明細書
光学活性《_メチルシスティン誘導体の製造方法 技術分野
本発明は、 医薬品等の中間体として有用な、 光学活性な S体または R体の α 一メチルシスティン誘導体の製造方法、 及び、 当該製法の有用中間体である光学 活性 2—ァミノ _ 2—メチル— 1, 3—プロパンジオール誘導体の製造方法に関 する。 背景技術
光学活性な S体又は R体のひ一メチルシスティン誘導体の製造方法とし ては、 以下の様な方法が知られている。
(1) 光学活性システィンとピバルアルデヒ ドより得られる光学活性チアゾリジ ン化合物への不斉メチル化による方法 (特表 2000-5 1 5 1 66) 。
(2) 光学活性ァラニンとベンズアルデヒドより得られる光学活性チアゾリジン 化合物への不斉チオメチル化による方法 ( J . O r g. Ch em. 、 1 996 年、 6 1卷、 10号、 3350頁) 。
(3) システィンとシァノベンゼンより得られるチアゾリン化合物のメチル化を 行い、 得られたラセミ体のチアゾリン化合物をキラル HP LCにて分離精製する 方法 (S y n l e t t . , 1994, 9, 702— 704) 。
( 4 ) 光学活性バリンとァラニンより合成される光学活性ジケトピペラジン化合 物を不斉ブロモメチル化し、 得られた化合物の臭素原子をアルカリ金属アルキル チォラートで置換する方法 (S y n t h e s i s、 1 98 1年、 969頁) 。
(5) 2—メチルー 2—プロペン一 1一オールのシャープレス不斉酸化により得 られる光学活性な 2—メチルダリシドールから光学活性アジリジンを合成し、 こ れにチオールを反応させる方法 (J. O r g. Ch em. , 1 995, 60, 7 90〜791) 。
(6) ァミノマロン酸誘導体をメチル化した後に、 豚肝臓エステラーゼ (以下 P
LEと略す) による非対称化を行い、 得られた非対称エステルをチォ酢酸アル力 リ金属塩と反応させる方法 (特開平 1 0— 245369) 。
しかしながら、 上記 (1) 〜 (4) の方法はいずれも、 ブチルリチウム等の高 価な塩基を用いた低温反応が必要である。 (5) の方法では、 工程数が長くて煩 雑であり高価な試薬を多く使う必要がある。 (6) の方法では、 大量生産が困難 で高価な P LEを多量に使用する必要があるため、 実用的とは言い難い。 このよ うに、 いずれの方法においても光学活性メチルシスティン誘導体の工業的製造方 法としては解決すべき課題を有している。
上記とは別の方法論として、 光学活性 2_アミノー 2—メチルー 1, 3—プロ パンジオール誘導体を光学活性 α—メチルシスティン誘導体に導く方法が考えら れる。 しかしながら、 光学活性 2—アミノー 2—メチル _ 1, 3—プロパンジ才 ール誘導体の製造法としては、 光学活性 2—メチルダリシドールを原料とする方 法が知られているのみであり、 この方法は工程数が 4工程と長く、 発火性のある 塩化ジェチルアルミニウムを用いなければならず工業的に実施する上で、 問題を 有している (J. O r g. C h e m. 、 1 997年、 62卷、 7号、 2275 頁) 。
一方、 酵素反応を用いる製造法は、 全く例がないが、 近接の方法として、 加水 分解酵素を用い光学活性 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体を合成す る方法、 及び加水分解酵素を用い光学活性 2—アミノー 1, 3—プロパンジォー ル誘導体を合成する方法が報告されている。
(1 ) 1一エトキシビエルエステルの存在下、 2—メチル— 1 , 3プロパン ジオール誘導体にリパーゼを作用させ、 光学活性モノエステルを得る方法 ( C h e m. P h a r m. B u l l . 、 2 00 0年、 4 8卷、 1 0号、 1 5 1 9頁) 。
(2) 2, 2—ビス (ァセ トキシメチル) シクロアルカノン誘導体にリパー ゼを作用させて光学活性モノエステルを得る方法 (C h e m. P h a r m. B u l l . 1 9 8 8年、 3 6卷、 1 1号、 4 3 3 7頁) 。
(3) 吉草酸ビュルエステルの存在下、 2— (N—ベンジルォキシカルポ-ル) 一
アミノー 1, 3—プロパンジオールにリパーゼを作用させ、 光学活性モノエステ ルを得る方法 ( J . Am. C e m. S o c . 、 1 9 8 8年、 1 1 0号、 7 2 0 0頁)
しかしながら、 上記文献中には 2位にメチル基及びアミノ基の両方を置換基と して有する光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体 の製造に関する知見や可能性については全く述べられていない。
上記に鑑み、 本発明の目的は、 医薬品の中間体として有用な光学活性な S体又 は R体の α—メチルシスティン誘導体を安価で入手容易な原料から簡便に製造で き、 工業的生産に対して実用的な方法を提供することにある。 発明の開示
本発明者らは、 上記に鑑み鋭意検討を行った結果、 カルボン酸エステル若しく は酸無水物の存在下において、 極めて安価で入手容易な 2—アミノー 2—メチル 一 1 , 3一プロパンジオール誘導体のジオール体の一方の水酸基を極めて高立体 選択的にエステル化して、 光学活性 2—ァミノ— 2—メチル _ 1, 3一プロパン ジオール誘導体のモノエステル体を与える酵素群を見出した。
さらに、 2—ァミノ一 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のジエス テル体の一方のエステルを立体選択的に加水分解して光学活性 2—ァミノ— 2— メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のモノエステル体を与える酵素群をも 見出した。
さらには、 光学活性 2—アミノー 2—メチル一 1, 3—プロパンジオール 誘導体のモノエステル体から、 水酸基のスルホネー ト化、 エステルの加水分 解、 酸化の後、 硫黄化剤との反応により光学活性 α—メチルシスティン誘導 体を得る方法を見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
(式中、 R R 2は各々独立して水素原子又は窒素原子の保護基を表す、 若しく は一緒になつて窒素原子の保護基を表す) で表される 2—アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のジオール体を、 下記式 (2 ) :
(2)
(式中、 R3は水素原子、 炭素数 1〜1 0の置換若しくは無置換のアルキル基、 炭 素数 7〜2 0の置換若しくは無置換のァラルキル基、 又は炭素数 6〜 2 0の置換 若しくは無置換のァリール基を表す。 Xは、 炭素数 1〜1 0の置換若しくは無置 換のアルキル基、 炭素数 7〜2 0の置換若しくは無置換のァラルキル基、 又は炭 素数 6〜2 0の置換若しくは無置換のァリール基を表す) で表されるカルボン酸 エステル、 若しくは下記式 (3 ) :
(3)
(式中、 R
3は前記と同じ) で表される酸無水物の存在下、 加水分解酵素を作用 させて水酸基の一方を立体選択的にエステル化することを特徴とする下記式 (4 ) :
(式中、 R 1 R 2、 R 3は前記に同じ。 ) で表される光学活性 2 _アミノー 2— メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のモノエステル体の製造方法である。
また、 本発明は、
(式中 R1 R R 3は前記に同じ。 ) で表される 2—アミノー 2—メチルー 1 , 3—プロパンジオール誘導体のジエステル体に、 加水分解酵素を作用させ、 一 方のエステルを立体選択的に加水分解することを特徴とする前記式 (4) で表さ れる光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のモノ ェステル体の製造方法でもある。
また、 本発明は、 前記式 (4) で表される光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のモノエステル体を下記式 (6) :
R4 S 02X (6)
(式中、 R 4は炭素数 1〜1 0の置換若しくは無置換のアルキル基、 炭素数 7〜 20の置換若しくは無置換のァラルキル基、 又は炭素数 6〜 20の置換若しくは 無置換のァリール基を表す。 ) で表されるスルホン酸ハライドと反応させたのち 、 加水分解して下記式 (7) :
(式中、 R R2、 R4は前記に同じ。 ) で表される化合物を製造したのち、 酸 化し、 下記式 (8) :
5
(式中、 R R2、 R4は前記と同じ) で表される化合物を製造し、 次いで下記 式 (9) :
R5— S— Z (9)
(式中、 R5は水素原子、 置換若しくは無置換のアルキル基、 置換若しくは無置 換のァシル基、 又は置換若しくは無置換のァリール基を表す。 Zは水素原子若し くはアルカリ金属原子を表す。 ) で表される硫黄化剤を作用させ、 必要に応じて 脱保護することを特徴とする下記式 (10) :
(式中、 R6は前記 R1と同じ又は水素原子を表す。 R7は前記 R2と同じ又は水素 原子を表す。 R 8は前記 R5と同じ又は水素原子を表す。 ) で表される光学活性 α 一メチルシスティン誘導体の製造方法でもある。
また、 本発明は、 下記式 (1 1) :
