WO2004013003A1 - 包装用容器およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

この発明に係る包装用容器は、合成樹脂製の薄いシートにより成形されている。包装用容器１，１８の開口部の外周縁は、外方へ張り出したフランジ１１を有する。そしてこのフランジ１１の外周縁１１ａは、上下方向または内外方向にうねり形状が付けられている。　フランジの外周縁１１ａにうねり形状を付けると、外周縁１１ａが手指や包装フィルムに接触した際、接触状態を和らげることができる。それにより、手指が傷ついたり、包装フィルムが破れたりすることがない。

Description

明 細 書

包装用容器およびその製造方法 発明の属する技術分野

この発明は、包装用容器およびその製造方法に関する。特に、この発明は、包装用 容器の開口部周縁に関する。 従来技術の説明

合成樹脂製の包装用容器のうち、たとえば、シート成形により形成され、内部に収容 部が形成される容器は、近年省スペース化の要請が強くなつてレ、る。このため、発泡シ ートの成形品から、薄手の合成樹脂製シートの成形品へと需要が変化してきている。 薄手のシート成形品は、合成樹脂製シートが容器形状に成形された後、その容器形状 の周縁が裁断されて製品となる。一般的な容器形状としては、広口開口を有する容器 形状が挙げられる。この形状では、底面板と、底面板周囲力 立上がった周側面板と、 周側面板の上縁から外方向に張り出した開口周縁とを備えてレ、る。

また、容器に被せる蓋も、薄い合成樹脂製シートが蓋形状に成形されて製造される。 蓋の中には、見栄えを良くするために複雑な形状に成形されるものもあるが、容器に 被せられたときに、容器の周側壁の上縁および開口周縁に係合し得るように、蓋の開 口部は、外方向、斜め下方向または下方向へ張り出した開口周縁を備えている。 ところで、薄レヽ合成樹脂製のシートにより 形された容器や蓋は、上記開口周縁が裁 断されてシートから切り離される。このため、開口周縁は、容器および蓋の輪郭に沿つ て直線状および/または滑らかな曲線状に延びてレ、る。

このため、容器輪郭に沿って延びる開口周縁が、材料であるシートが薄レ、ことと相挨 つて、容器や蓋を取り扱う際に、取り扱う人の手や指を傷つける虞れがあるという問題 があった。

また、カかる容器に物品を収容して包装用フィルムでラッピングする際に、包装用フィ ルムが、開口端縁に擦れて切れるということもあった。このため、包装用フィルムのラッ ビングに手間力 Sかかるという問題力 ¾つた。 発明の概要

そこでこの発明は、上記従来技術の課題を解消して、開口周縁の構造を改良した、 安全で极レ、易レ、包装用容器およびその製造方法を提供することを主たる目的とする。 この発明の包装用容器は、容器開口部の周縁が裁断された包装用容器であって、裁 断された開口周縁が、直線状に延びておらず、長さ方向に細かくうねって！/ヽることを特 徴とするものである。

裁断された開口周縁が長さ方向に細力べうねっていると、薄手の合成樹脂製シートに より形成された容器であっても、肉厚の薄レ、周縁が直線状に延びて ヽる場合に比べて 鋭利性が低下する。よって、開口周縁に手や指等が擦れた場合でも、手や指等を傷つ けるおそれがなくなる。

