WO2004049995A1

WO2004049995A1 - 縦長の吸収性物品

Info

Publication number: WO2004049995A1
Application number: PCT/JP2003/015388
Authority: WO
Inventors: Kenichiro Kuroda; Jun Kudo; Masataka Kinoshita; Takuya Miyama; Tatsuya Tamura; Shimpei Komatsu
Original assignee: Uni-Charm Corporation
Priority date: 2002-12-05
Filing date: 2003-12-02
Publication date: 2004-06-17
Also published as: TW200423909A; CN1303960C; KR100904473B1; CN1703182A; JP4198978B2; AU2003284529A1; KR20050084841A; JP2004181086A; TWI234452B; MY134872A

Abstract

　前方部分（２０Ａ）と後方部分（２０Ｂ）からなる中央領域（２０）に液透過孔（２５）とエンボス部（２６）とが分布している縦長の吸収性物品が開示されている。（前方部分（２０Ａ）の液透過孔（２５）の占める面積の総和）／（前方部分（２０Ａ）の面積）で現される開孔密度は、（後方部分（２０Ｂ）の液透過孔（２５）の占める面積の総和）／（後方部分（２０Ｂ）の面積）の開孔密度よりも高く、（後方部分（２０Ｂ）のエンボス部（２６）の占める面積の総和）／（後方部分（２０Ｂ）の面積）で現されるエンボス密度は、（前方部分（２０Ａ）のエンボス部（２６）の占める面積の総和）／（前方部分（２０Ａ）の面積）のエンボス密度よりも高い。

Description

明細^ 縦長の吸収性物 PP 関連出願の表示

本出願は、 2 0 0 2年 1 2月 5日出願の日本国特許出願第 2 0 0 2— 3 5 4 1 8 1号に基づく優先権を主張して出願されている。上記日本国特許出願の開示内容は、本明細書の開示の一部として援用する。技術分野

本発明は、女性性器から排泄される経血などの吸収に適した吸収性物品に係り、特に、着用者の身体の膣口から臀部までを覆う縦長の吸収性物品に関する。背景技術

女性性器から排泄される経血を吸収する吸収性物品の一般的な構造は、肌側表面に位置する液透過性の表面シートと、着衣側表面に位置する液不透過性の裏面シ一トと、前記表面シ一トと裏面シートの間に介在する液吸収層とを有するものであり、通常は下着のクロツチ布の内面に前記裏面シートが感圧接着層を介して接着された状態で着用される。前記吸収性物品では、肌側表面に与えられる経血を確実に捕捉して、吸収性物品からの液の横洩れ及び液の後漏れを防止する機能が要求され

特に生理中の女性が就寝時に着用する吸収性物品では、吸収性物品の横方向からの経血の洩れを防止すると共に、着用者の身体を伝わって肛門から臀部の溝に向かって流れ出ようとする経血、または吸収性物品の肌側表面に沿って後方へ流れようとする経血を外に漏らさないことが求められる。そのため、特開 2 0 0 1— 9 5 8 4 2号及び特開 2 0 0 1 - 1 2 9 0 1 8号に記載のように、就寝時に使用される吸収性物品は、日中に使用するものよりも縦方向に長く形成され、その肌側表面で膣口の前方の恥丘から肛門よりも後方の臀部までの広い範囲を覆うことができるようにしている。

前記縦長の吸収性物品では、膣口に対向する部分から肛門や臀部の溝にかけて対向する部分までの広い範囲において、液透過孔が均一に分散した表面シートが用いられることが多い。例えば、表面シートとして、広い範囲で液透過孔が均一に分散して形成された不織布、または液透過孔が均一に分散した樹脂フィルムが用いられる。

しかし、前記不織布は、多数の液透過孔を形成することによりその表面の摩擦強度が低くなるため、寝返りなどの身体の姿勢の変化で臀部の溝に挟まれている後方部分に大きな力が作用すると、液透過孔の周囲の繊維が毛羽立ったり、さらには液透過孔の周囲から破れが生じる心配がある。

また、液透過孔が形成された前記樹脂フィルムが用いられる場合、この樹脂フィルムが薄くて軟質である場合には、前記のような姿勢の変化により、肛門や臀部の溝に密着している部分で表面シートに皺が発生しやすい。そのため、前記のように薄い樹脂フィルムを用いる場合には、樹脂フィルムとその下に位置する層との間をホッ，トメルト接着剤で接着して下の層で樹脂フィルムを拘束できるようにしている。しかし前記ホットメルト接着剤は、表面シ一トからその下の層への経血の浸透を妨げることになる。

すなわち、膣口から臀部の溝までを覆う縦長の吸収性物品において、膣口に対向し一時に多くの経血を受け取ることになる前方部分では経血を迅速に液吸収層に導くことが要求され、一方、肛門や臀部の溝に対向する後方部分は、液の吸収の迅速さではなく少量の経血を留めて外部に漏らさないことに効果的であることが求められる。後方部分ではさらに、臀部の溝内での圧縮や臀部との摩擦による毛羽立ちや破れを防止し、あるいは皺の発生を抑える.だけの耐久性や接合強度が要求される。このように、要求される機能の相違する様々な部分を覆う表面シートに対し、液透過孔を均一に分布させるのは、最良な構造とはいえない。

本発明は上記従来の課題に鑑み成されたものである。よって本発明の目的は、膣口に対向する前方部分では、経血の透過の迅速性を実現でき、臀部の溝に対向する後方部分では、経血の洩れの抑制機能と、さらに表面強度や接合強度を高めることのできる吸収性物品を提供することでのる。発明の開示

本発明の第 1の面においては、肌側表面と着衣側表面とを有し、肌側表面に位置する液透過性の表面シ一トと、着衣側表面に位置する裏面シ

—トと、前記表面シ一トと前記裏面シートとの間に位置する液吸収層を備えた縦長の吸収性物品が供せられ、

表面シートと共に液吸収層が圧縮されている圧縮溝が吸収性物品の縦方向中心線に関して対称に延びるよう配置され、その間に縦長の中央領域が形成され、前記中央領域は前方部分と後方部分からなり、

前記中央領域では、表面シートを形成する不織布に、少なくとも前記表面シートを貫通する液透過孔と、少なくとも前記表面シートが圧縮されたドット状のエンボス部が形成されており、

(前方部分の液透過孔の占める面積の総和） / (前方部分の面積）で現される閧孔密度が、（後方部分の液透過孔の占める面積の総和）/ (後方部分の面積）の開孔密度よりも高く、（後方部分のエンボス部の占める面積の総和） / (後方部分の面積）で現されるエンボス密度が、（前方部分のエンボス部の占める面積の総和） / (前方部分の面積）のェンボス密度よりも高いものである。

この本発明の第 1の面における吸収性物品は、表面シートが不織布で形成されているため、着用者の身体への接触感触が軟質である。不織布の液透過孔が形成されている部分は、経血が前記液透過孔内を自重で落下するように通過するため、経血が速く透過できる。一方、不織布に形成されたエンボス部では、繊維密度がかなり高くなり、毛細管作用により経血を強く引き込むことができる。すなわち液透過孔は経血を引き付ける力は弱いが、経血の透過が迅速であり、エンボス部は経血の透過速度は遅いが経血を引き付ける力が強い。

前記中央領域の前方部分に液透過孔を多く形成することにより、膣口から排泄された経血を短時間に液吸収層に移行させることができ、後方部分では、前方部分から少しずつ移行してくる経血をエンボス部で引き止めて外部への洩れを防止できる。

そして、後方部分に多くのエンボス部を配置することにより、後方部分の不織布の表面の摩擦強度を高めることができ、後方部分に臀部の溝からの力が与えられたときに、毛羽立ちや破れの発生などを防止できる ₍ また、前方部分はエンボス部の数が少ないため、エンボス部が膣口などに当たる確率が低くなり、前方部分において膣口などへの刺激が少なくなって装着感が優れたものになる。

