JP3948918B2 - カード用コネクタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、PCなど各種携帯情報端末、デジタルカメラ、デジタルAV機器などのメモリー対応機器に用いられる小型メモリーカードに使用される、カード用コネクタ装置の構造に関する
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの電子機器の増設記録装置としてカード用コネクタ装置が一般的に使用されている。このカード用コネクタ装置の記憶媒体としてはPCカードやメモリーカードが広く使用さるようになってきている。
【0003】
このPCカードやメモリーカードをカード用コネクタ装置に挿着して必要な情報の書き込み、及び読み取りを行うものであるが、カード用コネクタ装置には、カードを収容してカードの挿入方向へ移動可能なスライド部材を、カードの挿着位置に保持するロック機構を備えたものがある。この挿着位置に保持されたカードをカードの排出位置に排出させる場合には、ロックされたスライド部材のロックを解除することにより、スライド部材をカードの排出方向へ付勢している復帰ばねの付勢力によってスライド部材をカードの排出方向へ移動させることにより、カードをスライド部材と共に押し出すようにした構成のものが知られている。
【0004】
この場合、スライド部材はロック機構によってカードの挿着位置にロックされるが、カードは挿着位置ではコネクタ端子などの端子圧によって保持されているのみであり、カードが振動などによって抜け出してしまう虞があることから、カードの保持を確実にするために昨今では、カードを収容するスライド部材の内側面に係合突出部を形成し、この係合突出部を挿着位置に有るカードの係止用凹部と係合させることでカードを保持する構成が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成においては、カードの保持を高めるためには係合突出部の構造をカードの係止用凹部から抜け難い構造にすればよいが、この場合には、排出時にカードを抜き取ることができないばかりか、係合突出部が係止用凹部に係合した状態で無理やりカードを抜き取ろうとすると、スライド部材が無理な力で排出方向へ押し動かされてスライド部材のロック機構であるロックピンが変形したり、ハート型カム溝から外れてしまうと言う問題があった。
【0006】
したがって、本発明では上述した問題点を解決し、ロックピンとハート型カム溝からなるスライド部材のロック機構を備えたカード用コネクタ装置であって、挿着位置におけるカードの保持を確実に行うことができるカード用コネクタ装置を提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決するために本発明では第1の手段として、カードが挿着されるハウジングと、カードの挿入及び排出に伴いカードと係合してカードの挿入及び排出方向に移動可能に配設されたスライド部材と、このスライド部材をカードの挿着位置にロックすると共に、前記スライド部材をロック位置から奥方へ移動させることによりロックを解除させるロックピン及びこのロックピンが摺動するハート型カム溝からなるロック手段とを備え、前記スライド部材には、カードの係止用凹部に係合する係合部材が設けられ、前記係合部材は、前記スライド部材に固着される固定部と、前記カードの係止用凹部に係合される係止部と、この係止部を前記係止用凹部に対して係合離脱する方向へ弾性変形させる第2の弾性片部と、この第2の弾性片部と交差する方向に折り曲げられて形成され、前記第2の弾性片部とは直交する方向に弾性変形可能な第1の弾性片部とを有し、前記ハウジングには、前記スライド部材がカードの排出方向へ移動するのに伴って、前記係合部材と係合してこの係合部材を前記係止用凹部から離脱する方向へ移動させる循環溝を設けると共に、前記スライド部材がカードの挿着位置にある時は、前記係止用凹部と係合する前記係合部材に当接する規制部を形成し、前記規制部は、カードの挿入側から奥方に向かって立ち上がる傾斜面と、この傾斜面の後端側に形成された立壁面からなり、前記カードを挿入する際には、前記係止部は前記スライド部材と共にカードの挿着位置に移動する途中で前記第1の弾性片部が弾性変形することにより前記傾斜面に沿って前記規制部を乗り越えて移動し、カードの挿着位置においては前記係止部は前記立壁面に係合して前記係合部材が排出方向へ移動するのを規制するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、第2の手段として、前記係止部には、カードの排出方向と直交する方向に係止縁部が形成されており、この係止縁部が前記係止用凹部の内側縁部と係合することにより前記カードの排出方向への移動を規制していることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図9に示す。