JP2008063540A - 記録液製造装置及び記録液の製造方法 - Google Patents

記録液製造装置及び記録液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性、吐出安定性及びノズル回復性を得る。
【解決手段】記録液iを製造する際に、溶媒と色材と界面活性剤と消泡剤とを混合して混合溶液2を作製する貯留槽3と、混合溶液2を攪拌する攪拌手段13と、貯留槽3に色材や消泡剤等を供給する複数の供給手段14と、混合溶液2を濾過する濾過部6と、濾過部6よりも上流側に設けられ、混合溶液2の温度を調整する温度調整手段16とを備え、混合溶液2を消泡剤の曇点よりも低い温度に温度調整手段16で温度調整した後、濾過部6で濾過して記録液iを得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、消泡剤が含有された記録液を製造する記録液製造装置及びこの記録液の製造方法に関する。
記録液を被記録媒体に吐出するものとしては、例えば記録液(インク)を被記録媒体の普通紙や専用紙等に吐出して画像や文字を記録するインクジェットプリンタ装置がある。このインクジェットプリンタ装置に用いられているインクジェット記録方法は、高電圧印加による静電吸引方法、圧電素子を用いて記録液に機械的振動を与えるピエゾ方法、記録液を加熱し発生する気泡による圧力を利用するサーマルジェット方法等、種々の方法により記録液を微小な液滴の状態にしてノズルから吐出し、液滴を飛翔させて紙に付着させ、記録液ドットを形成し、画像や文字を記録する。
このインクジェット記録方法は、紙をはじめとする種々の被記録媒体へ記録を行うことができ、その用途はホームユースにおけるドキュメント印刷、画像観賞用印刷から、ワイドフォーマット等の工業用途に於ける看板印刷、液晶等のカラーディスプレイに用いるカラーフィルタ作成等まで、多種にわたり適用されている。
近年、このようなインクジェット記録方法は、特に画像観賞用印刷への応用が盛んに行われており、記録された画像や文字の高品位化が求められている。また、インクジェット記録方法は、記録速度の高速化を図ることも生産性の観点から欠かすことができなくなっている。したがって、インクジェット記録方法では、高品位な画像や文字の記録と記録速度の向上とを両立することが市場の大きな要望となっている。
画像や文字の高品位化の要求に伴って、インクジェットプリンタ装置に用いる記録液には、吐出される液滴の被記録媒体に対するより高い着弾精度、即ちより安定した吐出性能が求められている。また、生産性の向上の要求に対して、記録液には、吐出不良発生時のノズル回復性、長期使用に耐えうる保存安定性が求められている。
インクジェット記録方法では、吐出安定性を確立する上で、インクジェットプリンタ装置及び記録液に対して多くの検討がなされている。中でも、記録液中の気泡に対する対策は、非常に重要となっている。記録液中の気泡の存在は、記録液を吐出するノズル内に気泡が入り込み、ノズルの目詰まりを引き起こすため、ノズルの目詰まりを引き起こす一因として認識されている。気泡の混入は、記録液を吐出するインク吐出ヘッドの吐出面をクリーニングする目的で、吐出面に付着している余分な記録液や吐出口表面に付着している増粘した記録液を吸引する際に、記録液吸引時に発生した気泡が吐出口表面からインク吐出ヘッド内部に逆流することによるものである。また、気泡の混入は、インクタンクで発生した気泡がインク吐出ヘッドの流路に流れ、流路内のインクに気泡が混入したり、記録液を吐出する際に記録液を押圧する圧力発生素子が高周波で駆動することにより発生する液室内での気泡の成長等によるものである。
記録液の泡立ちに関する対策として、例えば下記の特許文献1では、特定の構造を持つ染料とベタイン系界面活性剤を併用することで、インクの泡立ちを抑えることが開示されている。
また、特許文献2では、ポリエーテル系の消泡剤とシリコーン系の消泡剤とを同時に含有させることで、起泡性が抑制されたインクジェット記録用インクが開示されている。
また、特許文献3及び特許文献4では、水溶性界面活性剤組成物中にアセチレンジオール系界面活性剤とHLB値が8〜19のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含むことにより、浸透性と消泡性とが得られることが開示されている。
また、特許文献5では、エチレンオキサイド付加モル数の異なるアセチレンジオールを組み合わせることで泡立ちと普通紙に対する浸透性が優れ、高品位画像が得られることが開示されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で開示される方法では、ベタイン系界面活性剤やシリコーン系の消泡剤等、特定の物質を含む必要があり、これらの物質は消泡効果が高い反面、インクジェットプリンタ装置に使用されるプラスチック部材やゴム部材を侵食する等して、インクジェットプリンタ装置の部材に悪影響を及ぼす場合がある。
また、特許文献3〜5で開示される方法では、記録液を調合した直後は十分な消泡効果を発揮するが、長期に渡り高温保存(例えば赤道直下の船舶輸送、夏季環境下での倉庫保管に代表される)した際の泡立ちに対しては十分な消泡効果を得られない場合がある。
ところで、記録液は、溶媒に色材や消泡剤等を混合した混合溶液を作製し、この混合溶液を濾過して、不純物を取り除いて製造される。消泡剤は、混合溶液の温度が消泡剤の曇点よりも高くなった場合、混合溶液中に析出してしまう。このため、混合溶液を濾過する前に、混合溶液の温度が消泡剤の曇点よりも高くなった場合には、フィルタで濾過する際に析出した消泡剤がフィルタに吸着され、濾過後の記録液中に、設計通りに、所定量の消泡剤が含有されなくなり、消泡効果が得られる十分な量の消泡剤が含有されなくなってしまう。特に、混合溶液を濾過する際に、ポアサイズが非常に小さいフィルタを用いた場合には、フィルタに対して吸着した消泡剤は、フィルタに混合溶液を流入するときの加圧力を高くしたり、物理的衝撃を与えても、フィルタを通過させることは困難である。このように、消泡剤がフィルタに吸着された場合には、濾過後の記録液中に、設計通り、所定量の消泡剤が含有されず、消泡剤の含有量が少なくなるため、十分な消泡効果が得られず、記録液の泡立ちが抑えられなくなってしまう。
特開2004−35772号公報 特開2003−105236号公報 特開2002−348500号公報 特開2003−113397号公報 特開2003−183548号公報
本発明は、設計通り、消泡効果を得ることができる十分な量の消泡剤が含有され、常温環境下に限らず、高温環境下で長期間保存しても泡立ちが抑えられ、保存安定性に優れ、吐出安定性及びノズル回復性も優れ、高品位な画像や文字を記録することができる記録液を製造する記録液製造装置、この記録液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る記録液製造装置は、少なくとも純水及び水溶性有機溶媒を含む溶媒と、この溶媒中に溶解又は分散される色材と、界面活性剤と、消泡剤とを含む記録液を製造するものであり、溶媒と色材と界面活性剤と消泡剤とを混合溶液の状態で貯留する貯留槽と、貯留槽に溶媒、色材、界面活性剤及び消泡剤を供給する供給手段と、貯留槽中の混合溶液を攪拌する攪拌手段と、混合溶液を濾過する濾過手段と、濾過手段よりも上流側に設けられ、混合溶液の温度を調整する温度調整手段とを備え、混合溶液を消泡剤の曇点よりも低い温度に温度調整手段で温度調整した後、濾過手段で濾過して記録液を製造することを特徴とする。