また本発明の第 1の面における吸収性物品は、前記表面シートが熱融着性繊維を含み、前記表面シートの下には、熱融着性繊維を含むセカンド層が設けられており、前記液透過孔が、前記表面シートから前記セカンド層にかけて形成されて、前記液透過孔の内面で表面シートとセカンド層とが融着されており、前記エンボス部では、前記表面シートと前記セカンド層が一緒に圧縮され、且つ融着されているものとして構成できこの場合、表面シートとセカンド層が液透過孔の周囲で接合されているため、表面シートがセカンド層で補強され、着用者の身体からカを受けたときに表面シートに皺が発生しずらく、液透過孔の部分から表面シートに破れが生じるのを防止できる。そのため、前記液透過孔を大きな閧孔寸法のものとすることも可能である。また後方部分で、表面シートとセカンド層が一緒に圧縮されたエンボス部が形成されていると、後方部分においても表面シートがセカンド層で補強される。また表面シ一トとセカンド層を一緒に圧縮するとエンボス部の周囲が嵩高となり、ェンボス部が着用者の身体に硬質感を与えにくくなる。

前記のように、補強機能を発揮し、また嵩高とするためには、前記セカンド層の目付けが、前記表面シートの目付けよりも大きいことが好ましい。

また、本発明の第 1の面における吸収性物品は、前記前方部分には、前記液透過孔が形成されているが、前記エンボス部は形成されていないものとして構成できる。

前方部分に液透過孔のみを形成することにより、前方部分の全域が軟質となり、膣口やその周辺への密着感触が軟質で良好になる。

この場合に、前記後方部分で隣接する前記エンボス部の中心間距離の平均値が、前記前方部分で隣接する前記液透過孔の中心間距離の平均値よりも大きいことが好ましい。

前方部分で液透過孔の開孔密度を高くしておくことにより、膣口から排泄される経血を前記液透過孔から速やかに液吸収層に移行させる'ことができる。また後方部分へ移行しょうとする絰血は前方部分に与えられる経血に比べて少ないため、エンボス密度が低くても後方への移行を充分に阻止できる。また後方部分でのエンボス密度を低くすることにより、後方部分が硬くなりすぎるのを防止でき、着用者の身体との接触感触を柔らかくできる。

本発明の第 2の面においては、肌側表面と着衣側表面とを有し、肌側表面に位置する液透過性の表面シートと、着衣側表面に位置する裏面シートと、前記表面シ一トと前記裏面シートとの間に位置する液吸収層を備えた縦長の吸収性物品が供せられ、

前記中央領域の全域にわたり、液透過孔が表面シ一トに均一に分布し、前記表面シートが圧縮されたドット状のエンボス部が、（後方部分のェンボス部の占める面積の総和） / (後方部分の面積）で現されるェンボス密度が、（前方部分のエンボス部の占める面積の総和） / (前方部分の面積）のエンボス密度よりも高くなるよう前記中央領域に配置されているものである。

この本発明の第 2の面における吸収性物品においても、主に後方部分にエンボス部を配置することにより、エンボス部が膣口およびその周辺に刺激を与えることがない。また後方へ移行しょうとする経血を密度の高いエンボス部で引き付けることができる。

本発明の第 2の面においては、表面シートは不織布で形成されたものに限られず、液透過孔が形成された樹脂フィルムであってもよい。

この場合に、前記エンボス部により、表面シートとその下の層との接合性を良好にでき、臀部の溝などとの摩擦によって表面シートに皺が発生するのを防止できる。また、エンボス部により表面シートの下の層の密度を高めることにより、この密度の高い部分で、後方へ移行しようとする経血を留める機能を発揮できる。

前記樹脂フィルムの表面シートの下には、熱融着性繊維を含むセカンド層が設けられており、前記エンボス部では、前記表面シートと前記セカンド層が一緒に圧縮され、融着されていることが好ましい。

これにより、後方部分において、樹脂フィルムの表面シートとセカンド層をホットメルト接着剤を過剰に用いることなく一体化でき、またェンボス部で、セカンド層め繊維密度を高くでき、エンボス部で経血を強く引き付けることができる。

また、吸収性物品を前記前方部分には前記エンボス部が形成されていない構造にすると、前方部分が膣口およびその周辺に密着したときに、着用者の肌へ与える刺激を少なくできる。

以上のように本発明は、前記前方部分は、着用者の膣口に対向する領域であり、前記後方部分は、前記膣口から外れた後方部分に対向する領域である縦長の吸収性物品において有用である。図面の簡単な説明

本発明は以下の詳細な説明及び添付の本発明の好適な実施の形態の図面からより詳しく理解されるものであるが、しかしながらこれらは本発明を限定するものではなく、単に説明及び理解のためのものである。図面において、

図 1は本発明の吸収性物品の第 1の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図、

図 2は図 1に示す生理用ナプキンが下着のクロツチ部に装着された状態を示す、 I I— I I線（横方向基準線）での断面図、

図 3は前方部分に形成された液透過孔の開孔状態を示す拡大断面図、図 4は後方部分に形成されたエンボス部の形成状態を示す拡大断面図、図 5は本発明の第 2の実施の形態と第 3の実施の形態の生理用ナプキンを部分的に示す平面図、

図 6は生理用ナプキンが着用者の身体に取り付けられた状態を示す断面説明図。発明を実施するための最良の形態

以下、添付の図面を参照し、本発明に準じた好ましい実施の形態において本発明を詳述する。以下の記載においては本発明を完全にご理解頂く為に幾多の具体的細部が挙げられている。しかしながら、こうした具体的細部無しであっても本発明が為し得ることは当業者には自明なことである。また、本発明が無意味に不明瞭なものとなることを避けるため、公知な構造について詳細に示すことはしていない。

本発明の吸収性物品は、女性の膣口から排泄される経血を吸収することを主な目的とする生理用ナプキンとして使用される。また吸収性物品の 2つの表面のうち着用者の股間部に向けられる表面を肌側表面とし、反対側の表面は、その外側に着衣が着用されるか否かに拘らず着衣側表面と表現する。

ここで用いられる縦方向中心線との用語は、吸収性物品を横方向に二分して縦方向に延びる線を意味する。一方、横方向基準線との用語は、必ずしも吸収性物品を縦方向に二分して横方向に延びる線を意味せず、着用中に膣口に当たることになつている部分でその縦方向の中心を横切って横方向に延びる線を意味している。

また以下の実施の形態で示すように、吸収性物品の中央領域に液透過孔とエンボス部とが形成されているが、本明細書では、単位面積（この面積は任意であるが例えば 1 0 0 mm 2 ) あたりの液透過孔の数、および前記単位面積あたりのエンボス部の数を、それそれ液透過孔の密集度、エンボス部の密集度とする。

また、中央領域を前方部分と後方部分に区分しているが、（前方部分の液透過孔の占める面積の総和） / (前方部分の面積）を、前方部分での開孔密度、（後方部分の液透過孔の占める面積の総和） / (後方部分の面積）を、後方部分での開孔密度、（前方部分のエンボス部の占める面積の総和） / (前方部分の面積）を、前方部分のエンボス密度、（後方部分のエンボス部の占める面積の総和） / (後方部分の面積）を、後方部分のエンボス密度とする。

図 1は本発明の吸収性物品の第 1の実施の形態として生理用ナプキン 1を肌側表面を上向きにして示した平面図、図 2は、図 1の生理用ナプキンが下着のクロツチ布に取り付けられた状態を示す I I— I I線 (横方向基準線）での断面図、図 3は前記生理用ナプキンの中央領域の前方部分を示す拡大断面図、図 4は前記生理用ナプキンの中央領域の後方部分を示す拡大断面図である。

