明 細 書
タイヤの製造方法およびビード部材供給装置
技術分野
[0001] 本発明は、予め定められた一群のサイズから選ばれた複数のサイズのグリーンタイ ャを効率よく成型する、いわゆる多サイズ混流生産方式に基づくタイヤの製造方法、 および、この方法に用いるビード部材供給装置に関し、特に、リム径の異なるサイズ を相前後して成型することのできるものに関する。
背景技術
[0002] タイヤのサイズは昨今ますます多様化してきており、同じサイズを続けて生産し、量 力 Sまとまった時点でサイズを切り替える従来のタイヤの生産方式では、膨大な在庫を 力けることになり、コストの点においても、スペースの点においても、生産効率が悪化 するという問題があり、この問題に対応するため、出願人は、複数のサイズが混ざり合 つた一群のサイズのタイヤを所定タクトタイムで成型することのできるシステムを提案し てレヽる(例えば、特願 2002-341279)。
[0003] このシステムは、成型の対象とする一群のサイズのタイヤの構成部材を組み付ける に際し、各構成部材のこの一群のサイズに共通な部材要素を、それぞれのサイズご と予め定められている量だけ組み合わせるので、相前後して、異なるサイズを成型す るのにも、部材要素の種類を切り替えることなぐその量を変えるだけ済み、サイズ切 り替えに余計な時間を必要とせず所定のタクトタイムで生産を続けることができるとい う特長をもっている。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] し力 ながら、ビードコアを含むビード部材に関しては、予め円環状に形成されたビ 一ド部材を組み付けるので、それぞれのサイズごと予め定められている量の共通部 材要素を組み合わせて異なるリム径のビード部材を組み付けるわけにゆかず、この 成型システムで同時に混流することのできるサイズは、同じリム径のタイヤサイズに限 定されてしまレ、、サイズの混流が不十分で、そのため在庫の縮小が不十分であった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、所定タクトタイムで、リム径 の異なるサイズのタイヤを相前後して成型するシステムを可能にすることのできるタイ ャの製造方法およびそのためのビード部材供給装置を提供することを目的とするも のである。
課題を解決するための手段
[0005] (1)は、予め定められた一群のサイズから選ばれた複数のサイズのグリーンタイヤを
、所定のタクトタイムで、予め定められた成型順序に基づいて成型するに際し、 この成型順序は、リム径の異なるサイズが相前後する順序要素を含み、 ビード部材をグリーンタイヤに組み付けるに当たり、この成型順序に従って配列され た複数のサイズのビード部材を収納するコンテナから、配列された並びの順にビード 部材を取り出して成型途中のグリーンタイヤに供給するタイヤの製造方法である。
[0006] (2)は、予め定められた一群のサイズから選ばれた複数のサイズのグリーンタイヤを
、予め定められた成型順序に基づいて成型するに際し、
この成型順序は、リム径の異なるサイズが相前後する順序要素を含み、 ビード部材をグリーンタイヤに組み付けるに当たり、この成型順序と無関係に配列さ れた複数のサイズのビード部材を収納するコンテナから、所要のサイズのビード部材 を選び出して成型途中のダリーンタイヤに供給するタイヤの製造方法である。
[0007] (3)は、(2)において、それぞれのビード部材をコンテナに収納する際、ビード部材 のサイズとコンテナ内の配列場所とを対応付けて記憶し、
所要のサイズのビード部材を選び出すに際して、この記憶した情報に基づレ、て所 要のビード部材の配列場所を特定するものである。
[0008] (4)は、(2)において、ビード部材をコンテナに収納する際、ビード部材、もしくは、 各ビード部材と一対一に対応してこのビード部材と同じ配列場所に収納される記録 媒体に、このビード部材のサイズ情報を記録し、
所要のサイズのビード部材を選び出すに際して、ビード部材もしくは前記記録媒体 に記録されたサイズ情報を、順次、配列場所の所定の並びの順に読取って前記所要 のサイズと照合し、その照合結果に基づいて所要のビード部材の配列場所を特定す るものである。
