JP6518074B2 - ビード部材の取り外し装置及び取り外し方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたドラム装置では、筒状のスティフナーを開きながらビードコアの外周に配置して、スティフナーとビードコアを有する環状のビード部材を形成する。
図示のように、ビード部材90は、ビードコア91とスティフナー92を有し、保持部材111の保持面112に保持される。保持装置110の保持部材111は、保持面112に複数の切欠き部113を有し、取り外し装置100は、複数の切欠き部113に入る複数の爪101を有する。複数の爪101は、移動装置(図示せず)により移動して、それぞれ切欠き部113内でスティフナー92に接触し、スティフナー92を保持部材111から剥離する。これにより、ビード部材90は、保持装置110から取り外される。
また、本発明は、環状のビードコアの外周にスティフナーを有するビード部材を保持装置から取り外すビード部材の取り外し方法である。ビード部材の取り外し方法は、保持装置の保持部材とビード部材の半径方向の内側部との間にビード部材の半径方向内側に向かって開放された開放隙間が形成された状態で、スティフナーの一方の側面を保持部材に密着させて、ビード部材を保持部材に保持する保持工程と、複数の挿入部材をビード部材の半径方向内側から開放隙間に挿入する挿入工程と、開放隙間に挿入された複数の挿入部材を移動させて、ビード部材の内側部に接触する複数の挿入部材により、ビード部材を保持部材から取り外す取り外し工程と、複数の挿入部材によりビード部材を保持部材から取り外した状態で、保持部材に密着していたスティフナーの一方の側面において、スティフナーの先端部を支持部材により支持する支持工程と、を有する。保持工程では、保持部材から離間したビード部材の内側部と保持部材の間にのみ、開放隙間をビード部材の周方向に沿って1周形成する。支持工程は、複数の挿入部材によりビード部材を保持部材から取り外した後に、支持部材をスティフナーの先端部に接触させずにスティフナーから離間した第1位置からスティフナーの先端部よりも半径方向内側の第2位置に移動させる工程と、支持部材をスティフナーの一方の側面に沿って第2位置からスティフナーの先端部に向かって移動させてスティフナーの先端部を支持する第3位置に配置する工程と、を有する。
本実施形態のビード部材の取り外し装置及び取り外し方法は、タイヤのビード部材を保持装置から取り外して、保持装置の外部にビード部材を移動させる。また、ビード部材の取り外し装置は、保持装置とともに、ビード部材を供給する供給装置の一部を構成し、ビード部材を次工程(例えば、検査工程、又は、グリーンタイヤの製造工程)に供給する。ビード部材は、グリーンタイヤの製造に用いられて、グリーンタイヤ内に設けられる。
図1は、第1実施形態のビード部材90の取り外し装置1を示す側面図であり、取り外し装置1の概略構成を模式的に示している。また、図1は、ビード部材90の半径方向で切断したビード部材90の断面も示している。
図示のように、ビード部材90は、環状のビードコア91の外周に環状のスティフナー92を有する。スティフナー92は、例えば、押出機(図示せず)により、断面形状が先細り形状に形成されて、ドラム(図示せず)の外周に巻き付けられる。また、保持装置10に固定されたビードコア91の外周にスティフナー92が配置されて、環状のビード部材90が形成される。同時に、ビードコア91とスティフナー92からなるビード部材90が保持装置10により保持される。
図1、図2に示すように、保持装置10は、ビード部材90を保持する保持部材11と、ビードコア91を固定する複数の固定部材20と、複数の固定部材20を移動させる移動機構21を有する。保持部材11は、円盤状の部材からなり、ビード部材90の直径よりも大きな直径に形成されている。複数(ここでは、6つ)の固定部材20は、ビードコア91の半径方向内側に、かつ、ビードコア91の周方向に離して配置されて、移動機構21に連結されている。移動機構21は、保持部材11の中央部に設けられて、複数の固定部材20を放射状に移動させる。移動機構21により、複数の固定部材20は、それぞれビード部材90の半径方向に移動して、ビードコア91から離れた位置と、ビードコア91の内周に接触する位置(図1、図2に示す位置)とに配置される。