図 1に示す生理用ナプキン 1は、生理中の女性が就寝時などに着用するのに適した縦長のものであり、縦方向の全長寸法は、ほぼ 2 0 0〜3 8 0 mmである。

生理用ナプキン 1は、縦方向中心線 O y— O yから横方向に等距離を開けて縦方向に延びる右側縁部 1 aと左側縁部 1 bを有し、横方向基準線 O x _ O xから前後に間隔を開けた突曲線形状の前縁部 1 cおよび後縁部 1 dを有している。横方向基準線 O x— O xから前縁部 1 cまでの距離よりも、横方向基準線 O x— O xから後縁部 1 dまでの距離の方が長くなつている。

前記右側縁部 1 aと左側縁部 1 bは、横方向基準線 O x— O xを含む縦方向の所定の長さ範囲において左右両側に突出して、この突出部分でウィング部 1 A， 1 Aが形成されている。さらにウィング部 1 A , 1 A よりも後方では、前記右側縁部 1 aと左側縁部 1 bは横方向の対向間隔が後方に向かって徐々に広がるように曲線形状に形成されており、この広がり部分で後方フラヅプ 1 B， 1 Bが形成されている。

図 2の断面図に示すように、この生理用ナプキン 1は、着衣側表面に現れる液不透過性の裏面シート 2と、肌側表面に現れる液透過性の表面シート 3を有している。前記裏面シ一ト 2と前記表面シート 3との間には液吸収層 4が介在し、表面シ一ト 3と液吸収層 4との間にセカンド層 5が設けられている。図 1において点線で示すように、この液吸収層 4 は、前縁部 1 cの内側から後縁部 1 dの内側にかけて、また前記ウィング部 1 A， 1 Aと後方フラップ I B , 1 Bを除く広い範囲に設けられている。

生理用ナプキン 1は、少なくとも表面シート 3と前記液吸収層 4とが局部的に加圧され且つ加熱されて、肌側表面に現れる圧縮溝 1 0が形成されている。すなわち、この圧縮溝 1 0は、加熱口一ラを用いたェンボス加工によって形成される。前記液吸収層 4と表面シ一ト 3が重ねられた状態で、液吸収層 4の表面に表面がフラットなロールが当てられ、表面シート 3の表面にエンボスパターンの凸部を有する加熱ロールが当てられて、加圧され且つ加熱されて形成される。

前記圧縮溝 1 0は、前記液吸収層 4および表面シート 3がほぼフィルム状に圧着された高密度圧縮部と、フィルム状にはなっていないが圧縮溝 1 0以外の領域よりも高密度となった中密度圧縮部とを有している。この高密度圧縮部と中密度圧縮部は交互し、生理用ナプキン 1の肌側表面が裏面シ一ト 2側へ窪んだ、連続的な凹溝となっている。

図 1に示すように、前記圧縮溝 1 0は符号 1 1ないし 1 7で示す各圧縮溝に区分される。縦方向中心線 0 y— 0 yに関して対称に、縦方向に延びる内側圧縮溝 1 1， 1 1が形成されている。前記内側圧縮溝 1 1， 1 1には、前方曲線部 1 1 A, 1 1 As 変曲部 1 1 B, 1 1 B、及び後方傾斜部 1 1 D, 1 1Dが含まれる。この前方曲線部 1 1 A， 1 1 Aは、横方向基準線◦ X— Oxの部分でその対向間隔が狭くなるように、縦方向中心線 Oy— Oyに凸側が向けられる円弧曲線である。前記前方曲線部 1 1 A, 1 1 Aが横方向基準線 Ox— Oxから後方（後縁部 1 dの方向）に向かって延びるにしたがって、前記内側圧縮溝 1 1， 1 1の対向間隔が徐々に広くなる。そして、変曲部 1 1 B， 1 1 Bにおいて前記対向間隔が最も広くなり、変曲部 1 1 B, 1 1 Bから後方に向かうにしたがってその対向間隔が徐々に狭くなる後方傾斜部 1 ID, 1 1Dが形成されている。前記前方曲線部 1 1A, 1 1 Aの前端において、左右の内側圧縮溝 1 1と内側圧縮溝 1 1とが、前方連結圧縮溝 12により連結されている。この前方連結圧縮溝 12は、前縁部 1 cに凸側が向けられる曲線形状である。

前記前方曲線部 1 1 A, 1 1 Aと前記前方連結圧縮溝 12との境界から、前縁部 1 cに向けて延長圧縮溝 13, 13がさらに延びている。この延長圧縮溝 13, 13は、縦方向中心線 Oy— Oyに関して対称に配置されている。

前記後方傾斜部 1 1D， 1 IDの後端において、内側圧縮溝 1 1と内側圧縮溝 1 1とが後方連結圧縮溝 14により連結されている。後方連結圧縮溝 14は、後縁部 1 dに凸側が向けられる曲線形状である。

このように、前記内側圧縮溝 1 1， 1 1、前方連結圧縮溝 12、延長圧縮溝 13， 13、および後方連結圧縮溝 14は、全て連続して形成されている。また、前記内側圧縮溝 1 1 , 1 1、前方連結圧縮溝 12、および後方連結圧縮溝 14により、生理用ナプキン 1の肌側表面の所定範囲が囲まれて、この囲まれた範囲が中央領域 20となっている。この中央領域 20は、縦方向中心線 Oy— Oyに対して左右対称であり、横方向基準線 Ox— Oxよりも前方の部分が横方向基準線 Ox— Oxよりも後方の部分より短い縦長形状である。

内側圧縮溝 1 1, 1 1の前方曲線部 1 1A, 1 1 Aの左右両外側には、前方外側圧縮溝 15， 15が形成されている。この前方外側圧縮溝 15, 15は、前記横方向基準線 Ox— Oxを中心として縦方向の前後の所定長の範囲に形成されている。前記前方外側圧縮溝 15, 15は、前記前方曲線部 1 1A， 1 1 Aと相似の曲線形状である。

一方、前記内側圧縮溝 1 1 , 1 1の後方傾斜部 1 1 D , 1 1 Dの左右両外側には、後方外側圧縮溝 16 , 16が設けられている。前記後方外側圧縮溝 1 6 , 1 6は、後縁部 1 dに向かうにしたがって間隔が徐々に狭くなるように傾斜し、左右の後方外側圧縮溝 1 6と 1 6が後方連結圧縮溝 17で連結されている。前記後方外側圧縮溝 16， 1 6と前記後方連結圧縮溝 17は連続して形成されており、後方連結圧縮溝 17は、後縁部 1 dに凸側が向けられた曲線形状である。

前記中央領域 20は、前方部分 2 OAと後方部分 20Bからなる。この前方部分 20 Aと後方部分 20 Bの境界の位置および前方部分 20 Aと後方部分 20 Bの縦方向の長さ寸法は、生理用ナプキン 1の縦方向の長さ寸法により相違する。図 6に示すように女性の身体に着用したとき、前方部分 20 Aは膣口（N) に対向し、後方部分 20 Bは膣口（N) に対向することなく、肛門（P) 及び臀部の溝（Q) を含む箇所に対向 9 る。

図 1に示す実施の形態では、内側圧縮溝 1 1 , 1 1の前記変曲部 1 1 B， 1 1 Bのそれそれの頂部を結ぶ線から前記前方連結圧縮溝 12までが前方部分 20Aであり、前記変曲部 1 1 B， 1 I Bのそれそれの頂点を結ぶ線から前記後方連結圧縮溝 1 4までが後方部分 2 0 Bである。

