WO2005053388A1 - 擬似餌 - Google Patents

Abstract

　魚が食い付いたときに、違和感を感じさせない質感、及び種々の深度をねらうことができる浮力を有するとともに、本体が破損することのない耐久性を有する擬似餌を提供する。 　本発明は、本体１０が、発泡剤を添加した軟質樹脂を発泡成形してなる発泡体１１を具備し、しかも、前記発泡体１１の表面が、冷却固化されることにより形成される表皮層１２を具備するようにした。

Description

明 細 書

擬似餌

技術分野

[0001] 本発明は、釣りに用いられる擬似餌に関し、特に、軟質樹脂からなる擬似餌に関す る。

背景技術

[0002] 一般的によく使用される擬似餌として、プラスチックや金属などの硬質材料で成形 されたものがある。このような擬似餌は、材料の特性力 耐久性に優れているとともに 、本体内部に構造上の工夫を凝らすことができる。例えば、本体内部に空間部を設 けることにより、浮力を有することができるのでフローティングタイプの擬似餌を構成す ることができる。また、前記空間部にバランサーを具備することにより、キレのある動き を演出することができる。さらに、硬質の榭脂は、塗装を施すことが容易であるため、 魚に似せたリアルなカラー塗装を行ったり、あるいはメツキカ卩ェなどを行うこともできる

[0003] し力しながら、このような擬似餌は、本体が硬質材料により成形されて 、るので、こ れを捕食する魚は食 、付 、た瞬間に違和感を感じ、すぐに吐き出してしまうと 、う問 題がある。また、硬質材料で成形された本体表面に針が当たると、金属音が発生し、 魚に警戒心を与えてしまうと 、う問題もある。

[0004] そこで、このような問題点を解消するために、ソフトルアーと呼ばれる軟質樹脂で成 形された擬似餌がある。

[0005] ソフトルアーは、本体が柔らかぐ質感が小魚に似ているため、捕食する魚が食い 付いても違和感を感じさせることがない。つまり、魚がー且ソフトルアーに嚙み付けば 吐き出してしまうことなぐ良好な釣果を得ることができる。また、本体が柔軟性を有す る軟質榭脂から形成されているので、水中で生き物のような微妙な動きを演出するこ とができる。さらに、ソフトルアーは、所定の金型に軟質榭脂を射出成形することによ り製造されるので、大量生産に適し、製造コストが低いという特徴がある。

[0006] しかしながら、ソフトルアーは高比重で浮力が無いため、フローティングタイプの擬 似餌を作ることができないという問題がある。そのため、トウイッチやジャークと呼ばれ る、竿を煽ることで不規則な動きを擬似餌に与えることができない。しかも、軟質榭脂 は表面塗装が困難で、魚を模したリアルな塗装を行うこともできない。さらに、ソフトル ァ一は、捕食する魚が食い付いたときに本体がちぎれ易ぐ耐久性が低いという問題 もめる。

[0007] そこで、柔軟性を付与した上で、浮力をも付与すベぐ硬質の材料で形成した芯材 に、軟質発泡浮力素材で形成した本体を被覆した擬似餌が提案されている (例えば 、特許文献 1参照)。図 5に当該擬似餌の長手方向の断面図を示す。

[0008] 図 5より、擬似餌の本体 50は、硬質の芯材 51と、芯材 51を被覆する軟質の被覆材 52とを備えて構成される。芯材 51は、魚を模した頭部と、前記頭部の下部から尾部 に延びる芯部材とからなる。被覆材 52の材料としては、例えば、シリコン RTVゴムな どの軟質発泡浮力素材が用いられる。そして、芯材 51の頭部から芯部材に沿って、 鋼線 53が貫通状態で埋設されている。鋼線 53には、頭部に設けた糸掛部 53aと、腹 部及び尾部に設けた針掛部 53b, 53cとが環状に形成され、それぞれを外部に露出 させている。さらに、被覆材 52の内部には、空間部 54を形成し、その内部に錘 55, 5 5を移動自在に収容して 、る。

[0009] このような構造力 なる擬似餌は、頭部を除く大部分が軟質発泡浮力素材で形成さ れているので、生魚のように、頭部は硬ぐ胴部は軟らかいという質感を得ることもでき る。

特許文献 1：特開平 10- 178972号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] し力しながら、上記擬似餌は、生魚のような質感を有しているとはいえ、硬質の材料 で形成された頭部は、補食する魚が食い付いた瞬間に違和感を与え、魚が当該擬 似餌を吐き出してしまう場合がある。また、シリコン RTVゴムで形成された胴部は、柔 軟性が高ぐ魚が食い付いたときに、ちぎれたり、破れたりするおそれがある。

