JP4403423B2 - 記録液及び記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イエロー顔料を含有する記録液及びこの記録液を用いた記録方法に関する。
記録液を液滴の状態にして吐出して記録を行う記録方法には、記録液としてインクを吐出し、画像や文字等を記録するインクジェット記録方式がある。インクジェット記録方式は、プリンタ装置に設けられたインクジェット用ヘッドのノズルからインクを微小な液滴の状態で紙、布、フィルム等の被記録媒体に吐出し、被記録媒体に文字や画像等を記録する方法に用いられている。このインクジェット記録方式は、記録時の騒音の発生が少なく、カラー化に対応させることが容易であり、高解像度の記録画像が高速で得られるという利点を有する。
このインクジェット記録方式のプリンタ装置では、インクとして、各種の水溶性染料を水又は水と有機溶剤との混合液に溶解させたものが使用されている。しかしながら、水溶性染料を用いたインクでは、水溶性染料が本来耐光性に劣るため、記録画像や文字の耐光性が問題となる場合が多い。また、水溶性染料を用いた場合には、インクが水溶性となるため、印刷画像や文字の耐水性が問題となる場合が多い。したがって、水溶性染料を用いたインクでは、印刷画像や文字に雨、汗又は飲食用の水等がかかったりした場合、印刷画像や文字がにじんだり、消失したりすることがある。そこで、インクでは、耐光性、耐水性の問題を解決するため、水溶性染料に代わって、顔料インクを用いることが提案されている。
顔料を用いたインクは、顔料の他に、この顔料を水等の溶媒中で分散させる分散樹脂が含有されている。分散樹脂は、顔料に吸着するための疎水部分と、水に分散するための親水部分とを有する。顔料を用いたインクでは、親水部分を有する分散樹脂を顔料に吸着させることで、顔料を溶媒中に分散させる。
熱エネルギの作用によりインクを吐出するインクジェット方式のプリンタ装置では、色材として顔料を使用したインクを用いた場合、熱エネルギを発生させるヒータの加熱で分散破壊を起こし、分散樹脂が顔料から脱離し、顔料及び分散樹脂がヒータ面に堆積し、コゲーションが発生してしまう。このため、コゲーションが発生しているプリンタ装置では、ヒータでインクを適切に加熱することができず、吐出安定性が低下してしまう。
下記の特許文献1では、顔料インク中に含有させた分散剤の分散樹脂中のカルボン酸がカルシウム又はマグネシウムと塩を形成することにより、分散破壊が生じ、駆動周波数が高くなると、吐出安定性が低下することに対して、カルボン酸を可溶化基として含むブロックコポリマーを顔料の分散剤として用い、インク中の不純物の量、特に分散樹脂のカルボン酸と塩を形成するカルシウム、マグネシウムの量が50ppm〜130ppmとなるように制御することが記載されている。特許文献1では、分散破壊の原因となるカルシウムやマグネシウムの量を制御することで、分散破壊を防止し、高い駆動周波数において吐出安定性が得られるようにしている。
また、下記の特許文献2では、ヒータ上への堆積物を減らすため、インク中に分散剤として含有させる高分子樹脂の量を規定し、ヒータ上への堆積物の発生を防止し、安定した吐出を可能にしている。
ところで、インクジェット記録方式のプリンタ装置では、印刷速度を更に高めることが望まれており、インクの吐出間隔を短くするため、ヒータの駆動周波数が高くなってきている。このため、このようなプリンタ装置に用いられる顔料インクでは、高い駆動周波数でも安定に吐出することができる吐出安定性を有する必要がある。
また、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク等のインクを用いて、カラー画像や文字を印刷するプリンタ装置では、上述したように耐光性や耐水性の観点から、顔料系のインクが用いられるようになってきており、イエローインクで言えば、耐光性に優れたC.I ピグメントイエロー128を顔料に用いることが多くなってきている。
しかしながら、インクに用いられる顔料のうち、マゼンタインクやシアンインク、ブラクインクに用いられる顔料は、分散剤を吸着しやすく、ヒータの熱によって分散剤が脱離しにくいため、コゲーションが発生せず、吐出安定性が良好であるが、イエロー顔料のC.I ピグメントイエロー128は、分散剤が脱離しやすい特性を有する。このため、C.I ピグメントイエロー128を用いたイエローインクでは、脱離した分散剤や顔料のC.I ピグメントイエロー128がヒータ上に堆積し、コゲーションが発生しやすく、駆動周波数、特に高い駆動周波数における吐出安定性が悪く、高速プリンタにおける連続吐出性が悪くなってしまう。即ち、C.I ピグメントイエロー128を含有するイエローインクは、高い駆動周波数における吐出安定性が悪いため、高速記録に不向きである。
特開2004−269797号公報 特許第2899088号公報
本発明は、顔料にC.I ピグメントイエロー128を用いて、駆動周波数を高めても、安定した吐出特性を有する記録液及びこれを用いた記録方法を提供することを目的とする。