図 1に示すように、前記セカンド層 5は、前記中央領域 2 0に設けられて物品の縦方向に長辺が向けられた長方形であり、セカンド層 5の長辺である左右両側縁部 5 a , 5 aは、前記内側圧縮溝 1 1 , 1 1よりも縦方向中心線 0 y— 0 y側に位置し、セカンド層 5は、内側圧縮溝 1 1 , 1 1に掛かっていない。セカンド層 5の一方の短辺である前縁部 5 bは、前方連結圧縮溝 1 2よりもやや横方向基準線 O x— O xに近い側に位置し、セカンド層 5が前方連結圧縮部 1 2に掛かっていない。一方、セカンド層 5の後部は後方連結圧縮溝 1 4を横断し、セカンド層 5の他方の短辺である後縁部 5 cは、後方連結圧縮溝 1 4よりも後方で且つ後方連結圧縮溝 1 7よりも前方に位置している。

なお、セカンド層 5の前部が前方連結圧縮溝 1 2を横断して前縁部 5 bが、前方連結圧縮溝 1 2と前縁部 1 cとの中間に位置してもよいし、セカンド層 5の前縁部 5 bが生理用ナプキン 1の前縁部 1 cまで延び、後縁部 5 cが生理用ナプキン 1の後縁部 1 dまで延びていてもよい。

前記中央領域 2 0では、その前方部分 2 O Aに、多数の液透過孔 2 5 が規則的に配列して設けられており、後方部分 2 0 Bには、多数のドット状のエンボス部 2 6が規則的に配列して設けられている。図 1では、液透過孔 2 5とエンボス部 2 6とを図面上で区別しやすいように、便宜上、エンボス部 2 6を黒丸で示している。しかし実際の製品でエンボス部 2 6が黒く着色されているものではない。

前記前方部分 2 O Aには、前記液透過孔 2 5が形成されているが、ェンボス部 2 6は形成されていない。すなわち、前方部分 2 0 Aでは、隣接する液透過孔 2 5と液透過孔 2 5との間にエンボス部 2 6が存在していない。ただし、図 1に示すように前方部分 2 0 Aと後方部分 2 0 B との境界部の限られた領域内で、前記液透過孔 2 5とエンボス部 2 6とが混在することを妨げるものではない。

この実施の形態では、個々の液透過孔 2 5が円形であるが、液透過孔 2 5が長円形であってもよいし、個々の液透過孔 2 5が短いスリットであってもよい。

この実施の形態では、後方部分 2 0 Bに、エンボス部 2 6のみが設けられている。すなわち、後方部分 2 0 Bには液透過孔 2 5が設けられていない。ただし、前記後方部分 2 0 Bにおいて、エンボス部 2 6に液透過孔 2 5が混在していてもよい。後方部分 2 0 Bに液透過孔 2 5が形成されている場合に、後方部分 2 0 Bでの液透過孔 2 5の数が、エンボス部 2 6の数よりも少ないことが好ましい。あるいは、（後方部分 2 0 B の液透過孔 2 5の占める面積の総和） / (後方部分 2 0 Bの面積）で現される開孔密度が、（後方部分 2 0 Bのエンボス部 2 6の占める面積の総和） / (後方部分 2 0 Bの面積）で現されるエンボス密度よりも低いことが好ましい。

この実施の形態では、ドット状のエンボス部（すなわち、ドットパ夕

—ンに配列するエンボス部） 2 6の個々の形状は円形である。しかしこの明細書で意味するドット状のエンボス部 2 6は、前記のように円形のものに限られるものではなく、長円形状、短い直線形状、その他の形状であってもよい。

また、前方部分 2 O Aと後方部分 2 0 Bの所定面積当たりで比べたときに、後方部分 2 0 Bでの所定面積当たりのエンボス部 2 6の数は、前方部分 2 0 Aでの所定面積当たりの前記液透過孔 2 5の数よりも少ない。すなわち、後方部分 2 0 Bでのエンボス部 2 6の密集度は、前方部分 2 O Aでの液透過孔 2 5の密集度よりも低い。

また（後方部分 2 0 Bのエンボス部 2 6の占める面積の総和） / (後方部分 2 0 Bの面積）で現される後方部分 2 0 Bでのエンボス密度は、 (前方部分 2 OAの液透過孔 25の占める面積の総和） / (前方部分 2 OAの面積）で現される前方部分 20 Aでの開孔密度よりも低い。さらに、図 1に示す実施の形態では、前方部分 2 OAにおける隣接する液透過孔 25の中心間距離の平均値よりも、後方部分 20Bにおける隣接するエンボス部 26の中間間距離の平均値の方が長くなつている。ただし、個々のエンボス部 26の面積は、個々の液透過孔 25の面積よりも大きく形成されている。

1個の前記液透過孔 25の開孔面積は 0. 2〜8mm²であり、円形の場合は直径が 0. 5~3. 2 mmである。隣接する液透過孔 25の中心間距離は 2〜 8 mmである。また前記エンボス部 26の底部 26 aの面積は 2〜： 10 mm²であり、円形の場合、直径が 1. 6〜3. 6 mm である。また、隣接するエンボス部 26の中心間の距離は 3〜 10 mm である。

前方部分 2 OAに与えられた経血を、液吸収層 4に迅速に且つまんベんなく導入するために、液透過孔 25は、前方部分 2 OAのどの位置においても同じ密集度で配置されていることが好ましく、図 1に示すように、前記液透過孔 25が規則的に均一に配置されていることが好ましい。前記前方部分 20 Aでの開孔密度の百分率は 6〜 20%である。また、前記液透過孔 25が形成されている領域の幅寸法は、縦方向中心線 Oy 一 0 yと直交する横方向へ 10 mm以上は必要である。前記範囲未満であると、膣口から排泄された経血を液吸収層 4に充分に移行させることが難しい。

一方、後方部分 20Bでは、エンボス部 26の密集度が、場所によつて相違してもよい。例えば、エンボス部 26の密集度が、後方連結圧縮溝 14に近い場所において高く、変曲部 1 I B, 1 1Bに近い位置で前記密集度は低くてもよい。図 3は、前記前方部分 2 O Aの液透過孔 2 5の閧孔状態を示し、図 4 は前記後方部分 2 0 Bのエンボス部 2 6の形成状態を示している。

図 3に示すように、前方部分 2 O Aでは、液透過孔 2 5が、表面シ一ト 3を貫通してセカンド層 5に至るように形成されており、好ましくは前記液透過孔 2 5が、表面シート 3からセカンド層 5を貫通して形成されている。また、セカンド層 5の側縁部 5 a , 5 aから外れる部分では、前記表面シ一ト 3のみに液透過孔 2 5が形成されている。

図 4に示すように、後方部分 2 0 Bでは、表面シート 3およびセカンド層 5が圧縮されて、液吸収層 4に向けて凹状となる前記エンボス部 2 6が形成されている。また、セカンド層 5の側縁部 5 a , 5 aから外れる部分では、前記表面シート 3のみが圧縮されて、ナプキン内部に向けて凹状となるエンボス部 2 6が形成されている。

前記表面シート 3は熱融着が可能な熱可塑性繊維を含んでおり、前記セカンド層 5も熱融着が可能な熱可塑性繊維を含んでいる。ここで表面シート 3及びセカンド層 5は、このような熱可塑性繊維のみで形成されたシート/層に限定されて解釈されるべきものではなく、熱可塑性繊維に加え天然繊維や再生セルロース繊維のような非熱融着性繊維を含むものであってもよい。

