JP3833234B2 - インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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本発明は、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置に関する。
従来より、記録剤(記録液中の色材)として染料を用いると、記録像が乾燥するにつれて染料の結晶が紙上に析出し、記録像が光を反射して黄色ないし茶色に光って金属光沢を放つ、所謂ブロンズ現象が生じるといった問題があった。ブロンズ現象が生じると光を反射するので、記録像の濃度が低下するばかりでなく、色調もインクとして要求されるものとは大きくずれてしまう。
このブロンズ現象を防止するために、N−ヒドロキシエチルモルホリンや、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンをインク中に添加することが知られている。しかしながら、これらをインク中に添加すると、添加量が少量であってもインクのpHが9以上と高い値になってしまう。このようにpHが高いインクは、インクが触れるノズルの腐食等による吐出安定性の問題があり、更には取り扱い時に誤って人が触れた場合の安全性に問題が生じることがある。又、誤ってインクが目に入った場合や、インクに接触する部材の選択の自由度からも、pHは中性域のもの(pH7前後)が望まれている。又、これらアルカノールアミンをインク中に添加すると、ブロンズ現象を低減できても、耐水性を低下させるという問題があった。
又、パラトルエンスルホン酸アミドエチレンオキサイドをインク中に添加した場合、ブロンズ現象には効果があったが、インクと記録媒体の接触角が小さくなるため、フェザリングの発生や、OD(光学濃度)が低下し、印字品位が著しく悪化した。又、塩基性アミノ酸をインク中に添加することも検討されているが、添加量が少なくとも1質量%〜2質量%必要であることや、pHが飛び抜けて高い値にはならないが、インクの溶剤組成によってはpHが8以上になるため中性域のpHを有するインクとは言えず、インクが触れるノズルの腐食等の懸念点があった(例えば、特許文献1参照)。
更に近年では、特に耐候性に優れた染料が用いられている。しかしながら、特に銅フタロシアニン系染料の場合、耐候性とブロンズ現象の発生がトレードオフの関係になっている。
インクジェットプリンタ等のインクジェット記録装置に用いられるインクは、数ある材料の中から最適なものを選択して調製されている。例えば、染料だけに注目しても、直接染料や酸性染料等があり、それぞれ異なる特徴を有している。例えば、直接染料を用いたインクで印刷した場合には、形成した画像は比較的耐候性に優れているという特徴があり、酸性染料を用いたインクを印刷した場合には、高い明度、彩度の印刷物が得られるという特徴がある。
インクジェット記録用インクは、(1)ノズル先端で目詰まりを生じない、(2)連続記録時や、長時間放置後に記録を再開した時でも、安定して記録する(間欠吐出安定性や固着回復性がある)ことができる、(3)インクを長期保存しても物性に変化がない、等の特性が要求される。
従来、水の蒸発に伴うノズル先端の目詰りを防止するために、保湿剤として、尿素、尿素誘導体、チオ尿素或いはチオ尿素誘導体等をインク中に添加することが行われている。又、間欠吐出安定性を向上させることを目的として、水や各種溶剤への染料の溶解性を高めるために、染料の溶解補助剤として、尿素や尿素誘導体をインク中に添加することが行われている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、染料のなかには、尿素の分解によって発生するアンモニウムイオンにより、凝集物を生じたり、分解してしまったりするものもある。このため、尿素を添加したインクを長期間保存しておくと、染料の凝集による沈殿物が発生し、インクジェット記録装置のインク吐出口或いはインク供給管内等で目詰りが生じるという問題があった。更には、尿素を添加したインクは色材の種類にかかわらず、尿素の分解によって発生するアンモニアにより金属部が腐食したり、アンモニアの臭気がユーザーに不快感を与えたりすることがあった。
ところで、従来のインクジェット方式では、粘度が1〜3mPa・sといった低い粘度のインクを、30〜50μm程度の小径のノズル若しくは開口部から吐出している。つまり、インクが十分に低粘度であるため、インクの吐出によるノズル或いは開口部内のインク量の減少に対し、インク貯蔵部からのインクの補充(リフィル)を高速に行うことができる。これによって、ノズル先端或いは開口部のメニスカス(インクと空気の界面)の回復が速いため、繰り返し印字周波数が10kHzを超える高速印字を行う場合でも、吐出安定性が得られる。
しかしながら、低粘度のインクを使用して普通紙等の記録媒体に印字した場合、インクの記録媒体への浸透が速いために、用紙の繊維に沿って滲み(フェザリング)が発生し、それ自体がざらつき感となって画質を低下させる。又、隣接したドットが滲みにより連結した場合、その部分だけ解像度が低下したことになり、画質を極端に低下させるという問題があった。これらの課題を解決するために、インクの表面張力を制御すること等により、インクの記録媒体への浸透速度を抑えることが行われている。しかしながら、浸透速度を抑えたインクを用いてカラー画像を形成する場合、記録媒体上に異なる色のインクが隣接して打ち込まれることにより接触した際に、混色滲み(ブリーディング)が発生し、やはり画質を大きく低下させるという問題があった。
上述の低粘度のインクを使用した際に発生する問題に対しては、粘度の高いインクを使用することによって、インクの記録媒体への浸透速度を遅くして滲みを防止することができる。又、異色間の混合速度も抑制されるため、混色を防止することができ、上述の問題の解決に非常に有効な手段となる。
インクジェット方式を用いた記録装置は、その普及にともなって用途が急速に拡大しており、これに伴って記録媒体の種類も多種多様になってきている。更に、紙ばかりでなく金属、プラスチック及びガラス等の非吸液性媒体への適用も期待されており、高粘度のインクを使用できるインクジェット記録装置の実現が待たれている。
しかしながら、従来のインクジェット方式では、インクの粘度を高くしていくと流路抵抗が高くなり、ノズル或いは開口部内へのインクの供給速度が著しく低下してしまう。又、この場合、流路抵抗が高くなった分、インク吐出に要するエネルギーも著しく増加してしまう。例えば、通常は市販の水性インク(粘度1〜3mPa・s)を使用するインクジェット装置において粘度の高いインクを使用すると、インクの粘度が10mPa・sを超えた程度からインクのノズル或いは開口部内への供給が間に合わなくなり、メニスカスの回復が間に合わなくなる。
このような状態でインクの吐出を行おうとすると、不安定なメニスカス位置からインク吐出が行われるため、インクの吐出量及び吐出方向のばらつきが大きくなって画質が低下する。更にインクの粘度が20mPa・sを超えると、インクのノズル或いは開口部内への供給が間に合わなくなり、吐出抜けが発生するようになる。更に、インクの粘度が100mPa・sを超えると、仮にインクのノズル或いは開口部内への供給が間に合ったとしても、従来の圧力発生手段ではインクを吐出させるためのエネルギーが不足し、インク吐出が不安定になるか、或いは全く吐出しなくなる。
これに対し、流路抵抗を下げるためにノズル径を50μmから70μm程度に大きくとり、粘度が10〜100mPa・sと高いインクを用いて、高速に印字することを目的としたプリンタが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、インクの粘度の増加に見合った分だけノズル径を大きくしないとインクの供給速度が遅くなり、繰り返し印字周波数が低下することになる。しかし、ノズル径を大きくすると、吐出されるインク滴の径が相対的に増加するため、解像度の低下及び画質の低下に繋がるという問題がある。
特開平7−228810号公報 特開平2−173168号公報 特開平9−169111号公報
これまでに述べてきたように、ブロンズ現象の発生を抑制することが可能であり、且つインクジェット記録用インクに要求される種々の性能を満足するインクジェット記録用インクは得られていない。
そこで、本発明の第1の目的は、ブロンズ現象の発生を防止でき、耐ガス性等の耐候性に優れた画像を提供することができ、記録ヘッドやノズル等のインクと接触する部材を腐食、劣化させることのないインクジェット記録用インクを提供することである。
又、近年のインクジェット記録技術における高画質化の流れの中で、粒状感の低減を目的として、ノズル径20μm未満、液滴体積4.5ピコリットル未満という、これまでのインクジェット技術とは比較にならないほどの微細な径のノズルを有した記録ヘッドが用いられてきている。このような極めて微細なノズルでは、目詰まりの影響はより顕著になると同時に、間欠吐出安定性も著しく悪化する。本発明者らが検討した結果、低湿環境においても、温度が下がるに従いその傾向は著しくなり、15℃以下の環境においては、間欠吐出安定性が著しく悪化するため、印字品位を損なうことがある。
従って、本発明の第2の目的は、前記第1の目的を満たしつつ、更に、インクジェット記録方法に用いた場合に、インクジェット記録装置のノズル或いは開口部内における目詰まりを起こさず、記録ヘッドからインク滴が吐出しなくなるといった不具合を生じることがなく、又、従来の尿素類を添加したインクジェット用インクと同様の良好な間欠吐出安定性や固着回復性が得られ、且つ染料の分解による色味変化や凝集を起こさず、長期保存安定性及び吐出安定性に優れ、尚且つ高解像度、高画質な印字物を作成することができる適切な粘度を有するインクジェット記録用インクを提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、前記インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、インクジェット記録装置を提供することにある。
