WO2005054382A1 - 記録液、液体カートリッジ、液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、色素と、色素を分散させる溶媒とに、更に有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比率(I/O)が1.18以上、2.5以下の範囲にあり、且つ炭素数が9以下の炭素水素基を有する多価アルコールを含有させ、0秒動的表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の範囲にすることによって、インク2中に微小な泡が発生することが抑制されて不吐出や吐出曲がりといった吐出不良を防止でき、画像にカスレや白抜けが生じることのない高品位な画像を印刷できる。

Description

明 細 書
記録液、液体カートリッジ、液体吐出装置及び液体吐出方法
技術分野
[0001] 本発明は、対象物に記録を行うために液滴の状態で対象物に付着される記録液、 この記録液が収容される液体カートリッジ、この液体カートリッジに収容された記録液 を吐出口より液滴の状態にして対象物に吐出する液体吐出装置及び液体吐出方法 に関する。
本出願は、 日本国において 2003年 12月 8日に出願された日本特許出願番号 200 3— 409616を基礎として優先権を主張するものであり、これらの出願は参照すること により、本出願に援用される。
背景技術
[0002] 液体を吐出する装置として、対象物となる記録紙に対してインク吐出ヘッドより記録 液、いわゆるインクを吐出させて、画像や文字を記録するインクジェット方式のプリン タ装置がある。このインクジェット方式を用いたプリンタ装置は、低ランニングコスト、装 置の小型化、印刷画像のカラー化が容易という利点がある。
インク吐出ヘッドよりインクを吐出するインクジェット記録方式は、例えばディフレクシ ヨン方式、キヤビティ方式、サーモジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式、サ 一マルインクジェット方式、スリットジェット方式、スパークジェット方式等があり、これら に代表される種々の作動原理により、インクを微小な液滴にしてインク吐出ヘッドの 吐出口、いわゆるノズルより吐出させて記録紙に着弾させ、画像や文字等の記録を 行う。
ところで、このようなインクジェット記録方式に用いる記録液に対しては、ノズルが目 詰まりを起こさないことが求められている。例えばインク中に生ずる微小な泡等がノズ ルの目詰まりを生じさせる要因の一つとして考えられている。
インクにおいては、空気等の気体が所定量溶解する力 温度上昇に伴い気体の溶 解度が低下したときに、液中の溶解しきれない気体が分離し、それが液中で微小な 泡となる。具体的には、インクをインク吐出ヘッド等に供給するインクタンクやインク流 路ゃインク吐出ヘッド内に存在するインクの温度が上昇すると、液中に溶存していた 気体が放出され、微小な泡が形成される。
このような微少な泡がインク吐出ヘッド内に存在すると、ノズルよりインクが吐出され ない不吐出や、ノズルより吐出されたインクの吐出方向がずれる吐出曲がり等といつ た吐出不良が生じ、印刷された画像にカスレや白抜けが生じ、印刷画像の品質を著 しく低下させる虞がある。
特に、熱エネルギーを作用させてインクを微小な液滴にしてノズルより吐出させる記 録方式、すなわちサーマル方式及びバブルジェット(登録商標)方式のインクジェット 記録方式の場合、インクをヒーターで急熱し、インクの膜沸騰で生成する気泡の圧力 で液滴を吐出するため、ヒーター近傍に熱が蓄積され、インク流路内にあるインクの 温度が非常に上昇し易くなつており、上述した不吐出や吐出曲がり等の吐出不良が 顕著に生じる虞がある。
このような問題を改善するために、例えば特許文献 1及び特許文献 2等には、水性 顔料インクに低級アルコールのプロピレンオキサイド付加重合体を配合することが提 案されている。し力しながら、これらの提案では、微少な泡の発生を十分に抑制する ことは困難であり、さらなる改良が求められている。
また、特許文献 3には、例えばインクに高級第 2アルコールアルコキシレートのェチ レンオキサイド付加物を含有させることも提案されて 、る。この特許文献 3に提案され たインクは、高周波数駆動時の吐出安定性、記録紙への浸透性および乾燥性に優 れているとされている。し力しながら、特許文献 3に提案されたインクでは、高級第 2ァ ルコールアルコキシレートにエチレンオキサイドのみを付加させた化合物を含有させ ても、微小な泡によるノズルの目詰まりを改良することはできなかった。具体的には、 エチレンオキサイドだけを 7モル以上付加させたような化合物を含有したインクは泡 立ちが激しぐノズルの目詰まりが著しいものになる。
インクジェット記録方式に用いるインクにおいては、ノズルの目詰まりを起こさないと いった要求の他に、コピー用紙やレポート用紙などの普通紙、いわゆる上質紙に対 して印刷を行った場合でも、光学濃度が低下、境界滲み、混色ベタ斑等が発生しな V、ようにすると 、うことも要求されて 、る。 このような要求に対しては、例えば特許文献 4等に、水不溶性色材をスルホン酸( 塩)基を有する高分子および Zまたはリン酸 (塩)基を有する高分子で処理したものを 色材として使用し、さらにインクにカルボン酸 (塩)基を有する高分子を添加すること が提案されている。また、特許文献 5には、インクに、 D—マンヌロン酸と Lーグルロン酸 の比が 0. 5-1. 2の範囲にあるアルギン酸を配合することが提案されている。さらに 、特許文献 6には、インクにフッ素系またはシリコン系力も選ばれる少なくとも 1種以上 の界面活性剤とアルギン酸塩とを配合することが提案されている。し力しながら、いず れも、上述した要求を十分に満足させる結果を得ることは困難であり、さらなる改良が 求められている。
上述した微少な泡による問題は、記録紙に対して高速印刷を行うことが可能なプリ ンタ装置、すなわち記録紙の幅と略同じ範囲をインクの吐出範囲としたライン型のプ リンタ装置において、より顕著に発生する (例えば、特許文献 7—特許文献 9を参照。 )。
具体的に、記録紙の送り方向の略直交方向、すなわち記録紙の幅方向に 1列以上 ノズルを並べて設けたライン型のプリンタ装置では、記録紙の送り方向と略直交方向 にインク吐出ヘッドを走査しながら印刷を行うシリアル型のプリンタ装置等と異なり、例 えば記録紙の送り方向を横切るようにインクタンクよりインクを導くインク流路を形成し 、インク流路の両側もしくは片側にノズルを有するインク吐出ヘッドが複数配置された 構造になることから、ノズルが多くなる分インクの発熱箇所も多くなつて微少な泡が発 生し易ぐ且つインクタンクからインク吐出ヘッドまでの距離が長くて構造が複雑で発 生した微少な泡を取り除き難くなつており、微少な泡による不具合が顕著に発生する ライン型のプリンタ装置においては、ノズルライン毎の液滴の吐出周期が極めて短 いため、記録紙への浸透性に優れたインクを用いる必要がある。このようなインクを普 通紙等に用いた場合、インクが普通紙の深さ方向、すなわち厚み方向に染込み過ぎ ることから光学濃度が低下する虞がある。
また、ノズルライン毎の液滴の吐出周期が短いライン型のプリンタ装置においては、 例えば異なる色のインクを吐出して記録紙に印刷する、いわゆるカラー印刷を行う場 合、記録紙に着弾した液滴が十分に紙の内部へ浸透しな 、うちに次色の液滴が次 々と着弾されることから各色間に境界滲みや混色ベタ斑が発生する虞がある。
特許文献 1:特開 2001— 2964号公報
特許文献 2:特開平 10-46075号公報
特許文献 3:特開平 7 - 70491号公報
特許文献 4:特開 2000 - 154342号公報
特許文献 5:特開平 8— 290656号公報
特許文献 6:特開平 8- 193177号公報
特許文献 7:特開 2002-36522号公報
特許文献 8:特開 2001— 315385号公報
特許文献 9:特開 2001—301199号公報
発明の開示
本発明の目的は、上述したような従来の技術が有する問題点を解消することができ る記録液を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、微小泡立ちが少なぐ吐出安定性に優れ、対象物とな る普通紙に文字や画像などを多色印刷しても光学濃度が高ぐ境界滲みや混色ベタ 斑の無い、高品位印刷が可能な記録液、この記録液が収容される液体カートリッジ、 この液体カートリッジに収容された記録液を用いて高品位な印刷を行える液体吐出 装置及び液体吐出方法を提供することにある。
本発明は、記録液の微小泡立ちによる吐出安定性の低下、対象物となる普通紙に 文字や画像などを多色印刷したときの光学濃度の低下、境界滲み、混色ベタ斑等の 問題を、記録液の 0秒動的表面張力を特定の範囲にし、さらに記録液に所定の有機 性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比率 (IZO)を有する多価アルコールを含有さ せることで抑制させるものである。さらに、本発明は、静的表面張力を特定の範囲とし
、所定の有機性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比率 (ΙΖΟ)を有する多価アルコ ールのアルキレンオキサイド付加物を含有させることで上述した問題を一層抑制させ るものである。また、本発明は、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物に代 わって、少なくとも 1種類以上のエチレンオキサイド Ζプロピレンオキサイド共重合体 を含有させることで、上述した問題を一層抑制させるものである。
本発明に係る記録液は、対象物に記録を行うために液滴の状態で当該対象物に 付着される記録液であって、色素と、色素を分散させる溶媒とを有し、 0秒動的表面 張力が 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にされて!/、る。
さらに、本発明に係る記録液は、静的表面張力が 30mNZm以上、 35mNZm以 下の範囲にされている。
さらにまた、本発明に係る記録液は、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ有 機性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比率 (IZO)が 1以上、 1. 33以下の範囲に ある多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有している。
さらにまた、本発明に係る記録液は、多価アルコールのアルキレンオキサイド付カロ 物に代わって、少なくとも 1種類以上のエチレンオキサイド Ζプロピレンオキサイド共 重合体を含有している。
さらにまた、本発明に係る液体カートリッジは、液体容器に収容された記録液を液 滴の状態で吐出し、対象物に付着させることで記録を行う液体吐出装置に備わる液 体吐出ヘッドに着脱可能に装着され、液体吐出ヘッドに対し、記録液の供給源となる 液体カートリッジであって、液体容器に収容された記録液は、色素と、色素を分散さ せる溶媒とを有し、 0秒動的表面張力が 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲に されている。
さらにまた、本発明に係る液体吐出装置は、記録液を液滴の状態で吐出させる吐 出口を有し、吐出口と対向する位置まで搬送された対象物に吐出口より液滴を吐出 する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに接続され、液体吐出ヘッドに対する記録液 の供給源となる液体カートリッジとを備える液体吐出装置であって、液体吐出ヘッドに 供給される記録液は、色素と、上記色素を分散させる溶媒とを有し、 0秒動的表面張 力が 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にされて!/、る。
さらにまた、本発明に係る液体吐出方法は、記録液を液滴の状態で吐出させる吐 出口を有し、吐出口と対向する位置まで搬送された対象物に吐出口より上記液滴を 吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに接続され、液体吐出ヘッドに対する記 録液の供給源となる液体カートリッジとを備える液体吐出装置による液体吐出方法で あって、色素と、色素を分散させる溶媒とを有し、 0秒動的表面張力が 30mNZm以 上、 40mNZm以下の範囲にある記録液を、液体吐出ヘッドの吐出口より吐出させる 以上のように、本発明は、記録液に、有機性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比 率 (IZO)が 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、且つ炭素数が 9以下の炭素水素基 を有する多価アルコールを含有させ、記録液の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上 、 40mNZm以下の範囲にすることにより、対象物に対する記録液の濡れ性を良好 し、記録液中に微少な泡が生じることを抑え、吐出ロカも記録液が吐出される際の不 吐出や吐出曲がり等といった吐出不良を防止できる。
また、本発明によれば、記録液に、さらに炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且 つ有機性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比率 (IZO)が 1以上、 1. 33以下の範 囲にある多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有させ、記録液の静的 表面張力を 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にすることにより、記録液の濡 れ性の向上や、液中に微少な泡が発生することを抑えるといった作用効果をさらに高 めることができる。
また、本発明によれば、記録液に多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物に 代わって、少なくとも 1種類以上のエチレンオキサイド Zプロピレンオキサイド共重合 体を含有させることにより、記録液の濡れ性の向上や、液中に微少な泡が発生するこ とを抑えるといった作用効果をさらに高めることができる。
したがって、本発明によれば、記録液中に生じた微少な泡による吐出不良を防止で き、カスレや白抜けがなぐ光学濃度が高ぐ境界滲みや混色ベタ斑のない、高品位 な記録ができる。
本発明の更に他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下において 図面を参照して説明される実施の形態の説明力 一層明らかにされるであろう。 図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、本発明が適用されたプリンタ装置を示す斜視図である。
[図 2]図 2は、同プリンタ装置に備わるヘッドカートリッジを示す斜視図である。
[図 3]図 3は、同ヘッドカートリッジを示す断面図である。 [図 4]図 4は、イソプロピルアルコールの IOを説明する説明図である。
[図 5]図 5は、化 16の IOを説明する説明図である。
[図 6]図 6は、同ヘッドカートリッジにインクタンクが装着されたときのインク供給部を示 しており、同図 (A)は供給口が閉塞された状態を示す模式図であり、同図 (B)は供 給口が開口された状態を示す模式図である。
[図 7]図 7は、同ヘッドカートリッジにおけるインクタンクとインク吐出ヘッドとの関係を 示す模式図である。
[図 8]図 8は、同インクタンクの接続部における弁機構を示しており、同図 (A)は弁が 閉じた状態を示す断面図であり、同図 (B)は弁が開いた状態を示す断面図である。
[図 9]図 9は、同インク吐出ヘッドの構造を示す断面図である。
[図 10]図 10は、同インク吐出ヘッドを示しており、同図 (A)は発熱抵抗体に気泡が発 生した状態を模式的に示す断面図であり、同図(B)はノズルよりインク液滴を吐出し た状態を模式的に示す断面図である。
[図 11]図 11は、同プリンタ装置の一部を透視して示す側面図である。
[図 12]図 12は、同プリンタ装置の制御回路を模式的に示すブロック図である。
[図 13]図 13は、同プリンタ装置の印刷動作を説明するフローチャートである。
[図 14]図 14は、同プリンタ装置において、ヘッドキャップが開いている状態を一部透 視して示す側面図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明が適用された記録液、液体カートリッジ、液体吐出装置及び液体吐出 方法について、図面を参照して説明する。図 1に示すインクジェットプリンタ装置 (以 下、プリンタ装置と記す。 ) 1は、所定の方向に走行する記録紙 Pに対してインク等を 吐出して画像や文字を印刷するものである。また、このプリンタ装置 1は、記録紙 Pの 印刷幅に合わせて、記録紙 Pの幅方向、すなわち図 1中矢印 W方向にインク吐出口( ノズル)を略ライン状に並べて設けた、いわゆるライン型のプリンタ装置である。
このプリンタ装置 1は、図 2及び図 3に示すように、記録紙 Pに対して画像や文字等 を記録する記録液であるインク 2を吐出するインクジェットプリンタヘッドカートリッジ( 以下、ヘッドカートリッジと記す。 ) 3と、このヘッドカートリッジ 3を装着するプリンタ本 体 4とを備える。プリンタ装置 1は、ヘッドカートリッジ 3がプリンタ本体 4に対して着脱 可能であり、更に、ヘッドカートリッジ 3に対してインク供給源となり、インク 2を収容す る液体カートリッジであるインクタンク 5y, 5m, 5c, 5kが着脱可能となっている。この プリンタ装置 1では、イェローのインクタンク 5y、マゼンタのインクタンク 5m、シアンの インクタンク 5c、ブラックのインクタンク 5kが使用可能となっており、また、プリンタ本体 4に対して着脱可能なヘッドカートリッジ 3と、ヘッドカートリッジ 3に対して着脱可能な インクタンク 5y, 5m, 5c, 5kとを消耗品として交換可能になっている。
このようなプリンタ装置 1は、記録紙 Pを積層して収納するトレイ 65aをプリンタ本体 4 の前面底面側に設けられたトレイ装着部 6に装着することにより、トレイ 65aに収納さ れている記録紙 Pをプリンタ本体 4内に給紙できる。トレイ 65aは、プリンタ本体 4の前 面のトレィ装着部 6に装着されると、給排紙機構 64により記録紙 Pが給紙口 65からプ リンタ本体 4の背面側に給紙される。プリンタ本体 4の背面側に送られた記録紙 Pは、 後述する反転ローラ 83により走行方向が反転され、往路の上側をプリンタ本体 4の背 面側から前面側に送られる。プリンタ本体 4の背面側から前面側に送られる記録紙 P は、プリンタ本体 4の前面に設けられた排紙ロ 66より排紙されるまでに、パーソナル コンピュータ等の後述する情報処理装置 79より入力された文字データや画像データ に応じた印刷データが文字や画像として印刷される。
印刷するときに記録液となるインク 2は、例えば 0秒動的表面張力を 30mNZm以 上、 40mNZm以下の範囲にさせて記録紙 Pに対する濡れ性を高める有機化合物と 、色素となる水溶性染料や各種顔料等といった色材と、この色材を分散させる溶媒と を少なくとも含有している。
インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせる有 機化合物としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の 1価 の低級アルコール類や、エチレングリコールモノ n ブチルエーテル、ジエチレングリ コーノレモノ n—ブチノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレモノ n—ブチノレエーテノレ、ジェ チレングリコールモノへキシルエーテル等のグリコールエーテル類や 2—メチルー 2— プロピル 1, 3 プロパンジオール、 2, 2 ジェチルー 1, 3 プロパンジオール等の有 機溶剤等が挙げられる。 ここで、 0秒動的表面張力について説明する。数 1で示される界面活性剤を含有す る液体の動的表面張力一時間変化の緩和関数式については、例えば Hua X. Y, R osen M. J :J. Colloidlnterface Sci. 124, 652 (1988)や、田村隆光:表面 V ol. 38 No. 10 22— 44 (2000)に記載されて!/、る。そして、導力れる結果を旨す。