前記液透過孔 2 5は加熱した針またはピンにより形成される。すなわち、表面シート 3とセカンド層 5が重ねられた状態で、表面シ一ト 3からセカンド層 5側に向けて前記針またはピンを差し込んで、抜き取ることにより、端末 2 5 aが下側へ突出した形状の液透過孔 2 5が形成される。このとき、液透過孔 2 5の内面 2 5 bおよびその周囲では、表面シート 3に含まれる熱可塑性繊維と、セカンド層 5に含まれる熱可塑性繊維とが互いに融着される。これにより、液透過孔 2 5の開孔形状を維持できるとともに、セカンド層 5によって液透過孔 2 5の開孔周囲が補強される。また表面シ一ト 3とセカンド層 5 とが熱融着されるため、表面シート 3とセカンド層 5とを接着剤で接着する必要が無くなり、接着剤によって液の透過が阻害されることがない。

前記液透過孔 2 5が形成された後に、表面シート 3とセカンド層 5 とが加熱されたロール間に挟み込まれて前記エンボス部 2 6が形成される。このときセカンド層 5の表面に表面がフラットなロールが当てられ、表面シ一ト 3の表面に凸部を有するエンボスロールが当てられる。これにより、エンボス部 2 6の内面 2 6 bで、表面シート 3に含まれる熱可塑性繊維とセカンド層 5に含まれる熱可塑性繊維が互いに融着されるとともに、この内面 2 6 bの外周部分で、表面シ一ト 3とセカンド層 5 の繊維密度が高くなる。

エンボス部 2 6の底部 2 6 aでは、表面シート 3を形成する繊維とセカンド層 5を形成する繊維とが圧縮されて高密度となり、前記熱可塑性繊維が溶融して底部 2 6 aがフィルム状あるいはほぼフィルム状となる。

内面 2 6 bおよび底部 2 6 aでの熱可塑性繊維の融着により、ェンボス部 2 6の形状を維持できるようになるとともに、セカンド層 5によつて表面シート 3を補強できる。特に底部 2 6 aが高密度とされることにより、表面シート 3の耐久性を高めることができる。

前記表面シート 3は、エア一スルー不織布で形成される。このエア一スルー不織布は、芯部が酸化チタンを含んだポリエチレンテレフタレ一ト（P E T ) で、鞘部がポリエチレン（P E ) の芯鞘型複合合成繊維を用い、この繊維を熱風によって接合したものであり、目付けは 1 5〜 6 0 g /m ²程度である。また表面シート 3を構成している前記複合合成繊維のうちいくらかは親水性油剤がコーティングされたもの、残りは撥水性油剤がコーティングされたもので、これらは混合され、撥水性油剤がコ一ティングされた繊維の混合率は 1 0〜3 0質量％が好ましい。表面シート 3に撥水性油剤がコ一ティングされた繊維を前記範囲の混合率となるように均一に含ませることで、表面シート 3に与えられた経血が表面シート 3内で拡散しすぎるのを抑制でき、前方部分 2 O Aでは経血が主に液透過孔 2 5を透過して液吸収層 4に与えられるようになる。ただし、前記表面シート 3は液透過孔 2 5以外の領域でも経血をセカンド層 5に向けて透過できる。表面シ一ト 3がこのような液透過機能を発揮するためには、密度が 0 . 1 2 g / c m ³以下であることが好ましく、その下限は 0 . 0 2 5 g / c m ³程度である。

セカンド層 5は、芯部がポリプロピレン（P P ) で鞘部がポリェチレン（P E ) の断面が偏芯形状の芯鞘型複合合成繊維で形成されたエアースルー不織布で形成される。セカンド層 5のエアースル一不織布では、すべての繊維が親水性油剤でコ一ティングされている。すなわち、撥水性油剤がコ一ティングされた繊維は含まれていない。図 3と図 4に示す実施の形態では、セカンド層 5は前記エア一スル一不織布を複数枚重ねて構成されており、例えば 1枚のエアースル一不織布が 3枚重ねとなるように折り畳まれたものが使用される。 1枚のエースル一不織布の目付けは 1 5〜5 0 g /m ²程度であり、セカンド層 5の目付けは 4 5〜 1 5 0 g /m ²程度である。

セカンド層 5の目付けを表面シート 3の目付けよりも大きくすることにより、このセカンド層 5で表面シート 3を補強でき、表面シート 3 に過大な皺が生じたり液透過孔 2 5の部分から破れを生じることなどを防止できる。

例えば、表面シ一ト 3は繊度が 2 . 2 d t e xの繊維で構成され、セカンド層 5は繊度が 4 . 4 d t e xの繊維で構成されて、セカンド層 5 の繊維密度が表面シ一ト 3の繊維密度よりも低くなつている。セカンド層 5の繊維密度は 0 . 0 1 6〜0 . 0 8 g / c m³である。

なお、表面シ一ト 3とセカンド層 5は、前記エア一スルー不織布以外の不織布で形成されてもよい。例えば、表面シ一ト 3を、再生セル口一ス繊維と熱融着性の熱可塑性繊維とさらに必要であればパルプとからなるスパンレース不織布とし、セカンド層 5を、パルプと熱可塑性繊維とを空気中で積層した後にバインダ一で接合し、加熱ロール間で加圧したエア一レイド不織布としてもよい。

前記液吸収層 4は、粉碎パルプ、マーセル化パルプ、クロスリンクパルプなどのパルプの集合体に、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、無水マレイン酸などの合成吸水ポリマーや、デンプン、セルロースなどの天然系の吸収ポリマ一が含まれているものであり、パルプおよび前記合成吸水ポリマ一などが、親水性のティシュ一ぺ一パで包まれたものが使用される。

前記裏面シート 2は、液不透過性で且つ通気性のシートであり、微細な通気孔が形成されたポリエチレン（P E ) フィルム、あるいはポリプロビレン（P P ) フィルムなどである。例えば、プラスチックシートに C a C 0 ₃、 B a S 0 ₄等の無機フィラ一を混合させて延伸処理することにより、微細な通気孔がフィルムに適切に分散して形成され、通気性が向上する。フィルムは厚みが 1 5〜 5 0 m程度である。

前記セカンド層 5と液吸収層 4は、液の透過を妨げないように部分的に配されたホットメルト接着剤で接着される。また、液吸収層 4と裏面シ一ト 2もホットメルト接着剤で接着される。

この生理用ナプキン 1の製造工程では、前記のように表面シート 3とセカンド層 5を重ねて、液透過孔 2 5とエンボス部 2 6をいずれかが先となるように形成し、その後に液吸収層 4とセカンド層 5とを接着して前記圧縮溝 1 0を形成する。その後に、液吸収層 4の表面に裏面シート 2を接着する。

図 2に示すように、肌側表面の左右両側には不透液性シート 30 , 3 0が設けられている。前記ウィング部 1 A, 1 Aおよび後部フラップ 1 B, 1 Bでは、前記不透液性シート 30， 30が、裏面シート 2の上にホットメルト接着剤で接着されている。縦方向中心線 Oy— Oyから左右に等距離離れた位置で、不透液性シート 30が 2枚重ねに折り畳まれ、その内部に縦方向に延びる弾性部材 32が接着されている。前記弾性部材 32により、生理用ナプキン 1の前方部分と後方部分との間に弾性収縮力が作用して生理用ナプキン 1を湾曲させ、その結果生理用ナプキン 1の前後の中間部分で、不透液性シート 30， 30が立ち上がって防漏壁 31 , 31が形成される。

前記不透液性シ一トは、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、あるいはこれらを積層した複合不織布で形成されている。