また、本発明に係る記録液の製造方法は、少なくとも純水及び水溶性有機溶媒を含む溶媒と、この溶媒中に溶解又は分散される色材と、界面活性剤と、消泡剤とを含む記録液を製造する方法であり、溶媒と色材と界面活性剤と消泡剤とを混合した混合溶液を作製し、混合溶液を消泡剤の曇点よりも低い温度に温度調整した後、混合溶液を濾過して記録液を製造することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも純水及び水溶性有機溶媒を含む溶媒と、この溶媒中に溶解又は分散される色材と、界面活性剤と、消泡剤とを含む混合溶液を消泡剤の曇点よりも低い温度に温度調整することによって、消泡剤が混合溶液中に析出せず、溶解した状態となるため、この混合溶液を濾過しても、不純物だけ取り除かれ、濾過後の記録液に消泡効果が得られる十分な量の消泡剤が含有されるようになる。これにより、本発明では、濾過後の記録液に十分な量の消泡剤が含有されるため、消泡効果が得られ、常温環境下に限らず、高温環境下で長期間保存しても泡立ちが抑えられ、保存安定性に優れ、気泡により吐出が阻害されることがないため、吐出安定性及びノズル回復性にも優れ、高品位な画像や文字を記録することができる。
以下に、本発明が適用されたインク製造装置及びインクの製造方法について、図面を参照して説明する。なお、本発明のインク製造装置及びインク製造方法の説明に先だって、本発明のインク製造装置によって製造されるインクiについて説明する。
インクiは、少なくとも純水及び水溶性有機溶媒を含む溶媒と、この溶媒に溶解又は分散される色材と、界面活性剤と、消泡剤とが含有されている。
水溶性有機溶媒としては、色材や界面活性剤、消泡剤をインクi中で溶解又は分散させるものである。この水溶性有機溶媒としては、好ましくは以下の多価アルコール類が挙げられる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、単独又は2種類以上混合してインクi中に含有させることができる。ただし、水溶性有機溶媒としては、これらに限定されるものではない。
水溶性有機溶媒は、インクiの保水性を確保することを目的としており、インクi中の含有量は好ましくは0.1重量%〜40重量%であり、さらに好ましくは1〜30重量%である。
このような溶媒に溶解又は分散させる色材は、好適なものとして水溶性染料、分散染料、油溶性染料等の染料、無機顔料や有機顔料等の顔料を挙げることができ、特に水溶性染料を使用することが好ましい。
以下に、イエローインクに使用される水溶性染料の好適な例を挙げる。なお、イエローインクに使用される色材としては、以下に挙げるものに限定されるものではない。
イエローインクに使用される水溶性染料としては、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142、C.I.フードイエロー3、4、C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144、C.I.ベーシックイエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91、C.Iリアクティブイエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67等が挙げられる。
次に、マゼンタインクに使用される水溶性染料の好適な例を挙げる。なお、マゼンタインクに使用される色材は、以下に挙げるものに限定されるものではない。
マゼンタインクに使用される水溶性染料としては、C.I.アシッドレッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、105、111、114、115、134、186、249、254、289、C.I.フードレッド7、9、14、C.I.ダイレクトレッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227、C.I.ベーシックレッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112、C.I.リアクティブレッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97等が挙げられる。
次に、シアンインクに使用される水溶性染料の好適な例を挙げる。なお、シアンインクに使用される色材は、以下に挙げるものにこれに限定されるものではない。
シアンインクに使用される水溶性染料としては、C.I.アシッドブルー9、29、45、92、249、C.Iダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202、C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155、C.I.リアクティブブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95等が挙げられる。
次に、ブラックインクに使用される水溶性染料の好適な例を挙げる。なお、ブラックインクに使用される色材は、これに限定されるものではない。
ブラックインクに使用される水溶性染料としては、C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、94、C.I.フードブラック1、2、C.I.ダイレクトブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171、C.I.ベーシックブラック2、8、C.I.リアクティブブラック3、4、7、11、12、17等が挙げられる。
また、無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等を使用できる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、多環式顔料(フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが使用できる。
