JP3640147B2 - 画像形成シート、作用装置、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成シート、作用装置、画像形成装置、及び画像形成方法に係り、より詳しくは、画像形成層に電界を作用させて画像を形成する画像形成シート、作用装置、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、あたかも紙のように取り扱うことの可能な画像形成シートが駆動装置に対して着脱自在とした画像形成装置が提案されている(例えば、特開平2−25440号公報、特開平4−355786号公報)。
【0003】
図9に示すように、この画像形成装置は、図示しないシート状に配置された液晶層と、液晶層の一方の面に接近配置され、所定方向に配列された複数の電極が該所定方向と直交する方向に所定ピッチ(約0.3[mm])に複数配置されたデータ電極層及び液晶層の他方の面に接近配置され、該所定方向に直交する方向に配列された複数の電極が該所定方向に所定ピッチ(約0.3[mm])に複数配置された走査電極層から構成されたマトリックス電極層と、を備えた液晶パネル50Aが、液晶パネル50Aの各電極に選択的に電圧を印加する駆動装置60に対して着脱自在に構成されている。
【0004】
この画像形成装置は、外部から画像が目視されるためには、データ電極層及び走査電極層の何れか目視側は、高価な透明電極層である必要がある。
【0005】
また、液晶パネル50Aを駆動装置60に装着するためには、マトリックス電極の各電極線と駆動装置の該電極への線とが適正に接続される必要がある。しかし、前述したように各電極間ピッチは、約0.3[mm]であり、マトリックス電極の各電極と駆動装置の該電極への線とが適正に接続されるように液晶パネル50Aを駆動装置60に装着するのは極めて困難である。よって、液晶パネル50Aが駆動装置60に対して着脱自在に構成された画像形成装置は、アイデアとしてはあるものの実現することは難しい。
【0006】
また、例えば米国特許4、143、103号公報(出願人:ゼロックス・コーポレーション)には、図10に示すように、2色に塗り分けられかつ各々の色の表面電荷が異なる複数の2色回転体粒子(図示しない)をシート状の図示しないエラストマー内に回転可能に収納する画像形成層52、画像形成装置52の一方の面側に配置されたデータ電極層54、画像形成装置52の他方の面側に配置された走査電極層56、及び、これら画像形成装置52、データ電極層54及び走査電極層56を挟み込む一対の基板58、60から構成された画像形成シート50Bが、図示しない駆動装置に対して着脱自在に構成された画像形成装置が提案されている。なお、この画像形成装置(図10参照)の画像形成層52は、目視側面及び目視側面に対向する面各々の表面抵抗は共に大きくかつ同じである。
【0007】
この画像形成装置も、外部から画像を目視できるためには、データ電極層54及び走査電極層56の何れか目視側は、高価な透明電極層である必要がある。なお、斯かる透明電極を用いることなく画像を形成することも可能であるが、この場合、当然、画像の形成状態を確認することはできない。即ち、画像形成シート50Bに画像を書き込み、該画像形成シート50Bをデータ電極層54及び走査電極層56の一方から取り出さなければ画像を確認することができない。この方式は、単純なプリンターと同様な機能となるだけであり、着脱可能な画像形成装置の利点である、画像形成シートを紙のように取り扱うことが可能であるという機能を発揮することができない。
【0008】
これら前述した技術の問題点である、画像形成シートを紙のように取り扱うことを可能とした画像形成技術が、特開平6−35370号公報に開示されている。この技術は、静電潜像を感光体上に形成し、その静電潜像により電気泳動型画像表示シート上に画像を形成するものであり、画像の形成される電気泳動型画像表示シートには透明電極層を有する保護板を具備している。この発明によれば、画像形成シートをフレキシブル(可撓性)とし、あたかも紙のように扱うことができるとしているが、実際には透明電極には割れやすいITO(酸化インジウム錫)が使われることが一般的であり、紙のように丸めたり手荒く扱うと、この透明電極が破損してしまい、実現するにはこの透明電極をフレキシブルにする等の工夫が必要となっていた。しかしながら、この先行技術においては、その解決方法は明示されていない。
