WO2005076063A1

WO2005076063A1 - 電子ノート

Info

Publication number: WO2005076063A1
Application number: PCT/JP2005/001495
Authority: WO
Inventors: Yasuhiro Hattori
Original assignee: Brother Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2004-02-03
Filing date: 2005-02-02
Publication date: 2005-08-18
Also published as: CN100422836C; JP4701616B2; JP2005221545A; US20060262257A1; US7675511B2; CN1914554A

Abstract

電子ノート（１、１００、２００、３００）は、筐体（２）と、筐体（２）に設けられ、帯電された粒子（１５、１６）を含有し一面と他面とを有するシート状の表示媒体（７、８、９）と、筐体（２）に設けられた第１電極（１０ａ）と、筐体（２）に設けられた第２電極（１１ａ）とを備え、表示媒体（７、８、９）と第１電極（１０ａ）と第２電極（１１ａ）との間の位置関係を変化させることで、表示媒体（７、８、９）の一面が第１電極（１０ａ）と対向し表示媒体（７、８、９）の他面が第２電極（１１ａ）と対向するように、第１電極（１０ａ）と第２電極（１１ａ）との間に表示媒体（７、８、９）が配置される配置状態、及び、配置状態以外の状態である非配置状態のいずれか一方をとる。　

Description

明細書

電子ノート

技術分野

[0001] 本発明は、電子ノートに関する。

[0002] 従来より、着色かつ帯電した粒子に電界を与え、その粒子を移動させることにより画像を表示する電子ぺーパが知られている。また、この電子ぺーパを利用した技術として、特許文献 1にも開示されているように、複数枚の電子ぺーパをノート状に綴じた所謂電子ノートが知られて、る。

[0003] この電子ノートを構成する電子ぺーパは、極性毎に異なる色に着色された 2種類の帯電した粒子を含有するフィルムと、第 1電極が形成された第 1基板と、第 2電極が形成された第 2基板とを備え、フィルムを第 1基板と第 2基板とによってサンドイッチ状に挟むようにして一体的に構成されて、る。

[0004] このような構成の電子ぺーパによれば、第 1電極と第 2電極とを介して帯電した粒子に電界が与えられると、第 1電極とは反対極性に帯電した一方の粒子が第 1電極側に、第 2電極とは反対極性に帯電した他方の粒子が第 2電極側に引き寄せられる。

[0005] 即ち、この電子ぺーパは、帯電した粒子に与える電界の方向を制御することで、帯電した粒子を移動させ、その粒子に着色された色のコントラストによって画像を表示する。

[0006] 一方、複数枚のこの電子ぺーパをノート状に綴じた電子ノートによれば、複数枚の紙を綴じた実際のノートと同様に、各電子ぺーパを容易に管理することができる。特許文献 1 :特開 2000— 132121号公報 (第 16段落、図 2等）

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] し力しながら、従来の電子ぺーパは、フィルムと第 1基板と第 2基板とがー体的に構成されているため、紙のように取り扱うことができな力つた。また、複数枚の電子ぺーパの各々に電極を形成すると、電極材料のコストが嵩んだり、電極形成工程に手間が掛力つたりし、その結果、電子ノート自体の製造コストも嵩んでしまうという問題点があった。

[0008] 本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、紙のように取り扱うことができ、製造コストを低減することができる電子ノートを提供することを目的とする課題を解決するための手段

[0009] 上記目的を達成するために、本発明は、筐体と、筐体に設けられ、帯電した粒子を含有し一面と他面とを有するシート状の表示媒体と、筐体に設けられた第 1電極と、筐体に設けられた第 2電極と、を備え、表示媒体と第 1電極と第 2電極との間の位置関係を変化させることで、表示媒体の一面が第 1電極と対向し表示媒体の他面が第 2電極と対向するように、第 1電極と第 2電極との間に表示媒体が配置される配置状態、及び、配置状態以外の状態である非配置状態のいずれか一方をとることを特徴として、る電子ノートを提供して、る。

[0010] このような構成によれば、表示媒体と第 1電極と第 2電極との間の位置関係を変化させることで、電子ノートは、配置状態及び非配置状態のいずれか一方をとる。配置状態では、表示媒体は、第 1電極と第 2電極との間に配置されるため、表示媒体に含有された帯電した粒子には第 1電極及び第 2電極によって電界が与えられる。すると、帯電した粒子は反対極性の電極側に移動し、その帯電した粒子のコントラストによつて画像が書き換えられて表示される。一方、非配置状態では、表示媒体は、第 1電極と第 2電極との間に配置されな、ため、表示媒体に含有された帯電した粒子には電界が与えられない。従って、非配置状態では、粒子が移動しないため、画像は書き換えられない。

[0011] このように、表示媒体と第 1電極と第 2電極とが同一筐体に含まれているため、配置状態と非配置状態とを任意に選択することができる。配置状態と非配置状態とを任意に選択することができるため、表示媒体には直接電極が形成されなくて済む。従って、表示媒体のシート状であるという特性を失うことがなぐ表示媒体を紙のように取り扱うことができる。

[0012] また、電子ノートは、表示媒体は複数の表示媒体からなり、各表示媒体は、配置状態において、各表示媒体の一面が第 1電極と対向し各表示媒体の他面が第 2電極と対向するように、第 1電極と第 2電極との間に配置されるのが好まし、。

[0013] このような構成によれば、配置状態では、複数の表示媒体を、第 1電極と第 2電極との間に一枚毎に配置し、一枚毎に異なる画像を表示させることができる。また、複数枚の表示媒体に画像を表示させる場合であっても、第 1電極及び第 2電極は全表示媒体に対して共通に用いられるため、各表示媒体に電極を形成する必要はない。従つて、電極材料のコストが低減され、また、電極形成工程も簡略化される。これにより、結果的に製造コストを低減することができる。

[0014] また、筐体部は、複数の表示媒体の端部を一括に支持する媒体支持部材を備えているのが好ましい。

[0015] このような構成によれば、媒体支持部材によって複数の表示媒体をノートのように綴じることができるため、多くの情報を複数の表示媒体に亘つて表示したような場合にも容易に確認等の作業を行うことができる。

