JP6941269B2 - インク吐出装置及びインク吐出方法 - Google Patents
インク吐出装置及びインク吐出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6941269B2 JP6941269B2 JP2016240636A JP2016240636A JP6941269B2 JP 6941269 B2 JP6941269 B2 JP 6941269B2 JP 2016240636 A JP2016240636 A JP 2016240636A JP 2016240636 A JP2016240636 A JP 2016240636A JP 6941269 B2 JP6941269 B2 JP 6941269B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- ink ejection
- organic solvent
- ejection device
- flow path
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- LBVMWHCOFMFPEG-UHFFFAOYSA-N CN(C)C(CCOC)=O Chemical compound CN(C)C(CCOC)=O LBVMWHCOFMFPEG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
例えば、圧力発生室となる各個別液室に液体を供給する共通液室と、各個別液室に通じる循環流路に通じる循環共通液室とを、各個別液室及び循環流路を生成する複数の板状部材で構成される流路部材で形成したものが知られている(特許文献1)。
一般式
−(A)a−(B)b−(C)c−(D)d−(E)e−
(式中、A、B、C、D、Eは顔料分散剤を構成する単量体を表し、a、b、c、d、eはそれぞれの単量体の顔料分散剤中における構成モル比率を表す。Aはカルボン酸またはスルホン酸の酸性基およびその塩誘導体を含有する単量体であり、Bはヒドロキシ基を含有する単量体である。Cは炭素数8以上の直鎖または分岐状のアルキル基を含有する単量体であり、Dはスチレンおよびその誘導体を表す。Eはその他の重合可能な単量体を表す。aは1〜24%、bは1〜60%、cおよびdはそれぞれ1〜50%であり、かつc+dは5〜50%である。eは0〜40%である。)(例えば、特許文献2参照)
本発明は、普通紙は勿論のこと、商業印刷用紙に対しても乾燥性が高く生産性に優れ、ビーディングが抑制された良好な品位の記録が可能であり、さらに、画像乱れが少なく、メンテナンスインク消費量も少ないインク吐出装置を提供することを目的とする。
<1>インクと、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、を備え、前記流出流路から流出する前記インクを前記流入流路に流入させて循環させるインク吐出装置であって、
前記インクは、水、色材、グリコールエーテル化合物を除く溶解度パラメーター(SP値)が8.9以上12.0以下の有機溶剤X、及び共重合体を含有し、
前記インクはワックスを含有し、インク中の前記ワックスの含有量wに対する前記有機溶剤Xの含有量xの質量比(x/w)が、30≦x/w≦500であり、
前記共重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有し、
前記インク吐出装置は、前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生手段を有するインク吐出装置。
<2> 前記共重合体が、更に、下記一般式(2)で表される構造単位を有する<1>に記載のインク吐出装置。
<3> 前記インクに含まれる水及び有機溶剤Xの合計の含有量に対する前記インクに含まれる有機溶剤Xの含有量の比率{有機溶剤X/(有機溶剤X+水)}が20質量%以上である<1>又は<2>に記載のインク吐出装置。
<4> 前記インクが、100℃の環境下で蒸気圧が50mmHg以上を示すグリコールエーテル化合物(化合物Z)を含む<1>乃至<3>のいずれかに記載のインク吐出装置。
<5> 前記化合物Zが、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれた少なくとも1種である<4>に記載のインク吐出装置。
<6> 前記有機溶剤Xと前記化合物Zの含有量の比(質量比)が、1:1〜8:1である<4>又は<5>に記載のインク吐出装置。
<7> 前記有機溶剤Xが、下記一般式(3)、一般式(4)、式(5)で示される化合物から選択される少なくとも1つである<1>乃至<6>のいずれかに記載のインク吐出装置。
<9> 前記ワックスの融点が、100℃〜140℃である<8>に記載のインク吐出装置。
<10> 前記インクが、ポリエーテル変性シロキサン化合物を含有する<1>乃至<9>のいずれかに記載のインク吐出装置。
<11> 前記インクが、静的表面張力が20mN/m以上であり、且つ、最大泡圧法によるバブルライフタイム15msec時の動的表面張力が34mN/m以下である<1>乃至<10>のいずれかに記載のインク吐出装置。
<12> インクと、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、を備え、前記流出流路から流出する前記インクを前記流入流路に流入させて循環させるインク吐出装置によって行われ、
前記インクは、水、色材、グリコールエーテル化合物を除く溶解度パラメーター(SP値)が8.9以上12.0以下の有機溶剤X、及び共重合体を含有し、
前記共重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有し、
前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生工程を有するインク吐出方法。
本発明に用いるインクは、水、色材、グリコールエーテル化合物を除く溶解度パラメーター(SP値)が8.9以上12.0以下の有機溶剤X、及び特定の構造を有する共重合体を含有する。
本発明で用いる特定の構造を有する共重合体について説明する。
本発明のインク吐出装置においては、循環型吐出ヘッドと、低い溶解度パラメーター(SP値)を有する溶剤を含むインクとを組み合わせている。このような循環型吐出ヘッドにはノズルからインクが流出しないために、循環経路内に負圧タンクが必要であり、常に真空ポンプにより減圧し、負圧を維持している。このような負圧下ではインク中の水分が揮発し易いため、インクは疎水的な組成へと変動してしまい、親水性と疎水性のバランスが変わることで、インク中に含まれる顔料の分散安定性が損なわれてしまうという課題がある。通常の高分子分散剤であると、このような疎水的なインク溶媒中で不安定となり、顔料の分散安定性が損なわれ、ノズル抜けや吐出曲がりといった問題が生じる。本発明における一般式(1)の構造を有する共重合体は、一般の共重合体と比較して非常に耐溶剤性が優れており、このような疎水的なインク溶媒においてもインク中の顔料を安定に分散させることができる。そのため、循環タンク内において負圧下でインクを循環させた後も、良好な吐出性と高品位な画像を得ることができる。
上記のような優れた耐溶剤性が発現する理由として、本案件における共重合体中における一般式(1)の側鎖のナフチル基が顔料と疎水性相互作用により強く吸着するためと推定される。
共重合体における一般式(1)で表される構成単位の含有率は、通常、10mol%以上90mol%以下であり、30mol%以上70mol%以下であることが好ましい。一般式(1)で表される構成単位の含有率が30mol%以上であることにより、インクの耐溶剤性を向上させることができ、70mol%以下であることにより、インク中の顔料の分散安定性を向上させることができる。
また、本発明のインクにおける一般式(1)で表される構成単位を有する共重合体の含有率としては、通常、0.1質量%以上10.0質量%以下であり、0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。共重合体の含有率が0.5質量%以上であることにより、インクのメンテナンス消費量をさらに低減させることができ、10.0質量%以下であることにより、吐出信頼性をさらに向上させることができる。
また、分子中にナフチル基を有する反応性化合物と重合性のモノマーとを反応させることで、一般式(I)で表されるモノマーを得ることができる。
−COO-、−SO3 -、−PO3H-、−PO3 2-、−CON2-、−SO3N2-、−NH−C6H4−COO-、−NH−C6H4−SO3 -、−NH−C6H4−PO3H-、−NH−C6H4−PO3 2-、−NH−C6H4−CON2-、−NH−C6H4−SO3N2-
後述するように、前記共重合体は塩であることが好ましく、共重合体を中和するのに塩基を添加すると、添加した塩基はカチオンとして存在する。
