JP2007185039A - ブラシレスモータ - Google Patents

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明夫 安藤
Koji Kuyama
浩二 久山
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Abstract

【課題】ディスク脱着の際などにロータ部がステータ部から抜けることを防ぐロータ抜け止め機構の装着が容易にでき、かつ、十分な抜け止め強度も確保でき、さらに、抜け止め機構の脱着も容易にできる、ロータ抜け止め機構を搭載したブラシレスモータを提供することを目的とする。
【解決手段】ロータ部2には、弾性により可動する複数の係合部15を有した抜け止め部材13が固定され、ステータ部3には、上側の開口部の外径が大きい被係合部21を有した略円筒形状のハウジング10が固定され、前記抜け止め部材13の係合部15と、前記ハウジング10の被係合部21とが係合して、ロータ部の抜け止め機構を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばDVD、CDなどの光ディスクを回転させる小型ブラシレスモータのロータの抜け止め構造に関するものである。
通常、ブラシレスモータには、ロータマグネットとステータコアとの磁気吸引力を上回る荷重がモータに加わった場合のロータの脱落を防止するため、抜け止め構造が付加されている。
従来、その抜け止め構造は、図5に示すように、回路基板51に固定され、外周に溝52が形成された軸受ハウジング53と、前記軸受ハウジング53に軸受54を介して回転自在に軸支されたロータ55と、前記ロータ55に回転可能に固定された、係止部56を有する抜け止めピン57とを具備するモータであり、前記抜け止めピン57は、モータ組立後も外部から回転させることが可能となっており、前記抜け止めピン57を回転させて前記係止部56が前記軸受ハウジング53に形成された前記の溝52に係止することでロータ55の抜けを防止し、さらに前記抜け止めピン57を回転させて前記係止部56を前記軸受ハウジング53に形成された前記の溝52から外すことでロータ55を取り外すことができることを特徴とする、モータのロータ抜け防止機構としたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、図6に示すように、ターンテーブル61と共にディスク62を押圧支持する押さえ部材63と、押さえ部材63を摺動自在に保持しながらディスク62を径方向に案内する案内部材64と、押さえ部材63を案内部材64と共に支持する押さえ部材台65と、軸受け66を内包するハウジング67に配設された溝部68と軸方向に空隙を介してかみ合うよう配設された片持ち梁状凹部を有する抜け止め部材69を設け、押さえ部材台65と抜け止め部材69を同一部品で構成したものが知られている(例えば特許文献2参照)。
特許第3469831号公報(第2、3頁、図1) 特開平10−285858号公報(第2、3頁、図1)
しかしながら、上記特許文献1に示された構成では、抜け止め部材を回転させて、係止部を軸受ハウジングの溝から外すことによって、容易にロータを引く抜くことができるが、逆にモータ組み立ての際、抜け止め部材の係止部を軸受ハウジングの溝に嵌めるために、ドライバ等を用いて、抜け止め部材を回転させる工程が必要になるので、余計な工数がかかるという課題があった。
一方、上記特許文献2に示された構成では、モータ組み立ての際、抜け止め部材の装着は容易であるが、逆に、モータを分解する必要が生じた場合、抜け止め部材がロータと一体的に構成されているので、抜け止め部材を脱着してロータを引き抜く作業が困難であるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、抜け止め部材の装着が簡易な工程で容易にでき、かつ、十分な抜け止め強度も確保でき、さらに、抜け止め部材の脱着も同様に簡易な工程で容易にできる、ロータ抜け止め機構を搭載したブラシレスモータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、シャフトに固定されたロータ部と、ステータ巻線と軸受がブラケットに保持されたステータ部とを備え、前記シャフトが前記軸受に回転可能に支持されることで、前記ロータ部が前記ステータ部に対して回転可能に構成されたアウターロータ型モータにおいて、前記ロータ部には、弾性により可動する複数の係合部を有した抜け止め部材が固定され、前記ステータ部には、上側の開口部の外径が大きい被係合部を有した略円筒形状のハウジングが固定され、前記抜け止め部材の係合部と、前記ハウジングの被係合部とが係合して、ロータ部の抜け止め機構を構成したものであり、ロータ部をステータ部に装着する際に、抜け止め部材の係合部がハウジングの被係合部の側面に沿って外側に開いた後、弾性により係合部が閉じ、空隙を介して被係合部と係合する。