本発明者らが上記目的に鑑みて鋭意検討を行った結果、インクにアミン系の添加剤等を含有させることや、pHを向上させること等により、銅フタロシアニン系染料の溶解性を上げてブロンズ防止効果を得るという手段の他に、インクに特定の化合物を添加することで、pH等のインクの物性をほとんど変化させずにブロンズ現象発生の抑制効果を向上させることができる、という従来技術からは想像できない技術を見出した。
具体的には、銅フタロシアニン系染料を用いた場合に、下記一般式(2)で表される化合物を併用することで、ブロンズ現象の発生を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
一般に、同じカラーインデックス(C.I.)ナンバーの染料であっても、置換基の種類や位置、数が変わることによって、吸収スペクトルのピークの位置や大きさが変わることが知られている。例えば、波長600nm〜640nmの範囲及び650nm〜680nmの範囲の両方に吸収スペクトルのピークがある銅フタロシアニン系染料では、この2つのピーク値の比は、染料によって異なる。この違いは、銅フタロシアニン系染料の置換基の種類や位置、数の違いにより生じる。
一般的な傾向として、上記銅フタロシアニン系染料を波長650nm〜680nmの範囲の光を吸収させる置換基の数及び比率と、耐ガス性等の印刷物の耐候性やブロンズ現象の発現の間には強い相関関係がある。つまり、波長650nm〜680nmの範囲の光を吸収する置換基が少ない程、耐ガス性等の耐候性には優れるが、一方でブロンズ現象が発現しやすい。言い換えると、波長650nm〜680nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値が小さいインクは、耐ガス性等の耐候性には優れるが、ブロンズ現象が発現しやすい傾向にある。
そこで本発明では、上記課題を解決する手段として、以下に記載のインクジェット記録用インク(以降、単にインクと呼ぶこともある)を提供する。
本発明にかかるインクジェット記録用インクは、少なくとも下記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料をインク全質量中に占める割合で0.5質量%以上5.0質量%以下含有するインクジェット記録用インクであって、更に下記一般式(2)で表される化合物をインク全質量中に占める割合で0.1質量%以上3.0質量%以下含有することを特徴とする。
Figure 0003833234
(一般式(1)中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムであり、R7はOH又はCOOMであり、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数である。)
Figure 0003833234
(一般式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、置換若しくは未置換の、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は水素原子の何れかであり、R3及びR5はそれぞれ独立に、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びこれらの基で置換されたアルキル基であり、R4 は水素原子、塩素原子、メチル基又はCONHCH 3 基であり、6水素原子であり、p及びrはそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q及びsはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、且つ、p+q≦5、r+s≦5である。)
上記した本発明にかかるインクジェット記録用インクに含有される、前記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料は、その吸収スペクトルが、以下の[1]及び[2]の条件を満たすものであることが好ましい。尚、この際の吸収スペクトルの測定は、例えば、JIS K 0115「吸光光度分析通則」に準拠して行う。
[1]吸収スペクトルのピークが、波長600nm〜640nmの範囲及び波長650nm〜680nmの範囲の両方に存在する。
[2]前記吸収スペクトルのピーク値の比が下記式の関係を満たす。
B/A<0.75
(上記式中、Aは波長600nm〜640nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値であり、Bは波長650nm〜680nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値である。)
又、本発明のインクジェット記録用インクの好ましい形態としては、前記一般式(1)で表される化合物の含有量及び前記一般式(2)で表される化合物の含有量の質量比が、15/1以上50/1以下であること;前記インクのpHが、4〜7.5の範囲であること;下記一般式(3)で表されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を、インクジェット記録用インク全質量中に0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲を占める割合で含有してなること;及び下記一般式(3)で表される化合物のm及びnが、6<m+n<14、の関係を満たすこと、が挙げられる。
Figure 0003833234
(一般式(3)中、m及びnはそれぞれに独立に整数である。)
更に、本発明者らが上記目的に鑑みて鋭意検討を行った結果、前記一般式(2)で表される色材に対して、特定の溶剤を特定の比率で用いたインク組成とすることで、インクジェット記録用インクとしての基本性能(ノズル先端での目詰まりがしないこと、間欠吐出安定性に優れること、高解像度の画像が得られる粘度のインクとすること)を満足することを見出し、前記第2の課題に対する発明を完成するに至った。
前記第2の課題に対する本発明は、上記課題を解決する手段として、以下に記載のインクジェット記録用インクを提供するものである。
即ち、本発明の別の形態にかかるインクジェット記録用インクは、前記した何れかの構成のインクジェット記録用インクにおいて、更に、第一の溶剤としてグリセリン、第二の溶剤として下記一般式(4)で表されるジオール、及び第三の溶剤として、下記一般式(5)で表される尿素誘導体、エチレングリコール及び2−ピロリドンから選ばれる何れか1種、の少なくとも3種の溶剤を含み、且つ上記3種の溶剤の含有量の合計が、インク全質量中に占める割合で18質量%以上27質量%以下の範囲であり、且つ上記第一の溶剤の含有量及び第二の溶剤の含有量の合計が、インク全質量中に占める割合で12質量%以上20質量%以下の範囲であり、且つ第一の溶剤の含有量及び第二の溶剤の含有量の質量比が、1.0以上2.0以下であることを特徴とする。
Figure 0003833234
(一般式(4)中、nは1〜6の整数である。)
Figure 0003833234
(一般式(5)中、nは0〜5の整数、m及びlはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)
又、上記構成の本発明のインクジェット記録用インクの更に好ましい形態としては、上記第二の溶剤が、1,5−ペンタンジオールであること;上記一般式(5)で表される尿素誘導体が、エチレン尿素であること;上記第三の溶剤が、エチレン尿素であること;上記一般式(2)で表される化合物の含有量がインクジェット記録用インク全質量に対して、0.2質量%以上3.0質量%以下であること;及び上記インクジェット記録用インクのpHが、5〜7.5の範囲であること、が挙げられる。
尚、本発明におけるブロンズ現象とは、「記録像が乾燥するにつれて染料の結晶が紙上に析出し、記録像が光を反射して黄色ないし茶色に光って金属光沢を放つ現象」である。又、前記一般式(1)で表されるようなフタロシアニン系染料がブロンズ現象を生じやすく、上記一般式(2)で表されるような化合物がブロンズ現象を防止する能力を有する。
又、本発明のインクジェット記録方法は、上記いずれかの構成のインクジェット記録用インクを、インクジェットヘッドにより記録媒体に付与して画像を形成することを特徴とする。
又、本発明のインクカートリッジは、上記いずれかの構成のインクジェット記録用インクを収容してなることを特徴とする。
又、本発明のインクジェット記録装置は、上記インクジェット記録用インクが搭載されていることを特徴とする。
前記した第1の課題を解決することができる本発明によれば、ブロンズ現象の発生を抑制でき、耐ガス性等の耐候性に優れる画像を形成することができ、しかも記録ヘッドやノズル等のインクと接触する部材を腐食、劣化させることのないインクジェット記録用インクを提供することができる。
又、前記した第2の課題を解決することができる本発明によれば、上記第1の課題を解決したものであることは勿論、更に、インクジェット記録方法に用いた場合に、インクジェット記録装置のノズル或いは開口部内における目詰まりを起こさず、記録ヘッドからインク滴が吐出しなくなるといった不具合を生じることのない、又、従来の尿素類を添加したインクジェット用インクと同様の良好な間欠吐出安定性や固着回復性が得られ、且つ、染料の分解による色味変化や凝集を起こさず、長期保存安定性及び吐出安定性に優れ、尚且つ、高解像度、高画質な印字物を作成することができる適切な粘度を有するインクジェット記録用インクを提供することができる。
更に、本発明によれば、上記したインクジット記録用インクを用いることで、上記した効果が得られる、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、インクジェット記録装置を提供することができる。
以下に発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
[インクジェット記録用インク]
