。「単離された」、糖鎖または糖鎖含有物質には、本発明の精製方法によって精 製された糖鎖または糖鎖含有物質が含まれる。したがって、単離された糖鎖または糖 鎖含有物質は、化学的に合成した糖鎖または糖鎖含有物質を包含する。
[0157] 本明細書において、物質 (例えば、糖鎖、核酸またはタンパク質などの生物学的因 子)の「精製」とは、その物質に天然に随伴する因子の少なくとも一部を除去すること をいう。したがって、精製および分離は、その形態が一部重複する。したがって、通常 、精製された物質 (例えば、糖鎖または糖鎖含有物質のような生物学的因子)におけ るその物質の純度は、その物質が通常存在する状態よりも高い (すなわち濃縮されて いる)が、天然に随伴する因子が低減されている限り、濃縮されていない状態も「精製 」の概念に包含される。
[0158] 本明細書において物質 (例えば、糖鎖または糖鎖含有物質のような生物学的因子 )の「濃縮」とは、その物質が濃縮前に試料に含まれている含有量よりも高い濃度に 上昇させる行為をいう。従って、濃縮もまた、精製および分離と、その概念が一部重 複する。したがって、通常、濃縮された物質 (例えば、糖鎖または糖鎖含有物質のよう な生物学的因子)は、その物質が通常存在する状態における不純物の含有量は低 減されているが、目的とする物質の含有量が増カロしている限り、ある特定の不純物が 増加して!/、てもよく、「精製」されて 、な 、状態も「濃縮」の概念に包含される。
[0159] 本明細書において「金属一有機残基複合体と糖鎖または糖鎖含有物質とが反応し うる条件」とは、金属一有機残基複合体と、糖鎖または糖鎖含有物質とが相互作用し 得る (好ましくは、共有結合を形成する)のに十分な条件 (例えば、緩衝剤、溶媒の極 性、温度、 pH、塩濃度、圧力など)をいう。このような条件を設定するのに必要なパラ メータの設定は、当業者の技術範囲内であり、相互作用の種類、糖鎖または糖鎖含 有物質の種類、糖鎖捕捉担体の種類 (例えば、アルデヒド基と流体中で反応し得る 官能基として、保護されていてもよいアミノォキシ基、保護されていてもよい N アル キルアミノォキシ基、ヒドラジド基、アジド基、チォセミカルバジド基およびシスティン残 基ならびにそれらの誘導体)など相互作用に関連する諸パラメータを考慮することに より、当業者は、そのような条件を当該分野において周知の技術を用いて設定し、相 互作用反応を行わせることができる。好ましい実施形態では、そのような条件は、糖 鎖が水溶液などの流体中で形成する環状のへミアセタール型と非環状のアルデヒド 型との平衡にぉ 、て、アルデヒド基と反応して特異的かつ安定な結合を形成させるよ うな条件が挙げられるがそれに限定されない。あるいは、反応に供する流体にケト基 が実質的に含まれて 、な 、こともまた 1つの好ま 、条件であり得る。そのような条件 としては、例えば、 pH5. 6の酢酸緩衝液を常温常圧 (例えば、 20°Cおよび 1気圧)に て用いることなどが挙げられる。
[0160] (有機化学)
有機化学については、例えば、 Organic Chemistry, R. T. Morrison, R. N. Boyd 5th ed. (1987年)などに記載されており、これらは本明細書において関連 する部分が参考として援用される。
[0161] 本明細書においては、特に言及がない限り、「置換」は、ある有機化合物または置 換基中の 1または 2以上の水素原子を他の原子または原子団で置き換えることをいう 。水素原子を 1つ除去して 1価の置換基に置換することも可能であり、そして水素原 子を 2つ除去して 2価の置換基に置換することも可能である。
[0162] 本発明の「金属一有機残基複合体」の有機残基または「金属 被検体複合体」の 被検体が、置換 Rによって置換されている場合、そのような Rは、単数または複数存 在し、複数存在する場合は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換されたアルキ ル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ァルケ-ル、置換されたァルケ-ル 、シクロアルケ-ル、置換されたシクロアルケ-ル、アルキ -ル、置換されたアルキ- ル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、炭素環基、置換された炭素環基、ヘテロ環 基、置換されたへテロ環基、ハロゲン、ヒドロキシ、置換されたヒドロキシ、チオール、 置換されたチオール、シァ入ニトロ、アミ入置換されたアミ入カルボキシ、置換され たカノレボキシ、アシノレ、置換されたアシノレ、チォカノレボキシ、置換されたチォカノレボ キシ、アミド、置換されたアミド、置換されたカルボ-ル、置換されたチォカルボ-ル、 置換されたスルホ-ルおよび置換されたスルフィエルからなる群より選択される。
[0163] 本発明の「金属一有機残基複合体」または「金属 被検体複合体」を水系の溶媒 に対する溶解度を上げるための置換基 Rとしては、カルボキシル基またはァミノ基な どの極性基そのもの、または、分子内にカルボキシル基またはアミノ基などの極性基 を置換基として有する飽和または不飽和炭素鎖であることが好ましい。逆に、本発明 の「金属一有機残基複合体」を有機系の溶媒に可溶化させるための置換基 Rとして は、疎水性のものが好ましぐ例えば、 C1〜C6アルキル、 C1〜C5アルキル、 Cl〜 C4アルキル、 C1〜C3アルキル、 C1〜C2アルキルなどが挙げられる。
[0164] 本明細書にぉ 、て「ヘテロ環 (基)」とは、炭素およびへテロ原子をも含む環状構造 を有する基をいう。ここで、ヘテロ原子は、 0、 Sおよび N力もなる群より選択され、同 一であっても異なっていてもよぐ 1つ含まれていても 2以上含まれていてもよい。へテ 口環基は、芳香族系または非芳香族系であり得、そして単環式または多環式であり 得る。ヘテロ環基は置換されていてもよい。
[0165] 本明細書において「アルコール」とは、脂肪族炭化水素の 1または 2以上の水素原 子をヒドロキシル基で置換した有機化合物をいう。本明細書においては、 ROHとも表 記される。ここで、 Rは、アルキル基である。好ましくは、 Rは、 C1〜C6アルキルであり 得る。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、 1 プロパノール、 2—プ ロノ V—ルなどが挙げられるがそれらに限定されない。
[0166] 本明細書にぉ 、て「アルキル」とは、メタン、ェタン、プロパンのような脂肪族炭化水 素(アルカン)力も水素原子が一つ失われて生ずる 1価の基をいい、一般に C H
n 2n+ l 一で表される(ここで、 nは正の整数である)。アルキルは、直鎖または分枝鎖であり得 る。本明細書において「置換されたアルキル」とは、以下に規定する置換基によって アルキルの Hが置換されたアルキルをいう。これらの具体例は、 C1〜C2アルキル、 C1〜C3アルキル、 C1〜C4アルキル、 C1〜C5アルキル、 C1〜C6アルキル、 C1 〜C7アルキル、 C1〜C8アルキル、 C1〜C9アルキル、 C1〜C10アルキル、 Cl〜 C11アルキルまたは C1〜C12アルキル、 C1〜C2置換されたアルキル、 C1〜C3置 換されたアルキル、 C1〜C4置換されたアルキル、 C1〜C5置換されたアルキル、 C 1〜C6置換されたアルキル、 C1〜C7置換されたアルキル、 C1〜C8置換されたァ ルキル、 C1〜C9置換されたアルキル、 C1〜C10置換されたアルキル、 C1〜C11 置換されたアルキルまたは C1〜C 12置換されたアルキルであり得る。ここで、例えば C 1〜C 10アルキルとは、炭素原子を 1〜 10個有する直鎖または分枝状のアルキル を意味し、メチル(CH—)、ェチル(C H一)、 n—プロピル(CH CH CH—)、イソ
3 2 5 3 2 2 プロピル((CH ) CH―)、 n—ブチル(CH CH CH CH―)、 n—ペンチル(CH C
3 2 3 2 2 2 3
H CH CH CH一)、 n—へキシル(CH CH CH CH CH CH一)、 n—ヘプチル
2 2 2 2 3 2 2 2 2 2
(CH CH CH CH CH CH CH― )、 n—ォクチル(CH CH CH CH CH CH C
3 2 2 2 2 2 2 3 2 2 2 2 2
H CH―)、 n—ノニル(CH CH CH CH CH CH CH CH CH―)、 n—デシル
2 2 3 2 2 2 2 2 2 2 2
(CH CH CH CH CH CH CH CH CH CH一)、 C (CH ) CH CH CH (C
3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 2 2 2
H ) 、— CH CH (CH ) などが例示される。また、例えば、 C1〜C10置換されたァ
3 2 2 3 2
ルキルとは、 C1〜C10アルキルであって、そのうち 1または複数の水素原子が置換 基により置換されて 、るものを 、う。
[0167] 本明細書において、「低級アルキル」は、 C1〜C6アルキルであり、好ましくは、 C1 または C2アルキルである。
[0168] 本明細書において「シクロアルキル」とは、環式構造を有するアルキルをいう。「置換 されたシクロアルキル」とは、以下に規定する置換基によってシクロアルキルの Hが置 換されたシクロアルキルをいう。具体例としては、 C3〜C4シクロアルキル、 C3〜C5 シクロアルキル、 C3〜C6シクロアルキル、 C3〜C7シクロアルキル、 C3〜C8シクロ アルキル、 C3〜C9シクロアルキル、 C3〜C10シクロアルキル、 C3〜C11シクロアル キル、 C3〜C12シクロアルキル、 C3〜C4置換されたシクロアルキル、 C3〜C5置換 されたシクロアルキル、 C3〜C6置換されたシクロアルキル、 C3〜C7置換されたシク 口アルキル、 C3〜C8置換されたシクロアルキル、 C3〜C9置換されたシクロアルキ ル、 C3〜C10置換されたシクロアルキル、 C3〜C11置換されたシクロアルキルまた は C3〜C12置換されたシクロアルキルであり得る。例えば、シクロアルキルとしては、 シクロプロピル、シクロへキシルなどが例示される。
[0169] 本明細書中、「アルキレン」とは、「アルキル」から導かれる 2価の基であって、例え ば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、へキサメチレン、 ヘプタメチレン、才クタメチレン、ノナンメチレン、デカンメチレン、ゥンデカメチレン、ド デカメチレン等が挙げられる。
[0170] 本明細書において「ァルケ-ル」とは、エチレン、プロピレンのような、分子内に二重 結合を一つ有する脂肪族炭化水素力 水素原子が一つ失われて生ずる 1価の基を いい、一般に C H 一で表される(ここで、 nは 2以上の正の整数である)。「置換さ
n 2n_ l
れたァルケ-ル」とは、以下に規定する置換基によってァルケ-ルの Hが置換された ァルケ-ルをいう。具体例としては、 C2〜C3アルケ-ル、 C2〜C4アルケ-ル、 C2 〜C5アルケニル、 C2〜C6ァルケ-ル、 C2〜C7ァルケ-ル、 C2〜C8アルケ -ル、 C2〜C9ァルケ-ル、 C2〜C10ァルケ-ル、じ2〜じ11ァルケ-ルまたはじ2〜じ12 ァルケ-ル、 C2〜C3置換されたァルケ-ル、 C2〜C4置換されたァルケ-ル、 C2 〜C5置換されたァルケ-ル、 C2〜C6置換されたァルケ-ル、 C2〜C7置換された ァルケ-ル、 C2〜C8置換されたァルケ-ル、 C2〜C9置換されたァルケ-ル、 C2 〜C 10置換されたァルケ-ル、じ2〜じ11置換されたァルケ-ルまたはじ2〜じ12置 換されたァルケ-ルであり得る。ここで、例えば C2〜C10アルキルとは、炭素原子を 2〜: L0個含む直鎖または分枝状のァルケ-ルを意味し、ビュル (CH =CH— )、ァリ
2
ル(CH =CHCH―)、 CH CH = CH—などが例示される。また、例えば、 C2〜C
2 2 3
10置換されたァルケ-ルとは、 C2〜C10ァルケ-ルであって、そのうち 1または複数 の水素原子が置換基により置換されて 、るものを 、う。
[0171] 本明細書において「シクロアルケ-ル」とは、環式構造を有するァルケ-ルをいう。「 置換されたシクロアルケ-ル」とは、以下に規定する置換基によってシクロアルケ-ル の Hが置換されたシクロアルケ-ルをいう。具体例としては、 C3〜C4シクロアルケ- ル、 C3〜C5シクロアルケ-ル、 C3〜C6シクロアルケ-ル、 C3〜C7シクロアルケ- ル、 C3〜C8シクロアルケ-ル、 C3〜C9シクロアルケ-ル、 C3〜C10シクロアルケ -ル、 C3〜C11シクロアルケ-ル、 C3〜C12シクロアルケ-ル、 C3〜C4置換され たシクロアルケ-ル、 C3〜C5置換されたシクロアルケ-ル、 C3〜C6置換されたシク ロアルケ-ル、 C3〜C7置換されたシクロアルケ-ル、 C3〜C8置換されたシクロアル ケ -ル、 C3〜C9置換されたシクロアルケ-ル、 C3〜C10置換されたシクロアルケ- ル、じ3〜じ11置換されたシクロァルケ-ルまたはじ3〜じ12置換されたシクロァルケ -ルであり得る。例えば、好ましいシクロアルケ-ルとしては、 1—シクロペンテ-ル、 2—シクロへキセ-ルなどが例示される。
[0172] 本明細書中、「ァルケ-レン」とは、「ァルケ-ル」から導かれる 2価の基であって、例 えば、ビ-レン、プロべ-レン、ブテ-レン等が挙げられる。
[0173] 本明細書において「アルキニル」とは、アセチレンのような、分子内に三重結合を一 つ有する脂肪族炭化水素から水素原子が一つ失われて生ずる 1価の基を 、い、一 般に C H 一で表される(ここで、 nは 2以上の正の整数である)。「置換されたアル n 2n_3
キ -ル」とは、以下に規定する置換基によってアルキ-ルの Hが置換されたアルキ- ルをいう。具体例としては、 C2〜C3アルキ-ル、 C2〜C4アルキ-ル、 C2〜C5アル キ -ル、 C2〜C6アルキ-ル、 C2〜C7アルキ-ル、 C2〜C8アルキ -ル、 C2〜C9 アルキ -ル、 C2〜C10アルキ-ル、 C2〜C11アルキ-ル、 C2〜C12アルキニル、 C2〜C3置換されたアルキ-ル、 C2〜C4置換されたアルキ-ル、 C2〜C5置換され たアルキ-ル、 C2〜C6置換されたアルキ-ル、 C2〜C7置換されたアルキ-ル、 C 2〜C8置換されたアルキ-ル、 C2〜C9置換されたアルキ-ル、 C2〜C10置換され たアルキ-ル、 C2〜C11置換されたアルキ-ルまたは C2〜C12置換されたアルキ -ルであり得る。ここで、例えば、 C2〜C10アルキ-ルとは、例えば炭素原子を 2〜1 0個含む直鎖または分枝状のアルキ-ルを意味し、ェチュル(CH≡C—)、 1 プロ ピニル(CH C≡C )などが例示される。また、例えば、 C2〜C10置換されたアルキ
3
ニルとは、 C2〜C10アルキ-ルであって、そのうち 1または複数の水素原子が置換 基により置換されて 、るものを 、う。
[0174] 本明細書中、「アルキ-レン」とは、「アルキ -ル」から導かれる 2価の基であって、 例えば、プロピ-レン、プチ-レン等が挙げられる。
[0175] 本明細書において「アルコキシ」とは、アルコール類のヒドロキシ基の水素原子が失 われて生ずる 1価の基をいい、一般に C H O で表される(ここで、 nは 1以上の
