JP2000272252A - 熱転写記録材料 - Google Patents

熱転写記録材料

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JP2000272252A
JP2000272252A JP8519299A JP8519299A JP2000272252A JP 2000272252 A JP2000272252 A JP 2000272252A JP 8519299 A JP8519299 A JP 8519299A JP 8519299 A JP8519299 A JP 8519299A JP 2000272252 A JP2000272252 A JP 2000272252A
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recording
glycol
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dialkyl
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JP8519299A
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Yasuyo Saito
保代 齋藤
Yukichi Murata
勇吉 村田
Kenji Shinozaki
研二 篠崎
Eiki Hirano
栄樹 平野
Tatsuhiko Matsumoto
達彦 松本
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Mitsubishi Chemical Corp
Sony Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料気化又は飛翔型の熱転写記録方式におい
て、安全性が高く、良好な記録特性を示す記録材料を提
供する。 【解決手段】 多孔質構造を有する転写部に毛管現象に
よって導かれ、加熱によって状態変化して、前記転写部
に対向した被転写体へ移行せしめられる熱転写記録材料
であって、少なくとも脂肪族カルボン酸エステル、グリ
コールエステル及びグリコールエーテルから選ばれる1
種以上の有機溶媒と該有機溶媒に溶解する色素を含有
し、該有機溶媒及び色素の無機性/有機性値が0.1〜
1.5の範囲にあり、色素の無機性/有機性値と該有機
溶媒の無機性/有機性値との差が0.7以下である事を
特徴とする熱転写記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写記録方法、
例えば、画像情報に応じた選択的加熱により記録部から
色素を含む記録液を飛翔せしめ、対向する印画紙に転写
するフルカラー画像記録方法に使用する熱転写記録材料
に関し、特に良好な特性を示す有機溶媒を含有する記録
液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、コンピュータグラ
フィックス等のカラー化が進むにつれ、ハードコピーの
カラー化に対するニーズが急速に高まっている。それに
対して、昇華型熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジ
ェット方式、電子写真方式、熱現像銀塩方式等のカラー
ハードコピー方式が提案されている。これらの記録方式
の中で、高画質の画像を簡単な装置で手軽に出力する方
法は、染料拡散熱転写方式(昇華型熱転写方式)とイン
クジェット方式に大きく分類できる。
【0003】これらの記録方式の中で、染料拡散熱転写
方式は、適当なバインダ樹脂中に高濃度の転写染料の分
散するインク層が塗布されているインクリボン又はシー
トと、転写された染料を受容する染着樹脂がコーティン
グされた印画紙などの被転写体とを、一定の圧力で密着
させ、インクシート上に位置する感熱記録ヘッドから画
像情報に応じた熱が加えられ、インクシートから染料受
容層に加えられた熱量に応じて転写染料を熱転写させる
方法である。
【0004】上記の操作を、減法混色の三原色、即ち、
イエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号につ
いてそれぞれ繰り返すことによって、連続的な階調を持
つフルカラー画像を得ることを特徴とする、いわゆる染
料拡散熱転写方式は、小型化、保守が容易で、即時性を
備え、銀塩カラー写真並の高品位な画像を得る優れた技
術として注目を集めている。
【0005】図6はこうした熱転写方式のプリンタの要
部の概略正面図である。感熱記録ヘッド(以下サーマル
ヘッドと呼ぶ)31とプラテンローラ33とが対向し、
これらの間に、ベースフィルム32b上にインク層32
aを設けたインクシート32と、紙30b上に染着樹脂
層30aを設けた被記録紙(被転写体)30とが挟ま
れ、これらが回転するプラテンローラ33によってサー
マルヘッド31に押し付けられて走行する。
【0006】そして、サーマルヘッド31によって選択
的に加熱されたインク層32a中のインク(転写染料)
が、被転写体30の染着樹脂層30aにドット状に転写
され、熱転写記録が遂行される。このような熱転写記録
には、被記録紙30の走行方向と直行する方向にサーマ
ルヘッドを走査するシリアル方式や、同被記録紙走行方
向に直行して一本のサーマルヘッドを固定して配したラ
イン方式が採用されている。
【0007】しかし、この方式はインクシートの使い捨
てに起因する多量の廃棄物の発生と、高いランニングコ
