WO2004079640A1

WO2004079640A1 - カード保持機構を有する装置

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Publication number: WO2004079640A1
Application number: PCT/JP2004/002963
Authority: WO
Inventors: Kazuya Takagi
Original assignee: Nokia Corporation
Priority date: 2003-03-07
Filing date: 2004-03-08
Publication date: 2004-09-16
Also published as: EP1603073A1; US7238033B2; US20060063402A1; JP4504919B2; JPWO2004079640A1; CN100367304C; EP1603073A4; EP1603073B1; CN1777899A

Abstract

２枚のカードを同時に保持することができるカード保持機構を備えた装置を提供する。第１のカードの一方の側縁を保持し得る第１のカード収容部と、第２のカードの一方の側縁を保持し得る第２のカード収容部と、第１のカード収容部に収容された第１のカードの一方の側縁の対向側の側縁と第２のカード収容部に収容された第２のカードの一方の側縁の対向側の側縁を同時に保持し得るスライド保持部を有するカード保持機構を備える。

Description

明細書カード保持機構を有する装置技術分野

本発明は、カード保持機構、特に、 2枚のカードを同時に保持することができるカード保持機構を備えた装置に関する。背景技術

携帯電話やホームビデオカメラ等の電子機器の中には、それらにカードを収容、保持した状態で操作を行うものがある。例えば、ある携帯電話では、発信者の契約情報が保存された S I Mカード (これを携帯電話に差し込むことによって通話が可能になる) や、 MMCカードやスマートメディア、メモリースティックといつたデータ保存カードを、収容、保持させた状態で操作を行う。従来、これらのカードは各カードそれぞれに 1つずつ設けられた保持機構によって保持されていた。

しかしながら、各カードにそれぞれ 1つずつ独立の保持機構を設けると、保持機構のためにかなりのスペースが必要となる。このことは、装置を小型化する上で大きな障害となり得る。発明の開示

本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、収容部に収容された、特に 2枚のカードを同時に保持することができるカード保持機構を備えた装置を提供することを目的とする。また、この保持機構の使い勝手を改良するための様々な機能を提供する。上記の目的を達成するため、本発明は、第 1のカードの一方の側縁を保持し得る第 1のカード収容部と、第 2のカードの一方の側縁を保持し得る第 2のカード収容部と、前記第 1のカード収容部に収容された前記第 1のカードの一方の側縁の対向側の側縁と前記第 2のカード収容部に収容された前記第 2のカードの一方の側縁の対向側の側縁を同時に保持し得るスライド保持部を有するカード保持機構を備えたことを特徴としている。

また、本発明は、第 1のカードの一方の側縁を保持する保持部を有した第 1のカード収容部と、第 2のカードの一方の側縁を保持する保持部を有した第 2の力一ド収容部と、前記第 1のカード収容部に収容された前記第 1のカードの一方の側縁の対向側の側縁と前記第 2のカード収容部に収容された前記第 2のカードの一方の側縁の対向側の側縁とを同時に保持し得るスライド保持部を有し、前記スライド保持部は、前記第 1のカード収容部に収容された第 1のカードの対向側の側縁を保持し、且つ、前記第 2のカードの収容部に収容された第 2のカードの対向側の側縁を保持する第 1の位置と、前記第 1のカード収容部に収容された第 1 のカードの対向側の側縁を保持しつつ、前記第 2のカードの収容部を開放して前記第 2のカードを収容可能とする第 2の位置と、前記第 2のカード収容部に収容された第 2のカードの対向側の側縁を保持しつつ、前記第 1のカードの収容部を開放して前記第 1のカードを収容可能とする第 3の位置との間でスライドし得るカード保持機構を備えたことを特徴としている。

更に、本発明は、第 1のカードの一方の側縁を保持するための隙間を有した略凹部状の第 1のカード収容部と、第 2のカードの一方の側縁を保持するための隙間を有した略凹部状の第 2のカード収容部と、前記第 1のカード収容部と前記第 2のカード収容部の上方に配置され、前記第 1のカード収容部に収容された前記第 1のカードの一方の側縁の対向側の側縁と前記第 2のカード収容部に収容された前記第 2のカードの一方の側縁の対向側の側縁を同時に保持し得る、前記第 1 のカード収容部や第 2のカード収容部と別体で設けられたスライド保持部材を有し、前記スライド保持部材は、前記第 1のカードの一方の側縁及びその対向側の側縁に対して略並行に、且つ、前記第 2のカードの一方の側縁及びその対向側の側縁に対して略垂直に、前記第 1のカード収容部と第 2のカード収容部の間をスライドし得るものであり、前記スライド保持部材は、前記第 1のカード収容部に収容された第 1のカードの対向側の側縁を保持し、且つ、前記第 2のカードの収容部に収容された第 2のカードの対向側の側縁を保持する第 1の位置と、前記第 1のカード収容部に収容された第 1のカードの対向側の側縁を保持しつつ、前記第 2のカードの収容部を開放して前記第 2のカードを収容可能とする第 2の位置と、前記第 2のカード収容部に収容された第 2のカードの対向側の側縁を保持しつつ、前記第 1のカードの収容部を開放して前記第 1のカードを収容可能とする第 3の位置との間でスライドし得る力一ド保持機構を備えたことを特徴としている。これらの構成により、 2枚のカードを同時に保持することが可能である。上記装置において、前記スライド保持部材は、前記第 1のカードの対向側の側縁についてはその全幅で、前記第 2のカードの対向側の側縁についてはその一部の幅でのみ保持するものであってもよい。これにより、特に第 1のカードをその両端からしっかりと保持することができる。

また、上記装置において、前記スライド保持部材は、前記第 1のカード収容部の隙間に前記第 1のカードを揷入する方向に沿つて面が取られていてもよい。これにより、スライド保持部材をよりスムーズにカード収容部に挿入し、或いは、取出すことができる。

更に、上記装置において、前記スライド保持部材から、該スライド保持部材をスライドさせる際にユーザの指の力が主にかかる領域以外の領域の一部が除去されていてもよい。これにより、スライド保持部材を不用意にスライドさせることを防止できる。また、上記装置において、前記第 1のカード収容部の隙間に前記第 1のカードを揷入する方向とは反対側に突出した状態で、前記第 1のカード収容部の隙間の縁が曲線形状とされていてもよい。これにより、第 1のカード収容部の隙間へ第 1のカードを収容するときに、その揷入をスムーズにすることができる。

また、上記装置において、前記スライド保持部材の下側に該スライド保持部材の下側を支持する支持部を設けてもよい。これにより、装置の破損を防止することができる。

また、上記装置において、前記スライド保持部材に滑止めが設けられていてもよい。

また、上記装置において、前記スライド保持部材は前記装置に略三角形状をなす三箇所で保持されてもよい。これにより、寸法の許容度を比較的大きくすることができる。また、スライド保持部材のスラィドの制御がし易くなり、また、その動作を安定させることができる。