液吸収層 4の目付けは、中央領域 20において最も大きい。内側圧縮溝 1 1 , 1 1と前方外側圧縮溝 1 5, 1 5とで挟まれた部分、内側圧縮溝 1 1 , 1 1と後方外側圧縮溝 1 6， 1 6とで挟まれた部分、および後方連結圧縮溝 14と後方連結圧縮溝 1 7とで挟まれた部分のそれそれは、目付けが前記中央領域 20よりも小さくなっている。それ以外の部分の液吸収層 4の目付けは、内側圧縮溝 1 1 , 1 1と前方外側圧縮溝 1 5 , 15とで挟まれた部分などと同等かあるいは少し小さくなつている。中央領域 20での液吸収層 4の好ましい目付けは、 400〜 1200 g/m²であり、さらに好ましくは、 500 ~ 1000 g/m²である。前記内側圧縮溝 1 1 , 1 1と前方外側圧縮溝 15 , 1 5とで挟まれた部分、内側圧縮溝 1 1 , 1 1と後方外側圧縮溝 16 , 16とで挟まれた部分、および後方連結圧縮溝 14と後方連結圧縮溝 17とで挟まれた部分のそれぞれの好ましい目付けは、 300〜900 g/m²であり、さらに好ましくは 350〜600 g/m²である。またその他の部分の液吸収層 4の好ましい目付けは、 300〜700 g/m²である。

その結果、図 2に示すように中央領域 20で厚みが大きくなり、中央領域 20では、肌側表面が着用者の身体に向けて大きく膨らんだ形状となる。

中央領域 20の縦方向の寸法、すなわち前方連結圧縮溝 12と後方連結圧縮溝 14との縦方向の間隔は、 120〜30 Omm程度である。図 2に示す横方向基準線 Ox— Ox上での中央領域 20の幅寸法、すなわち前方部分 20 Aにおいて最も狭い部分の幅寸法 W 1は、女性の性器の幅に応じて決められる。女性の股間部の幅の平均は 30 mm程度であるため、前記幅寸法 W 1は、 15〜50mmの範囲が好ましく、さらに 2 0〜40mmの範囲が好ましい。また、内側圧縮溝 1 1 , 1 1の変曲部 1 1 B , 1 1 B間の横方向の距離は、前記幅寸法 W 1よりも 10〜40 mm程度広い寸法である。また、セカンド層 5の側縁部 5 a， 5 a間の幅寸法は、前記幅寸法 W 1よりも 1〜 10 mm短い。

中央領域 20の前記後方部分 20 Bは、図 6に示す女性の臀部の溝 (Q) に入りやすい大きさであり、その長さ、すなわち変曲部 1 1 B, 1 IBから後方連結圧縮溝 14までの長さ寸法は、 60〜150 mm程度である。

この生理用ナプキン 1を着用者の身体に装着するときには、裏面シ一ト 2の外面に設けられた感圧接着剤を、図 2に示すクロッチ布 41の内面に接着し、このとき後方フラップ 1 B， 1 Bも下着の内面に接着する。またウィング部 1 A, 1 Aを、クロッチ布 41の両側縁部を巻き込むようにして、下着の外面に向けて曲げ、ウィング部 1A， 1 Aの着衣側表面に設けられた感圧接着剤をクロッチ布 41の外面に接着する。

図 6に示すように、クロッチ布 41に生理用ナプキン 1を装着した状態でこの下着を着用すると、生理用ナプキン 1の肌側表面によって、女性の股間部が恥丘（M ) から臀部の溝（Q ) の後方にかけて覆われる。図 2に示すように、内側圧縮溝 1 1と 1 1とで挟まれている中央領域 2 0は、着用者の身体に向けて膨らんでおり、他の部分よりも嵩高となつている。よって、嵩高の中央領域 2 0の前方部分 2 0 Aが、膣口（N ) に密着しやすく、好ましくは横方向基準線 O x— O xが横断する部分が膣口（N ) の中心部に密着する。また、内側圧縮溝 1 1， 1 1の変曲部 1 1 B , 1 1 Bで挟まれた幅広の部分が主に会陰部（0 ) に当てられ、中央領域 2 0の後方部分 2 0 Bが肛門（P ) から臀部の溝（Q ) に当てられる。

前記中央領域 2 0の肌側表面に位置する表面シ一ト 3は低密度のェアースル一不織布であり、その下には嵩高のエア一スルー不織布のセカンド層 5が設けられている。そのため、中央領域 2 0が着用者の身体の前記各部分に与える接触感触が軟質である。特に、前方部分 2 O Aにはエンボス部 2 6が存在していないため、膣口およびその周辺にエンボス部が当たることがなく、刺激を与えることがない。また後方部分 2 0 B に位置するエンボス部 2 6はセカンド層 5へと深く窪んでいるため、後方部分 2 0 Bにおいて、エンボス部 2 6の底部 2 6 aの高密度部分が着用者の身体に直接に当たりにくくなつている。よって、エンボス部 2 6 が、会陰部（0 ) 、肛門（P ) および臀部の溝（Q ) 内に刺激を与える可能性も低くなつている。

膣口（N ) から排泄された経血は、主に中央領域 2 0の前方部分 2 0 Aに与えられる。表面シ一ト 3は低密度の不織布であるため、経血は表面シ一ト 3内に浸透するが、表面シ一ト 3に撥水性油剤をコ一ティングした繊維が含まれているため、表面シート 3での経血の拡散は抑制される。表面シ一ト 3に与えられた経血は、表面シート 3の下に密着しているセカンド層 5に移行するが、セカンド層 5はエア一スルー不織布で内部に空隙を有しているため、経血は重力によってセカンド層 5の空隙内を通過し、その下に位置する液吸収層 4に引き付けられるようになる。しかし、前方部分 2 O Aに与えられた絰血の多くは、液透過孔 2 5内を速やかに通過して、セカンド層 5の下に密着している液吸収層 4に引き付けられるようになる。

このように、膣口（N ) から排泄される経血は、前方部分 2 O Aにおいて液吸収層 4に速やかに吸収される。ただし、就寝時の姿勢では、身体の会陰部（0 ) を超えて肛門（P ) および臀部の溝（Q ) に向けて流れようとする経血が存在する。また前方部分 2 0 Aに多量の経血が一度に与えられたときに、その一部が表面シート 3の表面を伝わって後方部分 2 0 Bに移行することがある。

前記後方部分 2 0 Bに移行した絰血は、エンボス部 2 6の周囲の高密度部分の毛細管作用により強い力で引き付けられるが、この高密度部分は、表面シ一ト 3からセカンド層 5にかけて形成されているため、経血は高密度部分を伝わって表面シ一ト 3からセカンド層 5に至り、その下の親水性の高い液吸収層 4に引き込まれて保持される。後方部分 2 0 B には液透過孔 2 5が形成されていないが、この後方部分 2 0 Bに至る経血の量は前方部分 2 0 Aに与えられる経血よりも十分に少ないため、後方部分 2 0 Bに点在するエンボス部 2 6によって後方へ流れようとする経血を充分に捉えることができる。よって、後方への経血の漏れを防止できるようになる。

ここで、前記後方部分 2 0 Bは、肛門（P ) から臀部の溝（Q ) 内にかけて密着し、臀部の動きに応じて、前記後方部分 2 0 Bには側方からの圧縮力が反復的に作用する。また就寝時の寝返りのような身体の姿勢の大きな変化によっても前記後方部分 2 0 Bに圧力が作用し、またこの圧力が変化する。しかし、エンボス部 2 6が設けられていることで、後方部分 2 0 Bでは表面シ一ト 3の耐久性が高められており、しかも表面シート 3がセカンド層 5で補強されている。したがって、後方部分 2 0 Bに大きな皺が生じたり、あるいは表面が毛羽立ったり、さちには破れが生じるという不安を解消できる。

図 5は本発明の他の実施の形態の生理用ナプキンを説明する部分平面図である。

図 5では、圧縮溝 1 1ないし 1 7および中央領域 2 0およびセカンド層 5を含む部分のみを図示している。その他の部分は図 1に示す第 1の実施の形態の生理用ナプキン 1と同じであるため、図示を省略する。また、図 5に示す圧縮溝 1 1ないし 1 7の形状および構造も図 1に示す第 1の実施の形態と同じである。

