明細書 ィンクジェッ ト記録用紙 技術分野 本発明は、 インクジェッ ト記録用紙に関し、 特に印字濃度、 印字耐水性および インク吸収性等のインクジェッ ト記録適性が優れ、 かつ、 光沢の高いインクジヱ ッ ト記録用紙に関する。 背景技術 インクジェッ トプリンタによる記録は、 騒音が少なく、 高速記録が可能であり、 かつ多色化が容易なために多方面で利用されている。 ィンクジェッ ト記録用紙と しては、 インク吸収性に富むように工夫された上質紙や、 表面に多孔性顔料を塗 ェした塗工紙等が適用されている。 ところで、 これらのインクジェッ ト記録用紙 は、 全て表面光沢の低い、 いわゆるマッ ト調のインクジェッ ト記録用紙が主体で あり、 表面光沢の高い、 優れた外観を持つインクジェッ ト記録用紙が要望されて いる。
特に、 最近は、 インクジェッ トプリ ンタの技術が進歩し、 銀塩写真に匹敵する 高画質記録が可能となり、 それに対応する印画紙様の記録媒体の要望が高まって きてい.る。
一般に、 表面光沢の高い用紙としては、 表面に板状顔料を塗工し、 さらに必要 に応じてスーパーキャレンダー処理を施した髙光沢を有する塗工紙、 あるいは湿 潤塗工層を、 鏡面を有する加熱ドラム面に圧着、 乾燥することにより、 その鏡面 を写し取ることによって得られる、 いわゆるキャス ト塗工紙が知られている。 前記キャス ト塗工紙は、 スーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗工紙と比 較して、 高い表面光沢と、 より優れた表面平滑性を有し、 優れた印刷効果が得ら れることから、 高級印刷物等の用途に専ら利用されているが、 インクジェッ ト記
録用紙に利用した場合、 種々の難点を抱えている。
一般に、 従来のキャス ト塗工紙は、 例えば U S 5 2 7 5 8 4 6号に開示されて いるように、 そのキャス ト層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物質が、 キャス トコ一ターの鏡面ドラム表面を写し取ることにより高い光沢を得ている。 しかし、 この成膜性物質の存在により塗工層の多孔性が失われ、 インクジヱッ ト 記録時のィンク吸収性を極端に低下させる等の問題も抱えている。 このィンク吸 収性を改善するには、 キャス ト層がィンクを容易に吸収するようにポーラスにす ることが重要であり、 そのためには成膜性を減ずることが必要となるが、 成膜性 物質の量を減らすことにより、 結果として白紙光沢が低下する。 以上の如く、 キ ヤス ト塗工紙の表面光沢とインクジェッ ト記録適性の両方を同時に満足させるこ とが極めて困難であった。
上記問題を解決する方法として、 顔料および接着剤を主成分とする記録層を設 けた原紙上に、 エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる 4 0 °C 以上のガラス転移点を有する共重合体組成物を主成分とする塗工液を塗工して、 キャス ト層を形成せしめ、 前記キャス ト層が、 湿潤状態にある間に加熱された鏡 面ドラムに圧接、 乾燥して仕上げることにより、 優れた光沢とインク吸収性を兼 ね備えるインクジェッ ト記録用紙が得られることを本発明者等は見出し、 特開平 7 - 8 9 2 2 0号公報として開示した。
ところで、 近年インクジェッ ト記録の高速化、 フルカラー化といった用途が拡 大し、 記録画像の高精細化、 強光沢かつ高画質、 高記録濃度の品質が望まれてき ており、 例えば銀塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢、 記録品質が求めら れている。 このような要求を満たすためにフォトインクなどが採用され、 インク 量の増加に伴い、 先に提案した技術を使用しても達成が困難である。
特開昭 5 9— 3 3 1 7 6号公報には、 カチオン性化合物として水溶性ポリアミ ンスルフォンを記録層に含有せしめ、 記録物の発色性と耐水性を向上させること が提案され、 また、 分子量 1 , 0 0 0〜4 0 0 , 0 0 0のものが適当であると記 載されている。 ■
特開平 7 - 1 4 9 0 3 8号公報には、 カチオン性化合物としてジシアンジァミ
ドポリアルキレンポリアミン共重合体を用いることが開示されている。 特開平 1 0— 8 6 5 0 5号公報には、 分チ量 3 0 0〜5 , 0 0 0のポリオール、 分子量 3 0 0未満のジオール、 トリオール、 ジァミン、 トリアミンを、 イソシァ ネートと反応せしめて得た、 分子量 2 , 0 0 0〜5 0 , 0 0 0のカチオン性ポリ ゥレタン樹脂を記録層に配合せしめ、 良好な記録色調と耐水性を得る方法が開示 されている。