前記アニオン性界面活性剤としては、硫酸アンモニウム塩基(−SO3 -NH4 +)などの硫酸塩基とアリル基(−CH2−CH=CH2)とを有する炭化水素化合物、硫酸アンモニウム塩基(−SO3 -NH4 +)などの硫酸塩基とメタクリル基〔−CO−C(CH3)=CH2〕とを有する炭化水素化合物、又は硫酸アンモニウム塩基(−SO3 -NH4 +)などの硫酸塩基と1−プロペニル基(−CH=CH2CH3)とを有する芳香族炭化水素化合物が挙げられる。その具体例としては、三洋化成社製のエレミノールJS−20、及びRS−300、第一工業製薬社製のアクアロンKH−10、アクアロンKH−1025、アクアロンKH−05、アクアロンHS−10、アクアロンHS−1025、アクアロンBC−0515、アクアロンBC−10、アクアロンBC−1025、アクアロンBC−20、及びアクアロンBC−2020などが挙げられる。
前記重合性界面活性剤は、1種又は2種以上を混合して使用しても良い。
また、前記カチオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等が挙げられる。
カチオンの添加量としては、顔料分散体の保存安定性とインクの保存安定性がより向上するため、共重合体に含まれるアニオン性親水性官能基のモル数に対して1倍以上2倍以下が好ましい。
カチオンとしては、インク保存安定性がより向上するため、有機アンモニウムイオンが好ましい。
インク中に含まれるカチオン量については、処方量から計算することもできるが、インクそのものを分析することによっても求める事もできる。
インク中に含まれるカチオンの定量は、カチオンが金属イオンであれば、ICP発光分光分析装置により行うことができる。ICP発光分光分析装置としては、例えばICPE−9000(島津製作所製)、Optima8000(PerkinElmer社製)等が挙げられる。
また、カチオンが有機アンモニウムであれば、GC/MS分析によりインク中のカチオン量を定量することができる。GC/MS分析装置としては、GCMS−QP2010 Ultra(島津製作所製)、Agilent7000C(アジレントテクノロジー社製)等が挙げられる。
有機アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、トリブチルメチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムイオン、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムイオン、プロピルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムイオン、オクチルトリメチルアンモニウムイオン、ノニルトリメチルアンモニウムイオン、デシルトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、テトラデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオンジドデシルジメチルアンモニウムイオン、ジテトラデシルジメチルアンモニウムイオン、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムイオン、アンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、モノエチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、メチルエタノールアンモニウムイオン、メチルジエタノールアンモニウムイオン、ジメチルエタノールアンモニウムイオン、モノプロパノールアンモニウムイオン、ジプロパノールアンモニウムイオン、トリプロパノールアンモニウムイオン、イソプロパノールアンモニウムイオン、等が挙げられる。カチオンとしては、インク保存安定性及び吐出信頼性が向上するため、有機アンモニウムイオンが好ましい。
本発明のインクは、グリコールエーテル化合物を除くSP値が8.9〜12.0の有機溶剤(有機溶剤X)を少なくとも1種含有する。これにより、記録媒体への濡れ性が向上し、塗工層を持つ吸インク性の悪いコート紙などの商業印刷用紙にもインク成分が浸透し、ビーディングを抑制することが可能となる。
前記有機溶剤Xとしては水溶性のものが好ましく、特に前記一般式(3)または式(5)のアミド化合物又は一般式(4)のオキセタン化合物が好ましい。
SP値が8.9未満の有機溶剤は、一般に水への溶解性が非常に低く分離が発生し易いため、本発明のような水性インクには使用できない。また、SP値が12.0を超える有機溶剤は、乾燥性やビーディングが悪化するため使用できない。
上記SP値はヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論により定義された値であり、二成分系溶液の溶解度の目安となる。また、本発明におけるSP値は、Fedors法で算出した値である。正則溶液理論における凝集エネルギー密度の平方根で示され、単位は(cal/cm3)0.5である。一般に普及している簡易ソフトで算出できる。
また、その他の有機溶剤Xの例としては、「2−エチル−1,3−ヘキサンジオール」(SP値:10.6)、「2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール」(SP値:10.8)等がある。
本発明において、有機溶剤は、有機溶剤X(グリコールエーテル化合物を除くSP値が8.9〜12.0の有機溶剤)、化合物Z(100℃の環境下で蒸気圧が50mmHg以上を示すグリコールエーテル化合物)、および有機溶剤X及び化合物Zのいずれにも属さないその他の有機溶剤の3つで区分する。
その他の溶剤(保湿剤)としては、有機溶剤Xまたはグリコールテーテル化合物でなければ特に制限はないが、多価のアルコールが好ましい。例えば、グリセリン、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等が上げられる。
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、高純水、超純水等が挙げられる。インク中の水の含有量は、20〜60質量%であることが好ましい。
色材には、界面活性剤で顔料を分散した界面活性剤分散、樹脂で顔料を分散した樹脂分散、顔料の表面を樹脂で被覆した樹脂被覆分散及び顔料表面に親水基を設けた自己分散顔料などがあるが、水分散性のものが好ましい。中でも前記樹脂被覆顔料又は自己分散顔料であって、顔料表面に少なくとも一つの親水基を有するものが好ましい。
このような親水基としては、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、−CONM2、−SO3NM2、−NH−C6H4−COOM、−NH−C6H4−SO3M、−NH−C6H4−PO3HM、−NH−C6H4−PO3M2、−NH−C6H4−CONM2、−NH−C6H4−SO3NM2(Mはカウンターイオンを表す)が挙げられる。これらの親水基は公知の方法で導入することができる。
、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
所望の比表面積のものの利用が容易ではない場合には、顔料を比較的小さい粒径にするため、一般的なサイズ減少又は粉砕処理(例えば、ボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、超音波処理)を行えば良い。
前記水分散性の色材のインク中の含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。含有量が1質量%以上であれば、インクの発色性及び画像濃度が良くなり、15質量%以下であれば、インクが増粘して吐出性が悪くなることはなく、更に経済的にも好ましい。
なお、本発明では、色調調整の目的で染料を併用しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用する必要がある。
前記インクは、ワックスを含有し、インク中の前記ワックスの含有量wに対する前記有機溶剤Xの含有量xの質量比(x/w)が、30≦x/w≦500であることが好ましい。
前記の顔料インクを用いた場合の転写や擦過による画像の欠損などの乾燥・定着性に課題ため、ワックスをインクに加えることで、印字画像の表面にワックスが点在することで滑りやすくなり耐擦過性の向上が図れる。しかし、ワックスは疎水性が強く、親水性が強いインクに加えると、保存性や吐出性の低下が生じる。このため、SP値が9.0以上、11.0以下の溶剤が含まれ、インク中のワックス含有量と、SP値が9.0以上、11.0以下の溶剤との比率(質量基準)が、1:2.5〜1:25.0の範囲にあるインクが特開2016−145313号公報に提案されている。しかし、本発明の循環式ヘッドにこのインクを用いると、溶剤加えてワックスによる疎水性の影響により、負圧タンク内で顔料の分散が壊れてしまうという問題が発生する。このため、本発明においては、画像の定着性に問題が生じない範囲でワックス量を減らし、インク中のワックスの含有量wに対する溶解度パラメーター(SP値)8.9以上12.0以下の有機溶剤Xの含有量xの比(x/w)を30≦x/w≦500とするが好ましい。
x/w<30の場合は、保存安定性が低下し、ノズル口にワックスが析出することで吐出不良が起こる虞がある。500<x/wの場合は、インク中に分散しているワックスが溶剤に溶解してしまうため、粘度が上昇することで吐出不良が起こり、保存安定性も低下する虞がある。
