明 細 書
ディスク駆動装置、及びディスク駆動装置の取り付け機構
技術分野
[0001] 本発明は、ディスク駆動装置のシステム本体への取り付けに関する。本発明は、シ ステム本体に取り付けるための構成を備えたディスク駆動装置に関し、また、ディスク 駆動装置とシステム本体との間において協動し、ディスク駆動装置をシステム本体に 取り付ける取り付け機構に関する。
^景技術
[0002] フレキシブルディスク装置等のディスク駆動装置は、例えばパーソナルコンピュータ 等のシステム本体に対して外付けあるいは内蔵されている。内蔵型のフレキシブルデ イスク装置は、製造元において製造時にシステム本体に固定したり、あるいは、使用 者にぉレ、てシステム本体が備える空きべィに固定したりすることで取り付けられる。ま た、修理や交換等の際に、システム本体からディスク駆動装置を取り外したり、システ ム本体にディスク駆動装置を取り付けることもある。
[0003] このディスク駆動装置のシステム本体への取り付け構造は、固定手段としてネジを 用レ、るものが一般的である。このような取り付け構造として、例えば、特許文献 1 , 2に 記載されたものがある。
[0004] 特許文献 1に示される取り付け構造では、フレキシブルディスク装置のシールドカバ 一に取り付け部を設け、この取り付け部をシステム本体側の基板に設けた被取り付け 板にネジ止めしている。
[0005] また、特許文献 2に示される取り付け構造では、フレキシブルディスク装置のシール ドカバーの側方に取付片を設け、この取付片を介してシステム本体にネジ止めして いる。
特許文献 1:実開平 06-77097号
特許文献 2:実開平 04 - 31494号
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 上記したような、ディスク駆動装置のシステム本体への取り付けをネジ部品を用いて 行う構造では、ネジ止めに起因する以下のような問題を有している。
[0007] ディスク駆動装置をネジ部品により取り付ける構造では、ディスク駆動装置の取り付 けあるいは取り外しの度にネジ部品を締め付けたりあるいは緩めるといった作業が必 要である。通常、一つのディスク駆動装置に対して少なくとも 3個のネジ部品が取り付 けられる。そのため、取り付け環境が狭いシステム本体内において、ネジ止めを行う 取り付け作業を行うことは、作業者にとって負担であり、また、作業時間も力、かるという 問題がある。
[0008] また、一般的に、ネジ部品の取り付けには不完全さが伴う場合がある。ネジ部品の 取り付けの不完全さは、ディスク駆動装置のシステム本体への固定の不完全さの要 因となり、不完全な固定はディスク駆動装置がシステム本体力 外れる要因となる。
[0009] また、ネジ止めにより筐体部分に応力が加わる場合には、筐体がこの応力によって 変形あるいはひずむおそれがある。筐体部分はヘッドの基準位置を定めている。そ のため、筐体部分の変形やひずみはヘッドの位置ずれの要因となりかねない。
[0010] また、ネジ部品による取り付ける構造は、ディスク駆動装置の取り付けのための部品 としてネジ部品が必要である。このネジ部品はコスト高の要因ともなる。
[0011] そこで、本発明は従来の問題を解決し、ディスク駆動装置のシステム本体への取り 付け固定において、ネジ止めによる取り付けを廃して、取り付けの作業性を向上させ 、ディスク駆動装置のシステム本体への取り付け性を向上させることを目的とする。ま た、本発明は、取り付けコストを低減することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明は、ネジ部品による取り付けに代えて、ディスク駆動装置側に形成した取り 付け構造、及びシステム本体側に形成した被取り付け構造により、ディスク駆動装置 のシステム本体への取り付けを行うものである。本発明は、この取り付け構造とするこ とにより、取り付けの作業性、取り付け性を向上させる。また、本発明は、ネジ部品を 不要とすることにより取り付けコストを低減する。
[0013] 本発明のディスク駆動装置は、 FD (フレキシブルディスク:フロッピー(登録商標)デ イスク)装置、 MO (光磁気ディスク)ディスク装置、 CD (コンパクトディスク)一 ROMデ
イスク装置、 DVD (デジタルビデオディスク)ディスク装置等に適用することができる。
[0014] 本発明は、ディスク駆動装置による態様、あるいは、ディスク駆動装置とシステム本 体側との両構成要素からなる取り付け機構による態様とすることができる。
[0015] 本発明の第 1の態様は、ディスク駆動装置の態様である。ディスク駆動装置は、ディ スクに対するデータの記録や、ディスクに記憶されたデータの再生を行うためのへッ ドと、ディスクを回転駆動するためのディスク駆動モータと、ヘッドとディスク駆動モー タとを収納する筐体と、ディスク駆動装置をシステム本体側に取り付けるための取り付 け構造とを有する。
[0016] 本発明のディスク駆動装置の取り付け構造は、システム本体側と嵌合する嵌合部 材を備える。ディスク駆動装置は、この嵌合部材によりシステム本体側と嵌合すること により、ネジ部材を用いることなくシステム本体に取り付け固定される。
[0017] 嵌合部材の第 1の形態は、筐体から突出する突出部である。ディスク駆動装置は、 この突出部を嵌合部材として用いてシステム本体側と嵌合し、システム本体に取り付 け固定する。突出部は、システム本体側が備える長溝部に対してスライド移動するガ イドを構成する。突出部を長溝部に対して嵌合させながらスライドさせ、所定の位置 に移動して取り付けを行う。