[数 1]
Ύ( = Ym + (γ。 ij/ ii + (t/t *)n }
(但し、 Ymは 30秒間の表面張力変化が
lm N/m以下になったときの表面張力であり、
γ0は溶媒の表面張力であり、
t *は が と γ„との中間になつた時間であり
ηは定数である。 ) この Rosenにより提唱された数 1に示す界面活性剤を含有する液体の動的表面張 カー時間変化の緩和関数式を t=0として展開した場合について数 2示す。
[数 2]
数 1を t = 0として展開すると、 yt "m + (Y。 - Ym )/{i + (o/t*)n }
Figure imgf000011_0001
数 2に示すように、 0秒動的表面張力は、インク 2から色材や、後述する防腐剤、防 カビ剤、分散剤、浸透剤、界面活性剤等といった界面活性能を有する成分を除いた 、水及び有機溶剤力 なる溶媒の静的表面張力を測定することで求めることができる
。ここで、上記した界面活性能を有する成分を除いたインク 2の溶媒の動的表面張力 を、例えば最大泡圧力法により泡の発生する速度、いわゆる泡速度を変化させて連 続測定した場合、具体的には泡速度を 20泡 Z秒一 0. 1泡 Z秒の範囲にして連続測 定した場合、動的表面張力曲線はほぼ横一直線となり、泡速度が低下しても動的表 面張力曲線が大きく下がることはな 、。
ここで、インク 2の 0秒動的表面張力が 30mNZm未満である場合、インク 2の濡れ 性が高くなりすぎて後述するノズル 52a内に形成されるメニスカスの形状が不安定に なり、インク 2の吐出間隔を狭めて吐出、具体的には 3kHzを超えるような高速吐出し たときにインク 2の吐出方向がずれて記録紙 Pに画質を低下させることがある。また、 この場合、インク 2の濡れ性が高くなりすぎていることから、記録紙 Pに着弾したインク 2が記録紙 Pの深さ方向、すなわち記録紙 Pの厚み方向に染み込みすぎて光学濃度 が低下したり、記録紙 Pの裏側にまでインク 2が染み出したりする虞がある。一方、イン ク 2の 0秒動的表面張力が 40mNZmを超えた場合、記録紙 Pの厚み方向への染み 込みが遅ぐ境界滲みや、インク 2の着弾点より記録紙 Pの繊維に沿って流れたインク 2が鳥の羽状に滲む、 、わゆるフエザリング等が発生する虞がある。
以上では、このようなインク特性にさせる有機化合物として例えば 1価の低級アルコ ール類、グリコールエーテル類等を一例として挙げた力 有機性値 (OV)に対する無 機性値 (IV)の比率 (以下、 IZOと記す。)が 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、且 つ炭素数が 9以下の炭化水素基を有する多価アルコール類を用いることが好ましぐ 分岐した炭化水素基を有する多価アルコールであればさらに好ましい。
具体的には、 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせ 、 IZOが 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、炭素数が 9以下の炭化水素基を有す るといった条件を満たす多価アルコールとして化 1一化 5に示す有機化合物が挙げら れ、これらのうちの何れか一種又は複数種を用いることができる。
[化 1]
Figure imgf000013_0001
(但し、式中 及び R2 は炭化水素基を示し、 2≤ R, + R2≤ 4 , R,≥ 0 、 R2≥ 0であり、 R,=0,R2=0の場合、 R^R 2は水素元素を示す。)
[化 2]
Figure imgf000013_0002
(伹し、式中 R3及び R4 は炭化水素基を示し、 2≤ R3 + R4≤ 6. R3≥ 0 、 R4≥ 0であり、 R3=0,R4=0の場合、 R3,R 4は水素元素を示す。)
[化 3]
Figure imgf000013_0003
(但し、式中 R5及び R6は炭化水素基を示し、 1 ≤ R5 + R6≤ 4 , R5≥ 0 、 R6≥ 0であり、 R5^0,Re=0の場合、 Rs,R6は水 元素を示す。)
[化 4]
Figure imgf000014_0001
(但し、式中 R7及び R 8は炭化水素基を示し
2 ≤ R 7 + R e ≤ 6 である。)
[化 5]
Figure imgf000014_0002
(但し、式中 R3及び R 10は炭化水素基を示し
2 ≤ R 9 + R 1C < 4 である。) ここでの無機性値 (IV)及び有機性値 (ov)は、例えば「有機概念図-基礎と応用— 」甲田善生著 三共出版 (1984)、「系統的有機定性分析 (混合物編)」藤田 ·赤塚著 風間書房(1974)、「染料理論化学」黒木宣彦著 槟書店(1966)、「ファインケミカ ルズ」飛田 ·内田著 丸善 (1982)、「有機化合物分離法」井上 ·上原,南著 裳華房( 1990)等に記載されている有機概念図論より求めることができる。
この有機概念図論とは、有機化合物の物理的化学的物性について、電気的親和 力による物性の程度を「無機性」と呼び、 VanDerWaals力による物性の程度を「有 機性」と呼び、これらの組み合わせで被ィ匕合物の物理的特性を捕らえる手法である。 すなわち、 IZOにおいては、ある化合物の無機性値 (IV)が大きくなると、分極し易 くなつて水への溶解性が高まり、ある化合物の有機性値 (OV)が大きくなると、親油 性が高まり、水への溶解性が低下して有機溶剤への溶解性が高まる。
なお、上述した 1価の低級アルコール類、グリコールエーテル類等の IZOは、上述 した「有機概念図-基礎と応用-」甲田善生著の 13ページ、表 1. 1に基づいて算出 する。なお、「有機概念図一基礎と応用一」甲田善生著の 13ページに記載されている 表 1. 1を以下の表 1及び表 2に示す。表 1及び表 2では示されていないが、上述した「 有機概念図一基礎と応用一」甲田善生著には、炭素原子の有機性値が 20であり、こ れに従って炭素原子は 20として IZOを算出している。また、表 1及び表 2には、 Iso 分枝及び Tert分枝を末端部分に適用することが記載されて ヽるが、ここでは末端部 分の他に、 C連鎖の場合にも適用した。この表 1及び表 2に基づいて、 1価の低級ァ ルコール類、グリコールエーテル類等の IZOを算出すると、以下の表 3のようになる。
ΙΖΟ値を算出する際において、有機性値は、炭素原子の有機性値力も求めること ができる。無機性値は、表 1及び表 2に示す無機性基表力も求めることができ、有機 性も有する有機性兼無機性基にっ ヽては有機性値も求め、上述した有機性値にカロ 算することで求めることができる。以上のようにして得られた無機性値を有機性値で除 することによって I/Oを求めることができる。
[表 1]
数値
無機性基 数僅 有機性兼無機性基
有機性 無機性 軽金 IS (塩) 500以上 R4Bi-OH 80 250
重金 R (塩),ァミンおよび NH*½ 400以上 F^Sb— OH 60 250
— As03H, >As02H 300 ¾As-OH 40 250
-SO^- oNH-CO-, -N N— NH2 260 F^P-OH 20 250
=>N+-OH.— S03H, -NH— S02-NH- 250 ~OS03H 20 220
一 CO— H— CO— NH— CO— 250 > so2 40 170
o
— >S— OH, -CO -NH-CO- NH- 240 >so 40 140
-S02-NH- 240 -CSSH 100 80 一 CS— MH—',— CO— NH— CO— ' 230 -SCN 90 80
220 -CSOH. -COSH 80 W
=N— MH— · ,— CO— H— NHj 210 -NCS 90 75
-CO— NH— * 200 — BK 80 70
- >N→G 170 70 70
-CO OH 150 - Sb< 60 70
ラクトン 120 -As< , -CN 40 70
—CO— 0— CO 110 — P< 20 70
[注: I上 ffi表 1、表 2では, 4»機性 ί中の炭素は有《性に Jo tすること.ただし有椽性兼有基中のものは兼有有機性中に加 済みとす.
Rはアルキル. はアルキルまたはフ ル等をあらわす—
* 璟式部分に ^ 末 ffi部分に適用. † C 〕 の部分の値,
[表 2]
数値
無機性基 赚
有機性 無機性 アントラセン核,フエナントレン核 105 -0-〔-CH2-CH2 -。-〕 CH2-† 30 60 一 OH 100 -css 130 50
>He (共有給合) 95 — CSOO ,一 COStU SO 50
80 -NO 50 50
-Ν< (-ΝΗ2. -ΝΗ . — ΝΦ2〕アミン性
o 70 -0~N02 60 40
I
>CO Q 65 -NC 40 40
O
ナフタレン核,キノリ oン核 60 -Sb=Sb- 90 30
> C=NH 50 一 As = As— 60 30
-0-0- 40 一 P=P— , -NCO 30 30 一 N=N - 30 —O-NO, 一 SH, 一 S 40 20
-0 - 20 -I 80 10 ベンゼン核 (一 芳香族単環) 15 -Br 60 10 琅(一躲非芳香性単 角不閱) 10 =S 50 10 三重結合 3 -CI 40 10 二重結合 2 -F 5 5
Iso分枝 〉 - -10 0
Tert分枝 κ -20 0
[注]上記表 1、表 2では,無機性基中の崁棄は有機性に加算すること.ただし有裸性兼有 ¾中のものは兼有有樓性中に加募済 ( Rはアルキル, Φはアルキルまたはフエ二ル等をあらわす.
* 非 S式部分に適用. SC- 末端部分に邃用. † 〔 〕内の部分の值.
[表 3]
無機性値 有機性値
I/O
(IV) (10)
メタノー;!し 100 20 5 エタノール 100 40 2.5
イソプロピル
100
アルコ ル 50 2 エチレングリコール
120
モノ π—ブチルエーテル t20 1 ジエチレングリコ一レ
180
モノ n—フ'チルェ一亍ル 150 1.2 トリエチレングリコール
240 180
.モノ n _ブチルエーテル 1.33 ジエチレンゲリコ一 Jレ
180 190
モノへキシルェ一テル 0.95
上記表 3のうち、イソプロピルアルコールを例に挙げて、 IZOの算出方法を説明す る。
イソプロピルアルコールは、図 4に示すように、無機性基である ΟΗを 1つ有し、有機 性基である Cを 3つ有し、 Iso分枝を 1つ有している。上記表 1及び表 2より、無機性基 である OHの IVが 100であることから、イソプロピルアルコールの無機性値 (IV) = 10 0 X 1 (OHの個数) = 100となる。また、有機性基である Cの OVは、 20であり、 Iso分 枝の OV力 であることから、イソプロピルアルコールの有機性値 (OV)二20 X 3 ( Cの個数) + (一 10) X 1 (Iso分枝の個数) = 50となる。したがって、イソプロピルアル コールの 1 0= 100/50二 2となる。
インク 2に含有されるインク 2の 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる有機化合 物の I/Oが 1. 18未満である場合、親水性に乏しくなってインク 2中で分離し、油滴 となってノズル 52aを目詰まりさせる等、吐出安定性を劣化させる虞がある。一方、ィ ンク 2の 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる有機化合物の IZOが 2. 5を超える と疎水性に乏しくなってインク 2中に微小な泡を発生しやすくなり、やはり吐出安定性 を劣化させる虞がある。
0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物 は、インク 2全重量に対して 0. 1重量一 10重量%の範囲、より好ましくは 0. 5重量% 一 3重量%の範囲で含有されることが好ましい。インク 2に対し、 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物の含有量が 0. 1重量 %より少なくなると、上述した作用効果を得ることが困難になる。一方、インク 2に対し 、 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物 の含有量が 10重量%より多くなると、インク 2の粘度が高くなつてインク 2の記録紙 P に対する浸透性を劣化させる虞がある。
また、上述したインク 2の 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる多価アルコール においては、炭素数が 9を超えるような有機化合物になると、インク 2の粘度が高くな つてインク 2への含有量にもよる力 インク 2の記録紙 Pに対する浸透性を劣化させる 虞がある。なお、多価アルコールにおいて、炭素数は、 IZOの値によって自ずと決定 される。
以上で説明したように、インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mN/ m以下の範囲にさせる有機化合物や、この有機化合物として IZOが 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、炭素数が 9以下の炭化水素基を有するといった条件を満たす 多価アルコールをインク 2に含有させることにより、インク 2の記録紙 Ρに対する濡れ性 が高まることから、インク 2で記録紙 Ρに印刷したときに、インク 2中に生じた微少な泡 による吐出不良を防止して吐出安定性を向上でき、カスレや白抜けがなぐ境界滲み や混色ベタ斑を抑制することができる。
以下の表 4に、上述した化 1一化 5の炭化水素基 (R)の数を変化させた多価アルコ ールにおける無機性値 (IV)、有機性値 (ΙΟ)、 ΙΖΟを示す。なお、ここでの ΙΖΟも上 記表 1及び表 2に基づいて算出したものである。但し、上述したように、 C連鎖の場合 にも表 1及び表 2中の Iso分枝および Tert分枝を適用した。
[表 4]
Figure imgf000020_0001
表 4に示す A AMまでの多価アルコールでは、 I/Oが 1. 18以上、 2. 5以下の範 囲であり、インク 2に含有されることにより、後述するノズル 52aの内周側面やノズルシ ート 52等に対する濡れ性を高め、インク 2中に油滴や微少な泡が発生することを抑制 することから、不吐出や吐出曲がり等といった吐出不良を防止することが可能になる なお、ここでは、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ IZOが 1. 18-2. 5の 範囲にある多価アルコールとして、具体的に化 1一化 5の炭化水素基の数を変化さ せた有機化合物を例として挙げたが、これらの有機化合物に限定されることはなぐ インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせ、 iZ Oが 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、且つ炭素数が 9以下の炭化水素基を有す る多価アルコールであればインク 2に含有させることができ、化 1一化 5の有機化合物 と同様の作用効果が得られる。
インク 2においては、 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲 にすることの他に、さらに静的表面張力を 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲 にすることにより、吐出安定性、高速印刷時の境界滲みや混色ベタ斑をさらに改良す ることができる。すなわち、インク 2においては、 0秒動的表面張力を所定の範囲にさ せる有機化合物や、この有機化合物として上述した多価アルコールを適宜添加する ことにより、静的表面張力をも最適なものにすることも可能であるが、次に説明する界 面活性剤をさらに含有させることで 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる有機化 合物により得られる作用効果をさらに高めることができる。
具体的には、インク 2の静的表面張力を適切な範囲にさせる界面活性剤として例え ば IZOが 1一 1. 33であり、且つ炭素数 9以下の炭化水素基を有する多価アルコー ルのアルキレンオキサイド付加物、又は少なくとも 1種類以上のエチレンオキサイド Ζ プロピレンオキサイド共重合体をインク 2に含有させる。
特に、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を用いる場合には、多価アル コールのエチレンオキサイド付加物をインク 2に含有させることが好ましい。 I/Oが 1 一 1. 33であり、且つ炭素数 9以下の炭化水素基を有する多価アルコールのアルキ レンオキサイド付加物としては、例えば化 6—化 10に示す有機化合物が挙げられ、こ れらを単独或 、は混合して用いる。
[化 6]
Figure imgf000022_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n = 2である。)
[化 7]
Figure imgf000022_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n - 4であ ο )
[化 8]
Figure imgf000022_0003
(但し、式中 ΕΟはエチレンオキサイド基を示し、 m + η = 6である。 )
[化 9]
Figure imgf000023_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し m + n = 2である。)
[化 10]
Figure imgf000023_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n = 3である。) インク 2お!、ては、以上のような多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含 有させ、静的表面張力を適切な範囲、すなわち静的表面張力を 30mNZm以上、 3 5mNZm以下の範囲にすることによって、液中の微小な泡が生じることや、記録紙 P に印刷したときに境界滲みや混色ベタ斑が生じることを抑制できる。
さらに、インク 2においては、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ IZOが 1一 1. 33の範囲にある多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として例えば化 11 一化 18に示す Iso分枝分岐若しくは Tert分枝分岐している炭化水素基を有する多 価アルコールのアルキレンオキサイド付加物が含有されることで、これら多価アルコ ールのアルキレンオキサイド付加物の立体的な化学構造が障害となって微小な泡の 発生をさらに抑制することから、さらに優れた吐出安定性を得ることができる。
[化 11]
Figure imgf000024_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n = 2である。)
[化 12]
Figure imgf000024_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し, m + n - 3である。)
[化 13]
Figure imgf000024_0003
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n = 2である。)
[化 14]
Figure imgf000025_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n = 6である。)
[化 15]
Figure imgf000025_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n = 2である。)
[化 16]
Figure imgf000025_0003
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n - 5である。)
[化 17]
Figure imgf000026_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し