本発明にかかるインクは、下記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料、及び下記一般式(2)で表される化合物を含有することを必須とする。更に、上記した以外の一般に用いられている染料又は顔料や、新規に合成された染料又は顔料を、これら第3の色材を添加することによる効果が得られ、且つ、前記した本発明の目的効果を損なわない範囲で併用してもよい。インク中における色材の含有量の合計は、インクジェット記録用インク全質量に対して、0.1質量%〜15.0質量%とすることが好ましい。
Figure 0003833234
(一般式(1)中、Mはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、Cs及びFr等)又はアンモニウムであり、R7は、OH又はCOOMであり、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数である。)
Figure 0003833234
(一般式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、置換若しくは未置換の、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は水素原子の何れかであり、R3及びR5はそれぞれ独立に、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びこれらの基で置換されたアルキル基であり、R4 は水素原子、塩素原子、メチル基又はCONHCH 3 基であり、6水素原子であり、p及びrはそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q及びsはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、且つ、p+q≦5、r+s≦5である。)
本発明にかかるインクに用いられる上記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料は、後述する理由から、その吸収スペクトルが以下の[1]及び[2]の条件を満たすものであることが好ましい。
[1]吸収スペクトルのピークが、波長600nm〜640nmの範囲と、波長650nm〜680nmの範囲の両方に存在する。
[2]前記吸収スペクトルのピーク値の比が下記式の関係を満たす。
B/A<0.75
(上記式中、Aは波長600nm〜640nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値であり、Bは波長650nm〜680nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値である。)
本発明においては、インクを所望の色相とするために、吸収スペクトルのピーク値が波長600nm〜640nmの範囲に存在することが好ましい。しかし、前記銅フタロシアニン系染料の吸収スペクトルのピークが、波長600nm〜640nmの範囲にのみ存在する場合、ブロンズ現象が非常に生じやすく、ブロンズ現象の防止効果が不十分となる場合がある。又、吸収スペクトルのピークが、波長600nm〜640nmの範囲と、波長650nm〜680nmの範囲の両方に存在するものでも、B/A<0.75を満たさないものは、堅牢性に劣る傾向にあるためである。
本発明にかかるインク中の前記一般式(2)で表される化合物の含有量は、効果的にブロンズ現象を抑制するという観点からは、インクジェット記録用インク全質量中に占める割合で0.1質量%以上3.0質量%以下での範囲であることが好ましい。一般式(2)で表される化合物の含有量が0.1質量%を下回ると、ブロンズ現象の抑制効果が十分に得られない場合があり、一方、一般式(2)で表される化合物の含有量が3.0質量%を上回っても、ブロンズ現象の発生に対する更なる抑制効果は得られにくいためである。
又、前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、インクジェット記録用インク全質量中に占める割合で、0.5質量%以上5.0質量%以下の範囲あることが好ましい。即ち、一般式(1)で表される化合物のインク中における含有量が0.5質量%を下回ると、発色性等を十分に発揮できない場合があり、一方、一般式(1)で表される化合物の含有量が5.0質量%を上回ると、ブロンズ抑制効果が不十分となる場合があるためである。
更に、本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物(色材Aとする)のインク中における含有量及び前記一般式(2)で表される化合物(色材Bとする)のインク中における質量比が、色材A/色材B=15/1以上50/1以下であるインクとすることが好ましい。即ち、前記一般式(2)で表される化合物(B)の含有量が少な過ぎると、特に高濃度で紙面上に印字した場合に、ブロンズ現象が発現しやすくなることがある。一方、前記一般式(2)で表される化合物(B)の含有量が多過ぎると、インクの色味が緑に近くなる場合がある。このようなインクは、グリーンインクとして使用する場合は問題ないが、シアンインクとして使用する場合は、色味に不都合が生じる畏れがあるため。好ましくない。
ただし、ノズル径20μm未満、液滴体積4.5ピコリットル未満という微細な径のノズルを有したインクジェット記録装置に、本発明にかかるインク用いた場合においても良好な効果が得られるようにするためには、上記一般式(2)で表される化合物の含有量が、インクジェット記録用インクの全質量中に占める割合で0.2質量%以上3.0質量%以下の範囲となるように構成することが好ましい。即ち、このように構成すれば、上記構成のインクジェット記録装置のノズル或いは開口部内における目詰まりを起こさず、記録ヘッドからインク滴が吐出しなくなるといった不具合を生じることがない。又、従来の尿素類を添加したインクジェット用インクと同様の良好な間欠吐出安定性が得られ、高解像度、高画質の印字物を作成することができる適切な粘度を有するインクが得られる。
(色材)
本発明で必須となる色材は、下記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料、及び下記一般式(2)で表される化合物である。以下、これらの色材について説明する。
<下記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料>
Figure 0003833234
(一般式(1)中、Mはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、Cs及びFr等)又はアンモニウムであり、R7は、OH又はCOOMであり、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数である。)
更に、上記一般式(1)において、1≦x+y≦4である銅フタロシアニン系染料を使用することが好ましい。尚、銅フタロシアニン系染料は、一般的に、上記一般式(1)において、置換基の位置及び数が異なるものの混合物として得られる。
上記一般式(1)で表される色材の使用に際しては、該一般式(1)で表される色材の群から選択して1種類の色材を単独で、又は、選択した2種類以上の色材を混合して用いることもできる。上記一般式(1)で表される色材の具体例としては、C.I.ダイレクトブルー:86、87、199等が挙げられる。
<下記一般式(2)で表される化合物>
又、本発明においては、上記した一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料とともに、下記一般式(2)で表される化合物をインク中に含有させる。一般式(2)で表される化合物を併存させることによって、インクのpHの上昇や、その他のインクの基本性能を損なうことなく、しかも、少量の添加量で一般式(1)のブロンズ現象を防止することができる。
Figure 0003833234
(一般式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、置換若しくは未置換の、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は水素原子の何れかであり、R3及びR5はそれぞれ独立に、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びこれらの基で置換されたアルキル基であり、R4 は水素原子、塩素原子、メチル基又はCONHCH 3 基であり、6水素原子であり、p及びrはそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q及びsはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、且つ、p+q≦5、r+s≦5である。)
上記一般式(2)で表わされる化合物を併用させることで、上記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料を使用した場合に生じるブロンズ現象を防止することができる理由は明らかではないが、次のように推測される。上記一般式(1)で表わされる化合物は、紙面(記録媒体の表面)上で規則的なスタッキング(会合)を起こす。この上記一般式(1)が形成するスタッキング(会合)の構造中に、上記一般式(2)で表わされる化合物がうまく入り込むことで、ブロンズ現象の発現を防止できたものと考えられる。そして、前記一般式(2)で表わされる化合物の使用量が少量でも効果的であるのは、該一般式(2)で表わされる化合物の構造によるためと考えられる。
以下に、前記一般式(2)で表わされる化合物の具体的な例を挙げる。本発明においては、これらを何れも使用することができるが、これらの中でも、下記の例示化合物1を最も好ましく用いることができる。
Figure 0003833234
Figure 0003833234
Figure 0003833234
Figure 0003833234
(水性媒体)