【0009】
本発明は、上記事実に鑑み成されたものであり、透明電極を用いることなく画像を確認することができる画像形成シート、作用装置、これらの画像形成シート及び作用状態を備えた画像形成装置、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明に係る画像形成シートは、電界が作用することにより、目視可能な画像を形成するシート状の画像形成層と、画像形成層を両面側から支持すると共に、一方の電気抵抗が他方より小さくかつ電極を持たないフレキシブルな一対のフィルムと、を備えている。
【0011】
ここで、画像形成層は、電界の向きに応じた色の画像を形成する。なお、一対のフィルムの少なくとも一方は透明である。
【0012】
また、本発明に係る作用装置は、画像データに基づいて、画像が形成されるように電界を、上記画像形成シートに(他方のフィルム面側から)作用させるものである。
【0013】
そして、本発明の画像形成装置は、上記画像形成シートと、上記作用装置と、を備えるものである。なお、画像形成シートと作用装置とは脱着可能である。
【0014】
また、画像を形成するためには、一方の電気抵抗が他方より小さくかつ電極を持たないフレキシブルな一対のフィルムで、電界が印加されることにより目視可能な画像を形成するシート状の画像形成層を両面側から支持し、画像データに基づいて、画像が形成されるように電界を、該画像形成層及び一対のフィルムに、他方のフィルム側から作用させる。
【0015】
以上説明したように、画像形成のため作用装置が画像形成シートに電界を作用させるので、画像形成シートには、高価な透明電極を備える必要がない。また、画像形成シートの内、作用装置により電界が作用される部分のみが画像形成領域となる。よって、画像形成シートと作用装置との装着が極めて容易である。更に、画像形成層をデータ電極層及び走査電極層で挟む構成ではなく、作用装置が、画像形成層及び画像形成層を両面側から支持する電極を持たないフレキシブルな一対のフィルムを備えた画像形成シートに電界を作用させて画像を形成する構成であるので、構成を簡略化するたとができる。なお、電極を持たないフレキシブルな一対のフィルムであるので、断線という問題点も有しない。
【0016】
ところで、上記一対のフィルム各々は、画像形成層の全領域を両面側から支持する第1の領域部分と該第1の領域部分の周囲に配置された第2の領域部分とを有してもよい。この一対のフィルムの第2の領域部分間には、該第2の領域部分により両面側から支持された、画像形成層と同じ特性(例えば、同量の静電容量)の部材を配置する。
【0017】
そして、作用装置は、画像データに基づいて、電界を作用させる第1の作用部分と、前記第1の作用部分の周囲に配置され、前記画像データに基づかずに、電界を作用させる第2の作用部分と、を備えるようにする。
【0018】
即ち、上記画像形成シートを作用装置に、第1の領域部分が第1の作用部分に対応すると共に第2の領域部分が第2の作用部分に対応するように、配置する。
【0019】
ここで、作用装置が第1の作用部分しか備えていない場合において、画像形成層全域に同じ色の画像を形成するために、第1の作用部分全体が同じ大きさの電界を作用させると、一対のフィルム各々は同じ大きさで帯電又は磁化して画像形成層に電界を作用させることができない。即ち、画像形成層全域に同じ色の画像を形成することができない。
【0020】
しかし、上記のように、作用装置は第1の作用部分と第2の作用部分とを備えるようにすれば、第1の作用部分全体が同じ大きさの電界を作用させても、一対のフィルム各々は、第2の作用部分からの電界の作用により、他方のフィルムの第1の領域部分と第2の領域部分とでは異なる大きさに帯電又は磁化するので、画像形成層全体に電界を作用させることができる。即ち、画像形成層全域に同じ色の画像を形成することができる。なお、以上は、画像形成層の大部分を所定色にしわずかに他の色にする場合も同様である。
【0021】
この場合、前述したように、第2の作用部分に対応する位置に位置する上記一対のフィルムの第2の領域部分間に、画像形成層と同じ特性(例えば、同量の静電容量)の部材を配置すると、画像形成層に電界を作用させ易くなるので、好ましい。
