JP5020700B2 - インクジェット記録用インクタンク - Google Patents

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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks

Description

本発明は、インク等の液体を吐出して記録動作を行うインクジェット記録装置に用いられるインクジェット記録用インクタンクに関する。
従来、インクを用いて記録媒体に記録する記録装置の中で、記録ヘッドへインクを供給するインクタンクは、インク保持方式により大きく2つに分類される。
第1の方式は、インクを保持するインクタンクが装置本体内に内蔵され、インクタンクから記録ヘッドまでのインク供給路にチューブ等を用いてインクを供給する方式である。
第2の方式は、インクタンク内全体にインク吸収体を配置しその毛細管力によりインクを保持し、記録ヘッドのインク吐出孔の毛細管力とのつりあいによりインク吐出孔のメニスカスを維持する方法である。この吸収体インクタンク方式では、インク吸収体の最大保持能力よりインクを少なく保持させて、インクを保持しない大気連通孔側のインク吸収体の大気とインクの気液界面を生じさせている。この気液界面での毛細管力によりインクがインク吸収体内に保持される。更に、インク吸収体を用いるインクタンクとしては、区分インク室方式がある。この方式を採用したタンクとして、負圧発生部材を収容した負圧発生収容部と負圧発生部材収容部に隣接したインクを収容するインク収容部とが、通路により連通され、大気を導入する通路が連通路の近傍にまで導入形成されたタンクが知られている。(特許文献1参照)。
一方、インクの動的表面張力に着目して、インクを安定して吐出させるために、吐出口とインクタンクインク室での動的表面張力をバランスさせる方法が提案されている。(特許文献2参照)。この提案において着目されているのは、吐出口からの吐出時のインクの動きがはやい状態に相当する10Hzでの動的表面張力と、インク室での吐出口からのインク供給量に相当するインクの動きの遅い1Hzでの動的表面張力の関係である。この提案では、動きの早い状態におけるインクの動的表面張力と、動きの遅い状態での動的表面張力の差を7mN/m以下に調節している。この動的表面張力差の調節により、インクを安定して吐出させるための吐出口での高周波数での動的表面張力と、インク室での低周波数での動的表面張力とをバランスさせている。このバランスによりインク液滴の安定吐出が達成されるとされている。
又、乾燥粘度が100mPa・s以下であり、寿命時間10m秒における動的表面張力が45mN/m以上、寿命時間1000m秒における動的表面張力が35mN/m以下であるインクに関する提案がある(特許文献3参照)。
一般に、インクジェット用のインクは、要求される記録特性や記録媒体上での定着特性などに応じて設計される。更に、インク吸収体などのインク保持部材を有するインクタンクでは、インクタンクの記録ヘッドに対するインク供給特性、物流時のインク保持性を決定する毛管特性が設定される。上記のインクタンクにおいて検討される事項の一つに、インクタンク内でのインクの使用量(残存量)と静負圧との関係がある。図1に、一般的なインクの使用量と静負圧の変化の関係を示す。なお、図1における「インク切れ」は、記録ヘッド側へのインクの供給切れを意味する。これらの関係から、インクの静的表面張力のインクタンク特性への影響を考察することができる。
まず、静的表面張力の低いインクはインク保持部材に対する浸透効果が高い。そのため、図1に図示の静負圧挙動は全体に下方にシフトし、インク切れの発生する静負圧PBに到達するまでの時間が遅くなる。すなわち、「インク切れ」発生までのインク使用量を多くすることができ、インクの使いきり性は良くなる傾向を示す。しかしながら、初期静負圧PEは低下してしまう。この初期静負圧(PE)の低下は物流における震動や減圧などでのインクの動きを活発にする方向へ作用するため、インク漏出等の問題発生をもたらす方向に作用する。一方、静的表面張力の高いインクは、インク保持部材に対する浸透効果が低い為、図1に図示の静負圧挙動は全体に上方にシフトし、初期静負圧PEが上昇する。その為、物流における震動などでのインクの動きを押さえる方向へ作用し、物流時の信頼性が向上する方向にある。逆に、インク切れの発生する静負圧PBに到達するまでの時間が早まる為、「インク切れ」までのインク使用量は低下する傾向となる。すなわち、インクの使いきり性は低下する傾向にある。そこで、インクタンクの構造やインク保持部材の材質や形態などを考慮することで、上記物流時の衝撃による信頼性と、上記インクの使いきり性とのバランスを取ることが行われてきた。
他方、インクタンクとインクジェット記録ヘッドが一体型のインクタンクの場合には、上記物流時の信頼性やインクの使いきり性の問題以外に、インクジェットヘッドをインクジェット記録装置に装着する際の衝撃の課題がある。これは、衝撃発生によりインク保持部材中のインクが移動することで、記録ヘッドの吐出口にあるインクがタンク側に引き込まれてしまう現象を引き起こすことである。これは、装置側の吸引機構により戻すこともできる。
特開平06−040043号公報 特開2004-107480号公報 特開2003−231838号公報
前述したように、インクタンクとインクジェット記録ヘッドが一体型のインクタンクの場合やインクタンク単体の場合に、物流時の信頼性を確保する課題とインクの使いきり性の課題を説明してきたが、以下に述べる課題については、明確な認識がされていず、その解決手法も提案されていないのが現状である。即ち、インク注入性や注入されたインク分布状態の改善という課題である。以下説明する。従来のインクタンクにおいては、インクタンクへのインク注入性においても、インクの静的表面張力に応じた課題があった。静的表面張力の低いインクは、浸透効果が高いためインク注入は短時間で行うことができる。その一方で、浸透効果が高いために、インク保持部材の形状や内部構造のバラツキに応じてインクが浸透する。その結果、保持部材中へのインクの充填後の存在状況にバラツキが生じる場合がある。逆に、静的表面張力の高いインクでは、通常、インク保持部材の界面張力よりもインクの表面張力が高くなり、インク保持部材に対するインクの浸透効果は低くなるので、充分な量を充填できない。
従って、本発明の目的は、以下の少なくとも1つの課題を達成することにある。本発明の第1の課題は、インクタンクの負圧発生部材とインクの物性との関係に着目し、物流時の衝撃による信頼性とインクの使いきり性の両立を達成できる新規なインクタンクを提供することにある。本発明の第2の課題は、インクの注入性の容易性或いは/且つ注入されたインク分布状態の改善を達成できる新規なインクタンクを提供することにある。又、本発明の第3の課題は、インクジェットヘッドと一体のインクタンクの場合、プリンターのキャリッジや装着部に取り付ける際のヘッド装着時衝撃があっても、インク漏れが発生することのなく、優れた信頼性を確保したヘッドタンク一体型ユニットを提供することにある。