本発明にかかるインクは、水を主体とする水性媒体に、上述の色材を溶解或いは分散させて調製する。この水性媒体は、水と水溶性有機溶剤を含む混合媒体が利用できる。水溶性有機溶剤としては、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒、尿素類及び糖類等、一般にインクジェット用インクの溶剤として用いられているものであれば、問題なく使用することができる。これらの溶剤は、インクの保湿性維持や色材の溶解性、分散性の向上、インクの記録紙への浸透剤等の目的で適宜に用いられる。又、これらの溶剤は、単独でも複数を組み合わせて用いることもできる。又、水は脱イオン水(イオン交換水)を使用することが好ましい。
水溶性有機溶剤の含有量は、インクジェット記録用インクの全質量中に占める割合で1質量%〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは、3質量%〜40質量%の範囲である。又、インク中の水の含有量は、染料の溶解性やインクの吐出安定性を良好に保つために、インクジェット記録用インクの全質量中に占める割合で30質量%〜95質量%の範囲が好ましい。
更に、本発明にかかるインクにおいては、インクの表面張力を低下させ、更に良好なインクジェット適性を得るために、インク中に界面活性剤を含有させることができる。この際に用いる界面活性剤としては、下記一般式(3)で表されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が好適であり、該界面活性剤をインク中に、0.1質量%〜1.5質量%の範囲で含有させることが特に好ましい。
Figure 0003833234
(一般式(3)中、m及びnはそれぞれに独立に、整数である。)
又、本発明にかかるインクは、上記で説明した構成に加えて、更に、下記の構成を有するものであることが好ましい。即ち、第一の溶剤としてグリセリン、第二の溶剤として、下記一般式(4)で表されるジオール、及び第三の溶剤として、下記一般式(5)で表される尿素誘導体、エチレングリコール及び2−ピロリドンから選ばれる何れか1種、の少なくとも3種の溶剤を含む水性媒体を用いてなるインクとすることが好ましい。
Figure 0003833234
(一般式(4)中、nは1〜6の整数である。)
Figure 0003833234
(一般式(5)中、nは0〜5の整数、m及びlはそれぞれ独立に1〜6の整数である。)
更に、上記した第一、第二、及び第三の溶剤の少なくとも3種の溶剤の含有量の合計が、インクジェット記録用インク全質量中に占める割合で18質量%以上27質量%以下の範囲であることが好ましい。即ち、これらの3種の溶剤のインク中における合計含有量が18質量%未満では、インクのノズルにおける固着回復性が悪くなる場合があるため好ましくない。一方、これら3種の溶剤の合計含有量が27質量%を超えるとインクの粘度が高くなり、ノズル或いは開口部内へのインクの供給速度が著しく低下してしまう場合があるため好ましくない。
更に、本発明においては、上記した第一の溶剤の含有量と第二の溶剤の含有量との合計が、インク中に占める割合も重要である。即ち、上記第一の溶剤の含有量及び第二の溶剤の含有量の合計が、インクジェット記録用インク全質量中に占める割合が、12質量%以上20質量%以下であることが好ましい。即ち、第一の溶剤と第二の溶剤との含有量の合計が、12質量%未満では、固着回復性、間欠吐出安定性が悪くなる場合があり、一方、20質量%を超えるとインクの粘度が高くなって、ノズル或いは開口部内へのインクの供給速度が著しく低下してしまう場合がある。
更に、上記に加えて、インク中における第一の溶剤の含有量と、第二の溶剤の含有量の質量比が、1.0以上2.0以下であることが好ましい。即ち、1.0未満では間欠吐出安定性が悪くなる場合があり、一方、2.0を超えると固着回復性が悪くなる場合がある。
これまでに述べてきた色材、更には、溶剤組成等の条件を全て満たすインクを用いることで初めて、画像形成に用いた場合に、ブロンズ現象の発生が抑制された画像を得ることができると同時に、固着回復性、間欠吐出安定性、高速印字吐出安定性の全ての性能が十分に達成されたインクとなる。
(その他の成分及びインクの物性)
本発明にかかるインクには、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤の具体例は、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。この際、インクの25℃における表面張力は、10mN/m(dyn/cm)以上、より好ましくは20mN/m以上、又、60mN/m以下となるように界面活性剤の添加量を決定することが好ましい。界面活性剤をインクに添加することで、ノズル先端の濡れによる印字ヨレ(インク滴の着弾点のズレ)等の発生を有効に抑えることができる。
本発明にかかるインクには、更に上記の成分の他に必要に応じて、例えば、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤及び水溶性ポリマー等、種々の添加剤を添加することができる。これらの添加剤は、これらを添加することによる効果が得られ、且つ本発明の目的効果を損なわない範囲で含有させることができる。
又、本発明にかかるインクは、インクジェット記録装置に搭載して使用した場合に良好な吐出特性を得られるようにするために、所望の粘度やpHを有するものとなるように調整することが好ましい。特に、インクのpHは、下記に述べるように調整することが好ましい。前記した画像形成した場合におけるブロンズ現象の発生の抑制効果を十分に得るためには、インクのpHを4以上とすることが好ましい。又、インクの長期保存性等を得るためには、7.5以下とすることが好ましい。更に、間欠吐出安定性が得られ、ノズル先端での目詰まりが防止でき、加えて、高解像度、高画質の印字物を与えることができるインクとするためには、5以上とすることが好ましく、インクの長期保存性等を得るためには、7.5以下に調整することがより好ましい。
[記録媒体]
本発明にかかるインクを用いて画像を形成する際に用いる記録媒体としては、普通紙、或いは光沢紙、コート紙、光沢フィルムと呼ばれるような、表面にコート層或いはインク受容層を有する特殊媒体等、一般的に用いられている記録媒体が挙げられる。これらの中でも、より鮮やかさ、コントラスト、透明感の高い画像が得られる記録媒体の一例として、基材上に親水性の多孔質粒子層、多孔質高分子層等を有する特殊媒体を挙げることができる。
本発明で用いられる記録媒体としての特殊媒体の一例を更に詳述すると、染料や顔料等の色材をインク受容層内の親水性多孔質構造を形成する微粒子に吸着させて、少なくともこの吸着した色材によって画像が形成される記録媒体であり、インクジェット法を利用する場合には特に好適である。このような記録媒体は、支持体上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収する所謂吸収タイプであることが好ましい。
吸収タイプのインク受容層は、微粒子を主体とし、必要に応じて、バインダーやその他の添加剤を含有する親水性多孔質層として構成される。微粒子の例は、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナ或いはアルミナ水和物等の酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛等の無機顔料や尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂等の有機顔料が挙げられ、これらの1種以上が使用される。
バインダーとして好適に使用されているものには水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコール又はその変性体、澱粉又はその変性体、ゼラチン又はその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロオイルメチルセルロース等のセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸又はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体等が使用され、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。その他、添加剤を使用することもでき、例えば、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用される。
[記録方法及び記録装置]
本発明にかかるインクを用いて記録媒体にインクジェット記録方式で画像記録を行うのに好適な記録方法及び記録装置は、例えば、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、前記熱エネルギーにより液滴を発生させる方法及び装置が挙げられる。
図1及び図2にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成例を示す。図1において、この実施形態におけるプリンタの装置本体M1000の外郭は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排出トレイM1004を含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシM3019(図2参照)とから構成される。
シャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。又、前記下ケースM1001は装置本体M1000の外装の略下半部を、上ケースM1002は装置本体M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなしている。装置本体M1000の上面部及び前面部には、それぞれ、開口部が形成されている。
更に、排出トレイM1004は、その一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に排出された記録シートPを順次積載し得るようになっている。又、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a、M1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジH1000或いはインクタンクH1900等の交換が可能となる。尚、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチ等で検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