本発明に係る記録液は、記録液を発熱抵抗体で加圧し、吐出口から吐出する液体吐出装置によって吐出されるものであり、イエロー顔料のC.I ピグメントイエロー128と、分散剤として少なくとも重量平均分子量が20000以下であり、酸価が150〜250の範囲である(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂と、スルホン化イソプレン樹脂とを含有し、上記水溶性樹脂は、全重量に対して0.1重量%〜10重量%含有され、上記スルホン化イソプレン樹脂は、固形分として、全重量に対して0.1重量%〜6.0重量%含有されている。
また、本発明に係る記録方法は、記録液を発熱抵抗体で加圧し、吐出口から吐出する液体吐出装置によって、被記録媒体上に上記記録液を吐出し、着弾させて記録を行う記録方法であって、記録液には、イエロー顔料のC.I ピグメントイエロー128と、分散剤として少なくとも重量平均分子量が20000以下であり、酸価が150〜250の範囲である(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂と、スルホン化イソプレン樹脂とが含有され、水溶性樹脂は、全重量に対して0.1重量%〜10重量%含有され、スルホン化イソプレン樹脂は、固形分として、全重量に対して0.1重量%〜6.0重量%含有されている。
本発明によれば、C.I ピグメントイエロー128を用い、分散剤として少なくとも重量平均分子量が20000以下であり、酸価が100〜250の範囲である(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂と、スルホン化イソプレン樹脂が含有されており、水溶性樹脂の含有量が全重量に対して0.1重量%〜10重量%であり、スルホン化イソプレン樹脂の含有量が、固形分として、全重量に対して0.1重量%〜6.0重量%であることによって、発熱抵抗体上に顔料や分散剤が堆積し、コゲーションが発生することを防止でき、駆動周波数が高くても、安定した吐出が可能となる。
以下、本発明を適用したイエローインクについて説明する。本発明を適用したイエローインク1yは、図1に示すインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置と記す。)2に用いられる。イエローインク1yは、図2に示すように、他の色のマゼンタインク1mやシアンインク1c、ブラックインク1kと共に、プリンタ装置2に用いられ、カラー画像や文字を形成する。なお、以下では、イエローインク1y、マゼンタインク1m、シアンインク1c、ブラックインク1kを合わせて、単にインク1ともいう。先ず、本発明が適用されたイエローインク1yの説明に先立って、このイエローインク1yが用いられるライン型のプリンタ装置2について説明する。
プリンタ装置2は、図1に示すように、対象物となる例えば記録紙Pに対して、上述したインクを吐出するインクジェットプリンタヘッドカートリッジ(以下、ヘッドカートリッジという。)3と、このヘッドカートリッジ3が装着される装置本体4とを備える。このプリンタ装置2は、記録紙Pの幅方向、すなわち図1中矢印W方向にインクを吐出するノズルが略ライン状に1列以上並設した、いわゆるライン型のプリンタ装置である。このプリンタ装置2は、ヘッドカートリッジ3が装置本体4に対して着脱可能である。
先ず、プリンタ装置2を構成するヘッドカートリッジ3について説明する。ヘッドカートリッジ3は、例えば圧力発生素子として電気熱変換式を用いた発熱抵抗体でインク1を吐出し、記録紙Pの主面にインク1を着弾させる。ヘッドカートリッジ3には、図2及び図3に示すように、インク1が収容されたインクカートリッジ11が装着される。インクカートリッジ11は、色毎に、イエローインク1yのインクカートリッジ11y、マゼンタインク1mのインクカートリッジ11m、シアンインク1cのインクカートリッジ11c、ブラックインク1kのインクカートリッジ11kを備える。インクカートリッジ11は、記録紙Pの幅方向の寸法と略同じ寸法をなす略矩形状に形成されている。インクカートリッジ11には、図2及び図3に示すように、ヘッドカートリッジ3のカートリッジ本体21にインク1を供給するためのインク供給部12を備える。
インク供給部12は、底面の略中央部に設けられている。このインク供給部12は、略突形状のノズルであり、このノズルの先端が後述するヘッドカートリッジ3の接続部25に嵌合されることにより、インクカートリッジ11とヘッドカートリッジ3のカートリッジ本体21とをインク1を供給可能に接続する。インク供給部12は、弁機構を備え、この弁機構でカートリッジ本体21へのインク1の供給を調整している。なお、インクカートリッジ11は、ヘッドカートリッジ3と一体に形成されていてもよい。
インクカートリッジ11が装着されるヘッドカートリッジ3は、図2及び図3に示すように、カートリッジ本体21を有する。カートリッジ本体21には、インクカートリッジ11が装着される装着部22と、インク1を吐出するインク吐出ヘッド23と、インク吐出ヘッド23を保護するヘッドキャップ24とを備える。