本発明で用いるインクの材料として、界面活性剤であるポリエーテル変性シロキサン化合物を用いることもできる。これにより、ヘッドノズルプレート撥インク層に濡れ難いインクとなり、インクのノズル付着による吐出不良を防ぎ、吐出安定性が向上する。また、特に問題になりやすいノズル撥インク層面にインクが付着し難く、吐出不良が生じ難いインクとなる。
中でも、下記一般式(6)〜一般式(9)で示されるものが好ましく、特に、水分散性の色材の種類や有機溶剤の組合せによって分散安定性を損なわず、動的表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましい。
これらのポリエーテル変性シロキサン化合物は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のインクには、前記成分の他に、必要に応じて、公知の種々の添加剤を加えても良い。その例としては、浸透剤、抑泡剤(消泡剤)、水分散性樹脂、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。
抑泡剤は、インクに微量添加することによって、その発泡を抑えるために用いられる。ここで、発泡とは液体が薄い膜になって空気を包むことである。この泡の生成にはインクの表面張力や粘度等の特性が関与する。即ち、水のように表面張力が高い液体は、液体の表面積をできるだけ小さくしようとする力が働くため発泡し難い。これに対し、高粘度で高浸透性のインクは、表面張力が低いために発泡し易く、溶液の粘性により生成した泡が維持されやすく消泡し難い。
水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用であり、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、特にアクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。また、前記水分散性樹脂を2種類以上併用してもよい。
不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水中で反応させて樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を替えやすく、目的の性質を作りやすい。
水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくても粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないため平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
水分散性樹脂のインク中の含有量は、固形分で、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましい。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7〜11の範囲を外れると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
本発明に用いるインクは、色材、有機溶剤X、水、共重合体及び必要に応じて添加するその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。この攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
また、本発明における一般式(1)で表される構造単位を有する共重合体は、特に制限はないが、色材を水性媒体中で分散させるための分散剤として添加することもできるし、水分散性樹脂として水分散体の状態でインクに添加することもできる。
本発明に用いるインクの物性には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
しかし、インクの静的表面張力が20mN/m以上であり、且つ、最大泡圧法によるバブルライフタイム15msec時の動的表面張力が34mN/m以下にすると、記録媒体に対し十分な濡れ性を確保することができるにも関わらず、インクジェットヘッドのノズルプレートオプツール撥水膜に濡れ難くなり、吐出安定性も確保でき、極めて安定なインクとなるので好ましい。
また、インクの25℃での粘度は5〜25mPa・sが好ましく、6〜20mPa・sがより好ましい。5mPa・s以上であれば印字濃度や文字品位の向上効果が得られる。また25mPa・s以下であれば、インク吐出性を確保することができる。
上記粘度は、例えば粘度計(RE−550L、東機産業社製)を用いて、25℃で測定することができる。
また、本発明において、インクは、インクカートリッジ等のインク収容容器中に収容して使用しても良い。
本発明のインク吐出装置を用いて記録を行うことが可能な記録媒体には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷用紙などが挙げられる。しかし、本発明のインク吐出装置は、商業印刷用紙に対しても他の用紙と同様に良好な記録が可能である点で、非常に優れたものである。
ここでいう商業印刷用紙とは、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する印刷用紙のことであり、例えば、塗工層材料として炭酸カルシウムやカオリン等のフィラーを用いた印刷用紙が挙げられる。また、商業印刷用紙の一例である印刷コート紙は、塗工層がクレー(カオリン)や炭酸カルシウムなどの白色顔料と、デンプンなどの接着剤(バインダー)で作られている。
本発明のインク吐出装置を用いて形成された画像を有する記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像が記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
吸液特性が前記一定範囲内にある印刷用紙の市販品としては、例えば、PODグロスコート、OKトップコート+、OK金藤+、SA金藤+(王子製紙社製)、スーパーMIダル、オーロラコート、スペースDX(日本製紙社製)、αマット、ミューコート(北越製紙社製)、雷鳥アート、雷鳥スーパーアート(中越パルプ工業社製)、パールコートN(三菱製紙社製)などが挙げられる。
本発明のインク吐出装置は、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、インク吐出装置、インク吐出方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
本発明のインク吐出装置は、前記インクと、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、を備え、前記流出流路から流出する前記インクを前記流入流路に流入させて循環させるインク吐出装置であり、前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生手段を有する、循環型吐出ヘッドを有するインク吐出装置である。
本発明のインク吐出方法は、前記インクと、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、を備え、前記流出流路から流出する前記インクを前記流入流路に流入させて循環させるインク吐出装置によって行われ、前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生工程を有する。
インク吐出装置、インク吐出方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、インク吐出装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれ、複数の個別液室内のインクを循環させる循環型吐出ヘッドを用いる。循環型吐出ヘッドについては別途後述する。
更に、このインク吐出装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
以下に循環型吐出ヘッドの一例について図3ないし図8を参照して説明する。図3は同インク吐出ヘッドの外観斜視説明図、図4は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向の断面説明図、図5は同ヘッドのノズル配列方向と平行な方向の断面説明図、図6は同ヘッドのノズル板の平面説明図、図7は同ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図、図8は同ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。
ノズル板1は、インクを吐出する複数のノズル4を有している。
流路板2は、ノズル4に通じる個別液室6、個別液室6に通じる流体抵抗部7、流体抵抗部7に通じる液導入部8を形成している。また、流路板2は、ノズル板1側から複数枚の板状部材41〜45を積層接合して形成され、これらの板状部材41〜45と振動板部材3を積層接合して流路部材40が構成されている。
振動板部材3は、液導入部8と共通液室部材20で形成される共通液室10とを通じる開口としてのフィルタ部9を有している。
前記流入流路は、個別液室6に接続された流路であって個別液室流入「前」の流路であればよく、前記液導入部8や共通液室10が流入流路に該当する。