図 5に示すように（図 1の実施の形態においても説明したように）、内側圧縮溝 1 1 , 1 1、前方連結圧縮溝 1 2および後方連結圧縮溝 1 4 で囲まれている中央領域 2 0は、変曲部 1 1 B， 1 I Bを起点としてそれょりも前方が前方部分 2 0 Aであり、前記変曲部 1 1 B , 1 1 Bを起点としてそれよりも後方が後方部分 2 0 Bである。そして本実施の形態ではさらに、前方部分 2 O Aは 3つの領域、すなわち第 1の前方部分 2 0 A 1、第 1の前方部分 2 0 A 1よりも前方の第 2の前方部分 2 0 A 2、第 1の前方部分 2 0 A 1よりも後方の第 3の前方部分 2 0 A 3を有しており、ここで第 1の前方部分 2 0 A 1 と第 2の前方部分 2 O A 2の境界と第 1の前方部分 2 0 A 1 と第 3の前方部分 2 O A 3の境界は横方向基準線 O x— O xから縦方向に等距離離間している。

この生理用ナプキンでは、前記第 1の前方部分 2 0 A 1が、膣口（N ) に対向し、第 3の前方部分 2 0 A 3は、前記膣口（N ) よりも後方に対向する。本明細書では、膣口に対向する部分よりも後方に位置する中央領域 2 0の部分を中央領域 20の後方部分と定義できるため、図 5に示す実施の形態では、 2 OA 3の部分を後方部分 2 0 Bに含めることも可能である。ただし、図 5の実施例では、 2 OA 3の部分を後方部分 2 0 Bから区別し、前記のように第 3の前方部分と呼ぶ。

図 5では、中央領域 2 0内においてエンボス部 2 6を塗りつぶさない白丸で示している。ただし、液透過孔の図示は省略している。

個々の前記エンボス部 2 6は全て同じ面積で形成されているが、その密集度、すなわち単位面積あたりのエンボス部 2 6の数は、膣口に当たる第 1の前方部分 2 O A 1で低く、後方部分 20 Bと第 2の前方部分 2 0 A 2と第 3の前方部分 20 A 3において高くなつている。

また、（第 1の前方部分 2 OA 1のエンボス部 2 6の占める面積の総和） / (第 1の前方部分 2 OA 1の面積）をエンボス密度 A 1、（第 2 の前方部分 2 0 A 2のエンボス部 2 6の占める面積の総和） / (第 2の前方部分 2 O A 2の面積）をエンボス密度 A 2、（第 3の前方部分 2 0 A 3のエンボス部 2 6の占める面積の総和） / (第 3の前方部分 2 O A 3の面積）をエンボス密度 A 3とし、（後方部分 20 Bのエンボス部 2 6の占める面積の総和） / (後方部分 2 0 Bの'面積）をエンボス密度 B とすると、エンボス密度 A 1は、エンボス密度 A 2 , A 3およびェンボス密度 Bのいずれよりも低い。またこの実施の形態では、エンボス密度 A 2とエンボス密度 A 3とエンボス密度 Bがほぼ等しい。エンボス密度 A 1は、エンボス密度 A 2， A 3およびエンボス密度 Bの 1/5以下であり、さらに好ましくは 1/1 0以下である。

したがって、（前方部分 2 O Aのエンボス部 2 6の占める面積の総和） / (前方部分 2 O Aの面面積）で現されるエンボス密度は、（後方部分 2 0 Bのエンボス部 2 6の占める面積の総和） / (後方部分 2 0 B の面積）で現されるエンボス密度よりも低く、前者のエンボス密度は後者のエンボス密度の 1/5以下であり、さらに好ましくほ 1/10以下である。

なお、図 5に示す実施の形態では、内側圧縮溝 1 1, 1 1の変曲部 1 1 B , 1 1 Bよりも後方において、後方傾斜部 1 1 D, 1 1 Dの内側に短圧縮溝 18, 18が形成されている。この短圧縮溝 18, 18は、前記各圧縮溝 1 1ないし 17と同様に、表面シート 3と液吸収層 4とが圧縮されて高密度圧縮部と中密度圧縮部とが交互に形成されたものであ ο

このように後方部分 20 Bには、ドヅト状のエンボス部 26の他に前記短圧縮部 18， 18が存在しているが、前記ドット状のエンボス部 2 6のエンボス密度の定義においては、前記短圧縮部の面積はエンボス部 26の占める面積の総和には含めない。

図 5に示すエンボス部 2 6の配置パターンを有する生理用ナプキンとしては、以下に示す第 2の実施の形態と第 3の実施の形態を構成できる。

第 2の実施の形態では、前記中央領域 20を被覆する表面シート 3が図 1に示す第 1の実施の形態と同じ不織布で形成されており、図 3に示したのと同様に、表面シート 3とセカンド層 5とを貫通する液透過孔 2 5が形成されている。この液透過孔 25は、図 1と同様に前方部分 20 Aの全域に分布していてもよいし、第 1の前方部分 20A 1と第 2の前方部分 20 A 2に均一に分布していてもよい。さらに第 2の実施の形態では、前記液透過孔 25が後方部分 20 Bに形成されていてもよい。ただし、（前方部分 2 OAの液透過孔 25の開孔面積の総和） / (前方部分 2 OAの面積）で現される開孔密度が、（後方部分 20Bの液透過孔 25の開孔面積の総和） / (後方部分 20 Bの面積）の開孔密度よりも高くなつている。また、（後方部分 20Bの前記エンボス部 26の占める面積の総和） / (後方部分 2 0 Bの面積）で現されるエンボス密度が、（前方部分 2 O Aの前記エンボス部 2 6の占める面積の総和） / (前方部分 2 O Aの面積）のエンボス密度よりも高くなつている。

これは、図 5において 2 0 A 1の範囲と 2 0 A 2の範囲を前方部分と定義し、 2 0 A 3の範囲と 2 0 Bの範囲を後方部分と定義したときも同じである。

このように、前方部分 2 O Aでは、液透過孔 2 5が多く存在しているため、前方部分 2 O Aの特に第 1の前方部分 2 O A 1では、経血が液透過孔 2 5を自重で通過して速やかに液吸収層 4に移行できる。また前方部分 2 0 Aの特に第 1の前方部分 2 0 A 1ではエンボス部 2 6が少ないため、エンボス部 2 6が膣口に当たる確率が低くなる。

一方、後方部分 2 0 Bでは、エンボス部 2 6が多く存在するため、後方部分 2 0 Bが臀部の溝内に入って着用者の身体から圧力や摩擦力を受けたときに、後方部分 2 0 Bに位置する表面シ一ト 3に毛羽立ちや液透過孔 2 5からの破断が生じるのを防止できる。

また、図 5に示すように、エンボス部 2 6の数が少なく、液透過孔 2 5が支配的に存在している第 1の前方部分 2 O A 1の前後に位置する第 2の前方部分 2 0 A 2と第 3の前方部分 2 0 A 3においてエンボス部 2 6の密集度が高くなつているため、表面シートが第 1の前方部分 2 0 A 1の前後で補強されることになり、第 1の前方部分 2 0 A 1において表面シートに過大な皺などが発生し、あるいは液透過孔 2 5をきつかけとして破断が生じるのを防止できるようになる。

本発明の第 3の実施の形態では、図 5に示す中央領域 2 0を被覆する表面シートが、液透過孔を有する樹脂フィルムで形成されている。

前記樹脂フィルムは、例えば酸化チタンを含んで白濁したポリエチレンフィルムであり厚みが 1 5〜 5 0 z m程度である。軟化状態の樹脂フイルムを多数の開孔を有するドラム表面に供給し、ドラムの内側からェァ一を吸引することにより多数の液透過孔を形成できる。個々の前記液透過孔は円形、長円形である。あるいは樹脂フィルムが網構造であって、網目の部分が液透過孔として機能するものでもよい。個々の液透過孔の平均開孔寸法は 0 . 2〜 2 m mであり、液透過孔の開孔密度は 1 0〜3 0 %であることが好ましい。