[0018] 筐体はそれ自体に突出部を備える構成である。そのため、別途用意しておいた突 出部を筐体に取り付ける作業は不要である。これにより、作業性が向上し、コストを削 減すること力できる。
[0019] ディスク駆動装置のシステム本体への固定は、突出部と長溝部との嵌合により行わ れるため、固定のためのネジ部材は不要である。なお、長溝部側にレバー部材を設 け、このレバー部材により長溝部内に嵌合された突出部を係止して、ディスク駆動装 置がシステム本体から離脱しないよう保持するような構成とすることもできる。
[0020] また、突出部はディスク駆動装置の筐体と一体で形成することができる。一体形成と することにより、突出部のための部品を不要とし、また、部品の取り付け作業を不要と すること力 sできる。
[0021] 突出部をディスク駆動装置の筐体と一体に形成する構成において、筐体は板金材 料で形成し、突出部はこの板金材料をバーリングカ卩ェすることで形成することができ
る。バーリング加工は、板金材料に開口部を形成し、その開口部を突出させることに より突出部を形成する加工方法である。筐体を形成する板金材料の一部にバーリン グ加工により突出部を形成することで、筐体と突出部とを一体形成することができる。 突出部をバーリング力卩ェで形成することにより、加工作業が容易となる他、高い加工 精度が得られるため、高い位置精度を得ることができる。
[0022] なお、突出部を筐体と一体形成する加工方法はバーリング力卩ェに限らず、曲げ (プ レス)加工、絞り加工等の加工方法を適用することもできる。また、筐体の一部を樹脂 で形成し、突出部を樹脂製筐体と共に一体形成することもできる。
[0023] バーリング力卩ェで形成される突出部は、突出方向の端部に開口を有する中空状の 円筒形状とすることができる。この突出部の中空部分の内周面にネジ部を形成しても よい。
[0024] 取り付け機構の嵌合の一形態は、取り付け構造の嵌合部材を円筒形状の突出部と し、この円筒形状の外周面をシステム本体側に設けられた被取り付け構造と嵌合す る嵌合面とする。
[0025] また、取り付け機構の嵌合の付カ卩的な形態として、突出部の中空部分を、システム 本体側に設けられた被取り付け構造にネジ止めするためのネジ穴とする構成としても よい。この構成によれば、被取り付け構造及び中空状のネジ穴にネジを通して締め 付けることで嵌合を確実にすることができる。このネジ締めは、突出部による嵌合をよ り確実にする付加的なものであって、ディスク駆動装置のシステム本体への取り付け に必須なものではなぐ不要とすることもあるいは選択的に採用することもできる。選 択的に採用することで、ネジ締めに作業性を軽減することができる。
[0026] また、突出部の中空部分によるネジ締めは、突出部の嵌合による取り付けをより強 固にするための構成である。この構成は、筐体部分に応力力 Sかからないため、筐体 に変形やひずみを生じさせることはなレ、。
[0027] したがって、この付加的なネジ締めの構成は、ディスク駆動装置のシステム本体へ の取り付け固定においてネジ止めによる取り付けを廃するという本発明の目的となん ら矛盾するものではない。
[0028] 嵌合部材の第 2の形態は、筐体に設けた長溝部である。ディスク駆動装置は、この
長溝部を嵌合部材として用いてシステム本体側と嵌合し、システム本体に取り付けて 固定する。また、長溝部は、システム本体側が備える突出部に対してスライド移動す るガイドを構成する。長溝部を突出部に対して嵌合させながらスライドさせ、所定の位 置に移動して取り付けを行う。
[0029] 長溝部の縁部分の内側面は、システム本体側に設けられた被取り付け構造が備え る突出部との間で嵌合する嵌合面として用いる。また、ディスク駆動装置の取り付け 構造は、長溝部と共に、システム本体側の突出部を係止するレバー部材を備える構 成としてもよい。レバー部材は、長溝部と嵌合する突出部を係止して、ディスク駆動装 置がシステム本体から離脱しなレ、よう保持する。
[0030] 本発明の第 1の態様の嵌合部材の第 1 , 2の形態において、嵌合部材は、筐体の 側部の他、底部に設ける構成としてもよい。
[0031] 筐体は、フレームとカバーを有する構成とすることができる。フレームは、ヘッド及び ディスク駆動モータを支持する。また、カバーは上カバー及び下カバーを備え、フレ 一ムと係合してフレームを上下方向で覆う。この構成では、突出部を筐体の下カバー に形成することができる。また、筐体は上記フレーム及びカバーと一体に形成するこ とができる。この構成によれば、突出部を筐体のフレーム自体に形成することができる
[0032] 突出部を下カバーに形成する構成は、突出部の加工を容易とする。また、下カバー は交換が容易であるため、突出部の交換を容易に行うことができる。
[0033] 本発明の第 2の態様は取り付け機構の態様であり、ディスク駆動装置とシステム本 体側との両構成要素からなる。ディスク駆動装置の取り付け機構は、ディスク駆動装 置をシステム本体に取り付けるための取り付け機構である。
[0034] ディスク駆動装置は、ディスクに対するデータの記録や、ディスクに記憶されたデー タの再生を行うためのヘッドと、ディスクを回転駆動するためのディスク駆動モータと、 ヘッドとディスク駆動モータとを収納する筐体と、ディスク駆動装置をシステム本体側 に取り付けるための取り付け構造とを有する。
[0035] ディスク駆動装置は、取り付け構造として、筐体から突出する突出部を備える。他方 、本体はこの突出部を嵌合するための長溝部と、嵌合した突出部を係止す
るためのレバー部材とを備える。
[0036] 取り付け機構は、ディスク駆動装置側の突出部とシステム本体側の長溝部とを構成 要素とし、これら両要素が協動して嵌合することにより、ディスク駆動装置をシステム 本体に取り付ける。この際、突出部は長溝部に対してスライド移動により嵌合する。 発明の効果