しかし、 高精細な写真に匹敵する画像の印字が可能なように、 6色または 7色 のインクを搭載した、 近年のインクジェッ トプリンタでは、 従来のものと比較し てインク量が増加する傾向にある。 このようなプリンタで印字した場合、 重量平 均分子量が 5万以下のカチオン性化合物は、 印字後、 水が付着すると印字部分が 滲んでしまう (以下、 印字耐水性と呼ぶ) という問題があり、 特に、 重量平均分 子量が 1万未満は、 悪くなる傾向がある。 インク量の多い印字部分は、 カチオン 性化合物が水により溶出し易く、 印字耐水性が悪い。
特開平 1 0— 8 1 0 6 5号公報では、 紙基材に顔料および接着剤を含有する下 塗り層を少なく とも 1層設け、 さらに前記下塗り層上に、 重合体樹脂を含有する キャス ト層を設けたインクジェッ ト記録用紙において、 前記紙基材が、 その少な く とも下塗り層を設ける側に、 カチオン性化合物を塗工あるいは含侵してなる紙 基材を提案している。 実施例においてカチオン性化合物を二種選択しているもの もあるが、 重量平均分子量と印字耐水性に関して記載しておらず、 しかもカチォ ン性化合物の重量平均分子量を適当に選択しないと、 高精細な写真に匹敵する画 像の印字が可能なように、 6色のインクを搭載したィンクジェッ トプリンタで印 字したインク量の多い部分 (シアンインク、 マゼンタインクおよびイエロ一イン クによる混色黒等の印字部分) の印字耐水性は、 不十分であった。
特開 2 0 0 0— 2 3 8 4 1 9号公報では、 基材上に、 少なく とも 2層の塗工層 を設けたィンクジエッ ト記録用紙であって、 前記塗工層のうち少なく とも表層中 に、 平均粒子径が 0 . 0 2〜0 . 1 5 μ mの重合体ェマルジヨ ンと、 平均粒子径 が 0 . 0 1〜0 . 1 5 μ mのコロイダルシリカとを含有することを特徴とするィ ンクジエツ ト記録用紙が提案されている。 実施例においてカチオン性化合物を二
種選択しているものもあるが、 重量平均分子量と印字耐水性に関して記載してお らず、 しかもカチオン性化合物の重量平均分子量を適当に選択しないと、 高精細 な写真に匹敵する画像の印字が可能なように、 6色のインクを搭載したインクジ エツ トプリ ンタで印字したインク量の多い部分 (シアンインク、 マゼンタインク およびイェローインクによる混色黒等の印字部分) の印字耐水性は、 不十分であ つた。 発明の開示 本発明は、 インクジェッ ト記録用紙に関し、 特に印字濃度、 印字耐水性および インク吸収性等のインクジェッ ト記録適性が優れ、 かつ、 光沢の高いインクジヱ ッ ト記録用紙に関する。
本発明者は、 上記の問題を解決するため、 下記の構成を採用する。 即ち、 本発 明は、
①基材と、 その'一面上に顔料、 カチオン性化合物および接着剤を含有する下塗 り層を設け、 前記下塗り層上に、 接着剤、 顔料および離型剤を含有するキャス ト 層を設けたインクジェッ ト記録用紙において、 前記カチオン性化合物のうち、 重 量平均分子量が 1 0万以上のものが 5 0〜 9 0質量%、 かつ、 重量平均分子量 1 万〜 5万のものが 1 0〜5 0質量%であるインクジエツ ト記録用紙である。
本発明は以下の態様を含む。
②前記カチオン性化合物が、 ジァリルジメチルアンモニゥム塩重縮合体、 ァク リルアミ ド · ジァリルアミン重縮合体およびジシアンジアミ ド—ポリエチレンァ ミン重縮合体から成る群より選ばれた少なく とも一種のカチオン性化合物である
①に記载のィンクジヱッ ト記録用紙。
③前記カチオン性化合物が、 ジァリルジメチルアンモニゥム塩重縮合体である
②に記載のインクジエツ ト記録用紙。
④前記キャス ト層の顔料が、 コロイダルシリ力である①〜③のいずれかに記載 のインクジェッ ト記録用紙。
⑤前記キャス ト層の接着剤が、 スチレン · ァクリル系共重合体ェマルジョンで ある①〜④のいずれかに記載のィンクジヱッ ト記録用紙。
⑥ 7 5 ° 表面光沢度 ( J I S— P— 8 1 4 2 ) 、 5 0 %以上である①〜⑤の いずれかに記載のィンクジ工ッ ト記録用紙。
⑦ 7 5。 表面光沢度 (J I S— P— 8 1 4 2 ) 力 6 5 %以上である⑥に記載 のインクジヱッ ト記録用紙。 発明を実施するための最良の形態 本発明者等は、 基材と、 その一面上に顔料、 カチオン性化合物および接着剤を 含有する下塗り層を設け、 前記下塗り層上に、 キャス ト層を設けたインクジエツ ト記録用紙において、 前記カチオン性化合物のうち、 重量平均分子量が 1 0万以 上のものが 5 0〜9 0質量%、 かつ重量平均分子量 1万〜 5万のものが 1 0〜5 0質量%とすることにより、 特に印字濃度、 印字耐水性およびインク吸収性等の インクジェッ ト記録適性に優れ、 かつ、 光沢の高いインクジェッ ト記録用紙が得 られることを見出した。
すなわち、 インクジェッ ト記録されるインクの記録濃度、 印字耐水性およびィ ンク吸収性を向上させるためには、 下塗り層中に、 カチオン性化合物を配合する のが効果的であり、 特にカチオン性化合物の重量平均分子量を規定することによ り、 印字耐水性を改善する効果が非常に大きい。