振動板部材3は、流路板2の個別液室6の壁面を形成する壁面部材である。この振動板部材3は2層構造(限定されない)とし、流路板2側から薄肉部を形成する第1層と、厚肉部を形成する第2層で形成され、第1層で個別液室6に対応する部分に変形可能な振動領域30を形成している。
流路板2を構成する板状部材41には、図7(a)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部(溝形状の貫通穴の意味)6aと、流体抵抗部51、循環流路52を構成する貫通溝部51a、52aが形成されている。
同じく板状部材42には、図7(b)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6bと、循環流路52を構成する貫通溝部52bが形成されている。
同じく板状部材43には、図7(c)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6cと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53aが形成されている。同じく板状部材44には、図7(d)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6dと、流体抵抗部7を構成する貫通溝部7aと、液導入部8を構成する貫通溝部8aと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53bが形成されている。
同じく板状部材45には、図7(e)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6eと、液導入部8を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部8b(フィルタ下流側液室となる)と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53cが形成されている。
このように、流路部材を複数の板状部材を積層接合して構成することで、簡単な構成で複雑な流路を形成することができる。
以上の構成により、流路板2及び振動板部材3からなる流路部材40には、各個別液室6に通じる流路板2の面方向に沿う流体抵抗部51、循環流路52及び循環流路52に通じる流路部材40の厚み方向の循環流路53が形成される。なお、循環流路53は後述する循環共通液室50に通じている。
前記流出流路は、個別液室6に接続された流路であって個別液室流入「後」の流路であればよく、前記循環流路52、53、循環共通液室50が流出流路に該当する。
共通液室部材20を構成する第1共通液室部材21には、図8(a)に示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25aと、下流側共通液室10Aとなる貫通溝部10aと、循環共通液室50となる底の有る溝部50aが形成されている。
同じく第2共通液室部材22には、図8(b)に示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25bと、上流側共通液室10Bとなる溝部10bが形成されている。
また、図3も参照して、第2共通液室部材22には、共通液室10のノズル配列方向の一端部と供給ポート71を通じる供給口部となる貫通穴71aが形成されている。
同様に、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22には、循環共通液室50のノズル配列方向の他端部(貫通穴71aと反対側の端部)と循環ポート81を通じる貫通穴81a、81bが形成されている。
なお、図8において、底の有る溝部については面塗りを施して示している(以下の図でも同じである)。
このように、共通液室部材20は、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22によって構成され、第1共通液室部材21を流路部材40の振動板部材3側に接合し、第1共通液室部材21に第2共通液室部材22を積層して接合している。
このとき、共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと循環共通液室50とはノズル配列方向と直交する方向に並べて配置されるとともに、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置される。
これにより、循環共通液室50の寸法が流路部材40で形成される個別液室6、流体抵抗部7及び液導入部8を含む流路に必要な寸法による制約を受けることがなくなる。
そして、循環共通液室50と共通液室10の一部が並んで配置され、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置されることで、ノズル配列方向と直交する方向のヘッドの幅を抑制することができ、ヘッドの大型化を抑制できる。共通液室部材20は、ヘッドタンクやインクカートリッジからインクが供給される共通液室10と循環共通液室50を形成する。
この圧電アクチュエータ11は、図5に示すように、ベース部材13上に接合した圧電部材12を有し、圧電部材12にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材12に対して所要数の柱状の圧電素子12A、12Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
ここでは、圧電部材12の圧電素子12Aは駆動波形を与えて駆動させる圧電素子とし、圧電素子12Bは駆動波形を与えないで単なる支柱として使用しているが、すべての圧電素子12A、12Bを駆動させる圧電素子として使用することもできる。
そして、圧電素子12Aを振動板部材3の振動領域30に形成した島状の厚肉部である凸部30aに接合している。また、圧電素子12Bを振動板部材3の厚肉部である凸部30bに接合している。
このように構成した循環型吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子12Aに与える電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12Aが収縮し、振動板部材3の振動領域30が下降して個別液室6の容積が膨張することで、個別液室6内にインクが流入する。
その後、圧電素子12Aに印加する電圧を上げて圧電素子12Aを積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて個別液室6の容積を収縮させることにより、個別液室6内のインクが加圧され、ノズル4からインクが吐出される。
そして、圧電素子12Aに与える電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材3の振動領域30が初期位置に復元し、個別液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室10から個別液室6内にインクが充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の吐出のための動作に移行する。
図9は、インク循環システムを示すブロック図である。
図9に示すように、インク循環システムは、メインタンク、インク吐出ヘッド、供給タンク、循環タンク、コンプレッサ、真空ポンプ、第一送液ポンプ、第二送液ポンプ、レギュレータ(R)、供給側圧力センサ、循環側圧力センサなどで構成されている。前記真空ポンプが負圧を発生する手段に該当する。供給側圧力センサは、供給タンクとインク吐出ヘッドとの間であって、インク吐出ヘッドの供給ポート71(図3参照)に繋がった供給流路側に接続されている。循環側圧力センサは、インク吐出ヘッドと循環タンクとの間であって、インク吐出ヘッドの循環ポート81(図3参照)に繋がった循環流路側に接続されている。
また、供給タンクにはコンプレッサがつなげられていて、供給側圧力センサで所定の正圧が検知されるように制御される。一方、循環タンクには真空ポンプがつなげられていて、循環側圧力センサで所定の負圧が検知されるよう制御される。これにより、インク吐出ヘッド内を通ってインクを循環させつつ、メニスカスの負圧を一定に保つことができる。
また、循環型吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出すると、供給タンク及び循環タンク内のインク量が減少していくため、適宜メインタンクから第二送液ポンプを用いて、メインタンクから循環タンクにインクを補充することが望ましい。メインタンクから循環タンクへのインク補充のタイミングは、循環タンク内のインクの液面高さが所定高さよりも下がったらインク補充を行うなど、循環タンク内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
更に、個別液室6内のインクが圧電素子12の駆動によりノズル4から吐出される一方で、吐出されずに個別液室6内に留まったインクの一部もしくは全ては流体抵抗部51、循環流路52、53、循環共通液室50、循環ポート81を経て、循環タンクへと循環される。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、インク吐出ヘッド404を搭載したインク吐出ユニット440を搭載している。インク吐出ユニット440のインク吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインクを吐出する。また、インク吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