図示のように、ビード部材90の内側部93は、ビード部材90の内周側の端部を含むビード部材90の半径方向内側(図3では下側)の所定部分であり、少なくともビードコア91を含む。ここでは、ビード部材90の内側部93は、ビードコア91とビードコア91に繋がるスティフナー92の半径方向内側の端部からなる。保持部材11とビード部材90の内側部93との間には、隙間(開放隙間13)が形成される。開放隙間13は、保持部材11とビード部材90の内側部93との間において、ビード部材90の半径方向内側に向かって開放され、ビード部材90の周方向に沿って1周形成されている。
図1、図4に示すように、取り外し装置1は、開放隙間13に挿入される複数の挿入部材30と、それぞれ挿入部材30を変位させる複数の変位機構40と、複数の変位機構40が取り付けられた可動部材2と、可動部材2に連結された移動装置3を備えている。移動装置3は、多関節アームを有する産業用ロボットであり、可動部材2の中央部は、移動装置3の先端に取り付けられている。
図示のように、挿入部材30は、開放隙間13に挿入される突出部(挿入爪)31と、ビードコア91の内周に接触する接触部32を有する。ビード部材90の内側位置では、複数の挿入部材30は、ビード部材90から離して配置され、突出部31は、開放隙間13の外部に配置される。その状態から、ビードコア91の内周で隣接する固定部材20の間で、複数の挿入部材30は、ビード部材90に向かって変位して、挿入位置に配置され、ビード部材90の内側部93と保持部材11の間の開放隙間13に挿入される。
まず、保持装置10は、保持部材11とビード部材90の内側部93との間に開放隙間13が形成された状態で、スティフナー92の一方の側面94を保持部材11に密着させて、ビード部材90を保持部材11に保持する。また、保持装置10の複数の固定部材20により、ビード部材90のビードコア91を固定する。続いて、複数の挿入部材30を、移動装置3により変位空間22に配置し、変位機構40によりビード部材90の内側位置から挿入位置に変位させる。これにより、複数の挿入部材30を、隣接する固定部材20の間で、ビード部材90の半径方向内側から開放隙間13に挿入する。
本発明の効果を確認するため、第1実施形態のビード部材90の取り外し装置1により、ビード部材90を保持装置10から取り外して、取り外しミスの発生を調査した。取り外しミスとは、ビード部材90の取り外し装置1からの落下、スティフナー92の保持部材11からの剥離ミス、スティフナー92の傷付きである。このビード部材90の取り外し試験を61回行ったところ、取り外しミスは発生しなかった。
次に、第2実施形態のビード部材90の取り外し装置について説明する。第2実施形態の取り外し装置は、第1実施形態の取り外し装置1にスティフナー92の支持装置を加えた装置であり、取り外し装置1と同様の効果を発揮する。従って、以下では、第1実施形態の取り外し装置1と相違する事項を説明する。また、第2実施形態の取り外し装置に関して、第1実施形態の取り外し装置1と同じ部分には、取り外し装置1と同じ名称と符号を用いる。
図示のように、取り外し装置50は、ビード部材90のスティフナー92を支持する支持装置51を備えている。支持装置51は、スティフナー92に接触する支持部材52と、支持部材52を移動させる移動手段60を有する。複数の支持装置51が、可動部材2に取り付けられ、移動装置3により、複数の挿入部材30とともに移動する。取り外し装置50は、複数の支持部材52により、スティフナー92の先端部を支持する。
ビード部材90の取り外し前に、支持装置51は、移動手段60の第1移動機構61により支持部材52を移動させて(図7の矢印F1)、支持部材52をビード部材90と可動部材2に接触しない位置に配置する。また、移動手段60の第2移動機構62により、スティフナー92の先端部95の位置に対応して、支持部材52の位置を変更する(図7の矢印G1、G2)。その状態で、取り外し装置50は、複数の挿入部材30により、ビード部材90を保持部材11から取り外して、ビード部材90を保持部材11から所定位置に移動させる。
図示のように、支持装置51の支持部材52は、上記したスティフナー92の先端部95を支持する動作に伴い、変形したスティフナー92の形状を矯正する。具体的には、スティフナー92の変形により、スティフナー92の先端部95が変位する(図9Aの矢印K1)。その状態で、支持部材52は、先端部95に接触することなく、スティフナー92の先端部95よりも半径方向内側の第2位置P2に移動する(図9Aの矢印F2)(図9B参照)。続いて、支持部材52は、第2位置P2から先端部95に向かって移動する(図9Bの矢印H2)。