また、上記装置において、前記スライド保持部材に、前記第 1の位置、第 2の位置、または、第 3の位置に対応して窪みを設け、前記スライド保持部材のスライドに応じて、前記第 1の位置、または、第 2の位置、または、第 3の位置で前記装置に設けた弾性部材を前記窪みにそれぞれ嚙み合わせるようにしてもよい。また、これら第 1の位置と第 2の位置の間の部分や、第 2の位置と第 3の位置の間の部分は、曲線状に形成されていてもよい。これにより、スライド保持部をスライドさせるために必要な力を均等にすることができる。更に、上記装置において、前記第 1の位置において前記弾性部材と嚙み合う窪みは、前記第 2の位置及び第 3の位置において前記弾性部材と嚙み合う窪みより深くしてもよい。これにより、ユーザに第 1乃至第 3の各位置において、所定のクリック感を与えることができる。

また、上記装置において、前記スライド保持部材は、前記装置に接近させてそこに装着されるものであり、前記スラィド保持部材は凸部を有し、前記装置を組み立てた際に、前記装置の一部に設けた凹部が前記凸部と係合し得るようにしてもよい。これにより、スライド保持部材を装置の所定位置に確実に位置決めすることができる。

また、上記装置において、前記スライド保持部材は、該スライド保持部材がスライドしたときに形成し得るスライド面に直交する方向において、少なくとも前記スライド保持部材が前記第 2の位置にあるときを除いて、前記第 2のカード収容部に収容された前記第 2のカードの所定の壁面と当接して前記カードを前記第 2のカード収容部に所定の力で保持し得る壁面を有しており、該壁面には、前記スライド保持部材のスライド方向に対して並行とされた平坦部と、前記スライド保持部材が前記第 2の位置からスライドされたときに前記第 2のカードの所定の壁面から遠ざかる方向に傾斜している引き込み部が互いに連続して形成されていてもよい。また、前記平坦部と前記引き込み部の問は緩やかに連続していてもよい。これにより、第 2のカード収容部において第 2のカードを所定の力で保持することができる。

また、上記装置において、前記スライド保持部材は、該スライド保持部材がスライドしたときに形成し得るスライド面に直交する方向において、前記装置に接近されてそこに装着されるものであり、前記装置には、前記装置から前記直交方向にて離れた位置で前記スラィド面と並行に延びる水平部分が設けられており、前記直交方向において前記スライド保持部材を前記装置に接近させた後、前記スライド方向に前記スライド保持部材をスライドさせることにより前記スライド保持部材を前記水平部分と前記装置との間に挟み込んで前記スラィド保持部材を保持するようにしてもよい。

また、上記装置において、該装置は、前記直交方向に弾性変位し得る弹性部材を有しており、該弾性部材は、前記直交方向において前記スライド保持部材が前記装置に接近したときに、前記スライド保持部材と衝突して前記直交方向において変位し、その後、前記スライド保持部材がスライドされて前記スライド保持部材が前記水平部分と前記装置との間に挟み込まれるとともに前記スライド保持部材との衝突が解除されたときに元の位置に戻って、前記スライド保持部材が再び前記スライド方向に戻ることを防止するようにしてもよい。図面の簡単な説明

図 1は、カード保持機構を有した携帯電話の部品の一部を示す斜視図である。図 2は、携帯電話の裏側の斜視図である。

図 3は、 S I Mカードを S I Mカードスロットに収容する方法を説明する図である。

図 4は、 MMCカードを MMCカードスロットに収容する方法を説明する図である。

図 5は、スライド保持部材による S I Mカードと MM Cカードの保持場所を示す図である。 ·

図 6は、カードハウジングの一部拡大概略斜視図である。

図 7は、スライド保持部材の表側の平面図である。

図 8は、スライド保持部材の裏側の斜視図である。

図 9は、スライド保持部材が正に力一ドハゥジングに装着される直前の状態を示す斜視図である。

図 1 0は、スライド保持部材が正にカードハウジングに装着されたときの、スライド保持部材の装着案内突起、第 1ガイド突起、第 2ガイド突起、及び保持フックの、カードハウジングにおけるそれぞれの位置を示す図である。

図 1 1は、スライド保持部材を横方向にスライドさせた状態を示す斜視図である。図 1 2は、図 1 1に示す状態の下での、図 1 0に相当する図である。

図 1 3は、スライド保持部材を縦方向にスライドさせた状態を示す斜視図である。

図 1 4は、図 1 3の状態を別角度からみた斜視図である。

図 1 5は、図 1 3に示す状態の下での、図 1 0に相応する図である。

図 1 6は、スライド保持部材を更に縦方向にスライドさせた状態を示す斜視図である。

図 1 7は、図 1 6に示す状態の下での、図 1 0に相応する図である。発明を実施するための最良の形態

本発明の一実施形態によるカード保持機構の、特に携帯電話への応用例を説明する。ただし、このカード保持機構は携帯電話に限らず、ホームビデオカメラ等、他の様々な機器に応用できる。故に、以下の実施形態は、本発明を携帯電話に限定することを意図するものではない。

1 . 組立等

図 1に、カード保持機構を有した携帯電話の部品の一部を斜視図で示す。このカード保持機構 1には、主に、カードハゥジング 3とスライド保持部材 5が含まれ、更に、周辺部品として、携帯電話の裏側カバー 7と携帯電話の本体が含まれる。尚、力一ド保持機構という観点からみた場合、裏側カバー 7は、スライド保持部材 5がカードハゥジング 3から外れるのを防ぐだけのものということができる。

この携帯電話の組立方法を簡単に説明する。先ず、図示矢印ァ方向にて、カードハウジング 3とスライド保持部材 5を接近させて、互いに装着し、次いで、図示矢印ィ方向にて、カードハウジング 3と携帯電話の裏側カバー 7を接近させて、ネジ穴 3 1ゃネジ（図示されていない）を利用して互いに固定する。最後に、裏側カバー 7を主要な電気モジュールが配置された携帯電話の本体（図 2参照）に、図示矢印ァと同方向にて、互いに固定すればよい。尚、カードハウジング 3とスライド保持部材 5を装着する際の接近方向、あるいは、カードハウジング 3と携帯電話の裏側力バー 7との接近方向は、スライド保持部材 5がスライドしたときにこのスライド保持部材 5によって形成し得るスライド面に直交する方向となつている。