装着部22の長手方向略中央には、装着部22に装着されたインクカートリッジ11のインク供給部12と接続される接続部25が設けられている。この接続部25は、装着部22に装着されたインクカートリッジ11のインク供給部12からカートリッジ本体21の底面に設けられたインク1を吐出するインク吐出ヘッド23にインク1を供給するインク供給路となる。接続部25は、インクカートリッジ11からインク吐出ヘッド23へのインク1の供給を弁機構で調整している。
接続部25からインク1が供給されるインク吐出ヘッド23は、カートリッジ本体21の底面に沿って配設されている。インク吐出ヘッド23は、接続部25から供給されるインク1を吐出する吐出口である後述するノズル27aが記録紙Pの幅方向、すなわち図3中矢印W方向に略ライン状に色毎に並設されている。インク吐出ヘッド23は、インク1を吐出する際に、記録紙Pの幅方向に移動することなく、イエローのノズルライン、マゼンタのノズルライン、シアンのノズルライン、ブラックのノズルラインの順で、ノズルライン毎にインク1を吐出する。
インク吐出ヘッド23には、図4に示すように、電気熱変式の発熱抵抗体26aが設けられた回路基板26と、ノズル27aが形成され、ニッケルめっき等の金属薄膜で形成されたノズルシート27と、回路基板26とノズルシート27との間に設けられたフィルム28とによって、接続部25から供給されたインク1を各ノズル27aに供給するインク流路29が形成されている。このインク流路29は、ノズル27aが並設されている方向、即ち図3中矢印W方向に長く形成されている。これにより、インク吐出ヘッド23では、インクカートリッジ11からヘッドカートリッジ3の接続部25を介してインク1がインク流路29に流れ込み、インク流路29から各ノズル27aにインク1が供給されるようになる。
また、インク吐出ヘッド23には、回路基板26と、ノズルシート27と、フィルム28とによって囲まれ、発熱抵抗体26aがインク1を加圧するインク液室30が形成されている。
以上のような構成からなるインク吐出ヘッド23では、印刷データに基づいて選択された発熱抵抗体26aに対して、例えば1〜3マイクロ秒程度の間パルス電流が供給される。これにより、インク吐出ヘッド23では、発熱抵抗体26aが駆動し、急速に加熱される。インク吐出ヘッド23では、発熱抵抗体26aを加熱すると、図4(A)に示すように、発熱抵抗体26aと接するインク1に気泡bが発生する。そして、インク吐出ヘッド23では、図4(B)に示すように、気泡bが膨張しながらインク1を加圧し、押し退けられたインク1が液滴の状態となってノズル27aより吐出される。また、インク吐出ヘッド23では、インク1の液滴を吐出した後、インクカートリッジ11から接続部25を介してインク流路29を経てインク1をインク液室30に供給することによって、再び吐出前の状態に戻る。インク吐出ヘッド23では、印刷データに基づいて、上述した動作を繰り返して、記録紙P上にインク1を吐出して印刷する。
インク吐出ヘッド23の吐出面23aを保護するためのヘッドキャップ24は、図2に示すように、インク1を吐出せず、印刷をしない間、インク吐出ヘッド23の吐出面23aを閉塞し、ノズル27aを乾燥等から保護している。印刷を行う際には、ヘッドキャップ24は、図2及び図5に示すように、ヘッドカートリッジ3の底面から装置本体4の面側に移動し、インク吐出ヘッド23の吐出面23aを外部に露出させる。このヘッドキャップ24には、吐出面23aに付着している余分なインク1を拭き取るクリーニングローラ24aが設けられている。ヘッドキャップ24は、吐出面23aを開放する際に、クリーニングローラ24aで吐出面23aをクリーニングする。
ヘッドカートリッジ3が装着される装置本体4には、図1に示すように、ヘッドカートリッジ装着部41にヘッドカートリッジ3が装着される。また、装置本体4には、前面下側に印刷される前の記録紙Pが積層して収納された給紙トレイ42が取り付けられ、前面上側に印刷後の記録紙Pを収納する排紙トレイ43が取り付けられている。
装置本体4には、図5に示すように、記録紙Pを搬送する給排紙機構44及びヘッドキャップ24を開閉するヘッドキャップ開閉機構45が設けられている。
以上のような構成からプリンタ装置2は、外部に設けられた情報処理装置から入力された印刷データに基づき、給排紙機構44、ヘッドキャップ開閉機構45及びインク吐出ヘッド23に供給する電流の供給を制御する制御回路に設けられた制御部によって、記録紙Pの給排紙、ヘッドキャップ24の開閉、インク吐出ヘッド23への電流の供給が制御される。
具体的に、プリンタ装置2では、先ず、装置本体4に設けられた操作ボタン4aの操作により制御部に印刷開始の命令がされると、制御部からの制御信号により給排紙機構44、ヘッドキャップ開閉機構45が駆動して、図5に示すように、印刷が可能な状態となる。