基材:
本発明で用いる基材としては、'特に限定されるものではなく、 一般の塗工紙に 使用される酸性紙、 あるいは中性紙等の紙基材、 または透気性を有する樹脂フィ ルムシ一ト類を用いることができる。
,紙基材は、 木材パルプと必要に応じ顔料を主成分として構成される。 木材パル プは、 各種化学パルプ、 機械パルプ、 再生パルプ等を使用することができ、 これ らのパルプは、 紙力、 抄紙適性等を調整するために、 叩解機により叩解度を調整 できる。 パルプの叩解度 (フリーネス) は特に限定しないが、 一般に 2 5 0〜 5
5 0 m l ( C S F : J I S— P— 8 1 2 1 ) 程度である。 またいわゆる E C F、 T C Fパルプ等の塩素フリーパルプも好ましく使用できる。 また、 必要に応じて、 顔料は、 不透明性等を付与したり、 インク吸収性を調整する目的で配合し、 炭酸 カルシウム、 焼成カオリン、 シリカ、 酸化チタン等が使用できる。 この場合、 配 合量は 1〜2 0質量%程度が好ましく、 2 0質量%より多いと紙力が低下するお それがある。 助剤としてサイズ剤、 定着剤、 紙力増強剤、 カチオン化剤、 歩留り 向上剤、 染料、 蛍光增白剤等を添加することができる。 さらに、 抄紙機のサイズ プレス工程において、 デンプン、 ポリ ビニルアルコール、 カチオン性化合物等を 塗布 ·含浸させ、 表面強度、 ステキヒ トサイズ度等を調整できる。 特に、 高い光 沢度を得るためには、 カチオン性化合物をサイズプレスすることが好ましい。 ス テキヒ トサイズ度は、 1〜 2 0 0秒程度が好ましい。 ステキヒ トサイズ度が 1秒 より低いと、 塗工時に皺が発生する等の操業上問題となる場合があり、 2 0 0秒 より高いと、 インク吸収性が低下したり、 インクの裏抜けが発生したり印字後の カールやコックリングが著しくなる場合がある。 基材の评量は、 特に限定されな いが、 2 0〜4 0 0 g / m2程度である。
下塗り層 :
本発明においては、 基材上に、 顔料、 カチオン性化合物および接着剤を含有す る下塗り層を設ける。
下塗り層に含まれるカチオン性化合物は、 重量平均分子量が一般的に数万程度 以下の場合は、 水に溶出され易く、 混色黒等のインク量の多い印字部分の印字耐 水性が劣る。 また、 重量平均分子量が一般的に 1 0万以上のカチオン性化合物は、 水に溶出され難く、 例えばポリ ビニルアルコール等と同様にインクの浸透を阻害 するため、 ィンク吸収性が低下するおそれがある。
カチオン性化合物の重量平均分子量が 1 0万以上では、 シアン、 マゼンタ、 ィ エローなどのカラーの印字濃度が高くなり、 重量平均分子量 5万以下では、 ブラ ックの印字濃度が高くなる傾向がある。
また、 低分子量のカチオン性化合物は、 キャス ト層用塗料が下塗り層と接触し た時に、 キャス ト層用塗料に過剰に溶出して、 キャス ト塗料がショ ックを起こし、
ゲル化する場合がある。
一方、 高分子量のカチオン性化合物では、 下塗り層に接触したキャス ト層用塗 料の凝集を起こしにく く、 光沢が発現するまでに時間がかかるため、 操業が安定 するまでに時間を要し、 塗工の際の歩留まりが悪化したり、 光沢が不十分となる 場合がある。 ただし、 高分子量のカチオン性化合物を使用すると、 低分子量の力 チオン性化合物を使用した場合に比べ、 印字濃度が高く、 さらに、 水に溶出され にくいため印字耐水性が向上する。
以上から、 下塗り層に添加する力.チオン性化合物の重量平均分子量を制御する ことにより、 特に印字濃度、 印字耐水性おょぴィンク吸収性等のインクジェッ ト 記録適性や光沢に優れ、 かつ、 キャス ト塗工時において鏡面ドラムの曇りがない ため光沢が高く、 製造時の歩留まりが良好という優れた効果が得られることを見 出し、 本発明を完成させるに至った。
本発明で使用する下塗り層のカチオン性化合物としては、 例えば 1 ) ポリェチ レンポリアミンゃポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類 またはその誘導体、 2 ) 第 2級ァミン基、 第 3級アミン基ゃ第 4級アンモニゥム 基を有するアクリル重合体、 3 ) ポリ ビエルァミンおよびポリ ビニルアミジン類、 4 ) ジシアンジアミ ドーホルマリン重縮合体に代表されるジシアン系カチオン性 化合物、 5 ) ジシアンジアミ ドーポリエチレンアミン重縮合体に代表されるポリ アミン系カチオン性化合物、 6 ) ェピクロルヒ ドリンージメチルァミン付加重縮 合体、 7 ) ジァリルジメチルアンモニゥムー S 0 2重縮合体、 8 ) ジァリルアミ ン塩一 S O 2重縮合体、 9 ) ジァリルジメチルアンモニゥム塩重縮合体、 1 0 ) ジァリルジメチルアンモニゥム一アク リルアミ ド重縮合体、 1 1 ) ァリルアミン 塩の重縮合体、 1 2 ) ジアルキルアミノエチル (メタ) アタリ レート 4級塩重縮 合体、 1 3 ) アク リルアミ ドージアリルアミン重縮合体等のカチオン性化合物等 が挙げられ、 単独あるいは併用することが出来る。