図1はカード用コネクタ装置の平面図、図2は同じく縦断面図、図3はカード用コネクタ装置にカードを挿入した状態を示す平面図、図4はハウジングの平面図、図5はスライド部材の平面図、図6から図9はカードの挿入/排出時の動作状態を示し、図6はカードの排出位置(初期位置)を示す部分説明図、図7はカードの挿着位置(ロック位置)を示す部分説明図、図8はカードを排出させるために一旦押し込んだ位置(オーバーストローク位置)を示す部分説明図、図9はカードが排出される途上の状態を示す部分説明図である。
【0012】
図1乃至図5において、ハウジング1は、合成樹脂などの絶縁材で前方及び上方が開口された方形状の箱形に形成されている。このハウジング1の中央には、カードを収容するための収納部1aが設けられており、また、前記ハウジング1の前面には、前記収納部1aに連通するカード挿入部1bが形成されている。
【0013】
また、カード挿入部1bに対向する前記収納部1aの奥側には、収容されるカードの接触端子部(図示せず)と接触して、電子機器などの外部の回路基板上の回路パターンと接続されることで信号の伝送が行われる複数のコネクタ端子(図示せず)が並設されたものとなっている。また、前記収納部1aの両側部には、カードが挿入される際カードの側縁部をガイドして挿入を案内するガイド部1cが設けられている。
【0014】
前記ハウジング1の一側部には、前記収納部1aに並設して有底状の平坦部1dが設けられており、この平坦部1dに後述するスライド部材4がカードの挿入方向に移動可能に配設されるものとなっている。また、前記平坦部1dの中央には、後述するスライド部材4に設けられた係合部材5と係合する底面の高さが異なる複数の斜面や平面からなる環状の循環溝1eが形成されており、この循環溝1eに並列して同じく係合部材5と係合する突出した規制部1fが設けられている。また、前記循環溝1eには、カードの挿入時に係合部材5が係合する往路溝1gと、カードの排出時に係合部材5が係合する復路溝1hとが設けられたものとなっている。
【0015】
前記規制部1fは、カードの挿入側から奥方に向かって立ち上がる傾斜面1iと、この傾斜面1iの後端側に形成された立壁面1jから形成されており、カードを挿入する際には係合部材5はスライド部材4と共にカードの挿着位置に移動する途中で前記傾斜面1iに沿って前記規制部1fを乗り越えて、カードの挿着位置まで移動するようになっている。
【0016】
また、前記平坦部1dの一端側には、後述するスライド部材4をカードの挿着位置にロックさせる、略U字状の金属材からなるロックピン2の一端が軸支される軸孔1kが形成されており、この軸孔1kと対向する他端側には、後述するスライド部材4をカードの排出方向へ付勢する、コイル状の復帰ばね3が収容されるばね収容部1lが形成されている。
【0017】
スライド部材4は、合成樹脂などの絶縁材から略L字状に形成されており、長方形状の基部4aと、この基部4aの先端側に交差する方向に延設されたカード受け部4bとを有している。このカード受け部4bは、前記ハウジング1の収納部1a内に突出されており、挿入される後述するカード7の前端縁と当接して前記スライド部材4をカードの挿入方向へ移動させるものとなっている。
【0018】
また、前記基部4aの中央下面側には、後述する係合部材5が揺動可能に保持される係合部材保持部4cが形成されており、この係合部材保持部4cには、係合部材5の固定部5aを支持する支持孔部4dが設けられている。また、前記基部4aの後端側上面には、複数の斜面や平面からなる環状のハート型カム溝4eが形成されている。このハート型カム溝4eに、前記ハウジング1の平坦部1dの一端側に軸支される前記ロックピン2の他端側が摺動することで、前記スライド4がカードの挿入位置にロックされ、また排出位置に移動されるものとなっている。