プリンタ装置2は、ヘッドキャップ開閉機構45により、ヘッドキャップ24をヘッドカートリッジ3に対して給紙トレイ42及び排紙トレイ43が設けられている装置本体4の前面側に移動する。これにより、プリンタ装置2は、インク吐出ヘッド23の吐出面23aに設けられたノズル27aが外部に露出し、インク1が吐出できるようになる。
また、プリンタ装置2は、給排紙機構44により、給紙トレイ42から1枚だけ記録紙Pを引き出す。そして、プリンタ装置2は、給排紙機構44により、インク吐出ヘッド23の吐出面23aと対向する位置に設けた搬送ベルト46に記録紙Pを搬送する。プリンタ装置2では、搬送ベルト46に搬送させた記録紙Pをプラテン板47で所定の位置に支持することによって、記録紙Pが吐出面23aと対向する。
次に、プリンタ装置2は、インク吐出ヘッド23に設けられた複数の発熱抵抗体26aうち、印刷データに基づく制御信号によって選択された発熱抵抗体26aに、駆動電流を供給し、選択された発熱抵抗体26aを加熱する。プリンタ装置2は、発熱抵抗体26aを加熱することによって、図4に示すように、吐出面23aと対向する位置に搬送された記録紙Pに対してノズル27aよりインク1を液滴の状態にして吐出し、画像や文字等を印刷する。
次に、プリンタ装置2は、画像や文字等の印刷が終わった記録紙Pを排紙トレイ43方向に回転する搬送ベルト46と、搬送ベルト46と対向し、吐出面23aよりも排紙トレイ43側に設けられた排紙ローラ48とによって記録紙Pを排紙トレイ43に送り出し、排紙トレイ43に印刷後の記録紙Pを排紙する。このようにして、プリンタ装置2では、記録紙Pに印刷を行う。印刷後には、装置本体4の面側に待機しているヘッドキャップ24をヘッドキャップ開閉機構45により、ヘッドカートリッジ3の底面を移動させ、インク吐出ヘッド23の吐出面23aを閉塞し保護する。なお、この際に、クリーニングローラ24aで吐出面23aをクリーニングするようにしてもよい。
以上のようなプリンタ装置2では、各色のノズルライン毎にインク1を吐出するため、各色で1度にインク1が吐出されるノズル27aの数を多く、高速で印刷するため各発熱抵抗体26aの駆動周波数が高くなっている。プリンタ装置2では、イエローインク1yに、カラーインデックスによってC.I ピグメントイエロー128に分類される黄色顔料(以下、C.I ピグメントイエロー128)を用いたイエローインク1yを用いているが、次に説明するように、分散剤として少なくとも(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂が含有され、更にスルホン化イソプレン樹脂が含有されていることによって、C.I ピグメントイエロー128から分散剤の水溶性樹脂が脱離することが防止され、発熱抵抗体26a上にC.I ピグメントイエロー128及び水溶性樹脂が堆積せず、コゲーションが防止されている。このプリンタ装置2では、コゲーションが防止されることによって、高い駆動周波数であっても、イエローインクを適切に吐出でき、印刷することができる。
そこで、次に、プリンタ装置2に用いられるイエローインク1yについて説明する。イエローインク1yは、顔料にC.I ピグメントイエロー128を用い、この顔料を分散させる分散剤として少なくとも(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂を含み、さらにスルホン化イソプレン樹脂が含有されている。イエローインク1yは、C.I ピグメントイエロー128、水溶性樹脂、スルホン化イソプレン樹脂が水性媒体に分散又は溶解している。
このイエローインク1yでは、顔料にC.I ピグメントイエロー128を用いても、スルホン化イソプレン樹脂が含有されていることによって、分散剤の(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂がC.I ピグメントイエロー128から脱離することなく、発熱抵抗体26a上にC.I ピグメントイエロー128や水溶性樹脂が堆積することを防止でき、コゲーションを防止することができる。また、このイエローインク1yでは、スルホン化イソプレン樹脂が含有されていることによって、記録紙Pに対する顔料の定着性が良好である。
イエローインク1yに含有される分散剤の水溶性樹脂は、少なくとも(メタ)アクリル酸モノマー成分としてアクリル酸成分又はメタクリル酸成分を含むものである。具体的に、アクリル酸成分又はメタクリル酸成分としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、(メタ)アクリル酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体、(メタ)アクリル酸−マレイン酸ジアルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体等が挙げられる。