ストが大きな欠点であり、その普及が妨げられている。
これは溶融熱転写方式でも同様である。このように、従
来の熱転写方式は高画質であるが、専用印画紙と使い捨
てのインクリボン又はシートを使用するためにランニン
グコストが高い。熱現像銀塩方式も高画質であるが、や
はり専用印画紙と使い捨てのインクリボン又はシートを
使用するためにランニングコストが高く、装置コストも
高い。
【0008】一方、インクジェット方式とは特公昭61
−59911号や特公平5−217号公報等に示される
ように、画像情報に応じて、静電吸引方式、連続振動発
生方式(ピエゾ方式)、サーマル方式(バブルジェット
方式)等の方法で記録液の小滴を記録ヘッドに設けられ
たノズルから飛翔させ、記録部材に付着せしめ、記録を
行うものである。
【0009】従って、インクシート等を使用する場合の
ような廃棄物の発生はほとんどなく、ランニングコスト
は低い。最近では、特にサーマル方式が簡易にカラー画
像を出力できることから、普及が拡大している。しか
し、インクジェット方式は、画素内の濃度階調が原理的
に困難であり、染料拡散熱転写方式で得られるような、
銀塩写真に匹敵する高品位な画像を短時間で再現するこ
とは困難である。
【0010】即ち、従来のインクジェットでは、インク
の1液滴が1画素を形成するので、原理的に画素内階調
が困難であり、高画質の画像形成ができない。インクジ
ェットの高解像度を利用して、ディザ法による擬似階調
の表現も試みられているが、昇華型熱転写方式と同等の
画質は得られず、さらに転写速度は著しく低下してい
る。
【0011】他方、電子写真方式は、ランニングコスト
は低く、転写速度も高いが、装置コストが高い。上記の
ように、画質、ランニングコスト、装置コスト、転写時
間等の要求を全て満たす記録方法は存在しなかった。
【0012】最近、これらの問題点を解決する新たな記
録方法が提案されている(特開平7−89107号公報
等)。即ち、記録液を毛管現象によって多孔質構造を有
する転写部に導き、レーザ光等の適当な加熱手段により
加熱し、記録液を気化させるか或は径が20μm以下の
ミストを発生させ、これを10〜1000μmのギャッ
プを介して対向配置された印画紙上に転写させる非接触
タイプの染料飛翔型の熱転写記録方式である。
【0013】こうした非接触タイプの熱転写記録方式で
は、上記の多孔質構造によって加熱部(転写部)の表面
積が増加し、記録液を毛管現象により記録液加熱部へと
常時供給し、かつそこに保持することができ、この状態
で、加熱手段(例えば、レーザ光)により記録情報に応
じた熱量を選択的に加えることによって記録液の一部を
蒸発させ、カラービデオカメラ等で作成された電気的な
画像に対応した記録情報に応じた量の記録材を微小な蒸
気又は液滴にして被記録体へ移行させ、この被記録体上
に転写することができる。
【0014】従って、公知のインクジェット方式と比較
して小さいサイズの液滴を多数形成でき、かつ記録液加
熱部への記録情報に対応した加熱エネルギーに応じて液
滴の生成数を自由に制御することができるので、多値濃
度階調が可能になり、銀塩方式の画像と同等若しくは、
それ以上の画質を持つ記録(例えばフルカラー画像)を
得ることができる。
【0015】また、熱転写記録方式であるため、既述し
た小型化、保守容易性、即時性、画像の高品位化、高階
調性等の特長を有している。しかしながら、この熱転写
記録方式は、上記の優れた特長を有していると共に、な
お改善すべき問題点も有していることが分かった。本記
録方法では、従来、記録液の溶媒としては特開平8−2
16401号公報等に記載されているように、フタル酸
ジアルキルエステルに代表される芳香族エステル或いは
n−アルキルベンゼンなどの芳香族炭化水素が用いられ
てきた。しかし、これら芳香族系溶媒は一般に生体に対
しての影響が大きく、安全衛生上その使用が懸念され、
また転写感度が低いなど性能上も必ずしも十分でない。
また、特開平8−169171号公報には本記録方法の
記録液のキャリアとして、多価アルコール類、多価アル
コールのエーテル類、パラフィン系炭化水素類、エステ
ル結合を持つパラフィン系炭化水素類、カルボニル基を
持つ炭化水素類などが好ましい事が記載されているが、
具体的な溶媒についての記載は無く、実施例中にも脂肪
族エーテル系溶媒及び脂肪族エステル系溶媒についての
具体的な使用例は示されていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱転
写方式とインクジェット方式の双方の利点を生かしつ
つ、同時にそれらの欠点を無くした上記の記録方法に用
いられる記録材料として安全性が高く、良好な記録特性
を実現することのできる熱転写記録材料を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の記
録方法に用いられる記録材料について検討した結果、特
定の溶媒と特定の色素の組み合わせを用いることによ
り、安全性が高く、良好な記録特性、特には記録物の高
い光学濃度を提供する記録材料を見出し、本発明に到達
したものである。即ち、本発明は、多孔質構造を有する
転写部に毛管現象によって導かれ、加熱によって状態変
化して、前記転写部に対向した被転写体へ移行せしめら
れる熱転写記録材料であって、少なくとも脂肪族カルボ
ン酸エステル、グリコールエステル及びグリコールエー
テルから選ばれる1種以上の有機溶媒と該有機溶媒に溶
解する色素を含有し、該有機溶媒及び色素の無機性/有
機性値が0.1〜1.5の範囲にあり、色素の無機性/
有機性値と該有機溶媒の無機性/有機性値との差が0.