(式中、 R3は水素原子、 炭素数 1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、 炭 素数 7〜20の置換若しくは無置換のァラルキル基、 又は炭素数 5〜 20の置換 若しくは無置換のァリール基を表す。 R 9はべンジルォキシカルボ二ル基を表す 。 ) で表される R体又は S体の光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1, 3—プロ
ール誘導体でもある。
また、 下記式 (7 ) :
(式中、 R R 2は各々独立して水素原子又は、 窒素原子の保護基を表す、 若し くは一緒になつて窒素原子の保護基を表す。 R 4は炭素数 1〜1 0の置換若しく は無置換のアルキル基、 炭素数 7〜 2 0の置換若しくは無置換のァラルキル基、 又は炭素数 5〜2 0の置換若しくは無置換のァリール基を表す。 ) で表される R 体又は S体の光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1, 3一プロパンジオールのモ ノスルホネート体、 特には R 1が水素原子、 R 2がべンジルォキシカルボ-ル基で ある光学活性 2—アミノ一 2—メチルー 1, 3—プロパンジオールのモノスルホ ネート体でもある。
また本発明は、 下記式 (8 ) :
(式中、 R R 2は各々独立して水素原子又は、 窒素原子の保護基を表す、 若し くは一緒になつて窒素原子の保護基を表す。 R 4は炭素数 1〜1 0の置換若しく は無置換のアルキル基、 炭素数 7〜2 0の置換若しくは無置換のァラルキル基、 又は炭素数 5〜2 0の置換若しくは無置換のァリール基を表す。 ) で表される R 体又は S体の光学活性 2—アミノー 2—メチループ口ピオン酸誘導体、 特には R 1が水素原子、 R 2がべンジルォキシカルポニル基である光学活性 2—アミノー 2 ―メチループ口ピオン酸誘導体でもある。
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を詳細に説明する。
まず、 本発明で用いる化合物について説明する。 本発明に用いる 2—アミノー 2 ーメチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のジオール体 ( 1 ) において、 R 1 、 R 2は各々独立して水素原子又は窒素原子の保護基を表す。 若しくは一緒にな つて窒素原子の保護基を表す。 化合物 (1 ) においてアミノ基は 1〜 3級のいず れでもよく、 R 1及び R 2は、 両方が水素原子、 片方が水素原子で他方が保護基、 両方が保護基若しくは一緒になつて保護基、 のいずれでもよい。
窒素原子上の保護基としては、 公知の保護基を特に制限なく使用できるが、 炭 素数 1〜1 0の置換もしくは無置換のアルキル基、 炭素数 7〜 2 0の置換若しく は無置換のァラルキル基、 炭素数 6〜 2 0のァリール基、 炭素数 1〜2 0の置換 若しくは無置換のァシル基、 炭素数 1〜1 0の置換もしくは無置換のアルキルォ キシカルボニル基、 炭素数 7〜 2 0の置換若しくは無置換のァラルキルォキシ力 ルポ二ル基、 又は炭素数 6〜 2 0のァリールォキシカルボニル基などが挙げられ る。
好ましくは、 炭素数 1〜2 0の置換若しくは無置換のァシル基、 炭素数 1〜1 0の置換もしくは無置換のアルキルォキシカルボニル基、 炭素数 7〜 2 0の置換 若しくは無置換のァラルキルォキシカルボニル基、 又は炭素数 6〜 2 0のァリー ルォキシカルボニル基であり、 経済性、 脱保護の容易さの点から、 より好ましく は、 炭素数 7〜2 0の置換若しくは無置換のァラルキルォキシカルボニル基であ る。
上記炭素数 1〜 1 0の置換もしくは無置換のアルキルォキシカルポニル基とし ては、 メ トキシカノレポ二ノレ基、 エトキシカノレポ二ノレ基、 n—プロポキシカノレポ二 ル基、 i一プロポキシカルポニル基、 t一ブトキシカルボニル基、 ァリルォキシ カルボュル基などが挙げられる。
上記炭素数 7〜 2 0の置換若しくは無置換のァラルキルォキシカルボニル基と しては、 ベンジルォキシカルボニル基、 p—メ トキシベンジルォキシカルボ-ル 基、 o—メ トキシべンジ /レオキシカノレポ二ノレ基、 p—クロ口べンジノレオキシカノレ
ボニル基、 p—ブロモペンジノレオキシカルポ-ノレ基、 o—クロ口べンジルォキシ カルポニル基、 o—ブロモベンジルォキシカルボニル基、 p _メチルベンジルォ キシカルポニル基、 o—メチルベンジルォキシカルボニル基などが挙げられ、 好 ましくは、 ベンジルォキシカルボ-ル基である。
上記炭素数 6〜 2 0の置換若しくは無置換のァリールォキシカルポニル基とし ては、 フエニルォキシカルボニル基、 p—メ トキシフエニノレオキシカノレポ二ノレ基 、 o—メ トキシフエニノレオキシカノレポ二ノレ基、 p—クロ口フエニノレオキシカノレポ ニル基、 p—ブロモフエニノレオキシカノレポ二ノレ基、 o—クロ口フエニノレオキシカ ノレポニノレ基、 o一ブロモフエニルォキシカノレボニル基、 —メチノレフェニノレ才キ シカルポニル基、 o—メチルフエニノレオキシカルボニル基、 m—二ト口フエニル ォキシカルボニル基などが挙げられる。
また、 R 1と R 2が一緒になつた保護基としては、 フタロイル基等を挙げること ができる。
前記式 (2 ) で表されるカルボン酸エステルにおいて、 R3は水素原子、 炭素数 1〜1 0の置換若しくは無置換のアルキル基、 炭素数 7〜 2 0の置換若しくは無 置換のァラルキル基、 又は炭素数 5〜 2 0の置換若しくは無置換のァリール基を 表す。
上記 R 3における炭素数 1〜 1 0の置換若しくは無置換のアルキル基としては 、 特に限定されず、 例えばメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル 基、 n—ブチル基、 イソブチル基、 t 一プチル基、 n—ペンチル基、 シクロへキ シル基などが挙げられ、 好ましくはメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソ プロピル基、 n—ブチル基等の炭素数 1〜4のアルキル基であり、 より好ましく はメチル基である。 炭素数 7〜2 0の置換若しくは無置換のァラルキル基として は、 特に限定されず、 例えばべンジル基、 p—ヒドロキシベンジル基、 p—メ ト キシベンジル基などが挙げられる。 炭素数 5〜 2 0の置換若しくは無置換のァリ ール基としては、 特に限定されず、 例えばフヱニル基、 o—メチルフエ-ル基、 m—メチルフエニル基、 p—メチルフエニル基、 o—メ トキシフエ二ル基、 m— メ トキシフエ二ル基、 p—メ トキシフエ二ル基、 ナフチノレ基、 アントラセニル基
、 2—フリル基、 2—チオフヱ-ル、 2—ピリジル基、 3—ピリジル基などが挙 げられる。
前記式 (2 ) で表されるカルボン酸エステルにおいて、 Xは、 炭素数 1〜 1 0 の置換若しくは無置換のアルキル基、 又は炭素数 7〜 2 0の置換若しくは無置換 のァラルキル基、 又は炭素数 5〜 2 0の置換若しくは無置換のァリール基を表す 上記 Xにおける炭素数 1 〜 1 0の置換若しくは無置換のアルキル基、 炭素数 7 〜 2 0の置換若しくは無置換のァラルキル基、 炭素数 5〜 2 0の置換若しくは無 置換のァリール基は、 前記に例示したものと同じであるが、 好ましくは、 置換又 は無置換のビュル基である。
上記、 置換若しくは無置換のビュル基としては、 特には限定されないが、 ビニ ノレ基、 1—プロぺニル基、 1ープテュル基、 1 一へキセニル基、 1—シク口へキ セエル基、 2—メ トキシビュル基、 2 _エトキシビュル基などが挙げられる。 好 ましくはビュル基である。
カルボン酸エステル (2 ) として、 好ましくは酢酸ビュル、 プロピオン酸ビ二 ル、 酪酸ビュルである。
前記式 (3 ) で表される酸無水物において、 R 3は前記に定義したものと同じ である。 酸無水物 (3 ) として、 好ましくは、 無水酢酸、 無水プロピオン酸、 無 水酪酸である。
前記式 (4 ) で表される光学活性 2 _アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパン ジオール誘導体のモノエステル体、 及び前記式 (5 ) で表される光学活性 2—ァ ミノ一 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のジエステル体において、 R \ R 2、 R 3は前記に定義したものと同じである。
次に、 本発明の製造方法について説明する。 まず、 2—アミノー 2—メチルー 1, 3 —プロパンジオール誘導のジオール体 (1 ) を加水分解酵素によって立体 選択的にエステル化し、 光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパンジ オール誘導体のモノエステル体 (4 ) を合成する工程、 及び、 2—アミノー 2 _ メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体のジエステル体 (5 ) を加水分解酵素
によって立体選択的に加水分解し、 光学活性 2 _アミノー 2—メチルー 1, 3— プロパンジオール誘導体のモノエステル体 (4 ) を合成する工程について説明す る。