[0037] 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ディスク駆動装置のシステム本 体への取り付け固定において、取り付けの作業性を向上させることができる。また、デ イスク駆動装置のシステム本体への取り付け性を向上させることができる。取り付けコ ストを低減することができる。
図面の簡単な説明
[0038] [図 1]本発明によるディスク駆動装置の全体を分解して示す概略斜視図である。
[図 2]本発明によるディスク駆動装置の全体を示す概略斜視図である。
[図 3]本発明によるディスク駆動装置の下カバーの概略図である。
[図 4]本発明の突出部の断面形状例を示す図である。
[図 5]本発明のディスク駆動装置の取り付け機構の斜視図である。
[図 6]本発明のディスク駆動装置の取り付け機構の斜視図である。
[図 7]本発明のレバー部材の動作を説明するための図である。
[図 8]本発明のディスク駆動装置の取り付け機構の動作を説明するための図である。
[図 9]本発明によるディスク駆動装置の他の形態例を示す概略斜視図である。
[図 10]本発明のディスク駆動装置の他の形態例の動作を説明するための図である。
[図 11]本発明の突起部の他の構成例を説明するための図である。
[図 12]本発明のディスク駆動装置のシステム本体力 の離脱を防ぐ他の構成例を説 明するための図である。
[図 13]本発明のディスク駆動装置の他の実施の形態を説明するための図である。
[図 14]本発明のディスク駆動装置の他の実施の形態においてシステム本体からの離 脱を防ぐ構成例を説明するための図である。
[図 15]本発明のディスク駆動装置の他の実施の形態においてシステム本体からの離 脱を防ぐ構成例を説明するための図である。
[図 16]本発明のディスク駆動装置の他の実施の形態においてシステム本体からの離 脱を防ぐ構成例を説明するための図である。
[図 17]本発明のガイド部を用いたディスク駆動装置とシステム本体との嵌合を説明す るための図である。
[図 18]本発明のガイド部を嵌合部としたときの係合部の構成例を説明するための図 である。
[図 19]本発明のガイド部を嵌合部としたときの係合部の別の構成例を説明するため の図である。
[図 20]本発明のガイド部を嵌合部としたときの係合部の他の構成例を説明するため の図である。
符号の説明
1 ディスク駆動装置
2 筐体
3, 3a, 3b 側壁部
4 カバー
4a 上カバー
4b 下カバー
5 フロントパネル
6 ヘッド部
6a アーム
6b キャリッジ
6c 上ヘッド
6d 「一ヘッド、
7 ディスク駆動モータ
8 制御回路基板
9 キャリア
10 取り付け構造
11 , 11a— l lf 突出部
中空部
ネジ部
長溝部
レバー部材
開口部
突出部材
突出部
係合部
システム側取り付け構造 , 21 a, 21b システム側支持部材, 22a, 22b 長溝部
レバー部材
a 当接面
b 係合部
c 回転軸部
突出部
A— 25D システム側支持部材A— 26D 長溝部
B— 27D レバー部材
ネジ
ガイド部
係合部
a, 32b 当接面
c 支持部
係合部
a, 33b 当接面
c 回転支持部
係合部
34a, 34b 当接面
発明を実施するための最良の形態
[0040] 以下、図面を用いて本発明を実施するための最良な形態におけるディスク駆動装 置、及びディスク駆動装置の取り付け機構を説明する。
[0041] 以下、本発明のディスク駆動装置及びディスク駆動装置の取り付け機構について 図を用いて詳細に説明する。
[0042] 以下に示す実施の形態では、ディスク駆動装置をシステム本体に取り付けるための 取り付け機構として、突出部と長溝部との組合せについて説明する。この突出部と長 溝部は、それぞれを互いにディスク駆動装置あるいはシステム本体の一方に設け、こ れらを嵌合することによりディスク駆動装置をシステム本体に取り付けて固定する。突 出部と長溝部をディスク駆動装置あるいはシステム本体のいずれに設けるかは任意 とすることができる。
[0043] 以下では、ディスク駆動装置に突出部を設け、システム本体に長溝部を設ける形態 例について図 1一図 8を用いて説明し、ディスク駆動装置に長溝部を設け、システム 本体に突出部を設ける形態例について図 9,図 10を用いて説明する。なお、ここで は、ディスク駆動装置としてフレキシブルディスク (フロッピー (登録商標)ディスク)駆 動装置を例にして示している。
[0044] はじめに、本発明の第 1の形態例について説明する。第 1の形態例は、ディスク駆 動装置に突出部を設け、システム本体に長溝部を設ける構成である。
[0045] 図 1は本発明によるディスク駆動装置の全体を分解して示す概略斜視図であり、図 2は本発明によるディスク駆動装置の全体を示す概略斜視図であり、図 3は本発明に よるディスク駆動装置の下カバーの概略図である。
[0046] 図 1において、ディスク駆動装置 1は、筐体 2、フロントパネル 5、キャリア 9を備える。
キャリア 9はスライド板(図示していなレ、)の内側に組み付ける。スライド板は、筐体 2に 対して着脱可能であって前後方向にわずかに移動可能に取り付ける。さらに、筐体 2 には、フロントパネル 5と上カバー 4aを取り付けて組み立てる。
[0047] スライド板に組み付けたキャリア 9は、筐体 2に対して上下動可能に係合され、スライ ド板が前後移動することで上下動する。
