WO2005022237A1

WO2005022237A1 - 網膜走査型ディスプレイ装置

Info

Publication number: WO2005022237A1
Application number: PCT/JP2004/011044
Authority: WO
Inventors: Haruhisa Takayama; Mitsuyoshi Watanabe
Original assignee: Brother Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2003-08-27
Filing date: 2004-08-02
Publication date: 2005-03-10

Abstract

　使用可能な場所的範囲が拡大された網膜走査型ディスプレイ装置が開示されている。この装置は、観察者の頭部に装着されるフレームと、画像情報に応じて光を変調し、その変調された光を被変調光として出力する被変調光出力部と、前記フレームに設けられ、前記被変調光を前記網膜上において走査することにより、その網膜上に画像を表示するための走査部と、前記フレームに設けられ、前記被変調光出力部から出力された被変調光を前記走査部に伝送する光伝送部とを備えている。

Description

明細書

網膜走査型ディスプレイ装置

技術分野

[0001] 本発明は、人間の眼の網膜上に光を直接投影し、その光を網膜上において走査することにより、画像を表示する網膜走査型ディスプレイ装置に関する。背景技術

[0002] 日本国特許第 2874208号公報は、網膜走査型ディスプレイ装置の一従来例を開示している。この従来例は、図 32に示すように、被変調光出力部 200と、走査部 201 とを備えている。被変調光出力部 200は、画像情報に応じてレーザ光を変調し、それを被変調光として出力する。走査部 201は、その出力された被変調光を人間の眼の網膜 202上において走査し、それにより、網膜 202上に画像を表示する。

[0003] この種の網膜走査型ディスプレイ装置は、光を網膜上に直接投影することにより、観察者に画像を知覚させる点で、光をスクリーン上に投影し、そのスクリーンからの反射光によって観察者に画像を知覚させる種類の画像表示装置とは異なる。発明の開示

[0004] しかし、従来の網膜走査型ディスプレイ装置は、卓上等、特定の場所に設置されて使用されることを前提として構成されていた。そのため、従来の網膜走査型ディスプレイ装置には、それが設置された特定の場所でしか使用することができないという問題があった。

[0005] したがって、本発明の目的は、使用可能な場所的範囲が拡大された網膜走查型デイスプレイ装置を提供することにある。

[0006] 本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。

[0007] さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴力分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなぐ各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。

[0008] (1) 観察者の眼の網膜上において光を走査することにより、前記網膜上に画像を表示する網膜走査型ディスプレイ装置であって、

前記観察者の頭部に装着されるフレームと、

画像情報に応じて光を変調し、その変調された光を被変調光として出力する被変調光出力部と、

前記フレームに設けられ、前記被変調光を前記網膜上において走査することにより、その網膜上に画像を表示するための走査部と、

前記フレームに設けられ、前記被変調光出力部から出力された被変調光を前記走查部に伝送する光伝送部と

を含む網膜走査型ディスプレイ装置。

[0009] この装置においては、観察者の頭部にフレームが装着され、そのフレームに走査部が装着され、その走査部に被変調光出力部が光伝送部によって接続されている。したがって、観察者が移動すれば、それと一緒にフレームおよび走査部が移動するため、当該網膜走査型ディスプレイ装置のモビリティが向上し、観察者は、表示画像を観察するために自分の行動範囲が制限されずに済む。

[0010] また、この装置においては、光伝送部がフレームに設けられるため、光伝送部のうち走查部との接続部近傍がその走查部に対して振動することが抑制される。それにより、この装置によれば、画像が、その走查部によって被変調光が網膜上において走查されることによって表示されるにもかかわらず、安定した画質で表示される。

[0011] (2) さらに、前記眼に対面するように前記フレームに設けられた光反射面部を含み前記走査部は、前記被変調光を前記光反射面部に向かって出射しつつ走査する（

1)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0012] この装置においては、走査部から出力された被変調光が、観察者の眼に対面するようにフレームに設けられた光反射面部で反射した後に、観察者の網膜上に照射され、それにより、その網膜上に画像が表示されるようになっている。したがって、この装置によれば、光反射面部の面積を拡大することにより、網膜上の広い範囲において被変調光を走查することが可能となり、その結果、大きな画角を有する画像を表示すること力 s可肯となる。

[0013] (3) 前記光反射面部は、前記眼に対面する楕円面であって 2つの焦点を有するものを含み、その光反射面部は、前記 2つの焦点のうちの一方に前記眼が位置するように配置され、

前記走查部は、その走查部によって走査された走查光の出射部を、前記 2つの焦点のうちの他方に位置するように含み、その走査部は、前記被変調光を前記楕円面に向かって出射しつつ走査することにより、前記被変調光を前記楕円面で反射させ、それにより、前記眼に画像を表示する（2)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0014] この装置においては、 2つの焦点を有する楕円面を光反射面部が含み、それら焦点の一方には眼が、他方には、走査部のうちその走査部によって走査された走査光が出射される出射部がそれぞれ配置される。

[0015] したがって、この装置によれば、出射部からの出射光力 S、楕円面での反射を経て観察者の眼に入射するが、その反射点の位置の如何を問わず、出射光が最終的には観察者の眼に入射して、その観察者の網膜上に画像が表示される。

[0016] (4) 前記光伝送部は、導波路である（1)ないし（3)項のいずれかに記載の網膜走

[0017] この装置によれば、光伝送部が導波路として形成されるため、例えば、被変調光出力部から出力された被変調光を走查部に伝送するための構造を簡略化することが容易となる。

[0018] (5) さらに、前記導波路を前記フレームに固定する止具を含む（4)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。 [0019] この装置によれば、止具によつて導波路がフレームに固定されるため、例えば、導波路のうち走査部との接続部近傍がその走査部に対して振動することを抑制することが容易となる。よって、この装置によれば、例えば、画像が、走査部によって被変調光が網膜上において走査されることによって表示されるにもかかわらず、安定した画質で表示される。

[0020] (6) さらに、前記フレーム内において前記導波路が揷通される揷通部を含む (4)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0021] この装置によれば、導波路が揷通される揷通部がフレームに設けられるため、例えば、導波路のうち走查部との接続部近傍が、その走查部に対する振動が抑制されることにより、安定的にフレームに支持される。したがって、この装置によれば、例えば、画像が、走查部によって被変調光が網膜上において走査されることによって表示されるにもかかわらず、安定した画質で表示される。

[0022] さらに、この装置によれば、挿通部内の導波路はフレームから外部に露出せずに済む。したがって、この装置によれば、例えば、導波路がフレームから露出し、その露出部が観察者や外部機器に接触することなどが原因で、導波路が走査部に対して振動することを抑制することが容易となる。

[0023] (7) 前記フレームは、前枠とツルとを有する眼鏡型に形成されている（1)ないし（6) 項のいずれかに記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0024] この装置によれば、フレームが眼鏡型に形成されるため、当該装置を眼鏡と同様な使用態様で使用することが可能となる。

[0025] (8) 前記フレームは、前枠とツルとを有する眼鏡型に形成され、そのツルは、前記光伝送部によって形成されている（1)ないし（3)項のいずれかに記載の網膜走查型

[0026] この装置によれば、フレームが眼鏡型に形成され、そのフレームのうちのツルが光伝送部によって形成される。したがって、この装置によれば、その光伝送部のうち走查部との接続部近傍がその走查部に対して振動することを抑制することが容易となり、その結果、画像が、その走查部によって被変調光が網膜上において走査されることによって表示されるにもかかわらず、安定した画質で表示される。さらに、この装置によれば、フレームと光伝送部とを互いに独立した部品として形成せずに済むため、当該装置を小型化することが容易となる。

[0027] (9) さらに、前記フレーム内において前記導波路が挿通される揷通部を含み、その揷通部は、前記ツルに設けられた（7)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0028] この装置によれば、導波路が揷通される揷通部がフレームのツル内に設けられるため、フレームの外部に設けられる場合より、当該装置を小型化することが容易となる。

[0029] (10) 前記ツルは、前記前枠に連結される連結部と、その連結部から曲がって延びる形状を有して前記観察者の耳に掛けられる耳掛け部とを含むように構成され、前記光伝送部は、導波路であり、その導波路は、前記連結部に沿って延びて、その略延長線上において前記被変調光出力部に接続される（7)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0030] この装置においては、ツルが連結部と耳掛け部とを含むように構成され、さらに、導波路が、その連結部に沿って延びて、その略延長線上において被変調光出力部に接続される。したがって、この装置によれば、フレームと被変調光出力部との間におレ、て導波路の屈曲が抑制される。

[0031] (11) 前記ツルは、前記前枠に連結される連結部と、その連結部から曲がって延びる形状を有して前記観察者の耳に掛けられる耳掛け部とを含むように構成され、前記光伝送部は、導波路であり、その導波路は、前記耳掛け部に沿って延びて、その略延長線上において前記被変調光出力部に接続される（7)項に記載の網膜走

[0032] この装置においては、ツルが連結部と耳掛け部とを含むように構成され、さらに、導波路が、その耳掛け部に沿って延びて、その略延長線上において被変調光出力部に接続される。したがって、この装置によれば、フレームと被変調光出力部との間にぉレ、て導波路の屈曲が抑制される。

[0033] (12) 前記光伝送部は、導波路であり、その導波路は、側面視においては、前記ッノレのうち、前記前枠と連結される基端から先端に向力向きに対して下方に斜めに折れ曲がる向きを有し、かつ、平面視においては、前記観察者の頭部から遠ざかる向きを有するように、前記ツルカ延び出て前記被変調光出力部に接続される（7)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0034] この装置においては、導波路がツルから延び出て被変調光出力部に接続されるまでの経路が、例えば、フレームが観察者の頭部から取り外される際に、ツルカ延び出る導波路が観察者の耳にその背後から押し当てられて屈曲させられる可能性の軽減と、フレームが、正面視において、水平である配置から側方に傾力、された配置に移行させられる際に、ツルカ延び出る導波路が観察者の頭部の側面に押し付けられて屈曲させられる可能性の軽減とを目的として設定される。

[0035] 具体的には、この装置においては、その目的を達成するために、導波路が、側面視においては、ツルのうち、前枠と連結される基端から先端に向力、う向きに対して下方に斜めに折れ曲がる向きを有し、かつ、平面視においては、観察者の頭部から遠ざかる向きを有するように、ツルから延び出て被変調光出力部に接続される。

[0036] したがって、この装置によれば、観察者の頭部に装着されているフレームが観察者の前方にずらされたり、側方に傾かせられたりしても、導波路が観察者の耳や頭部に強く接触することが抑制され、それにより、導波路の屈曲が抑制される。

[0037] (13) 前記被変調光出力部は、前記耳掛け部に装着される（10)項に記載の網膜

[0038] この装置によれば、被変調光出力部が耳掛け部に設けられるため、導波路は、その全長に亘つてフレームに安定的に支持される状態で被変調光出力部に接続される。

[0039] (14) さらに、前記前枠と前記ツルとの間に設けられ、それら前枠とツルとを、ツルが前枠に対して折畳み可能に連結するヒンジ部を含み、

前記走査部は、前記前枠に設けられ、

前記光伝送部は、導波路であり、その導波路は、前記被変調光出力部と前記ヒンジ部との間におレ、て延びるように前記ツルに設けられ、

当該網膜走査型ディスプレイ装置が、さらに、前記導波路によって伝送された被変調光を前記走査部に入力する被変調光入力部であって、前記走査部と前記ヒンジ部との間において前記前枠に設けられたものを含み、