なお、これらのアクリル酸成分又はメタクリル酸成分は、必要に応じて、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル等の合成樹脂やロジン樹脂等の天然樹脂で変性することが可能である。水溶性樹脂は、これらのアクリル酸成分又はメタクリル酸成分をアンモニア、アミン、アルカノールアミン及びアルキルアルカノールアミンから選ばれる揮発性塩基性化合物、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物で中和し、水性媒体に分散又は溶解できるようにしたものである。
この水溶性樹脂は、重量平均分子量が20000以下、好ましくは1000〜10000程度であり、酸価が100〜250、好ましくは150〜250の範囲にある(メタ)アクリル酸モノマーを成分とする(メタ)アクリル酸系樹脂であり、アルカリ水溶液に可溶であることが特に好ましい。
この水溶性樹脂は、重量平均分子量が20000以下であることによって、イエローインク1yの粘性が大きくなりすぎず、良好な吐出安定性が得られる。また、この水溶性樹脂では、酸価が100以上とすることによって、再溶解性が得られ、酸価が250以下とすることによって、水溶性が大きくなりすぎず、記録物の耐マーカー性、耐水性の低下を防止できる。
このような水溶性樹脂のうち、アクリル酸系樹脂としては、市販されているものを用いることができ、例えば、ジョンソンポリマー社製のジョンクリル57(分子量4900、酸価215)、ジョンクリル61J(分子量12000、酸価195)、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル550(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)等が挙げられる。
このアクリル酸系樹脂の含有量は、イエローインク1y全重量に対して、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%であり、顔料に対しては、10重量%〜100重量%程度添加することが好ましい。
イエローインクに含有されるスルホン化イソプレン樹脂は、記録紙Pに対する顔料の定着性を良好にする。
スルホン化イソプレン樹脂は、アルカリ中和したものが好ましく、例えばNa、Li、K等のアルカリ金属、有機アンモニウムで中和する。有機アンモニウムとしては、例えば、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリヒドロキシメチルアミン、ジヒドロキシメチルアミン、モノヒドロキシメチルアミン、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、N−メチルモノエタノールアンモニウム、N−メチルジエタノールアンモニウム、モノプロパノールアンモニウム、ジプロパノールアンモニウム、トリプロパノールアンモニウム等が挙げられる。これらの有機アンモニウムは、それぞれに相当する有機アミンから誘導される。
スルホン化イソプレン樹脂の含有量は、イエローインク1y全重量に対して、0.1重量%〜6重量%である。スルホン化イソプレン樹脂の含有量を0.1重量%以上とすることによって、記録紙Pに対するイエローインク1yの定着性を良好にし、インクカートリッジ11yからインク吐出ヘッド23のインク液室30へのイエローインク1yの供給が良好となる。また、スルホン化イソプレン樹脂の含有量を6重量%以下とすることによって、発熱抵抗体26a上に堆積することがなく、コゲーションが発生することを防止できる。なお、スルホン化イソプレン樹脂の含有量は、0.1重量%〜6重量%の中でも、好ましくは、1重量%〜4重量%である。
上述した顔料や水溶性樹脂、スルホン化イソプレン樹脂を溶解又は分散させる溶媒には、イオン交換水、水溶性有機溶媒等が用いられる。
水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、又はチオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルオキシド等の含硫黄溶媒等が挙げられる。水溶性有機溶媒は、これらの中でも、グリセリン、2−ピロリドン、炭素数3〜6のグリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。なお、これらの水溶性有機溶媒は単独で用いても、2種以上混合してもよい。
この水溶性有機溶媒の含有量は、イエローインク1y全重量に対して、好ましくは1重量%〜60重量%、より好ましくは5重量%〜40重量%である。
以上のような構成からなるイエローインク1yは、上述したインクジェット記録方式のプリンタ装置2に用いられるため、インク吐出ヘッド23のノズル27aから吐出可能である特性を有する必要がある。そこで、インク吐出ヘッド23からの吐出性という観点から、イエローインク1yの特性としては、例えば、その粘度が1〜15cPs、表面張力が25dyn/cm以上とすることが好ましく、特には粘度が1〜5cPs、表面張力が25〜50dyn/cmとすることがより好ましい。