本発明は上記のインクタンクにおける問題をインク吸収体の界面張力とインク物性によって解決すべく、上記各環境下におけるインクの挙動を解析することで、インクの動的表面張力に着目し、インク吸収体の吸収特性との相関についてなされた発明である。そして、動的表面張力変化を有するインクにおいて以下の知見を得た。即ち、初期変位における動的挙動時の表面張力が高いと、インク保持部材中のインク、特にその気液界面は動き難い傾向となり、衝撃時におけるインク漏れの発生を抑える効果が生じる。一方、インクのインクタンク内への充填操作や、インクタンクから記録ヘッド側へのインク供給は、微小な時間での初期変位と比較すると、相対的に長い時間にわたる定常的な変位である。この定常的な変位時における動的表面張力が低いと、インク保持部材への充填性、インク保持部材中での浸透性、記録ヘッドへのインク供給性などを良好なものとすることができる。物流時や記録装置への装着時にかかる衝撃は、初期変位に相当し、この初期変位と定常的変位との両方にバランスよく対応可能な動的表面張力変化を有するインクを用いることで、上述した課題の達成が可能となる。その結果、インクタンクの構造やインク保持部材の形状及び材質への自由度を大きくすることも可能となる。本発明は、上記知見を基になされた発明である。
本発明にかかるインクジェット記録用インクタンクは、
インクと、毛細管力によって発生する負圧によって前記インクを保持するインク保持部材と、を有し、
前記インクの動的表面張力が、最大泡圧法による寿命時間50m秒において前記インク保持部材の界面張力より大きく、最大泡圧法による寿命時間500m秒以内に前記インク保持部材の界面張力より小さくなる
ことを特徴とするインクジェット記録用インクタンクである。
本発明によれば、従来から存在していたが解決の対象とされていなかった課題を解決し、機械的衝撃等によるインクの漏出がなく、インク使用効率の高いインクタンク或いはインクジェット記録ヘッド一体型インクタンクを提供することができる。本発明は、インクと負圧発生部材との毛管力を物流時の衝撃、および、ヘッド装着時の衝撃に対する微小時間での毛管力と、インク使用時における長い時間での毛管力変化に着目して初めてなされたものである。そのため、本発明によれば、インクの動的表面張力を調整することで物流時の衝撃による信頼性と、インクの使いきり性を抜本的に改良することができた。また、インクジェット記録ヘッド一体型のインクタンクにおける装着時の印字不良の低減も可能である。さらには、インクタンクへのインク注入性の改良は特に優れていた。
先に挙げた特許文献3における動的表面張力は、記録ヘッド内でのインクの吐出性能と吐出口へのインクの供給性能とのバランスを図る上で選択されている。したがって、特許文献3は、インクタンクにおけるインクの動的挙動に基づく設計における動的表面張力の重要性についてはなんら開示も示唆もしていない。また、特許文献3の記載からは、記録ヘッドからの吐出性や記録媒体上での定着性などの記録操作側における各種の特性を考慮しても、インクタンク設計においてインクの動的表面張力が重要であるとの認識を得ることは出来なかった。
本発明は、上記課題に対して検討された以下の結果に基づいてなされたものである。
1)動的表面張力変化を有するインクとして、初期変位における動的挙動時の表面張力がインク保持部材の界面張力より高いと、インク保持部材中のインク、特にその気液界面は動き難い傾向となり、衝撃時におけるインク漏れの発生を抑える効果が生じる。一方、インクのインクタンク内への充填操作や、インクタンクから記録ヘッド側へのインク供給は、微小な時間での初期変位と比較すると、相対的に長い時間にわたる定常的な変位である。この相対的に長い時間にわたる定常的な変位時における動的表面張力がインク保持部材の界面張力より低いと、インク保持部材への充填性、インク保持部材中での浸透性、記録ヘッドへのインク供給性などを良好なものとすることができる。物流時や記録装置への装着時にかかる衝撃は、初期変位に相当し、この初期変位と定常的変位との両方にバランスよく対応可能な動的表面張力変化を有するインクを用いることで、上述した課題の達成が可能となる。その結果、インクタンクの構造やインク保持部材の形状及び材質への自由度を大きくすることも可能となる。
2)さらに、インク保持部材内の新たな領域に侵入するインク先端部は上記の初期変位時にある。この際、インクの動的表面張力をインク保持部材の界面張力より高くしておくと、適度に制御された均等拡散的なインク充填が行われ、インクが溢れることのない浸透速度が得られる。その結果、インク保持部材内にある空気が取り残された気泡の発生という課題を根本的に解決できた。この際、逆にインクの表面張力がインク保持部材の界面張力より低い場合、インク保持部材中での浸透性が高いため、繊維や発泡気孔のばらつきに左右された特別な部分の浸透方向に浸透速度が極大となり、インクの充填にバラツキを生じる。特に、初期変位時の動的表面張力を高く設定したインクであれば、浸透速度が適度に制御され、注入部から均一な浸透が行なわれ、均一な充填量分布をもつタンクを得る事が出来る。更に、定常変位時における動的表面張力をインク保持部材の界面張力より低く設定しておくことで、浸透しているインクの先端部へのインクの補充も途切れることなく連続的にスムーズに行われる。
尚、インクの動的表面張力の変化は、目的とするインクタンクの性能に応じて設定することができるが、最大泡圧法による寿命時間50m秒における表面張力を、前記インク保持部材の界面張力より大きく設定することが好ましい。更に、最大泡圧法による寿命時間50m秒における動的表面張力よりも寿命時間5000m秒における動的表面張力が低く、これらの差が8mN/m以上であることが好ましい。これらの差は、30mN/m以下であることが更に好ましい。
そこで、本発明のインクタンクの第一の態様では、インクとインク保持部材は以下の関係を有する。
(1)インクの寿命時間50m秒における動的表面張力が、インク保持部材の界面張力よりも大きく、かつ、インクの寿命時間5000m秒における動的表面張力がインク保持部材の界面張力より低い。
(2)インクの寿命時間50m秒における動的表面張力と寿命時間5000m秒における動的表面張力との差が8mN/m以上である。
また、本発明のインクタンクの第二の態様では、インクとインク保持部材は以下の関係を有する。
(1)寿命時間50m秒におけるインクの動的表面張力がインク保持部材の界面張力より大きく、且つ寿命時間5000m秒以内にインクの動的表面張力がインク保持部材の界面張力より小さくなる。このインクの動的表面張力がインク保持部材の界面張力より低くなる寿命時間が500m秒以内であることが更に好ましい。
以下に、発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。尚、本発明における動的表面張力は、25℃において測定した値である。
上述したとおり、本発明の技術思想は、インクと負圧発生部材との毛管力を物流時の衝撃、および、ヘッド装着時の衝撃に対する短い時間での毛管力、インク使用時における長い時間での毛管力変化に着目し、インクの動的表面張力を調整することを主とする。
以下、本発明者らの知見に基づいて、各課題に関して説明する。