【0022】
なお、上記画像形成シートに代えて、次の画像形成シートを適用してもよい。即ち、該画像形成シートは、電界が作用することにより、目視可能な画像を形成するシート状の画像形成層と、画像形成層を両面側から支持すると共に、目視側の第1の面の電気抵抗が該第1の面に対抗する第2の面より小さいシート状の電極を持たない支持手段と、を備えている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置を図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置は電気泳動タイプの画像形成装置である。
【0024】
図1(A)、図1(B)に示すように、本実施の形態に係る画像形成シート10は、電界が作用することにより目視可能な画像を形成する画像形成層12と、画像形成層12に近接配置され、表面抵抗が小さいフレキシブルなフィルム状材料14と、画像形成層12のフィルム状材料14に対向する面側に近接配置され、表面抵抗が大きいフレキシブルなフィルム状材料16とを備えている。なお、フィルム状材料14及びフィルム状材料16は、フィルム状材料14及びフィルム状材料16の間に画像形成層12を挟みかつ接着剤18により接着されている。これにより、フィルム状材料14及びフィルム状材料16は、画像形成層12を、両面側から支持する。なお、フィルム状材料14は透明である。
【0025】
図2に示すように、本実施の形態に係る作用装置20は、画像形成シート10に電界を作用させる。なお、画像形成シート10は、表面抵抗が大きいフィルム状材料16側が上面20Uに接触するように、作用装置20に載置する。
【0026】
本実施の形態の構成を更に詳細に説明する。
【0027】
図3に示すように、画像形成シート10(接着剤18は省略している)の画像形成層12は、一方の半球面が白にかつ他方の半球面が黒に塗り分けられると共に白色面は負にかつ黒色面は正に帯電された直径L0 (例えば、100[μm])の2色回転体粒子32を回転可能に収納したキャビティー34を複数シート状態に配置した、厚さL2 (例えば、150[μm])のエラストマー15により構成されている。なお、キャビティー34内には、2色回転球体粒子32が自由に動くために形成された液が満たされている。
【0028】
また、フィルム状材料14及びフィルム状材料16は、それぞれ厚さL1、L3(例えば、100[μm])である。フィルム状材料14の表面抵抗は、単位面積当たり1011[Ω/cm2]であり、フィルム状材料16の表面抵抗は、単位面積当たり1018[Ω/cm2]である。
【0029】
図4に示すように、作用装置20は、上面20U側に配置されると共に画素毎に分離されかつマトリックス状に配置された複数の電極22を備えた基板36と、基板36(電極22)上に配置された感電防止用の絶縁フィルム38と、画像データに基づいて、各電極22に選択的に電圧を印加する図示しない選択スイッチと、を備えている。
【0030】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0031】
フィルム状材料14及びフィルム状材料16により画像形成層12を両面側から支持し、この画像形成層12を備えた画像形成シート10を、表面抵抗が大きいフィルム状材料16側が上面20Uに接触するように、作用装置20に載置する。作用装置20は、画像データに基づいて、選択スイッチにより複数の電極22に選択的に電圧を印加する。なお、画像データに基づいて複数の電極22に選択的に電圧を印加している作用装置20に、画像形成シート10を、表面抵抗が大きいフィルム状材料16側が上面20Uに接触するように載置してもよい。
【0032】
図5に示すように、電極22(電極22A(白色画像形成用)、電極22B(黒色画像形成用))に選択的に電圧を印加する。例えば、電極22Aに40[V]を、電極22Bに0[V]を、印加する。ここで、フィルム状材料16は表面抵抗が大きいので、電子の移動が拘束される。よって、フィルム状材料16の電極22A、22Bに対応する領域16A、16Bの電位はそれぞれ、40[V]、0[V]となる。
【0033】
一方、フィルム状材料14は表面抵抗が小さいので、フィルム状材料16に比較すると、電子が自由に移動する。よって、フィルム状材料14の表面は等電位(20[V])となる。
