WO2005045752A1

WO2005045752A1 - カード装置

Info

Publication number: WO2005045752A1
Application number: PCT/JP2004/013541
Authority: WO
Inventors: Wataru Kakinoki; Yasutaka Maekawa; Noboru Morioka
Original assignee: Murata Manufacturing Co.,Ltd.
Priority date: 2003-11-06
Filing date: 2004-09-16
Publication date: 2005-05-19
Also published as: JP3901208B2; TWI296391B; TW200527310A; JPWO2005045752A1

Abstract

　回路基板（５）を収容配置する片面開口の回路基板収容部（Ｍ）と、この回路基板収容部（Ｍ）から延長形成されたエクステンド部（Ｅ）とを有するカードケース本体部（２）と、このカードケース本体部（２）に収容されている回路基板（５）を覆うカバー（３）とを有するエクステンドタイプのカード装置（１）において、カードケース本体部（２）は、回路基板収容部（Ｍ）とエクステンド部（Ｅ）が同一の樹脂材料により形成された一体成形体と成している。カバー（３）は金属により構成する。カードケース本体部（２）を樹脂材料により構成することによって、金属を用いる場合よりも、カード装置（１）の低コスト化を図ることができる。回路基板収容部（Ｍ）とエクステンド部（Ｅ）を一体成形したので、回路基板収容部（Ｍ）とエクステンド部（Ｅ）を別々に構成するよりも、カードケース本体部（２）の曲げ等の変形を防止できる。

Description

明細書

カード装置

技術分野

[0001] 本発明は、 PCカードや CFカード等のカード装置に関するものである。なお、 CF (コンパクトフラッシュ）は日本国特許庁より商標登録を受けている商標である。

背景技術

[0002] 図 10aにはカード装置の一外観例が簡略ィ匕した斜視図により示され、図 10bには図 10aに示されるカード装置の模式的な分解図が示されている。このカード装置 40 は回路基板 41を有し、この回路基板 41はフレーム 42内に嵌め込まれている。この回路基板 41が嵌め込まれたフレーム 42の表面側には表パネル 43が、また、フレーム 4 2の裏面側には裏パネル 44が、それぞれ、配置されて、回路基板 41の表裏両面側は、表パネル 43と裏パネル 44によって覆われている。フレーム 42と表パネル 43と裏パネル 44は、接続一体化されている。

[0003] 特許文献 1：特開 2001—243436号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] フレーム 42の表裏にそれぞれ配置される 2枚のパネル 43, 44は、例えばステンレス等の金属により形成されて、るために価格が高、ものであり、カード装置 40の低コストイ匕の妨げになるという問題がある。

[0005] ところで、カード装置 40は、例えば、パソコン等の電子機器のカード装着部に挿入嵌合されて使用されるものであり、カード装置 40の一つとして、カード装着部に挿入嵌合したときにカード装着部力食み出す部分 (ェタステンド部）を有するェクステンドタイプと呼ばれるものがある。

[0006] 本発明は、そのェクステンドタイプのカード装置において、低コスト化が容易で、外部ストレスに対して強、カード装置を提供することを目的として、る。

課題を解決するための手段

[0007] この発明の一つの構成は、回路基板を収容する片面開口の回路基板収容部と、この回路基板収容部力延長形成されたェクステンド部とを有するカードケース本体部と、このカードケース本体部に収容されている回路基板を片面開口側で覆うカバーとを有し、カードケース本体部は、回路基板収容部とェクステンド部が同一の榭脂材料により構成された一体成形体と成し、カバーは金属により構成されていることを特徴としている。

[0008] また、この発明の別の一つの構成は、回路基板を収容する片面開口の回路基板収容部と、この回路基板収容部力延長形成されたェクステンド部とを有するカードケース本体部を備え、このカードケース本体部は、回路基板収容部およびェクステンド部のベースとなる平板部を有して構成され、この平板部のェクステンド部構成部分の面上はェクステンド部用カバーによって覆われ、平板部の回路基板収容部構成部分の面上には当該回路基板収容部に収容されている回路基板を覆う金属力成る力バーが配置される構成と成し、カードケース本体部は榭脂材料により構成されていることを特徴としている。

発明の効果

[0009] この発明によれば、ェクステンド部を有するェクステンドタイプのカード装置にお!ヽて、回路基板を収容する片面開口のカードケース本体部は榭脂材料により構成され、カードケース本体部に収容されている回路基板を覆うカバーは金属により形成されている構成とした。このため、従来のような金属板を 2枚必要とする構成のものに比べて、金属板の使用量を減少させることができ、また、榭脂材料は金属板よりも価格が安いことから、カード装置を作製するのに必要な材料コストを下げることができる。エタステンドタイプのカード装置は、ェクステンド部を持たないカード装置に比べて、エタステンド部を有する分、材料コストの低下が難しくてカード装置のコスト低下が容易ではないが、この発明の構成を備えることによって、ェクステンドタイプのカード装置であっても、低コストィ匕を図ることが容易となる。

[0010] また、この発明では、カードケース本体部は、回路基板収容部とェクステンド部がー体で構成されてヽるので、回路基板収容部とェクステンド部が別体である構成のものに比べて、曲げ変形に対する強度を強めることができる。さらに、回路基板を収容するカードケース本体部を榭脂材料により構成しても、そのカードケース本体部に収容配置された回路基板を覆うカバーは金属であるため、ェクステンドタイプのカード装置の機械的な強度低下を抑えることができる。

[0011] 上記のような効果は、もちろん、ェクステンド部用カバーを有している構成のものにあっても、同様に得ることができる。

[0012] また、この発明では、カードケース本体部を、平板部と、この平板部の端縁部分を肉厚にして形成された縁枠部とを有した一体成形体とし、カバーを平板状部材により形成する構成を備えることによって、カードケース本体部およびカバーの形状の簡素ィ匕を図ることができる。