本発明に用いる 2—アミノー 2—メチルー 1, 3 —プロパンジオール誘導体の ジオール体 (1 ) は、 市販の 2—アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパンジォー ルを公知の方法に従いアミノ基の保護を行い製造することが可能である。 また、 2—アミノー 2—メチノレー 1, 3—プロパンジオール誘導体のジエステル体 ( 5 ) は、 前記アミノ基を保護したジオール体を公知方法に従いジエステル化し製造 することができる。
本発明に使用する酵素源としては、 前記式 (2 ) で表されるカルボン酸ェ ステル若しくは前記式 (3 ) で表される酸無水物の存在下に 2 —アミノー 2 ーメチノレー 1, 3 —プロパンジォーノレ誘導体のジォーノレ体 (1 ) をエステノレ 化する活性を有する酵素源、 あるいは、 2 _アミノー 2—メチルー 1, 3— プロパンジオール誘導体のジエステル体 (5 ) を加水分解する活性を有する 酵素源が使用できる。 当該活性を有するものであれば、 動物、 植物、 又は、 微生物由来のいずれでも使用できるが、 工業的な利用には微生物由来のもの が好ましい。
酵素源となる微生物としては、 当該酵素の生産能力を有する微生物であれ ばいずれも利用できる。 例えば公知のものとして、 ァクロモパクター (Achr omobacter) 属、 ァノレカリゲネス属 (Alcaligenes) 、 ァスぺノレギルス (Aspe rgillus) 属、 パシラス (Bacillus) 属、 ブルクホルデリア (Burkholderia ) 属、 キャンディダ (Candida) 属、 クロモパクテリ ゥム (Chromobacterium ) 属、 ゲォトリカム (Geotrichum) 属、 フミコーラ (Humicola) 属、 ムコア 一 (Mucor) 属、 リゾムコア一 (Rhizomucor) 属、 ぺニシリウム (Penicilli um) 属、 シユードモナス (Pseudomonas) 属、 リゾパス (Rhizopus) 属、 又は サーモマイセス (Thermomyces) 属に属する微生物等が挙げられる。
好ましくは、 ァクロモパクター ' スピーシーズ (Achromobacter sp. ) 、 ァ ルカリゲネス · スピーシーズ (Alcaligenes sp. ) 、 ァスペルギルス ·ゲネス
(Aspergi llus genes) 、 ァスペルギルス · -ガー (Aspergi llus niger) 、 ァスぺノレギノレス ' メ レウス (Aspergillus melleus) 、 アスペスレギノレス ·オリ ージェ (Aspergi l lus oryzae) 、 プノレクホ /レデジァ ·セノヽ0シァ (Burkholder ia cepacia) 、 ブノレクホノレテリア · グラアイロイ (Burkholderia gradi loi ) 、 キャンディダ ' アンタノレクチカ (Candi da antarctica) 、 キャンディダ
• シリンドラセァ (Candida cyl indracea) 、 キャンディダ ' ノレゴサ (Candi da rugosa) 、 クロモノ クテリ ゥム · ビスコサム Chromobacterium vi scosu m) 、 ゲ才トリカム · キャンディダ'ム (Geotrichum candi dum) 、 フミコーラ
• ラヌギノーサ (Humi cola lanuginosa) 、 ムコア一 · -ェへィ (Mucor mie hei) 、 リゾムコア一 · ミエヘイ (Rhizomucor miehei) 、 ぺニシリ ゥム · 力 メンべノレチ (Penici llium camemberti) 、 ぺニシリゥム · シクロピウム (Pe nicil lium cyclopium) 、 シユード、モナス · セノヽンノ (Pseudomonas cepacia ) 、 シュードモナス · フノレオレセンス (Pseudomonas fluorescens) 、 シユー ドモナス · スッゼリ (Pseudomonas stutzeri) 、 シユードモナス · スピ一ン ズ (Pseudomonas sp. ) 、 リゾパス *テレマー (Rhizopus delemar) 、 又は サーモマイセス ·ラヌギノーサス (Thermomyces lanuginosus) 等が挙げられ る。
さらに好ましくは、ァクロモバクター · スピーシーズ (Achromobacter sp. ) 、 ァノレカリゲネス · スピーシーズ (Alcal igenes sp. ) 、 ブノレクホノレデリア 'セパシァ (Burkholderia cepacia) 、 キャンディダ ' アンタルクチ力 (Ca ndida antarcti ca) 、 シユー ドモナス · セノ ンァ (Pseudomonas cepacia) ヽ シユードモナス . フノレオレセンス (Pseudomonas fluorescens) 、 シユードモ ナス · スッゼリ (Pseudomonas stutzeri) 、 シユードモナス · スピーシーズ (Pseudomonas sp. ) 等力 S挙げられる。
なお、 リゾムコア一 (Rhizomucor) 属はムコア一 (Mucor) 属から独立した 属であり、 リゾムコア一' ミエヘイ (Rhizomucor mi ehei) は元来ムコア一 ' ミエヘイ (Mucor miehei) とされていた微生物である。
これらの微生物は一般に入手または購入が容易な保存株から得ることや、 自然
界から分離することができる。 また、 これらの微生物に変異を生じさせてより本 反応に有利な性質を有する変異株を得ることもできる。 更に、 遺伝子組換え等の 方法を用いて、 上記微生物由来の加水分解酵素を高生産するように作成された形 質転換微生物を用いることもできる。
上記形質転換微生物は、 例えば、 当該エステル化活性または加水分解活性を有 する菌株から加水分解酵素遺伝子をクロー-ングした後、 適当なベクターとの組 換えプラスミ ドを作成し、 これを用いて適当な宿主微生物を形質転換することに より作成できる。 なお、 組換え D N A技術については当該分野において周知であ り、例えば、 Molecular Cloning 2nd Edition (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)、 Current Protocols in Molecular Biology (Greene Pub丄 lslung Associates and Wiley-Interscience) に記載されてレヽる。
本発明において、 前述の微生物によって生産された酵素は、 酵素自体とし て用いることができるほか、 本酵素活性を有する微生物若しくはその処理物 としても用いることができる。 ここで、 微生物の処理物とは、 例えば、 粗抽 出液、 凍結乾燥菌体、 アセ トン乾燥菌体、 またはこれら乾燥菌体の破碎物を 意味する。
更に上記酵素または微生物は、 公知の手段で固定化して固定化酵素または 固定化菌体として用いることもできる。 固定化は当業者に周知の方法である 架橋法、 共有結合法、 物理的吸着法、 包括法などで行い得る。 なお、 酵素を 固定化して安定化することで、 酵素反応を、 より過酷な温度域で行うことな どが可能となり、 反応をより効率的に進行させることができる。 さらに、 酵 素の反復使用が可能となること、 製造プロセスが簡略化できるなどによる製 造コストの低減等のメリットも期待できる。
酵素源として用いる微生物の為の培養培地は、 その微生物が増殖し得るも のである限り特に限定されない。 例えば、 炭素源として、 グルコース、 シュ 一クロース等の糖質、 エタノール、 グリセロール等のアルコール類、 ォレイ ン酸、 ステアリン酸等の脂肪酸及びそのエステル類、 菜種油、 大豆油等の油 類、 窒素源として、 硫酸アンモニゥム、 硝酸ナトリウム、 ペプトン、 カザミ
ノ酸、 コーンスティープリカ一、 ふすま、 酵母エキスなど、 無機塩類として 、 硫酸マグネシウム、 塩化ナトリ ウム、 炭酸カルシウム、 リン酸水素二カリ ゥム、 リン酸二水素カリウムなど、 他の栄養源として、 麦芽エキス、 肉ェキ ス等を含有する通常の液体培地が使用され得る。 培養は好気的に行い、 通常 、 培養時間は 1〜 5日間程度、 培地の p Hは 3〜 9、 培養温度は 1 0〜 50 °Cで行い得る。
また、 本発明の酵素源としては、 微生物由来、 植物由来、 あるいは動物由来の 市販の加水分解酵素を用 、ることもできる。 これら市販の加水分解酵素としては 、 例えば、 リパーゼ AL (名糖産業社製) 、 リパーゼ PL (名糖産業社製) 、 リ パーゼ OF (名糖産業社製) 、 リパーゼ SL (名糖産業社製) 、 リパーゼ TL ( 名糖産業社製) 、 リパーゼ QLM (名糖産業社製) 、 リパーゼ MY (名糖産業社 製) 、 リパーゼ L—080 (B I OCATALYSTS社製) 、 リパーゼ L— 0 53 (B I OCATALYSTS社製) 、 リパーゼ L一 055 P (B I OCAT ALYSTS社製) 、 リパーゼ L— 018 (B I O C AT A L Y S T S社製) 、 リパーゼ L一 050 (B I OCATALYSTS社製)、 P a 1 a t a s e A 7 50 L (NOVOZYME社製) 、 NOVO Z YME 435 (NOVO Z YME 社製) 、 S P 525 (NOVOZYME社製) 、 S P 526 (NOVO Z YME 社製) 、 S P 524 (NOVOZYME社製) 、 S P 523 (NOVO Z YME 社製) 、 プロテアーゼ S P 539 (NOVOZYME社製) 、 L i p o z y m e 10000 L (NOVOZYME社製) 、 リパーゼ PS 「ァマノ」 (天野ェン ザィム社製) 、 リパーゼ GC 「ァマノ」 4 (天野ェンザィム社製) 、 リパーゼ G 「ァマノ」 50 (天野ェンザィム社製) 、 リパーゼ P 「ァマノ」 (天野ェンザィ ム社製) 、 CHE 「ァマノ」 2 (天野ェンザィム社製) 、 リパーゼ AP 6 (天野 ェンザィム社製) 、 リパーゼ AH 「ァマノ」 (天野ェンザィム社製) 、 リパーゼ AYS 「ァマノ」 (天野ェンザィム社製) 、 リパーゼ AK 「ァマノ」 20 (天野 ェンザィム社製) 、 リパーゼ D 「ァマノ」 (天野ェンザィム社製) 、 プロテア一 ゼ P 「ァマノ」 (天野ェンザィム社製) 、 プロテアーゼ A 「ァマノ」 (天野ェン ザィム社製) 、 プロテアーゼ Nマツ 「ァマノ」 (天野ェンザィム社製) 、 ァシラ