イエローインクに使用される顔料としては、 C.I. Pigment Yellow 1, C.I. Pigment Yellow 2, C.I. Pigment Yellow 3, C.I. Pigment Yellow 12, C.I. Pigment Yellow 13, C.I. Pigment Yellow 14, C.I. Pigment Yellow 16, C.I. Pigment Yellow 17, C.I. Pigment Yellow 73, C.I. Pigment Yellow 74, C.I. Pigment Yellow 75, C.I. Pigment Yellow 83, C.I. Pigment Yellow 93, C.I. Pigment Yellow 95, C.I. Pigment Yellow 97, C.I. Pigment Yellow 98, C.I. Pigment Yellow 114, C.I. Pigment Yellow 128, C.I. Pigment Yellow 129, C.I. Pigment Yellow 151, C.I. Pigment Yellow 154等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I. Pigment Red 5, C.I. Pigment Red 7, C.I. Pigment Red 12, C.I. Pigment Red 48(Ca), C.I. Pigment Red 48(Mn), C.I. Pigment Red 57(Ca), C.I. Pigment Red 57:1, C.I. Pigment Red 112, C.I. Pigment Red 122, C.I. Pigment Red 168, C.I. Pigment Red 184, C.I. Pigment Red 202等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I. Pigment Blue 1, C.I. Pigment Blue 2, C.I. Pigment Blue 3, C.I. Pigment Blue 15, C.I. Pigment Blue 15:3, C.I. Pigment Blue 15:34, C.I. Pigment Blue 16, C.I. Pigment Blue 22, C.I. Pigment Blue 60, C.I.Vat Blue 4, C.I.Vat Blue 60等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
ブラックインクに使用される顔料としては、キャボット社製のRegal 400R, Regal 330R, Rega l660R, Mogul L,Monarch 700, Monarch 800, Monarch 880, Monarch 900, Monarch 1000, Monarch 1100, Monarch 1300, Monarch 1400等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
また、色材として好適なものとしては、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン基、スルホン酸基及びこれらの塩のうち、少なくとも一種の官能基を有することにより、表面を親水化処理した自己分散型顔料が挙げられる。
また、色材としては、公知の物理的機械的手法又は化学的手法で製造されるマイクロカプセル化顔料が好適な着色剤として挙げられる。
界面活性剤は、記録紙Pに対する浸透性を良好にしたり、後述するヘッドカートリッジ21に対するインクiの濡れ性を良好にする。界面活性剤としては、種々のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が使用可能であり、特にノニオン性界面活性剤の使用が好適である。
具体的に、ノニオン性界面活性剤としては、アセチレンジオール類とそのEO付加体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどのエチレンオキシド付加型;グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、シュガーアルキルエステルなどのポリオールエステル型;多価アルコールアルキルエーテルなどのポリエーテル型;アルカノールアミン脂肪酸アミドなどのアルカノールアミド型等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミン、アルキル硫酸アンモニウム、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルアルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸ナトリウム、アルカンスルフォン酸ナトリウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルカルボキシメチルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルフォベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
界面活性剤は、記録紙Pに対する浸透性やヘッドカートリッジ21に対する濡れ性を良好にするため、インクi全体中に0.01重量%〜5.0重量%含有され、さらに好ましくは0.1重量%〜3.0重量%含有される。
インクiに含有される消泡剤は、インクiの起泡を抑えるものである。消泡剤としては、好ましくは非イオン系界面活性剤が用いられる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、フッ素系界面活性剤、アセチレンジオール類及びそのEO付加体、ブランチポリマー等の分岐高分子を含む消泡剤が挙げられる。消泡剤は、曇点よりもインクiの温度が高い場合に、溶解せず析出する。消泡剤は、インクi中に析出した状態で存在することにより、消泡効果を発揮する。
ここで、曇点とは、界面活性剤を含有させた水溶液において、界面活性剤が水に溶けなくなり水溶液が白濁するときの温度である。ポリオキシエチレン誘導体型界面活性剤を例に挙げて白濁する現象を説明すると、この界面活性剤は、水溶液中ではポリオキシエチレン鎖の酸素原子の部分へ水分子が水和した状態で存在する。つまり界面活性剤は、水溶液中で溶解した状態で存在している。この状態から水溶液の温度を上げていくと、ある温度になると水和していた水の分子が徐々に外れていく、つまり水溶液中で溶けていない状態として存在する。このときの温度が曇点である。なお、この曇点の測定法は、JIS K 2269に準じたものである。
また、上述した消泡剤は、シリコーン系界面活性剤やベタイン系界面活性剤と異なり、インクiが用いられる後述するインクジェットプリンタ装置20を構成する部材を侵食せず、部材に悪影響を及ぼさないものである。
インク中における消泡剤の含有量は、好ましくはインクi全体中の0.0001重量%〜50重量%であり、さらに好ましくは0.001重量%〜1重量%である。インクiでは、消泡剤の含有量を0.0001重量%以上とすることによって、消泡効果が得られ、50重量%以下とすることによって、溶媒等と層分離を起こすことなく、十分な消泡効果を得ることができる。
また、インクiには、pH調整剤を適宜使用することもできる。pH調整剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アミノエトキシエタノール、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどのアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属類の水酸化物、水酸化アンモニウム、4級アンモニウム水酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他リン酸塩、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類等が挙げられる。なお、インクiでは、pH調整剤としてはこれらに限定されるものではない。