[0013] ところで、カード装置の回路基板収容部の厚みは規格により定まっているので、回路基板の厚みや回路基板に搭載される部品の高さを考慮すると、必然的に、カードケース本体部およびカバーの回路基板面に対向する部分の厚みは非常に薄いものとなる。この薄肉の構成部分は回路基板側に凹み変形し易ぐその凹み変形によつて割れ等が発生し易い。これに対して、この発明では、カードケース本体部あるいはカバーの回路基板面に対向する部分が、対向する回路基板面に設けられている部品の中で最も背高な部品に密着又は近接配置されている構成を備えることによって、カードケース本体部あるいはカバーの回路基板面に対向する部分が、回路基板側に凹み変形しょうとしても、その部分は部品に当接して回路基板側への凹み変形が抑制される。これにより、凹み変形に起因した割れ等の破損を防止できて、外部ストレスに対して強いカード装置を得ることができる。

[0014] さらに、榭脂材料力成るカードケース本体部は上記のように薄肉部分を有しているために、榭脂材料によっては、カードケース本体部を作製した際に、製品として使用できない程の大きな反りが発生し易力つた。これに対して、カードケース本体部を構成する榭脂材料を非晶性榭脂とすることによって、カードケース本体部の反りを小さく抑制することができる。

[0015] さらに、カードケース本体部の平板部の縁枠部と、平板部の縁枠部以外の薄肉部分との境界部分が、縁枠部力薄肉部分に向かうに従って連続的に肉厚が薄くなつて、く傾斜平面あるいは曲面となって、る構成を備えることにより、その境界部分の強度強化を図ることができるという効果を得ることができる。それというのは、次に示すような理由による。例えば、カードケース本体部を成形技術を利用して製造すベぐ力ードケース本体部成形用の金型の内部のキヤビティ内に溶融状態の榭脂材料を注入したときに、この注入された榭脂材料は、例えば、肉厚の縁枠部に対応するキヤビティ部分を流れ、その後、平板部の薄肉部分に対応するキヤビティ部分に流れていく

[0016] 平板部の縁枠部と、平板部の薄肉部分との境界部分において、肉厚が不連続的に変化する構成であると、その境界部分に対応する金型のキヤビティ部分において、キャビティの大きさが不連続的に変化することとなる。このため、肉厚の縁枠部に対応するキヤビティ部分を流れた榭脂材料が薄肉部分に対応するキヤビティ部分に進入したときに、榭脂材料に急激に大きな圧力が加えられることとなる。この急激な圧力変化により、縁枠部と薄肉部との境界部分において、榭脂材料と金型の密着性が悪くなり外観面にテカリ等の欠点が現れやすくなる。また、カードに応力が掛カつたときに力が集中して、境界部が破壊しやすくなると、う欠点にもなる。

[0017] これに対して、平板部の縁枠部と、平板部の薄肉部分との境界部分において、縁枠部から薄肉部分に向かうに従って連続的に肉厚が薄くなつていく構成とすることにより、その境界部分に対応する金型のキヤビティ部分において、キヤビティの大きさが連続的に変化することとなる。このため、肉厚の縁枠部に対応するキヤビティ部分を流れた榭脂材料が薄肉部分に対応するキヤビティ部分に進入したときに、榭脂材料に加えられる圧力の急激な変化を緩和することができる。これにより、榭脂材料と金型の密着性が良くなるためにテカリが消え、また、縁枠部と薄肉部分との境界部分の強度強化を図ることができる。

[0018] ところで、カードケース本体部成形用の金型内部のキヤビティ内に榭脂材料を注入してカードケース本体部を成形技術により製造するときに、ガス抜き孔を備えたガス抜きピンを金型に設けておく。そして、金型内部のキヤビティ内における榭脂材料の進行に応じて金型のキヤビティ内の空気やガスをガス抜きピンのガス抜き孔を通して外部に排出させることで、空気やガスに起因したガス焼け等の問題発生を防止できる。ただ、この場合には、カードケース本体部には、ガス抜きピンの跡が残ってしまうが、カードケース本体部の平板部にラベルが貼付される場合には、その平板部のラベル貼付領域に、ガス抜きピンのガス抜き孔に連通させた面部位を有する構成とすることによって、平板部のラベル貼付領域にガス抜きピンの跡が付くこととなる。その跡は、ラベルにより隠すことができるので、見栄えが悪くなることを回避することができる。

[0019] また、カードケース本体部を、複数のブロックに分割可能な金型を用いて製造する場合には、金型を構成する複数のブロックのそれぞれの境界部にガス抜き用の溝を形成し、カードケース本体部の成形工程において金型内部の空気やガスを吸引しながら、金型の内部に榭脂材料を注入していくという製造手法を用いる。このような製造手法によってカードケース本体部を成形することにより、カードケース本体部に金型の分割位置に対応する位置に金型の割り線が現れるが、金型内の空気やガスに起因したガス焼け等の問題発生を回避することができる。

[0020] さらに、カードケース本体部とカバーのうちの一方側には、組み立て用のフック部が設けられ、他方側には、そのフック部を引っ掛け固定するためのフック受け部が設けられている構成を備えることによって、カードケース本体部とカバーのうちの一方側のフック部を他方側のフック受け部に引っ掛け固定することにより、非常に簡単に、カードケース本体部とカバーを組み立てることができる。また、カードケース本体部とカバ一は機械的に組み立てられているので、例えば、カードケース本体部とカバー間の接着剤が剥がれて組み立て状態が劣化するというような問題発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0021] [図 la]第 1実施例のカード装置の平面図を表したモデル図である。