又、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018及びレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。又、LED E0020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリンタのトラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。尚、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーE0019を押下することによって記録が再開されるようになっている。
(記録動作機構)
記録動作機構は、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出される記録シートPを所定の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬送部M3029と、記録位置に搬送された記録シートPに所望の記録を行う記録部と、前記記録部等に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されている。
(記録部)
記録部は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジH1000とからなる。
(記録ヘッドカートリッジ)
記録部に用いられる記録ヘッドカートリッジについて図3〜10に基づいて説明する。
記録ヘッドH1001は、図3(a)及び図3(b)の斜視図でわかるように、記録ヘッドカートリッジH1000を構成する一構成要素であり、記録ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と記録ヘッドH1001に着脱自在に設けられたインクタンクH1900(H1901、H1902、H1903、H1904)とで構成されている。この記録ヘッドカートリッジH1000は、インクジェット記録装置本体に載置されているキャリッジM4001の位置決め手段及び電気的接点によって固定支持されるとともに、前記キャリッジM4001に対して着脱可能となっている。インクタンクH1901はブラックのインク用、インクタンクH1902はシアンのインク用、インクタンクH1903はマゼンタのインク用、インクタンクH1904はイエローのインク用である。このようにインクタンクH1901、H1902、H1903、H1904のそれぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となり、それぞれのインクタンクが交換可能となっていることにより、インクジェット記録装置における印刷のランニングコストが低減される。
次に記録ヘッドH1001に関して更に詳しく記録ヘッドを構成しているそれぞれの構成要素毎に順を追って説明する。図4〜図10は、本発明が実施若しくは適用される好適なヘッドカートリッジ、記録ヘッド、インクタンクのそれぞれ及びそれぞれの関係を説明するための説明図である。以下、これらの図面を参照して各構成要素の説明を行う。
(1)記録ヘッド
記録ヘッドH1001は、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行うバブルジェット(登録商標)方式のサイドシュータ型とされる記録ヘッドである。
記録ヘッドH1001は、図4の分解斜視図に示すように、記録素子ユニットH1002とインク供給ユニットH1003とタンクホルダーH2000から構成される。
更に、図5の分解斜視図に示すように、記録素子ユニットH1002は、第一の記録素子基板H1100、第二の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線テープH1300、電気コンタクト基板H2200、第2のプレートH1400で構成されており、又、インク供給ユニットH1003は、インク供給部材H1500、流路形成部材H1600、ジョイントゴムH2300、フィルターH1700、シールゴムH1800から構成されている。
(1−1)記録素子ユニット
図6は、第一の記録素子基板H1100の構成を説明するために一部分解した斜視図である。第一の記録素子基板H1100は、例えば、厚さ0.5〜1mmのSi基板H1110にインク流路として長溝状の貫通口からなるインク供給口H1102がSiの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブラスト等の方法で形成され、インク供給口H1102を挟んだ両側に電気熱変換素子H1103がそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列され、前記電気熱変換素子H1103と、電気熱変換素子H1103に電力を供給するAl等の電気配線は成膜技術により形成されている。
更に、前記電気配線に電力を供給するための電極部H1104が電気熱変換素子H1103の両外側に配列されており、電極部H1104にはAu等のバンプH1105が形成されている。そして、前記Si基板H1110上には、電気熱変換素子H1103に対応したインク流路を形成するためのインク流路壁H1106と吐出口H1107が樹脂材料でフォトリソ技術によりに形成され、吐出口群H1108を形成している。従って、前記電気熱変換素子H1103に対向して前記吐出口が設けられているため、インク流路H1102から供給されたインクは電気熱変換素子H1103により発生した気泡により吐出される。
又、図7は第二の記録素子基板H1101の構成を説明するために一部分解した斜視図である。第二の記録素子基板H1101は3色のインクを吐出させるための記録素子基板であり、3個のインク供給口H1102が並列して形成されており、それぞれのインク供給口を挟んだ両側に電気熱変換素子とインク吐出口が形成されている。もちろん第一の記録素子基板H1100と同じようにSi基板にインク供給口や電気熱変換素子、電気配線、電極部等が形成されておりその上に樹脂材料でフォトリソ技術によりインク流路やインク吐出口が形成されている。
そして第一の記録素子基板と同様に電気配線に電力を供給するための電極部H1104にはAu等のバンプH1105が形成されている。
次に第1のプレートH1200は、例えば、厚さ0.5〜10mmのアルミナ(Al23)材料で形成されている。尚、第1のプレートの素材は、アルミナに限られることなく、記録素子基板H1100の材料の線膨張率と同等の線膨張率を有し、且つ、記録素子基板H1100材料の熱伝導率と同等若しくは同等以上の熱伝導率を有する材料で作られてもよい。第1のプレートH1200の素材は、例えば、シリコン(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア、窒化珪素(Si34)、炭化珪素(SiC)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)のうち何れであってもよい。第1のプレートH1200には、第一の記録素子基板H1100にブラックのインクを供給するためのインク供給口H1201と第二の記録素子基板H1101にシアン、マゼンタ、イエローのインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されており、記録素子基板のインク供給口1102が第1のプレートH1200のインク供給口H1201にそれぞれ対応し、且つ、第一の記録素子基板H1100と第二の記録素子基板H1101はそれぞれ第1のプレートH1200に対して位置精度良く接着固定される。接着に用いられる第1の接着剤H1202(不図示)は、低粘度で硬化温度が低く、短時間で硬化し、硬化後比較的高い硬度を有し、且つ、耐インク性のあるものが望ましい。その第1の接着剤H1202は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤であり、接着層の厚みは50μm以下が望ましい。
電気配線テープH1300は、第一の記録素子基板H1100と第二の記録素子基板H1101に対してインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、それぞれの記録素子基板を組み込むための複数の開口部と、それぞれの記録素子基板の電極部H1104に対応する電極端子H1302(不図示)と、この配線テープ端部に位置し本体装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301を有した電気コンタクト基板H2200と電気的接続をおこなうための電極端子部H1303(不図示)を有しており電極端子H1302と電極端子1303は連続した銅箔の配線パターンでつながっている。
電気配線テープH1300と第一の記録素子基板1100と第二の記録素子基板H1101は、それぞれ電気的に接続されており、接続方法は、例えば、記録素子基板の電極部1104と電気配線テープH1300の電極端子H1302が熱超音波圧着法により電気接合されている。
第2のプレートH1400は、例えば、厚さ0.5〜1mmの一枚の板状部材であり、例えば、アルミナ(Al23)等のセラミックや、Al、SUS等の金属材料で形成されている。そして、第1のプレートH1200に接着固定された第一の記録素子基板H1100と第二の記録素子基板H1101の外形寸法よりも大きな開口部をそれぞれ有する形状となっている。又、第一の記録素子基板H1100及び第二の記録素子基板H1101と電気配線テープH1300を平面的に電気接続できるように第1のプレートH1200に第2の接着剤H1203(不図示)により接着されており、電気配線テープH1300の裏面が第3の接着剤H1306(不図示)により接着固定される。