m + n ^ 2である。)
[化 18]
Figure imgf000026_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し、 m + n - 6である。 ) 特に、インク 2においては、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ IZOが 1一 1 . 33の範囲にある多価アルコールのアルキレンオキサイド付カ卩物として化 13—化 18 に示すィ匕合物を含有させることが好ましぐこれらの化合物を単独或いは混合して含 有させることで寄り顕著な作用効果を得ることができる。
インク 2に含有される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物においては、炭 素数が 9を超えるような有機化合物になると、インク 2の粘度が高くさせてしまい、イン ク 2への含有量にもよるが、インク 2の記録紙 Ρに対する浸透性を劣化させる虞がある 。なお、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物において、炭素数は、 I/Oの 値によって自ずと決定される。
この炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ ΙΖΟが 1一 1. 33の範囲にある多 価アルコールのアルキレンオキサイド付カ卩物は、インク 2全重量に対して 0. 1重量一 5重量0 /0の範囲、より好ましくは 0. 5重量0 /0— 3重量0 /0の範囲で含有されることが好 まし 、。インク2に対する多価アルコールのアルキレンオキサイド付カ卩物の含有量が 0 . 1重量0 /0より少なくなると、上述した作用効果を得ることが困難になる。一方、インク 2に対する多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の含有量が 5重量。 /oより多 くなると、インク 2の粘度が高くなつてインク 2の記録紙 Pに対する浸透性を劣化させる 虞がある。
また、インク2に含有される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物において は、 IZOが 1未満である場合、親水性に乏しくなってインク 2中で分離し、油滴となつ てノズル 52aを目詰まりさせる等、吐出安定性を劣化させる虞がある。一方、 I/Oが 1 . 33を超えると疎水性に乏しくなってインク 2中に微小な泡を発生しやすくなり、やは り吐出安定性を劣化させる虞がある。
以下の表 5に、上述した化 6—化 18に示す多価アルコールのアルキレンオキサイド 付加物における無機性値 (IV)、有機性値 (IO)、 I/Oを示す。なお、ここでの I/Oも 上記表 1及び表 2に基づいて算出したものである。但し、上述したように、 C連鎖の場 合にも表 1及び表 2中の Iso分枝および Tert分枝を適用した。
[表 5] 多価アルコールの 無機性値 有機性値
I/O
アルキレンオキサイド付加物 (IV) (10)
化 6 240 240 1
化 7 360 300 1.2
化 8 480 360 1.33
化 9 240 200 1.2
化 10 240 230 1.04
化" 240 200 1.2
化 12 300 230 1.3
化 13 240 240 1
化 14 480 360 1.33
化 15 240 230 1.04
化 16 420 320 1.31
化 17 240 240 1
化 18 480 360 1.33 例えば、上記表 5のうち化 16の具体的な IZOの算出方法を説明する。化 16は、図 5に示すように、無機性基である ΟΗを 2つ有し、 Ο を 2つ有し、有機性兼無機性 基である (― O— CH -CH -) (以下、「ΕΟ」とする)を 3つ有し、有機性基である Cを 1
2 2
2つ有し、 ISO分枝を 1つ有している。表 1及び表 2より、—O—の IVは 20である。これ により、化 16の IV= 100 X 2 (OHの個数) + 20 X 2 (Oの個数) +60 X 3 (EOの個 数) =420となる。化 16の OV= 20 X 12 (Cの個数) + (—10) X 1 (ISO分枝の個数) + 30 X 3 (EOの個数) = 320となる。した力 Sつて、ィ匕 16の 1/0=420/320= 1. 3 1となる。
表 5に示す IZO値から、化 6—化 18に示す多価アルコールのアルキレンオキサイド 付加物においては、 I/Oが 1以上、 1. 33以下の範囲であり、インク 2に含有されるこ とでインク 2中に油滴や微少な泡の発生を抑制することから、不吐出や吐出曲がり等 といった吐出不良を防止することが可能になる。
なお、ここでは、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ ΙΖΟが 1一 1. 33の範 囲にある多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として、具体的には化 6—化 18に示す有機化合物を示したが、これらの有機化合物に限定されることはなぐ静的 表面張力を 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にさせ、 I/Oが 1以上、 1. 33 以下の範囲にあり、且つ炭素数が 9以下の炭化水素基を有する多価アルコールのァ ルキレンオキサイド付加物であればインク 2の界面活性剤として使用可能であり、化 6 一化 18の化合物と同様の作用効果が得られる。
また、インク 2において、静的表面張力の調整は、基本的に、炭素数が 9以下の炭 化水素基を有し、且つ IZOが 1一 1. 33の範囲にある多価アルコールのアルキレン オキサイド付カ卩物の種類や、この多価アルコールのアルキレンオキサイド付カ卩物をィ ンク 2に含有させる量を調節することによって適切に行うことができる。しかしながら、 満足な静的表面張力の調整が困難な場合、上述した炭素数が 9以下の炭化水素基 を有し、且つ I/Oが 1一 1. 33の範囲にある多価アルコールのアルキレンオキサイド 付加物による作用効果を阻害しない範囲で、従来公知の界面活性剤を添加すること ができる。
具体的に、従来公知の界面活性剤としては、例えば多環フエノールエトキシレート 等の特殊フエノール型非イオン界面活性剤や、グリセライトのエチレンオキサイド付加 物、ポリエチレングリコールォレート、ポリオキシアルキレンタロエート、ソルビタンラウ リルエステル、ソルビタンォレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンォレイルェ ステル等のエステル型非イオン界面活性剤や、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド、 ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアマイド等のアマイド型非イオン界面 活性剤や、アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付カ卩物や、アルコール サルフェートナトリウム塩、高級アルコールサルフェートナトリウム塩、ポリオキシェチ レンアルキルフエ-ルエーテル硫酸エステルアンモ-ゥム塩、アルキルベンゼンスル フォン酸ナトリウム塩等の陰イオン界面活性剤や、モノ長鎖アルキルカチオン、ジ長 鎖アルキルカチオン、アルキルアミンオキサイド等の陽イオン界面活性剤や、ラウリル アミドプロピル酢酸べタイン、ラウリルアミノ酢酸べタイン等の両性界面活性剤等を挙 げることができ、これら従来
公知の界面活性剤を単独或!、は混合して用いることができる。
上述した従来公知の界面活性剤は、インク 2中に含有された炭素数が 9以下の炭 化水素基を有し、且つ IZOが 1一 1. 33の範囲にある多価アルコールのアルキレン オキサイド付加物全体に対して 30重量%以下、より好ましくは 20重量%以下で添カロ させる。従来公知の界面活性剤が、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ ΙΖΟ が 1一 1. 33の範囲にある多価アルコールのアルキレンオキサイド付カ卩物に対して 30 重量%を超えて添加されると、光学濃度が低下し、境界滲みや混色ベタ斑が生じる 虞がある。
また、インク 2には、 ΙΖΟが 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、且つ炭素数が 9以 下の炭素水素基を有する多価アルコールの他に、界面活性剤としてアルキレンォキ サイド付加物に代わって、下記に示すィ匕 19のエチレンオキサイド Ζプロピレンォキサ イド共重合体(以下、「ΕΟΡΟΕΟ」とする)を含有させる。この ΕΟΡΟΕΟは、インク 2 中の微小な泡の発生を抑制したり、インク 2の濡れ性を良好にすることができる。
[化 19] HO(CH2CH20)x(CHCH20)y(CH2CH20)2H
CH3
(但し、 x、 yおよび zは、整数であり、 3≤x+Z≤12、 8≤y≤21であり、
かつ、エチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が
20重量 ¾~40重量 %である。)
EOPOEOは、エチレンオキサイド(以下、「EO」とする)の合計ユニット数 (x + z)は 3以上、 12以下の範囲であり、より好ましくは 3以上、 10以下の範囲であり、 EOPOE Oの分子中の EOの合計ユニットの含有量が 20重量%以上、 40重量%以下の範囲 である。また、 EOPOEOは、プロピレンオキサイド(以下、「PO」とする)のユニット数( y)が 8以上、 21以下の範囲であり、より好ましくは 8以上、 16以下の範囲である。
EOの合計ユニット数 (x+z)が 3より小さい場合や EOの合計ユニットの含有量が 20 重量%よりも少ない場合には、 EOPOEOの水に対する溶解性が劣り、暖機状態に お 、てインク 2が白濁してしま!/、、インク 2の物性が損なわれてしまう。
一方、 EOの合計ユニット数 (x+z)が 12より大きい場合や EOの合計ユニットの含 有量力 0重量%よりも多い場合には、 EOPOEOの親水性が高くなり過ぎるため、界 面活性剤の機能が低下してインク 2中に微小な泡が発生することを抑制することが困 難となる。
また、 EOPOEOにおいて、 POのユニット数 (y)が 8より小さい場合には、 EOPOE Oの親水性が高くなり、水に溶解しやすくなるが、界面活性能が低下し、微小な泡の 発生を抑制することができなくなる。
一方、 POのユニット数 (y)が 21より大きい場合には、 EOPOEOが疎水性となり、常 温でも溶けにくくなり、暖機状態においてインク 2が白濁し、インク 2の物性が低下して しまう。
EOPOEO中における EOの合計ユニット(x + z)と、 POのユニット(y)との比は、(x + z) /yとして、具体的に 3— 6/7, 3—7/8, 3— 7/9, 4— 8/10, 4— 9/11, 4—10/12, 5—11/13, 5—12/14, 5—12/15, 6—12/16, 6—12/17, 6—12/18, 7—12/19, 7—12/20, 7— 12,21などである。これら各種 EOP OEOは、概ね分子量 1700以下であり、より好ましくは 1300以下である。分子量が 1 700を超えるような高分子量であるとインク 2の粘度が増加するため好ましくない。 以上のような EOPOEOでは、 EOの合計ユニット数 (x+z)は 3以上、 12以下の範 囲であり、 EOPOEOの分子中の EOの合計ユニットの含有量が 20重量%以上、 40 重量%以下の範囲とし、 POのユニット数 (y)が 8以上、 21以下の範囲とすることによ つて、インク 2の物性を損なうことなくインク 2中に微小な泡の発生を抑えることができ る。これにより、インク 2では、微小な泡によるノズル 52aの目詰まりが防止され、吐出 安定性が向上する。また、インク 2では、 EOPOEOが含有されていることによって、ィ ンク 2の濡れ性を向上し、記録紙 Pに印刷すると、光学濃度が高ぐ境界滲みや混色 ベタ斑が防止された画像を形成することができる。
EOPOEOは、インク 2全重量に対して各々 0. 05重量%— 5重量%の範囲であり、 より好ましくは 0. 1重量%— 2重量%の範囲である。 EOPOEOの含有量が 0. 05重 量%よりも小さい場合には、微小な泡の発生を抑えたり、上述した効果が得られなく なってしまう。一方、 EOPOEOの含有量が 5重量%よりも大きい場合には、インク 2が 増粘し、吐出安定性が低下し、記録紙 Pへの浸透が遅くなつてしまう。
インク 2中に多価アルコールと EOPOEOを含有させた場合には、インク 2の発熱箇 所が多ぐインク 2が加熱された際や複雑な構造の流路内で微小な泡が発生すること をより抑制することができる。また、このようなインク 2では、吐出周期が極めて短い場 合でも記録紙 Pに対する浸透性が高 、ため、記録紙 Pに普通紙を用いた場合でも高 品位な画像を形成することができる。
多価アルコールの含有量は、インク 2全重量に対して 0. 1重量%—10重量%であ り、より好ましくは 0. 5重量%— 7重量%である。インク 2に対する多価アルコールの 含有量が 0. 1重量%より少なくなると、上述した作用効果を得ることが困難になる。一 方、インク 2に対する多価アルコールの含有量が 5重量%より多くなると、インク 2の粘 度が高くなつたり、インク 2に一部しか溶解できず、間欠吐出性等が低下してしまう。 上述したインク 2に含有される色材としては、従来公知の染料、顔料、着色ポリマー 微粒子などを単独で、あるいは混合して用いることができるが、特に水溶性染料を用 いることが好ましい。ここで水溶性染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、 反応性染料、食用染料のいずれでも良いが、水への溶解度、発色性や堅牢性など の観点力も適宜選択することが好まし 、。
具体的に、イェロー系の水溶性染料としては、例えば C. I.アシッドイェロー 17、同 23、同 42、同 44、同 79、同 142、 C. I.フードイェロー 3、同 4、 C. I.ダイレクトイエ ロー 1、同 12、同 24、同 26、同 33、同 44、同 50、同 86、同 120、同 132、同 142、 同 144、 C. I.ダイレクトオレンジ 26、同 29、同 62、同 102、 C. I.ベーシックイェロー
1、同 2、同 11、同 13、同 14、同 15、同 19、同 21、同 23、同 24、同 25、同 28、同 29 、同 32、同 36、同 40、同 41、同 45、同 49、同 51、同 53、同 63、同 64、同 65、同 67 、同 70、同 73、同 77、同 87、同 91、 C. I.リアクティブイェロー 1、同 5、同 11、同 13 、同 14、同 20、同 21、同 22、同 25、同 40、同 47、同 51、同 55、同 65、同 67等を挙 げることがでさる。
マゼンダ系の水溶性染料としては、例えば C. I.アシッドレッド 1、同 8、同 13、同 14 、同 18、同 26、同 27、同 35、同 37、同 42、同 52、同 82、同 87、同 89、同 92、同 97 、同 106、同 111、同 114、同 115、同 134、同 186、同 249、同 254、同 289、 C. I. フードレッド 7、同 9、同 14、 C. I.ダイレクトレッド 1、同 4、同 9、同 13、同 17、同 20、 同 28、同 31、同 39、同 80、同 81、同 83、同 89、同 225、同 227、 C. I.ベーシック レッド 2、同 12、同 13、同 14、同 15、同 18、同 22、同 23、同 24、同 27、同 29、同 35 、同 36、同 38、同 39、同 46、同 49、同 51、同 52、同 54、同 59、同 68、同 69、同 70 、同 73、同 78、同 82、同 102、同 104、同 109、同 112、 C. I.リアクティブレッド 1、 同 14、同 17、同 25、同 26、同 32、同 37、同 44、同 46、同 55、同 60、同 66、同 74、 同 79、同 96、同 97等を挙げることができる。
シアン系の水溶性染料としては、例えば C. I.アシッドブルー 9、同 29、同 45、同 9
2、同 249、 C. I.ダイレクトブルー 1、同 2、同 6、同 15、同 22、同 25、同 71、同 76、 同 79、同 86、同 87、同 90、同 98、同 163、同 165、同 199、同 202、 C. I.ベーシッ クブルー 1、同 3、同 5、同 7、同 9、同 21、同 22、同 26、同 35、同 41、同 45、同 47、 同 54、同 62、同 65、同 66、同 67、同 69、同 75、同 77、同 78、同 89、同 92、同 93、 同 105、同 117、同 120、同 122、同 124、同 129、同 137、同 141、同 147、同 155 、 C. I.リアクティブブルー 1、同 2、同 7、同 14、同 15、同 23、同 32、同 35、同 38、 同 41、同 63、同 80、同 95等を挙げること力 Sできる。
ブラック系の水溶性染料としては、例えば C. I.アシッドブラック 1、同 2、同 7、同 24 、同 26、同 94、 C. I.フードブラック 1、同 2、 C. I.ダイレクトブラック 19、同 22、同 32 、同 38、同 51、同 56、同 71、同 74、同 75、同 77、同 154、同 168、同 171、 C. I. ベーシックブラック 2、同 8、 C. I.リアクティブブラック 3、同 4、同 7、同 11、同 12、同 1 7等を挙げることがでさる。
インク 2に対する上述した色材の含有量は、例えばインク 2全重量に対して 1重量% 一 10重量%の範囲、より好ましくは 3重量%— 5重量%の範囲であり、インク 2の粘度 、乾燥性、吐出安定性、発色性や印画物の保存安定性などを考慮して決定される。 インク 2は水を溶媒として使用するものである力 インク 2に所望の物性を与え、色材 の水への溶解性や分散性を改良し、且つインク 2の乾燥を防止する等の目的で、上 述した 0秒動的表面張力を所定の範隨こさせる有機化合物と共に従来公知の有機 溶媒を併用することができる。
具体的に、溶媒として使用可能な有機溶剤としては、例えばエチレングリコール、ジ エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコ 一ル類ゃ N—メチルー 2—ピロリドン、 N—ヒドロキシェチルーピ口リドン、 1, 3—ジメチルイ ミダゾイリジノン、 ε -力プロラタタム、 γ -プチ口ラタトン等の含窒素複素環化合物や、 ホルムアミド、 Ν—メチルホルムアミド、 Ν, Ν—ジメチルホルムアミド等のアミド類や、モ ノエタノールアミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、モノェチルァミン、ジェ チルァミン、トリェチルァミン等のアミン類や、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の 含硫黄ィ匕合物類等を挙げることができる。
インク 2における上述した有機溶剤の含有量は、インク 2全重量に対して 5重量一 5 0重量%の範囲、より好ましくは 10重量%— 35重量%の範囲であり、色材の場合と 同様にインク 2の粘度、乾燥性や吐出安定性などを考慮して決定される。
なお、インク 2には、上述した 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる有機化合物 、静的表面張力を所定の範囲にさせる多価アルコールのアルキレンオキサイド付カロ 物、あるいは EOPOEO、色材、溶媒、従来公知の界面活性剤等の他に、例えば pH 調整剤、キレート試薬、防腐防剤、防鲭剤等を添加させることも可能である。