[0016] また、第 1電極は、シート状の第 1基板に形成され、第 2電極は、シート状の第 2基板に形成されて、るのが好まし、。

[0017] このような構成によれば、第 1基板及び第 2基板がシート状であるため、電子ノート全体を薄型にすることができる。また、表示媒体に含有された粒子を第 1電極と第 2 電極とで挟むには、第 1基板と第 2基板とによって表示媒体をサンドイッチ状に挟めば良、ので、容易に表示媒体に電界を与えることができる。

[0018] また、筐体は、第 1電極と第 2電極とに印加する電気信号を制御する制御ユニットを備えているのが好ましい。

[0019] カゝかる構成の電子ノートによれば、筐体は、第 1電極と第 2電極とに印加する電気信号を制御する制御ユニットを備えて!/ヽるので、表示媒体に所望の画像を表示させることがでさる。

[0020] また、電子ノートは、第 1基板には、第 1方向に延びる複数本のライン状に第 1電極が形成され、第 2基板には、第 1方向とは異なる第 2方向に延びる複数本のライン状に第 2電極が形成されて、るのが好ま、。

[0021] このような構成によれば、基板側カゝら見たライン状の第 1電極とライン状第 2電極との複数の交点が画素となる。従って、必要とする画像の質によってポイントの数、すなわち、ライン状の電極の数を変化させれば、不必要な電極が減るので、電極材料のコストを低減させることができる。例えば、高品質な画像が必要な場合には、ライン状の電極の数を多くすれば良ぐ高品質な画像である必要がない場合には、ライン状の電極の数を少なくすれば良、。

[0022] 異なる例として、第 1の電極は、第 1基板の所定の領域に亘つて設けられた共通電極からなり、第 2の電極は、第 2基板の所定の領域と対向する領域内の複数箇所に形成された個別電極力もなるのが好まし、。

[0023] このような構成によれば、第 1基板の所定の領域は、共通の電位なので、第 2基板の所定の領域と対向する領域の個別電極の位置が画素となる。従って、第 2基板の所定の領域と対向する領域内の所望の位置に個別電極を設けることで、所望の画像を表示させることができる。

[0024] 筐体は、第 1電極と第 2電極とが対向するように第 1基板の端部と第 2基板の端部とを一括に支持する基板支持部材を備えて、るのが好ま U、。

[0025] このような構成によれば、基板支持部材が、第 1電極と第 2電極とが対向するよう〖こ第 1基板と第 2基板とをノート状に綴じているため、表示媒体を第 1基板と第 2基板とで挟む場合、第 1基板と第 2基板の間に表示媒体を挟むだけで良い。これにより、例えば、第 1基板の第 1電極を有しない面と、第 2基板の第 2電極を有しない面とを対向させて表示媒体を挟むような間違いを防止することができる。従って、設計された配置位置とは異なる位置に第 1基板と第 2基板とが配置されることにより、誤った画像が表示されたり、故障の原因を生じさせたりするのを防止することができる。

[0026] また、筐体は略矩形状に形成されており筐体の 1の辺に沿って第 1基板の端部を支持し、表示媒体の他の辺に沿って第 2基板の端部を支持する基板支持部材を備えているのが好ましい。

[0027] 配置状態をとる場合、例えば、第 1基板は、第 1電極が形成された面を上にして基板支持部材の一方向から敷設される。表示媒体は、第 1基板上に積み重ねられる。第 2基板は、第 2電極が形成された面を下にして基板支持部材の一方向とは異なる他の方向力表示媒体の上に積み重ねられる。

[0028] このように、第 1基板の端部と第 2基板の端部とは、第 3支持部材の異なる辺に沿つて各々支持されて!、るので、各基板の電極に接続される電気回路を筐体のそれぞれが支持されている辺の側に設けることができる。この場合、電気回路が分割されることとなるので、各電気回路の厚さを薄くすることができ、且つ、各電気回路を筐体内にノランス良く配置することができる。

[0029] また、電子ノートは、第 1電極が形成されたシート状の電極基板と、電極基板と対向する面に第 2電極が形成されたヘッド部材と、ヘッド部材を電極基板の第 1電極が形成された面に沿って移動させる移動部と、を更に備え、表示媒体は、第 1電極と第 2 電極との間に配置されるのが好まし!/、。

[0030] このような構成によれば、例えば、電極基板は、第 1電極が形成された面を上にして敷設される。表示媒体は電極基板の上に積み重ねられる。この状態で、表示媒体と対向する面に第 2電極が形成されたヘッド部材が電極基板の第 1電極が形成された面に対して相対的に移動する。

[0031] この場合、ヘッド部材の第 2電極が形成された面の面積を電極基板の面積よりも小さくしても、第 2電極が形成されたヘッド部材が電極基板に対して相対的に移動することができるので、表示媒体全体に画像を表示することができる。従って、第 2電極を形成する面を小さくすることができるため、電極材料に要するコストを低減することができる。また、剛性を有する材料でヘッド部材を作成することにより、剛性を有する面に第 2電極を形成することができるので、電極と表示媒体との間隔が略一定に保たれる。これにより、表示媒体に対して略均一の電界を与えることができるので、高品質な画像を表示することができる。

[0032] また、電子ノートは、第 1電極を一面に有し、第 2電極を一面と所定間隔を空けて対向する他面に有するヘッド部材と、ヘッド部材をヘッド部材の一面及びヘッド部材の他面に略平行な方向に移動させる移動部と、を更に備え、表示媒体は、第 1電極と第 2電極との間に配置されるのが好ましい。

[0033] このような構成によれば、ヘッド部材は、所定間隔を空けて互いに対向する 2つの面を有し、その一方の面に第 1電極又は第 2電極の、ずれか一方が形成されており、他方の面に第 1電極又は第 2電極の他方が形成されている。また、表示媒体は、互いに対向する 2つの面の間に配置され、ヘッド部材は、表示媒体に対して相対的に移動することができる。

[0034] この場合、ヘッド部材の電極が形成された対向する 2つの面の面積を表示媒体の面積よりも小さくしても、ヘッド部材が表示媒体に対して相対的に移動することができるので、表示媒体全体に画像を表示することができる。従って、ヘッド部材の対向する 2つの面を小さくすることができるため、電極材料に要するコストを低減することができる。また、剛性を有する面に電極を形成することができるので、電極と表示媒体との間隔が略一定に保たれる。これにより、表示媒体に対して略均一の電界を与えることができるので、高品質な画像を表示することができる。