[0048] 筐体 2は、側壁 3a, 3bを備える矩形の容器形状であり、前面部分(図中の左方手 前部分)にフロントパネル 5を装着している。フロントパネル 5から差し込まれたフレキ シブルディスク(図示しなていない)はキャリア 9の内部に納められる。なお、筐体 2の フレーム 2aは、上下を上カバー 4a及び下カバー 4bを含むカバー 4により覆う構成と することができ、カバー 4は筐体 2の一部として構成することができる。
[0049] 筐体 2の内部には、ヘッド部 6、フレキシブルディスクを駆動するディスク駆動モータ 7、制御回路基板 8が取り付けられる。ヘッド部 6は、アーム 6a及びキャリッジ 6bを含 む。アーム 6aは、その端部をキャリッジ 6bに回動自在に軸支し、バネによりキャリッジ 6bとの間隔を閉じるように付勢している。キャリッジ 6bの端部に下ヘッド 6dを設け、キ ャリッジ 6bと対向するアーム 6aの端部に上ヘッド 6cを固定している。
[0050] キャリッジ 6bは、筐体 2に配置したガイドロッド(図示していなレ、)に案内されると共に 、キャリッジ 6bから張り出した一部力 ステッピングモータで回転駆動されるスクリュー シャフト 6eに係合している。したがって、アーム 6a及びキャリッジ 6bは、ステッピング モータにより移動される。
[0051] ディスク駆動装置 1は、システム本体に取り付けるために取り付け構造 10を備える。
下カバー 4bの各側壁部分には、ディスク駆動装置 1の前後方向に少なくとも 2個の突 出部 11が形成され、全体で少なくとも 4個の突出部が形成される。突出部 11は、ディ スク駆動装置 1側の取り付け構造 10を構成している。一方、システム本体側は、ディ スク駆動装置 1側の取り付け構造 10に対する被取り付け構造 20 (図 1に示していな レ、)を備える。これらの取り付け構造 10及び被取り付け構造 20の組み合わせにより ディスク駆動装置のシステム本体側への取り付けが行われる。
[0052] 図 1では、ディスク駆動装置 1の下カバー 4bの右側の側壁 3aに 3個の突出部 l la, l ib, 11cが設けられている。図 1では示していないが、下カバー 4bの左側の側壁 3b にも同様に突出部が設けられる。なお、ディスク駆動装置をシステム本体等の被取り 付け構造(図示していない)に対して安定して取り付けるには、ディスク駆動装置 1の 前後方向に少なくとも 2個の突出部 11を設ける。
[0053] 図 2に示す斜視図は、図 1に示すキャリア 9を筐体 2内に組み込んだ後に、上カバ 一 4aを取り付けた状態を示している。また、図 3 (a), (b),(c)は、それぞれ本発明に
よるディスク駆動装置の下カバーの平面図,側面図、及び斜視図を示している。
[0054] 突出部 11は、下カバー 4bの側壁部分から外側に突出して形成され、嵌合部材を 構成する。突出部 11は円筒状の外形形状を有する。この円筒状の外形部分は嵌合 面として作用し、システム本体側の嵌合部材 (例えば、長溝部)と嵌合する。
[0055] また、突出部 11は、システム本体側が備える嵌合部材 (例えば、長溝部)と協動す ることにより、ディスク駆動装置 1をシステム本体側に対してスライド移動するガイド機 能を持つ。突出部 11は、ディスク駆動装置 1をシステム本体内に導入するためのガイ ドとして働く。
[0056] なお、突出部 11は、図示するように下カバー 4bに設ける構成の他、下カバー 4bを 備えない場合には、筐体 2のフレーム 2aの側壁部分に設ける構成とすることもできる 。また、突出部 11は、上カバー 4aに設ける構成としてもよい。
[0057] 突出部 11は、下カバー 4bあるいはフレーム 2aを構成する板金部材をバーリングカロ ェすることにより、下カバー 4bあるいはフレーム 2aと一体で形成することができる。
[0058] 図 4は、突出部の断面形状例を示しており、バーリングカ卩ェによる一構成例である。
円筒状の突出部 11は、バーリングカ卩ェにより形成される。バーリングカ卩ェは、板金部 材 4に開口部を形成する工程と、この開口部を押し広げながら突出させる工程を含む 。このバーリングカ卩ェは、これらの工程によって、突出部 11の円筒状部分の内部に 中空部 12を形成する。
[0059] 図 4において、システム側の被取り付け構造 20は、システム側支持部材 21、及びこ のシステム側支持部材 21に形成された長溝部 22により構成される。ディスク駆動装 置 1が備える突出部 11は長溝部 22内と嵌合する。この嵌合は、ディスク駆動装置 1 のシステム側への取り付けを行う。この嵌合において、突出部 11の外周面と長溝部 2 2の縁部分の内周面とはそれぞれ嵌合面となる。この嵌合面が互いに嵌合することに より取り付けが行われる。図 4 (b)は、嵌合状態を示している。
[0060] なお、バーリングカ卩ェにより形成される円筒部分の突出長さ Aは、例えば、 2. 9mm 一 3mmとし、バーリングの径 Bは 3. 6mmとする。この寸法値例は、強度や加工性の 点から筐体の板厚は 0. 6mmが最適であること、及び、製造工程を効率化するため に、突出部を備える筐体の製造と突出部を備えない筐体の製造とにおける製造工程
の共有化すること等の各要件に基づレ、て定められる。
[0061] 突出部を備える突出部タイプの筐体では長い突出長さが求められる。この突出長さ を長くするには、筐体に開ける径の大きさは小さいことが求められる。一方、突出部を 備えないネジ止めタイプの筐体では、ネジ止めするために筐体に開ける径の大きさ は大きいことが求められる。