n 2n+ l
整数である)。「置換されたアルコキシ」とは、以下に規定する置換基によってアルコ キシの Hが置換されたアルコキシをいう。具体例としては、 C1〜C2アルコキシ、 C1 〜C3アルコキシ、 C1〜C4アルコキシ、 C1〜C5アルコキシ、 C1〜C6アルコキシ、 C 1〜C7アルコキシ、 C1〜C8アルコキシ、 C1〜C9アルコキシ、 C1〜C10アルコキシ 、 C1〜C11アルコキシ、 C1〜C12アルコキシ、 C1〜C2置換されたアルコキシ、 C1 〜C3置換されたアルコキシ、 C1〜C4置換されたアルコキシ、 C1〜C5置換されたァ ルコキシ、 C1〜C6置換されたアルコキシ、 C1〜C7置換されたアルコキシ、 C1〜C 8置換されたアルコキシ、 C1〜C9置換されたアルコキシ、 C1〜C10置換されたアル コキシ、 C1〜C11置換されたアルコキシまたは C 1〜C 12置換されたアルコキシであ り得る。ここで、例えば、 C1〜C10アルコキシとは、炭素原子を 1〜: L0個含む直鎖ま たは分枝状のアルコキシを意味し、メトキシ(CH O— )、エトキシ(C H O— )、 n—プ
3 2 5
口ポキシ(CH CH CH O—)などが例示される。
3 2 2
[0176] 本明細書において「炭素環基」とは、炭素のみを含む環状構造を含む基であって、 前記の「シクロアルキル」、「置換されたシクロアルキル」、 「シクロアルケ-ル」、「置換 されたシクロアルケ-ル」以外の基を 、う。炭素環基は芳香族系または非芳香族系で あり得、そして単環式または多環式であり得る。「置換された炭素環基」とは、以下に 規定する置換基によって炭素環基の Hが置換された炭素環基を 、う。具体例として は、 C3〜C4炭素環基、 C3〜C5炭素環基、 C3〜C6炭素環基、 C3〜C7炭素環基 、 C3〜C8炭素環基、 C3〜C9炭素環基、 C3〜C10炭素環基、 C3〜C11炭素環基 、 C3〜C12炭素環基、 C3〜C4置換された炭素環基、 C3〜C5置換された炭素環 基、 C3〜C6置換された炭素環基、 C3〜C7置換された炭素環基、 C3〜C8置換さ れた炭素環基、 C3〜C9置換された炭素環基、 C3〜C10置換された炭素環基、 C3 〜C11置換された炭素環基または C3〜C12置換された炭素環基であり得る。炭素 環基はまた、 C4〜C7炭素環基または C4〜C7置換された炭素環基であり得る。炭 素環基としては、フエニル基力 水素原子が 1個欠失したものが例示される。ここで、 水素の欠失位置は、化学的に可能な任意の位置であり得、芳香環上であってもよぐ 非芳香環上であってもよ 、。
[0177] 本明細書において「ヘテロ環基」とは、炭素およびへテロ原子をも含む環状構造を 有する基をいう。ここで、ヘテロ原子は、 0、 Sおよび N力もなる群より選択され、同一 であっても異なっていてもよく、 1つ含まれていても 2以上含まれていてもよい。ヘテロ 環基は、芳香族系または非芳香族系であり得、そして単環式または多環式であり得 る。「置換されたへテロ環基」とは、以下に規定する置換基によってへテロ環基の Hが 置換されたへテロ環基をいう。具体例としては、 C3〜C4炭素環基、 C3〜C5炭素環 基、 C3〜C6炭素環基、 C3〜C7炭素環基、 C3〜C8炭素環基、 C3〜C9炭素環基 、 C3〜C10炭素環基、 C3〜C11炭素環基、 C3〜C12炭素環基、 C3〜C4置換さ れた炭素環基、 C3〜C5置換された炭素環基、 C3〜C6置換された炭素環基、 C3 〜C7置換された炭素環基、 C3〜C8置換された炭素環基、 C3〜C9置換された炭 素環基、 C3〜C10置換された炭素環基、じ3〜じ11置換された炭素環基またはじ3 〜C 12置換された炭素環基の 1つ以上の炭素原子をへテロ原子で置換したものであ り得る。ヘテロ環基はまた、 C4〜C7炭素環基または C4〜C7置換された炭素環基 の炭素原子を 1つ以上へテロ原子で置換したものであり得る。ヘテロ環基としては、 チェニル基、ピロリル基、フリル基、イミダゾリル基、ピリジル基などが例示される。水 素の欠失位置は、化学的に可能な任意の位置であり得、芳香環上であってもよぐ非 芳香環上であってもよい。
[0178] 本明細書において「フ -ル基」とは、 C6芳香族系炭素環基であり、ベンゼンから Hを 1個欠失した官能基である。「置換されたフエ-ル基」とは、フエニル基の Hが以 下で定義される置換基で置換されたものを ヽぅ。
[0179] 本明細書において、炭素環基またはへテロ環基は、下記に定義されるように 1価の 置換基で置換され得ることに加えて、 2価の置換基で置換され得る。そのような二価 の置換は、ォキソ置換 ( = O)またはチォキソ置換( = S)であり得る。
[0180] 本明細書において「ハロゲン」とは、周期表 7B族に属するフッ素 (F)、塩素(Cl)、 臭素(Br)、ヨウ素(I)などの元素の 1価の基をいう。
[0181] 本明細書において「ヒドロキシ」とは、 OHで表される基をいう。「置換されたヒドロ キシ」とは、ヒドロキシの Hが下記で定義される置換基で置換されて 、るものを 、う。
[0182] 本明細書にぉ 、て「チオール」とは、ヒドロキシ基の酸素原子を硫黄原子で置換し た基 (メルカプト基)であり、 SHで表される。「置換されたチオール」とは、メルカプト の Hが下記で定義される置換基で置換されて 、る基を 、う。
[0183] 本明細書において「シァノ」とは、—CNで表される基をいう。「ニトロ」とは、 -NO
2 で表される基をいう。「ァミノ」とは、 -NHで表される基をいう。「置換されたァミノ」と は、ァミノの Hが以下で定義される置換基で置換されたものを 、う。
[0184] 本明細書において「カルボキシ」とは、—COOHで表される基をいう。「置換された カルボキシ」とは、カルボキシの Hが以下に定義される置換基で置換されたものをいう
[0185] 本明細書にぉ 、て「チォカルボキシ」とは、カルボキシ基の酸素原子を硫黄原子で 置換した基をいい、 C ( = S) OH、— C ( = 0) SHまたは— CSSHで表され得る。「 置換されたチォカルボキシ」とは、チォカルボキシの Hが以下に定義される置換基で 置換されたものをいう。
[0186] 本明細書中、「ァシル」とは、カルボ-ルに前記「アルキル」が結合したアルキル力 ルポ-ル、アルキル部分が前記「シクロアルキル」が結合したシクロアルキルカルボ- ル、カルボ-ルに前記「ァリール」が結合したァリールカルボ-ルを意味する。例えば 、ァセチル、 n—プロパノィル、 i—プロパノィル、 n—ブチロイル、 tーブチロイル、シク 口プロパノィル、シクロブタノィル、シクロペンタノィル、シクロへキサノィル、ベンゾィ ル、 a ナフトイル、 β ナフトイルを意味する。「置換されたァシル」とは、ァシルの 水素を以下に定義される置換基で置換したものをいう。
[0187] 本明細書にぉ 、て「アミド」とは、アンモニアの水素を酸基 (ァシル基)で置換した基 であり、好ましくは、 -CONH
2で表される。「置換されたアミド」とは、アミドが置換され たものをいう。
[0188] 本明細書において「カルボ-ル」とは、アルデヒドおよびケトンの特性基である一(C
=ο) を含むものを総称したものをいう。「置換されたカルボ-ル」は、下記におい て選択される置換基で置換されているカルボ二ル基を意味する。
[0189] 本明細書にぉ 、て「チォカルボ-ル」とは、カルボニルにおける酸素原子を硫黄原 子に置換した基であり、特性基—(C = S)—を含む。チォカルボ-ルには、チオケト ンおよびチォアルデヒドが含まれる。「置換されたチォカルボ-ル」とは、下記におい て選択される置換基で置換されたチォカルボニルを意味する。
[0190] 本明細書において「スルホ -ル」とは、特性基である SO を含むものを総称し
2
たものをいう。「置換されたスルホ -ル」とは、下記において選択される置換基で置換 されたスルホ -ルを意味する。 [0191] 本明細書において「スルフィエル」とは、特性基である SO—を含むものを総称し たものをいう。「置換されたスルフィエル」とは、下記において選択される置換基で置 換されて!/、るスルフィエルを意味する。
[0192] 本明細書において「ァリール」とは、芳香族炭化水素の環に結合する水素原子が 1 個離脱して生ずる基をいい、本明細書において、「炭素環基」に包含される。例えば 、フエ-ル、 a—ナフチル、 13—ナフチル、アンス-ル、インデュル、フエナンスリル等 が挙げられる。「置換されたァリール」とは、下記において選択される置換基で置換さ れて 、るァリールを意味する。
[0193] 本明細書にぉ 、て「ヘテロァリール」とは、ヘテロ原子を含有する芳香族炭化水素 の環に結合する水素原子が 1個離脱して生ずる基をいい、本明細書において、「へ テロ環基」に包含される。例えば、フラニル、チォフエ-ル、ピリジル等が挙げられる。 「置換されたへテロァリール」とは、下記において選択される置換基で置換されている ヘテロァリールを意味する。
[0194] 本明細書中、「ァリレン」とは、例えば、フエ-レン、ナフチレン等が挙げられる。さら に詳しくは、 1 , 2 フエ-レン、 1 , 3 フエ-レン、 1 , 4 フエ-レン等が挙げられる。
[0195] 本明細書中、「ヘテロァリレン」とは、例えば、チォフェンジィル、フランジィル、ピリ ジンジィル等が挙げられる。さらに詳しくは、 2, 5 チォフェンジィル、 2, 5 フラン ジィル等が挙げられる。
[0196] 本明細書にぉ 、て「ヒドロキシルァミノ」とは、ヒドロキシルァミン NH OHから水素原
2
子を除いてできる 1価の基をいう。「置換されたヒドロキシルァミノ」とは、下記において 選択される置換基で置換されているヒドロキシルァミノを意味する。
[0197] 本明細書において「N アルキルヒドロキシルァミノ」とは、ヒドロキシルァミンの窒素 原子に結合する水素原子をアルキル基で置換したヒドロキシルァミノを意味する。
[0198] 本明細書において「ヒドラジド」とは、 CONHNHで表される基をいう。「置換され
2
たヒドラジド」とは、下記にお!ヽて選択される置換基で置換されて ヽるヒドラジドを意味 する。
[0199] 本明細書にぉ 、て「チォセミカルバジド」とは、 H NCSNHNHで表される基を 、う
2 2
。「置換されたチォセミカルバジド」とは、下記において選択される置換基で置換され て 、るチォセミカルバジドを意味する。
[0200] 本明細書において「エステル」とは、特性基である— COO を含むものを総称した ものをいう。「置換されたエステル」とは、下記において選択される置換基で置換され て 、るエステルを意味する。
[0201] 本明細書において「4級アンモ-ゥム塩」とは、 N+ (R4) (R5) (R6)で表
される基であり、 R4、 R5および R6は低級アルキル基を意味する。ここでいう「低級アル キル」とは上記で定義したとおりである。通常、「4級アンモ-ゥム塩」は、 N+ (R4) ( R5) (R6)とハロゲンィ匕物イオンとが対をなして塩を形成する。
[0202] 本明細書において「水酸基」とは、 OHで表される基をいう。「水酸基」は、「ヒドロ キシル基」と互換可能である。
[0203] 本発明において、「アルデヒド」とは、特性基である一 CHOを含むものを総称したも のをいう。「置換されたアルデヒド」とは、下記において選択される置換基で置換され ているアルデヒドを意味し、「アルデヒド誘導体」と互換可能に使用され得る。
[0204] 本発明にお 、て、「カルボン酸」とは、特性基である一 COOHを含むものを総称し たものをいう。「置換されたカルボン酸」とは、下記において選択される置換基で置換 されているカルボン酸を意味し、「アルデヒド誘導体」と互換可能に使用され得る。
[0205] 本明細書において、 Cl、 C2、、、 Cnは、炭素数を表す。従って、 C1は炭素数 1個 の置換基を表すために使用される。
[0206] 本明細書において、「光学異性体」とは、結晶または分子の構造が鏡像関係にあつ て、重ねあわせることのできない一対の化合物の一方またはその組をいう。立体異性 体の一形態であり、他の性質は同じであるにもかかわらず、旋光性のみが異なる。
[0207] 本明細書においては、特に言及がない限り、置換は、ある有機化合物または置換 基中の 1または 2以上の水素原子を他の原子または原子団で置き換えることをいう。 水素原子を 1つ除去して 1価の置換基に置換することも可能であり、そして水素原子 を 2つ除去して 2価の置換基に置換することも可能である。
[0208] 置換基としては、アルキル、シクロアルキル、ァルケ-ル、シクロアルケ-ル、アルキ -ル、アルコキシ、炭素環基、ヘテロ環基、ハロゲン、ヒドロキシ、、チオール、シァ入 ニトロ、ァミノ、カルボキシ、力ルバモイル、ァシル、ァシルァミノ、チォカルボキシ、アミ ド、置換されたカルボ-ル、置換されたチォカルボ-ル、置換されたスルホ-ルまた は置換されたスルフィニルが挙げられるがそれらに限定されな ヽ。置換基が置換され た場合は、アルキル、シクロアルキル、ァルケ-ル、シクロアルケ-ル、アルキニル、 アルコキシ、ァルケ-ルォキシ、アルキ -ルォキシ、アルコキシアルキル、ハロゲノア ルキル、ハロゲン、ニトロ、シァ入ァシル、ァシルォキシ、ヒドロキシ、メルカプト、カル ボキシ、チォカルボキシ、アルコキシカルボニル、ァリールォキシカルボニル、力ルバ モイル、置換されていてもよいァミノで置換され得る。
[0209] 本明細書において「保護反応」とは、 Boc (t—ブトキシカルボ-ル基)のような保護 基を、保護が所望される官能基に付加する反応をいう。保護基により官能基を保護 することによって、より反応性の高い官能基の反応を抑制し、より反応性の低い官能 基のみを反応させることができる。
[0210] 本明細書にぉ ヽて「脱保護反応」とは、 Bocのような保護基を脱離させる反応を ヽぅ 。脱保護反応としては、トリフルォロ酢酸 (TFA)による反応および PdZCを用いる還 元反応のような反応が挙げられる。
[0211] 本明細書において「保護基」としては、例えば、フルォレニルメトキシカルボ-ル(F moc)基、ァセチル基、ベンジル基、ベンゾィル基、 t—ブトキシカルボ-ル基、 tーブ チルジメチル基、シリル基、トリメチルシリルェチル基、 N フタルイミジル基、トリ メチルシリルェチルォキシカルボ-ル基、 2 -トロー 4, 5 ジメトキシベンジル基、 2 -トロー 4, 5—ジメトキシベンジルォキシカルボ-ル基、力ルバメート基などが代表 的な保護基として挙げられる。保護基は、例えば、アミノ基、カルボキシル基などの反 応性の官能基を保護するために用いることができる。反応の条件や目的に応じ、種 々の保護基を使い分けることができる。ヒドロキシ基の保護基にはァセチル基、ベン ジル基、シリル基またはそれらの誘導体などが、ァミノ基の保護基にはァセチル基の ほかべンジルォキシカルボ-ル基、 t ブトキシカルボ-ル基またはそれらの誘導体 などを使用することができる。アミノォキシ基および N—アルキルアミノォキシ基の保 護基として、トリメチルシリルェチルォキシカルボ-ル基、 2 -トロー 4, 5 ジメトキ シベンジルォキシカルボ-ル基またはそれらの誘導体が好ましい。