[0009] (5)は、(1)のタイヤの製造方法に用いるビード部材供給装置であって、 ビード部材を一つずつ載せたカートリッジを積み上げて収納する実コンテナ、およ び、空のカートリッジを収納する空コンテナを、所定位置に係留するコンテナヤードと 、実コンテナからビード部材を取り出すビード部材ハンドリングロボットとを具え、 実コンテナに収納されカートリッジに載せられたビード部材は、そのサイズが、前記 成型順序の前後関係に対応して上下するよう配列され、ビード部材ハンドリングロボ ットは、実コンテナの上方から順にビード部材とカートリッジとを交互に取り出して、ビ 一ド部材を、グリーンタイヤを成型する手段に供給し、カートリッジを、空コンテナに移 載するものとするビード部材供給装置である。
[0010] (6)は、(5)において、それぞれのビード部材に対応するカートリッジに、そのビード 部材の、サイズを含む自己識別符号を記録する識別符号記録媒体を取り付けるとと もに、この識別符号記録媒体から自己識別符号を読取り、読取られたサイズ情報と成 型順序の情報に基づいて定まるサイズ情報とを照合するビード部材サイズ判定手段 を設け、前記ビード部材ハンドリングロボットは、実コンテナから取り出したビード部材 を、ビード部材サイズ判定手段を経由してグリーンタイヤ成型手段に供給するもので ある。
[0011] (7)は、(5)もしくは(6)において、前記実コンテナ内のビード部材は、それぞれの 軸心が同一垂直線上で上下するよう配置され、前記ビード部材ハンドリングロボットは 、拡縮可能に設けられた複数のチャックを有するビード部材把持ハンドを具え、ビー ド部材の取り出し位置において、ビード把持ハンドを、そのチャックの拡縮中心線が 前記垂直線と一致するよう位置させるとともに、前記成型順序に基づいて定まるビー ド部材のサイズに応じて前記チャックを拡縮するよう構成されてなるものである。 発明の効果
[0012] (1)によれば、成型順序に従って配列された複数のサイズのビード部材を収納する コンテナから、配列された並びの順にビード部材を取り出すので、リム径の異なるサイ ズのタイヤを相前後して成型する成型システムに所望のサイズのビード部材を供給 することができ、リム径の違うサイズの同時混流生産を可能にすることができる。
[0013] (2)によれば、成型順序と無関係に配列された複数のサイズのビード部材を収納す
るコンテナから、所要のサイズのビード部材を選び出すので、リム径の異なるサイズの タイヤを相前後して成型するシステムに所望のサイズのビード部材を供給することが でき、リム径の違うサイズの同時混流生産を可能にすることができる。
[0014] (3)によれば、所要のサイズのビード部材を選び出すに際して、コンテナの配列場 所ごとのサイズを記憶したサイズ配列情報に基づいて所要のビード部材の配列場所 を特定するので、瞬時に所要のビード部材を選び出すことができる。
[0015] (4)によれば、所要のサイズのビード部材を選び出すに際して、これを選び出す直 前に、ビード部材もしくは前記記録媒体に記録されたサイズ情報をスキャンして所要 のビード部材の配列場所を特定するので、確実に所要のビード部材を選び出すこと ができる。
[0016] (5)によれば、ビード部材ハンドリングロボットは、成型順序の前後関係に対応して 上下するよう配列されたビード部材を上方から順に取り出すので、簡易な装置で、請 求項 1に記載のタイヤの製造方法を実現することができ、したがって、低コストで、異 なるリム径のサイズが相前後する成型順序による成型システムを可能にすることがで きる。
[0017] (6)によれば、識別符号記録媒体を読取るビード部材サイズ判定手段を具えるので 、間違ったビード部材の組み合わせを防止して、品質保証を確たるものにすることが できる。
[0018] (7)によれば、ビード把持ハンドのチャックを拡縮可能なものとしたので、軽量なハ ンドで、複数のサイズの把持を可能にすることができる。
図面の簡単な説明
[0019] [図 1]本発明の実施形態のビード部材供給装置を含む成型システムの一部を示す配 置図である。
