WO2004077136A1

WO2004077136A1 - 情報記録媒体及び情報記録再生方法

Info

Publication number: WO2004077136A1
Application number: PCT/JP1993/000010
Authority: WO
Inventors: Masayuki Iijima; Yuichi Nakayasu
Original assignee: Masayuki Iijima; Yuichi Nakayasu
Priority date: 1992-01-10
Filing date: 1993-01-08
Publication date: 2004-09-10
Also published as: US5583670A

Description

明細書

情報記録媒体及び情報記録再生方法

技術分野

本発明は、静電情報を可視情報として記録、保存しうる情報記録媒俅及びその情報記録再生方法に関する。

背景技術

液晶表示素子は、ワープロやラップトップコンピュータ一等の O A機器用ディスプレイに使われるようになつている。これらは、液晶相を透明電極膜を設けたガラス或いはプラスチック基板等の透明基板に挟持したものであり、単独マトリックス或いはアクティブマトリックスを用いて両電極間に電圧を印加することにより画像等の情報を表示するものである。この方式としては代表的な T N型、 S T N型の他電流効果により動作する動的散乱型、コレステリックーネマチックの相転移を利用したもの、更に最近では高分子と液晶を複合した方式がある。高分子樹脂にネマチック液晶を分散固定した素子は、液晶物質の常光屈折率と高分子樹脂の屈折率を一致させることで電圧を印加して液晶物質の配向を電圧印加方向に揃え、透明な状態とし、電圧が印加されていない時には液晶物質の配向が不揃いとなり、液晶物質と高分子榭脂界面或いは分散固定された液晶相内で光を散乱することで不透明な状態とし、透明、不透明により表示するものである。高分子樹脂にネマチック液晶を分散固定した液晶表示素子は、面積が大きくできる、応答時間、. 特に立ち下がり時間が短い、偏光板を必要とせず光の利用劲率が高い、視野角が広く均一である、或いは柔軟性がある等の特徴があり、近年窓の調光シ—ト或いは投射型ディスプレイなどへの利用が報告されている。

また、投射型デイスプレイ或いはコンピューターディスプレィ等への展開が図られ、最も多く使用されている T N型或いは S T N型デイスプレイよりその立ち下がり時間が 1〜 3 0 m s と短くできる利点がある。このような液晶表示素子は電極間にサンドィッチした状態で交流電圧を印加し、電圧の O N— O F Fにより表示及び消去するものである。この際に電圧対光透過率において、若干のヒステリシスが生じ、印加する交流電圧の上昇時と下降時で透過率に差がでるとの報告もあるが、交流電圧を切った時点、無電圧印加では初期の透過率すなわち不透明な状態に戻ってしまうものである。

また、画像等の情報を表示する方法としては、マトリックス電極に挟持して画素毎に O N— O F Fして表示する方法が一般的で、この他、画像状パターン電極も用いられている。また、高分子と液晶の複合膜を形成する際に、例えば紫外線硬化型の高分子材料を用いて画像状の紫外線を照射するものがあるが、いずれも固定された情報を点滅させるものである。一方、メモリ一性を有するものとしては、コレステリックーネマチック相転移を用いたものもあるが、この方式においては透明電極間に液晶を挟持したサンドィツチ構造とするものである。

本発明は、電極層上に情報記録層を積層した構造を有し、静電情報を可視状態で記録する情報記録媒体であって、その可視状態での記録に永続性のある情報記録媒体及び情報記録再生方法の提供を課題とする。発明の開示

本発明の情報記録媒体は電極層上に液晶相を分散固定したァタリル澍脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層されてなり、該樹脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0万のものであることを特徴とする。

また、本発明の情報記録媒 ί本は、電極層上に液晶相を分散固定したァクリル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層されてなり、該榭脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0万で、かつ酸価が 2以上のものであることを特徴とする。

上記液晶相が、その使用環境温度でネマティック相あるいはコレステリック相であることを特徴とする。

上記情報記録層が、情報記録前に、室温以上で、かつ液晶の等方相転移温度以下の温度に加熱処理されたものであることを特徴とする。

上記樹脂が、使用環境温度以上のガラス転移温度を有するものであることを特徴とする。

上記情報記録層が電荷注入防止層を介して電極層上に積層されたものであることを特徴とする。

また、本発明の情報記録再生方法は、電極層上に液晶栢を分散固定した了クリル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層されてなり、該樹脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0 万のものである情報記録媒体と、電極層上に光導電層を設けた慼光体とを対向配置し、両電極間に電圧を印加しつつ感光俅或いは情報記録媒体側から露光して静電情報記録を行い、静電情報を可視情報として記録保存し、任意の時間に再生することを特徴とする。

更に、本発明の情報記録再生方法は、電極層上に液晶相を分散固定したァクリル樹脂またはメタタリル欄'脂からなる情報記録層が積層されてなり、該樹脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0 万で、かつ酸価が 2以上のものである情報記録媒体と、電極層上に光導電層を設けた感光体とを封向配置し、両電極間に電圧を印加しつつ感光体或いは情報記録媒体側から露光して静電情報記録を行い、静電情報を可視情報として記録保存し、任意の時間に再生することを特徴とする。