[0011] そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、魚が食い付いたときに、違 和感を感じさせない質感、及び種々の深度をねらうことができる浮力を有するとともに 、本体が破損することのな 、耐久性を有する擬似餌を提供する。

課題を解決するための手段

[0012] 上記課題を解決するために、本発明に係る擬似餌は、本体が、発泡剤を添加した 軟質榭脂を発泡成形してなる発泡体を具備し、しかも、前記発泡体が、冷却固化さ れることにより形成される表皮層を具備することを特徴とするものである。

[0013] 上記構成からなる擬似餌によれば、発泡剤を添加した軟質榭脂を金型に充填する ことにより、発泡体は、多数の気泡体を内包するので、高い柔軟性及び浮力を有する とともに、金型に接した発泡体が先に冷えて密になるため、発泡体の表面に硬質化さ れた表皮層が形成される。

[0014] また、前記発泡剤は、前記軟質榭脂に対し、 5重量％—20重量％添加するように するのが好ましい。この構成からなる擬似餌によれば、最適な気泡体を形成すること ができ、本体の柔軟性が向上し、かつ、大きな浮力を得ることができる。

[0015] また、本発明に係る擬似餌は、本体が、バルーンを添加した軟質榭脂を発泡成形 してなる発泡体を具備し、しかも、前記発泡体が、冷却固化されることにより形成され る表皮層を具備することを特徴とするものである。

[0016] 上記構成からなる擬似餌によれば、バルーンを添加した軟質榭脂を金型に充填す ることにより、発泡体は、多数の気泡体を内包するので、柔軟性及び浮力を有すると ともに、金型に接した発泡体が先に冷えて密になるため、発泡体の表面に硬質化さ れた表皮層が形成される。さらに、バルーンは、発泡体中に気泡体を均一に分散さ せることができるので、より高い柔軟性及び浮力を有する擬似餌を作製することがで きる。

[0017] また、前記バルーンは、前記軟質榭脂に対し、 5重量％—30重量％添加するように するのが好ましい。この構成からなる擬似餌によれば、最適な気泡体を形成すること ができ、本体の柔軟性が向上し、かつ、大きな浮力を得ることができる。

[0018] さらに、前記バルーンを添カ卩した軟質樹脂の成形温度は、 170°C— 180°Cであるこ とが好ましい。この構成力 なる擬似餌によれば、気泡体を最適な大きさに統一する ことができ、発泡体中に均一に分散させることができる。

発明の効果 [0019] このように、本発明に係る擬似餌は、発泡剤を添加した軟質榭脂を金型に充填して 成形を行ったので、金型と接する部分が先に冷えて密になるために表皮層を形成し 、表面は耐久性を有しつつ、内部は柔軟性を保持した擬似餌を作製することができ る。このように構成された擬似餌に魚が食い付いたとき、質感が生魚と酷似している ので、違和感を与えることがない。また、気泡体を内包しているので浮力を得ることが でき、種々の深度をねらうことができる擬似餌を作製することができる。し力も、本体表 面には表皮層が形成されて耐久性を有するので、本体が食いちぎられて破損するこ となぐ良好な釣果を得ることができる。

[0020] また、軟質榭脂にバルーンを添加して擬似餌を成形してもよぐこれにより、気泡体 の大きさを統一し、かつ気泡体を発泡体中により均一に分散させることができる。すな わち、柔軟性及び浮力をさらに向上させることができる。し力も、表面に塗装を施すこ とが可能となり、魚に似せたリアルな色彩を施すことができる。

図面の簡単な説明

[0021] [図 1]本発明の実施の形態による擬似餌の長手方向の断面図である。

[図 2]図 1に示す擬似餌の A— A線断面図である。

[図 3]擬似餌の成形工程の一例を説明するための断面図である。図 3 (a)は、発泡剤 を添加した軟質榭脂を成形機に供給した状態、図 3 (b)は、発泡剤を添加した軟質 榭脂を金型に充填している状態、図 3 (c)は、金型に発泡体が形成された状態をそ れぞれ示す。

[図 4]その他の実施の形態による擬似餌の長手方向の断面図である。

[図 5]従来の擬似餌の長手方向の断面図である。

符号の説明

[0022] 10…本体

11· ··発泡体

12…表皮層

発明を実施するための最良の形態

[0023] 以下、本発明の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。

[0024] <第一実施形態 > 図 1は、本発明の第一実施形態に係る擬似餌の長手方向の断面図であり、図 2は、 図 1に示す擬似餌の A - A線断面図である。擬似餌本体 10は、外観が魚の形状を有 し、発泡体 11、中芯 13及び水流抵抗板であるリップ 14を備えて構成される。