[図 lb]図 laに示される α— α部分の断面を模式的に表したモデル図である。

[図 2]第 1実施例のカード装置の分解図である。

[図 3a]第 1実施例のカード装置を構成するカードケース本体部の構成例を説明するための図である。

[図 3b]図 3aと共に、カードケース本体部の構成例を説明するための図である。

[図 4]アンテナを回路基板の回路に電気的に接続させるための構成例を説明するための模式的な断面図である。

[図 5]図 4に示される給電端子を抜き出して模式的に示した斜視図である。 [図 6]第 2実施例のカード装置を説明するための図である。

[図 7]第 2実施例のカード装置の分解図である。

[図 8a]第 3実施例のカード装置において特徴的な構成部分の一形態例を表すモデル図である。

[図 8b]第 3実施例のカード装置において特徴的な構成部分の別の形態例を表すモデル図である。

[図 9]第 4実施例を説明するためのモデル図である。

[図 10a]カード装置の従来例を説明するための外観図である。

[図 10b]図 10aに示されるカード装置の分解図である。

符号の説明

[0022] 1 カード装置

2 カードケース本体部

3 カバー

5 回路基板

9 フック受け部

10 縁枠部

11 平板部

22 ェクステンド部用カバー

25 割り線

E ェクステンド部

M 回路基板収容部

F, f フック言

T 薄肉部分

発明を実施するための最良の形態

[0023] 以下に、この発明に係る実施例を図面に基づいて説明する。

[0024] 図 laには第 1実施例のカード装置の模式的な平面図が示され、図 lbには図 laに示される α— α部分の模式的な断面図が示され、図 2には第 1実施例のカード装置の模式的な分解図が示されている。この第 1実施例のカード装置 1は、片面開口（図 2の例では裏面側開口）のカードケース本体部 2と、このカードケース本体部 2の開口部を塞ぐカバー 3と、カードケース本体部 2に収容配置される回路基板 5と、カードケース本体部 2の外側に回動自在に配置され回路基板 5に形成されて!ヽる回路 6に電気的に接続しているアンテナ 7とを有して構成されており、無線通信機能を備えている。このカード装置 1は、例えばパソコン等の電子機器のカード装着部に嵌合挿入されて使用されるものであり、当該カード装置 1は、電子機器のカード装着部に嵌合揷入したときにカード装着部力食み出すェクステンド部 Eを有するェクステンドタイプのカード装置となって、る。

[0025] この第 1実施例では、カードケース本体部 2は回路基板 5を収容配置するものであり、回路基板収容部 Mと、この回路基板収容部 Mから延長形成されたェクステンド部 E とが同一の榭脂材料により構成された一体成形体と成している。このカードケース本体部 2は、回路基板収容部 Mおよびェクステンド部 Eのベースとなる平板部 11と、この平板部 11の端縁部分を肉厚にして形成された縁枠部 10とを有した形態となっている。回路基板 5には、当該回路基板 5に形成されている回路 6を外部に接続させるためのコネクタ 8が設けられており、カードケース本体部 2の縁枠部 10は、そのコネクタ 8の配置位置に対応する部分を開口させた態様と成して!/ヽる。

[0026] ところで、カード装置 1の回路基板収容部 Mの厚み Dは規格により定まるものである。回路基板 5の厚みや、回路基板 5に搭載される部品 4の高さを考慮すると、カードケース本体部 2の平板部 11の縁枠部 10以外の薄肉部分 T (つまり、回路基板 5に対向する部分)の厚みは、必然的に、例えば約 0. 5mm程度というような非常に薄いものとなる。また、この平板部 11の薄肉部分 Tは、回路基板 5と同程度の広さを持つ広い面積を持つものである。このように、広い面積の薄肉部分 Tを持つカードケース本体部 2 を例えば PBT (Polybutylene-terephthalate (ポリブチレンテレフタレート） )等の結晶性榭脂により作製したところ、反り等の歪みが発生して製品として使用することができないものとなった。

[0027] そこで、本発明者は、様々な榭脂材料についてカードケース本体部 2の成形を試みて、カードケース本体部 2に適切な榭脂材料を見つけ出した。すなわち、この第 1 実施例では、カードケース本体部 2は、反り等を小さく抑制することができる非晶性榭脂により構成されている。非晶性榭脂としては、例えば、ポリカーボネートや ABS榭脂等を挙げることができる。また、そのような非晶性榭脂にガラス繊維を混合させて、より機械的強度を強くした非晶性榭脂を用いてカードケース本体部 2を作製してもよい。このような非晶性榭脂によりカードケース本体部 2を作製することは、平板部 11の薄肉部分 Tの厚み dが 0. 15mm≤d≤0. 7mmの範囲内において特に有効である。つまり、平板部 11の薄肉部分 Tの厚み dが 0. 7mm以下になると、非晶性榭脂以外の榭脂材料では反り等を抑制することが難しくなり、また、 0. 15mmは製造限界である。このことから、平板部 11の薄肉部分 Tの厚み dが 0. 15mm≤d≤0. 7mmの範囲内であるときに、非晶性榭脂により作製することによってカードケース本体部 2の反り等を小さく抑制できるという効果を特に発揮することとなる。

[0028] この第 1実施例では、平板部 11の表面 (換言すれば、回路基板 5に対向する面とは反対側となる面）には、例えば、図 laの斜線部分 Zmにラベルを貼り付けている。ところで、カードケース本体部 2は榭脂成形技術により製造されるものである。このために、カードケース本体部 2には、榭脂成形に起因したウエルドラインやガス焼けやピンホール等が発生し易ぐ見栄えが悪くなつたり、機械的強度が低下してしまうという問題が生じる。この対策として、この第 1実施例では、次に示すような手段を講じている。つまり、この第 1実施例では、平板部 11のラベル貼付領域 Zmに着目し、ウエルドラインゃガス焼けやピンホール等の発生確率が高くなる部分力そのラベル貼付領域 Zm に位置するように、カードケース本体部 2を製造するための金型のゲートの位置が設計されている。