第一の記録素子基板H1100及び第二の記録素子基板H1101と電気配線テープH1300の電気接続部分は、第1の封止剤H1307(不図示)及び第2の封止剤H1308(不図示)により封止され、電気接続部分をインクによる腐食や外的衝撃から保護している。第1の封止剤は、主に電気配線テープの電極端子H1302と記録素子基板の電極部H1104との接続部の裏面側と記録素子基板の外周部分を封止し、第2の封止剤は、前記接続部の表側を封止している。
更に電気配線テープの端部に本体装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301を有した電気コンタクト基板H2200を異方性導電フィルム等を用いて熱圧着して電気的に接続する。
そして電気配線テープH1300は、第1のプレートH1200の一側面で折り曲げられ、第1のプレートH1200の側面に第3の接着剤H1306(不図示)で接着される。第3の接着剤H1306は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とした厚さ10〜100μmの熱硬化接着剤が使用される。
(1−2)インク供給ユニット
インク供給部材H1500は、例えば、樹脂成形により形成されている。前記樹脂材料には、形状的剛性を向上させるためにガラスフィラーを5〜40%混入した樹脂材料を使用することが望ましい。
図5、図8に示すように、インク供給部材H1500は、インクタンクH1900から記録素子ユニットH1002にインクを導くためのインク供給ユニットH1003の一構成部品であり、流路形成部材H1600を超音波溶着することによりインク流路H1501を形成している。又、インクタンクH1900と係合するジョイントH1517(不図示)には、外部からのゴミの進入を防ぐためのフィルターH1700が溶着により接合されており、更に、ジョイントH1517部からのインクの蒸発を防止するために、シールゴムH1800が装着されている。
又、インク供給部材H1500は、着脱自在のインクタンクH1900を保持する機能も一部有しており、インクタンクH1900の第2の爪H1910を係合する第1の穴H1503を有している。
又、記録ヘッドカートリッジH1000をインクジェット記録装置本体のキャリッジM4001に装着位置に案内するための装着ガイドH1601、記録ヘッドカートリッジをヘッドセットレバーによりキャリッジM4001に装着固定するための係合部H1508(不図示)、及びキャリッジM4001の所定の装着位置に位置決めするためのX方向(キャリッジスキャン方向)の突き当て部H1509、Y方向(記録メディア搬送方向)の突き当て部H1510、Z方向(インク吐出方向)の突き当て部H1511を備えている。又、記録素子ユニットH1002の電気コンタクト基板H2200を位置決め固定する端子固定部H1512を有し、端子固定部H1512及びその周囲には複数のリブが設けられ、端子固定部H1512を有する面の剛性を高めている。
(1−3)記録ヘッドユニットとインク供給ユニットの結合
先述の図4に示した通り、記録ヘッドH1001は、記録素子ユニットH1002をインク供給ユニットH1003に結合し更にタンクホルダーH2000と結合することにより完成する。結合は以下のように行われる。
記録素子ユニットH1002のインク供給口(第1のプレートH1200のインク供給口H1201)とインク供給ユニットH1003のインク供給口(流路形成部材H1600のインク供給口H1601)をインクがリークしないように連通させるため、ジョイントゴムH2300を介してそれぞれの部材を圧着するようビスH2400で固定する。この際同時に、記録素子ユニットH1002はインク供給ユニットのX方向、Y方向、Z方向の基準位置に対して正確に位置決めがされ固定される。
そして記録素子ユニットH1002の電気コンタクト基板H1301はインク供給部材H1500の一側面に、端子位置決めピンH1515(2ヶ所)と端子位置決め穴H1309(2ヶ所)により位置決めされ、固定される。固定方法は、例えば、インク供給部材H1500に設けられた端子結合ピンH1515をかしめることにより固定されるが、その他の固定手段を用いて固定しても良い。完成図を図9に示す。
更にインク供給部材H1500のタンクホルダーとの結合穴及び結合部をタンクホルダーH2000に勘合させ結合することにより記録ヘッドH1001が完成する。完成図を図10に示す。
(2)記録ヘッドカートリッジ
先述の図3(a)、(b)は、記録ヘッドカートリッジH1000を構成する記録ヘッドH1001とインクタンクH1901、H1902、H1903、H1904の装着を説明する図であり、インクタンクH1901、H1902、H1903、H1904の内部には、対応する色のインクが収納されている。又、図8に示すようにそれぞれのインクタンクには、インクタンク内のインクを記録ヘッドH1001に供給するためのインク供給口H1907が形成されている。例えばインクタンクH1901が記録ヘッドH1001に装着されると、インクタンクH1901のインク供給口H1907が記録ヘッドH1001のジョイント部H1520に設けられたフィルターH1700と圧接され、インクタンクH1901内のブラックインクがインク供給口H1907から記録ヘッドH1001のインク流路H1501を介して第一のプレートH1200を通り第一の記録素子基板に供給される。
そして、電気熱変換素子H1103と吐出口H1107のある発泡室H1109にインクが供給され、電気熱変換素子H1103に与えられる熱エネルギーによって記録媒体である記録用紙に向けて吐出される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚、以下の記載で「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
<実施例1〜3及び比較例1〜5のインクの調製>
下記表1に示す成分を混合し、十分に攪拌して溶解した。その後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、必要に応じてpHを調整して、実施例1〜3及び比較例1〜5のインクを調製した。
Figure 0003833234
[構造式1−1及び構造式1−2の化合物]
Figure 0003833234
(構造式1−1及び構造式1−2中、MはNaであり、x及びyはそれぞれ独立に1〜4の整数である。)
構造式1−1及び構造式1−2で表される化合物は、どちらもC.I.ダイレクトブルー199である。C.I.ダイレクトブルー199は、置換基の位置及び数が異なる化合物の混合物である。従って、前記C.I.ダイレクトブルー199に含まれる化合物である上記構造式1−1及び構造式1−2で表される化合物の水溶液の吸収スペクトルはそれぞれ異なる。ここで、上記構造式1−1及び構造式1−2で表される化合物の1%水溶液を純水で1000倍に希釈し、下記の条件で吸収スペクトルをJIS K 0115に従って測定した。
使用装置;分光光度計(日立製作所製 U−3000)
セル;石英セル(光路長 10mm)
測定温度;25℃
上記で測定した構造式1−1及び構造式1−2の化合物の各吸収スペクトルから、これらの化合物における、波長600nm〜640nmの範囲におけるピーク値と、波長650nm〜680nmの範囲におけるピーク値の比(B/A)を求めた。得られた結果を下記に示す。
構造式1−1の化合物:B/A=0.67
構造式1−2の化合物:B/A=0.50
(上記式中、Aは波長600nm〜640nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値であり、Bは波長650nm〜680nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値である。)
[構造式2の化合物]
Figure 0003833234
[構造式3の化合物]
Figure 0003833234
(構造式3中、m+n=10である。尚、本発明では、構造式3の化合物として川研ファインケミカル製のアセチレノールEH(商品名)を用いた。)
[構造式4の化合物]
Figure 0003833234
(構造式4中、R1及びR2はアルキル基又は水素原子、n=10、l=7である。)
<実施例1〜3及び比較例1〜5のインクの評価>
上記で得られたインクを、キヤノン製PIXUS 950i用のインクカートリッジに詰め、キヤノン製PIXUS 950iを用いて画像を形成した。各インク及び形成した画像について、下記の方法及び基準で評価した。そして、評価結果をまとめて表2に示した。
(保存pH安定性)
インクを調製した後に、それぞれ初期pHを測定した。更に、蓋付きのテフロン(登録商標)容器に各インクを入れて密閉し、60℃の恒温槽に3ヶ月間保存した後に取り出して室温まで温度を下げた後の保存後pHを測定した。そして、測定した初期及び保存後のpH値から、pH変化量を求めた。保存pH安定性の評価基準は以下の通りである。
A:pH変化量が1.6以内
B:pH変化量が1.6を超える
(ブロンズ現象の発現性)
ブロンズ現象は、一般的に、インク打ち込み濃度(duty)が高いほど顕著に観察される。そこで、記録媒体としてキヤノン製HG−201(光沢フィルム)を用い、インク打ち込み濃度(duty)が0〜100%の範囲において5%刻みとなるように前記記録媒体にインクを付与して印字物を作成した。得られた印字物において、ブロンズ現象が現れ始める最も高いdutyを、ブロンズ現象発現性の指標とした。つまり、ブロンズ現象の発現するdutyが高いほど、ブロンズ現象が発現しにくいインクと言える。
Figure 0003833234
<実施例4〜14及び比較例6のインクの調製>
下記表3に示す成分を混合し、十分に攪拌して溶解した。その後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、必要に応じてpHを調整して、実施例4〜14及び比較例6のインクを調製した。
Figure 0003833234
[構造式1−3〜構造式1−5の化合物]
Figure 0003833234