【0034】
従って、画像形成シート10内の電極22Aに対応する領域にある2色回転体粒子34には、電極22Aからフィルム状材料14に向かう方向Aの電界(40[V]→20[V])が作用する。これに対し、画像形成シート10内の電極22Bに対応する領域にある2色回転体粒子34には、フィルム状材料14から電極22Bに向かう方向Bの電界(20[V]→0[V])が作用する。
【0035】
前述したように、2色回転体粒子32は、白色面が負にかつ黒色面が正に帯電されているので、画像形成シート10内の電極22Aに対応する領域にある2色回転体粒子34は、白色面をフィルム状材料14側(目視側)に向け、画像形成シート10内の電極22Bに対応する領域にある2色回転体粒子34は、黒色面をフィルム状材料14側(目視側)に向ける。
【0036】
よって、画像形成シート10(図6(A)参照)を作用装置20に載置し、画像データに基づいて、複数の電極22に選択的に電圧を印加すると、又は、画像データに基づいて、複数の電極22に選択的に電圧を印加している作用装置20に画像形成シート10が載置されると(図6(A)、図6(B)参照)と、図6(A)に示すように、画像形成シート10に画像データに対応する白黒画像が形成される。ところで、前述のように、フィルム状材料14は透明であるので、形成した画像をフィルム状材料14を介して視認することができる。なお、フィルム状材料16を透明として、画像をフィルム状材料16を介して視認するようにしてもよい。更に、フィルム状材料14、16を透明として、画像をフィルム状材料14、16の双方を介して視認するようにしてもよい。この場合、フィルム状材料14、16の双方を介して視認する画像は、互いに白黒反転画像となる。
【0037】
なお、上記のように電極22Aに印加する電圧と電極22Bに印加する電圧との差が大きければ大きい程、及び、フィルム状材料14の表面抵抗が小さいほど、或いはフィルム状材料16の表面抵抗が大きければ大きい程、2色回転体粒子に作用する電界の大きさを大きくすることができ、鮮明画像を生成することができる。
【0038】
ところで、画像形成層12は、所定の液が満たされたキャビティー34内に2色回転体粒子32を回転可能に収納している。キャビティー34内壁と2色回転体粒子32との間の抵抗により、2色回転体粒子32はキャビティー34内で現状の向きを維持しようとし、電界が作用されたときに作用された電界に応じた向きに回転する。従って、画像が一旦形成されると(図7(A)参照)、作用装置20から取り外すたとしても、上記抵抗により、画像が保持される(図7(B)参照)。よって、画像形成シート10を単独で取引の対象とすることができる。
【0039】
よって、図8に示すように、各々画像が形成されかつ作用装置20から取り外された複数の画像形成シート10A、10B、10C、10D、10Eを、バインダー40等より束ねて利用することができる。
【0040】
ところで、前述した従来の技術では、液晶パネル50A(図9参照)及び画像形成シート50B(図10)は、液晶層及び画像形成層を挟むように配置されたデータ電極層及び走査電極層を備え、データ電極及び走査電極に電圧を印加することにより電界を生成して画像を形成している。特に、液晶パネル50Aでは、画像形成に強電界が必要となるため、データ電極層及び走査電極層を液晶層に接近配置させなければならない。また、画像形成層52(図10参照)は目視側面及び該目視側面の表面抵抗が共に同じかつ大きいので、画像形成層をデータ電極層及び走査電極層で挟む構成でなければ画像を形成することができない。
【0041】
これに対し、本実施の形態では、目視側面の電気抵抗が該目視側面に対向する面より小さい一対のシート状材料で画像形成層を挟んで画像形成シートを構成すると共に画像形成シート10には電極を備えず、作用装置20の上面20Uに電極を備え、該電極に電圧を印加することにより一対のシート状材料間に電界を生成かつ画像形成層に作用させている。
【0042】
このように、従来技術では、液晶層及び画像形成層をデータ電極層及び走査電極層で挟む構成であるので、画像表示部を駆動装置から着脱可能とすると、その構成が複雑となるのに対し、本実施の形態では、目視側面の電気抵抗が該目視側面に対向する面より小さい一対のシート状材料で画像形成層を挟んだ画像形成シートに電界を作用させて画像を形成する構成であるので、構成を簡略化することができる。