図 5において、多数の液透過孔を有する前記樹脂フィルムが表面シ一ト 3として用いられ中央領域 2 0 (及び他の領域）を被覆した場合、中央領域 2 0の全域において液透過孔が均一に分散して設けられることになる。

この場合に、図 5に示すエンボス部 2 6では、前記樹脂フィルムとその下に位置するセカンド層とが一緒に加熱されて加圧されて、エンボス部 2 6において、樹脂フィルムの表面シート 3とセカンド層 5とが一体化されている。またエンボス部 2 6においてセカンド層 5の繊維密度が高くなつている。

この第 3の実施の形態においても、前方部分 2 O Aでは、経血が樹脂フィルムに形成された液透過孔を透過しセカンド層 5の繊維間を自重で通過して速やかに液吸収層 4に移行させることができる。また前方部分 2 0 Aの特に第 1の前方部分 2 0 A 1ではエンボス部 2 6が少ないため、エンボス部 2 6が膣口に当たる確率が低くなる。

後方部分 2 0 Bにおいても表面シ一ト 3に形成された液透過孔を経て経血が液吸収層 4に速やかに移行できるが、これと共に多数存在しているエンボス部 2 6においてセカンド層 5の繊維密度が高い部分に経血が強い力で引き付けられる。また、後方部分 2 0 Bでは多く存在するエンボス部 2 6によって表面シート 3とセカンド層 5 とが接合されているため、臀部の溝内に入った後方部分 2 0 Bが着用者の身体から圧力や摩擦力を受けたときに、樹脂フィルムで形成された表面シート 3に過大な皺が発生するのを防止できる。

また、樹脂フィルムの表面シート 3とセカンド層 5はホットメルト接着剤で接着されて密着度が高められているが、エンボス部 2 6において表面シ一ト 3とセカンド層 5とが接合されているため、前記ホットメルト接着剤の塗工量を少なくでき、よって表面シ一ト 3からセカンド層 5 への液の透過がホットメルト接着剤により阻害されるおそれが少なくなる。

本発明をその実施例に関して図示及び説明したが、前述のそしてその他の様々な変更、省略、追加が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく成し得ることは当業者には当然理解されよう。例えば、前方連結圧縮溝 1 2、後方連結圧縮溝 1 4が設けられておらず、左右の内側圧縮溝 1 1と 1 1が互いに独立しているものであってもよい。よって本発明は、ここに述べた特定の実施例に限定されるものと理解さるべきではなく、添付のクレームに記載の特徴に関し、それの取り巻く範囲内及び均等な範囲内において具体化され得る全ての可能な実施の形態を包含するものである。産業上の利用の可能性

以上のように本発明では、圧縮溝で挟まれた縦長の中央領域によって経血を確実に捉えることができ、後方への経血の移行を有効に防止できる。また中央領域の表面シートの耐久性を高めることができ、着用者の身体から受ける力により過大な皺が生じたり、破れが生じる不安を解消できる。

Claims

請求の範囲

1. 肌側表面と着衣側表面とを有し、肌側表面に位置する液透過性の表面シート（3) と、着衣側表面に位置する裏面シート（2) と、前記表面シート（3)と前記裏面シート（2)との間に位置する液吸収層（4) を備えた縦長の吸収性物品において、

表面シート（3) と共に液吸収層（4) が圧縮されている圧縮溝（ 1 1) が吸収性物品の縦方向中心線（Oy— Oy) に関して対称に延びるよう配置され、その間に縦長の中央領域（20) が形成され、前記中央領域（20) は前方部分（2 OA) と後方部分（20B) からなり、前記中央領域（20) では、表面シ一ト（3) を形成する不織布に、少なくとも前記表面シート（3) を貫通する液透過孔（25) と、少なくとも前記表面シ一ト（ 3 )が圧縮されたドット状のエンボス部（26) が形成されており、

(前方部分（ 20 A)の液透過孔（25)の占める面積の総和） / (前方部分（ 20 A)の面積）で現される開孔密度が、（後方部分（ 20 B) の液透過孔（25) の占める面積の総和） / (後方部分（20B) の面積）の閧孔密度よりも高く、（後方部分（20B)のエンボス部（26) の占める面積の総和） / (後方部分（ 20 B) の面積）で現されるェンボス密度が、（前方部分（2 OA) のエンボス部（26) の占める面積の総和） / (前方部分（20A) の面積）のエンボス密度よりも高いものである吸収性物品。

2. 前記表面シ一ト（ 3 )は熱融着性繊維を含み、前記表面シート（ 3 ) の下には、熱融着性繊維を含むセカンド層（5) が設けられており、前記液透過孔（25) は、前記表面シート（3) から前記セカンド層（5) にかけて形成されて、前記液透過孔（25) の内面（25 b) で表面シ —ト（3) とセカンド層（5) とが融着されており、前記エンボス部（2 6) では、前記表面シート（3) と前記セカンド層（5) がー緒に圧縮され、且つ融着されている請求項 1記載の縦長の吸収性物品。

3. 前記セカンド層（5) の目付けが、前記表面シート（3) の目付けよりも大きい請求項 2記載の縦長の吸収性物品。

4. 前記前方部分（ 20 A) には、前記液透過孔（25) が形成されているが、前記エンボス部（26) は形成されていない請求項 1記載の縦長の吸収性物品。

5. 前記後方部分（ 20 B) で隣接する前記エンボス部（ 26 ) の中心間距離の平均値が、前記前方部分（2 OA) で隣接する前記液透過孔 (25)の中心間距離の平均値よりも大きい請求項 4記載の縦長の吸収性物品。

6. 肌側表面と着衣側表面とを有し、肌側表面に位置する液透過性の表面シート（3) と、着衣側表面に位置する裏面シート（2) と、前記表面シ一ト（3 )と前記裏面シ一ト（2)との間に位置する液吸収層（4) を備えた縦長の吸収性物品において、

表面シ一ト（3) と共に液吸収層（4) が圧縮されている圧縮溝（ 1 1) が吸収性物品の縦方向中心線（Oy— Oy) に関して対称に延びるよう配置され、その間に縦長の中央領域（20) が形成され、前記中央領域（20) は前方部分（2 OA) と後方部分（20B) からなり、前記中央領域（20) の全域にわたり、液透過孔（25) が表面シ一ト（3) に均一に分布し、前記表面シート（3) が圧縮されたドット状のエンボス部（ 26 ) が、（後方部分（20B) のエンボス部（26) の占める面積の総和） / (後方部分（ 20 B) の面積）で現されるェンボス密度が、（前方部分（2 OA) のエンボス部（26 ) の占める面積の総和） / (前方部分（ 20 A) の面積）のエンボス密度よりも高くなるよう前記中央領域（20) に配置されているものである吸収性物品。

7. 前記表面シート（3) は、液透過孔（25) が形成された樹脂フィルムである請求項 6記載の縦長の吸収性物品。

8. 前記表面シート（3) の下には、熱融着性繊維を含むセカンド層 ( 5 ) が設けられており、前記エンボス部（26) では、前記表面シート（3) と前記セカンド層（5) がー緒に圧縮され、融着されている請求項 7記載の縦長の吸収性物品。

9. 前記前方部分（2 OA) には前記エンボス部（26) が形成されていない請求項 6記載の縦長の吸収性物品。

10. 前記前方部分（ 20 A) は、着用者の膣口に対向する領域であり、前記後方部分（20B) は、前記膣口から外れた後方部分に対向する領域である請求項 1または 6に記載の縦長の吸収性物品。