また、開口周縁に包装フィルムが張設されるとき、包装フィルムが開口周縁に擦れて 破れる等の不具合もなくなる。 図面の簡単な説明

図 1は、この発明の一実施形態に係る包装用容器本体の斜視図である。

図 2は、上記包装用容器本体の A部の拡大図である。

図 3は、他の実施形態としての包装用容器の要部拡大図である。

図 4は、さらに他の実施形態としての包装用容器の要部拡大図である。

図 5は、容器本体または容器蓋の図解的な平面図であり、うねり形状を施すべき周縁 を説明するための図である。

図 6は、容器本体と蓋とがつながった包装用容器の図解的な平面図であり、うねり形 状を施すべき周縁の位置を説明するための図である。

図 7は、容器本体の形状例を示し、うねり形状を施すべき位匱を示す図である。

図 8は、容器蓋の形状例を示し、うねり形状を施すべき位置を示す図である。

図 9は、シート成形用の金型の一例を示す斜視図である。

図 10は、トムソン刃による裁断状態を示す正面図である。 . · . . 好ましい実施形態の説明

図 1は、この発明の一実施形態に係る包装用容器の斜視図である。図 2は、図 1の A 部分の部分拡大斜視図、平面図および正面図である。

この実施形態では、包装用容器として、容器本体 1を取り上げて説明する。容器本体 1は、底板 20と、底板 20の周囲力も斜め外方へ立上がった周側枠 (周側板） 10を有す る。底板 20はたとえば四隅が丸まった略長方形である。よって、容器本体 1は、全体の 形状が、長方形の深皿形状をしている。そして、周側枠 10の上端は、容器本体 1の開 口を区画している。周側枠 10の上端には、外方へ張り出したフランジ 11が形成されて いる。フランジ 11は、周側枠 10の上端を取り囲む、すなわち容器開口を取り囲む周状 フランジとなっている。フランジ 11は、容器開口に対し、内外方向への強度を保持する 作用を果たしている。

フランジ 11の外周縁 11aは、細かくうねっている。図示の実施例では、フランジ外周 縁 11aは、水平方向に見て細力べ波うつたうねり形状となっている。この場合において、 うねり形状 (波形形状）の山谷の差 dは、 0. 5mm以下となっている。また、うねり形状 (波形形状）のピッチ（山と山との間隔または谷と谷との間隔) pは lmm程度になってレヽ る。

ところで、この山谷の差 dは、 0. 2〜1. Ommの範囲であればよぐ 0. 5mm以下であ ることが好ましレ、。また、ピッチ pは、 0. 5〜5. Ommの範囲であればよぐ 1. Omm程 度であることが好ましい。

うねり形状を上述の数値範囲にすることによって、フランジ外周縁 11 aによって、手指 が傷つレ、たり、包装フィルムが切断されたりすることを防止できる。

図 3は、容器本体 1の周側枠 10の上端から外方へ張り出したフランジ 11の他の形状 を示す部分斜視図、平面図および正面図である。図 3に示す実施形態では、フランジ 11全体が、.開口周縁に沿って上下に細力べうねっている。それにより、フランジ外周縁 11aは、平面視ではほぼ真っ直ぐであるが、横力 見ると (水平方向に見ると)、横方向 に延びる（水平方向に延びる）周縁 11aが、上下に細かくうねった形状になってレ、る。こ のうねりの山谷の差 dは、先の実施例と同様、 0. 2〜1. Ommの範囲とされており、また、 うねりのピッチ（山と山との間隔または谷と谷との間隔) Pは、 0. 5〜5. Omrrjの範囲にさ れている。

フランジ外周縁 11aのうねりの方向を、先の実施例のように、平面視で見てうねってい る、水平方向のうねりとしてもよいし、また、この実施形態のように、横方向（水平方向） に見て、上下方向にうねっている形状であってもよい。

あるいは、先の実施例とこの実施例とを組み合わせて、フランジ外周縁 11 aのうねり 力 横方向（水平方向）および縦方向 (垂直方向）の両方にうねってレヽる複合的なうねり であってもよい。

いずれにしろ、フランジ外周縁 11aが細かくうねっていることにより、周縁 11aが、薄い 樹脂製シートが裁断された直線状のエッジとならず、波打つように細かくうねったエッジ となるので、当該細かくうねったエッジは、人の手指を傷つけたり、包装フイノレムに接触 して包装フィルムを切断するとレ、うことがな！/、。