【0043】
また、従来の技術では、マトリックス電極層の各電極線と作用装置の該電極に対応する線とが接続されるように、液晶パネル50A及び画像形成シート50Bを駆動装置に装着しなければならないので、装着が極めて困難である。これに対し、本実施の形態では、画像形成シート10を、表面抵抗が大きいフィルム状材料16側が上面20Uに接触するように、作用装置20に載置すれば、画像形成シート10の電極に対応する領域にある領域が画像形成領域となるので、装着が極めて容易である。なお、画像形成シート10を、表面抵抗が小さいフィルム状材料14側が上面20Uに接触するように、作用装置20に載置すると、上記のような電界が発生しないので、2色回転体粒子34を回転させることができない。よって、表面抵抗が大きいフィルム状材料16側が上面20Uに接触するように、画像形成シート10を作用装置20に載置することに注意すれば足りることになる。
【0044】
更に、従来の技術では、データ電極層及び走査電極層の何れか目視側は透明電極層である必要があるのに対し、本実施の形態では、画像形成のため作用装置が画像形成シートに電界を作用させる構成であるので、画像形成シートには、高価な透明電極を備える必要がない。よって、画像形成装置、画像形成シートを低コストにすることができる。なお、一対のフィルム状材料は電極を持たないフレキシブルな構成であるので、断線という問題も生じない。
【0045】
次に第2の実施の形態を説明する。
【0046】
前述した第1の実施の形態で画像を形成する場合、原理上、全画面を同一色、例えば、白又は黒とするには、従来技術と同様に一面に配置された画像書き込み用電極に対向する面電極が必要であり、又、実験の結果、例えば、白領域に対する黒領域の面積比率(以下、黒率)が小さい画像や黒領域に対する白領域の面積比率(以下、白率)が小さい画像を形成するためには、数回の書き込みを行わないと、十分なコントラストを持つ画像が形成されない。本実施の形態は、全面白あるいは黒、又は、白画像に黒率の低い画像又は黒画像に白率の低い画像を書き込む場合であっても、十分な画像を形成できるようにするものである。
【0047】
本実施の形態は前述した第1の実施の形態とほぼ同様の構成であるので、同一部分には同一の符号を消してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0048】
図11に示すように、本実施の形態に係る一対のフィルム状材料14、16は、画像形成層12の全領域を両面側から支持する第1の領域部分15A1と、第1の領域部分15A1の周囲に配置された第2の領域部分15Aとを備えている。
【0049】
また、一対のフィルム状材料14、16の第2の領域部分15Aに間には、第2領域部分15Aによって両面側から支持されたダミー容量部17(請求項3の部材に対応する)が配置されている。
【0050】
このダミー容量部17の電気容量は、画像形成層12の電気容量と等しい。
【0051】
図12示すように、作用装置20は、画像データに基づいて電界を作用させる複数の電極22(第1の作用部分)と、複数の電極22が配置された領域の周囲(図12では左右両端)に配置され画像データに基づかないで電界を作用させる一対のダミー電極25と、を備えている。
【0052】
次に本実施の形態の作用を説明する。
【0053】
最初に、全面が白画像を表示するときの、画像形成装置の動作を説明する。図13は、画像形成層12の上面全面に白画像を形成するときの状態を示している。
【0054】
全面に白画像を形成する場合、複数の電極22には負電圧を印加する。この時、ダミー電極25には逆極性の正電圧を印加する。この複数の電極22の負電圧と、ダミー電極25の正電圧と、により、第1の実施の形態のように、複数の電極22に対応するフィルム状材料16の部分は負に帯電し、ダミー電極25に対応するフィルム状材料16の部分は正に帯電し、フィルム状材料14は一様に帯電(複数の電極22の負電圧より大きくかつダミー電極25の正電圧より小さい)する。
【0055】