前記導波路の一端部と、前記被変調光入力部の一端部とは、前記ツルが前記前枠に対して展開された展開状態においては、前記ヒンジ部において互いに接触して、前記導波路から前記被変調光入力部への前記被変調光の伝送を許可する一方、前記ツルが前記前枠に対して折り畳まれた折畳み状態においては、互いに離間して、前記導波路から前記被変調光入力部への前記被変調光の伝送を遮断する（7)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0040] この装置によれば、前枠とツルとの間にヒンジ部が設けられることにより、ツルが前枠に対して折畳み可能であるため、当該装置の不使用時には、ツルを前枠に対して折り畳むことにより、当該装置をコンパクトに収容することができる。

[0041] さらに、この装置によれば、ツルの前枠に対する動作に伴うヒンジ部の動作に伴い、導波路の一端部と被変調光入力部の一端部とが、互いに接触して導波路から被変調光入力部への被変調光の伝送を許可する状態と、互いに離間して導波路力被変調光入力部への被変調光の伝送を遮断する状態とに移行させられる。その結果、この装置によれば、当該装置を使用するためにツルが前枠に対して展開されれば、自動的に、導波路から被変調光入力部への被変調光の伝送を許可する状態に移行する一方、当該装置を収容するためにツルが前枠に対して折り畳まれれば、自動的に、導波路から被変調光入力部への被変調光の伝送を遮断する状態に移行する。その遮断状態においては、結局、導波路から走査部への被変調光の伝送が遮断される。

[0042] したがって、この装置によれば、観察者は、当該装置を収容するためにツルを前枠に対して折り畳みさえすれば、それ以外の操作を行わなくても、導波路から被変調光入力部への被変調光の伝送が遮断される。その伝送が遮断されれば、被変調光が走查部に伝送されないため、当該装置の不使用時に、走查部からの光の漏れが原因で観察者が違和感を抱くことが回避される。

[0043] (15) 前記導波路は、前記ツルに設けられたツル揷通孔内に揷通され、その導波路の両端部のうち、前記被変調光入力部に近い側の端部である被変調光入力部側端部は、前記ツル揷通孔から突出して設けられ、

前記被変調光入力部は、前記前枠に設けられた前枠揷通孔内に揷通され、その被変調光入力部のうち、前記導波路に近い端部は、前記前枠揷通孔の縁からその前枠挿通孔の内部へ後退した位置に設けられ、

前記導波路は、前記展開状態においては、前記前枠揷通孔内に進入して前記被変調光入力部に接触する一方、前記折畳み状態においては、前記被変調光入力部から離間する（14)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0044] この装置においては、ツルが前枠に対して展開された状態において、導波路と被変調光入力部とが互いに接触する位置 Aが、それらツルと前枠とが互いに接触する位置 B (例えば、ツル揷通孔と前枠揷通孔とが互いに接触する位置）と同一平面上になレ、。したがって、この装置によれば、位置 Aが位置 Bと同一平面上にある場合に比較し、例えば、ツルと前枠との間の隙間から侵入した外乱光が、導波路と被変調光入力部との間の隙間内へ侵入する可能性が軽減される。その結果、外乱光の侵入による画質の低下を抑制することが容易となる。

[0045] (16) 前記被変調光入力部は、前記前枠に設けられた前枠揷通孔内に揷通され、その被変調光入力部は、前記前枠挿通孔から突出して設けられ、

前記導波路は、前記ツルに設けられたツル挿通孔内に挿通され、その導波路の両端部のうち、前記被変調光入力部に近い側の端部である被変調光入力部側端部は、前記ツル揷通孔の縁からそのツル挿通孔の内部へ後退した位置に設けられ、前記被変調光入力部は、前記展開状態においては、前記ツル挿通孔内に進入して前記導波路に接触する一方、前記折畳み状態においては、前記導波路から離間する（14)項に記載の網膜型ディスプレイ装置。

[0046] この装置によれば、前記（15)項に係る装置と同様にして、ツルと前枠との間の隙間から侵入した外乱光が、導波路と被変調光入力部との間の隙間内へ侵入する可能性が軽減される。その結果、外乱光の侵入による画質の低下を抑制することが容易となる。

[0047] (17) さらに、前記折畳み状態において、前記導波路の両端部のうち前記被変調光入力部に近い側の端部から出射する被変調光を遮る遮光部を含む（14)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0048] この装置によれば、ツルが前枠に対して折り畳まれた状態において、ツルに設けられた導波路から被変調光が漏れても、この被変調光が遮光部によって遮られる。したがって、この装置によれば、そのような遮光部を有しない場合に比較し、導波路から漏れた光が観察者の眼に入射する可能性が軽減され、ひいては、その導波路から漏れた光が原因で観察者が違和感を抱く可能性が軽減される。

[0049] (18) さらに、前記ヒンジ部に設けられ、前記被変調光出力部の電気回路を前記ヒンジ部の動作に連動してオンオフする電気スィッチを含み、その電気スィッチは、前記展開状態においては、オンされて前記被変調光出力部の作動を許可する一方、前記折畳み状態においては、オフされて前記被変調光出力部の作動を禁止する（1 4)なレ、し（17)項のレ、ずれかに記載の網膜走查型ディスプレイ装置。

[0050] この装置においては、ヒンジ部の動作に連動する電気スィッチにより、被変調光出力部の電気回路がオンオフされる。そして、ツルが前枠に対して展開された状態においては、電気スィッチがオンされて被変調光出力部の作動が許可される一方、ツルが前枠に対して折り畳まれた状態においては、電気スィッチがオフされて被変調光出力部の作動が禁止される。

[0051] したがって、この装置によれば、当該装置を使用しないためにツルが前枠に対して折り畳まれた状態において、観察者による特別な操作なしで、被変調光出力部の作動が禁止されるため、被変調光出力部による電力浪費および当該装置からの光の漏れが回避される。

[0052] (19) さらに、前記ヒンジ部に設けられ、前記走査部の電気回路を前記ヒンジ部の動作に連動してオンオフする電気スィッチを含み、その電気スィッチは、前記展開状態においては、オンされて前記走査部の作動を許可する一方、前記折畳み状態におレ、ては、オフされて前記走査部の作動を禁止する（14)なレ、し（17)項のレ、ずれかに記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0053] この装置においては、ヒンジ部の動作に連動する電気スィッチにより、走查部の電気回路がオンオフされる。そして、ツルが前枠に対して展開された状態においては、電気スィッチがオンされて走查部の作動が許可される一方、ツルが前枠に対して折り畳まれた状態においては、電気スィッチがオフされて走查部の作動が禁止される。

[0054] したがって、この装置によれば、当該装置を使用しないためにツルが前枠に対して折り畳まれた状態において、観察者による特別な操作なしで、走查部の作動が禁止されるため、走査部による電力浪費および当該装置からの光の漏れが回避される。

[0055] (20) さらに、前記前枠と前記ツルとの間に設けられ、それら前枠とツルとを、ツルが前枠に対して折畳み可能に連結するヒンジ部を含み、

前記走査部は、前記ツルに設けられた（7)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0056] 被変調光の伝送先である走查部がフレームのうちの前枠に設けられる場合には、被変調光をツルからヒンジ部を経由して走查部に伝送しなければならなレ、。この場合、被変調光をツルから走查部に伝送するための導波路は、例えば、ヒンジ部の動作に連動して接触 ·離間するように、 2分割しなければならなレ、可能性がある。

[0057] これに対し、本項に係る装置においては、走查部が、前枠にではなくツルに設けられている。したがって、この装置によれば、導波路がヒンジ部を経由せずに済むため、走查部が前枠に設けられる場合に比較し、導波路の構造を単純化することが容易となる。

[0058] (21) 前記フレームは、前枠と、その前枠に連結された 2本のツルとを備えた眼鏡型に形成され、

前記走査部は、前記観察者の両眼にそれぞれ対応して 2つ設けられ、前記光伝送部は、前記被変調光出力部から出力された被変調光を前記 2つの查部にそれぞれ伝送するためにそれら走査部の数と同数、前記 2本のツルのうちの一方に設けられた（1)または（2)項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[0059] この装置においては、フレームが、前枠と 2本のツルを備えた眼鏡型に形成され、さらに、 2つの光伝送部が 1本のツルにまとめて設けられている。したがって、この装置によれば、それら 2つの光伝送部が 2本のツルに分配されて設けられる場合に比較し、例えば、フレームのうち、それら 2つの光伝送部を支持する構造を単純化することが容易となる。

[0060] (22) 前記光伝送部は、光をアナログ信号として伝達するフレキシブルな光ファイバであって、光を伝送する際の光の損失量が前記光伝送部の曲がりに実質的に依存しない光学特性を有するものとして構成されている（1)ないし（21)項のいずれかに記載の網膜走査型 [0061] この装置によれば、光ファイバの曲がりがあっても、光ファイバによる光の伝送特性が変化することが抑制される。よって、この装置によれば、光伝送部の曲がりに影響を受けることなぐ光として伝送すべきアナログ信号を安定して伝送することが容易となる。

[0062] 本項における「曲がり」は、例えば、曲率半径として表現したり、屈曲角度として表現することが可能である。また、捩じれを含む概念として定義することも可能である。

[0063] (23) 前記光ファイバは、フォトニック結晶ファイバである（22)項に記載の網膜走查型ディスプレイ装置。

[0064] (24) 前記フォトニック結晶ファイバは、コア部とそれを覆うクラッド部とを含み、そのクラッド部は、シリカガラス中に前記光の波長と同程度の周期で複数個のエアホールが規則的に配列された結晶構造を有する（23)項に記載の網膜走査型

[0065] (25) 物理的に互いに独立した複数個のユニットが、それらユニット間において光をアナログ信号として伝達するフレキシブルな光伝送部によって互いに接続される光伝送装置であって、

前記光伝送部は、光を伝送する際の光の損失量が前記光伝送部の曲がりに実質的に依存しない光学特性を有する光ファイバとして構成されている光伝送装置。

[0066] 光を伝送する光伝送装置が既に存在する。この光伝送装置の一形式として、物理的に互いに独立した複数個のユニットが、それらユニット間において光をアナログ信号として伝達するフレキシブルな光伝送部によって互いに接続される光伝送装置が既に知られている。その一例が日本国特開平 6-138499号公報に開示されている。

[0067] この公報には、この種の光伝送装置の一従来例として、眼鏡型の網膜走査型ディスプレイ装置が記載されている。この装置は、眼鏡のレンズの如き反射器と、光学スキヤナと、レーザ光源と、ファイバリレーとを含むように構成されている。光学スキャナとレーザ光源とはファイバリレーによって互いに接続されている。

[0068] この種の光伝送装置においては、物理的に互いに独立した複数個のユニットがフレキシブルな光伝送部によって互いに接続されるが、この光伝送装置の使用中、光伝送部に揺れや曲げが発生する場合がある。光伝送部の曲がりが動的に変化する場合があるのである。

[0069] この種の光伝送装置においては、光伝送部が、それの曲がりの動的変化にもかかわらず、伝送すべき光を損失なしで伝送することが理想的である。し力ながら、従来の光伝送装置においては、光伝送部が光を伝送する際の光の損失量がその光伝送部の曲がりに依存する傾向があつたため、光伝送部による光の伝送特性が時間的に安定しないィ頃向があった。