以上のような構成からなるインクiは、0.0001重量%〜50重量%の所定量の消泡剤が含有されることで、常温環境下に限らず、高温環境下で長期間保存した場合であっても、消泡効果が得られ、泡立ちが抑制され、保存安定性に優れたものとなっている。また、このインクiは、所定量の消泡剤が含有されていることによって、泡立ちが抑制され、後述するインクジェットプリンタ装置20に用いた場合、ノズル37a等に気泡が混入することを抑制でき、適切に吐出されるようになるため、吐出安定性及びノズル回復性に優れたものとなっている。本発明が適用されたインク製造装置及びインク製造方法は、濾過時に消泡剤が析出しないようにすることで、設計通り、所定量の消泡剤が含有された上述したインクiを製造することができる。
このインクiを製造するインク製造装置1は、図1に示すように、上述した純水及び水溶性有機溶媒を含む溶媒と色材と界面活性剤と消泡剤とを混合溶液2の状態で貯留する貯留槽3と、貯留槽3に溶媒や色材、界面活性剤、消泡剤を供給する供給部4と、貯留槽3中の混合溶液2を攪拌する攪拌機5と、混合溶液2を濾過する濾過部6と、混合溶液2の温度を調整する温度調整部7とを備える。
貯留槽3は、供給部4から供給された溶媒と、色材と、界面活性剤と、消泡剤とを攪拌機5で攪拌しながら、混合し、色材や界面活性剤、消泡剤を溶媒に溶解又は分散させて得られた混合溶液2を貯留する。この貯留槽3の底面には、貯留されている混合溶液2を温度調整部7に向かって排出する第1の排出管8が設けられている。この第1の排出管8には、貯留槽3から温度調整部7への排出を制御する排出バルブ8aが設けられている。
供給部4は、貯留槽3に純水を供給する純水用供給管9と、色材を溶媒に溶解又は分散させた色材水溶液と有機溶媒と界面活性剤と消泡剤とを供給する添加剤用供給管10とからなる。インク製造装置1では、純水用供給管9の純水用供給バルブ9aを開き、純水用供給管9から貯留槽3に純水が所定量供給され、添加剤用供給管10の添加剤用供給バルブ10aを開き、添加剤用供給管10から貯留槽3に色材水溶液と有機溶媒と界面活性剤と消泡剤とが所定量供給される。なお、添加剤用供給管10は、色材水溶液、有機溶媒、界面活性剤、消泡剤毎にそれぞれ設けられていてもよい。
攪拌機5は、例えばフィンを回転させることによって、貯留槽3中の混合溶液2を攪拌する。
濾過部6は、フィルタを備えており、混合溶液2に入っているインクiを構成する色材や消泡剤等に他に、色材や界面活性剤等に混入していた不純物、混合溶液2を調合中に混入した不純物、又は調合時に発生した粗大粒子、凝集物をフィルタに吸着させて、除去するものである。この濾過部6に使用されるフィルタとしては、種々の物を使用することが可能であり、ポアサイズ、フィルタの材料、構造、有効濾過面積等の条件から適宜最適のものを選択する。インクiとなる混合溶液2を濾過する際にさらに好適な条件としては、ポアサイズ0.1μm〜5μm、フィルタの材料としてポリプロピレン、ポリテトラフロロエチレン、新水性ナイロン等が挙げられる。濾過部6では、微細な不純物を除去することができるように、ポアサイズを可能な限り小さくすることが好ましい。
温度調整部7は、環流冷却器等であり、濾過部6よりも上流側で、貯留槽3と濾過部6との間に設けられている。この温度調整部7では、混合溶液2に含有されている消泡剤の曇点よりも、濾過前の混合溶液2の温度が低くなるように混合溶液2の温度を調整する。温度調整部7では、消泡剤の曇点よりも混合溶液2の温度を低くすることによって、消泡剤が混合溶液2中に析出せず、溶解するようになる。これにより、温度調整部7は、消泡剤が溶解している状態で混合溶液2を濾過部6に供給することができる。
以上のような構成のインク製造装置1を用いてインクiを製造する場合には、先ず、純水用供給バルブ9a及び添加剤用供給バルブ10aをそれぞれ開き、純水用供給管9及び添加剤用供給管10から貯留槽3に所定量の純水と、所定量の色材水溶液、有機溶媒、界面活性剤、消泡剤を供給し、攪拌機5で攪拌し、これらの材料を混合して混合溶液2を作製し、貯留槽3内に貯留する。
次に、貯留槽3の底面に設けられた第1の排出管8の排出バルブ8aを開き、温度調整部7に混合溶液2を供給し、混合溶液2の温度を含有されている消泡剤の曇点よりも低い温度となるように混合溶液2の温度を調整する。混合溶液2では、温度調整部7で温度が消泡剤の曇点よりも低い温度に調整されることによって、消泡剤が析出せず、消泡剤が溶解している状態となる。
次に、消泡剤が溶解している状態の混合溶液2を濾過部6に供給し、混合溶液2を濾過して、第2の排出管11より排出し、インクiが得られる。混合溶液2を濾過する際には、不純物や粗大粒子、擬集物を混合溶液2から取り除くため、濾過部6のフィルタのポアサイズを小さくしても、消泡剤が溶解しているため、消泡剤がフィルタに吸着されず、フィルタを通過する。これにより、濾過後に得られたインクiには、不純物等がなく、設計通りに、所定量の消泡剤が含有され、消泡効果が得られる十分な量の消泡剤が含有されることとなる。
以上のようなインク製造装置1を用いて、インクiを製造した場合には、消泡剤が含有された混合溶液2を濾過する前に、含有されている消泡剤の曇点よりも混合溶液2の温度が低くなるように温度調整部7で温度調整することで、消泡剤が混合溶液2中に溶解し、フィルタを通過するため、設計通りに、所定量の消泡剤が含有され、消泡効果が得られる十分な量の消泡剤がインクi中に含有されることになる。これにより、このインク製造装置1を用いて、インクiを製造した場合には、インクi中に十分な量の消泡剤が含有され、消泡剤の消泡効果が得られるため、インクiの起泡を抑制することができる。したがって、得られたインクiは、常温に限らず、高温環境下で長期間保存した後であっても、泡立ちが抑えられ、保存安定性に優れたものとなる。
また、得られたインクiは、十分な量の消泡剤が含有され、泡立ちが抑えられているため、後述するインクジェットプリンタ装置20に用いた場合、気泡がノズル37a内に混入することを抑制でき、不吐出等の不具合が抑制され、吐出安定性に優れ、気泡が発生しても発生する量が少ないためノズル回復性に優れたものとなる。
また、このインク製造装置1では、濾過前に、混合溶液2中に消泡剤が溶解するように、混合溶液2の温度を調整するため、外気の温度によって消泡剤の選択が制限されず、あらゆる消泡剤を使用することができ、消泡剤の選択の幅が広がる。
なお、上述したインク製造装置1では、温度調整部7を貯留槽3と濾過部6との間に設けたが、このことに限定されず、図2に示すように、温度調整部7を貯留槽3の周囲に設けてもよい。
図2に示すインク製造装置1でインクiを製造する場合には、先ず、純水用供給バルブ9a及び添加剤用供給バルブ10aをそれぞれ開き、純水用供給管9及び添加剤用供給管10から貯留槽3に所定量の純水と、所定量の色材水溶液、有機溶媒、界面活性剤、消泡剤を供給し、攪拌機5で攪拌し、これらの材料を混合して混合溶液2を作製し、貯留槽3内に貯留する。このインク製造装置1では、貯留槽3に貯留されている混合溶液2の温度を温度調整部7で、消泡剤の曇点よりも低くする。これにより、混合溶液2は、消泡剤が析出することなく、溶解している状態となる。
次に、消泡剤が溶解している状態の混合溶液2を貯留槽3から第1の排出管8の排出バルブ8aを開き、濾過部6に供給し、混合溶液2を濾過して、第2の排出管11より排出し、インクiを得る。混合溶液2を濾過した際には、不純物や粗大粒子、擬集物はフィルタに吸着され、混合溶液2から分離されて取り除かれ、消泡剤は溶解しているためフィルタを通過する。これにより、濾過後に得られたインクiには、不純物等がなく、設計通りに、所定量の消泡剤が含有され、消泡効果が得られる十分な量の消泡剤が含有される。