搬送ベルト412は用紙410を吸着してインク吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
維持回復機構420は、例えばインク吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給・循環機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じてインク吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410にインクを吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、循環型吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
このインク吐出ユニットは、前記インクを吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、インク吐出ヘッド404で構成されている。
なお、このインク吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給・循環機構494の少なくともいずれかを更に取り付けたインク吐出ユニットを構成することもできる。
本願において、「インク吐出ヘッド」とは、ノズルからインクを吐出・噴射する機能部品である。
ここで、一体化とは、例えば、インク吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、インク吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、インク吐出ユニットとして、インク吐出ヘッドと供給・循環機構が一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、インク吐出ヘッドと供給・循環機構が一体化されているものがある。ここで、これらのインク吐出ユニットの供給・循環機構とインク吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、インク吐出ユニットとして、インク吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、インク吐出ユニットとして、インク吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、インク吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。
また、インク吐出ユニットとして、インク吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、インク吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、インク吐出ユニットとして、供給・循環機構若しくは流路部品が取付けられたインク吐出ヘッドにチューブが接続されて、インク吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、インク貯留源のインクがインク吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
この「インク吐出装置」は、インクが付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「インク吐出装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層にインクを吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「インク吐出装置」は、吐出されたインクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
本発明のインク吐出装置では、必要に応じて、加熱乾燥手段を有していても良く、インク吐出工程後に、加熱乾燥工程を設けることができ、例えば、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、ロールヒーター、ドラムヒーター、温風などによりインクを付与した記録媒体を乾燥することができる。
また、画像表面を平滑化したり画像を定着する定着手段を有していても良く、加熱手段により100℃〜150℃に加熱し、熱定着させる定着工程を設けても良い。定着工程を設けることにより、画像記録物の光沢性及び定着性が向上する。熱定着手段としては、加熱された鏡面を持つローラやドラムヒーター等が好ましく、画像表面にロールヒーター、ドラムヒーターの鏡面部(平滑部)を接触させればよい。加熱温度は、画像品質、安全性及び経済性を考えると、100〜150℃に加熱された定着ローラが好ましい。
この図は画像形成工程と乾燥工程を有する場合を示しており、1は記録媒体、2はインク吐出部、3は搬送ベルト、4は温風乾燥装置、5は画像形成部、6は乾燥処理部、7は転写ロールである。
[モノマーの合成]
62.0g(525mmol)の1,6−ヘキサンジオール(東京化成社製)を700mLの塩化メチレン中に溶解させた後、20.7g(262mmol)のピリジンを加えた。次に、50.0g(262mmol)の2−ナフタレンカルボニルクロリド(東京化成社製)を100mLの塩化メチレンに溶解させた溶液を、攪拌しながら2時間で滴下した後、室温で6時間攪拌した。さらに、水洗した後、有機相を単離した。次に、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。さらに、溶離液として、塩化メチレン/メタノール(体積比98/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、52.5gの2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシヘキシルエステルを得た。
42.1g(155mmol)の2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシヘキシルエステルを80mLの乾燥メチルエチルケトン中に溶解させた後、60℃まで昇温した。次に、24.0g(155mmol)のカレンズMOI(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)(昭和電工社製)を20mLの乾燥メチルエチルケトン中に溶解させた溶液を、攪拌しながら1時間で滴下した後、70℃で12時間攪拌した。さらに、室温まで冷却した後、溶媒を留去した。次に、溶離液として、塩化メチレン/メタノール(体積比99/1)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、57.0gの下記の化学式(I−1)で表される[モノマーM−1]を得た。
3.80g(52.7mmol)のアクリル酸(アルドリッチ社製)、及び11.26g(26.3mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.55gの[共重合体R−1](重量平均分子量(Mw):30,000)を得た。
得られた[共重合体R−1]を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)7.36g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水37.64gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−1]の10質量%水溶液を調製した。
24.77g(52.7mmol)のメトキシポリエチレングリコールアクリレート(ブレンマーAME−400、日油社製)、及び11.26g(26.3mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、34.23gの[共重合体R−2](重量平均分子量(Mw):40,000)を得た。
得られた[共重合体R−2]を5.00gにイオン交換水45.00gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−2]の10質量%水溶液を調製した。
59.8g(140mmol)の[モノマーM−1]を2.02g(28.0mmol)のアクリル酸に溶解し、100gのイオン交換水、3.00gのアクアロンKH−10(第一工業製薬社製のアニオン性ラジカル反応性界面活性剤)、及び1.00gの過硫酸アンモニウムを加え、ホモミキサーでプレエマルジョンを形成した。次いで、100gのイオン交換水に2.00gのアクアロンKH−10を加え、アルゴン気流下で80℃まで加熱した後、プレエマルジョンのうち10%を加え、30分間初期重合させた。