[0212] 本発明の各方法において、 目的とする生成物は、反応液から夾雑物 (未反応減量 、副生成物、溶媒など)を、当該分野で慣用される方法 (例えば、抽出、蒸留、洗浄、 濃縮、沈澱、濾過、乾燥など)によって除去した後に、当該分野で慣用される後処理 方法 (例えば、吸着、溶離、蒸留、沈澱、析出、クロマトグラフィーなど)を組み合わせ て処理して単離し得る。
[0213] (本明細書において用いられる一般技術)
本明細書において使用される技術は、そうではないと具体的に指示しない限り、当 該分野の技術範囲内にある、有機化学、生化学、遺伝子工学、分子生物学、微生物 学、遺伝学および関連する分野における周知慣用技術を使用する。そのような技術 は、例えば、以下に列挙した文献および本明細書において他の場所おいて引用した 文献にお!ヽても十分に説明されて!ヽる。
[0214] 本明細書において用いられる分子生物学的手法、生化学的手法、微生物学的手 法は、当該分野において周知であり慣用されるものであり、例えば、 Maniatis, T. e t al. (,1989) . Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harborおよびその 3rd Ed. (2001); Ausubel, F. M. , et al. eds, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Inc. , NY, 101 58 (2000) ;Innis, M. A. (1990) . PCR Protocols : A Guide to Methods and Applications, Academic Press ;Innis, M. A. et al. (1995) . PCR St rategies, Academic Press ; Sninsky, J. J. et al. "999) . PCR Application s : Protocols for Functional Genomics, Academic Press ; Gait, M. J. ( 1985) . Oligonucleotide Synthesis : A Practical Approach, IRL Press ; G ait, M. J. (1990) . Oligonucleotide Synthesis : A Practical Approach, IR L Press ; Eckstein, F. (1991) . Oligonucleotides and Analogues : A Prac tical Approac , IRL Press ; Adams, R. L. et al. (1992) . The Biochemis try of the Nucleic Acids, Chapman & Hall; Shabarova, Z. et al. (19 94) . Advanced Organic Chemistry of Nucleic Acids, Weinheim ; Blac kburn, G. M. et al. (1996) . Nucleic Acids in Chemistry and Biology , Oxford University Press; Hermanson, G. T. (1996) . Bioconjugate Te chniques, Academic Press ; Method in Enzymology 230、 242、 247、 Ac ademic Press, 1994 ;別冊実験医学「遺伝子導入 &発現解析実験法」羊土社、 1 997 ;畑中、西村ら、糖質の科学と工学、講談社サイェンティフイク、 1997 ;糖鎖分子 の設計と生理機能 日本化学会編、学会出版センター、 2001などに記載されており 、これらは本明細書において関連する部分 (全部であり得る)が参考として援用される
[0215] (好ましい実施形態の説明)
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本 発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に 限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参 酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
[0216] 1つの局面において、本発明は、金属が硫黄原子を介して有機残基と結合した金 属ー有機残基複合体から硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオン化させて、硫黄 原子を含む有機残基誘導体を質量分析する方法を提供する。この方法によって、金 属に結合した自己組織ィヒ膜表面上での化学反応を高感度かつ正確に解析すること が可能となる。
[0217] 本発明で用いる金属として、金、銀、カドミウムまたはセレンなどの単体であってもよ いし、例えば鉄、ニッケル、コノ レトまたは酸ィ匕鉄 (Fe O )などの磁性粒子およびこ
3 4
の粒子の表面に被覆した金、銀、カドミウムまたはセレンなどの層を含む複合微粒子 であってもよぐこれらに限定されない。上記のような磁性を有する複合微粒子を使用 する場合には、これに硫黄原子を含む有機残基誘導体を担持したのち、磁石等を用 いて微粒子を簡易に回収し、精製無しで質量分析することができる。本発明で用いる 金属の形態は特に制限されず、質量分析用の金属基板であってもよいし、コロイドを 形成し得る金属微粒子であってもよ 、が、レーザーの乱反射が可能である表面形態 を有する金属が好ましい。これによつて、質量分析の感度が高くなり、夾雑物 (バッフ ァーまたは塩など)が存在したとしても、質量分析測定に影響を及ぼす可能性が少な くなる。金表面に結合したチオールィ匕合物の LDI— TOF Massによるイオンィ匕効率 の観点において、本発明で用いる金属の最も好ましい形態としては、金属微粒子が 挙げられる。チオール基と金属との結合を利用して、金属微粒子表面に糖鎖や種々 の官能基を提示することができ、またその金属微粒子の溶解性を、金属微粒子表面 に導入するリガンドの性質によって自在に制御することができる。従って、チオール化 合物で被覆した金属微粒子は、水系での反応のみならず有機溶媒系での固相合成 を行う際に有用な固相担体として利用することができる。微粒子は反応溶媒に溶解し ているが、精製の際には固体として遠心濾過によって溶液成分と分離可能であるた め、分離精製も非常に容易に行えるという利点がある。さらに反応の経過を質量分析 法によって直接追跡することができ、効率的に反応を行える。また、本発明によれば 、硫黄原子を介して細胞毒性の無!ヽ有機残基と結合した金属微粒子を提供すること により、金属一有機残基複合粒子を生細胞に直接取り込ませることができ、細胞内で 生じる様々な化学反応 (例えば、酵素反応)を、その反応生成物を質量分析すること で正確に解析することができる。金属微粒子の代表例である金微粒子および銀微粒 子は、それぞれテトラクロ口金酸および AgNOを還元剤存在下で還元させることによ
3
つて作製することができる。好ましい還元剤として、水素化ホウ素ナトリウムまたはタエ ン酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。これら金属を使用することによ つて、金属微粒子の表面上に硫黄原子を含む有機残基誘導体の規則正しい自己組 織ィ匕膜を形成することができる。
好ましい実施形態において、本発明の質量分析は、 LDI-TOF MS法によって 行われる。本発明では、従来の MALDI— TOF MS法において使用されてきたマト リックス試薬を特に必要としない。従来の MALDI— TOF MS法において、「薬剤候 補ィ匕合物として多いであろう低分子領域」について、マトリックス自身の強いピークに より、目的物のピークがうまく観察できないことが欠点とされてきたが、本発明のように 目的の低分子化合物を金属基板 (特に、金属微粒子)に担持することにより、マトリツ タスフリーな LDI— TOF MSを、高感度かつ正確に行うことができる。なお、本発明 において、マトリックス試薬を使用する場合には、その好ましい試薬として、 2, 5—ジ ヒドロキシベンゾイツクアシッド、 α—シァノ一 4—ヒドロキシ一ケィ皮酸、シナピン酸、 t rans— 3—インドール一アクリル酸、 1, 5—ジァミノ一ナフタレン、 3—アミノー 4—ヒド ロキシ安息香酸、 9—二トロ一アントラセン、 2—ピコリン酸、 3—ヒドロキシ一ピコリン酸 、ニコチン酸、アントラ-ル酸、 5—クロローサリチル酸、 2,一(4ーヒドロキシフエ-ル ァゾ)安息香酸、ジスラノール、および 3—アミノーキノリンが挙げられる力 これらに限 定されない。最も好ましいマトリックス試薬は、 2, 5—ジヒドロキシベンゾイツクアシッド である。
[0219] 好ま 、実施形態にぉ 、て、上記有機残基は、糖鎖または糖鎖含有物質を含む。
[0220] 別の局面において、本発明は、
一般式 (I) :
(R-S) -M1 (I)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する (R— S)基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)
で表される金属一有機残基複合体から硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオンィ匕 することを特徴とする、
一般式 (Π) :
R-SH (II)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、および Zまたは
一般式 (ΠΙ) :
R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、 を質量分析する方法、を提供する。
[0221] さらに別の局面において、本発明は、
一般式 (IV) :
M1 - S - X - CH (R) - S - M1 (IV)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、両端の M1は同一実体の金属であ り、 Xは低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである)
で表される金属一有機残基複合体から硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオンィ匕 することを特徴とする、
一般式 (V) :
HS— X— CH (R)— SH (V) (式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、およ び Zまたは
一般式 (VI) :
[化 35]
Figure imgf000060_0001
[0223] (式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、 を質量分析する方法、を提供する。
[0224] なおさらに別の局面において、本発明は、
以下の工程:
1)金属が以下の式 (本明細書において、以下の式の群を [X群]とする):
S -Y- (OCH CH ) NH— C( = 0)— CH — O— NH、
2 2 n 2 2
S -Y- (OCH CH ) NH— C( = 0)— CH — O— NH(CH ) ,
2 2 n 2 3
S -Y- (OCH CH ) -NH-C( = 0) -CH(NH ) W4 - SH、
2 2 n 2
S -Y- (OCH CH ) -NH-C( = S) -CH(NH ) — W4— SH、
2 2 n 2
S -W'-O-NH、
2
S -W'-O-NHCCH ) ,
3
S -W1— O— W2— O— NH、
2
S -W'-O-W^O-NHCCH ) ,
3
S - (CH CH O) W1— O— W2— O— NH、
2 2 n 2
S - (CH CH O) — W1— O— W2— O— NH(CH )ゝ
2 2 n 3
S -W1-C( = 0) -NH-NH、
2
S -W1-C( = S) -NH-NH、
2
S -W1-NH-C( = 0) -CH (NH ) W4— SH、
2
S -W1-NH-C( = S) -CH(NH ) W4— SH、
2
S Z1— Z2— Z3— Z4— Z5— O— NH、
2
S -Z1 - Z2 - Z3 - Z4 - Z5 - O - NH(CH )、 s - z1 -z2- - z3 -Z4-CH(NH O Z6— SH、
2
s - z1 - ζ2· - z3 -Z4-CH(NH )—Z6 SH、
2
s - z1 — o- -z3- -CH(NHト Z6 SH、
2
s - z1 — o- -z3- -O-NH、
2
s - z1 — o- -z3- — O NH(CH ),
3
s - z1 — o- -z3- — Z4— Z5 O NH、
2
s - z1 — o- -z3- -Z4-Z5-0-NH(CH )、
3
s - z1 — o- -z3- -Z4-CH(NH )—0— Z6 SH、
2
s - z1 — o- - z3- -Z4-CH(NH ) Z6— SH、
2
s - z1 - z3 - z4 — Z5 O NH、
2
s - z1 - z3 - z4 — Z5 O NH(CH )、
3
s - z1 - z3 - z4 -CH(NH ) O Z6 SH、
2
s — z1 — z3 — z4 CH(NH )— Z6— SH、または
[0225] [化 36]
N—— N
S久 N人 .NH2
N I H
NH2
[0226] (式中、 Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C( = 0)、—O - C( = S)、一 NH - C( = 0)、一 NH - C( = S)、—O または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である) で表される基と結合した金属一有機残基複合体と、糖鎖または糖鎖含有物質とが反 応しうる条件下で接触させる工程、
2)該糖鎖または該糖鎖含有物質が結合した金属 有機残基複合体を得る工程、お よび
3)得られた金属一有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をイオン 化する工程、
を包含する、糖鎖または糖鎖含有物質を質量分析する方法、を提供する。
[0227] 本発明の上記工程 1)において、金属一有機残基複合体と「糖鎖または糖鎖含有 物質」とを接触させる前に、上記「糖鎖または糖鎖含有物質」中のアルデヒド基を遊離 させる工程を包含することが好ましくあり得る。これは、例えば、糖鎖のアルデヒド基が 保護されている場合などにおいて、本発明の糖鎖と特異的に相互作用し得る物質が 有利に相互作用することができるようになるからである。そのようなアルデヒド基を遊 離させる工程は、好ましくは、酵素処理および Zまたは化学法による供プロトン反応 を包含する。酵素処理としては、例えば、グリコシダーゼによる処理 (例えば、ガラタト ースの場合は、ガラタトォキシダーゼで処理してアルデヒド基を得る)が挙げられ、ィ匕 学法による処理としては、ヒドラジン分解を挙げることができる。本発明の方法では、 酵素処理および化学法をそれぞれ単独で用いてもよぐ両方組み合わせて用いても よい。酵素は、単数の種類であってもよぐ複数種類のものであってもよい。また、糖 タンパク質糖鎖に含まれるシアル酸カゝらアルデヒドを遊離させる場合 (例えば、シアル 酸の 8位と 9位の間を開列させる場合)は、過ヨウ素酸ナトリウム (NalO )などの酸ィ匕