[0035] また、電子ノートは、表示媒体と、第 1電極と、第 2電極とは、筐体から着脱可能であるのが好ましい。

[0036] このような構成によれば、表示媒体と電極部材とが分離可能に構成されているので、表示媒体だけを持ち運んだり、収納のためのスペースを減らすことができる。また、表示媒体や電極部材に故障が発生した場合には、その故障部分のみを取り外して交換すれば良いので、経済的である。

図面の簡単な説明

[0037] [図 1]は、第 1の実施の形態による電子ノートの斜視図である。

[図 2] (a)は、表示媒体の断面図であり、 (b)は、表示媒体を第 1基板と第 2基板とで挟んだ状態の断面図である。

[図 3] (a)は、表示媒体の一例の断面図であり、（b)は、表示媒体の他の例の断面図であり、（c)は、表示媒体の他の例の断面図である。

[図 4]は、電子ノートの電気的構成を示すブロック図である。

[図 5]は、第 1の実施の形態による電子ノートの使用方法の説明図である。

[図 6]は、第 2の実施の形態による電子ノートの斜視図である。

[図 7]は、第 2の実施の形態による電子ノートの使用方法の説明図である。

[図 8] (a)は、第 3の実施の形態による電子ノートの斜視図であり、 (b)は、第 3の実施の形態による電子ノートの使用方法を説明するための図である。

[図 9] (a)は、第 4の実施の形態による電子ノートの斜視図であり、 (b)は、第 4の実施の形態による電子ノートに搭載されるヘッド部材の断面図である。 [図 10]は、 TFT電極を用いた電子ノートの変更例である _c

符号の説明

[0038] 1 第 1の実施の形態による電子ノート

2 支持筐体 (支持部材）

3 表示媒体群 (表示媒体、電子ート用

4 電極部材 (電子ノート用電極部材）

6 枠体 (支持部材）

7, 8, 9 表示媒体

10 第 1基板 (第 1シート体、第 3シー -ト体)

10a 第 1電極

10b 共通電極

11 第 2基板 (第 2シート体）

11a 第 2電極

l ib 個別電極

13 カプセノレ

14 分散液

15 白色帯電粒子

16 黒色帯電粒子

25 制御ユニット

53, 55 ヘッド部材

100 第 2の実施の形態による電子ノ -ト

200 第 3の実施の形態による電子ノ -ト

300 第 4の実施の形態による電子ノート

発明を実施するための最良の形態

[0039] 以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図 1 は、第 1の実施の形態による電子ノート 1を示す斜視図である。電子ノート 1は、帯電し、着色された粒子に電界を与えて粒子を移動させることにより画像を表示する。電子ノート 1は、支持筐体 2と、表示媒体群 3と、電極部材 4とを備えている。支持筐体 2 は、表示媒体群 3および電極部材 4を支持する。支持筐体 2は、四角形状を有しており、表示媒体群 3は、支持筐体 2の一辺（図 1では左側辺）に取り付けられており、電極部材 4は、支持筐体 2の他の一辺（図 1では右側辺）に取り付けられている。

[0040] 支持筐体 2は、矩形状のベースプレート 5と、ベースプレート 5の周縁に沿って取り付けられた枠体 6から構成されてヽる。

[0041] ベースプレート 5は、電子ノート 1全体を支持する。ベースプレート 5は、その一辺に図示しない止め具を備えており、この止め具によつてノート状の表示媒体群 3の一辺を支持する。ベースプレート 5は、表示媒体群 3や電極部材 4がベースプレート 5上に積み重ねられるように表示媒体群 3や電極部材 4よりも一回り大きく形成されている。

[0042] 枠体 6は、支持筐体 2における表示媒体群 3が支持される側とは対向側にある枠体 6の一辺に図示しない他の止め具を備えており、この止め具によつて電極部材 4をノート状に支持する。また、枠体 6の内部には、電極部材 4に形成された電極に印加する電気信号を制御する制御ユニット 25 (図 4)が内包されている。枠体 6は、制御ュニット 25を内包するスペースを確保するために、ベースプレート 5に比べて肉厚に形成されている。

[0043] また、枠体 6の表面には、押しボタン形式の電源スィッチ 6aと、コネクタ 6bとが配置されている。電源スィッチ 6aは、制御ユニット 25に含まれる CPU26 (図 4)によって管理されている。電源スィッチ 6aが押下げられたことが CPUによって検出されると、電源スィッチ 6aに電力が供給される。コネクタ 6bは、ケーブルを介して外部装置と接続され、表示媒体群 3に表示される画像のデータが外部装置から入力される。

[0044] 表示媒体群 3は、可撓性を有する 3枚のシート状の表示媒体 7, 8, 9で構成されている。尚、表示媒体の枚数は、 1枚以上であれば、 3枚に限定されるものではない。各表示媒体 7, 8, 9は、帯電した粒子を含有している。その粒子に電極部材 4力電界を与えて移動させることにより、画像が各表示媒体 7, 8, 9に表示される。この画像は、再度電界を与えることにより書き換えが可能である。尚、この表示媒体 7, 8, 9の具体的な構成については後述する。

[0045] 電極部材 4は、表示媒体群 3とは別体に設けられ、シート状の第 1基板 10と、シート状の第 2基板 11とで構成されている。電極部材 4としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフエ-レンサルファイド、及び、ポリエチレンテレフタレート（PET)等のポリエステルフィルムが好まし!/、が、低価格で強度の高!、PE Tが最も好ましい。また、電極部材 4の厚さは、 0. 025mm力ら 0. 3mmの範囲であるのが好ましぐ特に、 0. 05mm力ら 0. 1mmの範囲が最も好ましい。

[0046] 第 1基板 10の第 2基板 11と対向する面には第 1電極 10aが、第 2基板 11の第 1基板 10と対向する面には第 2電極 1 laが、蒸着やスパッタリングにより形成されている。第 1電極 10a及び第 2電極 11aとしては、金、銀、銅、アルミニウム等の金属や、酸ィ匕インジウムや、酸化錫や、酸化インジウムと酸ィ匕錫との化合物である ITOや、導電性榭脂材料が好ましい。この第 1電極 10aと第 2電極 11aを介して各表示媒体 7, 8, 9 に含有されて、る帯電した粒子に電界が与えられる。