【0019】
また、前記基部4aの先端側には、前記ハウジング1のばね収容部1lに収容された、前記復帰ばね3の一端側が係止されるばね係止部4fが設けられており、前記復帰ばね3の付勢力によって前記スライド部材4はカードの排出方向へ付勢されるものとなっている。この時、前記ロックピン2と前記ハート型カム溝4eとの協同によって前記スライド部材4は、前記復帰ばね3の付勢力に抗してカードの挿着位置に保持されるものとなっている。
【0020】
係合部材5は、弾性を有する金属板を打ち抜き、複数箇所で折り曲げて弾性変形可能に形成されており、前記スライド部材4の係合部材保持部4cに揺動可能に保持されている。この係合部材5の一端部には、前記支持孔部4dに固着される固定部5aが設けられており、これと対向する他端部には、後述するカード7の係止用凹部7dに係合される鉤状をした係止部5bが形成されている。また、前記固定部5aと前記係止部5bの中間部には、板ばね状の弾性変形可能な第1、第2の弾性片部5c、5dが、互いに交差する方向に90度折り曲げられて形成されている。
【0021】
そして、前記係合部材5が前記スライド部材4と共にカードの挿着位置に移動する途中において、前記第1の弾性片部5cが弾性変形することにより、前記係止部5bが前記傾斜面1iに沿って前記規制部1fを乗り越えて、カードの挿着位置まで移動することが可能となっている。また、前記第2の弾性片部5dにより、前記係止部5bが、前記循環溝1eに沿ってカード7の係止用凹部7dに対して係合離脱する方向へ弾性変形可能となるように形成されている。
【0022】
また、鉤状をした前記係止部5bには、カードの排出方向と直交する方向に平行面からなる係止縁部5eが形成されており、この係止縁部5eがカード7の係止用凹部7dの内側縁部と係合することによりカードの排出方向への移動を規制するものとなっている。また、前記係止部5bには、前記循環溝1eを摺動する摺動ピン5fが形成されており、この摺動ピン5fが前記循環溝1eと係合、摺動することにより、前記係止部5bが弾性変形されてカード7の係止用凹部7dとの係合離脱を可能としている。また、前記係止部5bには、前記規制部1fを乗り越える際に、前記傾斜面1iに当接してその摺動を容易にするための曲げ部を有する摺動部5gが形成されている。
【0023】
カバー6は、導電性の金属板から形成されており、前記ハウジング1の上面側の開口部を覆うように、前記ハウジング1の上面側に取り付けられている。このカバー6の前端側には、円弧状の切り欠きからなるカード挿入部6aが形成されており、これに隣接する右前端部には、切り曲げることにより前記ハウジング1の平坦部1d側へ突出されたばね片6bが形成されている。このばね片6bは、前記ロックピン2に対応した位置に形成されており、前記ロックピン2を付勢することで、前記ロックピン2の他端側を前記スライド部材4のハート型カム溝4eと摺接させるようになっている。
【0024】
尚、このカバー6は前記ハウジング1の収納部1aに配設された複数のコネクタ端子(図示せず)の上面を覆うように形成されており、外部からの輻射ノイズ等の侵入を防止するシールド板の役目も果たしている。
【0025】
カード7は、内部に集積回路(IC)が収納されており、記録媒体として広く使用されているものである。このカード7の一表面には、その一端側に複数の接触端子部(図示せず)が形成されており、この接触端子部が前記ハウジング1の収納部1aに配設された複数のコネクタ端子(図示せず)と接触することにより、外部に接続された電子機器との種々の情報処理が行われるものとなっている。
【0026】
また、前記カード7には、前端側の一隅部に、斜面状の切り欠き部7aが設けられている。前記カード7が前記スライド部材4に挿入された時、この切り欠き部7aと前端縁が、前記スライド部材4のカード受け部4bと係合することによって、前記スライド部材4が前記カード7の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となるように形成されている。
【0027】