[0062] このように、筐体に開ける径は相反する大きさが求められる。この相反する要求を満 たす一方法として、径の大きさが異なる 2つのタイプの筐体を製造する方法がある。こ のような径の大きさが異なる 2つのタイプの筐体を製造するためには、それぞれ異な る製造工程を設ける必要がある。径の大きさによって製造工程を複数設けることは、 筐体の製造の効率化の点で問題がある。
[0063] 筐体の製造の効率化の点では、製造工程を共用することが望ましい。そこで、小径 の突出部タイプの筐体と大径のネジ止めタイプの筐体とは、バーリング力卩ェを行う前 の製造工程において同一の筐体を使用することにより製造工程を共用する。
[0064] 2つのタイプの筐体の製造において製造工程を共用するという要求を満足するには 、上記の寸法値例は最適な値である。
[0065] なお、この突出長さ A、及びバーリングの径 Bは、下カバー 4の板金材料の厚み寸 法や、システム側の支持部材 21の厚み寸法、ディスク駆動装置 1の側壁 3とシステム 側の支持部材 21との間のクリアランス寸法等の取り付け寸法等に応じて設定してもよ レ、。
[0066] また、突出部をバーリング加工により形成した場合には、突出部 11の円筒状部分 に中空部 12が形成される。この中空部 12の内周面にネジ部 13を形成してもよぐこ のネジ部 13を用いてディスク駆動装置 1を取り付けてもよい。図 4 (b) , (c)は、中空 部 12の内周面に形成したネジ部 13を用いたディスク駆動装置 1の取り付け状態を示 している。突出部 11を長溝部 22内に嵌合させた状態において、システム側支持部 材 21の外側から中空部 12のネジ部 13内にネジ 30をねじ込み、これによつてディスク 駆動装置 1のシステム側への固定を確実なものとすることができる。
[0067] このネジ締めは、突出部による嵌合をより確実にする付加的なものであって、デイス ク駆動装置のシステム本体への取り付けを行うものではなぐ必要に応じて行う選択
的なものである。ネジ締めは、複数の突出部の内から選択した箇所で行うことができ る。ネジ締めを選択的に採用とすることで、ネジ締めに作業性を軽減することができる
[0068] また、突出部の中空部分によるネジ締めは、突出部の嵌合による取り付けより強固 にするための構成である。ネジ締めによる応力は主に突出部にかかり、応力が筐体 に影響して筐体が変形したりひずみが生じることはない。
[0069] 次に、ディスク駆動装置をシステム本体側に取り付ける動作、及び、ディスク駆動装 置がシステム本体側から離脱しないための構成について、図 5 図 8を用いて説明 する。図 5, 6はディスク駆動装置の取り付け機構の斜視図であり、図 7はレバー部材 の動作を説明するための図であり、図 8はディスク駆動装置の取り付け機構の動作を 説明するための図である。
[0070] 図 5—図 8において、システム本体側は被取り付け構造 20を備える。被取り付け構 造 20は、システム側支持部材 21 (21a, 21b)と、システム側支持部材 21 (21a, 21b )に設けられた長溝部 22 (22a, 22b)と、レバー部材 23とを備える。なお、レバー部 材 23は、システム側支持部材 21a, 21bのいずれか一方あるいは両方に設けること ができる。図 5—図 8では、システム側支持部材 21aに設けたレバー部材 23を示して いる。
[0071] ディスク駆動装置 1をシステム本体側に取り付けるには、ディスク駆動装置 1のフロ ントパネル 5と反対側の端部をシステム本体側から導入し(図 8 (a) )、ディスク駆動装 置 1の突出部 11を長溝部 22に沿って所定位置までスライド移動させ(図 8 (b) )、突 出部 11の外周面と長溝部 22の内周面とを嵌合させる(図 8 (c) , (d) )。なお、図 5は スライド移動中の状態を示し、図 6はディスク駆動装置 1を所定位置までスライド移動 させた状態を示している。
[0072] レバー部材 23は、システム側支持部材 21において、ディスク駆動装置 1が所定位 置まで移動して取り付け位置に達した際、突出部 11と係合する位置に設けられる。レ バー部材 23は、図 7に示すように、突出部 11と当接する当接面 23aと係止面 23bを 備え、軸部 23cにより回動自在に軸支される。軸部 23cにはレバー部材 23を一方向 に付勢するバネ材(図示していない)が取り付けられ、ストッパー(図示してない)によ
り定められる位置に保持されている。このレバー部材 23の保持位置は、長溝部 22内 をスライド移動した突出部 1 1が当接面 23aと当接する位置に設定される。
[0073] 突出部 11が当接面 23aと当接すると(図 8 (b) )、図 7 (b)に示すように、レバー部材 23は突出部 11に押されて、バネ材による付勢と杭しながら当接面 23aの傾斜面に沿 つて軸回動する。突出部 11が長溝部 22内をさらにスライド移動すると(図 8 (c) )、突 出部 11は当接面 23aの後端に達する。この後端を越えると、レバー部材 23は、図 7 ( c)に示すようにバネ材によって元の保持位置に戻され、レバー部材 23の係止部分 2 3bは突出部 11と係合する(図 8 (d) )。この係合により、レバー部材 23は突出部 11を 所定位置に保持し、ディスク駆動装置 1がシステム本体側から離脱することを防ぐ。
[0074] 一方、ディスク駆動装置 1をシステム本体側から取り出す場合には、レバー部材 23 をパネ材に抗して回動させて、レバー部材 23の係止部分 23bと突出部 11との係合 を外し、ディスク駆動装置 1を長溝部 22に沿って外部に向けてスライド移動させる(図 8 (e) )。
[0075] 次に、図 9,図 10を用いて、第 2の形態例について説明する。第 2の形態例は、ディ スク駆動装置に長溝部を設け、システム本体に突出部を設ける構成である。