[図 2]カーカスバンドにビード部材を組み付けるそれぞれの工程における部材の状態 を、部材軸線 Aを通る断面において示す部分断面図である。
[図 3]図 2に続く工程における部分断面図である。
[図 4]ビード部材を収納する実コンテナの側面図である。
[図 5]ビード部材ハンドリングロボットのハンドを示す平面図である。
[図 6]図 5の A— A矢視を示す矢視図である。
[図 7]他の実施形態のビード部材供給装置を示す平面図である。
[図 8]図 7の B— B矢視を示す矢視図である。
[図 9]図 7の C一 C矢視を示す矢視図である。
発明を実施するための最良の形態
[0020] 以下、本発明の実施形態について図 1ないし図 9に基づいて説明する。図 1は、本 実施形態のビード部材供給装置を含む成型システムの一部を示す配置図であり、図 2、図 3は、カーカスバンドにビード部材を組み付けるそれぞれの工程における部材 の状態を、部材軸線 Aを通る断面において示す部分断面図である。
[0021] このタイヤ成型システム 10は、カーカスバンド CBを形成するカーカスバンド形成ス テーシヨン 2、ビード部材 PBをカーカスバンド CBに組み付けるビード部材組み付けス テーシヨン 3、および、組み付けられたカーカスバンド CBを受け取りその中央部をトロ イダノレ状に膨出させるとともにカーカスバンド CBの両側部をビード部材 PBの周りに 折返す折返しステーション 4を具え、ビード部材組み付けステーション 3には、ビード 部材 PBを供給するビード部材供給装置 1が設けられる。
[0022] この成型システム 10において、カーカスバンド CBにビード部材 PBを組み付けるに は次のようにして行う。まず、カーカスバンド形成ステーション 2で、図 2 (a)に示すよう に、カーカスバンド成型ドラム 11上に、インナーライナ IL、キャンバスチェーファ CCH 、スキージー SQ、カーカス Pを半径方向内側から順に環状に組み付けてカーカスバ ンド CBを形成する。
[0023] カーカスバンド CBを、カーカスバンド成型ドラム 11から折返しステーション 4に移載 するバンドトランスファ台車 12は、その幅方向両側に設けられた一対のビード把持リ ング 12aと一対のバンド把持リング 12bとを具え、これらの把持リング 12a、 12bは、幅 方向内外には左右対称に変位可能に、また半径方向内外には拡縮可能に設けられ ていて、カーカスバンド CBの形成と並行して、ビード組み付けステーション 3で、図 2 ( b)に示すように、バンドトランスファ台車 12に取り付けられた両ビード把持リング 12a の幅方向内側に、ビード部材 PBをセットする。ここでセットされるビード部材 PBは、ビ ードコア Bに予めビードフイラ BFがプリセットされたプリセットビードである力 この工程
でビードコア Bだけをセットして、ビードフイラ BFは、後の工程で形成することも可能で ある。
[0024] その後、カーカスバンド CBを外周上に保持するカーカスバンド成型ドラム 11を、矢 印 Dの方向に移動して、図 3 (a)に示すように、バンドトランスファ台車 12のビード把
1
持リング 12aおよびバンド把持リング 12bの半径方向内側に揷入する。そして、バンド 把持リング 12bをカーカスバンド CBのサイズに応じて変化する幅方向位置にセットし これを縮径してカーカスバンド CBを半径方向外側力、ら把持した後、カーカスバンド成 型ドラム 11を縮径し、バンドトラスファ台車 12を矢印 Dの方向に、折返しステーション
2
4まで移動し、そこで待機中のグリーンタイヤ成型ドラム 13の外周上にカーカスバンド CBを位置させ、これをグリーンタイヤ成型ドラム 13に移載する。
[0025] このあと、バンドトランスファ台車 12は矢印 Dの反対方向に移動して、ビード部材
2
組み付けステーション 3に戻り、また、カーカスバンド成型ドラム 11は矢印 Dと反対方 向に移動して、カーカスバンド形成ステーション 2に戻る。また、折返しステーション 4 で両側部をビード部材周りに折返されたカーカスバンド CBは、その後、グリーンタイ ャ成型ドラム 13に取り付けられたまま、矢印 Dの方向に沿って移動しトレッドゴムや