また、前記カード7の一側面部には、カードの書き込み禁止を示す識別部である凹溝部7bが形成され、この凹溝部7bにはスライド可能な識別子7cが設けられている。この識別子7cをスライド移動させることにより、前記凹溝部7bの位置を変更することができ、この位置に応じてカードへの書き込みの可否を変更することが可能となっている。
【0028】
また、前記カード7の他側面部には、係止用凹部7dが形成されている。この係止用凹部7dに、前記スライド部材4の係合部材保持部4cに揺動可能に保持された前記係合部材5の係止部5bが係合することで前記カード7を前記スライド部材4と共に、カードの挿着位置に保持させるものとなっている。
【0029】
次に、図6乃至図9を用いて前記カード7をコネクタ装置に挿入する場合の動作を説明する。
まず、初期の状態、すなわち前記カード7が排出位置にある場合には、前記スライド部材4は前記復帰ばね3の付勢力によりカードの排出方向へ付勢されている。この場合、前記カード7の接触端子部(図示せず)は前記ハウジング1のコネクタ端子(図示せず)とは離間している。この時、前記カード7は、前記係合部材5の係止部5bにより前記係止用凹部7dが係合されて前記スライド部材4に保持されたものとなっている。(図6)
【0030】
尚、この時には、前記係合部材5の係止部5bに設けられた前記摺動ピン5fは、前記循環溝1e内を前記係止用凹部7dから離脱する方向へ移動可能となるように形成されており、この状態から前記カード7を取り出す場合には、前記係合部材5の第2の弾性片部5dが撓むことによって前記摺動ピン5fが前記係止用凹部7dから離脱する方向へ移動し、この移動に伴い前記係止部5bが前記係止用凹部7dから外れることによりカード7を容易に取り出すことが可能となっている。
【0031】
次に、前記カード7をカードの挿入方向へ押圧してやると、前記カード7の切り欠き部7aと前端縁が前記スライド部材4のカード受け部4bと係合することによって、前記スライド部材4が前記カード7の挿入に伴って挿入方向へ移動可能となり、前記復帰ばね3の付勢力に抗して前記スライド部材4がカードの挿入方向へ移動して、前記ロックピン2の他端部が前記ハート型カム溝4eをトレースしてロック位置すなわちカードの挿着位置にロックされる。(図7)
【0032】
この場合、前記カード7の接触端子部(図示せず)と前記ハウジング1に配設されたコネクタ端子(図示せず)とが接触するものとなる。この時、前記係合部材5の摺動ピン5fは、前記循環溝1eに横方向の動きが規制されて前記往路溝1gに沿ってカードの挿入方向に移動するものとなるが、前記係止部5bは、前記摺動部5gが前記ハウジング1に設けられた規制部1fの傾斜面1iを摺動して、前記弾性片部5cが自身のばね性によって弾性変形することにより前記規制部1fを乗り越えて、カードの挿着位置まで移動することが可能となっている。
【0033】
この時、前記係合部材5の係止部5bは、前記ハウジング1に設けられた規制部1fの立壁面1jに係合され、カードの排出方向への移動を規制されており、また、前記係止部5bの摺動ピン5fが、前記循環溝1eにより縦方向すなわちカードの挿入方向の移動のみに規制されていることから、前記係合部材5は横方向すなわち前記カード7の係止用凹部7dから離脱する方向へは回動することができず、前記カード7はカードの挿着位置に確実に保持されるものとなる。
【0034】
また、前記前記係止部5bには、カードの排出方向と直交する方向に平行面からなる前記係止縁部5eが形成されており、この係止縁部5eが前記カード7の係止用凹部7dの内側縁部と係合することによりカードの排出方向への移動を規制するように形成されていることから、より確実に前記カード7を挿着位置に保持することが可能となっている。
【0035】
また、この場合、前記スライド部材4も前記係止部5bと前記規制部1fとの係合によりカードの排出方向への移動が規制されていることから、前記スライド部材4にカードの排出方向への無理な力が加わったとしても、前記ハート型カム溝4eに係合しているロックピン2に無理な力が加わることが無くなるので、ロックピン2のロックの外れや変形などを防止することができるものとなっている。
【0036】
次に、前記カード7を排出する場合には、図7の状態から、更に前記カード7を奥方すなわちカードの挿入方向へ押圧してやると、前記スライド部材4が奥方へ移動して前記ロックピン2の他端部が前記ハート型カム溝4eのロック部から外れる。これと共に、前記係合部材5の係止部5bも前記規制部1fから外れて、前記摺動ピン5fが前記循環溝1eに沿って奥方へ移動して往路溝1gから復路溝1hへと移動するものとなる。(図8)