4
剤が用いられる。
[0228] 1実施形態にお!ヽて、上記有機残基は、糖鎖または糖鎖含有物質を含む基である
[0229] 1つの局面において、本発明は、金属が硫黄原子を介して被検体と結合した金属 被検体複合体から該硫黄原子を含む被検体をイオン化することを特徴とする、硫 黄原子を含む被検体を質量分析する方法を提供する。
[0230] 別の局面において、本発明は、以下の工程:
1)還元剤の存在下、テトラクロ口金酸および硫黄原子を有する被検体を反応させる 工程、
2)金微粒子に該硫黄原子を介して被検体が結合した金 被検体複合粒子を得るェ 程、および
3)得られた金 被検体複合粒子から硫黄原子を有する被検体をイオン化する工程 を包含する、硫黄原子を有する被検体を質量分析する方法、を提供する。
[0231] 本発明の上記工程 1)で用いる還元剤として、水素化ホウ素ナトリウムまたはクェン 酸ナトリウムを使用することが好ましいが、これらに限定されない。
[0232] 好ましい実施形態において、上記工程 1)は、水、アルコール系溶媒、酢酸ェチル、 エーテル系溶媒またはそれらの混合溶媒力 なる群力 選択される溶媒中で行われ る。好ましいアルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、 n—プロパノール、 イソプロパノール、 n—ブタノールが挙げられる。好ましいエーテル系溶媒賭しては、 ジメチルエーテル、ジェチルエーテル、テトラヒドロフランが挙げられる。上記工程 1) が行われる温度は 20°Cから 200°C、好ましくは 0°C〜150°C、さらに好ましくは 20 °C〜100°Cである。また、化合物が安定なものであれば、室温〜溶媒の還流温度で あることが好ましい。上記工程 1)は、 0. 1時間〜 24時間、好ましくは 1時間〜 12時間 で行われる。
[0233] 別の好ま 、実施形態にぉ ヽて、上記工程 2)で得られた硫黄原子を介して被検体 が結合した金属—被検体複合粒子は、遠心濾過により精製される。しかし、遠心濾 過をせずにそのまま金属 被検体複合粒子を質量分析に供したとしても、感度が低 下しな 、と 、う複合粒子特有の利点を有する。
[0234] 上記工程 1)において、鉄 (例えば FeCl )の存在下で反応を行うと、金—被検体複
3
合粒子が磁性を帯びるため、工程 2)は磁石を用いて行うことができる。また、酵素反 応の基質となる化合物を「検体」部分に有する磁性を帯びた金属 被検体複合粒子 を、生細胞と接触させ、反応後に細胞をつぶして磁石で回収し、質量分析することで 、細胞内で起こっている様々な酵素反応を解析することができる。
[0235] 金属が銀である場合は、上記工程 1)でテトラクロ口金酸の代わりに硝酸銀 (AgNO
3
)を用いることにより行うことができる。 [0236] 1つの局面において、本発明は、上記工程 2)で得られた金属—被検体複合粒子を 化学反応または酵素反応に付し、反応系中の金属 被検体複合粒子から硫黄原子 を有する被検体をイオン化し、質量分析により化学反応または酵素反応の進行を確 認する方法を提供する。
[0237] 本発明における上記酵素反応の好ましい例として、糖鎖伸長反応が挙げられるが、 これに限定されない。
[0238] 好ま 、実施形態にぉ 、て、質量分析を用いて糖鎖伸長反応の進行を確認するこ とによって、糖転移酵素の活性を確認することができる。
[0239] 1つの局面において、本発明は、 a)保護されていてもよいアミノォキシ基、保護され ていてもよい N—アルキルアミノォキシ基、ヒドラジド基、アジド基、チォセミカルバジド 基およびシスティン残基ならびにそれらの誘導体からなる群から選択される基、およ び b)硫黄原子、を含む基と結合した金属 有機残基複合体を提供する。
[0240] 別の局面において、本発明は、還元剤の存在下、テトラクロ口金酸、ならびに
a)保護されて!、てもよ 、ァミノォキシ基、保護されて 、てもよ 、N -アルキルアミノ ォキシ基、ヒドラジド基、アジド基、チォセミカルバジド基およびシスティン残基ならび にそれらの誘導体からなる群から選択される基、および
b)チオール基またはジスルフイド基、
を含む化合物もしくはその塩を反応させることによる、金一有機残基複合粒子の製 造方法を提供する。
[0241] これらによって、金属微粒子の表面上に糖鎖または糖鎖含有物質と相互作用する 官能基を提示することができる。
[0242] 1つの局面において、本発明は、
金属が、上記 [X群]の式で表される基と結合した金属一有機残基複合体、を提供 する。この金属-有機残基複合体は、以下の式 (本明細書において、以下の式の群 を [Y群]とする):
M2- (S-Y- (OCH CH ) -NH-C ( = 0) -CH—O— NH ) 、M2—(S—Y
2 2 n 2 2 m
- (OCH CH ) NH— C ( = 0)— CH— O— NH (CH ) ) 、
2 2 n 2 3 m
M2- (S-Y- (OCH CH ) NH— C ( = 0)— CH (NH )— W4— SH) 、
Figure imgf000065_0001
()( ) Y C SCHN:H =I—1 [0243] [化 37]
Figure imgf000066_0001
[0244] (式中、 M2は金属であり;
mは、 M2に対する硫黄原子を含む有機残基の化学量論比を表し、 1以上の整数で あり; Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12アル ケニレンまたは C2〜C12アルキニレンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)とも表すことができる。
[0245] 本発明の好ましい金属一有機残基複合体として、一般式 (VII):
[0246] [化 38]
Figure imgf000066_0002
[0247] (式中、 ΜΊま金属である)で表される複合体が挙げられる。この複合体は、以下の式 [0248] [化 39]
Figure imgf000067_0001
[0249] で表され、 4—アミノー 3—ヒドラジノ一 5—メルカプト 1, 2, 4—トリァゾール(略称: A HMT)の SH基が金属と反応し結合してできた複合体である。この AHMTは、ホル ムアルデヒドまたはアルデヒドと特異的に反応する呈色試薬として知られて 、る(例え ば、特許文献 2、 3、 4および非特許文献 2参照)。
[0250] 別の局面において、還元剤の存在下、テトラクロ口金酸および以下の式 (本明細書 において、以下の式の群を [Z群]とする):
[0251] [化 40]
~4S— Y—(OCH2CH2)n— NH— C( = 0)— CH2— 0_NH2)2
~(S— Y—(OCH2CH2)n— NH— C( = 0)— CH2—0— NH(CH3))2
- S-Y- (OCH2CH2)n-NH-C( = 0)一 CH (NH2)—W4— SH)2
- S-Y- (OCH2CH2)n-NH-C( = S)— CH (NH2)一 W4— SH) 2
~(S— W1— O— NH2)2
4S—W1— 0_NH(CH3))2
~(S— W1— 0— W2—0— NH2)2
4S— W1— O—W2— O— NH(CH3))2
4S— (CH2CH20)n—W1— 0—W2—0—NH2)2
4S— (CH2CH20)n— W1— 0— W2— O— NH(CH3))2
~(S— W,_C( = 0)— NH— NH2)2
~(S— W1— C( = S)— NH— NH2)2
4S— W1— NH— C(=。)一 CH(NH2)— W4— SH)2
-S-W1-NH-C(=S)-CH(NH2)-W4-SH)2.
AS- — z1 -z2 — z3- — Z4— Z5— 0— NH2)2
s — z1一 z2 — z3 — Z4— Z5— O— NH(CH3))2
- s- -z1一 z2 — z3 -Z4— CH(NH2)—O— Z6— SH)2
As- -z1 -z2Z3. -Z4-CH(NH2)一 Z6— SH)2
As- -21一 o- - z3- -CH(NH2)— Z6— SH)2
-Cs- -z1 -o- -z3- -O— NH2)2
-z1一 o-一 Z3_ -O— NH(CH3))2
-4s -z1 — o- -z3- -Z4— Z5— O— NH2)2
-4s -21 -o- - z3- -Z4— Z5— O— NH(CH3))2
s -z1 — o-一 Z3一 -Z4 - CH(NH2) - O—Z6— SH)2
-4s — Z,一 o- -z3- -Z4— CH(NH2)—Z6— SH)2
-4s -Z1一 z3 — z4 — Z5_0— NH2)2
-4s -z1 -z3 — z4 — Z5—0—NH(CH3))2
— z1 -z3一で — CH(NH2)—0— Z6— SH)2
-Cs -z1一 z3一で — CH(NH2) - Z6 - SH)2
[0252] または [0253] [化 41]
Figure imgf000069_0001
[0254] (式中、 Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであ り;
Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表される化合物もしくはその塩を反応させることによる、金一有機残基複合粒子の 製造方法、が提供される。
[0255] 別の局面によれば、前述の金属一有機残基複合体と、糖鎖または糖鎖含有物質と が反応しうる条件下で接触させることを特徴とする、糖鎖または糖鎖含有物質の捕捉 方法、が提供される。
[0256] さらに別の局面によれば、以下の工程:
1)金属が硫黄原子を介して有機残基と結合した金属一有機残基複合体と、該有機 残基と相互反応しうる物質とを、接触させる工程、
2)該相互作用しうる物質が結合した金属一有機残基複合体を得る工程、および
3)得られた金属一有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をイオン 化する工程、
を包含する、金属一有機残基複合体の有機残基と相互作用しうる物質の分子量を測 定する方法、が提供される。 [0257] 1つの局面において、本発明の糖鎖または糖鎖含有物質を質量分析する方法は、 以下の工程:
1)式:
[0258] [化 42]
N—— N
义 zNH2
HS N人 N
I H
NH2
[0259] で表される化合物と金属とを接触させる工程、
2) 1)で得られた金属一有機残基複合体を、糖鎖または糖鎖含有物質とが反応しうる 条件下で接触させる工程、および
3) 2)で得られた金属 有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をィ オンィ匕する工程、
を包含する方法であってもよいし、以下の工程:
1)式:
[0260] [化 43]
N—— N
2
HS久 N人 NH
N I H NH2
[0261] で表される化合物と糖鎖または糖鎖含有物質とを、該化合物と該糖鎖または糖鎖含 有物質とが反応しうる条件下で接触させる工程、
2) 1)で得られたィ匕合物と金属とを接触させる工程、および
3) 2)で得られた金属 有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をィ オンィ匕する工程、
を包含する方法であってもよ 、。
[0262] 1つの局面において、本発明は、
一般式 (Π) :
R-SH (II)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (ΠΙ) : R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (V) :
HS-X-CH (R) -SH (V)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、 Xは低級アルキレンまたは低級アルケ ンである)で表される化合物もしくはその塩;
一般式 (VI) :
[化 44]
Figure imgf000071_0001
[0264] (式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩;また はそれらの混合物を含有する糖鎖捕捉用組成物を提供する。
[0265] 好ましい実施形態において、本発明の糖鎖捕捉用組成物は、上記 [Z群]の式で表 される化合物を含有する。
[0266] 1つの局面において、本発明は、
一般式 (I) :
(R-S) -M1 (I)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する (R— S)基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)で表される金属一有機残基複 合体;または
一般式 (IV) :
M1 - S - X - CH (R) - S - M1 (IV)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、両端の M1は同一実体の金属であり、 Xは 低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである)で表される金属—有機残基複合体、 を含有する、糖鎖捕捉用組成物を提供する。
[0267] 好ましい実施形態において、本発明の糖鎖捕捉用組成物は、上記 [Y群]の式で表 される金属 有機残基複合体を含有する。 [0268] 1つの局面において、本発明は、
以下の A)および B):
A)—般式 (Π) :
R-SH (II)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (ΠΙ) :
R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (V) :
HS-X-CH (R) -SH (V)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、 Xは低級アルキレンまたは低級ァルケ-レ ンである)で表される化合物もしくはその塩;
一般式 (VI) :
[0269] [化 45]
Figure imgf000072_0001
[0270] (式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩;また はそれらの混合物;および
B)金属、
を含む、糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キット、を提供する。
[0271] 好ましい実施形態において、本発明の糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キッ トは、
以下の A)および B):
A)上記 [Z群]の式で表される、硫黄原子を含む有機残基誘導体;および
B)金属、
を含む。