そして、ロータ部がステータ部から引き離される軸方向上側に引っ張られても、前記係合部が前記被係合部に係止され、ロータ部がステータ部から抜けることはない。
よって、装着が容易でかつ抜け強度の高い、ロータ抜け止め機構が実現可能となる。
なお、モータの修理等で意図的にロータ部をステータ部から引き抜く際には、治具を用いて抜け止め部材の係合部を外側に開き、ハウジングの被係合部と当たらないようにして、ロータ部をステータ部から引き抜くことで、ロータ部をステータ部から容易に脱着することができる。
本発明の小型ブラシレスモータによれば、ロータ部のステータ部への挿入の際に、治具等を何ら用いなくても、ロータ部の抜け止め部材をステータ部のハウジングに容易に装着することができ、かつ、抜け止め機構の抜け強度も十分に確保することができる、作業性が良好で信頼性の高いロータ抜け止め機構を実現することができる。
さらに、簡単な治具を用いることによって、抜け止め部材をハウジングから容易に脱着することができるので、モータの分解、修理等を容易に行うことができる。
本発明の実施の形態は、シャフトに固定されたロータ部と、ステータ巻線と軸受がブラケットに保持されたステータ部とを備え、前記シャフトが前記軸受に回転可能に支持されることで、前記ロータ部が前記ステータ部に対して回転可能に構成されたアウターロータ型モータにおいて、前記ロータ部には、弾性により可動する複数の係合部を有した抜け止め部材が固定され、前記ステータ部には、上側の開口部の外径が大きい被係合部を有した略円筒形状のハウジングが固定され、前記抜け止め部材の係合部と、前記ハウジングの被係合部とが係合して、ロータ部の抜け止め機構を構成したものであり、ロータ部をステータ部に装着する際に、抜け止め部材の係合部がハウジングの被係合部の側面に沿って外側に開いた後、弾性により係合部が閉じ、空隙を介して被係合部と係合する。
そして、ロータ部がステータ部から引き離される軸方向上側に引っ張られても、前記係合部が前記被係合部に係止され、ロータ部がステータ部から抜けることはないので、装着が容易でかつ抜け強度の高い、ロータ抜け止め機構が実現可能となる。
なお、モータの修理等で意図的にロータ部をステータ部から引き抜く際には、治具を用いて抜け止め部材の係合部を外側に開き、ハウジングの被係合部と当たらないようにして、ロータ部をステータ部から引き抜くことで、ロータ部をステータ部から容易に脱着することができる。
また本発明の実施の形態は、前記被係合部の側面が下に向かって外側に傾斜した形状であり、被係合部の下側の面が前記ハウジングの側面に対して垂直もしくは、鋭角的に位置しているものであり、ロータ部のステータ部への装着の際、抜け止め部材の係合部がより円滑にハウジングの被係合部の側面を滑って外側に広がり、係合部と被係合部の係合をより容易に行うことができる。また、ロータ部が軸方向上側に引っ張られた際の抜け強度もより大きくすることができる。
さらに本発明の実施の形態は、前記抜け止め部材及び前記ハウジングは金属製でプレス加工により形成され、抜け止め部材には、弾性により可動し、その先端が内側に折れ曲がった略長方形状の複数の係合部が、略円形状のベースに対して垂直方向に一体的に形成され、さらに、ベースの内側には各係合部との接続部分に近い位置に突起部を有したものであり、突起部を係合部側に押圧することで、容易に係合部が外側に広がり、抜け止め部材のハウジングからの脱着をより容易に行うことができる。
さらに本発明の実施の形態は、前記抜け止め部材が固定される設置部材は、組み付け後に前記突起部が下方に押圧可能となるように、突起部の下方に位置する部分に空隙を有する形状としたものであり、抜け止め部材を設置部材に固定してロータ部を構成したときに、抜け止め部材の突起部の下方に空隙を有するので、突起部を下方に押圧することができ、抜け止め部材の係合部をハウジングの被係合部から脱着する際に、突起部を下方に押圧して、係合部を外側に広げることで、ロータ部のステータ部からの脱着を容易に行うことができる。
さらに本発明の実施の形態は、前記抜け止め部材には前記各突起部間に別の突起部を設け、前記設置部材の別の突起部が設置される部位に、別の突起部を挟む一対のピン形状を設けたものであり、一対のピン形状で別の突起部を挟むことにより、抜け止め部材の設置部材に対する周り止めが容易に可能となる。