[0025] 以下、各構成部材について詳細に説明する。

発泡体 11は、発泡剤を添加した軟質榭脂を押出機、射出成形機などの成形機に 供給後、金型に充填して成形を行ったものである。このとき、発泡体 11中には、多数 の気泡体 15が存在する。また、金型に充填された発泡体 11は、金型と接する部分が 先に冷やされて硬質化されることにより表皮層 12が形成される。リップ 14は、例えば 硬質材料で作製したものを本体 10に差し込んで形成してもよい。

[0026] 中芯 13は、本体 10の顎部力も底面に沿って尾部を貫くように埋設されている。そし て、中芯 13は、本体 10の顎部、腹部及び尾部からそれぞれ外部に突出され、この突 出された部分に環状を呈した釣糸係止部 13a、腹部針掛部 13b及び尾部針掛部 13 cをそれぞれ形成している。釣糸係止部 13aには、釣り竿力 繰り出される釣り糸が取 り付けられる。腹部針掛部 13b及び尾部針掛部 13cには、それぞれ釣り針が取り付け られる。中芯 13の材料としては、本体 10の柔軟性を損なわないように、柔軟なワイヤ 一や、軟質の合成樹脂などを使用することができる。

[0027] 次に、擬似餌の成形工程の一例について説明する。

図 3は、擬似餌の成形工程の一例を説明するための断面図である。図 3 (a)は、発 泡剤を添加した軟質榭脂を成形機に供給した状態、図 3 (b)は、発泡剤を添加した 軟質榭脂を金型に充填している状態、図 3 (c)は、金型に発泡体が形成された状態 をそれぞれ示す。

[0028] 図 3より、金型 21, 21は、擬似餌の幅方向の断面図を示す。この金型 21, 21は、 内部に擬似餌を成形するためのキヤビティ 22が形成され、擬似餌の頭部から尾部の 中心線に沿って切断された半割部材カもなる。また、一方の半割状の金型 21には、 成形機 24からキヤビティ 22内へ、発泡剤を添加した軟質榭脂を充填するための貫通 孔 23を設けている。

[0029] まず、発泡剤を添加した軟質榭脂を金型 21, 21に充填する前に、半割状の金型 2 1, 21の接合面に中芯 13を固定して双方を当接する。中芯 13の固定方法としては、 例えば、中芯 13の釣糸係止部 13a、腹部針掛部 13b及び尾部針掛部 13cの各環を 埋設可能に、金型 21, 21の接合面に凹部 25, 25を形成してもよい。

[0030] 次いで、図 3 (a)に示すように、成形機 24内部に発泡剤を添加した軟質榭脂を供給 する。そして、発泡剤を添加した軟質榭脂を加熱することにより、発泡剤からガスが発 生し、軟質榭脂中に気泡体が形成される。続いて、図 3 (b)に示すように、発泡剤を 添加した軟質榭脂をキヤビティ 22内へ充填する。

[0031] そして、図 3 (c)に示すように、キヤビティ 22に充填された、発泡剤を添加した軟質 榭脂は徐々に冷やされて発泡体を形成する。さらに、発泡体とキヤビティ 22とが接す る部分が先に冷却されて密になるので、発泡体の表面のみが固化されて表皮層 12 を形成する。

[0032] ここで、発泡体を成形する方法としては、射出成形や押出成形以外にも、圧縮、真 空などによる成形方法を用いることもできる。

[0033] 軟質榭脂としては、アクリル榭脂、エラストマ一、 EVA (エチレン酢酸ビニル共重合 体）などを用いることができる。エラストマ一としては、ウレタン系エラストマ一、スチレ ン系エラストマ一などを用いることができる。それ以外の材料として、アクリル榭脂の一 種であるメタクリル樹脂や、その成形材料であるパラペット (登録商標)も同様に用い ることができるが、これらに限定されるものではない。

[0034] また発泡剤としては、ブタン、ペンタン、炭酸ガス、窒素ガス、空気などを用いること ができるが、これらに限られるものではない。

[0035] 発泡剤を添加する量は、軟質樹脂に対し、 5重量％—20重量％が好ま 、。より好 ましくは、 15重量％—20重量％である。これにより、最適な気泡体を形成することが できるので、軟質樹脂の柔軟性が向上し、かつ、大きな浮力を得ることができる。しか し、発泡剤の添加量が、軟質榭脂に対して 5重量％より少ないと、発泡体 11に含まれ る気泡体 15の量が少なくなり、十分な浮力を得ることができない。また、発泡剤の添 加量が、軟質榭脂に対して 20重量％より多いと、気泡体 15の量が多くなりすぎて、 柔軟性が向上しすぎて、本物の魚のような機敏な動きを得ることができない。