[0047] 第 1電極 10aは、第 1基板 10上の第 1方向に複数本のライン状に形成されている（図 1 (a)の点線参照)。尚、図 1 (a)では、第 1電極 10aが形成された面の裏側力も見た第 1電極 10aを示しているので、第 1電極 10aを点線で示している力第 1電極 10a は点線状ではなぐ上述した通りに連続したライン状に形成されている。一方、第 2電極 11aは、第 2基板 11上の第 1方向と略直交する方向に複数本のライン状に形成されている。

[0048] このように、第 1基板 10上に第 1電極 10aを、第 2基板 11上に第 2電極 11aをそれぞれ形成することで、第 1基板 10と第 2基板 11とを重ね合わせた場合には、第 1電極 10aと第 2電極 11aとが上下に重なり合う複数のポイントが形成されることになる。

[0049] 表示媒体 7, 8, 9のうちのいずれか 1枚を第 1基板 10と第 2基板 11との間に挟み、第 1電極 10aおよび第 2電極 11aを介して各表示媒体 7, 8, 9に含有されている帯電した粒子に電界を与えると、粒子は、帯電の極性に応じて第 1電極 10a側と第 2電極 11a側とに分かれて移動する。そして、複数の粒子が各表示媒体 7, 8, 9の表面付近まで移動してくると、複数の粒子が有する色のコントラストにより、所望の画像が各表示媒体 7, 8, 9に表示される。

[0050] このように、第 1電極 10aおよび第 2電極 10aと各表示媒体 7, 8, 9とが別体に設けられているので、電子ノート 1は、第 1電極 10aおよび第 2電極 10aが表示媒体に一体的に組み込まれた従来の電子ノートよりも厚みの少ない構造をとることができる。従つて、各表示媒体 7, 8, 9の可撓性を実際の紙に近いものにすることができ、その結果、表示媒体群 3の質感を実際のノートの質感に近づけることができる。また、各表示媒体 7, 8, 9毎に電極を形成する必要もないので、電極材料に要するコストを低減できると共に、電極形成工程を簡略ィ匕することができ、ひいては、製造コストを低減することができる。

[0051] 図 2 (a)は、表示媒体 7を示す断面図である。尚、他の表示媒体 8, 9についても表示媒体 7と同様に構成されている。表示媒体 7は、可撓性を有するシート状のフィルム 12と、そのフィルム 12上に敷き詰めて配置される無色透明な球形状のカプセル 13 とによって構成されている。カプセル 13は、ホリビュルアルコールなどの水性高分子物質やアクリル榭脂などの接着剤によってフィルム 12上に固定されている。

[0052] フィルム 12としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフエ-レンサルファイド、及び、ポリエチレンテレフタレート（PET)等のポリエステルフィルムが好ましいが、低価格で強度の高い PETが最も好ましい。また、フィルム 12 の厚さは、 0. 025mm力ら 0. 3mmの範囲であるのが好ましぐ特に、 0. 05mmから 0. 1mmの範囲が最も好ましい。

[0053] 各カプセル 13の内部には、無色透明な絶縁性の分散液 14が充満されており、その分散液 14中には、上述した帯電した粒子として、プラスに帯電した白色帯電粒子 15と、マイナスに帯電した黒色帯電粒子 16とが分散している。

[0054] 図 2 (b)は、表示媒体 7を第 1基板 10と第 2基板 11とで挟んだ状態の、第 1電極 10a の延びる方向と平行な方向に沿った断面図である。尚、第 2電極 11aに関しては、図面の理解を容易にすべぐ 4本のラインを形成する第 2電極 1 laだけを図示することとする。また、本実施の形態では、 1本のラインを形成する第 2電極 11aに対して 2つのカプセル 13が対応している状態を図示している力 1本のラインを形成する電極に対応するカプセル 13の数としては 2つに限定されるものではない。

[0055] 図 2 (b)に示すように、例えば、第 1基板 10と第 2基板 11とによって表示媒体 7を挟んだ状態で、第 1電極 10aにマイナス、図 2 (b)において左力も第 1番目と第 3番目の第 2電極 11aにプラスの電圧を印加すると、その両電極間に挟まれたカプセル 13の内部では、プラスに帯電した白色帯電粒子 15が第 1電極 10a側に、マイナスに帯電した黒色帯電粒子 16が第 2電極 11a側に引き寄せられる。その結果、黒色帯電粒子 16が第 2電極 11a側に引き寄せられた部分では、第 2基板 11の上方 (矢印 A方向）力見ると、黒色帯電粒子 16によって白色帯電粒子 15が覆われたような状態となるため、第 2基板 11の上方 (矢印 A方向）には、黒色帯電粒子 16の黒色が表示される

[0056] また、第 1電極 10aにプラス、図 2 (b)にお、て左から第 2番目と第 4番目の第 2電極 11aにマイナスの電圧を印加すると、その両電極間に挟まれたカプセル 13の内部では、プラスに帯電した白色帯電粒子 15が第 2電極 11a側に、マイナスに帯電した黒色帯電粒子 16が第 1電極 10a側に引き寄せられる。その結果、上述したのとは逆に、白色帯電粒子 15が第 2電極 11a側に引き寄せられた部分では、第 2基板 11の上方 (矢印 A方向）から見ると、白色帯電粒子 15によって黒色帯電粒子 16が覆われたような状態となるため、第 2基板 11の上方 (矢印 A方向）には、白色帯電粒子 15の白色が表示される。

[0057] また異なる例として、第一電極に OVの電圧を印加する、すなわち第一電極をァースし、図 2 (b)にお、て左力も第 1番目と第 3番目の第 2電極 1 laにプラスの電圧を印加すし、かつ図 2 (b)にお、て左力第 2番目と第 4番目の第 2電極 1 laにマイナスの電圧を印加しても、同様の表示結果が得られる。

[0058] このように、所望のラインを形成する第 1電極 10aおよび第 2電極 11aの極性を制御し、着色された白色帯電粒子 15と黒色帯電粒子 16との移動方向を規定することで、この白色帯電粒子 15と黒色帯電粒子 16とのコントラストにより、表示媒体 7に画像を形成することができる。