更に、イエローインク1yには、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
以上のようなイエローインク1yは、C.I ピグメントイエロー128と、分散剤として少なくとも(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂と、スルホン化イソプレン樹脂とが含有されていることによって、C.I ピグメントイエロー128から分散剤の水溶性樹脂が脱離することを防止できる。これにより、このイエローインク1yでは、インク吐出ヘッド23の発熱抵抗体26a上にC.I ピグメントイエロー128や分散剤の水溶性樹脂が堆積せず、コゲーションの発生を防止できる。また、イエローインク1yでは、スルホン化イソプレン樹脂が含有されていることによって、インクカートリッジ11yからインク吐出ヘッド23のインク流路29を介してインク液室30へ供給されやすくなり、不吐出等の不具合が発生することを防止できる。
上述したプリンタ装置2では、色毎にノズル27aが記録紙Pの幅方向に亘ってノズル27aが設けられたライン型であり、高速で印刷するため、発熱抵抗体26aの駆動周波数が高くなっているが、イエローインク1yによるコゲーションが防止されており、インク液室30へのイエローインク1yの供給も良好であるため、イエローインク1yを安定に連続して吐出することができる。
また、イエローインク1yは、スルホン化イソプレン樹脂が含有されているため、記録紙Pに対する定着性が良好であり、C.I ピグメントイエロー128が記録紙Pから脱落せず、画像や文字のかすれが生じることを防止できる。
また、このイエローインク1yは、顔料にC.I ピグメントイエロー128を用いていることによって、他のイエロー顔料を用いた場合と比べて、画像や文字の耐光性に優れている。
上述したイエローインク1y以外のマゼンタインク1m、シアンインク1c、ブラックインク1kは、従来公知の各色のインクと同様の構成からなる。なお、顔料、分散剤及び有機溶媒は、従来各色のインクで用いられているものを用いることができる。
上述したイエローインク1yは、C.I ピグメントイエロー128と、分散剤として少なくとも(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂と、スルホン化イソプレン樹脂とが含有されていることによって、発熱抵抗体26aの駆動周波数が高くても、マゼンタインク1m、シアンインク1c、ブラックインク1kと同等の吐出安定性を有する。
なお、イエローインク1yは、上述したようなライン型のプリンタ装置2に用いることに限定されず、インク吐出ヘッド23を記録紙Pの幅方向に移動させて1列分の印刷を行うシリアル型のプリンタ装置にも用いることができ、駆動周波数特性に優れ、安定に吐出され、記録紙Pに対する定着性も良好である。
また、イエローインク1yは、上述したプリンタ装置2のように、発熱抵抗体26aにより加熱され、ノズル27aから液滴の状態で吐出する電気熱変換方式の他に、例えば、圧電素子の振動を利用して微小な液滴を飛翔させる、いわゆるピエゾ方式等の記録方式にも適用することができ、定着性の良好な画像や文字を形成することができる。
以下、本発明を適用したイエローインクを調製した実施例および比較例について説明する。先ず、以下に示すイエローインクの分散液を作製し、これらの分散液を用いて実施例及び比較例のイエローインクを作製した。
〈分散液1〉
分散液1は、顔料として商品名8G−CF(C.I ピグメントイエロー128 チバスペシャリティケミカルズ)が15重量%、分散剤として商品名ジョンクリル57(ジョンソンポリマー株式会社)が8.1重量%、イオン交換水が76.9重量%となるように混合し、ペイントシェーカー(メディアは、ジルコニア1mm径、メディア充填率70%)で分散し、遠心分離機にて粗粒分を除去し分散液1とした。
〈分散液2〉
分散液2は、顔料として商品名8G−CF(C.I ピグメントイエロー128 チバスペシャリティケミカルズ)が15重量%、分散剤として商品名ジョンクリル61J(ジョンソンポリマー株式会社)が10重量%、イオン交換水が75重量%となるように混合し、ペイントシェーカー(メディアは、ジルコニア1mm径、メディア充填率70%)で分散し、遠心分離機にて粗粒分を除去し分散液2とした。
以上のようにして作製した分散液1及び分散液2を用いて実施例及び比較例のインクを作製した。
〈実施例1〉
実施例1では、次のようにしてイエローインクを作製した。イエローインクを作製する際は、分散液1が26.7重量%、水溶性有機溶媒として1,5ペンタンジオールが15重量%、スルホン化イソプレン樹脂としてダイナフローK201(JSR株式会社製、固形分15wt%)が40重量%、イオン交換水が18.3重量%となるように混合し、十分に攪拌してフィルターを用いて濾過して、イエローインクを作製した。なお、イエローインク中には、固形分15wt%のダイナフローK201が40重量%含有されているため、スルホン化イソプレン樹脂が6重量%含有されていることになる。
