JP2004051800A - インクジェット用インク - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出安定性に優れたインクジェット用顔料インクを提供する。
【解決手段】インクジェット用インクが少なくとも顔料、分散剤及び水を含有し、次式(1)の値が120以下、及び次式(2)の値が110以下である。
【数1】
[最大泡圧法による寿命10msecの動的表面張力(mN/m)]
×[粘度(mPa・s) ] (1)
【数2】
[最大泡圧法による寿命1000msecの動的表面張力(mN/m)]
×[粘度(mPa・s) ] (2)
【選択図】 なし
【解決手段】インクジェット用インクが少なくとも顔料、分散剤及び水を含有し、次式(1)の値が120以下、及び次式(2)の値が110以下である。
【数1】
[最大泡圧法による寿命10msecの動的表面張力(mN/m)]
×[粘度(mPa・s) ] (1)
【数2】
[最大泡圧法による寿命1000msecの動的表面張力(mN/m)]
×[粘度(mPa・s) ] (2)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般筆記記録分野に有用なインクジェット用インク、特に水性顔料インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が低騒音で操作性が良いという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、近年広く用いられている。
【0003】
インクジェット記録方式では、インクとして、各種の水溶性染料を水又は水と有機溶剤との混合液に溶解させたものが多く使用されている。
【0004】
しかしながら、水溶性染料は本来耐光性が劣るため、記録画像の耐光性が問題になる場合が多い。また、インクが水溶性であるために、記録画像の耐水性が問題となる場合も多い。即ち、記録画像に雨、汗、あるいは飲食用の水等がかかると、記録画像に滲みや消失が生じ易い。
【0005】
そこで、このような耐光性、耐水性の問題を改善するため、顔料を高分子分散剤を用いて水中に分散させた顔料インクがインクジェット用インクとして市場にでるようになってきた。しかしながら、顔料インクを用いると耐光性や耐水性は格段に向上するものの、水溶性染料よりも吐出性が悪いため、使用し難いという問題が生じた。
【0006】
顔料インクの吐出性の悪化の原因として、顔料粒子が凝集し、粗大化するためにインクジェットノズルが詰まり易くなること、顔料の含有によりインク粘度が上昇すること、インクの浸透性や速乾性を高めるために界面活性剤を添加すると、インクは表面張力が低下し、ノズル周辺にたまり易くなること、また界面活性剤によって泡立ちが生じるためにノズル内に気泡が入り易くなること、熱エネルギーを作用させて液滴を形成するインクジェット記録方式の場合、顔料や不純物が加熱部分へ付着して焦げつき、泡形成が不安定になること、等がある。
【0007】
さらに記録画像の耐磨耗性を改善するために水溶性樹脂又はポリマーエマルジョンを追加添加すると、吐出性が極端に悪化し、使用可能なレベルのインクを得られない場合もある。
【0008】
一般にインクは表面張力が高く、低粘度であるほど吐出しやすい、ということが広く知られている。表面張力の低いインクは、吐出時にノズル吐出孔の周辺に堆積しやすく、まっすぐ飛翔しない、全く飛ばないという現象が頻繁に見られる。また、高粘度のインクの吐出不良の原因としては、インクチャンバー内へスムーズに流れ込まず、吐出時にインクチャンバー内がインクで十分充填されていないことから、所定のインク量が吐出されず、記録画像がかすれたり、印字濃度が低くなるものと考えられる。なお、インクチャンバーとはインクタンクに接続するインク供給口とノズルとの間の流路をいう。
【0009】
一方、カラー印字の記録画像には、にじみがなく、鮮明で、エッジがシャープな高印字品質が要求される。このため、特開昭60−197778号公報、特開昭60−197777号公報、特開昭60−197776号公報では、各色の表面張力、粘度等の物性値を揃えたインクを用いるインクジェット記録方法が提案されている。また特開昭63−312372号公報では、画像の鮮明性、乾燥性向上のために、インクジェットインク組成物が[寿命0msecの動的表面張力(dyne/cm)]+[粘度(cp) ]=42〜49を満たすことが提案されている。しかしながら、これらの公報では、表面張力や粘度と吐出性、特に吐出速度の安定性との関係については明らかにされておらず、また、公報に記載されている表面張力値と粘度値の関係式を満たすインク組成物、特に水性顔料インクが、実際に直径20μm以下の微小ノズルから吐出するか否かも定かではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は吐出安定性に優れたインクジェット用顔料インクを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般に、インクの吐出性は動的表面張力が高い程向上するとされているにもかかわらず、本発明者は、顔料インクの吐出しやすさや吐出速度の安定性は、動的表面張力値と粘度値との積を所定の値以下とすることにより向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、少なくとも顔料、分散剤及び水を含有し、次式(1)の値が120以下、好ましくは110以下、及び次式(2)の値が110以下、好ましくは100以下、であることを特徴とするインクジェット用インク