2 . S I Mカード、 MMCカードの収容、保持

図 2に、完成した携帯電話の特に裏側の斜視図を示す。略凹部状の S I Mカードスロット 1 1と MMCカードスロット 1 3が形成されているのが分かるだろう。これらの各スロットに、それぞれ、 S I Mカード 1 1 0や MMCカード 1 3 0 ( 図 3、図 4参照）を収容することができる。したがって、この携帯電話には、一度に 2枚のカードを収容させることができる。 S I Mカードゃ MMCカードが、 S I Mカードスロット 1 1や MMCカードスロット 1 3に収容されたとき、 S I Mカードゃ MMCカードの表面に露出して設けられた各端子（図示されていない ) は、 S I Mカードスロット 1 1や MMCカードスロット 1 3に露出された（携帯電話の本体に露出して設けられた）各端子 1 1 1、 1 3 1等とそれぞれ対応付けられて、互レ、に電気的に接続され得る。スライド保持部材 5は、所定のスライド方向、つまり、図示矢印ゥ及びェ方向において、 S I Mカードスロット 1 1と MMCカードスロット 1 3の問を自由にスライド可能である。尚、図 2に示されたカードハウジング 3におけるスライド保持部材 5の位置を、ここでは特に、便宜上、「ホーム位置」と呼ぶことにする。

図 3を参照して、 S I Mカードを S I Mカードスロットに収容する方法を詳細に説明する。先ず、ホーム位置にあるスライド保持部材 5を図示矢印ゥ方向にスライドさせ、 S I Mカードスロット 1 1を完全に開いた状態とする。このときのカードハウジング 3におけるスライド保持部材 5の位置を、便宜上、「S I M力一ドスロット開放位置」と呼ぶことにする。その後、 S I Mカード 1 1 0の前縁を、 S I Mカードスロット 1 1の隙間 1 1 3 (図 6にもよく示されている）に、斜め上、つまり、図示矢印力方向から揷入して、そこに保持し、次いで、 S I M カード 1 1 0の後縁付近を、 S I Mカードスロット 1 1に露出して設けられた端子 1 1 1等（図 2参照）の側に、つまり、図示矢印キ方向に押し付ける。最後に、スライド保持部材 5を図示矢印ェ方向にスライドさせて終了である。尚、 S I M カード 1 1 0を S I Mカードスロット 1 1から取出すには、上と逆の手順をふめばよい。

図 4を参照して、 MMCカード 1 3 0を MMCカードスロット 1 3に収容する方法を詳細に説明する。先ず、ホーム位置にあるスライド保持部材 5を図示矢印ェ方向にスライドさせ、 MMCカードスロット 1 3を完全に開いた状態とする。便宜上、このときの力一ドハゥジング 3におけるスライド保持部材 5の位置を Γ MM Cカードスロット開放位置」と呼ぶことにする。その後、 MMCカード 1 3 0の一方の側縁を、 MMC力一ドスロット 1 3の隙間 1 3 3に、斜め上、つまり、図示矢印ク方向から揷入して、そこに保持し、次いで、 MM Cカード 1 3 0の一方の側縁の対向側の側縁付近を、 MM Cカードスロット 1 3に露出して設けられた端子 1 3 1等 (図 2参照) の側に、つまり、図示矢印ケ方向に押し付ける。最後に、スライド保持部材 5を図示矢印ゥ方向にスライドさせて終了である。このとさ、 S I Mカードが既に収容されている場合には、スライド保持部材 5を、ホーム位置を超えて S I Mカードスロット開放位置までスライドさせてしまわないように注意する。 S I Mカードスロット開放位置までスラィド保持部材 5をスライドさせてしまうと、既に収容した S I Mカード 1 1 0が外に飛び出す危険があるためである。逆に MMCカードを先に収容した場合も同様である。

図 5によく示されているように、本発明によれば、 S I Mカード 1 1 0と MM Cカード 1 3 0は、スライド保持部材 5によって、それらの上方において同時に保持される。更に言えば、 S IMカード 1 10に関しては、スライド保持部材 5 を保持場所 1 1 5A、 1 1 5 Bに対して略並行にスライドさせることにより、一方の側縁を S I Mカードスロットの隙間 1 1 3である保持場所 1 1 5 Bに保持した状態で、その対向側の側縁を、その上方はスライド保持部材 5によってその下方は S I Mカードスロット 1 1によつてそれぞれ保持場所 1 1 5 Aに保持することができる。この結果、 S IMカード 1 10は、互いに並行に並んだ保持場所 1 1 5A、 1 1 5 Bにおいて、その両側の全幅で確実に保持されることになる。また、 MMCカード 1 30に関しては、スライド保持部材 5を、保持場所 1 3 5A、 1 35 Bに対して略垂直にスライドさせることにより、一方の側緣を S I Mカードスロットの隙間 1 33である保持場所 1 35 Aに保持した状態で、その対向側の側縁を、その上方はスラィド保持部材 5によつてその下方は MM Cカードスロット 1 3によつてそれぞれ保持場所 1 35 Bに保持することができる。この結果、 MMCカード 1 30は、互いに並行に並んだ保持場所 1 3 5 A、 1 35 Bにおいて、その両側で確実に保持されることになる。

よく知られているように、 S IMカード 1 1 0は、熱によって変形する危険が高く、また、薄く破壊され易いという欠点があるが、本発明によれば、 S IM力ード 1 1 0の対向する両側側縁がそれらの全幅で確実に保持されるため、それを安定して保持することができる。一方、 MMCカード 1 30は、 S IMカード 1 1 0に比べて堅固であり、また、 S IMカード1 10のように熱によって曲がる危険も少ないため、一方の側縁、即ち、端子 1 3 1等を設けた一方の側縁のみ全幅 1 35 Aで保持し、対向側の側縁はその一部の幅 1 35 Bでのみ保持すれば、十分である。

3. カードハウジング、スライド保持部材

図 6を参照してカードハウジングの詳細を説明する。この図は、カードハウジングの一部拡大概略斜視図である。 3— 1 · カードハウジング

1 ) 全体構成

カードハウジング 3は、樹脂等で一体成形されていてもよい。カードハウジング 3は、主に、電子モジュール形成部 3 0と、 S I Mカードスロット 1 1のほぼ全ての部分を形成する S I Mカードス口ット形成部 3 4、更に、 MMCカードスロット 1 3の一部を形成する MMCカードスロット形成部 3 8力ら成る。

電子モジュール形成部 3 0の裏側には、携帯電話を組み立てた際に、携帯電話の本体に設けた様々な電子モジュールが配置される。携帯電話の組立後に、この電子モジュール形成部 3 0の上に、製品シール等を貼り付けてもよレヽ。