[0070] 例えば、光伝送装置が、光によって画像を表示する画像表示装置として具現化される場合には、光伝送部による光の伝送特性が不安定であると、表示される画像がちらついたり、ノイズが混入し易い。

[0071] このような事情を背景として、本項に係る光伝送装置は、物理的に互いに独立した複数個のユニットが、それらユニット間において光をアナログ信号として伝達するフレキシブルな光伝送部によって互いに接続される光伝送装置において、光伝送部による光の伝送特性を安定化することを課題としてなされたものである。

[0072] この装置においては、光伝送部が光ファイバとして構成され、かつ、その光ファイバは、光を伝送する際の光の損失量が光ファイバの曲がりに実質的に依存しない光学特性を有するものとして構成されている。したがって、この装置によれば、光ファイバの曲がりがあっても、光ファイバによる光の伝送特性が変化することが抑制される。よつて、この装置によれば、光伝送部の曲がりに影響を受けることなぐ光として伝送すべきアナログ信号を安定して伝送することが容易となる。

[0073] 本項における「曲がり」は、例えば、曲率半径として表現したり、屈曲角度として表現することが可能である。また、捩じれを含む概念として定義することも可能である。

[0074] 本項に係る「光伝送装置」は、画像情報を伝送するために使用することが可能であるが、他の用途に使用することも可能である。例えば、画像情報に代えて画像情報および音声情報を伝送するために使用することが可能である。

[0075] (26) 前記複数個のユニットは、表示すべき画像の光束を出射する出射部を備えた第 1ユニットと、その第 1ユニットから出射した光束を画像表示面上に表示するために走查する走查部を備えた第 2ユニットとを含み、それら第 1ユニットと第 2ユニットとは前記光ファイバによって互いに接続されている（25)項に記載の光伝送装置。 [0076] この装置は、光束によって画像表示面上に画像を表示するとレ、う用途に、前記（25 )項に係る光伝送装置を適合させたものであり、この装置は、物理的に互いに独立した第 1ユニットと第 2ユニットとを含んでいる。

[0077] 第 1ユニットは、光束を出射する出射部を備えており、第 2ユニットは、その第 1ュニットから出射した光束を走查する走查部を備えている。そして、それら第 1ユニットと第 2ユニットとは、前記（25)項における光ファイバによって互いに接続されている。

[0078] したがって、この装置によれば、その装置の使用中に、第 1ユニットと第 2ユニットとの相対位置が変化して光ファイバの曲がりが変化しても、それらユニット間の光フアイバ内に伝送される光の量が安定化される。よって、この装置によれば、使用中における光ファイバの曲がりの動的変化にもかかわらず、画像表示面上に表示される画像の品質が安定化させられる。

[0079] (27) 前記第 2ユニットは、さらに、前記光束の波面を変調する波面変調部を備えてレ、る（26)項に記載の光伝送装置。

[0080] 前記（26)項に係る光伝送装置は、光束の波面を変調する波面変調部を含む態様で実施することが可能である。この態様においては、その波面変調部を、第 1ユニットに設けることも、第 2ユニットに設けることも可能である。

[0081] しかし、光ファイバを使用する場合には、その光ファイバに入射した光束の光学的性質につき、保存することが不可能であるかまたは可能であるにしても困難である光学的性質が存在するのが通常である。そのため、光ファイバによっては保存が少なくとも困難である光学的性質を保存することが必要である場合には、そのような光学的性質を有する光束を光ファイバを通過させなレ、ことが望ましレ、。

[0082] 一方、光束の波面を変調する場合には、その波面の曲率に応じて光束の拡がり角が変化し、その拡がり角が維持されるように光束を伝送することが必要である場合がめる。

[0083] そこで、本項に係る装置においては、波面変調部が、光ファイバの上流側に位置して光束がその光ファイバに入射する第 1ユニットにではなぐ光ファイバの下流側に位置して光束がその光ファイバに入射しない第 2ユニットに設けられている。したがって、この装置によれば、光束の光学的特性のうち保存されるべきものが光ファイバによつて喪失されることを回避することが容易となる。

[0084] (28) 前記光ファイバは、フォトニック結晶ファイバである（25)ないし（27)項のいずれかに記載の光伝送装置。

[0085] 光ファイバをフォトニック結晶ファイバとして構成することが既に知られている。このフォトニック結晶ファイバは、光を伝送する際の光の損失量が、フォトニック結晶フアイバの曲がりに実質的に依存しなレ、ファイバであることも既に知られてレ、る。

[0086] そこで、本項に係る装置においては、前記（25)ないし（27)項のいずれかにおける光ファイバがフォトニック結晶ファイバとして構成されている。

[0087] (29) 前記フォトニック結晶ファイバは、コア部とそれを覆うクラッド部とを含み、そのクラッド部は、シリカガラス中に前記光束の波長と同程度の周期で複数個のエアホールが規則的に配列された結晶構造を有する（28)項に記載の光伝送装置。

[0088] (30) 前記第 2ユニットは、観察者の頭部に装着される（26)または（27)項に記載の光伝送装置。

[0089] 第 2ユニットが観察者の頭部に装着される場合、第 1ユニットは腰部等の胴部に装着されることが通常想定される。この場合、光伝送部としての光ファイバには、それら頭部および胴部の相対的な動きによって曲がりや揺れが生じる。

[0090] これに対し、本項に係る装置によれば、光ファイバが前記（25)項における光学特性を有するように構成されるため、その光ファイバの曲がりや揺れにもかかわらず、観察者に表示される画像が安定する。図面の簡単な説明

[0091] [図 1]図 1は、本発明の第 1実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す斜視図である。

[図 2]図 2は、図 1に示す網膜走査型ディスプレイ装置を示す平面図である。

[図 3]図 3は、図 1に示す網膜走査型ディスプレイ装置の光反射面部の回転楕円面を拡大して示す平面断面図である。

[図 4]図 4は、図 3に示す回転楕円面を示す側面断面図である。

[図 5]図 5は、図 1に示す網膜走査型ディスプレイ装置の反射面であって図 3および図 4に示す回転楕円面として形成されたものによる光の反射を説明するための正面図である。

[図 6]図 6は、図 1に示す網膜走査型ディスプレイ装置を示す系統図である。

[図 7]図 7は、本発明の第 2実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す平面図である。

[図 8]図 8は、本発明の第 3実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置におけるッルを示す横断面図である。

[図 9]図 9は、本発明の第 4実施形態に従う網膜走查型ディスプレイ装置におけるッルを示す横断面図である。

[図 10]図 10は、本発明の第 5実施形態に従う網膜走查型ディスプレイ装置におけるツルを示す横断面図である。

[図 11]図 11は、本発明の第 6実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置における前枠とツルとの連結部を示す平面図である。

[図 12]図 12は、図 11における光ファイバと被変調光入力部とを、互いに当接した状態すなわちツルの展開状態で拡大して示す斜視図である。

[図 13]図 13は、図 11における光ファイバと被変調光入力部とを、互いに離間した状態すなわちツルの折畳み状態で拡大して示す斜視図である。

[図 14]図 14は、本発明の第 7実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置における前枠とツルとの連結部を示す部分断面平面図である。

[図 15]図 15は、本発明の第 8実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置における前枠とツルとの連結部を示す部分断面平面図である。

[図 16]図 16は、本発明の第 9実施形態に従う網膜走查型ディスプレイ装置における前枠とツルとを示す平面図である。

[図 17]図 17は、本発明の第 10実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置における前枠とツルと被変調光出力部の電気回路とを示す平面図である。

[図 18]図 18は、本発明の第 11実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置における前枠とツルと走查部の電気回路とを示す平面図である。

[図 19]図 19は、本発明の第 12実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置における前枠とツルと被変調光出力部および走査部の電気回路とを示す平面図である。

[図 20]図 20は、本発明の第 13実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す側面図である。

[図 21]図 21は、本発明の第 14実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す側面図である。

[図 22]図 22は、本発明の第 15実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す側面図である。

[図 23]図 23は、本発明の第 16実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す斜視図である。

[図 24]図 24は、図 23に示す網膜走查型ディスプレイ装置における 2本のツルの一方を示す平面図および側面図である。

[図 25]図 25は、本発明の第 17実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す斜視図である。

[図 26]図 26は、本発明の第 18実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す斜視図である。

[図 27]図 27は、本発明の第 19実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す斜視図である。

[図 28]図 28は、本発明の第 20実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す平面図である。

[図 29]図 29は、本発明の第 21実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置における光ファイバを示す断面図である。

[図 30]図 30は、図 29に示す光ファイバの物性データを表形式で表す図である。

[図 31]図 31は、本発明の第 22実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置を示す系統図である。

[図 32]図 32は、網膜走査型ディスプレイ装置の一従来例を概念的に表すブロック図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明のさらに具体的に実施の形態のいくつかを複数の図面に基づいて詳細に説明する。それら図面において同一の符号は互いに類似する部分を示している

[0093] 図 1ないし図 6には、本発明の第 1実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置 1が示されている。この網膜走查型ディスプレイ装置 1は、フレーム 2と、被変調光出力部 3と、走查部 4と、光ファイバ 5とを備えている。その光ファイバ 5により、光が伝送される光伝送部または導波路が構成される。その光ファイバ 5は、フォトニック結晶フアイバとして形成することが可能である。

[0094] フレーム 2は、観察者の頭部に装着される。被変調光出力部 3は、レーザ光等の光を画像情報に応じて強度変調し、それを被変調光として出力する。走査部 4は、被変調光を観察者の網膜上において走査し、それにより、その網膜上に画像を表示する

[0095] それら被変調光出力部 3と走查部 4とは、互いに分離して設けられている。すなわち、被変調光出力部 3は、図示しないベルト等の固定具によつて観察者の腰や背中等の部位に装着されて使用される。一方、走査部 4は、フレーム 2に設けられている。それら被変調光出力部 3と走査部 4とは、光ファイバ 5によって光学的に接続されている。光ファイバ 5は、図示しない接着剤等の手段によってフレーム 2に取り付けられている。この光ファイバ 5は、被変調光出力部 3から出力された被変調光を走査部 4に伝送する光伝送部として機能する。

[0096] フレーム 2は、前枠 6と、その前枠 6の両端に連結された 2本のツル 7, 7とによって眼鏡型に形成すれば、眼鏡と同様な使用態様で使用することができる。もっとも、フレーム 2は、観察者の頭部に装着できる形態であればよぐ眼鏡型に限定されるものではない。

[0097] 図 2に示すように、前枠 6には、 2つの光反射面部 8, 8が設けられている。各光反射面部 8は、フレーム 2が観察者の頭部に装着された状態で、観察者の各眼に対面する位置に設けられている。

[0098] 各光反射面部 8は、観察者の眼に対面する光反射面 9を有している。その光反射面 9は、回転楕円面として形成されている。その回転楕円面は、図 4に示すように、図 3に示す楕円形 S1の長軸 Lを回転軸としてその楕円形 S1を回転させることにより、その楕円形 SIの一部によって軌跡として描かれる面 S2として形成される。

[0099] 図 3に示すように、楕円形 S1は、 2つの焦点 A, Bを有している。楕円形の性質の一つとして、図 3に示すように、一方の焦点 Aに配置された光源から出射して楕円形の反射面で反射された光は、他方の焦点 Bに集まるという特性がある。そして、光反射面 9は前述のように回転楕円面として形成されているため、図 5に示すように、一方の焦点 Aから出射した光は、その後光反射面 9上のいずれの位置 (例えば、図中、 a， b , c， dでそれぞれ示す位置）で反射しても、他方の焦点 Bに集まる。