[0076] 図 9において、ディスク駆動装置 1は、取り付け構造 10として下カバー 4bの側壁部 分あるいは筐体本体の側壁部分に形成された長溝部 14を備える。一方、システム本 体側は、被取り付け構造 20として突出部 24を備える。長溝部 14と突出部 24とは協 動して取り付け機構を構成し、ディスク駆動装置 1をシステム本体に取り付ける。この 長溝部と取り付け構造との関係は、突起部と長溝部との取り付け位置の関係が逆で ある他は、前記した第 1の形態例と同様である。
[0077] 図 10において、ディスク駆動装置 1をシステム本体内に導入し、ディスク駆動装置 1 側に設けた長溝部 14内に、システム本体側の支持部材 21に設けた突起部 24を嵌 合させてスライド移動させる(図 10 (a) , (b) )。
[0078] 長溝部 14の端部にはレバー部材 15が設けられる。このレバー部材 15は、ディスク 駆動装置 1をスライド移動させることにより突起部 24と当接する(図 10 (c) )。当接によ りレバー部材 15は回動し、突起部 24と係合する(図 10 (d) )。レバー部材 15と突起 部 24との係合により、ディスク駆動装置 1はシステム側支持部材 21に固定され、シス
テム側からの離脱が防止される。
[0079] ディスク駆動装置 1をシステム本体側から取り外すには、レバー部材 15を図 10 (e) 中の矢印方向に回動させることによりレバー部材 15と突起部 24との係合を外し、ディ スク駆動装置 1をシステム本体側から取り出す。
[0080] 上記したディスク駆動装置 1のシステム本体に対する取り付け及び取り外しにおい て、長溝部 14及び突起部 24の組み合わせは、ディスク駆動装置 1をシステム本体に 固定する嵌合部材として用いられる他に、スライド移動のためのガイドとして用いられ る。
[0081] 本発明の突起部の他の構成例について図 11を用いて説明する。突起部は、前記 した形態のように、筐体を形成する板金材料をバーリング加工等により形成する他、 樹脂により形成することもできる。図 11は樹脂製の突出部材の一例であり、突出部 1 8を有する突出部材 17を筐体の側壁部 3に形成した開口部 16内に通すことにより構 成される。
[0082] 突出部材 17の突出部 18は、システム側支持部材 21に形成した長溝部 22内に嵌 合し、これにより、ディスク駆動装置をシステム本体側に取り付けることができる(図 11 (b), (c) )。なお、図 11では、各開口部 16に対して突出部材 17を別個に用意してい るが、一つの突出部材 17上に複数の突出部 18を備えた構成とすることもできる。
[0083] また、筐体の一部を樹脂で形成し、突出部をこの樹脂製の筐体と共に一体で形成 することちでさる。
[0084] 本発明のディスク駆動装置のシステム本体からの離脱を防ぐ他の構成例にっレ、て 図 12を用いて説明する。この構成例では、長溝部 22の一部を係合部 19として備え る。図 12 (a)に示すように、突出部 11を長溝部 22に沿ってスライド移動させる。図 12 (b)に示すように、係合部 19の突出部分を乗り越えさせることにより突出部 11を係合 部 19に係合させ、突出部 11が逆方向に移動しないように保持する。これにより、ディ スク駆動装置のシステム本体からの離脱を防ぐことができる。
[0085] 上記した実施の形態は、ディスク駆動装置をシステム本体に対して左右方向(横方 向)に移動させることにより取り付けを行う構成について示しているが、本発明は、図 1 3に示すように、ディスク駆動装置をシステム本体に対して上下方向(縦方向)に移動
させることにより取り付けを行う構成に適用してもよい。
[0086] 図 13は、システム側支持部材とディスク駆動装置を側面から見た図を示している。
システム側支持部材 25Aには、上端側が開放された上下方向(縦方向)の長溝部 26 Aが形成されている。ディスク駆動装置 1 (図 13中では破線で示している)は、図 13 ( a)に示すようにその突出部 11を長溝部 26A内に揷入させ、図 13 (b)に示すように突 出部 11を長溝部 26Aの底部に嵌合させることにより取り付けが行われる。
[0087] このディスク駆動装置をシステム本体に対して上下方向(縦方向)に移動させて取り 付ける構成においても、ディスク駆動装置のシステム本体力 の離脱を防ぐ機構を設 けること力できる。以下、この離脱防止機構の例について図 14一図 16を用いて説明 する。
[0088] 図 14に示す第 1の例では、システム側支持部材 25Bに形成された上下方向(縦方 向)の長溝部 26Bに対して、レバー部材 27Bが横方向に移動可能に取り付けられ、 その一部が長溝部 26B内に突出する方向に付勢されてレ、る。図 14 (a)はディスク駆 動装置 1とシステム側支持部材 25Bとの関係を示し、図 14 (b)—図 14 (e)は離脱防 止の動作を示している。
[0089] ディスク駆動装置 1をシステム側に取り付ける際、突出部 11を長溝部 26B内に挿入 する。挿入された突出部 11の先端部分は、長溝部 26B内に突出しているレバー部 材 27Bの斜面部分と当接する(図 14 (b) )。突出部 11は、当接したレバー部材 27B を付勢力に杭して横方向に押しながら、長溝部 26B内を下方に移動する(図 14 (c) ) 。突出部 11が長溝部 26B内の所定位置まで移動すると、レバー部材 27Bは突出部 11との当接がはずれて、付勢力によって元の位置に戻る。このとき、突出部 11は長 溝部 26B内で嵌合されると共に、レバー部材 27Bによって長溝部 26B内から離脱し なレ、ように保持される(図 14 (d) )。