よって、ダミー容量部17には矢印Cに示すように上向きの電界が印加され、画像形成層12の上面に印加される電界は矢印Dに示すように下向きに印加される。従って、画像形成層12内の2色回転体粒子32は上面に白を向けるように回転し、全面が白の画像を形成する。この画像形成状態を図14に示すと、上記のように電圧を印加して電界を作用させいる作用装置20上に画像形成シート10を載置すると、画像形成層12の上面は全面が白の状態となる。なお、作用装置20上に画像形成シート10を載置した後に、作用装置20は、上記のように電圧を印加して電界を作用させてもよい。
【0056】
次に全面が黒画像を形成する時の動作について説明する。図15は、画像形成層12の上面全面に黒画像を形成するときの状態を示している。
【0057】
全面に黒画像を形成する場合、複数の電極22には正電圧を印加する。この時、ダミー電極25には逆極性の負電圧を印加する。よって、ダミー容量部17には矢印Eに示すように下向きの電界が印加され、画像形成層12には矢印Lに示すように下向きの電界が印加される。よって、2色回転体粒子32は上面に黒を向けるように回転し、全面が黒の画像を形成する。この画像形成状態を図16に示すと、上記のように電圧を印加して電界を作用させている作用装置20上に画像形成シート10を載置すると、画像形成層12の上面は全面が黒を形成する。なお、作用装置20上に画像形成シート10を載置した後に上記のように電界を作用させるようにしてもよい。
【0058】
次に白画面にわずかに黒の画像を書き込むときの画像形成装置の動作を説明する。図17に示すように、白画像を形成する部分に相当する電極22Aには負電圧を印加し、黒画像を形成する部分に相当する電極22Bには正電圧を印加する。そして、ダミー電極25には黒画像を書き込む電極の電圧と同極性の電圧を印加する。よって、ダミー容量部17には、黒画像の書き込み部での電界方向、即ち矢印Cと同じ上向きの電界が印加される。白画像が書き込まれる部分においては、これとは逆に、矢印Dに示すように下向きの電界が印加されることになる。よって、黒画像が書き込まれる部分に位置する2色回転体粒子32だけが黒面を上に向けた状態に回転することになる。このように白画像中にわずかに黒画像が形成されるときの画像形成シートの状態を図18に示す。画像形成シート10は、作用装置20上に置かれ、白画像中にわずかに黒画像を有する画像が形成される。なお、作用装置20上に画像形成シート10を載置した後に上記のように電界を作用させるようにしてもよい。
【0059】
なお、黒画像にわずかに白画像を書き込む場合には、上記と逆極性の電圧を印加する。
【0060】
以上説明した様に、本実施の形態では、第1の実施の形態では書き込むことのできなかった、全面白あるいは全面黒の画像や、黒率の低い画像あるいは白率の低い画像を形成することができる。
【0062】
以上回転体粒子を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、円柱形状の回転体を用いてもよい。また、微小粒子を用いた、例えば、マイクロカプセル内に着色液を満たし、白色の微小粒子の電気泳動によるものであってもよい。また、2色に塗り分けることに限定されない。
【0063】
更に、前述した例では、2色回転体粒子をシート状に配置して画像形成シートを構成しているが、本発明はこれに限定されず、液晶をシート状態に配置して画像形成シートを構成し、画像データに基づいて、上記のように電極に選択的に電圧を印加するようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、画像形成のため作用装置が画像形成シートに電界又は磁界を作用させるので、画像形成シートには、高価な透明電極を備える必要がない、という効果を有する。
【0065】
また、本発明は、画像形成シートの内、作用装置により電界又は磁界が作用される部分のみが画像形成領域となるので、画像形成シートと作用装置との装着が極めて容易である、という効果を有する。
【0066】
更に、画像形成層をデータ電極層及び走査電極層で挟む構成ではなく、作用装置が、画像形成層及び画像形成層を両面側から支持する電極を持たないフレキシブルな一対のフィルムを備えた画像形成シートに電界を作用させて画像を形成する構成であるので、構成を簡略化するたとができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)、(B)は、本実施の形態に係る画像形成シートを示した図である。