【0013】
【数3】
[最大泡圧法による寿命10msecの動的表面張力(mN/m)]
×[粘度(mPa・s) ] (1)
【0014】
【数4】
[最大泡圧法による寿命1000msecの動的表面張力(mN/m)]
×[粘度(mPa・s) ] (2)
を提供する。
【0015】
本発明のインクジェット用インクは、顔料インクであるので、耐光性や耐水性に優れたものとなる。さらに、最大泡圧法による寿命10msec又は寿命1000msecの動的表面張力値と粘度値との積が特定の値以下となっているので、吐出速度の安定性が極めて良好となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット用インクは、少なくとも顔料、分散剤及び水を含有する顔料インクであって、[最大泡圧法による寿命10msecの動的表面張力(mN/m)]×[粘度(mPa・s) ]を120以下とし、かつ[最大泡圧法による寿命1000msecの動的表面張力(mN/m)]×[粘度(mPa・s) ]を110以下としたものであり、好ましくは、[最大泡圧法による寿命10msecの動的表面張力(mN/m)]×[粘度(mPa・s) ]を110以下とし、かつ、[最大泡圧法による寿命1000msecの動的表面張力(mN/m)]×[粘度(mPa・s) ]を100以下としたものである。
【0017】
動的表面張力は、振動ジェット法、メニスカス法、最大泡圧法等により測定されるが、本発明で規定する動的表面張力値は、最大泡圧法によるものである。最大泡圧法はインク吐出のような比較的短い寿命の表面張力を測定するのに適した方法である。最大泡圧法による測定では、ガス供給源からガスをキャピラリーに送り、インクに浸したキャピラリー先端から気泡を発生させる。このときガス流量を変化させることで、気泡の発生する速度を変え、それに伴い変化する表面張力を測定する。気泡の半径がキャピラリーの半径に等しくなるとき、最大圧力を示す。このときの液体の表面張力γtは、
【0018】
【数5】
γt=R(Pmax−P0)/2
で表される。ここでRはキャピラリー半径、P0は静水圧、Pmaxは泡の曲率半径がキャピラリーの半径と等しい時の最大圧力である。
【0019】
本発明で最大泡圧法により動的表面張力を測定するに際しては、室温において、インク吐出のようなごく短時間の液滴挙動をみるために、動的表面張力装置の測定限界に近い10msecで測定する。また表面寿命が長い時間では、動的表面張力値は、ほぼ平衡に至り、ほぼ静的表面張力値に等しくなる。よって本発明では、比較的平衡状態に近い表面寿命1000msecでの表面張力値も測定する。
【0020】
一方、粘度は回転粘度計、細管通過型粘度計等で測定できる。ほとんどのインクジェット用インクはニュートン流体であり、測定法による差はない。本発明の実施例ではE型の回転粘度計を用い、室温で測定した。
【0021】
本発明においては、上述の動的表面張力値と粘度値との積を前述の値以下にするために、顔料の種類、顔料分散液の調製工程における分散時間、界面活性剤の種類、水溶性有機溶剤の種類等を適宜調整する。
【0022】
本発明で使用される顔料としては、従来公知の有機および無機顔料の全てを使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン・ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料などの多環式顔料や、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。またカラーインデックスに記載されていない顔料であっても水相に分散可能ならば、いずれも使用できる。さらに、上記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したもの、グラフトカーボン等も勿論使用可能である。
【0023】
これらの顔料の含有量は、構造により異なるが、一般的にはインク全量の0.5〜20重量%、好ましくは3〜12重量%の範囲内とする。
【0024】
分散剤としては、顔料分散に用いられる高分子分散剤や界面活性剤を使用できる。
【0025】
高分子分散剤としては、例えば、ゼラチン、アルブミン、ガゼイン等の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコキシド類、メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラツク等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、スチレン−マレイン酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩等の陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の非イオン性高分子等の高分子分散剤をあげることができる。
【0026】
また、界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤等をあげることができる。