次いで、残りのプレエマルジョンを2時間かけて滴下しながら重合させた後、更に80℃で2時間重合させた。冷却後、ろ過し、アンモニア水で中和して、固形分濃度30%の共重合体R−3(重量平均分子量(Mw):21000、数平均分子量(Mn):9700)の分散体を得た。
(調製例1)
[ブラック顔料分散体PD−1の調製]
40.0部の共重合体R−1の10質量%水溶液に、16.0部のカーボンブラック(NIPEX160、degussa社製及び44.0部のイオン交換水を加えて12時間攪拌した。次に、ディスクタイプのビーズミルKDL型(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散させた。このとき、メディアとして、直径が0.3mmのジルコニアボールを使用した。さらに、孔径が1.2μmのメンブレンフィルターでろ過した後、顔料の濃度が16質量%になるようにイオン交換水を加えて、ブラック顔料分散体PD−1を得た。
[ブラック顔料分散体PD−2の調製]
40.0部の共重合体R−1の10質量%水溶液の代わりに40.0部の共重合体R−2の10質量%水溶液を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料の濃度が16質量%のブラック顔料分散体PD−2を得た。
[ブラック顔料分散体PD−3の調製]
40.0部の共重合体R−1の10質量%水溶液及び44.0部のイオン交換水の代わりに16.0部の湿潤分散剤byk190(ビックケミー社製、固形分40質量%)及び68.0部のイオン交換水を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料の濃度が16質量%の顔料分散体PD−3を得た。
尚、上記湿潤分散剤byk190(ビックケミー社製、固形分40質量%)について、イオン交換水で300倍に希釈し、この希釈液の紫外可視領域の吸収スペクトルを分光光度計UH−3900Hにて計測した結果、284nm付近のナフチル基のピークが検出されなかったため、ナフチル基を有していないことが確認できた。したがって、湿潤分散剤byk190は、一般式(1)で表される構造単位を有していない。
[シアン顔料分散体PD−4の調製]
カーボンブラックの代わりにピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー)を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料の濃度が16質量%のシアン顔料分散体PD−4を得た。
[マゼンタ顔料分散体PD−5の調製]
カーボンブラックの代わりにピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料の濃度が16質量%のマゼンタ顔料分散体PD−5を得た。
[イエロー顔料分散体PD−6の調製]
カーボンブラックの代わりにピグメントイエロー74(大日精化社製、ファーストイエロー531)を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料の濃度が16質量%のイエロー顔料分散体PD−6を得た。
(調製例7)
−樹脂微粒子分散体1の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、イオン交換水350gに、8.0gのラテムルS−180(花王社製、反応性陰イオン性界面活性剤)を加えて混合し、65℃に昇温した。次いで、反応開始剤のt−ブチルパーオキソベンゾエート3.0g、イソアスコルビン酸ナトリウム1.0gを加え、5分後にメタクリル酸メチル45g、メタクリル酸−2−エチルヘキシル160g、アクリル酸5g、メタクリル酸ブチル45g、メタクリル酸シクロヘキシル30g、ビニルトリエトキシシラン15g、ラテムルS−180を8.0g、及びイオン交換水340gの混合物を、3時間かけて滴下した。次いで、80℃で2時間加熱熟成した後、常温まで冷却し、水酸化ナトリウムでpHを7〜8に調整した。次いでエバポレータによりエタノールを留去し、水分調節をして、固形分40%のアクリル−シリコーンポリマー微粒子分散体730gを得た。分散体中のポリマー微粒子の体積平均粒径(D50)を、粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定したところ125nmであった。
攪拌機を備えた容器に、式(4−1)の3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを24.00部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル5.00部、グリセリン(SP値:16.38)3.00部、トリエチレングリコール(SP値:15.40)5.00部、及び界面活性剤「TEGO WET 270」2.00部を入れ、30分間混合撹拌した。次いで、調製例1のブラック顔料分散体PD−1を40.00部、及びイオン交換水16.00部を加え、60分間混合撹拌した。更に樹脂微粒子分散体1を5.00部加え、30分間混合撹拌した。得られた混合物を、平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インクI−1を得た。
攪拌機を備えた容器に、式(4−1)の3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを24.00部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル5.00部、グリセリン3.00部、トリエチレングリコール5.00部、ワックス/水分散液「AQUACER531」(固形分45質量%、BYK社製)0.67部、及び界面活性剤「TEGO WET 270」2.00部を入れ、30分間混合撹拌した。次いで、調製例1のブラック顔料分散体PD−1を40.00部、及びイオン交換水15.33部を加え、60分間混合撹拌した。更に樹脂微粒子分散体1を5.00部加え、30分間混合撹拌した。得られた混合物を、平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インクII−1を得た。
・AQUACER531:ポリエチレンワックス
(BYK社製、融点130℃、有効成分45%)
・AQUACER515:ポリエチレンワックス
(BYK社製、融点135℃、有効成分35%)
・セロゾール524:カルナバワックス
(中京油脂社製、融点83℃、有効成分30%)
・ノプコートPEM−17:ポリオレフィンワックス
(サンノプコ社製、融点105℃、有効成分40%)
・HYTEC E−8237:ポリプロピレンワックス
(東邦化学社製、融点106℃、有効成分40%)
・HYTEC P−9018:ポリプロピレンワックス
(東方化学社製、融点156℃、有効成分35%)
・TEGO Wet 270:ポリエーテル変性シロキサン化合物
(エボニック社製、有効成分100%)
・ユニダイン DSN403N:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル
(ダイキン工業社製、有効成分100%)
実施例I−1〜19及び比較例I−2〜4、実施例II−1〜19及び比較例II−2〜4に用いた各インクについて、溶剤に関するパラメーターと下記のようにして測定した物性の結果を表2−1、表2−2に示す。なお、比較例I−1及び比較例II−1に用いたインクはそれぞれ実施例I−1で用いたインクI−1及び実施例II−1で用いたインクII−1と同じであるので表2−1、表2−2には示していない。
<動的表面張力>
最大泡圧法による表面寿命15msec時の動的表面張力をSITA DynoTester(SITA社製)を用いて、25℃で測定した。
<静的表面張力>
自動表面張力計(DY−300、協和界面科学社製)を用いて、25℃で測定した。
<循環型ヘッドを用いたインク吐出装置>
図3から図11で示した循環型ヘッドを搭載したインクジェットプリンタ(リコー製、IPSiO GX−e5500改造機)に表2−1に記載の各インクをセットし、印字面積が5%の印刷チャートを1000枚印刷する動作を行った。印刷終了から24時間休止した後に、以下のビーディング、乾燥性、連続吐出信頼性、メンテナンスインク消費量について評価を行った。評価基準は以下に示す。なお本評価中、インクの循環は循環型吐出ヘッドの動作・休止に関わらず、常に循環を行なった。結果を表3−1の実施例I−1〜19、比較例I−2〜4として示した。
循環型ではないヘッドを搭載した市販のインクジェットプリンタ(リコー製、IPSiO GX−e5500)にインクI−1をセットし、印字面積が5%の印刷チャートを1000枚印刷する動作を行った。印刷終了から24時間休止した後に、以下のビーディング、乾燥性、連続吐出信頼性、メンテナンスインク消費量について評価を行った。評価基準は以下に示す。結果を表3−1の比較例I−1として示した。
300dpi×300dpi、かつ1画素当たり4.0pLとして吐出して、記録媒体1(OKトップコート+ 米坪量104.7g/m2(王子製紙社製))及び、記録媒体2(ルミアートグロス90gsm(MONDIカラー・コピー社製))に形成した5cm×5cmのベタ画像のビーディングを目視により確認し、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
AA:全くなし
A:ごく僅かにあり、15cmの距離からは視認できるが、