さらに本発明の実施の形態は、前記小型ブラシレスモータを搭載したディスク駆動装置としたものであり、低コストで信頼性の高いディスク駆動装置を提供することができる。
以下本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1において、アウターロータ型の小型ブラシレスモータ1は、ロータ部2とステータ部3とで構成される。ロータ部2は、ロータマグネット4を接着固定したロータフレーム5を、シャフト6に圧入等により固定し、ディスクをチャッキングする調芯部材7を、ロータフレーム5の上に接着もしくは圧入等により固定して、構成される。一方、ステータ部3は、ステータコア8に巻線9を巻装したステータ巻線を、ハウジング10に圧入等により固定し、ハウジング10をブラケット11に圧入等により固定し、さらに軸受12をハウジング10の内径に圧入して構成される。ロータ部2とステータ部3は、ロータ部2のシャフト6をステータ部3の軸受12に挿入することで結合され、シャフト6が軸受12に回転可能に保持されることにより、ロータ部2はステータ部3に対して自由に回転可能となっている。
ロータ部2には、金属製でプレス加工等により形成された、図2(a)に示す抜け止め部材13が搭載されている。抜け止め部材13は、略円形状のベース14に略長方形状の複数の係合部15が、垂直方向に一体的に形成された形状をなしている。また、係合部15は、その先端部分16が内側に折れ曲がっており、弾性変形によりベース14に対して可動する。ベース14には、各係合部15との接続部分に近い位置に大突起部17を有し
、各大突起部17の間に小突起部18を有する。
また、抜け止め部材13が設置される調芯部材7は樹脂成型品であり、図3に示すように、抜け止め部材13の小突起部18が設置される設置部19は部分的に高くなっており、一対のピン20が一体的に形成されている。
抜け止め部材13は、図4(a)に示すように、小突起部18を調芯部材7の一対のピン20の間に圧入することで、容易かつ回転方向に対して強固に固定される。なお、より強固に固定するために、小突起部18周辺部位を接着剤等で設置部19に固定してもよい。
また、抜け止め部材13は、調芯部材7に固定された状態でも、図4(b)に示すように、大突起部17の下に空隙が存在し、大突起部17を下方に押圧することが可能であり、大突起部17を下方に押圧すると、図2(b)に示すように、テコの原理で容易に係合部15が連動して跳ね上がる構成となっている。
一方、ステータ部3に搭載されたハウジング10は、抜け止め部材13と同様に金属製で、プレス加工等により略円筒形状に形成されており、上側の開口部は図1に示すように、略ラッパ形状のごとく外径を拡げた被係合部21を形成している。なお、図1に示すように、被係合部21の側面22は下方に向かって外側に傾斜しており、被係合部21の下側の面23も傾斜し、ハウジング10の側面に対して略鋭角的に位置している。
そして、ロータ部2のステータ部3への挿入に関しては、ロータ部2のシャフト6をステータ部3の軸受12に挿入する際に、ロータ部2に固定された抜け止め部材13の全ての係合部15の先端部分16が、ハウジング10の被係合部21の側面22に当接し、そのまま側面22を滑りながら係合部15が弾性変形して外側に広がり、シャフト6の先端がスラスト板24に当接すると、外側に広がっていた全ての係合部15は被係合部21の側面22を乗り越えて、弾性により先端部分16の位置が元に戻り、空隙を介して係合部15と被係合部21は係合され、抜け止め機構が構成される。
以上の構成をとることで、記録用ディスク(図示せず)を調芯部材7に装着し、調芯部材7の内部に固定された吸引マグネット25とクランパー(図示せず)の磁気吸引力で、記録用ディスクをロータ部2に固定し、記録用ディスクの読み取りもしくは書き込み後に、記録用ディスクを調芯部材7から脱着するためにクランパーを持ち上げる際、ロータ部2もつられて軸方向上側にステータ部3から引き離される方向に引っ張られても、前記係合部15が前記被係合部21に確実に係止されるので、ロータ部2がステータ部3から抜けることはなく、ロータ抜け止め機構として機能する。
なお、小型ブラシレスモータ1の修理等で分解する必要が生じ、ロータ部2をステータ部3から脱着しなければならないときには、大突起部17の先端部分が全て被さる程度の外径の、棒状の治具等(図示せず)を用いて、抜け止め部材13の全ての大突起部17の先端部分を下側に押圧し、抜け止め部材13の全ての係合部15を外側に広げ、ハウジング10の被係合部21と当たらないようにして、ロータ部2をステータ部3から引き抜けば、容易かつ簡単な工程でロータ部2をステータ部3から脱着することができる。