【0027】
分散剤としては、これら高分子分散剤又は界面活性剤の1種または2種以上を適宜選択して使用できる。その使用量は分散剤により異なるが一般的にインク全量の1〜20重量%が望ましい。
【0028】
本発明のインクには、水溶性有機溶剤を含有させることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4アルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0029】
以上の成分の他、インクを所望の物性値とするため、pH調整剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができる。pHの調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等があげられる。
【0030】
本発明のインクは、上述の各成分を常法により混合して得ることができる。
【0031】
【実施例】
実施例1
顔料インクは、顔料分散液を作る工程とインクを作製する工程とに分けて作製した。
【0032】
(顔料分散液の調製)
次の成分
非イオン界面活性剤(花王社、エマルゲンA60) 5重量部、
イソプロピルアルコール 2重量部、
イオン交換水 79重量部、
を混合し、この溶液にフタロシアニン系ピグメント番号15:3顔料(チハ゛・スヘ゜シャリティーケミカル社、Blue8700)14重量部を加え、30 分間プレミキシングを行った後、次の条件で分散処理を行った。
分散機:コスモミル(アイリッヒ社)、
分散メデイア:ジルコニウムビーズ0.3mm 径、
分散時間:3 時間
【0033】
(インクの調製)
次の成分
上記顔料分散液 28wt%、
グリセリン 10wt%、
ジエチレングリコール 10wt%、
非イオン界面活性剤(日信化学製、サーフィノールE1010) 1wt%、
イオン交換水 51 wt%、
を混合し、1時間撹拌し、3μmのフィルターろ過処理を施し、インクを得た。
【0034】
インクの粘度は2.2mPa・s(室温)、10msecの動的表面張力(室温、以下γ0.01と記す)は35.6、1000msecの動的表面張力(室温、以下γ1.0と記す)は32.5mN/mであった。(1)式の値は78、(2)式の値は72である。
【0035】
実施例2
顔料分散液の調製工程において、花王社のエマルゲンA60に代えて、花王社のエマルゲンA500を使用した以外は、実施例1と同様にインクを調製した。
【0036】
得られたインクは、粘度2.7mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=35.4、γ1.0=32.3mN/mであった。(1)式の値は96、(2)式の値は87である。
【0037】
実施例3
顔料分散液の調製工程において、花王社のエマルゲンA60 5重量部に代えて、
陰イオン界面活性剤(ライオン社、PS19S50K) 2.5重量部、及び
非イオン界面活性剤(花王社、エマルゲンA500) 2.5重量部
を使用し、分散処理時間を10時間とし、さらに、インク調製時の水溶性有機溶剤として、
2−ピロリドン 10wt%、
グリセリン 10wt%、
を使用した以外は、実施例1と同様にインクを作成した。
【0038】
得られたインクは、粘度2.8mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=39.3、γ1.0=36.3mN/mであった。(1)式の値は110、(2)式の値は102である。
【0039】
実施例4
顔料としてキナクリドン系ピグメント番号202顔料(チハ゛・スヘ゜シャリティーケミカル社、CROMOPHTAL RT355)を使用し、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を20時間に代えた以外は、実施例3と同様にインクを作製した。
【0040】
得られたインクは、粘度2.7mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=38.2、γ1.0=36.1mN/m(室温)であった。(1)式の値は103、(2)式の値は97である。
【0041】
実施例5
顔料としてインドリノン系ピグメント番号151顔料(大日本インキ社)を使用し、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を20時間に代えた以外は、実施例3と同様にインクを調製した。
【0042】
得られたインクは、粘度2.9mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=37.4、γ1.0=36.3mN/m(室温)であった。(1)式の値は108、(2)式の値は105である。
【0043】
比較例1
顔料分散液の調製時に使用する界面活性剤を花王社、エマルゲンA500とし、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を48時間に代えた以外は、実施例1と同様にインクを作製した。
【0044】
得られたインクは、粘度3.3mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=38.2、γ1.0=35.0mN/m(室温)であった。(1)式の値は126、(2)式の値は116である。