[0059] 図 3 (a)一（c)の各々は、表示媒体 7の他の例を示す断面図である。尚、図 2 (a)を参照して説明した表示媒体 7と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明は省略する。

[0060] 図 3 (a)に示す表示媒体 7aでは、各カプセル 13の内部に、黒色に着色された絶縁性の分散液 17が満たされており、その分散液 17中には、プラスに帯電した白色帯電粒子 15が分散している。

[0061] このように構成された表示媒体 7aを、上述したのと同様に第 1基板 10と第 2基板 11 との間に挟み、第 1電極 10aにプラス、第 2電極 11aにマイナスの電圧を印加すれば、白色帯電粒子 15は第 2電極 11a側に移動する。その結果、黒色の分散液 17は白色の白色帯電粒子 15に覆われ、表示媒体 7aの表面には白色帯電粒子 15の白色が表示される。

[0062] 逆に、第 1電極 10aにマイナス、第 2電極 11aにプラスの電極を印加すれば、白色帯電粒子 15は第 1電極 10a側に移動する。その結果、白色の白色帯電粒子 15は黒色の分散液 17に埋もれ、表面には分散液 17の黒色が表示される。

[0063] よって、表示媒体 7aを用いる場合も図 2 (a)に示す表示媒体 7の場合と同様に、異なる色に着色された分散液 17と白色帯電粒子 15とのコントラストにより画像を表示することがでさる。

[0064] 図 3 (b)に示す表示媒体 7bと、図 3 (c)に示す表示媒体 7cとは、所定間隔を開けて互いに対向して配置される 2枚の可撓性のフィルム 21, 22と、その 2枚のフィルム 21 , 22間の空間を升目状に区画する区画壁 23とを備え、上述したカプセル 13に代えて、その升目状の各セル内に分散液を充満している。フィルム 21, 22は、フィルム 12 と同様、 0. 05mm力ら 0. 1mmの厚さの PETであるのが好ましい。

[0065] 図 3 (b)に示す表示媒体 7bは、図 2 (a)に示す表示媒体 7と同様に、各セルの内部に無色透明な絶縁性の分散液 14が充満されており、その分散液 14中には、プラスに帯電した白色帯電粒子 15と、マイナスに帯電した黒色帯電粒子 16とが含有されている。

[0066] 図 3 (c)に示す表示媒体 7cは、図 3 (a)に示す表示媒体 7aと同様に、各セルの内部に黒色に着色された絶縁性の分散液 17が充満されており、その分散液 17中には、プラスに帯電した白色帯電粒子 15が含有されている。

[0067] このように、表示媒体 7の代わりに、表示媒体 7a、 7b、 7cを用いた場合でも、表示媒体 7を用いた場合と同様な画像を表示することができる。

[0068] 図 4は、電子ノート 1の電気的構成を示すブロック図である。枠体 6に内包される制御ユニット 25は、 CPU26、 ROM27、 RAM28、 X軸表示ドライバ 29、 Y軸表示ドライノく 30、インターフェイス 31、電源 32、 EEPROM33を備えている。

[0069] CPU26は、 ROM27に記憶されている制御プログラムを実行する演算装置である。 ROM27は、不揮発性かつ書き換え不可能なメモリであり、 CPU26により実行される制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムは、 EEPROM33に記憶されている画像データに基づいた画像を表示媒体 7、 8、 9に表示させるために、第 1電極 10aおよび第 2電極 1 laに対して、電気信号を印加するようにプログラムされて!/、る。 RAM28は、揮発性のメモリであり、 ROM27に記憶されている制御プログラムの実行に際して使用されるデータが一時的に記憶される。

[0070] X軸表示ドライバ 29は、第 1基板 10に形成された複数のラインのうちの所望のラインを形成する第 1電極 10aに電気信号を印加する。 Y軸表示ドライバ 30は、第 2基板 11に形成された複数のラインのうちの所望のラインを形成する第 2電極 1 laに電気信号を印加する。インターフェイス 31は、コネクタ 6b (図 1)を含み、外部装置から送信される表示媒体 7, 8, 9に表示するための画像データを受信する。電源 32は、電源スイッチ 6a (図 1)を含み、電子ノート 1を起動するための電力を供給する。 EEPROM3 3は、書き換え可能なメモリであり、インターフェイス 31を介して送信されるデータを記憶する。また、 EEPROM33は、不揮発性のメモリであるため、電源が遮断されても記憶されたデータは失われな、。

[0071] 図 5は、電子ノート 1の使用方法を説明するための図である。例えば、表示媒体 7に所望の画像を表示させる場合を考える。まず、ベースプレート 5上に第 1基板 10を敷設する。次に、表示媒体 7を第 1基板 10の上に積み重ね、更に、その表示媒体 7の上に第 2基板 11を積み重ねる。

[0072] この場合、第 1基板 10と第 2基板 11とは、枠体 6にノート状に支持されているので、第 1基板 10と第 2基板 11とを積み重ねる順番を間違えることはなぐ正しく各基板を酉己置することができる。

[0073] こうして、表示媒体 7は、第 1基板 10と第 2基板 11とによって挟み込まれ、表示媒体 7上には第 1電極 10aと第 2電極 11aとに挟まれる複数のポイントが形成されること〖こなる。

[0074] この状態で、制御ユニット 25から所望の第 1電極 10aおよび第 2電極 11a間に電気信号が印加されると、その第 1電極 10aと第 2電極 11aとに挟まれたカプセル 13内の白色帯電粒子 15と黒色帯電粒子 16とが第 1電極 10a側と第 2電極 11a側とに分かれて移動する。

[0075] こうして、表示媒体 7の表面に表示される白と黒のコントラストによって画像を表示することができる。また、電圧を印加するラインを走査して第 1電極 10a及び第 2電極 11 aに印加する極性を反転させることにより、表示媒体 7に表示された画像を書き換えることもできる。更に、帯電した粒子 15, 16は、電圧の供給を遮断した場合であっても、その状態を維持する性質を有するので、電圧の供給を遮断した後であっても表示した画像を保持することができる。

[0076] 尚、表示媒体 8に所望の画像を表示する場合には、ベースプレート 5の上に表示媒体 7を敷設し、その上に上述したのと同様に第 1基板 10、表示媒体 8、第 2基板を順番に積み重ね、表示媒体 8を第 1基板 10と第 2基板 11とで挟むようにすれば良い。