前記カチオン性化合.物の中でも、 ジァリルジメチルアンモニゥム塩重縮合体、 アクリルアミ ドージアリルアミン重縮合体おょぴジシアンジアミ ド一ポリエチレ ンァミン重縮合体は、 印字濃度、 印字耐水性およびインク吸収性等のインクジ
ッ ト記録適性や光沢に優れ、 好ましく用いられる。
ジァリルジメチルアンモニゥム塩重縮合体は、 特に高印字濃度が得られるので、 特に好ましく用いられる。
前記カチオン性化合物の分子量は、 光沢とインクジエツ ト記録用紙の操業性に 大きな影響を与える。 重量平均分子量 1 0万以上のカチオン性化合物は、 下塗り 層に接触したキャス ト層用塗料の凝集を起こしにくいため、 カチオン性化合物中 の割合が 9 0質量。んを超えると、 光沢が発現するまでに時間がかかるために、 製 造の際の歩留まりが悪化したり、 光沢ムラやピンホールを生じ易く、 光沢が不+ 分になるため、 カチオン性化合物中の割合は、 9 0質量。 /。以下が好ましい。
また、 重量平均分子量 5万以下のカチオン性化合物は、 キャス ト層用塗料に過 剰に溶出して、 前記キャス ト層用塗料がショ ックを起こし、 前記キャス ト層用塗 料のゲル化が発生し易いため、 カチオン性化合物中の割合は、 5 0質量%以下が 好ましい。
すなわち、 重量平均分子量の小さいカチオン性化合物はキャス ト層用塗料へ溶 出しやすいため、 光沢発現性とキャス ト塗料の安定性を両立させるには、 下塗り 層に添加するカチオン性化合物の添加量を特定範囲に調節することが好ましい。 カチオン性化合物は、 重量平均分子量が 1 0万以上のものが 5 0〜 9 0質量%、 かつ、 重量平均分子量 1万〜 5万のものが 1 0〜 5 0質量%が好ましい。
下塗り層中のカチオン性化合物は、 顔料 1 0 0質量部に対し、 1〜 1 0 0質量 部、 より好ましくは 5〜5 0質量部の範囲で使用することができる。 配合量が 1 質量部少ないと、 印字濃度および印字耐水性向上の効果が得られにく く、 1 0 0 質量部多いと逆に印字濃度が低下したり、 画像の-ジミが発生するおそれがある。 下塗り層中の顔料は、 カオリン、 クレー、 焼成クレー、 非晶質シリカ (無定形 シリカともいう) 、 酸化亜鉛、 酸化アルミニウム、 水酸化アルミニウム、 炭酸力 ルシゥム、 サチンホワイ ト、 珪酸アルミニウム、 アルミナ、 コロイダルシリカ、 ゼォライ ト、 合成ゼォライ ト、 セピオライ ト、 スメクタイ ト、 合成スメクタイ ト、 珪酸マグネシウム、 炭酸マグネシウム'、 酸化マグネシウム、 珪藻土、 スチレン系 プラスチックピグメント、 ハイ ド口タルサイ ト、 尿素樹脂系プラスチックピグメ
ント、 ベンゾグアナミン系プラスチックビグメント等、 一般塗工紙製造分野で公 知公用の各種顔料が単独、 あるいは併用することが出来る。
これらの中でも、 インク吸収性の高い非晶質シリカ、 アルミナ、 ゼォライ トを 主成分として使用するのが好ましい。 '
下塗り層の接着剤としては、 カゼイン、 大豆蛋白、 合成蛋白等の蛋白質類、 澱 粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、 ポリ ビュルアルコール、 カチオン性ポリ ビュルァ ルコール、 シリル変†生ポリ ビュルアルコール等のポリ ビュルアルコール類、 カル ポキシメチルセルロースゃメチルセルロース等のセルロース誘導体、 スチレン一 ブタジエン共重合体、 メチルメタクリ レー ト一ブタジエン共重合体の共役ジェン 系重合体ラテックス、 アク リル系重合体ラテックス、 エチレン一酢酸ビエル共重 合体等のビニル系重合体ラテックス等、 一般に塗工紙用として用いられている従 来公知の接着剤が単独、 あるいは併用して用いられる。 その中でも、 ポリ ビエル アルコーノレ、 カチオン性ポリ ビニルァノレコール、 シリル変十生ポリ ビニノレアルコー ル等のポリ ビニルアルコール類は下塗り層の表面強度を向上させるため、 好まし く用いられる。
前記下塗り層中の顔料と接着剤の配合割合は、 その種類にもよるが、 一般に顔 料 1 0 0質量部に対し、 接着剤 1 〜 1 0 0質量部、 好ましくは 2 〜 5 0質量部の 範囲で調節される。
その他、 下塗り層中には一般塗工紙の製造において使用される分散剤、 増粘剤、 消泡剤、 帯電防止剤、 防腐剤、 蛍光染料、 着色剤等の各種助剤が適宜添加される。 上記材料をもって構成される下塗り層用塗料は、 一般に、 固形分濃度を 5 〜 5 0質量。 /0程度に調整し、 紙基材上に乾燥質量で 2 〜 1 0 0 g Z m2 好ましくは 5 〜 5 0 g Z m2程度、 更に好ましくは 5 〜 2 0 g Z m2程度になるように塗工す る。