【0045】
比較例2
インクの調製工程において、高分子界面活性剤(花王社、ジョンクリル70(分子量15000))1wt%を加えた以外は、実施例4と同様に作成した。
【0046】
得られたインクは、粘度2.9mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=44.1、γ1.0=40.1mN/m(室温)であった。(1)式の値は128、(2)式の値は116である。
【0047】
比較例3
インクの調製工程において、高分子界面活性剤、花王ジョンクリル57(分子量4900)1wt%を加えた以外は、実施例4と同様に作成した。
【0048】
得られたインクは、粘度2.8mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=43.6、γ1.0=39.8mN/m(室温)であった。(1)式の値は122、(2)式の値は111である。
【0049】
比較例4
顔料としてインドリノン系ピグメント番号128顔料(住化カラー社)を使用し、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を20時間に代えた以外は、実施例2と同様にインクを作製した。
【0050】
得られたインクは、粘度3.0mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=43.0、γ1.0=39.3mN/m(室温)であった。(1)式の値は129、(2)式の値は118である。
【0051】
比較例5
顔料としてインドリノン系ピグメント番号128顔料(住化カラー社)を使用し、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を20時間に代えた以外は、実施例3と同様にインクを調製した。
【0052】
得られたインクは粘度2.9mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=41.7、γ1.0=38.3mN/m(室温)であった。(1)式の値は121、(2)式の値は111である。
【0053】
評価
実施例及び比較例の各インクの吐出安定性を次のように評価した。記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液滴を発生させ、吐出を行なうオンデマンドタイプの試作マルチヘッドにて、吐出オリフィス径16μm、ヒーター駆動電圧11V、駆動周波数10kHzの条件にて、吐出させた。ドライバの駆動信号の遅延を操作し、モニター上のインク滴画像を移動させ、移動距離と、それに要した遅延時間とから吐出速度を算出した。吐出安定性の良否は、初期の吐出速度と20分間連続吐出後の速度に関し、次の基準で判断した。結果を表1に示す。
○…初期10m/s以上かつ20分後10m/s以上、
△…初期8m/s以上かつ20分後8m/s以上、
×…初期8m/s未満又は20分後8m/s未満
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出安定性が顕著に優れたインクジェット用顔料インクを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般筆記記録分野に有用なインクジェット用インク、特に水性顔料インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が低騒音で操作性が良いという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、近年広く用いられている。
【0003】
インクジェット記録方式では、インクとして、各種の水溶性染料を水又は水と有機溶剤との混合液に溶解させたものが多く使用されている。
【0004】
しかしながら、水溶性染料は本来耐光性が劣るため、記録画像の耐光性が問題になる場合が多い。また、インクが水溶性であるために、記録画像の耐水性が問題となる場合も多い。即ち、記録画像に雨、汗、あるいは飲食用の水等がかかると、記録画像に滲みや消失が生じ易い。
【0005】
そこで、このような耐光性、耐水性の問題を改善するため、顔料を高分子分散剤を用いて水中に分散させた顔料インクがインクジェット用インクとして市場にでるようになってきた。しかしながら、顔料インクを用いると耐光性や耐水性は格段に向上するものの、水溶性染料よりも吐出性が悪いため、使用し難いという問題が生じた。
【0006】
顔料インクの吐出性の悪化の原因として、顔料粒子が凝集し、粗大化するためにインクジェットノズルが詰まり易くなること、顔料の含有によりインク粘度が上昇すること、インクの浸透性や速乾性を高めるために界面活性剤を添加すると、インクは表面張力が低下し、ノズル周辺にたまり易くなること、また界面活性剤によって泡立ちが生じるためにノズル内に気泡が入り易くなること、熱エネルギーを作用させて液滴を形成するインクジェット記録方式の場合、顔料や不純物が加熱部分へ付着して焦げつき、泡形成が不安定になること、等がある。
【0007】
さらに記録画像の耐磨耗性を改善するために水溶性樹脂又はポリマーエマルジョンを追加添加すると、吐出性が極端に悪化し、使用可能なレベルのインクを得られない場合もある。
【0008】