[0272] さらに好ましい実施形態において、上記金属はテトラクロ口金酸であり、本発明の質 量分析用キットは、 C)還元剤、をさらに含む。
[0273] 別の局面において、本発明は、
一般式 (I) :
(R-S) -M1 (I)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する (R— S)基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)で表される金属一有機残基複 合体;または
一般式 (IV) :
M1 - S - X - CH (R) - S - M1 (IV)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、両端の M1は同一実体の金属であり、 Xは 低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである)で表される金属—有機残基複合体、 を含有する、糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キット、を提供する。
[0274] 好ま ヽ実施形態にお!ヽて、本発明の糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キッ トは、上記 [Y群]の式で表される金属 有機残基複合体を含む。
[0275] さらに好ましい実施形態において、上記金属は金属微粒子である。
[0276] なおさらに好ましい実施形態において、上記金属は金微粒子である。
[0277] 好ま 、実施形態にぉ 、て、「有機残基」と「有機残基と相互反応しうる物質」との好 ましい組み合わせとして、糖鎖捕捉官能基 Z糖鎖、糖鎖 Zタンパク質、抗原 Z抗体 などが挙げられる。
[0278] 本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、そ の全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援 用される。
[0279] 以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきた力 本発 明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求 の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、 本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に 基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引 用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載さ れているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであるこ とが理解される。
実施例
[0280] (実施例 1 :水溶性金微粒子作製および微粒子表面に担持したチオール化合物の
MALDI TOF Massによる直接検出)
[0281] [化 46]
Figure imgf000074_0001
テトラクロ口金酸 25mgをフラスコ中で lmLの超純水に溶解した。リガンド(1) 55mg を 20mLのメタノールに溶解し、テトラクロ口金酸水溶液に加えた。溶液を激しく撹拌 しながら、水素化ホウ素ナトリウム 56mgを超純水 5mLに溶力した溶液を少量ずつ加 えた。室温で 2時間撹拌を続けた後に、反応溶液を Contriplus YM50 (ミリポア社) を用いて遠心濾過し(20°C、 3, 500rpm)、リガンド 1を表面に導入した金微粒子を 得た。微粒子は水、アセトン、メタノールに可溶であった。遠心濾過操作で得られた 微粒子(図 1の a) )およびろ液(図 1の b) )の MALDI—TOF Massを測定した。マト リックスとして 2, 5—ジヒドロキシベンゾイツク酸(DHB)を用いた。図 1より、金微粒子 から切断、イオンィ匕したリガンド(1)に基づくピークを確認した。
[0283] (実施例 2:金微粒子を固相担体として用いた化学反応の質量分析法による追跡) [0284] [化 47]
Figure imgf000074_0002
ジスルフイドを有する化合物(2)のメタノール溶液をテトラクロ口金酸水溶液に加え て、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を少量ずつ滴下した。室温で 3時間撹拌した後に Centriplus YM— 50を用いて遠心濾過をし、化合物 2を導入した金微粒子を得た 。微粒子をメタノールに溶解し、トリフルォロ酢酸を 25%の濃度に成るように加え、室 温で 2時間撹拌した後、反応系の一部をマイクロコンを用いて遠心濾過し、マトリック スとして DHBを用いて MALDI—TOF Massによる質量分析測定によって反応の 進行を確認した (図 2)。図 2より、保護基が脱離して得られた生成物に基づくピーク を確認した。
[0286] (実施例 3 :糖鎖—金微粒子の作製および MALDI— TOF Massによるリガンド分 子量直接測定)
[0287] [化 48]
Figure imgf000075_0001
[0288] (3)
ァグリコン末端にチオール基を有するマルトトリオース誘導体(3) (12. 5mg, 21. 6 μ mol)をメタノール 20mLに溶解し、テトラクロ口金酸 15 Lをカ卩えた。この溶液に水 素化ホウ素ナトリウム水溶液(30mgZ2mL, 0. 79mmol)を少量ずつ加え、室温で 3時間撹拌した。 Centriplus YM— 50を用いた遠心濾過により微粒子を精製した。 微粒子を超純粋に溶解し、マトリックスとして 2, 5—ジヒドロキシベンゾイツク酸(DHB )を用いて MALDI— TOF Massによる質量分析を行った(図 3)。図 3より、ジスルフ イド体 3に基づくピークの出現から、糖鎖リガンドで修飾した金微粒子の場合にも MA LDI-TOF Massによって容易にリガンドの質量が検出できることが示された。
[0289] (実施例 4 :糖鎖密度を制御した糖鎖 (GlcNAc)—金微粒子の作製)
[0290] [化 49]
Figure imgf000075_0002
[0291] (4) N—ァセチルダルコサミンを末端に有する化合物 4 (10mg, 7. 6 mol)およびィ匕 合物(1) (52mg, 69 11101)をメタノール(35111 ー純水(5111 混合溶媒に溶解し 、テトラクロ口金酸(25. 5mg, 75 mol)を加えた。この溶液に水素化ホウ素ナトリウ ム水溶液(70mgZ5mL)を少量ずつ加え、室温で 12時間撹拌した。 Centriplus YM— 50を用いた遠心濾過により微粒子を精製した。微粒子を純水に溶解し、マトリ ックスとして 2, 5 ジヒドロキシベンゾイツク酸(DHB)を用いて MALDI— TOF Ma ssによる質量分析を行った(図 4)。図 4より、化合物(1)、化合物 (4)のホモジスルフ イド体およびィ匕合物(1)と (4)のへテロジスルフイド体に対応する分子量ピークが観察 された。ここで、遠心分離により精製した微粒子の電子顕微鏡 (TEM)写真を図 5に 示す。
[0292] (実施例 5:糖鎖 (GlcNAc)—金微粒子上でのガラクトース転移酵素(GalT
)による糖鎖伸長反応)
[0293] [化 50]
Figure imgf000076_0001
[0294] (5)
実施例 4に従って作製した糖鎖—金微粒子(GlcNAc— Au: 50 M)、 UDP— G &1 (400 Μ)の MHEPESバッファー溶液(lOmMMnCl、0. 15MNaCl) 100 ^ L
2
]を調製した。 β 1—4ガラクトース転移酵素(GalT)を 4mUカ卩え、 25°Cで MALDI— TOF Massを用いて糖鎖伸長反応を追跡した。反応溶液の遠心濾過を行なわず、 マトリックスとして 2, 5 ジヒドロキシベンゾイツク酸(DHB)を用いて MALDI— TOF Massによる質量分析を行った (図 6)。図 6より、化合物 (4) (出発物質)に対応する ピークは消失し、新たに酵素反応によってガラクトースが付加したィ匕合物 5 (生成物) と化合物(1)のへテロジスルフイド体に対応する分子量ピーク([M+Na] + 1220. 6 62)が観察され、糖鎖 金微粒子上での酵素反応を追跡できることが示された。図 6 のスペクトル力 得た糖鎖伸長反応における時間 反応度プロットを図 7に示す。こ のプロットより、 MALDI -TOF Massを用いた質量分析により、 GlcNAc— Au上 での GalT反応がうまく捕らえられることが明ら力となった。 [0295] (実施例 6:糖鎖 (GlcNAc) 金微粒子上での GalT反応の UDPによる阻害活性 測定)
実施例 4に従って作製した糖鎖—金微粒子(GlcNAc— Au : 50 M)、 UDP— G &1 (400 Μ)の MHEPESバッファー溶液(lOmMMnCl、0. 15MNaCl) 100 ^ L
2
]を調製した。これに j8 1— 4ガラクトース転移酵素(GalT) 4mUおよび UDP (0〜50 0 μ Μの 9通りの濃度)を加え、反応温度 25°Cで 60分間反応させた。 UDP濃度( μ Μ)と阻害活性(%)との関係を図 8に示す。このプロットから、 UDPの IC50は、 300 μ Μであることが明ら力となった。
[0296] (実施例 7:糖鎖捕捉能をもつ金微粒子の作製)
[0297] [化 51] Bo
Figure imgf000077_0001
ノ 2
[0298] (6)
糖鎖捕捉官能基として Boc保護されたォキシァミノ基を末端に持つチオールィ匕合 物(6) (22mg, 17 μ mol)と化合物 1 (54mg, 71 μ mol)をメタノール 20mLに溶解 し、テトラクロ口金酸(34mg, 100 mol)をカ卩えた。この溶液に水素化ホウ素ナトリウ ム水溶液(31mgZ3mL)を少量ずつ加え、室温で 12時間撹拌した。反応溶液を Ce ntriplus YM— 50を用いて遠心濾過し、微粒子を精製した(100000〉分子量〉 5 0000)。微粒子を純水に溶解し、マトリックスとして 2, 5 ジヒドロキシベンゾイツク酸( DHB)を用いて MALDI— TOF Massによる質量分析を行った(図 9)。図 6より、ィ匕 合物(6)のジスルフイド体、 Boc基が脱保護された化合物(7)と化合物(6)のへテロ ジスルフイド体、化合物(6)と化合物(1)のへテロジスルフイド体、化合物(7)と化合 物(1)のジスルフイド体
に対応するピークが観察された。
[0299] (実施例 8:金微粒子上での Boc基の脱保護反応) [0300] [化 52]
Figure imgf000078_0001
[0301] (7)
実施例 7で作製した微粒子(lOmg)をメタノール 2mLに溶解し、トリフルォロ酢酸 1 mLをカ卩え、室温で 18時間撹拌した。反応溶液を Centriplus YM— 50を用いて遠 心濾過し、微粒子を精製した。微粒子を純水に溶解し、 MALDI-TOF
Massによる質量分析を行った(図 10)。図 10より、化合物(6)由来のピークは消失 し、 Boc基が脱保護された化合物(7)と化合物(1)とのジスルフイド体が観察された。 金微粒子上でのァミノ基の脱保護反応が確認された。
[0302] (実施例 9 :糖鎖捕捉金微粒子を用いた水溶液中での糖鎖捕捉反応)
実施例 8に従って作製した糖鎖捕捉金微粒子をエツペンドルフチューブに 170 μ g ずつ分け入れ 100 μ Lの純水に溶解した。マンノース、グルコース、 Ν—ァセチルダ ルコサミン、マンノペンタオースをそれぞれ lmgずつ量りとり、パーティクル溶液に加 えて溶かした。 37°Cで 6日間インキュベートした。反応後の溶液を Centriplus YM —50を用いて遠心濾過し、微粒子を精製した。微粒子を純水に溶解し、 MALDI- TOF Massによる質量分析を行った(マンノース(図 11)、グルコース(図 12)、 N— ァセチルダルコサミン(図 13)、マンノペンタオース(図 14) )。図 11〜図 14において 、各糖鎖がォキシァミンと共有結合を形成したものに対応するピークが化合物 1との ジスルフイド体としてそれぞ; tl^察された。金微粒子に提示したォキシァミノ基による 糖鎖捕捉反応が示された。
[0303] (実施例 10: D—グルコースを用いた AHTMの吸光度測定)
D—グルコース 10mg (0. 056mol)を水 10mLに溶力し、 96穴プレートに 力 ら 10 μ Lまで 1 μ L刻みで D—グルコース溶液を入れ、次いで、 10個のゥエルにそれ ぞれ 10mM NalOを 50 Lずつ加えた。 10分間室温で静置した後、それぞれの
4
ゥエルに 41mM AHMT (4—ァミノ一 3—ヒドラジノ一 5—メルカプト一 1, 2, 4—トリ ァゾール) (0. 5M HC1) 50 μ Lをカ卩えてから、 2Μ ΚΟΗ 100 μ Lを加えた。室温 で 2時間静置すると呈色を起こしたので、 Α を測定し、各 D—グルコース濃度に対 して OD (光学密度) 492nmをプロットした。その結果、このプロットがほぼ直線関係を 示したことから、 AHMTと D—グルコースのアルデヒド基との反応が一次反応で進行 することが明ら力となった。
[0304] (実施例 l l :Fetuinを用いた AHTMの着色試験結果を示す。 )
AHTMの着色試験用サンプルとして、ゥシ血清中に含まれるシァロ糖タンパク質を 用いた。次の 4種類のサンプルを調製し、 AHTMの着色を観察した。
[0305] 1. lOmg/ml Fetuin 200 1と 10mM NalO 50 1とを合わせ、 10分間、
4
氷上で静置した。次いで、 50mM AHMT 200 1をカ卩え、室温で 30分間静置し た。
[0306] 2. lOmg/ml Fetuin 200 1を 10分間、氷上で静置した。次いで、 50mM A
HMT 200 μ 1を加え、室温で 30分間静置した。
[0307] 3. lOmg/ml Fetuin 200 /ζ 10πιΜ NalO 50 1とを合わせ、 10分間、
4
氷上で静置した。次いで、室温で 30分間静置した。
[0308] 4. lOmg/ml Fetuin 200 1を 10分間、氷上で静置した。次いで、室温で 30 分間静置した。
[0309] 以上の結果、 1.のサンプルが最も濃く着色したことから、 NalOが Fetuinの糖と反
4
応し、その結果 AHMTとも良好に反応したことが明ら力となった。
[0310] (実施例 12:金基板を用 、た AHTMのタンパク質の捕捉実験)
MALDI-TOF MS用の円形プレート 4枚を 1500秒間金蒸着した。これらのプレ ートを以下の 4通りの方法で処理した。
[0311] (I) 50mM AHMT(0. 2Μ NaOH)でプレート表面を満遍なく満たした。 1時間 室温で静置後、水でプレート表面の余分な AHMTを除去した。トリプシン消化済み の lOmgZml Fetuin 200 1と 10mM NalO 50 1を混合し、プレート上に乗
4
せた。 10分間静置後、 0. 2Μ NaOH 50 1を同様にプレート上に乗せ、氷上で 1 時間静置した (図 17)。
[0312] (ll) 50mMAHMT(0. 2M NaOH)でプレート表面を満遍なく満たした。 1時間 室温で静置後、水でプレート表面の余分な AHMTを除去した。酵素消化未処理の 1 Omg/ml Fetuin 200 1と 10mM NalO 50 1を混合し、プレート上に乗せ た。 10分間静置後、 0. 2M NaOH 50 1を同様にプレート上に乗せ、氷上で 1時 間静置した (図 17)。
[0313] (III)エツペンチューブにトリプシン消化済みの 10mg/ml FetuinSOO /z 1と 10m M NalO 50 /z lを混合し、氷上で 10分間静置した。 50mM AHMT(0. 2Μ Ν
4
aOH) 200 μ 1を加え、ピンク色に呈色を起こしてからプレートにスポットし、氷上で 1 時間静置した(図 18)。
[0314] (IV)エツペンチューブに酵素未処理の lOmgZml Fetuin 200 1と 10mM N alO 50 /z lを混合し、氷上で 10分間静置した。 50mM AHMT(0. 2Μ NaOH)
4
200 μ 1を加え、ピンク色に呈色を起こして力 プレートにスポットし、氷上で 1時間静 置した(図 18)。
[0315] これら 4通りの方法で処理されたプレートを用いて MALDI— TOF MSを行った。
その結果を図 19に示す。図 19は、トリプシンで消化した Fetuinは、手順 1と手順 2の いずれの工程を経ても、金基板表面上の AHTMにより、遊離アルデヒドを有する糖 ペプチドが捕捉され、酵素未処理の場合は、手順 1および手順 2のいずれの場合もう まく捕捉できなカゝつたことを示す。
[0316] (実施例 13:ガラクトース転位酵素 (GalT)を発現した大腸菌の破砕液による糖鎖 金微粒子(GlcNAc— Au)上での糖鎖伸長反応および MALDI—TOF Massに よる酵素反応追跡)
Neisseria meningtids MC50株の LgtB遺伝子産物である j8 1—4ガラクトース 転位酵素(GalT)を大腸菌で発現し、菌体を破砕して 0. 2%TrionX— 100を含む ノ ッファーに懸濁した。菌体破砕液中の全タンパク質濃度は 8. 5mgZmLであった 。実施例 4に従って作製した糖鎖—金微粒子(GlcNAc— Au)の HEPESバッファー (10mM HEPES, 10mM MnCl , 150mM NaCl)溶液(GlcNAc濃度; 500
2
μ M)を 120 μ L, UDP— Gal (500 M) 20 L,および上記菌体破砕液 40 μ Lを 混合し、 25度で 32時間インキュベートした。反応溶液のうち 10 /z Lを CentriconYM 50を用いて遠心ろ過し、微粒子を超純水で洗浄した。糖鎖微粒子の MALDI— TO F Mass測定を行ったところ、酵素反応の生成物 (化合物 5)に対応する分子量のピ ークが検出された(図 18)。これにより本方法が発現した酵素の活性測定法として非 常に簡便、高速であり、優れた手法であることが示された。
[0317] (実施例 14 :金微粒子表面に導入したチオールィ匕合物の LDI—TOF Massによ る直接検出)
実施例 4に従って作製した糖鎖—金微粒子 (GlcNAc— Au)を MALDI— TOF Mass用ターゲットにアプライし、マトリックスを用いずに、直接 LDI— TOF
Mass測定を行ったところ、化合物(1)、化合物(4)のホモジスルフイド体、および化 合物(1)と (4)のへテロジスルフイド体に対応する分子量のピークが観察された(図 1 9a)。一方、同量の糖鎖—微粒子 (GlcNAc— Au)をヨウ素と混合し、チオールリガン ドを金微粒子表面から遊離させ、反応溶液の TOF— Mass測定を行った場合には、 反応溶液中にチオールィヒ合物(1)および (4)を含むにもかかわらず、チオール化合 物のイオン化は観察されなかった(図 19b)。このとき、 2, 5ジヒドロキシベンゾイツク酸 (DHB)に代表されるような低分子マトリックスは使用していない。したがってこれによ り、金微粒子表面に導入したチオールィ匕合物は、低分子マトリックス化合物を使用せ ずに直接レーザー照射によってイオンィ匕し、 TOF Massによって検出できることが 示された(LDI— TOF Mass)。
[0318] (実施例 15:糖鎖 (Gal -GlcNAc)—金微粒子上でのフコース転移酵素 (FucT) による糖鎖伸長反応)
実施例 5に従って得られた糖鎖(Gal— GlcNAc)—金微粒子を 10mM HEPES バッファー(10mM MnCl , 150mM NaCl)に溶解し、 α ΐ, 3— FucT VIを 5m
2
U, GDPフコースを 500 Mになるように加え、反応温度 25度でインキュベートした 。反応開始後 5, 10, 20, 30, 40, 50, 60分後に反応系から 1 Lずつ取り出し、 M ALDI-TOF Mass測定を行った(図 20、 21)。また LDI—TOF Mass測定によ つても、生成物に対応するピークを観察した。
[0319] (実施例 16 :糖鎖—金微粒子の LDI— TOFZTOF測定による糖鎖構造解析) [0320] [化 53]
Figure imgf000082_0001
(8)
実施例 15に従って作製した糖鎖 (Gal β ΐ, 4 (Fuc α ΐ, 3) GlcNAc; Lex)金微粒 子の LDI—TOF Mass測定を行った。さらに得られたピーク([M (ィ匕合物 8) +Na] + 1368. 75)を親イオンとして LDI— TOF/TOF解析を行ったところ、フラグメントィ オンのパターンから、 Lexの糖鎖構造が同定された(図 22)。これにより、硫黄原子を 介して金属に結合した有機残基は、 LDI-TOF, LDI-TOF/TOF Massによつ て質量分析および構造解析が可能であることが示された。
[0321] (実施例 17:金微粒子および金基板表面に担持したチオールィ匕合物の LDI—TO F Massのイオン化効率の比較)
実施例 1に従って作製した金微粒子を、チオールィ匕合物濃度が 100 Mになるよう にバッファーに溶解した。この溶液 0. 2 ;z Lを、 MALDI— TOF Mass用プレートに 直径 2mmの円形状にアプライした。一方、化合物 1を、チオール濃度 500 Mにな るようにメタノールに溶解し、 0. l iu LをMALDI—TOF Mass用金プレートに直径 2mmの円形状にアプライして、金基板上での自己組織ィ匕膜を形成した。金プレート は使用直前に金蒸着を行った。上記 2サンプルについて、 LDI—TOF Mass測定 を行った。レーザー強度を一定にして、ターゲットプレート上の同一箇所に 1ショット ずつレーザーを照射した。繰り返して計 10回同様の操作を行い、それぞれ得られた ピーク強度を記録した(図 23)。その結果、金基板ではレーザー照射回数が増えると 共にイオンィ匕強度が徐々に低下し、照射 4回程度でピークが完全に観察されなくなつ た。一方、金微粒子表面力ものイオンィ匕は、レーザー照射 10回目でも十分量観察さ れた。さらに 30回、 50回とレーザー照射を繰り返しても、化合物 1に基づくピークが 観察され続けた。このように、金表面に結合したチオールィ匕合物の LDI—TOF Ma ssによるイオン化効率は金担体の形状に依存し、金微粒子表面からのイオン化は板 状の金基板と比較して優位であることが示された。
[0322] (実施例 18:チオールィ匕合物を担持した磁性金微粒子の作製および (MA) LDI- TOF Massによる直接観察)
[化 54]
[0323]
巿販の酸化鉄(Fe O )粒子(直径 0. 程度) lOmgを 40mLのメタノールに懸
3 4
濁した。テトラクロ口金酸 17%塩酸溶液 50 L、リガンド(9) lOmgを加えた。この溶 液に水素化ホウ素ナトリウム 20mgを超純水 2mLに溶かした水溶液を少量ずつ加え た。室温で一時間振盪した後、磁石を用いて微粒子を回収し、リガンド 9を表面に導 入した磁性金微粒子を得た。メタノールで洗浄した後、マトリックスとして 2, 5ジヒドロ キシベンゾイツク酸 (DHB)を用いて MALDI— TOF Mass測定を行ったところ、ィ オンィ匕したリガンド 9に基づくピークを確認した。さらに、マトリックスを使用せずに、微 粒子を直接 MALDI—TOF Mass用ターゲットプレートにアプライしてレーザー照 射をしたところ、イオンィ匕したリガンド 9に基づくピークを確認した(図 24)。これにより 磁性金微粒子表面に結合したチオールィヒ合物に直接レーザー照射することで、 DH B等のマトリックスを使用せずに LDI— TOF Massによって微粒子上のチオールィ匕 合物のイオンィ匕が可能であることを示した。
[0324] (実施例 19:糖鎖密度を制御した糖鎖-磁性金微粒子の作製)
[化 55]
Figure imgf000083_0001
[0325]
[化 56]
Figure imgf000084_0001
[0326] (11)
実施例 18と同様の方法にて、 N—ァセチルダルコサミンを末端に有する化合物 10 の水溶液(lOnmolZ μ L) lmL、ィ匕合物 11 (58mg、 79 μ mol)をメタノール 40mL に溶解し、酸ィ匕鉄微粒子 6mgを加えて懸濁させた。この溶液にテトラクロ口金酸 17% 塩酸溶液 100 Lをカ卩え、水素化ホウ素ナトリウム 30mgを超純水 4mLに溶かした水 溶液を少量ずつ滴下した。室温で一時間振盪した後、磁石を用いて微粒子を回収し 、リガンド 10, 11を表面に導入した磁性金微粒子を得た。微粒子メタノールで洗浄し 、 LDI-TOF Mass測定行ったところ(図 25)、化合物(10)、化合物(11)のホモジ スルフイド体、および化合物(10)と(11)のへテロジスルフイド体に対応する分子量ピ ークが検出された。一方、 DHBをマトリックスとして用いて MALDI— TOF Mass測 定を行った場合にも、 LDI-TOF Massで得られたピークと同一の分子量ピークが 得られた。
[0327] (実施例 20:磁性金微粒子表面に提示した糖鎖 (GlcNAc)上でのガラクトース転 位酵素 (GalT)による糖鎖伸長反応)
[化 57]
Figure imgf000084_0002
[0328] (12)
実施例 19に従って作製した糖鎖—磁性金微粒子を 400 μ Lの超純水に懸濁した 溶液 5 ;z L、 lOmMHEPESバッファー(10mM MnCl、 150mM NaClを含む)
2
に溶解した UDP— Gal (濃度 1πιΜ) 20 ;ζ :ίを、 1. 5mLサイズのエツペンドルフチュ ーブ内で混合した。 β 1—4ガラクトース転位酵素(GalT) 4mUをカ卩え、 37度で酵素 反応を行った。反応開始力も 5時間後、反応溶液の一部(5 )を取り出し、超純水で 洗浄した。磁石によって回収した微粒子の MALDI—TOF Mass測定を行ったとこ ろ(図 26)出発物質に対応するピーク (化合物 10と 11のジスルフイド対)は消失し、新 たに酵素反応によってガラクトースが付加したィ匕合物(12)と(11)のへテロジスルフィ ド体に対応する分子量([M+Na] + = 1127. 251)が検出された。これによつて糖鎖 を表面に提示した磁性金微粒子表面での酵素反応が簡便に追跡できることが示され た。
[0329] (実施例 21 : CdS微粒子表面へのチオール化合物の導入および(MA) LDI— TO F Massによる直接検出)
CdCl · 2. 5Η 0 (9. 6mgゝ 42 mol)を超純水 lOmLに溶解し、化合物 9 (10mg
2 2
)のメタノール溶液 (液量 2mL)を加えて撹拌した。この溶液に Na S - 9H O (10mg、
2 2
42 μ mol)を 2mL超純粋に溶解したものを少量ずつ加え、室温で 2時間撹拌を続け た。黄色の沈殿が生じたので遠心分離(350rpm、 5
分)によって沈殿を除去し、上清を CentriplusYM— 50を用いて遠心ろ過し、フィル ター上に得られた微粒子をメタノールおよび超純粋で洗浄した。微粒子の LDI— TO F Mass測定を行ったところ、化合物 9のホモジスルフイド体に対応する分子量([M +Na] +958. 306、 [M+K] +974. 293)のピーク力 S観察された(図 27)。一方、 D HBをマトリックスとして用いて MALDI—TOF Mass測定を行った場合にも、 LDI— TOF Massで得られたピークと同一の分子量ピークが得られた。これにより、 CdS微 粒子表面に導入したチオール化合物が(MA) LDI— TOF Massによって検出でき ることが示された。
[0330] (実施例 22:水酸基を有するチオール化合物を担持した金微粒子表面でのグリコ シル化反応)
[化 58]
Figure imgf000085_0001
[0331]
[化 59]
Figure imgf000086_0001
[0332] (14)
実施例 1と同様の方法にて、化合物 13を表面に導入した金微粒子を作製した。こ の金微粒子 1. 5mgを乾燥ジクロロメタン lmLに溶解し、 2, 3, 4, 6—テトラ— O—ァ セチルー D—ガラクトース トリクロロアセトイミデート(14) 5mgをカ卩えた。反応系を 0 °Cに冷やし、トリメチルシリルトリフルォロメタンスルホン酸 10 μ Lを加えて 6時間撹拌 した。 CentriconYM— 50を用いて反応系を遠心ろ過した後に、微粒子をメタノール に溶解し、ナトリウムメトキシドを 4mgカ卩えて室温で 20時間撹拌した。微粒子はメタノ ールに不溶ィ匕していたため、遠心(3000rpm、 1分)によって沈殿させて上清を除去 した。微粒子を超純水に溶解し、 (MA) LDI-TOF Mass測定を行ったところ、ガラ クトース残基が導入されたグリコシル化反応生成物の分子量に対応するピークが観 察された(図 28)。このことから、チオールィ匕合物で被覆した金微粒子は有機溶媒中 での固相合成担体として使用可能であり、かつ固相合成の反応過程が(MA) LDI— TOF Massによって非常に簡便に追跡できることが示された。
[0333] (実施例 23 :糖鎖-磁性金微粒子を用いた糖鎖特異的タンパク質の釣り上げ)
GlcNAc結合タンパク質であるコムギ胚芽レクチン (WGA)を 27 μ Μ,ガラクトース 結合タンパク質であるピーナッツレクチンを 20 μ Μになるようにリン酸バッファー(ρΗ , 7. 4) 100 Lに溶解し、実施例 19に従って作製した糖鎖 (GlcNAc)—磁性金微 粒子を超純水に懸濁したものを 2 /z Lカ卩えた。室温で 30分インキュベート後、磁石に よって微粒子を回収し、 100 /z Lの超純水で計 3回洗浄した。洗浄後、磁性微粒子を 磁石で回収したものを 100 Lの超純水に懸濁し、 0. 5 1^を0118 (1011187111 0 . と混合し、 MALDI—TOF Mass測定を行ったところ(図 29) WGAに対応す るピークのみが観察された。糖鎖一磁性金微粒子を用いることで、タンパク質の混合 物の中から磁性金微粒子に担持した糖鎖と特異的に相互作用するタンパク質を釣り 上げ、釣り上げたタンパク質を質量分析によって同定できることが示され