[0100] したがって、走查部 4のうち、その走查部 4によって走査された走查光が出射する走查光出射部 4a (図 2参照）が楕円形 S1の一方の焦点 Aに位置するように、走查部 4 をッノレ 7に取り付け、かつ、他方の焦点 Bに観察者の眼が位置するようにフレーム 2を形成すれば、図 5に示すように、走查部 4の走查光出射部 4aから出射した走查光は、その後光反射面 9上におけるいずれの位置で反射しても、観察者の眼に集まることとなる。

[0101] 図 6に示すように、被変調光出力部 3は、画像信号処理回路 10と、赤色光源 11，緑色光源 12および青色光源 13と、コリメートレンズ 14, 15, 16と、波長選択性ミラー 17, 18, 19 (例えば、ダイクロイツクミラー）と、フォーカスレンズ 20とを備えている。

[0102] 画像信号処理回路 10は、画像データに基づいて、赤色光源 11、緑色光源 12および青色光源 13に対しては強度変調信号を出力し、走査部 4に対しては制御信号を出力する。赤色光源 11、緑色光源 12および青色光源 13からの各出射光は、各コリメートレンズ 14, 15， 16によって略平行光線に変換された後、各波長選択性ミラー 1 7, 18, 19によって合波され、やがて、フォーカスレンズ 20によって集光されて光ファィバ 5に入射するようになっている。前記制御信号は、被変調光出力部 3から走查部 4に、光ファイバ 5によって伝送され、または、光ファイバ 5とは別の伝送媒体の一例である電気ケーブルによって伝送される。

[0103] 図 6に示すように、走查部 4は、コリメートレンズ 21と、第 1偏向器 22と、リレーレンズ

23と、第 2偏向器 24と、リレーレンズ 25と、制御回路 26と、ビームディテクタ 27とを備えている。

[0104] コリメートレンズ 21は、光ファイバ 5の光出力端に設けられて、その光ファイバ 5から出力された被変調光を略平行な光線に変換する。第 1偏向器 22は、回転軸 28まわりに回転可能に設けられている。この第 1偏向器 22の一例は、ポリゴンミラーである。この第 1偏向器 22は、コリメートレンズ 21を通過した光線を、第 1偏向器 22の回転位置に応じた方向へ反射する。リレーレンズ 23は、第 1偏向器 22によって反射された光線を第 2偏向器 24に集光して入射させる。その第 2偏向器 24は、回転軸 29まわりに揺動可能に設けられている。この第 2偏向器 24の一例は、ガルバノミラーである。この第 2偏向器 24は、リレーレンズ 23を通過した光線を、第 2偏向器 24の回転位置に応じた方向へ反射する。リレーレンズ 25は、第 2偏向器 24で反射された光線を、観察者の眼 Mの虹彩 Mlで囲まれた瞳孔 M2および水晶体 M3を通過して網膜 M4上に集光させ、それにより、網膜 M4上に画像が表示される。

[0105] 制御回路 26は、被変調光出力部 3から伝送されてきた制御信号に基づき、第 1および第 2偏向器 22， 24の偏向を制御することにより、観察者の網膜 M4上において被変調光を走査して画像を表示する。

[0106] ビームディテクタ 27は、第 1偏向器 22から出射するビームを検出することにより、そのビームが特定の位置に到達したことを検出する。そのビームディテクタ 27からの信号は制御回路 26を経由して画像信号処理回路 10に供給される。その供給された信号に基づき、画像信号処理回路 10は、各光源 11 , 12, 13の発光タイミングを制御し、それにより、網膜 M4上において走査される被変調光の始点が調整される。

[0107] 次に、上記のように構成された網膜走査型ディスプレイ装置 1の使用方法および作動について説明する。

[0108] まず、網膜走査型ディスプレイ装置 1を使用したいと希望する観察者は、被変調光出力部 3を観察者の腰や背中等にベルト等の固定具によつて装着する。その後、通常の眼鏡と同様に、フレーム 2のツル 7を観察者の耳に掛けることにより、フレーム 2を観察者の頭部に装着する。この状態においては、図 2に示すように、フレーム 2の各光反射面部 8に設けられた光反射面 9の一方の焦点には走查部 4の走查光出射部 a が位置し、他方の焦点には観察者の眼が位置することになる。

[0109] その後、被変調光出力部 3が起動させられると、レーザ光が、図 6に示す被変調光出力部 3において画像情報に応じて強度変調されて被変調光として出力される。その被変調光は、光ファイバ 5によって伝送されて走査部 4に入力される。

[0110] 図 2に示すように、その走査部 4が被変調光を光反射面 9に照射すると、その被変調光は光反射面 9で反射されて光反射面 9の焦点に集まる。その焦点には観察者の眼が位置しているため、観察者の網膜 M4上において被変調光が走査されて画像が表示される。

[0111] 本実施形態においては、光ファイバ 5がフレーム 2に取り付けられるため、観察者が動いても、その光ファイバ 5のうちフレーム 2に取り付けられている部分はフレーム 2に対して振動するおそれが少なレ、。すなわち、光ファイバ 5のうち走查部 4との接続部近傍は、走查部 4に対して振動するおそれが少ないのである。そのため、光ファイバ 5によって伝送される信号がアナログ信号であっても、その信号は、光ファイバ 5の振動に基づくノイズを含むことなぐ光ファイバ 5によって走查部 4へ伝送される。

[0112] 本実施形態においては、光反射面部 8を透光性の部材によって形成することが可能である。この場合には、観察者はその光反射面部 8を通して周囲の実外界を目視することができるため、観察者は、光ファイバ 5によって被変調光出力部 3から伝送される画像に重ね合わせるようにして周囲の実外界を目視することができる。

[0113] 本実施形態においては、フレーム 2が、観察者の頭部に装着できるタイプであるため、観察者は例えば、手作業をしながら、被変調光出力部 3から伝送される画像を目視すること力できる。

[0114] さらに、本実施形態においては、走査部 4から出力される被変調光は光反射面 9で一旦反射された後に観察者の眼に入射するため、光反射面 9の面積を広くすることにより、観察者の網膜 M4上において被変調光を広い範囲に走査することができ、よつて、大きな画角を有するように画像を表示することができる。

[0115] なお、本実施形態においては、フレーム 2の光反射面 9が回転楕円面として形成されているが、走查部 4の第 1偏向器 22の偏向角および第 2偏向器 24の偏向角を調整することにより、走查部 4から出射した被変調光が観察者の眼 Mの瞳孔 M2および水晶体 M3を通過して網膜 M4上に結像するようにすれば、光反射面 9を回転楕円面以外の平面や曲面として形成しても、同様の作用効果を奏することができる。

[0116] 次に、図 7を参照しつつ、本発明の第 2実施形態を説明する。 [0117] 本実施形態においては、第 1実施形態とは異なり、光反射面部 8および光反射面 9 が設けられていない。本実施形態の特徴は、フレーム 2が観察者の頭部に装着された状態で、 2つの走査部 4が観察者の各眼 Mにそれぞれ対面するように、前枠 6に設けられている点にある。各走查部 4のうちの走查光出射部 4aは、観察者の各眼 Mに対面する位置に配置され、各走査部 4から出射した被変調光は、直接、観察者の各眼 Mの瞳孔 M2および水晶体 M3を通過して網膜 M4上に達し、その網膜 M4上において走査される。

[0118] 本実施形態においては、第 1実施形態と比較し、回転楕円面として形成された光反射面を前枠 6に形成する必要がないため、網膜走査型ディスプレイ装置の製作が容易になる。

[0119] 次に、図 8を参照しつつ、本発明の第 3実施形態を説明する。

[0120] 本実施形態の特徴は、ツル 7の外側面に沿って光ファイバ 5を固定するために、ッノレ 7の外側面にその外側面に沿って複数の止具 31を設けた点にある。止具 31は、概して環状を成しており、ツル 7と共同する力または単独で、光ファイバ 5が挿通される揷通孔 32を内部に備えている。止具 31は、ツル 7と一体に形成してもよいし、ツル 7とは別体に形成してツル 7に取り付けるようにしてもよい。

[0121] 本実施形態に従って網膜走査型ディスプレイ装置を組み立てる場合には、光フアイバ 5が止具 31の揷通孔 32内に揷通されて配線され、それにより、光ファイバ 5がツル 7に沿ってそのツル 7に支持される。その後、光ファイバ 5の両端がそれぞれ被変調光出力部 3と走査部 4とに光学的に接続される。

[0122] 本実施形態においては、第 1実施形態と比較し、光ファイバ 5を止具 31の揷通孔 3 2に揷通させるという簡単な作業により、光ファイバ 5をツル 7に支持させることができる。光ファイバ 5は、ツル 7に対して振動することが抑制され、その結果、安定的にッル 7に支持される。よって、光ファイバ 5のうち走查部 4との接続部近傍は、走查部 4に対して振動することが抑制される。なお、止具 31は、ツル 7に着脱可能に取り付けることにより、光ファイバ 5の揷入を容易にすることができる。

[0123] 次に、図 9を参照しつつ、本発明の第 4実施形態を説明する。

[0124] 本実施形態においては、ツル 7の内部に揷通部が設けられ、その揷通部内に光フアイバ 5を挿通させることにより、光ファイバ 5がツル 7に支持されている。特に、本実施形態においては、ツル 7の長手方向に沿ってツル 7の内部を貫通する貫通孔 33が形成され、この貫通孔 33により、前記挿通部が構成される。

[0125] 本実施形態においては、ツル 7に設けられた貫通孔 33内に揷通されるように光ファィバ 5が配線され、その後、光ファイバ 5の両端がそれぞれ被変調光出力部 3と走查部 4とに光学的に接続される。

[0126] 本実施形態においては、第 1実施形態とは異なり、光ファイバ 5がツル 7内に埋設された状態にあるため、観察者の手等に触れる等の事象が原因となって光ファイバ 5が走查部 4に対して振動するおそれがなレ、。

[0127] 次に、図 10を参照しつつ、本発明の第 5実施形態を説明する。

[0128] 本実施形態の特徴は、フレーム 2のツル 7のうち光ファイバ 5が揷通される揷通部を

、ツル 7の側面にその側面に沿って設けられた溝 34によって形成した点にある。

[0129] 本実施形態においては、図 10に示すように、まず、光ファイバ 5が溝 34の外部において、その溝 34の開口部に沿って延びる姿勢で位置決めされる。その後、光フアイバ 5は、それが延びる方向とは直角な方向（図において矢印 Cで示す方向）へ移動させられ、それにより、溝 34内に側方から押し込まれ、その結果、光ファイバ 5が溝 34 内に挿通される。その後、溝 34の開口部の全体または一部が閉塞され、それにより、光ファイバ 5が溝 34から脱落することが防止される。

[0130] なお、以上説明したいくつかの実施形態においてはいずれも、ツル 7に別部材としての光ファイバ 5が設けられているが、光を伝送する機能を有する光伝送部によってツル 7自体を形成すれば、光を伝送するために、ツル 7とは別部材の光ファイバ 5を設ける必要がない。