一般にインクは表面張力が高く、低粘度であるほど吐出しやすい、ということが広く知られている。表面張力の低いインクは、吐出時にノズル吐出孔の周辺に堆積しやすく、まっすぐ飛翔しない、全く飛ばないという現象が頻繁に見られる。また、高粘度のインクの吐出不良の原因としては、インクチャンバー内へスムーズに流れ込まず、吐出時にインクチャンバー内がインクで十分充填されていないことから、所定のインク量が吐出されず、記録画像がかすれたり、印字濃度が低くなるものと考えられる。なお、インクチャンバーとはインクタンクに接続するインク供給口とノズルとの間の流路をいう。
【0009】
一方、カラー印字の記録画像には、にじみがなく、鮮明で、エッジがシャープな高印字品質が要求される。このため、特開昭60−197778号公報、特開昭60−197777号公報、特開昭60−197776号公報では、各色の表面張力、粘度等の物性値を揃えたインクを用いるインクジェット記録方法が提案されている。また特開昭63−312372号公報では、画像の鮮明性、乾燥性向上のために、インクジェットインク組成物が[寿命0msecの動的表面張力(dyne/cm)]+[粘度(cp) ]=42〜49を満たすことが提案されている。しかしながら、これらの公報では、表面張力や粘度と吐出性、特に吐出速度の安定性との関係については明らかにされておらず、また、公報に記載されている表面張力値と粘度値の関係式を満たすインク組成物、特に水性顔料インクが、実際に直径20μm以下の微小ノズルから吐出するか否かも定かではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は吐出安定性に優れたインクジェット用顔料インクを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般に、インクの吐出性は動的表面張力が高い程向上するとされているにもかかわらず、本発明者は、顔料インクの吐出しやすさや吐出速度の安定性は、動的表面張力値と粘度値との積を所定の値以下とすることにより向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、少なくとも顔料、分散剤及び水を含有し、次式(1)の値が120以下、好ましくは110以下、及び次式(2)の値が110以下、好ましくは100以下、であることを特徴とするインクジェット用インク
【0013】
【数3】
[最大泡圧法による寿命10msecの動的表面張力(mN/m)]
×[粘度(mPa・s) ] (1)
【0014】
【数4】
[最大泡圧法による寿命1000msecの動的表面張力(mN/m)]
×[粘度(mPa・s) ] (2)
を提供する。
【0015】
本発明のインクジェット用インクは、顔料インクであるので、耐光性や耐水性に優れたものとなる。さらに、最大泡圧法による寿命10msec又は寿命1000msecの動的表面張力値と粘度値との積が特定の値以下となっているので、吐出速度の安定性が極めて良好となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット用インクは、少なくとも顔料、分散剤及び水を含有する顔料インクであって、[最大泡圧法による寿命10msecの動的表面張力(mN/m)]×[粘度(mPa・s) ]を120以下とし、かつ[最大泡圧法による寿命1000msecの動的表面張力(mN/m)]×[粘度(mPa・s) ]を110以下としたものであり、好ましくは、[最大泡圧法による寿命10msecの動的表面張力(mN/m)]×[粘度(mPa・s) ]を110以下とし、かつ、[最大泡圧法による寿命1000msecの動的表面張力(mN/m)]×[粘度(mPa・s) ]を100以下としたものである。
【0017】
動的表面張力は、振動ジェット法、メニスカス法、最大泡圧法等により測定されるが、本発明で規定する動的表面張力値は、最大泡圧法によるものである。最大泡圧法はインク吐出のような比較的短い寿命の表面張力を測定するのに適した方法である。最大泡圧法による測定では、ガス供給源からガスをキャピラリーに送り、インクに浸したキャピラリー先端から気泡を発生させる。このときガス流量を変化させることで、気泡の発生する速度を変え、それに伴い変化する表面張力を測定する。気泡の半径がキャピラリーの半径に等しくなるとき、最大圧力を示す。このときの液体の表面張力γtは、
【0018】
【数5】
γt=R(Pmax−P0)/2
で表される。ここでRはキャピラリー半径、P0は静水圧、Pmaxは泡の曲率半径がキャピラリーの半径と等しい時の最大圧力である。
【0019】
本発明で最大泡圧法により動的表面張力を測定するに際しては、室温において、インク吐出のようなごく短時間の液滴挙動をみるために、動的表面張力装置の測定限界に近い10msecで測定する。また表面寿命が長い時間では、動的表面張力値は、ほぼ平衡に至り、ほぼ静的表面張力値に等しくなる。よって本発明では、比較的平衡状態に近い表面寿命1000msecでの表面張力値も測定する。
【0020】
一方、粘度は回転粘度計、細管通過型粘度計等で測定できる。ほとんどのインクジェット用インクはニュートン流体であり、測定法による差はない。本発明の実施例ではE型の回転粘度計を用い、室温で測定した。
【0021】
本発明においては、上述の動的表面張力値と粘度値との積を前述の値以下にするために、顔料の種類、顔料分散液の調製工程における分散時間、界面活性剤の種類、水溶性有機溶剤の種類等を適宜調整する。