したがって、図2に示すインク製造装置1を用いてインクiを製造した場合にも、混合溶液2の温度を含有されている消泡剤の曇点よりも低くすることで、消泡剤が混合溶液2中に溶解し、フィルタを通過するため、設計通りに、所定量の消泡剤がインクi中に含有されることになる。これにより、図2に示すインク製造装置1を用いて、インクiを製造した場合も、消泡剤の消泡効果が得られ、常温に限らず、高温環境下で長期間保存した後であっても、泡立ちが抑えられ、保存安定性に優れたものとなる。
また、図2に示すインク製造装置1で得られたインクiは、泡立ちが抑えられているため、後述するインクジェットプリンタ装置20に用いた場合、気泡がノズル37a内に混入することを抑制でき、不吐出等の不具合が抑制され、吐出安定性に優れ、気泡が発生しても発生する量が少ないためノズル回復性に優れたものとなる。
以上のようなインク製造装置1により製造されたインクiを用いるインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置という。)20について具体的に説明する。プリンタ装置20は、図3に示すように、対象物となる例えば記録紙Pに対して上述したインクiを吐出するインクジェットプリンタヘッドカートリッジ(以下、ヘッドカートリッジという。)21と、このヘッドカートリッジ21が装着される装置本体22とを備える。このプリンタ装置20は、記録紙Pの幅方向、すなわち図3中矢印W方向にノズルが略ライン状に1列以上並設した、いわゆるライン型のプリンタ装置である。プリンタ装置20は、ヘッドカートリッジ21が装置本体22に対して着脱可能である。
先ず、プリンタ装置20を構成するヘッドカートリッジ21について説明する。ヘッドカートリッジ21は、例えば圧力発生素子として電気熱変換式を用いた発熱抵抗体を用いて上述したインクiを吐出し、記録紙Pの主面にインクiを着弾させる。ヘッドカートリッジ21には、図4及び図5に示すように、インクiが収容されたインクカートリッジ23が装着される。インクカートリッジ23は、色毎に、イエローインクのインクカートリッジ23y、マゼンタインクのインクカートリッジ23m、シアンインクのインクカートリッジ23c及びブラックインクのインクカートリッジ23kを備える。インクカートリッジ23は、記録紙Pの幅方向の寸法と略同じ寸法をなす略矩形状に形成されている。インクカートリッジ23には、図4及び図5に示すように、後述するヘッドカートリッジ21のカートリッジ本体31にインクiを供給するためのインク供給部24が設けられている。
このインクカートリッジ23に収容されているインクiには、インクiを製造する際の濾過工程において、消泡剤がフィルタに吸着されず、濾過後のインクiに消泡効果が得られる十分な量の消泡剤が含有されている。このため、このインクカートリッジ23では、ヘッドカートリッジ21に装着した状態、又はヘッドカートリッジ21に未装着の状態で、常温又は高温環境下で長期間保存しても、充填されているインクiの泡立ちが抑えられている。これにより、このインクカートリッジ23では、気泡が混入されていないインクiをヘッドカートリッジ21に供給することができる。なお、ヘッドカートリッジ21とインクカートリッジ23とが一体となっていてもよい。ヘッドカートリッジ21は、装置本体22に一体に設けられていてもよい。
インク供給部24は、インクカートリッジ23の下側略中央部に設けられている。このインク供給部24は、略突形状のノズルであり、このノズルの先端が後述するヘッドカートリッジ21の接続部35に嵌合されることにより、インクカートリッジ23とヘッドカートリッジ21のカートリッジ本体31との間をインク供給可能に接続する。インク供給部24は、弁機構を備え、この弁機構でカートリッジ本体31へのインクiの供給を調整している。
インクカートリッジ23が装着されるヘッドカートリッジ21は、図4及び図5に示すように、カートリッジ本体31を有する。カートリッジ本体31には、インクカートリッジ23が装着される装着部32と、インクiを吐出するインク吐出ヘッド33と、インク吐出ヘッド33を保護するヘッドキャップ34とを備える。
装着部32の略中央には、装着部32に装着されたインクカートリッジ23のインク供給部24と接続される接続部35が設けられている。この接続部35は、装着部32に装着されたインクカートリッジ23のインク供給部24からカートリッジ本体31の底面に設けられたインクiを吐出するインク吐出ヘッド33にインクiを供給するインク供給路となる。接続部35は、インクカートリッジ23からインク吐出ヘッド33へのインクiの供給を弁機構で調整している。
接続部35からインクiが供給されるインク吐出ヘッド33は、カートリッジ本体31の底面に沿って、色毎に配設されている。インク吐出ヘッド33は、接続部35から供給されるインクiを吐出する吐出口である後述するノズル37aが記録紙Pの幅方向、すなわち図5中矢印W方向に略ライン状に並設されている。インク吐出ヘッド33は、インクiを吐出する際に、記録紙Pの幅方向に移動することなく、イエローのノズルライン、シアンのノズルライン、マゼンタのノズルライン、ブラックのノズルライン毎にインクiを吐出する。
各色のインク吐出ヘッド33は、図6に示すように、電気熱変化式の発熱抵抗体36aが設けられた回路基板36と、ノズル37aが形成されたノズルシート37と、回路基板36とノズルシート37との間に設けられたフィルム38とで形成されている。インク吐出ヘッド33には、回路基板36とノズルシート37とフィルム38とで囲まれ、ノズル37a毎に設けられたインク液室39が形成されている。インク液室39には、発熱抵抗体36aによって加熱されるインクiが充填される。また、インク吐出ヘッド33には、インクiが収容されたインクカートリッジ23からインクiをインク液室39に供給するためのインク流路40が形成されている。このインク流路40は、図5に示すように、記録紙Pの幅方向(W方向)に並設されたノズル37a毎に設けられたインク液室39すべてにインクiを供給できるように、記録紙Pの幅方向(W方向)に略ライン状に形成されている。このようなインク流路40では、記録紙Pの幅方向に長く形成されているため、気泡が混入すると、排出されにくく、別途ポンプ等で排出しなければならないが、インクiの泡立ちが抑えられているため、ポンプ等は必要なく、インクiを各インク液室39に供給することができる。また、ヘッドカートリッジ21では、インク流路40に気泡が混入した場合、インクカートリッジ23との間でインクiを循環させて、気泡を除去する方法が採られる場合があるが、インクiの泡立ちが抑えられているため、インクカートリッジ23との間でインクiを循環させる必要がなく、循環機構を設ける必要がなくなる。
また、以上のような構成からなるヘッドカートリッジ21では、インクカートリッジ23のインク供給部24から接続部35を介してインクiが供給され、接続部35からインク吐出ヘッド33のインク流路40にインクiが供給され、このインク流路40からノズル37aが設けられた各インク液室39にインクiが供給される。ヘッドカートリッジ21では、インクi中に含有させる消泡剤にシリコーン系界面活性剤やベタイン系界面活性剤等を用いていないため、インク液室39やインク流路40等に用いられるプラスチック部材やゴム部材を侵食することを防止できる。