ーゼ 「ァマノ」 1 5000 (天野ェンザィム社製) 、 トヨチーム L I P (東洋紡 社製) 、 豚膝臓リパーゼ (東洋醸造社製) 、 リパーゼ WO (B o e h r i n g e r Ma n n h e i m社製) 、 リパーゼ (生化学工業社製) 、 S u b t i 1 i s i nA (C a r 1 s b e r g社製) 、 アシラーゼ (東京化成工業社製) 、 ァシラ ーゼ A (S i gma社製) 等が挙げられる。
なお、 NOVOZ YME S P 525は、 製品形状によっては N O V O Z YM E 435 (固定化) 、 あるいは NOVO ZYME CALB L (液状) とも 称される。また、 NOVO Z YME S P 524は、 L i p o z yme RM I M (固定化) 、 NOVOZ YME 388 (液状) とも称される。 同様に、 NO VO Z YME S P 523は L i p o z yme T L I M (固定化) 、 L i p o z yme T L 100 L (液状) とも称される。
好ましくは、 リパーゼ A L (名糖産業社製) 、 リパーゼ P L (名糖産業社 製) 、 リパーゼ S L (名糖産業社製) 、 リパーゼ TL (名糖産業社製) 、 リ パーゼ L— 08 0 (B I OC ATAL Y S T S社製) 、 NOVO ZYME 4 3 5 (NOVOZ YME社製) 、 S P 5 2 5 (NOVOZ YME社製) 、 リ パーゼ P S 「ァマノ」 (天野ェンザィム社製) 、 リパーゼ P 「ァマノ」 (天 野ェンザィム社製) 、 CHE 「ァマノ」 2 (天野ェンザィム社製) 、 リパー ゼ AH 「ァマノ」 (天野ェンザィム社製) 、 リパーゼ AK 「ァマノ」 20 ( 天野ェンザィム社製) 、 トヨチーム L I P (東洋紡社製) 等が挙げられる。 本発明においては、 適切な酵素源を選択することにより、 前記式 (4) で表さ れる光学活性 2—アミノ一 2—メチル— 1, 3—プロパンジオール誘導体のモノ エステル体の S体、 R体のいずれも製造することができる。
エステル化反応の場合、 酵素源として例えば、 前記ァスペルギルス (Aspergil lus) 属、 キャンディダ (Candida) 属、 又はシユードモナス (Pseudomonas) 属に 属する微生物を用いた場合には、 化合物 (4) の S体を製造することができる。 なかでも、 ァスぺノレギルス ·二ガー (Aspergillus niger) 、 キャンディダ 'アンタ ルクチカ (Candida antarctica) 、 又はシユードモナス .スピーシーズ (Pseudomo nas sp.) が好ましく、 キャンディダ 'アンタルクチ力 (Candida antarctica) がよ
り好ましい。
また、 例えば、 前記ァクロモパクター (Achromobacter) 属、 アルカリゲネス属 (Alcaligenes) 、 ブルクホルデリア (Burkholderia) 属、 キャンディダ (Candi da) 属、 ゲォトリカム (Geotrichum) 属、 フミコーラ (Humicola) 属、 ムコア一 (Mucor) 属、 リゾムコア一 (Rhizomucor) 属、 ぺ-シリウム (Penicillium) 属 、 シユードモナス (Pseudomonas) 属、 又はサーモマイセス (Thermomyces) 属に 属する微生物を用いた場合には、 化合物 (4 ) の R体を製造することができる。 なかでも、 ァクロモノ クタ一 ' スピーシース、 (Achromobacter sp. ) 、 ァノレカリゲ ネス .スピーシーズ (Alcaligenes sp. ) 、 ブルクホルデリア ·セパシァ (Burkh olderia cepacia) 、 ブルクホルアリア ·グラティロイ (Burkholderia gradiloi ) 、 キャンディダ 'アンタルクチ力 (Candida antarctica) 、 キャンディダ ·シ リンドラセァ (Candida cylindracea) 、 ゲォトリカム 'キャンディダム (Geotr ichura candi dum) 、 フミコーフ ·フヌキノーサ (Humicola lanuginosa; 、 ムコ/ 一 · ミエヘイ (Mucor miehei 、 リゾムコア一 · :ェヘイ (Rhizomucor miehei ) 、 ぺニシリゥム ·カメンべノレチ (Penicil l ium camemberti; 、 ぺニシリゥム · シクロピウム (Penicillium cyclopium) 、 シユードモナス ·セノヽ。シァ (Pseudom onas cepacia; シユードモナス · フノレ才レセンス (Pseudomonas f丄 uorescens ) 、 シユードモナス ·スッゼリ (Pseudomonas stutzeri) 、 シユードモナス ·ス ピーシーズ (Pseudomonas sp. ) 、 又はサーモマイセス · ラヌギノーサス (Therm omyces lanuginosus) 力 S好ましく、 ァクロモ/ クタ一 · スピーシーズ (Achromob acter sp. ) 、 ァノレカリゲネス · スピーシース' (Alcaligenes sp. ) 、 ブルクホノレ デリア ·セパシァ (Burkholderia cepacia) 、 シユードモナス ·スッゼリ (Pseu domonas stutzeri) 、 又はシュードモナス ·スピーシーズ (Pseudomonas sp. ) 力 より好ましい。
加水分解反応の場合、 酵素源として例えば、 前記ァクロモパクター (Achromob acter) 属、 アルカジゲネス属 (Alcaligenes) 、 ァスペルギルス (Aspergillus ) 属、 バシラス (Bacillus) 属、 ブルクホルデリア (Burkholderia) 属、 キャン デイダ (Candida) 属、 クロモパクテリゥム (Chromobacterium) 属、 ぺニシリウ
ム (Penicillium) 属、 シユードモナス (Pseudomonas) 属、 リゾノ ス (Rhizopus ) 属、 又はサーモマイセス (Thermomyces) 属に属する微生物を用いた場合には、 化合物 (4 ) の S体を製造することができる。 なかでも、 ァクロモパクター · ス ピーシーズ (Achromobacter · sp. ) 、 アルカリゲネス ' スピーシーズ (Alcaligen es sp. ) 、 ァスぺノレギノレス ·ゲネス (Aspergillus genes) 、 ァスぺ /レギノレス ·二 ガー (Aspergillus niger) 、 ァスぺノレギノレス ·オジージェ (Aspergillus oryza e) 、 ァスペルギルス · スピーシーズ (Aspergillus sp. ) 、 バシラス · ライケニ フオルミス (Bacillus licheniformis) 、 パシラス ·サチルス (Bacillus subti li s) 、 パシラス 'スピーシーズ (Baci llus sp. ) 、 ブルクホルデリア ·セパシァ (Burkholderia cepacia) ゝ ブルクホルアジア · グラディロイ (Burkholderia g radiloi) 、 キャンディダ 'アンタルクチ力 (Candida antarctica) 、 キャンディ ダ ·シリンドラセァ (Candida cyl indracea) 、 キャンディダ ·ルゴサ (Candida rugosa) 、 クロモノ クテリゥム · ビスコサム (Chromobacterium viscosum) 、 へ -シリゥム ·シク口ピウム (Penicillium cyclopium) 、 シユードモナス ·セパシ 了 (Pseudomonas cepacia) ヽ シユードモナス · フルオレセンス (Pseudomonas f luorescens) 、 シュードモナス · スッセリ (Pseudomonas stutzeri 、 シュー r モナス ·スピ一ンーズ (Pseudomonas sp. ) 、 リゾパス ·デレマ一 (Rhizopus de lemar) ヽ 又 ίまサーモマイセス · ラヌギノーサス (Thermomyces lanuginosus カ 好ましく、 ァクロモパクター ·スピーシーズ (Achromobacter sp. ) 、 プルクホル デリア 'セパシァ (Burkholderia cepacia) 、 シユードモナス 'セパシァ (Pseu domonas cepacia) 、 シュードモナス · フノレ レセンス (Pseudomonas fluoresce ns) 、 シユードモナス 'スッゼリ (Pseudomonas stutzeri) 、 又はシユードモナ ス .スピーシーズ (Pseudomonas sp. ) がより好ましい。 また、 豚膝臓由来の酵素 も、 化合物 (4 ) の S体を製造しうる加水分解酵素として好適である。