【0022】
本発明で使用される顔料としては、従来公知の有機および無機顔料の全てを使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン・ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料などの多環式顔料や、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。またカラーインデックスに記載されていない顔料であっても水相に分散可能ならば、いずれも使用できる。さらに、上記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したもの、グラフトカーボン等も勿論使用可能である。
【0023】
これらの顔料の含有量は、構造により異なるが、一般的にはインク全量の0.5〜20重量%、好ましくは3〜12重量%の範囲内とする。
【0024】
分散剤としては、顔料分散に用いられる高分子分散剤や界面活性剤を使用できる。
【0025】
高分子分散剤としては、例えば、ゼラチン、アルブミン、ガゼイン等の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコキシド類、メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラツク等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、スチレン−マレイン酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩等の陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の非イオン性高分子等の高分子分散剤をあげることができる。
【0026】
また、界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤等をあげることができる。
【0027】
分散剤としては、これら高分子分散剤又は界面活性剤の1種または2種以上を適宜選択して使用できる。その使用量は分散剤により異なるが一般的にインク全量の1〜20重量%が望ましい。
【0028】
本発明のインクには、水溶性有機溶剤を含有させることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4アルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0029】
以上の成分の他、インクを所望の物性値とするため、pH調整剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができる。pHの調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等があげられる。
【0030】
本発明のインクは、上述の各成分を常法により混合して得ることができる。
【0031】
【実施例】
実施例1
顔料インクは、顔料分散液を作る工程とインクを作製する工程とに分けて作製した。
【0032】
(顔料分散液の調製)
次の成分
非イオン界面活性剤(花王社、エマルゲンA60) 5重量部、
イソプロピルアルコール 2重量部、
イオン交換水 79重量部、
を混合し、この溶液にフタロシアニン系ピグメント番号15:3顔料(チハ゛・スヘ゜シャリティーケミカル社、Blue8700)14重量部を加え、30 分間プレミキシングを行った後、次の条件で分散処理を行った。
分散機:コスモミル(アイリッヒ社)、
分散メデイア:ジルコニウムビーズ0.3mm 径、
分散時間:3 時間
【0033】
(インクの調製)
次の成分
上記顔料分散液 28wt%、
グリセリン 10wt%、
ジエチレングリコール 10wt%、
非イオン界面活性剤(日信化学製、サーフィノールE1010) 1wt%、
イオン交換水 51 wt%、
を混合し、1時間撹拌し、3μmのフィルターろ過処理を施し、インクを得た。
【0034】
インクの粘度は2.2mPa・s(室温)、10msecの動的表面張力(室温、以下γ0.01と記す)は35.6、1000msecの動的表面張力(室温、以下γ1.0と記す)は32.5mN/mであった。(1)式の値は78、(2)式の値は72である。
【0035】
実施例2
顔料分散液の調製工程において、花王社のエマルゲンA60に代えて、花王社のエマルゲンA500を使用した以外は、実施例1と同様にインクを調製した。
【0036】
得られたインクは、粘度2.7mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=35.4、γ1.0=32.3mN/mであった。(1)式の値は96、(2)式の値は87である。
【0037】
実施例3
顔料分散液の調製工程において、花王社のエマルゲンA60 5重量部に代えて、
陰イオン界面活性剤(ライオン社、PS19S50K) 2.5重量部、及び
非イオン界面活性剤(花王社、エマルゲンA500) 2.5重量部
を使用し、分散処理時間を10時間とし、さらに、インク調製時の水溶性有機溶剤として、
2−ピロリドン 10wt%、
グリセリン 10wt%、