まず、物流時の衝撃によるインク漏出、および、ヘッド装着時の衝撃に対する吐出口でのインク後退について述べる。これらの現象は、短時間(m秒オーダー)におけるインク保持部材でのインクの移動によるものであり非常に急激な界面現象である。この問題には、短時間でのインク保持部材とインクのヌレをなくすことで対応することができる。インク保持部材とインクのヌレをなくす方法としては、インクの表面張力を印字保持部材の表面張力より高くすることで、インクと保持部材のヌレをなくすことが可能になる。その結果、衝撃によるインクの移動を防ぐことでインクの漏出を押さえることが可能となる。
次に、インク使用時の使いきり性について説明する、インク使用時のインク使いきり性は、図1に示すようにインクの表面張力が低いほどインク切れの発生する静負圧PBに到達するまでのインク使用量が遅くなる。このインク使用中のインクの表面張力を低くすることでインクの使いきり性を向上することができる。このインク切れの発生する静負圧PBは、インク保持部材とインクの毛管力により決定される。
このインク使用時のインク保持部材とインクの関係は記録ヘッドから吐出されるインクの使用量に対応した、インク保持部材でのインクと空気界面の毛管移動減少である。インク保持部材でのインクと空気界面の毛管移動の速度は、物流時の衝撃や、ヘッド装着時の衝撃に比べ、非常にゆるやかな界面現象である。つまり、物流時の衝撃による信頼性と、インクの使いきり性をコントロールする為の方法として、急激な(短時間)界面減少に対しては、インクの表面張力が高く、ゆるやかな(長時間)界面現象に対してはインクの表面張力を低くすることが有効である。この短時間と長時間の界面現象に着目することが重要であり、この点に基づいて、インクの動的表面張力が短時間では高く、長時間では低くなるようなインクを用いることが有効であるとの結論を得た。
また、インクの表面張力が高いインクをインク保持部材に注入する際には、インク保持部材に対する浸透効果が低い。その為、インク保持部材の表面エネルギーよりも高い表面張力を有するインクでは、先に説明のとおり、減圧注入や加圧注入等で、過剰に注入(強制的に濡らす)した後、過剰なインクを抜き取る等と特殊な作業が必要であった。これに対しても、インクの動的表面張力が短時間では高く、長時間では低くなるようなインクが有効であるとの結論を得た。すなわち、このようなインクは、注入直後は保持部材に対してのヌレを有さないが、初期時間経過後には、表面張力が低下していき、保持部材に対するヌレが生じる。その為、減圧注入や加圧注入等の特殊な作業を行う必要がない。この際、注入後のインクとインク保持部材とのヌレが生じるのに必要な時間は、物流時や、ヘッド装着時の振動での短い時間での衝撃ではヌレを生じない時間以上必要である(50m秒以上はインクの表面張力がインク保持部材の界面張力以上であればよい)。
これまでに、上記した特許文献2、3のように、インクの動的表面張力変化についての提案がある。特許文献2は、インク吐出状態での10Hz(100m秒)での動的表面張力と1Hz(1000m秒)での動的表面張力の差を7mN/m以下としている。これは吐出状態での吐出口とインク室での表面張力のバランスについて述べているものである。すなわち、インクの吐出時の吐出口と、インク室での同じ時間での現象についての現象であり、本件は、外部から加わる衝撃と、インク使用時の使いきりとは、それぞれ異なる時間での現象である。また、特許文献2、3で述べられている10Hz(100m秒)での動的表面張力は、ヘッドの吐出口からの吐出に関する微細領域での振動に関するファクターとしては十分である。ところが、本件のインクタンク全体に外部から加えられた衝撃に対する振動がおさまる時間にたいしては、10Hz(100m秒)での動的表面張力は時間的に短すぎる。また、インク使用時の使いきりについては、インクタンクの保持部材でのインクと大気との界面のゆるやかな変化に対応する時間である為、1000m秒での動的表面張力では、インクによっては表面張力の変化がおさまっていない場合もあり、短すぎる。
ここで、本発明において動的表面張力の測定に用いている最大泡圧法について説明する。最大泡圧法とは、測定する液体中に浸したプローブ(細管:キャピラリーともいう)の先端部分で形成された気泡を放出するために必要な最大圧力を測定して、この最大圧力から表面張力を求める方法である。又、寿命時間は、最大泡圧法において、プローブの先端部分で気泡を形成する際に、気泡が先端部分から離れた後に新しい気泡の表面が形成された時点から、最大泡圧時(気泡の曲率半径とプローブ先端部分の半径が等しくなる時点)までの時間である。
尚、最大泡圧法による寿命時間5000m秒における動的表面張力は、一般に用いられる静的表面張力、即ち、Wilhelmy法(プレート法)による表面張力の値と比較して若干高い値となる。通常のインクジェット記録用インクに用いられるインクであれば、最大泡圧法による測定での5000m秒の動的表面張力は、動的表面張力変化がなくなる時間である。このため、本発明においては、静的表面張力ではなく、最大泡圧法による寿命時間50m秒及び寿命時間5000m秒における動的表面張力をコントロールすることが必要である。
図2に一般的な動的表面張力変化のグラフを示す。図2中(1)は、従来インク(静的表面張力が高いインク)、(2)は、従来インク(静的表面張力が低いインク)の動的表面張力を示す。従来のインクでは動的表面張力の変化は少なく、静的表面張力が変わっても、動的表面張力の50m秒と5000m秒の差は変わらない。(3)は、本発明の動的表面張力変化を有するインクを示す、本発明の動的表面張力変化を有するインクは、従来のインクに比べて表面張力の時間変化が大きいことがわかる。
<インクタンク>
次に、本発明に好適に用い得るインクタンクについて説明する。インクタンクの形態を大別すると以下の2つのタイプがある。
(A)インクジェット記録ヘッドと一体化されてキャリッジに着脱される形態(一体型タイプ)。
(B)インクジェット記録ヘッドと分離可能に構成されインクタンク単体でキャリッジに着脱できる形態(分離型タイプ)。
以下簡単に構成を説明する。
<分離型タイプ>
分離型タイプには、以下の2種のタイプがある。
・インクタンクのほぼ全域に吸収体を収納した形態のインクタンク(以下、便宜的に全スポタンクと称する)。
・インクタンク内を2つの空間に区分して一方の室に吸収体を、他方の室にインクを直接収容する形態のタンク(以下、便宜的に半生タンクと称する)。
<半生タンク>
半生タンク1は、図3(a)に示すとおり、略直方体形状をなしており、使用時の姿勢における上面部となる上壁16には大気連通口7が設けられている。また、使用時の姿勢における底面部となるインクタンク1の下壁17には、吐出用液体供給口としてのインク供給口14を有し筒状に突出したインク供給筒13が形成されている。また、インクタンク1の筐体を形成する側壁部には、弾性変形可能なレバー部材9が一体的に設けられており、その中間部には係止用突起10が形成されている。
さらに、インクタンク1は、負圧発生部材としての吸収体6を収容する負圧発生部材収納室4(第1室)と、内部に直接インクを収容可能な液体収納室3(第2室)とを備えている。負圧発生部材収納室4には、その上壁16近傍に負圧発生部材の存在しない領域としてのバッファ部15を備え、このバッファ部は大気連通口7を介して外部と連通している。また、負圧発生部材収納室4にはインク供給筒14が設けられ、該供給筒内には吸収体6よりも毛管力が高くかつ押圧に対して変形しにくい圧接体5を備えている。液体収納室3は隔壁12を隔てて負圧発生部材収納室4に隣接しており、隔壁12に形成された連通口11を介して負圧発生部材収納室に連通している。液体収納室3は、この連通部11以外は実質的な密閉空間を形成している。第2室の上面部には、インク注入及びインク注入時に第2室内の空気を外部に排出するためのインク注入用開口部2が設けられ、ボールやフィルムなどの封止部材8により封止されている。
<全スポタンク>
全スポタンク21は、図3(b)に示すとおり、インク収納用筐体22と、筐体22を覆い大気連通用開口25を備えた蓋部材23を有する。更に、このタンクは、蓋部材23の上部に取りつけられ大気連通用開口25からのインク漏れが外部に至らないようにバッファ室となる空間を有する。更に、このタンクは、その一部に大気連通用開口25の位置とことなる位置に大気開放口と、記録ヘッドカートリッジ(不図示)に対する着脱を行う際に利用される摘み部24aを有した上部部材24とを有している。
そして、インクタンクの底部には、記録ヘッドカートリッジの導出管(不図示)が挿入されるインク供給開口28とその周囲に突出して設けられたリブ35、インク供給開口28とリブ35とを連結する傾斜部34a、34bを有している。リブ32はインクタンク21の装着のガイドとして利用される。
インクタンク21の内部は、図3(b)に示されるように、インク吸収体26が収納されており、インク吸収体26とインク供給用開口28との間にはインク導出部材27が備えられている。そしてインク導出部材27をタンク内に支持するための支持部29がインク供給用開口28に対応して立設されている。この支持部29の内面の一部にはインクタンクの内部と外部とを連通するスリットが設けられている。
また、蓋部材23にはインク吸収体26と蓋部材23との間に所定の空間を構成するようにリブ33と、蓋部材23の表側には帯状凸部23aとが設けられている。帯状凸部23aは、記録ヘッドカートリッジ(不図示)に設けられた一部と係合してインクタンク21に対して上部から下方に向かう方向の力を与えインクタンクの装着状態を安定化させる。
さらにインクタンクの内部側面には上下に連続したリブ31が複数設けられ、インクタンクの側面とインク吸収体との間に所定の空間部分が形成される。
<インクジェット記録ヘッド一体型インクタンク>
次に、インクジェット記録ヘッド一体型インクタンクについて説明する。図4から図9は、本発明が実施または適用される好適な記録ヘッドを説明するための説明図である。以下、これらの図面を参照して各構成要素について説明する。
記録ヘッドは図4及び図6に示すようにインクタンク一体構成となっている。図4中の第1の記録ヘッドH1000はブラックインクを、図6中の第2の記録ヘッドH1001はカラーインク(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)をそれぞれ搭載している。これら記録ヘッドH1000及びH1001は、インクジェット記録装置本体に載置されているキャリッジの位置決め手段および電気的接点によって固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱可能となっており、搭載したインクが消費されるとそれぞれ交換される。
次にこれら記録ヘッドに関して、さらに詳しく記録ヘッドを構成しているそれぞれの構成要素毎に順を追って説明する。
(1)記録ヘッド
本実施例における第1の記録ヘッドH1000及び第2の記録ヘッドH1001は、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドである。電気熱変換体とインク吐出口とが対向するように配置された、いわゆるサイドシュータ型の記録ヘッドである。
(1−1)第1の記録ヘッド
第1の記録ヘッドH1000はブラックインク用として使用されるもので、図4の分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、電気配線テープH1300、インク供給保持部材H1500、フィルターH1700、インク吸収体H1600、蓋部材H1900、およびシール部材H1800から構成されている。
(1−1−1)第1の記録素子基板
図5は第1の記録素子基板H1100の構成を説明するために一部破断して示す斜視図である。第1の記録素子基板H1100は、例えば、厚さ0.5〜1mmのSi基板H1110にインク流路である長溝状の貫通口のインク供給口H1102がSiの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブラストなどの方法で形成されている。
インク供給口H1102を挟んだ両側には、電気熱変換素子H1103がそれぞれ1列ずつ並べて配置されて形成されている。さらに電気熱変換素子H1103に電力を供給するAlなどからなる不図示の電気配線が形成されている。これら電気熱変換素子H1103と電気配線とは成膜技術により形成されている。電気熱変換素子H1103は、各列千鳥状に配列されて、すなわち各列の吐出口の位置が、その並び列方向に直交する方向に並ばないように少しずれて配置されている。さらに、この電気配線に電力を供給したり、電気熱変換素子H1103を駆動するための電気信号を供給したりするための電極部H1104が電気熱変換素子H1103の両外側の側辺に沿って配列して形成されている。電極部H1104上にはAuなどからなるバンプH1105が形成されている。プレートにインク吐出口1107の多数を開口して吐出口群1108が形成されており、各吐出口にはインク流路壁1106で仕切られた流路からインクが供給される。
(1−1−2)インク供給保持部材
インク供給保持部材H1500は、例えば、樹脂成形により形成されている。樹脂材料には、形状的剛性を向上させるためにガラスフィラーを5〜40%混入した樹脂材料を使用することが望ましい。図4に示すように、インク供給保持部材H1500は、内部にインクを保持し負圧を発生するための吸収体H1600を有する。このことでインクタンクの機能と、記録素子基板H1100にそのインクを導くためのインク流路を形成することでインク供給の機能とを備えている。インク吸収体H1600としては、ポリプロピレン(PP)繊維を圧縮したものが使われているが、ウレタン繊維を圧縮したものでもよく、インクの毛細管力による負圧発生によりインクを保持しているものであればいずれのものであっても良い。インク流路の上流部であるインク吸収体H1600との境界部には、記録素子基板H1100内部にゴミの進入を防ぐためのフィルターH1700が溶着により接合されている。フィルターH1700は、SUS金属メッシュタイプでも良いが、SUS金属繊維焼結タイプのほうが好ましい。
インク流路の下流部には、第1の記録素子基板H1100にブラックのインクを供給するためのインク供給口H1200が形成されている。第1の記録素子基板H1100のインク供給口1102がインク供給保持部材H1500のインク供給口H1200に連通するよう、第1の記録素子基板H1100がインク供給保持部材H1500に対して位置精度良く接着固定される。この接着に用いられる第1の接着剤は、低粘度で硬化温度が低く、短時間で硬化し、硬化後比較的高い硬度を有し、かつ、耐インク性のあるものが望ましい。例えば、第1の接着剤としては、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤が用いられ、その際の接着層の厚みは50μm程度が望ましい。
また、第1の記録素子基板H1100の接着面周囲の平面には、電気配線テープH1300の一部の裏面が第2の接着剤により接着固定される。第1の記録素子基板H1100電気配線テープH1300との電気接続部分は、第1の封止剤H1307および第2の封止剤H1308(図6参考)により封止され、電気接続部分をインクによる腐食や外的衝撃から保護されている。第1の封止剤H1307は、主に電気配線テープH1300の電極端子H1302と記録素子基板のバンプH1105との接続部の裏面側と記録素子基板の外周部分H1303を封止する。第2の封止剤H1308は、上述の接続部の表側H1304を封止している。そして、電気配線テープH1300の未接着部は折り曲げられ、インク供給保持部材H1500の第1の記録素子基板H1100の接着面にほぼ垂直な側面に熱カシメもしくは接着等で固定される。
(1−1−3)蓋部材
蓋部材H1900は、インク供給保持部材H1500の上部開口部に溶着されることで、インク供給保持部材H1500内部を密閉するものである。但し、蓋部材H1900にはインク供給保持部材H1500内部の圧力変動を逃がすための細口H1910とそれに連通した微細溝H1920を有している。細口H1910と微細溝H1920のほとんどをシール部材H1800で覆い微細溝H1920の一端部を開口することで大気連通口を形成している。また、第1の記録ヘッドをインクジェット記録装置に固定するための係合部H1930を有している。
(1−2)第2の記録ヘッド
図6に示す第2の記録ヘッドH1001はシアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを吐出させるためのものである。図7の分解斜視図に示すように、第2の記録ヘッドH1001は、記録素子基板H1101、電気配線テープH1301、インク供給保持部材H1501、フィルターH1701、H1702、H1703、インク吸収体H1601、H1602、H1603を有する。第2の記録ヘッドH1001は、更に、蓋部材H1901、およびシール部材H1801を有する。
(1−2−1)第2の記録素子基板
図8は第2の記録素子基板H1101の構成を説明するために一部破断して示す斜視図である。シアン、マゼンタ、イエロー用の3個のインク供給口H1102が並列して、各吐出口群H1108が形成されている。それぞれのインク供給口H1102を挟んでその両側に電気熱変換素子H1103と吐出口H1107とが一列に並んで千鳥状に配置されて形成されている。そしてSi基板H1101上には、Si基板H1110および第1の記録素子基板H1100と同様に、電気配線、ヒューズ、電極部H1104などが形成されており、その上に樹脂材料でフォトリソグラフィ技術によってインク流路壁H1106や吐出口H1107が形成されている。電気配線に電力を供給するための電極部H1104にはAu等のバンプH1105が形成されている。
(1−2−2)電気配線テープ
電気配線テープH1301は、第2の記録素子基板H1101に対してインクを吐出するための電気信号を印加する電気信号経路を形成するものである。記録素子基板を組み込むための開口部が形成されており、この開口部の縁付近には、記録素子基板の電極部H1104に接続される電極端子H1304が形成されている。また、電気配線テープH1301には、本体装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1302が形成されており、電極端子H1304と外部信号入力端子H1302は連続した銅箔の配線パターンでつながれている。
電気配線テープH1301と第2の記録素子基板1101の電気的接続は、例えば、第2の記録素子基板H1101の電極部H1104に形成されたバンプH1105と、第2の記録素子基板H1101の電極部H1104に対応する電気配線テープH1301の電極端子H1304とが熱超音波圧着法により電気接合されることでなされている。
(1−2−3)インク供給保持部材
インク供給保持部材H1501は、例えば、樹脂成形により形成されている。樹脂材料には、形状的剛性を向上させるためにガラスフィラーを5〜40%混入した樹脂材料を使用することが望ましい。図7に示すように、インク供給保持部材H1501は、内部にシアン、マゼンタ、イエローのインクを保持するための負圧を発生するための吸収体H1601、H1602,H1603をそれぞれ独立して保持するための空間を有することでインクタンクの機能と、記録素子基板H1100の各インク供給口H1102にそれぞれインクを導くための独立したインク流路を形成することでインク供給機能とを備えている。インク吸収体H1601、H1602、H1603は、PP繊維を圧縮したものが使われているが、ウレタン繊維を圧縮したものでも良い。各インク流路の上流部のインク吸収体H1601、H1602、H1603との境界部には、記録素子基板H1101内部にゴミの進入を防ぐためのフィルターH1701,H1702,H1703がそれぞれ溶着により接合されている。各フィルターH1701、H1702、H1703は、SUS金属メッシュタイプでも良いが、SUS金属繊維焼結タイプのほうが好ましい。
インク流路の下流部には、第2の記録素子基板H1101にシアン、マゼンタ、イエローの各インクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。第2の記録素子基板H1101の各インク供給口1102は、インク供給保持部材H1501の各インク供給口H1201に連通するよう、第2の記録素子基板H1101がインク供給保持部材H1501に対して位置精度良く接着固定される。この接着に用いられる第1の接着剤は、低粘度で硬化温度が低く、短時間で硬化し、硬化後比較的高い硬度を有し、かつ、耐インク性のあるものが望ましい。例えば、第1の接着剤としては、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤が用いられ、その際の接着層の厚みは50μm程度が望ましい。
また、インク供給口H1201付近周囲の平面には、電気配線テープH1301の一部の裏面が第2の接着剤により接着固定される。第2の記録素子基板H1101と電気配線テープH1301との電気接続部分は、第1の封止剤H1307および第2の封止剤H1308(図6参照)により封止され、電気接続部分をインクによる腐食や外的衝撃から保護されている。第1の封止剤H1307は、主に電気配線テープH1300の電極端子H1302と記録素子基板のバンプH1105との接続部の裏面側と記録素子基板の外周部分を封止し、第2の封止剤H1308は、上述の接続部の表側を封止している。そして、電気配線テープH1301の未接着部は折り曲げられ、インク供給保持部材H1501のインク供給口H1201を有する面にほぼ直交した側面に熱カシメもしくは接着等で固定される。
(1−2−4)蓋部材
蓋部材H1901は、インク供給保持部材H1501の上部開口部に溶着されることで、インク供給保持部材H1501内部の独立した空間をそれぞれ閉塞するものである。但し、蓋部材H1901にはインク供給保持部材H1501内部の各部屋の圧力変動を逃がすための細口H1911、H1912、H1913と、それぞれに連通した微細溝H1921、H1922、H1923を有している。微細溝H1921およびH1922の他端は微細溝H1923の途中に合流している。さらに、細口H1911、H1912、H1913と微細溝H1921、H1922、および微細溝H1923のほとんどをシール部材H1801で覆い、微細溝H1923の他端部を開口することで大気連通口を形成している。また、第2の記録ヘッドをインクジェット記録装置に固定するための係合部H1930を有している。
(1−3)記録ヘッドのインクジェット記録装置への装着
図4及び図6に示すように、第1の記録ヘッドH1000及び第2の記録ヘッドH1001は、インクジェット記録装置本体のキャリッジの装着位置に案内するための装着ガイドH1560、1590を備えている。更に、これらの記録ヘッドは、ヘッドセットレバーによりキャリッジに装着固定するための係合部H1930を備えている。これらの記録ヘッドはキャリッジの所定の装着位置に位置決めするためのX方向(キャリッジスキャン方向)の突き当て部H1570、Y方向(記録メディア搬送方向)の突き当て部H1580、Z方向(インク吐出方向)の突き当て部H1590を備えている。上記突き当て部により位置決めされることで、電気配線テープH1300およびH1301上の外部信号入力端子H1302がキャリッジ内に設けられた電気接続部のコンタクトピンと正確に電気的接触を行う。
(2)インクジェット記録装置
次に、上述したようなカートリッジタイプの記録ヘッドを搭載可能な液体吐出記録装置について説明する。図9は、本発明の液体吐出記録ヘッドを搭載可能な記録装置の一例を示す説明図である。
図19に示す記録装置において、図4および図6に示した記録ヘッドH1000およびH1001がキャリッジ102に位置決めして交換可能に搭載されている。キャリッジ102には、記録ヘッドH1000およびH1001上の外部信号入力端子を介して各吐出部に駆動信号等を伝達するための電気接続部が設けられている。
キャリッジ102は、主走査方向に延在して装置本体に設置されたガイドシャフト103に沿って往復移動可能に案内支持されている。そして、キャリッジ102は主走査モータ104によりモータプーリ105、従動プーリ106およびタイミングベルト107等の駆動機構を介して駆動されるとともにその位置および移動が制御される。また、ホームポジションセンサ130がキャリッジ102に設けられている。これにより遮蔽板136の位置をキャリッジ102上のホームポジションセンサ130が通過した際に位置を知ることが可能となる。
印刷用紙やプラスチック薄板等の記録媒体108は給紙モータ135からギアを介してピックアップローラ131を回転させることによりオートシートフィーダ(ASF)132から一枚ずつ分離給紙される。更に搬送ローラ109の回転により、記録ヘッドH1000及びH1001の吐出口面と対向する位置(プリント部)を通って搬送(副走査)される。搬送ローラ109はLFモータ134の回転によりギアを介して行われる。その際、給紙されたかどうかの判定と給紙時の頭出し位置の確定は、ペーパエンドセンサ133を記録媒体108が通過した時点で行われる。さらに、記録媒体108の後端が実際にどこに有り、実際の後端から現在の記録位置を最終的に割り出すためにもペーパエンドセンサ133は使用されている。
なお、記録媒体108は、プリント部において平坦なプリント面を形成するように、その裏面をプラテン(不図示)により支持されている。この場合、キャリッジ102に搭載された記録ヘッドH1000及びH1001は、それらの吐出口面がキャリッジ102から下方へ突出して前記2組の搬送ローラ対の間で記録媒体108と平行になるように保持されている。
記録ヘッドH1000およびH1001は、各吐出部における吐出口の並び方向が上述したキャリッジ102の走査方向に対して交差する方向になるようにキャリッジ102に搭載され、これらの吐出口列から液体を吐出して記録を行なう。
<インク>
本発明にかかるインクは、インク中の浸透剤、つまり界面活性剤や水溶性有機溶剤の種類及び含有量を適切に組み合わせ、上記で説明した動的表面張力の特性を持つことを特徴
とする。それ以外は、従来のインクと同様の構成とすればよい。下記に、本発明にかかるインクを構成する各成分について説明する。
(浸透剤)
本発明にかかるインクは、浸透剤として、界面活性剤及び水性有機溶剤を含有することが必要である。更に、インクが上記で説明した動的表面張力の特性を有するように調整されていることが必要である。インクに上記したような動的表面張力の特性を持たせるための浸透剤は、以下のものを用いることができる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
〔界面活性剤〕
ノニオン性界面活性剤としては、以下のものの少なくとも1種を用いることができる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤等。
アニオン性界面活性剤は、以下のものを用いることができる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩等。アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルテトラリンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等。
両性界面活性剤は、以下のものを用いることができる。アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤、アルキルカルボキシベタイン等。
上記した界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることが特に好ましい。更には、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素原子の数が12乃至18であることが好ましく、特には、アルキル基が、ラウリル基、セチル基、又はオレイル基であることが好ましい。
〔水溶性有機溶剤〕
水溶性有機溶剤は、インクが上記で説明した動的表面張力の特性を有するように調整されていれば、特に限定されるものではない。本発明にかかるインク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%未満であることが好ましい。水溶性有機溶剤は、具体的には、以下のものを用いることができる。