ヘッドカートリッジ21に設けられた各色のインク吐出ヘッド33では、印刷データに基づいた記録信号によって、回路基板36の制御回路が複数の発熱抵抗体36aのうち、選択的に発熱抵抗体36aにパルス電流を供給し、発熱抵抗体36aを加熱する。インク吐出ヘッド33では、発熱抵抗体36aを加熱すると、図6(A)に示すように、発熱抵抗体36aと接するインクiに気泡bが発生する。そして、インク吐出ヘッド33では、図6(B)に示すように、気泡bが膨張しながらインクiを加圧し、押し退けられたインクiが液滴の状態となってノズル37aより吐出される。また、インク吐出ヘッド33では、インクiの液滴を吐出した後、インク流路40を通してインクiをインク液室39に供給することによって、再び吐出前の状態へ戻る。インク吐出ヘッド33では、印刷データに基づいた記録信号によって、上述した動作を繰り返して、記録紙P上にインクiを吐出して画像や文字を印刷する。
インク吐出ヘッド33では、上述したようにインクi中に、設計通り、所定量の消泡剤が含有されていることによって、消泡効果が得られ、インクカートリッジ23からヘッドカートリッジ21に至る流路において、泡立ちが抑えられているため、気泡がノズル37aやインク液室39、インク流路40に入り込むことが抑えられている。これにより、このインク吐出ヘッド33では、インクiの記録紙Pに対する着弾位置の精度が高く、インクiをノズル37aから適切に吐出することができる。
また、インク吐出ヘッド33では、インクiに十分な量の消泡剤が含有されているため、インクiを吐出するために発熱抵抗体36aを駆動した際に、インクiを押圧する気泡b以外に気泡が発生することを抑制できる。これにより、このインク吐出ヘッド33では、発熱抵抗体36aを駆動することによって、インクiを押圧する気泡b以外の気泡がインクi中に混入することを抑制できる。
インクiを吐出するインク吐出ヘッド33の吐出面33aを保護するためのヘッドキャップ34は、図4に示すように、インクiを吐出せず、印刷をしない間、インク吐出ヘッド33の吐出面33aを閉塞し、ノズル37aを乾燥等から保護している。印刷を行う際には、ヘッドキャップ34は、図4及び図7に示すように、ヘッドカーリッジ2の底面から装置本体22の前方、即ち図4中矢印A1方向に移動し、インク吐出ヘッド33の吐出面33aを外部に露出させる。印刷を行った後には、ヘッドキャップ34は、図4に示すように、装置本体22の前方からヘッドカートリッジ21の底面、即ち図4中矢印A2方向に移動し、インク吐出ヘッド33の吐出面33aを保護する。
このヘッドキャップ34には、吐出面33aに付着している余分なインクiを拭き取るクリーニングローラ34aが設けられている。ヘッドキャップ34は、吐出面33aを開放する際に、クリーニングローラ34aで吐出面33aをクリーニングし、吐出面33aに付着している余分なインクiやノズル37aの表面に付着している増粘したインクiを吸引する。なお、ヘッドキャップ34は、印刷後にヘッドカートリッジ21の底面に移動する際に、クリーニングローラ34aで吐出面33aをクリーニングする場合もある。
ここで、吐出面33aをクリーニングローラ34aでクリーニングする際には、吐出面33aに付着している余分なインクiやノズル37aの表面に付着している増粘したインクiを吸引するときに、インクi中に設計通りに、所定量の消泡剤が含有され、消泡効果が得られる十分な量の消泡剤が含有されているため、インクiが泡立つことが抑制されている。これにより、プリンタ装置20では、吐出面33aをクリーニングする際に、ノズル37aの表面からインク吐出ヘッド33の内部に気泡が混入することが抑制できる。
また、吐出面33aをクリーニングする際には、インクiの泡立ちが抑えられており、発生する気泡が少ないため、1回又は数回吐出面33aクリーニングすれば、すべてのノズル37aを吐出可能にすることができる。
ヘッドカートリッジ21が装着される装置本体22には、図3及び図7に示すように、ヘッドカートリッジ装着部51にヘッドカートリッジ21が装着される。また、装置本体22には、前面下側に設けられた給紙口52に印刷される前の記録紙Pを積層して収納された給紙トレイ53が取り付けられ、前面上側に設けられた排紙口54に印刷後の記録紙Pを収納する排紙トイレ55が取り付けられている。
以上のような構成からなるプリンタ装置20は、外部に設けられた情報処理装置から入力された印刷データに基づき印刷を行う。即ち、プリンタ装置20では、ヘッドキャップ34を図示しないヘッドキャップ開閉機構によりヘッドカートリッジ21の底面から装置本体22の前面側に移動する。これにより、プリンタ装置20は、インク吐出ヘッド33の吐出面33aに設けられたノズル37aが外部に露出し、インクiが吐出できるようになる。
次に、プリンタ装置20は、装置本体22に設けられた操作ボタン22aの操作により、複数の給紙ローラ61、62a、62bで、給紙トレイ53から1枚だけ記録紙Pを引き出す。プリンタ装置20は、給紙トレイ53から引き出した記録紙Pを反転ローラ63でヘッドカートリッジ21側に反転し、搬送ベルト64で吐出面33aと対向する位置に設けられたプラテン板65上に搬送し、記録紙Pが吐出面33aと対向するようになる。
次に、プリンタ装置20は、インク吐出ヘッド33に色毎に設けられた複数の発熱抵抗体36aに印刷データの制御信号に基づいて、駆動電流を供給し、色毎に発熱抵抗体36aを加熱する。プリンタ装置20は、発熱抵抗体36aを加熱することによって、記録紙Pに対して、イエローのノズルライン、マゼンタのノズルライン、シアンのノズルライン、ブラックのノズルラインの順で、図6に示すように、ノズル37aより上述した各色のインクiを色毎に液滴の状態にして吐出し、複数の色からなるカラー画像や文字を印刷する。
次に、プリンタ装置20は、印刷が終わった記録紙Pを排紙口54方向に回転する搬送ベルト64と、搬送ベルト64と対向して設けられた排紙ローラ66とによって、記録紙Pを排紙口54に送り出し、排紙トレイ55に印刷後の記録紙Pを排紙する。
なお、上述では、ライン型のプリンタ装置20を用いて説明したが、このことに限定されず、インク吐出ヘッドを記録紙Pの幅方向に移動させて1列分の印刷を行うシリアル型のプリンタ装置にも用いることができる。上述したインクiをシリアル型のプリンタ装置に用いた場合にも、泡立ちが抑えられ、保存安定性、吐出安定性及びノズル回復性に優れ、高品位が画像や文字を印刷することができる。
また、プリンタ装置20では、発熱抵抗体36aによって本発明を適用したインクiを加熱し、ノズル37aからインクiを吐出させる電気熱変換方式を採用しているが、このような方式に限定されず、例えばピエゾ素子といった圧電素子等の電気機械変換素子等によってインクiを電気機械的にノズルより吐出させる電気機械変換方式を採用したものであっても、同様な効果が得られる。
以下、本発明を適用したインク製造装置によって製造したインクについて説明する。
〈実施例1〉