〈実施例2〉
実施例2では、次のようにしてイエローインクを作製した。イエローインクを作製する際は、分散液1が26.7重量%、水溶性有機溶媒として1,5ペンタンジオールが15重量%、スルホン化イソプレン樹脂としてダイナフローK201(JSR株式会社製、固形分15wt%)が13.3重量%、イオン交換水が45重量%となるように混合し、十分に攪拌してフィルターを用いて濾過して、イエローインクを作製した。なお、イエローインク中には、固形分15wt%のダイナフローK201が13.3重量%含有されているため、スルホン化イソプレン樹脂が2重量%含有されていることになる。
〈実施例3〉
実施例3では、次のようにしてイエローインクを作製した。イエローインクを作製する際は、分散液1が26.7重量%、水溶性有機溶媒としてプロピレングリコールが15重量%、スルホン化イソプレン樹脂としてダイナフローK202(JSR株式会社製、固形分15wt%)が0.67重量%、イオン交換水が57.63重量%となるように混合し、十分に攪拌してフィルターを用いて濾過して、イエローインクを作製した。なお、イエローインク中には、固形分15wt%のダイナフローK202が0.67重量%含有されているため、スルホン化イソプレン樹脂が0.1重量%含有されていることになる。
〈実施例4〉
実施例4では、次のようにしてイエローインクを作製した。イエローインクを作製する際は、分散液2が26.67重量%、水溶性有機溶媒としてプロピレングリコールが15重量%、スルホン化イソプレン樹脂としてダイナフローK202(JSR株式会社製、固形分15wt%)が26.7重量%、イオン交換水が31.63重量%となるように混合し、十分に攪拌してフィルターを用いて濾過して、イエローインクを作製した。なお、イエローインク中には、固形分15wt%のダイナフローK202が26.7重量%含有されているため、スルホン化イソプレン樹脂が4重量%含有されていることになる。
〈実施例5〉
実施例5では、次のようにしてイエローインクを作製した。イエローインクを作製する際は、分散液2が26.67重量%、水溶性有機溶媒としてプロピレングリコールが15重量%、スルホン化イソプレン樹脂としてダイナフローK202(JSR株式会社製、固形分15wt%)が6.67重量%、イオン交換水が51.66重量%となるように混合し、十分に攪拌してフィルターを用いて濾過して、イエローインクを作製した。なお、イエローインク中には、固形分15wt%のダイナフローK202が6.67重量%含有されているため、スルホン化イソプレン樹脂が1重量%含有されていることになる。
〈比較例1〉
比較例1では、次のようにしてイエローインクを作製した。イエローインクを作製する際は、分散液1が26.7重量%、水溶性有機溶媒として1,5ペンタンジオールが15重量%、イオン交換水が58.3重量%となるように混合し、十分に攪拌してフィルターを用いて濾過して、イエローインクを作製した。
〈比較例2〉
比較例2では、次のようにしてイエローインクを作製した。イエローインクを作製する際は、分散液2が26.7重量%、水溶性有機溶媒としてプロピレングリコールが15重量%、イオン交換水が58.3重量%となるように混合し、十分に攪拌してフィルターを用いて濾過して、イエローインクを作製した。
〈比較例3〉
比較例3では、次のようにしてイエローインクを作製した。イエローインクを作製する際は、分散液2が26.7重量%、水溶性有機溶媒としてプロピレングリコールが15重量%、スルホン化イソプレン樹脂としてダイナフローK202(JSR株式会社製、固形分15wt%)が53.3重量%、イオン交換水が5重量%となるように混合し、十分に攪拌してフィルターを用いて濾過して、イエローインクを作製した。なお、イエローインク中には、固形分15wt%のダイナフローK202が53.3重量%含有されているため、スルホン化イソプレン樹脂が8重量%含有されていることになる。
以上のようにして作製した実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例3について、発熱抵抗体の駆動周波数が異なる印画試験を行った。
印画試験は、上述したライン型のプリンタ装置(A4判横巾のラインヘッドを有し、解像度は600dpiである)の本体から、インク吐出ヘッドとインクカートリッジが一体となっているヘッドカートリッジを外し、インクカートリッジに、本発明の各実施例及び比較例のイエローインクを充填した。そして、それぞれのイエローインクについて、インク吐出ヘッドの発熱抵抗体の駆動周波数が1.9kHz、9.6kHzとなる印画パターンをベタ印画し、その時の印画ムラの状態を目視評価した。
以下の表1に印画試験の結果を示す。
Figure 0004403423
表1中、インクの不吐出がなく、濃度ムラが発生していない場合には、○印で示し、濃度ムラが発生していない状態(○印の場合)と比べ、部分的に濃度ムラ、カスレが発生している場合には、△印で示し、インクが吐出されず、印画出来ない場合には、×印で示した。