S I Mカードスロット形成部 3 4に形成された、 S I Mカードが揷入される隙間 1 1 3は、カードハウジング 3の上板 3 4 1と下板 3 4 2から形成されている。これら上板 3 4 1と下板 3 4 2の縁 3 4 3、 3 4 4は、 S I M力一ドの挿入をよりスムーズにするために、 S I Mカードの挿入方向とは反対側に突出した状態で曲線形状とされている。これらの縁 3 4 3、 3 4 4は略同じ曲線形状を有するが、特に、下板の縁 3 4 4は、上板の縁 3 4 3より手前、即ち、 S I Mカードの揷入方向におけるより手前の位置に位置付けられている。これにより、 S I Mカードの挿入をよりスムーズに行うことができる。 S I Mカードスロット形成部 3 4には、携帯電話の本体に設けた端子 1 1 1 (図 2参照) 等を露出させるため、その中心に比較的大きな穴 3 4 5が設けられている。端子 1 1 1等は、カードハウジング 3が携帯電話の本体に固定された後もこの穴 3 4 5を通じて、図 2に示したように露出した状態とされる。

MMCカードス口ット形成部 3 8では、携帯電話の本体に設けた端子 1 3 1等を露出させるため、それらの付近にカードハゥジング 3が存在しない状態とされている。別の言い方をすれば、カードハウジング 3は、 MMCカードスロット領域の略半分を形成するだけのものである。したがって、 MMCカードが挿入される上述した隙間 1 3 3 (図 4を参照して説明した）は、カードハウジング 3 (の MMCカードスロット形成部 3 8 ) によって形成されておらず、携帯電話の本体によって形成されている。

2 ) ガイドスリット、ガイドレーノレ

スライド保持部材 5を保持、案内するため、第 1ガイドレール 3 4 6、第 1ガイドスリット 3 0 0、第 2ガイドレール 3 8 0、第 2ガイドスリット 3 8 2が設けられている。ガイドレール 3 4 6、 3 8 0は、単なる溝として設けられ、貫通した状態では設けられていない。一方、ガイドスリット 3 0 0、 3 8 2は、カードハウジング 3を貫通した状態で設けられている。これらのガイドレール及びガィドスリットは、互いに略同じ長さで、且つ、スライド保持部材 5のスライド方向に設けられている。

特に、第 1ガイ Kレール 3 4 6は、 S I Mカードス口ット形成部 3 4の一方の側に設けられている。

第 1ガイドスリット 3 0 0は、電子モジュール形成部 3 0と S I M力一ドス口ット形成部 3 4によつて形成されている。更に言えば、この第 1ガイドスリッ 1、 3 0 0は、電子モジュール形成部 3 0の一方の垂直壁面 3 0 2と S I Mカードス口ット形成部 3 4の一方の垂直壁面 3 4 7との間に平面方向において多少の隙間 3 0 3を設けることにより、且つ、より上方に位置する電子モジュール形成部 3 0とより下方に位置する S I Mカードスロット形成部 3 4とによって上下方向に所定の隙間 3 0 5を設けることによって、形成されている。前者の隙間 3 0 3は、カードハウジング 3にスライド保持部材 5を装着するときに、その装着を平面方向においてある程度の余裕をもって行わせるのに役立つ。一方、後者の隙間 3 0 5は、カードハウジング 3にスライド保持部材 5を装着するとき、または、その後に、スライド保持部材 5をそこに保持するのに役立つ。

第 2ガイドレール 3 8 0は、 MMCカードス口ット形成部 3 8の一方の側に設けられている。

第 2ガイドスリット 3 8 2も、 MMCカードス口ット形成部 3 8の一方の側に設けられているが、この第 2ガイドスリット 3 8 2は、第 2ガイドレール 3 8 0 よりも、 MMCカードスロット形成部 3 8に近い側に配置されている。この第 2 ガイドスリット 3 8 2は、第 2ガイドレール 3 8 0の一部及び第 2ガイドレール 3 8 0の ¾りの部分に沿って延びる板状突出部 3 8 4と、 MMCカードスロット形成部 3 8とによって形成されている。更に言えば、第 2ガイドスリット 3 8 2 は、第 2ガイドレーノレ 3 8 0の一部の壁面 3 8 6及び板状突出部の壁面 3 8 8と、 MM Cカードス口ット形成部 3 8の一方の壁面 3 9 0との間において平面方向において多少の隙間 3 8 1を設けることにより、且つ、より上方に位置する板状突出部 3 8 4とより下方に位置する MM Cカードス口ット形成部 3 8によって上下方向に所定の隙間 3 8 3を設けることによって、形成されている。前者の隙間 3 8 1は、力一ドハウジング 3にスライド保持部材 5を装着するときに、その装着を平面方向においてある程度の余裕をもって行わせるのに役立つ。一方、後者の隙間 3 8 3は、カードハウジング 3にスライド保持部材 5を装着するとき、または、その後に、スライド保持部材 5をそこに保持するのに役立つ。尚、図面には特に示していないが、上述した第 2ガイドレール 3 8 0の一部の壁面 3 8 6には、スライド保持部材 5 (後述する保持フック 7 2 ) の装着をスムーズにするために、第 2ガイドスリット 3 8 2の下方に向かって傾斜面が形成されていてもよい。スライド保持部材 5は、第 1ガイドレール 3 4 6、第 1ガイドスリット 3 0 0、第 2ガイドレール 3 8 0及び第 2ガイドスリット 3 8 2が配置された四箇所、実質的には第 2ガイドレール 3 8 0と第 2ガイドスリット 3 8 2は同じ場所とみることができるから、略三角形状を成す三箇所において、位置決め、保持される。この結果、二箇所でのみ位置決め、保持を行う場合に比べて、寸法の許容度を比較的大きくすることが可能である。更に言えば、その位置決め、保持などのために、ガイド突起やガイドレール等の寸法を厳密に調整する必要がなくなり、比較的余裕を持たせた状態とすることができる。また、この結果、スライド保持部材のスライドの制御が容易となり、その動作を安定させることもできる。

これらのガイドレーノレとガイドスリットのうち、カードハウジング 3とスライド保持部材 5を装着する際にスライド保持部材 5が最初に案内される部分、即ち、装着案内部 3 4 8、 3 0 4、 3 9 2、 3 9 4は、横方向（図示サ矢印方向）に多少延長した状態で形成されている。一方、その後に、スライド保持部材 5が案内される部分、即ちスライド案内部 3 4 9、 3 0 6、 3 9 6、 3 9 8は、縦方向（図示矢印シ方向) に比較的長く延長した状態で形成されている。

3 ) ロッキングレバー、保持リブ

第 1ガイドレール 3 4 6の横、特に、第 1ガイドレール 3 4 6の装着案内部 3 4 8の横に、口ッキングレバー 3 5 0と保持リブ 3 5 1が互いに隣接して設けられている。