実施例1では、以下の表1に示すインク組成物を作製し、室温環境下(25℃)にて十分に攪拌した後にこのインク組成物の温度を5℃とし、孔径1μmのフィルタ(製品名:ポリプロクリーン・カプセル キュノ株式会社製 濾材:ポリプロピレン 有効濾過面積:1200cm)を使用し0.2MPaの加圧条件で濾過を行いインクとした。即ち、実施例1では、曇点18℃のポリアルキレングリコール型界面活性剤を用い、濾過前のインク組成物の温度を曇点18℃よりも低い5℃にし、消泡剤をインク組成物中に溶解させた状態で濾過を行った。
Figure 2008063540
〈実施例2〉
実施例2では、上記表1に記載の処方のインク組成物を作製し、室温環境下(25℃)にて十分に攪拌した後にインク組成物の温度を10℃とし、孔径1μmのフィルタ(製品名:ポリプロクリーン・カプセルクリーン キュノ株式会社製 濾材:ポリプロピレン 有効濾過面積:1200cm)を使用し0.2MPaの加圧条件で濾過を行いインクとした。即ち、実施例2では、曇点18℃のポリアルキレングリコール型界面活性剤を用い、濾過前のインク組成物の温度を曇点18℃よりも低い10℃にし、消泡剤をインク組成物中に溶解させた状態で濾過を行った。
〈実施例3〉
実施例3は、上記表1に記載の処方のインク組成物を作製し、室温環境下(25℃)にて十分に攪拌した後に溶液の温度を15℃とし、孔径1μmのフィルタ(製品名:ポリプロクリーン・カプセル キュノ株式会社製 濾材:ポリプロピレン 有効濾過面積:1200cm)を使用し0.2MPaの加圧条件で濾過を行いインクとした。即ち、実施例3では、曇点18℃のポリアルキレングリコール型界面活性剤を用い、濾過前のインク組成物の温度を曇点18℃よりも低い15℃にし、消泡剤をインク組成物中に溶解させた状態で濾過を行った。
〈比較例1〉
比較例1では、上記表1に記載の処方のインク組成物を作製し、室温環境下(25℃)にて十分に攪拌した後にインク組成物の温度を20℃とし、孔径1μmのフィルタ(製品名:ポリプロクリーン・カプセル キュノ株式会社製 濾材:ポリプロピレン 有効濾過面積:1200cm)を使用し0.2MPaの加圧条件で濾過を行いインクとした。即ち、比較例1では、曇点18℃のポリアルキレングリコール型界面活性剤を用い、濾過前のインク組成物の温度を曇点18℃よりも高い20℃にし、インク組成物を濾過した。
〈比較例2〉
比較例2では、上記表1に記載の処方のインク組成物を作製し、室温環境下(25℃)にて十分に攪拌した後にインク組成物の温度を25℃とし、孔径1μmのフィルタ(製品名:ポリプロクリーン・カプセル キュノ株式会社製 濾材:ポリプロピレン 有効濾過面積:1200cm)を使用し0.2MPaの加圧条件で濾過を行いインクとした。即ち、比較例2では、曇点18℃のポリアルキレングリコール型界面活性剤を用い、濾過前のインク組成物の温度を曇点18℃よりも高い25℃にし、インク組成物を濾過した。
〈比較例3〉
比較例3では、上記表1に記載の処方のインク組成物を作製し、室温環境下(25℃)にて十分に攪拌しインクとした。即ち、比較例3では、曇点18℃のポリアルキレングリコール型界面活性剤を用い、インク組成物の温度を曇点18℃よりも高い25℃で攪拌して得られたインク組成物を濾過せずにインクを作製した。
〈比較例4〉
比較例4では、以下の表2に記載の処方のインク組成物を作成し、室温環境下(25℃)にて十分に攪拌した後にインク組成物の温度を25℃とし、孔径1μmのフィルタ(製品名:ポリプロクリーン・カプセル キュノ株式会社製 濾材:ポリプロピレン 有効濾過面積:1200cm)を使用し0.2MPaの加圧条件で濾過を行いインクとした。即ち、比較例4では、消泡剤が含有させずにインクを作製した。
Figure 2008063540
以上のように作製したインクについて、起泡力の試験をJIS K3362−1970に基づいて行った。具体的には、25℃の環境下でインク50mlを試験管に採取し、液面とする。続いてピペットを用いて200mlのインクを液面より900mmの高さから30秒間で落下させ、全部の液が流出したのち、直ちに気泡の量を測定し起泡力とした。この試験は、各実施例及び各比較例について、A:インク調合直後、B:インクを60℃48時間保存後25℃に戻したもの、C:インクを60℃120時間保存後25℃に戻したものについて実施した。試験結果を下記の表3に示す。
Figure 2008063540
また、実施例及び比較例のインクについて、ノズル目詰まり回復性の試験を行った。このノズル目詰まり回復性の試験は、実施の形態で説明したプリンタ装置(A4判横幅のラインヘッドを有し、ノズル密度600dpi)の装置本体から、インク吐出ヘッドとインクタンクが一体となっているヘッドカートリッジを外し、インクタンクに各実施例及び比較例について、A:インク調合直後、B:インクを60℃48時間保存後25℃に戻したもの、C:インクを60℃120時間保存後25℃に戻したものをそれぞれに充填した。その後、プリンタ装置のヘッドキャップを外した状態で25℃、10%RHの環境下に10分間放置した。放置後、全ノズルが吐出可能となるまでに要するヘッドクリーニング動作の回数を以下の基準にて評価した。評価結果を表4に示す。表4中、ヘッドクリーニング動作が1回の場合には、以下の表4に○印で示し、2〜4回の場合には、△印で示し、5回以上の場合には、×印で示した。
Figure 2008063540
また、実施例及び比較例のインクについて、連続印刷試験を行った。この連続印刷試験は、実施の形態で説明したプリンタ装置(A4判横幅のラインヘッドを有し、ノズル密度600dpi)の装置本体から、インク吐出ヘッドとインクタンクが一体となっているヘッドカートリッジを外し、各実施例及び比較例についてA:インク調合直後、B:インクを60℃48時間保存後25℃に戻したもの、C:インクを60℃120時間保存後25℃に戻したものを充填した。その後25℃、10%RH環境下にてA4サイズ普通紙に対し同一画像を連続的に印画し1000枚印画後にノズル抜け発生本数を確認し、以下に示す基準に従い評価を行った。評価結果を以下の表5に示す。ノズル抜け本数が0〜10本の場合、表5に○印で示し、ノズル抜け本数が11〜49本の場合、△印で示し、ノズル抜け本数50本以上の場合、×印で示した。
Figure 2008063540
以上の表3〜表5に示すように、実施例1〜実施例3のインクは、比較例1〜比較例4のインクと比べて、起泡力の試験、ノズル目詰まり回復性の試験、連続印画試験のすべての試験において良好な結果が得られた。
実施例1〜実施例3では、インクの製造工程において、インク組成物を濾過する前に、含有されている消泡剤のディスホームCC−438の曇点(18℃)よりも低い温度、実施例1では5℃、実施例2では10℃、実施例3では15℃にインク組成物の温度を調整している。これにより、実施例1〜実施例3では、インク組成物中に消泡剤が析出せず、溶解したため、濾過する際に消泡剤がフィルタを通過し、濾過後のインクに添加した量の消泡剤が含有され、消泡効果が得られる十分な量の消泡剤が含有された。したがって、実施例1〜実施例3のインクでは、表3に示すように、起泡力の試験において、インクを調合した直後や長時間、高温保存した後であっても、泡立ちが抑えられ、保存安定性を優れていることが分かる。
また、実施例1〜実施例3では、泡立ちが抑えられているため、表4に示すように、インクを調合した直後や長時間、高温保存した後であっても、ノズルが設けられた吐出面を1回又は2〜4回クリーニングするだけで、泡によるノズル目詰まりがなくなり、すべてのノズルが吐出可能となった。これにより、実施例1〜実施例3のインクでは、インクを調合した直後や長時間、高温保存後であっても、ノズル目詰まりの回復性に優れていることが分かる。