50cmの距離からは視認できない程度のビーディング
B:僅かにあり、50cmの距離からは視認できるが、
1mの距離からは視認できないビーディング
C:激しくあり、1mの距離から視認できるビーディング
前記<ビーディング>評価と同様に2種類の記録媒体にベタ画像を印字した後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽で、印字部を30秒間乾燥した。その後すぐに、印字部の上に未印字の紙(4cm×4cm)を重ね、その上に縦2cm×横2cm×厚み0.2cmのゴムシートを紙の中央に配置して、ゴムシートから紙に掛かる圧力が、0.5kgf/cm2となるようにゴムシートの上に重りを載せ、23℃、50%RHの環境下で12時間放置した。放置後に、重ねた紙を剥がし、未印字の紙への顔料の転写具合を目視観察し、転写性を下記評価基準により評価した。
〔評価基準〕
AA:紙への顔料の転写はほとんどみられず、紙同士の貼りつきもない
A:紙への顔料の転写はほとんどみられないが、紙同士の貼りつきがある
B:わずかに紙への顔料の転写が見られる(紙全体の10%未満の面積の転写)
C:明確な紙への顔料の転写が見られる(紙全体の10%以上の面積の転写)
前記インク吐出装置を用いて、全てのノズルから液滴の捨て打ちを1時間行った。
1時間後に、インクジェット用光沢紙(画彩写真仕上げValue、富士フイルム株式会社製)上にノズルチェックパターンを印刷して、全ノズル数384に対してインクが吐出された吐出ノズル数を確認し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
A:吐出ノズル数が368以上(実使用上、問題のないレベル)
B:吐出ノズル数が192以上368未満
C:吐出ノズル数が192未満
前記インク吐出装置を用いて、50℃の恒温槽に1週間放置した。その後、インクジェット用光沢紙(画彩写真仕上げValue、富士フイルム株式会社製)上にノズルチェックパターンを印刷して、ノズル抜けの状態を確認し、吸引キャップから−25kPa・sの吸引圧で1秒間インクを吸引した。そして、再度、ノズルチェックパターンを印刷して、ノズル抜けの状態を確認した。ノズル抜けが完全になくなるまで、吸引とノズルチェックパターンの印刷を繰り返した。このときの、ノズルが完全に回復するまでに必要なメンテナンスインク消費量を吸引回数として、以下の基準で評価した。
A:吸引0回(放置後にノズル抜けなし)または吸引1回で完全に回復
B:吸引2回以上5回以下で完全に回復
C:吸引6回以上で完全に回復または完全に回復しない
前記<ビーディング>評価と同様に2種類の記録媒体にベタ画像を印字した後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽で、印字部を30秒間乾燥した。画像サンプルの印字部分を、クロックメーターCM−1(東洋精機製)を用い、白綿布を荷重900gで5往復摩擦した。下の評価基準にしたがって評価した。
A:目視で画像脱落、および画像周囲の汚れがほとんどない
B:目視で画像脱落がほとんどなく、画像周囲の汚れが少ない
C:目視で画像脱落、および画像周囲の汚れが著しい
比較例II−1は、インクII−1を用い、比較例I−1と同様に、循環型ヘッドを用いないインク吐出装置を用いて画像を形成し、比較例I−1と同様に特性を評価した。
結果を表3−2に示す。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
1 ノズル板
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
6 個別液室
6a、6b、6c、6d、6e 個別液室を構成する貫通溝部
7 流体抵抗部
7a 流体抵抗部を構成する貫通溝部
8 液導入部
8a、8b 液導入部を構成する貫通溝部
9 フィルタ部
10 共通液室
10A 下流側共通液室
10a 貫通溝部
10B 上流側共通液室
10b 溝部
11 圧電アクチュエータ
12 圧電部材
12A、12B 圧電素子
13 ベース部材
15 フレキシブル配線部材
20 共通液室部材
21 第1共通液室部材
22 第2共通液室部材
25a、25b 圧電アクチュエータ用貫通孔
30 振動領域
30a、30b 凸部
40 流路部材
41〜45 板状部材
50 循環共通液室
50a 溝部
51 流体抵抗部
51a 流体抵抗部を構成する貫通溝部
52、53 循環流路
52a、52b 循環流路を構成する貫通溝部
53a、53b、53c、53d 循環流路を構成する貫通溝部
71 供給ポート
71a 貫通穴
81循環ポート
81a、81b 貫通穴
401 ガイド部材
403 キャリッジ
404 インク吐出ヘッド
405 主走査モータ
406 駆動プーリ
407 従動プーリ
408 タイミングベルト
410 用紙
412 搬送ベルト
413 搬送ローラ
414 テンションローラ
416 副走査モータ
417 タイミングベルト
418 タイミングプーリ
420 維持回復機構
421 キャップ部材
422 ワイパ部材
440 インク吐出ユニット
491A、491B 側板
491C 背板
493 主走査移動機構
494 供給・循環機構
495 搬送機構
1 記録媒体
2 インク吐出部
3 搬送ベルト
4 温風乾燥装置
5 画像形成部
6 乾燥処理部
7 転写ロール
Claims (11)
- インクと、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、を備え、前記流出流路から流出する前記インクを前記流入流路に流入させて循環させるインク吐出装置であって、
前記インクは、水、色材、グリコールエーテル化合物を除く溶解度パラメーター(SP値)が8.9以上12.0以下の有機溶剤X、及び共重合体を含有し、
前記インクはワックスを含有し、インク中の前記ワックスの含有量wに対する前記有機溶剤Xの含有量xの質量比(x/w)が、30≦x/w≦500であり、
前記共重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有し、
前記インク吐出装置は、前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生手段を有するインク吐出装置。
- 前記インクに含まれる水及び有機溶剤Xの合計の含有量に対する前記インクに含まれる有機溶剤Xの含有量の比率{有機溶剤X/(有機溶剤X+水)}が20質量%以上である請求項1又は2に記載のインク吐出装置。
- 前記インクが、100℃の環境下で蒸気圧が50mmHg以上を示すグリコールエーテル化合物(化合物Z)を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 前記化合物Zが、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれた少なくとも1種である請求項4に記載のインク吐出装置。
- 前記有機溶剤Xと前記化合物Zの含有量の比(質量比)が、1:1〜8:1である請求項4又は5に記載のインク吐出装置。
- 前記ワックスの融点が、100℃〜140℃である請求項1乃至7のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 前記インクが、ポリエーテル変性シロキサン化合物を含有する請求項1乃至8のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 前記インクが、静的表面張力が20mN/m以上であり、且つ、最大泡圧法によるバブルライフタイム15msec時の動的表面張力が34mN/m以下である請求項1乃至9のいずれかに記載のインク吐出装置。
- インクと、前記インクを吐出するノズル、前記ノズルに連通する複数の個別液室、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、を備え、前記流出流路から流出する前記インクを前記流入流路に流入させて循環させるインク吐出装置によって行われ、
前記インクは、水、色材、グリコールエーテル化合物を除く溶解度パラメーター(SP値)が8.9以上12.0以下の有機溶剤X、及び共重合体を含有し、
前記インクはワックスを含有し、インク中の前記ワックスの含有量wに対する前記有機溶剤Xの含有量xの質量比(x/w)が、30≦x/w≦500であり、
前記共重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有し、
前記インクを前記個別液室から流出させる負圧を発生する負圧発生工程を有するインク吐出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US15/783,180 US10113078B2 (en) | 2016-10-17 | 2017-10-13 | Ink discharge device and ink discharge method |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016203468 | 2016-10-17 | ||
JP2016203468 | 2016-10-17 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018065372A JP2018065372A (ja) | 2018-04-26 |