た。 [0334] (実施例 24:金微粒子に結合したタンパク質( o—アミラーゼ)を用いた質量分析計 による阻害剤の検出)
リン酸バッファー(lOOmM, pH7. 4) 400 に、 α アミラーゼ(SIGMA A6 255) 5. 8 X 10—8モル、 2— Iminothiolane hydrochloride 5. 8 X 10—8モル(1 等量)をカ卩え、エツペンドルフチューブに入れて攪拌し、 37°Cで 30分インキュベート した。 30分後、金微粒子(SIGMA G 1652)を 200 /z L加えて攪拌後、室温で 12時 間静置した。続いて反応液を限外ろ過(Microcon YM— 50、 Millipore)し、限外 ろ過膜上に得られた α アミラーゼ 金微粒子複合体を超純水 100 Lで洗浄 遠心濃縮した。この操作を 3回繰り返した。 a—アミラーゼ—金微粒子複合体を超純 水 100 Lに溶解し、ァカルボース(5. 8 X 10—7モル, 10等量)を加え、 4°Cで 12時 間静置した。その後得られた反応液を"限外ろ過処理前反応液 (1)"とした。また反応 液の一部は限外ろ過を行い、 oc アミラーゼと結合力の弱い低分子化合物を取り除 いたものを"限外ろ過処理後反応液 (2)"として、(1)、(2)について反応液 0. 5 Lとマト リックス溶液(DHB, 10mg/mL) 0. 5 Lを混合し、 MALDI—TOF Mass測定を 行った(図 30、 31)。限外ろ過処理後 (2)では、処理前 (1)では微量のため検出できな 力つたァカルボースのトランスグリコシルイ匕により生成する、 0L—アミラーゼに対してよ り結合力の強い 6糖、 7糖、 8糖の生成物を選択的に検出できることが分力つた。
[0335] (実施例 25:磁性金微粒子の作成)
巿販の鉄粒子(粒径2〜3 111) 1. 5mgを 100 1の水に懸濁した。水 100 1、リガ ンド(1) lmgおよび 10mg/mlのテトラクロ口金カリウム溶液 100 1をカ卩えた。この溶 液を撹拌しながら 35wt%Hydrazine 20 1を少量ずつ加えた。 3時間室温で静置 した後、磁石を用いて微粒子を回収し、メタノールおよび水で洗浄した。これにメタノ ール 100 1、リガンド(1) lmgおよびテトラクロ口金カリウム溶液 100 1を加え、撹拌 しながら 35wt%Hydrazine 20 1を少量ずつ加えた。室温でー晚震盪させた後、 磁石を用いて微粒子を回収し、メタノールと水で洗浄した後、マトリックスとして 2, 5ジ ヒドロキシベンゾイツク酸(DHB)を用いて MALDI— TOF Mass用ターゲットプレー トにアプライしてレーザー照射したところ、イオンィ匕したリガンド(1)のホモジスルフイド 体に対応するピークを確認した。 [0336] (実施例 26 :ォキシルァミン金微粒子による糖脂質の捕捉)
クロ口ホルムとメタノールとの混合溶媒(クロ口ホルム:メタノール = 1: 1) lmLにガラ クトシルセラミド 2mgを溶カゝした。その溶液にオゾンをパブリングさせ、ガラクトシルセ ラミドの長鎖塩基部分のォレフィンをオゾン分解してアルデヒドにした。反応の様子は TLCによって確認した。 30分後ジメチルスルフイド 200 1を添カ卩し反応を終了させ た。この反応溶液 10 1に、実施例 8に従って作製したォキシルァミン金微粒子溶液 10 1をカ卩え 60°Cで 12hインキュベートした。その後、 CentriplusYM— 50を用いて 遠心ろ過し、フィルター上に残った金ナノ微粒子をメタノールで洗浄した。マトリックス として 2, 5ジヒドロキシベンゾイツク酸(DHB)を用いてこの金微粒子の MALDI— T OF Mass測定を行ったところ、化合物 7にガラクトシルセラミドが捕捉されたものに 対応するピークが観察された(図 32)。これにより、ォキシルァミン金微粒子によって 糖脂質が捕捉できることが示された。
産業上の利用可能性
[0337] 本発明によれば、硫黄原子を含む有機残基誘導体につ!ヽて極めて感度の高!、質 量分析法を提供することができる。
[0338] 本発明によれば、糖鎖関連酵素反応のリアルタイムでの正確なモニタリングが可能 となる。レーザーの乱反射可能な金属表面上に酵素反応の基質となる糖鎖を提示す ることにより、質量分析法によって酵素反応を追跡することができる。本発明によれば 、質量分析の際、通常の質量分析法では好ましくないバッファーまたは塩などがたと え高濃度で存在したとしても、それらの影響を受けず、高感度に測定することができ、 反応溶液の一部をそのまま分析に用いることができ、簡便である。また生成物を直接 観測できるので、酵素反応の速度論的解析も容易に行えると 、う利点を有する。
[0339] 従来の MALDI—TOF MS法において、「薬剤候補ィ匕合物として多いであろう低 分子領域」について、マトリックス自身の強いピークにより、目的物のピークがうまく観 察できないことが欠点とされてきた力 本発明によれば、目的の低分子化合物を金属 基板 (特に、金属微粒子)に担持することにより、マトリックスフリーな LDI—TOF M Sを、高感度かつ正確に行うことができるという利点を有する。
[0340] 本発明の金属一有機残基複合粒子を提供することにより、チオール基と金属との 結合を利用して、金属微粒子表面に糖鎖や種々の官能基を提示することができ、ま たその金属微粒子の溶解性を、金属微粒子表面に導入するリガンドの性質によって 自在に制御することができる。従って、チオールィ匕合物で被覆した金属微粒子は、水 系での反応のみならず有機溶媒系での固相合成を行う際に有用な固相担体として 利用することができる。微粒子は反応溶媒に溶解しているが、精製の際には固体とし て遠心濾過によって溶液成分と分離可能であるため、分離精製も非常に容易に行え るという利点がある。さらに反応の経過を質量分析法によって直接追跡することがで き、効率的に反応を行える。
[0341] 本発明によれば、金属微粒子として、例えば鉄、ニッケル、コバルトまたは酸ィ匕鉄( Fe O )などの磁性粒子およびこの粒子の表面に被覆した金、銀、カドミウムまたはセ
3 4
レンなどの層を含む複合微粒子を使用することにより、これに硫黄原子を含む有機残 基誘導体を担持したのち、磁石等を用いて微粒子を簡易に回収し、精製無しで質量 分析することができる。
[0342] また、本発明によれば、硫黄原子を介して細胞毒性の無 、有機残基と結合した金 属微粒子を提供することにより、金属一有機残基複合粒子を生細胞に直接取り込ま せることができ、細胞内で生じる様々な化学反応 (例えば、酵素反応)を、その反応生 成物を質量分析することで正確に解析することができる。

Claims

請求の範囲
[1] 金属が硫黄原子を介して有機残基と結合した金属一有機残基複合体から該硫黄 原子を含む有機残基誘導体をイオン化することを特徴とする、該硫黄原子を含む有 機残基誘導体を質量分析する方法。
[2] 一般式 (I) :
(R-S) -M1 (I)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する (R— S)基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)
で表される金属一有機残基複合体から硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオンィ匕 することを特徴とする、
一般式 (Π) :
R-SH (II)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、および Zまたは
一般式 (ΠΙ) :
R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、 を質量分析する方法。
[3] 一般式 (IV) :
M1 - S - X - CH (R) - S - M1 (IV)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、両端の M1は同一実体の金属であ り、 Xは低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである)
で表される金属一有機残基複合体から硫黄原子を含む有機残基誘導体をイオンィ匕 することを特徴とする、
一般式 (V) :
HS— X— CH (R)— SH (V)
(式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、およ び Zまたは 一般式 (VI):
[化 1]
Figure imgf000091_0001
(式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩、 を質量分析する方法。
以下の工程:
1)金属が以下の式:
S -Y- (OCH CH ) -NH-C( =
2 2 n o) CH— O— NH、
2 2
S -Y- (OCH CH ) -NH-C( = NH(CH ),
2 2 n o) CH— O—
2 3
S -Y- (OCH CH ) -NH-C( =
2 2 n o) -CH (NH ) W4 - SH、
2
S -Y- (OCH CH ) -NH-C( =
2 2 n s) -CH (NH ) — W4— SH、
2
S -w1- -O-NH、
2
S -w1- -0-NH(CH ),
3
S -w1- -0-W2-0-NH、
2
S -w1- -0-W2-0-NH(CH ),
-S-(CH CH O) W1— O— W2— O—而、
2 2 n 2
-S-(CH CH O) W1— O— W2— O— NH(CH )ゝ
s -w1 — C( = 0)— NH— NH、
2
s -w1 — C( = S)— NH— NH、
2
s -w1 — NH— C( = 0) -CH (NH ) W4— SH、
2
s -w1 — NH— C( = S) -CH(NH ) W4— SH、
2
s -z1- -Z2-Z3-Z4-Z5-0-NH、
2
s -z1- - Z2 - Z3 - Z4 - Z5 - O - NH(CH )、
3
s -z1- -Z2-Z3-Z4-CH(NH )—0— Z6 SH、
2
s -z1- -Z2-Z3-Z4-CH(NH )—Z6— SH、
2
s -z1- - O Z3 CH(NHト Z6 SH、 s - z1— o- - z3 -O-NH、
2
s - z1 — o- - z3 -0-NH (CH ) ,
3
s - z1 — o- - z3 -Z4— Z5 O NH、
2
s - z1 — o- - z3 _Z4 - Z5 - O - NH (CH )、
3
s - z1 — o- - z3 -Z4-CH (NH )—0— Z6— SH、
2
s - z1 — o- - z3 -Z4-CH (NH ) Z6 SH、
2
s - z1 - z3 -z4 Z5 O NH、
2
s - z1 - z3 -z4 Z5 O NH (CH )、
3
s - z1 - z3 -z4 -CH (NH ) O Z6 SH、
2
s - z1 - z3 -z4 CH (NH ) Z6 SH、または
2
[化 2] H2
Figure imgf000092_0001
で表される基と結合した金属一有機残基複合体と、糖鎖または糖鎖含有物質とが反 応しうる条件下で接触させる工程、
2)該糖鎖または該糖鎖含有物質が結合した金属 有機残基複合体を得る工程、お よび
3)得られた金属一有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をイオン 化する工程、
を包含する、糖鎖または糖鎖含有物質を質量分析する方法。
[5] 前記金属がレーザーの乱反射可能な表面を有する、請求項 1〜4のいずれかに記 載の方法。
[6] 前記金属が金属微粒子である、請求項 5に記載の方法。
[7] 前記金属が金、銀、カドミウムまたはセレンである、請求項 1〜6のいずれかに記載 の方法。
[8] 前記質量分析を MALDI— TOF MS法により行う、請求項 1〜6のいずれかに記 載の方法。 [9] 前記有機残基が糖鎖または糖鎖含有物質を含む基である、請求項 1〜3の 、ずれ かに記載の方法。
[10] 以下の工程:
1)還元剤の存在下、テトラクロ口金酸および硫黄原子を有する被検体を反応させる 工程、
2)金微粒子に該硫黄原子を介して被検体が結合した金 被検体複合粒子を得るェ 程、および
3)得られた金 被検体複合粒子から硫黄原子を有する被検体をイオン化する工程 を包含する、硫黄原子を有する被検体を質量分析する方法。
[11] 金属が以下の式:
) 、
2 2 n 2 2
)
2 2 n 2 3
2 2 n 2
2 2 n 2
2
3
2
3
2 2 n 2
2 2 n 3
2
2
) 、
2
) 、
2
2
)、
3
、 s - z1 - ζ2· - z3 -Z4-CH(NH )—Z6— SH、
2
s - z1 — o- - z3 -CH(NHト Z6— SH、
2
s - z1 — o- - z3 -O-NH、
2
s - z1 — o- - z3 -0-NH(CH ),
3
s - z1 — o- - z3 -Z4— Z5 O NH、
2
s - z1 — o- - z3 -Z4 - Z5 - O - NH(CH )、
3
s - z1 — o- - z3 -Z4-CH(NH )-0-Z6-SH
2
s - z1 — o- - z3 -Z4-CH(NH ) Z6 SH、
2
s - z1 - z3 - z4 Z5 O NH、
2
s - z1 - z3 - z4 Z5 O NH(CH )、
3
s - z1 - z3 - z4 -CH(NH ) O Z6— SH、
2
s — z1 — z3 — z4 CH(NH ) Z6— SH、または
[化 3]
NH
Figure imgf000094_0001
(式中、 Y、 W1および Wは、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C( = 0)、—O - C( = S)、一 NH - C( = 0)、一 NH - C( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表される基と結合した金属一有機残基複合体。 還元剤の存在下、テトラクロ口金酸および以下の式:
[化 4]
- S-Y-(OCH2CH2)n~NH-C( = 0)-CH2-0-NH2)2
-CS~Y- NH(OCH2CH2)n-NH-C( = 0)~CH2-0-NH(CH3))2. - S-Y- (OCH2CH2)n-NH-C( = 0) -CH (NH2)一 W4—SH)2、 ~ S— Y— (OCH2CH2)n-NH-C( = S) -CH (NH2) -W4— SH)2、 ~(S— W1— O— NH2)2
— W1— O— NH(CH3))2
4S— W1— O— W2— O— NH2)2
4S— W1— O— W2— O— NH (CH3) ) 2
4S—(CH2CH20)n— W1— O— W2— O— NH2)2
4S— (CH2CH20)n— W1— 0— W2— 0_NH(CH3))2
-(S-W1-C( = 0)-NH-NH2)2.
~(S— W1— C( = S)— NH— NH2)2
- S-W1-NH-C( = 0)-CH(NH2)-W4-SH)2%
- S-W1-NH-C(=S)-CH(NH2)-W4-SH)2.