また、実施例1〜実施例3では、泡立ちが抑えられているため、表5に示すように、インクを調合した直後や長時間、高温保存した後に、連続して1000枚画像を印画しても、泡によるノズル抜けが10本以内であった。これにより、実施例1〜実施例3のインクでは、連続印画を行っても、泡によるノズル抜けがなく、良好な画像を印刷でき、吐出安定性に優れていることが分かる。
これらの実施例に対して、比較例1及び比較例2では、インクの製造工程において、インク組成物を濾過する前に、含有されている消泡剤のディスホームCC−438の曇点(18℃)よりも高い温度、比較例1では20℃、比較例2では25℃にインク組成物の温度を調整している。これにより、比較例1及び比較例2では、インク組成物中に消泡剤が溶解せず、析出しているため、インク組成物を濾過する際に消泡剤がフィルタに吸着され、濾過後のインクに添加した量の消泡剤が含有されず、消泡効果を得ることができる十分な量の消泡剤が含有されなかった。したがって、比較例1及び比較例2のインクでは、表3に示すように、起泡力の試験において、インクを調合した直後や長時間、高温保存した後、起泡力が大きく、泡立ちやすくなり、調合した直後よりも高温環境下で長時間保存することによって、より起泡力が大きくなり、より泡立ちやすくなり、保存安定性が悪いことが分かる。これにより、比較例1及び比較例2では、ノズルが設けられた吐出面を複数回クリーニングしなければ、発生した泡を除去して全ノズルを吐出可能とすることができず、高温環境下で長時間保存するに従って、泡立ちやすくなるため、吐出面のクリーニングの回数は多くなり、ノズル回復性が悪いことが分かる。
また、比較例1及び比較例2のインクでは、長期間、高温環境下で保存した場合、連続して1000枚印画を行うと、泡が発生し、ノズル抜けが11〜49本生じ、画像の品位が低下し、吐出安定性が悪いことが分かる。
以上のことから、比較例1及び比較例2のインクでは、起泡力の試験、ノズル目詰まり回復性の試験、連続印画試験のすべての試験が良好とならなかった。
また、実施例1〜実施例3に対して、比較例3では、インクの製造工程において、インク組成物を作製した後、濾過を行っていないため、消泡効果が得られる十分な量の消泡剤が含有されるが、不純物が多く含まれている。したがって、比較例3のインクでは、消泡剤の消泡効果が得られ、表3に示すように、起泡力が小さく、インクを調合した直後や長時間、高温保存した後であっても、泡立ちが抑えられているが、表4に示すように、ノズルに不純物が詰まり、吐出面を複数回クリーニングしなければ、すべてのノズルが吐出可能とならず、ノズル回復性が悪いことが分かる。
また、比較例3では、連続して1000枚印画を行うと、含有されている不純物がノズルに詰まり、ノズル抜けが11本以上生じ、画像の品位が低下し、吐出安定性が悪いことが分かる。
以上のことから、比較例3のインクでは、起泡力の試験、ノズル目詰まり回復性の試験、連続印画試験のすべての試験が良好とならなかった。
また、実施例1〜実施例3に対して、比較例4では、消泡剤が含有されていないため、起泡力の試験において、表3に示すように、インクを調整した直後や長時間、高温環境下で保存した後に、泡立ちやすく、高温環境下で長期間保存するほど、より泡立ちやすくなり、保存安定性が悪いことが分かる。
また、比較例4では、消泡剤が含有されず、泡立ちやすいため、表4に示すように、ノズルが設けられた吐出面を2〜4回、5回以上クリーニングしなければ、発生した泡を除去して、すべてのノズルが吐出可能とならず、ノズル回復性が悪いことが分かる。
また、比較例4では、連続して1000枚印画を行うと、泡が発生し、泡がノズルに詰まり、ノズル抜けが生じ、画像品位が低下し、吐出安定性が悪いことが分かる。
以上のことから、比較例4のインクでは、起泡力の試験、ノズル目詰まり回復性の試験、連続印画試験のすべての試験が良好とならなかった。
本発明が適用されたインク製造装置の概略構成図である。 同インク製造装置の他の例の概略構成図である。 本発明が適用されたインク製造装置によって製造されたインクを用いたインクジェットプリンタ装置を示す斜視図である。 同インクジェットプリンタ装置に備わるヘッドカートリッジを示す斜視図である。 同ヘッドカートリッジを示す断面図である。 同ヘッドカートリッジに設けられたインク吐出ヘッドの断面図であり、同図(A)は発熱抵抗体に気泡が発生した状態を模式的に示す断面図であり、同図(B)はノズルよりインクを吐出した状態を模式的に示す断面図である。 同インクジェットプリンタ装置の構成を示す透視側面図である。
符号の説明
1 インク製造装置、2 混合溶液、3 貯留槽、4 供給部、5 攪拌機、6 濾過部、7 温度調整部、8 第1の排出管、8a 排出バルブ、9 純水用供給管、9a 純水用供給バルブ、10 添加剤用供給管、10a 添加剤用供給バルブ、11 第2の排出管、20 インクジェットプリンタ装置、21 ヘッドカートリッジ、22 装置本体、23 インクカートリッジ、24 インク供給部、31 カートリッジ本体、33 インク吐出ヘッド、34 ヘッドキャップ、34a クリーニングローラ、36 回路基板、37 ノズルシート、37a ノズル、38 フィルム、39 インク供給路、40 インク液室

Claims (4)

  1. 少なくとも純水及び水溶性有機溶媒を含む溶媒と、この溶媒中に溶解又は分散される色材と、界面活性剤と、消泡剤とを含む記録液を製造する記録液製造装置において、
    上記溶媒と上記色材と上記界面活性剤と上記消泡剤とを混合溶液の状態で貯留する貯留槽と、
    上記貯留槽に溶媒、色材、界面活性剤及び消泡剤を供給する供給手段と、
    上記貯留槽中の混合溶液を攪拌する攪拌手段と、
    上記混合溶液を濾過する濾過手段と、
    上記濾過手段よりも上流側に設けられ、上記混合溶液の温度を調整する温度調整手段とを備え、
    上記混合溶液を上記消泡剤の曇点よりも低い温度に上記温度調整手段で温度調整した後、上記濾過手段で濾過して上記記録液を製造することを特徴とする記録液製造装置。
  2. 少なくとも純水及び水溶性有機溶媒を含む溶媒と、この溶媒中に溶解又は分散される色材と、界面活性剤と、消泡剤とを含む記録液を製造する記録液の製造方法において、
    上記溶媒と上記色材と上記界面活性剤と上記消泡剤とを混合した混合溶液を作製し、上記混合溶液を上記消泡剤の曇点よりも低い温度に温度調整した後、上記混合溶液を濾過して上記記録液を製造することを特徴とする記録液の製造方法。
  3. 上記記録液は、微小な液滴を記録信号に応じて複数の吐出口から吐出し、被記録媒体に上記液滴を付着させて記録する記録方法に用いられることを特徴とする請求項2記載の記録液の製造方法。
  4. 上記吐出口は、上記被記録媒体の幅方向に略ライン状に並設されていることを特徴とする請求項3記載の記録液の製造方法。
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JP2010202767A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Ricoh Co Ltd インクジェット用インクの製造方法

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