[0029] すなわち、ゲートとは、カードケース本体部成形用の金型の内部のキヤビティに溶融状態の榭脂材料を注入するための注入口である。このゲートの位置によって、ゲートから金型内部のキヤビティ内に注入された榭脂材料のキヤビティ内の進行経路を予測することができることから、ゲートの位置調整によって、ウエルドラインやガス焼け等の発生位置をほぼ調整することができる。これにより、この第 1実施例のカード装置を構成するカードケース本体部 2の成形用の金型には、カードケース本体部 2の図 3a に示されるような G部分に対応する複数の位置に、それぞれ、ゲートが設けられている。なお、図 3aは、カードケース本体部 2を、図 2に示される下側から見た状態で表した模式的な平面図である。

[0030] カードケース本体部成形用の金型に上記のような位置にゲートが形成されることにより、図 3bのモデル図に示されるように、カードケース本体部 2には、ラベル貼付領域 Zmに、目視できる程度の明瞭なウエルドライン Wを位置させることができる。このゥェルドライン Wはラベルにより隠されるので、見栄えの悪さを回避することができる。また、ウエルドライン Wの形成に因りラベル貼付領域 Zmの機械的な強度が少し落ちるが、ラベルの貼付によりラベル貼付領域 Zmの補強が成されるので、ウエルドライン Wの形成に因るラベル貼付領域 Zmの強度劣化をカバーすることができる。

[0031] また、この第 1実施例では、カードケース本体部 2の平板部 11のラベル貼付領域 Z mは、カードケース本体部成形用の金型に設けられたガス抜きピンのガス抜き孔に連通させた面部位 Pを有している。つまり、カードケース本体部成形用の金型の前述したような位置のゲートから溶融状態の榭脂材料を金型のキヤビティ内に注入すると、この榭脂材料のキヤビティ内の進行によって、キヤビティ内の空気やガスが、カードケース本体部 2のラベル貼付領域 Zmの中央部に対応するキヤビティ部分に集められる。その空気やガスのガス抜きを行わないと、ガス焼けの原因となるので、金型には、その位置の空気やガスを外部に排出させるためのガス抜き孔を備えたガス抜きピンが設けられて、ガス焼けを防止する。このため、カードケース本体部 2の平板部 11のラベル貼付領域 Zmにおける面部位 Pは、ガス抜きピンのガス抜き孔に連通させた部位となり、当該面部位 Pには、ガス抜きピンの跡が残されている。

[0032] カバー 3は例えばステンレス等の金属板により構成された板状部材と成しており、このカバー 3にはカードケース本体部 2の側壁（つまり、縁枠部 10)の外壁面に沿って伸長形成された伸設壁部 3a, 3bが形成されている。これら伸設壁部 3a, 3bのそれぞれの先端部は折り曲げられてフック部 Fと成している。カードケース本体部 2には、そのフック部 Fを引っ掛け固定するためのフック受け部 9が設けられている。

[0033] 第 1実施例では、カードケース本体部 2の縁枠部 10の底面部分力カバー 3の端縁部分 (例えば、図 2に示される斜線を施した部分 Za)に、例えば接着剤や両面テープ等の接着材料によって接合されると共に、カバー 3のフック部 Fがカードケース本体部 2のフック受け部 9に引っ掛け固定されて、カードケース本体部 2とカバー 3とが組み立てられる。

[0034] 回路基板 5は、その表面と裏面のうちの表面側だけに部品 4が設けられている片面実装タイプのものであり、当該回路基板 5の裏面は、カバー 3に両面テープや接着剤等の接着材料によって固着される力、あるいは、熱圧着によりカバー 3に固着される。

[0035] この第 1実施例では、回路基板 5に形成されている回路 6の中には、高周波電流が通電している高周波回路部分があり、その高周波回路はシールドケース 4 (4H)によつて覆われている。この第 1実施例では、回路基板 5に設けられている部品 4の中で、最も背高で、且つ、最も面積が広い部品はシールドケース 4 (4H)となっている。カードケース本体部 2の平板部 11の薄肉部分 T (回路基板面に対向する部分）は、例えば、図 lbの断面図に示されるように、そのシールドケース 4 (4H)に密着あるいは近接配置されている。換言すれば、回路基板 5に設けられている部品 4の中で、最も面積の広、部品がシールドケース 4 (4H)であり、このシールドケース 4 (4H)は設計の自由度が高いものであることから、この第 1実施例では、シールドケース 4 (4H)が力ードケース本体部 2の平板部 11の薄肉部分 Tに密着あるいは近接配置できるように、シールドケース 4 (4H)の高さが設計されている。

[0036] 平板部 11の薄肉部分 Tはシールドケース 4 (4H)に密着ある!/、は近接配置されているので、面積の広い薄肉部分 T力外部からの衝撃によって回路基板 5側に凹み変形しょうとしても、当該薄肉部分 Tの凹み変形はシールドケース 4 (4H)によって防止される。これにより、凹み変形による薄肉部分 Tの破損発生を抑制することができる

[0037] アンテナ 7は、例えば榭脂材料 (例えば非晶性榭脂）により構成されて!、る保護ケース 7aと、この保護ケース 7aの内部に収容配置され電波の送信や受信を行うアンテナ本体（図示せず）とを有して構成され、このアンテナ 7の基端側には、アンテナ本体に電気的に接続する導体材料カゝら成るアンテナ回転軸 12が設けられている。

[0038] アンテナ 7をアンテナ回転軸 12を介して回路基板 5の回路 6に導通接続させるための構成には様々な構成が提案されており、この第 1実施例では、何れの構成をも採用してよいが、その一例を次に示す。

[0039] 図 4には図 2の A— A部分の断面図が模式的に示されている。この図 4に示されるように、カードケース本体部 2の縁枠部 10には、アンテナ回転軸挿通用の貫通孔 13が形成されている。この貫通孔 13は、アンテナ回転軸 12をカードケース本体部 2の外側から内側に回路基板 5の基板面に沿う方向に挿入させるためのものである。この貫通孔 13は、アンテナ回転軸 12がほぼ隙間無く挿通する嵌合部 13Aと、この嵌合部 1 3Aよりも拡径している拡径部 13Bとを有し、それら嵌合部 13Aと拡径部 13Bは、カードケース本体部 2の内側から外側に向力方向に順に配置されている。

[0040] 貫通孔 13の拡径部 13Bの内部には、当該拡径部 13Bと嵌合部 13Aにより形成される段差 Dに当接するワッシャー 14と、このワッシャー 14に当接する Oリング 15とが配置される。これらワッシャー 14と Oリング 15はアンテナ回転軸 12を通すことができるものである。

[0041] アンテナ回転軸 12の基端側には、貫通孔 13の拡径部 13Bに嵌まる張り出し部 12 Aが形成されている。アンテナ回転軸 12を貫通孔 13に挿入する際には、例えば、ァンテナ回転軸 12に前記 Oリング 15とワッシャー 14を順に通した状態で、アンテナ回転軸 12をカードケース本体部 2の外側から貫通孔 13内に挿入する。この例では、ヮッシヤー 14が貫通孔 13内の段差 Dに当接し、このワッシャー 14に Oリング 15が当接し、さらに、この Oリング 15にアンテナ回転軸 12の張り出し部 12Aが当接して係止することで、アンテナ回転軸 12の挿入が停止する。この状態のアンテナ回転軸 12を抜け止めするために、カードケース本体部 2の内部力もアンテナ回転軸 12にワッシャー 17が揷通され、また、 Eリング 16が装着される。この Eリング 16はワッシャー 17を介して貫通孔 13の開口端縁に係止してアンテナ回転軸 12を抜け止めする。このような貫通孔 13とワッシャー 14, 17と Oリング 15と Eリング 16〖こよって、アンテナ回転軸 12を回動自在な状態でカードケース本体部 2に取り付けることができる。

[0042] この例では、 Oリング 15と、アンテナ回転軸 12の張り出し部 12Aとによって、当該 O リング 15と張り出し部 12Aとの当接部分に生じる摩擦力によりアンテナ 7の回動調節位置を保持するアンテナ回動位置保持手段が構成されている。なお、アンテナ回転軸 12の張り出し部 12Aと Oリング 15間の摩擦力が、アンテナ 7のスムーズな回動を妨げることなぐかつ、アンテナ 7の回動調節位置を保持することができる摩擦力となるように、 Oリング 15の表面には、摩擦力調整のための潤滑材料が塗布形成されている。

[0043] この例では、貫通孔 13内の段差 Dと Oリング 15との間にワッシャー 14が介設され、また、貫通孔 13の開口端縁 (縁枠部 10の内側壁）と Eリング 16との間にワッシャー 17 が介設されている。それらワッシャー 14, 17によって、貫通孔 13内の段差 Dと Oリング 15間や、縁枠部 10の内側壁と Eリング 16間の摩擦を防止して摩擦による縁枠部 1 0や Oリング 15や Eリング 16の劣化による部品寿命の短命化を防止できる。

[0044] カードケース本体部 2の内壁面には、アンテナ回転軸 12の先端部分が配置される位置に、アンテナ回転軸支持部 18が設けられている。この例では、アンテナ回転軸支持部 18は、カードケース本体部 2の内壁面力も突出形成された板状の突出片 18a にアンテナ回転軸挿通用の孔部 18bが設けられた形態を有している。アンテナ回転軸支持部 18の孔部 18bにアンテナ回転軸 12の先端部分が挿通されることにより、ァンテナ回転軸 12を回路基板 5から浮いた状態で回動自在にカードケース本体部 2に支持できる構成となって、る。

[0045] この例では、貫通孔 13が設けられている縁枠部 10の部位とアンテナ回転軸支持部 18との間に配置されているアンテナ回転軸部分と、これに対向する回路基板 5との間に、導体材料から成る給電端子 20が介設されている。この給電端子 20は、例えば、図 5の斜視図に示されるような形態を有し、アンテナ回転軸 12に付勢力を加える弾性を有するものである。

[0046] 回路基板 5には、給電端子 20が配設される部分 (換言すれば、アンテナ回転軸 12 が対向する部分）には、回路基板 5に設けられている回路 6のアンテナ接続部として機能するアンテナ接続用ランド（図示せず)が設けられている。給電端子 20は、そのアンテナ接続用ランドに例えばはんだにより接合されて、回路基板 5の回路 6に電気的に接続すると共に、回路基板 5に固定されている。

[0047] この例では、前述したように回路基板 5はカバー 3に固定され、また、アンテナ回転軸 12はカードケース本体部 2に取り付けられる。そのアンテナ回転軸 12が取り付けられたカードケース本体部 2と、回路基板 5が固定されたカバー 3との組み合わせによつて、回路基板 5に固定された給電端子 20が、アンテナ回転軸 12に押圧接触する構成となっている。 [0048] ところで、図 5に示される給電端子 20と同様な形態を持つものとして、アースターミナルゃグランド端子などと呼ばれる汎用の部品がある。カード装置専用の部品として給電端子 20を設計'作製してカード装置 1に組み込んでもよいが、その汎用の部品を給電端子 20として採用することが可能である。このように、汎用の部品を給電端子 20として利用する場合には、給電端子 20を設計する必要が無くなるし、また、給電端子 20を作製するために新たな金型を作製するという手間や製造費も無くなって、製造コストを削減することができる。これにより、カード装置 1のコスト低下を図ることが容易となる。

[0049] この図 4に示される構成では、給電端子 20は、回路基板 5への固定と、回路基板 5 の回路 6との電気的接続とが同じ位置で行われる上に、アンテナ回転軸 12に接触接続する部分と、回路基板 5の回路 6に接続する部分とが上下方向に配設されている。このため、給電端子 20は、アンテナ回転軸接続用部位と回路接続用部位とが並設されている構成の給電端子に比べて、カード装置 1における給電端子 20の占有面積の削減が容易となる。

[0050] また、給電端子 20は例えばはんだ等の接合材料によって回路基板 5の回路 6のァンテナ接続用ランドに固定されているので、アンテナ 7と回路基板 5の回路 6との間を通電する信号の導通経路において、導体同士の接触接続部分は、給電端子 20とァンテナ回転軸 12との接触接続部分だけの 1箇所のみとすることができる。このように、信号導通経路において導体同士の接触接続部分を少なくできる構成であるので、接触接続に起因した導通不良の発生や、信号ロス増加問題を抑制することができる。これにより、アンテナ 7と回路基板 5の回路 6との電気的な接続 (信号接続)の信頼性を高めることができて、カード装置 1の無線通信性能の信頼性を向上させることができる

[0051] また、給電端子 20は、回路基板 5のアンテナ接続用ランドに接触接続させるのではなぐアンテナ接続用ランドに例えばはんだ等により固定されるので、給電端子 20とアンテナ接続用ランドとの接触接続の信頼性を上げるための金メッキ等の処理が不要となり、その分、製造コストを下げることができて、安価なカード装置 1を提供できるようになる。 [0052] なお、この図 4に示される構成例では、アンテナ回動位置保持手段は、 Oリング 15 を利用したものであった力例えば、 Oリング 15に代えて、ウェイブワッシャーを設け、アンテナ回動位置保持手段は、そのウェイブワッシャーと、アンテナ回転軸 12の張り出し部 12Aとの間の摩擦力を利用して、アンテナ 7の回動調節位置を保持する構成としてもよい。さらに、アンテナ回動位置保持手段は、ばねを利用した構成としてもよい。このように、アンテナ 7の回動調節位置を保持するための機構には様々な構成力 Sあり、その何れの構成をもアンテナ回動位置保持手段として採用してよい。

[0053] また、この例では、アンテナ回転軸支持部 18は、 1つだけ設けられていた力例えば、複数のアンテナ回転軸支持部 18を互いに間隔を介して設け、カードケース本体部 2内に挿入されたアンテナ回転軸 12は、それら複数のアンテナ回転軸支持部 18 によって、複数箇所で支持される構成としてもよい。

[0054] なお、この第 1実施例では、アンテナ 7のアンテナ回転軸 12と、回路基板 5の回路 6 とを電気的に接続させるための構成の一例として、上記のような構成例を示したが、もちろん、他の構成によって、アンテナ 7のアンテナ回転軸 12と、回路基板 5の回路 6 とを電気的に接続させてもよいものである。

[0055] 以下に、第 2実施例を説明する。なお、この第 2実施例の説明において、第 1実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。

[0056] 図 6には第 2実施例のカード装置を表面側と裏面側と側面側と端面側との 4方向からそれぞれ見た場合の平面図が模式的に示されている。また、図 7には、第 2実施例のカード装置の模式的な分解図が示されている。なお、この第 2実施例のカード装置 1においても、第 1実施例と同様に、無線通信機能を備えており、第 1実施例と同様なアンテナ 7が設けられているものであるが、図 6および図 7では、アンテナ 7の図示は省略してある。

[0057] この第 2実施例のカード装置 1も、第 1実施例のカード装置 1と同様に、ェクステンド部 Eを有するェクステンドタイプのカード装置 1であり、回路基板 5を収容配置する力ードケース本体部 2を有している。このカードケース本体部 2は、第 1実施例と同様に、回路基板収容部 Mと、この回路基板収容部 Mから延長形成されたェクステンド部 E とが同一の榭脂材料 (非晶性榭脂）により構成された一体形成体と成している。また、当該カードケース本体部 2は、回路基板収容部 Mおよびェクステンド部 Eのベースとなる平板部 11と、この平板部 11の端縁部分を肉厚にして形成された縁枠部 10とを有する形態となっている。その縁枠部 10は、回路基板 5のコネクタ 8の配置部分を開口させた態様となっている。

[0058] 前述した第 1実施例では、カードケース本体部 2には、回路基板 5が表面側を平板部 11に向けて収容配置されるのに対して、この第 2実施例では、回路基板 5は裏面側を平板部 11に向けてカードケース本体部 2に収容配置される。回路基板 5は、表面側だけに部品 4が配置される片面実装タイプであり、部品 4が搭載されない回路基板 5の裏面は例えば接着材料などによってカードケース本体部 2の平板部 11の薄肉部分 Tに固着される。平板部 11の薄肉部分 Tは榭脂材料により構成されているので、その機械的な強度は、金属により構成される場合に比べて、劣るものの、回路基板 5が平板部 11の薄肉部分 Tに固着されることによって、外部ストレスに対して変形し難い構成となっている。

[0059] 第 2実施例では、カードケース本体部 2の平板部 11におけるェクステンド部 Eを構成する部分の面上は、例えば榭脂材料 (例えば非晶性榭脂など)カゝら成るェクステンド部用カバー 22によって覆われ、また、平板部 11における回路基板収容部 Mを構成する部分の面上は、例えばステンレス等の金属から成る板状のカバー 3によって覆われている。この第 2実施例では、カバー 3にはフック部 Fが設けられ、カードケース本体部 2の縁枠部 10にはそのフック部 Fを引っ掛け固定するためのフック受け部 9が設けられている。カバー 3のフック部 Fをカードケース本体部 2のフック受け部 9に引つ掛け固定することにより、カバー 3をカードケース本体部 2に組み合わせることができる。また、カードケース本体部 2にはェクステンド部 Eにフック部 fが設けられており、ェタステンド部用カバー 22の内側壁面にはそのフック部 fを引っ掛け固定するためのフック受け部（図示せず）が設けられている。カードケース本体部 2のフック部 fをェクステンド部用カバー 22のフック受け部に引っ掛け固定することにより、ェクステンド部用カバー 22をカードケース本体部 2に装着することができる。

[0060] この第 2実施例では、部品 4が配置されている回路基板 5の表面に対向するカバー 3は、回路基板 5の表面に配置されている部品 4の中で最も背高で、広い面積のシールドケース 4 (4H)に密着又は近接配置又は熱圧着されている。これにより、カバー 3 の回路基板 5側への凹み変形を防止することができ、カード装置 1の強度向上が図られている。

[0061] 上記した構成以外の構成は第 1実施例の構成と同様である。なお、この第 2実施例においても、平板部 11の薄肉部分 Tであって、回路基板 5の基板面に対向する面とは反対側となる面 (裏面）にはラベルが貼付される構成としてもょヽ。

[0062] また、カードケース本体部 2の平板部 11の薄肉部分 T (回路基板 5の基板面に対向する部分）は、カードケース本体部成形用の金型に設けられるガス抜きピンのガス抜き孔に連通する部位を備えており、当該部位には、ガス抜きピンの跡が残されている構成としてもよい。すなわち、この第 2実施例においても、第 1実施例と同様に、カードケース本体部 2を製造するための成形用の金型には、平板部 11の薄肉部分 Tに対応する部分にガス抜きピンが設けられており、これにより、カードケース本体部 2のガス焼けが回避されて、る構成としてもよ!、。

[0063] 以下に、第 3実施例を説明する。なお、この第 3実施例の説明において、第 1や第 2 の各実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。

[0064] この第 3実施例では、カードケース本体部 2を構成する平板部 11の縁枠部 10と、平板部 11の縁枠部 10以外の薄肉部分 Tとの境界部分には、縁枠部 10から薄肉部分 Tに向力うに従って連続的に肉厚が薄くなつていく図 8aの断面図に示されるような傾斜平面 Cあるいは図 8bの断面図に示されるような曲面 Rと成している。この構成以外の構成は、第 1実施例あるいは第 2実施例の構成と同様である。

[0065] 以下に、第 4実施例を説明する。なお、この第 4実施例の説明において、第 1一第 3 の各実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。

[0066] この第 4実施例では、カードケース本体部 2を構成する平板部 11の薄肉部分 Tには、回路基板 5の基板面に対向する面側に、例えば図 9の平面図に示されるように、金型に因る複数の割り線 25が現れている。この第 4実施例では、カードケース本体部 2 は、複数のブロックに分割可能な金型を用いて製造されたものであり、その割り線 25 は、その金型の分割位置に沿って現れて!/ヽるものである。

[0067] 第 1一第 3の各実施例では、カードケース本体部成形用の金型にはガス抜きピンが設けられており、これにより、カードケース本体部 2は、金型内部の空気やガスに起因したガス焼け等の問題が回避されているものであった。これに対して、この第 4実施例では、金型の分割部分に形成された例えばガス抜き用の溝力金型内部の空気やガスが吸引され排気される手法を用いながら金型内に榭脂材料が注入されてカードケース本体部 2が製造されている。このため、カードケース本体部 2には、金型の分割位置に沿って割り線 25が現れる力この第 4実施例を構成するカードケース本体部 2も、金型内部の空気やガスに起因したガス焼け等の問題が回避されているものでめる。

[0068] なお、図 9の例では、分割タイプの金型に起因した割り線 25は、複数本設けられていたが、割り線 25の数は、金型の分割数に応じたものであり、数が限定されるものではない。また、割り線 25は直線状に伸びる態様であった力金型の分割形態によつては、割り線 25は曲線状に伸びる形態となることもある。

[0069] なお、この発明は第 1一第 4の各実施例の形態に限定されるものではなぐ様々な実施の形態を採り得る。例えば、第 1一第 3の各実施例では、カード装置 1は無線通信機能を備え、アンテナ 7を有するものであつたが、この発明は、無線通信機能を持たずアンテナを備えていないタイプのカード装置にも適用することができるものである

[0070] また、第 1一第 4の各実施例では、回路基板 5は表面側だけに部品 4が搭載される片面実装タイプのものであつたが、例えば、カード装置 1は、回路基板 5の表裏両面にそれぞれ部品 4が搭載される両面実装タイプの回路基板 5を有していてもよい。この場合には、例えば、カードケース本体部 2の平板部 11の薄肉部分 Tおよびカバー 3は、対向する回路基板面に設けられている部品の中で最も背高な部品 4に密着又は近接配置される構成としてもよぐこれにより、平板部 11の薄肉部分 Tおよびカバ一 3の回路基板 5側への凹み変形が防止できる。

産業上の利用可能性

[0071] 本発明は、機械的な強度の低下を防止しながら、低コストィ匕を図ることが可能なエタステンドタイプのカード装置を提供できることから、例えば量産されるェクステンドタイプのカード装置への適用に好適である。

Claims

請求の範囲

[1] 回路基板を収容する片面開口の回路基板収容部と、この回路基板収容部から延長形成されたェクステンド部とを有するカードケース本体部と、このカードケース本体部に収容されている回路基板を片面開口側で閉鎖して覆うカバーとを有し、カードケース本体部は、回路基板収容部とェクステンド部が同一の榭脂材料により構成された一体成形体と成し、カバーは金属により構成されていることを特徴とするカード装

[2] カードケース本体部は、回路基板収容部およびェクステンド部のベースとなる平板部と、この平板部の端縁部分を肉厚にして回路基板の外部接続側を開口した縁枠部との一体成形体により構成され、カバーは平板状部材により構成されていることを特徴とする請求項 1記載のカード装置。

[3] 平板部の端縁部分の縁枠部と、平板部の縁枠部以外の薄肉部分との境界部分は、縁枠部力薄肉部分に向かうに従って連続的に肉厚が薄くなつていく傾斜平面あるいは曲面と成していることを特徴とする請求項 2記載のカード装置。

[4] カードケース本体部を構成する平板部には、回路基板面に対向する面とは反対側となる面であって、回路基板面に対向する位置に対応する部位に、ラベルが貼付される構成と成し、平板部のラベル貼付領域は、カードケース本体部を製造するための金型に設けられたガス抜きピンのガス抜き孔に連通させた面部位を有していることを特徴とする請求項 2記載のカード装置。

[5] カードケース本体部は、複数に分割可能な金型を用いて製造されたものであり、力ードケース本体部の平板部において回路基板面に対向する面には、少なくとも、縁枠部以外の薄肉部分に、カードケース本体部成形用の金型の分割位置に沿って金型の割り線が現れていることを特徴とする請求項 2記載のカード装置。

[6] 回路基板の表面と裏面のうちの少なくとも一方には少なくとも 1つの部品が搭載されている構成と成し、カードケース本体部あるいはカバーの回路基板面に対向する部分は、対向する回路基板面に設けられている部品の中で最も背高な部品に密着又は近接配置されて、回路基板側への凹み変形が抑制される構成と成していることを特徴とする請求項 1記載のカード装置。

[7] カードケース本体部を構成する榭脂材料は、非晶性榭脂であることを特徴とする請求項 1記載のカード装置。

[8] カードケース本体部とカバーのうちの一方側には、組み立て用のフック部が設けられ、他方側には、そのフック部を引っ掛け固定するためのフック受け部が設けられており、カードケース本体部とカバーのうちの一方側に設けられているフック部が他方側のフック受け部に引っ掛け固定されて、カードケース本体部とカバーが組み立てられて、ることを特徴とする請求項 1記載のカード装置。

[9] 回路基板を収容する片面開口の回路基板収容部と、この回路基板収容部から延長形成されたェクステンド部とを有するカードケース本体部を備え、このカードケース本体部は、回路基板収容部およびェクステンド部のベースとなる平板部を有して構成され、この平板部のェクステンド部構成部分の面上はェクステンド部用カバーによつて覆われ、平板部の回路基板収容部構成部分の面上には当該回路基板収容部に収容されて！ヽる回路基板を覆う金属から成るカバーが配置される構成と成し、カードケース本体部は榭脂材料により構成されていることを特徴とするカード装置。

[10] カードケース本体部の平板部には、回路基板収容部構成部分の端縁部分を肉厚にして回路基板の外部接続側を開口した縁枠部が設けられており、平板部の縁枠部と、平板部の縁枠部以外の薄肉部分との境界部分は、縁枠部から薄肉部分に向かうに従って連続的に肉厚が薄くなつて、く傾斜平面ある、は曲面と成して、ることを特徴とする請求項 9記載のカード装置。

[11] カードケース本体部の平板部は、回路基板面に対向する面とは反対側となる平板部の面であって回路基板面に対向する位置に対応する部位に、カードケース本体部を製造するための金型に設けられたガス抜きピンのガス抜き孔に連通させた部分を有していることを特徴とする請求項 9記載のカード装置。

[12] カードケース本体部は、複数に分割可能な金型を用いて製造されたものであり、力ードケース本体部を構成する平板部には、回路基板収容部構成部分の端縁部分を肉厚にして回路基板の外部接続側を開口した縁枠部が設けられ、また、平板部における回路基板面に対向する面には、少なくとも、縁枠部以外の薄肉部分に、カードケース本体部成形用の金型の分割位置に沿って金型の割り線が現れていることを特徴とする請求項 9記載のカード装置。

[13] 回路基板の表面と裏面のうちの少なくとも一方には少なくとも 1つの部品が搭載されている構成と成し、カードケース本体部あるいはカバーの回路基板面に対向する部分は、対向する回路基板面に設けられている部品の中で最も背高な部品に密着又は近接配置されて、回路基板側への凹み変形が抑制される構成と成していることを特徴とする請求項 9記載のカード装置。

[14] カードケース本体部を構成する榭脂材料は、非晶性榭脂であることを特徴とする請求項 9記載のカード装置。

[15] カードケース本体部とカバーのうちの一方側には、組み立て用のフック部が設けられ、他方側には、そのフック部を引っ掛け固定するためのフック受け部が設けられており、カードケース本体部とカバーのうちの一方側に設けられているフック部が他方側のフック受け部に引っ掛け固定されて、カードケース本体部とカバーが組み立てられて、ることを特徴とする請求項 9記載のカード装置。