3
ベルト部材等の部材を組み付けられグリーンタイヤとして完成され次の加硫工程に搬 送され、一方、グリーンタイヤ成型ドラム 13は、無端状に設けられたレール R上を走 行して元に戻る。
[0026] 次にビード部材 PBを供給するビード部材供給装置 1およびビード部材 PBの供給 方法について説明する。図 1に示すように、ビード部材供給装置 1は、ビード部材を 収納する実コンテナ 6を係留するコンテナヤード 9と、ビード部材 PBを実コンテナ 6か ら取り出し、バンドトランスファ台車 12のビード把持リング 12aに移載するビード部材 ハンドリングロボット 5とを具える。図 4は、ビード部材 PBを収納する実コンテナ 6の側 面図であり、実コンテナ 6には、ビード部材 PBがーつずつ、リング状のカートリッジ CT に載せられ、これらのカートリッジ CTが積み上げられた状態で、ビード部材 PBが収 納される。
[0027] 上下に積み上げられたビード部材 PBは、成型順序の先のサイズが後のサイズより 上に位置するよう配置され、例えば、予め定められた成型順序の一部が、サイズ Aの
後にサイズ Bが成型され、このサイズ Bの後にサイズ Cが成型されるものであった場合 、これに対応する実コンテナ上のビード部材 PBは、図 4に示すように、上から、 A、 A 、 B、 B、 C、 Cの順にと配置されている。ここで、同じサイズのビード部材が二本ずつ 対になって配置されるのは、一つの実コンテナ 6からタイヤー本分の左右のビード部 材が供給されるからである。ここで、予め定められた成型順序は、リム径の異なるサイ ズが相前後する順序要素を含むものあり、上記の例において、相前後するサイズ Aと Bとは、異なるリム径のものである。
[0028] また、それぞれのカートリッジ CTには、各カートリッジ CT上に載せられたビード部 材 PBを識別する識別符号を記録する、読み書き可能な IDタグ TGが取り付けられ、 この IDタグ TGは、このカートリッジ CTに対応するビード部材 PBのサイズ情報を含む 自己識別符号を記憶する自己識別符号記憶媒体として機能し、ビード部材 PBを実 コンテナ 6に積み込む際、それぞれのカートリッジ CTの IDタグ TGに、各カートリッジ CTに載せられるビード部材 PBの自己識別符号を書き込み、実コンテナ 6からビード 部材 PBを取り出すときにこの自己識別符号を読み込む。 自己識別符号記録媒体と しては、 IDタグ TGのほ力、バーコードが印刷されたシートや磁気カードなどの他の媒 体ち用レ、ることちできる。
[0029] そして、コンテナヤード 9には、空のカートリッジ CTだけを積み上げて収納する空コ ンテナ 7も係留され、また、ビード部材供給装置 1には、カードリッジ CTに取り取り付 けられた IDタグ TGの情報を読取る、ビード部材サイズ判定手段 8が設けられ、このビ 一ド部材サイズ判定手段 8は、成型順序によって定まる所望の成型サイズを記憶して おく記憶手段と、 IDタグ TGの情報を読取る手段と、記憶手段によって記憶された所 望のサイズと読取った情報の中のサイズとの同一を判定する判定手段と、もし、これら のサイズが異なった場合、警報を発したり装置を停止させたりする異常処置手段等を 具えて構成される。
[0030] ビード部材ハンドリングロボット 5は、多関節アーム 5bの先端にハンド 5aを取り付け た構造になり、図 5は、ビード部材ハンドリングロボット 5のハンドを示す平面図であり、 図 6は、図 5の A— A矢視を示す矢視図である。ハンド 5aは、多関節アーム 5bの先端 に揺動自在もしくは摺動自在に取り付けられた円形のハンド基部 17、ハンド基部 17