塗工量が 2 g / m2より少ない場合は、 インク吸収性が劣り、 記録画像のニジ ミゃ、 キャス ト層塗工後の光沢が低下したりする場合がある。 また、 紙基材の場 合、 前記紙基材に吸収されるインクが多くなるために、 記録後の用紙が波打った り (コックリング) 、 プリンターの拍車 (記録後の用紙抑えロールや歯車) によ
る押さえ跡 (拍車跡) が目立つことがある。
塗工量が 1 0 0 g Z'm 2より多い場合は、 ィンクが浸透し易くなり、 キャス ト 層側ばかりでなく基材側にも分布するようになるために、 印字濃度が低下する場 合がある。 また、 下塗り層の強度が低下し、 粉落ちや表面に傷が付き易くなる場 合がある。
下塗り層用塗料は、 ブレードコーター、 エアーナイフコーター、 ロールコータ 一 - ブラシコータ一、 チャンプレ、ソクスコ一ター、 ノ ーコーター、 リ ップコータ 一、 グラビアコーター、 カーテンコーター等の各種公知公用の塗工装置により塗 ェ、 乾燥される。 さらに、 必要に応じて記録層の乾燥後にスーパーキャレンダー、 ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
キャス ト層 :
本発明のキャス ト層は、 接着剤、 顔料および離型剤からなる。
キャス ト層中の接着剤は、 例えば、 ポリ ビニルアルコール、 カチオン変性ポリ ビニルァノレコーノレ、 シリル変性ポリ ビニノレアルコール等のボリ ビュルァノレコール 類、 カゼイン、 大豆蛋白、 合成蛋白質類、 でんぷん、 カルボキシルメチルセル口 一スゃメチルセルロース等のセノレロース誘導体、 酢酸ビニル系重合体ェマルジョ ン、 スチレン ' ブタジエン共重合体ェマルジヨ ン、 エチレン酢酸ビュル共重合体 ェマルジヨ ン、 アク リル系共重合体エマノレジョ ン、 スチレン ' アク リル系共重合 体ェマルジョン、 水性ァクリル榭脂、 水性ポリ ゥレタン樹脂おょぴ水性ポリエス テル樹脂等、 その他一般に塗工紙分野で従来公知の各種接着剤が単独、 あるいは 併用して使用できる。
前記ェマルジヨ ンの中でも特に、 記録画像の鮮明性と光沢感の点から、 スチレ ン ' アタ リル系共重合体ェマルジョンが好ましい。
前記キャス ト層に接着剤として用いる共重合体の重量平均分子量は、 1 0 0 0 〜 1 0 0 0万が好ましく、 より好ましくは、 5 0 0 0 〜 5 0 0万である。 分子量 が 1 0 0 0より低いと、 塗工膜の強度が不十分となりやすく、 分子量が 1 0 0 0 万より、 高いとェマルジョンの安定性が不十分となりやすい。
前記ェマルジヨ ンの平均粒子径は、 0 . 0 2 〜 0 . 1 5 mの範囲が好ましい。
ェマルジヨ ンの平均粒子径が、 0. 0 2 ^ m未満であると、 インクの吸収性が低 下し、 一方 0. 1 5 μ ηιを超えると、 表面光沢および記録画像.の発色の鮮明性が 低下する。
前記共重合体のガラス転移温度が、 5 0〜 1 50°Cの範囲にある共重合体が好 ましい。 前記共重合体のガラス転移点が 5 0。Cより低いと、 乾燥の際にキャス ト 層の成膜が進みすぎ、 表面の多孔性が低下するために、 インクの吸収速度が低下 する場合がある。 逆に前記共重合体のガラス転移点が 1 5 0°Cより高いと、 乾燥 の際に成膜が不十分となり、 光沢が不足する場合がある。
前記キャス ト層中の顔料は、 例えば、 カオリ ン、 ク レー、 焼成ク レー、 非晶質 シリカ (無定形シリカともいう) 、 酸化亜鉛、 酸化アルミニウム、 水酸化アルミ 二ゥム、 炭酸カルシウム、 サチンホワィ ト、 珪酸アルミニウム、 アルミナ、 コロ ィダルシリカ、 ゼォライ ト、 合成ゼォライ ト、 セピオライ ト、 スメクタイ ト、 合 成スメクタイ ト、 珪酸マグネシウム、 炭酸マグネシウム、 酸化マグネシウム、 珪 藻土、 スチレン系プラスチックピグメント、 ハイ ド口タルサイ ト、 尿素樹脂系プ ラスチックピグメント、 ベンゾグアナミン系プラスチックビグメント等、 一般塗 ェ紙製造分野で公知公用の各種顔料が単独、 あるいは併用して使用できる。
これらの中でも、 インク吸収性の高い非晶質シリカ、 アルミナ、 コロイダルシ リカ、 ゼォライ トを主成分として使用するのが好ましい。 より好ましくは、 コロ ィダルシリカであり、 さらに好ましくは、 ァニオン性コロイダルシリカである。 前記ァニオン性コロイダルシリカの平均粒子径は、 0. 0 1〜0. 1 5 /i mで あり、 好ましくは、 0. .0 1 5〜0. 1 2 μ πιであり、 さらに好ましくは、 0. 0 2〜0. Ι Ο μ πιである。 平均粒子径が、 0. 0 1 /i m未満の場合は、 インク の吸収性が低下し、 また、 0. 1 5 mを超える場合は、 光沢および記録画像の 発色の鮮明性が低下する。
キャス ト層の接着剤と顔料との組成比 (固形分質量比) は、 好ましくは、 6 0 Z4 0〜 3 / 9 7の範囲であり、 より好ましくは、 5 0 / 5 0〜 5 9 5の範囲 であり、 さらに好ましくは、 40/6 0〜7Z9 3の範囲である。