口ッキングレバー 3 5 0は、垂直方向 (換言すれば、スライド保持部材がスラィドしたときにこのスライド保持部材によって形成され得るスライド面に直交する方向。以下、同様）、つまり、図示矢印ス方向に弾性変位可能とされている。この変位に伴って、口ッキングレバー 3 5 0の先端に設けた表側ロックタブ 3 5 2が上下に動く。スライド保持部材 5をカードハウジング 3に装着するとき、口ッキングレバー 3 5 0は下方向に変位され、一方、スライド保持部材 5がカードハウジング 3に完全に装着された後は、上方向に復帰する。この動きによって、口ッキングレバー 3 5 0及び表側ロックタブ 3 5 2は、スライド保持部材 5が力ードハウジング 3に完全に装着された後は、スライド保持部材 5がその装着を解除するような位置にスライドして戻ることを防止する。尚、図面には特に示していないが、口ッキングレバー 3 5 0を挟んで表側ロックタブ 3 5 2の対向側に裏側ロックタブが設けられており、携帯電話の組み立て後は、この裏側ロックタブが携帯電話の本体の一部と当接して、表側口ックタブ 3 5 2が再び下方に動くことが防止される。故に、スライド保持部材 5がカードハウジング 3との装着を解除する位置に戻ることも防止される。

保持リブ 3 5 1は、カードハウジング 3から垂直方向に延びており、更に、そこから水平方向（換言すれば、スライド保持部材 5がスライドしたときにこのスライド保持部材によって形成され得るスライド面に並行な方向。以下、同様）において、カードハウジング 3の内側に向かって延びている。このような形状により、スライド保持部材 5をカードハウジング 3に装着させるときに、スライド保持部材 5の一部を水平方向に延びる部分の下に位置付けて、換言すれば、スライド保持部材 5の一部をカードハウジング 3と保持リブ 3 5 1との間に挟み込むようにして、スライド保持部材 5のカードハウジング 3からの抜け落ちを防止するものである。

4 ) スプリングレバー

ガイドレールの横、特に、第 1ガイドレール 3 4 6のスライド案内部の横に、スプリングレバー 3 5 3が設けられている。スプリングレバー 3 5 3は、少なくとも水平方向、つまり、図示矢印ソ方向において、弾' I生変位可能とされている。このスプリングレバー 3 5 3は、スライド保持部材 5がカードハゥジング 3に装着された後に、スライド保持部材 5を、所定位置に保持するのに役立つ。即ち、スプリングレバー 3 5 3の先端に設けられた円形タブ 3 5 4が、スライド保持部材 5の所定部分と噴み合って、スライド保持部材 5を所定位置に所定の力で保持する。

3 - 2 . スライド保持部材

' 図 7、図 8を参照して、スライド保持部材の詳細を説明する。図 7は、スライド保持部材の表側の平面図、図 8は、その裏側の斜視図である。尚、スライド保持部材 5は、樹脂等で一体成形されていてもよい。 1 ) 面取り

S I Mカードを S I Mカードスロットに収容する際の挿入若しくは取出しをスムーズにするため、スライド保持部材 5の、特に S I Mカードスロット 1 1側の側縁 5 0は、 S I Mカードスロット 1 1の隙間 1 1 3 (図 3参照）へ揷入する（若しくは隙間 1 1 3からの取出す）方向に沿って面が取られている、換言すれば、そこに傾斜面が形成されている。

2 ) ダリップ溝

スライド保持部材 5には、ユーザの指等の滑止めとして、スライド保持部材 5 をスライドさせる際にユーザの指等が触れる部分にダリップ溝 5 2が設けられている。更に、スライド保持部材 5の表面領域のうち、スライド保持部材 5をスラィドさせる際にユーザの指の力が主にかかるのは、スプリングレバー 3 5 3側の領域と考えられるため、それ以外の領域については、不用意に指等を引掛けてしまうことがないよう、また、それを意図的につかんで、はずしてしまわないよう、一部 (一点鎖線で示した部分) 5 4が除去されている。

3 ) 略半円窪み

カードハウジング 3のスプリングレバー 3 5 3に対応して、スライド方向に沿つて、スライド保持部材 5の側縁に 3つの略半円窪み 5 6、 5 7、 5 8が設けられている。スライド保持部材 5のスライドに応答して、スプリングレバー 3 5 3 の先端に設けた円形タブ 3 5 4の側面が、そのスプリングレバー 3 5 3の弾力によってこれら 3つの窪み 5 6、 5 7、 5 8に順次に嚙み合い、スライド保持部材 5を、それぞれ、 MMCカードスロット開放位置、ホーム位置、及び、 S I M力一ドスロット開放位置に保持し得る。各位置において、スライド保持部材 5は、スプリングレバー 3 5 3の弾力によって所定の力で保持される。明らかなように、円形タブ 3 5 4が各略半円窪み 5 6、 5 7、 5 8と嚙み合わされたとき、スプリングレバー 3 5 3の弹力によって、ユーザは所定の大きさのクリック感を感じ取ることができる。特に、スライド保持部材 5をホーム位置に保持する略半円窪み 5 7は、他の半円窪み 5 6、 5 8に比べて、やや深い窪みとなっているため、ュ一ザは、より大きなクリック感を感じ取ることができる。これとは逆に、略半円窪み 5 6、 5 8は略半円窪み 5 7に比べて、やや浅い窪みとなっているため、ュ一ザは、スライド保持部材 5とそれらの略半円窪み 5 6、 5 8の嚙み合わせをスムーズに解除することができる。更に、窪み 5 6と窪み 5 7の間の部分 5 6 ' 、窪み 5 7と窪み 5 8の間の部分 5 7 ' 力それぞれ、曲線状となっている点にも注意していただきたい。スプリングレバー 3 5 3の加圧力は変位によつて変わるため、それらスライド方向へのべクトルを考盧すると、直線のスロープではスラィド力が徐々に大きくなつてしまうためである。これに対し、本発明のように、窪みの間の部分 5 6，、 5 7 ' を曲線状とした場合、スライド保持部をスライドさせるのに必要な力を均等にすることができる。尚、最も下側に設けた略半円窪み 5 9は、スライド保持部材 5をカードハウジング 3に装着する際に、その装着がスライド保持部材 5の部分によって妨げられることがないようにするためだけのもので、スプリングレバ一 3 5 3との嚙み合わせを目的としたものではない。更に言えば、スライド保持部材 5をカードハウジング 3に装着する際に邪魔にならないように、そのような形状としただけのものである。

4 ) コ状突出部等

スライド保持部材 5の表面から突出した状態でコの字状の凸部 6 0と円柱状の凸部 6 2 (後述する図 9等にも示されている) が設けられている。カードハウジング 3にスライド保持部材 5を装着した後に、裏側カバー 7を固定する際、これらの凸部 6 0、 6 2力裏側カバー 7の所定の凹部（図示されていない）と係合し、且つ、これら凸部 6 0、 6 2の内側位置、つまり線 6 4で示す位置に沿って、カバー 7の所定の部分がその上部から抑え付けられる。この結果、スライド保持部材 5は裏側カバー 7の所定位置に位置決めされ、且つ、カードハウジング 3からのスライド保持部材 5の抜け落ちも効果的に防止される。