[0090] ディスク駆動装置 1をシステム側から取り外す場合には、例えば手動によりレバー部 材 27Bを付勢力に抗して移動させ、突出部 11が長溝部 26B内を移動できるように開 放し、突出部 11を長溝部 26Bから外す。
[0091] 図 15に示す第 2の例では、システム側支持部材 25Cに形成された斜め上下方向( 斜め縦方向)の長溝部 26Cに対して、レバー部材 27Cが上下方向(縦方向)に移動
可能に取り付けられ、その一部が長溝部 27C内に突出する方向に付勢されている。 図 15 (a)はディスク駆動装置 1とシステム側支持部材 25Cとの関係を示し、図 15 (b) 一図 15 (e)は離脱防止の動作を示している。
[0092] ディスク駆動装置 1をシステム側に取り付ける際、突出部 11を長溝部 26C内に揷入 する。揷入された突出部 11の先端部分は、長溝部 26C内に突出しているレバー部 材 27Cの斜面部分と当接する(図 15 (b) )。突出部 11は、当接したレバー部材 27C を付勢力に杭して下方に押しながら、長溝部 26C内を下方に移動する(図 15 (c) )。 突出部 11が長溝部 26C内の所定位置まで移動すると、レバー部材 27Cは突出部 1 1との当接がはずれて、付勢力によって元の位置に戻る。このとき、突出部 11は長溝 部 26C内で嵌合されると共に、レバー部材 27Cによって長溝部 26C内から離脱しな レ、ように保持される(図 15 (d) )。
[0093] ディスク駆動装置 1をシステム側から取り外す場合には、例えば手動によりレバー部 材 27Cを付勢力に抗して移動させ、突出部 11が長溝部 26C内を移動できるように開 放し、突出部 11を長溝部 26Cから外す。
[0094] 図 16に示す第 3の例では、システム側支持部材 25Dに形成された L字状の溝奥部 が湾曲した長溝部 26Dに対して、レバー部材 27Dが回動可能に取り付けられ、その 一部が長溝部 27D内に突出する方向に付勢されている。図 16 (a)はディスク駆動装 置 1とシステム側支持部材 25Dとの関係を示し、図 16 (b)—図 16 (e)は離脱防止の 動作を示している。
[0095] ディスク駆動装置 1をシステム側に取り付ける際、突出部 11を長溝部 26D内に挿入 する。挿入された突出部 11の先端部分は、長溝部 26D内に突出しているレバー部 材 27Dと当接する(図 16 (b) )。突出部 11は、当接したレバー部材 27Dを付勢力に 抗して回動させながら、長溝部 26D内を下方に移動する(図 16 (c) )。突出部 11が 長溝部 26D内の所定位置まで移動すると、レバー部材 27Dは突出部 11との当接が はずれて、付勢力によって元の位置に戻る。このとき、突出部 11は長溝部 26D内で 嵌合されると共に、レバー部材 27Dによって長溝部 26D内の湾曲部分に押し込まれ 離脱しなレ、ように保持される(図 16 (d) )。
[0096] ディスク駆動装置 1をシステム側から取り外す場合には、例えば手動によりレバー部
材 27Dを付勢力に抗して回動させ、突出部 11が長溝部 26D内を移動できるように開 放し、突出部 11を長溝部 26Dから外す。
[0097] 前記では嵌合部として長溝部を用いて例を示しているが、嵌合部は前記した長溝 部による構成の他にガイド部を用いる構成とすることができる。
[0098] 以下、嵌合部としてガイド部を用いる構成例について、図 17 図 20を用いて説明 する。
[0099] 図 17は、ガイド部を用いたディスク駆動装置とシステム本体との嵌合を説明するた めの図である。図 17において、ディスク駆動装置 1のシステム側への取り付けは、筐 体 2の設けた突出部 11をガイド部 31のガイド面でスライド自在に支持させ、ガイド部 3 1に設けた係合部により突出部 11を係合することにより行う。
[0100] 図 17 (a)に示す例では、ガイド部 31は断面が L字状に湾曲した形状により支持面 を形成している。水平な支持面は、ディスク駆動装置 1の突出部 11を長さ方向にスラ イド自在とすることによって、ディスク駆動装置 1を支持する。また、垂直な支持面は、 ディスク駆動装置 1の突出部 11の横方向(スライド方向に対して直交する方向)への ずれを防いでスライド方向への移動を案内すると共に、係合部 32によってディスク駆 動装置 1をシステム本体に固定する。
[0101] なお、係合部 32はディスク駆動装置 1が備える突出部 11の内で少なくとも一つに 対応するように設ければょレ、。
[0102] 以下に示す図 18— 20を用いてガイド部を嵌合部としたときの係合部の一構成例を 説明する。
[0103] 図 18に示す係合部 32はカム構成であり、一端は支持部 32cによって揺動自在に 支持され、他端には二つの当接面 32a, 32bが設けられる。支持部 32cはガイド部 3 1の垂直方向の支持面にパネ部材等によって支持され、当接面 32a, 32bは当該支 持面からディスク駆動装置 1の突出部 11がスライドする移動線上に突出して設けられ る。ここで、支持部 32cは、当接面 32a, 32bが突出部 11の移動線上に位置となるよ うに付勢している。この付勢する力は、突出部 11が当接面 32aと当接した際は、カム が支持面側に揺動可能な程度とし、ディスク駆動装置 1の挿入動作が妨げられない 程度とする。
[0104] 図 18 (a)—図 18 (d)は突出部 11が係合部 32と係合するまでの状態を示し、図 18 ( e) ,図 18 (f)は突出部 11が係合部 32から離脱する状態を示している。