接着剤の比率が 6 0質量%を超えると、 記録画像の発色の鮮明性が低下する傾
向にあり、 3質量%未満では光沢が低下する傾向にある。
前記キャス ト層に用いる離型剤としては、 通常の印刷用塗工紙や印刷用キャス ト紙製造の際に用いられる離型剤が使用できる。
具体的には、 ポリエチレンワックス、 ポリプロピレンワックス等のポリオレフ インワックス類、 ステアリ ン酸カルシウム、 ステアリ ン酸亜鉛、 ォレイン酸カ リ ゥム、 ォレイン酸アンモミゥム等の高級脂肪酸アルカリ塩類、 ステアリン酸、 ォ レイン酸等の高級脂肪酸類、 レシチン、 シリ コーンオイル、 シリ コーンワックス 等のシリ コーン化合物、 ポリテトラフルォロエチレン等のフッ素化合物、 高級脂 肪酸アミ ド等が挙げられる。
前記キャス ト層用塗料には、 白色度、 粘度、 流動性等を調節するために、 一般 の印刷用塗工紙やインクジェッ ト記録用紙に使用されている顔料、 消泡剤、 着色 剤、 蛍光増白剤、 帯電防止剤、 防腐剤、 分散剤、 増粘剤等の各種助剤が適宜添加 される。 また、 カチオン性化合物を配合し、 インク染料定着性を付与させること も可能であ 。
本発明では、 キャス ト層を設ける方法として、 キャス ト法を用いる。 塗工層を、 平滑性を有する鏡面ドラム (鏡面仕上げした金属、 プラスチック、 ガラス等のド ラム) 、 鏡面仕上げした金属板、 プラスチックシートやフィルム、 ガラス板等の 上で乾燥し、 平滑面を塗工層上に写し取ることにより、 平滑で光沢のある塗工層 表面を得る方式である。
キャス ト法により塗工層を設ける方法としては、 上記の塗工層用塗工液を基材 上または下塗り層上に塗工して、 前記塗工層が湿潤状態にある間に加熱された鏡 面ドラムに圧接、 乾燥して仕上げる方法 (ウエッ トキャス ト法) 、 あるいは一旦 乾燥後、 再湿潤した後加熱された鏡面ドラムに圧接、 乾燥して仕上げる方法 (リ ウエッ トキャス ト法) 等が例示できる。 また加熱された鏡面ドラムに直接塗工液 を塗工した後、 基材上または下塗り層を設けた基材の下塗り層面に圧接、 乾燥し て仕上げる方法 (プレキャス ト法) も採用することができる。 .
加熱された鏡面ドラムの温度の好ましい範囲は, 5 0〜 1 5 0 ° (:、 より好まし くは 7 0〜 1 2 0 °Cである。
キャス ト層用塗工液を塗工する場合、 ブレードコーター、 エアーナイフコータ • ~~、 口 · ~ノレ: η· ター、 ブラシコ1 ~タ1 ~― チャンプレックスコ■ ~ ' ~、 ノ 1 ~コ1 ~タ ―、 ダラビアコーター等の各種公知の塗工装置が使用できる。
またキャス ト層用塗工液を塗工後、 前述したようにキャスト層が湿潤状態にあ る間に (ウエッ トキャス ト法) 、 あるいはー且乾燥し再湿潤後 (リ ウヱッ トキヤ ス ト法) 、 加熱された鏡面ドラムに圧接、 乾燥してキャス ト層を設ける。
キャス ト層の塗工量は、 好ましくは乾燥質量で 1〜 3 0 g / より好まし くは 2〜 2 0 g/m2、 さらに好ましくは、 3〜 1 5 g/m2である。 ここで、 1 g Zm2未満では印字濃度や光沢が十分に出ない場合があり、 3 0 g Zm2を越え て多いと、 品質向上効果は飽和し、 乾燥に負担がかかり操業性が低下するおそれ 力 sある。 ■ J
前記キャス ト層を設けた後、 必要に応じてさらにスーパーキヤレンダ一等によ り平滑化処理を行うこともできる。 '
ィンクジヱッ ト記録用紙の記録する面の 7 5° 表面光沢度 ( J I S _ Z— 8 7 4 1 )は、 優れた画質および写真調の高品位の記録を得るために、 好ましくは 5 0 %以上、 より好ましくは 6 5 %以上である。
実施例
以下に実施例を挙げて、 本発明をより具体的に説明するが、 もちろんこれらに 限定されるものでは-ない。 また、 例中の部および%は特に断らない限り、 それぞ れ質量部および質量%を示す。 . 紙基材 A :
木材パルプ ( L B K P ; ろ水度 5 0 0 m 1 C S F) 1 0 0部、 焼成力オリ ン (商品名 : アンシレックス) 1 0部、 市販サイズ剤 0. 0 5部、 硫酸バンド 1. 5部、 湿潤紙力剤 0. 5部、 澱粉 0. 7 5部よりなる製紙材料を使用し、 長網抄 紙機にて坪量 1 2 0 g /m2の紙基材 Aを製造した。 この紙基材 Aのステキヒ ト サイズ度は 1 0秒であった。
紙基材 B :
さらに、 紙基材 Aに、 カチオン性化合物 (日華化学社製、 商品名 : ネオフイ ツ
クス E_ 1 1 7、 ジシアンジアミ ド系樹脂) 5 %液を 4 0 mL/m2サイズプレ スした後に乾燥し、 紙基材 Bを得た。
実施例 1
紙基材 A上に、 下記下塗り層用塗工液を、 乾燥質量で 1 2 g/m2になるよう に、 エアーナイフコーターで塗工、 乾燥した。