具体的に、 pH調整剤等としては、例えばジエタノールァミン、トリエタノールアミン等 のァミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム等のアルカリ金属元素の 水酸化物、水酸ィ匕アンモ-ゥム、第 4級アンモ-ゥム水酸ィ匕物、第 4級ホスホ-ゥム水 酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が 挙げられ、これらを単独或いは混合して用いることができる。キレート試薬としては、 例えばエチレンジァミン四酢酸ナトリウム、二トリ口三酢酸ナトリウム、ヒドロキシェチル エチレンジァミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ゥラミル二 酢酸ナトリウム等が挙げられ、これらを単独或いは混合して用いることができる。防腐 剤としては、例えはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、 2—ピリジンチオール —1-オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフエノールナトリウム等が 挙げられ、これらを単独或いは混合して用いることができる。防鲭剤としては、例えば 酸性亜硫酸塩、チォ硫酸ナトリウム、チォジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルァ ンモ-ゥム-トライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロへキシルアンモ-ゥム-ト ライト等が挙げられ、これらを単独或いは混合して用いることができる。その他にも、ィ ンク 2には、例えば特開平 9— 227811号公報で提案されているような紫外線吸収剤 等を適宜添加することもできる。
以上のような構成のインク 2を調製する際は、上述した 0秒動的表面張力を所定の 範囲にさせる有機化合物、静的表面張力を所定の範囲にさせる多価アルコールのァ ルキレンオキサイド付加物又は EOPOEO、色材、溶媒、従来公知の界面活性剤等 を所定の配合比で混合し、常温或 、は 40°C— 80°C程度に加熱ながらスクリュー等 で攪拌、分散させることで調製できる。
そして、以上で説明したインク 2は、図 2及び図 3に示すように、イェローを呈するも のがインクタンク 5yに収容され、マゼンタを呈するものがインクタンク 5mに収容され、 シアンを呈するものがインクタンク 5cに収容され、ブラックを呈するものがインクタンク 5kに収容される。
次に、上述したプリンタ装置 1を構成するプリンタ本体 2に対して着脱可能なヘッド カートリッジ 3と、このヘッドカートリッジ 3に着脱可能にされたインクタンク 5y, 5m, 5c , 5kとについて図面を参照して説明する。
記録紙 Pに印刷を行うヘッドカートリッジ 3は、図 1に示すように、プリンタ本体 4の上 面側から、すなわち図 1中矢印 A方向から装着され、給排紙機構 64により走行する 記録紙 Pに対してインク 2を吐出して印刷を行う。
ヘッドカートリッジ 3は、上述したインク 2を、例えば電気熱変換式又は電気機械変 換式等を用いた圧力発生手段が発生した圧力により微細に粒子化して吐出し、記録 紙 P等といった対象物の主面に液滴状態にしたインク 2を吹き付ける。具体的に、へ ッドカートリッジ 3は、図 2及び図 3に示すように、カートリッジ本体 21を有し、このカー トリッジ本体 21にインク 2が充填された容器であるインクタンク 5y, 5m, 5c, 5kが装 着される。なお、以下では、インクタンク 5y, 5m, 5c, 5kを単にインクタンク 5ともいう ヘッドカートリッジ 3に着脱可能なインクタンク 5は、強度ゃ耐インク性を有するポリプ ロピレン等の榭脂材料等を射出成形することにより成形されるタンク容器 11を有して いる。このタンク容器 11は、長手方向を使用する記録紙 Pの幅方向の寸法と略同じ 寸法となす略矩形状に形成され、内部に貯留するインク容量を最大限に増やす構成 となっている。
具体的に、インクタンク 5を構成するタンク容器 11には、インク 2を収容するインク収 容部 12と、インク収容部 12からヘッドカートリッジ 3のカートリッジ本体 21にインク 2を 供給するインク供給部 13と、外部よりインク収容部 12内に空気を取り込む外部連通 孔 14と、外部連通孔 14より取り込まれた空気をインク収容部 12内に導入する空気導 入路 15と、外部連通孔 14と空気導入路 15との間でインク 2を一時的に貯留する貯 留部 16と、インクタンク 5をカートリッジ本体 21に係止するための係止突部 17及び係 合段部 18とが設けられている。
インク収容部 12は、気密性の高い材料によりインク 2を収容するための空間を形成 している。インク収容部 12は、略矩形に形成され、長手方向の寸法が使用する記録 紙 Pの幅方向、すなわち図 3中矢印 W方向で略同じ寸法となるように形成されている インク供給部 13は、インク収容部 12の下側略中央部に設けられている。このインク 供給部 13は、インク収容部 12と連通した略突形状のノズルであり、このノズルの先端 が後述するヘッドカートリッジ 3の接続部 26に嵌合されることにより、インクタンク 2のタ ンク容器 11とヘッドカートリッジ 3のカートリッジ本体 21を接続する。
インク供給部 13は、図 6 (A)及び図 6 (B)に示すように、インクタンク 5の底面 13aに インク 2を供給する供給口 13bが設けられ、この底面 13aに、供給口 13bを開閉する 弁 13cと、弁 13cを供給口 13bの閉塞する方向に付勢するコイルパネ 13dと、弁 13c を開閉する開閉ピン 13eとを備えている。ヘッドカートリッジ 3の接続部 26に接続され るインク 2を供給する供給口 13bは、図 6 (A)に示すように、インクタンク 5がヘッドカー トリッジ 3のカートリッジ本体 21に装着される前の段階において、付勢部材であるコィ ルバネ 13dの付勢力により弁 13cが供給口 13bを閉じる方向に付勢され閉塞されて いる。そして、インクタンク 5がカートリッジ本体 21に装着されると、図 6 (B)に示すよう に、開閉ピン 13eがヘッドカートリッジ 3を構成するカートリッジ本体 21の接続部 26の 上部によりコイルパネ 13dの付勢方向とは反対の方向に押し上げられる。これにより、 押し上げられた開閉ピン 13eは、コイルパネ 13dの付勢力に抗して弁 13cを押し上げ て供給口 13bを開放する。このようにして、インクタンク 5のインク供給部 13は、ヘッド カートリッジ 3の接続部 26に接続され、インク収容部 12とインク溜め部 31とを連通し、 インク溜め部 31へのインク 2の供給が可能な状態となる。
また、インクタンク 5をヘッドカートリッジ 3側の接続部 26から引き抜くとき、すなわち インクタンク 5をヘッドカートリッジ 3の装着部 22より取り外すときは、弁 13cの開閉ピン 13eによる押し上げ状態が解除され、弁 13cがコイルパネ 13dの付勢方向に移動し て供給口 13bを閉塞する。これにより、インクタンク 5をカートリッジ本体 21に装着する 直前にインク供給部 13の先端部が下方を向いている状態であってもインク収容部 12 内のインク 2が漏れることを防止することができる。また、インクタンク 5をカートリッジ本 体 21から引き抜いたときには、直ちに弁 13cが供給口 13bを閉塞するので、インク供 給部 13の先端力もインク 2が漏れることを防止できる。
外部連通孔 14は、図 3に示すように、インクタンク 5外部からインク収容部 12に空気 を取り込む通気口であり、ヘッドカートリッジ 3の装着部 22に装着されたときも、外部 に臨み外気を取り込むことができるように、装着部 22への装着時に外部に臨む位置 であるタンク容器 11の上面の所定の位置に、ここでは上面略中央に設けられている 。外部連通孔 14は、インクタンク 5がカートリッジ本体 21に装着されてインク収容部 1 2からカートリッジ本体 21側にインク 2が流下した際に、インク収容部 12内のインク 2 が減少した分に相当する分の空気を外部よりインクタンク 5内に取り込む。
空気導入路 15は、インク収容部 12と外部連通孔 14とを連通し、外部連通孔 14より 取り込まれた空気をインク収容部 12内に導入する。これにより、このインクタンク 5が力 ートリッジ本体 21に装着された際に、ヘッドカートリッジ 3のカートリッジ本体 21にイン ク 2が供給されてインク収容部 12内のインク 2が減少し内部が減圧状態となっても、ィ ンク収容部 12には、空気導入路 15によりインク収容部 12に空気が導入されることか ら、内部の圧力が平衡状態に保たれてインク 2をカートリッジ本体 21に適切に供給す ることがでさる。
貯留部 16は、外部連通孔 14と空気導入路 15との間に設けられ、インク収容部 12 に連通する空気導入路 15よりインク 2が漏れ出た際に、いきなり外部に流出すること がないようにインク 2を一時的に貯留する。この貯留部 16は、長い方の対角線をイン ク収容部 12の長手方向とした略菱形に形成され、インク収容部 12の最も下側に位置 する頂部に、すなわち短 、方の対角線上の下側に空気導入路 15を設けるようにし、 インク収容部 12より進入したインク 2を再度インク収容部 12に戻すことができるように されている。また、貯留部 16は、短い方の対角線上の最も下側の頂部に外部連通孔 14を設けるようにし、インク収容部 12より進入したインク 2が外部連通孔 14より外部に 漏れにくくする。
係止突部 17は、インクタンク 5の短辺の一方の側面に設けられた突部であり、ヘッド カートリッジ 3のカートリッジ本体 21のラッチレバー 24に形成された係合孔 24aと係合 する。この係止突部 17は、上面力インク収容部 12の側面に対して略直交するような 平面で形成されると共に、下面は側面から上面に向かって傾斜するように形成されて いる。
係合段部 18は、インクタンク 5の係止突部 17が設けられた側面の反対側の側面の 上部に設けられている。係合段部 18は、タンク容器 11の上面と一端を接する傾斜面 18aと、この傾斜面 18aの他端と他方の側面と連続し、上面と略平行な平面 18bとか らなる。インクタンク 5は、係合段部 18が設けられていることで、平面 18bが設けられ た側面の高さがタンク容器 11の上面より 1段低くなるように形成され、この段部でカー トリッジ本体 21の係合片 23と係合する。係合段部 18は、ヘッドカートリッジ 3の装着 部 22に挿入されるとき、挿入端側の側面に設けられ、ヘッドカートリッジ 3の装着部 2 2側の係合片 23に係合することで、インクタンク 5を装着部 22に装着する際の回動支 点部となる。
以上のような構成のインクタンク 5は、上述した構成の他に、例えばインク収容部 12 内のインク 2の残量を検出するための残量検出部や、インクタンク 5y, 5m, 5c, 5kを 識別するための識別部等を備えている。
次に、以上のように構成されたイェロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインク 2を収納 したインクタンク 5y, 5m, 5c, 5kが装着されるヘッドカートリッジ 3について説明する ヘッドカートリッジ 3は、図 2及び図 3に示すように、上述したインクタンク 5とカートリツ ジ本体 21とによって構成され、カートリッジ本体 21には、インクタンク 5が装着される 装着部 22y, 22m, 22c, 22k (以下、全体を示すときには単に装着部 22ともいう。 ) と、インクタンク 5を固定する係合片 23及びラッチレバー 24と、インクタンク 5を取り出 し方向に付勢する付勢部材 25と、インク供給部 13と接続されてインク 2が供給される 接続部 26と、インク 2を吐出するインク吐出ヘッド 27と、インク吐出ヘッド 27を保護す るヘッドキャップ 28とを有して!/、る。
インクタンク 5が装着される装着部 22は、インクタンク 5が装着されるように上面をィ ンクタンク 5の揷脱口として略凹形状に形成され、ここでは 4本のインクタンク 5が記録 紙 Pの幅方向と略直交方向、すなわち記録紙 Pの走行方向に並んで収納されている 。装着部 22は、インクタンク 5が収納されることから、インクタンク 5と同様に印刷幅の 方向に長く設けられている。カートリッジ本体 21には、インクタンク 5が収納装着され る。
装着部 22は、図 2に示すように、インクタンク 5が装着される部分であり、イェロー用 のインクタンク 5yが装着される部分を装着部 22yとし、マゼンタ用のインクタンク 5mが 装着される部分を装着部 22mとし、シアン用のインクタンク 5cが装着される部分を装 着部 22cとし、ブラック用のインクタンク 5kが装着される部分を装着部 22kとし、各装 着部 22y, 22m, 22c, 22kは、隔壁 22aによりそれぞれ区画されている。なお、上述 したようにブラックのインクタンク 5kは、一般的に使用量が多いことから、インク 2の内 容量が大きくなるように厚く形成されているため、幅が他のインクタンク 5y, 5m, 5cよ りも大きくなつている。このため、装着部 22kは、インクタンク 5kの厚みに合わせて他 の装着部 22y, 22m, 22cよりも広くなつている。
また、インクタンク 5が装着される装着部 22の開口端には、図 3に示すように、係合 片 23が設けられている。この係合片 23は、装着部 22の長手方向の一端縁に設けら れており、インクタンク 5の係合段部 18と係合する。インクタンク 5は、インクタンク 5の 係合段部 18側を挿入端として斜めに装着部 22内に挿入し、係合段部 18と係合片 2 3との係合位置を回動支点として、インクタンク 5の係合段部 18が設けられていない 側を装着部 22側に回動させるようにして装着部 22に装着することができる。これによ つて、インクタンク 5は、装着部 22に容易に装着することができる。
ラッチレバー 24は、板パネを折曲して形成されるものであり、装着部 22の係合片 2 3に対して反対側の側面、すなわち長手方向の他端の側面に設けられている。ラッチ レバー 24は、基端部が装着部 22を構成する長手方向の他端の側面の底面側に一 体的に設けられ、先端側がこの側面に対して近接離間する方向に弾性変位するよう に形成され、先端側に係合孔 24aが形成されている。ラッチレバー 24は、インクタン ク 5が装着部 22に装着されると同時に、弾性変位し、係合孔 24aがインクタンク 5の係 止突部 17と係合し、装着部 22に装着されたインクタンク 5が装着部 22より脱落しない ようにする。
付勢部材 25は、インクタンク 5の係合段部 18に対応する側面側の底面上にインクタ ンク 5を取り外す方向に付勢する板パネを折曲して設けられる。付勢部材 25は、折曲 することにより形成された頂部を有し、底面に対して近接離間する方向に弾性変位し 、頂部でインクタンク 5の底面を押圧し、装着部 22に装着されているインクタンク 5を 装着部 22より取り外す方向に付勢するイジ タト部材である。付勢部材 25は、ラッチ レバー 24の係合孔 24aと係止突部 17との係合状態が解除されたとき、装着部 23より インクタンク 5を排出する。
各装着部 22y, 22m, 22c, 22kの長手方向略中央には、インクタンク 5y, 5m, 5c , 5k力装着部 22y, 22m, 22c, 22kに装着されたとき、インクタンク 5y, 5m, 5c, 5k のインク供給部 13が接続される接続部 26が設けられている。この接続部 26は、装着 部 22に装着されたインクタンク 5のインク供給部 13からカートリッジ本体 21の底面に 設けられたインク 2を吐出するインク吐出ヘッド 27にインク 2を供給するインク供給路 となる。
具体的に、接続部 26は、図 7に示すように、インクタンク 5から供給されるインク 2を 溜めるインク溜め部 31と、接続部 26に連結されるインク供給部 13をシールするシー ル部材 32と、インク 2内の不純物を除去するフィルタ 33と、インク吐出ヘッド 27側へ の供給路を開閉する弁機構 34とを有して 、る。
インク溜め部 31は、インク供給部 13と接続されインクタンク 5から供給されるインク 2 を溜める空間部である。シール部材 32は、インク溜め部 31の上端に設けられた部材 であり、インクタンク 5のインク供給部 13が接続部 26のインク溜め部 31に接続される とき、インク 2が外部に漏れないようインク溜め部 31とインク供給部 13との間を密閉す る。フィルタ 33は、インクタンク 5の着脱時等にインク 2に混入してしまった塵や埃等の ごみを取り除くものであり、インク溜め部 31よりも下流に設けられている。
弁機構 34は、図 8 (A)及び図 8 (B)に示すように、インク溜め部 31からインク 2が供 給されるインク流入路 41と、インク流入路 41からインク 2が流入するインク室 42と、ィ ンク室 42からインク 2を流出するインク流出路 43と、インク室 42をインク流入路 41側 とインク流出路 43側との間に設けられた開口部 44と、開口部 44を開閉する弁 45と、 弁 45を開口部 44の閉塞する方向に付勢する付勢部材 46と、付勢部材 46の強さを 調節する負圧調整ネジ 47と、弁 45と接続される弁シャフト 48と、弁シャフト 48と接続 されるダイァフラム 49とを有する。
インク流入路 41は、インク溜め部 31を介してインクタンク 5のインク収容部 12内のィ ンク 2をインク吐出ヘッド 27に供給可能にインク収容部 12と連結する供給路である。 インク流入路 41は、インク溜め部 31の底面側力もインク室 42まで設けられている。ィ ンク室 42は、インク流入路 41、インク流出路 43及び開口部 44と一体となって形成さ れた略直方体をなす空間部であり、インク流入路 41からインク 2が流入し、開口部 44 を介してインク流出路 43からインク 2を流出する。インク流出路 43は、インク室 42から 開口部 44を介してインク 2が供給されて、更にインク吐出ヘッド 27と連結された供給 路である。インク流出路 43は、インク室 42の底面側からインク吐出ヘッド 27まで延在 されている。
弁 45は、開口部 44を閉塞してインク流入路 41側とインク流出路 43側とを分割する 弁であり、インク室 42内に配設される。弁 45は、付勢部材 46の付勢力と、弁シャフト 48を介して接続されたダイアフラム 49の復元力と、インク流出路 43側のインク 2の負 圧によって上下に移動する。弁 45は、下端に位置するとき、インク室 42をインク流入 路 41側とインク流出路 43側とを分離するように開口部 44を閉塞し、インク流出路 43 に対するインク 2の供給を遮断する。弁 45は、付勢部材 46の付勢力に抗して上端に 位置するとき、インク室 42をインク流入路 41側とインク流出路 43側とを遮断せずに、 インク吐出ヘッド 27へインク 2の供給を可能とする。なお、弁 45を構成する材質は、 その種類を問わないが、高い閉塞性を確保するため例えばゴム弾性体、いわゆるェ ラストマー等により形成される。
付勢部材 46は、例えば圧縮コイルパネ等であり、弁 45の上面とインク室 42の上面 との間で負圧調整ネジ 47と弁 45とを接続し、付勢力により弁 45を開口部 44の閉塞 する方向に付勢する。負圧調整ネジ 47は、付勢部材 46の付勢力を調整するネジで あり、負圧調整ネジ 47を調整することで付勢部材 46の付勢力を調整することができ るようにしている。これにより、負圧調整ネジ 47は、詳細は後述するが開口部 44を開 閉する弁 45を動作させるインク 2の負圧を調整することができる。
弁シャフト 48は、一端に接続された弁 45と、他端に接続されたダイアフラム 49とを 連結して運動するように設けられたシャフトである。ダイアフラム 49は、弁シャフト 48 の他端に接続された薄い弾性板である。このダイアフラム 49は、インク室 42のインク 流出路 43側の一主面と、外気と接する他主面とからなり、大気圧とインク 2の負圧に より外気側とインク流出路 43側とに弾性変位する。
以上のような弁機構 34では、図 8 (A)に示すように、弁 45が付勢部材 46の付勢力 とダイアフラム 49の付勢力とによってインク室 42の開口部 44を閉塞するように押圧さ れている。そして、インク吐出ヘッド 27からインク 2が吐出された際には、開口部 44で 分割されたインク流出路 43側のインク室 42のインク 2の負圧が高まると、図 8 (B)に 示すように、インク 2の負圧によりダイアフラム 49が大気圧により押し上げられて、弁シ ャフト 48と共に弁 45を付勢部材 46の付勢力に抗して押し上げる。このとき、インク室 42のインク流入路 41側とインク流出路 43側と間の開口部 44が開放され、インク 2が インク流入路 41側からインク流出路 43側に供給される。そして、インク 2の負圧が低 下してダイアフラム 49が復元力により元の形状に戻り、付勢部材 46の付勢力により 弁シャフト 48と共に弁 45をインク室 42が閉塞するように引き下げる。以上のようにし て弁機構 34では、インク 2を吐出する度にインク 2の負圧が高まると、上述の動作を 繰り返す。