[0131] 次に、図 11ないし図 13を参照しつつ、本発明の第 6実施形態を説明する。

[0132] 本実施形態においては、フレーム 2が、前枠 6と 2本のツル 7， 7とを有して眼鏡型に形成されている。それら前枠 6とッノレ 7とは、ヒンジ部 36によって互いに連結されることにより、ツル 7が前枠 6に対して折畳み可能になっている。すなわち、ツル 7が前枠 6 に対して、展開状態と折畳み状態とに変位可能になっているのである。ここで、展開状態とは、ヒンジ部 36が伸長した状態をいう。これに対し、折畳み状態とは、ヒンジ部 36が折れ曲がることにより、前枠 6に対してツル 7が折り畳まれる状態をいう。

[0133] 前枠 6は、（a) 2つの光反射面部 8, 8と、（b)それら光反射面部 8, 8同士を互いに連結するブリッジ 37と、（c)それら光反射面部 8， 8の両側にそれぞれ設けられた 2つの智 38， 38とを備えてレ、る。各智 38は、ヒンジ部 36によってツル 7に連結されている

[0134] 各智 38には、走查部 4が設けられている。各走查部 4が各光反射面部 8の光反射面 9の一方の焦点に位置するように設けられており、この点は、第 1実施形態の走查部 4と共通する。

[0135] そして、被変調光出力部 3から出力された被変調光は、光ファイバ 39と被変調光入力部 40とを通って伝送されて、走查部 4に入力される。光ファイバ 39は、被変調光出力部 3とヒンジ部 36との間において、ツル 7に設けられている。これに対し、被変調光入力部 40は、走查部 4とヒンジ部 36との間において、智 38に設けられている。被変調光入力部 40は、光ファイバによって形成することができる。

[0136] 図 12に拡大して示すように、ツル 7が前枠 6に対して展開された状態においては、光ファイバ 39の光出力端と、被変調光入力部 40の光入力端とが互いに当接し、それにより、光ファイバ 39から被変調光入力部 40へ被変調光が入力されるようになつている。一方、図 13に示すように、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態においては、光ファイバ 39の光出力端と、被変調光入力部 40の光入力端とが互いに離間し、それにより、光ファイバ 39から被変調光入力部 40への被変調光の入力が遮断されるようになっている。

[0137] 本実施形態においては、第 1実施形態と比較し、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時に、ツル 7を前枠 6に対して折り畳むことにより、当該網膜走查型デイスプレイ装置 1をコンパクトに収容することが可能である。

[0138] 次に、図 14を参照しつつ、本発明の第 7実施形態を説明する。

[0139] 本実施形態においては、被変調光出力部 3から出力された被変調光は、光フアイバ 39および被変調光入力部 40によって伝送されて走查部 4に入力される。光フアイバ 39は、ツル 7に設けられたツル揷通孔 45内に揷通された状態で設けられている。

[0140] 図 14に示すように、光ファイバ 39のうち被変調光入力部側端部 39aは、被変調光入力部 40へ向けてツル挿通孔 45の開口端から突出している。被変調光入力部 40 は、前枠 6に設けられた前枠揷通孔 46内に挿通された状態で設けられている。被変調光入力部 40の先端は、光ファイバ 39から遠ざかるように前枠揷通孔 46の縁 46a 力、ら前枠揷通孔 46の内部へ向けて後退した位置に位置決めされている。被変調光入力部 40の出射端から出射した光は、例えば、誘導要素としての反射ミラー 47を経てコリメートレンズ 21に誘導される。

[0141] ツル 7が前枠 6に対して展開された状態（フレーム 2の使用状態）にあれば、光フアイバ 39の先端が前枠揷通孔 46内に進入し、その前枠揷通孔 46内において被変調光入力部 40の先端に接触する。この接触状態においては、被変調光出力部 3から出力された被変調光が被変調光入力部 40へ入力される。

[0142] これに対し、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態（フレーム 2の不使用状態）にあれば、光ファイバ 39の先端が被変調光入力部 40の先端力も離間する。この離間状態においては、被変調光出力部 3から出力された被変調光が被変調光入力部 40 へ入力されない。

[0143] このように、光ファイバ 39と被変調光入力部 40とは、接近および離間が選択的に行われ、それに伴い、被変調光出力部 3から被変調光入力部 40への被変調光の入力の許可 ·遮断が選択的に行われるのである。

[0144] 本実施形態においては、ツル 7が折り畳まれた網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時には、光ファイバ 39の先端が被変調光入力部 40から離間するため、走査部 4 力光が外部へ漏洩せずに済む。したがって、網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時に、観察者は、希望しないにもかかわらず、この網膜走査型ディスプレイ装置 1 力の光の放射を顕著に知覚することから回避される。

[0145] 次に、図 15を参照しつつ、本発明の第 8実施形態を示す。

[0146] 本実施形態においては、第 7実施形態と同様に、被変調光出力部 3から出力された被変調光は、光ファイバ 39および被変調光入力部 40によってそれらの順に伝送されて走查部 4に入力される。ただし、本実施形態においては、それら光ファイバ 39 および被変調光入力部 40の先端面同士の相対位置関係が第 7実施形態とは異なつている。 [0147] 被変調光入力部 40は、第 7実施形態と同様に、前枠 6に設けられた前枠揷通孔 46 内に挿通された状態で設けられている。ただし、この被変調光入力部 40の先端は、第 7実施形態とは異なり、光ファイバ 39へ向けて前枠挿通孔 46の開口端から突出している。

[0148] これに対し、光ファイバ 39は、第 7実施形態と同様に、ツル 7に設けられたツル揷通孔 45内に揷通された状態で設けられている。ただし、この光ファイバ 39のうちの被変調光入力部側端部 39aは、第 7実施形態とは異なり、被変調光入力部 40から遠ざかるようにツル揷通孔 45の縁 45aからそのツル揷通孔 45の内部へ向けて後退した位置に位置決めされている。

[0149] したがって、被変調光入力部 40の先端は、ツル揷通孔 45内に進入し、そのツル揷通孔 45内において光ファイバ 39の先端に接触する状態と、光ファイバ 39の先端から離間する状態とに選択的に移行させられる。

[0150] そして、本実施形態において、ツル 7を前枠 6に対して展開すると、被変調光入力部 40の先端が光ファイバ 39の先端に接触して、被変調光出力部 3から出力された被変調光が被変調光入力部 40へ入力される。一方、ツル 7を前枠 6に対して折り畳むと、被変調光入力部 40の先端が光ファイバ 39の選択から離間して、被変調光出力部 3から出力された被変調光は被変調光入力部 40へ入力されない。

[0151] 本実施形態においても、第 7実施形態と同様に、ツル 7が折り畳まれた網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時には、光ファイバ 39の先端が被変調光入力部 40から離間するため、走査部 4から光が外部へ漏洩せずに済む。

[0152] 次に、図 16を参照しつつ、本発明の第 9実施形態を示す。

[0153] 本実施形態の特徴は、図 11に示す第 6実施形態とは異なり、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態において、光ファイバ 39のうちの被変調光入力部側端部 39a力、ら外部へ漏れる光を遮光する遮光部 50を有する点にある。

[0154] 遮光部 50は、基端と先端とを有して板状を成すように形成することができる。この遮光部 50の基端は、被変調光入力部 40の外側に設けられ、一方、その先端は、被変調光入力部 40の光入力端を超えてツル 7側へ向けて延びている。具体的には、遮光部 50は、ツル 7が図 16において二点鎖線で示す折畳み位置にある状態において、そのツル 7の光ファイバ 39の先端から出射する光を受光する位置まで、前枠 6から延びている。

[0155] このように構成された本実施形態においては、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態において、光ファイバ 39のうちの被変調光入力部側端部 39aから出力した光は、遮光部 50の内面に当たって反射することにより、遮光部 50を通過して外部へ漏れてしまうことが防止される。

[0156] なお、遮光部 50の内面に微小な凹凸を形成した場合には、被変調光入力部側端部 39aから出射してその遮光部 50の内面に入射した光は、その内面において乱反射し、一方向へは反射しない。そのため、この場合には、当該網膜走查型ディスプレィ装置 1の不使用時に、光ファイバ 39から放出される光が、観察者に知覚される可能性が一層軽減される。

[0157] 次に、図 17を参照しつつ、本発明の第 10実施形態を説明する。

[0158] 本実施形態においては、被変調光出力部 3の電源 51がその被変調光出力部 3にワイヤ 52によって電気的に接続されている。電源 51は、直流電源でも交流電源でもよい。

[0159] 図 17に示すように、ワイヤ 52は、それの一部がツル 7と前枠 6とに跨ってループ状を成すようにフレーム 2に配線されている。この配線を行うため、ワイヤ 52は、ヒンジ部 36において、ツル 7に位置する第 1部分ワイヤ 53と、前枠 6に位置する第 2部分ワイャ 54とに分断されている。

[0160] 第 1部分ワイヤ 53は、ツル 7に沿って延びる 2本のワイヤによって構成されており、各ワイヤの両端部のうちヒンジ部 36に位置する両端部 55, 55力ツル 7の端面から露出させられている。第 2部分ワイヤ 54は、開端ループ状を成す 1本のワイヤによつて構成されており、それの両端部 56, 56が前枠 6の端面から露出させられている。

[0161] 第 1部分ワイヤ 53の 2個の端部 55， 55と、第 2部分ワイヤ 54の 2個の端部 56， 56とはそれぞれ、ツル 7が前枠 6に対して展開された状態においては、互いに接触する接触状態にある一方、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態においては、互いに離間する離間状態にある。接触状態においては、電源 51から被変調光出力部 3への電力の供給が許可される一方、離間状態においては、電源 51から被変調光出力部 3への電力の供給が遮断される。

[0162] すなわち、本実施形態においては、第 1および第 2部分ワイヤ 53, 54の端部 55, 5 6は、ヒンジ部 36と連動して開閉する接点として機能することにより、被変調光出力部 3と電源 51との間に設けられた電気スィッチとして機能するのである。

[0163] 本実施形態においては、上記の構成により、当該網膜走查型ディスプレイ装置 1の使用時、すなわち、ツル 7が前枠 6に対して展開された状態においては、第 1および第 2部分ワイヤ 53， 54の端部 55, 56同士が接触することにより、電源 51から被変調光出力部 3に電力が供給され、その結果、被変調光出力部 3が被変調光を出力する

[0164] これに対し、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時、すなわち、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態においては、第 1および第 2部分ワイヤ 53， 54の端部 55, 56同士が接触しない状態にあることにより、電源 51から被変調光出力部 3への電力の供給が遮断され、その結果、被変調光出力部 3は被変調光を出力しない。

[0165] 以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1を不使用状態から使用状態に移行させるために観察者がツル 7を前枠 6に対して展開すれば自動的に、被変調光出力部 3が電源 51から電力を供給されて作動する。一方、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1を使用状態から不使用状態に移行させるために観察者がツル 7を前枠 6に対して折り畳めば自動的に、電源 51から被変調光出力部 3への電力の供給が遮断される。

[0166] したがって、本実施形態によれば、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時に、観察者が当該網膜走査型ディスプレイ装置 1のメインスィッチをオフにし忘れても、電力が無駄に消費されずに済み、その結果、節電が容易になる。

[0167] 次に、図 18を参照しつつ、本発明の第 11実施形態を説明する。

[0168] 本実施形態においては、走查部 4の電源 61がその走查部 4にワイヤ 62によって電気的に接続されている。電源 61は、直流電源でも交流電源でもよい。ワイヤ 62は、ヒンジ部 36において第 1部分ワイヤ 63と第 2部分ワイヤ 64とに分断されている。第 1部分ワイヤ 63の両端部 65, 65は、前枠 6の端面において露出させられる一方、第 2部分ワイヤ 64の両端部 66, 66は、ツル 7の端面において露出させられている。 [0169] それら第 1および第 2部分ワイヤ 63, 64の端部 65, 66は、ツル 7が前枠 6に対して展開された状態においては、互いに接触し、電源 61から走査部 4に電力が供給される一方、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態においては、互いに離間し、電源 6 1から走查部 4への電力の供給が遮断される。

[0170] すなわち、本実施形態においては、第 1および第 2部分ワイヤ 63， 64の端部 65， 6 6は、ヒンジ部 36と連動して開閉する接点として機能することにより、走查部 4と電源 6 1との間に設けられた電気スィッチとして機能するのである。

[0171] 本実施形態においては、上記の構成により、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1を使用するために観察者がツル 7を前枠 6に対して展開すると、第 1および第 2部分ワイャ 63, 64の端部 65, 66同士が接触し、それにより、走查部 4に電源 61から電力が供給され、その結果、走查部 4が作動する。

[0172] 一方、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1を使用することが不要となったため、観察者がツル 7を前枠 6に対して折り畳むと、第 1および第 2部分ワイヤ 63, 64の端部 65 , 66同士が離間し、それにより、電源 61から走査部 4への電力の供給が遮断され、その結果、走査部 4の作動が停止する。

[0173] 以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1を使用するために、観察者がツル 7を前枠 6に対して展開すれば、走査部 4が電源 61から電力を供給されて作動する。一方、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時においては、観察者がツル 7を前枠 6に対して折り畳めば、電源 61から走査部 4への電力の供給が停止する。したがって、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時に電力が無駄に消費されずに済む。

[0174] 次に、図 19を参照しつつ、本発明の第 12実施形態を説明する。

[0175] 本実施形態の特徴は、被変調光出力部 3と走査部 4とに共通の電源 71がそれら被変調光出力部 3および走查部 4にワイヤ 72によって電気的に接続されている。電源 7 1は、直流電源でも交流電源でもよい。

[0176] ワイヤ 72は、ヒンジ部 36において、第 1部分ワイヤ 73と第 2部分ワイヤ 74とに分断されている。第 1部分ワイヤ 73の両端部 75, 75は、ツル 7の端面において露出させられている。第 2部分ワイヤ 74の両端部 76， 76は、前枠 6の端面において露出させられている。

[0177] それら第 1および第 2部分ワイヤ 73, 74の端部 75, 76は、ツル 7が前枠 6に対して展開された状態において、互いに接触し、電源 71から被変調光出力部 3および走査部 4に電力が供給される。これに対し、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態においては、互いに離間し、電源 71から被変調光出力部 3および走查部 4への電力の供給が遮断される。それら第 1および第 2部分ワイヤ 73, 74の端部 75, 76は、ヒンジ部 36と連動する接点として機能することにより、被変調光出力部 3および走查部 4と電源 71との間に設けられた電気スィッチとして機能する。

[0178] 本実施形態においては、上記の構成により、当該網膜走查型ディスプレイ装置 1の使用時、すなわち、ツル 7が前枠 6に対して展開された状態においては、第 1および第 2部分ワイヤ 73， 74の端部 75, 76同士が接触することにより、被変調光出力部 3 および走查部 4に電源 71から電力が供給され、その結果、被変調光出力部 3および走査部 4が作動する。これに対し、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時、すなわち、ツル 7が前枠 6に対して折り畳まれた状態においては、第 1および第 2部分ワイヤ 73， 74の端部 75, 76同士が離間することにより、電源 71から被変調光出力部 3および走査部 4への電力の供給が停止し、その結果、被変調光出力部 3および走查部 4は作動しない。

[0179] このように、本実施形態においては、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の使用時においては、ツル 7を前枠 6に対して展開すれば被変調光出力部 3および走査部 4が電源 71から電力を供給されて作動する一方、当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の不使用時においては、ツル 7を前枠 6に対して折り畳めば被変調光出力部 3および走查部 4に対する電源 71からの電力の供給が停止する。したがって、当該網膜走查型ディスプレイ装置 1の不使用時に、電力が無駄に消費されずに済み、さらに、被変調光出力部 3および走查部 4の無駄な作動に起因した部品の故障が抑制される。

[0180] なお、本実施形態においては、電力が外部から被変調光出力部 3および走查部 4 に供給されるパワーラインが選択的に接続 '遮断されることにより、それら被変調光出力部 3および走查部 4の作動が選択的に許可 *禁止されるようになっているが、外部力被変調光出力部 3および走査部 4に供給される指令信号ラインが選択的に接続 •遮断されることにより、それら被変調光出力部 3および走査部 4の作動が選択的に許可'禁止される態様で本発明を実施することが可能である。

[0181] 次に、図 20を参照しつつ、本発明の第 13実施形態を説明する。

[0182] 本実施形態においては、前枠 6と 2本のツル 7, 7とによってフレーム 2が構成され、各ツル 7は、前枠 6に連結された連結部 80と、耳掛け部 81とによって構成されている。連結部 80は、概して直線的に延びる部分であるのに対し、耳掛け部 81は、連結部 80の先端から屈曲して延びる部分である。光ファイバ 5は、連結部 80に沿って延びるようにツル 7に装着されており、それにより、走查部 4と被変調光出力部 3とに接続されている。

[0183] 本実施形態においては、光ファイバ 5が、ツル 7の連結部 80に沿って延び、その延長線上において被変調光出力部 3に接続される。したがって、被変調光出力部 3が連結部 80の延長線上に配置される場合には、光ファイバ 5が大きく折れ曲がらずに済み、光ファイバ 5が過大な屈曲によって破損する可能性が低減する。

[0184] 次に、図 21を参照しつつ、本発明の第 14実施形態を説明する。

[0185] 本実施形態においては、図 20に示す第 13実施形態と同様に、前枠 6と 2本のツル 7, 7とによってフレーム 2が構成され、各ツル 7は、前枠 6に連結された連結部 80と、耳掛け部 81とによって構成されている。耳掛け部 81は、フレーム 2が観察者の頭部に装着された状態で、観察者の耳に掛かり易いように、連結部 80の先端から、その延長方向に対して斜め下方へ屈曲した状態で延びてレ、る。本実施形態にぉレ、ては、光ファイバ 5が、連結部 80と耳掛け部 81との連結部において屈曲したツル 7に沿つて延びる状態でそのツル 7に装着されている。それにより、光ファイバ 5は、耳掛け部 81の延長線上において被変調光出力部 3に光学的に接続される。

[0186] 本実施形態においては、光ファイバ 5がツル 7の耳掛け部 81に沿って延び、さらに、その耳掛け部 81の延長線に沿って延び、その延長線上において被変調光出力部 3に接続される。したがって、被変調光出力部 3が耳掛け部 61の延長線上に配置される場合には、光ファイバ 5が大きく折れ曲がらずに済み、光ファイバ 5が過大な屈曲によって破損する可能性が低減する。

[0187] 次に、図 22を参照しつつ、本発明の第 15実施形態を説明する。 [0188] 本実施形態においては、第 13および第 14実施形態と同様に、前枠 6と 2本のッノレ 7, 7とによってフレーム 2が構成され、各ツル 7は、前枠 6に連結された連結部 80と、耳掛け部 81とによって構成されている。その耳掛け部 81は、フレーム 2が観察者の頭部に装着された状態で、観察者の耳に掛かり易いように、連結部 80の先端から、その延長方向に対して斜め下方へ屈曲した状態で延びている。

[0189] 本実施形態においては、被変調光出力部 3が耳掛け部 81に配置されている。その耳掛け部 81は、連結部 80に沿ってその連結部 80に設けられた光ファイバ 5によって走查部 4と光学的に接続されている。

[0190] 本実施形態においては、光ファイバ 5がその全長に亘つてツル 7の連結部 80によつてリジッドに支持されるため、光ファイバ 5が振動する可能性が低レ、。したがって、本実施形態によれば、光ファイバ 5によって伝送される信号にノイズが混入してしまう可能性も低い。

[0191] 次に、図 23および図 24を参照しつつ、本発明の第 16実施形態を説明する。

[0192] 本実施形態においては、第 13実施形態ないし第 15実施形態と同様に、図 23に示すように、前枠 6と 2本のツル 7, 7とによってフレーム 2が構成され、各ツル 7は、前枠 6に連結された連結部 80と、耳掛け部 81とを含むように構成されている。耳掛け部 8 1は、図 24 (b)に示すように、観察者の耳に掛カり易いように、略水平に延びる連結部 80の先端から、その延長方向に対して斜め下方へ屈曲している。

[0193] 本実施形態においては、光ファイバ 5が、走査部 4から、連結部 80に沿って略直線的に延びる第 1部分 90と、その第 1部分 90の末端力も被変調光出力部 3に延びる第 2部分 92とを含むように構成されている。第 1部分 90は連結部 80に装着されている。第 1部分 90と第 2部分 92との連結部が、装着具 94によってツル 7に装着されている。装着具 94は、第 2部分 92の自然状態において、特定の方向に延びるように、光ファィバ 5をツル 7に装着する。すなわち、装着具 94は、第 2部分 92が自然状態において延びる方向を規定してレ、るのである。

[0194] 具体的には、第 2部分 92は、側面視においては、図 24 (b)に示すように、第 1部分 90との連結部から下方に鋭角的に屈曲し、かつ、平面視においては、同図（a)に示すように、第 1部分 90との連結部から、観察者の頭部から遠ざかる向きに鋭角的に屈曲するように、ツル 7に装着されている。そのように配置された第 2部分 92の末端は、被変調光出力部 3に光学的に接続される。

[0195] 本実施形態によれば、第 2部分 92が観察者の頭部および耳に干渉し難いように配置されるため、第 2部分 92の略延長線上において光ファイバ 5に被変調光出力部 3 が接続される場合には、フレーム 2が観察者の頭部に装着されている状態からフレーム 2が左右に傾斜させられたり、前方に取り外されたりする際に、光ファイバ 5が観察者の頭部や耳に強く当たって大きく屈曲する可能性が軽減される。したがって、本実施形態によれば、光ファイバ 5が過大な屈曲によって破損する可能性が軽減され、さらに、観察者の頭部に対する当該網膜走査型ディスプレイ装置 1の装着'取外し易さが向上する。

[0196] 次に、図 25を参照しつつ、本発明の第 17実施形態を説明する。

[0197] 本実施形態においては、図 11に示す第 6実施形態と同様に、前枠 6と 2本のツル 7 , 7とによってフレーム 2が構成され、各前枠 6は、 2つの光反射面部 8, 8と、それら光反射面部 8, 8を互いに連結するブリッジ 37とを含むように構成されている。

[0198] 本実施形態においては、フレーム 2の左右にそれぞれ配置された 2個の走査部 4, 4力それぞれ延びる 2本の光ファイバ 5, 5力 2本のツル 7, 7の一方において 1本の束に束ねられ、その 1本の束の先端が被変調光出力部 3に接続されている。