次に、 下記キャス ト層用塗工液を、 上記の下塗り層上に、 ロールコーターを用 いて塗工した後、 直ちに、 表面温度が 9 0°Cの鏡面ドラムに圧接し、 乾燥後、 離 型させ、 インクジェッ ト記録用紙を得た。 このときのキャス ト層の塗工量は、 乾 燥質量で 7 g/m2であった。
下塗り層用塗工液 (固形分濃度 1 7%) :
合成非晶質シリカ (トクャマ社製、 商品名 : ファインシール: X— 6 0、 平均二 次粒子径 6. 0 m、 一次粒子径 1 5 nm) 8 0部、 ゼォライ ト (トーソ一社製、 商品名 : トョビルダー、 平均粒子径 1. 5 m) 2 0部、 シリル変性ポリ ビュル アルコール (クラレ社製、 商品名 : R— 1 1 3 0) 20部、 ポリジァリルジメチ ルアンモニゥムクロライ ド塩重縮合体 (セン力社製、 商品名 : ュニセンス C P— 1 04、 重量平均分子量 20万) 1 5部、 ポリジァリルジメチルアンモニゥムク 口ライ ド塩重縮合体 (セン力社製、 商品名 : ュニセンス C P— 1 0 1、 重量平均 分子量 2万) 5部、 蛍光染料 (住友化学社製、 Wh i t e X B P SH) 2部。 キャス ト層用塗工液 (固形分濃度 3 0%) :
ァニオン性コロイダルシリ力 8 0部とスチレン · ァク リル共重合体ェマルジョ ン 2 0部 (ライオン社製、 商品名 : エルサード 740) 、 離型剤としてレシチン 2部。
実施例 2
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— 1 04 1 5部を、 ポリ ジァリルジメチルアンモニゥムクロライ ド塩重縮合体 (セン力社製、 商品 名 : ュニセンス C P— 1 0 5、 重量平均分子量 5 0万) 1 5部に代えた以外は、 実施例 1 と同様にしてィンクジェッ ト記録用紙を得た。 '
実施例 3
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— 1 04 1 5部を、 ジシアンジアミ ドージエチレンアミン重縮合体 (日東紡社製、 商品名 : PAS— J一 4 1、 重量平均分子量 1 5万) 1 5部に代えた以外は、 実施例 1 と同様にし てィンクジヱッ ト記録用紙を得た。
実施例 4
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— 1 04 1 5部を 1 0部に、 ュニセンス C P— 1 0 1 5部を 1 0部に代えた以外は、 実施例 1 と同 様にしてインクジエツ ト記録用紙を得た。
実施例 5
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス CP— 1 0 1 5部をポリ ジァリルジメチルアンモニゥムクロライ ド塩重縮合体 (セン力社製、 商品名 : ュ 二センス C P— 1 0 2、 重量平均分子量 5万) 5部に代えた以外は、 実施例 1 と 同様にしてインクジエツ ト記録用紙を得た。
実施例 6
実施例 1において、 紙基材 Aを紙基材 Bに変更した以外は、 実施例 1 と同様に してインクジエツ ト記録用紙を得た。
比較例 1
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュュセンス C P— 1 04 1 5部およ びュニセンス ·〇 P— 1 0 1 5部を、 ュニセンス C P— 1 04 2 0部に代えた 以外は、 実施例 1 と同様にしてインクジエツ ト記録用紙を得た。
比較例 2
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— 1 04 1 5部およ びュニセンス C P— 1 0 1 5部を、 ュニセンス C P— 1 0 1 2 0部に代えた 以外は、 実施例 1 と同様にしてインクジェッ ト記録用紙を得た。
比較例 3
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— 1 04 1 5部およ びュニセンス C P— 1 0 1 5咅 を、 ポリジァリルジメチルアンモニゥムクロラ イ ド塩重縮合体 (セン力社製、 商品名 :ュニセンス C P— 1 0 2、 重量平均分子
量 5万) 2 0部に代えた以外は、 実施例 1 と同様にしてインクジェッ ト記録用紙 を得た。
比較例 4
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— 1 0 1 5部をポリ ジァリルジメチルアンモニゥムクロライ ド塩重縮合体 (セン力社製、 商品名 : ュ 二センス C P_ 1 0 3、 重量平均分子量 1 0万) 5部に代えた以外は、 実施例 1 と同様にしてィンクジヱッ ト記録用紙を得た。
比較例 5