また、この接続部 26では、インク収容部 12内のインク 2がインク室 42に供給されると 、インク収容部 12内のインク 2が減少する力 このとき、空気導入路 15から外気がィ ンクタンク 5内に入り込む。インクタンク 5内に入り込んだ空気は、インクタンク 5の上方 に送られる。これにより、インク液滴 iが後述するノズル 52aから吐出される前の状態に 戻り、平衡状態となる。このとき、空気導入路 15内にインク 2がほとんどない状態で平 衡状態となる。
この接続部 26では、上述したように複雑な構造になっており、この複雑な流路内を インク 2が移動する力 インク 2には上述した 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 4 OmNZm以下の範囲にさせる有機化合物が少なくとも含有されており、流路内壁に 対するインク 2の濡れ性が高められ、且つ弁の 34eの開閉動作やインク 2の流路移動 等でインク 2中に微少な泡が生じることが抑制されて 、ることから、微少な泡の混入の ないインク 2がインク吐出ヘッド 27に供給される。
また、インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさ せる有機化合物と共に、静的表面張力を 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲 にさせる多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物がインク 2に含有されているこ とにより、 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる有機化合物だけ力 Sインク 2に含有 されているときょりインク 2中に微少な泡が発生することをさらに抑えることができる。 また、インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさ せる有機化合物と共に、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物に代わって E OPOEOを含有させたインク 2を用いた場合でも、 0秒動的表面張力を所定の範囲に させる有機化合物だけ力 Sインク 2に含有されているときよりインク 2中に微少な泡が発 生することをさらに抑えることができる。
インク吐出ヘッド 27は、図 7に示すように、カートリッジ本体 21の底面に沿って配設 されており、接続部 26から供給されるインク液滴 iを吐出するインク吐出口である後述 するノズル 52aが各色毎、記録紙 Pの幅方向、すなわち図 7中矢印 W方向に略ライン 状をなすようにされている。
ヘッドキャップ 28は、図 2に示すように、インク吐出ヘッド 27を保護するために設け られたカバーであり、印刷動作するときにはインク吐出ヘッド 27より退避する。ヘッド キャップ 28は、図 2中矢印 W方向の両端に開閉方向に設けられた一対の係合突部 2 8aと、長手方向に設けられインク吐出ヘッド 27の吐出面 27aに付着した余分なインク 2を吸い取るクリーニングローラ 28bとを有している。ヘッドキャップ 28は、係合突部 2 8aが吐出ヘッド 27の吐出面 27aに図 2中矢印 W方向とは略直交方向に亘つて設け られたに一対の係合溝 27bに係合され、この一対の係合溝 27bに沿ってインクタンク 5の短手方向、すなわち図 2中矢印 W方向とは略直交方向に開閉するようにされてい る。そして、ヘッドキャップ 28においては、開閉動作時に、クリーニングローラ 28bがィ ンク吐出ヘッド 27の吐出面 27aに当接しながら回転することで、余分なインク 2を吸い 取り、インク吐出ヘッド 27の吐出面 27aをクリーニングする。このクリーニングローラ 28 bには、例えば吸湿性の高い部材、具体的にはスポンジ、不織布、織布等が用いら れる。また、ヘッドキャップ 28は、印刷動作しないときにはインク吐出ヘッド 27内のィ ンク 2が乾燥しな 、ように吐出面 27aを閉塞する。
以上のような構成のヘッドカートリッジ 3は、上述した構成の他に、例えばインクタン ク 5内におけるインク残量を検出する残量検出部や、接続部 26にインク供給部 13が 接続されたときにインク 2の有無を検出するインク有無検出部等を備えている。 インク吐出ヘッド 27は、図 9に示すように、ベースとなる回路基板 51と、複数のノズ ル 52aが形成されたノズルシート 52と、回路基板 51とノズルシート 52との間をノズル 52a毎に区画するフィルム 53と、インク流路 43を通して供給されたインク 2を加圧する インク液室 54と、インク液室 54に供給されたインク 2を加熱する発熱抵抗体 55と、ィ ンク液室 54にインク 2を供給するインク流路 56とを有している。
回路基板 51は、シリコン等力もなる半導体ウェハ上に、ロジック IC (Integrated Circuit)やドライバートランジスタ等カゝらなる制御回路を構成すると共に、インク液室 5 4の上面部を形成している。
ノズルシート 52は、厚みが 10 μ ι—15 μ m程度のシート状部材であり、吐出面 27 aに向かって縮径され、且つ吐出面 27a側の口径が 20 μ m程度のノズル 52aが穿設 されると共〖こ、回路基板 51とフィルム 53を挟んで対向配置されることで、インク液室 5 4の下面部を形成している。
フィルム 53は、例えば露光硬化型のドライフィルムレジストからなり、上述したインク 流路 43と連通される部分を除 、て各ノズル 52aの周囲を囲むように形成されて!、る。 また、このフィルム 53は、回路基板 51とノズルシート 52との間に介在されることによつ て、インク液室 54の側面部を形成している。
インク液室 54は、上述した回路基板 51、ノズルシート 52及びフィルム 53により囲ま れることで、ノズル 52a毎にインク流路 43から供給されたインク 2を加圧する加圧空間 を形成している。
発熱抵抗体 55は、インク液室 54に臨む回路基板 51に配置されると共に、この回路 基板 51に設けられた制御回路等と電気的に接続されている。そして、この発熱抵抗 体 55は、制御回路等により制御されることで発熱し、インク液室 54内のインク 2をカロ 熱する。
インク流路 56は、接続部 26のインク流出路 43と接続されており、接続部 26に接続 されたインクタンク 5からインク 2が供給され、このインク流路 56に連通する各インク液 室 54にインク 2を送り込む流路である。すなわち、インク流路 56と接続部 26とが連通 されている。これにより、インクタンク 5から供給されるインク 2がインク流路 56に流れ 込み、インク液室 54内に充填される。 上述した 1個のインク吐出ヘッド 27には、インク液室 54毎に発熱抵抗体 55が設け られ、発熱抵抗体 55が設けられたインク液室 54を各色インクタンク 5毎に 100個一 5 000個程度備えている。そして、インク吐出ヘッド 27においては、プリンタ装置 1の後 述する制御部 78からの命令によって各インク液室 54の発熱抵抗体 55それぞれを適 宜選択して発熱させ、発熱した発熱抵抗体 55に対応するインク液室 54内のインク 2 を、インク液室 54に対応するノズル 52aからインク液滴 iにして吐出させる。
具体的に、このインク吐出ヘッド 27では、回路基板 51の制御回路が発熱抵抗体 5 5を駆動制御し、選択された発熱抵抗体 55に対して、例えば 1一 3マイクロ秒程度の 間パルス電流を供給する。これにより、インク吐出ヘッド 27では、発熱抵抗体 55が急 速に加熱される。すると、インク吐出ヘッド 27では、図 10(A)に示すように、発熱抵抗 体 55と接するインク液室 54内のインク 2に気泡 bが発生する。そして、インク吐出へッ ド 27では、図 10(B)に示すように、このインク液室 54内において、気泡 bが膨張しな がらインク 2を加圧し、押し退けられたインク 2がインク液滴 iとなってノズル 52aより吐 出される。また、インク吐出ヘッド 27においては、インク液滴 iが吐出された後は、イン ク流路 43を通してインク 2がインク液室 54に供給されることによって、再び吐出前の 状態へと戻る。
なお、上述したインク吐出ヘッド 27は、回路基板 51の一主面上にフィルム 53を全 面に亘つて形成し、フォトリソグラフィ技術を用いてフィルム 53をインク液室 54に対応 した形状に成形した後に、この上にノズルシート 52を積層することで形成される。 以上のような構成のインク吐出ヘッド 27では、上述したように複数備わる発熱抵抗 体 55の分インク 2の発熱箇所も多くなつて微少な泡が発生し易くなつている力 インク 2に 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合 物が少なくとも含有されており、インク液室 54内壁に対するインク 2の濡れ性が高めら れ、且つインク 2のインク流路移動中に微少な泡が生じることが抑制されることから、 例えばインク液室 54内のインク 2に微少な泡が発生することを抑制でき、インク液滴 i の不吐出や吐出曲がり等と!/、つた吐出不良が抑制される。
また、このインク吐出ヘッド 27では、インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上 、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物と共に、静的表面張力を 30mNZm以 上、 35mN/m以下の範囲にさせる多価アルコールのアルキレンオキサイド付カロ物 が含有されたインク 2をノズル 52aより吐出した場合、 0秒動的表面張力を所定の範 囲にさせる有機化合物だけ力 Sインク 2に含有されているときよりインク 2中に微少な泡 が発生することをさらに抑えることができ、インク液滴 iの吐出不良をさらに抑制できる また、このインク吐出ヘッド 27では、インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上 、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物と共に、多価アルコールのアルキレン オキサイド付加物に代わって、 EOPOEOが含有されたインク 2を用いた場合でも、ィ ンク 2中に微少な泡が発生することをさらに抑えることができ、インク液滴 iの吐出不良 をさらに抑制できる。
次に、以上のように構成されたヘッドカートリッジ 3が装着されるプリンタ装置 1を構 成するプリンタ本体 4について図面を参照して説明する。
プリンタ本体 4は、図 1及び図 11に示すように、ヘッドカートリッジ 3が装着されるへッ ドカートリッジ装着部 61と、ヘッドカートリッジ 3をヘッドカートリッジ装着部 61に保持、 固定するためのヘッドカートリッジ保持機構 62と、ヘッドキャップを開閉するヘッドキヤ ップ開閉機構 63と、記録紙 Pを給排紙する給排紙機構 64と、給排紙機構 64に記録 紙 Pを供給する給紙口 65と、給排紙機構 64から記録紙 Pが出力される排紙口 66とを 有する。
ヘッドカートリッジ装着部 61は、ヘッドカートリッジ 3が装着される凹部であり、走行 する記録紙にデータ通り印刷を行うため、インク吐出ヘッド 27の吐出面 27aと走行す る記録紙 Pの紙面とが互いに略平行となるようにヘッドカートリッジ 3が装着される。そ して、ヘッドカートリッジ 3は、インク吐出ヘッド 27内のインク詰まり等で交換する必要 が生じる場合等があり、インクタンク 5程の頻度はないが消耗品であるため、ヘッド力 ートリッジ装着部 61に対して着脱可能にヘッドカートリッジ保持機構 62によって保持 される。
ヘッドカートリッジ保持機構 62は、ヘッドカートリッジ装着部 61にヘッドカートリッジ 3 を着脱可能に保持するための機構であり、ヘッドカートリッジ 3に設けられたつまみ 62 aをプリンタ本体 4の係止孔 62b内に設けられた図示しないパネ等の付勢部材に係止 することによってプリンタ本体 4に設けられた基準面 4aに圧着するようにしてヘッド力 ートリッジ 3を位置決めして保持、固定できるようにする。
ヘッドキャップ開閉機構 63は、ヘッドカートリッジ 3のヘッドキャップ 28を開閉する駆 動部を有しており、印刷を行うときにヘッドキャップ 28を開放してインク吐出ヘッド 27 が記録紙 Pに対して露出するようにし、印刷が終了したときにヘッドキャップ 28を閉塞 してインク吐出ヘッド 27を保護する。
給排紙機構 64は、記録紙 Pを搬送する駆動部を有しており、給紙口 65から供給さ れる記録紙 Pをヘッドカートリッジ 3のインク吐出ヘッド 27まで搬送し、ノズル 52aより 吐出されたインク液滴 iが着弾し、印刷された記録紙 Pを排紙口 66に搬送して装置外 部へ排出する。給紙口 65は、給排紙機構 64に記録紙 Pを供給する開口部であり、ト レイ 65a等に複数枚の記録紙 Pを積層してストックすることができる。排紙ロ 66は、ィ ンク液滴 iが着弾し、印刷された記録紙 Pを排出する開口部である。
次に、以上のように構成されたプリンタ装置 1による印刷を制御する図 12に示す制 御回路 71について図面を参照して説明する。
制御回路 71は、上述したプリンタ本体 3のヘッドキャップ開閉機構 63、給排紙機構 64の駆動を制御するプリンタ駆動部 72と、各色のインク iに対応するインク吐出ヘッド 27に供給される電流等を制御する吐出制御部 63と、各色のインク iの残量を警告す る警告部 74と、外部装置と信号の入出力を行う入出力端子 75と、制御プログラム等 が記録された ROM (Read Only Memory) 76と、読み出された制御プログラム等を一 且格納し、必要に応じて読み出される RAM (Random Access Memory) 77と、各部の 制御を行う制御部 78とを有して 、る。
プリンタ駆動部 72は、制御部 78からの制御信号に基づき、ヘッドキャップ開閉機構 63を構成する駆動モータを駆動させてヘッドキャップ 28を開閉動作するように、へッ ドキャップ開閉機構を制御する。また、プリンタ駆動部 72は、制御部 78からの制御信 号に基づき、給排紙機構 64を構成する駆動モータを駆動させてプリンタ本体 4の給 紙口 65から記録紙 Pを給紙し、印刷後に排紙口 66から記録紙 Pを排出するように給 排紙機構 64を制御する。
吐出制御部 63は、インク吐出ヘッド 27に備わる発熱抵抗体 55にパルス電流を供 給する外部電源との電気的な接続をオン Zオフするスイッチング素子や、発熱抵抗 体 55に供給されるパルス電流値を調整する抵抗体や、スイッチング素子等のオン Z オフの切り替えを制御する制御回路部等を有する電気回路である。そして、吐出制 御部 63は、制御部 78からの制御信号に基づき、インク吐出ヘッド 27に備わる発熱抵 抗体 55に供給されるノ ルス電流等を調整し、ノズル 52aよりインク iを吐出するインク 吐出ヘッド 27を制御する。
警告部 74は、例えば LCD (Liquid Crystal Display)等の表示手段であり、印刷条件 、印刷状態、インク残量等の情報を表示する。また、警告部 74は、例えばスピーカ等 の音声出力手段であってもよぐこの場合は、印刷条件、印刷状態、インク残量等の 情報を音声で出力する。なお、警告部 74は、表示手段及び音声出力手段をともに有 するように構成してもよい。また、この警告は、情報処理装置 79のモニタやスピーカ 等で行うようにしてもよい。
入出力端子 75は、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報をインタフエ ースを介して外部の情報処理装置 79等に送信する。また、入出力端子 75は、外部 の情報処理装置 79等から、上述した印刷条件、印刷状態、インク残量等の情報を出 力する制御信号や、印刷データ等が入力される。ここで、上述した情報処理装置 79 は、例えば、パーソナルコンピュータや PDA (Personal Digital Assistant)等の電子機 器である。
情報処理装置 79等と接続される入出力端子 75は、インタフェースとして例えばシリ アルインタフェースやパラレルインタフェース等を用いることができる。また、入出力端 子 75は、情報処理装置 79との間で有線通信又は無線通信の何れ形式でデータ通 信を行うようにしてもよい。
入出力端子 75と情報処理装置 79との間には、例えばインターネット等のネットヮー クが介在していてもよぐこの場合、入出力端子 75は、
ROM76は、例えば EP— ROM (Erasable Programmable Read- Only Memory)等の メモリであり、制御部 78が行う各処理のプログラムが格納されている。この格納されて いるプログラムは、制御部 78により RAM77にロードされる。 RAM77は、制御部 78 により ROM76から読み出されたプログラムや、プリンタ装置 1の各種状態を記憶する 制御部 78は、入出力端子 75から入力された印刷データ、ヘッドカートリッジ 3から 入力されがインク 2の残量データ等に基づき、各部を制御する。制御部 78は、入力さ れた制御信号等に基づいて各部を制御する処理プログラムを ROM76から読み出し て RAM77に記憶し、この処理プログラムに基づき各部の制御や処理を行う。
なお、以上のように構成された制御回路 71においては、 ROM76に処理プログラム を格納するようにした力 処理プログラムを格納する媒体としては、 ROM76に限定さ れるものでなぐ例えば処理プログラムが記録された光ディスクや、磁気ディスク、光 磁気ディスク、 ICカード等の各種記録媒体を用いることができる。この場合に制御回 路 71は、各種記録媒体を駆動するドライブと直接又は情報処理装置 79を介して接 続されてこれら記録媒体から処理プログラムを読み出すように構成する。
ここで、以上のように構成されるプリンタ装置 1の印刷動作について図 13に示すフ ローチャートを参照にして説明する。なお、本動作は ROM76等の記憶手段に格納 された処理プログラムに基づ!/、て制御部 78内の図示しな!、CPU (Central
Processing Unit)の演算処理等により実行されるものである。
先ず、ユーザが、印刷動作をプリンタ装置 1が実行するように、プリンタ本体 4に設 けられている操作パネル等を操作して命令する。次に、制御部 78は、ステップ S1に おいて、各装着部 22に所定の色のインクタンク 5が装着されているかどうかを判断す る。そして、制御部 78は、全ての装着部 22に所定の色のインクタンク 5が適切に装着 されているときはステップ S2に進み、装着部 22においてインクタンク 5が適切に装着 されて 、な 、ときはステップ S 7に進み、印刷動作を禁止する。
制御部 78は、ステップ S2において、インクタンク 5内のインク 2が所定量以下、すな わちインク無し状態であるか否かを判断し、インク無し状態であると判断されたときは 、警告部 74でその旨を警告し、ステップ S7において、印刷動作を禁止する。一方、 制御部 78は、インクタンク 5内のインク 2が所定量以上であるとき、すなわちインク 2が 満たされているとき、ステップ S3において、印刷動作を許可する。
印刷動作を行う際は、ステップ S4において、制御部 78がプリンタ駆動部 72によつ て各駆動機構 53, 54を駆動制御して記録紙 Pを印刷可能な位置まで移動させる。 具体的に、制御部 78は、図 14に示すように、ヘッドキャップ開閉機構 63を構成する 駆動モータを駆動させてヘッドキャップ 28をヘッドカートリッジ 3に対してトレイ 65a側 に移動させ、インク吐出ヘッド 27のノズル 52aを露出させる。そして、制御部 78は、給 排紙機構 64を構成する駆動モータを駆動させて記録紙 Pを走行させる。具体的に、 制御部 78は、トレイ 65aから給紙ローラ 81によって記録紙 Pを引き出し、同一方向に 回転する一対の分離ローラ 82a, 82bによって引き出された記録紙 Pの一枚を反転口 ーラ 83に搬送して搬送方向を反転させた後に搬送ベルト 84に記録紙 Pを搬送し、搬 送ベルト 84に搬送された記録紙 Pを押さえ手段 85が所定の位置で保持させることで インク 2が着弾される位置が決定されるように給排紙機構 64を制御する。