7以下である事を特徴とする熱転写記録材料に係るもの
である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写記録材料は、具体
的には、加熱によって気化されるか或は径が20μm以
下のミストを発生し、10〜1000μmの間隙を介し
て対向配置された被転写体上に転写される液状の記録材
料である。このような間隙を介しての非接触の転写によ
って、既述したと同様に、高画質と即時性を兼ね備え、
装置の小型、軽量化が可能であり、廃棄物が発生せず
に、普通紙にも転写可能であり、低消費電力及び低ラン
ニングコストのカラー記録が実施可能となる。
【0019】また、本発明の多孔質構造は、その毛管作
用によって記録材料を転写部に供給しかつ保持する機能
を有し、特に、0.2〜3μmの一辺又は直径と1〜1
5μmの高さを有しているのがよく、この0.2〜3μ
mの一辺又は直径と1〜15μmの高さを有する微細な
柱状体を、0.5〜10μmの間隔で3行以上及び3列
以上配置することによって多孔質構造が形成されている
のがよい。
【0020】こうした多孔質構造(例えば多数の柱状体
の群からなる凹凸構造)は、次の3種類の顕著な効果を
奏するものである。即ち、第1の効果は、上記の凹凸構
造により形成される大きな表面積により、記録液を自発
的に毛管現象によって記録部に供給できることである。
第2の効果は、一般に液体の表面張力は高温であるほど
低下するので、記録液を加熱すると記録液の加熱中心の
表面張力はその外周部の表面張力より低下して、中心部
の記録液に外方向の力が働くが、加熱部に上記の凹凸構
造があるため、外周部への記録液の移動を抑制し、転写
感度の低下を防止できる。
【0021】第3の効果は、記録部の上記凹凸構造中の
多数の凹状部分がそれぞれ、微細な吐出部として働くこ
とにより、記録部に与えた熱量に応じた数の非常に細か
い記録液の液滴が吐出され、空間中に飛翔して対向する
印画紙等の被記録体に吸着する。この原理を利用して、
通常のインクジェット方式では不可能であった画素内階
調を可能にした。
【0022】即ち、上記の多孔質構造(凹凸構造)を加
熱部に設けることによってその表面積が増加し、記録液
を毛管現象により記録液加熱部へと常時供給し、かつそ
こに保持することができ、この状態で加熱手段(例えば
レーザ光)により記録情報に応じた熱量を選択的に加え
ることによって、記録液の一部を蒸発させて圧力上昇を
起こし、カラービデオカメラ等で作成された電気的な画
像に対応した記録情報に応じた量の記録材を微小な液滴
にして被記録体へ移行させ、この被記録体上に転写する
ことになる。
【0023】そしてこの場合、公知のインクジェット方
式と比較して小さいサイズの液滴を多数形成でき、かつ
記録液加熱部への記録情報に対応した加熱エネルギーに
応じて液滴の生成数を自由に制御することができるの
で、多値濃度階調が可能になり、銀塩方式の画像と同等
若しくはそれ以上の画質を持つ記録(例えば、フルカラ
ー画像)を得ることができる。
【0024】従って、オンデマンドで非常に微小な記録
液滴の熱転写が可能である特殊な構造を持つヘッドを使
用して、少なくとも1色当たり1画素内で128階調若
しくはそれ以上の濃度階調表現が可能であるインクジェ
ット方式を実現できる。こうした多孔質構造を形成する
には、例えば平均粒径が0.1〜2μmの多孔質アルミ
ナを5〜20μm厚に積層する方法、平均粒径0.5〜
3μmのガラスビーズを5〜20μm厚に積層する方
法、平均直径0.5〜2μmで高さ2〜10μmの多数
のシリコンウィスカーを1〜3μmの間隔で基盤上に成
長させる方法、等の手法でも製造できる。
【0025】しかし、特に転写量を正確に制御するため
には、RIE(リアクティブイオンエッチング)法やパ
ウダービームエッチング法等の半導体加工技術を利用し
て、一辺又は直径が0.5〜3μmで高さが1〜15μ
mの範囲内のサイズを持つガラス製又はシリコン製等の
微細な柱状体が0.5〜10μmの間隔で規則的に3行
以上、3列以上並んだ構造が好ましい。
【0026】また、300℃以上の耐熱性を有する多孔
質構造を形成し、生成する液滴を記録液加熱部と10〜
1000μmの間隙を置いて対向配置された被記録体へ
飛翔させることが好ましい。このような多孔質構造は、
上記した優れた作用を有するが、そのサイズが微小であ
るだけに、記録(特に繰り返しの記録)時において記録
材の加熱による劣化物、例えば分解生成物が多孔質構造
に付着し、目詰まりを生じてその作用を損なう傾向があ
る。
【0027】本発明の熱転写記録材料に使用する色素は
加熱に対して十二分の耐熱性を有し、分解生成物による
コゲーションが殆ど生ぜず、繰り返し記録時でも多孔質
構造の作用を保持し、有効に発揮させることができるも
のが必要である。それらの色素としては非イオン性の構
造で、0.1〜1.5の範囲好ましくは0.2〜1.