図 4は、この発明のさらに他の実施形態に係るフランジ 11およびその外周緣 11aの 構成を示す部分拡大図である。

図 4 (A)に示すように、フランジ 11全体に対して、細かな凸凹が形成されている。す なわち、フランジ 11の上面側に突出した多数の小突起 12と、フランジ 11の裏面側に 窪んだ多数の小さな窪み 13とが、規則的に形成されている。そして、力かるフランジ 1 1が裁断されることによって、その外周縁 11aは、図 4 (B)に示すように、フランジ 11に 形成された多数の小突起 12と、多数の小さな窪み 13とを横断した裁断線によって形 成された上下方向にうねつたエッジとなつてレヽる。

この実施形態の場合も、フランジ外周縁 11aは、直線状ではなぐうねっているから、 手指や包装フイノレムに対する接触の鋭利度が低下する。

以上の実施形態では、容器本体 1の開口周縁をうねり形状にしたものを説明した。し かし、この発明は、容器本体 1だけではなく、この容器本体 1に被せる蓋の開口周縁に 対しても適用することができる。すなわち、合成樹脂製の薄いシートを用いて成形され る包装用容器、特に、食品等を納める包装用容器は、容器本体だけが作られるわけで はなぐその容器本体に嵌め合わせる蓋も作られる。そして蓋も、容器本体と同様、開 口周縁はシートが裁断されて形成される。そこで蓋の開口周縁に対しても、うねり形状 を形成することによって、開口周縁の当たりを鋭利な当たりから柔らかな当りに変えるこ と力 Sできる。 ' - 図 5は、容器本体 1または蓋 18の平面視の図解図であり、フランジ 11がクロスハッチ ングで示されている。このフランジ 11の周縁 11aに対して、上述したうねり形状のいず れかを施せばよい。また、フランジ 11から、容器本体に蓋を嵌合させたり、その嵌合さ せた蓋を開けるときにつまむ操作用の耳 15が突設されている場合には、この耳 15の 外周縁にも、うねり形状を付けるのが好ましレ、。

また、図 6に示すように、容器本体 1と蓋 18とが接続部 16で折り畳み可能につながつ てレ、る場合には、この接続部 16の外縁を除いた、容器本体 1のフランジ 11の外周縁お よび蓋 18のフランジ 11の外周縁に、うねり形状がつけられていればよい。

また、操作用の耳 15が突出していれば、その耳 15の外周縁にも、うねり形状が形成 されているのが好ましい。

図 5および図 6を参照した説明では、容器本体 1のフランジ 11の外周縁および蓋 18 のフランジ 11の外周縁のほぼ全域に、うねり形状が施されている例を示した力 フラン ジ 11の外周縁全域ではなぐ外周縁の任意の範囲にだけ、うねり形状が付けられてい てちよレ、。

以上の説明では、容器本体や蓋の開口部に、外側へ張り出したフランジが存在する 場合を例にとって説明したが、容器本体や蓋の開口周縁に、フランジが存在しない場 合であっても、開口周縁に対して、うねり形状を形成すればよい。

図 7に、容器本体の縦断面の図解図を 3種類を示す。図 7 (A)のように、開口周囲に フランジ 11が備えられている場合は、その外周縁に（図 7 (A)における T1の部分に）、 図 7 (B)に示す容器形状の場合は、 T2で示す外周縁に、図 7 (C)の場合は、 T3で示 す外周縁に、それぞれ、うねり形状を付ければよい。

また、図 8は、蓋の形状例を示す図解的な縦断面図である。図 8 (A)の場合、蓋のフ ランジの外周縁 T4部分に、図 8 (B)の場合は、下方を向いた開口周縁 T5に、うねり形 状を付ければよい。

次に、図 3を参照して説明した容器本体 1の製造方法について、図 9， 10を参照して 説明をする。

容器本体 1は、合成樹脂材料にて形成された原反シートが成形用金型 P1上に供給 され、金型形状によっててシートが変形された後、抜き型へ移行されて、たとえばトムソ ン刃を具備する裁断機によって、成形された容器が裁断されて原反シートから分離さ れる。