また、 例えば、 前記ァスペルギルス (Aspergillus) 属、 キャンディダ (Candi da) 属、 ムコア一 (Mucor) 属、 リゾムコア一 (Rhizomucor) 属又はリゾパス (R hizopus) 属に属する微生物を用いた場合には、化合物 (4 ) の R体を製造するこ とができる。 なかでも、 ァスペルギルス '二ガー (Aspergillus niger) 、 ァスぺ
ルギルス ·メレウス (Aspergillus melleus) 、 キャンディダ'アンタルクチ力 ( Candida antarctica) 、 ムコァ一' ミエヘイ (Mucor miehei) 、 リゾムコフ一 · ミエへィ (Rhizomucor miehei) 又はジンノ ス ·テレマ一 (Rhizopus delemar) 力 S 好ましく、 キャンディダ 'アンタルクチ力 (Candida antarctica) がより好まし 本発明のエステル化反応は以下の方法で行うことができる。 基質として 2 一アミノー 2ーメチルー 1, 3一プロパンジオール誘導体のジオール体 ( 1 ) を用い、 前述の酵素源、 及ぴ、 カルボン酸エステル (2 ) 若しくは酸無水物 ( 3 ) の存在下、適当な溶媒中で反応を行う。基質の仕込み濃度は 0 . 1 % (w / v ) 以上、 9 0 % (w/ v ) 以下、好ましくは 1 % (w/ v ) 以上、 5 0 % (w / v ) 以下で溶解または懸濁した状態で反応を行い、 反応温度は 1 0 °C以上、 8 0 °C以下、 好ましくは 2 0 °C以上、 6 0 °C以下の適当な温度で調節し、 p H 3以 上、 9以下、 好ましくは p H 4以上、 8以下に保ちつつ暫時静置または攪拌すれ ばよい。 また、 基質を連続的に添加しうる。 反応は、 パッチ法または連続方式で 行い得る。 本発明の反応は、 固定化酵素、 膜リアクターなどを利用して行うこと も可能である。
反応溶媒としては、 反応を阻害しない溶媒であれば特に制限はないが、 例えば ペンタン、 へキサン、 ヘプタン、 シク口へキサン、 石油エーテル等の炭化水素系 溶媒; トルエン、 ベンゼン、 キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、 エタノール、 イソプロパノール、 n—プロパノール、 n—ブタノール、 イソブタ ノール、 t e r t—ブタノール等のアルコール溶媒;ァセトニトリル、 プロピオ 二トリル等の二トリル系溶媒、 t e r t—ブチルメチルエーテル、 ジェチルエー テル、 ジイソプロピルエーテル、 テトラヒ ドロフラン、 ジォキサン等のエーテル 系溶媒;酢酸ェチル、 酢酸一 n—ブチル、 酢酸ビュル、 n—酪酸ビュルなどのェ ステル系溶媒;アセトン、 4—メチルー 2—ペンタノン等のケトン系溶媒; N, N ージメチルホルムアミ ド、 N, N—ジメチルァセトアミド等のアミ ド系溶媒;ジ メチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;塩化メチレン、 1, 2—ジクロ口 エチレン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒おょぴ水、
緩衝液等の水性媒体が挙げられ、 これら溶媒の 2種以上を混合して用いてもよい 。 混合溶媒を用いる場合、 混合割合に特に制限はない。 さらに必用に応じて、 抗 酸化剤、 界面活性剤、 補酵素、 金属などを添加することもできる。
かく して、 2—ァミノ一 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体の ジオール体 (1 ) は、 一方の水酸基が立体選択的にエステル化され、 光学活 性 2—アミノー 2—メチルー 1, 3一プロパンジオール誘導体のモノエステ ル体 (4 ) に変換される。
また、 本発明の加水分解反応は以下の方法で行うことができる。 基質とし て前記式 ( 5) で表される 2—ァミノ一 2—メチルー 1, 3—プロパンジォ ール誘導体のジエステル体を用い、 前述の酵素源の存在下、 水性媒体中で反 応を行う。基質の仕込み濃度は 0. 1 % (w/v)以上、 9 0% (w/v)以下、 好ましくは 1 % (w/v) 以上、 5 0% (w/v) 以下で溶解または懸濁した状 態で反応を行い、 反応温度は 1 0°C以上、 8 0°C以下、 好ましくは 20°C以上、 6 0°C以下の適当な温度で調節し、 p H3以上、 1 0以下、 好ましくは pH4以 上、 8以下に保ちつつ暫時静置または攪拌すればよい。 また、 基質を連続的に添 加しうる。 反応は、 バッチ法または連続方式で行い得る。 本発明の反応は、 固定 化酵素、 膜リアクターなどを利用して行うことも可能である。
水性媒体としては、 水、 緩衝液、 これらにエタノールのような水溶性有機溶媒 を添加した混合溶媒を用いることができる。 また、 前記水性媒体と水に溶解しに くい有機溶媒、 例えば、 酢酸ェチル、 酢酸一 n—ブチル、 トルエン、 クロ口ホル ム、 n—へキサンなどとの 2層系として用いることもできる。 さらに必用に応じ て、 抗酸化剤、 界面活性剤、 捕酵素、 金属などを添加することもできる。
かく して、 2—アミノー 2—メチル _ 1, 3—プロパンジオール誘導体の ジエステル体 (5 ) は、 一方のエステルが立体選択的に加水分解され、 光学 活性 2 _アミノー 2—メチルー 1, 3 _プロパンジオール誘導体のモノエス テル体 (4) に変換される。
生成した光学活性 2—ァミノ― 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール誘導体 のモノエステル体 (4) は、 通常の分離方法、 例えば抽出、 またはカラムクロマ
トグラフィーなどの分離方法やそれらの組み合わせにより分離、 精製することが できる。 例えば、 微生物等を用いた場合には必要に応じ遠心分離、 濾過等の処理 を施して菌体等の懸濁物を除去し、 次いで、 一般的な抽出溶剤、 例えば酢酸ェチ. ル、 トルエン等の有機溶剤で抽出し、 有機溶剤を減圧下で除去し、 そして減圧蒸 留またはクロマトグラフィー等の処理を行う事により精製され得る。
なお、 前記式 ( 4 ) において R 1が水素原子、 R 2がべンジルォキシカルボ二ノレ 基である化合物、 即ち、 下記式 (1 1 ) :
(式中、 R3は前記と同じ。 R 9はべンジルォキシカルボ二ル基を表す。 ) で表さ れる R体又は S体の光学活性 2—アミノー 2—メチル一 1 , 3—プロパンジォー ル誘導体は新規化合物である。
次に、 前記式 ( 4 ) で表される光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1 , 3 一プロパンジオール誘導体のモノエステル体から光学活性 α—メチルシステ ィン誘導体を製造する方法について詳細に説明する。
光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1 , 3一プロパンジオール誘導体のモノエ ステル体 (4 ) は、 塩基存在下に、 前記式 (6 ) で表されるスルホン酸ハライド と反応させることによりスルホネート化し、 光学活性 2—アミノー 2—メチルー 1 , 3一プロパンジオール誘導体のモノエステルモノスルホネート体を製造する ことができる。
前記式 (6 ) で表されるスルホン酸ハライ ドにおいて、 R 4は、 炭素数 1 〜 1 0の置換若しくは無置換のアルキル基、 炭素数 7〜 2 0の置換若しくは無置換の ァラルキル基、 又は炭素数 5〜 2 0の置換若しくは無置換のァリール基を表す。 上記炭素数 1 〜 1 0の置換若しくは無置換のアルキル基としては、 特に限定さ れず、 例えばメチル基、 ェチル基、 η—プロピル基、 イソプロピル基、 η—プチ ル基、 イソブチル基、 t 一ブチル基、 n—ペンチル基、 シクロへキシル基などが
挙げられ、 好ましくはメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル基で あり、 より好ましくはメチル基である。 炭素数 7〜 2 0の置換若しくは無置換の ァラルキル基としては、 特に限定されず、 例えばべンジル基、 p—ヒ ドロキシべ ンジル基、 p—メ トキシベンジル基、 p—メチルべンジル基などが挙げられる。 炭素数 5〜2 0の置換若しくは無置換のァリール基としては、 特に限定されず、 例えばフエ二ノレ基、 o—メチ/レフェニル基、 m—メチノレフエ二ノレ基、 p—メチル フエニル基、 o—メ トキシフエ二ル基、 m—メ トキシフエ二ノレ基、 p—メ トキシ フエニル基、 ナフチル基、 アントラセニノレ基、 2—フリル基、 2—チォフエ二ノレ 、 2—ピリジル基、 3—ピリジル基などが挙げられる。
前記式 (6 ) で表されるスルホン酸ハライ ドにおいて Yはハロゲン原子を表し 、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子等が挙げられる。