上記可視情報を透過光または反射光により再生することを特徴とする。

本発明の情報記録媒体は、電極層上に液晶相をァクリル系樹脂またはメタクリ系樹脂中に分散固定した情報記録層を設けたものであり、情報電荷に応じた液晶相の配向性が永続的に保持され、記録情報がメモリ一性を有するものである。また、このメモリ一性は、情報記録層上に電荷保持層を設けるか、または、電極層と情報記録層との間に電荷注入防止層を設けることにより、情報記録層における液晶相の配向性、即ち、可視情報の保存性を高め、情報記録の永続性を高めることができる。更に、電荷保持層を設けることにより、電荷保持層に記録された静電情報を電気的にも再生することができ、情報を電気的にも再生しうるものである。

本発明の情報記録媒体は、液晶を高分子中に分散して情報記録層とするものであるが、簡便に電気光学効果が得られるものであり、アナログ情報を記録、メモリーできるものである。情報記録層における液晶相は、情報電荷による電界のかからない状態では光散乱により不透明であり、情報電荷が付与された部位では電界の作用により液晶相が配向しその光屈折率と樹脂の光屈折率とをほぼ同じものとしておくことにより情報記録部を透明状態とし、偏光板を用いなくても散乱光と透過光のコントラストにより記録情報を再生することができ、読み取りに隙しての光学系が単純化しうるものである。

更に、本発明の情報記録媒体は、情報記録層をコーティング技術により均一に薄膜化しうるので、情報記録層表面における情報電荷と導電層とのギヤップを均一に小さく取ることができ

、大面積の情報記録媒体の作製が可能であり、高解像度の像を記録、再生することができる。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の情報記録媒体の模式断面図で、（a ) は情報記録前の模式図、（b ) は情報記録後の情報記録媒体の情報記録再生の状態を説明するための図、（c ) は本発明の情報記録媒体の他の例を示す図である。

第 2図は、感光体を使用した情報記録方法を説明するための図である。発明を実施するための最良の形態

第 1図は、本発明の情報記録媒俅の断面を模式的に説明するための図で、 ( a ) は情報記録前の模式図、 ( b ) は情報記録後の情報記録媒体の情報記録再生の状態を説明するための図、 ( C ) は本発明の情報記録媒体の他の例を示す図である。

図中 3は情報記録媒体 1 1は澍脂 1 は液晶相、 1 3は電極層、 1 4は電荷保持層 1 5は支持体、 1 6は電荷注入防止層である。

まず、第 1図（a ) に示すように、本発明の情報記録媒体は、電極 1 3上に液晶相 1 2と樹脂 1 1とからなる情報記録層を積層した構造を有する。情報記録層は、低分子の液晶材料 1 2 を樹脂 1 1中に分散固定させたものであり、液晶材料としては使用環境温度でネマティック相、コレステリック相を示すネマチック液晶、コレステリツク液晶あるいはこれらの混合物を使用することができる。例えばネマチック材料としては、下記のようなものを使用できる。

シッフ塩基系、例えば

ァゾキシ系、

C Η₃0 4 Η g

了ゾ系、例えば

C H₃0 N - ( ) - C 5 H

安息香酸フユニルエステル系、例えば

C 4 H ₉0 〉- C 6 H 13

C7H , 5 — C N

シクロへキシル酸フ； ςニルエステル系、例えばし 5 Η I 1 C Ν

C 5 H I I 0 C 5 Η 1 1

ビフヱニル系、例えば

夕一フ -ニル系、例えば

フエエルシクロへキサン系、例えば

C N

フエ二ルビリジン系例えば

0₆Η ₁₃ C H ！ 9

C₇H ₁₅ N

フエニルジォキサン系、例えば

多環ェタン系、例えば

C₅3H1！

C₃H ₃H

3 H 7

フエニルシクロへキセン系、例えば

シクロへキシルビリミジン系、例えば

フ -ニル系、例えば

1

o その他

また、トラン系、例えば

(式中- R R' は脂肪族炭化水素を表わす）また、

R - Z - Z - C N

RO - Z - Z - R

(式中、 Rは脂肪族炭化水素、 2；はベンゼン環、.

シクロへキサン環、ヘテロ六員環を表わす）た、

R - Z - Z - C N '

R0 - Z - Z - R

(式中、 Rは脂肪族炭化水紫、 Ζはべンゼン環、シクロへキサン ¾ ヘテロ六員 ¾を表わす）尚、液晶材料を選ぶ際には、屈折率の異方性の大きい材料の方がコントラストがとれるので好ましい。

樹脂 1 1は、ァクリル系澍脂またはメタクリル系樹脂であり

、液晶材料と共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶型の澍脂、例えばアタリル酸メチル榭脂、メタタリル酸メチル樹脂、またはこれらのェチルエステル、ィソブチルエステル、 t一ブチルエステル等のホモポリマーが挙げられ、またァクリルニトリル樹脂等及びこれらの樹脂を主体とした共重合体が挙げられる。ァクリル系樹脂またはメタクリル系樹脂の重量平均分子量は、

1万〜 1 0万のものが好ましい。樹脂の重量平均分子量が 1 0 万以上であると溶媒への溶解性が悪化し、塗布性が低下し、更にメモリ一性の消失等の問題がある。

このようなァクリル榭脂としては、例えば三菱レイヨン社製の BR— 8 0、 BR— 8 3、 BR- 8 BR— 5 2、 BRI O 7. BR— 1 0 6、 BR— 8 8、 BR - 8 5、 BR— 1 0 0、 BR— 1 0 1、 LR- 1 0 6 5 し R 1 8 6、し R 1 4 3. LR- 1 5 8. LR- 1 7 7 LR 1 6 2. LR 1