成形用金型 P1の一例を、図 9に示す。成形用金型 P1は、少なくともフランジ 11を成 形する部分が、上下方向に細かく波形にうねったうねり形状 Wに形成されている。この 金型 PIを用いて成形することにより、容器本体 1のフランジ 11を、上下方向の波形に 形成することができる。

図 10は、シートが容器形状に成形された後の抜き型 P2による裁断例を示している。 この裁断例では、トムソン刃 Cを用いた例が示されている。トムソン刃 Cの刃先が紙面に 直交方向に波形に形成されてレヽる。このようなトムソン刃 Cを使用することにより、フラン ジの周縁を、上下方向に加えて左右方向にも波形状にうねらせることができる。

なお、図 3および図 4に示す実施形態のように、フランジに対して、上下方向のうねり を形成しておけば、トムソン刃 C等の裁断刃の刃先が直線状のものを用いても、裁断さ れたフランジ外周縁は、平面視では直線状であるが、横方向（水平方向）に見たときに、 上下方向にうねっている。よって、予め、フランジに上下方向のうねりを付けておくこと で、直線の裁断刃を使用できて、製造が容易になる。

なお、包装用容器の開口周縁を裁断する場合には、雰囲気温度が 15°C〜55°Cの 範囲内で行うのが望ましい。成形品の温度が 15°C以下の場合、成形品に割れが発生 して不良品となりやすぐ逆に、成形品の温度が 55°C以上の高温になると、成形品が 柔ら力べなり変形が生じる虞れがある力 である。

本発明の実施形態にっレ、て詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を 明らかにするために用いられた具体例にすぎず、本発明はこれらの具体例に限定して 解釈されるべきではなぐ本発明の精神および範囲は添付の請求の範囲によってのみ 限定される。

この出願は、 2002年 8月 2曰に曰本国'待許斤に提出さ た特願 2002— 226431号 および 2003年 4月 7日に日本国特許庁に提出された特願 2003— 103250号に対応 しており、この出願の全開示はこの出願に引用により組み込まれるものである。

Claims

フ 請求の範囲

1.合成樹脂製シートにより所定の形状に成形された包装用容器であって、当該包装 用容器の開口部の周縁にうねり形状が付けられてレ、ることを特徴とする包装用容器。 2.上記うねり形状は、山谷の差が、 0.

2〜1. Ommの範囲であり、ピッチ（山と山との 間隔または谷と谷との間隔)が 0. 5〜5. Ommの範囲であることを特徴とする、請求項 1記載の包装用容器。

3.上記うねり形状は、山谷の差が 0. 5mm以下であり、ピッチ（山と山または谷と谷と の間隔)力 SI . Omm以下であることを特徴とする、請求項 2記載の包装用容器。

4.上記うねり形状は、包装用容器の開口部の外周に存在するフランジ全体に対して 細力な凸凹が形成され、その凸凹が形成されたフランジの外周が裁断されることにより、 外周縁にうねり形状が付レヽてレ、ることを特徴とする、請求項:!〜 3のレ、ずれかに記載の 包装用容器。

5.合成樹脂製の包装用容器の製造方法であって、合成樹脂製のシートを金型によつ て所定の形状に成形する際に、容器開口部から外方へ突出する部分に対して、上下 方向にうねり形状を付ける金型を用レ、て成形するステップと、

上記ステップで成形されたシート成形品を抜き型に移し、刃先が直線状、または、刃 渡り方向に刃先力 ¾ねった裁断刃を用いて、シート成形品の上記開口部周縁を裁断す るステップとを含むことを特徴とする、包装用容器の製造方法。

6.上記裁断刃を用いて裁断するステップは、雰囲気温度が 15°C〜55°Cの範囲内に おいて行われることを特徴とする、請求項 5記載の包装用容器の製造方法。