【0037】
そして、前記カード7への押圧を解除すると、前記スライド部材4は前記復帰ばね3の付勢力によってカードの排出位置である初期位置へ復帰するものとなる。この時、前記係止部5bの摺動ピン5fが前記循環溝1eの復路溝1hへと移動することにより、前記第2の弾性片部5dが自身のばね性によって弾性変形し、前記係止部5bが前記カード7の係止用凹部7dから外れると共に、前記ハウジング1の規制部1fを迂回することで前記スライド部材4はカードの排出位置へ移動されるものとなっている。(図9)
【0038】
上記実施例の構成によれば、前記スライド部材4に前記カード7の係止用凹部7dに係合する係止部5bを有する係合部材5を設け、また、前記ハウジング1に前記スライド部材4がカードの排出方向へ移動するのに伴って、前記係合部材5と係合して前記係止部5bを前記係止用凹部7dから離脱する方向へ移動させる前記循環溝1eを設けると共に、前記スライド部材4がカードの挿着位置にある時は、前記係止用凹部7dと係合する前記係止部5bと当接してこの係止部5bが排出方向へ移動するのを規制する前記規制部1fを形成するようにしたので、カードの挿着位置では、前記係止部5bが前記規制部1fに当接して、前記スライド部材4が排出方向へ移動するのを規制しているため、前記カード7を無理やり抜き取ろうとしても前記カード7の取り出しを防止することができるものとなっている。
【0039】
また、その際、前記スライド部材4にカードの排出方向への無理な力が加わったとしても、前記ハート型カム溝4eに係合している前記ロックピン2に無理な力が加わることが無くなるので、カードの挿着位置にロックされた前記スライド部材4のハート型カム溝4eと係合する前記ロックピン2のロックの外れや変形などを防止することができると共に、カードを挿着位置に確実に保持することができるものとなっている。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカード用コネクタ装置は、カードが挿着されるハウジングと、カードの挿入/排出に伴いカードと係合してカードの挿入/排出方向に移動可能に配設されたスライド部材と、このスライド部材をカードの挿着位置にロックすると共に、スライド部材をロック位置から奥方へ移動させることによりロックを解除させるロックピン及びこのロックピンが摺動するハート型カム溝からなるロック手段とを備え、スライド部材には、カードの係止用凹部に係合する係合部材が設けられ、ハウジングには、スライド部材がカードの排出方向へ移動するのに伴って、係合部材と係合してこの係合部材を係止用凹部から離脱する方向へ移動させる循環溝を設けると共に、スライド部材がカードの挿着位置にある時は、係止用凹部と係合する係合部材に当接してこの係合部材が排出方向へ移動するのを規制する規制部を形成したことから、カードの挿着位置では係合部材が規制部に当接してスライド部材の排出方向への移動を規制しているため、カードを無理やり抜き取ろうとしてもカードの取り出しを防止することができる。また、その際、スライド部材に無理な力が働くことが無いので、ロックピンの外れや変形を防止することができると共に、カードを挿着位置に確実に保持することができる。
【0041】
また、係合部材は、スライド部材に固着される固定部と、カードの係止用凹部に係合される係止部と、この係止部を循環溝に沿って係止用凹部に対して係合離脱する方向へ弾性変形させる弾性片部とから形成したことから、係合部材とカードの係止用凹部との係合離脱を、循環溝とこの循環溝に沿って弾性変形可能な弾性片から構成したので、簡単な構成でカードの係合離脱を確実に行うことができる。
【0042】
また、係止部には、カードの排出方向と直交する方向に係止縁部が形成されており、この係止縁部が係止用凹部の内側縁部と係合することによりカードの排出方向への移動を規制していることから、係合部材とカードとはカードの排出方向と直交する縁面部同士で係合されることとなり、更に確実にカードを保持することができる。
【0043】
また、規制部は、カードの挿入側から奥方に向かって立ち上がる傾斜面と、この傾斜面の後端側に形成された立壁面からなり、カードを挿入する際には係止部はスライド部材と共にカードの挿着位置に移動する途中で傾斜面に沿って規制部を乗り越え、カードの挿着位置においては係止部は立壁面に係合するようにしたことから、カードの挿着位置では係止部は立壁面に当接してスライド部材の排出方向への移動が規制されるため、ハウジングに傾斜面と立壁面を設けるだけの簡単な構成でカードを挿着位置に確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるカード用コネクタ装置を示す平面図である。
【図2】本発明の同じくカード用コネクタ装置を示す縦断面図である。
【図3】本発明のカード用コネクタ装置にカードを挿入した状態を示す平面図である。
【図4】本発明のカード用コネクタ装置のハウジングを示す平面図である。
【図5】本発明のカード用コネクタ装置のスライド部材を示す平面図である。
【図6】本発明のカード用コネクタ装置のカードの排出位置(初期位置)を示す部分説明図である。
【図7】本発明のカード用コネクタ装置のカードの挿着位置(ロック位置)を示す部分説明図である。
【図8】本発明のカード用コネクタ装置のカードを排出させるために一旦押し込んだ位置(オーバーストローク位置)を示す部分説明図で有る。
【図9】本発明のカード用コネクタ装置のカードが排出される途上の状態を示す部分説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1b カード挿入部
1c ガイド部
1d 平坦部
1e 循環溝
1f 規制部
1g 往路溝
1h 復路溝
1i 傾斜面
1j 立壁部
1k 軸孔
1l ばね収容部
2 ロックピン
3 復帰ばね
4 スライド部材
4a 基部
4b カード受け部
4c 係合部材保持部
4d 支持孔部
4e ハート型カム溝
4f ばね係止部
5 係合部材
5a 固定部
5b 係止部
5c 第1の弾性片部
5d 第2の弾性片部
5e 係止縁部
5f 摺動ピン
5g 摺動部
6 カバー
6a カード挿入部
6b ばね片
7 カード
7a 切り欠き部
7b 凹溝部
7c 識別子
7d 係止用凹部
Claims (2)
- カードが挿着されるハウジングと、カードの挿入及び排出に伴いカードと係合してカードの挿入及び排出方向に移動可能に配設されたスライド部材と、このスライド部材をカードの挿着位置にロックすると共に、前記スライド部材をロック位置から奥方へ移動させることによりロックを解除させるロックピン及びこのロックピンが摺動するハート型カム溝からなるロック手段とを備え、前記スライド部材には、カードの係止用凹部に係合する係合部材が設けられ、前記係合部材は、前記スライド部材に固着される固定部と、前記カードの係止用凹部に係合される係止部と、この係止部を前記係止用凹部に対して係合離脱する方向へ弾性変形させる第2の弾性片部と、この第2の弾性片部と交差する方向に折り曲げられて形成され、前記第2の弾性片部とは直交する方向に弾性変形可能な第1の弾性片部とを有し、前記ハウジングには、前記スライド部材がカードの排出方向へ移動するのに伴って、前記係合部材と係合してこの係合部材を前記係止用凹部から離脱する方向へ移動させる循環溝を設けると共に、前記スライド部材がカードの挿着位置にある時は、前記係止用凹部と係合する前記係合部材に当接する規制部を形成し、前記規制部は、カードの挿入側から奥方に向かって立ち上がる傾斜面と、この傾斜面の後端側に形成された立壁面からなり、前記カードを挿入する際には、前記係止部は前記スライド部材と共にカードの挿着位置に移動する途中で前記第1の弾性片部が弾性変形することにより前記傾斜面に沿って前記規制部を乗り越えて移動し、カードの挿着位置においては前記係止部は前記立壁面に係合して前記係合部材が排出方向へ移動するのを規制するようにしたことを特徴とするカード用コネクタ装置。
- 前記係止部には、カードの排出方向と直交する方向に係止縁部が形成されており、この係止縁部が前記係止用凹部の内側縁部と係合することにより前記カードの排出方向への移動を規制していることを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ装置。
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