[0077] 図 6は、第 2の実施の形態による電子ノート 100を示す斜視図である。尚、第 1の実施の形態による電子ノート 1と同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。

[0078] 第 2の実施の形態による電子ノート 100は、第 1の実施の形態による電子ノート 1とは第 2基板 11を支持する位置が異なる。

[0079] 即ち、第 1の実施の形態による電子ノート 1では、第 1基板 10の端部と第 2基板 11 の端部とを、枠体 6の同じ辺に沿ってノート状に支持しているのに対し、第 2の実施の形態による電子ノート 100では、第 1基板 10の端部と、第 2基板 11の端部とを、枠体 6の異なる辺に沿って各々支持している。

[0080] 次に、第 2の実施の形態による電子ノート 100について説明する。電子ノート 100では、上述した制御ユニット 25の内、 X軸表示ドライバ 29と Y軸表示ドライバ 30とが分離して配置されている。具体的には、 X軸表示ドライバ 29は、第 1基板 10を支持する辺に沿った枠体 6の内部に内包され、 Y軸表示ドライバ 30は、第 2基板 11を支持する辺に沿った枠体 6の内部に内包されている。

[0081] このように、 X軸表示ドライバ 29と Y軸表示ドライバ 30とを別々の場所に配置することで、 X軸表示ドライバ 29と、 Y軸表示ドライバ 30とを同じ場所に配置する場合に比ベ、枠体 6の大きさをバランスよく形成することができるため、全体の厚さを薄くすることがでさる。

[0082] 図 7は第 2の実施の形態による電子ノート 100の使用方法を説明するための図である。例えば、表示媒体 7に所望の画像を表示する場合には、まず、図 7 (a)に示すように、第 1基板 10をベースプレート 5の上に敷設する。次に、図 7 (b)に示すように、第 1 基板 10の上に表示媒体 7を積み重ねる。更に、図 7 (c)に示すように、表示媒体 7の上に第 2基板 11を積み重ねる。こうして、図 7 (d)に示すように、表示媒体 7を第 1基板 10と第 2基板 11とで挟んだ状態とする。

[0083] この状態で、第 1電極 10aおよび第 2電極 11a間に電圧を印加することで、第 1の実施の形態による電子ノート 1で説明したのと同様に、その両電極間に挟まれた帯電した粒子 15, 16が移動し、書き換え可能な画像が表示媒体 7に表示される。

[0084] 次に、第 3の実施の形態による電子ノート 200について説明する。図 8 (a)は、電子ノート 200を示す斜視図である。尚、第 1の実施の形態による電子ノート 1と同一の部材については同一符号を付し、その説明は省略する。

[0085] 第 3の実施の形態による電子ノート 200は、矩形上の支持基板 40と、ヘッドユニット 50と、表示媒体群 3と、第 1基板 10とを備えている。ヘッドユニット 50は、ヘッド部材 5 3と、 2つの支持ブロック 51と、ガイド棒 52とを備えている。ヘッド部材 53は、第 1、第 2の実施の形態による電子ノート 1、 100の第 2基板 11の代わりとなるものであり、第 1 基板 10上に積み重ねられる表示媒体 7, 8, 9と対向する面に第 2電極 53aが形成されている。

[0086] 支持ブロック 51は、支持基板 40上において表示媒体群 3を綴じた側と対向する側の辺の両角部からそれぞれ立設している。ガイド棒 52は、 2つの支持ブロック 51の間に横架されている。ヘッド部材 53は、ガイド棒 52に沿って往復移動することができるように取り付けられている。そのため、ヘッド部材 53は、表示媒体 7, 8, 9に対して相対的に移動することができる。

[0087] 第 1基板 10は、支持基板 40にノート状に支持されている表示媒体群 3とは異なる方向にめくることができるように、その一端部が、支持基板 40上における表示媒体群 3 が支持されている側とは異なる側に支持されている。なお、第 1基板 10は、その一端部で支持されてヽなくても、支持基板 40上に一体に形成されて!ヽても良!ヽ。

[0088] 支持基板 40は各表示媒体 7, 8, 9や第 1基板 10よりもヘッド部材 53の移動方向に長く形成されている。その表示媒体 7, 8, 9よりも長く形成された部分は、ヘッド部材 5 3の待機位置であり、ヘッド部材 53の待機位置では、各表示媒体 7, 8, 9や第 1基板 10を支持基板 40上に敷設した場合でも、表示媒体 7等とヘッド部材とは重ならなヽ。

[0089] 図 8 (b)は、第 3の実施の形態による電子ノート 200の使用方法を説明するための図である。この電子ノート 200において、例えば、表示媒体 7に所望の画像を形成する場合を考える。まず、図 8 (b)に示すように、ヘッド部材 53を支持基板 40上の待機位置に待機させ、その状態で第 1基板 10を支持基板 40上に敷設する。次に、図 8 (b )に示すように、第 1基板 10上に表示媒体 7を積み重ねる。そして、待機位置で待機しているヘッド部材 53をガイド棒 52に沿って表示媒体 7の上方に位置するように移動させる。

[0090] すると、表示媒体 7の一部が、第 1基板 10とヘッド部材 53とに挟まれた状態となる。

この状態で第 1基板 10に形成された第 1電極 10aとヘッド部材 53に形成された第 2 電極 53aとの間に電圧を印加することで、第 1の実施の形態による電子ノート 1で説明したのと同様に、その両電極間に挟まれた帯電した粒子 15, 16が移動し、両電極間に挟まれた部分の表示媒体 7に画像が表示される。表示媒体 7の全面に亘つてへッド部材 53を移動させることで、所望の画像を表示媒体 7の全体に表示することができる。

[0091] このように第 3の実施の形態による電子ノート 200によれば、ヘッド部材 53は、第 1、第 2の実施の形態で説明した第 2基板 11に比べ剛性が高、ため、第 2電極 53aを形成する面を略均一な平面に形成することができる。これにより、第 2電極 53aと表示媒体との間隔は略一定に保たれるため、表示媒体に対して略均一の電界を与えることができる。よって、高品質な画像を表示することができる。また、第 2電極 53aを形成する面が小さ！/、ので、電極材料に要するコストを低減することができる。