(構造式1−3、構造式1−4及び構造式1−5中、MはNaであり、x及びyはそれぞれ独立に1〜4の整数である。)
前記した構造式1−1及び構造式1−2と同様に、構造式1−3、構造式1−4及び構造式1−5で表される化合物は、全てC.I.ダイレクトブルー199である。上記構造式1−3、構造式1−4及び構造式1−5で表される化合物の1質量%水溶液を純水で1,000倍に希釈し、下記の条件で吸収スペクトルをJIS K 0115に従って測定した。そして、波長600nm〜640nmの範囲におけるピーク値と、波長650nm〜680nmの範囲におけるピーク値の比(B/A)を求めた。結果は、下記の通りであった。
構造式1−3の化合物:波長600nm〜640nmの範囲にのみピークを有する
構造式1−4の化合物:B/A=0.74
構造式1−5の化合物:B/A=0.75
(上記式中、Aは波長600nm〜640nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値であり、Bは波長650nm〜680nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値である。)
<実施例4〜14及び比較例6のインクの評価>
上記で得られた各インクを、キヤノン製PIXUS 950i用のインクカートリッジに詰め、キヤノン製PIXUS 950iを用いて画像を形成した。形成した各画像について、下記の方法及び基準で評価した。そして、評価結果をまとめて表4に示した。
(ブロンズ現象発現性)
記録媒体としてキヤノン製HG−201(光沢フィルム)を用い、インク打ち込み濃度(duty)が、0〜100%の範囲において5%刻みとなるように上記記録媒体にインクを付与して印字物を作成した。得られた印字物において、ブロンズ現象が現れ始める最も高いdutyを、ブロンズ現象の発現性の指標とした。ブロンズ現象発現性の評価基準は以下の通りである。
AA:100%dutyでもブロンズが発生しない
A:ブロンズ発生dutyが95%以上
B:ブロンズ発生dutyが80%以上95%未満
C:ブロンズ発生dutyが80%未満
(耐ガス性)
記録媒体としてキヤノン製PR−101(光沢紙)を用い、インク打ち込み濃度(duty)を100%として印字物を作成した。得られた各印字物から下記の方法で色差ΔEを算出し、耐ガス性を評価した。耐ガス性の評価方法及び評価基準は以下の通りである。
評価装置;オゾンフェードメーター
曝露条件;槽内温度40℃、相対湿度55%、3ppmのオゾン雰囲気下の条件で2時間曝露
評価方法;曝露前、曝露後の試験サンプルのCIE L***を測定した。そして、下記計算式より色差ΔEを算出した。
ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)1/2
AA:ΔEが20未満
A:ΔEが20以上25未満
B:ΔEが25以上30未満
C:ΔEが30以上
Figure 0003833234
尚、実施例4、7、8、9及び10について、インク打ち込み濃度(duty)を200%まで増加させてブロンズ現象発現性を確認したところ、上記構造式2で表される化合物のインクジェット記録用インク全質量に対する含有量が多いほどブロンズ現象は発生しない傾向であった。しかし、実施例9及び10の結果を比較すると、上記構造式2で表される化合物の含有量が3質量%を超えると、ブロンズ現象発現性における差はほとんど見られなかった。
<実施例15〜26のインクの調製>
下記表5に示す成分を混合し、十分に攪拌して溶解した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、必要に応じてpHを調整して、実施例15〜26のインクを調製した。
Figure 0003833234
[構造式1−6の化合物]
Figure 0003833234
(構造式1−6中、x及びyはそれぞれ独立に1〜4の整数である。)
<実施例15〜26の評価>
得られた各インクを、キヤノン製PIXUS 950i用のインクカートリッジに詰め、キヤノン製PIXUS 950iの改造機を用いて画像を形成した。そして、各インクのインクジェット記録特性について、下記の方法及び基準で評価した。評価結果は、まとめて表6に示した。評価に用いたPIXUS950iは、ノズル径が20μm未満であり、液滴体積が4.5ピコリットル未満という微細なノズルを有するように改造したものである。
(間欠吐出安定性)
温度15℃、相対湿度10%の環境下で、インクジェットのノズル部のインクが温度上昇しない条件で、ある一定の吐出休止時間間隔で縦罫線を印字した。そして、休止直後に形成される縦罫線を、対物倍率50倍のミクロメーターを用いて観察し、下記基準にて評価を行った。間欠吐出安定性の評価基準は以下の通りである。
A:縦罫線に乱れがなく正常に印字できる
B:縦罫線に若干の乱れはあるが、不吐出はない
C:縦罫線に不吐出や乱れがはっきりと確認され、正常に印字できない
(固着回復性)
先ず、各インクを詰めたインクカートリッジを記録ヘッドに装着したPIXUS 950i用ヘッドカートリッジを用いて、全てのノズルが印字可能であることを確認した。その後に、上記インクカートリッジを装着したままの状態でヘッドカートリッジを記録装置本体から外し、温度35℃、相対湿度10%の恒温槽に2週間放置した。その後、ヘッドカートリッジを再度記録装置本体に装着し、印字可能にするための吸引回復動作を行った。そして、記録ヘッドの全てのノズルが印字可能になるまでの吸引回復動作の回数を数え、その数を用いて評価を行った。固着回復性の評価基準は以下の通りである。
A:吸引回数2回以内で記録ヘッドの全てのノズルが印字可能になる
B:吸引回数3〜6回で記録ヘッドの全てのノズルが印字可能になる
C:吸引回数7回以上でも記録ヘッドの全てのノズルが印字可能にならない
(高速印字吐出安定性)
A4サイズの記録媒体に、各インクを用い、インク打ち込み濃度(duty)が100%のベタ印字を行った。その際の、ノズルへのインクの供給速度(リフィル速度)を印字状態から判断し、高速印字吐出安定性を評価した。高速印字吐出安定性の評価基準は以下の通りである。
A:問題なく印字可能
B:リフィル速度の不足によるヨレ、かすれ、不吐等を生じる
C:リフィル速度が遅くなり全ノズル吐出しなくなる状態が見られる
Figure 0003833234
<実施例27〜44のインクの調製>
下記表7に示す各成分を混合し、十分に攪拌して溶解した。その後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、必要に応じてpHを調整して、実施例27〜44のインクを調製した。
Figure 0003833234
<実施例27〜44の評価>
得られたインクを、キヤノン製PIXUS 950i用のインクカートリッジに詰め、キヤノン製PIXUS 950iの改造機を用いて画像を形成した。各インクのインクジェット記録特性及び各インクで形成した画像について、下記の方法及び基準で評価した。そして、評価結果をまとめて表8に示した。尚、PIXUS950iは、ノズル径が20μm未満であり、液滴体積が4.5ピコリットル未満という微細なノズルを有するように改造したものを用いた。
(ブロンズ現象発現性)
記録媒体としてキヤノン製HG−201(光沢フィルム)を用い、インク打ち込み濃度(duty)が0〜100%の範囲において5%刻みとなるように前記記録媒体にインクを付与して印字物を作成した。得られた印字物において、ブロンズ現象が現れ始める最も高いdutyを、ブロンズ現象の発現性の指標とした。ブロンズ現象発現性の評価基準は以下の通りである。
AA:100%dutyでもブロンズが発生しない
A:ブロンズ発生dutyが95%以上
B:ブロンズ発生dutyが80%以上95%未満
C:ブロンズ発生dutyが80%未満
(間欠吐出安定性)
温度15℃、相対湿度10%の環境下で、インクジェットのノズル部のインクが温度上昇しない条件で、ある一定の吐出休止時間間隔で縦罫線を印字した。そして、休止直後に形成される縦罫線を、対物倍率50倍のミクロメーターを用いて観察し、下記基準にて評価を行った。間欠吐出安定性の評価基準は以下の通りである。
A:縦罫線に乱れがなく正常に印字できる
B:縦罫線に若干の乱れはあるが、不吐出はない
C:縦罫線に不吐出や乱れがはっきりと確認され、正常に印字できない
(固着回復性)
先ず、インクを詰めたインクカートリッジを記録ヘッドに装着したPIXUS 950i用ヘッドカートリッジを用いて、全てのノズルが印字可能であることを確認した。その後に、上記インクカートリッジを装着したままの状態でヘッドカートリッジを記録装置本体から外し、温度35℃、相対湿度10%の恒温槽に2週間放置した。その後、ヘッドカートリッジを再度記録装置本体に装着し、印字可能にするための吸引回復動作を行った。そして、記録ヘッドの全てのノズルが印字可能になるまでの吸引回復動作の回数を数え、その数を用いて評価を行った。固着回復性の評価基準は以下の通りである。
AA:吸引回数1回で記録ヘッドの全てのノズルが印字可能になる
A:吸引回数2回で記録ヘッドの全てのノズルが印字可能になる
B:吸引回数3〜6回で記録ヘッドの全てのノズルが印字可能になる
C:吸引回数7回以上でも記録ヘッドの全てのノズルが印字可能にならない
(高速印字吐出安定性)
A4サイズの記録媒体に、各インクを用い、インク打ち込み濃度(duty)が100%のベタ印字を行った。その際の、ノズルへのインクの供給速度(リフィル速度)を印字状態から判断し、高速印字吐出安定性を評価した。高速印字吐出安定性の基準は以下の通りである。
AA:問題なく印字可能
A:リフィル速度の不足による実使用上問題ないレベルのヨレを生じる
B:リフィル速度の不足によるヨレ、かすれ、不吐等を生じる
C:リフィル速度が遅くなり全ノズル吐出しなくなる状態が見られる
Figure 0003833234
本発明の活用例としては、耐ガス性に優れ、しかも、所謂ブロンズ現象の発生が有効に防止された画像が得られるインクジェット記録用インクが挙げられる。