上述のスルホン酸ハライ ドとしては、 経済性、 反応性の点から、 好ましくはメ タンスルホニルクロライ ド、 ベンゼンスルホニルクロライ ド、 p—トルエンスル ホニルクロライドが挙げられ、 より好ましくはメタンスルホ-ルクロライ ドであ る。
スルホン酸ハライド (6 ) の当量としては、 基質に対して 0 . 5〜1 0 . 0当 量が好ましく、 より好ましくは 1 . 0〜5 . 0当量である。 1 0当量以上用いて も当然反応は進行するが、 経済性、 生成物の精製の点からは好ましくない。
反応に用いる塩基は、 トリェチルァミン、 トリメチルァミン、 ジイソプロピル ァミン、 イソプロピルジェチルァミン、 N, N—ジメチルァニリンなどのアミン 類; ピリジン、 イミダゾール、 2, 6—ルチジンなどの芳香族窒素化合物;ナト リゥムメ トキシド、 ナトリゥムェトキシド、 カリウム t 一ブトキシドなどのアル カリ金属アルコラート類;水素化ナトリウム、 水素化力リゥムなどのアルカリ金 属水素化物;炭酸力リゥム、 炭酸ナトリゥムなどのアルカリ金属炭酸塩;水酸化 ナトリウム、 水酸化力リウム、 水酸化リチウム、 水酸化マグネシウム、 水酸化力 ルシゥムなどのアルカル金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる 。 これらは単独または 2種以上混合して使用しても良い。
塩基の当量は、 基質や塩基の種類、 反応温度、 溶媒などにより異なるのでー概
には言えないが、 例えば、 基質に対して 0 . 1〜2 0当量が好ましく、 より好ま しくは 0 . 5〜5 . 0当量である。
反応溶媒としては、 例えばジクロロメタン、 クロ口ホルム、 トルエン、 ベ ンゼン、 テ トラヒ ドロフラン、 ジェチルエーテル、 酢酸ェチル、 N, N—ジ メチルホルムアミ ド、 ホルムアミ ド、 アセ トン、 ブタノール、 イソプロパノ ール、 エタノール、 メタノール、 水などが挙げられる。 上記溶媒は単独で用 いても良いし、 混合して使用してもよい。 好ましくは、 トルエン、 テトラヒ ドロフラン、 ジクロロメタンなどの非プロ トン溶媒であり、 より好ましくは トルエンである。
反応温度は、 通常一 5 0 °C〜 1 2 0 °Cの間で行うのが好ましい。 この範囲 以外で行うと、 反応速度、 収率が悪化する傾向がある。
上記反応の後処理としては、 例えば、 水などを添加し、 トルエン、 酢酸ェチル などの有機溶媒で抽出し、 そのまま次の反応に用いても良いし、 必要に応じてシ リカゲルクロマトグラフィー、 あるいは再結晶により精製し目的の光学活性化合 物を取得してもよい。
かくして得られた光学活性 2—アミノ一 2—メチルー 1, 3—プロパンジォー ル誘導体のモノエステルモノスルホネート体は、 塩基存在下で加水分解若しくは 加アルコール分解することにより、 前記式 ( 7 ) で表される化合物を製造するこ とができる。
加水分解若しくは加アルコール分解に用いる塩基は、 ナトリウムメ トキシド、 ナトリゥムェトキシド、 カリウム t 一ブトキシドなどのアルカリ金属アルコラ一 ト類、 炭酸力リゥム、 炭酸ナトリゥム、 水酸化ナトリゥム、 水酸化力リウム、 水 酸化リチウム、 水酸化マグネシウム、 水酸化カルシウムなどが挙げられる。 これ らは単独または 2種以上混合して使用しても良い。 塩基の当量は、 基質や塩基の 種類、 反応温度、 溶媒などにより異なるので一概には言えないが、 例えば、 基質 に対して 0 . 0 1〜2 0当量が好ましく、 より好ましくは 0 . 5〜5 . 0当量で ある。
反応溶媒としては、 例えばジクロロメタン、 クロ口ホルム、 トルエン、 ベ
ンゼン、 テ トラヒ ドロフラン、 ジェチルエーテル、 酢酸ェチル、 N, N—ジ メチルホルムアミ ド、 ホルムアミ ド、 アセ トン、 ブタノール、 イソプロパノ ール、 エタノール、 メタノール、 水などが挙げられる。 上記溶媒を単独で用 いても良いし、 2種以上混合して使用してもよい。
水若しくはアルコール系溶媒を含まない溶媒を用いる場合は、 これら溶媒 に水若しくはアルコールを添加するのが好ましい。 添加量は基質に対して、 0 . 1 〜 1 0 0倍重量、 好ましくは 1 〜 5 0倍重量である。
反応温度は、 通常一 5 0 °C〜 1 2 0 °Cの間で行うのが好ましい。 この範囲 以外で行うと、 反応速度、 収率が悪化する傾向がある。
上記反応の後処理としては、 例えば、 水などを添加し、 トルエン、 酢酸ェチル などの有機溶媒で抽出し、 そのまま次の反応に用いても良いし、 必要に応じてシ リ力ゲルクロマトグラフィー、 あるいは再結晶により精製し目的の光学活性化合 物を取得してもよい。
なお、 前記式 ( 7 ) で表される R体又は S体の光学活性 2—ァミノ一 2—メチ ルー 1 , 3—プロパンジオールのモノスルホネート体は、 新規化合物である。 次に、 上記方法により得られた前記式 ( 7 ) で表される化合物を酸化し、 前記 式 (8 ) で表される光学活性 2—アミノー 2—メチルプロピオン酸誘導体を製造 することができる。
酸化法としては、 公知の方法により実施することができ、 例えば、 第 4版実験 化学講座 (2 3巻、 1 〜 2 8 0頁) 記載の各種方法が挙げられる。 好ましくは、 副生成物を抑制できる点から過マンガン酸力リゥムを用いる方法である。
過マンガン酸カリウムの当量は、 基質の種類、 反応温度、 溶媒などにより異な るので一概には言えないが、 例えば、 基質に対して 0 . 5〜 1 0 0当量が好まし く、 より好ましくは 0 . 5〜 2 0当量である。
反応溶媒としては、 例えばジクロロメタン、 クロ口ホルム、 トルエン、 ベ ンゼン、 テ トラヒ ドロフラン、 ジェチノレエーテノレ、 酢酸ェチノレ、 N , N—ジ メチルホルムアミ ド、 ホルムアミ ド、 アセ トン、 酢酸、 水などが挙げられる 。 上記溶媒を単独で用いても良いし、 2種以上を混合して使用してもよい。
なお、 上記反応は、 酸または塩基を添加して酸性あるいは塩基性とするこ とにより、 反応を促進できることが多い。 酸または塩基を添加する場合、 そ の添加量は基質に対して、 通常 0 . 1〜 1 0 0倍重量、 好ましくは 1〜 5 0 倍重量である。
反応温度は、 通常一 5 0 °C〜 1 2 0 °Cの間で行うのが好ましい。 この範囲 以外で行うと、 反応速度、 収率が悪化する傾向がある。
上記反応の後処理としては、 例えば、 水と、 必要に応じて亜硝酸ナトリウム水 溶液などを加え、 過剰の過マンガン酸カリウムを還元した後、 トルエン、 酢酸ェ チルなどの有機溶媒で抽出することができる。 また、 上記抽出操作時に、 一度水 層の p Hを 7以上として、 未反応の原料等の不純物を有機層に除去した後、 p H を 7以下に調整し、 再度抽出する操作を行っても良い。 得られた有機層は、 その まま次の反応に用いても良いし、 必要に応じてシリカゲルクロマトグラフィー、 あるいは再結晶により精製し目的の光学活性化合物を取得してもよい。
なお、 前記式 (8 ) で表される R体又は S体の光学活性 2—アミノー 2—メチ ループ口ピオン酸誘導体は新規化合物である。
次に、 このようにして得られた、 光学活性 2—ァミノ一 2—メチルプロピオン 酸誘導体 (8 ) は、 前記式 (9 ) で表される硫黄化剤を作用させ、 必要に応じ脱 保護することで前記式 ( 1 0 ) で表される光学活性 α—メチルシスティン誘導体 を製造することができる。
前記式 (9 ) で表される硫黄化剤において、 R 5は水素原子、 置換若しくは炭 素数 1〜2 0の無置換のアルキル基、 炭素数 1〜2 0の置換若しくは無置換のァ シル基、 炭素数 5〜 2 0の置換若しくは無置換のァリール基を表す。
上記 R 5の置換若しくは無置換のアルキル基としては、 特には限定されないが、 脱保護容易な置換基が好ましく、 メチル基、 t一ブチル基、 メ トキシメチル基な どが挙げられる。
上記 R 5の置換若しくは無置換のァシル基としては、 特には限定されないが、 脱保護容易な置換基が好ましく、 ァセチル基、 ベンゾィル基などが挙げられ、 好 ましくはァセチル基である。
上記 R 5の置換若しくは無置換のァリール基としては、 特には限定されないが、 フエ-ル基、 p—メ トキシフヱニル基などが挙げられる。
また、 上記硫黄化剤において Zは水素原子若しくはアルカリ金属原子を表す。 アルカリ金属原子としては、ナトリゥム、カリゥム、リチウムなどが挙げられる。 上述の硫黄化剤としては、 特には限定されないが、 経済性、 反応性の点からよ り好ましくは、 チォ酢酸カリウム、 硫化ナトリウムである。
硫黄化剤の当量は、 基質や硫黄化剤の種類、 反応温度、 溶媒などにより異なる ので一概には言えないが、 例えば、 基質に対して 0 . 5〜1 0 0当量が好ましく 、 より好ましくは 0 . 5〜 2 0当量である。
反応溶媒としては、 例えばジクロロメタン、 クロ口ホルム、 トルエン、 ベ ンゼン、 テトラヒ ドロフラン、 ジェチルエーテル、 酢酸ェチル、 N , N—ジ メチルホルムアミ ド、 ホルムアミ ド、 アセトン、 イソプロパノール、 ェタノ ール、 メタノール、 水などが挙げられる。 上記溶媒は単独で用いても良いし 、 2種以上を混合して使用してもよい。 好ましくは、 メタノール、 エタノー ルなどのアルコール系溶媒である。
なお、 上記反応は、 酸または塩基を添加し酸性または塩基性条件下で反応 を行ってもよい。 酸または塩基を添加する場合、 その添加量は基質に対して 、 0 . 1〜 1 0 0倍重量、 好ましくは 1〜 5 0倍重量である。