3、特に好ましくは0.4〜1.0の無機性/有機性値
を有し有機溶媒に対して溶解性の良好な色素が適してい
る。
【0028】本発明で規定する無機性/有機性値(I/
O値)とは、広く有機化合物一般の性状を数値によって
示した無機性値と有機性値の比をとった値である。ここ
で、有機性値とは、メチレン基を代表する炭素原子の数
で測りうるものであり、炭素1個の値を20としたもの
である。また、無機性値とは、水酸基の値を100と
し、これを基として他の置換基(特殊原子又は原子団)
や変態部(核又は二重、三重結合など)の数値を決定し
たものであり、近似的に数値で示したものを表−1に示
した。本発明で定義する無機性/有機性値及び表−1の
値は、甲田善生著「有機概念図−基礎と応用」(三共出
版)の定義に基づくものである。
【0029】
【表1】
【0030】本発明の色素の具体的な例は特開平8−2
44363、特開平8−244364、特開平8−24
4366、特開平10−193809、特開平10−1
95317、特開平10ー181209、特開平10−
181210、特開平10−258583などに示され
ているアントラキノン系、ジシアノビニル系、トリシア
ノビニル系、モノアゾ系等の色素が使用できる。本発明
の代表的な色素について構造式と無機性/有機性値(I
/O値)の値を表−2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】本発明の熱転写記録材に使用する溶媒は、
上記の色素を十分に溶解させるものであると同時に、融
点が50℃以下であり、かつ沸点が150℃以上、40
0℃以下の範囲にあり、無色であることが好ましい。融
点が50℃を越えると、非転写時に記録部で熱転写記録
材が凝固しやすくなる。また、沸点が150℃未満であ
ると、上記の多孔質構造が大きな表面積を有し、記録部
が大気に露出しているので、溶媒が蒸発若しくは揮発し
て記録部が乾き、かつ記録液濃度が変動して記録性能を
劣化させるからである。沸点が400℃以上であると気
化の効率が悪く、転写感度が低下する。また溶媒の分子
量は450以下であることが好ましい。分子量が高すぎ
ると、気化における膨張率が低く、転写感度が低下し易
い。また、空気中で溶媒を200℃に加熱したときの残
留分の割合が0.01重量%以下の溶媒が好ましい。
【0035】本発明者等は上記の特性を有し、かつ安全
性の高い溶媒について検討を実施した結果、無機性/有
機性値が0.1〜1.5、好ましくは0.13〜1.
3、特に好ましくは0.15〜1.0の範囲にある脂肪
族カルボン酸エステル、グリコールエステル及びグリコ
ールエーテルが良好な溶媒である事を見出した。また、
これらの溶媒を本発明の記録方式に使用する場合、溶媒
の無機性/有機性値と色素の無機性/有機性値との差が
0.7以下、好ましくは0.6以下、更に好ましくは
0.5以下であるものを選んだ場合、色素の溶解度が良
好で、高濃度の色素を含有した記録液を調製する事が可
能であり、その結果、高記録濃度を達成できることを見
出した。本発明の記録材料は、上述した溶媒に色素を5
0℃以下で5重量%以上溶解した記録液とするのがよ
い。
【0036】溶媒は具体的には、こはく酸、グルタル
酸、アジピン酸、スベリック酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジオイック酸などの脂肪族ジカルボン酸
のジアルキルエステル類;オクタン酸、ノナン酸、デカ
ン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸などの脂肪族モノカル
ボン酸のアルキルエステル類;ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールな
どのグリコール類のジアルキルエーテル類;エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4ーブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、2,2,4ートリメチ
ルーペンタンジオールなどのグリコール類のモノアルキ
ルエーテルモノアルキルエステル類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1、4ーブタンジオール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、2,2,4ートリメチルーペン
タンジオールなどのグリコール類のジアルキルエステル
類などが挙げられる。
【0037】上記の本発明の脂肪族カルボン酸類のアル
キルエステルのアルキル基は、直鎖状若しくは分岐鎖状
の非置換アルキル基、或いはアルコキシ基、アリールオ
キシ基、アリール基又はテトラフルフリル基のようなヘ
テロ環基で置換されたアルキル基が挙げられ、炭素数1
〜20、好ましくは2〜15、更に好ましくは3〜10
の物が適当である。また、上記のグリコール類のアルキ
ルエステル及びアルキルエーテルのアルキル基としては
炭素数が1〜20、好ましくは2〜15、更に好ましく
は3〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状の物が適当であ
る。
【0038】中でも好ましい溶媒としてはセバシン酸ジ
エチルエステル、セバチン酸ジブチルエステル、セバシ
ン酸ジオクチルエステル、セバシン酸ジ(2ーエチルヘ
キシル)エステル、アゼライン酸ジエチルエステル、ア
ゼライン酸ジブチルエステル、アゼライン酸ジオクチル
エステル、アゼライン酸ジ(2ーエチルヘキシルエステ
ル)、デカン酸エチルエステル、デカン酸プロピルエス