s — z1 -z2 — Z3 — Z4— Z5—0— NH2)2
- s- — z1 -22 -z3 —Z4— Z5— O— NH(CH3))2
-4s-一 z1一 Z2 — z3 — Z4— CH(NH2)— O— Z6— SH)2
s-一 z1 -z2Z3. — Z4— CH(NH2)— Z6— SH)2
-4s- -21一 o- -z3- -CH(NH2)— Z6— SH)2
As-一 z1 -o- -z3- -O— NH2)2
-s- -z1 -o- -z3- -0—NH(CH3))2
-4s -z1 — o- -z3- -Z4— Z5—0— NH2)2
-4s -21 -o- -z3- -Z4— Z5— O— NH(CH3))2
s -Z1 — o- -z3- -Z4 - CH(NH2) - O—Z6— SH)2
-4s -Z1 -o- -z3- -Z4 - CH(NH2)—Z6 - SH)2
-4s一 Z1一 z3 — z4 — Z5— O— NH2)2
-4s — z1 -z3 — z4 — Z5— 0—NH(CH3))2
— — z1 -23 -z4 — CH(NH2)— O— Z6— SH)2
As一 z1 — Z3 -CH(NH2)-Z6-SH)2 または
NH2 (式中、 、 および は、それぞれ独立して、 〜 アルキレン、 〜 ァ ルケ-レンまたは 〜 アルキ-レンであり;
は、 〜 アルキレンであり;
は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり は、含窒素複素環であり;
および は、それぞれ独立して アルキレンであり;
は、 )、 )、一 )、一 )、 一、または であり;
は、 ァノレキレンであり;
nは 〜 の整数である)
で表される化合物もしくはその塩を反応させることによる、金一有機残基複合粒子の 製造方法。
金属が以下の式:
2 2 n 2 2
2 2 n 2 3
2 2 n 2
2 2 n 2
2
3
2
3
2 2 n 2
2 2 n 3
2
2
2
、 s - z1 -z2- - z3— Z4— Z5 O NH、
2
s - z1 -z2- - z3 -Z4-Z5-0-NH(CH )、
3
s - z1 -z2- - z3 — Z4— CH(NH )—0— Z6— SH、
2
s - z1 - ζ2· - z3 -Z4-CH(NH )—Z6— SH、
2
s - z1 — o- -z3- -CH(NHト Z6 SH、
2
s - z1 — o- -z3- -O-NH、
2
s - z1 — o- -z3- — O NH(CH ),
3
s - z1 — o- -z3- - Z4— Z5 O NH、
2
s - z1 — o- -z3- -Z4-Z5-0-NH(CH )、
3
s - z1 — o- -z3- -Z4-CH(NH )—0— Z6— SH、
2
s - z1 — o- - z3- -Z4-CH(NH ) Z6 SH、
2
s - z1 - z3 - z4 — Z5 O NH、
2
s - z1 - z3 - z4 — Z5 O NH(CH )、
3
s - z1 - z3 - z4 -CH(NH ) O Z6 SH、
2
s — z1 — z3 — z4 CH(NH )— Z6— SH、または
[化 6]
NH
Figure imgf000097_0001
(式中、 Y、 W1および Wは、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであ り;
Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C( = 0)、—O - C( = S)、一 NH - C( = 0)、一 NH - C( = S)、—O 一、または S であり; Zは、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表され NNI
Hる基と結合した金属一有機残基複合体と、糖鎖または糖鎖含有物質とが反 応しうる条件下 NHで接触させることを特徴とする、糖鎖または糖鎖含有物質の捕捉方法
[14] 以下の工程:
1)金属が硫黄原子を介して有機残基と結合した金属一有機残基複合体と、該有機 残基と相互反応しうる物質とを、接触させる工程、
2)該相互作用しうる物質が結合した金属一有機残基複合体を得る工程、および
3)得られた金属一有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をイオン 化する工程、
を包含する、金属一有機残基複合体の有機残基と相互作用しうる物質の分子量を測 定する方法。
[15] 以下の工程:
1)式:
[化 7]
HS义 1 ,NH2 で表される化合物と金属とを接触させる工程、
2) 1)で得られた金属一有機残基複合体を、糖鎖または糖鎖含有物質とが反応しうる 条件下で接触させる工程、および
3) 2)で得られた金属 有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をィ オンィ匕する工程、
を包含する、糖鎖または糖鎖含有物質を質量分析する方法。
[16] 以下の工程:
1)式:
[化 8]
Figure imgf000099_0001
で表される化合物と糖鎖または糖鎖含有物質とを、該化合物と該糖鎖または糖鎖含 有物質とが反応しうる条件下で接触させる工程、
2) 1)で得られたィ匕合物と金属とを接触させる工程、および
3) 2)で得られた金属 有機残基複合体から硫黄原子を有する有機残基誘導体をィ オンィ匕する工程、
を包含する、糖鎖または糖鎖含有物質を質量分析する方法。
一般式 (Π) :
R-SH (II)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (ΠΙ) :
R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (V) :
HS-X-CH (R) -SH (V)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、 Xは低級アルキレンまたは低級ァルケ-レ ンである)で表される化合物もしくはその塩;
一般式 (VI) :
[化 9]
Figure imgf000099_0002
(式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩;また はそれらの混合物を含有する、糖鎖捕捉用組成物。
以下の式:
[化 10] ~(S— Y—(OCH2CH2)n— NH— C( =〇)一 CH2— 0_NH2)2
~S— Y— (OCH2CH2)n— NH— C( = 0)— CH2— O— NH(CH3))2
- S-Y- (OCH2CH2) n- NH -C ( = O)一 CH (NH2)— W4™SH)2
_ S— Y—(OCH2CH2)n— NH— C( = S)_CH(NH2)— W4— SH)2
~(S— W1— O— NH2)2
_(S—W1— 0_NH(CH3))2
~½—W1— O— W2— O— NH2)2
4S— W1— O— W2— O— NH(CH3))2
4S— (CH2CH20)n— W1— O— W2— O— NH2)2
4S— (CH2CH20)n— W1— 0— W2— 0_NH(CH3))2
~ S— W,_C( = 0)— NH— NH2)2
4S— W1— C( = S)— NH— NH2)2
- S-W1-NH-C( = 0)-CH(NH2)-W4-SH)2.
As- -w 1一 NH— C(=S)— CH(NH2)— W4— SH)2
As- — z1 -22- -z3-一 Z4— Z5— 0_NH2)2
-s- — z1一 Z2- -z3 -Z4— Z5—0— NH(CH3))2
-z1一 z2- -z3- -Z4— CH(NH2)— O— Z6— SH)2
s- -z1 — Z2- -z3- -Z4-CH(NH2)一 Z6— SH)2
As- -21一 o— z3- -CH(NH2)— Z6— SH)2
-Cs- — Z1 -o- z3- - O— NH2)2
As- -z1 -o- z3- -O— NH(CH3))2
-4s — Z1 — o- •z3- -Z4— Z5— O— NH2)2
-4s- -21 -o- z3- -Z4— Z5—0— NH(CH3))2
-Cs -z1 -o- ■z3- -Z4 - CH(NH2) - O—Z6— SH)2
-Cs -z1 — o— •z3- -Z4— CH(NH2)— Z6— SH)2
-4s -z1一 z3- -z — Z5_0— NH2)2
-4s -z1 — z3 - z4 -Z5-0-NH(CH3))2.
s — z1 — z3- -z4 — CH(NH2)— O— Z6— SH)2
s -z1一フ 3— -z4 — CH(NH2)— Z6— SH)2 または
[化 11]
N—— N
人 人 zNH2
HS I H
NH2
(式中、 Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり
Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C( = 0)、—O - C( = S)、一 NH - C( = 0)、一 NH - C( = S)、—O または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表される化合物を含有する、糖鎖捕捉用組成物。
以下の式:
M2- (S-Y- (OCH CH ) NH— C( = 0)— CH— O— NH ) M2—(S—Y
2 2 n 2 2 m
- (OCH CH ) NH— C( = 0)— CH— O— NH(CH ))
2 2 n 2 3 m
M2- (S-Y- (OCH CH ) NH— C( = 0)— CH(NH )— W4— SH)
2 2 n 2 m
M2- (S-Y- (OCH CH ) — NH— C( = S)— CH(NH )— W4— SH)
2 2 n 2 m
M2—(S— W1— O— NH )
2 m
M2— (S— W1— O— NH(CH ))
3 m
M2—(S— W1— O— W2— O— NH )
2 m
M2— (S— W1— O— W2— O— NH(CH ))
3 m
M2— (S— (CH CH O) — W1— O— W2— O— NH )
2 2 n 2 m
M2— (S— (CH CH O) — W1— O— W2— O— NH(CH ))
2 2 n 3 m
M2- (S-W1-C( = 0) -NH-NH )
2 m
M2- (S-W1-C( = S) -NH-NH )
2 m
M2—(S— W1— NH— C( = 0) -CH(NH ) W4— SH)
2 m
M2- (S-W1-NH-C( = S) -CH(NH )—W4— SH)
2 m
M2—(S— Z1— Z2— Z3— Z4— Z5— O— NH )
2 m
M2—(S— Z1— Z2— Z3— Z4— Z5— O— NH(CH )) M2- (s - z1 -z2- - z3 -Z4-CH(NH )-0-Z6-SH) 、
2 m
M2- (s - z1 - ζ2· - z3 -Z4-CH(NH ) -Z6-SH) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- -z3- -CH(NH ) Z6 SH) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- -z3- -O-NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- -z3- — O NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 -o- -z3- - Z4— Z5 O NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- -z3- - Z4— Z5 O NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 -o- -z3- — Z4— CH(NH )— O Z6— SH) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- - z3- -Z4-CH(NH ) -Z6-SH) 、
2 m
M2- (s - z1 - z3 - z4 — Z5 O NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 - z3 - z4 — Z5 O NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 - z3 - z4 — CH(NH ) O Z6— SH) 、
2 m
M2- (s — z1 — z3 — z4 CH(NH )-Z6-SH) 、または
一般式 (VII)
[化 12]
Figure imgf000102_0001
(式中、 M2は金属であり;
mは、 M2に対する硫黄原子を含む有機残基の化学量論比を表し、 1以上の整数で あり; Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12アル ケニレンまたは C2〜C12アルキニレンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり
Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、一 O C( = 0)、一 O C( = S)、一 NH— C( = 0)、一 NH— C( = S)、一 O 一、または s—であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜 10の整数である)で表される金属 有機残基複合体。
[20] 一般式 (I) :
(R-S) -M1 (I)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する (R— S)基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)で表される金属一有機残基複 合体;または
一般式 (IV) :
M1 - S - X - CH(R) - S - M1 (IV)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、両端の M1は同一実体の金属であり、 Xは 低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである)で表される金属—有機残基複合体、 を含有する、糖鎖捕捉用組成物。
[21] 以下の式:
M2- (S-Y- (OCH CH ) -NH-C( = 0)-CH—O— NH ) 、M2—(S—Y
2 2 n 2 2 m
- (OCH CH ) NH— C( = 0)— CH— O— NH(CH )) 、
2 2 n 2 3 m
M2— (s- -Y- (OCH CH ) NH C( = 0) -CH (NH ) -w4
2 2 n 2
M2— (s- -Y- (OCH CH ) NH— C( = S) -CH (NH ) - -w4-
2 2 n 2
M2— (s- -W'-O-NH ) 、
2 m
M2— (s- — W1 O— NH(CH )) 、
3 m
M2— (s- -W'-O-W^O-NH ) 、
2 m
M2— (s- — W1 O W2 O— NH(CH )) 、
3 m
M2— (s- - (CH CH O) W1 O W2 O- - NH ) 、
2 2 n 2 m
M2— (s- - (CH CH O) W1 O W2 O- - NH(CH )) ゝ
2 2 n 3 n
M2— (s- -W1-C( = 0)-NH-NH ) 、
2 m
M2— (s- — W1— C( = S) NH NH ) 、
2 m
M2— (s- — W1 NH C( = 0) -CH (NH ) - W4-SH) 、
2 m
M2— (s- -W1-NH-C( = S) -CH(NH ) W4-SH) 、 M2- (s - z1 -z2- - z3 -Z4-Z5-0-NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 -z2- - z3 — Z4— Z5— O— NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 -z2- - z3 -Z4-CH(NH )-0-Z6-SH) 、
2 m
M2- (s - z1 - ζ2· - z3 -Z4-CH(NH ) -Z6-SH) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- -z3- -CH(NH ) Z6— SH) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- -z3- -O-NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- -z3- — O— NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 -o- -z3- - Z4— Z5— O— NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- -z3- - Z4— Z5— O— NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 -o- -z3- - Z4— CH(NH )— O— Z6— SH) 、
2 m
M2- (s - z1 -o- - z3- -Z4-CH(NH ) -Z6-SH) 、
2 m
M2- (s - z1 - z3 - z4 — Z5— O— NH ) 、
2 m
M2- (s - z1 - z3 - z4 — Z5— O— NH(CH )) 、
3 m
M2- (s - z1 - z3 - z4 — CH(NH )— O— Z6— SH) 、
2 m
M2- (s — z1 — z3 — z4 CH(NH )-Z6-SH) 、または
一般式 (VII)
[化 13]
Figure imgf000104_0001
(式中、 M2は金属であり;
mは、 M2に対する硫黄原子を含む有機残基の化学量論比を表し、 1以上の整数で あり; Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12アル ケニレンまたは C2〜C12アルキニレンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり
Z2は、含窒素複素環であり; Z3および Z5は、それぞれ独立して CI— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)で表される金属一有機残基複合体を含有する、糖鎖捕捉 用組成物。
以下の A)および B):
A)—般式 (Π) :
R-SH (II)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (ΠΙ) :
R-S -S-R (III)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩; 一般式 (V) :
HS-X-CH (R) -SH (V)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、 Xは低級アルキレンまたは低級ァルケ-レ ンである)で表される化合物もしくはその塩;
一般式 (VI) :
[化 14]
Figure imgf000105_0001
(式中、 R、 Sおよび Xは前記と同意義である)で表される化合物もしくはその塩;また はそれらの混合物;および
B)金属、
を含む、糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キット。
以下の A)および B):
A)以下の式: ェ
Figure imgf000106_0001
(式中、 Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12ァ ルケ-レンまたは C2〜C12アルキ-レンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)
で表される、硫黄原子を含む有機残基誘導体;および
B)金属、
を含む、糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キット。
[24] 一般式 (I) :
(R—S) —M1 (I)
(式中、 Rは有機残基であり、 Sは硫黄原子であり、 M1は金属であり、 nは M1に対する (R— S)基の化学量論比を表し、 1以上の整数である)で表される金属一有機残基複 合体;または
一般式 (IV) :
M1 - S - X - CH (R) - S - M1 (IV)
(式中、 Rおよび Sは前記と同意義であり、両端の M1は同一実体の金属であり、 Xは 低級アルキレンまたは低級ァルケ-レンである)で表される金属—有機残基複合体、 を含有する、糖鎖または糖鎖含有物質の質量分析用キット。
[25] 以下の式:
M2- (S-Y- (OCH CH ) -NH-C ( = 0) -CH—O— NH ) 、 M2—(S—Y
2 2 n 2 2 m
- (OCH CH ) NH— C ( = 0)— CH— O— NH (CH ) ) 、
2 2 n 2 3 m
M2- (S-Y- (OCH CH ) NH— C ( = 0)— CH (NH )— W4— SH) 、
Figure imgf000108_0001
Figure imgf000109_0001
(式中、 M2は金属であり;
mは、 M2に対する硫黄原子を含む有機残基の化学量論比を表し、 1以上の整数で あり; Y、 W1および W2は、それぞれ独立して、 C1〜C12アルキレン、 C2〜C12アル ケニレンまたは C2〜C12アルキニレンであり;
W4は、 C1〜C2アルキレンであり;
Z1は、置換されて!、てもよ ヽァリレンまたは置換されて 、てもよ 、ヘテロァリレンであり
Z2は、含窒素複素環であり;
Z3および Z5は、それぞれ独立して C1— C12アルキレンであり;
Z4は、—0— C ( = 0)、—O - C ( = S)、一 NH - C ( = 0)、一 NH - C ( = S)、—O 一、または S であり;
Z6は、 CI— C2ァノレキレンであり;
nは 1〜10の整数である)で表される金属一有機残基複合体を含む、糖鎖または糖 鎖含有物質の質量分析用キット。
[26] 前記質量分析を LDI— TOF MS法により行う、請求項 1〜6のいずれかに記載の 方法。
[27] 前記質量分析を LDI— TOF MS法により行う、請求項 10に記載の方法。
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