反応温度は、 通常一 5 0 °C〜 1 2 0 °Cの間で行うのが好ましい。 この範囲 以外で行うと、 反応速度、 収率が悪化する傾向がある。
上記反応の後処理としては、 例えば、 水を加えトルエン、 酢酸ェチルなどの有 機溶媒で抽出することができる。 得られた有機層は、 そのまま次の反応に用いて も良いし、 必要に応じてシリカゲルクロマトグラフィー、 あるいは再結晶により 精製し目的の光学活性化合物を取得してもよい。
上述の方法により、 光学活性 α _メチルシスティン誘導体の R体、 S体どちら も取得することが可能である。 即ち、 前記式 (4 ) で表される (R) — 2 _アミ ノ一 2—メチルー 1 , 3—プロパンジオール誘導体のモノエステル体からは(S ) 体を、 また (S ) _ 2—アミノー 2—メチル一 1, 3—プロパンジオール誘導体
のモノエステル体からは (R) 体を製造することができる。
以下、 実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、 本発明はこれら実施 例により何ら限定されるものではない。 実施例
(実施例 1 ) 光学活性 2— (N—べンジルォキシカルボニル) ーァミノ一 2— メチルー 3ーァセトキシー 1—プロパノールの製造法
2— (N—ベンジルォキシカルボニル) —アミノー 2—メチルー 1, 3—プロ パンジオール 8 mgにジイソプロピルエーテル 0. 8 m l、 酢酸ビュル 4. 3 m g、 及ぴ表 1に示した巿販酵素 0. 8 m gを添加し、 3 0°Cで 1 7時間振とうし た。 反応終了後、 遠心分離にて不溶物を除去し、 高速液体クロマトグラフィーに て生成した標題化合物の収率おょぴ光学純度を分析した結果を表 1に示した。 • 高速液体クロマトグラフィ一分析条件
カラム : CH I RAL C E L OD— H (4. 6 mm φ X 2 5 0 mm, ダイセノレ 化学社製) 、 溶離液:へキサン / 2—プロパノール = 8 5ノ 1 5、 流速: 0. 5 m 1 /分、 カラム温度: 4 0°C、 測定波長: 2 1 0 nm 表 1
(実施例 2 ) 光学活性 2— (N—ベンジルォキシカルボニル) ーァミノ— 2— メチル一 1 , 3—プロパンジオールモノエステルの製造法
2 - (N—べンジルォキシカノレポニル) 一アミノー 2—メチノレー 1 , 3—プロ パンジオール 1 O m gにジイソプロピルエーテル 1 m 1、 表 2に示した各種ビニ ルエステル若しくは無水イソ酪酸 1 . 5モル等量、 及び表 2に示した市販酵素 1 m gを添加し、 3 0 °Cで 1 7時間振とうした。 反応終了後、 遠心分離にて不溶物 を除去し、 実施例 1と同様の方法にて生成した標題化合物の収率および光学純度 を分析した結果を表 2に示した。
(実施例 3) 光学活性 2— (N—ベンジルォキシカルボニル) —アミノー 2— メチル一 3—ァセトキシ一 1—プロパノールの製造法
2— (N—べンジルォキシカルボニル) 一アミノー 2—メチルー 1, 3—ジァ セトキシプロパン 1 Omgに 0. 3Mリン酸カリウム緩衝液 (pH7. 0) 1 m 1、 及び表 3に示した巿販酵素 1 m gを添加し、 30でで 1 7時間振とうした。 反応終了後、 反応液に酢酸ェチル lm 1を加えて抽出操作を行い、 有機層に抽出 された標題化合物の収率および光学純度を実施例 1と同様の方法にて分析した結 果を表 3に示した。 表 3
(実施例 4) 光学活性 2— (N—ベンジルォキシカルポニル) 一アミノー 2— メチルー 3—ァセトキシー 1一プロパノールの製造法
2— (N—べンジルォキシカノレポニル) 一アミノー 2—メチノレー 1, 3—ジァ セトキシプロパン 1 Omgに 5 OmMリン酸カリウム緩衝液 (pH7. 0) 1 m 1、 及ぴ表 4に示した巿販酵素 lmgを添加し、 30°Cで 2時間振とうした。 反 応終了後、 反応液に酢酸ェチル lm 1を加えて抽出操作を行い、 有機層に抽出さ れた標題化合物の収率おょぴ光学純度を実施例 1と同様の方法にて分析した結果 を表 4に示した。 表 4
(実施例 5 ) 光学活性 2— (N_ベンジルォキシカルボニル) —アミノー 2— メチルー 1, 3一プロパンジオールモノエステルの製造法
表 5に示した 2— (N—ベンジルォキシカルボニル) —ァミノ一 2—メチルー 1, 3—プロパンジオールの各種ジエステル 15mgに 5 OmM酢酸/齚酸ナト リウム緩衝液 (pH5. 0) 1. 5m 1、 及び表 5に示した巿販酵素 1. 5mg を添加し、 30°Cで 17時間振とうした。 反応終了後、 反応液に酢酸ェチル 1. 5mlを加えて抽出操作を行い、 有機層に抽出された標題化合物の収率および光 学純度を実施例 1と同様の方法にて分析した結果を表 5に示した。
表 5
(実施例 6 ) (R) 一 2— (N—ベンジルォキシカルボニル) 一アミノー 2—メ チルー 3—ァセトキシー 1一プロパノールの製造法
2— (N—べンジルォキシカルボニル) 一アミノー 2 _メチル一 1, 3—ジァ セトキシプロパン 2 gに脱イオン水 10 Om 1、 加水分解酵素 S P 525 (NO VOZYME社製) 40mgを添加し、 10 %炭酸アンモ-ゥム水溶液による滴 定にて pH5. 0に保ちながら 30°Cで 7時間攪拌した。 反応終了後、 酢酸ェチ ル 20 Om 1を加えて抽出操作を行い、 有機層を回収後、 溶媒を留去し、 標題化 合物を収率 57. 4 %、 光学純度 96. 5 % e eにて得た。
(実施例 7) (S) — 2— (N—べンジルォキシカルボニル) 一アミノー 2— メチルー 3 _メシルォキシ一 1—プロパノールの製造法
(R) - 2 - (N—べンジルォキシカルボニル) 一アミノー 2—メチルー 3— ァセトキシー 1—プロパノール (895mg, 3. 1 8 mm o 1 ) をトルエン ( 10 mL) に溶解させ、 0。Cにてトリェチルァミン (386mg, 3. 8 mm o 1) 、 メシルク口ライド (0. 27mL, 3. 5 mm o 1 ) を加えた。 室温まで 昇温し 1時間攪拌した。 反応溶液に水 (10mLx 2) を加え洗浄し、 硫酸ナト リウムで乾燥後濃縮した。 この化合物は、 精製せずこのまま次工程に用いた。 上記濃縮物をメタノール (10mL) に溶解させ、 0°Cにて炭酸カリウム (8 8mg、 0. 64mmo 1 ) を加え、 そのままの温度で 20分攪拌した。 反応溶 液に水 (5mL) を加え、 1 N塩酸で p H= 7としたのち、 酢酸ェチル (1 0m Lx 3)で抽出した。硫酸ナトリゥムで乾燥、溶媒を留去し標題化合物を得た(1. 10 §、 純度87. 0 %、 収率95. 0 %)。
H— NMR (400MHz, CDC 13) δ 1. 35 ( s, 3 H) 、 2. 90 (s, 3H) 、 3. 30 (b r , 1 H) 、 3. 6— 3. 8 (m, 2 H) 、 4. 5 -4. 8 (d d, 2H) 、 5. 0— 5. 3 (m, 3 H) 、 7. 3— 7. 5 (m, 5 H) 。 (実施例 8) (R) - 2 - (N—ベンジルォキシカルボニル) ーァミノ一
2ーメチル一 3—メシルォキシプロピオン酸の製造法
(S) - 2 - (N—ベンジルォキシカルポニル) ーァミノ _ 2—メチル一 3—メシルォキシ一 1一プロパノール ( 1. 04 §、 純度8 7. 0 w t %、
2. 8 7 mm o 1 ) を酢酸ェチル (2 8 mL) に溶解させ、 酢酸 ( 9 6 6 m g、 1 6 mm o 1 ) 、 水 ( 2. 0 g ) を加え 0 °Cに冷却した。 過マンガン酸 カリウム (2. 0 7 g、 1 3 mm o 1 ) を加え室温で 4時間攪拌した。 水 (
30 mL) を加え 3 0 %硫酸で p H= 1に調整し、 溶液の色が無色となるま で N a 2 S 203を加えた。 酢酸ェチル (2 OmL X 2) で抽出し、 約半量に
なるまで濃縮した後、 有機相に水 (20mL) を加え、 30%水酸化ナトリ ゥム水溶液で pH = 1 2に調整し、 水 (1 OmL X 2) で抽出した。 水相に 10%硫酸を加え、 pH= lに調整し、 酢酸ェチルで抽出 (3 OmL X 3) 、 乾燥、 濃縮し標題化合物 (773 mg、 収率 7 7. 9 %) 。
1 H-NMR (40 OMH z, C D C 1 3) δ 1. 60 ( s, 3 H) 、 2. 80 ( s, 3 H) 、 4. 5 - 4. 8 (m, 2 H) 、 5. 1 ( r , 2 H) 、 5. 6 5 (b r , 1 H) 、 7. 3 - 7. 5 (m, 5 H) 。
(実施例 9 ) (S) — 2— (N—べンジルォキシカルボニル) 一アミノー 2—メチルー 3 _ァセチルチオプロピオン酸製造法
(R) - 2 - (N—べンジルォキシカルボニル) —アミノー 2—メチルー 3—メシルォキシプロピオン酸 (250mg、 0. 76 mm o 1 ) をメタノ ール ( 5. OmL) に溶解させ、 チォ酢酸力リウム (1 33mg、 1. 1 3 mm o 1 ) を加え 60°Cに加熱、 攪拌した。 1時間反応させた後、 放冷し、 減圧濃縮した。 水 (2 OmL) を加え、 1 0 %硫酸で p H= 1に調整し、 酢 酸ェチル (2 OmL X 3) で抽出した。 硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、 力 ラムクロマトグラフィ一にて精製し、 標題化合物 ( 1 94mg、 収率 82. 4%) 。