テル、デカン酸ブチルエステル、デカン酸アミルエステ
ル、デカン酸ヘキシルエステル、デカン酸ヘプチルエス
テル、デカン酸オクチルエステル、デカン酸(2ーエチ
ルヘキシル)エステル、デカン酸デシルエステル、オク
タン酸エチルエステル、オクタン酸プロピルエステル、
オクタン酸ブチルエステル、オクタン酸アミルエステ
ル、オクタン酸ヘキシルエステル、オクタン酸ヘプチル
エステル、オクタン酸オクチルエステル、オクタン酸
(2ーエチルヘキシル)エステル、オクタン酸デシルエ
ステル、オクタン酸(2ーブトキシエチル)エステル、
オクタン酸(2ーフェノキシエチル)エステル、オクタ
ン酸(2ーフェニルエチル)エステル、オクタン酸テト
ラヒドロフルフリルエステル、ドデカン酸ブチルエステ
ル、ミリスチン酸ブチルエステル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチル
エーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、
テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,
4ートリメチルーペンタンジオールジイソブチルエステ
ル、クエン酸アセチルトリブチルエステル、ブタン酸テ
トラフルフリルエステルなどが挙げられる。特にはグリ
コールジアルキルエーテルが好ましい。これら溶媒の無
機性/有機性値(I/O値)を表−3に示す。
【0039】
【表5】
【0040】本発明においては、2種類以上の溶媒を使
用することもでき、その場合、「有機溶媒の無機性/有
機性値」としては、各々の溶媒の無機性/有機性値の重
量平均をとった値を用いることとする。従来のインクジ
ェット方式に用いられているインクは、一般にアゾ系の
酸性染料、直接性染料などの水溶性染料を水に溶解した
物であるため、記録物の耐水性が悪く、また、記録時の
熱で分解しコゲーションを生じ易い。これに対し、本発
明の記録材料は耐熱性の良好な非水溶性色素を用いるた
め、コゲーションが無く、記録物の耐水性も良好であ
る。しかも、この色素と組み合わせて用いられる溶媒
は、記録紙中への浸透性が良好であり、色素を十二分に
付着させることができ、かつ、色素を発色させる発色助
剤としての作用もある。このため、本発明の記録材料を
用いると、PPC用紙へも転写が可能となり、高画質の
画像を形成することができる。また、記録材料の色素濃
度についても、従来では高々5重量%であったが、上記
の溶媒と色素の組合せからなる記録材料では、溶媒量を
50〜90重量%と広範囲に設定でき、色素濃度を10
重量%以上に高め、画像濃度を向上させることができ
る。
【0041】本発明の記録材料を用いる転写ヘッドは加
熱手段を備えた記録部と、記録材を貯蔵するインクタン
クと、記録部とインクタンクを結ぶ記録材通路とから構
成されてよい。転写ヘッドは、記録材の粘性率を調整す
るために全体を50℃まで加熱することができる。転写
時間を短縮するために1つの記録ヘッド上に記録部は2
個以上設けることもできる。記録材通路を通して、記録
部で消費された記録材を連続的に記録部へ補給できる。
【0042】加熱手段は、抵抗加熱ヒータ等の発熱体、
記録情報に応じて出力変化するレーザ、レーザと記録部
に設けられたレーザ光吸収剤(光熱変換体)の組み合わ
せ等が使用できる。レーザとして半導体レーザを利用す
ると、制御性が高く、小型軽量のヘッド部を構成でき
る。抵抗加熱ヒータは、記録部上に直接ポリシリコン等
の導電性物質を付着させて作製する。
【0043】本発明の記録材料の転写に使用できる印画
紙は、PPC用紙等の普通紙、アート紙等の上質紙等で
あるが、特に階調性と濃度が高い高品質の画像を得るた
めには、色素を発色させる樹脂として、ポリエステル、
ポリカーボネート、アセテート、エポキシ樹脂、ポリ塩
化ビニル等を基紙上に塗布して作製した専用紙も使用で
きる。得られた画像の保存安定性を向上させるには、転
写後の印画紙に樹脂フィルムをラミネートすることが効
果的である。
【0044】本発明の記録材料を用いて、記録の多色化
(特にフルカラー化)を達成するには、減法混色の三原
色のうち1色を呈する色素を含有する記録材料と、この
色素とは異なる減法混色の三原色の色を呈する少なくと
も1種類の色素を含有する記録材料とをそれぞれ選択的
に加熱し、例えば、この操作をイエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)に分解された画像信号について
それぞれ繰り返すことによってフルカラー化を達成でき
る。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。まず、図面を参照して説明する。図1〜図4は実施
例において用いた気化型熱転写プリンタヘッドを示す図
であり、図1(a)はその断面図及び図1 (b)は斜視
図、図2は平面図、図3は後述するカバー7を外した状
態の平面図であり、図4はその1部の部分拡大図であ
る。図5はシリアル型プリンタの概略図である。図1〜
図3に示されるように、プリンタヘッド1は、ヒートシ
ンクを兼ねたアルミ製のヘッドベース2、画像情報に応
じてヒータにより加熱される気化部とその気化部へ毛細
管作用により記録液を導く記録液導入路とを、シリコン
基板上に一体的に形成したヒータチップ3、ポッティン
グレジン4で覆われたドライバーIC5を実装し、転写
する画像データに合わせて各ヒータに電流を供給するよ
うに配線が形成されたプリント基板6、及びドライバI
C5の保護と色素の供給路を兼ねたカバー7により構成
されている。