次に、制御部 78は、ステップ S5において、吐出制御部 63によってインク吐出ヘッド 27を制御し、この印刷位置に搬送された記録紙 Pに対してノズル 52aよりインク液滴 i を吐出、着弾させてインクドットからなる画像や文字等を記録させる。
このとき、インク吐出ヘッド 27では、インク 2に 0秒動的表面張力を 30mNZm以上 、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物が少なくとも含有されており、インク液 室 54内壁に対するインク 2の濡れ性が高められ、且つインク流路 56を移動するインク 2中に微少な泡が生じることが抑制されていることから、インク液室 54内に充填されて いるインク 2に微少な泡が発生することを抑制でき、インク液滴 iの不吐出や吐出曲が り等といった吐出不良を防止できる。
また、印刷された画像や文字は、着弾したインク液滴 iに 0秒動的表面張力を 30m NZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物が少なくとも含有されてい ることから、光学濃度が高くなり、且つ境界滲みや混色ベタ斑の発生が抑制された高 品位な画質になる。
さらに、このインク吐出ヘッド 27では、インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以 上、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物と共に、静的表面張力を 30mNZm 以上、 35mN/m以下の範囲にさせる多価アルコールのアルキレンオキサイド付カロ 物がインク 2に含有されていることにより、 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる有 機化合物だけ力 Sインク 2に含有されているときよりインク 2中に微少な泡が発生するこ とをさらに抑えることができる。また、このインク吐出ヘッド 27では、インク 2に多価アル コールのアルキレンオキサイド付加物が含有されていることによって、濡れ性がより高 められ、画像や文字も品位を更に向上させることができる。
また、このインク吐出ヘッド 27では、インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上 、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物と共に、多価アルコールのアルキレン オキサイド付加物に代わって EOPOEOが含有されたインク 2を用いた場合でも、イン ク 2の微小な泡の発生を更に抑えることができ、濡れ性もより高めることができ、 0秒動 的表面張力を所定の範隨こさせる有機化合物により得られる作用効果をさらに高め ることがでさる。
そして、インク液滴 iがノズル 52a吐出されると、インク液滴 iを吐出した量と同量のィ ンク 2がインク流路 56から直ちにインク液室 54内に補充され、図 8 (A)に示すように、 元の状態に戻る。インク吐出ヘッド 27からインク液滴 iが吐出されると、付勢部材 46の 付勢力とダイアフラム 49の付勢力とによってインク室 42の開口部 44を閉塞している 弁 45は、図 8 (B)に示すように、インク吐出ヘッド 27からインク液滴 iが吐出された際 に、開口部 44に分割されたインク流出路 43側のインク室 42内のインク 2の負圧が高 まると、インク 2の負圧によりダイアフラム 49が大気圧により押し上げられて、弁シャフ ト 48と共に弁 45を付勢部材 46の付勢力に抗して押し上げる。
このとき、インク室 42のインク流入路 41側とインク流出路 43側との間の開口部 44が 開放され、インク 2がインク流入路 41側からインク流出路 43側に供給され、インク吐 出ヘッド 27のインク流路 56にインク 2が補充される。そして、インク 2の負圧が低下し てダイアフラム 49が復元力により元の形状に戻り、付勢部材 46の付勢力により弁シ ャフト 48と共に弁 45をインク室 42が閉塞するように引き下げる。以上のようにして弁 機構 34では、インク液滴 iを吐出する度にインク 2の負圧が高まると、上述の動作を繰 り返す。
インク吐出ヘッド 27においては、以上のようにしてインク 2の供給が繰り返し行われ るとき、すなわち複雑な構造の流路を通ってインク 2が繰り返し供給されるときでも、ィ ンク 2にインク液滴 iに 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲 にさせる有機化合物が少なくとも含有されていることから、流路内を移動するインク 2 に微少な泡が発生することがなぐ微少な泡が発生していないインク 2がインク吐出へ ッド 27に供給され、不吐出や吐出曲がりといった吐出不良を防止できる。
このようにして、給排紙機構 64によって走行している記録紙 Pには、順に印刷デー タに応じた文字や画像が優れた画質で印刷されることになる。そして、印刷が終了し た記録紙 Pは、ステップ S6において、給排紙機構 64によって排紙ロ 66より排出され る。
以上で説明したプリンタ装置 1では、インクタンク 5内に、インク 2の 0秒動的表面張 力を 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物や、この有機化 合物として上述した化 1一化 5に示す多価アルコールを少なくとも含有するインク 2が 収容され、このインク 2をノズル 52aよりインク液滴 iにして記録紙 Pに吐出しており、ィ ンク 2中に微小な泡が発生することが抑制されて吐出不良を防止できることから、画 像にカスレや白抜けが生じることがなぐ高品位な画質の画像や文字を印刷できる。 また、このプリンタ装置 1では、インク 2の 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40 mN/m以下の範囲にさせる有機化合物を少なくとも含有するインク 2をインク液滴 i にして記録紙 Pに着弾させて印刷を行うことから、記録紙 Pに対するインク液滴 iの濡 れ性が高められて光学濃度が高ぐ境界滲みや混色ベタ斑の発生が抑制された高 品位な画像の印刷を行うことができる。
さらに、このプリンタ装置 1では、インク 2の 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる 有機化合物と共に、インク 2の静的表面張力を 30mNZm以上、 35mNZm以下の 範囲にさせる多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有させたインク 2で 記録紙 Pに印刷することにより、 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる多価アルコ ールによって得られる高品位な画像の印刷よりさらに高められた品位の画像の印刷 を行うことができる。
また、このプリンタ装置 1では、インク 2の 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる 有機化合物と共に、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物に代わって EOP OEOが含有されたインク 2を用いた場合でも 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせ る多価アルコールによって得られる高品位な画像の印刷よりさらに高められた品位の 画像の印刷を行うことができる。
なお、上述したヘッドカートリッジ 2では、カートリッジ本体 12に対してインクタンク 5 が着脱可能となっている力 このような構成に必ずしも限定されるものではない。すな わち、このヘッドカートリッジ 2自体が消耗品として取り扱われており、プリンタ本体 3に 対して着脱可能なことから、このカートリッジ本体 12にインクタンク 5がー体に設けら れた構成とすることも可能である。
以上は、本発明をプリンタ装置に適用した例について説明した力 本発明は、以上 の例に限定されるものではなぐ液体を吐出する他の液体吐出装置に広く適用する ことが可能である。例えばファクシミリやコピー機、液体中の DNAチップ用吐出装置( 特開 2002-253200号公報)、プリンタ配線基板の配線パターンを形成するための 導電性粒子を含む液体を吐出したりする液体吐出装置等にも適用可能である。
以上では、 1つの発熱抵抗体 55がインク 2を加熱して吐出するインク吐出ヘッド 27 を例に挙げて説明したが、このような構造に限定されることはなぐ複数の圧力発生 素子を備え、各圧力発生素子に異なるエネルギー又は異なるタイミングでエネルギ 一を供給することで吐出方向を制御することが可能な吐出手段を備える液体吐出装 置にも適用可能である。
以上では、 1つの発熱抵抗体 55によってインク 2を加熱しながらノズル 52aから吐出 させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えばピエ ゾ素子といった圧電素子等の電気機械変換素子等によってインクを電気機械的にノ ズルより吐出させる電気機械変換方式 (特開昭 55— 65559号公報、特開昭 62— 160 243号公報、特開平 2— 270561号公報)を採用したものであってもよい。
以上では、ライン型のプリンタ装置 1を例に挙げて説明したが、このことに限定され ることはなぐ例えばインクヘッドが記録紙 Pの走行方向と略直交する方向に移動す るシリアル型の液体吐出装置にも適用可能である。
実施例
以下、本発明を適用した記録液としてインクを実際に調製したサンプルについて説 明する。
〈サンプル 1〉
サンプル 1では、先ず、イェロー系のインクを調製した。イェロー系のインクを調製 する際は、色材となるアシッドイェロー 142を 3重量部と、溶媒として水 77重量部と、 その他の溶媒としてグリセリン 10重量部と、ジエチレングリコール 5重量部と、 2—ピロ リドン 3重量部と、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲、具体的にはインクの 0秒 動的表面張力を 30mNZm以上、 40mNZm以下以下の範囲にさせるための有機 溶媒としてトリエチレングリコールモノ n—ブチルエーテル(以下、 TEBEと記す。)を 3 重量部とを混合し、ミリポア社製のポアサイズ 0. 22 /z mのメインブランフィルター(商 品名: Millex— 0. 22)にて濾過し、イェロー系のインクを調製した。
次に、ブラック系のインクを調製した。ブラック系のインクを調製する際は、色材とな るフードブラック 2を 4重量部と、溶媒として水 76重量部と、その他の溶媒としてグリセ リン 10重量部と、ジエチレングリコール 4重量部と、 2—ピロリドン 3重量部と、インクの 0 秒動的表面張力を所定の範囲にさせるための有機溶媒として TEBEを 3重量部とを 混合し、ミリポア社製のポアサイズ 0. 22 μ mのメインブランフィルター(商品名: Mille X— 0. 22)にて濾過し、ブラック系のインクを調製した。
このようにして、サンプル 1では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる ための有機溶媒として TEBEを含有するイェロー系のインクとブラック系のインクとを 調製した。
〈サンプノレ 2〉
サンプル 2では、 TEBEの代わりにインクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせ るための有機化合物として上述した表 4中 Fの多価アルコールを 1重量部加えたこと 以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製し た。
〈サンプノレ 3〉
サンプル 2では、 TEBEの代わりにインクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせ るための有機化合物として上述した表 4中 Gの多価アルコールを 5重量部加えたこと 以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製し た。
〈サンプル 4〉
サンプル 4では、 TEBEの代わりにインクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせ るための有機化合物として上述した表 4中 Lの多価アルコールを 1重量部加えたこと 以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製し た。
〈サンプル 5〉
サンプル 5では、 TEBEの代わりにインクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせ るための有機化合物として上述した表 4中 Oの多価アルコールを 1重量部加えたこと 以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製し た。
〈サンプル 6〉
サンプル 6では、 TEBEの代わりにインクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせ るための有機化合物として上述した表 4中 Tの多価アルコールを 3重量部加えたこと 以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製し た。
〈サンプノレ 7〉
サンプル 7では、 TEBEの代わりにインクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせ るための有機化合物として上述した表 4中 AEの多価アルコールを 1重量部加えたこ と以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製 した。
〈サンプノレ 8〉
サンプル 8では、 TEBEの代わりにインクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせ るための有機化合物として上述した表 4中 AJの多価アルコールを 5重量部加えたこと 以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製し た。
〈サンプノレ 9〉
サンプル 9では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる TEBEの他に、 インクの静的表面張力を所定の範囲、具体的にはインクの静的表面張力を 30mNZ m以上、 35mN/m以下の範囲にさせるための多価アルコールのアルキレンォキサ イド付加物として上述した化 13に示す有機化合物を 0. 5重量部加えたこと以外は、 サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製した。 〈サンプル 10〉
サンプル 10では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせるための TEBE の他に、インクの静的表面張力を所定の範囲にさせるための多価アルコールのアル キレンオキサイド付加物として上述したィ匕 18に示す有機化合物を 0. 7重量部加えた こと以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調 製した。
〈サンプル 11〉
サンプル 11では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせるための上述し た表 4中 Fの多価アルコールの他に、インクの静的表面張力を所定の範囲にさせるた めの多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として上述した化 9に示す有機化 合物を 0. 5重量部加えたこと以外は、サンプル 2と同様にしてイェロー系及びブラッ ク系のインクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 12〉
サンプル 12では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせるための上述し た表 4中 Fの多価アルコールの他に、インクの静的表面張力を所定の範囲にさせるた めの多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として上述した化 17に示す有機 化合物を 0. 5重量部加えたこと以外は、サンプル 2と同様にしてイェロー系及びブラ ック系のインクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 13〉
サンプル 13では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせるための上述し た表 4中 Gの多価アルコールの他に、インクの静的表面張力を所定の範囲にさせる ための多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として上述した化 13に示す有 機化合物を 0. 7重量部加えたこと以外は、サンプル 3と同様にしてイェロー系及びブ ラック系のインクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 14〉
サンプル 14では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせるための上述し た表 4中 Gの多価アルコールの他に、インクの静的表面張力を所定の範囲にさせる ための多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として上述した化 17に示す有 機化合物を 0. 7重量部加えたこと以外は、サンプル 3と同様にしてイェロー系及びブ ラック系のインクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 15〉
サンプル 15では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせるための上述し た表 4中 Fの多価アルコールの他に、エチレンオキサイドユニット数(χ+ζ)が 3であり 、プロピレンオキサイドユニット数 (y)が 8であり、エチレンオキサイド(EO)含有量が 2 2. 1重量0 /0のエチレンオキサイド Zプロピレンオキサイド共重合体(EOPOEO)を 0 . 5重量部加えたこと以外は、サンプル 2と同様にしてイェロー系及びブラック系のィ ンクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 16〉
サンプノレ 16では、エチレンオキサイドユニット数(χ+ζ)が 5であり、プロピレンォキ サイドユニット数 (y)が 8であり、 EOの含有量が 32. 2重量%の EOPOEOを 0. 5重 量部加えたこと以外は、サンプル 15と同様にしてイェロー系及びブラック系のインク をそれぞれ調製した。
〈サンプル 17〉
サンプル 17では、 TEBEの代わりにインクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさ せるための上述した表 4中 Iの多価アルコールを 3重量部と、この多価アルコールの 他に、エチレンオキサイドユニット数 (χ + ζ)力 S4であり、プロピレンオキサイドユニット 数 (y)が 12であり、 EOの含有量が 20. 2重量%のEOPOEOを 0. 5重量部加えたこ と以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製 した。
〈サンプル 18〉
サンプノレ 18では、エチレンオキサイドユニット数 (χ+ζ)が 7であり、プロピレンォキ サイドユニット数 (y)が 12であり、 EOの含有量が 30. 7重量%のEOPOEOを 0. 5重 量部加えたこと以外は、サンプル 17と同様にしてイェロー系及びブラック系のインク をそれぞれ調製した。
〈サンプル 19〉
サンプル 19では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせるための上述し た表 4中 Lの多価アルコールを 3重量部と、この多価アルコールの他に、エチレンォ キサイドユニット数 (x+z)が 9であり、プロピレンオキサイドユニット数 (y)が 16であり、 EOの含有量が 29. 9重量%のEOPOEOを 0. 5重量部加えたこと以外は、サンプル 4と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 20〉