【図2】 本実施の形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図3】 (A)、(B)は、画像形成シートを詳細に示した図である。
【図4】 本実施の形態に係る作用装置を詳細に示した図である。
【図5】 (A)、(B)は、2色回転体粒子に電界を作用させたとの様子を示した図である。
【図6】 (A)、(B)は、画像形成シートを、作用装置に載置して、画像を形成する様子を示した図である。
【図7】 (A)、(B)は、画像形成シートを作用装置から取り外した後の様子を示した図である。
【図8】 本実施の形態に係る画像形成シートを複数束ねた様子を示した図である。
【図9】 従来技術の液晶パネルが駆動装置に着脱可能な画像形成装置の斜視図である。
【図10】 先行技術の2色回転粒子球体をシート状に収納して構成された画像形成シートが駆動装置に着脱可能な画像形成装置の斜視図である。
【図11】 第2の実施の形態に係る画像形成シートを示した図である。
【図12】 第2の実施の形態に係る作用装置を示した図である。
【図13】 画像形成層の上面に全面白の画像を形成する際の様子を示した図である。
【図14】 作用装置に画像形成シートを配置して画像形成層の上面に全面白の画像を形成する様子を示した図である。
【図15】 画像形成層の上面に全面黒の画像を形成する様子を示した図である。
【図16】 作用装置に画像形成シートを載置して画像形成層の上面に全面黒の画像を形成する様子を示した図である。
【図17】 黒率の低い画像を形成する際の様子を示した図である。
【図18】 作用装置に画像形成シートを載置して画像形成層の上面に黒率の低い画像を形成する様子を示した図である。
【符号の説明】
10 画像形成シート
12 画像形成層
14、16 フィルム状材料
20 作用装置
15A1 第1の領域部分
15A2 第2の領域部分
17 ダミー容量部
25 ダミー電極
Claims (9)
- 電界が作用することにより、目視可能な画像を形成するシート状の画像形成層と、
前記画像形成層を両面側から支持すると共に、一方の電気抵抗が他方より小さくかつ電極を持たないフレキシブルな一対のフィルムと、
を備えた画像形成シート。 - 電界が作用することにより、目視可能な画像を形成するシート状の画像形成層と、
前記画像形成層を両面側から支持すると共に、目視側の第1の面の電気抵抗又は磁気抵抗が該第1の面に対抗する第2の面より小さいシート状の電極を持たない支持手段と、
を備えた画像形成シート。 - 前記一対のフィルムの少なくとも一方は透明である請求項1記載の画像形成シート。
- 前記一対のフィルム各々は、前記画像形成層の全領域を両面側から支持する第1の領域部分と該第1の領域部分の周囲に配置された第2の領域部分とを有し、
前記一対のフィルムの前記第2の領域部分間に配置されかつ該第2の領域部分により両面側から支持された、前記画像形成層と同特性の部材を更に備えたことを特徴とする請求項1又は請求項3記載の画像形成シート。 - 画像データに基づいて、画像が形成されるように電界を、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像形成シートに作用させる作用装置。
- 前記作用装置は、
前記画像データに基づいて、電界を作用させる第1の作用部分と、
前記第1の作用部分の周囲に配置され、前記画像データに基づかずに、電界を作用させる第2の作用部分と、
を備えたことを特徴とする請求項5記載の作用装置。 - 請求項1乃至請求項4記載の何れか1項に記載の画像形成シートと、
請求項5又は請求項6記載の作用装置と、
を備えた画像形成装置。 - 前記画像形成シートと前記作用装置とは脱着可能である請求項7記載の画像形成装置。
- 一方の電気抵抗が他方より小さくかつ電極を持たないフレキシブルな一対のフィルムで、電界が印加されることにより目視可能な画像を形成するシート状の画像形成層を両面側から支持し、画像データに基づいて、画像が形成されるように電界を、該画像形成層及び該一対のフィルムに、前記他方のフィルム側から作用させる画像形成方法。
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