[0105] ディスク駆動装置 1の突出部 1 1を、ガイド部 31の水平な支持面上において、垂直 な支持面でガイドさせてスライドさせると(図 18 (a) )、突出部 11は突出部 11の移動 線上に突出している当接面 32aと当接する。突出部 11が当接面 32aと当接すると、 係合部 32はディスク駆動装置 1を揷入する力によって押される。この押力が支持部 3 2cの付勢力よりも大きレヽ場合には、係合部 32を揺動する(図 18 (b) )。
[0106] 係合部 32が揺動することにより、突出部 11は当接面 32aにより進路を邪魔されるこ となくスライド可能となる(図 18 (c) )。突出部 11がさらにスライドし、突出部 11の他方 の端部が当接面 32bの位置まで移動すると、支持部 32cの付勢力によって係合部 3 2は元の位置に戻り、突出部 11の他方の端部と当接面 32bとが係合し、ディスク駆動 装置 1が外れることを防ぐ(図 18 (d) )。
[0107] ディスク駆動装置 1をシステム側から取り外す場合には、例えば手動により係合部 3 2の付勢力に抗して揺動させ、突出部 11を当接面 32bから外した後(図 18 (e) )、デ イスク駆動装置 1をガイド部 31に沿ってスライドさせる(図 18 (f) )。
[0108] 図 19に示す係合部 33はカム構成の別の例であり、一端は回転支持部 33cによつ て一方向に付勢されると共に回動自在に支持され、他端には二つの当接面 33a, 33 bが設けられる。
[0109] 前記図 18の支持部はカムを揺動支持する構成であり、当接面をディスク駆動装置 1の突出部 11が進入する側に設ける構成であるのに対して、図 19に示す例は、支持 部はカムを回転支持する構成であり、当接面をディスク駆動装置 1の突出部 11が進 入する側と反対側に設ける構成である点で相違しているが、動作はほぼ同様である。
[0110] また、図 20に示す係合部 34は、ガイド部 31の支持面に変位自在な突出部を形成 して成る構成例である。この突出部は、ガイド部 31の支持面の一部を内側に突出さ せることで形成することができる。支持面の一部を支持要素とすることで、一端はガイ ド部 31自体が備える弾性によって一方向に付勢され回動自在に支持され、他端に は二つの当接面 34a, 34bが設けられる。
[0111] 当接面 34a, 34bは、支持面からディスク駆動装置 1の突出部 11がスライドする移
動線上に突出して設けられる。ガイド部 31の支持面を形成する際に当接面 34a, 34 bを突出させて形成することにより、当接面 34a, 34bは変位した際に突出部 11の移 動線上に位置となるように付勢される。この付勢する力は、突出部 11が当接面 34aと 当接した際に、支持面側に変位する程度とし、ディスク駆動装置 1の挿入動作が妨げ られない程度とする。この付勢力は、当接面 34a, 34bを形成する片持ち部分の長さ や厚さにより設定することができる。
[0112] なお、当接面 34a, 34bを形成する部分は、ガイド部 31の垂直な支持面とすること も、あるいは水平な支持面とすることもできる。
[0113] 図 20 (a) 図 20 (d)は突出部 11が係合部 34と係合するまでの状態を示し、図 20 ( e) ,図 20 (f)は突出部 11が係合部 34から離脱する状態を示している。
[0114] ディスク駆動装置 1の突出部 1 1を、ガイド部 31の水平な支持面上において、垂直 な支持面でガイドさせてスライドさせると(図 20 (a) )、突出部 11は突出部 11の移動 線上に突出している当接面 34aと当接する。突出部 11が当接面 34aと当接すると、 係合部 34はディスク駆動装置 1を挿入する力によって押される。この押す力がガイド 部 31の弾性による付勢力よりも大きい場合には、係合部 34を変位させる(図 20 (b) )
[0115] 係合部 34が変位することにより、突出部 11は当接面 34aにより進路を邪魔されるこ となくスライド可能となる(図 20 (c) )。突出部 11がさらにスライドし、突出部 11の他方 の端部が当接面 34bの位置まで移動すると、支持部 34cの付勢力によって係合部 3 4は元の位置に戻り、突出部 11の他方の端部と当接面 34bとが係合し、ディスク駆動 装置 1が外れることを防ぐ(図 20 (d) )。
[0116] ディスク駆動装置 1をシステム側から取り外す場合には、例えば、ディスク駆動装置 1を手動により係合部 34の付勢力に杭して引く。付勢力よりも大きい力でディスク駆 動装置 1を引くことにより、突出部 11を当接面 34bから外し(図 20 (e) )、ディスク駆動 装置 1をガイド部 31に沿ってスライドさせる(図 20 (f) )。
[0117] 図 20の構成例によれば、ガイド部 31に支持面を形成する際に、係合部を一体で形 成することができるため、部品点数を少なくすることができるほか、組み立ても容易と なる。
[0118] 本発明の実施の形態によれば、ネジ止めにより取り付けが不要であるため、取り付 けの作業性を向上させることができ、また、ネジ止めによる筐体部分の変形やひずみ を防ぐことができるため、ヘッドの位置ずれを防ぐことができる。
産業上の利用可能性
[0119] 本発明のディスク駆動装置、及びディスク駆動装置の取り付け機構は、 FD (フレキ シブルディスク:フロッピー(登録商標)ディスク)装置、 MO (光磁気ディスク)ディスク 装置、 CD (コンパクトディスク)一 ROMディスク装置、 DVD (デジタルビデオディスク) ディスク装置等に適用することができる。