エタノール、イソプロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等の炭素原子数1乃至6のアルコール類。N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類。アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン類。ケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類。グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類。1,3−ブタンジオール、1,2−又は1,5−ペンタンジオール、1,2−又は1,6−ヘキサンジオール、ジチオグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類。2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリン等の複素環類。ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物類。
上記した中でも、グリセリン、エチレングリコール、2−ピロリドン等を用いることが特に好ましい。又、浸透性が高い水溶性有機溶剤である、エタノール、2−プロパノール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類、アルキレングリコール類を用いることが好ましい。
(水)
本発明にかかるインクは、インクを安定して吐出するために適切な粘度を有し、且つ、ノズル先端における目詰まりが抑制されたインクとするために、水を含有することが好ましい。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、30.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
(色材)
本発明にかかるインクに用いることができる色材は、水性インクとして用いることのできる色材であれば、特に限定されるものではない。例えば、水溶性染料又は顔料を用いることができる。インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下、更には1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
(インク保持部材への充填)
インク保持部材へのインクの充填方法としては、特に限定されないが、本発明で用いられる動的表面張力を有するインクでは、インク保持部材の内部からの拡散浸透注入により、インク保持部材内にインクを充填する方法を用いるのが好ましい。
(動的表面張力の測定)
上記で得られた、実施例1〜10及び比較例1〜20の各インクについて、最大泡圧法により測定を行う装置(BP−D4;協和界面化学製)を用いて、(1)寿命時間50m秒、(2)500m秒及び、(3)5000m秒におけるインクの動的表面張力を測定した。
(インク保持部材界面張力の測定)
インク保持部材の界面張力の測定は、ぬれ張力試験用混合液(和光純薬工業社製)を用いて行った。まず、ぬれ張力試験用混合液を表面張力の低い順にインク保持部材の新しい面にスポイトで1滴滴下し、そのときのぬれ張力試験用混合液の滴下後の様子を観察した。滴下後に浸透をしなくなる(はじいている)ぬれ張力試験用混合液の表面張力をインク保持部材の界面張力とした。
この界面張力の測定でぬれ張力試験用混合液を用いた理由は次のとおりである。ぬれ張力試験用混合液は、界面活性剤ではなく溶剤による表面張力を調整した液体であるため、動的表面張力変化がない。滴下後に、「はじいている状態」は、ぬれ試薬と保持部材の接触直後のぬれの関係を示すものである。ぬれ張力試験用混合液の最大泡圧法による動的表面張力の変化を図2の(4)に示す。
インク保持部材の界面活性は、インクタンクの所望とする性能などに応じて適宜設定可能であるが、上記の方法で測定した値が、32mN/m〜42mN/mの範囲から選択することが好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」、及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(試験用インク作成)
表1に示す各成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、試験用インク1〜6のインクを調製した。表1に試験用インク1〜6のインク組成を示す。尚、表1中、エマルミンNL80、エマルミンL90S、は全て三洋化成工業製の界面活性剤である。更に、EMALEX1615、EMALEX1815は、日本エマルジョン製の界面活性剤であり、アセチレノールE−100は川研ファインケミカル製の界面活性剤である。
Figure 0005020700
表1に示した試験用インク1〜6を作成し、動的表面張力変化が異なる試験用インクを作成した。それぞれのインクの動的表面張力の測定値を表2に示す。
Figure 0005020700
(インクタンク)
次に、インクタンクのインク保持部材として、PP繊維を用いたインク保持部材と、ウレタンを用いたインク保持部材を用意した。この保持部材として用いたこのPP繊維吸収体のぬれ試験標準試薬により測定した界面張力は、40mN/mであり、ウレタン吸収体の界面張力は、38mN/mであった。これらの界面張力が異なるインク保持部材の各々を、市販のインクジェットプリンターPIXUS iP2200(キヤノン製)用、FINEカートリッジBC-70ブラックのカートリッジに装填した。このようにして、インク保持部材の界面張力の異なるインクタンク(カートリッジ)を作成した。
(インク注入)
まず、試験用インクを、18Gの注射針を付けた容量50mlのシリンジに充填した。上記で作成した、インク保持部材の界面張力の異なるインクタンクに、このシリンジの注射針を挿入し、針先をフィルターから5mmの高さに配置し、約1秒間に3g程度の注入速度でインク10gの注入を行った。インク注入後、吐出口にインクを引き出す為に吸引を行い評価用インクジェット記録ヘッド一体型インクタンクを作成した。
(評価)
(1)第1の課題
インクタンクの負圧発生部材と、インクの動的表面張力を調整することで、物流時の衝撃による信頼性と、インクの使いきり性の両立性の評価を次のようにして行った。上記で作成した試験用インクを、インク保持部材のぬれ試薬により測定した界面張力が、40mN/mnのPP繊維吸収体と、38mN/mのウレタン吸収体それぞれに注入し、以下に示す方法で、耐衝撃インク漏出試験とインク使いきり性試験を行った。
評価に用いた試験用インクとインク保持部材の組み合わせを表3-1、表3-2に示す。
Figure 0005020700
<耐衝撃耐衝撃インク漏出試験>
耐衝撃によるインク漏出試験として、記録ヘッドの吐出口面を上にし、50cmの高さから厚さ2cmの木製の板の上に繰り返し落とす、落下試験でのインク漏出試験を行った。
<インク使いきり性>
インク使いきり性試験は、プリンター本体に評価用インクジェット記録ヘッド一体型インクタンクを装着し、印刷を行い、印字が掠れるまでのインクの消費量を求めた。その結果、インクの5000m秒の動的表面張力の低い順に、インクの消費量が多いことが確認できた。
以上の評価結果を課題に対し、結果が良好であったものを○、不良であったものを×、どちらとも判断のつかないものを△として、整理すると以下の表3の様になる。
Figure 0005020700
表4の課題1評価結果に示した様に、インクの50m秒における動的表面張力がインク保持部材の界面張力より低い組み合わせでは、振動によりインクの漏出が確認された。また、インク6のインク漏出は、インク注入時に溢れ出したインク保持部材に保持されていないインクが漏れ出したものである。