サンプノレ 20では、エチレンオキサイドユニット数 (χ+ζ)が 12であり、プロピレンォキ サイドユニット数 (y)が 21であり、 EOの含有量が 30. 2重量%のEOPOEOを 0. 5重 量部加えたこと以外は、サンプル 19と同様にしてイェロー系及びブラック系のインク をそれぞれ調製した。
〈サンプル 21〉
サンプル 21では、インクの 0秒動的表面張力を所定の範囲にさせる有機溶剤を含 有させなかったこと以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のイン クをそれぞれ調製した。
〈サンプル 22〉
サンプル 22では、 TEBEの代わりにイソプロピルアルコールを 5重量部加えたこと 以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製し た。
〈サンプル 23〉
サンプル 23では、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の代わりに日信 化学工業製のアセチレングリコール系非イオン界面活性剤(商品名、オルフイン E10 10)を 1. 5重量部加えたこと以外は、サンプル 21と同様にしてイェロー系及びブラッ ク系のインクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 24〉
サンプル 24では、 TEBEを 2重量部にしたこと以外は、サンプル 1と同様にしてイエ ロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 25〉
サンプル 25では、 TEBEの他に、 日信化学工業製のアセチレングリコール系非ィ オン界面活性剤(商品名、オルフイン E1010)を 1. 5重量部加えたこと以外は、サン プル 24と同様にしてイェロー系及びブラック系のインクをそれぞれ調製した。
〈サンプル 26〉
サンプル 26では、 TEBEの代わりにイソプロピルアルコールを 5重量部加え、多価 アルコールのアルキレンオキサイド付カ卩物及び EOPOEOの代わりに日信化学工業 製のアセチレングリコール系非イオン界面活性剤(商品名、オルフイン E1010)を 1. 5重量部加えたこと以外は、サンプル 1と同様にしてイェロー系及びブラック系のイン クをそれぞれ調製した。
そして、各サンプルのインクについて 0秒動的表面張力及び静的表面張力を測定 した。以下の表 6にサンプル 1一サンプル 26の 0秒動的表面張力を低下させる有機 化合物又は多価アルコール、多価アルコールのアルキレンオキサイド付カ卩物、及び EOPOEOの配合をまとめ、表 7に各サンプルの 0秒動的表面張力及び静的表面張 力を測定した測定結果を示す。
[表 6]
0秒動的表面張力を低下させる 多価アルコールの EOPOEO
有機化合物又は多価アルコール アルキレンオキサイド ft I"加物
/¾化水素 含有憂 K化水素 含有 EO含有量 含有量 種類 I/O 種類 I/O S x + z
基 (重量部 基 (重量部) y (質量%) (重 a サンプル 1 ΤΕΒΕ ― 1.33 3 添加せず 添加せず
サンプル 2 表 4中 F 9 1.25 1 添加せず 添加せず
サンプル 3 表 4中 G 5 2.5 5 添加せず 添加せず
サンプル 4 表 4中 L 7 1.67 1 添加せず 添加せず
サンプル 5 表 4中 0 9 1.25 1 添加せす 添加せず
サンプル 6 表 4中 Τ 7 2 3 添加せず 添加せず
サンプル 7 表 4中 ΑΕ 9 1.18 1 添加せず 添加せず
サンプル 8 表 4中 AJ 6 2.5 5 添加せず 添加せず
サンプル 9 ΤΕΒΕ ― 1.33 3 化 13 9 1 0.5 ― ― 一 ― サンプル ίθ ΤΕΒΕ ― 1.33 3 化 18 9 1.33 0.7 ― ― ― サンプル ί 1 表 4中 F 9 1.25 1 化 9 6 1.2 0.5 ― ― ― ― サンプル 12 表 4中 F 9 1.25 1 化 17 g 1 0.5 ― ― ― ― サンプル 13 表 4中 G 5 2.5 5 化 13 9 1 0.7 一 ― ― 一 サンプル 14 表 4中 G 5 2.5 5 化 17 9 1 0.7 ― ― ― ― サンプル 15 我 4中 F 9 1.25 1 ― ― ― ― 3 8 22.1 0,5 サンプル 16 表 4中 F 9 1.25 1 ― ― ― ― 5 8 32.2 0.5 サンプル 17 表 4中 I 7 1.67 3 ― ― ― ― 4 12 20.2 0.5 サンプル 18 表 4中 I 7 1.67 3 ― ― ― 7 12 30.7 0.5 サンプル 19 表 4中 L 7 1.67 3 一 ― ― 一 9 16 29.9 0.5 サンプル 20 表 4中し 7 1.67 3 ― ― ― 12 21 30.2 0.5 サンプル 21 添加せ 添加せず
サンプル 22 代朁えとして
添加せず
イソプロピルアルコールを 5重 S部
サンプル 23 代替えとしてアセチレングリコール系非イオン界面活性剤
添加せず
1.5重量部
サンプル 24 ΤΕΒΕ ― 1.33 2 添加せず
サンプル 25 代替えとしてアセチレンゲリコール系非イオン界面活性剤
ΤΕΒΕ ― 1.33 2
1.5重量部
サンプル 26 代替 tとして 代替 としでアセチレ クリコール *非イオン界 性剤
イソプロピルアルコ一ル^ 5· 骨部
0秒動的表面張 静的表面張力
力 (mN/m)
イェロー ブラック イエロ一 ブラック
インク インク インク インク
サンプル 1 39.1 38.5 38.8 38.5
サンプル 2 38.5 38.2 38.2 38
サンプル 3 40 39.8 39.9 39.8
サンプル 4 36.1 36 35.8 36
サンプル 5 32.1 31.5 32 31.5
サンブル 6 39.1 39.3 39.1 39
サンプル 7 38.8 38.8 38.8 38.7
サンプル 8 37.4 37.5 37.4 37.3
サンプル 9 39.1 38.5 33.6 33.3
サンプル 10 39.1 38.5 34.6 34.7
サンプル 11 38.5 38.2 34.4 34
サンプル 12 38.5 38.2 33 32.6
サンプル 13 40 39.8 34.1 33.5
サンプル 14 40 39.8 33.1 32.7
サンプル 15 38.5 38.2 37.2 37
サンプル 16 38.5 38.2 37.7 37.4
サンプル 17 38.8 39.1 36.5 36.6
サンプル 18 38.8 39.1 37.1 36.9
サンプル 19 35.5 35.4 35.1 34.9
サンプル 20 35.5 35.4 35.1 35.2
サンプル 21 61.8 61.8 61.8 61.8
サンプル 22 27.7 27.4 27.7 27.3
サンプル 23 61.8 61.8 34.2 33.5
サンプル 24 44.5 44.6 44.5 44.6
サンプル 25 44.5 44.6 34.5 34
サンプル 26 27.7 27.4 27 26.8
なお、ここでは、協和界面科学社製の表面張力計 (CBVP— Z)を用い、 25°C雰囲 気での 0秒動的表面張力及び静的表面張力を測定した。ここで、サンプル 1一 8、 21 、 22及び 24ではインク成分より色材を除き、また、サンプル 9一 14、 23及び 25では インク成分より色材と界面活性剤を除いて静的表面張力を測定し、その測定結果を 0 秒動的表面張力とした。表 6中の IZO値は、表 1及び表 2に基づいて算出した。但し 、上述したように、 C連鎖の場合にも表 1及び表 2中の Iso分枝および Tert分枝を適 し, 。
次に、各サンプルのイェロー系及びブラック系のインクについて、吐出安定性、間 欠吐出安定性、境界滲み、混色ベタ斑、光学濃度の評価を行った。
なお、吐出安定性は、次のようにして評価した。各サンプルのインクをインクタンクに それぞれ充填してヘッドカートリッジに装着したライン型のインクジェットプリンタ装置 にて各インクを吐出した後に、ー且、インクジェットプリンタ装置力もヘッドカートリッジ を取り外し、このヘッドカートリッジを温度 10°C、湿度 50%の雰囲気中で 5日間、さら に温度 40°C、湿度 50%の雰囲気中に 5日間保存し、温度 20°C、湿度 50%の環境 下に曝した。そして、再び、ヘッドカートリッジをライン型のインクジェットプリンタ装置 に取り付けて三菱製紙社製のコピー用紙 (商品名:三菱 PPC用紙)に各色について 所定の領域の塗り潰した印刷、いわゆるベタ印刷を行った直後に、ヘッドカートリッジ からインクタンクを取り外してインク吐出ヘッド内に微少な泡が発生していないかどう かを目視により観察した。また、印刷した画像も目視により観察した。
間欠吐出安定性は、次のようにして評価した。各サンプルのインクをインクタンクに それぞれ充填してヘッドカートリッジに装着したライン型のインクジェットプリンタ装置 にて各インクを吐出した後に、ー且、インクジェットプリンタ装置力もヘッドカートリッジ を取り外し、このヘッドカートリッジの吐出面を外部に露出した状態で温度 30°C、湿 度 10%の雰囲気中で 10分間静置した。そして、再び、ヘッドカートリッジをライン型 のインクジェットプリンタ装置に取り付けて三菱製紙社製のコピー用紙 (商品名:三菱 PPC用紙)に各色それぞれのベタ印刷を行い、印刷した画像を目視により観察した。 境界滲みは、次のようにして評価した。各サンプルのインクをインクタンクにそれぞ れ充填してヘッドカートリッジに装着したライン型のインクジェットプリンタ装置にて三 菱製紙社製のコピー用紙 (商品名:三菱 PPC用紙)に各色を隣接させたベタ印刷を 行 、、印刷した画像における各色の境界部の滲み具合を目視により観察した。
混色ベタ斑は、次のようにして評価した。各サンプルのインクをインクタンクにそれぞ れ充填してヘッドカートリッジに装着したライン型のインクジェットプリンタ装置にて三 菱製紙社製のコピー用紙 (商品名:三菱 PPC用紙)に各色を重ね合わせるようにして 80%濃度のベタ印刷を行い、印刷した画像における色濃度の均一性、すなわち色 むらの有無を目視により観察した。
光学濃度は、次のようにして測定した。各サンプノレのインクをインクタンクにそれぞ れ充填してヘッドカートリッジに装着、ライン型のインクジェットプリンタ装置にて三菱 製紙製のコピー用紙 (商品名:三菱 PPC用紙)に各色それぞれのベタ印刷を行い、 得られた画像にっ ヽてマクベス社製の光学濃度計 (TR924)により反射光学濃度を 測定した。
以下、表 8に以上のようにして評価した各サンプルの吐出安定性、間欠吐出安定性 、境界滲み、混色ベタ斑、光学濃度の評価結果を示す。
[表 8]
間欠吐出
光学濃度 吐出安定性 境界滲み 混色ベタ斑 安定性
イェロー t.15
O O o ο ブラック 1.21
イェロー 1.14
ί © O o ο
ブラック 1.22
'"f イエロ一 1.14
o o ο ブラック 1.21
イェロー 1
^ J .14
ブラック 1.25 ◎ o o ο ς 1.13 ® o © ο
ブラック 1.24
a イェロー 1.11
ブラック 1.24 ◎ 〇 o 〇 イェロー 1.15
サンプル 7 o o ο
ブラック 1.23
イエロ一 1.14
サンプル 8 o o 〇
ブラック 1.24
イエ Π— 1.15
サンブル 9 0 o 〇 ©
ブラック 1.26
イェロー 1.16
サンブル 10 o 〇
ブラック 1.25 ◎
イエロ一 1.14
サンプル 11 〇 ©
ブラック 1,24
イェロー 1-17
サンプル 12 © o
ブラック 1.25
イェロー
サンプル 13 1.15
ブラック 1.24 ◎ o ◎ © イェロー 1-15
サンプル
ブラック 1.24 ◎ o ◎ ◎
^ Π— 1.18
サンプレ
ブラック 1.25 ◎ o ◎ ◎ イェロー 1.17
サンプル 16 o
ブラック 1.25 ◎
イエロ一 ΛΜ
サンプル 17 o
ブラック 1-24 ◎ ◎ イェロー 1.15
サンプル 18 o
ブラック 1.23 ◎ - イエロー 1.Ϊ3
サンプル 19 o
ブラック 1.22
イエロ一 1.13
サンプル 20 o
ブラック 1.24 ◎ イエロ一 1.07
サンプル 21
ブラック 1.03
イェロー 1.01
サンプル 22
Figure imgf000064_0001
厶 Δ
ブラック 1
イエロ一 1.09
サンプル 23 X
ブラック 1.18
イェロー 1.11
サンプル 24 厶 Δ
ブラック 1.19
イェロー 1.13
サンプル 25 厶 Δ 厶 ブラック 1.1 B
イエロ一 1.01
サンプル 26 Δ 厶 Δ
ブラック 1.04
表 8における吐出安定性では、画像全体に白抜けがなぐ且つインク吐出ヘッド のインクに微少な泡の発生がないものを◎印で示し、画質には問題がないが画像に 僅かな白抜けがあり、且つインク吐出ヘッド内のインクに微少な泡が極少量発生した ものを〇印で示し、画質を劣化させる白抜けがあり、且つインク吐出ヘッド内のインク に微少な泡が極少量発生したものを△印で示し、画質を劣化させる白抜けがあり、且 つインク吐出ヘッド内のインクに微少な泡が多量発生したものを X印で示している。 表 8における間欠吐出安定性では、画像が鮮明で、掠れがないものを〇印で示し、 画像に少しの掠れがあるものを△印で示し、画像全体に掠れがあり、画質が著しく劣 化しているものを X印で示している。表 8における境界滲みでは、境界部に各色のに じみが全くないものを◎印で示し、画質には問題がないが境界部に各色のにじみが 少量あるものを〇印で示し、境界部に画質を劣化させる各色のにじみがあるものを△ 印で示し、境界部全体に各色のにじみがあり、画質が著しく劣化しているものを X印 で示している。表 8における混色ベタ斑では、青色にベタ塗りされた画像に色ムラが 全くないものを◎印で示し、画質には問題がないが画像に僅かな色ムラがあるものを 〇印で示し、画質を劣化させる色ムラがあるものを△印で示し、画像全体に色ムラが あり、画質が著しく劣化して!/、るものを X印で示して 、る。
表 8に示す評価結果から、表 7において 0秒動的表面張力が 30mNZm以上、 40 mNZm以下の範囲にされているサンプル 1一サンプル 20では、 0秒動的表面張力 が 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲から外れるサンプル 21—サンプル 26に 比べ、吐出安定性、間欠吐出安定性、境界滲み、混色ベタ斑、光学濃度が優れてい ることがゎカゝる。
サンプル 21—サンプル 23、 26では、 0秒動的表面張力を低くさせるための有機化 合物が含有されてないことから、液室内ゃ流路等に対する濡れ性を高めることが困 難となり、インク内に微少な泡が発生して不吐出や吐出曲がり等といった吐出不良が 生じ、白抜けや掠れが発生して画質が劣化してしまう。また、サンプル 21—サンプル 23、 26では、 0秒動的表面張力を低くさせるための有機化合物が含有されてないこ とから、コピー用紙に対する濡れ性も高めることが困難となり、境界滲みや混色ベタ 斑が発生して高品位な画像を得ることができなくなる。
サンプル 24及びサンプル 25では、 0秒動的表面張力を低くさせることが可能な TB BEが含有されているが、含有量が少な過ぎて 0秒動的表面張力を十分に低くするこ とができず、サンプル 21—サンプル 23、 26と同様に、吐出不良、境界滲み、混色べ タ斑が発生して高品位な画像を得ることができなくなる。
これらのサンプルに対し、サンプル 1一サンプル 20では、 0秒動的表面張力を低く させるための有機化合物として TEBEや多価アルコールが適量含有されており、表 7 に示すように 0秒動的表面張力が 30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にされて いることから、液室内ゃ流路等に対する濡れ性が高められると共に、インク内に微少 な泡が発生することが抑制される。これにより、サンプル 1一サンプル 20では、微少な 泡によるノズルの目詰まりが防止されて吐出不良を防ぐことができ、白抜けや掠れの な ヽ高品位な画像を印刷できる。
また、サンプル 1一サンプル 20では、 0秒動的表面張力を低くさせるための有機化 合物として TEBEや多価アルコールが含有されて 0秒動的表面張力が適切な範囲に されていることから、コピー用紙に対する濡れ性が高められ、境界滲みや混色ベタ斑 の発生が抑制された高品位な画像を印刷できる。
特に、サンプル 2—サンプル 8は、 0秒動的表面張力を低くさせるための有機化合 物として炭素数が 9以下の多価アルコールが含有されて 、ることから、液室内ゃ流路 等に対する濡れ性がさらに高められ、吐出安定性が一層優れるものとなる。
また、サンプル 9一サンプル 14は、 0秒動的表面張力を低くさせるための有機化合 物として TEBEや多価アルコールと共に、インクの静的表面張力を 30mNZm以上、 35mN/m以下の範囲にさせる多価アルコールのアルキレンオキサイド付力卩物も含 有されていることから、インク内に微少な泡が発生することをさらに抑制することができ る。したがって、サンプル 9一サンプル 14では、境界滲みや混色ベタ斑の発生がさら に抑制された高品位な画像を印刷できる。
また、表 8に示す評価結果から、表 7において 0秒動的表面張力が 30mNZm以上 、 40mN/m以下の範囲にされ、 EOPOEOが含有されているサンプル 15—サンプ ル 20では、 0秒動的表面張力を低くさせるための有機化合物として TEBEや多価ァ ルコールのみを含有するサンプル 1一サンプル 8に比べ、吐出安定性、間欠吐出安 定性、境界滲み、混色ベタ斑が更に優れていることがわかる。
サンプル 15—サンプル 20では、 0秒動的表面張力を低くさせるための有機化合物 として多価アルコールと共に、界面活性剤として多価アルコールのアルキレンォキサ イド付加物に代わって EOPOEOも含有されていることから、インク内に微少な泡が発 生することをさらに抑制することができる。したがって、サンプル 15—サンプル 20では 、境界滲みや混色ベタ斑の発生がさらに抑制された高品位な画像を印刷できる。 以上のことから、インクを調製する際に、インクの 0秒動的表面張力を 30mNZm以 上、 40mNZm以下の範囲にさせる有機化合物や多価アルコールを含有させること は、吐出安定性、間欠吐出安定性に優れ、境界滲み、混色ベタ斑が抑制された高品 位な印刷を可能にするインクを調製する上で大変重要であることがわかる。
また、インクを調製する際に、インクの 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mN Zm以下の範囲にさせる有機化合物として炭素数が 9以下の多価アルコールを含有 させることは、吐出安定性にさらに優れるインクを調製する上で大変重要であることが ゎカゝる。
さらに、インクを調製する際に、インクの 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40m NZm以下の範囲にさせる有機化合物や多価アルコールと共に、インクの静的表面 張力を 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にさせる多価アルコールのアルキレ ンオキサイド付加物を含有させることは、境界滲み、混色ベタ斑がさらに抑制され、さ らに品位が高められた印刷を可能にするインクを調製する上で大変重要であることが ゎカゝる。
また、インクを調製する際に、インクの 0秒動的表面張力を 30mNZm以上、 40mN Zm以下の範囲にさせる有機化合物や多価アルコールと共に、界面活性剤として多 価アルコールのアルキレンオキサイド付カ卩物に代わって EOPOEOを含有させること は、同様に、境界滲み、混色ベタ斑がさらに抑制され、さらに品位が高められた印刷 を可能にするインクを調製する上で大変重要であることがわ力る。
産業上の利用可能性
本発明は、微小泡立ちが少なぐ吐出安定性に優れ、対象物となる普通紙に文字 や画像などを多色印刷しても光学濃度が高ぐ境界滲みや混色ベタ斑の無いため、 高品位な印刷に用いられる。

Claims