5 ) ガイド板、装着案内突起、ガイド突起、保持フック

カードハゥジング 3に設けられた、第 1ガイドレール 3 4 6、第 1ガイドスリット 3 0 0、第 2ガイドレール 3 8 0、第 2ガイドスリット 3 8 2 (図 6参照）にそれぞれ対応して、スライド保持部材 5に、 4つの突起、即ち、第 1ガイド突起 6 6、ガイド板 6 8、第 2ガイド突起 7 0、及び J字形の保持フック 7 2が設けられている。特に、第 1ガイド突起 6 6が押圧部 7 4に設けられている点にも着目したい。この点は、後述するカードハウジング 3のロッキングレバー 3 5 0 (表側ロックタブ 3 5 2 ) との関係で重要である。

これらの突起のうち、第 1ガイド突起 6 6と第 2ガイド突起 7 0は、スライド保持部材 5から単に垂直に突出した状態で設けられている。これらは、それぞれ、カードハゥジング 3の第 1ガイドレール 3 4 6と第 2ガイドレール 3 8 0の上をスライドし得る。一方、ガイド板 6 8は水平方向に延びており、また、保持フック 7 2も同様に、水平方向に延びる部分 7 3を有する。これらは、カードハウジング 3にスライド保持部材 5が完全に装着されたときに、それらの水平方向に延びる部分が上述したカードハウジング 3の隙間と嚙み合った状態で、第 1ガイドスリット 3 0 0と第 2ガイドスリット 3 8 2をスライドし得る。

明らかなように、スライド保持部材 5は、これら 4つの部分、実質的には第 2 ガイド突起 7 0と保持フック 7 2は同じ突起とみることができるから略三角形状を成す 3つの部分において、力一ドハゥジング 3に位置決めされ、スライドされ、保持され得る。したがって、上述したように、それら位置決め等をある程度の余裕をもって行うことができる。

尚、これらの部分のうち、第 1ガイド突起 6 6、第 2ガイド突起 7 0、及び保持フック 7 2は、カードハウジング 3にスライド保持部材 5を装着する際に、それらの間の位置決めに役立つ。ガイド板 6 8は位置決めとは直接関係しないが、ガイド板 6 8の先端に設けた装着案内突起 6 9がこの役目を果たす。装着案内突起 6 9は、この位置決めのためにのみ使用され、スライドには何ら寄与しない。

6 ) 引き込み部

保持フック 7 2から連続して垂直方向に延びる壁面に、スライド保持部材のスラィド方向に対して並行とされた平坦部 7 7と、スライド保持部材のスライド方向に対してやや傾斜して設けられた引き込み部 7 6が形成されている。

これら引き込み部 7 6または平坦部 7 7は、 MMCカードスロットにおいて M MCカードを所定の力で保持するのに役立つ。更に言えば、これら引き込み部 7 6または平坦部 7 7は、スライド保持部材 5が MM Cカードスロット開放位置にあるときを除いて、 MMC力一ドの所定の壁面と当接し、 MMCカードを、それらと、携帯電話の所定の壁面（更に言えば、 MMCカードが MMCカードスロットの隙間 1 3 3に挿入されたときに衝突し得る隙間 1 3 3内部の壁面）との間に挟み込んで、所定の力で保持し得る。尚、引き込み部 7 6は、平坦部 7 7よりも手前側、即ち、 MM Cカードスロット開放位置から動かされたときに MM Cカードと最初に当接する侧に設けられている。また、引き込み部 7 6の傾斜方向は、 MMCカード開放位置からホーム位置（S I Mカード開放位置）に向かう方向において、上述した携帯電話の所定の壁面から (MMCカードスロット 1 3に収容された MM C力一ドの壁面からみた場合も同様である ) 遠ざかる方向とされている。

これら引き込み部 7 6と平坦部 7 7は、 MM Cカードの保持力を微調整するのに役立つ。なぜなら、 MM Cカードが引き込み部 7 6によつて保持されているとき、 MMCカードは、その引き込み部 7 6と、携帯電話の所定の壁面との間の比較的狭い幅で保持され、より強固にそこに保持されることになり、一方、 MMC カードが平坦部 7 7によって保持されているとき、 MMCカードは、その平坦部 7 7と、携帯電話の所定の壁面との間の比較的広い幅で保持され、より緩くそこに保持されることになるからである。尚、これら引き込み部 7 6と平坦部 7 7の境界部 7 8は、比較的緩やかに連続しているため、引き込み部 7 6によって MM Cカードを保持する状態から平坦部 7 7によって MMCカードを保持する状態に変わるときに、ユーザに、スライド保持部材 5が MM Cカードに衝突した感覚を与えてしまうことはない。

4 . 動作

図 9乃至図 1 7を参照して、カード保持機構の動作等を説明する。これらの図は、図 9と図 1 0、図 1 1と図]. 2、図 1 3〜 1 5、図 1 6と図 1 7で、それぞれ組みを成すものであって、カードハウジングとスライド保持部材との関係を時間の経過とともに示している。

図 9は、スライド保持部材が正にカードハウジングに装着される直前の状態を示す斜視図であり、図 1 0は、スライド保持部材が正にカードハウジングに装着されたときの、スライド保持部材の装着案内突起、第 1ガイド突起、第 2ガイド突起、及び保持フックの、カードハウジングにおけるそれぞれの位置を簡略ィ匕して示したものである。

これらの図から明らかなように、スライド保持部材が正にカードハゥジング 3 に装着される直前の状態にあるとき、装着案内突起 6 9、第 2ガイド突起 7 0、及び保持フック 7 2は、それぞれ、カードハウジングの第 1ガイドスリット 3 0 0、第 2ガイドレール 3 8 0、及び第 2ガイドスリット 3 8 2の各装着案内部 3 0 4、 3 9 2、 3 9 4の略真上に位置付けられる。従って、この状態で、スライド保持部材が更にカードハゥジング 3に接近されたとき、それら装着案內突起 6 9、第 2ガイド突起 7 0、及び保持フック 7 2は、それぞれ、各装着案内部 3 0 4、 3 9 2、 3 9 4にスムーズに案内されることになる。