[0092] 次に、第 4の実施の形態による電子ノート 300について説明する。図 9 (a)は、第 4 の実施の形態による電子ノート 300を示す斜視図である。図 9 (b)は、第 4の実施の形態による電子ノート 300に搭載されるヘッド部材 55を示す断面図である。尚、第 3 の実施の形態による電子ノート 200と同一部材については同一符号を付し、その説明は省略する。

[0093] 第 4の実施の形態による電子ノート 300は、第 3の実施の形態による電子ノート 200 のヘッド部材 53に代えて、所定間隔を開けて互いに対向する 2つの面を有し、その一方の面に第 1電極 56aが形成され、他方の面に第 2電極 57aが形成されたヘッド部材 55を備えている。また、支持基板 40の代わりに支持基板 60を備えており、支持基板 60には、第 3の実施の形態によるヘッド部材 53の待機位置は確保されてはいないが、その大きさは表示媒体 7, 8, 9よりも一回り程度大きく形成されている。表示媒体 7, 8, 9は、その対向する 2つの面の間に配置される。

[0094] このヘッド部材 55は、第 1電極 56aを形成する面を有する下板 56と、第 2電極 57a を形成する面を有する上板 57と、下板 56の端部から立設されたスぺーサ 58とを備えている。スぺーサ 58には、回転軸 59が横架されており、上板 57は、回転軸 59に軸支されることにより回動可能に構成されている。従って、上板 57を持ち上げることにより、上板 57と下板 56との間に表示媒体 7, 8, 9を挟むことができる。

[0095] この電子ノート 300において、例えば、表示媒体 7に所望の画像を形成しょうとする場合を考える。まず、ヘッド部材 55をガイド棒 52の端部側に移動させ、ヘッド部材 55 の上板 57を上方に持ち上げる。そして、表示媒体 7を下板 56上に寝力せ、その状態で上板 57を下方に下げる。すると、表示媒体 7の一部は、ヘッド部材 55の下板 56と上板 57との間に挟まれた状態となる。この状態で第 1電極 56aと第 2電極 57aとの間に電圧を印加することで、第 1の実施の形態による電子ノート 1で説明したのと同様に、その両電極間に挟まれた帯電した粒子 15, 16が移動し、両電極間に挟まれた部分の表示媒体 7に画像が表示される。表示媒体 7の全面に亘つてヘッド部材 55を移動させることで、所望の画像を表示媒体 7に表示することができる。

[0096] このように第 4の実施の形態による電子ノート 300によれば、ヘッド部材 55は、第 3 の実施の形態によるヘッド部材 53のように、一方の電極だけでなぐ両方の電極を形成する面を略均一な平面に形成することができる。これにより、両電極と表示媒体との間隔が略一定に保たれるため、表示媒体に対して略均一の電界を与えることができる。よって、高品質な画像を表示することができる。また、電極材料に要するコストを低減することができる。

[0097] 以上実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の実施の形態に何ら限定されるものでなぐ本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。

[0098] 例えば、第 1、第 2の実施の形態による電子ノート 1、 100において、ベースプレート 5に対して表示媒体群 3を着脱自在に構成することで、表示媒体群 3と電極部材 4とを分離可能に構成して良い。また、ベースプレート 5と枠体 6とを着脱自在に構成することで、表示媒体群 3と電極部材 4とを分離可能に構成して良い。更に、枠体 6に対して電極部材 4を着脱自在に構成することで、表示媒体群 3と電極部材 4とを分離可能に構成しても良い。同様に第 3、第 4の実施の形態による電子ノート 200、 300においても、支持基板 40、 60に対して表示媒体群 3を着脱自在に構成することで、表示媒体群 3と、第 1基板 10およびヘッド部材 53、ヘッド部材 55とを分離可能に構成するようにしても良い。

[0099] このように、表示媒体群 3と電極部材 4とを分離可能に構成することで、表示媒体群 3を別の表示媒体群 3に差し替えたり、電極部材 4を別の電極部材 4に差し替えたりすることができる。例えば、表示媒体群 3を別の表示媒体群 3に差し替えることにより、各表示媒体 7, 8, 9の全部に表示されている画像を保存しつつ、更に別の画像を表示、保存することができる。また、電極部材 4を別の電極部材 4に差し替えることにより、表示媒体群 3は正常であって、電極部材 4に修理不能な故障が発生した場合であつても、その電極部材 4だけを取り替えることができる。

[0100] また、表示媒体 7には一面だけにフィルム 12が設けられていた力透明なポリェチレンフィルムや PETフィルムであれば、表示媒体 7の表示面である他面にも設けても良い。但し、フィルムが厚すぎると、可撓性を失ってしまうと共に、印加された電圧に対して実際に表示部分に加わる電界が小さくなつてしまう。従って、表示面にもフィルムを設ける場合には、フィルムの厚さは、 0. 025mm以下であるのが好ましい。

[0101] また、本実施の形態では、ライン状の第 1電極 10aと第 2電極 11aを用いた力図 1 0に示すように、第 1電極 10aの代わりに TFTからなる個別電極 10bを、第 2電極 11a の代わりに GNDとなる共通電極 l ibを用いても良い。個別電極 10bは、第 1基板 10 上に多数配置されており、制御ユニット 25から各個別電極 10bに対して任意の電圧を印加することができる。一方、共通電極 l ibは、第 2基板 11全面に亘つて GNDに接地されている。 [0102] このような構成では、個別電極 10bにプラスの電圧が与えられている場合には、個別電極 10bから共通電極 l ibに向けて電界が発生することとなり、個別電極 10bにマィナスの電圧が与えられている場合には、共通電極 l ibから個別電極 10bに向けて電界が発生することとなる。共通電極 l ibは、各個別電極 10bに対して所望の電圧を印加することで、個別電極 10bと共通電極 l ibとの間に挟まれた表示媒体 7, 8, 9に所望の画像を表示させることができる。このように、第 2基板 11の全面に亘つて共通電極 l ibが形成されているため、対向する個別電極 10bの位置が画素となる。従つて、個別電極 10bの数だけ画素数を増やすことができるので、より高品質な画像を表示することができる。