1 H-NMR (400MH z , CD C 13) δ 1. 60 ( s, 3 H) 、 2. 33 (s, 3 H) 、 3. 50 ( s, 3H) 、 5. 2 (b r, 2H) 、 5. 6 5 (b r, 1 H) 、 7. 3— 7. 5 (m, 5 H) 。
(実施例 1 0) (S) 一 2— (N—ベンジルォキシカルポニル) ーァミノ 一 2 _メチル一 3—メルカプトプロピオン酸 [ (S) —N—べンジルォキシ カルボニル— α _メチルシスティン] の製造法
( S ) 一 2— (Ν—ベンジルォキシカルボニル) 一アミノー 2—メチルー 3一ァセチルチオプロピオン酸 (1 03mg、 0. 3 3 mm o 1 ) に水 ( 2 . OmL) 、 エタノール (1. OmL) 、 2 N水酸化ナトリウム水溶液 (0
. 5 mL) を加え室温で 2時間攪拌した。 反応終了後、 2 N塩酸 (2. 0 m L) を加えた後、 酢酸ェチル (5 mL x 3 ) で抽出した。 溶媒を留去し標題 化合物を定量的に得た。
'H-NMR (4 0 OMH z , CD C 1 3) δ 1, 3 5 ( t , 1 H) 、 1 . 6 5 ( s, 3 H) 、 3. 0— 3. 2 (m, 1 H) 、 3. 3 - 3. 4 (m, 1 H) 、 5. 2 ( b r, 2 H) 、 5. 7 0 ( b r , 1 H) 、 7. 3 — 7. 5 ( m, 5 H) 。
(実施例 1 1 ) ( S ) - 2 - ( N _ベンジルォキシカルボニル) ーァミノ 一 2 _メチル _ 3 _メルカプトプロピオン酸 [ (S) —N—べンジルォキシ カルボ二ルー α—メチルシスティン] の光学純度、 立体化学決定方法
(S) — 2 — (Ν—ベンジルォキシカルポエル) 一ァミノ一 2—メチルー 3—メルカプトプロピオン酸 (0. 3 3 mm o 1 ) に水 ( 3. 0 mL) 、 N a H C 03 ( 1 6 0 m g、 1 . 8 mm o 1 ) 、 ェタノール ( 3. 0 m L) を カロえた。 この溶液にク口口ギ酸べンジノレ ( 0. 0 8 m L、 0. 5 3 mm o 1 ) を 0 °Cで加え、 室温で 5時間攪拌し、 (S) — 2— (N—ベンジルォキシカ ルポ-ノレ) —ァミノ一 2 —メチル一 3 一 (S—ペンジノレオキシカノレポニノレメ ルカプト) プロピオン酸とし H P L C分析したところ、 光学純度は 9 5. 4 % e e ( S体) であった。 (H P L C分析系、 カラム ; OD— RH、 1 5 0 mm、 移動相; 1 0 mMリン酸バッファー (p H= 2 ) /ァセトニトリル = 6 /4 , 流速; 1 . 0 mL/m i n、 検出器 UV 2 1 0 n m、 保持時間 ; ( S) 2 0. 6分, (R) 体 2 5. 6分)
生成物の立体化学については、 特表 2 0 0 0— 5 1 5 1 6 6記載の方法に 従い合成した (R) — α _メチルシスティン塩酸塩 (7 3. 7 m g、 0. 3 9 mm o 1 ) に、 水 (3. 0 m L ) 、 N a H C O 3 ( 1 9 8 m g ) 、 ェタノ ール (3. 0 m L) を加えた。 この溶液にクロロギ酸べンジル (0. 1 7 m L、 1 . 1 mm o 1 ) を 0°Cで加え、 室温で 5時間攪拌し、 (R) — 2— (N 一ペンジノレオキシカノレポ二ノレ) ーァミノ一 2—メチノレー 3— ( S—ベンジノレ
ォキシカルボニルメルカプト) プロピオン酸とし前述の H P L C分析の保持 時間により確認した。
(参考例 1 ) 2 - (N—ベンジルォキシカルポニル) 一アミノー 2—メチルー 1, 3—プロパンジオールの製造法
2—ァミノ一 2—メチルー 1, 3—プロパンジオール (31. 5 g, 300m m o 1 ) 、 炭酸ナトリウム (35. 0 g、 330 mm o 1 ) 、 酢酸ェチル ( 45 0 g) を混合した懸濁液に、 クロロギ酸べンジル (51. 2 g、 30 Ommo 1 ) を室温で滴下した。 18時間攪拌後、 水 (300mL) を加え、 有機相をさら に水 (15 OmL) 、 飽和食塩水 (10 OmL) で洗浄した。 約半量まで濃縮後 、 50°Cにてトルエン (50 OmL) を加え、 0°Cに冷却した。 結晶ろ別、 乾燥 し標題化合物を得た (45. 1 g、 収率 63%) 。
XH-NMR (40 OMH z , CDC 13) δ 1. 35 ( s , 3 Η) 、 3. 3 ( b r, 2 H) 、 3. 7 - 3. 9 (m, 4 H) 、 5. 10 (b r , 2 H) 、 5. 3 5 (b r , 1 H) 、 7. 3-7. 5 (m, 5 H)
(参考例 2 ) 2 - (N—ベンジルォキシカルボニル) ーァミノ一 2—メチルー 1, 3—ジァセトキシプロパンの製造法
2一 ( N〜ベンジルォキシカルポニル) ーァミノ一 2—メチル一 1, 3—プロ パンジオール ( 3. 0 g、 12. 5 mm o 1 ) 、 無水酢酸 ( 2. 81 g、 27. 5mmo 1) を THF (3 OmL) に溶解させ、 ピリジン (2. 37 g、 30m mo 1 ) を滴下した。 ジメチルァミノピリジン (2mg) を加え室温で 3時間攪 拌した。 再度、 無水酢酸 (383mg、 3. Ommo 1 ) 、 ピリジン (593m g、 7. 5mmo 1 ) を加え 3時間攪拌した。 反応終了後 1 N塩酸 (3 OmL) を加え、 酢酸ェチル (50mLx 3) で抽出した。 有機相を 1 N塩酸で 2回洗浄 、 飽和重曹水洗浄、 硫酸ナトリウム乾燥後、 濃縮物をカラムクロマトグラフィー で精製し、 標題化合物を得た (3. 63 g、 収率 89. 8%)。
(参考例 3) _2— (N—ベンジルォキシカルボニル) ーァミノ— _2—メチルー
1, 3—プロパンジオール ジブタン酸エステルの製造法
2 - (N—べンジルォキシカルボニル) 一アミノー 2—メチルー 1, 3_プロ パンジオール ( 1. 00 g、 4. 2mmo 1 ) を塩化メチレン (1 OmL) に溶 解させ、 これに酪酸無水物 (1. 13 g) 、 ピリジン (0. 76 g) 、 N、 N-ジ メチルァミノピリジン (2mg) を加え、 25°Cで 2. 5時間攪拌した。 飽和塩 化アンモニゥム水溶液 (25mL) を加えて、 酢酸ェチル (50mL) で抽出し た。 水層を (25mL) の酢酸ェチルで抽出した後に、 得られた有機層を一規定 塩酸 (5 OmL X 2) 、 飽和重曹水 (50mLX 2) 、 飽和食塩水 (50mL) で洗浄した。 無水硫酸ナトリウムで有機層を乾燥した後に、 濃縮しカラムクロマ トグラフィ一にて精製し、 標題化合物を得た (1. 12 g、 収率 61. 8%) 。 ^-NMR (300MHz, CDC 13) δ 0. 97 ( t , 6 H) 、 1. 4 0 (s, 3H) 、 1. 60 (q, 4H) 、 2. 29 (t, 4H) 、 4. 23 (d d, 4H) 、 4. 9— 5. 1 (m, 3 H) 7. 3— 7. 5 (m, 5 H) 。 (参考例 4) 2 - (N—べンジルォキシカルボニル) —アミノー 2—メチルー
1, 3—プロパンジオール ジィソブタン酸エステルの製造法
2 - (N—ベンジルォキシカルボニル) ーァミノ一 2—メチルー 1, 3—プロ パンジオール (1. 00 g、 4. 2mmo 1 ) を塩化メチレン (1 OmL) に溶 解させ、 これにィソ酪酸無水物 (1. 13 g) 、 ピリジン (0. 76 g) 、 N、 N -ジメチルァミノピリジン (2mg) を加え、 25°Cで 2. 5時間攪拌した。 飽和 塩化アンモユウム水溶液 (25m l) を加え、 酢酸ェチル (50ml) で抽出し た。 水層を (25m l) の酢酸ェチルで抽出した後に、 得られた有機層を一規定 塩酸 ( 50 m 1 X 2 ) 、 飽和重曹水 ( 50 m 1 X 2 ) 、 飽和食塩水 (50ml) で洗浄した。 無水硫酸ナトリウムで有機層を乾燥した後に、 濃縮しカラムクロマ トグラフィ一にて精製し、 標題化合物を得た (1. 10 g、 収率 61. 0%) 。
— NMR (300MH z , CDC 13) δ 1. 23 (d, 6 H) 、 1. 42 (s, 3H) 、 2. 45- 2. 60 (m, 1H) 、 4. 20 (d d, 4H) 、 5 . 02-5. 19 (m, 3H) 、 7. 31— 7. 47 (m, 5 H) 。
産業上の利用可能性
本発明は、 上述の構成からなり、 安価な原料から調製容易な 2—アミノー 2— メチル _ 1, 3—プロパンジオール誘導体に、 エステル化酵素あるいは加水分解 酵素を作用させることにより、 光学活性 2—ァミノ _ 2—メチルー 1, 3—プロ パンジオール誘導体のモノエステル体を製造することができる。 更に、 当該光学 活性 2—ァミノ - 2—メチルー 1, 3一プロパンジオール誘導体のモノエステル 体から、 医薬品等の中間体として有用な光学活性 α—メチルシスティン誘導体を 効率的に製造することができる。