一方、第 1ガイド突起 6 6は、装着案内部 3 4 8から多少外れた位置、つまり、装着案内部 3 4 8の略真上ではなく、ロッキングレバー 3 5 0の表側ロックタブ 3 5 2付近に位置づけられている。したがって、この状態で、スライド保持部材がカードハウジング 3に接近されたとしても、第 1ガイド突起 6 6は、装着案内部 3 4 8に案内されることはない。しかしながら、これは単にロッキングレバー 3 5 0を設ける関係でこのような位置関係となっているだけで、この点に重要な意味はない。注目すべきは、第 1ガイド突起 6 6を設けた押圧部 7 4 (点線で示されている）力表側ロックタブ 3 5 2の上部、即ち、その表側ロックタブ 3 5 2と衝突するような位 ftに位置付けられている点である。押圧部 7 4をこのような位置に位置付けることにより、スライド保持部材 5とカードハウジング 3の接近に伴って、表側ロックタブ 3 5 2は押圧部 7 4によって、下方向、つまり図示矢印タ方向に押されることになる。この結果、表側ロックタブ 3 5 2は、徐々に下方に移動される。

図 1 1は、表側ロックタブを下方に十分に移動させた状態で、スライド保持部材を横方向、即ち、図示矢印チ方向にスライドさせたときの状態を示す斜視図である。尚、図 1 2は、図 1 0に相応する図である。

図 1 1によく示されるように、この横方向のスライドに応答して、スライド保持部材 5の第 1ガイド板 6 8は、電子モジュール形成部 3 0の下側、更に言えば電子モジュール形成部 3 0と S I Mカードス口ット形成部 3 4によって形成された隙間 3 0 5にもぐり込む。この結果、スライド保持部材 5が、その片側をカードハゥジング 3によつて保持された状態となる。

また、図 1 2によく示されるように、この横方向のスライドに応答して、スラィド保持部材 5の装着案内突起 6 9、第 1ガイド突起 6 6、第 2ガイド突起 7 0、及び保持フック 7 2は、カードハゥジング 3の各装着案内部 3 0 4、 3 4 8、 3 9 2、 3 9 4から各スライド案内部 3 0 6、 3 4 9、 3 9 2、 3 9 8へ略同時に移動する。第 1ガイド突起 6 6は、このような状態になったときに初めて、対応する第 1ガイドレール 3 4 6の装着案内部 3 4 8に嵌まるとともに、そのスライド案内部 3 4 9ヘスライドされることになる。尚、これらの図に示す状態にあつても、表側ロックタブ 3 5 2は下方に移動されたままである。

図 1 3は、図 1 1、 1 2に示す状態から、スライド保持部材を縦方向、即ち、図示矢印ッ方向にスライドさせ、スライド保持部材がカードハウジングに完全に装着されたときの状態を示す斜視図である。図 1 4は、これを別角度からみた斜視図である。図 1 5は、図 1 0に相応する図である。尚、これらの図に示したスライド保持部材の位置は、上述した MMCカードスロット開放位置に対応している。

図 1 3によく示されるように、縦方向のスライドに応答して、カードハウジング 3のロッキングレバ一 3 5 0を変位させていた押圧部 7 4と表側ロックタブ 3 5 2との衝突が解除され (押圧部 7が取り除かれ) 、この結果、口ッキングレバ一 3 5 0は、図示矢印テ方向にパチンと戻る。この結果、口ッキングレバー 3 5 0の表側ロックタブ 3 5 2が、押圧部 7 4の上縁付近に押圧部 7 4と略同じ高さ位置で突出した状態で配置され、スライド保持部材 5力再び、スライド保持部材 5とカードハウジング 3との装着を解除するような位置にスライドするのを防止する、更に言えば、スライド保持部材 5が、再び、図示矢印ッと反対方向にスライドすることを防止する。この場合、たとえ、スライド保持部材 5が、図示矢印ッ方向と反対方向にスライドされようとしても、スライド保持部材 5の押圧部 7 4が表側ロックタブ 3 5 2と衝突してしまうため、表側口ックタブ 3 5 2が再び下方に移動されない限り、そのような方向にスライドされることはない。表側ロックタブ 3 5 2が再び下方に移動されないように、携帯電話の組み立て後は、上述した裏側ロックタブが使用されることになる。

また、この縦方向のスライドに応答して、押圧部 7 4の一部はカードハウジング 3の下側平板 3 6 0と保持リブ 3 5 1の間にもぐり込む。この結果、スライド保持部材 5は、隙間 3 0 5によって保持されている片側に加えて、その対向側も、カードハウジング 3に保持された状態となる。更に、このとき、スライド保持部材 5の略半円窪み 5 6にカードハウジング 3のスプリングレバーの円形タブ 3 5 4が嚙み合うことから、スライド保持部材 5は所定の力でこの位置に保持されることになる。

また、図 1 4によく示されているように、この縦方向のスライドに応答して、保持フック 7 2の特にその水平方向に延びる部分 7 3は、カードハウジング 3の板状突出部 3 8 4と MMCカードスロット形成部 3 8によって形成された隙間 3 8 3、特に板状突出部 3 8 4の下側にもぐり込む。この結果、スライド保持部材 5は、この部分においても、力一ドハウジング 3によつて保持された状態となる。尚、図 1 4によく示されているように、スライド保持部材 5から相当の力が加わるであろう位置、即ち、カードハゥジング 3の MM C力一ドス口ット形成部 3 8と S I Mカードスロット形成部 3 4の境目付近に、支持リブ 3 9 3が設けられている。この支持リブ 3 9 3を設けたことにより、スライド保持部材 5はその下側で堅固に支持されることになる。従って、スライド保持部材 5をスライドさせるためにユーザがそこに相当の力を加えたとしても、その押圧によって、スライド保持部材 5が破損し、あるいは、その下に位置する S I Mカード 1 1 0や MM Cカード 1 3 0が破損してしまうことはない。また、スライド保持部材 5は力一ドハウジング 3によってその両側をしつかりと支持されているから、これらの結果、ユーザは、安心して、スライド保持部材 5をスライドさせることができる。図 1 6は、スライド保持部材を更に縦方向にスライドさせた状態を示す斜視図である。図 1 7は、図 1 0に相応する図である。尚、これらの図に示したスライド保持部材の位置は、上述したホーム位置に対応している。

スライド保持部材 5の縦方向のスライドに伴って、スプリングレバーの円形タブ 3 5 4は、スライド保持部材 5の側面と所定の弾力で接触したまま、略半円窪み 5 6から略半円窪み 5 7へ移動し、ある位置にきたときに略半円窪み 5 7とパチンと嚙み合う。この結果、スライド保持部材 5は所定の力でこの位置に保持されることになる。尚、 S I Mカードスロット開放位置については、以上の説明から明らかと思われるため説明は省略する。

以上の本発明により、 2枚のカードを同時に保持することができるカード保持機構を備えた装置を提供することができる。

5 . 最後に

尚、上の実施形態では、スライド保持部材を装置と別体で形成するものとして説明したが、これを装置の一部として形成してもよい。

Claims

請求の範囲

1 · 第 1のカードの一方の側縁を保持し得る第 1のカード収容部と、第 2のカードの一方の側縁を保持し得る第 2のカード収容部と、前記第 1のカード収容部に収容された前記第 1のカードの一方の側縁の対向側の側縁と前記第 2のカード収容部に収容された前記第 2のカードの一方の側縁の対向側の側縁を同時に保持し得るスライド保持部を有するカード保持機構を備えたことを特徴とする装置。