[0199] 具体的には、一方の光ファイバ 5は、第 6実施形態と同様に、一方の走査部 4から、その走査部 4が配置されたツル 7に沿って延びて被変調光出力部 3に接続されている。これに対し、他方の光ファイバ 5は、他方の走査部 4から、 2つの光反射面部 8, 8 のうちその走査部 4に近いものの上縁、ブリッジ 37の上縁、および他方の光反射面部 8の上縁に沿って延びて、上記一方のツル 7に至っている。この他方の光ファイバ 5は、さらに、上記一方の光ファイバ 5に沿って延び、被変調光出力部 3の手前において係止具 96 (結束具）により、上記一方の光ファイバ 5に束ねられている。本実施形態においては、 1つの被変調光出力部 3により、 2つの走查部 4， 4がそれぞれ制御される。

[0200] このように構成された本実施形態においては、 2つの走查部 4, 4にそれぞれに接続された 2本の光ファイバ 5, 5は、リング状の係止具 96によって 1束にまとめられた状態で一方のツル 7に沿って延びて被変調光出力部 3に接続される。

[0201] したがって、本実施形態によれば、 2本の光ファイバ 5, 5が 2本のツル 7, 7にそれぞれ分かれて延びて各被変調光出力部 3に接続される場合と比較して、光ファイバ 5 , 5の取り回しの経路およびその作業が簡略化される。

[0202] さらに、本実施形態によれば、 2本の光ファイバ 5， 5が 1束にまとめられた状態でッル 7と被変調光出力部 3との間において延びるため、各光ファイバ 5が他方の光フアイバ 5から分離して、 2本のツル 7， 7のうち対応するものと、 2つの被変調光出力部 3， 3 のうち対応するものとの間において延びる場合より、光ファイバ 5の剛性（特にツル 7と被変調光出力部 3とをつなぐ部分の剛性）がみかけ上増加し、その結果、光ファイバ 5のゆれ等による画質の低下が抑制される。

[0203] 次に、図 26を参照しつつ、本発明の第 18実施形態を説明する。

[0204] 以上説明したいくつかの実施形態においてはいずれも、光ファイバ 5が、走查部 4 力ツル 7に沿って略水平に延びてそのツル 7の先端から外部に出るように配置されている。これに対し、本実施形態においては、図 26に示すように、光ファイバ 5が、ッノレ 7のうち前枠 6との連結部近傍に配置された各走査部 4から下方に延びて外部に出るように配置されている。

[0205] したがって、本実施形態によれば、観察者がフレーム 2を頭部に装着する過程において、光ファイバ 5が耳を通過せずに済むため、観察者は、光ファイバ 5が耳と干渉しないように光ファイバ 5の経路を監視したり調整する煩力解放される。

[0206] 次に、図 27を参照しつつ、本発明の第 19実施形態を説明する。

[0207] 図 26を参照して説明した第 18実施形態においては、光ファイバ 5が走査部 4から下方に延びるようにフレーム 2に配置されている。これに対し、本実施形態においては、図 27に示すように、光ファイバ 5が、ツル 7のうちその走查部 4の設置位置とツル 7 の先端との略中間位置を折れ位置として、走查部 4からその折れ位置までは、ツル 7 に沿って略水平に延び、その後、その折れ位置から下方に延びている。

[0208] その折れ位置においては、例えば、光ファイバ 5のうち略水平に延びる第 1部分と、下方に延びる第 2部分との間に、反射ミラーが設けられ、第 1部分から出射した光が曲げられて第 2部分に誘導される。本実施形態においては、第 1部分および反射ミラ一がツル 7内に坦設されてレ、る。

[0209] したがって、本実施形態によれば、水平に延びる第 1部分と下方に延びる第 2部分とが屈曲によって破損する可能性が低減される。

[0210] 次に、図 28を参照しつつ、本発明の第 20実施形態を説明する。

[0211] 本実施形態においては、図 28に示すように、 2つの走查部 4， 4からそれぞれ延びる 2本の光ファイバ 5， 5が各ツル 7の先端から外部に出た後、 1束に結束され、やがて、 2つの走查部 4， 4に共通の被変調光出力部 3に接続される。それら 2本の光ファィバ 5， 5の結束は、例えばリング状を成す結束具 97を用いて行われる。

[0212] 本実施形態によれば、観察者の頭部にフレーム 2が装着された状態において、 2本のツル 7， 7の先端からそれぞれ延び出る 2本の光ファイバ 5, 5が互いに連結され、その結果、それら 2本のツル 7, 7の先端同士が、連続部材である光ファイバ 5， 5の一部と共同して、閉じたループを形成する。

[0213] フレーム 2が観察者の頭部から離脱すると、観察者の頭部によるフレーム 2の圧迫が解除され、その圧迫の解除後は、観察者の頭部との摩擦力を失い、フレーム 2が自重によって落下しょうとする。

[0214] しかし、本実施形態においては、フレーム 2が観察者の頭部から離脱すると、上記形成されたループが観察者の首に引つかかり、フレーム 2が観察者の首から吊り下げられる。したがって、本実施形態によれば、観察者は、頭部から取り外されたフレーム 2を自ら持ち続けなくても、携帯することが可能である。これは、観察者にとって便利なことである。

[0215] 次に、図 29を参照しつつ、本発明の第 21実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第 1実施形態と共通する要素が多いため、共通する要素については、同一の名称または符号を使用して引用することにより、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ、詳細に説明する。

[0216] 本実施形態においては、光ファイバ 5がフォトニック結晶ファイバ（以下、「PCF」と略称する。）として構成されている。 PCFは、一般的な光ファイバと比較して、それ自体の曲げや揺れに対して安定した光伝送特性を有することが既に知られている。

[0217] 一般的な光ファイバは、コアとそれを囲むクラッドとによって構成され、それらコアとクラッドとは、互いに屈折率が異なる材料を用いて形成されている。具体的には、コアには高屈折率の材料が用いられ、これに対し、クラッドには低屈折率の材料が用いられている。これにより、光ファイバに入射した光は、コア内に閉じ込められ、コアからクラッドに漏れることなぐ光ファイバに沿って伝送される。

[0218] これに対し、 PCFは、一般的な光ファイバと同様にして、コア部とこれを囲むクラッド部とによって構成されているが、一般的な光ファイバとは異なり、シリカガラス中にレ一ザ光の波長と同程度の周期で複数個のエアホールが規則正しく配列された結晶構造を有している。具体的には、コア部は、エアホールを有しない状態でシリカによつて形成される一方、クラッド部は、エアホールを有する状態でシリカによって形成されている。

[0219] 図 29には、 PCFの標準的な構造が断面図で示されている。同図に示すように、クラッド部 120とコア部 122とは同一の材料であるシリカによって構成されている。クラッド部 120においては、複数個のエアホール 124が三角配列構造を成すように配列されており、これに対し、コア部 122にはエアホール 124が存在しない。

[0220] このような構造を採用すると、コア部 122は光に対して高屈折率の特性を示すのに対し、クラッド部 120はエアホール 124の存在によって光に対して低屈折率の特性を示す。そのため、一般的な光ファイバと同様に、 PCFに入射した光は、コア部 122内に閉じ込められ、そのコア部 122からクラッド部 120に漏れることなぐ PCFに沿って伝送される。

[0221] この PCFの特徴として、曲げ損失が小さいことが挙げられる。曲げ損失とは、光ファィバが曲げられると生じる光量の損失のことで、曲げ損失が小さいとその光ファイバは曲げや揺れに対して安定した光伝送特性を有してレ、るとレ、える。

[0222] 一般的な光ファイバは、曲率半径が小さくなるほど曲げ損失が大きくなり、曲げや揺れに対して安定した光伝送特性を有することができ難くなる。

[0223] ところで、観察者が網膜走査型ディスプレイ装置 1 (「RSD」とも称される。）を、それのフレーム 2および走査部 4 (以下、「装着部」と総称する。）は頭部に、被変調光出力部 3 (「光源ユニット」として機能する。 )は身体にそれぞれ装着して使用する場合には、それら装着部と被変調光出力部 3とを互いに接続する光ファイバ 5のうち余分な長さの部分を小さい空間内に格納すると、光ファイバ 5に大きな曲がりが発生し、また、観察者の動作に伴って光ファイバ 5に揺れが発生する。従来の網膜走査型ディスプレイ装置では、そのような曲げや揺れが発生すると、光ファイバの曲げ損失が原因で、観察者は安定した品質で画像を観察することができなかった。

[0224] これに対し、本実施形態においては、光ファイバ 5として PCFが用いられ、これにより、光ファイバ 5は常に安定した画像信号を伝送することができる。 PCFの曲げ損失は、伝送される光のある波長領域においては、 PCFの曲率半径に依存することなぐ常に OdBであるという実験データが、文献「フォトニック結晶ファイバ（1) -光学特性- 」（三菱電線工業時報第 99号 2002年 7月発行）によって報告されている。

[0225] 図 30には、 PCFの曲げ損失に関するデータの一例が示されている。これは、三菱電線工業株式会社力商品名「DIAGUIDE (登録商標） PCF Series」のもとに提供している PCFのカタログに掲載されている物性データである。このデータによれば、波長が 0. 63 /i mである可視光を、直径 40mmの円筒面にらせん状に 10回巻き付けられた PCFによって伝送する場合に、その PCFの曲げ損失は OdBである。

[0226] このデータから分かるように、 PCFは曲げ損失が非常に小さぐ曲げや揺れに対して安定した光伝送特性を有してレ、る。

[0227] したがって、本実施形態においては、光ファイバ 5が、 PCFとして構成されることにより、曲げや揺れに対して安定した特性で画像信号を伝送することができるため、観察者が、余分な長さの光ファイバ 5を小さい空間内にらせん状に巻いて格納した場合であっても、網膜走査型ディスプレイ装置 1を装着した状態で観察者が動作した場合であっても、観察者は安定した品質で鮮明な画像を観察することができる。

[0228] よって、本実施形態によれば、 PCFの曲がりの影響を受けることなぐ光として伝送すべきアナログ信号を安定して伝送することが容易となる。

[0229] 以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、被変調光出力部 3と走查部 4とが互いに共同して前記（25)項における「複数個のユニット」の一例を構成し、光ファイバ 5が同項における「光ファイバ」の一例と、前記（28)項における「フォトニック結晶ファイノ」の一例とをそれぞれ構成しているのである。

[0230] さらに、本実施形態においては、光源部 50が前記（26)項における「出射部」の一例を構成し、ポリゴンミラー 100とガルバノミラー 102とが互いに共同して同項における「走査部」の一例を構成し、レーザ光が同項における「光束」の一例を構成し、被変調光出力部 3が同項における「第 1ユニット」の一例を構成し、走査部 4が同項または (30)項における「第 2ユニット」の一例を構成してレ、るのである。

[0231] 次に、図 31を参照しつつ、本発明の第 22実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第 21実施形態と共通する要素が多ぐ異なる要素は走查部 4に関するもののみであるため、異なる要素についてのみ詳細に説明し、共通する要素については、同一の符号または名称を使用して引用することにより、詳細な説明を省略する。

[0232] 第 21実施形態においては、網膜走查型ディスプレイ装置 1の走查部 4が、被変調光出力部 3から出射したレーザ光を主走查方向と副走查方向とに 2次元的に走査するために設けられており、そのため、走查部 4は、主走査のためのポリゴンミラー 22と副走査のためのガルバノミラー 24とを備えている。

[0233] これに対し、本実施形態においては、図 31に示すように、走査部 4が、さらに、光路におけるコリメートレンズ 21とポリゴンミラー 22との間に、レーザ光の波面を変調する波面変調光学系 140を備えている。この波面変調光学系 140は、被変調光出力部 3 力出射したレーザ光の波面（波面曲率）を変調する光学系である。