本発明の活用例としては、上記に加えて、明度、彩度に優れた印字物を提供することができ、且つ、ノズル径20μm未満、飛翔液滴4.5ピコリットル未満という微細なノズルを有した記録装置に好適なインクジェット記録用インクが挙げられる。本発明にかかるインクによれば、この場合にも、従来の尿素類を含むインクと同等の、間欠吐出安定性、ノズル先端での目詰まり防止性、更に、高速印字、高解像度・高画質の印字物を提供し得る。
インクジェットプリンタの外観構成を示す斜視図である。 図1に示す装置の外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。 図3(a)は記録ヘッドカートリッジの斜視図、図3(b)はその分解斜視図である。 図3に示す記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。 図3に示す記録ヘッドを更に細かく分解した分解斜視図である。 図3の記録ヘッドカートリッジの記録素子基板の構成を示す一部切り欠き説明斜視図である。 図3の記録ヘッドカートリッジの他の記録素子基板の構成を示す一部切りかき説明斜視図である。 図3の記録ヘッドカートリッジの要部断面図である。 図3の記録ヘッドカートリッジの記録素子ユニットとインク供給ユニットを組み立てたものを示す斜視図である。 図3の記録ヘッドカートリッジの底面側を示す斜視図である。
符号の説明
M1000:装置本体
M1001:下ケース
M1002:上ケース
M1003:アクセスカバー
M1004:排出トレイ
M2015:紙間調整レバー
M3001:LFローラ
M3006:排紙ローラ
M3019:シャーシ
M3022:自動給送部
M3029:搬送部
M3030:排出部
M4001:キャリッジ
M4002:キャリッジカバー
M4007:ヘッドセットレバー
M4021:キャリッジ軸
M5000:回復部
E0001:キャリッジモータ
E0002:LFモータ
E0018:電源キー
E0019:レジュームキー
E0020:LED
H1000:記録ヘッドカートリッジ
H1001:記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)
H1002:記録素子ユニット
H1003:インク供給ユニット
H1100:第一の記録素子基板
H1101:第二の記録素子基板
H1102:インク供給口(供給口)
H1103:電気熱変換素子(記録素子)
H1104:電極部
H1105:バンプ
H1106:インク流路壁
H1107:吐出口
H1108:吐出口群
H1109:発泡室
H1110:Si基板
H1200:第1のプレート(第1の支持部材)
H1201:インク供給口
H1300:電気配線テープ
H1301:外部信号入力端子
H1302:電極端子
H1308:第2の封止剤
H1309:端子位置決め穴
H1310:端子固定部
H1400:第2のプレート
H1500:インク供給部材
H1501:インク流路
H1503:第1の穴
H1509:X方向の突き当て部
H1510:Y方向の突き当て部
H1511:Z方向の突き当て部
H1512:端子固定部
H1515:端子位置決めピン
H1520:ジョイント部
H1600:流路形成部材
H1601:装着ガイド(インク供給口)
H1602:インク連通口
H1700:フィルター
H1800:シールゴム
H1900:インクタンク
H1901:ブラックインクタンク
H1902:シアンインクタンク
H1903:マゼンタインクタンク
H1904:イエローインクタンク
H1907:インク供給口
H1910:第2の爪
H2000:タンクホルダー
H2200:電気コンタクト基板
H2300:ジョイントゴム
H2400:ビス

Claims (14)

  1. 少なくとも下記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料をインク全質量中に占める割合で0.5質量%以上5.0質量%以下含有するインクジェット記録用インクであって、更に下記一般式(2)で表される化合物をインク全質量中に占める割合で0.1質量%以上3.0質量%以下含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
    Figure 0003833234
    (一般式(1)中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムであり、R7はOH又はCOOMであり、x、y、zはそれぞれ独立に0〜4の整数である。)
    Figure 0003833234
    (一般式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、置換若しくは未置換の、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は水素原子の何れかであり、R3及びR5はそれぞれ独立に、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、及びこれらの基で置換されたアルキル基であり、R4 は水素原子、塩素原子、メチル基又はCONHCH 3 基であり、6水素原子であり、p及びrはそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q及びsはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、且つ、p+q≦5、r+s≦5である。)
  2. 前記一般式(1)で表される銅フタロシアニン系染料の吸収スペクトルが、以下の[1]及び[2]の条件を満たす請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
    [1]吸収スペクトルのピークが、波長600nm〜640nmの範囲及び波長650nm〜680nmの範囲の両方に存在する。
    [2]前記吸収スペクトルのピーク値の比が下記式の関係を満たす。
    B/A<0.75
    (上記式中、Aは波長600nm〜640nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値であり、Bは波長650nm〜680nmの範囲における吸収スペクトルのピーク値である。)
  3. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量及び前記一般式(2)で表される化合物の含有量の質量比が、15/1以上50/1以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記インクのpHが、4〜7.5の範囲である請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  5. 更に、下記一般式(3)で表されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を、インク全質量中に0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲を占める割合で含有してなる請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録用インク。
    Figure 0003833234
    (一般式(3)中、m及びnはそれぞれに独立の整数である。)
  6. 前記一般式(3)で表される化合物のm及びnが、6<m+n<14、の関係を満たす請求項に記載のインクジェット記録用インク。
  7. 更に、第一の溶剤としてグリセリン、第二の溶剤として下記一般式(4)で表されるジオール、及び第三の溶剤として下記一般式(5)で表される尿素誘導体、エチレングリコール及び2−ピロリドンから選ばれる何れか1種、の少なくとも3種の溶剤を含み、
    且つ上記3種の溶剤の含有量の合計が、インク全質量中に占める割合で18質量%以上27質量%以下の範囲であり、
    且つ上記第一の溶剤の含有量及び第二の溶剤の含有量の合計が、12質量%以上20質量%以下であり、
    且つ第一の溶剤の含有量及び第二の溶剤の含有量の質量比が、1.0以上2.0以下である請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録用インク。
    Figure 0003833234
    (一般式(4)中、nは1〜6の整数である。)
    Figure 0003833234
    (一般式(5)中、nは0〜5の整数、m及びlはそれぞれ独立に、1〜6の整数である。)
  8. 前記第二の溶剤が、1,5−ペンタンジオールである請求項に記載のインクジェット記録用インク。
  9. 前記一般式(5)で表される尿素誘導体が、エチレン尿素である請求項又はに記載のインクジェット記録用インク。
  10. 前記一般式(2)で表される化合物の含有量が、インク全質量中に占める割合で0.2質量%以上3.0質量%以下の範囲である請求項の何れか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  11. 前記インクジェット記録用インクのpHが、5〜7.5の範囲である請求項〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  12. 請求項1〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録用インクを、インクジェットヘッドにより記録媒体に付与して画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. 請求項1〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録用インクを収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  14. 請求項1〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録用インクが搭載されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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