【0046】ここで、ヘッドベース2には、記録液をプ
リンタヘッド1内に導入するための記録液導入孔8と、
ヒータチップ3をヘッドベース2に貼着する際にはみ出
す余分の接着剤の逃げ場となる溝9が形成されており、
また、カバー7の内部は、ヒータチップ3の記録液導入
路に記録液を供給するための記録液供給路10となって
いる。また、プリント基板6には、コネクタ用端子11
が設けられている。
【0047】ヒータチップ3の表面は、保護のためにN
iシート3aで覆われており、その内側には記録液導入
路を形成するためのシートレジスト3bがライン状に形
成されている。また、ヒータチップ3には、記録液を加
熱して気化するための複数のヒータと各ヒータにそれぞ
れ画像信号に基づいた信号電圧を印加し通電するための
配線及び各ヒータに記録液を供給するための記録液導入
路がリソグラフィープロセスにより形成されている。
【0048】即ち、図4 (ヒータチップ3の先端の気化
部13及びその近傍の部分拡大図)に示すように、例え
ば、ピッチLp=84.7μmでヒータ14が合計で2
56個形成されている。このとき1個のヒータ14が1
ドットを転写するので300DPIの解像度を実現でき
る。個々のヒータ14は20μm×20μmの大きさの
ポリシリコンによって形成され、このヒータ14には画
像信号に基づいた信号電圧を印加し通電するためのアル
ミニウム製の個別電極15と共通電極16とが接続され
ている。ここで、気化部13は、隔壁17により互いに
隔てられており、隔壁17に囲まれた凹部(記録液収容
部18)に記録液が収容される。また、ヒータ14上及
びその周囲には保護膜であるSiO2 (図示せず)を介
して径が2μm、隔壁が2μm、高さが6μmの微細な
円柱状の小柱体19が13×13本の群をなして気化部
13の構成要素の一つとして設けられている。
【0049】この小柱体19の高さは、記録液収容部1
8の底面からその上面に至るまでの高さ、即ち、各ヒー
タ14毎の記録液収容部18を取り囲む隔壁17の高さ
と同じ高さとなるように設けられており、しかも、各小
柱体19は多孔質構造となるように互いに微小間隙をも
って設けられている。従って、多孔質構造が毛細管作用
を生じ、そのため各小柱体19は記録液収容部18内で
記録液を保持することができる。それと共に、ヒータ1
4で記録液を加熱した場合、温度上昇に伴って記録液の
表面張力が低下するが、毛細管作用により記録液がヒー
タ14の表面付近から逃げることを防止することができ
る。このため、画像転写の際に、必要な記録液が連続的
に供給される。
【0050】このプリンタヘッド1は図1 (a)に示す
ように、被記録材(印画紙)12に対してベースの一端
2aのみで接触し、被記録材12に対して所定の角度に
なるように保持されている。これにより、気化部13と
被記録材12との間隔を一定に保つことができる。例え
ば、気化部13のヒータ14のセンター位置(図1
(a)中の1点鎖線)が、被記録材12に接触するヘッ
ドベース端部2aから1.85mmの位置にくるように
なっており、0.4mm厚のシリコン基板上に形成され
たヒータ14と被記録材12との距離が50μm(ただ
し、シリコン基板とヘッドベース2との間の接着層の厚
さを10μmとする)になるようにヘッドベース2と被
記録材12とのなす角を14°に保持する。
【0051】このように、ヘッドベース端部2aからヒ
ータのセンター位置までの距離と、被記録材12とヘッ
ドベース2とのなす角度とを適宜変化させることによ
り、ヒータ14と被記録材12との間の距離を任意の大
きさに設定することができる。本実施例においては、イ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色毎
に前述したようなプリンタヘッド1Y、1M及び1Cを
備えた図5に示すようなシリアル型プリンタを使用し
た。各プリンタヘッドは、フレキシブルハーネスを介し
てヘッド駆動回路基板(図示せず)に接続されている。
【0052】このシリアル型プリンタには、縦方向(X
方向)に紙を搬送する回転自在の紙送りローラ20と、
X方向と直交する方向(Y方向)にプリンタヘッドをス
キャンするためのヘッド送り軸21が設けられ、ヘッド
送り軸21は画像情報によりモータ(図示せず)により
自在に回転し、プリンタヘッド1をスキャンできるよう
になっている。これらの縦方向の紙送りと横方向のヘッ
ドスキャンは交互に行うように構成されている。
【0053】ここで、各プリンタヘッド1Y、1M及び
1Cにはそれぞれ256個のヒータ14が設けられてい
るので、本実施例で使用したシリアル型プリンタは、1
回のスキャンで256ライン分の印画を行う性能を有す
るものである。しかも、1回のスキャンが終了した時点
で、ヘッド支えを兼ねた紙送りローラ20でプラテン2
2上の被記録材(印画紙)12を256ライン分送り、
各色のヘッド1Y、1M及び1Cが印画紙12の所定の
位置から印画を開始するように1色毎に順次タイミング
を変えて印画を開始できるので、1回のスキャンでカラ
ー画像を印画することができるものである。なお、図5
に示すシリアル型プリンタに代えて、ライン型に構成さ
れたヘッドを有するカラープリンタを使用することがで
きる。以下、上述のシリアル型プリンタに使用した記録
の実施例を具体的に説明する。
【0054】実施例1 表−1のNo.1の色素をデカン酸ブチルに約25℃で
10重量%の濃度で溶解することによりシアン色記録液
を得た。これを、図1に示すプリンタヘッドの記録液導
入孔からインクタンクに導入すると、記録液体は通路を
通り自発的に記録ヒータチップの先端の気化部にまで自
然に導入された。次に、プリンタヘッドのヒータに、以