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— 1 04 1 5部およ びュニセンス C P— 1 0 1 5部を除いた以外は、 実施例 1 と同様にしてインク ジェッ ト記録用紙を得た。
比較例 6
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— 1 04 1 5部を 8 部に代え、 ュニセンス C P— 1 0 1 5部を 1 2部に代えた (ュニセンス C P— 1 04 : ュニセンス C P— 1 0 1 =4 0 : 6 0) 以外は、 実施例 1 と同様にして インクジエツ ト記録用紙を得た。
比較例 7
実施例 1の下塗り層用塗工液において、 ュニセンス C P— i 04 1 5部を 1 9部に代え、 ュニセンス C P— 1 0 1 5部を 1部に代えた (ユエセンス C P— 1 04 : ュニセンス C P— 1 0 1 = 9 5 : 5) 以外は、 実施例 1 と同様にしてィ ンクジエツ ト記録用紙を得た。
上記で得られた 1 3種類のインクジエツ ト記録用紙の印字濃度、 印字耐水性、 インク吸収性、 7 5度表面光沢度およびドラム汚染性について評価した。 その結 果を表 1に示す。
なお、 上記の評価については下記の如き方法で評価を行った。
(インクジヱッ ト記録)
ィンクジェッ トプリンタ (キ.ヤノン社製、 商品名 : B J F 8 5 0) を用いて 黒、 マゼンタ、 イェローおよび混色黒 (黒 8 0%) の印字および高精細カラーデ
イジタル標準画像データ I S〇/ J I S— S C I Dサンプル N 3 (画像の名 称 果物かご: 日本規格協会製) の印字を行なった。
(印字濃度)
黒、 マゼンタおよびイェローのベタ印字部分の印字濃度を R D— 9 1 4 (マク べス社製) で測定した。
(印字耐水性)
印字した高精細カラーディジタル標準画像デ一タ I S O / J I S— S C I D サンプル N 3 (画像の名称 果物かご: 日本規格協会製) の一面を水で濡らし 自然乾燥した後、 画像の二ジミを目視で評価した。
◎: まったくニジミがない。
〇 :若干二ジミがあるものの実用上問題なし。
X : 二ジミがひどく、 実用上問題あり。
(ィンク吸収性)
混色黒 (黒 8 0 % ) の印字部分の境界から、 インク吸収性を目視で評価した。 〇 :境界が明瞭で、 ニジミがない。
X :境界が明瞭でなく、 -ジミがある。
( 7 5度表面光沢度)
J I S - P - 8 1 4 2に準じて白紙部の 7 5度光沢を測定した。 J I S— P _ 8 1 4 2の概要は以下のとおりである。 光沢度系の幾何学的条件として、 試料面 への入射光線は平行光線を用い、 その中心線の角度 Θを試料面の法線に対して 7 5 ± 0 . 1 °とした。 また、 試料面で反射し、 受光器に達する入射光の中心線の 角度 θ'は試料面の法線に対して θ ± 0 . 1 °とした。 試験片の測定面を装置の測定 開口部に平らに当て、 その上に黒色面を載せて試験片を固定した後、 光沢度を読 み取った。 紙の縦方向.を入射及び反射方向に一致させたときの光沢度指示値を紙 の縦方向の鏡面光沢度とし、 これと直角方向の指示値を横方向の鏡面光沢度とし た。 少なく とも 5枚以上の試験片について、 その表と裏 ¾びそれぞれの縦方向と 横方向の光沢度を測定した。 光沢度の単位は基準面である屈折率 1 . 5 6 7のガ- ラスの鏡面反射率に対する百分率 (%) で表した。
印字濃度 印字耐 インク吸 7 5度表面 ブラック マゼンタ イェロー 水性 収性 光沢度 (%) 実施例 1 1 . 7 8 1 . 6 2 1 . 7 2 ◎ 〇 7 8 実施例 2 1 . 7 4 1 . 6 5 1 . 7 4 〇 7 6 実施例 3 1 . 7 5 1 . 6 0 1 . 6 9 ◎ 〇 7 6 実施例 4 1 . 8 0 1 . 5 8 1 . 6 9 ◎ 〇 7 8 実施例 5 1 . 7 5 1 . 6 3 1 . 7 3 ◎ 〇 7 3 実施例 6 1 . 8 3 1 . 6 5 1 . 7 6 ◎ 〇 8 2 比較例 1 1 . 6 7 1 . 6 4 1 . 7 4 ◎ X 6 8 比較例 2 1 . 7 8 1 . 5 3 1 . 5 9 X 〇 7 8 比較例 3 1 . 7 0 1 . 5 6 1 . 6 5 〇 〇 7 4 比較例 4 1 . 6 7 1 . 6 4 1 . 7 4 ◎ X 6 9 比較例 5 1 . 4 2 1 . 2 3 1 . 3 7 X X 3 2 比較例 6 1 . 5 2 1 . 4 0 1 . 4 5 X X 4 0 比較例 7 1 . 5 5 1 . 5 3 1 . 5 7 〇 X 4 5
産業上の利用可能性
表 1から明らかなように、 本発明により得られたィンクジェッ ト記録用紙は、 特に印字濃度、 印字耐水性およびインク吸収性等のインクジエツ ト記録適性や光 沢に優れたインクジェッ ト記録用紙であり、 きわめて実用性の高いものである。