[0234] 具体的には、この波面変調光学系 140は、集光レンズ 142とそれの光軸上において変位可能な可動ミラー 144との組合せを主体として構成されている。さらに具体的には、波面変調光学系 140は、コリメートレンズ 21から出射したレーザビームが入射するハーフミラー 146と、そこで反射して出射したレーザビームを集光する集光レンズ 142とを備え、さらに、その集光レンズ 142から出射したレーザビームを平面ミラーで反射する可動ミラー 144と、その可動ミラー 144の位置を光軸上において変化させるァクチユエータ 148とを備えている。ァクチユエータ 148の一例は、圧電素子を利用する形式である。この波面変調光学系 140においては、可動ミラー 144において反射したレーザビームが集光レンズ 142およびハーフミラー 146を透過して前述のポリゴンミラー 22に入射する。

[0235] 本実施形態においては、画像信号処理回路 10が、外部から供給された映像信号に基づき、レーザ光の波面を変調するためにァクチユエータ 148に供給することが必要な波面変調信号を生成し、走査部 4に備えられた制御回路 26に供給するように設計されている。ァクチユエータ 148は、制御回路 26に供給された波面変調信号に基づき、波面変調光学系 140から出射するレーザ光の波面を変調する。

[0236] なお付言するに、この波面変調光学系 140においてレーザ光の波面を変調する方式として別のものを採用することが可能である。例えば、ァクチユエータ 148によって焦点距離が変化させられる可変焦点ミラーを用レ、、入射したレーザ光を反射する反射面の曲率を変化させてそのレーザ光の波面を変調するという方式を採用することが可能である。

[0237] したがって、本実施形態によれば、被変調光出力部 3から出射したレーザ光の波面を変調することができるため、奥行きのある画像を表示したり、画像の表示位置と観察者との距離を変化させることが可能となる。

[0238] さらに、本実施形態によれば、波面変調光学系 140が被変調光出力部 3にではなく走査部 4に設けられるため、波面が変調されたレーザ光が光ファイバ 5を通過せずに済む。したがって、本実施形態によれば、波面が変調されたレーザ光の光学的性質が光ファイバ 5によって劣化せずに済む。

[0239] 以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、波面変調光学系 140が前記（27)項における「波面変調部」を構成してレ、るのである。

[0240] なお付言するに、以上説明した網膜走査型ディスプレイ装置 1は、観察者の両眼 M , Mの網膜 M4, M4上にそれぞれ画像を投影する形式である。そのため、網膜走査型ディスプレイ装置 1は、両眼 M, Mのそれぞれについて互いに独立した光学系を備えている。具体的には、各眼 Mごとに、走査部 4と、光反射面部 8 (走査光束を眼 M に入射させて網膜 M4上に投影する投影具）とを備えている。

[0241] さらに付言するに、以上説明した網膜走査型ディスプレイ装置 1においては、投影具としての光反射面部 8は、走查部 4によって走査された光束を反射して網膜 M4に入射させる反射式とされている。具体的には、この光反射面部 8は、通常の眼鏡における各レンズに類似の形状を有するハーフミラーを用いて構成されている。この光反射面部 8においては、観察者に対向する表面が反射面とされており、走查部 4からその反射面に入射した光束がその反射面で反射して眼 Mに入射する。 [0242] 光反射面部 8は、上述の反射機能に加えて、フレーム 2の前方から入射する光を透過して眼 Mに入射させる透過機能も有するものとすることが可能である。この場合には、観察者は、網膜走査型ディスプレイ装置 1から伝送される画像を、光反射面部 8 を透過した眼前の実景に重ね合わせて視認することができる。ただし、光反射面部 8 をハーフミラーを用いて構成することは本発明を実施するうえに不可欠なことではなく、反射機能は有するが透過機能は有しない光学部品を用いて光反射面部 8を構成することが可能である。

[0243] 以上、本発明のいくつかの実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記 [発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である

Claims

請求の範囲

[1] 観察者の眼の網膜上において光を走査することにより、前記網膜上に画像を表示する網膜走査型ディスプレイ装置であって、

前記観察者の頭部に装着されるフレームと、

を含む網膜走査型ディスプレイ装置。

[2] さらに、前記眼に対面するように前記フレームに設けられた光反射面部を含み、前記走査部は、前記被変調光を前記光反射面部に向かって出射しつつ走査する請求の範囲第 1項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[3] 前記光反射面部は、前記眼に対面する楕円面であって 2つの焦点を有するものを含み、その光反射面部は、前記 2つの焦点のうちの一方に前記眼が位置するように配置され、

前記走查部は、その走查部によって走査された走查光の出射部を、前記 2つの焦点のうちの他方に位置するように含み、その走査部は、前記被変調光を前記楕円面に向かって出射しつつ走査することにより、前記被変調光を前記楕円面で反射させ、それにより、前記眼に画像を表示する請求の範囲第 2項に記載の網膜走查型デイスプレイ装置。

[4] 前記光伝送部は、導波路である請求の範囲第 1項に記載の網膜走査型

[5] さらに、前記導波路を前記フレームに固定する止具を含む請求の範囲第 4項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[6] さらに、前記フレーム内において前記導波路が挿通される揷通部を含む請求の範囲第 4項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[7] 前記フレームは、前枠とツルとを有する眼鏡型に形成されている請求の範囲第 1項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[8] 前記フレームは、前枠とツルとを有する眼鏡型に形成され、そのツルは、前記光伝送部によって形成されている請求の範囲第 1項に記載の網膜走查型ディスプレイ装置

[9] さらに、前記フレーム内において前記導波路が揷通される揷通部を含み、その揷通部は、前記ツルに設けられた請求の範囲第 7項に記載の網膜走查型ディスプレイ装

[10] 前記ツルは、前記前枠に連結される連結部と、その連結部から曲がって延びる形状を有して前記観察者の耳に掛けられる耳掛け部とを含むように構成され、

前記光伝送部は、導波路であり、その導波路は、前記連結部に沿って延びて、その略延長線上において前記被変調光出力部に接続される請求の範囲第 7項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[11] 前記ツルは、前記前枠に連結される連結部と、その連結部から曲がって延びる形状を有して前記観察者の耳に掛けられる耳掛け部とを含むように構成され、

前記光伝送部は、導波路であり、その導波路は、前記耳掛け部に沿って延びて、その略延長線上において前記被変調光出力部に接続される請求の範囲第 7項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[12] 前記光伝送部は、導波路であり、その導波路は、側面視においては、前記ツルのうち、前記前枠と連結される基端から先端に向力向きに対して下方に斜めに折れ曲力 ¾向きを有し、かつ、平面視においては、前記観察者の頭部から遠ざかる向きを有するように、前記ツルカ延び出て前記被変調光出力部に接続される請求の範囲第

7項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[13] 前記被変調光出力部は、前記耳掛け部に装着される請求の範囲第 10項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[14] さらに、前記前枠と前記ツルとの間に設けられ、それら前枠とツルとを、ツルが前枠に対して折畳み可能に連結するヒンジ部を含み、

前記走査部は、前記前枠に設けられ、前記光伝送部は、導波路であり、その導波路は、前記被変調光出力部と前記ヒンジ部との間におレ、て延びるように前記ツルに設けられ、

前記導波路の一端部と、前記被変調光入力部の一端部とは、前記ツルが前記前枠に対して展開された展開状態においては、前記ヒンジ部において互いに接触して、前記導波路から前記被変調光入力部への前記被変調光の伝送を許可する一方、前記ツルが前記前枠に対して折り畳まれた折畳み状態においては、互いに離間して、前記導波路から前記被変調光入力部への前記被変調光の伝送を遮断する請求の範囲第 7項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[15] 前記導波路は、前記ツルに設けられたツル揷通孔内に揷通され、その導波路の両端部のうち、前記被変調光入力部に近い側の端部である被変調光入力部側端部は、前記ツル揷通孔から突出して設けられ、

前記被変調光入力部は、前記前枠に設けられた前枠揷通孔内に挿通され、その被変調光入力部のうち、前記導波路に近い端部は、前記前枠挿通孔の縁からその前枠挿通孔の内部へ後退した位置に設けられ、

前記導波路は、前記展開状態においては、前記前枠揷通孔内に進入して前記被変調光入力部に接触する一方、前記折畳み状態においては、前記被変調光入力部力離間する請求の範囲第 14項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[16] 前記被変調光入力部は、前記前枠に設けられた前枠揷通孔内に挿通され、その被変調光入力部は、前記前枠揷通孔から突出して設けられ、

前記導波路は、前記ツルに設けられたツル揷通孔内に揷通され、その導波路の両端部のうち、前記被変調光入力部に近い側の端部である被変調光入力部側端部は、前記ツル揷通孔の縁からそのツル揷通孔の内部へ後退した位置に設けられ、前記被変調光入力部は、前記展開状態においては、前記ツル揷通孔内に進入して前記導波路に接触する一方、前記折畳み状態においては、前記導波路から離間する請求の範囲第 14項に記載の網膜型

[17] さらに、前記折畳み状態において、前記導波路の両端部のうち前記被変調光入力部に近い側の端部から出射する被変調光を遮る遮光部を含む請求の範囲第 14項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[18] さらに、前記ヒンジ部に設けられ、前記被変調光出力部の電気回路を前記ヒンジ部の動作に連動してオンオフする電気スィッチを含み、その電気スィッチは、前記展開状態においては、オンされて前記被変調光出力部の作動を許可する一方、前記折畳み状態においては、オフされて前記被変調光出力部の作動を禁止する請求の範囲第 14項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[19] さらに、前記ヒンジ部に設けられ、前記走查部の電気回路を前記ヒンジ部の動作に連動してオンオフする電気スィッチを含み、その電気スィッチは、前記展開状態においては、オンされて前記走查部の作動を許可する一方、前記折畳み状態においては、オフされて前記走査部の作動を禁止する請求の範囲第 14項に記載の網膜走査型

[20] さらに、前記前枠と前記ツルとの間に設けられ、それら前枠とツルとを、ツルが前枠に対して折畳み可能に連結するヒンジ部を含み、

前記走査部は、前記ツルに設けられた請求の範囲第 7項に記載の網膜走査型ディ

[21] 冃 U ^=lフレームは、前枠と、その前枠に連結された 2本のツルとを備えた眼鏡型に形成され、

前記走査部は、前記観察者の両眼にそれぞれ対応して 2つ設けられ、前記光伝送部は、前記被変調光出力部から出力された被変調光を前記 2つの查部にそれぞれ伝送するためにそれら走查部の数と同数、前記 2本のツルのうちの一方に設けられた請求の範囲第 1項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。

[22] 前記光伝送部は、光をアナログ信号として伝達するフレキシブルな光ファイバであつて、光を伝送する際の光の損失量が前記光伝送部の曲がりに実質的に依存しない光学特性を有するものとして構成されている請求の範囲第 1項に記載の網膜走査型

[23] 前記光ファイバは、フォトニック結晶ファイバである請求の範囲第 22項に記載の網膜 [24] 前記フォトニック結晶ファイバは、コア部とそれを覆うクラッド部とを含み、そのクラッド部は、シリカガラス中に前記光の波長と同程度の周期で複数個のエアホールが規則的に配列された結晶構造を有する請求の範囲第 23項に記載の網膜走査型ディスプレイ装置。