6 7、 LR - 4 7 2、 LR 6 3 7 LR 5 7 4、 LR 0 1 6、 LR- 1 5 5. LR 2 3 7 LR 2 5 4. LR 2 5 7、 LR- 2 8 6、 LR 1 5 0 3、 LR— 1 5 7 3、 LR - 1 5 8 9等が挙げられる。

また、ァクリル系樹脂の酸価としては 2 £1上であるとよく、酸価が 2未満であるとメモリ一性が牴下する。また、そのガラス転移温度が情報記録媒体の使用環境温度以上であるものを使用するとよく、使用環境温度以下のものを使用すると、静電情報を記録しても情報記録媒体がただちに白濁化し、メモリ一性を ¾ し ΐ しヽ。

また-... 本発明の情報記録層においては、澍脂の光屈折率と配向した液晶の光屈折率がほぼ等しくなるように選択する必要があり、両者の屈折率が大きく異なる場合には、液晶と樹脂との界面で反射及び散乱が起こり、記録時の透明状態が得られない ο

樹脂と液晶材料の合計量に対する液晶の使用割合は、 3 0重量％〜 6 0重量％とするとよく、液晶材料の使用量が少ないと未記録時の透過性が高く、情報記録して液晶相が配向してもコントラストが低く、またその使用量が多過ぎても液晶の鬱み出し等の現象が生じ、またメモリ一性の消去が生じるので好ましくない。

情報記録層の形成方法は、樹脂と液晶材料とを溶媒に溶解し、その溶液を電極層上にブレードコ一タ一、口一ルコ一タ一、或いはスビンコ一ター等の一般的なコ一夕一によりコ一ティングすることにより形成される。溶媒としてはク口口ホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジォキサン等を使用でき、面形分濃度 3 0重量〜 6 0重量％の塗布液に調整して、塗液とするとよい。情報記録層の膜厚は乾燥後膜厚 1〃π！〜 4 0 ju m、好ましくは 4 ju m〜 2 0 ju mとするとよい。

塗布層を加熱して溶媒を乾燥させる藤に、樹脂の固形化と共に液晶材料が相 ¾離し、粒 gサブ . m程度の液晶相として澍脂体中に分散固定化するものと思われる。また、塗布液を乾燥させるにあたっては、液晶材料がランダム状態、所謂等方相に転移する温度以下に保持して溶媒を除去する必要がある。等方钼に転移した状態で樹脂が乾燥、固形化されると、液晶性が得られず、電気光学效果が発現しなくなる。これは、乾燥時点で温度が高いと液晶と樹脂体との充分な相分離状態が得られず、樹脂と液晶が相溶した状態で乾燥されてしまうためと考えられる ο

また、樹脂として未硬化の状態の放射線硬化樹脂であって、モノマー、ォリゴマーの状態で液晶材料と栢溶性を有する放射線硬化型樹脂、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を使用し、塗液を乾燥後、放射線照射して硬化させ情報記録層としてもよい。

電極層 1 3の材質は、比抵抗値が 1 0 ^s Ω · cmj¾下であれば限定されなく、金属導電膜、酸化ィンジゥム錫（ I T O ) 等の無機金属酸化物導電膜、四級アンモニゥム塩等の有機導電膜等である。このような電極は支持体上、または情報記録層上に蒸着、スパッタリング、 C V D、コーティング、メツキ、デイツビング、電解重合等の方法により形成される。またその膜厚は電極を構成する材料の電気特性、および情報記録の際の印加電圧により変化させる必要があるが、例えば I T O膜では 1 0 0 〜 3 0 0 O A程度であり、情報記録層との間の全面、或いは情報記録層の形成パターンに合わせて形成される。

このようにして形成される本発明の情報記録媒体への情報記録は、後述する第 2図に示す情報記録方法により情報記録層表面に付与される情報電荷と情報記録媒体における電極層との間に形成される電界により、情報の記録部位に存在する液晶相を配向させて行われるもので、情報記録後、第 1図（b ) に示すように、例えば透過光により情報を再生すると、情報記録部では樹脂と液晶の光屈折率が同じであるために光 Aは透過するのに対して、情報を記録していない部位においては光 Bは散乱し、情報記録部とのコントラストがとれるものである。

支持体 1 5は、情報記録媒体を強度的に支持するものであり、情報記録層が支持性を有する場合には設ける必要がないが、情報記録層を支持することができるある程度の強度を有していれば、その材質、厚みは特に制限がなく、例えば可撓性のあるプラスチックフィルム、或いは硝子、プラスチックシート等の剛体が使用される。具体的には、情報記録媒体がフレキシブルなフィルム、テープ、ディスク、カード形状をとる場合には、フレキシブル性のあるプラスチックフィルムが使用され、強度が要求される場合には剛性のあるシート、ガラス等の無機材料等が使用される。

尚、記録された情報を透過光により再生する場合には、支持体の他方の面には、必要に応じて反射防止効果を有する層を積層するか、また反射防止劾果を発現しうる膜厚に支持体等を調整するか、更に両者を組み合わせることにより反射防止性を付してよしヽ。

従来の液晶表示素子は、電極間に液晶をサンドィツチした T N型、 S T N型の液晶セル或いは高分子樹脂中に液晶相を分散固定したものであるが、このような素子においては両電極間での電圧を除去すると元の状態に戻り、メモリ一性がない。しかしながら、本発明の情報記録媒体は、情報記録層上の静電情報を液晶の配向により可視化した状態で記録、保存するものであり .，情報記録層表面に情報を静電荷の形で記録することにより、情報を階調性を持って記録し、保存できるものであり、また、一旦記録された可視情報は静電荷を除去しても、加熱しない限り消去されず、メモリ一性を有する。

その詳細な理由は不明であるが、一般に液晶相を樹脂中に分散させた情報記録層を 2つの電極間にサンドィツチした状態で直流電圧を印加すると、メモリ一性を示さず、電圧印加した瞬間に動作するが、誘電緩和により短時間に透過率はほぼ初期状態に戻り、また、電圧を除去した瞬間にも再び応答し、再度初期犹態に戻る。しかしながら、情報記録層の一方のみに電極層を有する構造とし、情報記録層表面に静電情報を付与すると、情報記録層表面樹脂中に静電情報が蓄積され、この静電情報と情報記録媒体電極との間に形成される電羿により、液晶相の配向を永続的に保持しうるものと考えられる。

本発明の情報記録媒体への情報記録方法としては、情報記録層表面に静電的に情報を記録しうるコロナ帯電、または本発明の情報記録媒体をエア—ギヤップを介して電極と对向させ、パタ―ン状に両電極間に電圧を印加することによりパッシンの法則に基づく空気放電あるいは電界形成を行わせ、静電情報を情報記録層に記録することにより行われる。

また、本発明の情報記録媒体を光導電層を有する感光体とェァーギヤップを介して对向配置し両電極間に電圧印加しつつ、パターン露光を行い、情報露光の強弱により階調性を持った静電情報を情報記録層に記録することができる。

また、本発明者等は、本発明における情報記録層におけるメモリー性は情報記録に先立って、情報記録層を室温 £1上でかつ液晶物質が等方相に転移する温度 £1下に加熱することにより、更に向上することを見出した。情報記録層を液晶物質が等方相に転移する温度 £1上に加熱すると情報記録層は透明となり、液晶物質が液晶性を示さなく、好ましくない。

この詳細な理由は不明であるが、情報記録層における液晶相と樹脂体との界面の相互作用によりメモリ一性が向上するのではないかと考えられ、界面の相互作用がなくなる温度、すなわち界面の相互作用が大きく変化する臨界温度まで一旦情報記録層を加熱した後、これより若干低い温度、即ち界面の相互作用が大きい状態として情報記録に供するのが良い。その加熱の程度は、液晶と樹脂の種類、また組成比等により適宜設定される。この界面の相互作用は構造変化、或いは界面相互作用の著しい変化に起因するものと思われ、冷却または放置しても持続する。

本発明の情報記録媒体とパターン状に導電層を形成した電極とをエアーギヤップを介して对向させ、情報記録層にパターン状に電圧を印加して静電情報を情報記録層に付与すると、 6 μ mの導電層のラインと 6 mのスペースのラインが交互に配列された部分で解像していることが確認された。

また、解像度は情報記録媒体の膜厚と密接に簡係するが本発明の情報記録媒体においては膜厚の精度は情報記録層のコ— ティングの際に精度良く制御されているため、電極間にサンドィッチするようなラミネート方式あるいは封入方式のようにギャップ制御のためのスぺーサ—を必要とせず、高解像度の情報を記録することができ、欠酷は発生しない。

また、一度記録された可視化情報は、高分子樹脂と分散固定された液晶相の界面の相互作用が大きく変化する臨界温度以上に加熱することで消去され、情報記録媒体を再使用することができる。また、液晶相の等方相転移温度以上に加熱することでも可視化情報は消去されるが、この場合には一度透明状態となるが、冷却すると白濁して不透明な元の状態に戻る。

また、本発明の情報記録媒体においては、第 1図（c ) に示すように情報記録層 1 1上に電荷保持層 1 4を設けることにより、記録時の情報電荷の減衰を抑えて電界効果による液晶の配向性をより保持させることができる。この場合には、電荷保持層に蓄積される静電情報を電気的にも再生することを可能とすこのような電荷保持層は、静電荷の移動を抑えるため高絶緑性樹脂からなるものであり、比抵抗で 1 0 ^{1 4} Ω ♦ cm以上の絶縁性、透明性が要求される。このような樹脂としては、弗素樹脂、例えばポリテトラフルォロエチレン、弗素化エチレンプロピレン、テトラフルォロエチレン一ハ。一フルォロアルキルビニルエーテル共重合体、またポリィミド樹脂、ポリエーテルエ一テルケトン樹脂、ポリパラキシリレン等を使用することもでき、情報記録層上に蒸着、スパッタ法等により、または溶剤に溶解させてコ一ティング、ディッピングすることにより層形成することができる。また上記ポリマーのフィルムを接着剤等を介して貼着することにより層形成させてもよい。膜厚は 1 ju m〜4 0 mとするとよい

また、第 1図（a ) 、 ( c ) に示す情報記録媒钵において、電極層 1 3と情報記録層 1 1との間に電荷注入防止層 1 6を設けてもよい。電荷注入防止層は、電極層からの電荷の注入を防止するもので、これにより電極側の逆電荷の注入を抑えて電界を保持する効果がある。この電荷注入防止層は、上記電荷保持層形成材料と同様なものを使用することができ、その膜厚は電荷のトンネリング現象を生じない膜厚、少なく共 1 G 0 0 AJ¾ 上の膜厚に積層するとよい。

又、電荷保持層及び Z又は電荷注入防止層中に光導電性微粒子又は導電性微粒子を含有させて用いることもできる。

次に、本発明の情報記録媒体への情報記録再生方法について説明する。

第 2図は情報記録方法を説明するための図で、図中 1は感光体、 5は光導電層支持体、 Ίは感光体電極、 9は光導電層、 1 7は電源である。

まず、 1 mm厚のガラスからなる光導電層支持体 5上に 1 0 0 0 A厚の酸化ィンジュ一ム錫（ I T O ) からなる透明な電極 7 を形成し、この上に 1 G jw m程度の光導電層 9を形成して感光体 1を構成している。

同図（a ) に示すようにこの感光体 1に对して、 1 0 j« m程度の空隙を介して情報記綠媒悻 3が配置される。

次いで同図（b ) に示すように電源 1 7により電極 7、 1 3 間に電圧を印加する。暗所であれば光導電層 9は高抵抗体である□

この状態で感光体 1側より光 1 8が入射すると光が入射した部分の光導電層 9は導電性を示し低抵抗体となり、情報記録層に情報電荷が蓄積されると共に、情報記録層における電荷蓄積部位において液晶の配向が生じる。また予め均一なカブリ電荷がある場合でも、光が入射した部分では更に電荷が蓄積されるので、未露光部とのコントラストにより情報を記録することができる。

また、上記のように情報電荷の形成に際しては、液晶によつては低電圧で作動するものもあるので、印加電圧を設定するにあたっては感光体、空気ギャップ、情報記録媒体間における電圧配分を適宜設定することにより、情報記録層にかかる電圧配分をその作動電圧領域に設定するとよい。尚、この情報記録媒体への記録に際して、情報記録媒体を例えば電極層に電流を流して通電加熱により加熱し、よりメモリ一性を向上させることができる。

この情報記録方法は、面状アナログ記録が可能であり、液晶粒子レベルでの配向が得られるので銀塩写真法と同様に高解像度が得られ、また露光パターンは液晶相の配向により可視像化されて保持される。この情報入力方法としては髙解像度静電力メラによる方法、またレーザーによる記録方法がある。

情報光は感光体側から入射されてもよいし、また情報記録媒体側から入射されてもよいものである。まず高解像度静電力メラは通常のカメラに使用されている写真フィルムの代わりに、感光体 1と、情報記録媒体 3とにより記録部材を形成するもので、機械的なシャッタも使用しうるし、また電気的なシャッタも使用しうるものである。

また、プリズム及びカラ一フィルタ一により光情報を、 R G、 B光成分に分離し、平行光として取り出し R、 G、 B分解した情報記録媒体 3セットで 1コマを形成するか、または 1平面上に R、 G、 B像を並べて 1セットで 1コマとすることにより、カラー撮影することもできる。

またレーザーによる記録方法としては、光源としてはァルゴンレーザー（ 5 1 4 . 4 8 8 n m ) 、ヘリゥムーネオンレーザ一 ( 6 3 3 n m) 、半導体レーザ— （ 7 8 0 n m、 8 1 0 n m 等）が使用でき、感光体と情報記録媒体を面状で表面同士を密着させるか、一定の間隔をおいて対向させ、電圧印加する。この状態で画像信号、文字信号、コード信号、線画信号に対応したレーザ一露光をスキャニングにより行うものである。画像のようなアナログ的な記録は、レーザ一の光強度を変調して行い、文字、コード、線画のようなデジタル的な記録は、レーザー光の O N— O F F制御により行う。また画像において綱点形成されるものには、レーザー光にドツトジヱネレーター O N— 0 F F制御をかけて形成するものである。尚、感光体における光導電層の分光特性は、パンクロマティックである必要はなく、レーザー光源の波長に感度を有していればよい。

本発明の情報記録媒体への情報記録は、上記のように感光体を使用しての情報記録の他に、コナ帯電、ピン電極イオン流へッド、電子ビーム、或いはイオン打ち込み等による書込みで、直接情報電荷を情報記録層表面に付与してもよい。また、本発明の情報記録媒体を、コロナ帯電等により媒体全面を均一に帯電させ、液晶を配向させ、媒体全体を透明欤態とした後、サーマルプリンター等により、入力情報に応じて情報記録層における液晶相の配向をランダム状態に戻し、散乱により不透明化させて情報を記録することもできる。更に、全面不透明な情報記録媒体を数プロックに分割し、例えばあるブロックの情報記録層部を情報に応じた電界の作用により情報記録可能なェリアとし、他のプロックを上記のごとく、透明状態とした後、サーマルへッド等の加熱手段による情報記録が可能なブ πックとしてもよい。

液晶の配向により記録された情報は、目視による読み取りが可能な可視情報であり、又、反射型の投影機により拡大して読み取ることができ、更にはレーザ一スキャニング、或いは CC Dを用いて反射光、或いは透過光により読み取りをすることにより高精度で情報を読み取ることができる。

以下、具体例を説明する。

【具体例 1】

シァノビフヱニル系液晶（メルク社製 Β44、 Δη = 0. 2 6 2、 Ν— Ι転移 1 0 O t) 0. 3g と、ァクリル系榭脂 PM MA (三菱レイヨン (株) 製、 BR- 8 3、 T g = 1 0 5。C、重量平均分子量 4万、酸価 2) 0. 2g とをクロ口ホルム中に溶解して 1 5重量％溶液を調整し、この溶液を Imra厚のガラス基板上にスパッタ法により酸化インジユウム鑤 ( I TO) 電極を 1 0 0 0 Aの膜厚で積層して形成したガラス基板の電極上に、ブレードコーターで塗布し、 8 0 °Cに保持したオーブンで 1 時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作製した。情報記録層の膜厚は 6 mであった。

【具体例 23

シ了ノビフヱニル系液晶（メルク社製 B44 . Δ _n二 0. 2 6 2、 N— I転移 1 0 0で） 0. 3 g と、ァクリル系樹脂 PM MA (三菱レイヨン (株) 製、 BR— 8 Ί、 T g = 1 0 5 ：、重量平均分子量 2万 5千、酸価 1 0. 5 ) 0. 2 g とをクロ口ホルム中に溶解して 1 5重量％溶液を調整し、この溶液を l mm 厚のガラス基板上にスパッタ法により酸化ィンジユウム錫（ I TO) 電極を 1 0 0 0 Aの膜厚で積層して形成したガラス基板の電極上に、ブレードコ一ターで塗布し、 8 0 °Cに保持した才一ブンで 1時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作製した。情報記録層の膜厚は 6 umであった。

【具体例 3】

シァノビフヱニル系液晶（メルク社製 Β44、 Δη = 0. 2 6 2、 Ν— I転移 1 0 0 °C) 0. 3 g と、ァクリル系樹脂 PM MA (三菱レイヨン（株）製、 BR— 8 0、 T g = 1 0 5 、重量平均分子量 9万 5千、酸価 0 ) 0. 2 g とをクロ口ホルム中に溶解して 1 5重量％溶液を調整し、この溶液を l mm厚のガラス基板上にスパッタ法により酸化ィンジユウム錫 ( I TO) 電極を 1 Q 0 0 Aの膜厚で積層して形成したガラス基板の電極上に、ブレードコーターで塗布し、 8 0 に保持したオーブンで 1時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作製した。情報記録層の膜厚は 6 imであった。

【具体例 4】シァノビフヱニル系液晶（メルク社製 B44、 Δ n = 0. 2 6 2 _¾ N - I転移 l O O t:) 0. 3 g と、三菱レイョン（綠）製の L R— 3 4 3 (固形分 3 0 %トルエン溶液）（アクリル系樹脂 PMMA、 Tg = 1 0 5で、重量平均分子量 1 0万、酸価 2 ) 0. 6 7 g とをクロ口ホルム.中に溶解して 1 5重量％溶液を調整し、この溶液を 1■厚のガラス基板上にスパッタ法により酸化ィンジユウム鍚 ( I TO) 電極を 1 0 0 0 Aの膜厚で積層して形成したガラス基板の電極上に、ブレードコーターで塗布し、 8 0 °cに保持したオーブンで 1時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作製した。情報記録層の膜厚は 6 umであったが、塗りムラが発生した。

【具体例 5 (比較例）】

シァノビフヱニル系液晶（メルク社製 Β44、 Δ ΙΊ = 0. 2 6 2、 Ν— I転移 1 0 0 °C) 0. 3 g と、ァクリル系樹脂 PM MA (三菱レイヨン（株）製、 BR— 1 0 0、 T g = 1 0 5 ¾ 、重量平均分子量 1 2万、酸価 0 ) 0. 2 g とをクロ口ホルム中に溶解して 1 5重量％溶液を調整し、この溶液を l mm厚のガラス基板上にスパッタ法により酸化ィンジユウム錫（ I TO) 電極を 1 0 0 0 Aの膜厚で積層して形成したガラス基板の電極上に、ブレードコ一ターで塗布し、 8 0 に保持したオーブンで 1時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作製した。情報記録層の膜厚は 6 Aimであったが、塗りムラが発生した。

ίί具体例 63

シァノビフヱニル系液晶（メルク社製 Β44、 Δ η = 0. 2 6 2、 Ν— I転移 l G G t ) 0. 3 g と、ァクリル系樹脂 PM MA (三菱レイヨン (祙) 製、 BR- 5 2 , T g = 1 0 5 °C、重量平均分子量 8万 5千酸価 0 ) 0. 2 g とをタロロホルム中に溶解して 1 5重量％溶液を調整し、この溶液を 1画厚のガラス基板上にスパッタ法により酸化ィンジユウ厶錫 ( I TO) 電極を 1 0 0 0 Aの膜厚で積層して形成したガラス基板の電極上に、ブレードコ一ターで塗布し、 8 0 に保持したオーブンで 1時間乾燥し、本発明の情報記録媒体を作製した。情報記録層の膜厚は 6 mであった。

【具体例 7】

上記具体例 1〜 6で得られた情報記録媒体の情報記録層表面を、コロナ帯電によりパターン状に正又は負帯電させ、室温条件下で 5日間放置した後、可視紫外分光器（島津製作所製 UV - 2 4 0 ) を用いて、帯電部分と未帯電部分における 9 0 0 η mでの光透過率（％) を測定した。その結果を下記表 1に示す表 1

この表からわかるように、本発明の情報記録媒体は、正又は負帯電共に透過率の保持性能が良好であることがわかる。

次に上記具镓例 1〜 6で得られた情報記録媒体の情報記録層面をコロナ帯電によりパタ一ン犹に正又は負帯電させた後、加熱ステージ付偏向顕微鏡（ォリンパス（綠）製）を使用し、 5 K/m i nの昇温速度で加熱し、透過状態から散乱状態に戻る温度を測定することにより、記録情報の消去温度（）を測定した。その結果を下記表 2に示す。

表 2

【具体例 8】

具体例 2において、樹脂/液晶（重量比）が 2/1、 3/2 、 1/1、 2/3、 1/2の割合の情報記録層とした以外は、具体例 2同様にして情報記録媒体を作成した。

各媒体の情報記録層面を、コロナ帯電によりパターン状に正又は負帯電させた後、加熱ステージ付偏向顕微鏡（ォリンパス

( 製）を使用し、 5 K/m i nの昇温速度で加熱し、透過犹態から散乱状態に戻る温度を測定することにより、記録情報の消去温度（ :) を測定した。その結果を下記表 3に示す。表 3

このように、本発明の情報記録媒体は、表面電荷により記録層中の液晶相が配向し、その記録は永続性を有することが確認され、またその記録は加熱することにより消去しうることがわか。

【具体例 9】

具体例 1の記録媒体を作製したそのままの状態のものと、記録媒体をオーブンにより約 8 0 に加熱したものの 2種類について、それぞれコロナ帯電により負帯電させた。

これらの各媒体について、帯電直後、及び室温条件下で 5日間放置した後の帯電部分の、 9 0 O n mでの光透過率（％) を可視紫外分光器（島津製作所製、 U V— 2 4 0 ) により測定し、情報記録媒体を記録前に加熱することによる効果について撿討した。測定結果を下表に示す。表 4

表からわかるように、記録前に情報記録媒体を加熱することによりメモリ一性が良くなることがわかる。加熱温度は高い方が好ましいが、樹脂のガラス転移温度以上に加熱すると、樹脂と液晶相とが相溶し十分なコントラストが得られなくなる。次に、情報を記録した記録媒体を 7 に加熱したところ、情報記録部における透明性がなくなり白色不透明になり、情報は消去された。

【具体例 1 0】

(感光体の作製）

充分洗浄した厚さ 1 . 1 mmのガラス基板上に、膜厚 1 0 0 0 Aの I T O膜をスパッタ法により成膜し、電極層を得た。

その電極上に、電荷発生剤として下記構造

を有するフルォレノン了ゾ顔料（日本感光色素社製） 3重量部、ポリヱステル樹脂（東洋紡社製、バイロン 2 Q 0 ) 1重量部、 1， 4一ジォキサン 9 8重量部、了ノン 9 8重量部とを混合し、ペイントシヱ一力一にて 6 h r分散して塗工液としスピンナ一にて 1 4 0 0 r pnu 0. 4 s e cでコーティングした後、 l O O t. 1 h r乾燥して、膜厚 3 0 0 0 Aの電荷発生層を ¾層した。

この電荷発生層上に、電荷輸送剤として下記構造

のパラジメチルスチルペンを 2 5重量部、ポリスチレン樹脂

(デン力社製、 HRM— 3 ) 5重量部、 1， 1 , 2—トリクロロェタン 1 0 2重量部、ジクロロメタン 6 8重量部とを混合した塗工液を、スピンナ一にて 3 0 0 r p m、 0. 3 ms e cでコーティングした後、 8 0 、 2 h r乾燥して電荷輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層とからなる膜厚 2 0 jumの光導電層を形成して感光体を作製した。

この感光体と、具体例 1で作製した情報記録媒体とを図 2に示すように、 9 imの空隙を介して对向配置し、感光体、情報記録媒体両電極間に感光体側を正として 7 5 0 V印加し、 0. 1秒間、グレースケールを投影露光し、露光部と未露光部の光透過率を具体例 7同様に測定したところ、露光情報に応じた記録がなしうることを確認した。

また、グレースケールに代えて、銀塩写真のネガ画像を投影露光し、得られた情報記録媒体をフィルムスキャナー（商品名： L S— 3 5 0 0、ニコン社製）を使用して読み取りプリン夕一で打ち出したところ、銀塩写真のネガ画像が对応した諧調性を有するポジ画像を再現できた。

ί具体例 1 1】 '

具体例 1と同様にして作製した記録媒体を、ガラス上に 6 β mラインを 6 s mのスペースを介して配した、パタ一ン状電極と対向配置し、記録媒体の電極とバタ一ン電極の両端に、 Ί 5 0 V , 0 . 1 s e cの直流電圧を印加したところ、記録媒体上に、 6〃mのラインとスペースが解像していることが確認された。また、この記録媒体を水に漬け、電荷を除去した後も解像度を維持していることを確認した。

【具体例 1 2】

具体例 1 と同様にして形成した情報記録層上に、弗素樹脂（商品名：サイトツプ、旭硝子（株）製）の 5 %弗素系溶液をスピンコート（ 1 5 0 0 r p m： 3 0秒）により塗布した後、室温で 1日放置した後、 8 0での真空オーブン中で乾燥することで膜厚約 0 . 5 i mの電荷保持層を形成し、本発明の情報記録媒体を作製した。

この情報記録媒体に具体例 1 0と同様にして静電情報を記録したところ、具体例 1 0と同様に記録できることが確認されたこの情報記録媒体を室温中で 2 0日間放置した後も可視像が維持され、又情報電荷としても表面電位計で読み取ることができた。【具体例 1 3】

具体例 1同様にして形成した情報記録屬上にロジンエステル樹脂（理化ハーキュレス（綠）製、ステぺライトエステル 1 0 ) の 2 0 %へキサン溶液をスピンコート ( 2 0 0 0 r p m 3 0秒）により塗布した後、 6 0 。Cのオーブン中で 2時間乾燥し、膜厚約 0 . 7 i mの電荷保持層を形成した。次いで、この電荷保持層面に真空蒸着機（真空機ェ（株）製 V P C— 4 1 0 ) を用いて、 a— S e微粒子を以下の条件で蒸着した。

まず、真空チヤンバ—内の加熱用基板ホルダ一に上記媒体のガラス面が接触するように固定し、真空度 6 torrにした状態で基板ホルダーを 7 0 °Cに加熱し、抵抗加熱法により a — S eを微粒子の形钛で電荷保持層表面近傍に設け、本発明の情報記録媒体を作製した。

次に、具体例 1 0と同様にしてこの情報記録媒体に静電情報を記録したところ具体例 1 Gと同様の記録を行うことができた

0

又、この情報記録媒体を室温中 2 0日放置した後も可視像が維持されていると共に表面電位も表面電位計により再生でき、維持されていることがわかった。

【具体例 1 4 1

1 mm厚のガラス基板上にスパッタ法により酸化ィンジユウム鑤 ( I TD) 電極を 1000 Aの膜厚で積層して形成したガラス基板の電極上に、弗素樹脂（商品名：サイトつ。、旭硝子（铢）製 ) の 5 %弗素系溶液をスピンコート（ 1 5 0 0 r p m： 3 0秒 ) により塗布した後、室温で 1 日放置した後、 1 5 0でのォ一ブン中で 3時間乾燥することで膜厚約 0 , 5 mの層を形成し、この表面をプラズマ処理し、次いで、この電荷注入防止層上に、具 {本例 1同様に膜厚 6 mの情報記録媒層を形成し、本発明の情報記録媒体を作製した。

この情報記録媒体に、具体例 1 0と同様にして静電情報を記録したところ、同様に記録しうることが確認できた。

また、この情報記録媒体における情報記録層上に弗素樹脂（商品名：サイトップ、旭硝子（株）製）の 5 %弗素系溶液をスビンコ一ト（ 1 5 0 0 r p m： 3 0秒）により塗布した後、室温で 1 日放置した後、 8 0 の真空オーブン中で乾燥することで膜厚約 0 . 5 t mの電荷保持層を形成し、本発明の情報記録媒体を作製した。次いで具体例 1 0同様に静電情報を記録をしたところ、同様に記録できることを確認した。

又、この情報記録媒体を室温中 2 0日放置した後も可視像が維持されていると共に表面電位も表面電位計により再生でき、維持されていることがわかった。産業上の利用可能性

本発明は、静電情報を可視状態で記録する情報記録媒体であつて、その可視状態での記録に永続性のある情報記録媒体を提供するものであり、アナログ情報を記録、メモリ一できるものである。また、記録情報は偏光板を用いなくても散乱光と透過光のコントラストにより記録情報を再生することができ、読み取りに際しての光学系が単純化しうるものである。更に、情報記録層をコーティング技術により均一に薄膜化しうるので、情報記録層表面における情報電荷と電極層とのギャップを均一に取ることができ大面積の情報記録媒体の作製が可能であり高解像度の像を記録再生することができる。

Claims

請求の範囲

( 1 ) 電極層上に液晶相を分散固定したァクリル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層された情報記録媒 ί本であって、該ァク ϋル樹'脂またはメタクリル樹脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0万のものであることを特徴とする情報記録媒体 ο

( 2 ) 電極層上に液晶相を分散固定したァクリル樹脂またはメ夕クリル樹脂からなる情報記録層が積層された情報記録媒体であって、該ァクリル榭脂またはメタクリル樹脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0万で、かつ酸価が 2 £1上のものであることを特徴とする情報記録媒体。

( 3 ) 電極層上に液晶相を分散固定したァクリル樹脂またはメタクリル榭脂からなる情報記録層及び電荷保持層が順次積層された情報記録媒体であって、該ァクリル樹脂またはメタクリル樹脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0万のものであることを特徴とする情報記録媒体。

( 4 ) 液晶相が、その使用環境温度でネマティック相あるいはコレステリック相である請求項 1〜請求項 3の何れか一つに記載の情報記録媒体。

( 5 ) 情報記録層が、情報記録前に、室温以上で、かつ液晶の等方相転移温度以下の温度に加熱処理されたものである請求項 1〜請求項 3の何れか一つに記載の情報記録媒体。

( 6 ) 樹脂が、使用環境温度以上のガラス転移温度を有するものである請求項 1〜請求項 3の何れか一つに記載の情報記録媒体。

( 7 ) 情報記録層が電荷注入防止層を介して電極層上に積層されたものである請求項 1〜請求項 3の何れか一つに記載の情報記録媒体。

( 8 ) 電極層上に液晶相を分散固定したァクリル樹脂またはメタクリル樹脂からなる情報記録層が積層された情報記録媒体であって、該樹脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0万のものである情報記録媒体と、電極層上に光導電層を設けた感光体とを对向配置し、両電極間に電圧を印加しつつ感光体或いは情報記録媒体側から露光して静電情報記録を行い、静電情報を可視情報として記録保存し、任意の時間に再生することを特徴とする静電情報記録再生方法。

( 9 ) 電極層上に液晶相を分散固定したァクリル樹脂またはメタクリル榭脂からなる情報記録層が積層された情報記録媒体であって、該榭脂の重量平均分子量が 1万〜 1 0万で、かつ酸価が 2以上のものである情報記録媒体と、電極層上に光導電層を設けた感光体とを対向配置し、両電極間に電圧を印加しつつ感光体或いは情報記録媒体側から露光して静電情報記録を行い、静電情報を可視情報として記録保存し、任意の時間に再生することを特徴とする静電情報記録再生方法。

( 1 0 ) 可視情報を透過光または反射光により再生することを特徴とする請求項 9記載の静電情報記録再生方法。