従って、本発明の構成をとることで、ロータ部2のステータ部3への挿入の際に、治具等を何ら用いなくても、ロータ部2の抜け止め部材13をステータ部3のハウジング10に容易に装着することができ、かつ、抜け止め機構の抜け強度も十分に確保することができる、作業性が良好で信頼性の高いロータ抜け止め機構を実現することができる。
さらに、簡単な治具を用いることによって、容易に抜け止め部材13をハウジング10から脱着し、ロータ部2をステータ部3から引き抜くことができるので、モータの分解、修理等を容易に行うことができる。
なお、本発明の小型ブラシレスモータ1を搭載したディスク駆動装置とすることで、記録用ディスクの交換の際等にロータ部2がステータ部3から外れることがなく、また、本発明の小型ブラシレスモータ1を低コストで提供できるので、低コストで信頼性の高いディスク駆動装置を提供することができる。
本発明の小型ブラシレスモータは、ロータの装着および脱着が容易で、かつ抜け強度の十分高いロータ抜け止め機構を実現でき、DVD、CDなどのディスクを回転させるスピンドルモータとして利用することが可能である。
本発明の実施例1におけるブラシレスモータを示す断面図 (a)は同抜け止め部材を示す斜視図、(b)は同係合部の動きを説明する斜視図 同調芯部材を示す斜視図 (a)は同抜け止め部材と調芯部材を組み付けた状態を示す斜視図、(b)は同組み付けた状態を示す斜視断面図 従来のブラシレスモータの半断面図 従来の他のブラシレスモータの断面図
符号の説明
1 小型ブラシレスモータ
2 ロータ部
3 ステータ部
4 ロータマグネット
5 ロータフレーム
6 シャフト
7 調芯部材
8 ステータコア
9 巻線
10 ハウジング
11 ブラケット
12 軸受
13 抜け止め部材
14 ベース
15 係合部
16 先端部分
17 大突起部
18 小突起部
19 設置部
20 ピン
21 被係合部
22 被係合部の側面
23 被係合部の下側の面
24 スラスト板
25 吸引マグネット

Claims (6)

  1. シャフトに固定されたロータ部と、ステータ巻線と軸受がブラケットに保持されたステータ部とを備え、前記シャフトが前記軸受に回転可能に支持されることで、前記ロータ部が前記ステータ部に対して回転可能に構成されたアウターロータ型モータにおいて、前記ロータ部には、弾性により可動する複数の係合部を有した抜け止め部材が固定され、前記ステータ部には、上側の開口部の外径が大きい被係合部を有した略円筒形状のハウジングが固定され、前記抜け止め部材の係合部と、前記ハウジングの被係合部とが係合して、ロータ部の抜け止め機構を構成していることを特徴とする小型ブラシレスモータ。
  2. 前記被係合部の側面が下方に向かって外側に傾斜した形状であり、被係合部の下側の面が前記ハウジングの側面に対して垂直もしくは、鋭角的に位置することを特徴とする請求項1に記載の小型ブラシレスモータ。
  3. 前記抜け止め部材及び前記ハウジングは金属製でプレス加工により形成され、抜け止め部材には、弾性により可動し、その先端が内側に折れ曲がった略長方形状の複数の係合部が、略円形状のベースに対して垂直方向に一体的に形成され、さらに、ベースの内側には各係合部との接続部分に近い位置に突起部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の小型ブラシレスモータ。
  4. 前記抜け止め部材が固定される設置部材は、組み付け後に前記突起部が下方に押圧可能となるように、突起部の下方に位置する部分に空隙を有する形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の小型ブラシレスモータ。
  5. 前記抜け止め部材には前記各突起部間に別の突起部を設け、前記設置部材の別の突起部が設置される部位に、別の突起部を挟む一対のピン形状を設けたことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の小型ブラシレスモータ。
  6. 前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の小型ブラシレスモータを搭載したディスク駆動装置
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