下のパルス電圧を印加することにより、記録液の印画紙
への熱転写を行った。
【0055】(パルス電圧条件)80mW、1階調あた
り、オン時間12μs、オフ時間2μsを1パルスと
し、1ドットあたり256パルスを印加。上記条件で普
通紙に熱転写したところ、マクベス反射型濃度計で計っ
て、光学濃度0.65の鮮明なシアン色のドットを形成
することができた。この転写を続けたところ、プリンタ
ヘッドの柱状部に焦げ付が生じ、シアン色の転写ができ
なくなったが、5000枚以上の大量の印画を行うこと
ができた。得られた記録部の反射分光スペクトルにおけ
るピーク波長は646nmであった。
【0056】実施例2 溶媒としてデカン酸ヘプチルを用いる以外は実施例1と
全く同様の試験を行ったところ、光学濃度0.71の鮮
明なシアン色のドットを形成することができ、5000
枚以上の印画を行うことができた。 実施例3 溶媒としてドデカン酸ブチルを用いる以外は実施例1と
全く同様の試験を行ったところ、光学濃度0.90の鮮
明なシアン色のドットを形成することができ、5000
枚以上の印画を行うことができた。
【0057】実施例4 溶媒としてオクタン酸エチルを用いる以外は実施例1と
全く同様の試験を行ったところ、光学濃度1.39の鮮
明なシアン色のドットを形成することができ、5000
枚以上の印画を行うことができた。 実施例5 溶媒としてジエチレングリコールジブチルエーテルを用
いる以外は実施例1と全く同様の試験を行ったところ、
光学濃度1.22の鮮明なシアン色のドットを形成する
ことができ、5000枚以上の印画を行うことができ
た。
【0058】実施例6 溶媒としてセバシン酸ジブチルエステルを使用した以外
は、実施例1と全く同様の方法で記録液の調製及び記録
試験を実施した結果、光学濃度0.43の鮮明なシアン
色のドットを形成することができ、5000枚以上の印
画を行うことができた。 実施例7 溶媒としてアゼライン酸ジ(2ーエチルヘキシル)エス
テルを使用した以外は、実施例1と全く同様の方法で記
録液の調製及び記録試験を実施した結果、光学濃度0.
40の鮮明なシアン色のドットを形成することができ、
5000枚以上の印画を行うことができた。
【0059】実施例8 溶媒としてジエチレングリコールモノブチルエーテルア
セテートを使用する以外は実施例1と全く同様の方法で
記録液の調製及び記録試験を実施した結果、光学濃度
0.92の鮮明なシアン色のドットを形成することがで
き、5000枚以上の印画を行うことができた。 実施例9 溶媒として2、2、4ートリメチルー1,3ーペンタン
ジオールジイソブチルエステルを使用した以外は、実施
例1と全く同様の方法で記録液の調製及び記録試験を実
施した結果、光学濃度0.59の鮮明なシアン色のドッ
トを形成することができ、5000枚以上の印画を行う
ことができた。
【0060】比較例1 溶媒としてフタル酸ジブチルエステルを用いる以外は実
施例1と全く同様の試験を行ったところ、得られた印画
物の光学濃度は0.25であった。 実施例10 色素として表−1のNo.11のマゼンタ色素を用いる
以外は実施例4と全く同様の試験を行ったところ、光学
濃度2.2の鮮明なマゼンタ色のドットを形成すること
ができ、5000枚以上の印画を行うことができた。得
られた記録部の反射分光スペクトルにおけるピーク波長
は524nmであった。
【0061】実施例11 溶媒としてトリエチレングリコールジメチルエーテルを
用いる以外は実施例10と全く同様の試験を行ったとこ
ろ、光学濃度2.16の鮮明なマゼンタ色のドットを形
成することができ、5000枚以上の印画を行うことが
できた。 比較例2 溶媒としてフタル酸ジブチルエステルを用いる以外は実
施例10と全く同様の試験を行ったところ、得られた印
画物の光学濃度は0.75であった。上述した実施例及
び比較例の結果を下記表−4に示す。
【0062】
【表6】
【0063】
【発明の効果】本発明の熱転写記録材料は、安全衛生面
で信頼性の高い溶媒を使用しているため、使用に当たっ
て安全衛生面での懸念が無く、また、加熱に対して十二
分の耐熱性を有し、分解生成物によるコゲーションは殆
ど生じないため、繰り返し記録時でも多孔質構造の作用
を保持し、有効に発揮させることができる。また転写感
度が高いために高濃度の記録が可能である。この場合、
多孔質構造によって小さいサイズの液滴を多数形成で
き、かつ記録液加熱部への記録情報に対応した加熱エネ
ルギーに応じて液滴の生成数を自由に制御することがで
きるので、多値濃度階調が可能になり、銀塩方式の画像
と同等若しくはそれ以上の画質をもつ記録(例えばフル
カラー画像)を得ることができる。また、熱転写方式の
記録であるため、記述した小型化、保守容易性、即時
性、画像の高品位化、高階調性等の特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用したプリンタヘッドの断面図(同
図(a))と下方斜視図(同図(b))である。
【図2】実施例で使用したプリンタヘッドの平面図であ
る。
【図3】実施例で使用したプリンタヘッドの平面図であ
る。
【図4】実施例で使用したプリンタヘッドの部分拡大図
である。
【図5】実施例に使用したシリアル型プリンタの概略図
である。
【図6】従来の感熱記録ヘッドを用いたプリンタの要部
の概略正面図である。