JP6941269B2 true JP6941269B2 (ja) | 2021-09-29 |
Family
ID=62086604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016240636A Active JP6941269B2 (ja) | 2016-10-17 | 2016-12-12 | インク吐出装置及びインク吐出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6941269B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7087787B2 (ja) * | 2018-07-27 | 2022-06-21 | 株式会社リコー | 画像形成装置および画像形成方法 |
JP7388029B2 (ja) * | 2019-07-26 | 2023-11-29 | 株式会社リコー | インクセット、印刷方法、及び印刷装置 |
JP7443693B2 (ja) * | 2019-08-01 | 2024-03-06 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
JP7434807B2 (ja) * | 2019-11-01 | 2024-02-21 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録装置 |
JP7188614B2 (ja) * | 2020-04-01 | 2022-12-13 | Dic株式会社 | インクジェット用水性組成物、水性インク、水性プライマー、水性洗浄液、水性保存液及びインクジェット記録装置 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3589408B2 (ja) * | 2000-04-10 | 2004-11-17 | セイコーエプソン株式会社 | コート液及びこれを用いた画像記録方法並びに記録物 |
JP6065607B2 (ja) * | 2012-02-03 | 2017-01-25 | 株式会社リコー | インクジェットインク |
JP6318641B2 (ja) * | 2014-01-23 | 2018-05-09 | 株式会社リコー | 液滴吐出装置、脱気方法、ノズルの洗浄方法、及び画像形成装置 |
JP2016094498A (ja) * | 2014-11-12 | 2016-05-26 | 株式会社リコー | インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及び共重合体 |
US9777091B2 (en) * | 2014-12-12 | 2017-10-03 | Ricoh Company, Ltd. | Copolymer, ink, and ink container |
JP6428791B2 (ja) * | 2015-01-06 | 2018-11-28 | 株式会社リコー | 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、及び液体を吐出する装置 |
JP6536943B2 (ja) * | 2015-01-29 | 2019-07-03 | 株式会社リコー | インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物 |
JP6838266B2 (ja) * | 2015-02-02 | 2021-03-03 | 株式会社リコー | 新規共重合体、水性インク、及びインクカートリッジ |
JP2016169338A (ja) * | 2015-03-13 | 2016-09-23 | 株式会社リコー | インク、インクの製造方法、インク収納容器、インクジェット記録装置 |
US9694581B2 (en) * | 2015-04-09 | 2017-07-04 | Ricoh Company, Ltd. | Liquid discharge head, liquid discharge device, liquid discharge apparatus, and image forming apparatus |
-
2016
- 2016-12-12 JP JP2016240636A patent/JP6941269B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018065372A (ja) | 2018-04-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107674499B (zh) | 墨水,墨水容器,液体排出装置,图像形成方法及其装置 | |
JP6941269B2 (ja) | インク吐出装置及びインク吐出方法 | |
US10190007B2 (en) | Ink, ink container, image forming method, image forming apparatus, and image formed matter | |
JP6922189B2 (ja) | インク吐出装置及びインク吐出方法 | |
US8110257B2 (en) | Ink-jet recording method, ink-jet recording apparatus and recorded matter | |
EP2125381B1 (en) | Ink-jet recording ink and media set, recording method and recorded matter | |
JP6874550B2 (ja) | インク、インク容器、画像形成方法、画像形成装置、画像形成物、及び液体吐出装置 | |
JP6680013B2 (ja) | インクセット、インクジェット記録方法 | |
JP6565361B2 (ja) | インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法及び記録装置、インクジェット記録物 | |
CN110770308A (zh) | 油墨、油墨组、油墨容器、成像方法和成像装置 | |
JP6123507B2 (ja) | インクジェット用水性インク、インクジェット記録物、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 | |
US10113078B2 (en) | Ink discharge device and ink discharge method | |
JP2010064478A (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP2016216701A (ja) | インク、画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成物 | |
JP6753064B2 (ja) | インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物 | |
JP5880180B2 (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP7061287B2 (ja) | インク、インク収容容器、およびインクジェット記録装置 | |
JP6051840B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインク記録物 | |
JP7080441B2 (ja) | インク組成物、インクセット、インク容器、画像形成方法、画像形成装置、及び記録物 | |
JP2015054949A (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、インク記録物 | |
JP2021020394A (ja) | 液体組成物、インクセット、印刷方法、及び印刷装置 | |
JP2014152205A (ja) | インクジェット用インク、画像形成方法、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物 | |
JP2009161726A (ja) | 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 | |
JP2010208037A (ja) | インクジェット記録方法及び記録装置 | |
JP7115220B2 (ja) | インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、及び記録方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210805 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210818 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6941269 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |