JP2000149847A - 試料ステージ - Google Patents
試料ステージInfo
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- JP2000149847A JP2000149847A JP10316434A JP31643498A JP2000149847A JP 2000149847 A JP2000149847 A JP 2000149847A JP 10316434 A JP10316434 A JP 10316434A JP 31643498 A JP31643498 A JP 31643498A JP 2000149847 A JP2000149847 A JP 2000149847A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 走査電子顕微鏡等用の試料ステージにおい
て、標準の試料厚さ(高さ)よりも大きな寸法の試料で
も、ユーセントリシティを保ちながら観察できる機構を
提供すること。 【解決手段】 試料ステージの試料傾斜軸のロッド4に
プレート5固定し、該プレート5にガイドレール6を介
してアングル8を取り付ける。標準の試料厚さよりも大
きな寸法の試料の場合は、アングル8の位置を調節し
て、ロッド4の回転中心の位置AとX−Y面内回転プレ
ート11の上面Bとの距離Cを大きくする。
て、標準の試料厚さ(高さ)よりも大きな寸法の試料で
も、ユーセントリシティを保ちながら観察できる機構を
提供すること。 【解決手段】 試料ステージの試料傾斜軸のロッド4に
プレート5固定し、該プレート5にガイドレール6を介
してアングル8を取り付ける。標準の試料厚さよりも大
きな寸法の試料の場合は、アングル8の位置を調節し
て、ロッド4の回転中心の位置AとX−Y面内回転プレ
ート11の上面Bとの距離Cを大きくする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、走査電子顕微鏡
および集束イオンビーム装置等用の試料ステージの機構
に関する。
および集束イオンビーム装置等用の試料ステージの機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、通常の走査電子顕微鏡(以下、S
EMと略称する)の試料ステージについて図1を用いて
説明する。図中、1は高真空に保たれたSEMの試料
室、2はSEMの鏡筒である。図示しないが、鏡筒2に
は、電子ビームを発生させるための電子銃、電子ビーム
を集束して細く絞るための集束レンズと対物レンズ、電
子ビームを2次元的に走査するための走査コイル等が構
成されている。試料室1の前面部には開口部があり、3
はこの開口部を塞ぐように取り付けられた前面カバーで
ある。前面カバー3は、図示しないガイドレールを介し
て試料室1に取り付けられ、図示しないZ動駆動機構に
よって、上下に移動することができる。前面カバー3と
試料室1の間は、O−リング31によって、真空が保た
れる。更に、前面カバー3には貫通孔があり、この貫通
孔を通してロッド4が回転可能に取り付けられている。
前面カバー3とロッド4との間は、真空を保つためのO
−リング41が設けられている。ロッド4は、図示しな
い試料傾斜のためのT動駆動機構によって、回転駆動さ
れる。ロッド4の試料室内面端部には、ロッド4への取
り付け面と載置面を有するアングル8が取り付け固定さ
れている。アングル8の載置面には、Y方向に動くプレ
ート9が取り付けられ、更にプレート9上にはX方向に
動くプレート10が取り付けられ、更にプレート10上
にはX−Y平面内の面内回転するプレート11が取り付
けられている。これらプレート9、10、11は、図示
しないX方向への直線移動のためのX動駆動機構、Y方
向への直線移動のためのY動駆動機構、X−Y面内回転
のためのR動駆動機構によって、それぞれ駆動される。
プレート11上には、試料ホルダ12が試料室1外から
脱着自在に装填される。試料ホルダ12には、図示しな
いが、試料が装着されている。このような試料ステージ
において、ロッド4の回転の中心(図1中の矢印A)
は、試料表面と一致することが要求される。更に、この
ロッド4の回転の中心は、電子ビームの照射軸(図1中
の矢印E)と交わるようになっていなければならない。
これは試料を傾斜させても、観察している試料上の観察
部位が視野外に逃げないようにするためである。このよ
うな性質を一般に、ユーセントリシティと言う。この性
質は、数百倍以上の高倍のSEM像観察に際しては、操
作上、極めて重要なものであって、装置として必須の機
能と言ってよい。また、鏡筒2の底部の面(図1中の矢
印D)と試料表面との距離WDは、作動距離と呼ばれ、
Z動を除くX動、Y動、R動、T動のいずれの動作によ
っても、変化しないことを要する。なお、Z動について
は、その駆動に対して、視野が逃げないことが要求され
る。ところでこのような試料ステージにおいて、装填可
能な試料の厚さ(あるいは高さ)の最大寸法は、図1に
示すように、T動軸を示す矢印AとR動のプレート11
の上面を示す矢印Bとの距離Cである。勿論、Cより薄
い試料であれば、試料ホルダをうまく利用することによ
って、自由に装填できることは言うまでもない。このた
め、様々な試料寸法に対応できるようにするためには、
距離Cは、大きい程好ましい。しかし、一方、Cを大き
くすると、試料ステージが大きくなるばかりではなく、
次のような問題が生じる。つまり、先に述べた、T動を
行っても観察の視野は不動である、という条件を満たす
ためには、T動軸の位置よりも下方に、駆動のための機
構を配置しなければならず、このため、大きく試料を傾
斜したとき、駆動機構に働く重力の作用によって、試料
の傾斜を水平に戻そうとする力が生じてしまい、試料ス
テージの精度等に悪影響を及ぼす。そこで、通常のSE
Mにおいては、この距離Cは20mmないし30mm程
度の寸法に設計している。また、半導体ウェハ試料を観
察する専用のSEMにおいては、通常数mm程度になっ
ている。
EMと略称する)の試料ステージについて図1を用いて
説明する。図中、1は高真空に保たれたSEMの試料
室、2はSEMの鏡筒である。図示しないが、鏡筒2に
は、電子ビームを発生させるための電子銃、電子ビーム
を集束して細く絞るための集束レンズと対物レンズ、電
子ビームを2次元的に走査するための走査コイル等が構
成されている。試料室1の前面部には開口部があり、3
はこの開口部を塞ぐように取り付けられた前面カバーで
ある。前面カバー3は、図示しないガイドレールを介し
て試料室1に取り付けられ、図示しないZ動駆動機構に
よって、上下に移動することができる。前面カバー3と
試料室1の間は、O−リング31によって、真空が保た
れる。更に、前面カバー3には貫通孔があり、この貫通
孔を通してロッド4が回転可能に取り付けられている。
前面カバー3とロッド4との間は、真空を保つためのO
−リング41が設けられている。ロッド4は、図示しな
い試料傾斜のためのT動駆動機構によって、回転駆動さ
れる。ロッド4の試料室内面端部には、ロッド4への取
り付け面と載置面を有するアングル8が取り付け固定さ
れている。アングル8の載置面には、Y方向に動くプレ
ート9が取り付けられ、更にプレート9上にはX方向に
動くプレート10が取り付けられ、更にプレート10上
にはX−Y平面内の面内回転するプレート11が取り付
けられている。これらプレート9、10、11は、図示
しないX方向への直線移動のためのX動駆動機構、Y方
向への直線移動のためのY動駆動機構、X−Y面内回転
のためのR動駆動機構によって、それぞれ駆動される。
プレート11上には、試料ホルダ12が試料室1外から
脱着自在に装填される。試料ホルダ12には、図示しな
いが、試料が装着されている。このような試料ステージ
において、ロッド4の回転の中心(図1中の矢印A)
は、試料表面と一致することが要求される。更に、この
ロッド4の回転の中心は、電子ビームの照射軸(図1中
の矢印E)と交わるようになっていなければならない。
これは試料を傾斜させても、観察している試料上の観察
部位が視野外に逃げないようにするためである。このよ
うな性質を一般に、ユーセントリシティと言う。この性
質は、数百倍以上の高倍のSEM像観察に際しては、操
作上、極めて重要なものであって、装置として必須の機
能と言ってよい。また、鏡筒2の底部の面(図1中の矢
印D)と試料表面との距離WDは、作動距離と呼ばれ、
Z動を除くX動、Y動、R動、T動のいずれの動作によ
っても、変化しないことを要する。なお、Z動について
は、その駆動に対して、視野が逃げないことが要求され
る。ところでこのような試料ステージにおいて、装填可
能な試料の厚さ(あるいは高さ)の最大寸法は、図1に
示すように、T動軸を示す矢印AとR動のプレート11
の上面を示す矢印Bとの距離Cである。勿論、Cより薄
い試料であれば、試料ホルダをうまく利用することによ
って、自由に装填できることは言うまでもない。このた
め、様々な試料寸法に対応できるようにするためには、
距離Cは、大きい程好ましい。しかし、一方、Cを大き
くすると、試料ステージが大きくなるばかりではなく、
次のような問題が生じる。つまり、先に述べた、T動を
行っても観察の視野は不動である、という条件を満たす
ためには、T動軸の位置よりも下方に、駆動のための機
構を配置しなければならず、このため、大きく試料を傾
斜したとき、駆動機構に働く重力の作用によって、試料
の傾斜を水平に戻そうとする力が生じてしまい、試料ス
テージの精度等に悪影響を及ぼす。そこで、通常のSE
Mにおいては、この距離Cは20mmないし30mm程
度の寸法に設計している。また、半導体ウェハ試料を観
察する専用のSEMにおいては、通常数mm程度になっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
半導体ウェハ試料を観察する専用の走査電子顕微鏡(以
下、これをウェハSEMと呼ぶ)においては、数mmを
越える厚さの、通常のSEM用の試料は、ユーセントリ
シティの条件下では絶対に観察できなくなってしまう。
確かに、ウェハSEMは、ウェハの観察専用であるか
ら、ウェハ観察に最適に設計されなければならない。し
かし、時には、前記したステージの精度等を若干犠牲に
してでも、例外的寸法の試料の観察が望まれる。
半導体ウェハ試料を観察する専用の走査電子顕微鏡(以
下、これをウェハSEMと呼ぶ)においては、数mmを
越える厚さの、通常のSEM用の試料は、ユーセントリ
シティの条件下では絶対に観察できなくなってしまう。
確かに、ウェハSEMは、ウェハの観察専用であるか
ら、ウェハ観察に最適に設計されなければならない。し
かし、時には、前記したステージの精度等を若干犠牲に
してでも、例外的寸法の試料の観察が望まれる。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決すべくな
されたものであり、そのための試料ステージ機構を提起
することを目的としている。
されたものであり、そのための試料ステージ機構を提起
することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、走査電子顕微鏡や集束イオンビーム装置等用
の試料ステージにおいて、X、Y直進機構および面内回
転機構等の機構を搭載した搭載部を傾斜面に垂直な方向
に移動可能とする調節機構を、傾斜機構に設けたことを
特徴とする。
本発明は、走査電子顕微鏡や集束イオンビーム装置等用
の試料ステージにおいて、X、Y直進機構および面内回
転機構等の機構を搭載した搭載部を傾斜面に垂直な方向
に移動可能とする調節機構を、傾斜機構に設けたことを
特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
施の形態を詳細に説明する。
【0007】図2(A)および(B)は、本発明の機構
の実施形態の一例を示す断面図である。図2で図1の従
来装置と同一番号は同一構成要素を示す。図3は、図2
の一部を拡大した斜視図である。図4は、本発明の作用
を説明する模式図である。
の実施形態の一例を示す断面図である。図2で図1の従
来装置と同一番号は同一構成要素を示す。図3は、図2
の一部を拡大した斜視図である。図4は、本発明の作用
を説明する模式図である。
【0008】図2(A)において、1は高真空に保たれ
たSEMの試料室、2はSEMの鏡筒である。図示しな
いが、鏡筒2には、電子ビームを発生させるための電子
銃、電子ビームを集束して細く絞るための集束レンズと
対物レンズ、電子ビームを2次元的に走査するための走
査コイル等が構成されている。試料室1の前面部には開
口部があり、3はこの開口部を塞ぐように取り付けられ
た前面カバーである。前面カバー3は、図示しないガイ
ドレールを介して試料室1に取り付けられ、図示しない
Z動駆動機構によって、上下に移動することができる。
前面カバー3と試料室1の間は、O−リング31によっ
て、真空が保たれる。更に、前面カバー3には貫通孔が
あり、この貫通孔を通してロッド4が回転可能に取り付
けられている。前面カバー3とロッド4との間は、真空
を保つためのO−リング41が設けられている。ロッド
4は、図示しない試料傾斜のためのT動駆動機構によっ
て、回転駆動される。ロッド4の試料室内面端部には、
両面に取り付け面を有するプレート5が取り付け固定さ
れている。更に、このプレート5のもう一方の取り付け
面に、図示しない第2のガイドレールを介して、両面に
取り付け面と載置面を有するアングル8が取り付けられ
ている。第2のガイドレールは、試料表面が水平なと
き、即ち試料が傾斜していないとき、アングル8の移動
が上下方向になるように取り付けられる。
たSEMの試料室、2はSEMの鏡筒である。図示しな
いが、鏡筒2には、電子ビームを発生させるための電子
銃、電子ビームを集束して細く絞るための集束レンズと
対物レンズ、電子ビームを2次元的に走査するための走
査コイル等が構成されている。試料室1の前面部には開
口部があり、3はこの開口部を塞ぐように取り付けられ
た前面カバーである。前面カバー3は、図示しないガイ
ドレールを介して試料室1に取り付けられ、図示しない
Z動駆動機構によって、上下に移動することができる。
前面カバー3と試料室1の間は、O−リング31によっ
て、真空が保たれる。更に、前面カバー3には貫通孔が
あり、この貫通孔を通してロッド4が回転可能に取り付
けられている。前面カバー3とロッド4との間は、真空
を保つためのO−リング41が設けられている。ロッド
4は、図示しない試料傾斜のためのT動駆動機構によっ
て、回転駆動される。ロッド4の試料室内面端部には、
両面に取り付け面を有するプレート5が取り付け固定さ
れている。更に、このプレート5のもう一方の取り付け
面に、図示しない第2のガイドレールを介して、両面に
取り付け面と載置面を有するアングル8が取り付けられ
ている。第2のガイドレールは、試料表面が水平なと
き、即ち試料が傾斜していないとき、アングル8の移動
が上下方向になるように取り付けられる。
【0009】アングル8の載置面には、Y方向に動くプ
レート9が取り付けられ、更にプレート9上にはX方向
に動くプレート10が取り付けられ、更にプレート10
上にはX−Y平面内の面内回転するプレート11が取り
付けられている。これらプレート9、10、11は、図
示しないX方向への直線移動のためのX動駆動機構、Y
方向への直線移動のためのY動駆動機構、X−Y面内回
転のためのR動駆動機構によって、それぞれ駆動され
る。プレート11上には、試料ホルダ12が試料室1外
から脱着自在に装填される。試料ホルダ12には、図示
しないが、試料が装着されている。
レート9が取り付けられ、更にプレート9上にはX方向
に動くプレート10が取り付けられ、更にプレート10
上にはX−Y平面内の面内回転するプレート11が取り
付けられている。これらプレート9、10、11は、図
示しないX方向への直線移動のためのX動駆動機構、Y
方向への直線移動のためのY動駆動機構、X−Y面内回
転のためのR動駆動機構によって、それぞれ駆動され
る。プレート11上には、試料ホルダ12が試料室1外
から脱着自在に装填される。試料ホルダ12には、図示
しないが、試料が装着されている。
【0010】更に、図3において、プレート5には、プ
レート15が固定され、プレート15には、マイクロメ
ータヘッド13と引き上げボルト14が取り付けられて
いる。マイクロメータヘッド13は、プレート5とアン
グル8との相対位置関係を測るためのもので、マイクロ
メータヘッド13の先端部を、アングル8の最上部の面
に当接して測る。引き上げボルト14は、アングル8を
第2のカイドレール6に沿って引き上げるためのもの
で、プレート15にはボルト14を貫通させるための単
なるキリ孔を開け、アングル8側には雌ねじが切ってあ
る。16は、アングル8をプレート5に固定するための
固定ボルトであり、17は、固定ボルト16を通すため
の長穴である。このような構成の動作について次に説明
する。まず、標準状態での場合、試料ステージは次のよ
うに予め調整されている。即ち、図2(A)に示す如
く、標準状態で使用する試料ホルダ12の上面が、矢印
Aの面と一致するよう、アングル8のプレート5に対す
る位置をマイクロメータヘッド13で読みとり、引き上
げボルト14を用いて調節し、固定ボルト16でアング
ル8をプレート5にしっかりと固定する。このように調
整された試料ステージが試料室1に取り付けられ、真空
排気されている。観察すべき試料は、試料ホルダ12に
装着され、図示しないエアロック室等を介して、試料室
外から試料室1に挿入され、プレート11上に装填され
る。鏡筒2からの電子ビームは、照射の軸Eに沿って、
試料に照射される。このとき、電子ビームは、試料表面
と上記照射の軸Eとの交点を中心にして、図示しない走
査コイルによって試料表面上を2次元的に走査される。
電子ビームの照射に伴って、試料から発生した、例えば
二次電子等の信号を、図示しない検出器で検出し、所定
の信号処理回路等を経て、表示装置に顕微鏡像が表示さ
れる。試料表面の所望の場所を観察するには、X−Y平
面内でのX及びY方向の直進移動には、X動及びY動駆
動機構によってプレート10及び9を駆動し、X−Y平
面内での回転はR動駆動機構によってプレート11を駆
動する。また、試料の傾斜は、これも図示しないZ動駆
動機構によって、ロッド4を回転駆動する。これによっ
て、試料表面の所望の位置を所望の試料傾斜角度で観察
できる。次に、試料の厚さが前記Cよりも大きな場合の
動作について、図2(B)を用いて説明する。まず、試
料室1の真空をベントし、大気圧にし、試料ステージを
試料室1から取り出す。観察すべき試料の厚さを測り、
少なくともその厚さより大きなCとなるように、固定ボ
ルト16を緩めた上で、マイクロメータヘッド13と引
き上げボルト14を用いてプレート5に対するアングル
8の位置を調節した後、固定ボルト16を締めて直し
て、アングル8をプレート5に再びしっかりと固定す
る。ついで、試料ステージを試料室1に戻し、試料室1
の真空を排気する。以下、試料の観察は、前記に同じで
ある。これによって、試料の厚さが標準のCよりも大き
な場合であっても、試料表面の所望の位置を所望の試料
傾斜角度で観察できることになる。
レート15が固定され、プレート15には、マイクロメ
ータヘッド13と引き上げボルト14が取り付けられて
いる。マイクロメータヘッド13は、プレート5とアン
グル8との相対位置関係を測るためのもので、マイクロ
メータヘッド13の先端部を、アングル8の最上部の面
に当接して測る。引き上げボルト14は、アングル8を
第2のカイドレール6に沿って引き上げるためのもの
で、プレート15にはボルト14を貫通させるための単
なるキリ孔を開け、アングル8側には雌ねじが切ってあ
る。16は、アングル8をプレート5に固定するための
固定ボルトであり、17は、固定ボルト16を通すため
の長穴である。このような構成の動作について次に説明
する。まず、標準状態での場合、試料ステージは次のよ
うに予め調整されている。即ち、図2(A)に示す如
く、標準状態で使用する試料ホルダ12の上面が、矢印
Aの面と一致するよう、アングル8のプレート5に対す
る位置をマイクロメータヘッド13で読みとり、引き上
げボルト14を用いて調節し、固定ボルト16でアング
ル8をプレート5にしっかりと固定する。このように調
整された試料ステージが試料室1に取り付けられ、真空
排気されている。観察すべき試料は、試料ホルダ12に
装着され、図示しないエアロック室等を介して、試料室
外から試料室1に挿入され、プレート11上に装填され
る。鏡筒2からの電子ビームは、照射の軸Eに沿って、
試料に照射される。このとき、電子ビームは、試料表面
と上記照射の軸Eとの交点を中心にして、図示しない走
査コイルによって試料表面上を2次元的に走査される。
電子ビームの照射に伴って、試料から発生した、例えば
二次電子等の信号を、図示しない検出器で検出し、所定
の信号処理回路等を経て、表示装置に顕微鏡像が表示さ
れる。試料表面の所望の場所を観察するには、X−Y平
面内でのX及びY方向の直進移動には、X動及びY動駆
動機構によってプレート10及び9を駆動し、X−Y平
面内での回転はR動駆動機構によってプレート11を駆
動する。また、試料の傾斜は、これも図示しないZ動駆
動機構によって、ロッド4を回転駆動する。これによっ
て、試料表面の所望の位置を所望の試料傾斜角度で観察
できる。次に、試料の厚さが前記Cよりも大きな場合の
動作について、図2(B)を用いて説明する。まず、試
料室1の真空をベントし、大気圧にし、試料ステージを
試料室1から取り出す。観察すべき試料の厚さを測り、
少なくともその厚さより大きなCとなるように、固定ボ
ルト16を緩めた上で、マイクロメータヘッド13と引
き上げボルト14を用いてプレート5に対するアングル
8の位置を調節した後、固定ボルト16を締めて直し
て、アングル8をプレート5に再びしっかりと固定す
る。ついで、試料ステージを試料室1に戻し、試料室1
の真空を排気する。以下、試料の観察は、前記に同じで
ある。これによって、試料の厚さが標準のCよりも大き
な場合であっても、試料表面の所望の位置を所望の試料
傾斜角度で観察できることになる。
【0011】更に、本発明の作用の概念を、図4を用い
て説明する。図4(A)は従来の試料ステージであっ
て、まず不動の基盤(例えば、試料室そのもの)の上に
Z動が乗り、Z動の上にT動が乗り、以下順に、Tの上
にY、Yの上にX、Xの上にRが乗っていることを示し
ている。このような場合、上に乗っているある動きは、
その下の全ての動きに従属的に動くことを意味してい
る。例えば、T動に乗っているY動は、T動によって決
まる傾斜角の面内でのY動となる。一方、図4(B)は
本発明試料ステージの場合であり、TとYの間にZ’動
が追加されたことを示す。この追加されたZ’動は、T
動に乗っているから、Z’動を調節すれば距離Cを変え
ることができることが判る。これによって、標準のCよ
り厚さの大きな寸法の試料であっても、観察できること
になる。以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明
は上記形態に限定されるものではない。例えば、説明で
は前面カバーを上下に移動するZ動機構を説明している
が、これは、作動距離WDを変えるためのものである
が、必ずしも必要ではない。同じく、X、Y動機構とR
動機構を説明したが、装置によっては、XとY動のみで
あったり、場合によっては、XまたはY動の一方とR動
の2つだけの装置もある。従って、X、Y、R動の全て
が必要とは限らない。
て説明する。図4(A)は従来の試料ステージであっ
て、まず不動の基盤(例えば、試料室そのもの)の上に
Z動が乗り、Z動の上にT動が乗り、以下順に、Tの上
にY、Yの上にX、Xの上にRが乗っていることを示し
ている。このような場合、上に乗っているある動きは、
その下の全ての動きに従属的に動くことを意味してい
る。例えば、T動に乗っているY動は、T動によって決
まる傾斜角の面内でのY動となる。一方、図4(B)は
本発明試料ステージの場合であり、TとYの間にZ’動
が追加されたことを示す。この追加されたZ’動は、T
動に乗っているから、Z’動を調節すれば距離Cを変え
ることができることが判る。これによって、標準のCよ
り厚さの大きな寸法の試料であっても、観察できること
になる。以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明
は上記形態に限定されるものではない。例えば、説明で
は前面カバーを上下に移動するZ動機構を説明している
が、これは、作動距離WDを変えるためのものである
が、必ずしも必要ではない。同じく、X、Y動機構とR
動機構を説明したが、装置によっては、XとY動のみで
あったり、場合によっては、XまたはY動の一方とR動
の2つだけの装置もある。従って、X、Y、R動の全て
が必要とは限らない。
【0012】また、図3において、プレート5とアング
ル8との相対位置関係を測るためにマイクロメータヘッ
ド13を用いているが、これは必ずしも必要ではなく、
次のようにしてもよい。例えば、図3のマイクロメータ
ヘッド13に代えて、図6に示すストッパボルト18を
設け、引き上げボルト14でアングル8を最大に引き上
げたとき、ちょうど標準状態の位置になるよう、このス
トッパボルト18を事前に調節した上で動かぬよう固定
しておく。これによって、標準状態の場合は正確に位置
が決まる。そして、標準状態以外の場合の距離Cは、試
料の厚さより大であればよいから、目分量で合わせても
十分である。或いは次のようにしてもよい。図7は、図
6を正面から見た図である。図7の図(A)において、
プレート15には、引き上げボルト14の他に複数(図
では2本しか示さないが、何本でもよい)の長さの異な
るストッパボルト181、182を設ける。ストッパボ
ルト182を一杯に閉め込んだ状態で、引き上げボルト
14を引き上げれば図(B)の如くなり、ストッパボル
ト182の長さで決まる距離Cにセットできる。次に、
ストッパボルト182を緩めて引き上げておき、ストッ
パボルト181を一杯に閉め込んだ状態で、引き上げボ
ルト14を引き上げれば図(C)の如くなり、ストッパ
ボルト181の長さで決まる距離Cにセットできる。こ
のようにすれば、複数の標準的な試料厚さに合わせて、
正確な距離Cにセットできる。
ル8との相対位置関係を測るためにマイクロメータヘッ
ド13を用いているが、これは必ずしも必要ではなく、
次のようにしてもよい。例えば、図3のマイクロメータ
ヘッド13に代えて、図6に示すストッパボルト18を
設け、引き上げボルト14でアングル8を最大に引き上
げたとき、ちょうど標準状態の位置になるよう、このス
トッパボルト18を事前に調節した上で動かぬよう固定
しておく。これによって、標準状態の場合は正確に位置
が決まる。そして、標準状態以外の場合の距離Cは、試
料の厚さより大であればよいから、目分量で合わせても
十分である。或いは次のようにしてもよい。図7は、図
6を正面から見た図である。図7の図(A)において、
プレート15には、引き上げボルト14の他に複数(図
では2本しか示さないが、何本でもよい)の長さの異な
るストッパボルト181、182を設ける。ストッパボ
ルト182を一杯に閉め込んだ状態で、引き上げボルト
14を引き上げれば図(B)の如くなり、ストッパボル
ト182の長さで決まる距離Cにセットできる。次に、
ストッパボルト182を緩めて引き上げておき、ストッ
パボルト181を一杯に閉め込んだ状態で、引き上げボ
ルト14を引き上げれば図(C)の如くなり、ストッパ
ボルト181の長さで決まる距離Cにセットできる。こ
のようにすれば、複数の標準的な試料厚さに合わせて、
正確な距離Cにセットできる。
【0013】更に、先きの説明では説明を分かりやすく
するため、距離Cを変更するに際して、試料室1のベン
ト及び排気、試料ステージの取り出しと再取り付けを行
うとして説明した。しかし、試料室外から、試料室1の
真空を保ったままで、固定ボルト16の緩めと締めの操
作、引き上げボルト14等の操作を行うことも可能であ
る。簡便には、例えば、試料室1の壁面の適当な位置
に、図5の如くのガラス製ののぞき窓20と、壁面に挟
まり自在の方向に回転可能な玉22と、これを貫通して
貫通方向に自在に移動および回転可能なドライバ21
を、必要な本数設けるとよい。なお、図中の23、2
4、25はO−リングである。また、実施の形態はウェ
ハSEMで説明したが、集束イオンビーム装置でもその
まま適用でき、勿論、汎用のSEMにも適用できる。
するため、距離Cを変更するに際して、試料室1のベン
ト及び排気、試料ステージの取り出しと再取り付けを行
うとして説明した。しかし、試料室外から、試料室1の
真空を保ったままで、固定ボルト16の緩めと締めの操
作、引き上げボルト14等の操作を行うことも可能であ
る。簡便には、例えば、試料室1の壁面の適当な位置
に、図5の如くのガラス製ののぞき窓20と、壁面に挟
まり自在の方向に回転可能な玉22と、これを貫通して
貫通方向に自在に移動および回転可能なドライバ21
を、必要な本数設けるとよい。なお、図中の23、2
4、25はO−リングである。また、実施の形態はウェ
ハSEMで説明したが、集束イオンビーム装置でもその
まま適用でき、勿論、汎用のSEMにも適用できる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、走査電子顕微鏡や集束イオンビーム装置等用の試料
ステージにおいて、X、Y直進機構および面内回転機構
等の機構を搭載した搭載部を傾斜面に垂直な方向に移動
可能とする調節機構を、傾斜機構に設けたので、標準の
試料厚さよりも厚い試料でも、ユーセントリシティを保
ちながら顕微鏡像を観察ことができる。
は、走査電子顕微鏡や集束イオンビーム装置等用の試料
ステージにおいて、X、Y直進機構および面内回転機構
等の機構を搭載した搭載部を傾斜面に垂直な方向に移動
可能とする調節機構を、傾斜機構に設けたので、標準の
試料厚さよりも厚い試料でも、ユーセントリシティを保
ちながら顕微鏡像を観察ことができる。
【図1】従来の走査電子顕微鏡の試料ステージの一例を
示す図である。
示す図である。
【図2】本発明にかかる試料ステージの実施形態の一例
を示す図である。
を示す図である。
【図3】本発明にかかる図2の一部を拡大した斜視図で
ある。
ある。
【図4】本発明にかかる実施形態の作用を説明するため
の模式図である。
の模式図である。
【図5】本発明にかかる実施形態の追加説明のための図
である。
である。
【図6】本発明にかかる他の実施形態の追加説明のため
の図である。
の図である。
【図7】本発明にかかる他の実施形態のもうひとつ追加
説明のための図である。
説明のための図である。
1…試料室、2…鏡筒、3…前面カバー、31…O−リ
ング、4…ロッド、41…O−リング、8…アングル、
9、10、11…プレート、12…試料ホルダ、5…プ
レート、6…第2のガイドレール、13…マイクロヘッ
ド、14…引き上げボルト、15…プレート、16…固
定ボルト、17…長穴、20…のぞき窓、21…ドライ
バ、22…玉、23、24、25…O−リング、18、
181、182…ストッパボルト
ング、4…ロッド、41…O−リング、8…アングル、
9、10、11…プレート、12…試料ホルダ、5…プ
レート、6…第2のガイドレール、13…マイクロヘッ
ド、14…引き上げボルト、15…プレート、16…固
定ボルト、17…長穴、20…のぞき窓、21…ドライ
バ、22…玉、23、24、25…O−リング、18、
181、182…ストッパボルト
Claims (2)
- 【請求項1】 試料の傾斜面内でのX、Y直進機構およ
び面内回転機構のうちの少なくとも2つの機構を搭載し
た傾斜機構を備えた荷電粒子ビーム装置の試料ステージ
であって、前記X、Y直進機構および面内回転機構のう
ちの少なくとも2つの機構を搭載した搭載部を前記傾斜
面に垂直な方向に移動可能とする調節機構を、前記傾斜
機構に設けたことを特徴とする試料ステージ。 - 【請求項2】 前記調節機構は、半固定式であることを
特徴とする請求項1記載の試料ステージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10316434A JP2000149847A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 試料ステージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10316434A JP2000149847A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 試料ステージ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000149847A true JP2000149847A (ja) | 2000-05-30 |
Family
ID=18077051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10316434A Withdrawn JP2000149847A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 試料ステージ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000149847A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005045752A1 (ja) * | 2003-11-06 | 2005-05-19 | Murata Manufacturing Co.,Ltd. | カード装置 |
JP2011165635A (ja) * | 2010-02-12 | 2011-08-25 | Daiwa Techno Systems:Kk | 角度変更機能を有する小型試料台 |
-
1998
- 1998-11-06 JP JP10316434A patent/JP2000149847A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005045752A1 (ja) * | 2003-11-06 | 2005-05-19 | Murata Manufacturing Co.,Ltd. | カード装置 |
JP2011165635A (ja) * | 2010-02-12 | 2011-08-25 | Daiwa Techno Systems:Kk | 角度変更機能を有する小型試料台 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |