新 などフエニルォキシ酢酸誘導体ならびにその製造方法および使用方法 〔技術分野〕
本発明は、 活性化血液凝固第 X因子阻害剤として有用な一般式 (X) :
で表される 5—ヒドロキシアミジノ _ 2—ヒドロキシベンゼンスルホンアミド誘 導体またはその薬理学的に許容される塩を製造するための新規な中間体、 ならび に該中間体の製造方法および使用方法に関する。
〔背景技術〕
一般式 (X) で表される 5—ヒドロキシアミジノー 2—ヒドロキシベンゼンス ルホンアミド誘導体は、 当該出願人により見出された活性化血液凝固第 X因子阻 害剤として有用な化合物である。 該ベンゼンスルホンアミド誘導体 (X) の製造 方法として、 下記のスキームに示すように、 式 (XX) で表される化合物を出発原 料として一般式 (XXI I) で表されるスルホンアミド誘導体へと変換し、 該スルホ ンアミド誘導体 (XXI I) をスズキ反応により一般式 (XXIV) で表される化合物へ 変換後、 一般式 (VI I) で表される化合物へ導き、 これを活性化血液凝固第 X因 子阻害剤 (X) へ誘導する方法が開示されている (例えば、 特許文献 1参照。 ) 。
(式中、 R R 2、 R 3、 R 4および Xは下記と同義であり、 R 5は水素原子また は低級アルキルである)
しかしながらこの製造方法では、 例えば、 R 1および R 2が水素原子であり、 R 3が低級アルキルスルホニルである活性化血液凝固第 X因子阻害剤 (X) を製 造するのに出発原料の化合物 (XX) から 1 5〜1 8段階と非常に長い工程数が必 要であり、 工業的生産に適していなかった。 特に化合物 (XXI I) をトリフルォロ メタンスルホニル化後、 フエニルホウ酸 (XXI I I) とカップリングさせる工程で はテトラキス (トリフエニルホスフィン) パラジウム (0 ) などの高価なパラジ ゥム触媒が必要であり、 さらに化合物 (XXIV) を酸加水分解後、 ハロ酢酸エステ ル (IV) と反応させる工程では反応の選択性が悪いため収率が非常に低く、 問題 となっていた。
特許文献 1 :国際公開第 0 2 / 2 8 8 2 7号パンフレツト
〔発明の開示〕
本発明者らは、 一般式 (X) で表される 5—ヒドロキシアミジノ一 2—ヒドロ キシベンゼンスルホンアミド誘導体またはその薬理学的に許容される塩を簡便に かつ高収率に製造するために有用である新規な中間体について鋭意研究を重ねた 結果、 一般式 (I) で表されるビフエ二ルォキシ酢酸誘導体を見出し、 該ビフエ
ニルォキシ酢酸誘導体 (I) を使用することにより、 一般式 (X) で表される 5— ヒドロキシアミジノー 2—ヒドロキシベンゼンスルホンアミド誘導体またはその 薬理学的に許容される塩を極めて簡便にかつ高収率、 高純度で製造できることを 見出した。 さらに本発明者らは、 該ビフヱニルォキシ酢酸誘導体 (I) を、 一般 式 (II) で表される化合物から極めて容易に製造できる方法を見出し、 これらの 知見に基づき本発明を完成した。
すなわち、 本発明は、
(1) 一般式 (I) :
(式中、 R1および R2は、 独立して水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R 3は、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R4は、 低級アルキルである) で表される化合物またはその塩;
(2) R1および R 2が水素原子であり、 R 3が低級アルキルスルホニルである、 上記 (1) に記載の化合物;
(3) 一般式 (II) :
(式中、 R1および R2は、 独立して水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R3は、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルである) で表さ れる化合物を保護することにより、 一般式 (III) :
(式中、 R1 R2および R3は、 上記定義の通りであり、 Pは、 保護基を表す) で表される化合物を製し、
該一般式 (III) で表される化合物と一般式 (IV) :
(式中、 Xは、 塩素原子、 臭素原子またはヨウ素原子を表し、 R4は、 低級アル キルを表す) で表されるハロ酢酸エステルとを反応させることにより、 一般式 ( V) :
(式中、 R R2、 R3、 R4および Pは、 上記定義の通りである) で表される 化合物を製し、
該一般式 (V) で表される化合物の保護基 Pを除去することを特徴とする、 一 般式 ( I ) :
(式中、 R R2、 R3および R4は、 上記定義の通りである) で表される化合 物またはその塩の製造方法;
(4) R1および R 2が水素原子であり、 R 3が低級アルキルスルホニルである、
上記 (3) に記載の製造方法;
(5) Pが、 tert-ブトキシカルポニル基である、 上記 (3) または (4) に 記載の製造方法;
(6) 一般式 (III) :
(式中、 R1および R2は、 独立して水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R3は、 八ロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 Pは、 保護基を表す) で表される化合物;
(7) 一般式 (V) :
(式中、 R1および R2は、 独立して水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R3は、 八ロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R4は、 低級アルキルであり、 Pは保護基を表す) で表される化合物;
(8) R1および R 2が水素原子であり、 R3が低級アルキルスルホニルである 上記 (6) または (7) に記載の化合物;
(9) Pが、 tert-ブトキシカルボニル基である上記 (6) 〜 (8) に記載の 化合物;
(式中、 R
1および R
2は、 独立して水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低 級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R
3は、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R
4は、 低級アルキルである)で表される化合物またはその塩と、 式 (V I) :
で表される化合物とを反応させることを特徴とする、 一般式 (VII)
(式中、 R1 R2、 R3および R4は、 上記定義の通りである) で表される化合 物の製造方法;
(11) さらに前記一般式 (VII) で表される化合物を、 脱メチル化および加 水分解することにより、 一般式 (VIII) :
(式中、 1^ぉょび1 2は、 独立して水素原子、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルであり、 R3は、 ハロゲン原子、 低級アルキル、 低級アルキルチオまたは低級アルキルスルホニルである) で表さ れる化合物またはその塩を製し、
該一般式 (VIII) で表される化合物またはその塩と、 式 (IX) :
NH2OH
で表される化合物とを反応させ、 必要に応じてエステル化反応および塩形成を行 うことにより、 一般式 (X) :
(式中、 R 1 R 2および R 3は、 上記定義の通りであり、 R 5は低級アルキルま たは水素原子である) で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を製 造する上記 (1 0 ) に記載の製造方法;
( 1 2 ) R 1および R 2が水素原子であり、 R 3が低級アルキルスルホニルであ る上記 (1 0 ) または (1 1 ) に記載の製造方法に関する。
本発明において、 ハロゲン原子とは、 フッ素原子または塩素原子を意味し、 好 ましくはフッ素原子である。 低級アルキルとは炭素数 1〜 6の直鎖または分岐鎖 状のアルキル基を意味し、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 t e r t一ブチルなどが挙げられる。 低級アルキルチオとは、 炭素数 1〜6の直 鎖または分岐鎖状のアルキルチオ基を意味し、 例えば、 メチルチオ、 ェチルチオ、 プロピルチオ、 イソプロピルチオなどが挙げられる。 低級アルキルスルホニルと は、 炭素数 1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキルスルホ二ル基を意味し、 例え ば、 メタンスルホニル、 エタンスルホニル、 プロパンスルホニル、 イソプロパン スルホニルなどが挙げられる。 ァミノ基の保護基とは、 ァミノ基で望ましくない 反応が起こるのを防止するために導入できる任意の基をいい、 例えば、 tert -ブ トキシカルポニル基、 ベンジルォキシカルポニル基などが挙げられ、 好適には、 tert-ブトキシカルポニル基である。
〔発明を実施するための最良の形態〕
本発明の製造方法に使用される一般式 (I I) で表される化合物は、 以下のスキ ーム 1に従って製造することができる。
(スキー厶 1 )
(工程 a)
(式中、 R R2および R3は、 前記と同義であり、 R7は低級アルキルであり、 Ru、 R12、 R13は独立して水素、 ハロゲン、 低級アルキルまたは低級アルキ ルチオであり、 Mはリチウムまたは MgB rである)
(工程 a)
一般式 (XI) で表される化合物と、 ァリールハライド (例えば、 ァリールプロ ミドなど) から当該分野の当業者に周知の方法により容易に調製される一般式 ( XII) で表される化合物とを不活性溶媒 (例えば、 テトラヒドロフラン、 ジォキ サンなど) 中、 約 20°C〜使用される溶媒の還流温度で反応させ、 必要に応じて、 常法に従い、 酸化剤 (例えば、 ォキソン (登録商標) など) を用いて硫黄原子の 酸化を行うことにより、 一般式 (XIII) で表される化合物が得られる。
(工程 b)
この化合物 (XIII) とダリオキシル酸とを溶媒中、 酸の存在下または非存在下 で反応させることにより、 一般式 (XIV) で表されるビフエ二ル酢酸誘導体が得
られる。 本反応に使用できる溶媒としては、 例えば、 テトラヒドロフラン、 1 , 2—ジメトキシェタン、 ジォキサンなどのエーテル類、 ァセトニトリル、 N, N —ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。 これらの溶媒は 2種以上混 合し、 必要に応じて水を添加して使用することができる。 酸としては、 濃硫酸、 濃塩酸、 p—トルエンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸、 酢酸などが使用される。 本反応は、 通常、 約 0 °C〜使用される溶媒の還流温度で 1〜2 4時間行われ、 反 応終了後、 常法により抽出、 濃縮することによりビフエニル酢酸誘導体 (XIV) が得られる。
(工程 c )
次にこのビフエ二ル酢酸誘導体 (XIV) を不活性溶媒中または無溶媒で、 縮合 剤の存在下で反応させることにより、 一般式 (XV) で表されるラクトン誘導体に 変換し、 続いて該ラクトン誘導体 (XV) とアンモニア水とを反応させることによ り、 一般式 (XVI) で表されるビフエ二ル酢酸アミド誘導体が得られる。
本反応に使用できる不活性溶媒としては、 例えば、 テトラヒドロフラン、 1, 2 —ジメトキシェタン、 ジォキサンなどのエーテル類、 ァセトニトリルなどを挙げ ることができ、 必要に応じてこれらの溶媒を 2種以上混合して使用することがで きる。 縮合剤としては、 例えば、 無水酢酸などの酸無水物を使用することができ、 通常、 ビフエエル酢酸誘導体 (XIV) に対して約 1〜約 6当量の範囲から適宜選 択して使用される。 ビフエエル酢酸誘導体 (XIV) からラクトン誘導体 (XV) へ の変換は、 通常、 約 0〜約 6 0 °Cの温度で 1〜6時間行われる。 反応終了後、 ラ クトン誘導体 (XV) は単離してもしなくてもよく、 好ましくはラクトン誘導体 ( XV) の生成を確認後、 単離することなくアンモニア水と反応させることによりビ フエニル酢酸アミド誘導体 (XVI) への変換が行われる。 ラクトン誘導体 (XV) からビフエ二ル酢酸アミド誘導体 (XVI) への変換は、 通常、 約 0〜約 5 0 の 温度で 1〜 6時間行われ、 反応終了後、 常法により抽出、 濃縮することによりビ フエニル酢酸アミド誘導体 (XVI) が得られる。
(工程 d)
続いてこのビフエ二ル酢酸アミド誘導体 (XVI) を不活性溶媒中、 還元剤を用 いて還元することにより、 一般式 (I I) で表されるビフエニルェチルァミン誘導
体が得られる。 本反応に使用できる不活性溶媒としては、 例えば、 テトラヒドロ フラン、 1, 2—ジメトキシェタンなどが挙げられ、 必要に応じてこれらの溶媒 を 2種以上混合して使用することができる。 還元剤としては、 例えば、 ジポラン、 ポラン ·テトラヒドロフラン錯体、 ポラン ·ジメチルスルフイド錯体、 ポラン - ピリジン錯体、 ポラン · Ν, Ν—ジェチルァニリン錯体、 水素化ホウ素ナトリウ ム Ζトリフルォロ酢酸、 水素化ホウ素ナトリゥム/酢酸などを使用することがで き、 通常、 ビフエニル酢酸アミド誘導体 (XVI) 対してホウ素換算で約 1〜約 5 当量の範囲から適宜選択して使用される。 本反応は、 通常、 約 0 °C〜使用される 溶媒の還流温度で 1〜1 2時間行われ、 反応終了後、 必要に応じて過剰の還元剤 を処理した後、 常法により抽出、 濃縮することによりビフエ二ルェチルァミン誘 導体 (Π) が得られる。 次に本発明の一般式 ( I ) で表される化合物の製造方法について説明する。 本 発明の一般式 (I ) で表される化合物は、 以下のスキーム 2に示す方法により製 造することができる。
(V) (I)
(式中、 R R 2、 R 3、 R 4、 Pおよび Xは前記と同義である)
(工程 a )
一般式 (I I) で表されるビフエニルェチルァミン誘導体を、 不活性溶媒中、 適 切な保護化試薬と反応させることにより、 ァミノ基が保護された化合物 (I I I)
が得られる。
例えば、 保護基として tert-ブトキシカルポニル基が使用される場合、 保護化 試薬としてジ炭酸ジ— tert—ブチルを用い、 不活性溶媒 (例えば、 テトラヒドロ フラン、 N, N—ジメチルホルムアミド、 ジクロロメタンなど) 中でビフエ二ル ェチルァミン誘導体 (I I) と反応させることにより、 Pが tert-ブトキシカルボ ニル基である化合物 (I I I) が得られる。 ジ炭酸ジー tert—ブチルの量は、 通常、 約 1 . 0〜約 1 . 2当量が使用される。 本反応は、 通常、 約 0〜約 4 0 ° (:、 好適 には約 2 0〜約 3 0 °Cの温度で 0 . 5〜 3時間行われ、 反応終了後、 反応溶媒を 留去することにより、 化合物 (I I I) が得られる。
また、 保護基としてべンジルォキシカルボニル基が使用される場合には、 ジ炭 酸ジベンジルなどの保護化試薬を用い、 ジ炭酸ジ— tert—ブチルと同様な条件下 で反応させることにより、 Pがべンジルォキシカルポニル基である化合物 (I I I ) が得られる。
これらの反応は極めて高選択的に進行し、 化合物 (I I I) が非常に収率よく得 られるので、 化合物 (I I I) は特に精製を行うことなく次の反応に使用すること ができる。
(工程 b)
この化合物 (I I I) と一般式 (IV) で表されるハロ酢酸エステルとを、 不活性 溶媒中、 塩基の存在下に反応させると一般式 (V) で表される化合物が得られる。 本反応に使用できる不活性溶媒としては、 N, N—ジメチルホルムアミド、 ァセ トニトリル、 テトラヒドロフランなどが挙げられ、 好適には N, N—ジメチルホ ルムアミドが使用される。 またこれらの溶媒は、 必要に応じて 2種以上混合して 使用することができる。 ハロ酢酸エステルとしては、 クロ口酢酸エステル、 プロ モ酢酸エステルまたはョ一ド酢酸エステルが挙げられ、 好適にはクロ口酢酸エス テルまたはブロモ酢酸エステルが使用される。 塩基としては、 例えば、 炭酸カリ ゥムなどの無機塩基、 トリェチルァミン、 N, N—ジイソプロピルエヂルァミン などの有機塩基が挙げられ、 好適には炭酸カリウムが使用される。 ハロ酢酸エス テルおよび塩基の量は、 通常、 化合物 (I I I) に対して約 1 . 0〜約 1 . 5当量、 好適には約 1 . 0〜約 1 . 1当量が使用される。 本反応は、 通常、 約 2 0〜約 7
0 °Cの温度で 0 . 5〜 5時間行われ、 反応終了後、 常法により抽出、 濃縮するこ とにより化合物 (V) が得られる。
本反応は極めて高選択的に進行し、 化合物 (V) が非常に収率よく得られるの で、 化合物 (V) は特に精製を行うことなく次の反応に使用することができる。
(工程 c )
次に、 この化合物 (V) の保護基 Pを適切な条件下に除去することにより、 一 般式 (I ) で表されるビフエ二ルォキシ酢酸誘導体が得られる。
例えば、 保護基 Pとして ter t-ブトキシカルポニル基が使用される場合には、 化合物 (V) を、 適切な溶媒中、 酸を用いることにより tert-ブトキシカルポ二 ル基の除去を行うことができる。 ここで使用される溶媒としては、 例えば、 エタ ノールなどのアルコール類、 酢酸ェチルなどの酢酸エステル類などが挙げられ、 必要に応じてこれらの溶媒を 2種以上混合して使用することができる。 酸として は、 例えば、 塩化水素、 臭化水素または上記溶媒の塩化水素もしくは臭化水素溶 液 (例えば、 1 5 %塩化水素エタノール溶液など) が挙げられ、 好適には塩化水 素溶液が使用される。 これらの酸の量は、 通常、 化合物 (V) に対して約 1 . 0 〜約 2 . 0当量が使用される。 本反応は、 通常、 約 4 0〜約 8 0 °C、 好適には約 6 0〜約 8 0 °Cの温度で 0 . 5〜 5時間行われ、 反応終了後、 常法により抽出、 濃縮することにより化合物 (I ) が得られる。 また、 反応終了後、 そのまま溶媒 を留去することにより、 用いた酸の酸付加塩として化合物 (I ) の塩が得られる。 また、 保護基 Pとしてべンジルォキシカルポニル基が使用される場合には、 化 合物 (V) を、 適切な溶媒 (例えば、 エタノールなど) 中、 金属触媒 (例えば、 パラジウム炭素、 パラジウムブラック、 酸化白金など) の存在下に加水素分解反 応に付すことにより、 ビフエニルォキシ酢酸誘導体 (I ) が得られる。
このように本発明の製造方法では各工程の反応が高選択的に進むので、 ビフエ ニルォキシ酢酸誘導体 (I) が極めて簡便にかつ収率よく得られる。
このようにして得られた本発明の一般式 ( I ) で表される化合物は、 例えば、 以下のスキーム 3に示す工程 a〜 cの反応を行うことにより、 活性化血液凝固第 X因子阻害剤として有用な一般式 (X) で表される 5—ヒドロキシアミジノー 2 —ヒドロキシベンゼンスルホンアミド誘導体へ変換することができる。
(スキーム 3 )
(式中、 R 1 R 2、 R 3、 R 4および R 5は前記と同義である)
(工程 a )
一般式 ( I ) で表される化合物またはその塩と式 (VI) で表されるベンゼンス ルホニルクロリドとを、.適切な溶媒中、 塩基 (例えば、 トリェチルァミン、 炭酸 カリウムなど) の存在下に反応させることにより、 一般式 (VI I) で表される化 合物が得られる。 本反応に使用できる溶媒としては、 例えば、 テトラヒドロフラ ン、 ァセトニトリル、 エタノールなどのアルコール類、 酢酸ェチルなどの酢酸ェ ステル類、 N, N—ジメチルホルムアミド、 N, N—ジメチルァセトアミドなど を挙げることができ、 必要に応じてこれらの溶媒を 2種以上混合して使用するこ とができる。 塩基としては、 例えば、 トリェチルァミン、 ジイソプロピルェチル ァミンなどの有機塩基、 炭酸カリウムなどの無機塩基を使用することができ、 好 適には有機塩基が使用される。 スルホニルクロリド (VI) の量は、 通常、 化合物
W 200
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(I) に対して約 1. 0〜約 1. 5当量、 好適には約 1. 0〜約 1. 1当量が使 用される。 また塩基は、 通常、 化合物 (I) に対して約 1〜約 4当量の範囲から 適宜選択して使用される。 本反応は、 通常、 約 0〜約 60°C、 好適には約 0〜約 30°(:の温度で0. 5〜 3時間行われる。 反応終了後、 常法により抽出、 濃縮す る力 もしくは反応液に水などを加えて晶析することにより、 スルホンアミド誘 導体 (VII) が得られる。
本反応は極めて収率よく進行し、 生成するスルホンアミド誘導体 (VII) は高 純度のものが得られるので特に精製することなく次の反応に使用することができ る。
(工程 b)
• 次にこの化合物 (VII) を不活性溶媒中で脱メチル化し、 得られる化合物 (XV ) を適切な溶媒中、 アルカリ水溶液を用いて加水分解することにより、 一般式 ( VIII) で表される化合物が得られる。
脱メチル化反応に使用される試薬としては、 例えば、 塩化リチウムなどのハロ ゲン化リチウムが挙げられる。 また本反応に使用できる不活性溶媒としては、 えば、 , N—ジメチルホルムアミド、 N, N—ジメチルァセトアミドなどが挙 げられる。 脱メチル化試薬の量は、 通常、 化合物 (VII) に対して約 3〜約 10 当量、 好適には約 4〜約 6当量が使用される。 本反応は、 通常、 100°C〜使用 される溶媒の還流温度、 好適には 130°C〜使用される溶媒の還流温度で 1〜3 時間行なわれ、 反応終了後、 常法により抽出、 濃縮することにより、 フエノール 誘導体 (XV) が得られる。
加水分解反応に使用できる溶媒としては、 例えば、 メタノール、 エタノールな どのアルコール類、 N, N—ジメチルホルムアミド、 N, N—ジメチルァセトァ ミドなどが挙げられる。 加水分解に使用されるアルカリ水溶液としては、 例えば、 水酸化ナトリウム水溶液、 水酸化カリウム水溶液などが挙げられ、 通常、 フエノ —ル誘導体 (XV) に対して約 1. 0〜約 1. 5当量が使用される。 この加水分解 反応は、 通常、 約 0〜約 4 Otで 30分〜 5時間行われ、 反応終了後、 常法によ り、 中和、 抽出、 濃縮することにより、 化合物 (VIII) が得られる。 またこのィ匕 合物 (VIII) は、 濃縮後、 必要に応じてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
水酸化物 (例えば、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸化カルシウムなど ) あるいはアルカリ金属アルコ.キシド (例えば、 ナトリウムメ卜キシド、 ナトリ ゥムエトキシドなど) を用いてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩 (例え ば、 ナトリウム塩、 カリウム塩、 カルシウム塩などで好適にはナトリウム塩) に 変換し、 カルボン酸塩の形態で単離することもできる。
(工程 c )
続いてこの化合物 (VI I I) またはその塩を適切な溶媒 (例えば、 水など) 中、 NH2 OHと反応させることにより、 R 5が水素原子である化合物 (X) が得られ る。 NH2OHの量は、 通常、 化合物 (VIII) に対して約 2〜約 1 0当量、 好適 には約 7〜約 1 0当量が使用される。 本反応は、 通常、 約 1 0〜約 8 0 °Cで 1〜 1 5 0時間、 好適には約 6 0〜約 8 0 で 1〜 4時間行われ、 反応終了後、 塩酸、 硫酸、 リン酸などの酸を用いて中和し、 析出する結晶をろ過することにより、 化 合物 α) が得られる。
R 5が水素原子である化合物 α) は、 必要に応じて酸の存在下に低級アルキ ルアルコールと反応させることにより、 R 5が低級アルキルである化合物 α) に変換することができる。 例えば、 R 5が水素原子である化合物 (X) を、 ハロ ゲン化水素一低級アルキルアルコール溶液中で反応させることにより、 R 5が低 級アルキルである化合物 α) が得られる。 ここで使用されるハロゲン化水素と しては、 例えば、 塩化水素、 臭化水素などが挙げられ、 好適には塩化水素が使用 される。 低級アルキルアルコールとしては、 メタノール、 エタノール、 プロパノ ール、 ブタノールなどが使用される。 このエステル化反応は、 通常、 約 5 0 °C〜 使用される溶媒の還流温度で 1 5分〜 5時間、 好適には約 1 5分〜 2時間行われ、 反応終了後、 常法により抽出、 濃縮することにより、 R 5が低級アルキルである 化合物 (X) が得られる。 また反応終了後、 そのまま濃縮すると用いた酸の酸付 加塩の形態として、 R 5が低級アルキルである化合物 00 が得られる。
本発明の化合物 (I) 、 およびその製造中間体 (III) 、 (V) 、 ならびに本発 明の化合物を使用して製造される一般式 (VI I) 、 (VII I) 、 (XV) 、 (X) 等の 化合物は、 必要に応じて慣用の単離 ·精製手段である溶媒抽出、 再結晶、 クロマ トグラフィ一などの操作を行うことにより、 単離 ·精製することができる。
以上述べてきたように、 本発明の一般式 (I) で表されるビフエ二ルォキシ酢 酸誘導体を経由することにより、 市販の出発原料 (XI) より、 高価な原材料を使 用することなく非常に短い工程数で簡便にかつ収率よく純度の高い一般式 (X) で表される 5—ヒドロキシアミジノー 2—ヒドロキシベンゼンスルホンアミド誘 導体またはその薬理学的に許容される塩を製造することができる。
〔実施例〕
本発明の内容を実施例でさらに詳細に説明する。 なお以下の実施例は本発明を 例示することを意図したものであり、 発明の範囲を限定するものではない。
参考例 1
3— (2—メチルチオフエニル) _ 2—シクロへキセン一 1 _オン
マグネシウム (12. 9 g) およびテトラヒドロフラン (210mL) の混合 物に、 室温にてヨウ素 (400mg) および 2—プロモチオア二ソール (7. 6 g) を一度に加え、 外温 50°Cで撹拌した。 反応開始後、 'さらに 2—プロモチォ ァニソ一ル (92. 4 g) のテトラヒドロフラン (21 OmL) 溶液を 30分間 かけて滴下し、 反応混合物を加熱還流下、 1時間 20分撹拌した。 同条件下、 3 —エトキシー 2—シクロへキセン一 1—オン (53. 1 g) のテトラヒドロフラ ン (105mL) 溶液を滴下し、 さらに加熱還流下、 2時間撹拌した。 反応混合 物に氷冷下、 2mo 1ZL塩酸 (31 OmL) を滴下した。 同条件下で 1 5分撹 拌後、 反応混合物を酢酸ェチル (80 OmL) で 2回抽出した。 有機層を合わせ、 飽和食塩水 (15 OmL) で洗、净した。 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 不溶物をろ去し、 減圧下溶媒留去し、 3— (2—メチルチオフエニル) 一 2—シ クロへキセン一 1一オン (100 g) を赤褐色の油状物として得た。
^-NMR (CDC 13) (5 p pm: 2.14-2.21 (2H, m), 2.45 (3H, s), 2.50 (2H, t, J=7.3Hz), 2.67 (2H, td, J=6.0, 1.6Hz), 6.04 (1H, t,
J=1.6Hz), 7.08 (1H, dd, J-7.6, 1.3Hz), 7.18 (1H, td, J=7.3, 1.6Hz), 7.27-7.35 (2H, m) 参考例 2
3 - (2—メタンスルホニルフエニル) 一 2—シクロへキセン一 1一オン
3- (2—メチルチオフエニル) 一 2—シクロへキセン— 1一オン (59. 0 g) 、 アセトン (50 OmL) および水 (10 OmL) の混合物に、 氷冷撹拌下、 炭酸水素ナトリウム (195 g) を加えた。 続いてォキソン (登録商標) (44 6 g) を 25分間かけて添加し、 室温下で 3時間撹拌した。 反応混合物に氷冷撹 拌下、 亜硫酸ナトリウム (26. 5 g) の水 (17 OmL) 溶液を添加し、 25 分間撹拌した。 不溶物をセライトろ過し、 セライトを酢酸ェチルで洗浄した。 ろ 液を減圧下濃縮した。 残留物に水 (50 OmL) を加え、 酢酸ェチル (600m L) で 2回抽出した。 合わせた有機層を飽和食塩水 (20 OmL) で洗浄し、 無 水硫酸マグネシウムで乾燥した。 不溶物をろ去後、 減圧下溶媒留去し、 3— (2 —メタンスルホニルフエニル) 一 2—シクロへキセン一 1—オン (56. 0 g) を橙褐色の油状物として得た。
^-NMR (CDC 13) δ ppm : 2.15-2.30 (2H, m), 2.54 (2H, t, J=6.8Hz), 2.65-2.75 (2H, m), 3.04 (3H, s), 5.94 (1H, t, J=1.6Hz), 7.24 (1H, dd, J=7.6, 1.1Hz), 7.50-7.60 (1H, m), 7.60-7.70 (1H, m), 8.09 (1H, dd, J=7.8, 1.0Hz) 参考例 3
(3—ヒドロキシー 2' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 4_ィル) 酢酸
97 %硫酸 (25. 3mL) 、 水 (50. 7mL) および 1, 2—ジメトキシ ェタン (60 OmL) の混合物に、 氷冷撹拌下、 3— (2—メタンスルホニルフ 工ニル) 一 2—シクロへキセン— 1—オン (1 18. 9 g) の 1, 2—ジメトキ シェタン (36 OmL) 溶液、 ダリオキシル酸 ·一水和物 (131. 2 g) を順 次加えた。 反応混合物を加熱還流下、 18時間撹拌した。 室温まで放冷後、 反応 混合物に水 (36 OmL) を加え、 トルエン (30 OmL) で抽出した。 水層を テトラヒドロフラン (36 OmL) およびトルエン (12 OmL) の混合溶媒で さらに 3回抽出した。 有機層を合わせ、 2 mo 1ZL水酸化ナトリウム水溶液で 2回抽出した。 得られた水層に氷冷下、 濃塩酸を加えて pHlに調節し、 酢酸ェ チルで 2回抽出した。 合わせ有機層を飽和食塩水で洗浄後、 無水硫酸マグネシゥ
ムで乾燥した。 不溶物をろ去後、 減圧下で溶媒留去し、 黄褐色固体の (3—ヒド 口キシ一 2' —メタンスルホ二ルビフエニル一 4一ィル) 酢酸 (97. 5 g) を 得た。
XH-NMR (DMSO— d6) δ p pm: 2.82 (3H, s), 3.53 (2H, s), 6.78 (1H, dd, J=7.8, 1.4Hz), 6.85 (1H, d, J=1.4Hz), 7.18 (1H, d,
J=7.8Hz), 7.39 (1H, dd, J=7.5, 1.0Hz), 7.60-7.70 (1H, m), 7.70-7.80 (1H, m), 8.08 (1H, dd, J=7.7, 1,3Hz), 9.70 (1H, brs), 12.17 (1H, brs) 参考例 4
(3—ヒドロキシー 2' —メタンスルホ二ルビフエニル— 4 _ィル) ァセトアミ H
(3—ヒドロキシ—2' —メタンスルホ二ルビフエニル—4—ィル) 酢酸 (4 7. 02 g) のテトラヒドロフラン (380mL) 溶液に、 室温にて撹拌下、 無 水酢酸 (72. 4mL) を加え、 50°Cで 2時間撹拌した。 反応混合物に氷冷撹 拌下、 28%アンモニア水 (187mL) を 20分間かけて滴下し、 滴下終了後、 室温でさらに 1時間撹拌した。 有機層を分離後、 水層を酢酸ェチル (250mL ) で 3回抽出した。 合わせた有機層を飽和食塩水 1 50mLで洗浄し、 有機層を 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 不溶物をろ去後、 ろ液を減圧下溶媒留去し、 残留物に水 (250mL) を加え、 室温にて 1時間撹拌した。 得られた結晶を集 め、 水 (l O OmL) で洗浄し、 (3—ヒドロキシ一 2' —メタンスルホ二ルビ フエ二ルー 4 _ィル) ァセトアミド (30. 4 g) を淡褐色固体として得た。 XH-NMR (DMSO— d6) δ . ρ pm: 2.83 (3Η, s), 3.44 (2H, s), 6.79 (1H, dd, J=7.8, 1.5Hz), 6.80-6.90 (1H, m), 7.03 (1H, brs), 7.15 (1H, d, J=7.8Hz), 7.38 (1H, dd, J=7.5, 1.0Hz), 7.46 (1H, brs), 7.60-7.70 (1H, m), 7.70-7.80 (1H, m), 8.08 (1H, dd, J=7.5, 1.3Hz), 9.96 (1H, s) 参考例 5
2 - (3—ヒドロキシ— 2' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 4—ィル) ェチル ァミン
(3—ヒドロキシー 2' —メタンスルホ二ルビフエニル—4—ィル) ァセトァ ミド (3. 78 g) のテトラヒドロフラン.(17m l) 懸濁液に、 氷冷撹拌下、 0. 93mo 1/Lポラン ·テトラヒドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液 (40. OmL) を 10分間かけて滴下した。 この反応混合物を室温で 30分、 続いて加熱還流下、 3時間撹拌した。 反応混合物に、 氷冷撹拌下、 2mo 1/L 塩酸 (25. OmL) を発泡に注意しながら滴下し、 室温下 30分、 続いて 50 °Cで 30分撹拌した。 反応混合物に、 氷冷撹拌下、 2mo 1ZL水酸化ナトリウ ム水溶液 (30. OmL) を加えて pHl 0に調節し、 酢酸ェチル (6 OmL) で 3回抽出した。 合わせた有機層を水 (10 OmL) および飽和食塩水 (100 mL) で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 不溶物をろ去後、 減圧下溶 媒留去し、 粗生成物 (2. 98 g) を得た。 この粗生成物をトルエン—イソプロ パノール (9 : 1 ; 30. OmL) で洗浄し、 2— (3—ヒドロキシー 2' —メ タンスルホ二ルビフエ二ルー 4一ィル) ェチルァミン (2. 62 g) を得た。 ^-NMR (DMS〇一 d6) δ ρ pm: 2.70 (2Η, t, J=5.7Hz), 2.80 (3H, s), 2.80-2.90 (2H, m), 6.00-6.50 (2H, brs), 6.69 (1H, dd, J=7.6, 2.1Hz), 6.73 (1H, d, J=2.1Hz), 7.05 (1H, d, J=7.6Hz), 7.37 (1H, dd, J=7.6, 1.2Hz), 7.60-7.65 (1H, m), 7.65-7.75 (1H, m), 8.07 (1H, dd, J=8.0, 1.3Hz) 実施例 1
[2- (3—ヒドロキシー 2' ' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 4一ィル) ェチ ル] 力ルバミン酸 tert—ブチル
2- (3—ヒドロキシー 2, 一メタンスルホ二ルビフエ二ルー 4一ィル) ェチ ルァミン (2 g) およびテトラヒドロフラン (6. 7mL) の混合物にジ炭酸ジ 一 tert—ブチル (1. 5 g) のテトラヒドロフラン (2. 2mL) 溶液を加えた。 反応混合物を室温で 1時間撹拌した後、 反応液を減圧濃縮し、 [2— (3—ヒド 口キシ一 2, —メタンスルホ二ルビフエニル— 4 _ィル) ェチル] 力ルバミン酸 tert—ブチル (2. 66 g) を得た。
XH-NMR (DMSO-d6) 6 ppm : 1.38 (9H, s), 2.70 (2H, t,
J-7.5Hz), 2.80 (3H, s), 3.1-3.2 (2H, m), 6.4-6.6 (1/lOH, br), 6.76 (1H, dd, J=7.5, 1.8Hz), 6.8-6.9 (1+9/10H, m), 7.10 (1H, d, J=7.6Hz), 7.37 (1H, d, J=7.2Hz), 7.6-7.7 (1H, m), 7.7-7.8 (1H, m), 8.07 (1H, dd, J=8.2, 1.2Hz), 9.57 (1H, s) 実施例 2
[4一 (2—tert—ブトキシカルポニルアミノエチル) 一 2 ' —メタンスルホ二 ルビフエ二ルー 3—ィルォキシ] 酢酸ェチル
[2 - (3—ヒドロキシー 2 ' —メタンスルホ二ルビフエニル— 4一ィル) ェ チル] 力ルバミン酸 tert—ブチル (2. 3 g) 、 炭酸カリウム (1. 22 g) お よび N, N—ジメチルホルムアミド (7. 3mL) の混合物を室温で 3 0分間撹 拌した。 反応混合物にブロモ酢酸ェチル (1. OmL) を加え、 反応混合物を室 温で 2時間撹拌した。 反応混合物にトルエンおよび水を加え、 有機層をさらに 2 回水洗した。 有機層を減圧下濃縮し、 [4— (2— tert—ブトキシカルポニルァ ミノェチル) _ 2 ' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3 _ィルォキシ] 酢酸ェチ ル (2. 6 8 g) を得た。
^-NMR (DMSO— d6) δ p pm : 1.17 (3H, t, J=7.1Hz), 1.37 (9H, s), 2.73 (3H, s), 2.79 (2H, t, J=7.4Hz), 3.1-3.3 (2H, m), 4.13 (2H, q, J-7.1Hz), 4.81 (2H, s), 6.4-6.6 (1/1 OH, br), 6.8-6.9 (9/1 OH, m), 6.9- 7.0 (2H, m), 7.22 (1H, d, J=7.4Hz), 7.39 (1H, d, J-7.4Hz), 7.6-7.7 (1H, m), 7.7-7.8 (1H, m), 8.09 (1H, dd, J=8.1, 1.3Hz) 実施例 3
[4一 (2 _アミノエチル) 一 2 ' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3—ィルォ キシ] 酢酸ェチル ·塩酸塩
[4- (2— tert—ブトキシカルポニルアミノエチル) — 2' —メタンスルホ 二ルビフエ二ルー 3—ィルォキシ] 酢酸ェチル (1 2. 5 g) のエタノール (6 3 g) 溶液に、 1 5%塩化水素エタノール溶液 (9. 5 g) を室温で加えた。 反 応液を 7 0°Cで 2時間撹拌した後、 反応液 83 gのうち 70 gを減圧下濃縮した。
残渣にエタノールを加え、 減圧下濃縮した後、 さらに残渣にエタノールおよびテ トラヒドロフランを加え、 減圧下濃縮した。 この残渣にテトラヒドロフラン (5 2 g) を加え、 50°Cで溶解させた。 この溶液を室温まで冷却後、 析出した結晶 をろ取し、 [4— (2—アミノエチル) 一 2 ' —メタンスルホ二ルビフエニル一 3—ィルォキシ] 酢酸ェチル ·塩酸塩 (8. 8 g) を得た。
Ή-NMR (DMSO— d6) δ p pm : 1.18 (3H, t, J=7.2Hz), 2.78 (3H, s), 2.9-3.0 (2H, m), 3.0-3.2 (2H, m), 4.14 (2H, q, J=7.2Hz), 4.87 (2H, s), 7.00 (1H, dd, J=7.6, 1.6Hz), 7.03 (1H, d, J=1.4Hz), 7.28 (1H, d, J=7.5Hz), 7.37 (1H, dd, J=7.7, 1.1Hz), 7.6-7.7 (1H, m), 7.7-7.8 (1H, m), 7.8-8.0 (3H, br), 8.10 (1H, dd, J=8.0, 1.2Hz) 実施例 4
' [4一 [2— (5—シァノ— 2—メトキシベンゼンスルホニルァミノ) ェチル] - 2 ' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3—ィルォキシ] 酢酸ェチル
[4- (2—アミノエチル) — 2, 」メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3—ィル ォキシ] 酢酸ェチル ·塩酸塩 (0. 260 g) のエタノール (1. 8 g) 懸濁液 にトリエチルァミン (0. 1 53 g) を加えた。 反応混合物を 50°Cに加熱して 溶液とした後、 室温まで冷却した。 反応液に 5 _シァノ— 2—メトキシベンゼン スルホニルクロリド (0. 1 60 g) のテトラヒドロフラン (1. O g) 溶液を 室温で加え 1時間撹拌後、 水 (1. 3 g) を加えた。 反応混合物を室温で 2時間 撹拌後、 さらに塩氷浴中で 4時間撹拌した。 析出した結晶をろ取して [4一 [2 一 (5—シァノ— 2—メトキシベンゼンスルホニルァミノ) ェチル] 一 2, —メ タンスルホ二ルビフエ二ルー 3—ィルォキシ] 酢酸ェチル (0. 3 02 g) を得 た。
^-NMR (CDC 1 3) δ p m : 1.28 (3H, t, J=7.2Hz), 2.59 (3H, s), 2.95 (2H, t, J=6.6Hz), 3.33 (2H, q, J=6.4Hz), 3.99 ( 3H, s), 4.23 (2H, q, J=7.1Hz), 4.68 (2H, s), 5.40 (1H, t, J=6.1Hz), 6.95 (1H, dd, J=1.6, 7.5Hz), 7.04 (1H, d, J=1.4Hz), 7.08 (1H, d, J=9.0Hz), 7.20 (1H, d, J=7.5Hz), 7.36 (1H, dd, J=1.2, 7.6Hz), 7.5-7.6 (1H, m), 7.6-7.7 (1H, m),
7.80 (1H, dd, J=2.2, 7.5Hz), 8.2-8.3 (2H, m) 実施例 5
[4— [2- ( 5 _シァノ一2—ヒドロキシベンゼンスルホニルァミノ) ェチル ] 一 2' —メタンスルホニレビフエ二ルー 3 _ィルォキシ] 酢酸ナトリウム
[4— [2- (5—シァノー 2—メトキシベンゼンスルホニルァミノ) ェチル ] -2 ' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3—ィルォキシ] 酢酸ェチル (35. 5 g) の N, N—ジメチルホルムアミド (110 g) 溶液に塩化リチウム 13. l gを加えた。 反応液を 1時間還流した後、 反応液に 1 5 °Cで 7. 2%水酸化ナ トリウム水溶液 (35. 9 g) を加えた。 反応液を 15 °Cで 1時間撹拌した後、 反応液に 5 °Cで 17. 6%リン酸 (103 g) を加え、 さらに酢酸ェチル (27 0 g) を加えた。 有機層を分離した後、 得られた水層をさらに酢酸ェチル (89 g) で抽出した。 合わせた有機層を食塩水で洗浄した後、 有機層にジイソプロピ ルェ一テル (36 g) を加えた。 有機層を食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾 燥した。 乾燥剤をろ過した後、 得られた溶液を減圧濃縮した。 残渣をェタノ—ル (140 g) に溶解させた後、 5 °Cで 28%ナトリウムメトキシド—メタノール 溶液 (1 1. 6 g) 及びエタノール (18 g) を加えた。 反応混合物を減圧濃縮 した後、 残渣にメタノール (110 g) を加えた。 残渣を還流温度で溶解させた 後、 60°Cでエタノール (230 g) 加えた。 反応混合物を 60°Cで 1時間撹拌 し、 室温で一晚静置後、 更に氷浴中で 1時間撹拌した。 析出した結晶をろ取して 4— [2— (5—シァノー 2—ヒドロキシベンゼンスルホニルァミノ) ェチル] -2' —メタンスルホ二ルビフエニル—3—ィルォキシ] 酢酸ナトリウム (29. 9 g) を得た。
^-NMR (DMSO-d6) δ ppm : 2.71 (3H, s), 2.75-2.85 (2H, m), 3.10-3.25 (2H, m), 4.39 (2H, s), 6.73 (1H, d, J=8.5Hz), 6.80-6.90 (2H, m), 7.17 (1H, d, J=8.2Hz), 7.40 (1H, dd, J=7.6, 1.3Hz), 7.49 (1H, dd, J=8.8, 2.2Hz), 7.60-7.70 (1H, m), 7.70-7.80 (2H, m), 8.08 (1H, dd, J=8.2, 1.3Hz)
実施例 6
[4— [2- (2—ヒドロキシー 5— (N—ヒドロキシカルバミミドイル) ベン ゼンスルホニルァミノ) ェチル] —2' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3—ィ ルォキシ] 酢酸
4- [2 - (5—シァノー 2—ヒドロキシベンゼンスルホニルァミノ) ェチル ] -2' —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3—ィルォキシ] 酢酸ナトリウム (2 8. 8 g) の水 ( 144 g) 懸濁液に 50 %ヒドロキシァミン水溶液 (27. 6 g) を加えた。 反応混合物を 70°Cで 2. 5時間撹拌した後、 反応混合物に 25 t:でァセトニトリル (86 g) 、 さらに 4%塩酸 (310 g) を加えた。 反応混 合物を同温で 30分間撹拌した後、 析出した結晶をろ取して [4— [2- [2- ヒドロキシ— 5— (N—ヒドロキシカルバミミドイル) ベンゼンスルホニルアミ ノ] ェチル] 一 2, —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3—ィルォキシ] 酢酸 (2 7. 0 g) を得た。
^-NMR (DMSO— d6) δ p pm: 2.73 (3H, s), 2.75-2.85 (2H, m), 3.05-3.15 (2H, m), 4.67 (2H, s), 6.85-6.95 (2H, ra), 7.16 (1H, d,
J=7.9Hz), 7.24 (1H, d, J=8.5Hz), 7.35-7.50 (2H, m), 7.66 (1H, td, J=7.6, 1.3Hz), 7.70-7.85 (2H, m), 8.00-8.10 (2H, m), 8.45-9.60 (1H, br), 10.80- 13.30 (3H, br) 実施例 7 . .
[4— [2 - [2—ヒドロキシ一5 _ (N—ヒドロキシカルバミミドイル) ベン ゼンスルホニルァミノ] ェチル] 一 2' —メタンスルホ二ルビフエニル— 3—ィ ルォキシ] 酢酸 n—ブチル塩酸塩
3%塩化水素一 n—ブタノ一ル溶液 (90 g) に [4— [2- [2—ヒドロ キシー 5— (N—ヒドロキシカルバミミドイル) ベンゼンスルホニルァミノ] ェ チル] —2' —メタンスルホ二ルビフエニル— 3—ィルォキシ] 酢酸 (10. 0 g) を加え 70°Cで 1時間 30分撹拌した。 反応液を減圧下に濃縮後、 濃縮残渣 に n—ブ夕ノール (40 g) を加え 8 Otで加熱溶解した。 反応液を 40°Cに冷 却し、 接種後、 酢酸イソプロピル (70 g) を加え 1時間 30分撹拌し、 更に室
温で 1時間、 氷浴中で 3時間撹拌した。 析出した結晶をろ取して [4一 [2- [ 2—ヒドロキシー 5— (N—ヒドロキシカルバミミドイル) ベンゼンスルホニル ァミノ] ェチル] —2, —メタンスルホ二ルビフエ二ルー 3 _ィルォキシ] 酢酸 n—ブチル塩酸塩 (8. 99 g) を得た。 ''
^-NMR (DMSO— d6) δ ppm: 0.78 (3H, t, J=7.6Hz), 1.15- 1.30 (2H, in), 1.40-1.55 (2H, m), 2.72 (3H, s), 2.75-2.85 (2H, m), 3.05- 3.15 (2H, m), 4.05 (2H, t, J=6.6Hz), 4.78 (2H, s), 6.90-6.95 (2H, m), 7.18 (1H, d, J=7.6Hz), 7.20-7.30 (1H, m), 7.37 (1H, d, J-7.6Hz), 7.42- 7.50 (1H, in), 7.66 (1H, td, J=7.6, 1.3Hz), 7.72-7.82 (2H, m), 8.02-8.10 (2H, m), 8.60-9.60 (1H, br), 10.85-11.30 (1H, br), 11.80-12.20 (1H, br), 12.50-13.05 (lH,br)
〔産業上の利用可能性〕
本発明の一般式 (I) で表されるビフエニルォキシ酢酸誘導体を経由すること により、 市販の出発原料 (XI) より高価な原材料を使用することなく、 非常に短 い工程数で簡便にかつ収率よく純度の高い一般式 (X) で表される 5—ヒドロキ シアミジノ— 2—ヒドロキシベンゼンスルホンアミド誘導体またはその薬理学的 に許容される塩を製造することができる。 従って該ビフエニルォキシ酢酸誘導体 (I) は、 活性化血凝固第 X因子阻害剤のための製造中間体として極めて有用で ある。