また、使いきり性に関しては、インクの5000m秒における動的表面張力が低いものが使いきり性が良い傾向が見られた。これらの結果より、寿命時間50m秒における表面張力が、インク保持部材より大きく、寿命時間5000m秒以内に前記インク保持部材の界面張力より小さくなるインクでは、物流時の衝撃による信頼性と、インクの使いきり性の両立性が計られた。さらに、50m秒と5000m秒の差が8[mN/m]以上では、さらに良好な結果が得られた。
また、試験用インク4の動的表面張力をBP2 バブルプレッシャー動的表面張力計(KRUSS社製)にて測定した10m秒と1000m秒の値は、それぞれ、45.0[mN/m]33[mN/m]であった。インク4の10m秒の動的表面張力は、インク保持部材として用いた、PP繊維吸収体、ウレタン吸収体よりも大きい値を示しているが、PP繊維吸収体におけるインク漏出が見られた。このことから振動等の外的衝撃に対するインク保持性は、50m秒の動的表面張力をインク保持部材の界面張力よりも大きくすることが有効であることが確認できた。
(2)第2の課題
インクの注入性の容易性或いは/且つ注入されたインク分布状態の改善に関する評価は、表3−1、表3−2に示した試験用インクとインク保持部材の組み合わせで上記に示したインク注入条件でインクを注入した際の充填の様子を観察することで行った。
まず、インク注入時のインク充填の様子を観察すると、評価用インクタンク1〜14全てにおいて、問題なくインクの注入が可能であった。
注入後、インクタンクより、インク保持部材を取り出し、インク保持部材を切断することで、インク保持部材内部でのインクの保持状態を観察した。その結果、インクの5000m秒の動的表面張力がインク保持部材の界面張力より高い評価用インクタンク7及び14では、インクタンクからインク保持部材を取り出したところ、タンク内に、インク保持部材に保持されず溢れたインクが残っており、インク吸収体にインクが充填されていないことが確認できた。
また、50m秒の動的表面張力がインク保持部材の界面張力より低い評価用インクタンク4、6、及び13では、インクタンクからインク保持部材を取り出したところ、インクは、溢れ出すことなくインク保持部材に保持されていた。しかし、保持部材を切断し断面を観察すると、保持部材断面のインクの液面は、保持部材の形状に沿った不均一な状態であった。また、保持部材に対するインクの存在場所は、本来存在するべき場所であるフィルター近傍から離れた場所にも偏極在化して存在していた。これは、インク注入時にインクがインク保持部材のバラツキに沿って移動、もしくは、タンクの壁面に沿って移動した後に保持されたものとおもわれる。
50m秒の動的表面張力がインク保持部材の界面張力より高く、500m秒以前にインク保持部材の界面張力より低くなる評価用インクタンク、1、2、3、8、9、11についても同様の観察を行った。すなわち、インクタンクから、インク保持部材を取り出したところ、インクは溢れることなく保持部材に保持されていた。更に、保持部材を切断し断面を観察すると、断面のインク液面は針先を中心として球状にフィルター近傍に集まるように拡がっており、さらに液面はきれいな液面を形成していた。また、50m秒の動的表面張力がインク保持部材の界面張力より高く、500m秒以降にインク保持部材の界面張力より低くなる評価用インクタンク5、10、12も同様に切断断面のインク液面はきれいな液面を形成していたが、500m秒以前にインク保持部材の界面張力より低くなる評価用インクタンク、1、2、3、8、9、11に比べるとインクの存在場所はわずかに局在化しているのが確認できた。
これらの事から、50m秒における動的表面張力が、インク保持部材の界面張力より大きく、5000m秒以内に前記インク保持部材の界面張力より小さくなるインクを用いることで理想的なインク充填が行われることが確認できる。
(3)第3の課題
第3の課題は、インクジェットヘッドと一体のインクタンクの場合における課題である。すなわち、プリンターのキャリッジや装着部に取り付ける際のヘッド装着時衝撃があっても、吐出口でのインク落ちが発生することなく、優れた信頼性を確保したヘッドタンク一体型ユニットを提供することによる信頼性の改良を達成することである。
上記第3の課題に対する評価用として、表3−1、表3−2に示した試験用インクとインク保持部材の組み合わせで第1の課題評価で作成した試験用インクと保持部材の組み合わせのヘッド一体型ユニットを作成した。吸引動作をカットしたプリンター本体を用い、ヘッド装着、脱着試験を繰り返し、その後、プリンター内蔵のノズルチェックパターンにて、ヘッド脱着の耐衝撃試験を行った。その結果、ヘッド装着、脱着試験でのノズルチェックパターンは、50m秒の動的表面張力がインク保持部材の界面張力より低い比評価用インクタンク4、6、13以外は問題なく印字が可能であった。
一般的なインクタンクにおけるインク使用時の静負圧の関係を示したグラフである。 インクの動的表面張力の変化を示す図である。 インクタンクの構造の一例を示す図である。 インクジェット記録ヘッド一体型インクタンクの構造を説明するための図である。 インクジェット記録ヘッド一体型インクタンクの構造を説明するための図である。 インクジェット記録ヘッド一体型インクタンクの構造を説明するための図である。 インクジェット記録ヘッド一体型インクタンクの構造を説明するための図である。 インクジェット記録ヘッド一体型インクタンクの構造を説明するための図である。 インクジェット記録装置の構造を説明するための図である。
符号の説明
102 キャリッジ
H1000 第1の記録ヘッド
H1001 第2の記録ヘッド
H1600、H1601、H1602、H1603 インク吸収体

Claims (4)

  1. インクと、毛細管力によって発生する負圧によって前記インクを保持するインク保持部材と、を有し、
    前記インクの動的表面張力が、最大泡圧法による寿命時間50m秒において前記インク保持部材の界面張力より大きく、最大泡圧法による寿命時間500m秒以内に前記インク保持部材の界面張力より小さくなる
    ことを特徴とするインクジェット記録用インクタンク。
  2. 前記インクは、最大泡圧法による寿命時間50m秒における動的表面張力と最大泡圧法による寿命時間5000m秒における動的表面張力との差が8mN/m以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インクタンク。
  3. 前記インクは、前記インク保持部材の内部からの拡散浸透注入により、該インク保持部材内に充填されている請求項1または2に記載のインクジェット記録用インクタンク。
  4. インクタンクとインクジェット記録ヘッドとを一体化したインクジェット記録ヘッド一体型インクタンクにおいて、該インクタンクが、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクタンクであることを特徴とするインクジェット記録ヘッド一体型インクタンク。
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