2 . 第 1のカードの一方の側縁を保持する保持部を有した第 1のカード収容部と、第 2のカードの一方の側縁を保持する保持部を有した第 2のカード収容部と、前記第 1のカード収容部に収容された前記第 1のカードの一方の側縁の対向側の側縁と前記第 2のカード収容部に収容された前記第 2のカードの一方の側縁の対向側の側縁とを同時に保持し得るスライド保持部を有し、

前記スライド保持部は、前記第 1のカード収容部に収容された第 1のカードの対向側の側縁を保持し、且つ、前記第 2のカードの収容部に収容された第 2の力一ドの対向側の側縁を保持する第 1の位置と、前記第 1のカード収容部に収容された第 1のカードの対向側の側縁を保持しつつ、前記第 2のカードの収容部を開放して前記第 2のカードを収容可能とする第 2の位置と、前記第 2のカード収容部に収容された第 2のカードの対向側の側縁を保持しつつ、前記第 1のカードの収容部を開放して前記第 1のカードを収容可能とする第 3の位置との間でスライドし得るカード保持機構を備えたことを特徴とする装置。

3 . 第 1のカードの一方の側縁を保持するための隙間を有した略凹部状の第 1の力一ド収容部と、第 2のカードの一方の側縁を保持するための隙間を有した略凹部状の第 2のカード収容部と、前記第 1のカード収容部と前記第 2のカード収容部の上方に配置され、前記第 1のカード収容部に収容された前記第 1のカードの一方の側縁の対向側の側縁と前記第 2のカード収容部に収容された前記第 2の力一ドの一方の側縁の対向側の側縁を同時に保持し得る、前記第 1のカード収容部や第 2のカード収容部と別体で設けられたスラィド保持部材を有し、

前記スライド保持部材は、前記第 1のカードの一方の側縁及びその対向側の側縁に対して略並行に、且つ、前記第 2のカードの一方の側縁及びその対向側の側縁に対して略垂直に、前記第 1のカード収容部と第 2のカード収容部の間をスラィドし得るものであり、

前記スライド保持部材は、前記第 1のカード収容部に収容された第 1のカードの対向側の側縁を保持し、且つ、前記第 2のカードの収容部に収容された第 2のカードの対向側の側縁を保持する第 1の位置と、前記第 1のカード収容部に収容された第 1のカードの対向側の側縁を保持しつつ、前記第 2のカードの収容部を開放して前記第 2のカードを収容可能とする第 2の位置と、前記第 2のカード収容部に収容された第 2のカードの対向側の側縁を保持しつつ、前記第 1のカードの収容部を開放して前記第 1のカードを収容可能とする第 3の位置との間でスラィドし得るカード保持機構を備えたことを特徴とする装置。

4 . 前記スライド保持部材は、前記第 1のカードの対向側の側縁についてはその全幅で、前記第 2のカードの対向側の側縁についてはその一部の幅でのみ保持する請求項 1乃至 3のいずれかに記載の装置。

5 . 前記スライド保持部材は、前記第 1のカード収容部の隙間に前記第 1のカードを揷入する方向に沿って面が取られている請求項 3記載の装置。

6 . 前記スライド保持部材から、該スライド保持部材をスライドさせる際にユーザの指の力が主にかかる領域以外の領域の一部が除去されている請求項 3記載の

7 . 前記第 1のカード収容部の隙間に前記第 1のカードを揷入する方向とは反対側に突出した状態で、前記第 1のカード収容部の隙間の縁が曲線形状とされている請求項 3記載の装置。

8 . 前記スライド保持部材の下側に該スライド保持部材の下側を支持する支持部を設けた請求項 3記載の装置。

9 . 前記スライド保持部材に滑止めが設けられている請求項 3記載の装置。

1 0 . 前記スライド保持部材は前記装置に略三角形状をなす三箇所で保持される請求項 3記載の装置。

1 1 . 前記スライド保持部材に、前記第 1の位置、第 2の位置、または、第 3の位置に対応して窪みを設け、前記スライド保持部材のスライドに応じて、前記第 1の位置、または、第 2の位置、または、第 3の位置で前記装置に設けた弾性部材を前記窪みにそれぞれ嚙み合わせる請求項 3記載の装置。

1 2 . 前記第 1の位置において前記弾性部材と嚙み合う窪みは、前記第 2の位置及び第 3の位置において前記弾性部材と嚙み合う窪みよりも深レヽ請求項 1 1記載

3 . 前記スライド保持部材は、前記装置に接近させてそこに装着されるものであり、前記スライド保持部材は凸部を有し、前記装置を組み立てた際に、前記装置の一部に設けた凹部が前記凸部と係合し得る請求項 3記載の装置。

1 4 . 前記スライド保持部材は、該スライド保持部材がスライドしたときに形成し得るスライド面に'直交する方向において、少なくとも前記スライド保持部材が前記第 2の位置にあるときを除いて、前記第 2のカード収容部に収容された前記第 2のカードの所定の壁面と当接して前記カードを前記第 2のカード収容部に所定の力で保持し得る壁面を有しており、該壁面には、前記スライド保持部材のスライド方向に対して並行とされた平坦部と、前記スライド保持部材が前記第 2の位置からスライドされたときに前記第 2のカードの所定の壁面から遠ざかる方向に傾斜している引き込み部が互レヽに連続して形成されている請求項 3記載の装置。

1 5 . 前記平坦部と前記引き込み部の間は緩やかに遮続している請求項 1 4記載の装置。

1 6 . 前記スラィド保持部材は、該スラィド保持部材がスライドしたときに形成し得るスライド面に直交する方向において、前記装置に接近されてそこに装着されるものであり、前記装置には、前記装置から前記直交方向にて離れた位置で前記スライド面と並行に延びる水平部分が設けられており、前記直交方向において前記スライド保持部材を前記装置に接近させた後、前記スライド方向に前記スラィド保持部材をスライドさせることにより前記スライド保持部材を前記水平部分と前記装置との間に挟み込んで前記スライド保持部材を保持する請求項 3記載の

7 . 隨'装置は、前記直交方向に弾性変位し得る弾性部材を有しており、該弹性部材は、前記直交方向において前記スライド保持部材が前記装置に接近したときに、前記スライド保持部材と衝突して前記直交方向において変位し、その後、前記スライド保持部材がスライドされて前記スライド保持部材が前記水平部分と前記装置との間に挟み込まれるとともに前記スラィド保持部材との衝突が解除されたときに元の位置に戻って、前記スライド保持部材が再び前記スライド方向に戻ることを防止する請求項 1 6記載の装置。