図示のように、比較例の支持部材120は、スティフナー92の先端部95に向かって直接移動して(矢印L)、スティフナー92の先端部95を支持する。その際、支持部材120により、スティフナー92の先端部95が折り曲げられる虞がある。これに対し、第2実施形態の支持部材52は、先端部95に向かって直接移動せず、先端部95よりも半径方向内側の第2位置P2を経由して、先端部95に向かって移動する。そのため、支持部材52により先端部95を支持するときには、先端部95に折れ曲がりが生じず、先端部95の変形が抑制される。
Claims (6)
- 環状のビードコアの外周にスティフナーを有するビード部材を保持装置から取り外すビード部材の取り外し装置であって、
保持装置は、ビード部材の半径方向の内側部との間にビード部材の半径方向内側に向かって開放された開放隙間が形成された状態で、スティフナーの一方の側面と密着してビード部材を保持する保持部材を有し、
開放隙間は、保持部材から離間したビード部材の内側部と保持部材の間にのみ、ビード部材の周方向に沿って1周形成され、
ビード部材の半径方向内側から開放隙間に挿入される複数の挿入部材と、
開放隙間に挿入された複数の挿入部材を移動させて、ビード部材の内側部に接触する複数の挿入部材により、ビード部材を保持部材から取り外す移動装置と、
複数の挿入部材によりビード部材を保持部材から取り外した状態で、保持部材に密着していたスティフナーの一方の側面において、スティフナーの先端部を支持部材により支持する支持装置と、を備え、
支持装置は、複数の挿入部材によりビード部材を保持部材から取り外した後に、支持部材をスティフナーの先端部に接触させずにスティフナーから離間した第1位置からスティフナーの先端部よりも半径方向内側の第2位置に移動させる手段と、支持部材をスティフナーの一方の側面に沿って第2位置からスティフナーの先端部に向かって移動させてスティフナーの先端部を支持する第3位置に配置する手段と、を有するビード部材の取り外し装置。 - 請求項1に記載されたビード部材の取り外し装置において、
複数の挿入部材は、ビードコアと保持部材の間に形成された開放隙間に挿入されて、ビードコアのみに接触するビード部材の取り外し装置。 - 請求項1又は2に記載されたビード部材の取り外し装置において、
保持装置は、ビードコアの内周で互いに離して配置されてビードコアを固定する複数の固定部材を有し、
複数の挿入部材は、ビードコアの内周で隣接する固定部材の間で開放隙間に挿入されるビード部材の取り外し装置。 - 環状のビードコアの外周にスティフナーを有するビード部材を保持装置から取り外すビード部材の取り外し方法であって、
保持装置の保持部材とビード部材の半径方向の内側部との間にビード部材の半径方向内側に向かって開放された開放隙間が形成された状態で、スティフナーの一方の側面を保持部材に密着させて、ビード部材を保持部材に保持する保持工程と、
複数の挿入部材をビード部材の半径方向内側から開放隙間に挿入する挿入工程と、
開放隙間に挿入された複数の挿入部材を移動させて、ビード部材の内側部に接触する複数の挿入部材により、ビード部材を保持部材から取り外す取り外し工程と、
複数の挿入部材によりビード部材を保持部材から取り外した状態で、保持部材に密着していたスティフナーの一方の側面において、スティフナーの先端部を支持部材により支持する支持工程と、を有し、
保持工程では、保持部材から離間したビード部材の内側部と保持部材の間にのみ、開放隙間をビード部材の周方向に沿って1周形成し、
支持工程は、複数の挿入部材によりビード部材を保持部材から取り外した後に、支持部材をスティフナーの先端部に接触させずにスティフナーから離間した第1位置からスティフナーの先端部よりも半径方向内側の第2位置に移動させる工程と、支持部材をスティフナーの一方の側面に沿って第2位置からスティフナーの先端部に向かって移動させてスティフナーの先端部を支持する第3位置に配置する工程と、を有するビード部材の取り外し方法。 - 請求項4に記載されたビード部材の取り外し方法において、
挿入工程は、複数の挿入部材をビードコアと保持部材の間に形成された開放隙間に挿入する工程を有し、
取り外し工程は、ビードコアのみに接触する複数の挿入部材により、ビード部材を保持部材から取り外す工程を有するビード部材の取り外し方法。 - 請求項4又は5に記載されたビード部材の取り外し方法において、
保持工程は、ビードコアの内周で互いに離して配置された保持装置の複数の固定部材により、ビードコアを固定する工程を有し、
挿入工程は、ビードコアの内周で隣接する固定部材の間で複数の挿入部材を開放隙間に挿入する工程を有するビード部材の取り外し方法。
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