に一体的に取り付けられその半径方向外側に放射状に延在する複数のステー 18、 これらのステー 18を介してハンド基部 17に一体的に固定されたハンド外縁部 19、ス テー 18に支えられハンド基部 17の外周にガイドされて軸心〇eの周りに回動可能に 設けられた可動板 22、一端をハンド外縁部 19に連結されるとともに伸縮するロッド先 端を可動板 22上の点 22bに連結されて可動板 22を回動する回動シリンダ 21、それ ぞれのステー 18に取り付けられ放射方向に延在する直動ガイド 23、および、それぞ れの直動ガイド 23に案内され半径方向内外に変位する拡縮ブロック 25を具える。そ して、可動板 22には、周上の複数力所に、例えば図 5に示すものにあっては 8力所に 、放射方向と傾斜する向きに、表裏面を貫通する長穴 22aが設けられる。
[0031] それぞれの拡縮ブロック 25には、ビード部材 PBを同一円周上の複数箇所で把持 するビード部材把持チャック 15、カートリッジ CTを同様にして把持するカートリッジ把 持チャック 16、ビード部材把持チャック 15に密着したビード部材 PBをビード部材把 持チャック 15からはがすための剥がしシリンダ 26、および、可動板 22の長穴 22aに 係合して設けられたガイドピン 24を具える。ガイドピン 24が長穴 22aに係合している ことにより、予め定められた成型順序によって定まるサイズに応じて、回動シリンダ 21 のロッドを、複数段階の長さにから選ばれた所要の長さに伸縮させ、可動板 22を回 動して長穴 22aの周方向位置を制御し、この長穴 22aに係合するガイドピン 24を所 定の位置まで放射方向に移動させ、よって、このガイドピン 24と一体的に移動する複 数の拡縮ブロック 25を一斉に作動させ、把持するビード部材 PBのリム径に応じてビ 一ド部材把持チャック 15を拡縮させることができる。
[0032] なお、ビード部材把持チャック 15として、例えば、磁気力によるマグネットチャックを 用いることができ、また、カートリッジ把持チャック 16として、例えば、吸引力による吸 盤チャックを用レ、ること力 Sできる。
[0033] このビード部材供給装置 1の一連の作動は次の通りである。ビード部材ハンドリング ロボット 5は、ビード部材取り出し位置 P1において、ビード部材 PBを、実コンテナ 6か ら取り出し、待機中のバンドトランスファ台車 12の一方のビード把持リング 12aに移載 する。次いで、実コンテナ 6からカートリッジ CTを取り出し、ビード部材サイズ判定手 段 8の近くを通過させて、空コンテナ 7にこれを移載する。このとき、ビード部材サイズ
判定手段 8は、カートリッジ CTに取り付けられた IDタグ TGの情報を読み込み、もしこ れが所望のサイズでない場合にはその旨の警報を発するとともに装置 1の動作を停 止させる。問題がない場合には、ビード部材ハンドリングロボット 5はそのまま所定の 作動を継続し、最上段に現われる次のビード部材 PBをビード部材取り出し位置 P1に て取り出し、これをバンドトランスファ台車 12の他方のビード把持リング 12aに移載す る。そして同様にして実コンテナ 6からカートリッジ CTを取り出し、空コンテナ 7にこれ を移載する。
[0034] そして、実コンテナ 6に積み上げたビード部材 PBがなくなると、それぞれのコンテナ
6、 7は、一ピッチだけ矢印 Dの方向にピッチ送りされ、ビード部材取り出し位置 P1に
4
あった実コンテナ 6は、カートリッジ移載位置 P2に移動して、カートリッジ CTだけを積 み上げる空コンテナ 6として新たな機能を開始し、ビード部材取り出し位置 P1には、 ビード部材 PBが満載された実コンテナ 6がセットされることになる。
[0035] 図 7—図 9は他の実施形態のビード部材供給装置 31を示し、図 7は、ビード部材供 給装置 31の平面図、図 8は、図 7の B— B矢視を示す矢視図であり、図 9は、図 7の C -C矢視を示す矢視図である。ビード部材供給装置 31は、ビード部材 PBを収納する 実コンテナ 6を係留するコンテナヤード 39と、ビード部材 PBを実コンテナ 6から取り出 し、バンドトランスファ台車 12の両ビード把持リング 12aに移載するビード部材ハンドリ ングロボット 35とを具える。実コンテナ 6には、ビード部材 PBがーつずつ、リング状の カートリッジ CTに載せられ、これらのカートリッジ CTが積み上げられた状態で、ビード 部材 PBが収納される。