請求の範囲 [1] 1.対象物に記録を行うために液滴の状態で当該対象物に付着される記録液におい て、 色素と、上記色素を分散させる溶媒とを有し、 0秒動的表面張力が 30mNZm以上 、 40mNZm以下の範囲にあることを特徴とする記録液。 [2] 2.上記色素及び上記溶媒の他に、有機性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比率( IZO)が 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、且つ炭素数が 9以下の炭素水素基を 有する多価アルコールを含有していることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の記 録液。 [3] 3.上記多価アルコールは、分岐した炭化水素基を有していることを特徴とする請求 の範囲第 2項記載の記録液。 [4] 4.上記多価アルコールとして化 1一化 5に示す有機化合物のうちの何れか一種又は 複数種を含有していることを特徴とする請求の範囲第 2項記載の記録液。
[化 1]
Figure imgf000068_0001
(但し、式中 及び R 2 は炭化水素基を示し、
2≤ R , + R 2≤ 4 , R ,≥ 0 % R 2≥ 0であり、
R i =0,R2 =0の場合、 R S ,R 2は水素元素を示す。)
[化 2]
Figure imgf000069_0001
(但し、式中 R3及び R4は炭化水素基を示し、 2 ≤ R3 + R4 ≤ 6 s R3≥ 0 s R4 > 0であり、 R3二 0,R^0の場合、 R3,R 4は水素元素を示す。)
[化 3]
Figure imgf000069_0002
(但し、式中 R5及び R6 は炭化水素基を示し、 1 ≤ R5 + Re ≤ 4 , R5≥ 0 、 R 6 ≥ 0であり、 Rs=0,R6=0の場合、 Rs.Rsは水素元素を示す。)
[化 4]
Figure imgf000069_0003
(但し、式中 R7及び Rs は炭化水素基を示し、 2 ≤ R7 + R8 < 6 である。) [化 5]
Figure imgf000070_0001
(但し、式中 R 9及び R iQは炭化水素基を示し
2 ≤ R 9 + R 10≤ 4 である。)
[5] 5.静的表面張力が 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にあることを特徴とする 請求の範囲第 1項記載の記録液。
[6] 6.界面活性剤として、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ有機性値 (OV)に 対する無機性値 (IV)の比率 (IZO)が 1以上、 1. 33以下の範囲にある多価アルコ ールのアルキレンオキサイド付加物を含有していることを特徴とする請求の範囲第 1 項記載の記録液。
[7] 7.上記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物は、分岐した炭化水素基を有 していることを特徴とする請求の範囲第 6項記載の記録液。
[8] 8.上記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として化 6—化 8に示す有機 化合物のうちの何れか一種又は複数種を含有していることを特徴とする請求の範囲 第 6項記載の記録液。
[化 6]
Figure imgf000071_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し 1 ≤ a + b≤ 6 である。)
[化 7]
Figure imgf000071_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し 1 ≤ c + d≤ 6 である。)
[化 8]
Figure imgf000072_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド墓を示し
1 ≤ e + f ≤ 5である。
[9] 9.静的表面張力が 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にあることを特徴とする 請求の範囲第 6項記載の記録液。
[10] 10.界面活性剤として、化 9に示す少なくとも 1種類以上のエチレンオキサイド Zプロ ピレンオキサイド共重合体を含有していることを特徴とする請求の範囲第 2項記載の 記録液。
[化 9]
HO(CH2CH20)x(CHCH20)y(CH2CH20)zH
CH3
(但し、 x、 yおよび zは、整数であり、 3≤x+z≤12, 8≤y≤21であリ
かつ、エチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が
20重是 X~40重量である。)
11.液体容器に収容された記録液を液滴の状態で吐出し、対象物に付着させること で記録を行う液体吐出装置に備わる液体吐出ヘッドに着脱可能に装着され、上記液 体吐出ヘッドに対し、上記記録液の供給源となる液体カートリッジにお 、て、 上記記録液は、色素と、上記色素を分散させる溶媒とを有し、 0秒動的表面張力が
30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にあることを特徴とする液体カートリッジ。
[12] 12.上記記録液は、上記色素及び上記溶媒の他に、有機性値 (OV)に対する無機 性値 (IV)の比率 (IZO)が 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、且つ炭素数が 9以 下の炭素水素基を有する多価アルコールを含有していることを特徴とする請求の範 囲第 11項記載の液体カートリッジ。
[13] 13.上記多価アルコールは、分岐した炭化水素基を有していることを特徴とする請求 の範囲第 12項記載の液体カートリッジ。
[14] 14.上記記録液は、上記多価アルコールとして化 10—化 14に示す有機化合物のう ちの何れか一種又は複数種を含有していることを特徴とする請求の範囲第 12項記 載の液体カートリッジ。
[化 10]
Figure imgf000073_0001
(但し、式中 R ,及び R 2 は炭化水素基を示し、
2≤ R , + R 2 ≤ 4 R , > 0 , R 2≥ 0であり、
R i =0,R2 -0の場合、 R ! ,R 2は水素元素を示す。)
[化 11]
Figure imgf000074_0001
(但し、式中 R3及び R4は炭化水素基を示し、 2≤ R3 + R ≤ 6 , R3≥ 0 、 R4≥ 0であり、 R3:0,R4=0の場合、 R3,R 4は水素元素を示す。)
[化 12]
Figure imgf000074_0002
(但し、式中 R5及び R6 は炭化水素基を示し、 1 ≤ R5 + R6 ≤ 4 , R5≥ 0 、 R6≥ 0であり、 Rs=0,R6=0の場合、 Rs.F は水素元素を示す。)
[化 13]
Figure imgf000074_0003
(但し、式中 R7及び R8 は炭化水素基を示し、 2≤ R7 + RS < 6 である。) [化 14]
Figure imgf000075_0001
(但し、式中 R9及び R 1Qは炭化水素基を示し
R ,o≤ 4 である。)
[15] 15.上記記録液は、静的表面張力が 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にあ ることを特徴とする請求の範囲第 11項記載の液体カートリッジ。
[16] 16.上記記録液は、界面活性剤として、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ 有機性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比率 (IZO)が 1以上、 1. 33以下の範囲 にある多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有していることを特徴とす る請求の範囲第 11項記載の液体カートリッジ。
[17] 17.上記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物は、分岐した炭化水素基を 有していることを特徴とする請求の範囲第 16項記載の液体カートリッジ。
[18] 18.上記記録液は、上記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として化 15 一化 17に示す有機化合物のうちの何れか一種又は複数種を含有していることを特 徴とする請求の範囲第 16項記載の液体カートリッジ。
[化 15]
Figure imgf000076_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し 1 ≤ a + b≤ 6 である。)
[化 16]
Figure imgf000076_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し 1 ≤ c + d≤ 6 である。)
[化 17]
Figure imgf000077_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し
1 ≤ e + f ≤ 5である。
[19] 19.上記記録液は、静的表面張力が 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にあ ることを特徴とする請求の範囲第 16項記載の液体カートリッジ。
[20] 20.上記記録液は、界面活性剤として化 18に示す少なくとも 1種類以上のエチレン オキサイド Zプロピレンオキサイド共重合体を含有していることを特徴とする請求の範 囲第 12項記載の液体カートリッジ。
[化 18]
HO(CH2CH20)x(CHCH20)y(CH2CH20)zH
CH3
(但し、 x、 yおよび zは、整数であり、 3≤x+z≤12, 8≤y≤21であり
かつ、エチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が
20重是 X~40重量 ¾である。)
21.記録液を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、上記吐出口と対向する位置ま で搬送された対象物に上記吐出口より上記液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、上記 液体吐出ヘッドに接続され、上記液体吐出ヘッドに対する上記記録液の供給源とな る液体カートリッジとを備える液体吐出装置において、
上記記録液は、色素と、上記色素を分散させる溶媒とを有し、 0秒動的表面張力が
30mNZm以上、 40mNZm以下の範囲にある液体吐出装置。
[22] 22.上記記録液は、上記色素及び上記溶媒の他に、有機性値 (OV)に対する無機 性値 (IV)の比率 (IZO)が 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、且つ炭素数が 9以 下の炭素水素基を有する多価アルコールを含有していることを特徴とする請求の範 囲第 21項記載の液体吐出装置。
[23] 23.上記多価アルコールは、分岐した炭化水素基を有していることを特徴とする請求 の範囲第 22項記載の液体吐出装置。
[24] 24.上記記録液は、上記多価アルコールとして化 19一化 23に示す有機化合物のう ちの何れか一種又は複数種を含有していることを特徴とする請求の範囲第 22項記 載の液体吐出装置。
[化 19]
Figure imgf000078_0001
(但し、式中 R ,及び R 2 は炭化水素基を示し、
2≤ R , + R 2 ≤ 4 , R ,≥ 0 % R 2≥ 0であり、
R i =0,R2 -0の場合、 2は水素元素を示す。)
[化 20]
Figure imgf000079_0001
(但し、式中 R3及び R4は炭化水素基を示し、 2≤ R3 + R ≤ 6 , R3≥ 0 、 R4≥ 0であり、 R3二 0,R4 -0の場合、 R3,R 4は水素元素を示す。 )
[化 21]
Figure imgf000079_0002
(但し、式中 R5及び R6 は炭化水素基を示し、 1 ≤ R5 + R6 ≤ 4 , R5≥ 0 、 R6≥ 0であり、 R5=0,Rs=0の場合、 Rs,Rsは水素元素を示す。)
[化 22]
Figure imgf000079_0003
(但し、式中 R7及び R8 は炭化水素基を示し、 2≤ R7 + R8 < 6 である。) [化 23]
Figure imgf000080_0001
(但し、式中 R9及び R 1Qは炭化水素基を示し
R ,o≤ 4 である。)
[25] 25.上記記録液は、静的表面張力が 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にあ ることを特徴とする請求の範囲第 21項記載の液体吐出装置。
[26] 26.上記記録液は、界面活性剤として炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ有 機性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比率 (IZO)が 1以上、 1. 33以下の範囲に ある多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有していることを特徴とする 請求の範囲第 21項記載の液体吐出装置。
[27] 27.上記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物は、分岐した炭化水素基を 有していることを特徴とする請求の範囲第 26項記載の液体吐出装置。
[28] 28.上記記録液は、上記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として化 24 一化 26に示す有機化合物のうちの何れか一種又は複数種を含有していることを特 徴とする請求の範囲第 26記載の液体吐出装置。
[化 24]
Figure imgf000081_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し 1 ≤ a + b≤ 6 である。)
[化 25]
Figure imgf000081_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し 1 ≤ c + d≤ 6 である。)
[化 26]
Figure imgf000082_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド墓を示し
1 ≤ e + f ≤ 5である。
[29] 29.上記記録液は、静的表面張力が 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にあ ることを特徴とする請求の範囲第 26項記載の液体吐出装置。
[30] 30.上記液体吐出ヘッドは、上記吐出口が略ライン状に並んで設けられていることを 特徴とする請求の範囲第 21項記載の液体吐出装置。
[31] 31.上記記録液は、界面活性剤として化 27に示す少なくとも 1種類以上のエチレン オキサイド Zプロピレンオキサイド共重合体を含有していることを特徴とする請求の範 囲第 22項記載の液体吐出装置。
[化 27]
HO(CH2CH20)x(CHCH20)y(CH2CH20)zH
CH3
(但し、 X, yおよび zは、整数であり、 3≤x+z≤12, 8≤y≤21であり
かつ、エチレンオキサイドユニットの分子中における含有量が
20重量? i~40重量 %である。 )
[32] 32.記録液を液滴の状態で吐出させる吐出口を有し、上記吐出口と対向する位置ま で搬送された対象物に上記吐出口より上記液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、上記 液体吐出ヘッドに接続され、上記液体吐出ヘッドに対する上記記録液の供給源とな る液体カートリッジとを備える液体吐出装置による液体吐出方法において、
色素と、上記色素を分散させる溶媒とを有し、 0秒動的表面張力が 30mNZm以上 、 40mNZm以下の範囲にある上記記録液を、上記液体吐出ヘッドの吐出口より吐 出させることを特徴とする液体吐出方法。
[33] 33.上記色素及び上記溶媒の他に、有機性値 (OV)に対する無機性値 (IV)の比率
(IZO)が 1. 18以上、 2. 5以下の範囲にあり、且つ炭素数が 9以下の炭素水素基を 有する多価アルコールを含有する上記記録液を、上記吐出口より吐出させることを特 徴とする請求の範囲第 32項記載の液体吐出方法。
[34] 34.上記多価アルコールに、分岐した炭化水素基を含有させることを特徴とする請 求の範囲第 33項記載の液体吐出方法。
[35] 35.上記記録液に含有される上記多価アルコールとして化 28—化 32に示す有機化 合物のうちの何れか一種又は複数種を用いることを特徴とする請求の範囲第 33項記 載の液体吐出方法。
[化 28]
Figure imgf000083_0001
(但し、式中 及び R 2 は炭化水素基を示し、
2≤ R , + R 2 ≤ 4 . R ,≥ 0 % R 2≥ 0であり、
R i =0,R2 =0の場合、 2は水素元素を示す。)
[化 29]
Figure imgf000084_0001
(但し、式中 R3及び R4は炭化水素基を示し、 2≤ R3 + R ≤ 6 , R3≥ 0 、 R4≥ 0であり、 R3:0,R4=0の場合、 R3,R 4は水素元素を示す。)
[化 30]
Figure imgf000084_0002
(但し、式中 R5及び R6 は炭化水素基を示し、 1 ≤ R5 + R6 ≤ 4 , R5≥ 0 、 R6≥ 0であり、 R5=0,Re=0の場合、 Rs.F は水素元素を示す。)
[化 31]
Figure imgf000084_0003
(但し、式中 R7及び R8 は炭化水素基を示し、 2≤ R7 +Ra < 6 である。) [化 32]
Figure imgf000085_0001
(但し、式中 R 9及び R iQは炭化水素基を示し
2 ≤ R 9 + R 10≤ 4 である。)
[36] 36.静的表面張力が 30mNZm以上、 35mNZm以下の範囲にある上記記録液を 、上記吐出口より吐出させることを特徴とする請求の範囲第 32項記載の液体吐出方 法。
[37] 37.界面活性剤として、炭素数が 9以下の炭化水素基を有し、且つ有機性値 (OV) に対する無機性値 (IV)の比率 (IZO)が 1以上、 1. 33以下の範囲にある多価アル コールのアルキレンオキサイド付加物を含有する上記記録液を上記吐出口より吐出 させることを特徴とする請求の範囲第 32項記載の液体吐出方法。
[38] 38.上記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物に、分岐した炭化水素基を 含有させることを特徴とする請求の範囲第 37項記載の液体吐出方法。
[39] 39.上記記録液に含有される上記多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と して化 33—化 35に示す有機化合物のうちの何れか一種又は複数種を用いることを 特徴とする請求の範囲第 37項記載の液体吐出方法。
[化 33]
Figure imgf000086_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し 1 ≤ a + b≤ 6 である。)
[化 34]
Figure imgf000086_0002
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し 1 ≤ c + d≤ 6 である。)
[化 35]
Figure imgf000087_0001
(但し、式中 EOはエチレンオキサイド基を示し
1 ≤ e + f ≤ 5である。
[40] 40.静的表面張力が 30mN/m以上、 35mN/m以下の範囲にある上記記録液を 、上記吐出口より吐出させることを特徴とする請求の範囲第 37項記載の液体吐出方 法。
[41] 41.界面活性剤として、化 36に示す少なくとも 1種類以上のエチレンオキサイド Zプ ロピレンオキサイド共重合体を含有する上記記録液を上記吐出口より吐出させること を特徴とする請求の範囲第 33項記載の液体吐出方法。
[化 36]
HO(CH2CH20)x(CHCH20)y(CH2CH20)zH
CH3
(但し、 x、 yおよび zは、整数であり、 3≤x+z≤12, 8≤y≤21であり
かつ、エチレン才キサイドユニットの分子中における含有量が
20重量 ¾~40重; »έである。)
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