を使用した以外は、実施例1と同様にインクを作成した。
【0038】
得られたインクは、粘度2.8mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=39.3、γ1.0=36.3mN/mであった。(1)式の値は110、(2)式の値は102である。
【0039】
実施例4
顔料としてキナクリドン系ピグメント番号202顔料(チハ゛・スヘ゜シャリティーケミカル社、CROMOPHTAL RT355)を使用し、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を20時間に代えた以外は、実施例3と同様にインクを作製した。
【0040】
得られたインクは、粘度2.7mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=38.2、γ1.0=36.1mN/m(室温)であった。(1)式の値は103、(2)式の値は97である。
【0041】
実施例5
顔料としてインドリノン系ピグメント番号151顔料(大日本インキ社)を使用し、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を20時間に代えた以外は、実施例3と同様にインクを調製した。
【0042】
得られたインクは、粘度2.9mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=37.4、γ1.0=36.3mN/m(室温)であった。(1)式の値は108、(2)式の値は105である。
【0043】
比較例1
顔料分散液の調製時に使用する界面活性剤を花王社、エマルゲンA500とし、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を48時間に代えた以外は、実施例1と同様にインクを作製した。
【0044】
得られたインクは、粘度3.3mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=38.2、γ1.0=35.0mN/m(室温)であった。(1)式の値は126、(2)式の値は116である。
【0045】
比較例2
インクの調製工程において、高分子界面活性剤(花王社、ジョンクリル70(分子量15000))1wt%を加えた以外は、実施例4と同様に作成した。
【0046】
得られたインクは、粘度2.9mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=44.1、γ1.0=40.1mN/m(室温)であった。(1)式の値は128、(2)式の値は116である。
【0047】
比較例3
インクの調製工程において、高分子界面活性剤、花王ジョンクリル57(分子量4900)1wt%を加えた以外は、実施例4と同様に作成した。
【0048】
得られたインクは、粘度2.8mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=43.6、γ1.0=39.8mN/m(室温)であった。(1)式の値は122、(2)式の値は111である。
【0049】
比較例4
顔料としてインドリノン系ピグメント番号128顔料(住化カラー社)を使用し、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を20時間に代えた以外は、実施例2と同様にインクを作製した。
【0050】
得られたインクは、粘度3.0mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=43.0、γ1.0=39.3mN/m(室温)であった。(1)式の値は129、(2)式の値は118である。
【0051】
比較例5
顔料としてインドリノン系ピグメント番号128顔料(住化カラー社)を使用し、顔料分散液の調製工程における分散処理時間を20時間に代えた以外は、実施例3と同様にインクを調製した。
【0052】
得られたインクは粘度2.9mPa・s(室温)、動的表面張力γ0.01=41.7、γ1.0=38.3mN/m(室温)であった。(1)式の値は121、(2)式の値は111である。
【0053】
評価
実施例及び比較例の各インクの吐出安定性を次のように評価した。記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液滴を発生させ、吐出を行なうオンデマンドタイプの試作マルチヘッドにて、吐出オリフィス径16μm、ヒーター駆動電圧11V、駆動周波数10kHzの条件にて、吐出させた。ドライバの駆動信号の遅延を操作し、モニター上のインク滴画像を移動させ、移動距離と、それに要した遅延時間とから吐出速度を算出した。吐出安定性の良否は、初期の吐出速度と20分間連続吐出後の速度に関し、次の基準で判断した。結果を表1に示す。
○…初期10m/s以上かつ20分後10m/s以上、
△…初期8m/s以上かつ20分後8m/s以上、
×…初期8m/s未満又は20分後8m/s未満
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出安定性が顕著に優れたインクジェット用顔料インクを提供することができる。
Claims (2)
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