[0036] ビード部材 PBは、成型順序とは無関係な配列で上下に積み上げられる力 このビ 一ド部材供給装置 31には、それぞれの実コンテナ 7内のビード部材 PBの配列に関 する情報を記憶する、図示しないビード部材配列記憶手段を具え、ビード部材を積 み込むステーションで実コンテナ 6への積み込みが完了した時点で、この配列情報 は、このステーションから、前記ビード部材配列記憶手段へ伝送される。
[0037] また、ビード部材供給装置 31は実コンテナ 6に設けられた IDタグを読取ってこの実 コンテナの IDを識別する実コンテナ識別手段を具えていて、このことにより、ビード部 材供給装置 31は、取り出し位置 P1にある実コンテナ 7を識別することができ、そして
、この実コンテナ 7内のビード部材の配列は、前記ビード部材配列記憶手段に記憶さ れているので、所望のサイズのビード部材 PBがどの段に位置するかを予め特定する こと力 Sできる。
[0038] ここで、ビード部材ハンドリングロボット 35は、予め定められた成型順序により定まる サイズのビード部材 PBを順次、実コンテナ 6から取り出す必要がある力 この実施形 態においては、ビード部材 PBは、成型順序と無関係に実コンテナ 6内に配列されて いるので、取り出すべきビード部材 PBは、最上段に位置することはほとんどなぐハ ンド 35aでビード部材 PBを取り出すためには、ハンド 35aを中間の段のビード部材同 士の間に揷入しなければならず、そのため、カートリッジ昇降装置 32が設けられる。 カートリッジ昇降装置 32は、成型順序から定まる所望のサイズと、ビード部材配列記 憶手段により記憶されたサイズ配列情報を照合して、所望のサイズのビード部材 PB の位置を特定し、特定された位置より上に積み上げられたカートリッジ CTおよびビー ド部材 PBを上昇させる。このことにより、ビード部材ハンドリングロボット 35のハンド 35 aを挿入するためのスペースを創出することができ、次いで、ビード部材ハンドリングロ ボット 35は、カートリッジ昇降装置 32から、特定されたビード部材位置情報を入手し、 この情報に基づいて前記創出されたスペースにそのハンド 35aを挿入し、あとは先に 説明した実施形態と同様の作動を行わせて、所望のビード部材 PBをバンドトランスフ ァ台車 12に移載することができる。
[0039] なお、カートリッジ昇降装置 32は、図示しないモータ等の駆動装置により、所定の 段のカートリッジ CTを挟み込み、もしくは、カートリッジ CTに設けられた穴にピンを差 込んでカートリッジを保持するカートリッジ保持板 33を上下させるように構成され、ま た、ビード部材ハンドリングロボット 35は、ノヽンド 35a、多関節アーム 35bの他に、多 関節アーム 35bを、取り出し位置 P1に対応する位置と、カートリッジ移載位置 P2に対 応する位置との間を往復変位させるトラバース機構 35cを具える。
[0040] また、それぞれのカートリッジ CTには、各カートリッジ CT上に載せられたビード部 材 PBを識別する識別符号を記録する、読み書き可能な IDタグ TGが取り付けられる こと、この IDタグ TGの情報を読取る、ビード部材サイズ判定手段 38が設けられこと、 および、これらにより、所望のサイズと取り出したビード部材のサイズとの照合を行うこ
とができることは、前述の実施形態において説明した通りであり、また、このときのサイ ズ照合方法も先に説明した通りである。
なお、所望のサイズのビード部材 PBの位置を特定する方法として、前記ビード部材 配列記憶手段を用いる代わりに、それぞれのカートリッジ CTに取り付けられた IDタグ TGの情報だけで特定することも可能であり、この場合、例えば、カートリッジ昇降装 置 32のカートリッジ保持板 33にタグ IDを読取る手段を取り付け、カートリッジ保持板 33でカートリッジ CTを保持する以前の段階で、カートリッジ保持板 33を上下させて、 それぞれのカートリッジ CTのタグ IDをスキャンし、所望のサイズと合致したサイズ情 報に対応するビード部材 PBの位置を記憶してこれを特定する。