[0036] このように、本発明の第一実施形態に力かる擬似餌によれば、発泡剤を添加した軟 質榭脂を金型 21, 21に充填する発泡成形を行ったので、多数の気泡体を内包する ため大きな浮力を得ることができる。し力も、金型と接する発泡体が先に冷えて密に なるため、表面は耐久性を有しつつ、内部は柔軟性を保持した擬似餌を作製するこ とができる。このように構成された擬似餌に魚が食い付くと、質感が生魚と酷似してい るため、違和感を与えることなぐ良好な釣果を得ることができる。また、魚が食い付い ても、ちぎれたり、破れたりすることがないので、嚙み心地を損なうことがない。しかも、 表皮層 12が発泡体 11の表面を覆う構成を有するので、水分が本体 10内部に浸透 するのを防止することができる。さらに、軟質榭脂として用いられるパラペット (登録商 標）は、塗装を施しやすいので、魚に似せた鮮ゃ力な塗装を施すことができる。

[0037] また、本発明の擬似餌の製造方法によれば、まず、半割状の金型 21, 21の接合面 に中芯 13を固定させて双方を接合し、次いで、発泡剤を添加した軟質榭脂を金型 2 1, 21に充填して擬似餌を形成したので、接着の工程が不要となり、容易に擬似餌を 作製することができる。つまり、大量生産に適し、製造コストの削減に貢献することが できる。

[0038] また、本実施形態に力かる擬似餌によれば、発泡成形により本体 10を成形したの で、表面に形成される軟質樹脂の粒子の起伏が、魚の鱗模様を模した細かい筋目の ように形成される。従って、従来、擬似餌の表面に魚の鱗状の模様を切削していたが 、そのような力卩ェを施す必要がない。

[0039] <第二実施形態 >

本発明の第二実施形態は、上記第一実施形態で軟質樹脂に添加した発泡剤に換 えてバルーンを添加すること以外、同様の工程により擬似餌を作製するものである。 バルーンとは、熱を加えることにより、内部のガスが膨張する球状の気泡体であり、こ れにより、浮力や弾力を得ることができる。そして、発泡体中に存在する気泡体は、統 一された大きさを有するとともに、発泡体中により均一に分散させることができる。また 、上記実施形態と同様に、金型に充填された発泡体は、金型と接する部分が冷却固 化されるため、発泡体表面に表皮層が形成される。

[0040] 軟質榭脂としては、特に、ウレタン系エラストマ一、スチレン系エラストマ一などを代 表とするエラストマ一を用いることが好まし 、。

[0041] また、バルーンとしては、マイクロバルーン（マイクロスフェアー）、シラスバルーン、 ガラスバルーンなどを用いることができる力 これらに限るものではない。

[0042] ノ レーンを添加する量は、軟質樹脂に対し、 5重量％—30重量％が好ましい。より 好ましくは、 5重量％—20重量％である。これにより、より均一に、気泡体を発泡体中 に分散させることができ、軟質樹脂の柔軟性及び弾力性を向上させることができる。 しかし、ノ レーンの添加量力 軟質榭脂に対し、 5重量％よりも少ないと、十分な浮力 を得ることができない。また、バルーンの添カ卩量が 30重量％より多いと、本体の柔軟 性が向上し、本物の魚のような機敏な動作を行うことができない。

[0043] また、バルーンを添カ卩した軟質樹脂の成形温度は、 170°C— 180°Cであることが好 ましい。これにより、均一な大きさを有する気泡体を形成することができる。しかし、成 形温度が 170°Cよりも低いと、十分な大きさの気泡体を形成することができない。

[0044] このように、本発明の第二実施形態に力かる擬似餌によれば、バルーンを添加した 軟質榭脂を金型に充填するようにしたので、多数の気泡体を内包するため大きな浮 力を得ることができる。し力も、金型と接する発泡体が先に冷えて密になるため、表面 は耐久性を有しつつ、内部は柔軟性を保持した擬似餌を作製することができる。この ように構成された擬似餌に魚が食い付いたとき、質感が生魚と酷似しているので、違 和感を与えることなぐ良好な釣果を得ることができる。

[0045] また、バルーンは温度などを制御することにより気泡体の大きさを調整することがで きるので、形状の複雑な擬似餌、あるいは肉厚の薄い擬似餌でも、気泡体を均一に 分散することができ、良好な柔軟性を得ることができる。