[0103] また、第 1、第 2の実施の形態による電子ノート 1, 100において、第 1基板 10と第 2 基板 11とで表示媒体 7等を挟んだ状態で、更に、第 2基板 11上に積み重ねて、第 2 基板 11をベースプレート 5に向けて押圧するための透明の押圧部材を設けても良!ヽ

[0104] この押圧部材を設けることで、第 2基板 11を表示媒体 7等に対して押圧することができるので、表示媒体 7等に対して均一な電界を与えることができる。これにより、高品質な画像を表示することができる。

[0105] また、第 3、第 4の実施の形態による電子ノート 200, 300では、ヘッド部材 53を表示媒体 7等の長手方向にお、て往復移動させる場合にっ、て説明したが、ヘッド部材 53の移動方向としては、その長手方向への往復移動に限定されるものではなぐその長手方向と直交する方向にガイド棒 52を横架させ、そのガイド棒 52に沿ってへッド部材 53を往復移動させても良、。

[0106] また、第 3の実施の形態によるヘッド部材 53を第 4の実施の形態によるヘッド部材 5 5のように回動可能に構成しても良い。カゝかる場合には、支持基板 40に備えられたへッド部材 53の待機位置を省略することができ、全体の大きさをコンパクトにすることができる。

産業上の利用可能性

[0107] 本発明の電子ノートは、通常のノート代わりに持ち運ぶことができる。

Claims

請求の範囲

[1] 筐体 (2)と、

前記筐体 (2)に設けられ、帯電された粒子（15、 16)を含有し一面と他面とを有するシート状の表示媒体（7、 8、 9)と、

前記筐体 (2)に設けられた第 1電極（10a)と、

前記筐体 (2)に設けられた第 2電極（ 1 la)と、を備え、

前記表示媒体（7、 8、 9)と前記第 1電極（10a)と前記第 2電極（11a)との間の位置関係を変化させることで、前記表示媒体 (7、 8、 9)の一面が前記第 1電極（10a)と対向し前記表示媒体（7、 8、 9)の他面が前記第 2電極（11a)と対向するように、前記第 1電極（10a)と前記第 2電極（11a)との間に前記表示媒体（7、 8、 9)が配置される配置状態、及び、前記配置状態以外の状態である非配置状態のいずれか一方をとることを特徴とする電子ノート（1、 100、 200、 300)。

[2] 前記表示媒体 (7、 8、 9)は複数の前記表示媒体 (7、 8、 9)からなり、前記各表示媒体（7、 8、 9)は、前記配置状態において、前記各表示媒体（7、 8、 9)の一面が前記第 1電極（10a)と対向し前記各表示媒体 (7、 8、 9)の他面が前記第 2電極（11a)と対向するように、前記第 1電極（10a)と前記第 2電極（1 la)との間に配置されることを特徴とする請求項 1に記載の電子ノート（1、 100、 200、 300)。

[3] 前記筐体部 (2)は、前記複数の表示媒体 (7、 8、 9)の端部を一括に支持する媒体支持部材（5)を備えていることを特徴とする請求項 1に記載の電子ノート（1、 100、 2 00、 300)。

[4] 前記第 1電極（10a)は、シート状の第 1基板（10)に形成され、前記第 2電極（11a) は、シート状の第 2基板（11)に形成されていることを特徴とする請求項 1に記載の電子ノート（1、 100)。

[5] 前記筐体（2)は、前記第 1電極（10a)と前記第 2電極（11a)とに印加する電気信号を制御する制御ユニット（25)を備えて!/、ることを特徴とする請求項 1に記載の電子ノ一 Hl、 100、 200、 300)。

[6] 前記第 1基板（10)には、第 1方向に延びる複数本のライン状に前記第 1電極（10a )が形成され、前記第 2基板（11)には、前記第 1方向とは異なる第 2方向に延びる複数本のライン状に前記第 2電極（1 la)が形成されて!ヽることを特徴とする請求項 4に記載の電子ノー卜（1、 100、 200、 300)。

[7] 前記第 1の電極（10a)は、前記第 1基板（10)の所定の領域に亘つて設けられた共通電極（10b)からなり、前記第 2の電極（11a)は、前記第 2基板（11)の前記所定の領域と対向する領域内の複数箇所に形成された個別電極 (l ib)からなることを特徴とする請求項 4に記載の電子ノート（1、 100、 200、 300)。

[8] 前記筐体 (2)は、前記第 1電極 (10a)と前記第 2電極 (11a)とが対向するように前記第 1基板（10)の端部と前記第 2基板（11)の端部とを一括に支持する基板支持部材（6)を備えていることを特徴とする請求項 4に記載の電子ノート（1、 100、 200、 30

0)。

[9] 前記筐体 (2)は略矩形状に形成されており、前記筐体 (2)の 1の辺に沿って前記第 1基板（10)の端部を支持し、前記表示媒体 (7、 8、 9)の他の辺に沿って前記第 2 基板（11)の端部を支持する基板支持部材 (6)を備えて!/ヽることを特徴とする請求項 4に記載の電子ノート（100)。

[10] 前記第 1電極（10a)が形成されたシート状の電極基板（10)と、

前記電極基板（10)と対向する面に前記第 2電極（11a)が形成されたヘッド部材（5 3)と、

前記ヘッド部材（53)を前記電極基板（10)の前記第 1電極（1 la)が形成された面に沿って移動させる移動部（52)と、を更に備え、

前記表示媒体（7、 8、 9)は、前記第 1電極（10a)と前記第 2電極（11a)との間に配置されることを特徴とする請求項 1に記載の電子ノート（200)。

[11] 前記第 1電極（10a)を一面に有し、前記第 2電極（11a)を前記一面と所定間隔を空けて対向する他面に有するヘッド部材（55)と、

前記ヘッド部材（55)を前記ヘッド部材（55)の一面及び前記ヘッド部材（55)の他面に略平行な方向に移動させる移動部（52)と、を更に備え、

前記表示媒体（7、 8、 9)は、前記第 1電極（10a)と前記第 2電極（11a)との間に配置されることを特徴とする請求項 1に記載の電子ノート（300)。

[12] 前記表示媒体（7、 8、 9)と、前記第 1電極（10a)と、前記第 2電極（11a)とは、前記筐体（2)から着脱可能であることを特徴する請求項 1に記載の電子ノート（1、 100、 2 00、 300)。