【符号の説明】 1 プリンタヘッド 2 ヘッドベース 3 ヒータチップ 4 ポッティングレジン 5 ドライバIC 6 プリント基板 7 カバー 8 記録液導入孔 9 溝 10 記録液供給路 11 コネクタ用端子 12 被記録材(印画紙) 13 気化部 14 ヒータ 15 個別電極 16 共通電極 17 隔壁 18 記録液収容部 19 小柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 勇吉 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 篠崎 研二 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 平野 栄樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 松本 達彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H111 AA27 AA47 BA03 BA21 BA38 BA55 BA76 4J039 BC13 BC14 BC15 BC17 BC20 BC40 BE02 BE12 EA45 GA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質構造を有する転写部に毛管現象に
    よって導かれ、加熱によって状態変化して、前記転写部
    に対向した被転写体へ移行せしめられる熱転写記録材料
    であって、少なくとも脂肪族カルボン酸エステル、グリ
    コールエステル及びグリコールエーテルから選ばれる1
    種以上の有機溶媒と該有機溶媒に溶解する色素を含有
    し、該有機溶媒及び色素の無機性/有機性値が0.1〜
    1.5の範囲にあり、色素の無機性/有機性値と該有機
    溶媒の無機性/有機性値との差が0.7以下である事を
    特徴とする熱転写記録材料。
  2. 【請求項2】 該有機溶媒が、こはく酸ジアルキルエス
    テル、グルタル酸ジアルキルエステル、アジピン酸ジア
    ルキルエステル、スベリック酸ジアルキルエステル、ア
    ゼライン酸ジアルキルエステル、セバシン酸ジアルキル
    エステル、ドデカンジオイック酸ジアルキルエステル、
    オクタン酸アルキルエステル、ノナン酸アルキルエステ
    ル、デカン酸アルキルエステル、ドデカン酸アルキルエ
    ステル及びミリスチン酸アルキルエステルから選ばれる
    脂肪族カルボン酸エステルである請求項1に記載の熱転
    写記録材料。
  3. 【請求項3】 該有機溶媒がエチレングリコール、プロ
    ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
    ピレングリコール、1,4ーブタンジオール、ジエチレ
    ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
    ングリコール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
    ンタンジオールのモノアルキルエーテルモノアルキルエ
    ステル及びジアルキルエステルから選ばれるグリコール
    エステルである請求項1に記載の熱転写記録材料。
  4. 【請求項4】 該有機溶媒がジエチレングリコールジア
    ルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエ
    ーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテ
    ル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル及びト
    リプロピレングリコールジアルキルエーテルから選ばれ
    るグリコールエーテルである請求項1に記載の熱転写記
    録材料。
  5. 【請求項5】 加熱によって気化されるか或いは径が2
    0μm以下のミストを発生し、10〜1000μmの間
    隙を介して対向配置された被転写体上に転写される記録
    材料であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    1項に記載した熱転写記録材料。
  6. 【請求項6】 転写部の多孔質構造が、0.2〜3μm
    の一辺又は直径、1〜15μmの高さを有する柱状体か
    ら形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載した熱転写記録材料。
  7. 【請求項7】 転写部の多孔質構造が0.5〜3μmの
    一辺又は直径、1〜15μmの高さを有する柱状体を、
    0.5〜10μmの間隔で3行以上及び3列以上配置す
    ることによって形成されていることを特徴とする請求項
    6に記載した熱転写記録材料。
  8. 【請求項8】 分子量が450以下であり、融点が50
    ℃以下であり、沸点が150℃以上、400℃以下であ
    り、無色であり、かつ空気中で200℃に加熱したとき
    の残留分の割合が0.01重量%以下の溶媒に、色素が
    50℃以下で5重量%以上溶解していることを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれか1項に記載した熱転写記録
    材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005037938A1 (ja) * 2003-10-20 2005-04-28 Sony Corporation 記録液、液体カートリッジ、液体吐出装置及び液体吐出方法
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