[0046] さらに、エラストマ一にバルーンを混合して擬似餌を成形することにより、表面塗装 が可能になるので、魚に似せた鮮やかな塗装を施すことができる。

[0047] <その他の実施形態 >

なお、本発明は、上記何れかの実施形態に限定されるものではなぐ本発明の要 旨を逸脱しな 、範囲で種々の変更が可能である。

[0048] 例えば、上記実施形態で使用した中芯 13の替わりに、図 4に示すように、本体 10を 成形後、本体 10の頭部から尾部の底面に沿って、軟質樹脂で成形した中芯 31を接 合してもよい。そして、釣糸係止部 32a、腹部針掛部 32b及び尾部針掛部 32cとして 、それぞれを 8字形状の環で形成し、中芯 31の頭部、腹部及び尾部にそれぞれの環 を埋設させてもよい。

[0049] このように構成された擬似餌は、本体 10の柔軟性を損なうことなぐ大きなうねりなど の複雑な動作を行うことができる。さらに、 8字形状の環 32a, 32b, 32cを中芯 31に 埋設したので、環が抜け落ちるのを防止することができる。

[0050] なお、リップ 33は、中芯 31と同じ軟質樹脂で形成してもよい。これにより、リップ 33 を別工程で作製して、後で取り付ける必要がなくなるため、製造工程を削減すること ができる。もちろん、リップレスと呼ばれるリップの付いていないホッパータイプなどの 擬似餌など、形状にこだわりなく作製しても、同様の効果を得ることができる。

[0051] また、擬似餌のタイプには、浮力の必要なフローティングタイプや、水面に沈むシン キングタイプ、あるいはそれらの中間の層をねらうサスペンドタイプがある。これらの擬 似餌を作製するには、発泡剤またはバルーンの添加量や成形温度などの条件を変 え、浮力を調整することにより、種々のタイプの擬似餌を作製することができる。

[0052] また、発泡体 11内部に、中空の空気室を形成し、前記空気室にバランサー 34を内 蔵してもよい。あるいは、本体 10の所定位置を切削して凹部を形成し、前記凹部に ノランサー 34を投入して、前記凹部を塞ぐ蓋をはめ込む構成としてもよい。このよう にバランサー 34を内蔵することにより、擬似餌の飛翔距離を伸ばすことができ、急潜 行などの動作を思 、のままに操作することができる。さらに釣りた 、魚の種類や生息 場所に合わせて、ノ《ランサー 34の重量を調整し、所望の深度を狙うことができる擬似 餌を作製することもできる。つまり、硬質の材料で成形された擬似餌のように、トウイツ チゃジャークと呼ばれる、竿を煽ることで不規則な動きを行わせることもでき、硬質の 擬似餌に匹敵するような大きなアクションを行わせることができる。

[0053] また、上記実施形態において、擬似餌は、魚の形状に似せて形成されているが、そ れに限定されるものではない。海老、烏賊、蛸あるいは水棲生物など、獲物の魚が餌 とする各種の水棲生物の形状を模したものとしてもょ 、。

[0054] また、本発明の擬似餌は、尾部に、もどりが設けられていない釣り針である傘針を取 り付けた、イカ釣り用のェギゃスッテに使用してもよぐ同様の効果を得ることができる 産業上の利用可能性 本発明によれば、表面は耐久性を有しつつ、内部は柔軟性を保持することができる ので、質感を生魚と酷似させることができる。また、発泡剤またはバルーンの添加量 や成形温度などの条件を変えて浮力を調製することにより、フローティングタイプゃシ ンキングタイプなど種々の擬似餌を作製することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 本体が、発泡剤を添加した軟質榭脂を発泡成形してなる発泡体を具備し、しかも、 前記発泡体が、冷却固化されることにより形成される表皮層を具備することを特徴と する擬似餌。

[2] 前記発泡剤は、前記軟質榭脂に対し、 5重量％—20重量％添加することを特徴と する請求項 1記載の擬似餌。

[3] 本体が、バルーンを添加した軟質榭脂を発泡成形してなる発泡体を具備し、しカゝも

、前記発泡体が、冷却固化されることにより形成される表皮層を具備することを特徴と する擬似餌。

[4] 前記バルーンは、前記軟質榭脂に対し、 5重量％— 30重量％添加することを特徴 とする請求項 3記載の擬似餌。

[5] 前記発泡体の成形温度は、 170°C— 180°Cであることを特徴とする請求項 4記載 の擬似餌。