表1に示す結果から、実施例1〜実施例5は、比較例1〜比較例3と比べて、印画試験の結果が良好であった。
比較例1及び比較例2では、イエローインク中にスルホン化イソプレン樹脂が含有されていないため、インクカートリッジからインク吐出ヘッドのインク液室にイエローインクが充填されにくくなり、特に発熱抵抗体の駆動周波数が高くなると更に充填されにくくなるため、駆動周波数が低い1.9kHzでは、印画ムラやカスレが発生し、駆動周波数が高い9.6kHzでは、インクが吐出されず、印画できず、駆動周波数が高くなりにつれて、周波数特性が悪くなった。
比較例3では、イエローインク中にスルホン化イソプレン樹脂が6重量%以上含有されているため、スルホン化イソプレン樹脂の含有量が多すぎ、スルホン化イソプレン樹脂が発熱抵抗体上に堆積し、駆動周波数が低くても、インクを吐出することができず、周波数特性が悪くなった。
これらの比較例に対して、実施例1〜実施例5では、スルホン化イソプレン樹脂が0.1重量%〜6重量%の範囲で含有されているため、インクカートリッジからインク吐出ヘッドのインク液室にイエローインクが良好に供給され、発熱抵抗体の駆動周波数が高くなってもインク液室へのイエローインクの供給が良好であった。また、実施例1〜実施例5では、スルホン化イソプレン樹脂が0.1重量%〜6重量%の範囲で含有されているため、顔料のC.I ピグメントイエロー128から分散剤の水溶性樹脂が分離せず、顔料や水溶性樹脂が発熱抵抗体上に堆積せず、コゲーションを防止できた。これらのことから、実施例1〜実施例5では、駆動周波数が高くなっても、インクの不吐出が生じることなく、優れた周波数特性が得られた。実施例1〜実施例5より、C.I ピグメントイエロー128を用いたイエローインク中に、分散剤の水溶性樹脂の他に、スルホン化イソプレン樹脂が適量含有することで、印画ムラやカスレが発生せず、吐出安定性に優れたイエローインクが得られることが分かる。
本発明を適用したプリンタ装置の分解斜視図である。 ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 同ヘッドカートリッジの断面図である。 インク吐出ヘッドを示しており、同図(A)は発熱抵抗体上に気泡が発生した状態を模式的に示す断面図であり、同図(B)はノズルよりインクを吐出される状態を模式的に示す断面図である。 同プリンタ装置の印刷動作を説明するための透視側面図である。
符号の説明
1y イエローインク、2 プリンタ装置、3 ヘッドカートリッジ、4 装置本体、11 インクカートリッジ、21 カートリッジ本体、23 インク吐出ヘッド、26 回路基板、26a 発熱抵抗体、27 ノズルシート、27a ノズル、28 フィルム、29 インク流路、30 インク液室

Claims (4)

  1. 記録液を発熱抵抗体で加圧し、吐出口から吐出する液体吐出装置によって吐出される上記記録液において、
    イエロー顔料のC.I ピグメントイエロー128と、
    分散剤として、少なくとも重量平均分子量が20000以下であり、酸価が150〜250の範囲である(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂と、
    スルホン化イソプレン樹脂とを含有し、
    上記水溶性樹脂は、全重量に対して0.1重量%〜10重量%含有され、
    上記スルホン化イソプレン樹脂は、固形分として、全重量に対して0.1重量%〜6.0重量%含有されている記録液。
  2. 上記水溶性樹脂は、重量平均分子量が4900〜12000であり、酸価が195〜215であり、全重量に対して2.16重量%〜2.67重量%含有され、
    上記スルホン化イソプレン樹脂は、固形分として、全重量に対して1.0重量%〜4.0重量%含有されている請求項1記載の記録液。
  3. 記録液を発熱抵抗体で加圧し、吐出口から吐出する液体吐出装置によって、被記録媒体上に上記記録液を吐出し、着弾させて記録を行う記録方法において、
    上記記録液には、イエロー顔料のC.I ピグメントイエロー128と、分散剤として少なくとも重量平均分子量が20000以下であり、酸価が150〜250の範囲である(メタ)アクリル酸モノマー成分を含有する水溶性樹脂と、スルホン化イソプレン樹脂とが含有され、上記水溶性樹脂は、全重量に対して0.1重量%〜10重量%含有され、上記スルホン化イソプレン樹脂は、固形分として、全重量に対して0.1重量%〜6.0重量%含有されている記録方法。
  4. 上記記録液には、上記水溶性樹脂が、重量平均分子量が4900〜12000であり、酸価が195〜215であり、全重量に対して2.16重量%〜2.67重量%含有され、上記スルホン化イソプレン樹脂が、固形分として、全重量に対して1.0重量%〜4.0重量%含有されている請求項3記載の記録方法。
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